JP2010241868A - タイヤ - Google Patents
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Abstract
【課題】ゴム組成物へのシリカの分散を改良し、未加硫ゴムの粘度を上げず、加工性を損なうことなく、耐摩耗性、低発熱性及び貯蔵弾性率を共に改善したトレッドゴム部材として好適なゴム組成物をトレッドに用いた低発熱性で操縦安定性に優れたタイヤを提供すること。
【解決手段】(a)天然ゴム及び/又はジエン系合成ゴムからなるゴム成分100質量部に対して、(b)セチルトリメチルアンモニウムブロミド吸着比表面積(CTAB)(m2/g)と音響式粒度分布測定によって求められる一次凝集体の直径の最頻値Aac(nm)とが下記式(I)
Aac≧−0.76×(CTAB)+274・・・(I)
の関係を満たす含水ケイ酸からなる含水ケイ酸を20〜150質量部、(c)同一分子内に前記ゴム(a)に対する反応基Aを1個以上、前記含水ケイ酸からなる構造性シリカ(b)に対する吸着基Bを2個以上有する化合物を1〜10質量部含むゴム組成物を用いたタイヤである。
【選択図】なし
【解決手段】(a)天然ゴム及び/又はジエン系合成ゴムからなるゴム成分100質量部に対して、(b)セチルトリメチルアンモニウムブロミド吸着比表面積(CTAB)(m2/g)と音響式粒度分布測定によって求められる一次凝集体の直径の最頻値Aac(nm)とが下記式(I)
Aac≧−0.76×(CTAB)+274・・・(I)
の関係を満たす含水ケイ酸からなる含水ケイ酸を20〜150質量部、(c)同一分子内に前記ゴム(a)に対する反応基Aを1個以上、前記含水ケイ酸からなる構造性シリカ(b)に対する吸着基Bを2個以上有する化合物を1〜10質量部含むゴム組成物を用いたタイヤである。
【選択図】なし
Description
本発明は、タイヤ、さらに詳しくは、補強用充填剤として、特定の含水ケイ酸を含有した、低発熱性、耐摩耗性及び加工性が改良されたゴム組成物をトレッドに用いた低燃費性及び操縦安定性に優れたタイヤに関するものである。
従来、ゴム用補強充填剤としては、カーボンブラックが多用されている。これは、カーボンブラックが他の充填剤に比べて、高い補強性と優れた耐摩耗性を付与し得るからである。一方、近年の省エネルギーの社会的な要請に伴い、自動車の燃料消費節約を目的として、タイヤ用ゴムの低発熱化を図る場合、カーボンブラックの充填量の減量、あるいは大粒径のカーボンブラックの使用が考えられるが、いずれの場合も、補強性,耐摩耗性,湿潤路面でのグリップ性が低下するのを免れないことが知られている。
一方、低発熱性と湿潤路面でのグリップ性を両立させる充填剤として、含水ケイ酸(湿式シリカ)が知られているが(例えば、特許文献1〜4参照)、この湿式シリカは、その表面官能基であるシラノール基の水素結合により粒子同士が凝集する傾向にあり、ゴム中へのシリカの分散を良くするためには混練時間を長くする必要がある。また、ゴム中へのシリカの分散が不十分なためゴム組成物のムーニー粘度が高くなり、押出しなどの加工性に劣るなどの欠点を有していた。さらに、シリカ粒子の表面が酸性であることから、加硫促進剤として使用される塩基性物質を吸着し、ゴム組成物の加硫が十分に行われず、貯蔵弾性率が上がらないという欠点を有していた。
一方、低発熱性と湿潤路面でのグリップ性を両立させる充填剤として、含水ケイ酸(湿式シリカ)が知られているが(例えば、特許文献1〜4参照)、この湿式シリカは、その表面官能基であるシラノール基の水素結合により粒子同士が凝集する傾向にあり、ゴム中へのシリカの分散を良くするためには混練時間を長くする必要がある。また、ゴム中へのシリカの分散が不十分なためゴム組成物のムーニー粘度が高くなり、押出しなどの加工性に劣るなどの欠点を有していた。さらに、シリカ粒子の表面が酸性であることから、加硫促進剤として使用される塩基性物質を吸着し、ゴム組成物の加硫が十分に行われず、貯蔵弾性率が上がらないという欠点を有していた。
これらの欠点を改良するために、シランカップリング剤が開発されたが、依然としてシリカの分散は十分なレベルには達しておらず、特に工業的に良好なシリカ粒子の分散を得ることは困難であった。そこで、疎水性化剤で表面を処理したシリカを混練してシランカップリング剤の反応を促進することが行われている(特許文献5参照)。
また、特許文献6には、疎水性沈降ケイ酸を用いることが開示されているが、完全疎水化処理した沈降ケイ酸を用いているので、シランカップリング剤が反応する表面シラノール基が存在しなくなるため、ゴムの補強が十分にとれないという欠点があった。さらに、低発熱性を高めるため、シリカを大粒径化することが行われているが、大粒径化することでシリカの比表面積が低下し、補強性が悪くなる。特許文献7には、特殊形状のシリカを用いることが開示されているが、ゴム組成物の低発熱性、耐摩耗性が十分ではない。
また、タイヤの操縦安定性に寄与する貯蔵弾性率を改良する為には、カーボン・シリカ等の補強性充填剤の配合量を増す、あるいはより小粒径物を配合する等の手法があるが、何れも未加硫ゴムの加工性の悪化は免れない。さらには、ある種の硬化性樹脂を添加する手法もあるが、発熱性が悪化するというデメリットがある。
また、特許文献6には、疎水性沈降ケイ酸を用いることが開示されているが、完全疎水化処理した沈降ケイ酸を用いているので、シランカップリング剤が反応する表面シラノール基が存在しなくなるため、ゴムの補強が十分にとれないという欠点があった。さらに、低発熱性を高めるため、シリカを大粒径化することが行われているが、大粒径化することでシリカの比表面積が低下し、補強性が悪くなる。特許文献7には、特殊形状のシリカを用いることが開示されているが、ゴム組成物の低発熱性、耐摩耗性が十分ではない。
また、タイヤの操縦安定性に寄与する貯蔵弾性率を改良する為には、カーボン・シリカ等の補強性充填剤の配合量を増す、あるいはより小粒径物を配合する等の手法があるが、何れも未加硫ゴムの加工性の悪化は免れない。さらには、ある種の硬化性樹脂を添加する手法もあるが、発熱性が悪化するというデメリットがある。
本発明は、ゴム組成物へのシリカの分散を改良し、未加硫ゴムの粘度を上げず、加工性を損なうことなく、耐摩耗性、低発熱性及び貯蔵弾性率を共に改善したトレッドゴム部材として好適なゴム組成物及びそれをトレッドに用いた低発熱性で操縦安定性に優れたタイヤを提供するものである。
本発明者らは、含水ケイ酸(湿式シリカ)含有ゴム組成物を用いたタイヤにおいて、(a)天然ゴム及び/又はジエン系合成ゴムからなるゴム成分に対して、(b)特定構造を有する含水ケイ酸を特定量配合することで、低発熱性が得られる一方、耐摩耗性、補強性が改善されること、さらに、前記(a)ゴム成分に対して、(c)同一分子内に(a)ゴム成分に対する反応基Aを1個以上と前記(b)特定構造を有する含水ケイ酸に対する吸着基Bを2個以上有する化合物(c)(貯蔵弾性率向上剤)を配合することで、ゴム組成物の加工性を損なうことなしにタイヤでの操縦安定性改善の代用特性である貯蔵弾性率が改善されることを見出した。本発明は、かかる知見に基づいて完成したものである。
すなわち、本発明は、
[1] (a)天然ゴム及び/又はジエン系合成ゴムからなるゴム成分100質量部に対して、(b)セチルトリメチルアンモニウムブロミド吸着比表面積(CTAB)(m2/g)と音響式粒度分布測定によって求められる一次凝集体の直径の最頻値Aac(nm)とが下記式(I)
Aac≧−0.76×(CTAB)+274・・・(I)
の関係を満たす含水ケイ酸を20〜150質量部、(c)同一分子内に前記ゴム(a)に対する反応基Aを1個以上、前記(b)含水ケイ酸に対する吸着基Bを2個以上有する化合物を1〜10質量部含むことを特徴とするゴム組成物を用いたタイヤ、
[2] (b)含水ケイ酸が、その灼熱減量(750℃で3時間加熱した時の質量減少%)と加熱減量(105℃で2時間加熱した時の質量減少%)とが下記式(II)
(灼熱減量)−(加熱減量)≦3・・・(II)
を満たす上記[1]のゴム組成物を用いたタイヤ、
[3] (b)含水ケイ酸が、音響式粒度分布測定によって求められる一次凝集体の直径の最頻値が1μm以下である上記[1]又は[2]のゴム組成物を用いたタイヤ、
[4] (b)含水ケイ酸が、CTABが50〜250m2/gである上記[1]〜[3]いずれかのゴム組成物を用いたタイヤ、
[5] 総充填材量に対する(b)含水ケイ酸の量が、質量比で20質量%以上である上記[1]〜[4]いずれかのゴム組成物を用いたタイヤ、
[6] 補強用充填剤としてカーボンブラックをゴム成分(a)100質量部に対して80質量部以下含有し、カーボンブラックと(b)含水ケイ酸との総配合量が120質量部以下である請求項[1]〜[5]いずれかのゴム組成物を用いたタイヤ、
[7] 前記化合物(c)の反応基Aが、非芳香族共役二重結合基又は二重結合にカルボニル基、カルボキシル基、オキシカルボニル基及びアミド基から選ばれる1種が隣接した基である上記[1]のゴム組成物を用いたタイヤ、
[8] 前記反応基Aが、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、アクリル酸、メタクリル酸及びソルビン酸から選ばれる不飽和カルボン酸から誘導される基である上記[7]のゴム組成物を用いたタイヤ、
[9] 前記吸着基Bが、カルボキシル基である上記[1]のゴム組成物、
[10] 前記化合物(c)がさらにオキシアルキレン基を有する上記[1]のゴム組成物を用いたタイヤ、
[11] 前記化合物(c)が多塩基酸の部分エステルである上記[1]ゴム組成物を用いたタイヤ、
[12] 前記化合物(c)が以下の化学式(III)〜(V)のいずれかで表される化合物である上記[1]のゴム組成物を用いたタイヤ、
すなわち、本発明は、
[1] (a)天然ゴム及び/又はジエン系合成ゴムからなるゴム成分100質量部に対して、(b)セチルトリメチルアンモニウムブロミド吸着比表面積(CTAB)(m2/g)と音響式粒度分布測定によって求められる一次凝集体の直径の最頻値Aac(nm)とが下記式(I)
Aac≧−0.76×(CTAB)+274・・・(I)
の関係を満たす含水ケイ酸を20〜150質量部、(c)同一分子内に前記ゴム(a)に対する反応基Aを1個以上、前記(b)含水ケイ酸に対する吸着基Bを2個以上有する化合物を1〜10質量部含むことを特徴とするゴム組成物を用いたタイヤ、
[2] (b)含水ケイ酸が、その灼熱減量(750℃で3時間加熱した時の質量減少%)と加熱減量(105℃で2時間加熱した時の質量減少%)とが下記式(II)
(灼熱減量)−(加熱減量)≦3・・・(II)
を満たす上記[1]のゴム組成物を用いたタイヤ、
[3] (b)含水ケイ酸が、音響式粒度分布測定によって求められる一次凝集体の直径の最頻値が1μm以下である上記[1]又は[2]のゴム組成物を用いたタイヤ、
[4] (b)含水ケイ酸が、CTABが50〜250m2/gである上記[1]〜[3]いずれかのゴム組成物を用いたタイヤ、
[5] 総充填材量に対する(b)含水ケイ酸の量が、質量比で20質量%以上である上記[1]〜[4]いずれかのゴム組成物を用いたタイヤ、
[6] 補強用充填剤としてカーボンブラックをゴム成分(a)100質量部に対して80質量部以下含有し、カーボンブラックと(b)含水ケイ酸との総配合量が120質量部以下である請求項[1]〜[5]いずれかのゴム組成物を用いたタイヤ、
[7] 前記化合物(c)の反応基Aが、非芳香族共役二重結合基又は二重結合にカルボニル基、カルボキシル基、オキシカルボニル基及びアミド基から選ばれる1種が隣接した基である上記[1]のゴム組成物を用いたタイヤ、
[8] 前記反応基Aが、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、アクリル酸、メタクリル酸及びソルビン酸から選ばれる不飽和カルボン酸から誘導される基である上記[7]のゴム組成物を用いたタイヤ、
[9] 前記吸着基Bが、カルボキシル基である上記[1]のゴム組成物、
[10] 前記化合物(c)がさらにオキシアルキレン基を有する上記[1]のゴム組成物を用いたタイヤ、
[11] 前記化合物(c)が多塩基酸の部分エステルである上記[1]ゴム組成物を用いたタイヤ、
[12] 前記化合物(c)が以下の化学式(III)〜(V)のいずれかで表される化合物である上記[1]のゴム組成物を用いたタイヤ、
[13] 前記化合物(c)が、ポリエチレグリコールジマレエート又はジフマレートである請求項12に記載のゴム組成物を用いたタイヤ、
[14] (a)天然ゴム及び/又はジエン系合成ゴム、(b)含水ケイ酸及び(d)同一分子内にマレイン酸、フマル酸、イタコン酸及びソルビン酸から選ばれる不飽和カルボン酸から誘導される、前記ゴム成分(a)に対する反応基Aとアミノ基とを各々1個以上有する化合物、を含むことを特徴とするゴム組成物を用いたタイヤ、
[15] 前記アミノ基が3級のアミノ基である上記[14]のゴム組成物を用いたタイヤ、
[16] アミノ基が脂肪族3級アミンから誘導される基である上記[14]又は[15]のゴム組成物を用いたタイヤ、
[17] (a)天然ゴム及び/又はジエン系合成ゴム、(b)含水ケイ酸及び(e)下記一般式(VI)
[15] 前記アミノ基が3級のアミノ基である上記[14]のゴム組成物を用いたタイヤ、
[16] アミノ基が脂肪族3級アミンから誘導される基である上記[14]又は[15]のゴム組成物を用いたタイヤ、
[17] (a)天然ゴム及び/又はジエン系合成ゴム、(b)含水ケイ酸及び(e)下記一般式(VI)
で表されるアクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステルであって分子量250以上のものを含むことを特徴とするゴム組成物を用いたタイヤ、
[18] (a)成分100質量部当たり、(c)、(d)又は(e)成分のいずれかを1〜10質量部を含む上記[14]又は[17]のゴム組成物を用いたタイヤ、
[19]さらに、(f)脂肪族アミン、を含む上記[18]のゴム組成物を用いたタイヤ、
[20](f)脂肪族アミンが、脂肪族3級アミンであることを上記[19]のゴム組成物を用いたタイヤ、
[21] さらに、(g)シランカップリング剤を(b)含水ケイ酸の配合量の1〜20質量%配合した上記[1]〜[20]いずれかのゴム組成物を用いたタイヤ、
[22] シランカップリング剤が、下記一般式(VII)で表される化合物:
下記一般式(VIII)で表される化合物:
および下記一般式(IX)で表される化合物:
本発明によれば、
(1)含水ケイ酸(湿式シリカ)含有ゴム組成物において、天然ゴム及び/又はジエン系合成ゴムからなるゴム成分に対して、含水ケイ酸に特定構造を持たせたシリカを配合することで、ゴム組成物の低発熱性が得られると共に、耐摩耗性、補強性が改善される。
(2)さらに、前記ゴム成分に対して、同一分子内にゴム成分に対する反応基Aを1個以上と前記特定構造を持たせたシリカに対する吸着基Bを2個以上有する化合物を配合することで、加工性を損なうことなしに貯蔵弾性率が改善される。
以上のように(1)及び(2)の効果によって上記ゴム組成物を、特にタイヤのトレッドに用いることにより、低燃費性及び操縦安定性に優れたタイヤを提供することができる。
(1)含水ケイ酸(湿式シリカ)含有ゴム組成物において、天然ゴム及び/又はジエン系合成ゴムからなるゴム成分に対して、含水ケイ酸に特定構造を持たせたシリカを配合することで、ゴム組成物の低発熱性が得られると共に、耐摩耗性、補強性が改善される。
(2)さらに、前記ゴム成分に対して、同一分子内にゴム成分に対する反応基Aを1個以上と前記特定構造を持たせたシリカに対する吸着基Bを2個以上有する化合物を配合することで、加工性を損なうことなしに貯蔵弾性率が改善される。
以上のように(1)及び(2)の効果によって上記ゴム組成物を、特にタイヤのトレッドに用いることにより、低燃費性及び操縦安定性に優れたタイヤを提供することができる。
[(a)ゴム成分]
本発明のゴム組成物に用いられるゴム成分は、天然ゴム及び/又はジエン系合成ゴムである。ここで、ジエン系合成ゴムとしては、例えばポリイソプレン合成ゴム(IR),ポリブタジエンゴム(BR),スチレン−ブタジエンゴム(SBR),アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR),クロロプレンゴム(CR),ブチルゴム(IIR)などが挙げられる。この(a)成分の天然ゴムやジエン系合成ゴムは単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明のゴム組成物に用いられるゴム成分は、天然ゴム及び/又はジエン系合成ゴムである。ここで、ジエン系合成ゴムとしては、例えばポリイソプレン合成ゴム(IR),ポリブタジエンゴム(BR),スチレン−ブタジエンゴム(SBR),アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR),クロロプレンゴム(CR),ブチルゴム(IIR)などが挙げられる。この(a)成分の天然ゴムやジエン系合成ゴムは単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
[(b)含水ケイ酸]
本発明で用いる(b)成分の含水ケイ酸は、シリカやカーボンブラックなどで一般に測定されている方法で測定した特性値が、次のよう関係を満たすことが必要である。
即ち、セチルトリメチルアンモニウムブロミド吸着比表面積(CTAB)(m2/g)と音響式粒度分布測定によって求められる一次凝集体の数の最頻値の直径Aac(nm)とが下記式(I)
Aac≧−0.76×(CTAB)+274・・・(I)
の関係を満たすことが必要であり、好ましくは灼熱減量(750℃で3時間加熱した時の質量減少%)と加熱減量(105℃で2時間加熱した時の質量減少%)とが下記式(II)
(灼熱減量)−(加熱減量)≦3・・・(II)
の関係を満たす含水ケイ酸である。
本発明で用いる(b)成分の含水ケイ酸は、シリカやカーボンブラックなどで一般に測定されている方法で測定した特性値が、次のよう関係を満たすことが必要である。
即ち、セチルトリメチルアンモニウムブロミド吸着比表面積(CTAB)(m2/g)と音響式粒度分布測定によって求められる一次凝集体の数の最頻値の直径Aac(nm)とが下記式(I)
Aac≧−0.76×(CTAB)+274・・・(I)
の関係を満たすことが必要であり、好ましくは灼熱減量(750℃で3時間加熱した時の質量減少%)と加熱減量(105℃で2時間加熱した時の質量減少%)とが下記式(II)
(灼熱減量)−(加熱減量)≦3・・・(II)
の関係を満たす含水ケイ酸である。
セチルトリメチルアンモニウムブロミド吸着比表面積(CTAB)は、含水ケイ酸表面に対するセチルトリメチルアンモニウムブロミドの吸着量から算出した含水ケイ酸の比表面積(m2/g)である。
CTABの測定は、ASTM D3765−92記載の方法に準拠して行うことができる。ASTM D3765−92記載の方法は、カーボンブラックのCTABを測定する方法であるので、若干の修正を加える。即ち、カーボンブラックの標準品を使用せず、セチルトリメチルアンムニウムブロミド(以下、CE−TRABと略記する)標準液を調製し、これによって含水ケイ酸OT(ジ−2−エチルヘキシルスルホコハク酸ナトリウム)溶液の標定を行い、含水ケイ酸表面に対するCE−TRAB1分子当たりの吸着断面積を0.35nm2としてCE−TRABの吸着量から、比表面積を算出する。
本発明で用いる含水ケイ酸は、CTABが50〜250m2/g、好ましくは100〜200m2/gであることが望ましい。CTABが50m2/g未満であるとゴム組成物の貯蔵弾性率が著しく低下し、250m2/gより大きいと未加硫時のゴム組成物の粘度が上昇するおそれがある。
CTABの測定は、ASTM D3765−92記載の方法に準拠して行うことができる。ASTM D3765−92記載の方法は、カーボンブラックのCTABを測定する方法であるので、若干の修正を加える。即ち、カーボンブラックの標準品を使用せず、セチルトリメチルアンムニウムブロミド(以下、CE−TRABと略記する)標準液を調製し、これによって含水ケイ酸OT(ジ−2−エチルヘキシルスルホコハク酸ナトリウム)溶液の標定を行い、含水ケイ酸表面に対するCE−TRAB1分子当たりの吸着断面積を0.35nm2としてCE−TRABの吸着量から、比表面積を算出する。
本発明で用いる含水ケイ酸は、CTABが50〜250m2/g、好ましくは100〜200m2/gであることが望ましい。CTABが50m2/g未満であるとゴム組成物の貯蔵弾性率が著しく低下し、250m2/gより大きいと未加硫時のゴム組成物の粘度が上昇するおそれがある。
含水ケイ酸の粒子径として、音響式粒度分布測定装置によって測定した径(音響式粒度分布径)が構造性の発達の指標になる。含水ケイ酸の粒子は、微粒径の粒子が一次凝集したものと、僅かに二次凝集しているものも含んでいる。
音響式粒度分布測定装置による測定は、含水ケイ酸の0.01M KCl水溶液を超音波で5分間分散処理し、泡を除去して二次凝集体を破壊した後、測定する。含水ケイ酸の一次凝集体の粒径と粒子数の分布が得られ、このうち、最も頻度が多く現われた粒子の直径をAac(nm)とすると、
Aac≧−0.76×(CTAB)+274・・・(I)
を満足するとき、ゴム組成物の低発熱性と耐摩耗性が共に改善される。Aacが、この条件を満たさない時、低発熱性と耐摩耗性のどちらか又は両方が低下する。さらに、Aacは、1μm以下であることが好ましい。1μmより大きいと含水ケイ酸が破壊核となり、ゴム組成物の力学的特性が損なわれる虞がある。
含水ケイ酸は粒子同士が化学的に結合(一次凝集体)しているため、ゴム成分と混練しても凝集体のまま存在し、ゴム組成物のロスを低く抑えること(低発熱性)を可能とする。
一方、従来のシリカは、粒子表面の水素結合により凝集(一次凝集体)しているのみでゴム成分と混練した場合一次凝集体が分散し、分散したシリカ同士のこすれあいによりロスが大きくなる。
音響式粒度分布測定装置による測定は、含水ケイ酸の0.01M KCl水溶液を超音波で5分間分散処理し、泡を除去して二次凝集体を破壊した後、測定する。含水ケイ酸の一次凝集体の粒径と粒子数の分布が得られ、このうち、最も頻度が多く現われた粒子の直径をAac(nm)とすると、
Aac≧−0.76×(CTAB)+274・・・(I)
を満足するとき、ゴム組成物の低発熱性と耐摩耗性が共に改善される。Aacが、この条件を満たさない時、低発熱性と耐摩耗性のどちらか又は両方が低下する。さらに、Aacは、1μm以下であることが好ましい。1μmより大きいと含水ケイ酸が破壊核となり、ゴム組成物の力学的特性が損なわれる虞がある。
含水ケイ酸は粒子同士が化学的に結合(一次凝集体)しているため、ゴム成分と混練しても凝集体のまま存在し、ゴム組成物のロスを低く抑えること(低発熱性)を可能とする。
一方、従来のシリカは、粒子表面の水素結合により凝集(一次凝集体)しているのみでゴム成分と混練した場合一次凝集体が分散し、分散したシリカ同士のこすれあいによりロスが大きくなる。
さらに、本発明で用いる含水ケイ酸の灼熱減量(750℃で3時間加熱した時の質量減少%)と、加熱減量(105℃で2時間加熱した時の質量減少%)の差が、
(灼熱減量)−(加熱減量)≦3・・・(II)
であることが好ましい。
加熱減量及び灼熱減量は、JIS K6220−1ゴム用配合剤の試験方法に準じて行い、加熱減量は通常105±2℃で2時間加熱した時の質量の減少%、灼熱減量は通常750±25℃で3時間強熱した時の質量の減少%である。
(灼熱減量)−(加熱減量)≦3・・・(II)
であることが好ましい。
加熱減量及び灼熱減量は、JIS K6220−1ゴム用配合剤の試験方法に準じて行い、加熱減量は通常105±2℃で2時間加熱した時の質量の減少%、灼熱減量は通常750±25℃で3時間強熱した時の質量の減少%である。
本発明で用いる含水ケイ酸の使用量は、ゴム成分100質量部に対して、10〜150質量部であることが必要である。また、貯蔵弾性率向上の効果を得るためには、総充填材量に対する含水ケイ酸の量が、質量比で20質量%以上であることが好ましい。
本発明で使用する含水ケイ酸は、沈殿法含水ケイ酸の製造方法に準じて製造される。例えば、予め一定量の温水を張り込んだ反応容器中に、pH、温度を制御しながらケイ酸ナトリウムおよび硫酸を入れ、一定時間して含水ケイ酸スラリーを得る。
続いて、該含水ケイ酸スラリーをフィルタープレス等のケーキ洗浄が可能なろ過機により濾別、洗浄して副生電解質を除去した後、得られた含水ケイ酸ケーキをスラリー化し、噴霧乾燥機等の乾燥機を用いて乾燥し製造される。
続いて、該含水ケイ酸スラリーをフィルタープレス等のケーキ洗浄が可能なろ過機により濾別、洗浄して副生電解質を除去した後、得られた含水ケイ酸ケーキをスラリー化し、噴霧乾燥機等の乾燥機を用いて乾燥し製造される。
本発明のゴム組成物では、含水ケイ酸と共にカーボンブラックを補強用充填剤として用いることができる。カーボンブラックを配合することによって、ゴム組成物の耐摩耗性を向上することができる。
カーボンブラックの使用量は、好ましくはゴム成分100質量部に対して80質量部以下で、カーボンブラックと含水ケイ酸を合わせた総配合量が120質量部以下であることが好ましい。総配合量をゴム成分100質量部に対して120質量部以下とすることで、低発熱性及び耐摩耗性を十分に向上させることができる。
使用されるカーボンブラックについては特に制限はなく、GPF、FEF、HAF、ISAF、SAF等のファーネスブラックが好ましく用いられる。
カーボンブラックの使用量は、好ましくはゴム成分100質量部に対して80質量部以下で、カーボンブラックと含水ケイ酸を合わせた総配合量が120質量部以下であることが好ましい。総配合量をゴム成分100質量部に対して120質量部以下とすることで、低発熱性及び耐摩耗性を十分に向上させることができる。
使用されるカーボンブラックについては特に制限はなく、GPF、FEF、HAF、ISAF、SAF等のファーネスブラックが好ましく用いられる。
[(c)化合物(貯蔵弾性率向上剤)]
本発明の(c)同一分子内に(a)ゴム成分に対する反応基Aを1個以上と(b)含水ケイ酸に対する吸着基Bを2個以上有する化合物は、本発明に係る主にゴム組成物の貯蔵弾性率を向上させる添加剤の有効成分であり、ゴムに対する反応基Aは、2重結合を有する基であって、該2重結合を活性化する基が隣接するものが好ましく、特に非芳香族共役2重結合基又は2重結合にカルボニル基、カルボキシル基、オキシカルボニル基及びアミド基から選ばれる1種が隣接した基であることが好ましい。尚、ここで隣接とは2重結合の両端又は一方にカルボニル基、カルボキシル基、オキシカルボニル基及びアミド基から選ばれる1種を有することをいう。
本発明の化合物(c)としては、反応基Aがマレイン酸、フマル酸、イタコン酸、アクリル酸、メタクリル酸又はソルビン酸から選ばれる不飽和カルボン酸から誘導される基であることが好ましく、中でもマレイン酸、フマル酸、イタコン酸、アクリル酸から誘導される基、特にはマレイン酸、アクリル酸から誘導される基であることが最も好ましい。吸着基Bに関しては、カルボキシル基が好ましい。
また、化合物(c)はさらにオキシアルキレン基を有することが好ましい。オキシアルキレン基を有することによって、ゴムとの相溶性が向上し、(b)含水シリカとの親和性が良好となる。オキシアルキレン基の平均付加モル数は、ゴムに対する反応基Aの個数1個当たり、1〜30モルの範囲であることが好ましく、さらには1〜20モル、特には2〜15モルの範囲であることが好ましい。
本発明の(c)同一分子内に(a)ゴム成分に対する反応基Aを1個以上と(b)含水ケイ酸に対する吸着基Bを2個以上有する化合物は、本発明に係る主にゴム組成物の貯蔵弾性率を向上させる添加剤の有効成分であり、ゴムに対する反応基Aは、2重結合を有する基であって、該2重結合を活性化する基が隣接するものが好ましく、特に非芳香族共役2重結合基又は2重結合にカルボニル基、カルボキシル基、オキシカルボニル基及びアミド基から選ばれる1種が隣接した基であることが好ましい。尚、ここで隣接とは2重結合の両端又は一方にカルボニル基、カルボキシル基、オキシカルボニル基及びアミド基から選ばれる1種を有することをいう。
本発明の化合物(c)としては、反応基Aがマレイン酸、フマル酸、イタコン酸、アクリル酸、メタクリル酸又はソルビン酸から選ばれる不飽和カルボン酸から誘導される基であることが好ましく、中でもマレイン酸、フマル酸、イタコン酸、アクリル酸から誘導される基、特にはマレイン酸、アクリル酸から誘導される基であることが最も好ましい。吸着基Bに関しては、カルボキシル基が好ましい。
また、化合物(c)はさらにオキシアルキレン基を有することが好ましい。オキシアルキレン基を有することによって、ゴムとの相溶性が向上し、(b)含水シリカとの親和性が良好となる。オキシアルキレン基の平均付加モル数は、ゴムに対する反応基Aの個数1個当たり、1〜30モルの範囲であることが好ましく、さらには1〜20モル、特には2〜15モルの範囲であることが好ましい。
化合物(c)の具体例としては、トリメリット酸、ピロメリット酸、クエン酸等のポリカルボン酸のモノ((メタ)アクリロイルオキシアルキル)エステル(ここで((メタ)アクリロイルは、メタクリロイル又はアクリロイルを示す);マレイン酸モノリンゴ酸エステル等の不飽和カルボン酸とオキシカルボン酸との(ポリ)エステル;エチレングリコール、ヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール等のジオールとマレイン酸、フマル酸、イタコン酸等の不飽和ジカルボン酸との両末端にカルボキシル基を有するエステル;N−(2−カルボキシエチル)マレアミド酸等のN−(カルボキシアルキル)マレアミド酸;下記一般式(III)(VI)又は(V)で表される化合物が挙げられる。
式中、A1、A2及びA3はこれらのうち一つが式−(R1O)n−CO−CR2=CR3−R4で表される基であり、他は水素原子である。ここでR1は炭素数2〜4のアルキレン基、好ましくはエチレン基又はプロピレン基である。またR2、R3及びR4はそれぞれ独立に水素原子又はメチル基であって、好ましくはR2が水素原子又はメチル基、R3及びR4が水素原子である。nはオキシアルキレン基の平均付加モル数を示す1〜30の数であり、好ましくは1〜20、さらに好ましくは2〜15の数である。
式中、R5、R6及びR7はそれぞれ独立に炭素数2〜4のアルキレン基、好ましくはエチレン基又はプロピレン基であり、m1、m2及びm3はそれぞれオキシアルキレン基の平均付加モル数を示す数で、m1+m2+m3が0〜90、好ましくは3〜60、さらに好ましくは6〜45となる数である。
式中、R8は、式−R9O−で示される基、式−(R10O)S−で示される基、式−CH2CH(OH)CH2O−で示される基又は式−(R11O−COR12−COO−)tR11O−で示される基である。ここでR9は炭素数2〜36のアルキレン基,アルケニレン基又は2価の芳香族炭化水素基であって、好ましくは炭素数2〜18のアルキレン基又はフェニレン基、さらに好ましくは炭素数4〜12のアルキレン基である。またR10は炭素数2〜4のアルキレン基、好ましくはエチレン基又はプロピレン基であり、sはオキシアルキレン基の平均付加モル数を示す1〜60の数であり、好ましくは2〜40、さらに好ましくは4〜30の数である。R11は炭素数2〜18のアルキレン基、アルケニレン基、2価の芳香族炭化水素基又は−(R13O)uR13−であり(R13は炭素数2〜4のアルキレン基、uはオキシアルキレン基の平均付加モル数を示す1〜30の数であり、好ましくは1〜20、さらに好ましくは2〜15の数である)、R12は炭素数2〜18のアルキレン基、アルケニレン基又は2価の芳香族炭化水素基であって、好ましくは炭素数2〜12のアルキレン基又はフェニレン基、さらに好ましくは炭素数2〜8のアルキレン基である。tは平均値で1〜30、好ましくは1〜20、さらに好ましくは1〜15の数である。
これらの化合物の中では、多塩基酸の部分エステルが好ましく、式(III)、(IV)又は(V)で表される化合物から選ばれる化合物がさらに好ましい。
これらの化合物の中では、多塩基酸の部分エステルが好ましく、式(III)、(IV)又は(V)で表される化合物から選ばれる化合物がさらに好ましい。
式(III)で表される化合物の具体例としては、トリメリット酸モノ(2−(メタ)アクリロイルオキシエチル)エステル、トリメリット酸モノ[2−(2−(メタ)アクリロイルオキシエトキシ)エチル]エステル、トリメリット酸モノ(ω−(メタ)アクリロイルオキシポリオキシエチレン(10))エステル等のトリメリット酸モノ(ω−(メタ)アクリロイルオキシPOA(n))エステル(ここで(メタ)アクリロイルはメタクリロイル又はアクリロイルを示し、POA(n)はオキシエチレン又はオキシプロピレンが平均して1〜30モル付加したポリオキシエチレン(以下「POE」と略記することがある)又はポリオキシプロピレン(以下「POP」と略記することがある)を示す。)が挙げられる。
式(IV)で表される化合物の具体例としては、POE(8)グリセリントリマレエート、POE(3)グリセリントリマレエート、POP(10)グリセリントリマレエート等のPOA(m)グリセリントリマレエート(ここでPOA(m)はオキシエチレン又はオキシプロピレンが平均して0〜90モル付加したポリオキシエチレン又はポリオキシプロピレンを示す。)等が挙げられる。
式(V)で表される化合物の具体例としては、グリセリンジマレエート、1,4−ブタンジオールジマレエート,1,6−ヘキサンジオールジマレエート等のアルキレンジオールのジマレエート、1,6−ヘキサンジオールジフマレート等のアルキレンジオールのジフマレート、PEG200ジマレエート,PEG600ジマレエート等のポリオキシアルキレングリコールのジマレエート(ここでPEG200、PEG600とは、それぞれ平均分子量200又は600のポリエチレングリコールを示す)、両末端にカルボキシル基を有するポリブチレンマレエート、両末端にカルボキシル基を有するポリ(PEG200)マレエート等の両末端カルボン酸型ポリアルキレングリコール/マレイン酸ポリエステル、両末端にカルボキシル基を有するポリブチレンアジペートマレエート、PEG600ジフマレート等のポリオキシアルキレングリコールのジフマレート、両末端にカルボキシル基を有するポリブチレンフマレート、両末端にカルボキシル基を有するポリ(PEG200)フマレート等の両末端カルボン酸型ポリアルキレングリコール/フマル酸ポリエステル等が挙げられる。特にポリエチレグリコールジマレエート又はジフマレートが好ましい。
前記化合物(c)は分子量250以上であることが好ましく、さらには250〜5000の範囲であること、特には250〜3000の範囲であることが好ましい。この範囲であると引火点が高く、安全上望ましいばかりでなく、発煙が少なく作業環境上も好ましい。
尚、本発明において、(c)成分は単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
尚、本発明において、(c)成分は単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
次に、本発明の(d)同一分子内にゴムに対する反応基Aとアミノ基とを各々1個以上有する化合物は、(c)と同様にゴム組成物の貯蔵弾性率を向上させる添加剤の有効成分であり、反応基Aがマレイン酸、フマル酸、イタコン酸及びソルビン酸から選ばれる不飽和カルボン酸から誘導される基である。
これらの中でも、反応基Aはマレイン酸、フマル酸、イタコン酸から誘導される基が好ましく、特にはマレイン酸から誘導される基が好ましい。
また、アミノ基は、3級のアミノ基であることが好ましく、さらには脂肪族3級アミンから誘導される基であることが好ましい。
これらの中でも、反応基Aはマレイン酸、フマル酸、イタコン酸から誘導される基が好ましく、特にはマレイン酸から誘導される基が好ましい。
また、アミノ基は、3級のアミノ基であることが好ましく、さらには脂肪族3級アミンから誘導される基であることが好ましい。
化合物(d)の具体例としては、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸及びソルビン酸から選ばれる不飽和カルボン酸のN,N−ジアルキル(アルキル基の炭素数1〜4)アミノアルキル(アルキル基の炭素数1〜22、好ましくは4〜22)エステル、上記不飽和カルボン酸のN−アルキル(アルキル基の炭素数6〜22)−N−(アルキル又はヒドロキシアルキル(アルキル基又はヒドロキシアルキル基の炭素数1〜4))アミノアルキル(アルキル基の炭素数1〜4)エステル、上記不飽和カルボン酸のN−[N’,N’−ジアルキル(アルキル基の炭素数1〜4)アミノアルキル(アルキル基の炭素数1〜22、好ましくは4〜22)]アミド等が挙げられ、マレイン酸のN,N−ジアルキル(アルキル基の炭素数1〜4)アミノアルキル(アルキル基の炭素数1〜22、好ましくは4〜22)エステル、マレイン酸のN−アルキル(アルキル基の炭素数6〜22)−N−(アルキル又はヒドロキシアルキル(アルキル基又はヒドロキシアルキル基の炭素数1〜4))アミノアルキル(アルキル基の炭素数1〜4)エステル、マレイン酸のN−[N’,N’−ジアルキル(アルキル基の炭素数1〜4)アミノアルキル(アルキル基の炭素数1〜22、好ましくは4〜22)]アミドが好ましい。
尚、本発明において、(d)成分は単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
尚、本発明において、(d)成分は単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
で表されるアクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステルが好適に用いられる。上記一般式(IV)において、R14は水素、又はメチル基を示し、R15 はエチレン基またはプロピレン基を示す。R16 は飽和若しくは不飽和のアルキル基、アリール基または一部または2か所以上が−OH、−COOH、−(C=O)−で置換されたものであり、R16 部分の末端にカルボキシル基を持ち、かつ、式中kは0〜30の整数である。また該アクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステルの分子量は250以上である。
上記アルキル基は直鎖状,分岐状,環状のいずれであってもよく、その例としては各種オクチル基(n−オクチル基,分岐オクチル基,シクロオクチル基など、以下同様),各種ノニル基,各種デシル基,各種ドデシル基,各種テトラデシル基,各種ヘキサデシル基,各種オクタデシル基,各種ベヘニル基,各種オクテニル基,各種デセニル基,オレイル基などが挙げられる。アリール基は、芳香環上に低級アルキル基などの置換基を有していてもよく、その例としてはフェニル基,各種トリル基,各種キシリル基,α−若しくはβ−ナフチル基,各種メチルナフチル基,各種ジメチルナフチル基などが挙げられる。
上記アルキル基は直鎖状,分岐状,環状のいずれであってもよく、その例としては各種オクチル基(n−オクチル基,分岐オクチル基,シクロオクチル基など、以下同様),各種ノニル基,各種デシル基,各種ドデシル基,各種テトラデシル基,各種ヘキサデシル基,各種オクタデシル基,各種ベヘニル基,各種オクテニル基,各種デセニル基,オレイル基などが挙げられる。アリール基は、芳香環上に低級アルキル基などの置換基を有していてもよく、その例としてはフェニル基,各種トリル基,各種キシリル基,α−若しくはβ−ナフチル基,各種メチルナフチル基,各種ジメチルナフチル基などが挙げられる。
前記一般式の例としては、2−メタクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタル酸、2−アクリロイロキシエチル−フタル酸、2−アクロイロキシエチルヘキサヒドロフタル酸等が挙げられる。
尚、本発明において、(e)成分は単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明の(c)成分、(d)成分及び(e)成分は、ゴム成分100質量部に対して、1〜10質量部添加することが好ましく、0.5〜6質量部の範囲が更に好ましい。
尚、本発明において、(e)成分は単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明の(c)成分、(d)成分及び(e)成分は、ゴム成分100質量部に対して、1〜10質量部添加することが好ましく、0.5〜6質量部の範囲が更に好ましい。
また、本発明のゴム組成物(c)、(d)又は(e)は、さらに(f)脂肪族アミンを含有することが好ましい。ここで、脂肪族アミンとしては、脂肪族3級アミンが好ましく、下記式(X)で表されるアミンが更に好ましい。
式中、R17は炭素数4〜24のアルキル基、好ましくは8〜22のアルキル基、R18及びR19は、それぞれ炭素数1〜8のアルキル基、好ましくは1〜2のアルキル基を示す。
尚、(c)(d)又は(e)成分と(f)成分の比率(c)/(f)、(d)/(f)又は(e)/(f)(質量比)は0.1〜10の範囲が好ましく、特に0.2〜5の範囲が好ましい。さらに、(f)成分は(a)ゴム100質量部に対して、0.1〜10質量部が好ましく、さらには0.5〜6質量部の範囲が好ましい。
尚、(c)(d)又は(e)成分と(f)成分の比率(c)/(f)、(d)/(f)又は(e)/(f)(質量比)は0.1〜10の範囲が好ましく、特に0.2〜5の範囲が好ましい。さらに、(f)成分は(a)ゴム100質量部に対して、0.1〜10質量部が好ましく、さらには0.5〜6質量部の範囲が好ましい。
[(g)シランカップリング剤]
本発明では、さらにシランカップリング剤を用いることが好ましい。シランカップリング剤は含水ケイ酸表面に残存するシラノール基とゴム成分ポリマーと反応して、含水ケイ酸とゴムとの結合橋として作用し補強相を形成する。
本発明で用いられるシランカップリング剤は、好ましくは下記一般式(VII)、(VIII)及び(IX)で表される化合物よりなる群から選ばれた少なくとも一種である。
本発明では、さらにシランカップリング剤を用いることが好ましい。シランカップリング剤は含水ケイ酸表面に残存するシラノール基とゴム成分ポリマーと反応して、含水ケイ酸とゴムとの結合橋として作用し補強相を形成する。
本発明で用いられるシランカップリング剤は、好ましくは下記一般式(VII)、(VIII)及び(IX)で表される化合物よりなる群から選ばれた少なくとも一種である。
[式中、AはCnH2n+1O(nは1〜3の整数)又は塩素原子であり、Bは炭素数1〜3のアルキル基であり、mは1〜3の整数、aは1〜9の整数、bは1以上の整数で分布を有していてもよい。但し、mが1の時、2つのBは同一でも異なってもよく、mが2又は3の時、2つ又は3つのAは同一でも異なってもよい。]
[式中、AはCnH2n+1O(nは1〜3の整数)又は塩素原子であり、Bは炭素数1〜3のアルキル基であり、Yはメルカプト基、ビニル基、アミノ基、グリシドキシ基又はエポキシ基であり、mは1〜3の整数、cは0〜9の整数である。但し、mが1の時、2つのBは同一でも異なってもよく、mが2又は3の時、2つ又は3つのAは同一でも異なってもよい。]
[式中、AはCnH2n+1O(nは1〜3の整数)又は塩素原子であり、Bは炭素数1〜3のアルキル基であり、Zはベンゾチアゾリル基、N,N−ジメチルチオカルバモイル基又はメタクリロイル基であり、mは1〜3の整数、aは1〜9の整数、bは1以上の整数で分布を有していてもよい。但し、mが1の時、2つのBは同一でも異なってもよく、mが2又は3の時、2つ又は3つのAは同一でも異なってもよい。]
具体的には、一般式(VII)で表されるシランカップリング剤としては、ビス−(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス−(3−トリメトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス−(3−メチルジメトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス−(3−トリエトキシシリルエチル)テトラスルフィド、ビス−(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス−(3−トリメトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス−(3−トリエトキシシリルプロピル)トリスルフィド等が挙げられる。
一般式(VIII)で表されるシランカップリング剤としては、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン等が挙げられる。
一般式(IX)で表されるシランカップリング剤としては、3−トリメトキシシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピルベンゾチアゾリルテトラスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピルメタクリロイルモノスルフィド等が挙げられる。
シランカップリング剤の使用量は、含水ケイ酸の量に対して、1〜20質量%が好ましい。使用量が1質量%未満では、十分なカップリング効果が得られないことがあり、20質量%を超えると、ポリマーのゲル化を引き起こすことがある。好ましくは5〜15質量%である。
本発明における(c)、(d)及び(e)の化合物の添加方法は、特に限定されず、ゴム成分に通常の混練機、例えばバンバリーミキサー、ロール、インテンシブミキサー等を用いて、添加混合することができる。
また、本発明のゴム組成物には、本発明の目的が損なわれない範囲で、所望により、通常ゴム工業界で用いられる各種配合剤、例えば無機充填材,加硫剤,加硫促進剤,老化防止剤,スコーチ防止剤,軟化剤,亜鉛華,ステアリン酸などを含有させることができる。そして、本発明のゴム組成物はタイヤのトレッドゴムやトレッドベースゴムに好適に用いられる。
また、本発明のゴム組成物には、本発明の目的が損なわれない範囲で、所望により、通常ゴム工業界で用いられる各種配合剤、例えば無機充填材,加硫剤,加硫促進剤,老化防止剤,スコーチ防止剤,軟化剤,亜鉛華,ステアリン酸などを含有させることができる。そして、本発明のゴム組成物はタイヤのトレッドゴムやトレッドベースゴムに好適に用いられる。
尚、上記添加剤中、無機充填材とは、通常のシリカ又は下記一般式(XI)で表される化合物をいう。
dM1 ・xSiOy・zH2 O ・・・(X)
ここで、式(XI)中、M1 は、アルミニウム、マグネシウム、チタン、カルシウム、及びジルコニウムからなる群から選ばれる金属、これらの金属の酸化物又は水酸化物、及びそれらの水和物、またはこれらの金属の炭酸塩から選ばれる少なくとも一種であり、d、x、y及びzは、それぞれ1〜5の整数、0〜10の整数、2〜5の整数、及び0〜10の整数である。
尚、一般式(X)において、x、zがともに0である場合には、該無機化合物はアルミニウム、マグネシウム、チタン、カルシウム及びジルコニウムから選ばれる少なくとも1つの金属、金属酸化物又は金属水酸化物となる。
上記一般式(X)で表わされる無機充填材としては、γ−アルミナ、α−アルミナ等のアルミナ(Al2O3)、ベーマイト、ダイアスポア等のアルミナ一水和物(Al2O3・H2O)、ギブサイト、バイヤライト等の水酸化アルミニウム[Al(OH)3]、炭酸アルミニウム[Al2(CO3)2]、水酸化マグネシウム[Mg(OH)2]、酸化マグネシウム(MgO)、炭酸マグネシウム(MgCO3)、タルク(3MgO・4SiO2・H2O)、アタパルジャイト(5MgO・8SiO2・9H2O)、チタン白(TiO2)、チタン黒(TiO2n-1)、酸化カルシウム(CaO)、水酸化カルシウム[Ca(OH)2]、酸化アルミニウムマグネシウム(MgO・Al2O3)、クレー(Al2O3・2SiO2)、カオリン(Al2O3・2SiO2・2H2O)、パイロフィライト(Al2O3・4SiO2・H2O)、ベントナイト(Al2O3・4SiO2・2H2O)、ケイ酸アルミニウム(Al2SiO5 、Al4・3SiO4・5H2O等)、ケイ酸マグネシウム(Mg2SiO4、MgSiO3等)、ケイ酸カルシウム(Ca2・SiO4等)、ケイ酸アルミニウムカルシウム(Al2O3・CaO・2SiO2等)、ケイ酸マグネシウムカルシウム(CaMgSiO4)、炭酸カルシウム(CaCO3)、酸化ジルコニウム(ZrO2)、水酸化ジルコニウム[ZrO(OH)2・nH2O]、炭酸ジルコニウム[Zr(CO3)2]、各種ゼオライトのように電荷を補正する水素、アルカリ金属又はアルカリ土類金属を含む結晶性アルミノケイ酸塩などが使用できる。また、前記一般式(XI)中のM1がアルミニウム金属、アルミニウムの酸化物又は水酸化物、及びそれらの水和物、またはアルミニウムの炭酸塩から選ばれる少なくとも一つである場合が好ましい。
一般式(X)で表されるこれらの無機化合物は、単独で使用してもよいし、2種以上を混合して使用してもよい。また、これらの化合物はシリカと混合して使用することもできる。
dM1 ・xSiOy・zH2 O ・・・(X)
ここで、式(XI)中、M1 は、アルミニウム、マグネシウム、チタン、カルシウム、及びジルコニウムからなる群から選ばれる金属、これらの金属の酸化物又は水酸化物、及びそれらの水和物、またはこれらの金属の炭酸塩から選ばれる少なくとも一種であり、d、x、y及びzは、それぞれ1〜5の整数、0〜10の整数、2〜5の整数、及び0〜10の整数である。
尚、一般式(X)において、x、zがともに0である場合には、該無機化合物はアルミニウム、マグネシウム、チタン、カルシウム及びジルコニウムから選ばれる少なくとも1つの金属、金属酸化物又は金属水酸化物となる。
上記一般式(X)で表わされる無機充填材としては、γ−アルミナ、α−アルミナ等のアルミナ(Al2O3)、ベーマイト、ダイアスポア等のアルミナ一水和物(Al2O3・H2O)、ギブサイト、バイヤライト等の水酸化アルミニウム[Al(OH)3]、炭酸アルミニウム[Al2(CO3)2]、水酸化マグネシウム[Mg(OH)2]、酸化マグネシウム(MgO)、炭酸マグネシウム(MgCO3)、タルク(3MgO・4SiO2・H2O)、アタパルジャイト(5MgO・8SiO2・9H2O)、チタン白(TiO2)、チタン黒(TiO2n-1)、酸化カルシウム(CaO)、水酸化カルシウム[Ca(OH)2]、酸化アルミニウムマグネシウム(MgO・Al2O3)、クレー(Al2O3・2SiO2)、カオリン(Al2O3・2SiO2・2H2O)、パイロフィライト(Al2O3・4SiO2・H2O)、ベントナイト(Al2O3・4SiO2・2H2O)、ケイ酸アルミニウム(Al2SiO5 、Al4・3SiO4・5H2O等)、ケイ酸マグネシウム(Mg2SiO4、MgSiO3等)、ケイ酸カルシウム(Ca2・SiO4等)、ケイ酸アルミニウムカルシウム(Al2O3・CaO・2SiO2等)、ケイ酸マグネシウムカルシウム(CaMgSiO4)、炭酸カルシウム(CaCO3)、酸化ジルコニウム(ZrO2)、水酸化ジルコニウム[ZrO(OH)2・nH2O]、炭酸ジルコニウム[Zr(CO3)2]、各種ゼオライトのように電荷を補正する水素、アルカリ金属又はアルカリ土類金属を含む結晶性アルミノケイ酸塩などが使用できる。また、前記一般式(XI)中のM1がアルミニウム金属、アルミニウムの酸化物又は水酸化物、及びそれらの水和物、またはアルミニウムの炭酸塩から選ばれる少なくとも一つである場合が好ましい。
一般式(X)で表されるこれらの無機化合物は、単独で使用してもよいし、2種以上を混合して使用してもよい。また、これらの化合物はシリカと混合して使用することもできる。
尚、タイヤは、本発明のゴム組成物を用いて通常の方法によって製造される。すなわち、必要に応じて、上記のように各種薬品を含有させた本発明のゴム組成物が未加硫の段階で、例えばトレッド用部材に押出し加工され、タイヤ成形機上で通常の方法により貼り付け成形され、生タイヤが成形される。この生タイヤを加硫機中で加熱加圧して、低燃費性及び操縦安定性の優れたタイヤが得られる。
以下、実施例及び比較例により本発明を更に詳しく説明するが、本発明は下記実施例に何ら限定されるものではない。
以下の実施例に用いた、(ア)含水ケイ酸からなる含水ケイ酸及び比較例に用いた含水ケイ酸の特性値、(イ)表2−1及び2に示す配合組成で得られた各ゴム組成物における未加硫ゴムのムーニー粘度、(ウ)加硫ゴムの耐摩耗性、貯蔵弾性率及び(エ)該ゴム組成物をトレッドに用いたタイヤ(タイヤサイズ:195/65R15)の転がり抵抗性(低RR)、操縦安定性については、下記の方法により測定、評価した。
以下の実施例に用いた、(ア)含水ケイ酸からなる含水ケイ酸及び比較例に用いた含水ケイ酸の特性値、(イ)表2−1及び2に示す配合組成で得られた各ゴム組成物における未加硫ゴムのムーニー粘度、(ウ)加硫ゴムの耐摩耗性、貯蔵弾性率及び(エ)該ゴム組成物をトレッドに用いたタイヤ(タイヤサイズ:195/65R15)の転がり抵抗性(低RR)、操縦安定性については、下記の方法により測定、評価した。
(ア)含水ケイ酸の特性値
(1)音響式粒度分布径の測定
各含水ケイ酸の0.01M KCl水溶液を超音波で5分間分散処理し、泡を除去した後、超音波式粒度分布測定装置DT1200(Dispertion Technology社製)を用いて、含水ケイ酸の1次凝集体の直径の最頻値Aac(μm)を測定した。測定結果を表1に示す。
(2)CTABの測定
ASTM D3765−92記載の方法に準拠して実施した。ASTM D3765−92記載の方法は、カーボンブラックのCTABを測定する方法であるので、若干の修正を加えた。すなわち、カーボンブラックの標準品であるIRB#3(83.0m2/g)を使用せず、別途セチルトリメチルアンムニウムブロミド(以下、CE−TRABと略記する)標準液を調製し、これによって含水ケイ酸OT(ジ−2−エチルヘキシルスルホコハク酸ナトリウム)溶液の標定を行い、含水ケイ酸表面に対するCE−TRAB1分子当たりの吸着断面積を0.35nm2としてCE−TRABの吸着量から、比表面積(m2/g)を算出した。これは、カーボンブラックと含水ケイ酸とでは表面が異なるので、同一表面積でもCE−TRABの吸着量に違いがあると考えられるからである。測定結果を表1に示す。
(3)加熱減量及び灼熱減量の測定
含水ケイ酸サンプルを秤量し、加熱減量の場合は105℃でサンプルを2時間加熱し、灼熱減量の場合は750℃でサンプルを3時間加熱した後、質量を測定し、加熱前のサンプル質量との差を加熱前の質量に対して%で表した。
(1)音響式粒度分布径の測定
各含水ケイ酸の0.01M KCl水溶液を超音波で5分間分散処理し、泡を除去した後、超音波式粒度分布測定装置DT1200(Dispertion Technology社製)を用いて、含水ケイ酸の1次凝集体の直径の最頻値Aac(μm)を測定した。測定結果を表1に示す。
(2)CTABの測定
ASTM D3765−92記載の方法に準拠して実施した。ASTM D3765−92記載の方法は、カーボンブラックのCTABを測定する方法であるので、若干の修正を加えた。すなわち、カーボンブラックの標準品であるIRB#3(83.0m2/g)を使用せず、別途セチルトリメチルアンムニウムブロミド(以下、CE−TRABと略記する)標準液を調製し、これによって含水ケイ酸OT(ジ−2−エチルヘキシルスルホコハク酸ナトリウム)溶液の標定を行い、含水ケイ酸表面に対するCE−TRAB1分子当たりの吸着断面積を0.35nm2としてCE−TRABの吸着量から、比表面積(m2/g)を算出した。これは、カーボンブラックと含水ケイ酸とでは表面が異なるので、同一表面積でもCE−TRABの吸着量に違いがあると考えられるからである。測定結果を表1に示す。
(3)加熱減量及び灼熱減量の測定
含水ケイ酸サンプルを秤量し、加熱減量の場合は105℃でサンプルを2時間加熱し、灼熱減量の場合は750℃でサンプルを3時間加熱した後、質量を測定し、加熱前のサンプル質量との差を加熱前の質量に対して%で表した。
(イ)未加硫ゴム性能
(1)ムーニー粘度
JIS K6300−1994に基づき、125℃にてムーニー粘度〔ML1+4 〕を測定し、比較例1を100として指数表示した。数値が小さいほど加工性が良好である。
(1)ムーニー粘度
JIS K6300−1994に基づき、125℃にてムーニー粘度〔ML1+4 〕を測定し、比較例1を100として指数表示した。数値が小さいほど加工性が良好である。
(ウ)加硫ゴム性能
(1)貯蔵弾性率(E’)
アイティー計測制御(株)製DVA−200を用いて行ない、測定はJIS K7198に基づき、試験片は長さ2.0mm×幅5mm×厚さ約2mmのものを用い、試験温度−80℃〜100℃、歪率2%、周波数50Hz、昇温速度5℃/分で行った。60℃における貯蔵弾性率(E’)の値を、比較例1と対比した指数として示した。貯蔵弾性率(E’)の指数が大きいほどゴム物性として良好であり操縦安定性が良好である。
(2)耐摩耗性
ランボーン型摩耗試験機を用い、JIS K6264に従い、室温におけるスリップ率60%の摩耗量を測定し、摩耗量の逆数を比較例1を100として指数で表示した。この数値が大きい程、耐摩耗性が良好である。
(1)貯蔵弾性率(E’)
アイティー計測制御(株)製DVA−200を用いて行ない、測定はJIS K7198に基づき、試験片は長さ2.0mm×幅5mm×厚さ約2mmのものを用い、試験温度−80℃〜100℃、歪率2%、周波数50Hz、昇温速度5℃/分で行った。60℃における貯蔵弾性率(E’)の値を、比較例1と対比した指数として示した。貯蔵弾性率(E’)の指数が大きいほどゴム物性として良好であり操縦安定性が良好である。
(2)耐摩耗性
ランボーン型摩耗試験機を用い、JIS K6264に従い、室温におけるスリップ率60%の摩耗量を測定し、摩耗量の逆数を比較例1を100として指数で表示した。この数値が大きい程、耐摩耗性が良好である。
(エ)タイヤ性能
(1)転がり抵抗(RR)
スチール平面を有する外径1707.6mm、幅350mmの回転ドラムを用い、4500N(460kg)の荷重の作用下で、80km/hの速度で回転させ惰行法にて測定し評価した。測定値は比較例1の値を100として指数化した。この値が大きいほど転がり抵抗は良好(低燃費性)であることを示す。
(2)操縦安定性
テストドライバーのフィーリングに基づく評価を行い、比較例1を100として指数化した。この数値が大きいほど操縦安定性が優れていることを示す。
(1)転がり抵抗(RR)
スチール平面を有する外径1707.6mm、幅350mmの回転ドラムを用い、4500N(460kg)の荷重の作用下で、80km/hの速度で回転させ惰行法にて測定し評価した。測定値は比較例1の値を100として指数化した。この値が大きいほど転がり抵抗は良好(低燃費性)であることを示す。
(2)操縦安定性
テストドライバーのフィーリングに基づく評価を行い、比較例1を100として指数化した。この数値が大きいほど操縦安定性が優れていることを示す。
含水ケイ酸の製法
製造実施例A
攪拌機を備えた容量180Lのジャケット付ステンレス製反応槽に、水93Lとケイ酸ナトリウム水溶液(SiO2 160g/L、SiO2/Na2Oモル比3.3)0.6Lを入れ96℃に加熱した。得られた溶液中のNa2O濃度は0.005mol/Lであった。
この溶液の温度を96℃に維持しながら、上記と同じのケイ酸ナトリウム水溶液を540ml/分、硫酸(18mol/L)を24ml/分の流量で同時に滴下した。流量を調整しながら、反応溶液中のNa2O濃度を0.00〜0.01mol/Lの範囲に維持して中和反応を行なった。反応途中から白濁をはじめ、47分目に粘度が上昇してゲル状溶液となった。さらに添加を続けて90分で反応を停止した。反応停止後、反応液温度を96℃に30分間維持した。生じた溶液中のシリカ濃度は55g/Lであった。引き続いて、上記濃度の硫酸を溶液のpHが3になるまで添加してケイ酸スラリーを得た。得られたケイ酸スラリーをフィルタープレスで濾過、水洗を行なって湿潤ケーキを得た。次いで、湿潤ケーキを乳化装置を用いてスラリーとして、噴霧式乾燥機で乾燥して湿式法含水ケイ酸Aを得た。
製造実施例A
攪拌機を備えた容量180Lのジャケット付ステンレス製反応槽に、水93Lとケイ酸ナトリウム水溶液(SiO2 160g/L、SiO2/Na2Oモル比3.3)0.6Lを入れ96℃に加熱した。得られた溶液中のNa2O濃度は0.005mol/Lであった。
この溶液の温度を96℃に維持しながら、上記と同じのケイ酸ナトリウム水溶液を540ml/分、硫酸(18mol/L)を24ml/分の流量で同時に滴下した。流量を調整しながら、反応溶液中のNa2O濃度を0.00〜0.01mol/Lの範囲に維持して中和反応を行なった。反応途中から白濁をはじめ、47分目に粘度が上昇してゲル状溶液となった。さらに添加を続けて90分で反応を停止した。反応停止後、反応液温度を96℃に30分間維持した。生じた溶液中のシリカ濃度は55g/Lであった。引き続いて、上記濃度の硫酸を溶液のpHが3になるまで添加してケイ酸スラリーを得た。得られたケイ酸スラリーをフィルタープレスで濾過、水洗を行なって湿潤ケーキを得た。次いで、湿潤ケーキを乳化装置を用いてスラリーとして、噴霧式乾燥機で乾燥して湿式法含水ケイ酸Aを得た。
製造実施例B
製造例Aと同じ容器および原料を使用し、水93Lとケイ酸ナトリウム水溶液0.6Lを入れ、90℃に加熱した。得られた溶液中のNa2O濃度は0.005mol/Lであった。
この溶液の温度を90℃に維持しながら、上記と同じケイ酸ナトリウム水溶液を540ml/分、硫酸(18mol/L)を24ml/分の流量で同時に滴下した。流量を調整しながら、反応溶液中のNa2O濃度を0.00〜0.01mol/Lの範囲に維持して中和反応を行なった。反応途中から白濁をはじめ、47分目に粘度が上昇してゲル状溶液となった。さらに添加を続けて90分で反応を停止した。反応停止後、反応液温度を90℃に30分間維持した。生じた溶液中のシリカ濃度は55g/Lであった。引き続いて、上記濃度の硫酸を溶液のpHが3になるまで添加してケイ酸スラリーを得た。以下製造例Aと同様な方法で湿式法含水ケイ酸Bを得た。
製造例Aと同じ容器および原料を使用し、水93Lとケイ酸ナトリウム水溶液0.6Lを入れ、90℃に加熱した。得られた溶液中のNa2O濃度は0.005mol/Lであった。
この溶液の温度を90℃に維持しながら、上記と同じケイ酸ナトリウム水溶液を540ml/分、硫酸(18mol/L)を24ml/分の流量で同時に滴下した。流量を調整しながら、反応溶液中のNa2O濃度を0.00〜0.01mol/Lの範囲に維持して中和反応を行なった。反応途中から白濁をはじめ、47分目に粘度が上昇してゲル状溶液となった。さらに添加を続けて90分で反応を停止した。反応停止後、反応液温度を90℃に30分間維持した。生じた溶液中のシリカ濃度は55g/Lであった。引き続いて、上記濃度の硫酸を溶液のpHが3になるまで添加してケイ酸スラリーを得た。以下製造例Aと同様な方法で湿式法含水ケイ酸Bを得た。
製造実施例C
製造例Aと同じ容器および原料を使用し、水93Lとケイ酸ナトリウム水溶液0.6Lを入れ、84℃に加熱した。得られた溶液中のNa2O濃度は0.005mol/Lであった。
この溶液の温度を84℃に維持しながら、上記と同じケイ酸ナトリウム水溶液を540ml/分、硫酸(18mol/L)を24ml/分の流量で同時に滴下した。流量を調整しながら、反応溶液中のNa2O濃度を0.00〜0.01mol/Lの範囲に維持して中和反応を行なった。反応途中から白濁をはじめ、48分目に粘度が上昇してゲル状溶液となった。さらに添加を続けて90分で反応を停止した。反応停止後、反応液温度を83℃に30分間維持した。生じた溶液中のシリカ濃度は55g/Lであった。引き続いて、上記濃度の硫酸を溶液のpHが3になるまで添加してケイ酸スラリーを得た。以下製造例Aと同様な方法で湿式法含水ケイ酸Cを得た。
製造例Aと同じ容器および原料を使用し、水93Lとケイ酸ナトリウム水溶液0.6Lを入れ、84℃に加熱した。得られた溶液中のNa2O濃度は0.005mol/Lであった。
この溶液の温度を84℃に維持しながら、上記と同じケイ酸ナトリウム水溶液を540ml/分、硫酸(18mol/L)を24ml/分の流量で同時に滴下した。流量を調整しながら、反応溶液中のNa2O濃度を0.00〜0.01mol/Lの範囲に維持して中和反応を行なった。反応途中から白濁をはじめ、48分目に粘度が上昇してゲル状溶液となった。さらに添加を続けて90分で反応を停止した。反応停止後、反応液温度を83℃に30分間維持した。生じた溶液中のシリカ濃度は55g/Lであった。引き続いて、上記濃度の硫酸を溶液のpHが3になるまで添加してケイ酸スラリーを得た。以下製造例Aと同様な方法で湿式法含水ケイ酸Cを得た。
製造実施例D
製造例Aと同じ容器および原料を使用し、水93Lとケイ酸ナトリウム水溶液0.6Lを入れ、90℃に加熱した。得られた溶液中のNa2O濃度は0.005mol/Lであった。
この溶液の温度を90℃に維持しながら、上記と同じケイ酸ナトリウム水溶液を540ml/分、硫酸(18mol/L)を24ml/分の流量で同時に滴下した。流量を調整しながら、反応溶液中のNa2O濃度を0.00〜0.01mol/Lの範囲に維持して中和反応を行なった。反応途中から白濁をはじめ、47分目に粘度が上昇してゲル状溶液となった。さらに添加を続けて90分で反応を停止した。反応停止後、反応液温度を90℃に60分間維持した。生じた溶液中のシリカ濃度は55g/Lであった。引き続いて、上記濃度の硫酸を溶液のpHが3になるまで添加してケイ酸スラリーを得た。以下製造例Aと同様な方法で湿式法含水ケイ酸Dを得た。
製造例Aと同じ容器および原料を使用し、水93Lとケイ酸ナトリウム水溶液0.6Lを入れ、90℃に加熱した。得られた溶液中のNa2O濃度は0.005mol/Lであった。
この溶液の温度を90℃に維持しながら、上記と同じケイ酸ナトリウム水溶液を540ml/分、硫酸(18mol/L)を24ml/分の流量で同時に滴下した。流量を調整しながら、反応溶液中のNa2O濃度を0.00〜0.01mol/Lの範囲に維持して中和反応を行なった。反応途中から白濁をはじめ、47分目に粘度が上昇してゲル状溶液となった。さらに添加を続けて90分で反応を停止した。反応停止後、反応液温度を90℃に60分間維持した。生じた溶液中のシリカ濃度は55g/Lであった。引き続いて、上記濃度の硫酸を溶液のpHが3になるまで添加してケイ酸スラリーを得た。以下製造例Aと同様な方法で湿式法含水ケイ酸Dを得た。
製造実施例E
製造例Aと同じ容器および原料を使用し、水93Lとケイ酸ナトリウム水溶液0.6Lを入れ、90℃に加熱した。得られた溶液中のNa2O濃度は0.005mol/Lであった。
この溶液の温度を78℃に維持しながら、上記と同じケイ酸ナトリウム水溶液を540ml/分、硫酸(18mol/L)を24ml/分の流量で同時に滴下した。流量を調整しながら、反応溶液中のNa2O濃度を0.00〜0.01mol/Lの範囲に維持して中和反応を行なった。反応途中から白濁をはじめ、49分目に粘度が上昇してゲル状溶液となった。さらに添加を続けて90分で反応を停止した。反応停止後、反応液温度を78℃に60分間維持した。生じた溶液中のシリカ濃度は55g/Lであった。引き続いて、上記濃度の硫酸を溶液のpHが3になるまで添加してケイ酸スラリーを得た。以下製造例Aと同様な方法で湿式法含水ケイ酸Eを得た。
製造例Aと同じ容器および原料を使用し、水93Lとケイ酸ナトリウム水溶液0.6Lを入れ、90℃に加熱した。得られた溶液中のNa2O濃度は0.005mol/Lであった。
この溶液の温度を78℃に維持しながら、上記と同じケイ酸ナトリウム水溶液を540ml/分、硫酸(18mol/L)を24ml/分の流量で同時に滴下した。流量を調整しながら、反応溶液中のNa2O濃度を0.00〜0.01mol/Lの範囲に維持して中和反応を行なった。反応途中から白濁をはじめ、49分目に粘度が上昇してゲル状溶液となった。さらに添加を続けて90分で反応を停止した。反応停止後、反応液温度を78℃に60分間維持した。生じた溶液中のシリカ濃度は55g/Lであった。引き続いて、上記濃度の硫酸を溶液のpHが3になるまで添加してケイ酸スラリーを得た。以下製造例Aと同様な方法で湿式法含水ケイ酸Eを得た。
製造実施例F
製造例Aと同じ容器および原料を使用し、水93Lとケイ酸ナトリウム水溶液0.6Lを入れ、65℃に加熱した。得られた溶液中のNa2O濃度は0.005mol/Lであった。
この溶液の温度を65℃に維持しながら、上記と同じケイ酸ナトリウム水溶液を540ml/分、硫酸(18mol/L)を24ml/分の流量で同時に滴下した。流量を調整しながら、反応溶液中のNa2O濃度を0.00〜0.01mol/Lの範囲に維持して中和反応を行なった。反応途中から白濁をはじめ、50分目に粘度が上昇してゲル状溶液となった。さらに添加を続けて90分で反応を停止した。反応停止後、反応液温度を65℃に60分間維持した。生じた溶液中のシリカ濃度は55g/Lであった。引き続いて、上記濃度の硫酸を溶液のpHが3になるまで添加してケイ酸スラリーを得た。以下製造例Aと同様な方法で湿式法含水ケイ酸Fを得た。
製造例Aと同じ容器および原料を使用し、水93Lとケイ酸ナトリウム水溶液0.6Lを入れ、65℃に加熱した。得られた溶液中のNa2O濃度は0.005mol/Lであった。
この溶液の温度を65℃に維持しながら、上記と同じケイ酸ナトリウム水溶液を540ml/分、硫酸(18mol/L)を24ml/分の流量で同時に滴下した。流量を調整しながら、反応溶液中のNa2O濃度を0.00〜0.01mol/Lの範囲に維持して中和反応を行なった。反応途中から白濁をはじめ、50分目に粘度が上昇してゲル状溶液となった。さらに添加を続けて90分で反応を停止した。反応停止後、反応液温度を65℃に60分間維持した。生じた溶液中のシリカ濃度は55g/Lであった。引き続いて、上記濃度の硫酸を溶液のpHが3になるまで添加してケイ酸スラリーを得た。以下製造例Aと同様な方法で湿式法含水ケイ酸Fを得た。
製造実施例G
製造例Aと同じ容器および原料を使用し、水86Lとケイ酸ナトリウム水溶液0.5Lを入れ、96℃に加熱した。得られた溶液中のNa2O濃度は0.005mol/Lであった。
この溶液の温度を96℃に維持しながら、上記と同じケイ酸ナトリウム水溶液を615ml/分、硫酸(18mol/L)を27ml/分の流量で同時に滴下した。流量を調整しながら、反応溶液中のNa2O濃度を0.00〜0.01mol/Lの範囲に維持して中和反応を行なった。反応途中から白濁をはじめ、40分目に粘度が上昇してゲル状溶液となった。さらに添加を続けて90分で反応を停止した。反応停止後、反応液温度を96℃に60分間維持した。生じた溶液中のシリカ濃度は62g/Lであった。引き続いて、上記濃度の硫酸を溶液のpHが3になるまで添加してケイ酸スラリーを得た。以下製造例Aと同様な方法で湿式法含水ケイ酸Gを得た。
製造例Aと同じ容器および原料を使用し、水86Lとケイ酸ナトリウム水溶液0.5Lを入れ、96℃に加熱した。得られた溶液中のNa2O濃度は0.005mol/Lであった。
この溶液の温度を96℃に維持しながら、上記と同じケイ酸ナトリウム水溶液を615ml/分、硫酸(18mol/L)を27ml/分の流量で同時に滴下した。流量を調整しながら、反応溶液中のNa2O濃度を0.00〜0.01mol/Lの範囲に維持して中和反応を行なった。反応途中から白濁をはじめ、40分目に粘度が上昇してゲル状溶液となった。さらに添加を続けて90分で反応を停止した。反応停止後、反応液温度を96℃に60分間維持した。生じた溶液中のシリカ濃度は62g/Lであった。引き続いて、上記濃度の硫酸を溶液のpHが3になるまで添加してケイ酸スラリーを得た。以下製造例Aと同様な方法で湿式法含水ケイ酸Gを得た。
上記製造実施例A〜G、及び「東・ソーシリカ社製」ニプシールAQについて、CATB(m2/g)、頻度分布径Aac、−0.76×CATB+274及び灼熱減量−過熱減量(質量%)の測定及び評価をおこなった。結果を第1表に示す。
実施例1〜9及び比較例1〜7
第2表−1及び第2表−2に示す種類と量のゴム成分及び配合剤からなるゴム組成物を常法により調製した。
実施例1〜9において、それぞれ製造実施例A〜Gで製造した含水ケイ酸A〜Gを、貯蔵弾性率向上剤としては化合物(c)の一般式(III)で表されるトリメリット酸モノ(ω−(メタ)アクリロイルオキシPOE(10)エステル)、一般式(IV)で表されるグリセリンジマレエート及び一般式(V)で表されるポリ(EG200)マレエートを用いた。
また、比較例1では含水ケイ酸として東ソー・シリカ社製Nipsil AQを用いた。
上記実施例9種、比較例7種合計16種のゴム組成物につき、第2表-1及び2に示す配合組成で得られた各ゴム組成物の未加硫ゴムのムーニー粘度、加硫ゴムの耐摩耗性、貯蔵弾性率及びタイヤの転がり抵抗性(低RR)、操縦安定性について測定及び評価を行った。測定結果及び評価結果を第2表−1及び第2表−2に示す。
第2表−1及び第2表−2に示す種類と量のゴム成分及び配合剤からなるゴム組成物を常法により調製した。
実施例1〜9において、それぞれ製造実施例A〜Gで製造した含水ケイ酸A〜Gを、貯蔵弾性率向上剤としては化合物(c)の一般式(III)で表されるトリメリット酸モノ(ω−(メタ)アクリロイルオキシPOE(10)エステル)、一般式(IV)で表されるグリセリンジマレエート及び一般式(V)で表されるポリ(EG200)マレエートを用いた。
また、比較例1では含水ケイ酸として東ソー・シリカ社製Nipsil AQを用いた。
上記実施例9種、比較例7種合計16種のゴム組成物につき、第2表-1及び2に示す配合組成で得られた各ゴム組成物の未加硫ゴムのムーニー粘度、加硫ゴムの耐摩耗性、貯蔵弾性率及びタイヤの転がり抵抗性(低RR)、操縦安定性について測定及び評価を行った。測定結果及び評価結果を第2表−1及び第2表−2に示す。
*1.SBR1712[JSR社製]ゴム成分100質量部に対して37.5質量部の油で油展。油分18.75質量部含む
*2.SBR[JSR社製]非油展SBR
*3.軟化剤[三共油化工業社製]
*4.シーストKH(N339)[東海カーボン社製]
*5.ニプシールAQ[東・ソーシリカ社製]
*6.〜*12.含水ケイ酸の製法に記載
*13.シランカップリング剤Si75[Degussa社製]
*14.式(V)において、R8が−(R11O−COR12−COO−)tR11O−で示される基であり、R11が−(R13O)uR13−(R13がエチレン基、u=3.5)であり、R12が−CH=CH−、t=4の化合物である。
*15.POE(n)はオキシエチレンがnモル付加したポリオキシエチレンを示す。
*16.N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン
*17.ジフェニルガニジン
*18.N-シクロヘキシル-2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド
*19.ジベンゾチアジルジスルフィド
第2表−1及び2から次のことが分かる。
一般式(I)を満足した含水ケイ酸及び貯蔵弾性率向上剤である(c)成分を含む実施例1〜9は、比較例1に対して作業性の指標であるムーニー粘度が低く、
操縦安定性、耐摩耗性及び低燃費性に優れることがわかる。
また、(c)成分を含まない比較例1〜3はムーニー粘度が高く作業性が劣ることが分かる。
一般式(I)を満足した含水ケイ酸及び貯蔵弾性率向上剤である(c)成分を含む実施例1〜9は、比較例1に対して作業性の指標であるムーニー粘度が低く、
操縦安定性、耐摩耗性及び低燃費性に優れることがわかる。
また、(c)成分を含まない比較例1〜3はムーニー粘度が高く作業性が劣ることが分かる。
本発明によれば、含水ケイ酸(湿式シリカ)含有ゴム組成物において、天然ゴム及び/又はジエン系合成ゴムからなるゴム成分に対して、含水ケイ酸に特定構造を持たせた含水ケイ酸を配合することで、未加硫ゴム組成物の作業性が改善され、加硫後のゴム組成物の低発熱性が得られると共に、耐摩耗性改善される。
さらに、前記ゴム成分に対して、同一分子内にゴム成分に対する反応基Aを1個以上と前記特定構造を持たせたシリカに対する吸着基Bを2個以上有する化合物を配合することで、加工性を損なうことなしに貯蔵弾性率が改善される。
上記ゴム組成物を、特にタイヤのトレッドに用いることにより、低燃費性及び操縦安定性に優れたタイヤを提供することができる。
さらに、前記ゴム成分に対して、同一分子内にゴム成分に対する反応基Aを1個以上と前記特定構造を持たせたシリカに対する吸着基Bを2個以上有する化合物を配合することで、加工性を損なうことなしに貯蔵弾性率が改善される。
上記ゴム組成物を、特にタイヤのトレッドに用いることにより、低燃費性及び操縦安定性に優れたタイヤを提供することができる。
Claims (23)
- (a)天然ゴム及び/又はジエン系合成ゴムからなるゴム成分100質量部に対して、(b)セチルトリメチルアンモニウムブロミド吸着比表面積(CTAB)(m2/g)と音響式粒度分布測定によって求められる一次凝集体の直径の最頻値Aac(nm)とが下記式(I)
Aac≧−0.76×(CTAB)+274・・・(I)
の関係を満たす含水ケイ酸を20〜150質量部、(c)同一分子内に前記ゴム(a)に対する反応基Aを1個以上、前記(b)含水ケイ酸に対する吸着基Bを2個以上有する化合物を1〜10質量部含むことを特徴とするゴム組成物を用いたタイヤ。 - (b)含水ケイ酸が、その灼熱減量(750℃で3時間加熱した時の質量減少%)と加熱減量(105℃で2時間加熱した時の質量減少%)とが下記式(II)
(灼熱減量)−(加熱減量)≦3・・・(II)
を満たす請求項1に記載のゴム組成物を用いたタイヤ。 - (b)含水ケイ酸が、音響式粒度分布測定によって求められる一次凝集体の直径の最頻値が1μm以下である請求項1又は2に記載のゴム組成物を用いたタイヤ。
- (b)含水ケイ酸が、CTABが50〜250m2/gである請求項1〜3のいずれかに記載のゴム組成物を用いたタイヤ。
- 総充填材量に対する(b)含水ケイ酸の量が、質量比で20質量%以上である請求項1〜4のいずれかに記載のゴム組成物を用いたタイヤ。
- 補強用充填剤としてカーボンブラックをゴム成分(a)100質量部に対して80質量部以下含有し、カーボンブラックと(b)含水ケイ酸との総配合量が120質量部以下である請求項1〜5のいずれかに記載のゴム組成物を用いたタイヤ。
- 前記化合物(c)の反応基Aが、非芳香族共役二重結合基又は二重結合にカルボニル基、カルボキシル基、オキシカルボニル基及びアミド基から選ばれる1種が隣接した基である請求項1に記載のゴム組成物を用いたタイヤ。
- 前記反応基Aが、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、アクリル酸、メタクリル酸及びソルビン酸から選ばれる不飽和カルボン酸から誘導される基である請求項7に記載のゴム組成物を用いたタイヤ。
- 前記吸着基Bが、カルボキシル基である請求項1に記載のゴム組成物を用いたタイヤ。
- 前記化合物(c)がさらにオキシアルキレン基を有する請求項1記載のゴム組成物を用いたタイヤ。
- 前記化合物(c)が多塩基酸の部分エステルである請求項1記載のゴム組成物を用いたタイヤ。
- 前記化合物(c)が以下の化学式(III)〜(V)のいずれかで表される化合物である請求項1記載のゴム組成物を用いたタイヤ。
- 前記化合物(c)が、ポリエチレグリコールジマレエート又はジフマレートである請求項12に記載のゴム組成物を用いたタイヤ。
- (a)天然ゴム及び/又はジエン系合成ゴム、(b)含水ケイ酸及び(d)同一分子内にマレイン酸、フマル酸、イタコン酸及びソルビン酸から選ばれる不飽和カルボン酸から誘導される、前記ゴム成分(a)に対する反応基Hとアミノ基とを各々1個以上有する化合物、を含むことを特徴とするゴム組成物を用いたタイヤ。
- 前記アミノ基が3級のアミノ基である請求項14に記載のゴム組成物を用いたタイヤ。
- アミノ基が脂肪族3級アミンから誘導される基である請求項14又は15に記載のゴム組成物を用いたタイヤ。
- (a)成分100質量部当たり、(c)、(d)又は(e)成分のいずれかを1〜10質量部を含む請求項14又は17に記載のゴム組成物を用いたタイヤ。
- さらに、(f)脂肪族アミン、を含む請求項18に記載の用ゴム組成物を用いたタイヤ。
- (f)脂肪族アミンが、脂肪族3級アミンであることを請求項19に記載のゴム組成物を用いたタイヤ。
- さらに、(g)シランカップリング剤を(b)含水ケイ酸の配合量の1〜20質量%配合した請求項1〜20のいずれかに記載のゴム組成物を用いたタイヤ。
- シランカップリング剤が、下記一般式(VII)で表される化合物:
下記一般式(VIII)で表される化合物:
および下記一般式(IX)で表される化合物:
からなる群から選択される少なくとも一種である請求項21に記載のゴム組成物を用いたタイヤ。 - 請求項1〜22のいずれかに記載のゴム組成物をトレッド部材として使用するタイヤ。
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