JP5864310B2 - タイヤ用ゴム組成物及び空気入りタイヤ - Google Patents

タイヤ用ゴム組成物及び空気入りタイヤ Download PDF

Info

Publication number
JP5864310B2
JP5864310B2 JP2012054976A JP2012054976A JP5864310B2 JP 5864310 B2 JP5864310 B2 JP 5864310B2 JP 2012054976 A JP2012054976 A JP 2012054976A JP 2012054976 A JP2012054976 A JP 2012054976A JP 5864310 B2 JP5864310 B2 JP 5864310B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
mass
parts
rubber composition
rubber
tire
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2012054976A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2013189499A (ja
Inventor
松浦 亜衣
亜衣 松浦
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Rubber Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Rubber Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Rubber Industries Ltd filed Critical Sumitomo Rubber Industries Ltd
Priority to JP2012054976A priority Critical patent/JP5864310B2/ja
Publication of JP2013189499A publication Critical patent/JP2013189499A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5864310B2 publication Critical patent/JP5864310B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Tires In General (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Description

本発明は、タイヤ用ゴム組成物、及びそれを用いて作製した空気入りタイヤに関する。
近年、自動車の低燃費化の要請に対応して、タイヤの転がり抵抗を低減して、発熱を抑えたタイヤの開発が進められている。特に、タイヤの部材のなかでも、タイヤにおける占有比率の高いキャップトレッドに対して、優れた低燃費性が要求されている。また、キャップトレッドに関しては低燃費性以外にもウェットグリップ性能と耐摩耗性が必要であるが、このうち低燃費性とウェットグリップ性能は相反する性質であり、両立させる事が困難である。
低燃費性とウェットグリップ性能を両立させる方法として、補強用充填剤として使用されているカーボンブラックの一部をシリカに置換する方法が知られているが、この方法を用いた場合、耐摩耗性が低下するという点で改善の余地がある。また、近年では、低燃費性の更なる改善が求められており、補強用充填剤を減量する方法や、補強性の低い充填剤を用いる方法が検討されているが、これらの方法を用いた場合、ウェットグリップ性能や耐摩耗性が低下するという点で改善の余地がある。そのため、低燃費性、ウェットグリップ性能及び耐摩耗性をバランスよく改善する方法が求められている。
特許文献1では、水酸化アルミニウムを添加することでウェットグリップ性能や低燃費性を向上させる技術が報告されているが、耐摩耗性の改善効果が得られないという点で改善の余地がある。
特許第4404423号公報
本発明は、前記課題を解決し、低燃費性、ウェットグリップ性能及び耐摩耗性をバランスよく改善できるタイヤ用ゴム組成物、及びこれを用いた空気入りタイヤを提供することを目的とする。
本発明は、粉体での平均粒子径が12μm以上、窒素吸着比表面積が30〜300m/g、結晶サイズが5〜100nmであるアルミナ水和物と、下記式(I)で示されるジチオリン酸化合物(1)及び/又は下記式(II)で示されるジチオリン酸化合物(2)とを含むタイヤ用ゴム組成物に関する。
Figure 0005864310
Figure 0005864310
(式中、nは1以上の数である。R〜Rはそれぞれ独立に炭素数1〜18の直鎖若しくは分岐鎖アルキル基、又は炭素数5〜12のシクロアルキル基を表す。)
ゴム成分100質量%中、スチレンブタジエンゴムの含有量が40質量%以上であることが好ましい。
上記アルミナ水和物はベーマイトであることが好ましい。
ゴム成分100質量部に対する上記アルミナ水和物の含有量が5〜60質量部であることが好ましい。
ゴム成分100質量部に対する上記ジチオリン酸化合物(1)及び(2)の合計含有量が0.2〜10質量部であることが好ましい。
上記ゴム組成物は、キャップトレッド用ゴム組成物として用いられることが好ましい。
本発明はまた、上記ゴム組成物を用いた空気入りタイヤに関する。
本発明によれば、粉体での平均粒子径が12μm以上、窒素吸着比表面積が30〜300m/g、結晶サイズが5〜100nmであるアルミナ水和物と、特定のジチオリン酸化合物とを含有するタイヤ用ゴム組成物であるので、該ゴム組成物をタイヤ部材(特に、キャップトレッド)に使用することにより、低燃費性、ウェットグリップ性能及び耐摩耗性がバランスよく改善された空気入りタイヤを提供することができる。
本発明のタイヤ用ゴム組成物は、粉体での平均粒子径が12μm以上、窒素吸着比表面積が30〜300m/g、結晶サイズが5〜100nmであるアルミナ水和物と、下記式(I)で示されるジチオリン酸化合物(1)及び/又は下記式(II)で示されるジチオリン酸化合物(2)とを含む。
Figure 0005864310
Figure 0005864310
(式中、nは1以上の数である。R〜Rはそれぞれ独立に炭素数1〜18の直鎖若しくは分岐鎖アルキル基、又は炭素数5〜12のシクロアルキル基を表す。)
上記アルミナ水和物をゴム組成物に配合すると、ウェットグリップ性能や低燃費性は改善するが、耐摩耗性の改善効果は低い傾向があった。本発明では、上記アルミナ水和物と共に、上記ジチオリン酸化合物(1)及び/又は上記ジチオリン酸化合物(2)を配合することにより、アルミナ水和物によるウェットグリップ性能及び低燃費性の改善効果を維持しながら耐摩耗性を大きく改善し、これらの性能を高次元でバランスよく得ることができる。
本発明で使用できるゴム成分としては、例えば、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、スチレンイソプレンブタジエンゴム(SIBR)、エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)、クロロプレンゴム(CR)、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)、ブチルゴム(IIR)等のジエン系ゴムが挙げられる。ゴム成分は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なかでも、低燃費性、ウェットグリップ性能及び耐摩耗性がバランスよく得られるという理由から、SBR、BRが好ましい。
SBRとしては特に限定されず、乳化重合スチレンブタジエンゴム(E−SBR)、溶液重合スチレンブタジエンゴム(S−SBR)等、タイヤ工業において一般的なものを使用できる。なかでも、S−SBRが好ましい。
SBRのスチレン含有量は、好ましくは5質量%以上、より好ましくは15質量%以上である。5質量%未満であると、充分なウェットグリップ性能が得られない傾向がある。該スチレン含有量は、好ましくは50質量%以下、より好ましくは30質量%以下である。50質量%を超えると、耐摩耗性が低下する傾向がある。なお、本発明において、SBRのスチレン含有量は、H−NMR測定により算出される。
SBRのビニル量は、好ましくは10重量%以上、より好ましくは20重量%以上である。10重量%未満であると、充分なウェットグリップ性能が得られないおそれがある。SBRのビニル量は、好ましくは90重量%以下、より好ましくは80重量%以下である。90重量%を超えると、ゴム強度、耐摩耗性が低下する傾向がある。なお、本発明において、SBRのビニル量(1,2−結合ブタジエン単位量)は、赤外吸収スペクトル分析法によって測定できる。
ゴム成分100質量%中のSBRの含有量は、好ましくは40質量%以上、より好ましくは50質量%以上、更に好ましくは55質量%以上である。40質量%未満であると、充分なウェットグリップ性能が得られない傾向がある。また、SBRの含有量は、好ましくは90質量%以下、より好ましくは85質量%以下である。90質量%を超えると、充分な耐摩耗性が得られない傾向がある。
BRとしては特に限定されず、タイヤ工業において一般的なものを使用できる。なかでも、良好な耐摩耗性が得られるという理由から、シス含有量が95質量%以上のBRが好ましい。
ゴム成分100質量%中のBRの含有量は、好ましくは10質量%以上、より好ましくは15質量%以上である。10質量%未満であると、BRを配合した効果が充分に得られない傾向がある。また、該含有量は、好ましくは60質量%以下、より好ましくは50質量%以下、更に好ましくは45質量%以下である。60質量%を超えると、充分なウェットグリップ性能が得られない傾向がある。
本発明では、粉体での平均粒子径が12μm以上、窒素吸着比表面積(NSA)が30〜300m/g、結晶サイズが5〜100nmのアルミナ水和物が使用される。
上記アルミナ水和物としては、ベーマイト、ダイアスポア等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、併用してもよいが、本発明の効果が好適に得られるという理由から、ベーマイトがより好ましい。
アルミナ水和物の粉体での平均粒子径(粉体粒子径)は、12μm以上、好ましくは20μm以上である。12μm未満では、充分なウェットグリップ性能、耐摩耗性が得られない。該平均粒子径は、好ましくは70μm以下、より好ましくは60μm以下、更に好ましくは50μm以下である。70μmを超えると、充分な耐摩耗性が得られないおそれがある。
なお、本発明において、粉体での平均粒子径(粉体粒子径)は、アルミナ水和物粉体の体積基準の平均二次粒子径(D50)を意味し、レーザー回析法により測定される値である。
アルミナ水和物の窒素吸着比表面積(NSA)は、30m/g以上、好ましくは50m/g以上である。該NSAは、300m/g以下、好ましくは270m/g以下、より好ましくは220m/g以下、更に好ましくは200m/g以下である。NSAが上記範囲内であると、低燃費性、ウェットグリップ性能、耐摩耗性がバランスよく得られる。
なお、本発明において、アルミナ水和物のNSAは、550℃で3時間か焼した後、BET窒素吸着法により測定される値である。
アルミナ水和物の結晶サイズは、5nm以上である。該結晶サイズは、100nm以下、好ましくは80nm以下である。結晶サイズが上記範囲内であると、低燃費性、ウェットグリップ性能、耐摩耗性がバランスよく得られる。
なお、本発明において、アルミナ水和物の結晶サイズは、アルミナ水和物の(120)面の結晶子径を意味し、X線回折装置を用いてアルミナ水和物を分析して得られる(120)面の回折角のピークの半価幅から求められる。
アルミナ水和物の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは5質量部以上、より好ましくは10質量部以上である。5質量部未満では、低燃費性、ウェットグリップ性能を充分に改善できないおそれがある。また、アルミナ水和物の含有量は、好ましくは60質量部以下、より好ましくは40質量部以下である。60質量部を超えると、耐摩耗性、加工性が悪化するおそれがある。
本発明のゴム組成物は、下記式(I)で示されるジチオリン酸化合物(1)(ジチオリン酸ポリスルフィド)及び/又は下記式(II)で示されるジチオリン酸化合物(2)(ジアルキルジチオリン酸亜鉛)を含む。ジチオリン酸化合物(1)及び(2)は、単独で配合しても耐摩耗性の改善効果は見られないが、上記アルミナ水和物と併用することで、耐摩耗性の改善効果が発揮される。
Figure 0005864310
Figure 0005864310
(式中、nは1以上の数である。R〜Rはそれぞれ独立に炭素数1〜18の直鎖若しくは分岐鎖アルキル基、又は炭素数5〜12のシクロアルキル基を表す。)
上記式(I)において、R〜Rはそれぞれ独立に炭素数1〜18の直鎖若しくは分岐鎖アルキル基、又は炭素数5〜12のシクロアルキル基を表す。R〜Rが表す直鎖若しくは分岐鎖アルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、4−メチルペンチル基、2−エチルヘキシル基、オクチル基、オクタデシル基等が挙げられ、一方、シクロアルキル基としては、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロオクチル基等が挙げられる。なかでも、ゴム組成物中で分散し易く、かつ製造が容易であるという点から、R〜Rは、炭素数2〜8の直鎖若しくは分岐鎖アルキル基であることが好ましく、2−エチルヘキシル基、n−ブチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−オクチル基であることがより好ましい。
上記式(I)において、nは1以上の数である。充分な硫黄をゴム組成物中に供給でき、かつ熱安定性に優れているという点から、nは2以上であることが好ましく、3以上であることがより好ましい。また、nの上限は特に限定されないが、好ましくは10以下程度である。
上記式(II)において、R〜Rはそれぞれ独立に炭素数1〜18の直鎖若しくは分岐鎖アルキル基、又は炭素数5〜12のシクロアルキル基を表す。R〜Rが表す直鎖若しくは分岐鎖アルキル基、又はシクロアルキル基の具体例としては、R〜Rの場合と同様のものが挙げられる。なかでも、ゴム成分中で分散し易く、かつ製造が容易であるという点から、R〜Rは、炭素数2〜8の直鎖若しくは分岐鎖アルキル基であることが好ましく、n−ブチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−オクチル基であることがより好ましい。
ジチオリン酸化合物(1)としては、例えば、RheinChemie社製のSDT−50、SDT/Sや、これらに類似する化合物(例えば、R〜Rがn−ブチル基のもの)等を使用することができる。また、ジチオリン酸化合物(2)としては、例えば、RheinChemie社製のTP−50、ZBOP−S、ZBOP−50や、これらに類似する化合物(例えば、R〜Rがn−プロピル基、iso−プロピル基又はn−オクチル基のもの)等を使用することができる。
ジチオリン酸化合物(1)及び(2)の合計含有量(有効成分の含有量)は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは0.2質量部以上、より好ましくは0.5質量部以上、更に好ましくは1.0質量部以上である。0.2質量部未満であると、耐摩耗性を充分に改善できないおそれがある。該合計含有量は、好ましくは10質量部以下、より好ましくは8.0質量部以下、更に好ましくは6.0質量部以下である。10質量部を超えると、耐摩耗性が低下するおそれがある。
本発明のゴム組成物は、シリカを含むことが好ましい。これにより、ウェットグリップ性能を向上でき、また、耐摩耗性や低燃費性の改善効果も得られ、本発明の効果をより好適に得ることができる。シリカとしては、例えば、乾式法シリカ(無水シリカ)、湿式法シリカ(含水シリカ)などが挙げられる。なかでも、シラノール基が多いという理由から、湿式法シリカが好ましい。
シリカのチッ素吸着比表面積(NSA)は、好ましくは40m/g以上、より好ましくは70m/g以上、更に好ましくは110m/g以上である。40m/g未満であると、充分な耐摩耗性が得られないおそれがある。また、シリカのNSAは、好ましくは300m/g以下、より好ましくは250m/g以下である。300m/gを超えると、シリカが分散しにくくなり、耐摩耗性が低下するおそれがある。
なお、シリカのNSAは、ASTM D3037−93に準じてBET法で測定される値である。
シリカの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは5質量部以上、より好ましくは20質量部以上である。5質量部未満であると、充分なウェットグリップ性能、耐摩耗性が得られないおそれがある。該シリカの含有量は、好ましくは150質量部以下、より好ましくは100質量部以下である。150質量部を超えると、シリカが分散しにくくなり、耐摩耗性が低下するおそれがある。
本発明のゴム組成物には、シリカを配合する場合、シリカと共にシランカップリング剤を配合することが好ましい。シランカップリング剤としてはとくに制限はなく、従来、タイヤ工業においてシリカと併用して用いられるものとすることができ、たとえば、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ポリスルフィド、ビス(2−トリエトキシシリルエチル)ポリスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)ポリスルフィド、ビス(2−トリメトキシシリルエチル)ポリスルフィド、ビス(4−トリエトキシシリルブチル)ポリスルフィド、ビス(4−トリメトキシシリルブチル)ポリスルフィドなどがあげられ、これらのシランカップリング剤は単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。なかでも、シランカップリング剤の添加効果及びコストの両立から、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ポリスルフィドが好ましく、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィドがより好ましい。
シランカップリング剤の含有量は、シリカ100質量部に対して、好ましくは1質量部以上、より好ましくは2質量部以上である。1質量部未満では、耐摩耗性が低下する傾向がある。また、該シランカップリング剤の含有量は、好ましくは20質量部以下、より好ましくは15質量部以下である。20質量部を超えると、コストの増加に見合った改善効果が得られない傾向がある。
本発明のゴム組成物には、前記成分以外にも、タイヤ工業において一般的に用いられている配合剤、例えば、オイル等の軟化剤、各種老化防止剤、ワックス、酸化亜鉛、ステアリン酸、硫黄等の加硫剤、各種加硫促進剤等の材料が適宜配合されていてもよい。
本発明で使用できる軟化剤としては、特に限定されず、例えば、オイルであればアロマチックオイル、プロセスオイル、パラフィンオイル等の鉱物油が挙げられる。これら軟化剤は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
加硫促進剤としては、例えば、スルフェンアミド系、チアゾール系、チウラム系、チオウレア系、グアニジン系、ジチオカルバミン酸系、アルデヒド−アミン系若しくはアルデヒド−アンモニア系、イミダゾリン系、又はキサンテート系加硫促進剤等が挙げられる。これら加硫促進剤は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なかでも、本発明の効果がより好適に得られるという理由から、スルフェンアミド系加硫促進剤が好ましく、スルフェンアミド系加硫促進剤と共にN,N’−ジフェニルグアニジンを併用することがより好ましい。
スルフェンアミド系加硫促進剤としては、例えば、N−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(TBBS)、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(CBS)、N,N−ジシクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(DCBS)等が挙げられる。
本発明のゴム組成物は、一般的な方法で製造される。すなわち、バンバリーミキサーやニーダー、オープンロールなどで前記各成分を混練りし、その後加硫する方法等により製造できる。該ゴム組成物は、タイヤの各部材に使用でき、なかでも、キャップトレッドに好適に使用できる。
本発明の空気入りタイヤは、上記ゴム組成物を用いて通常の方法で製造される。
すなわち、前記成分を配合したゴム組成物を、未加硫の段階でキャップトレッドなどの各タイヤ部材の形状にあわせて押出し加工し、他のタイヤ部材とともに、タイヤ成型機上にて通常の方法で成形することにより、未加硫タイヤを形成する。この未加硫タイヤを加硫機中で加熱加圧することによりタイヤを得る。
本発明の空気入りタイヤは、乗用車用タイヤ、トラック・バス用タイヤ、二輪車用タイヤ、高性能タイヤ等として用いられ、特に、乗用車用タイヤとして好適に用いられる。
実施例に基づいて、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらのみに限定されるものではない。
以下、実施例及び比較例で使用した各種薬品について、まとめて説明する。
BR:宇部興産(株)製の「ウベポールBR150B」(シス含有量:97質量%)
SBR:日本ゼオン(株)製の「Nipol NS116」(S−SBR、スチレン含有量:20質量%、ビニル量:60重量%)
シリカ:エボニックデグッサ社製の「ウルトラジルVN3」(NSA:175m/g)
アルミナ水和物A:sasol社製の「DISPAL25F4」(NSA:250m/g、粉体粒子径:30μm、結晶サイズ:8nm)
アルミナ水和物B:sasol社製の「DISPAL18N4−80」(NSA:180m/g、粉体粒子径:50μm、結晶サイズ:15nm)
アルミナ水和物C:sasol社製の「DISPAL10F4」(NSA:100m/g、粉体粒子径:30μm、結晶サイズ:40nm)
アルミナ水和物D:sasol社製の「DISPAL8F4」(NSA:95m/g、粉体粒子径:30μm、結晶サイズ:53nm)
ジチオリン酸化合物(1):RheinChemie社製の「Rhenogran SDT−50」(ジチオリン酸ポリスルフィド、R〜R:2−エチルヘキシル基、x:1以上、有効成分:50質量%)
ジチオリン酸化合物(2):RheinChemie社製の「Rhenogran TP−50」(ジアルキルジチオリン酸亜鉛、R〜R:n−ブチル基、有効成分:50質量%)
オイル:ジャパンエナジー(株)製の「ダイアナプロセスオイルX140」
シランカップリング剤:エボニックデグッサ社製の「Si69」(ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド)
酸化亜鉛:三井金属鉱業(株)製の亜鉛華1号
ステアリン酸:日油(株)製の椿
老化防止剤:大内新興化学工業(株)製の「ノクラック6C」(N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン)
硫黄:鶴見化学工業(株)製の粉末硫黄
加硫促進剤(1):大内新興化学工業(株)製の「ノクセラーNS」(N−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド)
加硫促進剤(2):大内新興化学工業(株)製の「ノクセラーD」(N,N’−ジフェニルグアニジン)
(実施例及び比較例)
表1に示す配合内容に従い、神戸製鋼(株)製1.7Lバンバリーミキサーを用いて、硫黄及び加硫促進剤以外の材料を3分間混練りし、混練り物を得た。次に、得られた混練り物に硫黄及び加硫促進剤を添加し、オープンロールを用いて、50℃の条件下で5分間練り込み、未加硫ゴム組成物を得た。
得られた未加硫ゴム組成物を170℃15分間プレス加硫することで各評価試験用ゴム試験片を作製した。
得られたゴム試験片を用いて以下の評価を行った。結果を表1に示す。
(転がり抵抗評価)
粘弾性スペクトロメーターVES((株)岩本製作所製)を用いて、温度50℃、初期歪み10%、動歪み2%、周波数10Hzの条件下で各配合(加硫物)の損失正接(tanδ)を測定し、比較例1のtanδを100として、下記計算式により各配合のtanδを指数表示した(転がり抵抗指数)。指数が大きいほど低燃費性に優れることを示す。
(転がり抵抗指数)=(比較例1のtanδ)/(各配合のtanδ)×100
(ウェットグリップ性能評価)
前記未加硫ゴム組成物をキャップトレッドの形状に成形し、他のタイヤ部材とともに貼り合わせて未加硫タイヤを形成し、170℃の条件下で10分間プレス加硫し、タイヤ(サイズ195/65R15)を製造した。水を撒いて湿潤路面としたテストコースにて、タイヤを排気量2000ccの国産FR車に装着し、速度70km/hで制動し、タイヤに制動をかけてから停車するまでの走行距離(制動距離)を測定し、比較例1の制動距離を100として、下記計算式により各配合の制動距離を指数表示した(ウェットグリップ性能指数)。指数が大きいほどウェットグリップ性能に優れることを示す。
(ウェットグリップ性能指数)=(比較例1の制動距離)/(各配合の制動距離)×100
(耐摩耗性評価)
ランボーン摩耗試験機を用いて、温度20℃、スリップ率20%及び試験時間2分間の条件下でランボーン摩耗量を測定した。さらに、測定したランボーン摩耗量から容積損失量を計算し、比較例1の容積損失量を100として、下記計算式により各配合の容積損失量を指数表示した(耐摩耗性指数)。指数が大きいほど耐摩耗性に優れることを示す。
(耐摩耗性指数)=(比較例1の容積損失量)/(各配合の容積損失量)×100
Figure 0005864310
特定のアルミナ水和物を含み、ジチオリン酸化合物を含まない比較例3〜7では、転がり抵抗及びウェットグリップ性能は改善できたが、耐摩耗性の改善効果が低かった。また、ジチオリン酸化合物を含み、特定のアルミナ水和物を含まない比較例2では、耐摩耗性が低下する傾向があった。
一方、特定のアルミナ水和物とジチオリン酸化合物とを含む実施例1〜8は、該アルミナ水和物によって改善された低燃費性及びウェットグリップ性能を維持しながら、耐摩耗性が大きく向上した。実施例8の結果から、ジチオリン酸化合物を増量した場合も同様の効果が確認できた。

Claims (6)

  1. ゴム成分と、粉体での平均粒子径が12μm以上、窒素吸着比表面積が30〜300m/g、結晶サイズが5〜100nmであるアルミナ水和物と、下記式(I)で示されるジチオリン酸化合物(1)及び/又は下記式(II)で示されるジチオリン酸化合物(2)とを含み、
    前記ゴム成分100質量%中のスチレンブタジエンゴムの含有量が40〜90質量%、ブタジエンゴムの含有量が10〜60質量%であるキャップトレッド用ゴム組成物。
    Figure 0005864310
    Figure 0005864310
    (式中、nは1以上の数である。R〜Rはそれぞれ独立に炭素数1〜18の直鎖若しくは分岐鎖アルキル基、又は炭素数5〜12のシクロアルキル基を表す。)
  2. シリカの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、5〜150質量部である請求項1に記載のキャップトレッド用ゴム組成物。
  3. 前記アルミナ水和物がベーマイトである請求項1又は2に記載のキャップトレッド用ゴム組成物。
  4. ゴム成分100質量部に対する前記アルミナ水和物の含有量が5〜60質量部である請求項1〜3のいずれかに記載のキャップトレッド用ゴム組成物。
  5. ゴム成分100質量部に対する前記ジチオリン酸化合物(1)及び(2)の合計含有量が0.2〜10質量部である請求項1〜4のいずれかに記載のキャップトレッド用ゴム組成物。
  6. 請求項1〜のいずれかに記載のゴム組成物を用いた空気入りタイヤ。
JP2012054976A 2012-03-12 2012-03-12 タイヤ用ゴム組成物及び空気入りタイヤ Active JP5864310B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012054976A JP5864310B2 (ja) 2012-03-12 2012-03-12 タイヤ用ゴム組成物及び空気入りタイヤ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012054976A JP5864310B2 (ja) 2012-03-12 2012-03-12 タイヤ用ゴム組成物及び空気入りタイヤ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2013189499A JP2013189499A (ja) 2013-09-26
JP5864310B2 true JP5864310B2 (ja) 2016-02-17

Family

ID=49390112

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012054976A Active JP5864310B2 (ja) 2012-03-12 2012-03-12 タイヤ用ゴム組成物及び空気入りタイヤ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5864310B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN106459514B (zh) * 2014-07-02 2020-07-03 住友橡胶工业株式会社 胎面胶组合物和充气轮胎

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4260240B2 (ja) * 1997-04-04 2009-04-30 株式会社ブリヂストン 空気入りラジアルタイヤ
JP2008127501A (ja) * 2006-11-22 2008-06-05 Bridgestone Corp ゴム組成物及びそれを用いた空気入りタイヤ
EP2193938A4 (en) * 2007-08-10 2010-09-29 Bridgestone Corp TIRE
JP5363738B2 (ja) * 2008-01-28 2013-12-11 株式会社ブリヂストン ゴム組成物及びそれを用いた空気入りタイヤ

Also Published As

Publication number Publication date
JP2013189499A (ja) 2013-09-26

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5006617B2 (ja) ゴム組成物およびそれを用いたトレッドを有するタイヤ
JP4663687B2 (ja) ゴム組成物ならびにそれを用いたトレッドおよび/またはサイドウォールを有するタイヤ
JP6880551B2 (ja) タイヤ
WO2016021467A1 (ja) ゴム組成物およびタイヤ
JP5612427B2 (ja) トレッド用ゴム組成物及び空気入りタイヤ
JP6947161B2 (ja) タイヤ用ゴム組成物及び空気入りタイヤ
JP2007177221A (ja) タイヤ用ゴム組成物およびそれを用いたトレッドを有するタイヤ
JPWO2018105230A1 (ja) ゴム組成物、及び空気入りタイヤ
WO2019220842A1 (ja) タイヤ用ゴム組成物及び空気入りタイヤ
JP6285214B2 (ja) 冬用空気入りタイヤ
JP5912823B2 (ja) タイヤ用ゴム組成物及び空気入りタイヤ
JPWO2018128141A1 (ja) 加硫後ゴム組成物及び空気入りタイヤ
JP4163863B2 (ja) タイヤトレッド用ゴム組成物およびそれを用いた空気入りタイヤ
JP2017218583A (ja) ゴム組成物の製造方法、ゴム組成物およびタイヤ
JP5144137B2 (ja) トレッド用ゴム組成物およびそれを用いたトレッドを有するタイヤ
JP2005213353A (ja) ゴム組成物の製造方法、ゴム組成物および空気入りタイヤ
JP3384793B2 (ja) タイヤトレッド用ゴム組成物およびそれを用いた空気入りタイヤ
JP5616049B2 (ja) タイヤ用ゴム組成物及び空気入りタイヤ
JP5864310B2 (ja) タイヤ用ゴム組成物及び空気入りタイヤ
JP5686588B2 (ja) タイヤ用ゴム組成物及び空気入りタイヤ
JP5214130B2 (ja) ゴム組成物およびそれを用いたトレッドを有するタイヤ
JP4843549B2 (ja) ゴム組成物
JP2013166826A (ja) タイヤ用ゴム組成物及びウインタータイヤ
JP5587927B2 (ja) タイヤ用ゴム組成物及び空気入りタイヤ
JP2013166825A (ja) タイヤ用ゴム組成物及び空気入りタイヤ

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20141218

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20150827

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20150908

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20151105

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20151208

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20151224

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5864310

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250