JP6071434B2 - タイヤトレッド用ゴム組成物の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、低発熱性を損なうことなく、十分な耐摩耗性を有するタイヤトレッド用ゴム組成物の製造方法に関する。
近年、環境問題への関心の高まりに伴う世界的な二酸化炭素排出の規制の動きに関連して、自動車の低燃費化に関する要求が高まりつつある。このような要求に対応するため、タイヤ性能についても転がり抵抗の低減が求められている。従来、タイヤの転がり抵抗を減少する手法として、タイヤ構造を最適化する手法も検討されてきたが、タイヤトレッドに適用するゴム組成物としてより発熱性の低いゴム組成物を用いることが、現在、最も一般的な手法として行われている。
このような発熱性の低いタイヤトレッド用ゴム組成物を得る方法として、充填材としてシリカ等の無機充填材を使用する方法が知られている。
例えば、タイヤの製造に使用可能なゴム組成物であって、少なくとも:(i)ジエンエラストマー、(ii)補強フィラーとしてのシリカ系又はアルミナ系フィラー、好ましくは高分散性シリカである無機フィラー、(iii)カップリング剤としての多硫化アルコキシシラン(PSAS)に基づき、(iv)1,2−ジヒドロピリジン(1,2−DHP)及び(v)グアニジン誘導体を伴うゴム組成物(例えば、特許文献1参照)が知られている。
特表2003−523472号公報(特許請求の範囲、実施例等)
本発明は、上記従来の技術を勘案して、更に、大粒子径のシリカを用いても、低発熱性と耐摩耗性とを高度に両立したタイヤトレッド用ゴム組成物の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者は、上記従来の技術等について、鋭意検討した結果、天然ゴム及び合成ジエン系ゴムから選ばれる少なくとも1種からなるゴム成分(A)に対して、特定物性のシリカを含む充填材(B)と、シランカップリング剤(C)と、チウラム類、ジチオカルバミン酸塩類、チオウレア類、キサントゲン酸塩類及びグアニジン類から選ばれる少なくとも1種の加硫促進剤、または、2級アミン、もしくは、2級アミンと弱酸成分とから形成される塩化合物(D)とを含むタイヤトレッド用ゴム組成物の製造方法であって、該ゴム組成物を複数段階で混練し、混練の第一段階で、上記(A)〜(D)の中の特定の各成分を混練することにより、上記目的のタイヤトレッド用ゴム組成物の製造方法が得られることを見い出し、本発明を完成するに至ったのである。
本発明によれば、大粒子径のシリカを用いても、低発熱性と耐摩耗性とを高度に両立したタイヤトレッド用ゴム組成物の製造方法、並びに、低発熱性と耐摩耗性とを高度に両立したトレッドゴムを有するタイヤが提供される。
以下に、本発明を詳細に説明する。
本発明のタイヤトレッド用ゴム組成物の製造方法は、天然ゴム及び合成ジエン系ゴムから選ばれる少なくとも1種からなるゴム成分(A)に対して、(B)セチルトリメチルアンモニウムブロマイド(CTAB)吸着比表面積が60〜135(m2/g)であるシリカを含む充填材(B)と、シランカップリング剤(C)と、チウラム類、ジチオカルバミン酸塩類、チオウレア類、キサントゲン酸塩類及びグアニジン類から選ばれる少なくとも1種の加硫促進剤、または、2級アミン、もしくは、2級アミンと弱酸成分とから形成される塩化合物(D)とを含むタイヤトレッド用ゴム組成物の製造方法であって、
該ゴム組成物を複数段階で混練し、混練の第一段階で、該ゴム成分(A)、該シリカを含む充填材(B)の全部又は一部、及び該シランカップリング剤(C)の全部又は一部、及び該加硫促進剤、または、2級アミン、もしくは、2級アミンと弱酸成分とから形成される塩化合物(D)を混練することを特徴とするものである。
本発明におけるタイヤトレッド用ゴム組成物の混練工程は、加硫促進剤、または、2級アミン、もしくは、2級アミンと弱酸成分とから形成される塩化合物(D)を除くその他の加硫剤等を含まない混練の第一段階と、加硫剤等を含む混練の最終段階の少なくとも2つの段階を含むものであり、必要に応じ、加硫促進剤、または、2級アミン、もしくは、2級アミンと弱酸成分とから形成される塩化合物(D)を除くその他の加硫剤等を含まない混練の中間段階を含んでも良い。ここで、加硫剤等とは、加硫剤及び加硫促進剤をいう。
なお、本発明における混練の第一段階とはゴム成分(A)とシリカを含む充填材(B)とシランカップリング剤(C)とを混練する最初の段階をいい、最初の段階でゴム成分(A)とシリカを含む充填材(B)以外の充填材とを混練する場合やゴム成分(A)のみを予備練りする場合の段階は含まれない。
〔ゴム成分(A)〕
本発明の製造方法に用いられるゴム成分(A)の合成ジエン系ゴムとしては、スチレン-ブタジエン共重合体ゴム(SBR)、ポリブタジエンゴム(BR)、ポリイソプレンゴム(IR)、ブチルゴム(IIR)、エチレン-プロピレン−ジエン三元共重合体ゴム(EPDM)等を用いることができ、天然ゴム及び合成ジエン系ゴムは、1種単独でも、2種以上のブレンドとして用いても良い。
〔シリカを含む充填材(B)〕
本発明の製造方法に用いられるシリカは、セチルトリメチルアンモニウムブロマイド(CTAB)吸着比表面積が60〜135(m2/g)であることが必要である。
CATBが上記範囲にあるシリカは、本発明の混練方法との組み合わせによって大幅にゴム成分中への分散性が改良されるため、後述するように、低発熱性と耐摩耗性とを高度に両立することができる。
本発明において、セチルトリメチルアンモニウムブロミド吸着比表面積(CTAB)は、含水ケイ酸表面に対するセチルトリメチルアンモニウムブロミドの吸着量から算出した含水ケイ酸の比表面積(m/g)である。また、CTABの測定は、ASTM D3765−92記載の方法に準拠して行うことができる。ASTM D3765−92記載の方法は、カーボンブラックのCTABを測定する方法であるので、若干の修正を加える。即ち、カーボンブラックの標準品を使用せず、セチルトリメチルアンムニウムブロミド(以下、CE−TRABと略記する)標準液を調製し、これによって含水ケイ酸OT(ジ−2−エチルヘキシルスルホコハク酸ナトリウム)溶液の標定を行い、含水ケイ酸表面に対するCE−TRAB1分子当たりの吸着断面積を0.35nmとしてCE−TRABの吸着量から、比表面積を算出する。
本発明で用いるシリカ(含水ケイ酸)はCTABが60〜135(m/g)、好ましくは80〜135(m/g)であることが望ましい。CTABが60(m/g)未満であるとゴム組成物の貯蔵弾性率が著しく低下し、一方、135(m/g)より大きいと耐摩耗性能の向上が見られなくなる。
上記特性のシリカ(含水ケイ酸)は、沈殿法含水ケイ酸の製造方法に準じて製造される。例えば、予め一定量の温水を張り込んだ反応容器中に、pH、温度を制御しながらケイ酸ナトリウムおよび硫酸を入れ、一定時間して含水ケイ酸スラリーを得る。
続いて、該含水ケイ酸スラリーをフィルタープレス等のケーキ洗浄が可能なろ過機により濾別、洗浄して副生電解質を除去した後、得られた含水ケイ酸ケーキをスラリー化し、噴霧乾燥機等の乾燥機を用いて乾燥し製造される。
また、上記特性〔CTAB:60〜135(m2/g)〕を有する市販品、例えば、Rhodia(株)社製「Zeosil 1115MP」のシリカ〔CTAB:112(m2/g)〕を挙げることができる。これらのシリカは一種用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明に用いるシリカに加えて、更に充填材としてカーボンブラックなどの他の充填材を含有しても良い。充填材としてカーボンブラックを含有することにより、電気抵抗を下げて帯電を抑止する効果を享受できる。
本発明に用いるシリカは、ゴム成分(A)100質量部に対して、20〜200質量部使用することが好ましい。シリカの配合量が20質量部以上であれば、WET性能を確保する観点から好ましく、200質量部以下であれば、転がり抵抗低減の観点から好ましい。更には、50〜90質量部使用することがより好ましい。また、本発明において充填材としてカーボンブラックなどを用いる場合は、シリカとの合計の全充填材含有量は、ゴム成分(A)100質量部に対して、20〜200質量部使用することが好ましく、さらに好ましくは、50〜200質量部が望ましい。全充填材の含有量が20質量部以上であれば、ゴム組成物の補強性向上の観点から好ましく、200質量部以下であれば、転がり抵抗低減の観点から好ましい。
全充填材中、シリカが50質量%以上であることがウェット性能と転がり抵抗の両立から好ましく、70質量%〜100質量%であることが更に好ましい。
[シランカップリング剤(C)]
本発明の製造方法に用いられるシランカップリング剤(C)は、特に制限なく、例えば、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)トリスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(2−トリエトキシシリルエチル)テトラスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2−トリメトキシシリルエチル)テトラスルフィド、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、2−メルカプトエチルトリメトキシシラン、2−メルカプトエチルトリエトキシシラン、3−ニトロプロピルトリメトキシラン、3−ニトロプロピルトリエトキシシラン、3−クロロプロピルメトキシシラン、3−クロロプロピルトリエトキシシラン、2−クロロエチルトリメトキシシラン、2−クロロエチルトリエトキシシラン、3−トリメトキシシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、2−トリエトキシシリルエチル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピルベンゾチアゾールテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピルベンゾチアゾールテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピルメタクリレートモノスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピルメタクリレートモノスルフィド、ビス(3−ジエトキシメチルシリルプロピル)テトラスルフィド、3−メルカプトプロピルジメトキシメチルシラン、3−ニトロプロピルジメトキシメチルシラン、3−クロロプロピルジメトキシメチルシラン、ジメトキシメチルシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、ジメトキシメチルシリルプロピルベンゾチアゾールテトラスルフィドなどの少なくとも1種が挙げられる。
これらのシランカップリング剤(C)を用いることにより、ゴム加工時の作業性に更に優れると共に、より耐摩耗性の良好なタイヤトレッドを与えることができる。
本発明に用いるシランカップリング剤(C)の配合量は、用いるシリカの1〜20質量%であることが好ましい。1質量%未満ではタイヤトレッド用ゴム組成物の低発熱性向上の効果が発揮しにくくなり、20質量%を超えると、タイヤトレッド用ゴム組成物のコストが過大となり、経済性が低下するからである。更には用いるシリカの2〜20質量%であることがより好ましく、シリカの2〜14質量%であることが特に好ましい。
[加硫促進剤、または2級アミン、もしくは2級アミンと弱酸成分とから形成される塩化合物(D)]
本発明に用いる加硫促進剤としては、チウラム類、ジチオカルバミン酸塩類、チオウレア類、キサントゲン酸塩類及びグアニジン類から選ばれる少なくとも1種が挙げられる。
本発明に用いることができるチウラム類としては、例えば、テトラメチルチウラムジスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィド、テトラプロピルチウラムジスルフィド、テトライソプロピルチウラムジスルフィド、テトラブチルチウラムジスルフィド、テトラペンチルチウラムジスルフィド、テトラヘキシルチウラムジスルフィド、テトラヘプチルチウラムジスルフィド、テトラオクチルチウラムジスルフィド、テトラノニルチウラムジスルフィド、テトラデシルチウラムジスルフィド、テトラドデシルチウラムジスルフィド、テトラステアリルチウラムジスルフィド、テトラベンジルチウラムジスルフィド、テトラキス(2−エチルヘキシル)チウラムジスルフィド、テトラメチルチウラムモノスルフィド、テトラエチルチウラムモノスルフィド、テトラプロピルチウラムモノスルフィド、テトライソプロピルチウラムモノスルフィド、テトラブチルチウラムモノスルフィド、テトラペンチルチウラムモノスルフィド、テトラヘキシルチウラムモノスルフィド、テトラヘプチルチウラムモノスルフィド、テトラオクチルチウラムモノスルフィド、テトラノニルチウラムモノスルフィド、テトラデシルチウラムモノスルフィド、テトラドデシルチウラムモノスルフィド、テトラステアリルチウラムモノスルフィド、テトラベンジルチウラムモノスルフィド、ジペンタメチレンチウラムテトラスルフィド等が挙げられる。これらの内、テトラキス(2−エチルヘキシル)チウラムジスルフィド及びテトラベンジルチウラムジスルフィドは、反応性が高いので好ましい。
本発明に用いることができるジチオカルバミン酸塩類としては、例えば、ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジエチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジプロピルジチオカルバミン酸亜鉛、ジイソプロピルジチオカルバミン酸亜鉛、ジブチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジペンチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジヘキシルジチオカルバミン酸亜鉛、ジヘプチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジオクチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジ(2−エチルヘキシル)ジチオカルバミン酸亜鉛、ジデシルジチオカルバミン酸亜鉛、ジドデシルジチオカルバミン酸亜鉛、N−ペンタメチレンジチオカルバミン酸亜鉛、N−エチル−N−フェニルジチオカルバミン酸亜鉛、ジベンジルジチオカルバミン酸亜鉛、ジメチルジチオカルバミン酸銅、ジエチルジチオカルバミン酸銅、ジプロピルジチオカルバミン酸銅、ジイソプロピルジチオカルバミン酸銅、ジブチルジチオカルバミン酸銅、ジペンチルジチオカルバミン酸銅、ジヘキシルジチオカルバミン酸銅、ジヘプチルジチオカルバミン酸銅、ジオクチルジチオカルバミン酸銅、ジ(2−エチルヘキシル)ジチオカルバミン酸銅、ジデシルジチオカルバミン酸銅、ジドデシルジチオカルバミン酸銅、N−ペンタメチレンジチオカルバミン酸銅、ジベンジルジチオカルバミン酸銅、ジメチルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジエチルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジプロピルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジイソプロピルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジブチルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジペンチルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジヘキシルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジヘプチルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジオクチルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジ(2−エチルヘキシル)ジチオカルバミン酸ナトリウム、ジデシルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジドデシルジチオカルバミン酸ナトリウム、N−ペンタメチレンジチオカルバミン酸ナトリウム、ジベンジルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジメチルジチオカルバミン酸第二鉄、ジエチルジチオカルバミン酸第二鉄、ジプロピルジチオカルバミン酸第二鉄、ジイソプロピルジチオカルバミン酸第二鉄、ジブチルジチオカルバミン酸第二鉄、ジペンチルジチオカルバミン酸第二鉄、ジヘキシルジチオカルバミン酸第二鉄、ジヘプチルジチオカルバミン酸第二鉄、ジオクチルジチオカルバミン酸第二鉄、ジ(2−エチルヘキシル)ジチオカルバミン酸第二鉄、ジデシルジチオカルバミン酸第二鉄、ジドデシルジチオカルバミン酸第二鉄、N−ペンタメチレンジチオカルバミン酸第二鉄、ジベンジルジチオカルバミン酸第二鉄等が挙げられる。これらの内、ジベンジルジチオカルバミン酸亜鉛、N−エチル−N−フェニルジチオカルバミン酸亜鉛、ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛及びジメチルジチオカルバミン酸銅は、反応性が高いため好ましい。
本発明に用いることができるチオウレア類としては、例えば、N,N’−ジフェニルチオ尿素、トリメチルチオ尿素、N,N’−ジエチルチオ尿素、N,N’−ジメチルチオ尿素、N,N’−ジブチルチオ尿素、エチレンチオ尿素、N,N’−ジイソプロピルチオ尿素、N,N’−ジシクロヘキシルチオ尿素、1,3−ジ(o−トリル)チオ尿素、1,3−ジ(p−トリル)チオ尿素、1,1−ジフェニル−2−チオ尿素、2,5−ジチオビ尿素、グアニルチオ尿素、1−(1−ナフチル)−2−チオ尿素、1−フェニル−2−チオ尿素、p−トリルチオ尿素、o−トリルチオ尿素等が挙げられる。これらの内、N,N’−ジエチルチオ尿素、トリメチルチオ尿素、N,N’−ジフェニルチオ尿素及びN,N’−ジメチルチオ尿素は、反応性が高いので好ましい。
本発明に用いることができるキサントゲン酸塩類としては、例えば、メチルキサントゲン酸亜鉛、エチルキサントゲン酸亜鉛、プロピルキサントゲン酸亜鉛、イソプロピルキサントゲン酸亜鉛、ブチルキサントゲン酸亜鉛、ペンチルキサントゲン酸亜鉛、ヘキシルキサントゲン酸亜鉛、ヘプチルキサントゲン酸亜鉛、オクチルキサントゲン酸亜鉛、2−エチルヘキシルキサントゲン酸亜鉛、デシルキサントゲン酸亜鉛、ドデシルキサントゲン酸亜鉛、メチルキサントゲン酸カリウム、エチルキサントゲン酸カリウム、プロピルキサントゲン酸カリウム、イソプロピルキサントゲン酸カリウム、ブチルキサントゲン酸カリウム、ペンチルキサントゲン酸カリウム、ヘキシルキサントゲン酸カリウム、ヘプチルキサントゲン酸カリウム、オクチルキサントゲン酸カリウム、2−エチルヘキシルキサントゲン酸カリウム、デシルキサントゲン酸カリウム、ドデシルキサントゲン酸カリウム、メチルキサントゲン酸ナトリウム、エチルキサントゲン酸ナトリウム、プロピルキサントゲン酸ナトリウム、イソプロピルキサントゲン酸ナトリウム、ブチルキサントゲン酸ナトリウム、ペンチルキサントゲン酸ナトリウム、ヘキシルキサントゲン酸ナトリウム、ヘプチルキサントゲン酸ナトリウム、オクチルキサントゲン酸ナトリウム、2−エチルヘキシルキサントゲン酸ナトリウム、デシルキサントゲン酸ナトリウム、ドデシルキサントゲン酸ナトリウム等が挙げられる。これらの内、イソプロピルキサントゲン酸亜鉛は、反応性が高いので好ましい。
本発明に用いることができるグアニジン類としては、例えば、1,3−ジフェニルグアニジン、1,3−ジ−o−トリルグアニジン、1−o−トリルビグアニド、ジカテコールボレートのジ−o−トリルグアニジン塩、1,3−ジ−o−クメニルグアニジン、1,3−ジ−o−ビフェニルグアニジン、1,3−ジ−o−クメニル−2−プロピオニルグアニジン等が挙げられ、1,3−ジフェニルグアニジン、1,3−ジ−o−トリルグアニジン及び1−o−トリルビグアニドは反応性が高いので好ましく、1,3−ジフェニルグアニジンは反応性がより高いので特に好ましい。
本発明に用いられる2級アミン、もしくは、2級アミンと弱酸成分とから形成される塩化合物(以下「2級アミン塩」と略称することがある。)において、2級アミンとしては、2級アミノ基を有する化合物であればよく、特に制限されず、脂肪族アミン及び芳香族アミンのいずれも用いることができる。
脂肪族アミンとしては、脂肪族基の炭素数が5〜20の範囲にあるものが好ましく、例えばジヘキシルアミン、ジ−(2−エチルヘキシル)アミン、ジデシルアミン、ジドデシルアミン、ジテトラデシルアミン、ジヘキサデシルアミン、ジオクタデシルアミン、ジシクロペンチルアミン、ジシクロヘキシルアミン、ジシクロオクチルアミン、ジベンジルアミン及びジフェネチルアミンなどが挙げられる。これらの脂肪族アミンの中で、ジシクロヘキシルアミン、ジベンジルアミン、ジ(2−エチルエキシル)アミン及びジオクタデシルアミンが好適である。
一方、芳香族アミンとしては、芳香環上に低級アルキル基などの置換基を有する、もしくは有しないアミン、又は芳香族基と脂肪族基を有するアミンを用いることができる。このようなアミンとしては、例えばジフェニルアミン、ジトリルアミン、ジキシリルアミン、ジナフチルアミン、ジピリジルアミン、ジチエニルアミン、N−フェニル−N−メチルアミン、N−ブチル−N−フェニルアミン、N−ナフチル−N−メチルアミン、N−ブチル−N−ナフチルアミン、N−(2−エチルヘキシル)−N−フェニルアミンなどが挙げられる。これらの芳香族アミンの中で、ジフェニルアミン、ジトリルアミン、ジナフチルアミン、ジピリジルアミン、ジチエニルアミン、N−フェニル−N−メチルアミン及びN−ブチル−N−ナフチルアミンが好適である。
前記の脂肪族アミン及び芳香族アミンは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよいが、これらの中で、性能及び効果などの観点から、ジシクロヘキシルアミンが好適である。
また、用いる2級アミン塩は、前述した脂肪族2級アミン及び芳香族2級アミンの中から選ばれる少なくとも1種の2級アミンと、弱酸とから形成される塩化合物であって、該弱酸としては、例えばエタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、ペンタノール、シクロヘキサノール、2−エチルヘキサノール、デカノール及びドデカノールなどの1価アルコール、あるいは、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、トリメチロールプロパン、グリセロール、ペンタエリスリトールなどの多価アルコールを挙げることができる。
前記の一価アルコールとしては、エタノール、ブタノール及びドデカノールが好ましく、多価アルコールとしては、エチレングリコール及びトリメチロールプロパンが好ましい。
本発明において、前記2級アミン塩の形成に用いられる前記の弱酸は1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよく、また該弱酸の中では、性能、入手性及び経済性などの観点から、エチレングリコールが好適である。即ち、2級アミン塩としては、エチレングリコールのジシクロヘキシルアミン塩が好適である。 なお、エチレングリコールのジシクロヘキシルアミン塩80質量%と、高級アルキルアルコール20質量%との混合物が、登録商標「ノックマスター EGS」(加硫活性化剤)として、大内新興化学工業(株)より市販されている。
本発明において、混練の第一段階において、当該加硫促進剤、または、2級アミン、もしくは、2級アミンと弱酸成分とから形成される塩化合物(D)を加えて混練するのは、前述したように、シランカップリング剤(C)のカップリング機能の活性を高めるためである。
本発明においては、前記の加硫促進剤、または、2級アミン、もしくは、2級アミンと弱酸成分とから形成される塩化合物(D)は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明に係る混練の第一段階におけるタイヤトレッド用ゴム組成物中の加硫促進剤、または、2級アミン、もしくは、2級アミンと弱酸成分とから形成される塩化合物(D)の分子数(モル数)がシランカップリング剤(C)の分子数(モル数)の0.1〜1.0倍であることが好ましい。0.1倍以上であればシランカップリング剤(C)の活性化が十分に起こり、1.0倍以下であれば加硫速度に大きな影響は与えないからである。更に好ましくは、加硫促進剤、または、2級アミン、もしくは、2級アミンと弱酸成分とから形成される塩化合物(D)の分子数(モル数)はシランカップリング剤(C)の分子数(モル数)の0.2〜0.6倍である。
なお、加硫促進剤、または、2級アミン、もしくは、2級アミンと弱酸成分とから形成される塩化合物(E)は、硫黄加硫の促進剤としても用いられるので、混練の最終段階においても所望により適量を配合しても良い。
本発明において、加硫促進剤、または、2級アミン、もしくは、2級アミンと弱酸成分とから形成される塩化合物(D)配合によるカップリング機能の活性向上効果が低減するのを好適に抑制するため混練の第1段階におけるゴム組成物中に有機酸化合物を配合することが好ましい。
用いることができる有機酸化合物としては、例えば、ステアリン酸、パルミチン酸、ミリスチン酸、ラウリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、カプリン酸、ペラルゴン酸、カプリル酸、エナント酸、カプロン酸、オレイン酸、バクセン酸、リノール酸、リノレン酸、ネルボン酸等の飽和脂肪酸及び不飽和脂肪酸並びにロジン酸や変性ロジン酸等の樹脂酸などの有機酸、前記飽和脂肪酸及び前記不飽和脂肪酸並びに樹脂酸のアルカリ金属塩又はエステルなどが挙げられる。アルカリ金属としては、ナトリウム、カリウム等が好ましい。
更に好ましくは、加硫促進助剤としての機能を十分に発揮する必要があることから有機酸化合物中の50モル%以上がステアリン酸であることが好ましい。
また、ゴム成分(A)の一部又は全部として乳化重合スチレン−ブタジエン共重合体を用いる場合は、有機酸化合物中の50モル%以上が乳化重合スチレン−ブタジエン共重合体に含まれるロジン酸(変性ロジン酸も包含される。)及び/又は脂肪酸であることが、乳化重合スチレン−ブタジエン共重合体を重合するのに必要な乳化剤の観点から好ましい。
本発明において、未加硫粘度と転がり抵抗の点から、酸化亜鉛(亜鉛華)を混練の第2段階以降に投入することが好ましい。
用いる酸化亜鉛の配合量は、未加硫粘度と転がり抵抗のの点から、ゴム成分(A)100質量部に対して、好ましくは、0.1〜5質量部、更に好ましくは、0.1〜質量部とすることが望ましい。
本発明のタイヤ用ゴム組成物の製造方法において、通常、ゴム組成物に配合される亜鉛華等の加硫活性剤、老化防止剤等の各種配合剤は、必要に応じ、混練の第一段階又は最終段階、あるいは第一段階と最終段階の中間段階において混練りされる。
本発明の製造方法における混練装置として、バンバリーミキサー、ロール、インテンシブミキサー等が用いられる。
本発明において、上記のシランカップリング剤(C)のカップリング機能の活性をより好適に高めるためには、混練の第一段階におけるゴム組成物の最高温度が、120〜190℃であることが好ましく、130〜175℃であることがより好ましく、140〜170℃であることがさらに好ましい。
本発明において、混練の第一段階で、該ゴム成分(A)、該シリカ含む充填材(B)の全部又は一部、該シランカップリング剤(C)の全部又は一部を加えた後、該第一段階の途中で該加硫促進剤、または、2級アミン、もしくは、2級アミンと弱酸成分とから形成される塩化合物(D)を加えるまでの時間を10〜180秒とすることが好ましい。この時間の下限値は30秒以上であることがより好ましく、上限値は150秒以下であることがより好ましく、120秒以下であることが更に好ましい。この時間が10秒以上であれば(B)と(C)の反応を十分に進行させることができる。この時間が180秒を超えても(B)と(C)の反応は既に十分に進行しているので、更なる効果は享受しにくく、上限値を180秒とすることが好ましい。
さらに、前記第一段階における加硫促進剤、または、2級アミン、もしくは、2級アミンと弱酸成分とから形成される塩化合物(D)の投入方法として、ゴム成分(A)、シリカ含む充填材(B)の全部又は一部及びシランカップリング剤(C)の全部又は一部を混練した後に加硫促進剤、または、2級アミン、もしくは、2級アミンと弱酸成分とから形成される塩化合物(D)を加えて、さらに混練することが好ましい。この投入方法により、シランカップリング剤(C)とシリカとの反応が十分に進行した後に、シランカップリング剤(C)とゴム成分(A)との反応を進行させることができるからである。
このように構成される本発明のタイヤトレッド用ゴム組成物の製造方法では、天然ゴム及び合成ジエン系ゴムから選ばれる少なくとも1種からなるゴム成分(A)に対して、(B)セチルトリメチルアンモニウムブロマイド(CTAB)吸着比表面積が60〜135(m2/g)であるシリカ含む充填材(B)と、シランカップリング剤(C)と、チウラム類、ジチオカルバミン酸塩類、チオウレア類、キサントゲン酸塩類及びグアニジン類から選ばれる少なくとも1種の加硫促進剤、または、2級アミン、もしくは、2級アミンと弱酸成分とから形成される塩化合物(D)とを含むタイヤトレッド用ゴム組成物の製造方法であって、
該ゴム組成物を複数段階で混練し、混練の第一段階で、(A)、(B)の全部又は一部、及び(C)の全部又は一部、及び(D)を混練することにより、バウンドラバーの効率的な形成を促し、結果上記特性のシリカの分散性が更に改良されるため、大粒子径のシリカを用いても、低発熱性と耐摩耗性とを高度に両立したタイヤトレッド用ゴム組成物が得られるものとなる。
また、本発明のタイヤは、上記製造方法により製造されたトレッドゴムを有するので、低発熱性と耐摩耗性とを高度に両立したタイヤを得ることができる。特に、乗用車用、小型トラック用、軽乗用車用、軽トラック用及び大型車両用(トラック・バス用、建設車両用等)等の各種タイヤとして好適に用いることができるものとなる。
次に、実施例及び比較例を挙げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明は下記の実施例に何ら限定されるものではない。
実施例等で用いたシリカとして、CTAB物性が異なる5種類のシリカ1〜5を用いた。シリカ1、3及び5は、各市販品を、シリカ2及び4は、下記製造例A及びBにより製造した各物性のシリカを用いた。また、シリカ1〜5のCTABの測定は、下記方法により行った。
(CTABの測定方法)
ASTM D3765−92記載の方法に準拠して実施した。ASTM D3765−92記載の方法は、カーボンブラックのCTABを測定する方法であるので、若干の修正を加えた。すなわち、カーボンブラックの標準品であるIRB#3(83.0m2/g)を使用せず、別途セチルトリメチルアンムニウムブロミド(以下、CE−TRABと略記する)標準液を調製し、これによって含水ケイ酸OT(ジ−2−エチルヘキシルスルホコハク酸ナトリウム)溶液の標定を行い、含水ケイ酸表面に対するCE−TRAB1分子当たりの吸着断面積を0.35nmとしてCE−TRABの吸着量から、比表面積(m/g)を算出した。これは、カーボンブラックと含水ケイ酸とでは表面が異なるので、同一表面積でもCE−TRABの吸着量に違いがあると考えられるからである。
〔シリカ2の製造(製造例A)〕
攪拌機を備えた容量180Lのジャケット付ステンレス製反応槽に、水86Lとケイ酸ナトリウム水溶液0.5Lを入れ、96℃に加熱した。得られた溶液中のNaO濃度は0.005mol/Lであった。
この溶液の温度を96℃に維持しながら、上記と同じケイ酸ナトリウム水溶液を615ml/分、硫酸(18mol/L)を27ml/分の流量で同時に滴下した。流量を調整しながら、反応溶液中のNaO濃度を0.00〜0.01mol/Lの範囲に維持して中和反応を行なった。反応途中から反応溶液は白濁をはじめ、40分目に粘度が上昇してゲル状溶液となった。さらに添加を続けて90分で反応を停止した。反応停止後、反応液温度を96℃に30分間維持した。生じた溶液中のシリカ濃度は62g/Lであった。引き続いて、上記濃度の硫酸を溶液のpHが3になるまで添加してケイ酸スラリーを得た。得られたケイ酸スラリーをフィルタープレスで濾過、水洗を行って湿潤ケーキを得た。次いで、湿潤ケーキを乳化装置を用いてスラリーとして、噴霧式乾燥機で乾燥して湿式法含水ケイ酸(シリカ2)を得た。
CTAB:80(m2/g)
〔シリカ4の製造(製造例B)〕
製造例Aと同じ容器および原料を使用し、水93Lとケイ酸ナトリウム水溶液0.6Lを入れ、90℃に加熱した。得られた溶液中のNaO濃度は0.005mol/Lであった。
この溶液の温度を90℃に維持しながら、上記と同じケイ酸ナトリウム水溶液を540ml/分、硫酸(18mol/L)を24ml/分の流量で同時に滴下した。流量を調整しながら、反応溶液中のNaO濃度を0.00〜0.01mol/Lの範囲に維持して中和反応を行なった。反応途中から白濁をはじめ、47分目に粘度が上昇してゲル状溶液となった。さらに添加を続けて90分で反応を停止した。反応停止後、反応液温度を90℃に30分間維持した。生じた溶液中のシリカ濃度は55g/Lであった。引き続いて、上記濃度の硫酸を溶液のpHが3になるまで添加してケイ酸スラリーを得た。以下製造例Aと同様な方法で湿式法含水ケイ酸(シリカ4)を得た。
CTAB:134(m2/g)
(実施例1〜5及び比較例1〜7)
下記表1に示す配合処方及び2種の混練方法により、タイヤトレッド用ゴム組成物を調製した。
実施例1〜5では、混練の第一段階におけるゴム組成物の最高温度がいずれも150℃になるように表1のA欄の各成分を調整してバンバリーミキサーで混練し、各タイヤトレッド用ゴム組成物を調製した。タイヤトレッド用ゴム組成物の混練の第一段階において、ゴム成分(A)、シリカの全部、シランカップリング剤(C)、加硫促進剤(D)としてグアニジン類である1,3−ジフェニルグアニジン(DPG)を同時に加えて、混練した。
比較例1〜7では、通常の混練方法、すなわち、グアニジン類である1,3−ジフェニルグアニジン(DPG)は架橋剤と同時に添加して、各タイヤトレッド用ゴム組成物を調製した。
得られた各タイヤトレッド用ゴム組成物のtanδ、耐摩耗性を下記の各方法により算出して評価した。また、得られたタイヤトレッド用ゴム組成物をタイヤサイズ195/65R15のトレッドに用いてタイヤの性能評価(転がり抵抗、耐摩耗性)を下記の各法により算出して評価した。
これらの結果を下記表1に示す。
(tanδの評価方法)
上島製作所(株)製スペクトロメーター(動的粘弾性測定試験機)を用いて周波数52Hz、初期歪率2%、動歪率1%で60℃におけるtanδの値を測定し、比較例5を100として指数表示した。
(耐摩耗性の評価方法)
ランボーン型摩耗試験機を用い、室温におけるスリップ率が25%の摩耗量を測定し、比較例5(コントロール)の摩耗量の逆数を100として指数表示した。
(転がり抵抗の評価方法)
スチール平滑面を有する外径1707.6mm、幅350mmの回転ドラムを用い、4500N(460kg)の荷重の作用下で、80kmの速度でタイヤを回転させたとき、惰行法をもって測定した。比較例5のタイヤを100として指数表示した。指数が大きい程低発熱性であることを示す。
(耐摩耗性の評価法)
実車にて舗装路面を1万km走行後、残溝を測定し、トレッドが1mm摩耗するのに要する走行距離を相対比較し、比較例5のタイヤを100(8000km/mmに相当)として指数表示した。指数が大きい程耐摩耗性が良好なことを示す。
Figure 0006071434
上記表1中の*1〜*10は、下記のとおりである。
*1:旭化成社製、溶液重合SBR、商品名「タフデン2000」
*2:旭カーボン社製、商品名「#80」
*3:シリカ、デグッサ社製「ウルトラジル360」CTAB:45m/g
*4:シリカ、Rhodia(株)社製「Zeosil 1115MP」CTAB:112m/g
*5:シリカ、東ソー・シリカ社製「ニプシールAQ」CTAB:158m/g
*6:ビス(3−トリエトシキシリルプロピル)ジスルフィド(平均硫黄鎖長:2.35)、Evonik社製シランカップリング剤、商品名「Si75」(登録商標)
*7:N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、大内新興化学工業社製、商品名「ノクラック6C」
*8: 1,3−ジフェニルグアニジン、三新化学工業株式会社製、商品名「サンセラーD」
*9: ノクセラーCZ、大内新興化学工業社製、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド
*10:ノクセラーDM、大内新興化学工業社製、ジベンゾチアゾリルスルフィド
上記表1の結果から明らかなように、本発明範囲となる実施例1〜5は、本発明の範囲外となる比較例1〜7と比較して、低発熱性と耐摩耗性とを高度に両立したタイヤトレッド用ゴム組成物、並びに、タイヤが得られることが判った。
本発明のタイヤトレッド用ゴム組成物の製造方法は、低発熱性と耐摩耗性とを高度に両立したタイヤトレッド用ゴム組成物を得ることができるので、乗用車用、小型トラック用、軽乗用車用、軽トラック用及び大型車両用(トラック・バス用、建設車両用等)等の各種空気入りタイヤの各部材、特に空気入りラジアルタイヤのトレッド用部材の製造方法として好適に用いられる。

Claims (5)

  1. 天然ゴム及び合成ジエン系ゴムから選ばれる少なくとも1種からなるゴム成分(A)に対して、(B)セチルトリメチルアンモニウムブロマイド(CTAB)吸着比表面積が60〜112(m/g)であるシリカを含む充填材(B)と、シランカップリング剤(C)と、チウラム類、ジチオカルバミン酸塩類、チオウレア類、キサントゲン酸塩類及びグアニジン類から選ばれる少なくとも1種の加硫促進剤、または、2級アミン、もしくは、2級アミンと弱酸成分とから形成される塩化合物(D)とを含むタイヤトレッド用ゴム組成物の製造方法であって、
    該ゴム組成物を複数段階で混練し、混練の第一段階で、該ゴム成分(A)、該シリカを含む充填材(B)の全部又は一部、及び該シランカップリング剤(C)の全部又は一部、及び該加硫促進剤、または、2級アミン、もしくは、2級アミンと弱酸成分とから形成される塩化合物(D)を混練すると共に、酸化亜鉛及び加硫剤を混練の最終段階に投入することを特徴とするタイヤトレッド用ゴム組成物の製造方法。
  2. 前記第一段階におけるゴム組成物におけるゴム組成物の最高温度が、120〜190℃である請求項1に記載のタイヤトレッド用ゴム組成物の製造方法。
  3. 前記充填材(B)には、シリカとカーボンブラックを含み、該充填材(B)の配合量がゴム成分(A)100質量部に対して、20〜200質量部である請求項請求項1又は2に記載のタイヤトレッド用ゴム組成物の製造方法。
  4. 前記シリカの含有量が全充填材(B)中に50〜100質量%である請求項3記載のタイヤトレッド用ゴム組成物の製造方法。
  5. 請求項1〜4の何れか一つに記載の製造方法により製造されたトレッドゴムを有するタイヤ。
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