JP2012131876A - ゴム組成物及びそれを用いたタイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】低発熱性に優れ、貯蔵弾性率(G’)の高いゴム組成物および転がり抵抗が小さい低発熱性、耐摩耗性に優れたタイヤ。
【解決手段】天然ゴム及び合成ジエン系ゴムの少なくとも1方のゴムからなるゴム成分(A)100質量部に対して、1千〜30万の重量平均分子量(ゲル透過クロマトグラフィーによるポリスチレン換算)を有する低分子量芳香族ビニル化合物−ジエン化合物共重合体(B)を5〜120質量部を含んでなり、前記共重合体(B)が0〜80質量%の芳香族ビニル化合物からなり、ジエン化合物の部分のビニル結合量が0〜80質量%であって、その末端に架橋性官能基を少なくとも1つ有する共重合体であるゴム組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、低発熱性、耐久性及び加工性に優れたゴム組成物に関し、さらに詳しくはゴム成分として末端架橋性官能基を有する低分子量合成ゴムを含有するゴム組成物およびそれを用いたタイヤに関する。
近年、省エネルギーの社会的な要請及び環境問題への関心の高まりに伴う世界的な二酸化炭素排出規制の動きに関連して、自動車の低燃費化に対する要求はより過酷なものとなりつつある。このような要求に対応するため、タイヤ性能についても転がり抵抗を減らした低発熱性のタイヤが求められてきている。タイヤの転がり抵抗を下げる手法としては、ゴム組成物としてより発熱性の低い材料を用いることが最も一般的な手法として行われている。
従来、ゴムの低発熱化技術としては、低ロス化剤の添加やポリマー変性による補強充填剤として添加するカーボンブラックの分散性の向上や充填剤にシリカを使用するなどが数多く検討されている。
ゴム成分を改良する方法として、カーボンブラックやシリカなどの充填剤と相互作用する変性ゴムの技術開発が多くなされてきた(特許文献1)が、シリカやカーボンブラックを配合したゴム組成物における変性効果は必ずしも充分なものが得られていない。また、耐摩耗性の向上のため、低分子量の液状スチレン−ブタジエンゴムを使用することが行われている(特許文献2、3)。さらに、貯蔵弾性率を改良する技術には、ポリエチリングリコールポリマレエート(PEGM)配合がある(特許文献4)。
特公平6−57767号公報 特開平1−197541号公報 特開2005−298804号公報 特開2003−176378号公報
本発明は、加工性を損なうことなく、低発熱性(損失係数tanδが小さい)に優れ、貯蔵弾性率(G’)の高いゴム組成物およびこのようなゴム組成物を部材として用いた転がり抵抗が小さい低発熱性、耐摩耗性に優れたタイヤを提供することを目的とするものである。
本発明は、天然ゴム及び合成ジエン系ゴムの少なくとも1方のゴムからなるゴム成分(A)100質量部に対して、1千〜30万の重量平均分子量(ゲル透過クロマトグラフィーによるポリスチレン換算)を有する低分子量芳香族ビニル化合物−ジエン化合物共重合体で、末端に架橋性官能基を有する共重合体(B)5〜120質量部を含んでなり、前記共重合体(B)が0〜80質量%の芳香族ビニル化合物からなり、ジエン化合物の部分のビニル結合量が0〜80質量%であるゴム組成物及びかかるゴム組成物を用いたタイヤに係るものである。
末端に架橋性官能基を有する共重合体は、特定の官能性アニオン重合開始剤を選択することによって、ポリマー鎖の先端に官能性を有するポリマー生成物を得、さらに、官能性化合物でリビング・ポリマーを停止することによって、アニオン重合したポリマーの末端に官能基が付いた共重合体を得ることができる。
官能基を有する共重合体の官能基が、重合体の遊離端の数を減らし、また官能基と充填剤粒子との相互作用によって、充填剤の凝集が抑えられ、それによって、充填剤の凝集体の分離を原因とするtanδの悪化が抑えられる。
官能基として、充填剤として用いられるカーボンブラックやシリカに対して親和性を有する官能基が好ましく、そのような官能基として硫黄を含有する官能基が挙げられる。
本発明によれば、低分子量芳香族ビニル化合物−ジエン化合物共重合体でどちらか一方及び両方の末端に架橋性官能基を有する共重合体を配合することにより、ゴム組成物の作業性を損なうことなく、損失係数、貯蔵弾性率(G’)を著しく改良でき、これをタイヤ部材に用いる時、低発熱性、耐久性に優れた低燃費のタイヤが得られ、省エネルギーに大きく寄与することができる。
(1)ゴム組成物
ゴム成分(A)100質量部に対して、所定の低分子量の共重合体(B)5〜60質量部を含んでなる。
(2)ゴム成分(A)
天然ゴム及び合成ジエン系ゴムのうち少なくとも1方のゴムからなる。各種のものが適用可能であるが、乳化重合又は溶液重合によるものが好ましい。また、耐摩耗性、耐熱性等の点で、ガラス転移温度Tgが−60℃以上のものが好ましい。
合成ジエン系ゴムとしては、シス−1,4−ポリイソプレン、スチレン−ブタジエン共重合体(SBR)、低シス−1,4−ポリブタジエン、高シス−1,4−ポリブタジエン、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体、クロロプレン、ハロゲン化ブチルゴム、アクリロニリトル−ブタジエンゴム等を例示でき、天然ゴム及び合成ジエン系ゴムは、単独使用のみならず混合して使用することができる。
好ましいゴム成分(A)は、天然ゴム、シス−1,4−ポリイソプレン、SBR、ポリブタジエンの少なくとも1種である。好ましくは、ゴム成分(A)は、30万〜150万の重量平均分子量のスチレン−ブタジエン共重合体もしくはブタジエン重合体(A1)を15質量%以上含有する。そして、好ましくは、共重合体(A1)は0〜60質量%の芳香族ビニル化合物からなり、ジエン化合物の部分のビニル結合量が10〜80質量%である。
かかるゴム成分(A)は、所定の範囲内において、相溶性を確保でき、G’及びtanδが安定して向上する。
具体的には、共重合体(A1)は0質量%以上の芳香族ビニル化合物からなる乳化重合スチレン−ブタジエン共重合体もしくはブタジエン重合体、又は0質量%以上の芳香族ビニル化合物からなり、ジエン化合物の部分のビニル結合量が10質量%以上である溶液重合スチレン−ブタジエン共重合体もしくはブタジエン重合体が好ましい。
なお、ゴム成分(A)中、(A1)が50質量%以上含まれていると、所定の低分子量共重合体(B)の組み合わせによる改良効果が明確になる点で好ましい。
(3)末端に架橋性官能基を有する低分子量芳香族ビニル化合物−ジエン化合物共重合体(B)
単量体である芳香族ビニル化合物とジエン化合物とが共重合した化合物で、末端に架橋性官能基を有する共重合体であり、1千〜30万の重量平均分子量(ゲル透過クロマトグラフィーによるポリスチレン換算)を有する。共重合体(B)は、0〜80質量%、好ましくは0〜60質量%、より好ましくは0〜50質量%の芳香族ビニル化合物からなり、ジエン化合物の部分のビニル結合量が0〜80質量%、好ましくは0〜60質量%、より好ましくは0〜50質量%である。また、好ましくは、共重合体(A1)と共重合体(B)の芳香族ビニル化合物の含量の差は30質量%以下である。芳香族ビニル化合物の含量の差が30質量%を超えると、相溶性が低下し易く、十分な破壊強度が得られない可能性がある。
共重合体(B)は、1千〜30万、好ましくは1千〜20万、さらに好ましくは1千〜15万、特に好ましくは1千〜10万の重量平均分子量を有する。より高分子量のものが貯蔵弾性率及び損失係数に優れるが、20万以上では作業性が低下する。また、分子量分布は狭いのが好ましく、Mw/Mnが5.0以下が好ましい。広いとtanδに劣る傾向がある。
80質量%を超える芳香族ビニル化合物、及び80質量%を超えるビニル結合量のジエン化合物からなる共重合体は、いずれも、所望の作業性、貯蔵弾性率及びtanδの両立向上が不十分である。なお、ここに規定するビニル結合量は、ジエン化合物由来の構成単位中のビニル結合の量を示し、シス結合及びトランス結合で表される他の結合を含むすべての結合の量に占めるビニル結合の量の割合を示す。
低分子量共重合体(B)は、ゴム成分(A)100質量部に対して5〜120質量部、好ましくは5〜80質量部、さらに好ましくは5〜60質量部使用する。
芳香族ビニル化合物としては、スチレン、p−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、α−メチルスチレン、クロロメチルスチレン、ビニルトルエン等が挙げられる。好ましいくは、スチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレンが挙げられる。特に、スチレンが好ましい。
ジエン化合物としては、ブタジエン、イソプレン、ペンタジエン、2,3−ジメチルブタジエン等が用いられ、特に、ブタジエンが好ましい。
本発明で使用する低分子量共重合体(B)は、末端に架橋性官能基(官能性ポリマーという)を有する。このような共重合体は、特定の官能性アニオン重合開始剤を選択することによって、ポリマー鎖の先端に官能性を有するポリマー生成物が得、さらに、官能性化合物でリビング・ポリマーを停止することによって、アニオン重合したポリマーの末端に架橋性官能基が付いた共重合体を得ることができる。
芳香族ビニル化合物及びジエン化合物を重合して官能性ポリマーを得る重合開始剤として、リチオ・アルキル・チオ・アセタール及びリチオ・アリール・チオ・アセタールを含む硫黄含有リチオ化合物が使用できる。
開始剤として好適な硫黄含有リチオ化合物は、下記一般式で表される。
Figure 2012131876

[式中、Rは炭素数1〜6のトリアルキル−シリル基、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数4〜20のシクロアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、チエニル基、フリル基及びピリジル基から選択され、Rには、任意に、以下の官能基:炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数2〜10のアルケニル基、炭素数3〜10の非末端アルキニル基、エーテル、tert−アミン、オキサゾリン、チアゾリン、ホスフィン、スルフィド、シリルの1種又は2種以上が置換されていてもよく、Rは炭素数2〜8のアルキレン基から成る群より選択され、Xは、硫黄、酸素及びNR(Rは、上記で定義した通りである)から成る群より選択される。]
好ましいリチオ・アルキル・チオ・アセタール開始剤は、下記式で表される2−リチオ−2−メチル−1,3−ジチアンである。
Figure 2012131876
好ましいリチオ・アリール・チオ・アセタール開始剤は、下記式で表される2−リチオ−2−フェニル−1,3−ジチアン(PDT−Li)である。
Figure 2012131876
本発明の他の開始剤の例としては、下記の式で表されるリチオ化合物が挙げられる。
Figure 2012131876
本発明で使用する硫黄含有リチオ開始剤は、開始剤前駆体化合物とn−ブチルリチウムなどの有機リチウム化合物とを反応させることによって製造することができる。これらの開始剤前駆体は、下記一般式で表される。
Figure 2012131876

(式中、R、R及びXは、上記に定義した通りである。)
代表的な種類の前駆体としは、以下の化合物が挙げられる。
Figure 2012131876
開始剤前駆体と有機リチウム化合物からの硫黄含有リチオ開始剤、特に、2−リチオ−2−メチル−1,3−ジチアン及び2−リチオ−2−フェニル−1,3−ジチアンは、例えば以下のように合成できるが、これに限定されない。
すなわち、市販の2−メチル−1,3−ジチアンまたは2−フェニル−1,3−ジチアンの溶液を乾燥テトラヒドロフランに添加し、約−78℃に冷却する。次に、ブチルリチウムとヘキサンを含む溶液をそれに添加する。次いで、生じた溶液を約3時間攪拌し、約10℃より低い温度下に一晩置く。
得られた溶液を用いて、アニオン重合を開始することができる。
このタイプの開始剤の製造は、モノマー溶液を添加する前に、重合反応器を備える適切な反応槽で行ってもよい。
このアニオン重合開始剤は、インサイチュで製造することが望ましく、重合するモノマーを含む溶液内でインサイチュで合成することができる。一般に、重合溶媒及び重合されるモノマー溶液を作製することによって、アニオン開始剤のインサイチュでの製造を行う。この溶液を、一般には約−80℃〜約100℃、より好ましくは約−40℃〜約50℃、最も好ましくは約0℃〜約25℃に加熱し、リチウム化されていない開始剤前駆体と有機リチウム化合物をそれに添加する。次に、溶液を、約−80℃〜約150℃の範囲内の温度、より好ましくは約25℃〜約120℃の温度、最も好ましくは約50℃〜約100℃の温度に加熱し、約0.02時間〜約168時間、より好ましくは約0.08時間〜約48時間、最も好ましくは約0.16時間〜約2時間、又は望ましい官能性ポリマーを含む溶液が形成するのに充分な時間反応させる。反応時間及び温度は、前駆体と有機リチウムを反応させ、その後、モノマー溶液を重合する必要に応じて変動してもよい。
インサイチュでの開始剤の合成の例として、ヘキサン、スチレン・モノマー及びブタジエンを含む溶液を使用する例が挙げられるが、これに限定されるものではない。この例では、溶液を約24℃に加熱し、2−メチル−1,3−ジチアンとブチルリチウムを添加する。次に、溶液を、約54℃に加熱し、約40分間反応させる。
開始剤は、アニオン重合したリビング・ポリマーに架橋性官能性を持たせるのに有用である。これらの官能性ポリマーは、アニオン開始剤と特定の不飽和モノマーとを反応させて、高分子構造を増殖させることによって形成される。ポリマーの形成及び増殖の間中、高分子構造はアニオン性で、かつ“生きている(living)”。反応に添加したモノマーが続けて鎖のリビング末端に付いて、重合度を増加させることができる。したがって、リビング・ポリマーは、リビング末端又は反応末端を有するポリマー断片である。
アニオン重合開始剤は、望ましいポリマー特性に応じて大きく異なる量で用いることができる。一実施態様において、100gのモノマー当たりリチウムとして約0.1〜約100mmol使用することが好ましく、100gのモノマー当たりリチウムとして約0.33〜10mmol使用することがより好ましい。
アニオン重合したリビング・ポリマーを製造するのに使用することができるモノマーとして、アニオン重合の技術に従い重合することが可能ないずれのモノマーも挙げられる。適したモノマーとして、ジエン化合物や芳香族ビニル化合物が挙げられるが、これらに限定されない。
重合は、典型的にはテトラヒドロフラン(THF)などの極性溶媒、又は種々の環状及び非環式のヘキサン、ヘプタン、オクタン、ペンタン、それらのアルキル化誘導体、及びそれらの混合物、並びにベンゼンなどの非極性炭化水素内でアニオン重合を行う。
ジエン化合物と芳香族ビニル化合物の共重合においてランダム化を促進し、ビニル含量を調整するために、極性コーディネーター(polar coordinator)を重合材料に添加してもよい。その量は、リチウムの当量当たり0〜90又はそれ以上の当量の範囲内である。量は、望ましいビニル量、使用される芳香族ビニル化合物のレベル、及び重合温度に加えて、使用される具体的な極性コーディネーター(調整剤)の性質によって決まる。適した重合調整剤として、例えば、望ましい微細構造及び共重合体単位のランダム化をもたらすエーテル又はアミンが挙げられる。
極性コーディネーターとして有用な化合物には、酸素又は窒素のヘテロ原子及び非結合電子対を有するものが挙げられる。例として、モノアルキレングリコール及びオリゴアルキレングリコールのジアルキルエーテル、クラウンエーテル、テトラメチルエチレンジアミン(TEMEDA)などの第3級アミン、直線状のTHFオリゴマーなどが挙げられる。
極性コーディネーターとして有用な化合物の具体的例としては、テトラヒドロフラン(THF)、2,2−ビス(2’−テトラヒドロフリル)プロパンなどの直線状及び環状のオリゴマーのオキソラニルアルカン、ジピペリジルエタン、ジピペリジルメタン、ヘキサメチルホスホラミド、N−N’−ジメチルピペラジン、ジアザビシクロオクタン、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、トリブチルアミンなどが挙げられる。直線状及び環状のオリゴマーのオキソラニルアルカン調整剤は、米国特許第4,429,091号に記載されている。
重合を停止させ、更にポリマーの分子量を調整するために、停止剤(terminating agent)、カップリング剤、又は連結剤を使用してもよく、本明細書においてこれらの物質総てを停止試薬(terminating reagent)とまとめて呼ぶ。有用な、停止剤、カップリング剤、又は連結剤としては、水又はアルコールなどの活性水素化合物が挙げられる。これらの試薬のいくつかは、生成したポリマーに多官能性を与えるものである。すなわち、上記開始剤により製造されたポリマーは、上記の官能性を有する先端の基を持ち、停止剤、カップリング剤及び連結剤をポリマー合成に使用した結果として第2の官能基も持っていてもよい。
有用な官能性の停止試薬としては、四塩化スズ、(R)SnCl、(R)SnCl、RSnCl、カルボジイミド、N−環状アミド、N,N’−二置換環状尿素、環状アミド、環状尿素、イソシアネート、シッフ塩基、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、アルキルチオチアゾリン、二酸化炭素などが挙げられる。さらに、他の物質としては、アルコキシシランであるSi(OR)、RSi(OR)、RSi(OR)、環状シロキサン、及びそれらの混合物が挙げられる。ここで、有機部分のRは、1〜約20の炭素原子を有するアルキル基、約3〜約20の炭素原子を有するシクロアルキル基、約6〜約20の炭素原子を有するアリール基、約7〜約20の炭素原子を有するアラルキル基から成る群より選択される。具体的なアルキル基としては、n−ブチル基、s−ブチル基、メチル基、エチル基、イソプロピル基などが挙げられる。シクロアルキル基としては、シクロヘキシル基、メンチル基などが挙げられる。アリール基及びアラルキル基としては、フェニル基、ベンジル基などが挙げられる。また、Rは窒素、ケイ素、硫黄、酸素などのヘテロ原子を含むものでもよい。
好ましい停止試薬は、四塩化スズ、塩化トリブチルスズ、二塩化ジブチルスズ、オルト珪酸テトラエチル、及び1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン(DMI)である。停止試薬は、これらの特定の試薬又は種類に限定されるものではない。
重合を停止させて、ポリマーの末端に架橋性官能基を付与することが好ましいが、例えば、四塩化スズ、又は四塩化珪素(SiCl)、エステルなどの他のカップリング剤を用いてカップリング反応によって停止させることがさらに好ましい。この反応によって、停止試薬のもつ充填剤に親和性を有する第2の官能基か導入される。
アニオン重合したリビング・ポリマーは、バッチ法、セミバッチ(semi−batch)法又は連続法のいずれかによって製造することができる。
例えば、バッチ重合は、モノマーと通常のアルカン溶媒の混合物を適した反応容器に装入し、次いで、極性コーディネータ(使用する場合)と開始剤化合物を添加することによって開始される。反応物を、約20℃〜約130℃の温度に加熱し、約0.1〜約24時間、重合を進行させる。この反応によって、反応末端又はリビング末端を有する反応性ポリマーが得られる。好ましくは、少なくとも約30%のポリマー分子がリビング末端を含有する。より好ましくは、少なくとも約50%のポリマー分子がリビング末端を含有する。さらに好ましくは、少なくとも約80%のポリマー分子がリビング末端を含有する。
本発明で使用する低分子量芳香族ビニル化合物−ジエン化合物共重合体(B)としては、好ましくは、スチレンとブタジエンとを溶液重合することにより好適に製造され溶液重合スチレン−ブタジエン共重合体である。
共重合体(B)の製造方法を例示すると、槽型又は塔型の反応器中において、炭化水素溶媒中、上記アニオン重合開始剤を開始剤として、少量の1,2−ブタジエンを含む1,3−ブタジエンのようなジエン化合物とスチレンとを共重合させることにより架橋性官能基を有する反応末端又はリビング末端を有する架橋性ポリマー得ることができる。
本発明のゴム組成物は、末端に架橋性官能基を有する低分子量の共重合体(B)を用いることで、架橋性官能基が開裂反応、分解反応または付加反応を経て活性点を生成し、天然ゴム及び/又は合成ジエン系ゴムからなる高分子量のゴム成分(A)と反応するため、効果的に絡み合い耐久性が向上する。
(4)充填剤
ゴム組成物は、更に種々の充填剤を含んでなることができる。充填剤としては、カーボンブラック(C/B)、シリカ、炭酸カルシウム、酸化チタン等の少なくとも1種が用いられ、好ましくはC/B及びシリカの少なくとも1方である。
充填剤は、ゴム成分(A)100質量部に対して、30〜90質量部含むことができる。30質量部未満では、加硫物の破壊特性及び耐摩耗性等が十分でなく、90質量部を超えると、作業性等において好ましくないからである。充填剤として用いられるC/Bを例示すると、FEF、HAF、ISAF、SAF等のクラスであり、特に好ましくはISAFクラス〜HAFクラス、又はSAFクラス〜HAFクラスである。シリカの例としては、沈降非晶質シリカ、湿潤シリカ(水和した珪酸)、乾燥シリカ(無水珪酸)、ヒュームド・シリカ、珪酸カルシウムなどが挙げられるがこれらに限定されない。これらのうち、沈降、非晶質、湿潤処理(wet−process)の水和したシリカが好ましい。C/Bとシリカとを併用する場合の配合比は、配合目的に応じて任意に変化させることができる。
(5)その他の添加剤
ゴム組成物には、上記ゴム成分(A)、共重合体(B)、充填剤の他、加硫剤、加硫促進剤、必要に応じて、ゴム工業で通常使用されているシランカップリング剤、加硫促進助剤、酸化防止剤、オゾン劣化防止剤、老化防止剤、プロセス油、亜鉛華、ステアリン酸等を配合することができる。
加硫剤としては、例えば、硫黄等が挙げられ、これらの使用量は、ゴム成分(A)100質量部に対し、硫黄分として0.1〜10質量部、好ましくは0.5〜5.0質量部である。0.1質量部未満では、加硫ゴムの破壊特性や耐摩耗性が低下し、10質量部を超えると、ゴム弾性が失われる傾向がある。
プロセス油としては、パラフィン系、ナフテン系、アロマチック系等の少なくとも1種を用いることができ、破壊特性、耐摩耗性を重視する用途にはアロマチック系が、また、低発熱性、低温特性を重視する用途にはナフテン系又はパラフィン系がそれぞれ好ましい。
本発明のゴム組成物は、ロール等の開放式混練機やバンバリーミキサー等の密閉式混練機等を用いて混練することにより得られ、成形加工後に加硫を行い、タイヤ用ゴムとして好適に使用され、例えばトレッドゴム(キャップゴム、ベースゴムを含む)、サイドゴム、サイド補強ゴム、インナーライナーゴムなどあらゆるタイヤ部材に適用することができる。
本発明のタイヤは、上記ゴム組成物を部材に適用することを特徴とする。該ゴム組成物をトレッド部材に用いたタイヤは、ゴム組成物が低発熱性であるため転がり抵抗が低く、耐摩耗性に優れている。本発明のタイヤに充填する気体としては、通常の又は酸素分圧を変えた空気、又は窒素等の不活性ガスも使用できる。
以下、実施例及び比較例により本発明を更に詳しく説明するが、本発明は下記実施例に何ら限定されるものではない。
以下の実施例、比較例において、各種測定、評価は、下記の方法に従って行なった。
(1)分子量の決定
分子量を、Model 2414 リフラクトメーター、及びModel 996 フォトダイオード・アレイ・ディテクター(UV)を備えたWaters Model 150−C機器を使用して、ゲル透過クロマトグラフィー(GPC)によって決定した。分子量を、ポリスチレン・スタンダードに基づいた汎用校正曲線から計算し、以下のSBRについてのMark−Houwink定数:k=0.000269、α=0.73を用いて補正した。
(2)スチレン及びビニルの含量の確認
スチレン及びビニルの含量の確認を300MHzのGemini 300 NMRスペクトロメーターシステム(Varian)によるH−NMR(CDCl)及び13C−NMRの測定結果を用いて決定した。
(3)カラムクロマトグラフィー
カラムクロマトグラフィーをシリカゲル吸着剤(200〜425メッシュ、Fisher Scientific)を用いて行った。
(4)加工性
加工性は、JIS K6300−1994に準拠し、130℃にてゴム組成物のムーニー粘度[ML1+4 /130℃]を測定し、比較例1を100として指数化して評価する。指数が小さいほど加工性が良好である。
(5)貯蔵弾性率(G’)及び損失係数(tanδ)
貯蔵弾性率及び損失係数は、低発熱性粘弾性測定装置(レオメトリックス社製)を使用し、温度50℃、歪み5%、周波数15HzでG’値及びtanδを測定し、比較例1を100として指数化して評価する。
貯蔵弾性率は指数が大きいほど操縦安定性が良好になることを、損失係数は指数が小さいほど低発熱性が良好になることを示す。
製造例1
2−リチオ−2−メチル−1,3−ジチアン(開始剤C)の合成
セラムキャップを備えた0.8Lの窒素パージしたガラス瓶に、乾燥テトラヒドロフラン350mL、及び2−メチル−1,3−ジチアン10mL(83.5mmol)を添加した。瓶を−78℃に冷却し、1.51Mのブチルリチウムヘキサン溶液55.83mL(84.3mmol)を瓶に添加した。反応物を−78℃で3時間攪拌し、その後、−25℃で一晩保存した。生じた溶液の滴定によって、溶液が0.234Mの活性リチウム化合物を含むことが示された。この化合物の構造を解明するために、溶液を、8.26mLの1−ブロモ−3−クロロプロパン(83.5mmol)のテトラヒドロフラン溶液90mLの乾燥した溶液に−78℃下で添加した。3時間後、生成物を、GC/MSによって調べ、生成物が、95%を超える2−(3−クロロプロピル)−2−メチル−1,3−ジチアンを含むことが分かった。1−クロロヘプタンは全く観察されず、これによって、ブチルリチウムが2−メチル−1,3−ジチアンと完全に反応したことが示された。
製造例2
2−リチオ−2−フェニル−1,3−ジチアン(開始剤B)の合成
2−フェニル−1,3−ジチアン(2.1g,10.69mmol)のTHF(5mL)とシクロヘキサン(10mL)の溶液に、n−ブチルリチウム(6.37mL,1.68Mのヘキサン溶液)をシリンジによって一滴ずつ−78℃下で添加した。溶液を0℃で更に3時間攪拌した。生じた0.5Mの2−リチオ−2−フェニル−1,3−ジチアン(PDT−Liと略す)を冷凍庫内にて、窒素の不活性雰囲気内で保存した。
製造例3
2−(4−ジメチルアミノ)フェニル−1,3−ジチアンの合成
磁気攪拌子と還流冷却器を取り付けた、オーブンで乾燥した500mLフラスコに、4−(ジメチルアミノ)ベンズアルデヒド6.89g(46.2mmol)、p−トルエンスルホン酸一水和物8.8g(46.2mmol)、及びTHF180mLを導入した。混合物を10分間攪拌し、次いで2.5gのモンモリロナイトKSFを添加し、続いて、5g(46.2mmol)の1,3−プロパンジオールのTHF溶液30mLを添加した。混合物を窒素下で12時間還流した。室温に冷却した後、濾過し、濾液を、飽和炭酸水素ナトリウム溶液(2x100mL)、飽和塩化ナトリウム溶液(100mL)で洗浄し、硫酸マグネシウム(無水)上で乾燥した。溶媒を濃縮し、シリカゲルを用いたカラムクロマトグラフ[ヘキサン/ジエチルエーテル(85/15)で溶出]を残留物について得、10.5g(95%)の2−[4−(ジメチルアミノ)]−フェニル−1,3−ジチアンを得た。
H−NMR(CDCl):δ 1.90(m,1H)、2.14(m,1H)、2.93(s,6H)、2.97(m,4H)、5.11(s,1H)、6.67(m,2H)、7.33(m,2H)。13C−NMR(CDCl):δ 25.12、32.28、40.46、50.89、112.28、126.62、128.46、150.43。
製造例4
2−リチオ−2−(4−ジメチルアミノ)フェニル−1,3−ジチアン(開始剤A)の合成
2−(4−ジメチルアミノ)フェニル−1,3−ジチアンの溶液(製造例3で製造したもの)1.25g、5.22mmolのTHF(8mL)とトリエチルアミン(1mL)との溶液)に、n−ブチルリチウム(3.1mL、1.68Mのヘキサン溶液)を一滴ずつ、−78℃下でシリンジによって添加した。溶液を、更に4時間、0℃下で攪拌した。生じた0.43Mの2−リチオ−2−(4−ジメチルアミノ)フェニル−1,3−ジチアン(DAPDT−Liと略す)を窒素の不活性雰囲気内で、冷凍庫内にて保存した。
製造例5
2−リチオ−2−メチル−1,3−ジチアンを用いたスチレン−ブタジエン共重合体(共重合体(B)−1)の合成
攪拌器を備えた0.8Lのガラス瓶に、ヘキサン188g、33重量%のスチレン・ヘキサン溶液57g、及び22.0重量%のブタジエン・ヘキサン溶液256gを装入した。次いで、1.6Mの環状オリゴマーのオキソラニルアルカン調整剤・ヘキサン溶液18mL、2.5Mの2−リチオ−2−メチル−1,3−ジチアン(開始剤C)・テトラヒドロフラン溶液9.6mLを添加した。その後、瓶を54℃に加熱した。15分後、反応液の温度は76.5℃に達した。さらに25分経過した後、反応液を瓶から取り出し、ブチル化したヒドロキシトルエン(BHT)を含むイソプロパノール内で凝固させ、ドラム乾燥して共重合体(B)−1を得た。
製造例6
2−リチオ−2−フェニル−1,3−ジチアンを用いたスチレン−ブタジエン共重合体(共重合体(B)−2)の合成
0.8Lのガラス瓶に、ヘキサン190g、スチレン18.8g、及びブタジエン(22重量%ヘキサン溶液)256gを装入し、次いで、PDT−Li(製造例2で製造した開始剤B)49.5mLをシリンジによって装入した。瓶を50℃に加熱し、1.5時間攪拌した。ポリマーを含む反応液を、少量の2−プロパノールで反応停止させ、4mLのBHT溶液で処理し、2−プロパノールで仕上げ、ドラム乾燥して共重合体(B)−2を得た。
製造例7
2−リチオ−2−(4−ジメチルアミノ)フェニル−1,3−ジチアンを用いたスチレン−ブタジエン共重合体(共重合(B)−3)の合成
0.8Lのガラス瓶に、ヘキサン188g、スチレン(33質量%ヘキサン溶液)57g及びブタジエン(22重量%ヘキサン溶液)256gを装入し、次いで、DAPDT−Li(製造例4で製造した開始剤A)56mL、及び環状オリゴマーのオキソラニルアルカン調整剤(1.6Mのヘキサン溶液)18mLをシリンジによって添加した。瓶を50℃に加熱し、1.5時間攪拌した。ポリマーを含む反応液を、少量の2−プロパノールで反応停止させ、5mLのBHT溶液で処理し、2−プロパノールで仕上げ、ドラム乾燥して共重合体(B)−3を得た。
製造例8
2−リチオ−2−(4−ジメチルアミノ)フェニル−1,3−ジチアン(開始剤A)を用いたスチレン−ブタジエン共重合体(共重合(B)−4〜12)の合成
製造例7と同様にして、重量平均分子量1万、2万、4万、8万、12万、15万、20万、30万及び40万で、25質量%のスチレンからなり、ブタジエンの部分のビニル結合量は65質量%の芳香族ビニル化合物−ジエン化合物共重合体(B)−4〜(B)−12を用意した。
環状オリゴマーのオキソラニルアルカン調整剤・ヘキサン溶液とDAPDT−Li(開始剤A)の比を一定にしておきながら、変量することで分子量の調整を行った。
製造例9
末端官能基を有しない低分子量の芳香族ビニル化合物−ジエン化合物共重合体(B)−13の合成
製造例7のDAPDT−Li(開始剤A)の代わりに1.6Mのn−ブチルリチウム(開始剤D)・ヘキサン溶液0.19mLを用いて製造例7と同様に合成した。
実施例1〜11及び比較例1〜3
実施例として、末端官能基を有する低分子量芳香族ビニル化合物−ジエン化合物共重合体(B)−1〜(B)−11、比較例として低分子量共重合体を用いないか、末端官能基を有するが分子量が本発明の範囲より大きい芳香族ビニル化合物−ジエン化合物共重合体(B)−12又は末端官能基を有しない低分子量の芳香族ビニル化合物−ジエン化合物共重合体(B)−13を用い、表1に示す配合処方に基づきトレッド配合の各成分を常法により混練りし、ゴム組成物を調製した。
Figure 2012131876


1)SBR#1500〔JSR社製〕
2)低分子量芳香族ビニル化合物−ジエン化合物共重合体(B)−1〜(B)−13
3)ISAF、シースト3H〔東海カーボン社製〕
4)N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン
5)ジフェニルグアニジン
6)N−t−ブチル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド
各実施例、比較例において、ゴム組成物を160℃、15分間の条件で加硫し、加硫ゴムの加工性(ムーニー粘度)、貯蔵弾性率(G’)及び損失係数(tanδ)を評価した。比較例1を100として指数化し評価する。加工性は指数が小さいほど低発熱性が良好になることを示し、貯蔵弾性率は指数が大きいほど操縦安定性が良好になることを、損失係数は指数が小さいほど低発熱性が良好になることを示す。その結果を表2に示す。
Figure 2012131876

比較例1は低分子量ポリマーを使用せず、その分プロセスオイル(三共油化工業(株)製A/O MIX)を使用、比較例2は従来の開始剤を使用した。
実施例12〜15及び比較例4
低分子量芳香族ビニル化合物−ジエン化合物共重合体(B)−5を用い、使用量を変えて、表3に示す配合処方に基づきトレッド配合の各成分を常法により混練りし、ゴム組成物を調製した。比較例4は本発明の範囲外なる配合量の例である。
Figure 2012131876

1)SBR#1500〔JSR社製〕
2)低分子量芳香族ビニル化合物−ジエン化合物共重合体(B)−5
3)ISAF、シースト3H〔東海カーボン社製〕
4)N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン
5)ジフェニルグアニジン
6)N−t−ブチル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド
各実施例、比較例のゴム組成物を実施例1〜11、比較例1〜3と同様にして、加硫ゴムの加工性(ムーニー粘度)、貯蔵弾性率(G’)及び損失係数(tanδ)を評価した。比較例1を100として指数化し評価する。その結果を表4に示す。
Figure 2012131876

表2、4の示す結果から、本発明のゴム組成物は、本発明の範囲外のゴム組成物に比較して、貯蔵弾性率(操縦安定性)及び損失係数(低発熱性)が優れていることがわかる。
本発明のゴム組成物は、スチレンやブタジエン等の通常の原料を用いて製造することができ、混練等の作業性を損なわずに、タイヤのトレッド部等に加工され、所定の優れた性能を発揮し、汎用性がある。

Claims (17)

  1. 天然ゴム及び合成ジエン系ゴムの少なくとも1方のゴムからなるゴム成分(A)100質量部に対して、1千〜30万の重量平均分子量(ゲル透過クロマトグラフィーによるポリスチレン換算)を有する低分子量芳香族ビニル化合物−ジエン化合物共重合体(B)を5〜120質量部を含んでなり、前記共重合体(B)が0〜80質量%の芳香族ビニル化合物からなり、ジエン化合物の部分のビニル結合量が0〜80質量%であって、その末端に架橋性官能基を少なくとも1つ有する共重合体であることを特徴とするゴム組成物。
  2. 架橋性官能基が、開裂反応、分解反応または付加反応を経て活性点を生成することで天然ゴム及び/又は合成ジエン系ゴムと反応することができる官能基であることを特徴とする請求項1記載のゴム組成物。
  3. 架橋性官能基が、少なくとも1つの硫黄原子を有することを特徴とする請求項2記載のゴム組成物。
  4. 共重合体(B)が、一方の末端に架橋性官能基、もう一方の末端に充填剤と親和性を有する官能基を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のゴム組成物。
  5. 共重合体(B)が、1千〜20万の重量平均分子量を有する請求項1〜4のいずれか一項に記載のゴム組成物。
  6. 共重合体(B)が、1千〜15万の重量平均分子量を有する請求項5に記載のゴム組成物。
  7. 共重合体(B)が、1千〜10万の重量平均分子量を有する請求項6に記載のゴム組成物。
  8. 共重合体(B)が0〜60質量%の芳香族ビニル化合物からなり、ジエン化合物の部分のビニル結合量が0〜80質量%である請求項1〜7のいずれか一項に記載のゴム組成物。
  9. 共重合体(B)が0〜60質量%の芳香族ビニル化合物からなり、ジエン化合物の部分のビニル結合量が0〜60質量%である請求項8に記載のゴム組成物。
  10. 共重合体(B)が0〜50質量%の芳香族ビニル化合物からなり、ジエン化合物の部分のビニル結合量が0〜60質量%である請求項9に記載のゴム組成物。
  11. 共重合体(B)が0〜50質量%の芳香族ビニル化合物からなり、ジエン化合物の部分のビニル結合量が0〜50質量%である請求項10に記載のゴム組成物。
  12. 共重合体(B)の含有量が5〜80質量部である請求項1〜11のいずれか一項に記載のゴム組成物。
  13. 共重合体(B)の含有量が5〜60質量部である請求項12に記載のゴム組成物。
  14. 共重合体(B)が、芳香族ビニル化合物とジエン化合物を下記式で表される硫黄含有重合開始剤を用いて、アニオン重合して得られた共重合体である請求項1〜13のいずれか一項に記載のゴム組成物。
    Figure 2012131876

    [式中、Rは炭素数1〜6のトリアルキル−シリル基、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数4〜20のシクロアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、チエニル基、フリル基及びピリジル基から選択され、Rには、任意に、以下の官能基:炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数2〜10のアルケニル基、炭素数3〜10の非末端アルキニル基、エーテル、tert−アミン、オキサゾリン、チアゾリン、ホスフィン、スルフィド、シリルの1種又は2種以上が置換されていてもよく、Rは炭素数2〜8のアルキレン基から成る群より選択され、Xは、硫黄、酸素及びNR(Rは、上記で定義した通りである)から成る群より選択される。]
  15. ゴム組成物がタイヤに用いることを特徴とする請求項1〜14のいずれか一項に記載のゴム組成物。
  16. 請求項15に記載のゴム組成物を用いたタイヤ。
  17. 請求項15に記載のゴム組成物をトレッド部材に用いたタイヤ。
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