明細書
セメ ン卜分散剤および該分散剤を含むコンクリ一ト組成物 技術分野
本発明はセメント分散剤および該分散剤を含むコンクリート組成物に関する。 より詳しくは本発明は、 セメ ント粒子の分散効果とその持続性に優れ、 それによ り減水性が大きくスランプフローの持続性が長いため作業性に優れ、 硬化後の強 度発現が良好であるセメント分散剤、 特に超高性能コンクリー卜に適するセメン ト分散剤、 および該分散剤を含む超高性能コンクリ一卜組成物等のコンクリ一ト 組成物に関するものである。
背景技術
従来、 セメ ン ト分散剤としては、 ポリ メラ ミ ンスルホネー ト、 リグニンスルホ ネー卜、 ォレフィ ンとマレイン酸の共重合体等のポリカルボン酸系分散剤等が使 用されてきた。 しかしながら、 これらの化合物ではスランプフローの持続性に代 表される効果の持続性に問題があるばかりでなく、 現在および今後の超高性能コ ンクリー卜への使用にも問題があった。
これらの問題を解決するために非イオン性基を導入した新しいタイプのポリ力 ルボン酸系のセメ ント分散剤が積極的に提案されている。 例えば、 特開平 1 - 2 2 6 7 5 7号公報には (メタ) ァク リル酸塩、 (メタ) ァクリルスルホン酸塩、 ポリェチレングリコールアルキルエーテルのモノアク リル酸エステルまたはポリ プロピレングリ コールアルキルエーテルのモノアタ リル酸エステルの共重合体が 開示されている。 しかし、 該公報に開示のものを含むこれまでのセメ ン ト分散剤 には、 それを配合しコンクリートとして使用する場合、 減水性、 スランプフロー の持続性、 強度発現性等の全てを満足するものは依然としてなかった。
従って、 当業界には減水性、 スランプフローの持続性、 強度発現性等を満足す る、 超高性能コンクリ一トにも適用可能なセメ ント分散剤に対する強い要望があ る。
本発明はこのような状況を考慮してなされたものであり、 従来のセメ ント分散 剤が有する問題点を解決する、 すなわち減水性、 スランプフローの持続性、 強度 発現性等を全て満足するセメント分散剤および該分散剤を含むコンクリ一卜組成
物を提供することを課題とする。
発明の開示
本発明者は、 上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、 特定の 3成分 の有機物質からなる共重合体が所望の効果を奏することを見出し、 本発明を完成 させた。
すなわち、 本発明は、 ポリアルキレンポリアミ ン 1. 0モルと二塩基酸または 二塩基酸と炭素原子数 1ないし 4の低級アルコールとのエステル 0. 8 ~ 0. 9
5モルとァクリル酸もしくはメタクリル酸またはァクリル酸もしくはメタクリル 酸と炭素原子数 1ないし 4の低級アルコールとのエステル 0. 0 5〜0. 1 8モ ルを縮合させたポリアマイ ドポリァミ ンのァミノ残基 1当量に対して炭素原子数
2ないし 4のアルキレンォキサイ ド 0〜 8モルを付加させた化合物 (化合物 A) と、 次式 I :
CH2 = C— COOM
I ( I )
R
(式中、 Rは水素原子またはメチル基を表し、 Mは水素原子、 アルカリ金属、 ァ ンモニゥム基またはアルカノ一ルアンモニゥ厶基を表す) で表される化合物 (ィ匕 合物 B) と、 次式 I I :
CH2 =C— COO (R , 0) m R2
I ( I I ) R,
(式中、 R' は水素原子またはメチル基を表し、 は炭素原子数 2ないし 4の アルキレン基を表し、 R2 は水素原子または炭素原子数 1ないし 4のアルキル基 を表し、 そして mは 1ないし 1 0 0の整数を表す) で表される化合物 (化合物 C
) とを、 化合物 A :化合物 B :化合物 C= 1 0〜4 0重量% : 1 0〜4 0重量%
: 5 0〜8 0重量%の割合で共重合させた水溶性両性型共重合体を主成分とする ことを特徴とするセメント分散剤に関する。
本発明はまた、 超高性能コンクリート組成物に配合される上記本発明のセメ ン ト分散剤に特に関する。
なお、 本発明のセメント分散剤は通常のコンクリ一卜の配合技術により汎用の 高性能 A E減水剤の使用領域でも使用できるものである。
さらに本発明は、 上記本発明のセメ ン ト分散剤を含有することを特徴とするコ ンク リー ト組成物、 そして特に超高性能コンクリー ト用である該コンクリー ト組 成物に関する。 なお、 本明細書において 「超高性能コンク リー ト」 とは当該分野 で一般に使用および理解されているようなものを意味し、 相当に広範囲のものを 包含するが、 例えば従来のコンク リ一卜に比べ水使用量が少ない場合でも従来と 同等ないしはより高い強度を示すもの、 より具体的には水/バインダー比が 2 0 %以下、 特に 1 2 %程度であっても通常の使用に支障をきたすことのないヮ一力 ピリティを有する生コンク リ一 卜が得られ、 かつ硬化後、 1 5 0 N / m m 2 以上 の圧縮強度を示すもの等である。
本発明において使用される化合物 Aは上記したように、 ポリアルキレンポリァ ミ ン (化合物 a ) と二塩基酸または二塩基酸と炭素原子数 1ないし 4の低級アル コールとのエステル (化合物 b ) とァク リル酸もしく はメタク リル酸またはァク リル酸もしくはメタク リル酸と炭素原子数 1ないし 4の低級アルコールとのエス テル (化合物 c ) とを特定の割合で縮合させたポリアマイ ドポリアミ ンに、 アル キレンォキサイ ド (化合物 d ) を特定量付加させた化合物である。
化合物 aのポリアルキレンポリアミ ンとして、 例えばジエチレン ト リァミ ン、 ト リェチレンテ トラ ミ ン、 テ トラェチレンペン夕 ミ ン、 ペンタエチレンへキサミ ン、 ジプロピレントリァミ ン、 ト リプロピレンテトラ ミ ン、 テトラプロピレンぺ ンタミ ン等を挙げることができる力 <、 効果と経済性の点からジエチレン ト リアミ ン、 トリエチレンテ トラ ミ ン等が好ましい。
化合物 bの二塩基酸およびその炭素原子数 1ないし 4の低級アルコールエステ ルとして、 例えばマロン酸、 コハク酸、 フマル酸、 マレイン酸、 グルタル酸、 ァ ジピン酸、 ピメ リ ン酸、 フタル酸、 ァゼライン酸、 セバチン酸、 またはこれらの 炭素原子数 1ないし 4の低級アルコール、 例えばメタノール、 エタノール、 プロ パノ一ル、 ブタノ一ルまたは存在する場合にはそれらの異性体とのエステルを挙 げることができる。 その中でも効果と経済性の点からアジピン酸が最も好ましい。 化合物 cのァク リル酸またはメタク リル酸およびその炭素原子数 1ないし 4の 低級アルコールエステルとして、 例えばアクリル酸、 メタクリル酸、 アクリル酸 メチル、 メタク リル酸メチル、 アクリル酸ェチル、 メタクリル酸ェチル、 ァクリ
ル酸プロピル、 メタク リル酸プロピル、 アク リル酸プチル、 メタク リル酸ブチル 等が挙げられる。
上記の化合物 a、 bおよび cの 3成分からなるポリアマイ ドポリアミ ンは公知 の縮重合技術により容易に得ることができる。
また、 ポリァマイ ドボリァミ ンのァミ ノ残基に付加させる化合物 dである炭素 原子数 2ないし 4のアルキレンォキサイ ドとはェチレンォキサイ ド、 プロピレン ォキサイ ドまたはブチレンォキサイ ドである。 これらアルキレンォキサイ ドは 1 種類のみを用いても、 2種以上を併用してもよい。
ポリアマイ ドポリアミ ンの製造、 すなわち化合物 a、 bおよび cの縮重合反応 には、 例えば、 最初に化合物 aと化合物 bのみを縮重合させ、 しかる後に一塩基 酸である化合物 cを加えて更に縮重合を継続させる 2段反応法、 または最初から 化合物 a、 bおよび cを同時に混合して縮重合を行わせる一括反応法等がある。 しかしながら、 いずれの方法を用いるにしてもこの縮重合反応すなわちアマィ ド化反応はァマイ ド交換反応と並行して進行するため、 最終的には化合物 cに由 来するァクリル酸残基またはメタクリル酸残基はポリアマイ ド鎖の末端に位置す ることになり、 同じ結果を与えるとみなしてよい。
次に、 ポリアマイ ドポリアミ ンを構成する上記 3成分の反応モル比について説 明する。
化合物 a (ポリアルキレンポリアミ ン) 1モルに対する化合物 b (二塩基酸ま たはそのエステル) の反応比は 0 . 8〜0 . 9 5モルである。 この範囲のモル比 で反応させた化合物 aと化合物 bの縮重合物は平均的には (ポリアルキレンポリ ァミ ン 5モル :二塩基酸 4モル) 〜 (ポリアルキレンポリアミ ン 2 0モル:二塩 基酸 1 9モル) の縮重合によって構成される一定範囲の鎖長を有するポリアマイ ドとなり、 このことより、 これを用いて得られる分散剤は高い減水性およびスラ ンプフローの持続性を発揮している。 このポリアマイ ドの鎖長がこれよりも短い 場合 (上記反応比が 0 . 8モル未満の場合) には、 それを使用して得られる分散 剤では、 スランプフローの保持性が極端に低下する。 鎖長がこれより長い場合 ( 上記反応比が 0 . 9 5モルを越える場合) には減水性がかなり低下し、 好ましく ない。
本発明に係わるポリァマイ ドボリアミ ンは 1分子当たり 0. 2 5モル 〔a : b : c = 1. 0 : 0. 8 : 0. 0 5 (モル) の場合〕 力ヽら、 3. 6モル 〔 a : b : c = 1. 0 : 0. 9 5 : 0. 1 8 (モル) の場合〕 のァク リル酸残基またはメ夕 ク リル酸残基を有するが、 効果の面から好ましい範囲は 0. 5〜 2. 0モルであ る。 この値が 0. 2 5モルを下回る場合 (例えば a : b = 1. 0 : 0. 8であつ て、 化合物 aに対する化合物 cの量比が 0. 0 5未満の場合) には、 これから得 られる化合物 Aが最終共重合体に組み込まれる割合が低下し、 セメ ント分散剤と しての性能を著しく低下させる。 一方 3. 6モルを越えると (例えば a : b = l . 0 : 0. 9 5であって、 化合物 aに対する化合物 cの量比が 0. 1 8を越える 場合) 、 共重合体が三次元構造をとり過ぎてしまい十分な効果が得られない。 ポリァマイ ドボリァミ ンに付加させるアルキレンォキサイ ドの量はポリァマイ ドボリァミ ンのァミ ノ残基 1当量に対し 0〜 8モルである。 8モルを越えると化 合物 Aの分子量が大きくなるためにカチオン当量が低下し、 本発明の両性型ポリ マ一としての十分な効果が得られない。 本発明において、 上記アルキレンォキサ ィ ドの付加は行われることが好ましく、 その量は好ましく はポリァマイ ドボリァ ミ ンのァミ ノ残基 1当量に対し 0. 5〜 6. 0、 特に好ましく は 1. 0〜 5. 5 である。
本発明において使用される化合物 Bは、 例えばァク リル酸もしくはメ夕ク リル 酸またはそれらのナ ト リウム、 カリウム、 アンモニゥム、 モノエタノールァミ ン 、 ジエタノールァミ ン、 またはトリエタノールァミ ン塩類を挙げることができる が、 性能および経済性の面からナ トリゥムおよびアン乇ニゥム塩が好ましい。 本発明において使用される化合物 Cは、 例えばメ トキシポリエチレングリ コー ルのメタク リル酸エステルまたはァク リル酸エステル、 エトキシポリエチレング リコールのメタク リル酸エステルまたはァク リル酸エステル、 メ トキシポリェチ レングリ コール/ポリプロピレングリコール共重合体のメタク リル酸エステルま たはァク リル酸エステル、 ポリェチレングリ コールのモノァクリル酸またはモノ メタク リル酸エステル等が挙げられる。
本発明における水溶性両性型共重合体の製造は化合物 A、 化合物 Bおよび化合 物 Cを使用して従来公知の方法により容易に実施され得る。
ここで、 本発明の上記共重合体における化合物 A : 化合物 B : 化合物 Cの共重 合割合は 1 0〜 4 0 : 1 0〜 4 0 : 5 0 - 8 0の範囲であり、 重量を基準として 合計が 1 0 0 となるように適宜選択される。 この範囲外であると、 次に述べるよ うな効果が得られない。
このようにして得られた本発明における水溶性両性型共重合体は、 セメ ン ト分 散剤として極めて優れた減水性とスラ ンプフロ一の持続性が長いという特徴を有 し、 従来使用されまた提案されているセメ ン ト分散剤では得られなかった性能を 発揮することが可能である。 これらの効果は共重合体の分子構造中のカルボキシ ル基 (ァニオン性基) 、 ポリアルキレンポリアマイ ド基 (カチオン性基) および アルコキシポリアルキレングリコール基からなる非イオン性親水性基を併せ持つ ことにより もたらされると考えられるが、 このような特異的構造を有する共重合 体を使用することが本発明の根幹をなすものである。 特に前記の特定のァマイ ド 基を有するカチオン性基を有する共重合体は、 これまで提案されたことのないも のであり、 しかも予測し得なかった顕著な効果を奏することは、 驚くべきことで あると言える。 なおセメ ント分散剤用共重合体成分としてポリァマイ ドボリァミ ンを組み込んだ例として特開平 7 - 3 3 4 9 6号公報に開示の技術があるが、 該 技術において規定された範囲のポリアマイ ドポリアミ ンを用いた共重合体は、 コ ンク リー 卜の水 Zセメ ン 卜比または水 Zバインダ一比が 3 0 %以下では減水性、 スラ ンプフローの持続性、 硬化性等の点で限界があり、 本発明のような優れた減 水性ゃスラ ンプフローの保持性が得られない。
一般的に、 セメ ント粒子等の表面がプラス電荷を帯びた物質を分散させ、 かつ 少量の水の介在で流動性を保たさせるためには、 分散剤として分子中にァニオン 性基を多く持つポリマー系化合物の使用が有効であることが知られている。 ポリマーのァニォン部分が粒子に吸着しプラス電荷を中和し、 さらに吸着した ポリマーはマイナス電荷の電気的斥力により、 良好な分散系が得られることは公 知であるし、 また粒子間に働く電気的斥力が強いほど分散系の流動性がよくなる ことも一般的に論じられている。
例えば^一ナフ夕レンスルフォン酸フオルマリ ン高縮合物等はァニォン性基で あるスルホン酸基が、 そして低級 一才レフィ ン Z無水マレイン酸共重合体の塩
やポリアク リル酸ソ一ダはァ二オン性基であるカルボキシル基が作用しているこ とは明白である。
また、 (メタ) ァク リル酸/アルコキシポリエトキン (メタ) ァク リ レー ト共 重合体等は、 カルボキシル基とバルキ一なアルコキシポリアルキレングリコール 基が粒子間に作用し分散と流動性を発揮できると云われている。
しかしこれら従来の化合物では超高性能コンク リー トのように水量が少ない場 合には流動効果に限界が見られるし、 スランプフローの保持性の問題は解決でき ないのが現状である。 また初期の流動性を得るため、 過剰添加することも考えら れるが、 この場合凝結が極端に遅くなり、 硬化不良となる可能性が高く、 構造物 用コンク リ一 卜として論外である。
本発明者らは数多くの共重合体についての研究を重ねた結果、 従来化合物の性 能を遥かに凌ぐ本発明に係わる共重合体を発見するに到ったが、 現在そのメ力二 ズムについて解明を試みている。
本発明に係わる水溶性両性型共重合体のポリカルボキシル基がセメ ント粒子の 電荷の中和および粒子間での電気的斥力に関与していると考えられるし、 本発明 の特定のァマイ ド基を有するカチォン性基部分が何らかの電荷調整的作用をし、 ポリァマイ ドボリァミ ン基の末端水酸基がスランプフローの保持性に大きく影響 していると推察している。
また、 本発明の化合物を構成するカルボキシル基、 アルコキシポリアルキレン グリコール基およびポリアマイ ドポリアミ ン基はそれぞれに分散系において良好 な効果を果たす役割を充分に担っており、 かつ、 これらの間に相乗作用が働き飛 躍的な効果を発揮していると推察している。
発明を実施するための最良の形態
本発明の水溶性両性型共重合体からなるセメ ン ト分散剤はコンク リートの材料 を含めた配合条件によりその添加量は変わるが、 セメ ン 卜に対し固形分換算で通 常 0 . 1〜 1 . 5 %程度添加される。 すなわち減水性、 スランプフロー保持性を 得るためには、 添加量が多いほど良いが、 多過ぎると凝結遅延を起こし最悪の場 合硬化不良となる。 使用する方法は一般のセメ ン 卜分散剤の場合と同じであり、 コンク リー ト混練時に原液添加するか、 予め混練水に希釈して添加する。 あるい
はコンクリートまたはモルタルを練り混ぜた後に添加し再度均一に混練しても良 い。
本発明は上記本発明のセメン卜分散剤を含有するコンクリ一ト組成物をも提供 する。 ここで、 セメント分散剤以外の成分は従来慣用のコンクリート用成分であ り、 セメ ン ト、 例えば普通ポルトラン ドセメ ン ト、 早強ポルトラ ン ドセメ ン ト、 低熱 ·中庸熱ポル卜ランドセメントまたは高炉セメン卜等、 骨材、 すなわち細骨 材および粗骨材、 混和材、 例えばシリ カフューム、 炭酸カルシウム粉末、 スラグ 粉末、 膨張材および水を挙げることができる。 また、 本発明の分散剤以外の慣用 の分散剤、 減水剤、 空気連行剤、 消泡剤等も適宜配合し得ることはいうまでもな い。 それら各成分の配合割合は選択された成分の種類や使用目的に応じて容易に 決定され得る。
実施例
次に実施例に基づいて本発明をより詳しく説明するが、 本発明はこれら実施例 に限定されるものではない。
I . 水溶性両性型共重合体の合成
実施例 1
攪拌器付き反応容器にジェチレン トリアミ ン 1 0 3 g ( l . 0モル) 、 ァジピ ン酸 1 2 5 g ( 0 . 8 6モル) を仕込み、 窒素の導入による窒素雰囲気下で攪拌 混合する。 1 5 0 °Cになるまで昇温し縮重合に伴う反応生成物の水を除きながら 、 酸価が 1 8となるまで 2 0時間反応させた。 次にハイ ドロキノンメチルェ一テ ル 0 . 3 g、 メタクリル酸 1 2 . 3 g ( 0 . 1 4モル) を仕込み、 同温度 ( 1 5 0 °C ) で 1 0時間反応させた。 これにより反応留出水の合計 3 2 gと共にポリア マイ ドポリアミ ン 2 0 9 g (融点 1 1 0 °C、 酸価 1 9 ) を得た。 このポリアマイ ドボリ Ύミ ン全量を水 5 0 3 gに溶解させ温度 5 0 °Cとなるまで昇温した。 同温 度 ( 5 0 °C ) でェチレンォキサイ ド 1 2 7 g (未反応ァミノ基を含めた総ァミノ 残基に対し 2 . 0モル相当) を 2時間かけて逐次導入し、 2時間の熟成を行った 。 これにより本発明の化合物 A— 1 (固形分 4 0 % ) 8 3 9 gを得た。
次に、 撹拌器付き反応容器に水 1 2 7 0 gを仕込み、 窒素を導入し合成系内を 窒素雰囲気とし温度 9 0 °Cになるまで昇温した。 また化合物 A— 1を 5 0 0 g、
メタクリル酸ナトリウム塩 (化合物 B ) 2 0 0 gおよびメ トキシポリエチレング リコールモノメタァクリ レート (化合物 C, 分子量 2 0 0 0 ) 6 0 0 gの混合物 (固形分を重量比で表すと化合物 AZ化合物 BZ化合物 C= 2 0重量部 /2 0重 量部 /6 0重量部の割合で合計 1 0 0重量部) と 5 %チォグリコール酸アンモニ ゥム水溶液 4 0 0 gと、 5 %過硫酸ァンモニゥム水溶液 4 0 0 gの 3液を、 合成 系内へ 2時間かけて同時に滴下した。 滴下終了後さらに 5 %過硫酸アンモニゥム 水溶液 1 0 0 gを 3 0分かけて滴下し、 その後 2時間熟成を行い、 水溶性両性型 共重合体 (実施例 1 ) を 3 4 7 0 g得た。
この共重合体 (実施例 1 ) は G P C分子量測定により重量平均分子量が 3 2 0 0 0の共重合体であった。 なおその測定条件は以下のとおりである :
カラム : OHpak SB-802HQ, OHpak SB-803HQ, OHpak SB-804HQ (昭和電工製) 溶離液: 5 0 mM硝酸ナトリゥム水溶液とァセトニトリルの比 8 0 : 2 0 検出器:示差屈折計
検量線: ポリエチレングリコ一ル。
実施例 2〜 9
表 1に示す出発物質を用い、 実施例 1と同様な方法でポリアマイ ドボリアミ ン アルキレンォキサイ ド付加物である化合物 A— 2〜A— 7を得た。
また表 2に示される化合物 A、 化合物 Bおよび化合物 Cを用い実施例 1と同様 な方法で共重合を行い水溶性両性型共重合体 (実施例 2〜 9 ) を得た (ただし、 得られた共重合体は固形分 3 0 %になるよう水分を調整した) 。
〔表 1〕
化合物 A - 1〜A— 7の合成例 化合物 A A- 1 A- 2 A-3 A-4 A- 5 A- 6 A- 7
(a) DETA*2 1.00 1.00 1.00 - 一 1.00 1.00 T E T A*3 一 一 一 1.00 1.00 - 一
(b) アジピン酸 0.86 0.91 0.83 0.88 0.91 0.80 0.88 中間縮合物酸価'4 18 19 15 20 20 21 18
( c ) アクリル酸 一 0.09 - 0.14 0.10 一 0.10 メタク リル酸 0.14 一 0.17 - 一 0.16 一 最終縮合物酸価 * 5 19 19 17 19 21 20 17
(d) エチレンォキサイ ド 2.0 2.0 5.0 3.0 2.0 1.0 3.0 プロピレンォキサイ ド 一 2.0 — 1.0 — 2.0 —
*' 表中の化合物 Aを製造するために使用される成分 (a) 〜 ( d) は上記した 化合物 a〜dに相当し、 各数値は構成モル比を表す。
*2 ジェチレン トリアミ ン
*3 ト リエチレンテトラ ミ ン
*4 化合物 aと化合物 bとの縮合物 (中間縮合物) の酸価
'5 化合物 aと化合物 bと化合物 cとの縮合物 (最終縮合物) の酸価
〔表 2〕
実施例 1〜 9 実施例番号 化合物 A
A一 1 20
A - 2 20
A - 3 15
A - 4 30 25
A- 5 25 13
A一 6 33
A一 7 20
化合物 B
ァクリル酸 N a 20 27 12
ァク リル酸 NH 15
メ夕クリル酸 N a 20 15 20 20 14 化合物 C
C一 1 *2 - 60
C - 2 *3 一 55
C一 3 " - 58 55
C一 4 " 60 55
C— 5 " - 55 73
C - 6 *7 一 65 共重合体の重量平均 32.0 35.1 42.5 35.3 37.5 30.7 47.2 44.2 38.5 分子量 (X 1 03 )
*1 表中の化合物 A~Cの値は固形分を基準とした構成重量部である。
* 2 メ トキシポリエチレングリ コ一ルァク リ レー 卜 (分子量 4 0 0)
*3 メ トキシポリエチレングリ コ一ルメタク リ レー 卜 (分子量 1 0 0 0 ) * 4 メ トキシポリエチレングリ コールァクリ レー ト (分子量 2 0 0 0 )
* 5 メ トキシポリエチレングリ コールメタク リ レー ト (分子量 2 0 0 0 ) *6 プロポキシポリエチレングリ コールァク リ レー 卜 (分子量 3 0 0 0 ) *7 メ トキシポリエチレングリ コールメタク リ レー ト (分子量 3 0 0 0 ) 比較例 1〜 4
ポリアルキレンポリアミ ンと二塩基酸および (メタ) アクリル酸の反応割合を 本発明の範囲外としたことを除いて実施例 1に示す方法と同様にして縮合化合物 を合成した (化合物 A' — 1〜化合物 A' — 4) 。 表 3にこの合成例を示す。 次いでこれらの化合物 A' — 1〜Α' — 4と化合物 Βおよび化合物 Cとを共重 合させ、 水溶性両性型共重合体 (比較例 1〜 6 ) を得た。 表 4にはその合成例を 示す。
〔表 3〕
化合物 A' - 1~Α' - 4 (比較化合物) の合成例 41
比較化合物 A' A' -1 A' -2 A' -3 A' -4
(a) D E TA*2 1.00 1.00 一 1.00
T E T A*3 一 一 1.00 -
(b) アジピン酸 0.60 0.80 0.70 0.97
中間縮合物酸価'4 18 19 20 23
( c ) メタク リル酸 0.75 0.50 0.50 0.04
最終縮合物酸価'5 17 18 18 25
(d) ェチレンォキサイ ド 2.0 5.0 3.0 2.0
" 表中の化合物 A' を製造するために使用される成分 (a ) 〜 (d) は上記し た化合物 a〜dに相当し、 各数値は構成モル比を表す。
*2 ジェチレン トリアミ ン
*3 トリエチレンテトラ ミ ン
*4 化合物 aと化合物 bとの縮合物 (中間縮合物) の酸価
*5 化合物 aと化合物 bと化合物 c との縮合物 (最終縮合物) の酸価
〔表 4〕
比較例 1〜 6 比較例番号 1 2 3 4 5 6 化合物 A'
A' 一 1 20
A, 一 2 15
Α' - 3 15
A' - 4 20
化合物 B
メ タク リル酸 N a 20 25 25 25 40 35
化合物 C
C - 1 * 2 60
C - 2 * 3 - 60 60
C一 3 " - 60
C - 4 * 5 - 55 65 共重合体の重量平均 47. 3 49. 7 39. 5 40. 5 42. 5 38. 7
分子量 (X 1 0 3 )
* ' 表中の化合物 A ' 、 化合物 Bおよび化合物 Cの値は固形分を基準とした構成 重量部である。
* 2 メ トキシポリエチレングリ コールァク リ レー 卜 (分子量 4 0 0 )
* 3 メ 卜キシポリエチレングリ コールメ タク リ レー ト (分子量 1 0 0 0 )
* 4 メ トキシポリエチレングリコールアタリ レート (分子量 2 0 0 0 )
* 5 メ トキシポリエチレングリコールメタクリレート (分子量 2 0 0 0 )
I I . 試験例 1 :超高性能コンクリー卜での水溶性両性型共重合体の評価
本試験例では超高性能コンクリートとして 『生コンクリート製造後 2時間は 6
0 c m以上のスランプフローを材料分離することなく示し、 2 4時間以内に凝結 が始まるもので、 9 1 日の圧縮強度が 1 5 0 N / m m 2 以上』 のものを対象とし て試験を行った。 ここではセメントと併用する粉末としてシリ力フユ一ムを用い
(両者を併せてバインダ一と呼ぶ) 、 水 バインダー比が 1 6 %と 1 2 %の条件 下で表 5に示すコンクリー卜配合を用いて水溶性両性型共重合体の試験を行った。 コ ンクリー卜の練混ぜは 5 0 リツ トル強制二軸練り ミキサーを使用し、 セメ ン ト、 シリカフューム、 細骨材、 粗骨材、 1 / 2量の水溶性両性型共重合体セメ ン ト分散剤を溶解した水を加え 6 0秒間練り混ぜた後、 残りの水溶性両性型共重合 体を加え 1 5 0秒間練り混ぜた。
コンク リート排出後、 排出直後、 1時間後、 2時間後のスラ ンプ、 スラ
ロー、 外観の良否を測定し、 また 2 0 °Cの恒温室に放置し所定時間以内に凝結が 始まるか否かを調べ、 さらに 9 1日後の圧縮強度も併せて測定した。
スランプは J I S A— 1 1 0 1、 スランプフローは J A S S 5 — T 5 0 3、 圧縮強度は J I S A— 1 1 0 8に準じて測定した。
なお水溶性両性型共重合体のバインダ一に対する添加量は直後のスランプフ口 —が約 6 5 c mになるよう決定し、 表 6の比較例 5および 6ならびに表 7の比較 例 3および 4のように添加量を増やしても頭打ちになる場合には 6 5 c m以下の 添加量で試験を行った。
表 6に示す結果から明らかなように、 実施例 1〜 9の水溶性両性型共重合体は 水 Zバインダー比が 1 6 %と極端に水量の少ない条件下でも状態の良いコンクリ 一卜が得られ、 また作業性の目安である 6 0 c m以上のスラ ンプフローが 2時間 以上確保できた。
さらに 2 4時間以内で凝結が始まるため、 硬化に対しても全く問題がなかった。 表 7にはコンクリート工学の常識を遥かに越えた水/バインダ一比が 1 2 %で の試験結果を示すが、 本発明の水溶性両性型共重合体により状態の良いコンクリ ―卜が得られ、 また作業性の目安となる 6 0 c m以上のスランプフローが 1時間 以上得られた。 さらに 2 4時間以内で凝結が始まるため、 硬化に対しても全く問 題がなく、 本発明による水溶性両性型共重合体のコンクリ一ト工学に対する寄与 は多大であることが判明した。
ほ 5〕
コンクリ一卜の配合 (単位: k gZm3 ) 配合番号 配合一 1 配合一 2
W/B (%) 1 6 1 2.
水 *' 1 4 0 1 5 0
セメ ン ト 42 7 8 8 1 1 2 5
シリカフューム' 8 8 1 2 5
細骨材'4 5 2 9 3 8 1
粗骨材 9 7 0 7 6 5 水道水
配合— 1では中庸熱ポルトランドセメ ン ト (比重 3. 2 1 )
配合— 2では低熱ポルトランドセメント (比重 3. 2 2 )
マイクロシリカ (エルケム社製) (比重 2. 2 0 )
君津産陸砂 (比重 2. 6 3 )
下松市産碎石 (比重 2. 7 4 )
〔表 6〕
コンクリ一ト試験結果 〔コンクリート配合— 1 (W/B = 1 6 %) を用いた場合
試験 it重合 、、カ π スランプ ( c ノ スランプフロー ( c m) *2 番号 体番号 量 直後 1時間 2時間 直後 1時間 2時間
1 実施例 1 0.90 ≥25 ≥25 ≥25 66.0 64.5 62.5
2 実施例 2 1.00 ≥25 ≥25 ≥25 65.0 63.0 61.5
3 実施例 3 1.10 ≥25 ≥25 ≥25 64.0 62.0 60.5
4 実施例 4 1.10 ≥25 ≥25 ≥25 65.5 64.5 63.5
5 実施例 5 0.90 ≥25 ≥25 ≥25 65.5 63.5 61.5
6 実施例 6 0.90 ≥25 ≥25 ≥25 66.0 64.0 61.5
7 実施例 Ί 0.90 ≥25 ≥25 ≥25 65.5 63.5 62.5
8 実施例 8 1.10 ≥25 ≥25 ≥25 65.0 64.5 63.0
9 実施例 9 0.90 ≥25 ≥25 ≥25 66.5 63.5 60.0
1 0 比較例 1 1.50 ≥25 ≥25 21 65.5 53.0 36.0
1 1 比較例 2 2.00 ≥25 n. d. n. d. 63.5 n. d. n. d.
1 2 比較例 3 1.80 ≥25 19 12 62.0 34.5 24.5
1 3 比較例 4 2.00 ≥25 n. d. n. d. 63.5 n.d. n. d.
1 4 比絞例 5 2. 50 15 n. d. n. d. 35. 0 n. d. n. d.
1 5 比較例 6 2. 80 17 n. d. n. d. 36. 0 n. d. n. d.
* ' バインダ一に対するセメ ント分散剤の添加量 (固形分) を示し、 単位は重量
%。
* 2 数値は全てスランプまたはスランプフローの値を示すが (単位: c m ) 、 「 n. d.」 とあるのは、 細骨材 ·粗骨材の分離が甚だしく測定できなかったことを意 味する。
(表 6つづき) 試験 共重合 外観' 凝結 圧縮強度
畨 体 号 (N/mm2 )
1 実施例 1 〇 あり 1 8 4
2 実施例 2 〇 あり 1 8 0
3 実施例 3 〇 あり 1 8 2
4 実施例 4 〇 あり 1 7 8
5 実施例 5 〇 あり 1 8 5
6 実施例 6 〇 あり 1 8 5
7 実施例 7 〇 あり 1 7 3
8 実施例 8 〇 あり 1 8 0
9 実施例 9 〇 あり 1 7 8
1 0 比較例 1 〇 あり 1 7 0
1 1 比較例 2 X X あり
1 2 比較例 3 X なし 1 6 0
1 3 比較例 4 X X なし
1 4 比較例 5 X X なし
1 5 比絞例 6 X X なし
*3 コンクリー卜の状態が良好であるものを 「〇」 、 細骨材 ·粗骨材の分離気味 のものを 「X」 、 明らかな材料分離を起こしているものを 「X X」 で示す。
* 4 2 4時間以内に凝結が開始されたものを 「あり」 、 開始されなかったものを
「なし」 と表示する。
〔表 7〕
コンクリート試験結果 〔コンクリ一ト配合— 2 (W/B = 1 2 %) を用いた場合
) si験 共重合 添加 スランプ ( c m) スランプフ口一 (cm) *2
1
番号 体番号 里 直後 1時間 2時間 直後 1時間 2時間
2 1 実施例 1 2.50 ≥25 ≥25 ≥25 64.5 62.5 60.0
2 2 実施例 2 2.70 ≥25 ≥25 ≥25 66.0 63.0 60.5
2 3 実施例 4 2.50 ≥25 ≥25 ≥25 64.0 62.0 60.5
2 4 実施例 5 2.75 ≥25 ≥25 ≥25 65.0 62.0 60.0
2 5 比較例 1 3.50 ≥25 ≥25 ≥25 64.5 59.0 42.0
2 6 比較例 3 4.00 18 11 4 28.5 22.5
2 7 比較例 4 4.50 16 8 2 26.0
*' バインダーに対するセメ ン ト分散剤の添加量 (固形分) を示し、 単位は重量
%。
*2 「一」 の表記は測定に意味がないので中止したことを示す。
(表 7つづき) 試験 共重合 外観' 凝結 *4 圧縮強度
杳 ι$¾--¾· (N/mm2)
2 1 実施例 1 〇 あり 1 7 2
2 2 実施例 2 〇 あり 1 7 5
2 3 実施例 4 O あり 1 6 6
2 4 実施例 5 O あり 1 6 5
2 5 比較例 1 X なし 1 6 5
2 6 比較例 3 X なし 1 4 5
2 7 比較例 4 X なし 1 3 0
* 3 コンクリー卜の状態が目視で良好であるものを 「〇」 、 細骨材 ·粗骨材の混 合が不均一であるものを 「x」 で示す。
* 4 2 4時間以内に凝結が開始されたものを 「あり」 、 開始されなかったものを 「なし」 と表示する。
I I I . 試験例 2 :高性能 A E減水剤としての水溶性両性型共重合体の評価 本発明の水溶性両性型共重合体は超高性能コンクリート用のみならず J I S - A 6 2 0 に規定される高性能 A E減水剤としてのコンクリ一卜の水量の使用限 界、 ないしはそれ以上の領域において試験された。
ここでは水 Zセメ ン卜比が 2 8 %の条件下で表 8に示すコンクリート配合を用 いて本発明の水溶性両性型共重合体および特開平 7 - 3 3 4 9 6号公報の実施例 1に記載された共重合体を比較例 7として試験を行った。 コンクリ一卜の練混ぜ は 5 0 リ ッ トル強制二軸練り ミキサーを使用し、 セメ ン ト、 細骨材、 粗骨材、 お よび被試共重合体を溶解した水の全材料を加え 9 0秒間練り混ぜた。
コンク リートを排出後、 排出直後、 3 0分後、 1時間後のスランプ、 スランプ フロー、 外観の良否を測定し、 2 0 °Cの恒温室に放置し 1 0時間以内に凝結の始 発が始まるか否かを調べた。
表 9に示す結果から明らかなように、 本発明により得られる水溶性両性型共重 合体は超高性能コンク リートに対してだけでなく、 J I S - A 6 2 0 4に規定さ れる高性能 A E減水剤の使用上限ないしはそれ以上の領域での生コンクリートに も好適に使用できる。 これに対し、 本発明の共重合体とは化合物 Aが異なる比較 例 7では 1時間後のスラ ンプ、 スランプフローが共に極端に低下し、 外観は不良
で、 しかも硬化に問題があった。 上記の本発明による効果は当該分野の従来技術 から到底予測できなかつた程度に顕著なものである。
〔表 8〕
コンク リー 卜の配合 (単位: k g/m3 ) 配合番号 配合一 3
W/C (%) 2 8 ·
水 *' 1 6 5
セメ ン ト *2 5 9 0
細骨材'3 6 4 7
粗骨材'4 9 6 4 水道水
三銘柄等量配合の普通ポルトランドセメント (比重 3. 1 6)
君津産陸砂 (比重 2. 6 3)
鳥形山産石灰砕石 (比重 2. 7 0)
〔表 9〕
コンク リー ト試験結果 (コンク リー 卜配合— 3を用いた場合)
B$験 共重合 添加 スランプ ( c m) スランプフロー ■ { c m) 体番号 量'1 直後 3 0分 1時間 直後 3 0分 1時間
3 1 実施例 1 0.40 ≥25 ≥25 ≥25 63.0 64.0 61.5
3 2 実施例 5 0.40 ≥25 ≥25 ≥25 65.0 63.0 60.5
3 3 比絞例 7 0.60 ≥25 ≥25 19 66.0 54.0 35.0 ペインダ一に対するセメント分散剤の添加量 (固形分) を示し、 単位は重量
(表 9つづき)
試験 共重合 外観' 凝結 * :
畨亏 体番^ ·
3 1 実施例 1 〇 あり
3 2 実施例 5 〇 あり
3 3 比較例 7 X なし
* 2 コンクリ—卜の状態が目視で良好であるものを 「〇」 、 細骨材 ·粗骨材の混 合が不均一であるものを 「x」 で示す。
* 3 1 0時間以内に凝結が開始されたものを 「あり」 、 開始されなかったものを 「なし」 と表示する。 産業上の利用可能性
以上詳細に記載したように、 本発明のセメント分散剤は、 減水性が非常に高く 、 スランプフローの保持性に非常に優れたものであり、 通常のコンクリートのた めのセメント分散剤としてはもちろん、 特に高流動コンクリ一卜に代表される超 高性能コンクリ一卜のための分散剤として好適である。 また本発明における上記 水溶性両性型共重合体は高性能 A E減水剤等としても好適に使用できる。
上記の優れた特性を有する本発明のセメ ント分散剤が配合された本発明のコン クリ一ト組成物は、 減水性、 スランプフロー持続性および強度発現性等が非常に 良好であるため、 現場作業性に優れるものである。
このように、 本発明は当該分野で切望されていた分散剤ないしは減水剤を提供 するものであり、 当該分野への寄与は多大である。