明 細 書
発明の名称
高耐候性一液架橋型エマルシ ョ ン
技術分野
この発明は、 耐水性、 耐候性および初期乾燥性に優れた高 '耐候性一液架橋型エマルシ ヨ ンに関するものであ り 、 詳細に は塗布初期に素早く 乾燥硬化する と共に、 長期間優れた耐水 性および耐候性を示し、 さ らに光沢保持性、 肉持性、 耐薬品 性、 耐溶剤性等も良好である塗膜を形成するこ と のでき る高 耐候性一液架橋型エマルシ ョ ンを提供する ものである。
背景技術
エマルシ ヨ ン型塗料用組成物は、 従来から各種乳化剤を用 いた乳化重合法によ って製造されてお り 、 その無公害性、 作 業性の良さ、 省資源と いっ た利点を生かして、 塗料分野に多 く 使用されている。 しかしながら、 乳化重合に用いられる親 水性の乳化剤は、 水を飛散させて塗膜化した後も塗膜中に残 存し、 しかも旧粒子界面に局在化し易いため、 塗膜の耐水性 等の諸物性に悪影響を及ぼす原因と なっている。
エマルシ ョ ン型塗料用組成物における上記のよ う な乳化剤 起因性の欠点を改善する手段と して、 過硫酸カ リ ウム等を多 量に用いる ソープフ リ ー法、 高分子乳化剤を用いる方法、 重 合性不飽和基を分子内に有する反応性乳化剤を用いる方法等 が提案されているが、 耐水性は依然と して不充分であっ た。
こ こで本願出願人と同一出願人による特開昭 6 3— 2 58 9 1 3号
には、 不飽和カルボン酸を必須成分と して含む単量体成分を 重合抑制剤の存在下で重合させたものを乳化剤と して用い、 カルボキシル基と反応し得る重合性単量体を含む重合性単量 体成分を重合させるこ とによって耐水性に優れた水性樹脂分 散液を得る発明が開示されている。 この方法によれば、 水を 飛散させて塗膜化する際に乳化剤と水性樹脂の架橋反応が進 '行し、 架橋構造中に乳化蓟が結合して組み込まれるため、 塗 膜中には界面活性能を有する乳化剤分子が残存していないた め耐水性が充分改善された。 しかしながら、 初期乾燥性につ いては未解問題と して残されてお り 、 また長期耐候性も不充 分であった。
塗料用組成物においては耐候性も重要な物性である。 この 耐候性と-いう観点から見る と、 ビニルエステル樹脂やアルキ ッ ド樹脂に比べて、 アク リル系あるいはメ タク リ ル系 [以下 これらをま とめて (メ タ) アク リル系と言う 〗 樹脂が優れて いるこ とから、 塗料の分野では後者が多く 使用されている。 しかし促進耐候性試験 (サンシャイ ンゥェザォメーターを用 いる試験) での光沢保持性はせいぜい 1000時間程度にすぎな い。 このため耐候性を向上させる目的で、 紫外線吸収剤を添 加したり 、 紫外線吸収性単量体を共重合するこ とが試みられ てはいるが、 ある程度の耐候性向上は認められる ものの長期 安定性は不充分であ り 、 また紫外線吸収性成分に起因する黄 変等の問題も生じていた。
(メタ) アク リ ル系榭脂以外の長期耐候性に優れた樹脂と しては、 シリ コーン樹脂あるいはフ ッ素系榭脂が挙げられる
W 1
3 が、 光沢や肉持性等の美麗感あるいは顔料分散性に代表され る作業性等が劣ってお り 、 コス ト も高いため用途が限られて いるのが現状である。
本発明は上記のよ う な従来の塗料用組成物の問題点を改良 する こ と を目的とする ものであ り 、 初期乾燥性に優れ、 耐水 性、 光沢、 肉持性および長期耐候性等の物性に優れた塗膜を 形成し得る高耐候性一液架橋型エマルシ ョ ンを提供する こ と を目的と している。
発明の開示
本発明の高耐候性一液架橋型エマルシ ヨ ンの構成は、 不飽 和カルボン酸を必須成分と して含む重合性単量体成分 ( A ) を炭素数が 6〜: 18のアルキルメ ルカブタ ンの存在下で重合し て得られる酸価が 200以上の水溶性も し く は水分散性の末端 アルキル基を有する重合体 [ I ] および/またはその塩を乳化 剤と して用いて、 重合性紫外線安定性単量体(a) 0.1〜 10重量 %、 シク ロ アルキル基含有重合性単量体(b) 5〜 99.4重量%、 カルボキシル基との反応性を有する基を含有する重合性単量 体(c) 0.5〜 40重量%、 その他の重合性単量体(d) 0〜 94.4重量 % [ただし重合性単量体(a), (b) , (c), (d) の合計は 100重量 %である。 ] からなる重合性単量体成分 [Π ] を、 水性媒体 中で乳化重合して得られる乳化重合体 [X] を用いる と こ ろ に 要旨を有する ものである。
さ らに、 重合性紫外線安定性単量体(a) 0.1〜 10重量%、 シ ク ロ アルキル基含有重合性単量体 (b) 5〜 94.4重量%、 カ ルボ キシル基との反応性を有する基を含有する重合性単量体 (c)
0. 5 〜40重量%、 炭素数 1 2〜 1 8の飽和アルキル基を有す る重合性単量体(e) 5〜50重量%、 その他の重合性単量体(d) 0 〜 89. 6重量% [ただし重合性単量体(a) , (b),(c) , (d) , (e) の合計は 100重量%である。 ] からなる重合性単量体成分
[ΙΠ ] を、 前記重合体 [I] および Zまたはその塩を乳化剤と して用いて水性媒体中で乳化重合して得られる乳化重合体 [XX] を用いるものである高耐候性一液架橋型エマルショ ン と、 上記重合性単量体成分 [ ΠΙ ] を不飽和カルボン酸および 炭素数 1 2〜 1 8の長鎖アルキル (メタ) ァク リ レートを必 須成分と して含む重合性単量体成分 (Α ' ) を炭素数が 6〜 18のアルキルメルカブタンの存在下で重合して得られる酸価 が 200以上の水溶性もしく は水分散性の末端アルキル基を有 する重合体 [Γ ]および Ζまたはその塩を乳化剤と して用いて 水性媒体中で乳化重合して得られる乳化重合体【XXX〗 を用い るものである高耐候性一液架橋型エマルショ ンも本発明に含 まれる。 上記炭素数 1 2〜 1 8の飽和アルキル基を有する重 合性単量体(e) が、 炭素数 1 2〜 1 8の長鎖 (メタ) ァク リ レートであることが好ましい実施態様である。
発明を実施するための最良の形態
本発明者等は、 まず前記特開昭 63— 258913号に開示された 硬化性水性樹脂分散液の初期乾燥性を向上させるために、 反 応促進効果を有するアミ ン類を加えた系について実験を行な つた。 しかし、 初期乾燥性の向上がほとんど認められないだ けでなく 、 耐水性 · 耐候性が悪化してしまう結果となった。 これはァミ ン類が水溶性であるこ と、 低沸点アミ ン類は塗膜
形成過程中に飛散して しま う ため反応促進効果が発現しない こ と、 中 · 高沸点ア ミ ン類は架橋反応促進効果を有している が塗膜中に残存し耐水性 · 耐黄変性低下等を引 き起こ すこ と、 の 3つが原因である と考えられる。 そこで、 他の系につ いて種々検討した結果、 驚く べき こ とに、 耐候性改善のため に共重合させた紫外線安定性単量体成分の存在が、 エマルシ ョ ンの初期乾燥性を飛躍的に向上させる こ と が明 らか と な り 、 本発明に到達したものである。
すなわち本発明では、
①重合時に用いた乳化剤が塗膜形成過程で、 架橋反応の進 行に関与し、 塗膜を構成するポ リ マー分子鎖と結合し架橋構 造中に組込まれる こ と によ って、 界面活性能を有する乳化剤 分子と しては塗膜中には残存する こ とがな く な り 、 その結果 と して耐水性が向上する。
②特定の紫外線安定成分および特定の官能基を有する成分 の存在によ って長期耐候性を達成する。
③特定の紫外線安定成分が①の架橋反応を促進し、 塗膜形 成時の乾燥性を飛躍的に向上させる。 しかも、 この紫外線安 定成分はポ リ マー中に存在しているため、 上記ア ミ ン類のよ う な耐水性低下を引き起こ さない。
と いう 3つの効果を同時に発現させるこ と に成功したのであ る。
ただし更なる実験によ って、 初期乾燥性や耐候性を向上さ せるためにエマルシ ヨ ン中のシク ロへキシル基含有重合性単 量体をあま り 多く する と、 塗膜が固 く な り過ぎて、 もろ く な
つてしまう という問題が生じる こ とがわかったため、 この問 題を解決する目的で他の成分をエマルショ ン中に導入する検 討を行なった。 その結果、 炭素数 1 2〜 1 8の飽和アルキル 基を含有する単量体成分を導入すれば、 初期乾燥性や耐候性 を高水準に保ったまま、 適切な硬度の塗膜を得られるこ とを 明らかにした。 また、 炭素数 1 2〜 1 8の飽和ァルキル基を 含有する単量体成分を導入する と きには、 特定の合成乳化剤 を使用する こ とが好ま しい実施形態であるこ と も明らかに し た。
以下、 本発明の構成成分を詳細に説明する。
発明においてエマルショ ンを重合する際に乳化剤と して 使用される重合体 [ I] は、 不飽和カルボン酸を必須成分と し て含む重合性単量体成分 ( A ) を炭素数が 6〜 1 8のアルキ ルメルカブタ ンの存在下で重合して得られる酸価が 200以上 の水溶性も し く は水分散性の末端アルキル基を有する重合体 および Zまたはその塩である。 この重合体 [Π は、 乳化重合 時の安定性や、 得られる塗膜の耐水性、 耐溶剤性、 強度等の 諸物性の点から、 酸価が 200以上であるこ とが必要である。 酸価が 200よ り少ないと、 充分な乳化能が得られないので、 重合安定性が悪く なつて重合中に凝集物が発生した り 、 貯蔵 安定性が低下した り するので好ま し く ない。 また分子量は 3 00〜7000、 よ り好ま し く は 400〜40ひ0である。 分子量がこの 範囲以外のものを使用する と、 やはり充分な乳化安定性が得 られない。
重合体 [I] の合成に用いられる不飽和カルボン酸は、 重合
体 [ I ] にカ ルボキシル基を導入 して親水性を付与する と共 に、 得られる高耐候性一液架橋型エマルシ ヨ ンを硬化する際 の官能基とするために使用する ものであ り 、 分子内にカルボ キシル基および/またはその塩と 、 重合性不飽和基を有する ものであれば特に制限されず、 例えば (メ タ) アク リ ル酸、 クロ ト ン酸、 マ レイ ン酸、 フマル酸、 ィ タ コ ン酸も し く はこ れらのモノ エステルまたはこれらの塩等が挙げられ、 これら の う ち 1 種ま たは 2 種以上の混合物を使用する こ と ができ る。
重合体 [ I ] を合成する際の重合性単量体成分 ( A ) は、 上 記不飽和カルボン酸のみで構成されていてもよいが、 必要に よ って不飽和カルボン酸以外の重合性単量体を併用 しても よ い。 使用でき る重合性単量体と しては不飽和カルボン酸と共 重合が可能なものであれば特に制限されず、 例えば、 スチ レ ン、 ビニリレ ト レェ ン、 α — メ チ レスチ レ ン、 ク ロ ロ メ チリレス チ レン、 スチ レンスルホ ン酸およびその塩等のスチ レン誘導 体類 ; (メ タ) アク リ ルアミ ド、 Ν —モノ メ チル (メ タ) ァ ク リ ルア ミ ド、 Ν — モノ ェチル (メ タ ) ア ク リ ルア ミ ド、 Ν , Ν — ジメ チル (メ タ) アク リ ルア ミ ド等の (メ タ) ァク リ ルアミ ド誘導体 ; (メ タ) アク リ ル酸メ チル、 (メ タ) ァ ク リ ル酸ェチル、 (メ タ) アク リ ル酸ブチル等の (メ タ) ァ ク リ ル酸と 〜 C 1 8のアルコールのエステル形成反応によ り 合成される (メ タ) アク リ ル酸エステル類 ; (メ タ) ァク リ ル酸 2 — ヒ ドロキシェチル、 (メ タ) アク リ ル酸 2 — ヒ ド ロキシプロ ピル、 (メ タ) アク リ ル酸と ポ リ プロ ピレ ングリ
コールも し く はポ リエチレングリ コール等のヒ ドロキシル基 含有 (メ タ) ァク リル酸エステル類 ; (メ タ) ァク リ ル酸 2 ースルホン酸ェチルおよびその塩、 ビニルスルホン酸および その塩、 酢酸ビュル、 (メタ) アク リ ロニ ト リ ル等を挙げる こ とができ、 これらのう ち 1種または 2種以上の混合物を使 用するこ とができる。 不飽和カルボン酸以外の重合性単量体 は、 得られる重合体 [I] の酸価が 200未満とならない量で使 用する。 また、 得られる重合体 [I] を用いて乳化重合する際 に生成するポリ マー成分との相溶性を考慮して、 その種類と 量を選択する こ とが好ましい。
本発明において使用されるアルキルメルカブタ ンは、 炭素 数 6〜 1 8のものが好ま し く 、 例えば n —へキシルメルカブ タ ン、 n —ォクチルメルカブタ ン、 n— ドデシルメルカブ夕 ン、 t ー ドデシルメルカブタ ン、 セチルメルカブタ ン、 ステ ァ リ ルメルカブタ ン等を挙げる こ とができ、 これらのう ち 1 種または 2種以上の混合物を使用できる。
アルキルメルカブタ ンは上記重合性単量体成分 ( A ) を重 合させる時の分子量調整剤であ り 、 得られる重合体 [ 1〗 の分 子量が 300〜 7000の範囲になるよ う に調整する働きを有し、 さらに重合体 [1〗 の末端にアルキル基を導入して界面活性能 を付与するために用いられる。 炭素数 6未満のアルキルメル カブタ ンは乳化重合時の安定性および貯蔵安定性の面で劣つ ており使用するこ とができない。 アルキルメルカプタ ンの使 用量は、 重合体 [I] の希 する分子量に よ っ て決定される が、 通常重合性単量体成分 ( A ) 100重量部に対して、 2〜
3 0 0 重量部の範囲である。
重合性単量体成分 ( A ) を重合する際に用いられる重合開 始剤と しては、 周知の油溶性、 水溶性の重合開始剤が使用で き るが、 末端アルキル基を有する重合体 [ I ] を効率よ く 製造 するために、 その使用量はアルキルメルカブタ ン 1 モルに対 し 1 モル以下、 よ り好ま し く は 0. 1モル以下の割合とするの が好適である。
重合体 [ I ] は、 その性状によ り塊状重合、 溶液重合、 懸濁 重合等、 いずれの方法でも製造する こ とができ る。 一般的に は、 重合温度は 5 0〜 1 5 0 'C、 重合時間は 1 〜 8時間が好 ま しい。 溶液重合のための溶剤と しては、 重合性単量体成分 ( A ) 、 アルキルメ ルカプタ ン、 ラジカル重合開始剤が溶解 し、 ラジカル重合を阻害しないものであれば特に限定されな い o
重合体 [ I ] は、 それ自体充分な界面活性能を有するもので あるが、 乳化重合時の安定性のため と貯蔵安定性の良好なェ マルシ ヨ ンを得るためには、 乳化重合時にカルボキシル基の —部も し く は全量を中和して重合体 [ I ] の塩と して用いる こ とが好ま しい。
中和剤と しては通常のものを使用するこ とができ、 例えば 水酸化ナ ト リ ウム、 水酸化カ リ ウム等のアルカ リ 金属化合物 ; 水酸化カ ルシウ ム、 炭酸カ ルシ ウ ム等のアルカ リ土類金属 ィ匕合物 ; ア ンモニア ; モノ メ チルァ ミ ン、 ジメ チルァ ミ ン、 ト リ メ チルァ ミ ン、 モノ ェチルァ ミ ン、 ジェチルァ ミ ン、 ト リ エチルァ ミ ン、 モノ プロ ピルァ ミ ン、 ジメ チルプロ ピルァ
ミ ン、 モノエタノールァミ ン、 ジエタノールァミ ン、 ト リェ タノールァミ ン、 エチレンジァミ ン、 ジエチレン 卜 リ アミ ン 等の水溶性有機アミ ン類等が挙げられ、 これらの群から選ば れる 1 種または 2種以上の混合物で使用するこ とができる。
高耐候性一液架橋型エマルショ ンの硬化塗膜の耐水性を向 上させるためには、 常温で飛散し得るアンモニア、 モノ メチ ルァミ ン、 ジメチルァミ ン、 卜 リ メチルァミ ン等の低沸点ァ ミ ン類を使用するこ とが好ま しい。
本発明の乳化剤用重合体 [ I] は以上の様に構成されるが 特に、 炭素数 1 2〜 1 8の飽和アルキル基を有する重合性単 量体成分(e) (後述) を本発明のエマルシヨ ン中に導入する 時には、 乳化剤と して重合体 [Γ ]を用いる こ とが好ま しい。 なぜなら、 炭素数 1 2〜 1 8の飽和アルキル基を有する重合 性単量体成分(e) を乳化重合する時には、 乳化剤と して重合 体 [Γ ]を用いた方が上記重合体 [I] を用いるよ り も、 重合中 に凝集するこ となく 、 安定に重合が完結するからである。 重 合体 [Γ ]は、 重合性単量体成分 ( Α ' ) と して、 前記不飽和 力ルボン酸と共に炭素数 1 2〜 1 8の長鎖 (メ タ) ァク リ レ ー トが必須成分と して含有されるものであ り 、 その他の要件 は重合体 [ 1】 と 同 じである。 炭素数 1 2〜 1 8 の長鎖 (メ タ) ァク リ レー 卜は、 エステル置換基が直鎖状または分岐状 のものでも使用でき、 例えば、 ドデシル (メ タ) ァク リ レー ト [ラ ウ リ ル (メタ) ァク リ レー 卜 ] 、 ト リ デシル (メタ) ァク リ レー ト、 テ トラデシル (メ タ) ァク リ レー ト、 ペンタ デシル (メ タ) ァク リ レー 卜、 へキサデシル (メ タ) ァク リ
レー ト、 ヘプ夕デシル (メ タ) ァ ク リ レー ト、 ォクタデシル (メ タ) ァク リ レー ト [ステア リ ル (メ タ) ァク リ レー ト ] 等であ り 、 これらの 1 種または 2 種以上の混合物を使用する こ とができ る。 これらの炭素数 1 2 〜 1 8の長鎖 (メ タ) ァ ク リ レー ト は、 前記不飽和カルボン酸の種類によ って異なる が、 一般に前記不飽和カルボン酸 1 0 0重量部に対し、 5〜 ' 3 0 0重量部使用するのが好ま しい。 但し、 酸価が 2 0 0以 上となる様にする こ とが必要である。
次に上記重合体 [I] を乳化剤と して用いて重合させるべき 単量体成分 (以下、 重合性単量体成分 [Π ] と言う ) を個々 に説明する。
まず重合性紫外線安定性単量体 (a) は、 本発明の乳化重合 体 [X] に優れた耐候性を与える こ と と、 初期乾燥性を向上さ せる上で必須的な化合物であ り 、 特に立体障害を受けた ピぺ リ ジニル基と重合性不飽和基を分子内に少な く と も 1 個有す る ものが用いられるが、 中でも下記一般式(1) で示される物 質が最も代表的に使用 される。 一般式 (1) で示される物質 は、 乳化共重合体 [X] に優れた耐候性と初期乾燥性を与える だけでな く 、 カーボンブラ ッ ク等の種々の顔料の分散性およ び複合顔料系における混色安定性を向上させる効果も顕著に 示すものである。
O 93/10184
' [式中 R , は水素原子またはシァノ基、 R 2, R 3 はそれぞれ
1 2
独立して水素原子または炭素数 1〜 2のアルキル基、 Xはィ ミノ基または酸素原子、 Yは水素原子、 炭素数 1〜 1 8のァ ルキル基または一 C一 C - C H ( R 2> R 3 は前と同じ意味)
0 R 2 R a を示す ]
上記定義中、 R 2 および R 3 で示される炭素数 1〜 2 のァ ルキル基とはメチルまたはェチルであり 、 Yで示される炭素 数 1〜 1 8のアルキル基と しては、 メチル、 ェチル、 プロ ピ ル、 イ ソプロ ピル、 ブチル、 イ ソブチル、 第 3級ブチル、 ぺ ンチル、 へキシル、 ヘプチル、 ォクチル、 ノニル、 デシル、 ゥ ンデシル、 ドデシル、 ト リ デシル、 テト ラデシル、 ペンタ デシル、 へキサデシル、 ヘプタデシル、 ォクタデシル等で代 表される直鎖状または分岐状の炭化水素残基が示される。
さ らに具体的な化合物名を挙げて説明するならば、 重合性 紫外線安定性単量体(a) と しては、 例えば 4- (メタ) ァク リ ロイ ルォキシ -2, 2, 6,6- テ ト ラメチルピペ リ ジン、 4- (メ 夕) ァク リ ロイ ルァ ミ ノ - 2, 2, 6, 6- テ 卜 ラメ チルピベ リ ジ ン、 4- (メ タ) ァク リ ロイルォキシ -1, 2, 2, 6, 6- ペンタメチ
ルビペリ ジン、 4 - (メ タ) ァク リ ロイ ルァミ ノ - 1 , 2 , 2 , 6, 6- ペンタ メ チルピペ リ ジ ン、 4 -シァ ノ - 4 - (メ タ ) ァ ク リ ロ ィ ルァミ ノ - 2, 2, 6, 6- テ ト ラメ チルピペリ ジン、 1- (メ タ) ァク リ ロイ ル -4- (メ タ) ァク リ ロイ ルァミ ノ - 2, 2, 6, 6- テ ト ラメ チルビペ リ ジ ン、 1 - (メ タ ) ァ ク リ ロ イ ル - 4 - シァ ノ -4- (メ タ ) ァ ク リ ロ イ ルァ ミ ノ - 2, 2,6, 6- テ ト ラ メ チ ルビペ リ ジ ン、 4 -ク ロ ト ノ ィ ルォキ シ -2,2, 6,6- テ ト ラ メ チルピペ リ ジン、 4 -ク ロ ト ノ ィ ルァ ミ ノ - 2, 2,6, 6- テ ト ラ メ チルビペ リ ジ ン、 1-ク ロ—卜 ノ ィ ル -4- ク ロ ト ノ ィ ルォキ シ - 2, 2, 6, 6 - テ 卜 ラ メ チルピペ リ ジ ン等を挙げる こ と がで き、 これらは 1 種または 2種以上を用いる こ とができ る。
この紫外線安定性単量体(a) の使用量は、 重合性単量体成 分 [Π ] 中 0.1〜10重量%でぁ り 、 よ り好ま し く は 0.2〜 8 重量%である。 0.1重量%よ り 少ない場合には、 得られる高 耐候性一液架橋型エマルシ ヨ ンを塗布して得られる塗膜 (以 下単に塗膜と言う こ とがある) の耐候性が悪く な り 、 さ らに 初期乾燥性も悪化して し ま う。 また単量体(a) の使用量が 10 重量%よ り 多く なる と、 塗膜の光沢や肉持性が不充分と なつ て外観が劣った り 、 塗膜の耐溶剤性、 耐薬品性が悪く なるの で好ま し く ない。
次にシク ロアルキル基含有重合性単量体(b) は、 本発明で 得られる高耐候性一液架橋型エマルシ ョ ンを塗布して得られ る塗膜に長期耐候性、 光沢性、 耐水性、 肉持性と いった美麗 感を与える上で特に有用な構成成分で、 中で も下記一般式 (2) で示される ものが特に好ま しい成果を示す。
C H 2 = C - C - 0 - Z ( 2 ) R 4 0
(式中 R は水素原子または炭素数 1 も し く は 2のアルキル 基、 Zは置換基を有していても よ いシク ロ アルキル基を示 す)
Zで示される置換基を有していてもよいシクロアルキル基 におけるシクロアルキル基と しては、 シクロペンチル, シク 口へキシル, シクロ ドデシル等の単環式飽和炭化水素残基が 例示される。 -これらのシクロアルキル基は、 炭素数が 1〜 6 のアルキル基を置換基と して有していてもよ く 、 これらの置 換基におけるアルキル基と しては、 メチル、 ェチル、 プロ ピ ル、 イ ソプ pピル、 ブチル、 イ ソブチル、 第 3級ブチル、 ぺ ンチル、 へキシル、 ヘプチル等が例示される。
さ らに具体的な化合物名を挙げて例示的に説明するな ら ば、 例えばシクロへキシル (メタ) ァク リ レー 卜、 メチルシ クロへキシル (メタ) アタ リ レー ト、 第 3級ブチルシクロへ キシル (メタ) ァク リ レート等を挙げるこ とができ、 これら の 1種または 2種以上を使用するこ とができる。
これらシク ロ アルキル基含有重合性単量体(b) の使用量 は、 重合性単量体成分 [Π ] 中 5〜99.4重量%であ り、 20〜 95重量%が特に好ま しい。 単量体(b) が 5重量%よ り.少ない と、 塗膜の耐候性、 光沢、 肉持性、 耐水性に劣り 、 99.4重量 %よ り 多く使用する と、 紫外線安定性単量体(a) や下記の力 ルポキシル基との反応性を有する基を含有する重合性単量体 (c) が少な く な り 、 塗膜の耐水性、 初期乾燥性、 耐候性が悪
く なるので好ま し く ない。
本発明において用いられる、 カルボキシル基との反応性を 有する基を含有する重合性単量体(c) と しては、 例えば (メ タ) アク リ ル酸グリ シジル、 (メ タ) アク リ ル酸 2-メ チルグ リ シジル、 ァ リ ルグリ シジルエーテル等のエポキシ基含有重 合性単量体類 ; (メ タ) ァク リ ロイ ルアジ リ ジン、 (メ タ) ァク リ ル酸 2 -アジ リ ジニルェチル等のアジ リ ジニル基含有重 合性単量体類 ; 2-イ ソプロぺニル -2- ォキサゾリ ン、 2-ビニ ル -2- ォキサゾリ ン等のォキサゾ リ ン基含有重合性単量体類 等を挙げる こ とができ、 これらの 1 種または 2種以上の混合 物'を使用する こ とができ る。 乳化剤と して用いられる重合体 [I] のカルボキシル基と上記重合性単量体(c) と の架橋反応 を前記紫外線安定性単量体(a) が促進するのであるが、 特に カ ルボキシル基とエポキシ基と の反応を促進する効果が大き いので、 上記単量体 (c) の中でもエポキシ基含有重合性単量 体が好ま しい。
重合性単量体(c) の使用量は、 重合性単量体成分 [Π ] 中 0.5〜40重量%が適している。 好ま しいのは 0.5〜 15重量% である。 使用量が 0.5重量%よ り 少ないと、 乳化剤と して用 いた重合体 [I] のカルボキシル基の一部が未反応のま ま多量 に残る と共に、 架橋が不充分と なるため、 塗膜の耐水性、 初 期乾燥性、 耐溶剤性、 強度が劣っ たもの となる。 一方、 40重 量%を超えて使用する と、 乳化重合時の安定性および貯蔵安 定性が悪く なる。
本発明の高耐候性一液架橋型エマルシ ヨ ンは、 これま でに
詳述した重合性紫外線安定性単量体(a) 1 種以上と、 シクロ アルキル基含有重合性単量体(b ) 1種以上、 およびカルボキ シル基と φ反応性を有する基を含有する重合性単量体(c) 1 種以上を乳化重合する こ とによって得られるが、 さ らに希望 するならば、 高耐候性一液架橋型エマルシヨ ンを塗布するこ とによって形成される塗膜に求められる性状に応じてその他 の重合性単量体(d) を加えて重合させるこ と もできる。
このよ う なその他の重合性単量体 (d ) と しては、 重合体 [I] を合成する時に用いていた前記重合性単量体成分 ( A ) がそのまま挙げられる他、 (メ タ) アク リ ル酸ジメチルアミ ノ チル、 ジメ チルア ミ ノ エチル (メ タ) アク リ ルア ミ ド、 ジメ チルァ ミ ノ プロ ピル (メ タ) アク リ ルア ミ ド、 ビニルビ リ ジン、 ビュルイ ミ ダゾール、 ビニルピロ リ ド ン等の塩基性 不飽和単量体類 ; (メ タ) アク リ ル酸とエチ レ ング リ コー ル、 1 , 3—ブチ レングリ コール、 ジエチレングリ コール、 ポ リ エチレングリ コール、 ポ リ プロ ピ レングリ コール、 卜 リ メ チロールブロノヽ'ン、 ペン夕エ リ ス リ トール、 ジペンタエ リ ス リ トール等の多価アルコールとのエステル等の分子内に重合 性不飽和基を 2個以上有する多官能 (メタ) アク リ ル酸エス テル類 ; N—メチロール (メ タ) アク リ ルアミ ド、 N —ブ ト キシメ チル (メ タ) アク リ ルア ミ ド等の (メ タ) アク リ ルァ ミ ド類 ; ビュル 卜 リ メ ト キシシラ ン、 丫ー (メ タ) ァク リ ロ キシプロ ピル 卜 リ メ ト キシシラ ン、 ァ リ ル ト リ ェ 卜 キシシラ ン、 ト リ メ トキシシ リ ルプロ ピルァ リ ルア ミ ン等の有機ケィ 素基含有不飽和単量体類 ; および弗化ビニル、 弗化ビニ リ デ
ン、 塩化ビュル、 塩化 ビニ リ デン、 ジ ビュルベンゼ ン、 ジァ リ ルフ タ レー ト ; さ らには
2- (メ タ ) ァク リ ロ イ ルォキシェチルァシ ッ ドホスフ エ ー ト 、 2- (メ タ ) ァ ク リ ロ イ ルォキシプロ ピルアシ ッ ドホスフ エー ト 、 2- (メ タ ) ァ ク リ ロ イ ルォキシ -3- ク ロ 口 プロ ピル アシッ ドホスフ ェー ト 、 2- (メ タ ) ァ ク リ ロ イ ルォキシェチ ルフ ユ二ル リ ン酸等の酸性 リ ン酸エステル系重合性単量体等 の酸性官能基含有重合性単量体 ; 2, 4-ジ ヒ ド ロ キシベンゾフ ヱ ノ ンま たは 2, 2 ', 4-ト リ ヒ ド ロ キ シベンゾフ エ ノ ン と グ リ シジル (メ タ ) ァ ク リ レー ト を反応して得られる 2-ヒ ド ロ キ シ -4- [3- (メ タ ) ア ク リ ルォ キ シ -2- ヒ ド ロ キ シプロ ボキ シ ] ベンゾフ エ ノ ン、 2, 2 ' - ジ ヒ ド ロ キシ -4- [3- (メ タ ) ァ ク リ ルォキシ - 2 - ヒ ド ロ キシプロ ボキシ ] ベンゾフ エ ノ ン等 の重合性紫外線吸収性単量体等を挙げる こ と ができ 、 これら の群から選ばれる 1 種ま たは 2 種以上を用 いる こ と ができ る。
これらの重合性単量体(d) の使用量は、 重合性単量体成分 [Π ] 中 0 ~ 94.4重量%が適している。 94.4重量%以上使用 する と、 本発明の高耐候性一液架橋型エマルシ ヨ ンに必須の 成分である重合性単量体(a), (b), (c) の量が少な過ぎて、 耐 水性、 初期乾燥性、 耐候性に優れた塗膜を得る こ と が不可能 になる。 ただし、 重合性単量体 (a), (b), (c), (d) の合計使用 量はもちろん 100重量%である。
その他の重合性単量体(d) は本発明の本質的特徴を損う こ と のな い よ う に選択するのが好ま し い。 例えば光沢、 耐水
性、 肉持性、 耐溶剤性および耐薬品性といった観点から一般 的によ く 使用される芳香族系重合性単量体は、 本発明の高耐 候性一液架橋型エマルショ ンの特徴である長期耐候性と いう 点ではマイナスに作用するため、 重合性単量体成分 [ H ] 中 20重量%以下、 好ま し く は 10重量%以下、 さ らに好ま し く は 5重量%以下とする こ とが推奨される。 さらに本発明の本質 的特徵である長期耐候性を一層顕著に発現させるためには、 メ タク リ ル酸エステルの含有量を 50重量%以上とするこ とが 好ま しい。
ただし、 こ こでいぅ メ タク リ ル酸エステルとは、 重合性紫 外線安定性単量体(a) 、 シクロアルキル基含有重合性単量体 (b) およびカルボキシル基との反応性を有する基を含有する 重合性単量体(c) およびその他の重合性単量体(d) からなる 単量体類のう ちメタク リ ロイル基に由来する重合性不飽和基 を有する ものを意味する。
本発明の高耐候性一液架橋型エマルシヨ ンは、 これまでに 詳述した重合性紫外線安定性単量体(a) 1種以上と、 シクロ アルキル基含有重合性単量体(b) 1 種以上、 およびカルボキ シル基との反応性を有する基を含有する重合性単量体(c) 1 種以上、 さ らに必要に応じてその他の重合性単量体(d) を、 前記重合体 [ Π および Zまたはその塩を乳化剤と して用いて 乳化重合するこ と によって得られる乳化重合体 [X] を用いて 製造される ものが基本タイプとなる。
上記基本タイプの高耐候性一液架橋型エマルシ ヨ ンは、 初 期乾燥性や耐候性を向上させるためにエマルショ ン中のシク
口へキシル基含有重合性単量体成分をあま り 多く する と、 塗 膜が固 く な り過ぎて、 もろ く なつて しま う場合があるため、 使用用途に応じて必要であれば、 炭素数 1 2〜 1 8の飽和ァ ルキル基を含有する単量体成分 (e) を上記単量体(a) 〜(d) の他に導入する こ と もでき る。 炭素数 1 2〜 1 8の飽和アル キル基を含有する単量体成分 (e) は、 初期乾燥性や耐候性を 高水準に保ったま ま、 塗膜の硬度を適切にする効果を有する 成分である。 また、 この単量体成分(e) を該エマルシ ヨ ン中 に導入する こ と に よ っ て塗膜の吸水率が低下し、 揆水性が大 き く 向上する こ と も明らかになった。
こ こ で、 炭素数 1 2〜 1 8の飽和アルキル基を含有する単 量体成分(e) と は、 ステア リ ン酸ビュルなどのビュルエステ ル類ゃ直鎖状又は分岐状のォ レフ ィ ン類などもあるが、 中で も乳化剤用重合体 [Γ ]の と こ ろで例示した炭素数 1 2〜 1 8 の長鎖 (メ タ) ァク リ レー ト が好ま し く 用いられる。
この炭素数 1 2〜 1 8 の飽和アルキル基を含有する単量体 成分(e) を該エマルシ ヨ ン中に導入する場合には、 前記単量 体成分(a) 〜(d) 、 および ) の配合量を、 それぞれ重合性 紫外線安定性単量体(a) 0.1〜 10重量%、 シクロアルキル基含 有重合性単量体 (b) 5〜94.4重量%、 カルボキシル基との反応 性を有する基を含有する重合性単量体(c) 0.5〜40重量%、 炭 素数 1 2〜 1 8のアルキル基を有する重合性単量体(e) 5〜 50 重量%、 その他の重合性単量体(d) 0〜 89.6重量% [ただし重 合性単量体 (a), (b), (c) , (d) , (e) の合計は Γ00重量%であ る。 ] と するのがよ い。
上記(a) 〜(e) からなる重合性単量体成分 (以下重合性単 量体成分 [ΠΠ とする) を重合する時には、 前述の様に、 乳 化剤と して重合体 [Γ]を用いるこ とが好ま しい。 なぜなら、 炭素数 1 2〜 1 8の飽和アルキル基を有する重合性単量体成 分(e) を他の単量体成分と共に乳化重合する時には、 乳化剤 と して重合体 [Γ]を用いた方が上記重合体 [I] を用いるよ り も、 重合中に発生する凝集物量が少なく工業的に安定に重合 が完結するからである。 もちろん、 乳化剤と して重合体 [I] を用いた場合で—あっても単量体成分 [Π] の重合は可能であ る。 若干の凝集物ができたならば、 ろ過等の公知の手法で取 り 除けばよい。
本発明における上記単量体成分 [Π ] (または [ΙΠ] ) を 前記重合体 [I] (または ']) および Zまたはその塩を乳化 剤と して用いて乳化重合して乳化重合体 [X] (または [XX]ある いは [XXX])を製造するための乳化重合方法と しては、 従来公 知のあらゆる乳化重合法が適用できる。 例えば重合開始剤、 水、 前記乳化剤用重合体 [I] (または [Γ]) および Zまたはそ の塩、 重合性単量体 [Π ] (または [IE])を一括混合して重合 する方法や、 いわゆるモノマー滴下法、 プレエマルシヨ ン法 等の方法を用いるこ とができる。 また、 シー ド重合、 コア · シェル重合、 パワーフィ ー ド重合等の多段重合を行なってェ マルシヨ ン粒子の異相搆造化を行なう こ と も可能である。 重 合温度と しては 0〜; L 0 0 °C、 好ま し く は 4 0〜 9 5でで、 重合時間は 1〜 1 0時間が適している。 乳化重合の際に本発 明の塗膜物性を悪化させない範囲において、 親水性溶媒を加
えた り 、 公知の他の乳化剤や、 添加剤を加えた り する こ と も でき る。
乳化剤用重合体 [I] (または [Γ] ) および またはその塩の 使用量は、 重合性単量体成分 [Π ] (または [ΠΠ) 100重量部 に対し、 0.5〜 200 重量部の範囲が好ま し く 、 よ り好ま し く は 1〜15重量部である。 0.5重量部未満の使用量では乳化重 合の安定性が悪く 、 200重量部を超える と重合中にゲル化す る こ とが多く なるので好ま し く ない。
重合開始剤と しては特に限定されず、 従来公知のものを使 用する こ とができ る。 ただし、 塗膜の初期乾燥性、 耐水性を 考慮する と 、 過酸化水素、 ジー t 一ブチルパーオキサイ ド、 過酢酸、 2, 2'-ァゾビス ( 2-アミ ジノ プロパン) 二塩酸塩、
4, 4'-ァゾビス (4-シァノ ペンタ ン酸) 等の硫酸基を残さな いよ う な重合開始剤の 1種または 2種以上の混合物を使用す るのが好ま しい。 よ り 好ま し く は、 重合性単量体 (c) の官能 基に対して高い反応性を有するア ミ ジノ基、 カルボキシル基 等を分子内に含有する 2, 2'-ァゾビス ( 2-ア ミ ジノ プロ パ ン) 二塩酸塩、 4, 4'-ァゾビス (4-シァノ ペンタ ン酸) 等が 用いられる。 これら重合開始剤の使用量は通常重合性単量体 成分 〖π ] (または [m ] ) loo 重量部に対して 0. οι〜 5 重量部が適している。
本発明の高耐候性一液架橋型エマルシ ヨ ンは、 前記手順で 得られた乳化重合体 [X] (または [XX]あるいは [XXX] )をそのま ま塗料と して使用する こ とができ るが、 さ らに必要に応じて 公知の添加剤、 例えば成膜肋剤、 顔料、 充填剤、 ト ナー、 湿
潤剤、 帯電防止剤等を配合する こ と も可能である。
上記顔料と しては、 例えば、 無機顔料では、 酸化チタ ン、 三酸化ア ンチモン、 亜鉛華、 リ ト ボン、 鉛白等の白色顔料、 カーボンブラ ッ ク、 黄鉛、 モリ ブデン赤、 ベンガラ、 黄色酸 化鉄、 黄華等の着色顔料、 また有機顔料ではべンジジン、 ハ ンザイェロー等のァゾ化合物やフタ ロ シアニンブル一な どの フタロシアニン類などを挙げる こ とができ、 これらの 1種ま たは 2種以上を用いるこ とができる。
またこれらの顔料は、 塗膜の耐候性を低下させるこ とのな いよう に、 IT候性の良好な顔料を選択するこ とが推奨され、 例えば、 白色顔料である酸化チタ ン と しては、 アナタース型 の酸化チタ ンを用いるよ り ルチル型の酸化チタ ンを用いる方 が塗膜の耐候性と いう面では良い結果が得られる。 また一口 にルチル型と言っても、 硫酸法酸化チタ ンよ り塩素法酸化チ タ ンの方が長期耐候性を発現させる上で好ま しい。
実施例
以下、 実施例および比較例を用いて本発明を具体的に説明 するが、 本発明はこれら実施例のみに限定されるものではな レ、σ
なお、 単に 「部」 または Γ % J と あるのは特に断わ り のな い限り それぞれ重量部または重量%である。
参考例 1 (重合体 [I] の製造法)
撹拌機、 還流冷却器、 窒素導入管、 温度計、 滴下ロー トを 備えたセパラブルフラスコにィ ソプロ ピルアルコール 180部 を仕込み、 窒素を吹き込みながら 81 eCまで内温を上げて 10分
間還流させた。 次に予め用意しておいたァク リ ル酸 174部、 n — ドデシルメルカブタ ン 36部、 および 2, 2 '—ァゾビスイ ソ プチロニ 卜 リ ル 0.42部からなる重合性単量体混合物を 1 時間 かけて.滴下、 重合した。 滴下終了後、 還流状態で 1 時間熟成 を行ない、 固形分 53.9%の重合体 [I] の溶液を得た。 該重合 体 [1】 は下記一般式で代表される構造を有する、 酸価 645 、 数平均分子量 1200の白色粉末状物質であった。
し 12 H 25 S - ( し H 2 _ し x ) i 4 H
C 0 0 H 参考例 2 (重合体 [Γ]の製造法)
参考例 1 と 同様のフラスコ にィ ソプロ ピルアルコール 180 部を仕込み、 窒素を吹き込みながら 8ΓΟまで内温を上げて、 イ ソプロ ピルアルコールを 10分間還流させた。 続いて予め用 意しておいたアク リ ル酸 142部、 アク リ ル酸ラ ウ リ ル ト リ デ シル (混合物) 16.6部、 スチ レ ン 6.2部、 n — ドデシルメ ル カプタ ン 28部、 メ チルアルコール 5.5部および 2, 2'— ァゾビ スイ ソプチロニ ト リ ル 0.11部からなる重合性単量体混合物を 3時間かけて滴下、 重合した。 滴下終了後、 還流状態で 1 時 間熟成を行い、 固形分 50.6%の重合体 [Γ]の溶液を得た。 該 重合体 ']は下記一般式にて代表される構造を有する、 酸価 474 、 数平均分子量 1500の白色粘稠物であった。
C12H25S- (CH2-CH) 15- (CH2-CH) 1 /2- (CH2- CH) 1 /2H
C00H C00R , R2
R I : C 1 2 H 2 5 又は C i 3 H 2 7
R 2 : 6 H 5
比較参考例 1 (重合体 [ΓΊの製造法)
参考例 1 と同様のフラスコにイ ソプロ ピルアルコール 180 部を仕込み、 窒素を吹き込みながら 81eCまで内温を上げて 10 分間還流させた。 次に予め用意しておいたアク リ ル酸 10部、 メタク リ ル酸 2-ヒ ドロキシェチル 120 部、 メ夕ク リル酸メチ ル 40部、 アク リ ル酸 n -ブチル 20部、 スチレン 10部および 2, 2'—ァゾビスイ ソプチロニ ト リ ル 4部からなる重合性単量体 混合物を 3時間かけて滴下、 重合した。 滴下終了後、 還流状 態で 1 時間熟成を行い、 固形分 52.9%の比較用重合体 [ ]の 溶液を得た。 該重合体 [ΓΊは酸価 38、 数平均分子量 7500の白 色樹脂状物質であつた。
実施例 1
撹拌器、 還流冷却器、 窒素導入管、 滴下ロー ト、 温度計を 備えたセパラブルフラスコに純水 70.0部、 参考例 1 で得られ た重合体 [1】 の溶液 1.4部を仕込み、 25%アンモニア水 0.6 部を加えて中和し、 乳化剤と した。 ゆるやかに窒素ガスを吹 き込みながら撹拌下に 65°Cまで昇温した。 しかる後、 4-メタ ク リ tiィルォキシー 2, 2, 6, 6 —テ トラメチルピペリ ジン 0.3 部、 シクロへキシルメ タク リ レー ト 30.0部、 t ーブチルシク 口へキシルメ タ ク リ レー ト 20.0部、 メチルメ タ ク リ レー ト 10.0部、 2 —ェチルへキシルァク リ レー ト 35.7部、 グリ シジ ルメタク リ レー ト 4.0 部からなる重合性単量体成分に、 参考 例 1 で得られた重合体 [I] の溶液 4.2 部を 25%ァンモニァ水
1.8部を加えて中和した乳化剤水溶液および純水 24.5部を加 ぇプレエマルシ ョ ン混合物と した。 そのう ち 10%をフラス コ に滴下し、 続いて 2 , 2 '—ァゾビス ( 2 — ア ミ ノ ジプロ ノ ン) 二塩酸塩の 5 %水溶液 4.0部を添加した。 10分後残り のプレ エマルシ ヨ ン混合物を 3時間にわたって均一に滴下した。 滴 下中は温度を 65〜70°Cに保持し、 さ らに滴下終了後同温度で 1 時間撹拌しながら熟成し、 固形分 50%、 粘度 2000cpsの共 重合体水分散液(1) を得た。
実施例 2〜 9
実施例 1 において、 参考例で得られた重合体と重合性単量 体の種類および使用量を第 1 表に示した様に変更した他は実 施例 1 の記載手順に従って共重合体水分散液 (2)〜(9) を調 製した。
実施例 1Q〜: 12
実施例 1 において、 重合性単量体の種類および使用量を第 1 表に示した様に変更した他は、 実施例 1 の記載手順に従つ て共重合体水分分散液 (10)〜(12)を調整した。 この時凝集物 の発生が認められたが、 ろ過は可能であった。
実施例 13〜 15
実施例 1 において、 重合体 [I] を使用するかわ り に参考例 2 で得られた重合体 [Γ ]の溶液を同量使用 し、 重合性単量体 の種類および使用量を第 1 表に示した様に変更した他は、 実 施例 1 の記載手順に従って共重合体水分散液(13)〜(15)を調 整した。
第 1 表 実 施 例
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 共重 A体水分! ¾夜 (1) (2) (3) (4) is) ( )
\l/ 3) (14) (15)
4ー タウ Ιΐπィ 1ォ —ク c c 4. u 4. U o. U 1. U 4.0 l.O l.O 2.0 2.0 1.0 1.0 2.0 1.0 1.0
-テトラメチルビペリジン
4-メタクリロイルォキシ -1,2, 2, 6, 6 2.0 1 0 0· u X. u
-ぺ劇賺ン
4-メタクリロイルァミノ, 2, 2, 6, 6 一 一 2.0 1.0 一 2.0 2.0
-テトラメチルピペリジン
シクロへキシルメタクリ ト 30.0 50.0 60.0 20.0 50.0 55.0 40.0 50.0 40.0 35.0 35.0 20.0 35.0 35.0 20.0
't-詹クロへキシルメタクリトト 20.0 10.0 30.0 in n \J 2fl n
タクリ ト 10.0 ― 35.0 一 6.0 12.0 9.0 12.5 12.0 9.0 12.5
Λプレノ 9.0 12.5 9.0 12.5 ドデシルトリデシルァクリトト
10.0 25.0 45.0 10.0 25.0 45.0 (混 勿)
ヒドロキシェチルタクリ k "ト 5.0 5.5
2-ェチ ΛΑキジルァクリ ト 35.7 34.0 27.0 32.0 16.0 35.0 20.0 20.0 20,0 39.0 20.0 8.0 39.0 20.0 8.0 η-ブチルァクリ ト 10.0 15.0 10.0
グリシジルメタクリ ト 4.0 2.0 5.0 4.0 2.0 0.5 10.0 5.0 5.0 2.0 1.0 1.0 2.0 1.0 1.0
2-ィ! /プロぺニル -2-才キサゾリン 5.0
重合体 [I] 溶液 5.6 5.6 5.6 5.6 5.6 5.6 5,6 1.4 11.2 5.6 5.6 5.6
重合体 [Γ]溶液 5.6 5.6 5.6 固形分 ( ) 50 50 50 50 50 50 50 50 50 50 50 50 50 50 50 重合時安定性 離 餅 mi- mi- mi- 鮒 mi-辦 mi- 離 劍子
比較例 1 〜 4
実施例 1 において、 重合性単量体の種類および使用量を第 2表に示した様に変更した他は実施例 1 の記載手順に従って 共重合体水分散液(1')〜(4')を調整した。
比較例 5
実施例 1 において、 重合性単量体の種類および使用量を第 2表に示した様に変更した他は、 実施例 1 の記載手順に従つ て乳化共重合を行なったが、 滴下の後半で凝集物が多量に発 生し、 重合続行が不可能な状態と なった。
比較例 6
実施例 1 において、 重合体 [I] を使用するかわ り に比較参 考例で得られた比較用重合体 [ΓΊの溶液を同量使用する他は 実施例 1 の記載手順に従って乳化共重合を行なったが、 滴下 の後半で凝集物が多量に発生し、 重合続行が不可能な状態と なった。
比較例 7
撹拌器、 還流冷却器、 窒素導入管、 滴下ロー ト 、 温度計を 備えたセパラブルフ ラス コ に、 純水 70.0部、 ノ ニポ一ル 200
[三洋化成 (株) 製 : ポ リ オ キ シエチ レ ン ノ ニルフ ヱ ニル エーテル〗 1.5部、 ニ ューポール PE-68 [三洋化成 (株) 製
: ポ リ オキシエチ レ ング リ コ一ル Zポ リ オキシプロ ピ レ ング リ コール/ポ リ オキシエチ レ ング リ コール · ト リ ブ口 ッ ク共 重合体] 0.3 部を仕込んだ後、 ゆるやかに窒素ガスを吹き込 みながら撹拌下に 65でまで昇温した。 しかる後、 4-メ タ ク リ Ώ ィ ルォキシ - 2 , 2, 6, 6 - テ ト ラ メ チルピペ リ ジ ン 2.0部、 4 -
メタク リ コイ ルォキシ -1, 2, 2, 6, 6- ペンタメ チルピペリ ジン 1.0部、 シクロへキシルメタク リ レー ト 30.0部、 七一ブチル シクロへキシルメタク リ レー ト 15.0部、 ヒ ドロキシェチルメ タ ク リ レー 卜 10.0音 、 2 -ェチルへキシルァク リ レー ト 25.0 部、 n—ブチルァク リ レー 卜 10.0部、 グ リ シジルメ タ ク リ レー 卜 7.0部からなる重合性単量体成分に、 ノニポール 200 (3.0) 部、 ニューポール PE-68 (0.8)部および純水 27.5部を加 えてプレエマルシヨ ン混合物と し、 3時間にわたって滴下し た。 この間と 5.0%過硫酸アンモニゥム水溶液 6.0部と 5:0 %亜硫酸水素ナ ト リ ウム水溶液 3.0部を 10分毎にプレエマル シヨ ン滴下終了まで分割してフ ラスコに滴下した。 滴下中は 温度を 65〜70°Cに保持し、 さ らに滴下終了後同温度で 1 時間 撹拌しながら熟成して、 固形分 50%、 粘度 lOOOcpsの共重合 体水分散液(7')を得た。
比鉸例 8
実施例 1 において、 重合性単量体の種類および使用量を第 2表に示した様に変更した他は、 実施例 1 の記載手順に従つ て乳化共重合を行なった。 反応終了後、 45°Cまで冷却し、 ジ ェチルァミ ン 1.6部を添加して共重合体水分散液(8')を調製 した。
比較例 9
比較例 7において、 重合性単量体の種類および使用量を第 2表に示した様に変更した他は、 比較例 7の記載手順に従つ て乳化共重合を行ない、 共重合体水分散液(9 ')を調製した。
第 2 表
比レレ
単交
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 離合体水分謹 (Γ) (2') (3') (4') (5') (6*) (7') (8') (9') (ΐο·) (11')
4- タク iJnィ )1ォキシ一 2 2 6 6 8.0 1 « 0リ 2 0 2.0 5 0 2 0 9 Qリ 1 n
-テトラ層ペリジン
4-メタクリロイルォキシ -1, 2, 2, 6, 6 一 3.0 1.0 ― 一 一 1.0 一 一 一 一
-ぺ: /夕層ペリジン
4-メタクリロイルァミノ- 2, 2, 6, 6 ― 4.0 ― 一 2.0 ― ― ― 一 一 ―
-テトラメチルビペリジン
シクロへキシルメタクリ ト 50.0 60.0 2.0 35,0 10.0 55.0 20.0 30.0 一 40.0 10.0 t-ブチルシクロへキシルメタクリ 卜 10.0 25· 0 20.0 15.0 20· 0 一 — 一 メチルメタクリ ~ト ― 50.0 一 一 一 10.0 10.0 50.0 14.0 8.0 鲁 -'、 、
卜ァシルトリァシル, き
ァクリ ト 2.0 80.0 ヒドロキジェチルメタクリ ト ― 3.0 6.0 一 ― 5.0 10.0 一 10.0 一 一
2-ェチ ΛΑキシルァクリ ト 30.0 20.0 25.0 38.0 10.0 30.0 10.0 15.0 10.0 40.0 一 n-プチルァク1 /"卜 5.0 10.0 10.0 25.0 20.0 30 0
グリシ'ン'ルメタクリ ト 5.0 2.0 5.0 41.0 5.0 7.0 5.0 2.0 1.0
2-ィ、ノブ口 ル -2-ォキサゾリン 一 5.0
重合体 [1】 溶液 5.6 5.6 5.6 5.6 5.6 5.6 5.6 5.6 比較用重合体 [Γ]溶液 5.6
ノニポール 200 4.5 4.5
ニューボ一ル PE-68 1.1 1.1
ジェチルァミン 1.6
固形分 (%) 50 50 50 50 50 50 50 50 50 50 45 重合時安定性 mi- mi- 子 mi- 子 離 離 良 好
比較例 10〜; LI
実施例 1 において、 重合性単量体の種類および使用量を表 2に示した様に変更した他は実施例 1の記載手順に従つて共 重合体水分散液(10') 〜(11') を調整した。 この時、 共重合 体水分散液(11') には凝集物の発生と ともに、 未反応の重合 性単量体が多量に認められたため、 使用不可能となった。
耐候性評価方法
実施例 1 〜 15および比較例 1 〜 11で得られた共重合体水分 散液の内使用可能な (1) 〜(15), ')〜(4' ) , (7')〜(10') を用いて、 下記組成の白塗料を調製した。
脱イ オ ン水 64.6 デモール EP 〖花王 (株) 製] 2.0 ノ ブコ 8034 [サ ンノ ブコ (株) 製] 0.3 酸化チタ ン (ルチル型) 60.0 共重合体水分散液 · 146.7 ブチルセ口 ソルブ 15.0 5%アデ力 ノ ール UH-420 [旭電化 (株) 製] 1.0 合計 284.1 (部) 得られた塗料をフ レキシブルボー ド上に、 乾燥膜厚約 80 mの塗膜と なる様に塗布した。 23°C · 65% Rh条件下で 7 曰間 乾燥したテス ト ピースを用いて促進耐候性試験 (サ ンシャ イ ン ゥ ヱザォメータ一) を行なっ た。 結果を第 3表および第 4 表 Vし 不しに。
初期乾燥性の評価方法
実施例 1 〜 15および比較例 1 〜 11で得られた共重合体水分 散液の内使用可能な (1) 〜(15), (1')〜(4') , (7')〜(10') を用いて、 それぞれの共重合体水分散液 100.0重量部に対し てプチルセ口 ソ ルブ (成膜助剤) を 10.0部添加し、 ガラス板 上にアプリ ケータ一で乾燥後の膜厚が約 30 At mになるよ う に 塗布した。 23°C · 65% Rhの条件で 0 〜 3時間乾燥し、 乾燥時 闆毎に脱イ オ ン水にテス ト ピースを浸漬して、 塗膜の水への
再分散性を判定し、 塗膜乾燥性を評価した。 結果を第 3表お よび第 4表に併記した。
評価 ◎ : 異状なし
〇 : ほとんど再分散しない
Δ : 一部再分散する
X : ほとんど塗膜が残っていない
塗膜汚染性の評価方法
耐候性試験で調整した同様の白塗料をフ レキシブルボー ド 上に、 乾燥膜厚約 の塗膜となる様に塗布した。 23 eC · 65 % Rh条件下で 0〜 7 日間乾燥したテス 卜 ピースを用い、 乾 燥時間毎に塗膜表面の汚染性をカーボンブラ ッ クを用いて試 験した。 汚染性の評価はカーボンブラ ッ クによる塗膜の着色 の程度で行なった。 結果を第 3表および第 4表に併記した。
評価 ◎ : 汚染しない
〇 : う つすら と色がつく
△ : 薄いが明らかに着色している
X : かな り着色している
第 3 表
±t莆合 促進耐候性 初期乾燥性(再分散性) 耐汚染性(塗瞧燥性) 齷分 光啊寺率 30分 1時間 3時間 3時間 1曰後 3曰後 5曰後 7曰後
1%)
1 ( 1 ) 95 < u~© © ◎ 〇 © © ◎ ◎
2 (2) 95 < CD 〇〜◎ ◎ 〇 ◎ © © ©
3 (3) 95 < 〇 〇 〇〜◎ ◎ ◎
4 (4) 95 < 〇 〇 〇〜◎ © © 実
5 (5) 95 < 〇 〇〜◎ ◎ 〇 © © ◎
6 (6 j 95 < 〇 〇〜◎ ◎ 〇 ◎ ◎ ◎ ◎
7 (7) 95 < ϋ <Ρ © © o © ◎ ◎ 施 8 (8) ο O o Q o Q Ό y ( 9 ) y o t <
in u f 、in)ノ Q 〇 〇〜◎ ◎ 〇 〇〜◎ © © ©
11 (11) 95< 〇 © © 〇 © © © ◎ 例
12 (12) 95< 〇 〇〜◎ ◎ 〇 〇〜◎ © © ©
13 (13) 95< 〇 © ◎ 〇〜◎ © ◎ ◎ ©
14 (14) 95< 〇〜ο © ◎ 〇 © ◎ © ©
15 (15) 95< 〇 ◎ © 〇 © © © ©
第 4 表 促進耐候性 初期乾燥性(再分散性) 耐汚染性(塗膜乾燥性)
ί本汞芬
te液 光職寺率 30分 1時間 3時間 3時間 1日後 3曰後 5曰後 7曰後
(%)
1 (ΐ') 55 厶〜〇 〇 ◎ Δ 〇 © © ◎
2 (2') 70 Δ 〇 © Δ 厶〜〇 © © ◎ 比
3 (3') 60 Δ 厶〜〇 〇〜◎ Δ 〇 〇〜◎ © ©
4· (4') 95< χ〜Δ 厶 〇 X X〜厶 Δ 〇 ◎ 較
7 (7') 95< X Δ 〇 X X 厶〜〇 〇 ©
8 (8') 40 Δ 〇 © Δ 〇 〇〜◎ ◎ © 例
9 (9') 20 X X〜厶 Δ X X X〜厶 厶〜〇 〇〜◎
10 (10') 95< 〇〜◎ 〇〜◎ © 〇〜◎ ◎ © ◎ ©
耐水白化性試験方法
初期乾燥性の評価の時と 同様に して 1 日乾燥した もの と 7
日乾燥したものをテス 卜 ピース と し、 2 3。Cの純水中に 3 日間
浸潰し、 塗膜の白化度を目視観察した。 結果は第 5表および
第 6表に示した。
〇 わずかに蛍光色を帯びる
Δ : 全体に青白い蛍光色
x : 白化する
耐温水白化性試験方法
耐水白化性の評価の時 と 同様に してテス ト ピース を調整
し、 6 0 eCの温水中に 1 日間浸漬し、 塗膜の白化度を目視観察
した。 評価基準は耐水白化性と 同様である。 結果は第 5表お
よび第 6表に併記した。
吸水率および水中溶出率試験方法
初期乾燥性評価の時と 同様手順で成膜助剤を添加し、 テフ
ロ ン板上に乾燥後の膜厚が約 1 0 0 μ mになるよ う にキャステ
吸水率 (% ) = 1 0 0 · ( W i 一 W。 ) Z W。 出率 (% ) = 1 0 0 · (W。 一 W2 ) W。
第 5 表 耐水白化性 耐温水白化性 吸水率 (%) 溶出率 (%)
1日後 7曰後 3時間 1日後 1曰後 7日後 1日後 7曰後
1 (1) 〇〜◎ 〇〜◎ 〇〜◎ ◎ 4. 7 4. 5 0. 1 0. 1
2 (m2) © © © ◎ 4. 6 3. 8 0. 1 0. 2
3 (3) 〇〜◎ ◎ 〇 〇 5. 0 4. 6 0. 2 0. 2 実 4 (4) © © 〇〜◎ 〇〜◎ 5. 2 4. 2 0. 2 0. 1
5 (5) 〇〜◎ 〇〜◎ ◎ © 4. 5 4. 8 0. 1 0. 2
6 (6) © ◎ 〇 〇 4. 8 4. 0 0. 1 0. 1
7 (7) © ◎ 〇〜◎ © 4. 0 4. 2 0. 1 0. 1
8 (8) 〇〜◎ ◎ 〇 〇〜◎ 3. 8 4. 4 0. 2 0. 1
9 (9) 〇〜◎ 〇〜◎ 〇 〇〜◎ 3. 3 4. 0 0. 2 0. 2
10 (10) 〇〜◎ 〇〜◎ 〇〜◎ 〇〜◎ 3. 8 4. 2 0. 1 0. 2 例 11 (11) © © 〇 〇〜◎ 3. 2 3. 6 0. 2 0. 2
12 (12) 〇〜◎ © © © 3. 0 3. 4 0. 2 0. 2
13 (13) © © 〇〜◎ © 3. 4 3. 9 0. 1 0. 2
14 (14) 〇〜◎ © © © 3. 4 3. 8 0. 2 0. 2
15 (15) © ◎ © © 3. 0 3. 5 0. 1 0. 1
第 6 表 耐水白化性 耐温水白化性 吸水率 (%) 溶出率 (%)
1曰後 7曰後 3時間 1曰後 1曰後 7曰後 1曰後 7曰後
1 (Γ) ◎ © 〇 © 4. 6 3. 6 0. 3 0. 2
2 (2') 〇 〇 Δ 厶〜〇 5. 8 4. 9 0, 3 0. 3 比
3 (3') 〇 © 〇 〇〜◎ 5. 2 4, 8 0. 4 0. 1
4 (4') X〜厶 X〜厶 X X 31. 8 26. 9 3. 3 3. 1 較
7 (7') X X〜厶 X X 15. 2 13. 9 2. 2 2. 4
8 (8') 〇 ◎ 厶〜〇 〇〜◎ 8. 8 8, 8 1. 3 0. 8 例
9 (9') X χ〜Δ X X 18. 1 15. 5 3. 9 3, 3
10 (ιο') 〇〜◎ ◎ © © 3. 8 4. 3 0. 2 0. 2
撥水性の評価方法
実施例 1 〜 15および比較例 1 〜 11で得られた共重合体水分 散液の内使用可能な (1) 〜(11), (1 ') 〜(4'), (7') 〜(10 ') についてそれぞれの共重合体水分散液 100.0 重量部に対 し て、 プチルセ口 ソルブ (成膜助剤) を 10.0部添加し、 ガラス 板上にアプリ ケーターで乾燥後の膜厚が約 30 mになるよ う に塗布した。 110 °Cで 10分間乾燥成膜させてテス ト ピースを 作成し、 塗膜表面の接触角を測定した。 接触角の測定は、 自動接触角計 C A - Z型 ( (株) エルマ製) によ り 、 11ザ一 ジ針 (外径 0.7mm,内径 0.4mm ) を用いて行なった。 またテス ト ピースを 23 °C脱イ オ ン水中に 3 日間浸漬したのち、 23 °C · 65% Rh条件下で 1 日間乾燥し、 同様に接触角を測定した。 結 果を第 7.表および第 8表に併記した。
耐衝撃性評価方法
初期乾燥性の評価の時と 同様の手順で成膜助剤を添加し、 鋼板上にアプ リ ケータ一で乾燥後の膜厚が約 100 μ mになる よ う に塗布した。 23°C · 65% Rh条件下で 3 日間乾燥したもの をテス ト ピース と し、 デュポン式落下衝撃試験によ り先端径 が 1/2イ ンチの lkg および 500g の落体を用いて耐衝撃性を 評価した。 結果を第 7表および第 8表に併記した。
評価 〇 : 異状な し
△ : 塗膜に微細なク ラ ッ クが発生
X : 塗膜が割れ、 はがれがおこ る
第 7 表 接触角 耐衝擊性(1kg: 怪½インチ) 耐衝擊性 (500 :怪½インチ) 景芬
腿 水浸漬前 水浸漬後 50cm 40cm 30cm 50cm 40cm 30cm
1 (1) 78 82 X X X X X 厶
2 (2) 80 83 X X X X X Δ
3 (3) 78 80 X X X X X Δ 実 4 (4) 75 78 X Δ 〇 〇 〇 〇
5 (5) 77 79 X X X X X Δ
6 (6) 80 82 X X X X X 厶
7 (7) 76 80 X X X Δ 〇 〇 施
8 (8) 75 79 X X X X X Δ
9 (9) 76 78 X X X X X 厶
10 (10) 84 92 厶 〇 〇 〇 〇 〇 例 11 (11) 86 97 〇 〇 〇 〇 〇 〇
12 (12) 88 98 〇 〇 〇 0 〇 〇
13 (13) .84 93 〇 〇 〇 〇 〇 〇
14 (14) 86 96 〇 〇 〇 〇 〇 〇
15 (15) 87 98 〇 〇 〇 " 〇 〇 〇
第 8 表 iィt,、半萆合 接触角 耐衝撃性 (lkg: 径½インチ) 耐衝撃性(500 :径½インチ) 体水芬
水浸漬前 水浸漬後 50cra 40cm 30cm 50cm 40cm 30cm
1 (1') 77 81 X X X X X Δ
2 (2') 76 79 X X X X X Δ 比
3 (3') 73 75 〇 〇 〇 〇 〇 〇
4 (4') 78 80 X X X X X Δ 較
7 (7') 73 74 X X Δ 〇 〇 〇
8 (8') 75 77 X X X X X Δ 例
9 (9') 76 79 〇 〇 〇 〇 〇 〇
10 (10 79 84 X X Δ 〇 〇 〇
產業 hの利用可能性
本発明の高耐候性一液架橋型エマルシ ヨ ンは、 特定乳化剤 の存在下で、 特定組成の重合性単量体成分を乳化重合させて 得られるので、 耐水性、 初期乾燥性、 長期の耐候性に著し く 優れており、 光沢保持性、 耐クラッ ク性、 耐ブリスター性、 耐黄変性においても満足することのできる塗膜が得られる。 また顔料分散性にも優れているので、 公知の顔料分散法によ り無機および有機の顔料を分散して着色塗料とするこ ともで きる。
本発明の高耐候性一液架橋型エマルシヨ ンは、 上記効果の 他、 光沢、 肉持性、 耐溶剤性に優れた塗膜を形成するこ とが でき、 さら-に優れた作業性を有するものであり、 家電製品、 鋼製機器、 大型構造物用、 自動車用、 建築、 建材あるいは木 ェ用等の広い用途に使用できる。