JP2013056984A - ゴム組成物およびそれを用いた空気入りタイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】ゴム成分に対して分散性のよい非晶質ケイ酸アルミニウムナトリウムを配合して、耐摩耗性を向上させることのできるゴム組成物およびそれを用いた空気入りタイヤを提供する。
【解決手段】一般式xNaO・ySiO・Al・zHO(xは0.3〜1.0、yは10〜60、zは4〜10)で表される非晶質ケイ酸アルミニウムナトリウムを配合してなるゴム組成物において、前記非晶質ケイ酸アルミニウムナトリウムが、レーザー光散乱法により測定した体積平均粒径が15μm以下であることを特徴とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、ゴム組成物及びそれを用いた空気入りタイヤ、特には非晶質ケイ酸アルミニウムナトリウムを配合したゴム組成物およびそれを用いた空気入りタイヤに関するものである。
タイヤのトレッド用ゴム組成物においては、タイヤの耐摩耗性等を向上させる手段として、カーボンブラックが多用されている。これは、カーボンブラックが他の充填剤に比べて、高い補強性と優れた耐摩耗性を付与しうるからである。
しかしながら、補強のためカーボンブラックの添加量を増加させると、ゴム中におけるカーボンブラック粒子同士の摩擦等により転がり抵抗が上昇するおそれがある。
これがため、タイヤのトレッド用ゴム組成物においては、補強剤として非晶質ケイ酸アルミニウムナトリウム等の無機充填剤を使用するか、或いは無機充填剤とカーボンブラックとを併用する方法が提案されている。無機充填剤を含むゴム組成物よりなるトレッドゴムは、転がり抵抗は改善されるが、この配合量が少な過ぎるとゴムを充分に補強できないため、例えば耐摩耗性が悪化することや、逆に多過ぎると硬度が高くなり過ぎたり、ゴムや樹脂に分散させる際に、製造時の凝集性に起因する分散性の悪さに起因して加工性が低下したりするおそれがある。
そこで、本発明の目的は、ゴム成分に対して分散性のよい非晶質ケイ酸アルミニウムナトリウムを配合して、耐摩耗性を向上させることのできるゴム組成物およびそれを用いた空気入りタイヤを提供することにある。
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、非晶質ケイ酸アルミニウムナトリウムを溶媒に分散させて粒度分布を測定した場合に、ゴム組成物の分散性を改善するためには粒度分布を小さくてシャープにすることがよいことを見出した。
この発明のゴム組成物は、一般式xNaO・ySiO・Al・zHO(xは0.3〜1.0、yは10〜60、zは4〜10)で表される非晶質ケイ酸アルミニウムナトリウムを配合してなるものであって、前記非晶質ケイ酸アルミニウムナトリウムが、レーザー光散乱法により測定した体積平均粒径が15μm以下であることを特徴とするものである。
このようなゴム組成物において好ましくは、水銀ポロシメーターにより測定した前記非晶質ケイ酸アルミニウムナトリウムの細孔径分布が、2つ以上のピークを有し、より好ましくは前記細孔径分布が、10nm〜100nmの領域でのピークと、100nm〜5000nmの領域でのピークとを有する。
また好ましくは、前記非晶質ケイ酸アルミニウムナトリウムのBET比表面積を80m2/g〜300m2/gとする。
ところで、このようなゴム組成物を空気入りタイヤに用いることが好ましく、特にトレッド部のトレッドゴムに用いるのが好ましい。
本発明のゴム組成物は、レーザー光散乱法により測定した非晶質ケイ酸アルミニウムナトリウムの体積平均粒径を15μm以下とすることで、非晶質アルミニウムナトリウムの粒径が微粒径となり、ゴム組成物内の非晶質アルミニウムナトリウムの分散性が向上して、ゴム組成物の低発熱性能を悪化させることなく、耐摩耗性を向上させることができる。
すなわち、体積平均粒径が15μmを超えると、ゴム組成物内での非晶質ケイ酸アルミニウムナトリウムの分散性が悪化して、ゴム組成物の耐摩耗性が低下するおそれがある。
以下に、本発明を詳細に説明する。
本発明のゴム組成物は、一般式xNaO・ySiO・Al・zHO(xは0.3〜1.0、yは10〜60、zは4〜10)で表される非晶質ケイ酸アルミニウムナトリウムを配合してなり、前記非晶質ケイ酸アルミニウムナトリウムが、レーザー光散乱法により測定した体積平均粒径が15μm以下であることを特徴とする。
ここで、レーザー光散乱法による体積平均粒径の測定は、レーザー光散乱式粒度分布測定装置(堀場製作所製,LA910)を使用し、試料を分散液である水に撹拌しながら適量となるまで添加し、1分間超音波分散した後、測定した。用いた相対屈折率は1.10とした。
本発明のゴム組成物において、非晶質ケイ酸アルミニウムナトリウムは、xNaO・ySiO・Al・zHO(xは0.3〜1.0、yは10〜60、zは4〜10)で表すことができ、好ましくはxが0.4〜0.8、yが12〜25、zが4〜8であり、具体的には0.4NaO・12.6SiO・Al・5.7HO,0.8NaO・14.1SiO・Al・5.0HO,0.7NaO・15.8SiO・Al・4.8HO,0.5NaO・19.2SiO・Al・7.5HOである。
非晶質ケイ酸アルミニウムナトリウムは、ケイ酸ナトリウムと硫酸アルミニウムによる反応生成物であり、シリカのほかにアルミニウム、ナトリウムを含有している。ナトリウムはアルミニウムがシリカ骨格に入ることにより生じる負電荷を補うために含有され、その含有率は反応終了時の酸添加の程度によってもコントロールすることができる。
また、硫酸アルミニウムを用いるため、凝集性が強いために、反応初期数分以内に凝集体が生成する。凝集体が早期に生成することは、液中のケイ酸イオンが早く固体状となるため、部分ゲルを起こしにくくすることができる。従って、この系では40℃以下でも合成可能であり、ろ過性も沈降性シリカに比べて格段に向上させることができる。
この非晶質ケイ酸アルミニウムナトリウムの体積平均粒径が15μm以下であり、好ましくは2μm〜10μm、より好ましくは2μm〜6μmの範囲である。
このような非晶質ケイ酸アルミニウムナトリウムは、好ましくは水銀ポロシメーターにより測定した細孔径分布が、2つ以上のピークを有し、より好ましくは10nm〜100nmの領域でのピークと、100nm〜5000nmの領域でのピークとを有する。
このようなピークを有することで、ゴム組成物内の非晶質アルミニウムナトリウムの分散性を向上させて、ゴム組成物の耐摩耗性を向上させることができる。
ここで、水銀ポロシメーターによる細孔径分布の測定は、試料を180℃で乾燥後,CE Instruments製Pascal240を使用して測定した。
また好ましくは、非晶質ケイ酸アルミニウムナトリウムのBET比表面積が80m2/g〜300m2/gである。前記BET比表面積が80m2/g以下では、ゴム中で破壊の起点となってしまいゴムの強度低下になることがあり、一方、300m2/g以上では、分散性が悪化して未加硫ゴムの粘度上昇につながることがある。
ここで、BET比表面積の測定は、試料を180℃で真空乾燥後、1点法または多点法により測定した。カンタクローム社製NOVA,Quadrasorb SI、又は、日本ベル製Belsorp miniIIを使用した。
本発明のゴム組成物に使用可能なゴム成分としては、天然ゴム(NR)及び種々の合成ゴムから選択される少なくとも1種が挙げられる。合成ゴムとしては、特に制限はなく、公知のものの中から目的に応じて適宜選択することができるが、具体的には、ポリイソプレンゴム(IR)、スチレン−ブタジエン共重合体ゴム(SBR)、ポリブタジエンゴム(BR)、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)、クロロプレンゴム(CR)、ハロゲン化ブチルゴム、アクリロニリトル−ブタジエンゴム(NBR)等が挙げられる。なお、上記ゴム成分は、一種単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせてもよい。
また、ゴム成分としてはゴムラテックスまたはゴム溶液を用いることもできる。ゴムラテックスとしては、天然ゴムラテックス及び合成ゴムラテックス、あるいは溶液重合による合成ゴムの有機溶媒溶液などを挙げることができるが、これらの中で、得られるマスターバッチの性能や製造しやすさなどの観点から、天然ゴムラテックス及び合成ゴムラテックスが好適である。上記天然ゴムラテックスとしては、フィールドラテックス、アンモニア処理ラテックス、遠心分離濃縮ラテックス、酵素で処理した脱蛋白ラテックス、官能基を導入したラテックス、前記のものを組み合わせたものなど、いずれも使用することができる。天然ゴムラテックスはゴム炭化水素の微粒子を分散質とするコロイドゾルであり、電気的に負に帯電している。通常安定剤としてアンモニアその他アルカリをくわえてpH9〜10として保存する。ラテックスには約30%のゴム分がふくまれており、前記濃縮ラテックスは60%に濃縮されている。合成ゴムラテックスとしては、例えばスチレン−ブタジエン重合体ゴム、ニトリルゴム、ポリクロロプレンゴムなどのラテックスを使用することができる。
非晶質ケイ酸アルミニウムナトリウムの配合量は、ゴム成分100重量部に対して、好ましくは5重量部〜100重量部、より好ましくは30重量部〜80重量部である。非晶質ケイ酸アルミニウムナトリウムの配合量が5重量部未満では、十分な補強性が得られず耐摩耗性を発揮できず、100重量部を超えるとグリップ力、耐摩耗性向上が望めない割りに混練作業性が悪化するため好ましくなく、分散性の低下を招き、加工性が悪化するおそれがある。
ゴム組成物には、カーボンブラック、シリカ及び一般式(I)nM・xSiOy・zH2O・・・(I)[式中、Mは、アルミニウム、マグネシウム、チタン、カルシウム及びジルコニウムから選ばれる金属、並びに、これらの金属の酸化物または水酸化物、それらの水和物及び前記金属の炭酸塩の中から選ばれる少なくとも一種であり、n、x、y及びzは、それぞれ1〜5の整数、0〜10の整数、2〜5の整数、及び0〜10の整数である]で表される無機充填剤の中から選ばれる少なくとも一種の充填剤を含むことできる。これらの無機充填剤を用いることにより、補強効果を効率的に高めることができ、例えばトレッドゴムで耐摩耗性及び低発熱性(低燃費性)の両立を図ることができる。
ここで、カーボンブラックとしては、通常ゴム工業に用いられるものが使用でき、例えば、SAF、HAF、ISAF、FEF、GPFなど種々のグレードのカーボンブラックを単独に又は混合して使用することができる。
シリカとしては、特に制限はなく、湿式シリカ(含水ケイ酸)、乾式シリカ(無水ケイ酸)、ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム及びコロイダルシリカ等を単独に又は混合して使用することができる。
前記一般式(I)で表される無機充填剤としては、具体的には、沈降性シリカ、γ−アルミナ、α−アルミナ等のアルミナ(Al)、ベーマイト、ダイアスポア等のアルミナ一水和物(Al・HO)、ギブサイト、バイヤライト等の水酸化アルミニウム[Al(OH)]、炭酸アルミニウム[Al(CO]、水酸化マグネシウム[Mg(OH)]、酸化マグネシウム(MgO)、炭酸マグネシウム(MgCO)、タルク(3MgO・4SiO・HO)、アタパルジャイト(5MgO・8SiO・9HO)、チタン白(TiO)、チタン黒(TiO2n−1)、酸化カルシウム(CaO)、水酸化カルシウム[Ca(OH)]、酸化アルミニウムマグネシウム(MgO・Al)、クレー(Al・2SiO)、カオリン(Al・2SiO・2HO)、パイロフィライト(Al・4SiO・HO)、ベントナイト(Al・4SiO・2HO)、ケイ酸アルミニウム(AlSiO、Al・3SiO・5HO等)、ケイ酸マグネシウム(MgSiO、MgSiO等)、ケイ酸カルシウム(Ca・SiO等)、ケイ酸アルミニウムカルシウム(Al・CaO・2SiO等)、ケイ酸マグネシウムカルシウム(CaMgSiO)、炭酸カルシウム(CaCO)、酸化ジルコニウム(ZrO)、水酸化ジルコニウム[ZrO(OH)・nHO]、炭酸ジルコニウム[Zr(CO]、各種ゼオライトのように電荷を補正する水素、アルカリ金属又はアルカリ土類金属を含む結晶性アルミノケイ酸塩などが使用できる。
沈降性シリカは、一般にホワイトカーボンとも呼ばれ、紙、ゴム、樹脂など様々な分野においてフィラーなどとして用いられているものであり、ケイ酸ナトリウムと硫酸の反応で製造することができる。
沈降性シリカを、ケイ酸ナトリウムと硫酸の混合で製造する場合には、反応温度を高く設定しておかないと、部分ゲルの生成による撹拌不良やろ過性の悪化などが起こるため、通常は70℃以上の温度で合成することが好ましい。
ゴム組成物には、ゴム成分、非晶質ケイ酸アルミニウムナトリウム、充填剤の他に、ゴム工業界で通常使用される配合剤、例えば、プロセスオイル等の油分、加硫剤、加硫促進剤、加硫促進助剤、老化防止剤、軟化剤、酸化亜鉛、オゾン劣化防止剤、スコーチ防止剤、着色剤、分散剤、帯電防止剤、滑剤、酸化防止剤、シランカップリング剤、発泡剤、発泡助剤及びステアリン酸、亜鉛華等のゴム業界で通常使用されるゴム用配合材料を、本実施形態の目的を害しない範囲内で適宜選択し配合することができる。これら配合剤は、市販品を好適に使用できる。
本発明のゴム組成物では、シランカップリング剤を配合するのが好ましい。シランカップリング剤を配合することにより、耐摩耗性がより向上し、tanδがより低下する。シランカップリング剤としては、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシ−エトキシ)シラン、β−(3,4−エポキシシクロへキシル)−エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメチルジメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、ビス(3−(トリエトキシシリル)プロピル)テトラスルフィド、ビス(3−(トリエトキシシリル)プロピル)ジスルフィド、γ−トリメトキシシリルプロピルジメチルチオカルバミルテトラスルフィド、γ−トリメトキシシリルプロピルベンゾチアジルテトラスルフィド等が挙げられる。
ゴム組成物に配合される架橋剤には、硫黄、その他の硫黄含有化合物等の加硫剤、又は過酸化物等の非硫黄系架橋剤が含まれるが、特に硫黄が好ましい。
また、加硫促進剤としては、アルデヒドアンモニア系、グアニジン系、チオウレア系、チアゾール系及びジチオカルバミン酸系等を使用することができ、ジフェニルグアニジン;ベンゾチアジルジスルフィド、テトラキス−2−エチルへキシルチウラムジスルフィド、テトラキス−2−イソプロピルチウラムジスルフィド、テトラキス−ドデシルチウラムジスルフィド、及びテトラキス−ベンジルチウラムジスルフィド等のチウラム化合物;ジ−2−エチルへキシルジチオカルバメート亜鉛、ドデシルジチオカルバメート亜鉛、及びベンジルジチオカルバメート亜鉛等のジチオカルバミン酸塩類化合物;並びにジベンゾチアジルジスルフィド、4,4’−ジメチルジベンゾチアジルジスルフィド、N−シクロへキシル−2−ベンソチアジル−スルフェンアミド、N−t−ブチル−2−ベンゾチアジル−スルフェンアミド、N−t−ブチル−2−ベンゾチアジル−スルフェンイミド、N−オキシジエチレン−ベンゾチアジル−スルフェンアミド、及びN,N’−ジシクロへキシル−2−ベンゾチアジル−スルフェンアミド等のベンゾチアゾリル加硫促進剤;などが挙げられる。
プロセスオイル等の油分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択して使用可能である。前記油分としては、アロマオイル、ナフテン系オイル、パラフィン系オイル、エステル系オイル、溶液状共役ジエンゴム、及び溶液状水素添加共役ジエンゴム等が挙げられる。油分がゴム組成物に含まれていると該ゴム組成物の流動性をコントロールできるため、加硫前のゴム組成物の粘度を低下させて流動性を高めることにより、極めて良好にゴム組成物の押出を行うことができる点で有利である。
更に、老化防止剤としては、例えば3C(N−イソプロピル−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、6C[N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン]、AW(6−エトキシ−2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリン)、ジフェニルアミンとアセトンの高温縮合物等を挙げることができる。
本発明のゴム組成物は、以下のようにして製造することができる。
即ち、先ず、上記ゴム成分、非晶質ケイ酸アルミニウムナトリウム、必要に応じてカーボンブラック等の充填剤、その他の配合剤等をバンバリーミキサ等の混練機を使用して70℃〜180℃の温度で混練する。その後、混練物を冷却し、これにさらに硫黄等の加硫剤及び加硫促進剤等を、バンバリーミキサ或いはミキシングロール等を用いて配合し、所定の形状に成形する。
また、スラリー溶液とゴム溶液との混合は、例えば、ホモミキサー中にスラリー溶液を入れ、攪拌しながら、ラテックスを滴下する方法や、逆にラテックスを攪拌しながら、これに該スラリー溶液を滴下する方法がある。また、一定の流量割合をもったスラリー流とラテックス流とを、激しい水力攪拌の条件下で混合する方法などを用いることもできる。
上記スラリー溶液の製造には、ローター・ステータータイプのハイシアーミキサー、高圧ホモジナイザー、超音波ホモジナイザー、コロイドミル等が用いられる。例えば、コロイドミルに所定量の充填剤と水、芳香族、脂肪族、脂環式、ハロゲン化炭化水素溶媒等の有機溶媒を入れ、高速で一定時間撹拌することで、上記スラリー溶液を調製することができる。
このようなゴム組成物は、空気入りタイヤに用いることが好ましく、特にトレッドゴムに用いることが好ましい。上記ゴム組成物をトレッドに用いたタイヤは、耐摩耗性能および低発熱性能を両立させることができる。このようなタイヤは常法に従って製造することができる。
以下に、実施例を挙げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明は以下の実施例に何ら限定されるものではない。
実施例1
シリカ濃度0.7wt%に希釈した3号ケイ酸ナトリウム(富士化学製)744gを、10Lステンレス反応槽に入れ、60℃に加熱した。液温を維持しながら、シリカ濃度7.0wt%に希釈した3号ケイ酸ナトリウムと酸化アルミニウム換算で1.4wt%に希釈した硫酸アルミニウム(北陸化成工業所製)を、それぞれ4200g、2495gで100分間かけて同時にステンレス反応槽に滴下した。同時滴下終了後15分間60℃で攪拌後、20%硫酸190gを添加してpHを4程度まで下げてスラリーを生成させた。このスラリーの粒度分布はレーザー光散乱式粒度分布測定装置(堀場製作所LA910)を用いて、超音波照射1分後に測定したところ、体積平均粒径は19.4μmであった。次いで、得られたスラリーを吸引ろ過し、ろ液の電気伝導率が100μS/cm以下になるまで水洗した。
水洗後のケーキを3Lのイオン交換水に再分散させた。この再分散スラリーを0.3mmのジルコニアビーズを入れたビーズミル(DYNO−MILL KDL A)により2回処理したところ、スラリーの体積平均粒径は0.34μmとなった。
そしてビーズミル処理したスラリーを噴霧乾燥機(藤崎電機 MDL050B)により噴霧乾燥した。
得られたサンプルの超音波1分間照射の体積平均粒径は4.9μmとなり、ビーズミル処理しないものに比べて小さなものであった。水銀ポロシメーターによる細孔径は20nm〜80nmと200nm〜700nmにバイモーダルな分布があり、それぞれアグリゲート凝集体とアグロメレート凝集体の粒径を反映していた。
窒素吸着によるBET比表面積は210m2/gであった。
実施例2
実施例1の条件の内、反応温度だけを70℃に変えてスラリーを調製した。得られたスラリーを吸引ろ過し、ろ液の電気伝導率が100μS/cm以下になるまで水洗した。水洗後のケーキを3Lのイオン交換水に再分散させた。
このスラリーの粒度分布はレーザー光散乱式粒度分布測定装置(堀場製作所LA910)を用いて、超音波照射1分間後に測定したところ、体積平均粒径は30.3μmであった。この再分散スラリーを0.3mmのジルコニアビーズを入れたビーズミル(DYNO−MILL KDL A)により2回処理したところ、スラリーの体積平均粒径は0.32μmとなった。
ビーズミル処理したスラリーを噴霧乾燥機(藤崎電機 MDL050B)により噴霧乾燥した。
得られたサンプルの超音波1分間照射の体積平均粒径は7.9μmとなり、ビーズミル処理しないものに比べて小さなものであった。水銀ポロシメーターによる細孔径は20nm〜100nmと200nm〜1000nmにバイモーダルな分布があり、それぞれアグリゲート凝集体とアグロメレート凝集体の粒径を反映している。窒素吸着によるBET比表面積は101m/gであった。
実施例3
ビーズミル処理までは実施例2と同様に行ったスラリーを噴霧乾燥機(東京理化器械 SD−1)により噴霧乾燥した。
得られたサンプルの超音波1分間照射の体積平均粒径は14.7μmとなり、ビーズミル処理しないものに比べて小さなものであった。水銀ポロシメーターによる細孔径は20nm〜100nmと700nm〜4000nmにバイモーダルな分布があり、それぞれアグリゲート凝集体とアグロメレート凝集体の粒径を反映している。窒素吸着によるBET比表面積は134m2/gであった。
比較例1
水洗までは実施例1と同様の工程により得られたケーキを、再分散せずに、110℃で乾燥した。乾燥後、ミルで粉砕し、1mmの篩を通した。
得られたサンプルの超音波1分間照射の体積平均粒径は21.7μm、水銀ポロシメーターによる細孔径は20nm〜700nmに幅広い分布のみであり、アグリゲート凝集体とアグロメレート凝集体の明確な領域の区分がないものであった。窒素吸着によるBET比表面積は173m2/gであった。
比較例2
水洗までは実施例1と同様の工程により得られたケーキを、3Lのイオン交換水に再分散させた。この再分散スラリーをホモジナイザー(IKA T25−S1)により9500rpmで12時間処理したところ、スラリーの体積平均粒径は8.9μmとなった。
ホモジナイザー処理したスラリーを噴霧乾燥機(東京理化器械 SD−1)により噴霧乾燥した。
得られたサンプルの超音波1分間照射の体積平均粒径は17.6μm、水銀ポロシメーターによる細孔径はバイモーダルなものであったが、30nm〜300nmと1000nm〜6000nmに分布があり、アグリゲート凝集体とアグロメレート凝集体の粒径が大きく分散性の悪さを表していた。窒素吸着によるBET比表面積は152m2/gであった。
比較例3
ビーズミル処理までは実施例1と同様の工程により得られた分散液を、ロータリーエバポレーターにより固形分18wt%まで真空濃縮し、110℃で乾燥後、ミルで粉砕し、1mmの篩を通した。
得られたサンプルの超音波1分間照射の体積平均粒径は165μm、水銀ポロシメーターによる細孔径は20nm〜50nmのシャープなものであり、アグリゲート凝集体とアグロメレート凝集体の明確な領域の区分がなく、しかもアグリゲート凝集体の凝集力の強いものであった。窒素吸着によるBET比表面積は174m2/gであった。
比較例4
水洗までは実施例2と同様の工程により得られたケーキを再分散せずに、110℃で乾燥した。乾燥後、ミルで粉砕し、1mmの篩を通した。
得られたサンプルの超音波1分間照射の体積平均粒径は18.3μm、水銀ポロシメーターによる細孔径は30nm〜1000nmに幅広い分布があり、アグリゲート凝集体とアグロメレート凝集体の明確な領域の区分がないものであった。窒素吸着によるBET比表面積は118m2/gであった。
次に、実施例1〜3および比較例1〜4を、表1に示す配合処方により各々表2に示す非晶質ケイ酸アルミニウムナトリウムを用いたゴム組成物を常法に従って調整し、ゴム組成物の耐摩耗性を下記に示す方法により評価した。
Figure 2013056984
Figure 2013056984
次に、実施例1〜3および比較例1〜4のゴム組成物のラボ耐摩耗性を測定した。
耐摩耗性試験:JIS K 6264−2:2005に準拠し、ランボーン型摩耗試験機を用いて、室温でスリップ率25%の条件で試験を行った。
(耐摩耗性)
実施例1〜3および比較例1〜4のそれぞれにつきラボの耐摩耗性試験機で評価した。なお、表中の指数値は、摩耗量の逆数を、下表の比較例1を100とした(比較例1の値をコントロールとした)ものであり、数値が大きいほど、摩耗量差が小さく耐摩耗性能が優れていることを示す。
Figure 2013056984
表3の結果から、実施例1〜3は、比較例1〜4に対して、耐摩耗性を向上させることができた。

Claims (5)

  1. 一般式xNaO・ySiO・Al・zHO(xは0.3〜1.0、yは10〜60、zは4〜10)で表される非晶質ケイ酸アルミニウムナトリウムを配合してなるゴム組成物において、
    前記非晶質ケイ酸アルミニウムナトリウムは、レーザー光散乱法により測定した体積平均粒径が15μm以下であることを特徴とするゴム組成物。
  2. 水銀ポロシメーターにより測定した前記非晶質ケイ酸アルミニウムナトリウムの細孔径分布が、2つ以上のピークを有する請求項1に記載のゴム組成物。
  3. 前記非晶質ケイ酸アルミニウムナトリウムのBET比表面積が80m/g〜300m/gである請求項1または2に記載のゴム組成物。
  4. 前記細孔径分布が、10nm〜100nmの領域でのピークと、100nm〜5000nmの領域でのピークとを有する請求項2または3に記載のゴム組成物。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載のゴム組成物を用いた空気入りタイヤ。
JP2011195504A 2011-09-07 2011-09-07 ゴム組成物およびそれを用いた空気入りタイヤ Withdrawn JP2013056984A (ja)

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