JP2013213166A - ゴム組成物の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】シリカなどの無機充填材及び樹脂を含むゴム組成物において、未加硫ゴム組成物の粘度を高め、かつ高過ぎるタッキネスを低くして、未加硫ゴム組成物の加工性を向上すると共に、加硫ゴム組成物の湿潤時グリップ性能、乾燥時グリップ性能及び耐摩耗性をも向上し得る、ゴム組成物の製造方法を提供する。
【解決手段】ジエン系ゴムから選ばれる少なくとも1種からなるゴム成分(A)、該ゴム成分(A)100質量部に対して、無機充填材(B)を5〜300質量部及び樹脂(C)を5〜90質量部含み、シランカップリング剤(D)を質量比{シランカップリング剤(D)/無機充填材(B)}(1/100)〜(20/100)で含み、かつ加硫促進剤(E)を含むゴム組成物の製造方法であって、該ゴム組成物を複数段階で混練し、混練の第一段階で、該ゴム成分(A)、該無機充填材(B)の全部又は一部、樹脂(C)の全部又は一部及び該シランカップリング剤(D)の全部又は一部を混練した後、該第一段階の途中で該加硫促進剤(E)を加えて更に混練することを特徴とするゴム組成物の製造方法である。
【選択図】なし
【解決手段】ジエン系ゴムから選ばれる少なくとも1種からなるゴム成分(A)、該ゴム成分(A)100質量部に対して、無機充填材(B)を5〜300質量部及び樹脂(C)を5〜90質量部含み、シランカップリング剤(D)を質量比{シランカップリング剤(D)/無機充填材(B)}(1/100)〜(20/100)で含み、かつ加硫促進剤(E)を含むゴム組成物の製造方法であって、該ゴム組成物を複数段階で混練し、混練の第一段階で、該ゴム成分(A)、該無機充填材(B)の全部又は一部、樹脂(C)の全部又は一部及び該シランカップリング剤(D)の全部又は一部を混練した後、該第一段階の途中で該加硫促進剤(E)を加えて更に混練することを特徴とするゴム組成物の製造方法である。
【選択図】なし
Description
本発明は、無機充填材及び樹脂を含むゴム組成物の製造方法に関するものである。
近年、環境問題への関心の高まりに伴う世界的な二酸化炭素排出の規制の動きに関連して、自動車の低燃費化に関する要求が高まりつつある。このような要求に対応するため、タイヤ性能についても転がり抵抗の低減が求められている。従来、タイヤの転がり抵抗を減少する手法として、タイヤ構造を最適化する手法も検討されてきたが、タイヤに適用するゴム組成物としてより発熱性の低いゴム組成物を用いることが、現在、最も一般的な手法として行われている。
このような発熱性の低いゴム組成物を得る方法として、充填材としてシリカ等の無機充填材を使用する方法が知られている。
しかし、無機充填材配合ゴム組成物において、シリカ等の無機充填材を配合する際には、無機充填材、特にシリカはゴム組成物中で凝集してしまうため(シリカ表面の水酸基が原因で凝集してしまうため)、凝集を防止するためにシランカップリング剤が用いられる。
従って、シランカップリング剤を配合して上記問題を好適に解決するために、シランカップリング剤のカップリング機能の活性を高める目的で種々の試みがなされている。
このような発熱性の低いゴム組成物を得る方法として、充填材としてシリカ等の無機充填材を使用する方法が知られている。
しかし、無機充填材配合ゴム組成物において、シリカ等の無機充填材を配合する際には、無機充填材、特にシリカはゴム組成物中で凝集してしまうため(シリカ表面の水酸基が原因で凝集してしまうため)、凝集を防止するためにシランカップリング剤が用いられる。
従って、シランカップリング剤を配合して上記問題を好適に解決するために、シランカップリング剤のカップリング機能の活性を高める目的で種々の試みがなされている。
例えば、特許文献1では、基本成分として、少なくとも(i)1種のジエンエラストマー、(ii)補強性充填剤として白色充填剤、(iii)カップリング剤(白色充填剤/ジエンエラストマー)としてポリ硫化アルコキシシランを、(iv)エナミン及び(v)グアニジン誘導体と一緒に含むゴム組成物が提案されている。
また、特許文献2では、基本成分として、少なくとも(i)1種のジエンエラストマー、(ii)補強性充填剤として白色充填剤、(iii)カップリング剤(白色充填剤/ジエンエラストマー)としてポリ硫化アルコキシシランを、(iv)ジチオリン酸亜鉛及び(v)グアニジン誘導体と一緒に含むゴム組成物が開示されている。
特許文献3では、少なくとも、(i) ジエンエラストマー、(ii) 強化充填剤としての無機充填剤、(iii)(無機充填剤/ジエンエラストマー)カップリング剤としての多硫化アルコキシシラン(PSAS)をベースとし、(iv) アルジミン(R−CH=N−R)及び(v) グアニジン誘導体とが併用されているゴム組成物が記載されている。
さらに、特許文献4では、少なくとも:(i)ジエンエラストマー、(ii)補強フィラーとしての無機フィラー、(iii)カップリング剤としての多硫化アルコキシシランに基づき、(iv)1,2−ジヒドロピリジン及び(v)グアニジン誘導体を伴うゴム組成物が提案されている。
また、特許文献5では、混練条件を考慮して、シランカップリング剤のカップリング機能の活性を高めることが提案されている。
しかし、これらの技術は、いずれもゴム組成物の発熱性をより低く抑えることを目的としていた。
ところで、シリカなどの無機充填材及び樹脂を含むゴム組成物においては、未加硫ゴム組成物の粘度が低く、タッキネスが高くなるため、精錬工程や押出工程おいて未加硫ゴム組成物の密着や巻き込みが発生するなどして、作業性の悪化を招いていた。係る未加硫ゴム組成物の加工性の向上と、加硫ゴム組成物の湿潤時グリップ性能、乾燥時グリップ性能及び耐摩耗性の向上とを同時に満足することは困難であった。
また、特許文献2では、基本成分として、少なくとも(i)1種のジエンエラストマー、(ii)補強性充填剤として白色充填剤、(iii)カップリング剤(白色充填剤/ジエンエラストマー)としてポリ硫化アルコキシシランを、(iv)ジチオリン酸亜鉛及び(v)グアニジン誘導体と一緒に含むゴム組成物が開示されている。
特許文献3では、少なくとも、(i) ジエンエラストマー、(ii) 強化充填剤としての無機充填剤、(iii)(無機充填剤/ジエンエラストマー)カップリング剤としての多硫化アルコキシシラン(PSAS)をベースとし、(iv) アルジミン(R−CH=N−R)及び(v) グアニジン誘導体とが併用されているゴム組成物が記載されている。
さらに、特許文献4では、少なくとも:(i)ジエンエラストマー、(ii)補強フィラーとしての無機フィラー、(iii)カップリング剤としての多硫化アルコキシシランに基づき、(iv)1,2−ジヒドロピリジン及び(v)グアニジン誘導体を伴うゴム組成物が提案されている。
また、特許文献5では、混練条件を考慮して、シランカップリング剤のカップリング機能の活性を高めることが提案されている。
しかし、これらの技術は、いずれもゴム組成物の発熱性をより低く抑えることを目的としていた。
ところで、シリカなどの無機充填材及び樹脂を含むゴム組成物においては、未加硫ゴム組成物の粘度が低く、タッキネスが高くなるため、精錬工程や押出工程おいて未加硫ゴム組成物の密着や巻き込みが発生するなどして、作業性の悪化を招いていた。係る未加硫ゴム組成物の加工性の向上と、加硫ゴム組成物の湿潤時グリップ性能、乾燥時グリップ性能及び耐摩耗性の向上とを同時に満足することは困難であった。
本発明は、このような状況下で、シリカなどの無機充填材及び樹脂を含むゴム組成物において、未加硫ゴム組成物の粘度を高め、かつ高過ぎるタッキネスを低くして、未加硫ゴム組成物の加工性を向上すると共に、加硫ゴム組成物の湿潤時グリップ性能、乾燥時グリップ性能及び耐摩耗性をも向上し得る、ゴム組成物の製造方法を提供することを課題とするものである。
本発明者は、上記課題を解決するために、混練工程の第一段階において、ゴム成分と、無機充填材の全部又は一部と、樹脂の全部又は一部と、シランカップリング剤の全部又は一部と、加硫促進剤との混練り方法を種々検討した結果、未加硫ゴム組成物の加工性を向上するためには、混練り段階において、特定の加硫促進剤を適正な時点に加えればよいことを実験的に知見して、本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明は、ジエン系ゴムから選ばれる少なくとも1種からなるゴム成分(A)、該ゴム成分(A)100質量部に対して、無機充填材(B)を5〜300質量部及び樹脂(C)を5〜90質量部含み、シランカップリング剤(D)を質量比{シランカップリング剤(D)/無機充填材(B)}(1/100)〜(20/100)で含み、かつ加硫促進剤(E)を含むゴム組成物の製造方法であって、該ゴム組成物を複数段階で混練し、混練の第一段階で、該ゴム成分(A)、該無機充填材(B)の全部又は一部、樹脂(C)の全部又は一部及び該シランカップリング剤(D)の全部又は一部を混練した後、該第一段階の途中で該加硫促進剤(E)を加えて更に混練することを特徴とするゴム組成物の製造方法である。
即ち、本発明は、ジエン系ゴムから選ばれる少なくとも1種からなるゴム成分(A)、該ゴム成分(A)100質量部に対して、無機充填材(B)を5〜300質量部及び樹脂(C)を5〜90質量部含み、シランカップリング剤(D)を質量比{シランカップリング剤(D)/無機充填材(B)}(1/100)〜(20/100)で含み、かつ加硫促進剤(E)を含むゴム組成物の製造方法であって、該ゴム組成物を複数段階で混練し、混練の第一段階で、該ゴム成分(A)、該無機充填材(B)の全部又は一部、樹脂(C)の全部又は一部及び該シランカップリング剤(D)の全部又は一部を混練した後、該第一段階の途中で該加硫促進剤(E)を加えて更に混練することを特徴とするゴム組成物の製造方法である。
本発明によれば、シリカなどの無機充填材及び樹脂を含むゴム組成物において、未加硫ゴム組成物の粘度を高め、かつ高過ぎるタッキネスを低くして、未加硫ゴム組成物の加工性を向上すると共に、加硫ゴム組成物の湿潤時グリップ性能、乾燥時グリップ性能及び耐摩耗性をも向上し得る、ゴム組成物の製造方法を提供することができる。
以下に、本発明を詳細に説明する。
本発明のゴム組成物の製造方法は、ジエン系ゴムから選ばれる少なくとも1種からなるゴム成分(A)、該ゴム成分(A)100質量部に対して、無機充填材(B)を5〜300質量部及び樹脂(C)を5〜90質量部含み、シランカップリング剤(D)を質量比{シランカップリング剤(D)/無機充填材(B)}(1/100)〜(20/100)で含み、かつ加硫促進剤(E)を含むゴム組成物の製造方法であって、該ゴム組成物を複数段階で混練し、混練の第一段階で、該ゴム成分(A)、該無機充填材(B)の全部又は一部、樹脂(C)の全部又は一部及び該シランカップリング剤(D)の全部又は一部を混練した後、該第一段階の途中で該加硫促進剤(E)を加えて更に混練することを特徴とする。
このように、樹脂を含むことにより、未加硫ゴム組成物の粘度を適度に高め、かつ高過ぎるタッキネスを低くして、未加硫ゴム組成物の加工性を改良することが可能となった。さらに、加硫ゴム組成物の湿潤時グリップ性能、乾燥時グリップ性能及び耐摩耗性をも向上し得ることとなり、特に湿潤時グリップ性能を向上し得ることとなった。
本発明のゴム組成物の製造方法は、ジエン系ゴムから選ばれる少なくとも1種からなるゴム成分(A)、該ゴム成分(A)100質量部に対して、無機充填材(B)を5〜300質量部及び樹脂(C)を5〜90質量部含み、シランカップリング剤(D)を質量比{シランカップリング剤(D)/無機充填材(B)}(1/100)〜(20/100)で含み、かつ加硫促進剤(E)を含むゴム組成物の製造方法であって、該ゴム組成物を複数段階で混練し、混練の第一段階で、該ゴム成分(A)、該無機充填材(B)の全部又は一部、樹脂(C)の全部又は一部及び該シランカップリング剤(D)の全部又は一部を混練した後、該第一段階の途中で該加硫促進剤(E)を加えて更に混練することを特徴とする。
このように、樹脂を含むことにより、未加硫ゴム組成物の粘度を適度に高め、かつ高過ぎるタッキネスを低くして、未加硫ゴム組成物の加工性を改良することが可能となった。さらに、加硫ゴム組成物の湿潤時グリップ性能、乾燥時グリップ性能及び耐摩耗性をも向上し得ることとなり、特に湿潤時グリップ性能を向上し得ることとなった。
本発明において、混練の第一段階で、加硫促進剤(E)を加えて混練するのは、シランカップリング剤(D)のカップリング機能の活性を高めて、未加硫ゴム組成物の粘度を適度に高め、かつ高過ぎるタッキネスを低くして、未加硫ゴム組成物の加工性を改良するためであり、かつ無機充填材(B)の分散性を改善し、補強性を高め、これにより、加硫ゴム組成物の湿潤時グリップ性能、乾燥時グリップ性能及び耐摩耗性を向上するためである。
また、混練の第一段階で、該ゴム成分(A)、該無機充填材(B)の全部又は一部、樹脂(C)の全部又は一部及び該シランカップリング剤(D)の全部又は一部を混練りした後、該第一段階の途中で該加硫促進剤(E)を加えて更に混練するのは、加硫促進剤(E)配合による上述の効果をさらに高めるためである。即ち、無機充填材(B)とシランカップリング剤(D)との反応が十分に進行した後に、シランカップリング剤(D)とゴム成分(A)との反応を進行させることができるからである。
また、混練の第一段階で、該ゴム成分(A)、該無機充填材(B)の全部又は一部、樹脂(C)の全部又は一部及び該シランカップリング剤(D)の全部又は一部を混練りした後、該第一段階の途中で該加硫促進剤(E)を加えて更に混練するのは、加硫促進剤(E)配合による上述の効果をさらに高めるためである。即ち、無機充填材(B)とシランカップリング剤(D)との反応が十分に進行した後に、シランカップリング剤(D)とゴム成分(A)との反応を進行させることができるからである。
混練の第一段階におけるゴム組成物の最高温度は、120〜190℃であることが好ましい。120℃以上であれば、無機充填材(B)とシランカップリング剤(D)との反応を十分に進行させるので好ましく、190℃以下であれば(B)と(C)の反応は既に十分に進行しているので好ましい。
混練の第一段階で、該ゴム成分(A)、該無機充填材(B)の全部又は一部、樹脂(C)の全部又は一部及び該シランカップリング剤(D)の全部又は一部を加えた後、該第一段階の途中で該加硫促進剤(E)を加えるまでの時間を10〜300秒とすることが好ましく、10〜240秒がより好ましく、30〜240秒が特に好ましい。この時間が10秒以上であれば(B)と(C)の反応を十分に進行させることができる。この時間が300秒を超えても(B)と(C)の反応は既に十分に進行しているので、更なる効果は享受しにくく、上限値を300秒とすることが好ましい。
上記のシランカップリング剤(D)のカップリング機能の活性をより好適に高めるためには、混練の第一段階において、ゴム組成物の温度が80〜180℃に到達したときに加硫促進剤(E)を加えることが好ましく、100〜180℃に到達したときに加硫促進剤(E)を加えることがより好ましく、130〜180℃に到達したときに加硫促進剤(E)を加えることが特に好ましく、い。
本発明におけるゴム組成物の混練工程は、加硫促進剤(E)以外の他の加硫促進剤を含まない混練の第一段階と、加硫剤を含む混練の最終段階の少なくとも2つの段階を含むものであり、必要に応じ、加硫促進剤(E)以外の他の加硫促進剤を含まない混練の中間段階を含んでもよい。
なお、本発明における混練の第一段階とは、ゴム成分(A)と無機充填材(B)とシランカップリング剤(D)とを混練する最初の段階をいい、最初の段階でゴム成分(A)と無機充填材(B)以外の充填材とを混練する場合やゴム成分(A)のみを予備練りする場合の段階は含まれない。
なお、本発明における混練の第一段階とは、ゴム成分(A)と無機充填材(B)とシランカップリング剤(D)とを混練する最初の段階をいい、最初の段階でゴム成分(A)と無機充填材(B)以外の充填材とを混練する場合やゴム成分(A)のみを予備練りする場合の段階は含まれない。
[無機充填材(B)]
本発明のゴム組成物の製造方法に用いられる無機充填材(B)は、シリカ及び/又は下記一般式(I)で表される粒径が10μm以下である少なくとも一つの無機化合物粉体であることが好ましい。
M・xSiO2・yH2O ・・・・・・・・・(I)
[式(I)中、Mは、Al、Mg、Ti及びCaからなる群から選ばれる少なくとも一つの金属の金属酸化物又は金属水酸化物であり、x,yは共に0〜10の整数である。]
上記の無機充填材(B)を用いるのは、加硫ゴム組成物の湿潤時グリップ性能及び乾燥時グリップ性能を向上するためである。
本発明のゴム組成物の製造方法に用いられる無機充填材(B)は、シリカ及び/又は下記一般式(I)で表される粒径が10μm以下である少なくとも一つの無機化合物粉体であることが好ましい。
M・xSiO2・yH2O ・・・・・・・・・(I)
[式(I)中、Mは、Al、Mg、Ti及びCaからなる群から選ばれる少なくとも一つの金属の金属酸化物又は金属水酸化物であり、x,yは共に0〜10の整数である。]
上記の無機充填材(B)を用いるのは、加硫ゴム組成物の湿潤時グリップ性能及び乾燥時グリップ性能を向上するためである。
上記一般式(I)で表される粒径が10μm以下である少なくとも一つの無機化合物粉体の内、下記一般式(II)で表される無機化合物粉体であることが好ましい。下記一般式(II)で表される無機化合物粉体は、加硫ゴム組成物の湿潤時グリップ性能を向上する効果が高いからである。
Al2O3・vSiO2・wH2O ・・・・・・・・・(II)
[式(II)中のvは1〜4の整数であり、wは0〜4の整数である。]
Al2O3・vSiO2・wH2O ・・・・・・・・・(II)
[式(II)中のvは1〜4の整数であり、wは0〜4の整数である。]
本発明においては、上述の無機充填材(B)の内、低転がり性と、湿潤時グリップ性能、乾燥時グリップ性能及び耐摩耗性とを同時に満足する観点からシリカが好ましい。シリカとしては市販のあらゆるものが使用でき、なかでも湿式シリカ、乾式シリカ、コロイダルシリカを用いるのが好ましく、湿式シリカを用いるのが特に好ましい。シリカのBET比表面積(ISO 5794/1に準拠して測定する)は40〜350m2/gであるのが好ましい。BET表面積がこの範囲であるシリカは、ゴム補強性とゴム成分中への分散性とを両立できるという利点がある。この観点から、BET表面積が80〜350m2/gの範囲にあるシリカが更に好ましく、BET表面積が120〜350m2/gの範囲にあるシリカが特に好ましい。このようなシリカとしては東ソー・シリカ株式会社製、商品名「ニップシールAQ」(BET比表面積 =205m2/g)、「ニップシールKQ」、デグッサ社製商品名「ウルトラジルVN3」(BET比表面積 =175m2/g)等の市販品を用いることができる。
前記一般式(I)で表わされる無機化合物粉体としては、γ−アルミナ、α−アルミナ等のアルミナ(Al2O3)、ベーマイト、ダイアスポア等のアルミナ一水和物(Al2O3・H2O)、ギブサイト、バイヤライト等の水酸化アルミニウム[Al(OH)3]、水酸化マグネシウム[Mg(OH)2]、酸化マグネシウム(MgO)、タルク(3MgO・4SiO2・H2O)、アタパルジャイト(5MgO・8SiO2・9H2O)、チタン白(TiO2)、チタン黒(TiO2n-1)、酸化カルシウム(CaO)、水酸化カルシウム[Ca(OH)2]、酸化アルミニウムマグネシウム(MgO・Al2O3)、クレー(Al2O3・2SiO2)、カオリン(Al2O3・2SiO2・2H2O)、パイロフィライト(Al2O3・4SiO2・H2O)、ベントナイト(Al2O3・4SiO2・2H2O)、ケイ酸アルミニウム(Al2SiO5 、Al4・3SiO4・5H2O等)、ケイ酸マグネシウム(Mg2SiO4、MgSiO3等)、ケイ酸カルシウム(Ca2・SiO4等)、ケイ酸アルミニウムカルシウム(Al2O3・CaO・2SiO2等)、ケイ酸マグネシウムカルシウム(CaMgSiO4)、各種ゼオライトのように電荷を補正する水素、アルカリ金属又はアルカリ土類金属を含む結晶性アルミノケイ酸塩などが使用できる。
上記の内、より好ましい上記一般式(II)で表される無機化合物粉体としては、γ−アルミナ、α−アルミナ等のアルミナ(Al2O3)、ベーマイト、ダイアスポア等のアルミナ一水和物(Al2O3・H2O)、ギブサイト、バイヤライト等の水酸化アルミニウム[Al(OH)3]が更に好ましく、水酸化アルミニウムが湿潤時グリップ性能向上の観点から特に好ましい。
本発明における無機充填材(B)は、シリカ単独で使用してもよいし、シリカと一般式(I)で表される粒径が10μm以下である少なくとも一つの無機化合物粉体とを併用してもよい。
上記一般式(I)で表される無機化合物粉体の平均粒径は、混練作業性、耐摩耗性及び湿潤時グリップ性能のバランスなどの観点から、0.01〜10μmの範囲が好ましく、0.05〜5μmの範囲がより好ましい。
本発明に係るゴム組成物の無機充填材(B)は、ゴム成分(A)100質量部に対して、5〜300質量部含むことを要する。5質量部未満であると、湿潤時グリップ性能を向上することが困難となり、300質量部を超えると、転がり抵抗低減(低発熱性向上)が困難となる。これらの観点から、20〜250質量部含むことが好ましく、20〜210質量部含むことがより好ましく、50〜210質量部含むことが更に好ましく、80〜210質量部含むことが特に好ましい。
本発明における無機充填材(B)は、シリカ単独で使用してもよいし、シリカと一般式(I)で表される粒径が10μm以下である少なくとも一つの無機化合物粉体とを併用してもよい。
上記一般式(I)で表される無機化合物粉体の平均粒径は、混練作業性、耐摩耗性及び湿潤時グリップ性能のバランスなどの観点から、0.01〜10μmの範囲が好ましく、0.05〜5μmの範囲がより好ましい。
本発明に係るゴム組成物の無機充填材(B)は、ゴム成分(A)100質量部に対して、5〜300質量部含むことを要する。5質量部未満であると、湿潤時グリップ性能を向上することが困難となり、300質量部を超えると、転がり抵抗低減(低発熱性向上)が困難となる。これらの観点から、20〜250質量部含むことが好ましく、20〜210質量部含むことがより好ましく、50〜210質量部含むことが更に好ましく、80〜210質量部含むことが特に好ましい。
本発明に係るゴム組成物は、充填材として、上述の無機充填材(B)に加えてカーボンブラックを含有してもよい。カーボンブラックを含有することにより、電気抵抗を下げて帯電を抑止する効果を享受できる。このカーボンブラックとしては、特に制限はなく、例えば高、中又は低ストラクチャーのSAF、N234、ISAF、IISAF、N339、HAF、FEF、GPF、SRFグレードのカーボンブラック、特にSAF、N234、ISAF、IISAF、N339、HAF、FEFグレードのカーボンブラックを用いるのが好ましい。窒素吸着比表面積(N2SA、JIS K 6217−2:2001に準拠して測定する)が30〜250m2/gであることが好ましい。このカーボンブラックは1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。本発明において、カーボンブラックは無機充填材(B)に含まれない。
カーボンブラックの含有量は、ゴム成分(A)100質量部に対して、2〜100質量部含有することが好ましい。
カーボンブラックの含有量は、ゴム成分(A)100質量部に対して、2〜100質量部含有することが好ましい。
また、本発明に係るゴム組成物の充填材は、無機充填材(B)のみであってもよいし、無機充填材(B)及びカーボンブラックであってもよく、ゴム成分(A)100質量部に対して、20〜400質量部含有することが好ましい。20質量部以上であれば、ゴム組成物の補強性向上の観点から好ましく、400質量部以下であれば、転がり抵抗低減の観点から好ましい。
前記充填材中、無機充填材(B)が40質量%以上であることが湿潤時グリップ性能と転がり抵抗低減(低発熱性)の両立の観点から好ましく、70質量%以上であることがさらに好ましい。
前記充填材中、無機充填材(B)が40質量%以上であることが湿潤時グリップ性能と転がり抵抗低減(低発熱性)の両立の観点から好ましく、70質量%以上であることがさらに好ましい。
[樹脂(C)]
本発明のゴム組成物の製造方法に用いられる樹脂(C)は、テルペン・フェノール樹脂、テルペン樹脂、フェノール樹脂、クマロン・インデン樹脂、キシレン樹脂、ロジン系樹脂、芳香族系炭化水素樹脂、脂肪族系炭化水素樹脂、脂環族系炭化水素樹脂から選ばれる少なくとも1種の樹脂であることが好ましい。
本発明に係るゴム組成物の樹脂(C)は、ゴム成分(A)100質量部に対して、5〜90質量部含むことを要する。5質量部未満であると、湿潤時グリップ性能を向上することが困難となり、90質量部を超えると、転がり抵抗低減(低発熱性向上)が困難となる。これらの観点から、5〜80質量部含むことが好ましく、10〜80質量部含むことがより好ましく、10〜60質量部含むことが特に好ましい。
本発明のゴム組成物の製造方法に用いられる樹脂(C)は、テルペン・フェノール樹脂、テルペン樹脂、フェノール樹脂、クマロン・インデン樹脂、キシレン樹脂、ロジン系樹脂、芳香族系炭化水素樹脂、脂肪族系炭化水素樹脂、脂環族系炭化水素樹脂から選ばれる少なくとも1種の樹脂であることが好ましい。
本発明に係るゴム組成物の樹脂(C)は、ゴム成分(A)100質量部に対して、5〜90質量部含むことを要する。5質量部未満であると、湿潤時グリップ性能を向上することが困難となり、90質量部を超えると、転がり抵抗低減(低発熱性向上)が困難となる。これらの観点から、5〜80質量部含むことが好ましく、10〜80質量部含むことがより好ましく、10〜60質量部含むことが特に好ましい。
上記の樹脂(C)の内、テルペン・フェノール樹脂は、テルペン・フェノール共重合体を主成分とする樹脂であり、ヤスハラケミカル(株)製の商品名「YSポリスターT」、「YSポリスターU」、「YSポリスターS」及び「YSポリスターN」の各シリーズ、「マイティエースG」及び「マイティエースK」の各シリーズ、荒川化学工業(株)製の商品名「タマノル803L」及び「タマノル901」等が挙げられる。
テルペン樹脂は、テルペン重合体又はその変性物を主成分とする樹脂であり、ヤスハラケミカル(株)製の商品名「YSレジンPX」、「YSレジンPXN」、「YSレジンTO」及び「YSレジンTR」の各シリーズ、ハーキュリーズ社製の商品名「ピコライト」シリーズ等が挙げられる。
フェノール樹脂は、ノボラック系の熱可塑性フェノール樹脂が好ましく、住友ベークライト(株)製の商品名「スミライトレジンPR」シリーズ、荒川化学工業(株)製の商品名「タマノル501」等が挙げられる。
クマロン・インデン樹脂は、コールタール中のクマロン、インデン、スチレン等を重合させたものであり、神戸油化学工業(製)のクマロン樹脂シリーズ等が挙げられる。
キシレン樹脂は、キシレンとホルムアルデヒドを縮合して得られる樹脂又はその変性物であり、リグナイト(株)製の商品名「リグノール」シリーズ等が挙げられる。
ロジン系樹脂としては、ロジンのペンタエリスリトール・エステル、ロジンのグリセロール・エステル、重合ロジン、水素添加ロジン等が挙げられる。
芳香族系炭化水素樹脂は、C9留分から製造された石油樹脂であり、JX日鉱日石エネルギー(株)製の商品名「日石ネオポリマー」シリーズ等が挙げられる。
脂肪族系炭化水素樹脂は、C5留分から製造された石油樹脂であり、エクソンモービル社製の商品名「エスコレッツ」シリーズ、日本ゼオン(株)製の商品名「クイントン100」シリーズ等が挙げられる。
脂環族系炭化水素樹脂は、例えば、C5留分から抽出された高純度のシクロペンタジエンを主原料に製造された石油樹脂である日本ゼオン(株)製の商品名「クイントン1000」シリーズ等が挙げられる。
テルペン樹脂は、テルペン重合体又はその変性物を主成分とする樹脂であり、ヤスハラケミカル(株)製の商品名「YSレジンPX」、「YSレジンPXN」、「YSレジンTO」及び「YSレジンTR」の各シリーズ、ハーキュリーズ社製の商品名「ピコライト」シリーズ等が挙げられる。
フェノール樹脂は、ノボラック系の熱可塑性フェノール樹脂が好ましく、住友ベークライト(株)製の商品名「スミライトレジンPR」シリーズ、荒川化学工業(株)製の商品名「タマノル501」等が挙げられる。
クマロン・インデン樹脂は、コールタール中のクマロン、インデン、スチレン等を重合させたものであり、神戸油化学工業(製)のクマロン樹脂シリーズ等が挙げられる。
キシレン樹脂は、キシレンとホルムアルデヒドを縮合して得られる樹脂又はその変性物であり、リグナイト(株)製の商品名「リグノール」シリーズ等が挙げられる。
ロジン系樹脂としては、ロジンのペンタエリスリトール・エステル、ロジンのグリセロール・エステル、重合ロジン、水素添加ロジン等が挙げられる。
芳香族系炭化水素樹脂は、C9留分から製造された石油樹脂であり、JX日鉱日石エネルギー(株)製の商品名「日石ネオポリマー」シリーズ等が挙げられる。
脂肪族系炭化水素樹脂は、C5留分から製造された石油樹脂であり、エクソンモービル社製の商品名「エスコレッツ」シリーズ、日本ゼオン(株)製の商品名「クイントン100」シリーズ等が挙げられる。
脂環族系炭化水素樹脂は、例えば、C5留分から抽出された高純度のシクロペンタジエンを主原料に製造された石油樹脂である日本ゼオン(株)製の商品名「クイントン1000」シリーズ等が挙げられる。
[シランカップリング剤(D)]
本発明のゴム組成物の製造方法に用いられるシランカップリング剤(D)は、下記一般式(III)、(IV)及び(V)で表される化合物からなる群から選ばれる少なくとも一種の化合物であることが好ましい。
本発明方法に係るゴム組成物は、このようなシランカップリング剤(D)を用いることにより、未加硫ゴム組成物の加工性を向上すると共に、加硫ゴム組成物の乾燥時グリップ性能及び耐摩耗性をも向上し得るができる。
本発明のゴム組成物の製造方法に用いられるシランカップリング剤(D)は、下記一般式(III)、(IV)及び(V)で表される化合物からなる群から選ばれる少なくとも一種の化合物であることが好ましい。
本発明方法に係るゴム組成物は、このようなシランカップリング剤(D)を用いることにより、未加硫ゴム組成物の加工性を向上すると共に、加硫ゴム組成物の乾燥時グリップ性能及び耐摩耗性をも向上し得るができる。
以下、下記一般式(III)、(IV)又は(V)で表される化合物を順に説明する。
AmB3-mSi−(CH2)aSb−(CH2)a−SiAmB3-m ・・・・・(III)
[式中、AはCnH2n+1O(nは1〜3の整数)又は塩素原子であり、Bは炭素数1〜3のアルキル基であり、mは1〜3の整数であり、aは1〜9の整数であり、bは1以上の整数で分布を有していてもよい。但し、mが1の時、2つのBは同一でも異なってもよく、mが2又は3の時、2つ又は3つのAは同一でも異なってもよい。]
AmB3-mSi−(CH2)aSb−(CH2)a−SiAmB3-m ・・・・・(III)
[式中、AはCnH2n+1O(nは1〜3の整数)又は塩素原子であり、Bは炭素数1〜3のアルキル基であり、mは1〜3の整数であり、aは1〜9の整数であり、bは1以上の整数で分布を有していてもよい。但し、mが1の時、2つのBは同一でも異なってもよく、mが2又は3の時、2つ又は3つのAは同一でも異なってもよい。]
AmB3-mSi−(CH2)c−Y ・・・・・(IV)
[式中、AはCnH2n+1O(nは1〜3の整数)又は塩素原子であり、Bは炭素数1〜3のアルキル基であり、Yはメルカプト基、ビニル基、アミノ基、グリシドキシ基及びエポキシ基から選ばれる官能基であり、mは1〜3の整数であり、cは0〜9の整数である。但し、mが1の時、2つのBは同一でも異なってもよく、mが2又は3の時、2つ又は3つのAは同一でも異なってもよい。]
[式中、AはCnH2n+1O(nは1〜3の整数)又は塩素原子であり、Bは炭素数1〜3のアルキル基であり、Yはメルカプト基、ビニル基、アミノ基、グリシドキシ基及びエポキシ基から選ばれる官能基であり、mは1〜3の整数であり、cは0〜9の整数である。但し、mが1の時、2つのBは同一でも異なってもよく、mが2又は3の時、2つ又は3つのAは同一でも異なってもよい。]
AmB3-mSi−(CH2)a−Sb−Z ・・・・・(V)
[式中、AはCnH2n+1O(nは1〜3の整数)又は塩素原子であり、Bは炭素数1〜3のアルキル基であり、Zはベンゾチアゾリル基、N,N−ジメチルチオカルバモイル基及びメタクリロイル基から選ばれる官能基であり、mは1〜3の整数であり、aは1〜9の整数であり、bは1以上の整数で分布を有していてもよい。但し、mが1の時、2つのBは同一でも異なってもよく、mが2又は3の時、2つ又は3つのAは同一でも異なってもよい。]
[式中、AはCnH2n+1O(nは1〜3の整数)又は塩素原子であり、Bは炭素数1〜3のアルキル基であり、Zはベンゾチアゾリル基、N,N−ジメチルチオカルバモイル基及びメタクリロイル基から選ばれる官能基であり、mは1〜3の整数であり、aは1〜9の整数であり、bは1以上の整数で分布を有していてもよい。但し、mが1の時、2つのBは同一でも異なってもよく、mが2又は3の時、2つ又は3つのAは同一でも異なってもよい。]
上記一般式(III)で表わされるシランカップリング剤(D)の具体例として、ビス−(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス−(3−トリメトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス−(3−メチルジメトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス−(3−トリエトキシシリルエチル)テトラスルフィド、ビス−(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス−(3−トリメトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(3−メチルジエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(3−エチルジメトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(2−トリエトキシシリルエチル)ジスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)トリスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)トリスルフィド、ビス(3−メチルジメトキシシリルプロピル)トリスルフィド、ビス(2−トリエトキシシリルエチル)トリスルフィド、ビス(3−モノエトキシジメチルシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(3−モノエトキシジメチルシリルプロピル)トリスルフィド、ビス(3−モノエトキシジメチルシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(3−モノメトキシジメチルシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(3−モノメトキシジメチルシリルプロピル)トリスルフィド、ビス(2−モノエトキシジメチルシリルエチル)テトラスルフィド、ビス(2−モノエトキシジメチルシリルエチル)トリスルフィド、ビス(2−モノエトキシジメチルシリルエチル)ジスルフィド等が挙げられる。
上記一般式(IV)で表わされるシランカップリング剤(D)の具体例としては、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシランが挙げられる。
上記一般式(V)で表わされるシランカップリング剤(D)の具体例としては、3−トリメトキシシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピルベンゾチアゾリルテトラスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピルメタクリロイルモノスルフィドが挙げられる。
上記一般式(III)、(IV)及び(V)で表される化合物の中で、補強性改善効果などの点から、 ビス(3−トリエトシキシリルプロピル)ジスルフィド{(Evonik社製シランカップリング剤、商品名「Si75」(登録商標))等}、ビス(3−トリエトシキシリルプロピル)トリスルフィド、ビス(3−トリエトシキシリルプロピル)テトラスルフィド{(Evonik社製シランカップリング剤、商品名「Si69」(登録商標))等}などのビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ポリスルフィド、及び3−トリメトキシシリルプロピルベンゾチアゾリルテトラスルフィドが好適である。
上記一般式(III)、(IV)又は(V)で表される化合物は、シランカップリング剤として、1種を単独で用いてもよく、2種以上組み合わせて用いてもよい。
上記一般式(III)、(IV)及び(V)で表される化合物の中で、補強性改善効果などの点から、 ビス(3−トリエトシキシリルプロピル)ジスルフィド{(Evonik社製シランカップリング剤、商品名「Si75」(登録商標))等}、ビス(3−トリエトシキシリルプロピル)トリスルフィド、ビス(3−トリエトシキシリルプロピル)テトラスルフィド{(Evonik社製シランカップリング剤、商品名「Si69」(登録商標))等}などのビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ポリスルフィド、及び3−トリメトキシシリルプロピルベンゾチアゾリルテトラスルフィドが好適である。
上記一般式(III)、(IV)又は(V)で表される化合物は、シランカップリング剤として、1種を単独で用いてもよく、2種以上組み合わせて用いてもよい。
本発明のゴム組成物の製造方法に用いられるシランカップリング剤(D)の配合量は、質量比{シランカップリング剤(D)/無機充填材(B)}(1/100)〜(20/100)であることを要する。(1/100)未満ではゴム組成物の低発熱性向上の効果が発揮しにくくなり、(20/100)を超えると、ゴム組成物のコストが過大となり、経済性が低下するからである。この観点から、質量比{シランカップリング剤(D)/無機充填材(B)}は(3/100)〜(20/100)であることが好ましく、(4/100)〜(10/100)であることが更に好ましい。
[加硫促進剤(E)]
本発明においては、加硫促進剤(E)は、グアニジン類、スルフェンアミド類、チアゾール類、チウラム類、ジチオカルバミン酸塩類、チオウレア類及びキサントゲン酸塩類から選ばれる少なくとも1種の加硫促進剤であることが好ましい。
以下に、加硫促進剤(E)として好ましく挙げられるグアニジン類、スルフェンアミド類、チアゾール類、チウラム類、ジチオカルバミン酸塩類、チオウレア類及びキサントゲン酸塩類について詳述する。
本発明のゴム組成物の製造方法に用いられるグアニジン類としては、1,3−ジフェニルグアニジン、1,3−ジ−o−トリルグアニジン、1−o−トリルビグアニド、ジカテコールボレートのジ−o−トリルグアニジン塩、1,3−ジ−o−クメニルグアニジン、1,3−ジ−o−ビフェニルグアニジン、1,3−ジ−o−クメニル−2−プロピオニルグアニジン等が挙げられ、1,3−ジフェニルグアニジン、1,3−ジ−o−トリルグアニジン及び1−o−トリルビグアニドは反応性が高いので好ましい。
本発明においては、加硫促進剤(E)は、グアニジン類、スルフェンアミド類、チアゾール類、チウラム類、ジチオカルバミン酸塩類、チオウレア類及びキサントゲン酸塩類から選ばれる少なくとも1種の加硫促進剤であることが好ましい。
以下に、加硫促進剤(E)として好ましく挙げられるグアニジン類、スルフェンアミド類、チアゾール類、チウラム類、ジチオカルバミン酸塩類、チオウレア類及びキサントゲン酸塩類について詳述する。
本発明のゴム組成物の製造方法に用いられるグアニジン類としては、1,3−ジフェニルグアニジン、1,3−ジ−o−トリルグアニジン、1−o−トリルビグアニド、ジカテコールボレートのジ−o−トリルグアニジン塩、1,3−ジ−o−クメニルグアニジン、1,3−ジ−o−ビフェニルグアニジン、1,3−ジ−o−クメニル−2−プロピオニルグアニジン等が挙げられ、1,3−ジフェニルグアニジン、1,3−ジ−o−トリルグアニジン及び1−o−トリルビグアニドは反応性が高いので好ましい。
本発明のゴム組成物の製造方法に用いられるスルフェンアミド類としては、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N,N−ジシクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N−オキシジエチレン−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N−メチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N−エチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N−プロピル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N−ペンチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N−ヘキシル-2-ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N−ペンチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N−オクチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N−2−エチルヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N−デシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N−ドデシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N−ステアリル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N,N−ジメチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N,N−ジエチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N,N−ジプロピル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N,N−ジブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N,N−ジペンチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N,N−ジヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N,N−ジペンチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N,N−ジオクチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N,N−ジ−2−エチルヘキシルベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N−デシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N,N−ジドデシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N,N−ジステアリル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド等が挙げられる。これらの内、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド及びN−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミドは、反応性が高いので好ましい。
本発明のゴム組成物の製造方法に用いられるチアゾール類としては、2−メルカプトベンゾチアゾール、ビス(4−メチルベンゾチアゾリル−2)−ジスルフィド、ジ−2−ベンゾチアゾリルジスルフィド、2−メルカプトベンゾチアゾールの亜鉛塩、2−メルカプトベンゾチアゾールのシクロヘキシルアミン塩、2−(N,N−ジエチルチオカルバモイルチオ)ベンゾチアゾール、2−(4’−モルホリノジチオ)ベンゾチアゾール、4−メチル−2−メルカプトベンゾチアゾール、ジ−(4−メチル−2−ベンゾチアゾリル)ジスルフィド、5−クロロ−2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾチアゾールナトリウム、2−メルカプト−6−ニトロベンゾチアゾール、2−メルカプト-ナフト[1,2−d]チアゾール、2−メルカプト−5−メトキシベンゾチアゾール、6−アミノ−2−メルカプトベンゾチアゾール等が挙げられる。これらの内、2−メルカプトベンゾチアゾール、ビス(4−メチルベンゾチアゾリル−2)−ジスルフィド及びジ−2−ベンゾチアゾリルジスルフィドは、反応性が高く好ましい。
本発明のゴム組成物の製造方法に用いられるチウラム類としては、テトラメチルチウラムジスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィド、テトラプロピルチウラムジスルフィド、テトライソプロピルチウラムジスルフィド、テトラブチルチウラムジスルフィド、テトラペンチルチウラムジスルフィド、テトラヘキシルチウラムジスルフィド、テトラヘプチルチウラムジスルフィド、テトラオクチルチウラムジスルフィド、テトラノニルチウラムジスルフィド、テトラデシルチウラムジスルフィド、テトラドデシルチウラムジスルフィド、テトラステアリルチウラムジスルフィド、テトラベンジルチウラムジスルフィド、テトラキス(2−エチルヘキシル)チウラムジスルフィド、テトラメチルチウラムモノスルフィド、テトラエチルチウラムモノスルフィド、テトラプロピルチウラムモノスルフィド、テトライソプロピルチウラムモノスルフィド、テトラブチルチウラムモノスルフィド、テトラペンチルチウラムモノスルフィド、テトラヘキシルチウラムモノスルフィド、テトラヘプチルチウラムモノスルフィド、テトラオクチルチウラムモノスルフィド、テトラノニルチウラムモノスルフィド、テトラデシルチウラムモノスルフィド、テトラドデシルチウラムモノスルフィド、テトラステアリルチウラムモノスルフィド、テトラベンジルチウラムモノスルフィド、ジペンタメチレンチウラムテトラスルフィド等が挙げられる。これらの内、テトラキス(2−エチルヘキシル)チウラムジスルフィド及びテトラベンジルチウラムジスルフィドは、反応性が高いので好ましい。
本発明のゴム組成物の製造方法に用いられるチオウレア類としては、N,N’−ジフェニルチオ尿素、トリメチルチオ尿素、N,N’−ジエチルチオ尿素、N,N’−ジメチルチオ尿素、N,N’−ジブチルチオ尿素、エチレンチオ尿素、N,N’−ジイソプロピルチオ尿素、N,N’−ジシクロヘキシルチオ尿素、1,3−ジ(o−トリル)チオ尿素、1,3−ジ(p−トリル)チオ尿素、1,1−ジフェニル−2−チオ尿素、2,5−ジチオビ尿素、グアニルチオ尿素、1−(1−ナフチル)−2−チオ尿素、1−フェニル−2−チオ尿素、p−トリルチオ尿素、o−トリルチオ尿素等が挙げられる。これらの内、N,N’−ジエチルチオ尿素、トリメチルチオ尿素、N,N’−ジフェニルチオ尿素及びN,N’−ジメチルチオ尿素は、反応性が高いので好ましい。
本発明のゴム組成物の製造方法に用いられるジチオカルバミン酸塩類としては、ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジエチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジプロピルジチオカルバミン酸亜鉛、ジイソプロピルジチオカルバミン酸亜鉛、ジブチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジペンチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジヘキシルジチオカルバミン酸亜鉛、ジヘプチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジオクチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジ(2−エチルヘキシル)ジチオカルバミン酸亜鉛、ジデシルジチオカルバミン酸亜鉛、ジドデシルジチオカルバミン酸亜鉛、N−ペンタメチレンジチオカルバミン酸亜鉛、N−エチル−N−フェニルジチオカルバミン酸亜鉛、ジベンジルジチオカルバミン酸亜鉛、ジメチルジチオカルバミン酸銅、ジエチルジチオカルバミン酸銅、ジプロピルジチオカルバミン酸銅、ジイソプロピルジチオカルバミン酸銅、ジブチルジチオカルバミン酸銅、ジペンチルジチオカルバミン酸銅、ジヘキシルジチオカルバミン酸銅、ジヘプチルジチオカルバミン酸銅、ジオクチルジチオカルバミン酸銅、ジ(2−エチルヘキシル)ジチオカルバミン酸銅、ジデシルジチオカルバミン酸銅、ジドデシルジチオカルバミン酸銅、N-ペンタメチレンジチオカルバミン酸銅、ジベンジルジチオカルバミン酸銅、ジメチルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジエチルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジプロピルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジイソプロピルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジブチルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジペンチルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジヘキシルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジヘプチルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジオクチルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジ(2−エチルヘキシル)ジチオカルバミン酸ナトリウム、ジデシルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジドデシルジチオカルバミン酸ナトリウム、N−ペンタメチレンジチオカルバミン酸ナトリウム、ジベンジルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジメチルジチオカルバミン酸第二鉄、ジエチルジチオカルバミン酸第二鉄、ジプロピルジチオカルバミン酸第二鉄、ジイソプロピルジチオカルバミン酸第二鉄、ジブチルジチオカルバミン酸第二鉄、ジペンチルジチオカルバミン酸第二鉄、ジヘキシルジチオカルバミン酸第二鉄、ジヘプチルジチオカルバミン酸第二鉄、ジオクチルジチオカルバミン酸第二鉄、ジ(2−エチルヘキシル)ジチオカルバミン酸第二鉄、ジデシルジチオカルバミン酸第二鉄、ジドデシルジチオカルバミン酸第二鉄、N−ペンタメチレンジチオカルバミン酸第二鉄、ジベンジルジチオカルバミン酸第二鉄等が挙げられる。これらの内、ジベンジルジチオカルバミン酸亜鉛、N−エチル−N−フェニルジチオカルバミン酸亜鉛、ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛及びジメチルジチオカルバミン酸銅は、反応性が高いため好ましい。
本発明のゴム組成物の製造方法に用いられるキサントゲン酸塩類としては、メチルキサントゲン酸亜鉛、エチルキサントゲン酸亜鉛、プロピルキサントゲン酸亜鉛、イソプロピルキサントゲン酸亜鉛、ブチルキサントゲン酸亜鉛、ペンチルキサントゲン酸亜鉛、ヘキシルキサントゲン酸亜鉛、ヘプチルキサントゲン酸亜鉛、オクチルキサントゲン酸亜鉛、2−エチルヘキシルキサントゲン酸亜鉛、デシルキサントゲン酸亜鉛、ドデシルキサントゲン酸亜鉛、メチルキサントゲン酸カリウム、エチルキサントゲン酸カリウム、プロピルキサントゲン酸カリウム、イソプロピルキサントゲン酸カリウム、ブチルキサントゲン酸カリウム、ペンチルキサントゲン酸カリウム、ヘキシルキサントゲン酸カリウム、ヘプチルキサントゲン酸カリウム、オクチルキサントゲン酸カリウム、2−エチルヘキシルキサントゲン酸カリウム、デシルキサントゲン酸カリウム、ドデシルキサントゲン酸カリウム、メチルキサントゲン酸ナトリウム、エチルキサントゲン酸ナトリウム、プロピルキサントゲン酸ナトリウム、イソプロピルキサントゲン酸ナトリウム、ブチルキサントゲン酸ナトリウム、ペンチルキサントゲン酸ナトリウム、ヘキシルキサントゲン酸ナトリウム、ヘプチルキサントゲン酸ナトリウム、オクチルキサントゲン酸ナトリウム、2−エチルヘキシルキサントゲン酸ナトリウム、デシルキサントゲン酸ナトリウム、ドデシルキサントゲン酸ナトリウム等が挙げられる。これらの内、イソプロピルキサントゲン酸亜鉛は、反応性が高いので好ましい。
本発明に係る混練の第一段階におけるゴム組成物中の前記加硫促進剤(E)のモル量がシランカップリング剤(D)のモル量の0.02〜1.0倍であることが好ましい。0.02倍以上であればシランカップリング剤(D)の活性化が十分に起こり、1.0倍以下であれば加硫速度に大きな影響は与えないからである。より好ましくは、加硫促進剤(E)のモル量はシランカップリング剤(D)のモル量の0.05〜1.0倍であり、更に好ましくは、加硫促進剤(E)のモル量はシランカップリング剤(D)のモル量の0.1〜1.0倍であり、特に好ましくは、加硫促進剤(E)のモル量はシランカップリング剤(D)のモル量の0.1〜0.6倍である。
なお、加硫促進剤(E)は、硫黄加硫の促進剤としても用いられるので、混練の最終段階においても所望により適量を配合してもよい。
なお、加硫促進剤(E)は、硫黄加硫の促進剤としても用いられるので、混練の最終段階においても所望により適量を配合してもよい。
[ゴム成分(A)]
本発明のゴム組成物の製造方法に用いられるゴム成分(A)は、ジエン系ゴムから選ばれる少なくとも1種からなる。ジエン系ゴムとしては、天然ゴム及び合成ジエン系ゴムが挙げられる。合成ジエン系ゴムとしては、スチレン-ブタジエン共重合体ゴム(SBR)、ポリブタジエンゴム(BR)、ポリイソプレンゴム(IR)、ブチルゴム(IIR)、エチレン-プロピレン−ジエン三元共重合体ゴム(EPDM)、エチレン−ブタジエン共重合体ゴム(EBR)、プロピレン−ブタジエン共重合体ゴム(PBR)等を好適に用いることができ、天然ゴム及び合成ジエン系ゴムは、1種単独でも、2種以上のブレンドとして用いてもよい。
スチレン-ブタジエン共重合体ゴム(SBR)は、乳化重合SBR及び溶液重合SBRのいずれか、又は両方が好ましく用いられる。
本発明のゴム組成物の製造方法に用いられるゴム成分(A)は、ジエン系ゴムから選ばれる少なくとも1種からなる。ジエン系ゴムとしては、天然ゴム及び合成ジエン系ゴムが挙げられる。合成ジエン系ゴムとしては、スチレン-ブタジエン共重合体ゴム(SBR)、ポリブタジエンゴム(BR)、ポリイソプレンゴム(IR)、ブチルゴム(IIR)、エチレン-プロピレン−ジエン三元共重合体ゴム(EPDM)、エチレン−ブタジエン共重合体ゴム(EBR)、プロピレン−ブタジエン共重合体ゴム(PBR)等を好適に用いることができ、天然ゴム及び合成ジエン系ゴムは、1種単独でも、2種以上のブレンドとして用いてもよい。
スチレン-ブタジエン共重合体ゴム(SBR)は、乳化重合SBR及び溶液重合SBRのいずれか、又は両方が好ましく用いられる。
[有機酸]
本発明の製造方法においては、混練りの第一段階におけるゴム組成物が有機酸を含み、かつ混練りの第一段階におけるゴム組成物中の有機酸のモル量Xが前記加硫促進剤(E)のモル量Yに対して以下の式(VI)の関係にあることが好ましい。
0≦X≦1.5×Y ・・・・・・・・・(VI)
加硫促進剤(E)配合によるカップリング機能の活性向上効果が低減するのを好適に抑制するためである。この観点から、ジエン系ゴムに由来しない有機酸(F)は、混練りの第二段階以降に加えられることが好ましい。
本発明に係るゴム組成物に配合される有機酸としては、ステアリン酸、パルミチン酸、ミリスチン酸、ラウリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、カプリン酸、ペラルゴン酸、カプリル酸、エナント酸、カプロン酸、オレイン酸、バクセン酸、リノール酸、リノレン酸、ネルボン酸等の飽和脂肪酸及び不飽和脂肪酸並びにロジン酸や変性ロジン酸等の樹脂酸などの有機酸、前記飽和脂肪酸及び前記不飽和脂肪酸並びに樹脂酸のエステル(特に、部分エステル)などが挙げられる。
本発明においては、加硫促進助剤としての機能を十分に発揮する必要があることから有機酸中の50モル%以上がステアリン酸であることが好ましい。
また、ゴム成分(A)の一部又は全部として乳化重合スチレン−ブタジエン共重合体を用いる場合は、有機酸中の50モル%以上が乳化重合スチレン−ブタジエン共重合体に含まれるロジン酸(変性ロジン酸も包含される。)及び/又は脂肪酸であることが、乳化重合スチレン−ブタジエン共重合体を重合するのに必要な乳化剤の観点から好ましい。
また、ゴム成分(A)の一部又は全部として天然ゴムを用いる場合は、有機酸中の50モル%以上が天然ゴムに含まれる脂肪酸であることが、脂肪酸の有効活用の観点から好ましい。
本発明の製造方法においては、混練りの第一段階におけるゴム組成物が有機酸を含み、かつ混練りの第一段階におけるゴム組成物中の有機酸のモル量Xが前記加硫促進剤(E)のモル量Yに対して以下の式(VI)の関係にあることが好ましい。
0≦X≦1.5×Y ・・・・・・・・・(VI)
加硫促進剤(E)配合によるカップリング機能の活性向上効果が低減するのを好適に抑制するためである。この観点から、ジエン系ゴムに由来しない有機酸(F)は、混練りの第二段階以降に加えられることが好ましい。
本発明に係るゴム組成物に配合される有機酸としては、ステアリン酸、パルミチン酸、ミリスチン酸、ラウリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、カプリン酸、ペラルゴン酸、カプリル酸、エナント酸、カプロン酸、オレイン酸、バクセン酸、リノール酸、リノレン酸、ネルボン酸等の飽和脂肪酸及び不飽和脂肪酸並びにロジン酸や変性ロジン酸等の樹脂酸などの有機酸、前記飽和脂肪酸及び前記不飽和脂肪酸並びに樹脂酸のエステル(特に、部分エステル)などが挙げられる。
本発明においては、加硫促進助剤としての機能を十分に発揮する必要があることから有機酸中の50モル%以上がステアリン酸であることが好ましい。
また、ゴム成分(A)の一部又は全部として乳化重合スチレン−ブタジエン共重合体を用いる場合は、有機酸中の50モル%以上が乳化重合スチレン−ブタジエン共重合体に含まれるロジン酸(変性ロジン酸も包含される。)及び/又は脂肪酸であることが、乳化重合スチレン−ブタジエン共重合体を重合するのに必要な乳化剤の観点から好ましい。
また、ゴム成分(A)の一部又は全部として天然ゴムを用いる場合は、有機酸中の50モル%以上が天然ゴムに含まれる脂肪酸であることが、脂肪酸の有効活用の観点から好ましい。
本発明のゴム組成物の製造方法において、通常、ゴム組成物に配合される亜鉛華等の加硫活性剤、老化防止剤等の各種配合剤は、必要に応じ、混練の第一段階又は最終段階、あるいは第一段階と最終段階の中間段階において混練りされる。
本発明の製造方法における混練装置として、バンバリーミキサー、ロール、インテンシブミキサー等が用いられる。
本発明の製造方法における混練装置として、バンバリーミキサー、ロール、インテンシブミキサー等が用いられる。
以下に、実施例を挙げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明は下記の実施例に何ら限定されるものではない。
なお、未加硫ゴム組成物のムーニー粘度及びタッキネス、並びに加硫ゴム組成物の湿潤時グリップ性能、乾燥時グリップ性能及び耐摩耗性を下記の方法により評価した。
なお、未加硫ゴム組成物のムーニー粘度及びタッキネス、並びに加硫ゴム組成物の湿潤時グリップ性能、乾燥時グリップ性能及び耐摩耗性を下記の方法により評価した。
<ムーニー粘度>
JIS K 6300−1:2001に準拠して、130℃でムーニー粘度を測定した。比較例4を100として、以下の式により指数で表示した。指数が103未満であると、未加硫ゴム組成物が軟らか過ぎて、精練時の密着悪化や押出時のトレーン巻き込みを引き起こし、加工性に支障をきたすことがあるので好ましくない。また、指数が200を超えると、未加硫ゴム組成物が硬過ぎて押出時の温度が高くなり、焦けを引き起こすことがあるので好ましくない。
ムーニー粘度指数={供試未加硫ゴム組成物のムーニー粘度)/(比較例4の未加硫ゴム組成物のムーニー粘度)}×100
<タッキネス>
供試未加硫ゴム組成物を80℃のロールに1分以上巻きつけて、ロールナイフで切った。その時に、ロールに密着した量を計量し、以下の基準で評価した。
A: ロールに密着した量が10質量%未満であった。
B: ロールに密着した量が10質量%以上であった。
JIS K 6300−1:2001に準拠して、130℃でムーニー粘度を測定した。比較例4を100として、以下の式により指数で表示した。指数が103未満であると、未加硫ゴム組成物が軟らか過ぎて、精練時の密着悪化や押出時のトレーン巻き込みを引き起こし、加工性に支障をきたすことがあるので好ましくない。また、指数が200を超えると、未加硫ゴム組成物が硬過ぎて押出時の温度が高くなり、焦けを引き起こすことがあるので好ましくない。
ムーニー粘度指数={供試未加硫ゴム組成物のムーニー粘度)/(比較例4の未加硫ゴム組成物のムーニー粘度)}×100
<タッキネス>
供試未加硫ゴム組成物を80℃のロールに1分以上巻きつけて、ロールナイフで切った。その時に、ロールに密着した量を計量し、以下の基準で評価した。
A: ロールに密着した量が10質量%未満であった。
B: ロールに密着した量が10質量%以上であった。
<湿潤時グリップ性能>
ブリティッシュ・ポータブル・スキッド・テスターを用い、湿潤コンクリート路面に対する加硫ゴム試験片の抵抗値を測定し、比較例1を100として、以下の式により指数で表示した。この数値が大きい程、湿潤時のグリップ性能が良好であり、指数100を超えることが好ましい。
湿潤時グリップ性能指数={供試加硫ゴム組成物の抵抗値)/(比較例1の加硫ゴム組成物の抵抗値)}×100
<乾燥時グリップ性能>
ブリティッシュ・ポータブル・スキッド・テスターを用い、乾燥コンクリート路面に対する加硫ゴム試験片の抵抗値を測定し、比較例1を100として、以下の式により指数で表示した。この数値が大きい程、乾燥時のグリップ性能が良好であり、指数100を超えることが好ましい。
乾燥時グリップ性能指数={供試加硫ゴム組成物の抵抗値)/(比較例1の加硫ゴム組成物の抵抗値)}×100
<耐摩耗性>
JIS K6264に準拠して、ランボーン型摩耗試験機を用い、室温(23℃)におけるスリップ率60%の摩耗量を測定し、摩耗量の逆数を、比較例1を100として、以下の式により指数で表示した。この数値が大きい程、耐摩耗性が良好であり、指数100を超えることが好ましい。
耐摩耗性指数={(比較例1の加硫ゴム組成物の摩耗量)/供試加硫ゴム組成物の摩耗量)}×100
ブリティッシュ・ポータブル・スキッド・テスターを用い、湿潤コンクリート路面に対する加硫ゴム試験片の抵抗値を測定し、比較例1を100として、以下の式により指数で表示した。この数値が大きい程、湿潤時のグリップ性能が良好であり、指数100を超えることが好ましい。
湿潤時グリップ性能指数={供試加硫ゴム組成物の抵抗値)/(比較例1の加硫ゴム組成物の抵抗値)}×100
<乾燥時グリップ性能>
ブリティッシュ・ポータブル・スキッド・テスターを用い、乾燥コンクリート路面に対する加硫ゴム試験片の抵抗値を測定し、比較例1を100として、以下の式により指数で表示した。この数値が大きい程、乾燥時のグリップ性能が良好であり、指数100を超えることが好ましい。
乾燥時グリップ性能指数={供試加硫ゴム組成物の抵抗値)/(比較例1の加硫ゴム組成物の抵抗値)}×100
<耐摩耗性>
JIS K6264に準拠して、ランボーン型摩耗試験機を用い、室温(23℃)におけるスリップ率60%の摩耗量を測定し、摩耗量の逆数を、比較例1を100として、以下の式により指数で表示した。この数値が大きい程、耐摩耗性が良好であり、指数100を超えることが好ましい。
耐摩耗性指数={(比較例1の加硫ゴム組成物の摩耗量)/供試加硫ゴム組成物の摩耗量)}×100
実施例1〜5及び比較例1〜6
第1表に示す配合処方及び混練方法により、混練の第一段階において、バンバリーミキサーを用いて、ゴム成分(乳化重合SBR)、カーボンブラック、樹脂、シリカ、水酸化アルミニウム、シランカップリング剤及びその他の配合剤を加えた後180秒間混練した後にゴム組成物の温度140℃で、加硫促進剤(E)を加えて、更に混練し、第1表に示す混練の第一段階におけるゴム組成物の最高温度で各々バンバリーミキサーからゴム組成物を排出し、実施例1〜5及び比較例1〜6の11種類のゴム組成物を得た。
但し、比較例1〜6は、混練の第一段階において、加硫促進剤(E)を加えなかった。
第1表に示す配合処方及び混練方法により、混練の第一段階において、バンバリーミキサーを用いて、ゴム成分(乳化重合SBR)、カーボンブラック、樹脂、シリカ、水酸化アルミニウム、シランカップリング剤及びその他の配合剤を加えた後180秒間混練した後にゴム組成物の温度140℃で、加硫促進剤(E)を加えて、更に混練し、第1表に示す混練の第一段階におけるゴム組成物の最高温度で各々バンバリーミキサーからゴム組成物を排出し、実施例1〜5及び比較例1〜6の11種類のゴム組成物を得た。
但し、比較例1〜6は、混練の第一段階において、加硫促進剤(E)を加えなかった。
[注]
1) JSR株式会社製、乳化重合スチレン−ブタジエン共重合体ゴム(SBR)、商品名「#0122」(結合スチレン分:37質量%、乳化剤としてロジン酸・脂肪酸混合石鹸を使用している。SBR100質量部に対して油展オイル34質量部含有する。)
2) カーボンブラックN234: 東海カーボン株式会社製、商品名「シースト 7HM」3) 東ソー・シリカ株式会社製、商品名「ニップシールAQ」
4) 東ソー・シリカ株式会社製、商品名「ニップシールEQ」
5) 昭和電工株式会社製、商品名「ハイジライト H−43M」
6) JX日鉱日石エネルギー株式会社製、商品名「スーパーオイル Y22」
7) ヤスハラケミカル株式会社製、商品名「YSポリスター T80」
8) ヤスハラケミカル株式会社製、商品名「YSポリスター T145」
9) ビス(3−トリエトシキシリルプロピル)ジスルフィド(平均硫黄鎖長:2.35)、Evonik社製シランカップリング剤、商品名「Si75」(登録商標)
10) JX日鉱日石エネルギー株式会社製、商品名「パラノック 350BS」
11) N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、大内新興化学工業株式会社製、商品名「ノクラック6C」
12) 1,3−ジフェニルグアニジン、大内新興化学工業株式会社製、商品名「ノクセラー D」
13) ジ−2−ベンゾチアゾリルジスルフィド、大内新興化学工業株式会社製、商品名「ノクセラー DM−P」
14) N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、大内新興化学工業株式会社製、商品名「ノクセラー CZ−G」
1) JSR株式会社製、乳化重合スチレン−ブタジエン共重合体ゴム(SBR)、商品名「#0122」(結合スチレン分:37質量%、乳化剤としてロジン酸・脂肪酸混合石鹸を使用している。SBR100質量部に対して油展オイル34質量部含有する。)
2) カーボンブラックN234: 東海カーボン株式会社製、商品名「シースト 7HM」3) 東ソー・シリカ株式会社製、商品名「ニップシールAQ」
4) 東ソー・シリカ株式会社製、商品名「ニップシールEQ」
5) 昭和電工株式会社製、商品名「ハイジライト H−43M」
6) JX日鉱日石エネルギー株式会社製、商品名「スーパーオイル Y22」
7) ヤスハラケミカル株式会社製、商品名「YSポリスター T80」
8) ヤスハラケミカル株式会社製、商品名「YSポリスター T145」
9) ビス(3−トリエトシキシリルプロピル)ジスルフィド(平均硫黄鎖長:2.35)、Evonik社製シランカップリング剤、商品名「Si75」(登録商標)
10) JX日鉱日石エネルギー株式会社製、商品名「パラノック 350BS」
11) N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、大内新興化学工業株式会社製、商品名「ノクラック6C」
12) 1,3−ジフェニルグアニジン、大内新興化学工業株式会社製、商品名「ノクセラー D」
13) ジ−2−ベンゾチアゾリルジスルフィド、大内新興化学工業株式会社製、商品名「ノクセラー DM−P」
14) N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、大内新興化学工業株式会社製、商品名「ノクセラー CZ−G」
第1表から明らかなように、実施例1〜9のゴム組成物は、比較例1〜5中の対比すべきゴム組成物と比較して、いずれも未加硫ゴム組成物の粘度及びタッキネスが好適な範囲内となると共に、加硫ゴム組成物の湿潤時グリップ性能、乾燥時グリップ性能及び耐摩耗性が向上した。
一方、比較例1〜6のゴム組成物は、ムーニー粘度を高くすることができず、かつタッキネスが過大であったので、ロールや混練機等に密着が発生し、未加硫ゴム組成物の加工性が低かった。また、比較例2の加硫ゴム組成物は湿潤時グリップ性能が劣り、比較例3及び4の加硫ゴム組成物は湿潤時グリップ性能及び乾燥時グリップ性能が劣り、比較例5の加硫ゴム組成物は乾燥時グリップ性能が劣り、比較例6の加硫ゴム組成物は耐摩耗性を向上できず、比較例1〜6の加硫ゴム組成物のいずれもが湿潤時グリップ性能、乾燥時グリップ性能及び耐摩耗性のいずれかを向上し得なかった。
一方、比較例1〜6のゴム組成物は、ムーニー粘度を高くすることができず、かつタッキネスが過大であったので、ロールや混練機等に密着が発生し、未加硫ゴム組成物の加工性が低かった。また、比較例2の加硫ゴム組成物は湿潤時グリップ性能が劣り、比較例3及び4の加硫ゴム組成物は湿潤時グリップ性能及び乾燥時グリップ性能が劣り、比較例5の加硫ゴム組成物は乾燥時グリップ性能が劣り、比較例6の加硫ゴム組成物は耐摩耗性を向上できず、比較例1〜6の加硫ゴム組成物のいずれもが湿潤時グリップ性能、乾燥時グリップ性能及び耐摩耗性のいずれかを向上し得なかった。
本発明のゴム組成物の製造方法は未加硫ゴム組成物の加工性を向上すると共に、加硫ゴム組成物の湿潤時グリップ性能、乾燥時グリップ性能及び耐摩耗性をも向上し得るゴム組成物を得ることができるので、乗用車用、小型トラック用、軽乗用車用、軽トラック用及び大型車両用(トラック・バス用、建設車両用等)等の各種空気入りタイヤの各部材、特に空気入りラジアルタイヤのトレッド用部材(特に、トレッド接地部用部材)の製造方法として好適に用いられる。
Claims (13)
- ジエン系ゴムから選ばれる少なくとも1種からなるゴム成分(A)、該ゴム成分(A)100質量部に対して、無機充填材(B)を5〜300質量部及び樹脂(C)を5〜90質量部含み、シランカップリング剤(D)を質量比{シランカップリング剤(D)/無機充填材(B)}(1/100)〜(20/100)で含み、かつ加硫促進剤(E)を含むゴム組成物の製造方法であって、該ゴム組成物を複数段階で混練し、混練の第一段階で、該ゴム成分(A)、該無機充填材(B)の全部又は一部、樹脂(C)の全部又は一部及び該シランカップリング剤(D)の全部又は一部を混練した後、該第一段階の途中で該加硫促進剤(E)を加えて更に混練することを特徴とするゴム組成物の製造方法。
- 前記無機充填材(B)が、シリカ及び/又は下記一般式(I)で表される粒径が10μm以下である少なくとも一つの無機化合物粉体である請求項1に記載のゴム組成物の製造方法。
M・xSiO2・yH2O ・・・・・・・・・(I)
[式(I)中、Mは、Al、Mg、Ti及びCaからなる群から選ばれる少なくとも一つの金属の金属酸化物又は金属水酸化物であり、x,yは共に0〜10の整数である。] - 前記無機化合物粉体が、下記一般式(II)である請求項2に記載のゴム組成物の製造方法。
Al2O3・vSiO2・wH2O ・・・・・・・・・(II)
[式(II)中のvは1〜4の整数であり、wは0〜4の整数である。] - さらに、カーボンブラックを2〜100質量部含む請求項1〜3のいずれかに記載のゴム組成物の製造方法。
- 前記加硫促進剤(E)が、グアニジン類、スルフェンアミド類、チアゾール類、チウラム類、ジチオカルバミン酸塩類、チオウレア類及びキサントゲン酸塩類から選ばれる少なくとも1種の加硫促進剤である請求項1〜4のいずれかに記載のゴム組成物の製造方法。
- 前記樹脂(C)が、テルペン・フェノール樹脂、フェノール樹脂、クマロン・インデン樹脂、テルペン樹脂、キシレン樹脂、ロジン系樹脂、芳香族系炭化水素樹脂、脂肪族系炭化水素樹脂、脂環族系炭化水素樹脂から選ばれる少なくとも1種の樹脂である請求項1〜5のいずれかに記載のゴム組成物の製造方法。
- 前記シランカップリング剤が、下記一般式(III)、(IV)及び(V)で表される化合物からなる群から選ばれる少なくとも一種の化合物である請求項1〜6のいずれかに記載のゴム組成物の製造方法。
AmB3-mSi−(CH2)aSb−(CH2)a−SiAmB3-m ・・・・・・・・・(III)
[式中、AはCnH2n+1O(nは1〜3の整数)又は塩素原子であり、Bは炭素数1〜3のアルキル基であり、mは1〜3の整数であり、aは1〜9の整数であり、bは1以上の整数で分布を有していてもよい。但し、mが1の時、2つのBは同一でも異なってもよく、mが2又は3の時、2つ又は3つのAは同一でも異なってもよい。]
AmB3-mSi−(CH2)c−Y ・・・・・・・・・(IV)
[式中、AはCnH2n+1O(nは1〜3の整数)又は塩素原子であり、Bは炭素数1〜3のアルキル基であり、Yはメルカプト基、ビニル基、アミノ基、グリシドキシ基及びエポキシ基から選ばれる官能基であり、mは1〜3の整数であり、cは0〜9の整数である。但し、mが1の時、2つのBは同一でも異なってもよく、mが2又は3の時、2つ又は3つのAは同一でも異なってもよい。]
AmB3-mSi−(CH2)a−Sb−Z ・・・・・・・・・(V)
[式中、AはCnH2n+1O(nは1〜3の整数)又は塩素原子であり、Bは炭素数1〜3のアルキル基であり、Zはベンゾチアゾリル基、N,N−ジメチルチオカルバモイル基及びメタクリロイル基から選ばれる官能基であり、mは1〜3の整数であり、aは1〜9の整数であり、bは1以上の整数で分布を有していてもよい。但し、mが1の時、2つのBは同一でも異なってもよく、mが2又は3の時、2つ又は3つのAは同一でも異なってもよい。] - 前記第一段階におけるゴム組成物の最高温度が120〜190℃である請求項1〜7のいずれかに記載のゴム組成物の製造方法。
- 前記第一段階において、前記ゴム組成物の温度が80〜180℃に到達したときに前記加硫促進剤(E)を加える請求項1〜8のいずれかに記載のゴム組成物の製造方法。
- 前記第一段階において、該ゴム成分(A)、該無機充填材(B)の全部又は一部、樹脂(C)の全部又は一部及び該シランカップリング剤(D)の全部又は一部を加えた後、該第一段階の途中で該加硫促進剤(E)を加えるまでの時間が10〜300秒である請求項1〜9のいずれかに記載のゴム組成物の製造方法。
- 前記混練の第一段階におけるゴム組成物中の前記加硫促進剤(E)のモル量がシランカップリング剤(D)のモル量の0.02〜1.0倍である請求項1〜10のいずれかに記載のゴム組成物の製造方法。
- 前記混練の第一段階において前記ゴム組成物が有機酸を含み、かつ該第一段階におけるゴム組成物中の有機酸のモル量Xが前記加硫促進剤(E)のモル量Yに対して以下の式(VI)の関係にある請求項1〜11のいずれかに記載のゴム組成物の製造方法。
0≦X≦1.5×Y ・・・・・・・・・(VI) - 前記ジエン系ゴムに由来しない有機酸(F)が混練りの第二段階以降に加えられる請求項1〜12のいずれかに記載のゴム組成物の製造方法。
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