JP2013166826A - タイヤ用ゴム組成物及びウインタータイヤ - Google Patents
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Abstract
【課題】耐摩耗性の悪化を低減しつつ、ウェットグリップ性能、アイスグリップ性能を改善できるタイヤ用ゴム組成物、及びこれを用いたウインタータイヤを提供する。
【解決手段】粉体での平均粒子径が12μm以上、窒素吸着比表面積(N2SA)が50〜300m2/g、結晶サイズが5〜100nmのアルミナ水和物を含むタイヤ用ゴム組成物に関する。
【選択図】なし
【解決手段】粉体での平均粒子径が12μm以上、窒素吸着比表面積(N2SA)が50〜300m2/g、結晶サイズが5〜100nmのアルミナ水和物を含むタイヤ用ゴム組成物に関する。
【選択図】なし
Description
本発明は、タイヤ用ゴム組成物、及びそれを用いたウインタータイヤに関する。
近年、スタッドレスタイヤなどのウインタータイヤにおいては、従来から求められてきたアイスグリップ性能(氷上路面でのグリップ性能)と耐摩耗性の両立に加えて、路面整備の充実によりウェットグリップ性能についても両立が求められている。
従来、氷上路面での性能向上の為に、低温での弾性率を低減し、氷上路面へのトレッドゴムの追従性を確保することを目的として、フィラーの減量、オイルの増量などの手法が取られてきた。しかしながら、このような手法では耐摩耗性の低下を招く傾向にあった。
一方、ウェット路面でのグリップ性能向上の為には、ゴム組成物のガラス転移温度を高くしたり、フィラーの増量などによりエネルギーロスを高める手法が取られてきた。しかしながら、これらの手法では、アイスグリップ性能が低下する傾向にあった。
一方、ウェットグリップ性能を向上させる技術として水酸化アルミニウムを配合することも知られている(例えば、特許文献1)。しかしながら、耐摩耗性が大幅に悪化するという問題があった。また、アイスグリップ性能についてもほとんど改善できないという問題があった。
本発明は、前記課題を解決し、耐摩耗性の悪化を低減しつつ、ウェットグリップ性能、アイスグリップ性能を改善できるタイヤ用ゴム組成物、及びこれを用いたウインタータイヤを提供することを目的とする。
本発明は、粉体での平均粒子径が12μm以上、窒素吸着比表面積(N2SA)が50〜300m2/g、結晶サイズが5〜100nmのアルミナ水和物を含むタイヤ用ゴム組成物に関する。
上記アルミナ水和物がAlO(OH)又はAl2O3・H2Oであることが好ましい。
上記アルミナ水和物がベーマイトであることが好ましい。
上記タイヤ用ゴム組成物は、ゴム成分100質量部に対して、アルミナ水和物を5〜60質量部含むことが好ましい。
上記タイヤ用ゴム組成物は、ブタジエンゴムと、ブタジエンゴム以外のジエン系ゴムとを含み、上記ブタジエンゴム以外のジエン系ゴムのガラス転移温度が−50℃以下であり、ゴム成分100質量%中のブタジエンゴムの含有量が20〜90質量%、ブタジエンゴム以外のジエン系ゴムの含有量が10〜80質量%であることが好ましい。
上記ブタジエンゴム以外のジエン系ゴムが、天然ゴム及び/又はイソプレンゴムであることが好ましい。
上記タイヤ用ゴム組成物は、ゴム成分100質量部に対して、カーボンブラックを10〜100質量部含み、フィラーの合計含有量が、ゴム成分100質量部に対して、20〜150質量部であることが好ましい。
上記タイヤ用ゴム組成物は、ゴム成分100質量部に対して、オイルを2〜80質量部含むことが好ましい。
上記タイヤ用ゴム組成物は、トレッド用ゴム組成物として用いられることが好ましい。
本発明はまた、上記ゴム組成物を用いたウインタータイヤに関する。
本発明によれば、粉体での平均粒子径が12μm以上、窒素吸着比表面積(N2SA)が50〜300m2/g、結晶サイズが5〜100nmのアルミナ水和物を含むタイヤ用ゴム組成物であるので、該ゴム組成物をタイヤ部材(特に、トレッド)に使用することにより、耐摩耗性の悪化を低減しつつ、ウェットグリップ性能、アイスグリップ性能が改善されたウインタータイヤを提供できる。
本発明のタイヤ用ゴム組成物は、粉体での平均粒子径が12μm以上、窒素吸着比表面積(N2SA)が50〜300m2/g、結晶サイズが5〜100nmのアルミナ水和物を含む。
上述のように、水酸化アルミニウムを配合すると、ウェットグリップ性能は向上できるものの耐摩耗性が大幅に悪化してしまう。さらに、アイスグリップ性能についてもほとんど改善できないという問題がある。一方、本発明では、特定のアルミナ水和物を配合することにより、耐摩耗性の悪化を低減しつつ、ウェットグリップ性能、アイスグリップ性能(特に、ウェットグリップ性能)を改善できる。
本発明において、水酸化アルミニウムとは、Al(OH)3又はAl2O3・3H2Oを意味し、アルミナ水和物とは、AlO(OH)又はAl2O3・H2Oを意味する。
本発明で使用できるゴム成分としては、例えば、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、スチレンイソプレンブタジエンゴム(SIBR)、エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)、クロロプレンゴム(CR)、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)、ブチルゴム(IIR)等のジエン系ゴムが挙げられる。ゴム成分は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なかでも、耐摩耗性、低温特性(アイスグリップ性能)に優れるという理由からBRが好ましい。
BRとしては特に限定されず、例えば、日本ゼオン(株)製のBR1220、宇部興産(株)製のBR130B、BR150B等の高シス含有量のBR、宇部興産(株)製のVCR412、VCR617等のシンジオタクチックポリブタジエン結晶を含有するBR等を使用できる。なかでも、耐摩耗性が良好であるという理由から、BRのシス含量は90質量%以上が好ましい。
ゴム成分100質量%中のBRの含有量は、好ましくは20質量%以上、より好ましくは40質量%以上、更に好ましくは50質量%以上である。20質量%未満であると、充分な耐摩耗性、アイスグリップ性能が得られないおそれがある。該BRの含有量は、好ましくは90質量%以下、より好ましくは80質量%以下、更に好ましくは70質量%以下である。90質量%を超えると、充分なウェットグリップ性能が得られないおそれがある。
本発明では、耐摩耗性の悪化を低減しつつ、ウェットグリップ性能、アイスグリップ性能(特に、ウェットグリップ性能)をより改善できるという理由から、BRと共に、BR以外のジエン系ゴムを配合することが好ましい。
BR以外のジエン系ゴムとしては、低温特性(アイスグリップ性能)に優れるという理由から、ガラス転移温度(Tg)が−50℃以下(好ましくは−60℃以下、より好ましくは−65℃以下)のジエン系ゴムが好ましい。
なお、本明細書におけるTgは、JIS−K7121に従い、ティー・エイ・インスツルメント・ジャパン社製の示差走査熱量計(Q200)を用いて、昇温速度10℃/分の条件で測定した値である。
なお、本明細書におけるTgは、JIS−K7121に従い、ティー・エイ・インスツルメント・ジャパン社製の示差走査熱量計(Q200)を用いて、昇温速度10℃/分の条件で測定した値である。
Tgが−50℃以下のジエン系ゴムとしては、例えば、NR、IR、CR、EPDM、IIR、ハロゲン化IIR等が挙げられる。なかでも、良好な耐摩耗性、低温特性(アイスグリップ性能)、ウェットグリップ性能が得られるという理由から、NR及び/又はIRが好ましく、NRがより好ましい。
NRとしては特に限定されず、例えば、SIR20、RSS♯3、TSR20等、タイヤ工業において一般的なものを使用できる。また、IRとしても特に限定されず、タイヤ工業において一般的なものを使用できる。
ゴム成分100質量%中のBR以外のジエン系ゴムの含有量(好ましくはNR及びIRの合計含有量、より好ましくはNRの含有量)は、好ましくは10質量%以上、より好ましくは20質量%以上、更に好ましくは30質量%以上である。10質量%未満であると、充分なウェットグリップ性能が得られないおそれがある。該BR以外のジエン系ゴムの含有量は、好ましくは80質量%以下、より好ましくは60質量%以下、更に好ましくは50質量%以下である。80質量%を超えると、充分な耐摩耗性、アイスグリップ性能が得られないおそれがある。
本発明では、粉体での平均粒子径が12μm以上、窒素吸着比表面積(N2SA)が50〜300m2/g、結晶サイズが5〜100nmのアルミナ水和物が使用される。
アルミナ水和物としては、ベーマイト、ダイアスポア等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、併用してもよいが、本発明の効果が好適に得られるという理由から、ベーマイトがより好ましい。
アルミナ水和物の粉体での平均粒子径(粉体粒子径)は、12μm以上、好ましくは20μm以上、より好ましくは30μm以上である。12μm未満では、充分なウェットグリップ性能、アイスグリップ性能が得られない。また、耐摩耗性の悪化を低減する効果が小さい。該粉体粒子径は、好ましくは100μm以下、より好ましくは70μm以下、更に好ましくは60μm以下、特に好ましくは50μm以下である。100μmを超えると、充分な耐摩耗性が得られないおそれがある。
なお、本発明において、粉体での平均粒子径(粉体粒子径)は、アルミナ水和物粉体の体積基準の平均二次粒子径(d50)を意味し、レーザー回析法により測定される値である。
なお、本発明において、粉体での平均粒子径(粉体粒子径)は、アルミナ水和物粉体の体積基準の平均二次粒子径(d50)を意味し、レーザー回析法により測定される値である。
アルミナ水和物の窒素吸着比表面積(N2SA)は、50m2/g以上、好ましくは70m2/g以上である。該N2SAは、300m2/g以下、好ましくは270m2/g以下である。N2SAが上記範囲内であると、耐摩耗性の悪化を低減しつつ、ウェットグリップ性能、アイスグリップ性能(特に、ウェットグリップ性能)を改善できる。また、N2SAが190m2/g以上の場合により良好な耐摩耗性が得られ、N2SAが120m2/g以下の場合により良好なアイスグリップ性能が得られる。
なお、本発明において、アルミナ水和物のN2SAは、550℃で3時間か焼した後、BET窒素吸着法により測定される値である。
なお、本発明において、アルミナ水和物のN2SAは、550℃で3時間か焼した後、BET窒素吸着法により測定される値である。
アルミナ水和物の結晶サイズは、5nm以上である。該結晶サイズは、100nm以下、好ましくは80nm以下、より好ましくは60nm以下である。結晶サイズが上記範囲内であると、耐摩耗性の悪化を低減しつつ、ウェットグリップ性能、アイスグリップ性能(特に、ウェットグリップ性能)を改善できる。また、結晶サイズが10nm以下の場合により良好な耐摩耗性が得られ、結晶サイズが30nm以上の場合により良好なアイスグリップ性能が得られる。
なお、本発明において、アルミナ水和物の結晶サイズは、アルミナ水和物の(120)面の結晶子径を意味し、X線回折装置を用いてアルミナ水和物を分析して得られる(120)面の回折角のピークの半価幅から求められる。
なお、本発明において、アルミナ水和物の結晶サイズは、アルミナ水和物の(120)面の結晶子径を意味し、X線回折装置を用いてアルミナ水和物を分析して得られる(120)面の回折角のピークの半価幅から求められる。
アルミナ水和物の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは5質量部以上、より好ましくは10質量部以上、更に好ましくは15質量部以上である。5質量部未満では、ウェットグリップ性能、アイスグリップ性能(特に、ウェットグリップ性能)の改善効果が小さいおそれがある。また、アルミナ水和物の含有量は、好ましくは60質量部以下、より好ましくは50質量部以下、更に好ましくは40質量部以下、特に好ましくは30質量部以下である。60質量部を超えると、分散不良が発生し、耐摩耗性が悪化するおそれがある。また、アイスグリップ性能も低下する傾向がある。
本発明のゴム組成物は、カーボンブラックを含むことが好ましい。これにより、良好なウェットグリップ性能、アイスグリップ性能、耐摩耗性がより好適に得られる。カーボンブラックとしては、例えば、GPF、HAF、ISAF、SAFなど、タイヤ工業において一般的なものを用いることができる。
カーボンブラックの窒素吸着比表面積(N2SA)は50m2/g以上が好ましく、90m2/g以上がより好ましい。50m2/g未満では、充分なウェットグリップ性能、アイスグリップ性能、耐摩耗性が得られないおそれがある。該N2SAは、180m2/g以下が好ましく、130m2/g以下がより好ましい。180m2/gを超えると、分散させるのが困難となり、耐摩耗性が悪化する傾向がある。
なお、カーボンブラックのN2SAは、JIS K 6217−2:2001によって求められる。
なお、カーボンブラックのN2SAは、JIS K 6217−2:2001によって求められる。
カーボンブラックのジブチルフタレート吸油量(DBP)は、50ml/100g以上が好ましく、90ml/100g以上がより好ましい。50ml/100g未満では、充分なウェットグリップ性能、アイスグリップ性能、耐摩耗性が得られないおそれがある。また、カーボンブラックのDBPは、200ml/100g以下が好ましく、135ml/100g以下がより好ましい。200ml/100gを超えると、分散させるのが困難となり、耐摩耗性が悪化する傾向がある。
なお、カーボンブラックのDBPは、JIS K6217−4:2001に準拠して測定される。
なお、カーボンブラックのDBPは、JIS K6217−4:2001に準拠して測定される。
カーボンブラックの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは10質量部以上、より好ましくは20質量部以上である。10質量部未満では、充分なウェットグリップ性能、アイスグリップ性能、耐摩耗性が得られないおそれがある。該含有量は、好ましくは100質量部以下、より好ましくは70質量部以下、更に好ましくは50質量部以下、特に好ましくは40質量部以下である。100質量部を超えると、ウェットグリップ性能、アイスグリップ性能が低下するおそれがある。また、分散させるのが困難となり、耐摩耗性が悪化するおそれがある。
本発明では、フィラー(補強性充填剤)として、上記アルミナ水和物、カーボンブラック以外にも、シリカ、水酸化アルミニウム、クレー、タルク、炭酸カルシウム等を使用できる。
フィラー(好ましくはアルミナ水和物及びカーボンブラック)の合計含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは20質量部以上、より好ましくは30質量部以上、更に好ましくは40質量部以上である。20質量部未満であると、充分なウェットグリップ性能、アイスグリップ性能、耐摩耗性が得られなくなるおそれがある。該合計含有量は、好ましくは150質量部以下、より好ましくは100質量部以下、更に好ましくは70質量部以下である。150質量部を超えると、耐摩耗性が低下するおそれがある。
本発明では、特定のアルミナ水和物を配合することにより、フィラー(好ましくはアルミナ水和物及びカーボンブラック)の合計含有量を上記量とすることができ、本発明の効果がより好適に得られる。
本発明では、特定のアルミナ水和物を配合することにより、フィラー(好ましくはアルミナ水和物及びカーボンブラック)の合計含有量を上記量とすることができ、本発明の効果がより好適に得られる。
本発明のゴム組成物には、前記成分以外にも、タイヤ工業において一般的に用いられている配合剤、例えば、シランカップリング剤、オイル等の軟化剤、各種老化防止剤、ワックス、酸化亜鉛、ステアリン酸、硫黄等の加硫剤、各種加硫促進剤等の材料が適宜配合されていてもよい。
本発明で使用できる軟化剤としては、特に限定されず、例えば、オイルであればアロマチックオイル、プロセスオイル、パラフィンオイル等の鉱物油が挙げられる。これら軟化剤は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
オイルの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは2質量部以上、より好ましくは10質量部以上である。2質量部未満では、充分なウェットグリップ性能、アイスグリップ性能が得られないおそれがある。該含有量は、好ましくは80質量部以下、より好ましくは50質量部以下、更に好ましくは30質量部以下である。80質量部を超えると、耐摩耗性が悪化するおそれがある。
本発明では、特定のアルミナ水和物を配合することにより、オイルの含有量を上記量とすることができ、本発明の効果がより好適に得られる。
本発明では、特定のアルミナ水和物を配合することにより、オイルの含有量を上記量とすることができ、本発明の効果がより好適に得られる。
加硫促進剤としては、例えば、スルフェンアミド系、チアゾール系、チウラム系、チオウレア系、グアニジン系、ジチオカルバミン酸系、アルデヒド−アミン系若しくはアルデヒド−アンモニア系、イミダゾリン系、又はキサンテート系加硫促進剤等が挙げられる。これら加硫促進剤は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なかでも、本発明の効果がより好適に得られるという理由から、スルフェンアミド系加硫促進剤が好ましい。
スルフェンアミド系加硫促進剤としては、例えば、N−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(TBBS)、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(CBS)、N,N−ジシクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(DCBS)等が挙げられる。なかでも、本発明の効果がより好適に得られるという理由から、CBSが好ましい。
加硫促進剤の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは0.5質量部以上、より好ましくは1質量部以上である。該含有量は、好ましくは3質量部以下、より好ましくは2.5質量部以下である。加硫促進剤の含有量が上記範囲内であると、より好適に本発明の効果が得られる。
本発明のゴム組成物は、一般的な方法で製造される。すなわち、バンバリーミキサーやニーダー、オープンロールなどで前記各成分を混練りし、その後加硫する方法等により製造できる。該ゴム組成物は、タイヤの各部材に使用でき、なかでも、トレッドに好適に使用できる。
本発明のウインタータイヤは、上記ゴム組成物を用いて通常の方法によって製造される。すなわち、必要に応じて各種添加剤を配合したゴム組成物を、未加硫の段階でタイヤの各部材(特に、トレッド)の形状に合わせて押し出し加工し、タイヤ成型機上にて通常の方法にて成形し、他のタイヤ部材とともに貼り合わせ、未加硫タイヤを形成した後、加硫機中で加熱加圧してタイヤを製造することができる。
なお、本明細書において、ウインタータイヤとは、雪上や氷上等低温下でのグリップ性能に優れた空気入りタイヤであり、スタッドレスタイヤをも含む概念である。
なお、本明細書において、ウインタータイヤとは、雪上や氷上等低温下でのグリップ性能に優れた空気入りタイヤであり、スタッドレスタイヤをも含む概念である。
実施例に基づいて、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらのみに限定されるものではない。
以下、実施例および比較例で使用した各種薬品について、まとめて説明する。
NR:「RSS#3」(Tg:−73℃)
BR:宇部興産(株)製の「ウベポールBR150B」(Tg:−114℃、シス含量:97質量%)
カーボンブラック:三菱化学(株)製の「ダイアブラックI」(ISAF、平均粒子径:23nm、N2SA:114m2/g、DBP:114ml/100g)
シリカ:エボニックデグッサ社製の「ウルトラジルVN3」(N2SA:175m2/g)
シランカップリング剤 :エボニックデグッサ社製の「Si69」(ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド)
オイル:ジャパンエナジー(株)製の「ダイアナプロセスオイルX140」
アルミナ水和物A:sasol社製の「DISPAL25F4」(ベーマイト、N2SA:250m2/g、粉体粒子径:30μm、結晶サイズ:8nm)
アルミナ水和物B:sasol社製の「DISPAL18N4−80」(ベーマイト、N2SA:180m2/g、粉体粒子径:50μm、結晶サイズ:15nm)
アルミナ水和物C:sasol社製の「DISPAL10F4」(ベーマイト、N2SA:100m2/g、粉体粒子径:30μm、結晶サイズ:40nm)
アルミナ水和物D:sasol社製の「DISPAL8F4」(ベーマイト、N2SA:95m2/g、粉体粒子径:30μm、結晶サイズ:53nm)
水酸化アルミニウム:昭和電工(株)製の「ハイジライトH−43」(ギブサイト、平均一次粒子径:1μm、軽装かさ密度:0.2g/cm3)
酸化亜鉛:ハクスイテック(株)製の酸化亜鉛3種(平均一次粒子径:1.0μm)
ステアリン酸:日油(株)製のステアリン酸「椿」
老化防止剤:住友化学(株)製の「アンチゲン6C」(N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン)
ワックス:大内新興化学工業(株)製の「サンノックN」
硫黄:軽井沢硫黄(株)製の粉末硫黄
加硫促進剤:大内新興化学工業(株)製の「ノクセラーCZ」(N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド)
NR:「RSS#3」(Tg:−73℃)
BR:宇部興産(株)製の「ウベポールBR150B」(Tg:−114℃、シス含量:97質量%)
カーボンブラック:三菱化学(株)製の「ダイアブラックI」(ISAF、平均粒子径:23nm、N2SA:114m2/g、DBP:114ml/100g)
シリカ:エボニックデグッサ社製の「ウルトラジルVN3」(N2SA:175m2/g)
シランカップリング剤 :エボニックデグッサ社製の「Si69」(ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド)
オイル:ジャパンエナジー(株)製の「ダイアナプロセスオイルX140」
アルミナ水和物A:sasol社製の「DISPAL25F4」(ベーマイト、N2SA:250m2/g、粉体粒子径:30μm、結晶サイズ:8nm)
アルミナ水和物B:sasol社製の「DISPAL18N4−80」(ベーマイト、N2SA:180m2/g、粉体粒子径:50μm、結晶サイズ:15nm)
アルミナ水和物C:sasol社製の「DISPAL10F4」(ベーマイト、N2SA:100m2/g、粉体粒子径:30μm、結晶サイズ:40nm)
アルミナ水和物D:sasol社製の「DISPAL8F4」(ベーマイト、N2SA:95m2/g、粉体粒子径:30μm、結晶サイズ:53nm)
水酸化アルミニウム:昭和電工(株)製の「ハイジライトH−43」(ギブサイト、平均一次粒子径:1μm、軽装かさ密度:0.2g/cm3)
酸化亜鉛:ハクスイテック(株)製の酸化亜鉛3種(平均一次粒子径:1.0μm)
ステアリン酸:日油(株)製のステアリン酸「椿」
老化防止剤:住友化学(株)製の「アンチゲン6C」(N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン)
ワックス:大内新興化学工業(株)製の「サンノックN」
硫黄:軽井沢硫黄(株)製の粉末硫黄
加硫促進剤:大内新興化学工業(株)製の「ノクセラーCZ」(N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド)
(実施例および比較例)
表1に示す配合内容に従い、神戸製鋼(株)製1.7Lバンバリーミキサーを用いて、硫黄及び加硫促進剤以外の材料を150℃の条件下で3分間混練りし、混練り物を得た。次に、得られた混練り物に硫黄及び加硫促進剤を添加し、オープンロールを用いて、50℃の条件下で5分間練り込み、未加硫ゴム組成物を得た。
得られた未加硫ゴム組成物を170℃で15分間加硫することで加硫ゴム組成物を得た。
また、得られた未加硫ゴム組成物をトレッド形状に成形し、他のタイヤ部材と貼り合わせてタイヤに成形し、170℃で15分間加硫することで試験用タイヤ(サイズ195/65R15)を製造した。
表1に示す配合内容に従い、神戸製鋼(株)製1.7Lバンバリーミキサーを用いて、硫黄及び加硫促進剤以外の材料を150℃の条件下で3分間混練りし、混練り物を得た。次に、得られた混練り物に硫黄及び加硫促進剤を添加し、オープンロールを用いて、50℃の条件下で5分間練り込み、未加硫ゴム組成物を得た。
得られた未加硫ゴム組成物を170℃で15分間加硫することで加硫ゴム組成物を得た。
また、得られた未加硫ゴム組成物をトレッド形状に成形し、他のタイヤ部材と貼り合わせてタイヤに成形し、170℃で15分間加硫することで試験用タイヤ(サイズ195/65R15)を製造した。
得られた加硫ゴム組成物、試験用タイヤを用いて以下の評価を行った。結果を表1に示す。
(耐摩耗性)
ランボーン摩耗試験機を用いて、温度20℃、スリップ率20%および試験時間2分間の条件下で、各加硫ゴム組成物のランボーン摩耗量を測定した。さらに、測定したランボーン摩耗量から容積損失量を計算し、比較例1のランボーン摩耗指数を100とし、下記計算式により、各配合の容積損失量を指数表示した。なお、ランボーン摩耗指数が大きいほど、耐摩耗性に優れることを示す。
(ランボーン摩耗指数)=(比較例1の容積損失量)/(各例の容積損失量)×100
ランボーン摩耗試験機を用いて、温度20℃、スリップ率20%および試験時間2分間の条件下で、各加硫ゴム組成物のランボーン摩耗量を測定した。さらに、測定したランボーン摩耗量から容積損失量を計算し、比較例1のランボーン摩耗指数を100とし、下記計算式により、各配合の容積損失量を指数表示した。なお、ランボーン摩耗指数が大きいほど、耐摩耗性に優れることを示す。
(ランボーン摩耗指数)=(比較例1の容積損失量)/(各例の容積損失量)×100
(アイスグリップ性能)
試験用タイヤを排気量2000ccの国産FR車に装着し、ICE路面のテストコースにおいて、氷上路面におけるグリップ性能(アイスグリップ性能)の評価を実施した(路面温度−5℃)。具体的には、ロック状態での時速30KM/Hから停止するまでの距離を計測し、その距離の逆数の値を、比較例1の値を100として、それぞれ指数表示した。指数が大きいほどアイスグリップ性能に優れることを示す。
試験用タイヤを排気量2000ccの国産FR車に装着し、ICE路面のテストコースにおいて、氷上路面におけるグリップ性能(アイスグリップ性能)の評価を実施した(路面温度−5℃)。具体的には、ロック状態での時速30KM/Hから停止するまでの距離を計測し、その距離の逆数の値を、比較例1の値を100として、それぞれ指数表示した。指数が大きいほどアイスグリップ性能に優れることを示す。
(ウェットグリップ性能)
水を撒いて湿潤路面としたテストコースにて、試験用タイヤを排気量2000ccの国産FR車に装着し、速度70km/hで制動し、タイヤに制動をかけてから停車するまでの走行距離(制動距離)を測定し、その距離の逆数の値を、比較例1の値を100として、それぞれ指数表示した。指数が大きいほどウェットグリップ性能に優れることを示す。
水を撒いて湿潤路面としたテストコースにて、試験用タイヤを排気量2000ccの国産FR車に装着し、速度70km/hで制動し、タイヤに制動をかけてから停車するまでの走行距離(制動距離)を測定し、その距離の逆数の値を、比較例1の値を100として、それぞれ指数表示した。指数が大きいほどウェットグリップ性能に優れることを示す。
特定のアルミナ水和物を含む実施例では、耐摩耗性の悪化を低減しつつ、ウェットグリップ性能、アイスグリップ性能(特に、ウェットグリップ性能)を改善できた。
Claims (10)
- 粉体での平均粒子径が12μm以上、窒素吸着比表面積(N2SA)が50〜300m2/g、結晶サイズが5〜100nmのアルミナ水和物を含むタイヤ用ゴム組成物。
- アルミナ水和物がAlO(OH)又はAl2O3・H2Oである請求項1記載のタイヤ用ゴム組成物。
- アルミナ水和物がベーマイトである請求項1又は2記載のタイヤ用ゴム組成物。
- ゴム成分100質量部に対して、アルミナ水和物を5〜60質量部含む請求項1〜3のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物。
- ブタジエンゴムと、ブタジエンゴム以外のジエン系ゴムとを含み、
前記ブタジエンゴム以外のジエン系ゴムのガラス転移温度が−50℃以下であり、
ゴム成分100質量%中のブタジエンゴムの含有量が20〜90質量%、ブタジエンゴム以外のジエン系ゴムの含有量が10〜80質量%である請求項1〜4のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物。 - 前記ブタジエンゴム以外のジエン系ゴムが、天然ゴム及び/又はイソプレンゴムである請求項1〜5のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物。
- ゴム成分100質量部に対して、カーボンブラックを10〜100質量部含み、フィラーの合計含有量が、ゴム成分100質量部に対して、20〜150質量部である請求項1〜6のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物。
- ゴム成分100質量部に対して、オイルを2〜80質量部含む請求項1〜7のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物。
- トレッド用ゴム組成物として用いられる請求項1〜8のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物。
- 請求項1〜9のいずれかに記載のゴム組成物を用いたウインタータイヤ。
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2012
- 2012-02-14 JP JP2012029754A patent/JP2013166826A/ja active Pending
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