JPH11152439A - 水性重合体被覆組成物 - Google Patents

水性重合体被覆組成物

Info

Publication number
JPH11152439A
JPH11152439A JP9335087A JP33508797A JPH11152439A JP H11152439 A JPH11152439 A JP H11152439A JP 9335087 A JP9335087 A JP 9335087A JP 33508797 A JP33508797 A JP 33508797A JP H11152439 A JPH11152439 A JP H11152439A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
vinyl
coating composition
monomer
weight
aqueous polymer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP9335087A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoshiharu Wakesu
喜治 分須
Kazuo Hoshino
一夫 星野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Saiden Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Saiden Chemical Industry Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Saiden Chemical Industry Co Ltd filed Critical Saiden Chemical Industry Co Ltd
Priority to JP9335087A priority Critical patent/JPH11152439A/ja
Publication of JPH11152439A publication Critical patent/JPH11152439A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Polymerisation Methods In General (AREA)
  • Paints Or Removers (AREA)
  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 塗料やコーティング用として使用される水分
散液組成物の泡立ちが少なく、貯蔵安定性に優れ、しか
も長期の保存後も塗膜の耐水性、耐候性、および基材へ
の付着性が低下することの少ない水性重合体被覆組成物
の提供。 【構成】 特定の不飽和基含有高分子量乳化剤0.1〜
10重量部の存在下にビニル重合性単量体99.9〜9
0重量%と、カルボキシル基含有ビニル単量体0.1〜
10重量%からなる単量体混合物100重量部を乳化共
重合させて得られる共重合体水分散液と、非ビニル重合
性シランカップリング剤0.1〜10重量部とからなる
水性重合体被覆組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、塗料、コーティング用
に適した低起泡性で貯蔵安定性が極めて良く、耐水性、
耐候性、付着性に優れた塗膜を与える水性重合体被覆組
成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】乳化重合により得られる水分散液組成物
は、従来の有機溶剤型の組成物に比べて、引火性や毒性
が少なく、安全かつ経済的であり、取扱いが容易なた
め、塗料、接着剤、各種のコーティング剤として広範囲
な分野に使用されている。
【0003】しかし、水分散液組成物を上記用途に使用
する際に大きな欠点がある。水分散液組成物は、製造時
に乳化剤を使用することが必須であるため、耐水性の低
下や、起泡性に起因するピンホ−ルの問題等が生じる。
そこでこれらの問題を解決するため、各種の共重合性乳
化剤が使用されている。例えば、特公昭51−4415
7号公報では、水酸基とスルホン酸塩を有する不飽和カ
ルボン酸エステルを乳化剤として乳化重合する方法。特
公昭51−44158号公報では、乳化剤としてアルキ
ルスルホン酸基を有するマレイン酸アルキルエステルを
使用する方法。特開昭51−30285号公報では、フ
マ−ル酸誘導体の共重合性アニオン乳化剤の存在下にエ
チレン性不飽和単量体を重合して得られる重合体。特開
昭60−181111号公報では、(メタ)アクリル酸
スルホアルキルエステル塩なるアニオン性の重合性乳化
剤の存在下で、エチレン性不飽和単量体を重合してなる
組成物。特開昭61−223011号公報では、アリル
アルコ−ルのアルキレンオキサイド付加物硫酸エステル
塩の存在下で、エチレン性不飽和単量体を重合してなる
組成物等がそれぞれ開示されている。これらの共重合性
乳化剤は、必ずしも単量体との共重合性が十分でないた
め、未重合物は、通常の非重合性乳化剤を使用した場合
と同じように塗膜の耐水性低下や起泡の原因となり、満
足できるものではなかった。
【0004】一方、水分散液組成物中にシリコ−ンを導
入することは、被塗物の耐水性、付着性、耐候性、耐薬
品性を高めるため望ましいものである。例えば、特開昭
57−63316号公報では、アクリル酸アルキルエス
テル、メタクリル酸アルキルエステルおよび/またはス
チレン、エチレン性不飽和カルボン酸および加水分解型
ビニルシランからなる共重合体。特開昭60−1811
75号公報では、加水分解性ビニルシラン単量体とエチ
レン性不飽和単量体を水性媒体中で重合することにより
得られる被覆組成物。特開昭62−267374号公報
では、飽和脂肪族アルコキシシランの存在下にエチレン
性不飽和単量体を乳化重合せしめて得られる水性エマル
ジョン。特開平2−308801号公報では、ビニル基
とシロキサン基を含有する単量体と界面活性ビニル単量
体を使用して得られる水性分散物等が開示されている
が、いずれも水分散液の経時変化が有り、保存期間が長
くなるにつれて塗膜物性(耐水性、造膜性、付着性等)
が低下する問題がある。
【0005】
【発明の解決しようとする課題】従って、本発明は、水
分散液の泡立ちが少なく、貯蔵安定性に優れ、しかも長
期の保存後も塗膜の耐水性、耐候性、および、基材への
付着性が低下することの少ない水性重合体被覆組成物を
提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の問
題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、特公昭62−6
1049号公報に開示されている不飽和基含有高分子量
乳化剤の存在下にビニル重合性単量体混合物を乳化共重
合させて得られる共重合体水分散液が、極めて低起泡性
で、耐水性に優れた塗膜を与えることを見い出し、更
に、非ビニル重合性シランカップリング剤を使用するこ
とで、塗料などの各種コ−ティング用として貯蔵安定性
が良く、耐水性、耐候性、付着性に優れた塗膜性能を与
え得る本発明の被覆組成物を完成させた。
【0007】即ち、本発明は、主成分が一般式
【化1】(式中、kは、2〜6の整数、mは、2〜12
の整数、nは、2〜12の整数を示す。)で示される不
飽和基含有高分子量乳化剤0.1〜10重量部の存在下
にビニル重合性単量体99.9〜90重量%とカルボキ
シル基含有ビニル単量体0.1〜10重量%からなる単
量体混合物100重量部を乳化共重合させて得られる共
重合体水分散液と、非ビニル重合性シランカップリング
剤0.1〜10重量部とからなる水性重合体被覆組成物
である。更に、該シランカップリング剤がエポキシ系シ
ラン化合物、または、アミノ系シラン化合物であり、更
にまた、該シランカップリング剤を単量体混合物に溶解
させて乳化重合させてなる水性重合体被覆組成物であ
る。
【0008】本発明に使用される不飽和基含有高分子量
乳化剤は以下の三段階の反応により合成できる。先ず、
炭素数が8または9個のアルキル基を有するアルキルフ
ェノ−ルのエチレンオキサイド付加物(2〜12モルの
エチレンオキサイド鎖を有する)と、無水マレイン酸と
を等モル反応させて不飽和カルボン酸のモノエステルを
合成する。次にこのモノエステル2モルに、炭素数2〜
6個の1級アルコ−ルのジオ−ル1モルを反応させてジ
エステル化合物を合成する。最後に、このジエステル化
合物1モルに対して、酸性亜硫酸塩を1モル付加反応さ
せて本発明に使用する不飽和基含有高分子量乳化剤を得
る。該乳化剤の使用量は、単量体混合物100重量部当
たり、0.1〜10重量部である。0.1重量部より少
ない場合には、乳化重合の安定性が悪く、またその他の
公知の乳化剤を併用した場合にも泡立ち易くなり好まし
くない。10重量部より多い場合には、塗膜の耐水性が
低下する。より好ましい使用量は、0.5〜5重量部で
ある。その他の公知の重合性乳化剤や通常のアニオン性
乳化剤との併用もできるが、その他の乳化剤の使用量
は、該乳化剤の量を超えてはならず、その他の乳化剤と
該乳化剤の合計量は10重量部以下である。
【0009】本発明に使用されるカルボキシル基含有ビ
ニル単量体は、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、無水
マレイン酸、イタコン酸、無水イタコン酸、クロトン
酸、および、マレイン酸、イタコン酸の炭素数1〜12
の直鎖または分岐鎖を有するアルコ−ルとのハ−フエス
テル等が挙げられ、これらの群より選ばれた1種または
2種以上を使用できる。好ましいカルボキシル基含有ビ
ニル単量体は、アクリル酸またはメタクリル酸である。
該ビニル単量体の使用量は単量体混合物の0.1〜10
重量%である。その使用量が、0.1重量%より少ない
場合は、乳化重合の安定性が低下し、塗膜の付着性も低
下する。10重量%より多い場合には、塗膜の耐水性が
低下する。より好ましい使用量は、0.5〜7重量%で
ある。
【0010】本発明に使用されるビニル重合性単量体
は、主成分が、スチレンおよび/または(メタ)アクリ
ル酸エステル系単量体よりなる。(メタ)アクリル酸エ
ステル系単量体としては、各種の単量体が使用でき、例
えば、メチル(メタ)アクリレ−ト、エチル(メタ)ア
クリレ−ト、n−ブチル(メタ)アクリレ−ト、イソブ
チル(メタ)アクリレ−ト、t−ブチル(メタ)アクリ
レ−ト、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレ−トオ、
シクロヘキシル(メタ)アクリレ−ト、ラウリル(メ
タ)アクリレ−ト、ステアリル(メタ)アクリレ−ト、
イソボニル(メタ)アクリレ−ト、ベンジル(メタ)ア
クリレ−ト等が挙げられ、これらの群より選ばれた1種
または2種以上を用いる。
【0011】本発明において、必要に応じてその他のビ
ニル重合性単量体を使用することも可能である。その他
のビニル重合性単量体としては、親水性基含有ビニル単
量体である(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メ
タ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミ
ド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミドなどの酸
アミド基またはN−アルキル基置換アミド基を含有する
ビニル単量体;ヒドロキシエチル(メタ)アクリレ−
ト、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレ−ト、グリセ
ロ−ル(メタ)アクリレ−ト、平均付加モル数4から1
00モルのポリオキシアルキレン鎖を有するポリエチレ
ングリコ−ルモノ(メタ)アクリレ−ト類またはポリプ
ロピレングリコ−ルモノ(メタ)アクリレ−ト類などの
ヒドロキシル基を含有するビニル単量体等が挙げられ
る。また上記以外のビニル単量体としてα−メチルスチ
レン、クロロスチレン、4−ヒドロキシスチレン、ビニ
ルトルエン、(メタ)アクリロニトリル、酢酸ビニル、
プロピオン酸ビニル、バ−サチック酸ビニル等も挙げら
れる。更にジビニルベンゼン、ジアリルフタレ−ト、エ
チレングリコ−ルジ(メタ)アクリレ−ト、ジエチレン
グリコ−ルジ(メタ)アクリレ−ト、トリメチロ−ルプ
ロパントリ(メタ)アクリレ−ト等の2〜3個の二重結
合を有するビニル単量体;グリシジル(メタ)アクリレ
−ト、3,4−エポキシシクロヘキシル(メタ)アクリ
レ−ト、N−メチロ−ルアクリルアミドなどの反応性ビ
ニル単量体等も挙げられる。
【0012】本発明の水性重合体被覆組成物のガラス転
移温度(以下Tgと称する。)は、−40〜70℃であ
ることが望ましい。Tgが−40℃より低い場合は、耐
ブロッキング性が乏しく、塗膜物性を満たすことは困難
である。一般に、Tgが高い重合体水分散液には適性温
度で成膜させるため、成膜助剤が使用されている。Tg
が70℃より高い場合には、使用する成膜助剤の量が多
くなるため、塗膜強度の低下や経時で塗膜にクラックが
発生し易いなどの欠点がある。より好ましいTgは、−
20〜50℃である。ここで、水性重合体組成物のTg
は、該重合体が形成されるそれぞれの単量体の重量分率
を、それぞれの単量体から誘導される単一重合体のTg
(K:ケルビンで表す)値で割ることによって得られる
それぞれの商の合計の逆数として計算される。
【0013】本発明に使用される非ビニル重合性シラン
カップリング剤は、公知のエポキシ系シラン化合物、ま
たは、アミノ系シラン化合物から選ばれた1種または2
種以上が使用できるが、その中でも特に、エポキシ系シ
ラン化合物が好ましい。エポキシ系シランカップリング
剤としては、例えばβ−(3、4エポキシシクロヘキシ
ル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロ
ピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメ
チルジエトキシシラン等が、またアミノ系シランカップ
リング剤としては、例えばN−β(アミノエチル)γ−
アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエ
チル)γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ
−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−
γ−アミノプロピルトリメトキシシラン等があり、これ
らの群から選ばれた1種または2種以上を使用できる。
該シランカップリング剤の使用量は、上記単量体混合物
100重量部当たり0.1〜10重量部であり、0.1
重量部より少ない場合は、塗膜の耐水性、耐候性、付着
性が不足し、10重量部を多い場合は、本発明組成物の
貯蔵安定性が悪くなる。
【0014】該シランカップリング剤は上記の単量体混
合物に溶解して乳化重合させても良く、また該共重合体
分散液に配合して被覆組成物とすることもできる。好ま
しくは、単量体混合物に溶解して乳化重合させる方法で
ある。上記の方法にて得た水性重合体被覆組成物は、配
合する方法よりも耐水性、付着性がさらに向上する。
【0015】上記の不飽和基含有高分子量乳化剤の存在
下における単量体混合物の乳化共重合は、単量体混合物
にラジカル重合開始剤を用いて通常の乳化重合の方法で
行うことができる。また必要に応じて重合度調整剤、粒
子径調整剤等を使用することもできる。ラジカル重合開
始剤としては、熱または還元性物質等によってラジカル
を生成してビニル重合性単量体の付加重合を起こさせる
もので、水溶性または油溶性の過硫酸塩、過酸化物、ア
ゾビス化合物等がある。例えば、過硫酸カリウム、過硫
酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム、過酸化水素、t−
ブチルハイドロオキサイド、t−ブチルパーオキシベン
ゾエート、2.2−アゾビスイソブチロニトリル、2.
2−アゾビス(2−ジアミノプロパン)ハイドロクロラ
イド、2.2−アゾビス(2.4−ジメチルバレロニト
リル)等があり、より好ましくは水溶性のものである。
その使用量は、単量体混合物に対して通常0.05〜2
重量部である。なお、重合速度の促進、さらに低温での
重合を望む場合には、重亜硫酸ナトリウム、塩化第一
鉄、アスコルビン酸塩、ロンガリット等の還元剤をラジ
カル重合開始剤と組み合わせて用いることもできる。
【0016】更に、本発明の水性重合体被覆組成物に
は、流動性改良、ブロッキング防止等のため、必要に応
じて公知の添加物である成膜助剤、可塑剤、充填剤、顔
料、粘性調整剤、消泡剤、防腐剤、防黴剤、防藻剤、分
散剤、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤、凍結防止
剤、防炎剤、難燃剤、防錆剤等を本発明の効果を損なわ
ない範囲で配合して使用することもできる。
【0017】
【実施例】以下に、本発明を実施例において詳しく説明
するが、本発明はこれによって制限されるものではな
い。なお、実施例および比較例における部もしくは%と
あるのは、特にことわりない限り、重量部または重量%
を示す。
【0018】(不飽和基含有高分子量乳化剤(A)の製
造例)無水マレイン酸98g(1モル)にノニルフェノ
−ルのエチレンオキサイド5モル付加物440g(1モ
ル)を混合して約55℃に加熱し、マレイン酸のモノエ
ステルを生成せしめる。次いで該マレイン酸のモノエス
テル538g(1モル)とエチレングリコ−ル31g
(1/2モル)を約180℃に加熱して脱水反応を行わ
せ、不飽和ラジカルを2個含有するジエステルを生成さ
せる。その後、該ジエステル551g(1/2モル)に
酸性亜硫酸のナトリウム塩52g(1/2モル)を含む
水溶液(50%濃度)を加えて、約100℃に加熱する
ことによって不飽和ラジカル1個とスルホン酸ナトリウ
ム塩1個を含有する不飽和基含有高分子量乳化剤を得
た。該乳化剤のケン化価は179.2、酸価は2.5、
エステル価は176.7(計算値186.1)でエプト
ン法による結合硫酸は6.1%(計算値6.6%)であ
った。
【0019】実施例1 予め、ビ−カ−にスチレン30部、メチルメタアクリレ
−ト36部、2−エチルヘキシルアクリレ−ト29部、
メタクリル酸5部、および前述の不飽和基含有高分子量
乳化剤(A)2部、γ−グリシドキシプロピルトリメト
キシシラン(商品名 信越シリコ−ンKBM−403
信越化学工業(株)製)3部、脱イオン水45部をとり
攪拌して乳化する。攪拌機、環流冷却器、および滴下ロ
−トを付した反応装置に、脱イオン水58.5部を仕込
み、内温を80℃まで昇温させる。予めビ−カ−に調整
した乳化物を5時間で滴下する。並行して脱イオン水で
10%に溶解した過硫酸アンモニウム3部を滴下する。
滴下終了後、2時間その温度に保った後、30℃まで冷
却し、25%アンモニア水を、1.5部添加し、固形分
濃度50%の水性重合体被覆組成物を得た。該組成物に
ついての性能結果を表1に示す。その結果、該組成物は
泡立ちが少なく、貯蔵安定性も優れていた。また、塗膜
の耐水性、耐候性、基材への付着性も良く、保存後の性
能の低下も見られないことが明らかである。
【0020】
【表1】
【0021】表中、単量体の種類を下記の略号で示し、
また共重合体の計算Tgは括弧内に示すそれぞれの単一
重合体のTgを用いた。 St : スチレン (Tg:100℃) MMA : メチルメタクリレート (Tg:105
℃) CHMA: シクロヘキシルメタクリレート (T
g:83℃) IBMA: イソブチルメタクリレ−ト (Tg:4
8℃) 2EHA: 2−エチルヘキシルアクリレ−ト (T
g:−70℃) MAAc: メタクリル酸 (Tg:185℃) 表中、乳化剤を下記の略号で示す。 A : 上記の不飽和基含有高分子量乳化剤(A) B : 反応性乳化剤として商品名 エレミノ−ルJ
S−2(三洋化成工業(株)製) C : 非反応性乳化剤として商品名 レベノ−ルW
Z(花王(株)製) 表中、シリコンは下記のシランカップリング剤である。 エポキシ系: 商品名 信越シリコ−ンKBM−403
(信越化学工業(株)製) ア ミ ノ系: 商品名 信越シリコ−ンKBE−903
(信越化学工業(株)製) アクリル系: 商品名 信越シリコ−ンKBM−503
(信越化学工業(株)製)
【0022】実施例2〜3 実施例1の単量体混合物を表1に示すように変更した以
外は、実施例1とまったく同様にして水性重合体被覆組
成物を作成した。結果は表1に示す。
【0023】実施例4 実施例1のメタクリル酸を3部、前述の不飽和基含有高
分子量乳化剤(A)を5部に変更し、計算Tgが30℃
になるように単量体組成物を組合せて、実施例とまった
く同様にして水性重合体被覆組成物を作成した。結果は
表1に示す。
【0024】実施例5 実施例1のγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラ
ン(商品名 信越シリコ−ンKBM−403 信越化学
工業(株)製)を6部に変更した以外は、実施例とまっ
たく同様にして水性重合体被覆組成物を作成した。
【0025】実施例6 実施例1のγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラ
ン(商品名 信越シリコ−ンKBM−403 信越化学
工業(株)製)をγ−アミノプロピルトリエトキシシラ
ン(商品名 信越シリコ−ンKBE−903 信越化学
工業(株)製)に変更した以外は、実施例とまったく同
様にして水性重合体被覆組成物を作成した。
【0026】実施例7 実施例2のγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラ
ン(商品名 信越シリコ−ンKBM−403 信越化学
工業(株)製)を単量体混合物に溶解するかわりに、水
性重合体被覆組成物に後添加する以外は、実施例1とま
ったく同様にして水性重合体被覆組成物を作成した。シ
ランカップリング剤を反応中に使用しても配合しても同
様な結果が得られ、その結果を表1に示す。
【0027】比較例1 実施例1のγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラ
ン(商品名 信越シリコ−ンKBM−403信越化学工
業(株)製)を除く以外は、実施例1とまったく同様に
して水性重合体被覆組成物を作成した。シランカップリ
ング剤を使用しないため、貯蔵安定性は良好であるが皮
膜性能が劣った。結果は表1に示す。
【0028】比較例2 実施例1の不飽和基含有高分子量乳化剤(A)を反応性
乳化剤アルキルアリルスルホコハク酸ナトリウム(商品
名 エレミノ−ルJS−2 三洋化成工業(株)製)に
変更する以外は、実施例1とまったく同様にして水性重
合体被覆組成物を作成した。結果は表1に示す。
【0029】比較例3 実施例1の不飽和基含有高分子量乳化剤(A)をポリオ
キシエチレンノニルフェニルエ−テル硫酸ナトリウム
(商品名 レベノ−ルWZ 花王(株)製)に変更する
以外は、実施例1とまったく同様にして水性重合体被覆
組成物を作成した。結果は表1に示す。
【0030】比較例4 実施例1のエポキシ系シランであるγ−グリシドキシプ
ロピルトリメトキシシラン(商品名 信越シリコ−ンK
BM−403 信越化学工業(株)製)をγ−メタクリ
ロキシプロピルトリメトキシシラン(商品名 信越シリ
コ−ンKBM−503 信越化学工業(株)製)に変更
する以外は、実施例1とまったく同様にして水性重合体
被覆組成物を作成した。結果は表1に示す。
【0031】[試験方法] 1.耐水性:JIS K−5400に準じ試験する。試
験塗膜作成方法は、クリヤ−で塗膜厚が20μなるよう
にガラス板に塗布後、室温20℃、湿度60%で1週間
乾燥させて試験片とする。上記で得た試験片を、水道水
に24時間浸漬後、塗膜状態を観察する。 ○:変化なし △:ブル−イング(半透明) ×:白化
またはブリスタ−(不透明) 2.耐アルカリ性:JIS K−5400に準じ試験す
る。試験塗膜作成方法は、耐水性に同じ。室温にて3%
NaOH水溶液に24時間浸漬後の塗膜状態を観察す
る。 ○:変化なし △:ブル−イング(半透明) ×:白化
またはブリスタ−(不透明) 3.耐候性:QUV試験機(ATLAS−UVCON:
東洋精機製作所製)にて試験。条件は、50℃で4時間
照射60℃で4時間湿潤を1サイクルとして、1、00
0時間後のグロスリテンションを調べる。試験塗膜作成
方法は、耐水性に同じ。 ○:80%以上 △:80〜50% ×:50
%以下 4.付着性:JIS K−5400碁盤目法に準じ試験
する。試験塗膜はガラス板とフレキシブルボ−ド(塗工
面をアクリル有機溶剤型シ−ラ−で下地処理)に塗布す
る。表中、保存後の付着性は基材フレキシルボ−ドへの
付着性について観察する。 ○:100/100 △:95/100以上 ×:
95/100以下 5.耐泡立ち性:水性重合体被覆組成物を 100ml
の共栓比色管に10mlをとり、脱イオン水を10ml
入れて、10回上下に強振させ、泡立ち具合を観察す
る。 ○:泡立ち少ない ×:泡立ち多い 6.貯蔵安定性:水性重合体被覆組成物を300mlガ
ラス容器に入れ密栓して、50℃の恒温槽に1週間保管
し、塗膜の性能、液状態、粘度変化を観察する。 ○:異常なし △:粘度値が1.5倍以上に上昇
【0032】
【発明の効果】実施例および比較例より明らかなよう
に、不飽和基含有高分子量乳化剤存在の下にビニル重合
性単量体とカルボキシル基含有ビニル単量体を乳化共重
合させて得られる共重合体水分散液と、非ビニル重合性
シランカップリング剤とからなる本発明の水性重合体被
覆組成物は、泡立ちが少なく、貯蔵安定性が極めて優
れ、長期の保存後に形成された塗膜においても耐水性、
耐候性、基材への付着性の低下がみられない優れた性能
を得ることができる。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成10年2月6日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0023
【補正方法】変更
【補正内容】
【0023】実施例4 実施例1のメタクリル酸を3部、前述の不飽和基含有高
分子量乳化剤(A)を5部に変更し、計算Tgが30℃
になるように単量体組成物を組合せて、実施例1とまっ
たく同様にして水性重合体被覆組成物を作成した。結果
は表1に示す。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0024
【補正方法】変更
【補正内容】
【0024】実施例5 実施例1のγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラ
ン(商品名 信越シリコーンKBM−403 信越化学
工業(株)製)を6部に変更した以外は、実施例1とま
ったく同様にして水性重合体被覆組成物を作成した。
果は表1に示す。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0025
【補正方法】変更
【補正内容】
【0025】実施例6 実施例1のγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラ
ン(商品名 信越シリコーンKBM−403 信越化学
工業(株)製)をγ−アミノプロピルトリエトキシシラ
ン(商品名 信越シリコーンKBE−903 信越化学
工業(株)製)に変更した以外は、実施例1とまったく
同様にして水性重合体被覆組成物を作成した。結果は表
1に示す。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0032
【補正方法】変更
【補正内容】
【0032】
【発明の効果】実施例および比較例より明らかなよう
に、不飽和基含有高分子量乳化剤の存在下にビニル重合
性単量体とカルボキシル基含有ビニル単量体を乳化共重
合させて得られる共重合体水分散液と、非ビニル重合性
シランカップリング剤とからなる本発明の水性重合体被
覆組成物は、泡立ちが少なく、貯蔵安定性が極めて優
れ、長期の保存後に形成された塗膜においても耐水性、
耐候性、基材への付着性の低下がみられない優れた性能
を得ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C09D 7/12 C09D 7/12 Z 125/08 125/08 133/08 133/08 133/10 133/10 //(C08F 220/10 212:08 220:38 220:06)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 主成分が一般式 【化1】 (式中、kは2〜6の整数、mは2〜12の整数、nは
    8または9の整数を示す。)で示される不飽和基含有高
    分子量乳化剤0.1〜10重量部の存在下にビニル重合
    性単量体99.9〜90重量%とカルボキシル基含有ビ
    ニル単量体0.1〜10重量%からなる単量体混合物1
    00重量部を乳化共重合させて得られる共重合体水分散
    液と、非ビニル重合性シランカップリング剤0.1〜1
    0重量部とからなる水性重合体被覆組成物。
  2. 【請求項2】 非ビニル重合性シランカップリング剤
    が、エポキシ系シラン化合物、または、アミノ系シラン
    化合物である請求項1記載の水性重合体被覆組成物。
  3. 【請求項3】 非ビニル重合性シランカップリング剤を
    単量体混合物に溶解させて乳化重合させてなる請求項1
    または2に記載の水性重合体被覆組成物。
JP9335087A 1997-11-19 1997-11-19 水性重合体被覆組成物 Pending JPH11152439A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9335087A JPH11152439A (ja) 1997-11-19 1997-11-19 水性重合体被覆組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9335087A JPH11152439A (ja) 1997-11-19 1997-11-19 水性重合体被覆組成物

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH11152439A true JPH11152439A (ja) 1999-06-08

Family

ID=18284634

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP9335087A Pending JPH11152439A (ja) 1997-11-19 1997-11-19 水性重合体被覆組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH11152439A (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010065098A (ja) * 2008-09-09 2010-03-25 Sk Kaken Co Ltd 水性被覆材
CN103857759A (zh) * 2011-10-11 2014-06-11 罗门哈斯公司 水性聚合物分散体
JP2015030787A (ja) * 2013-08-01 2015-02-16 サイデン化学株式会社 一液型水性シーラー用エマルション組成物および一液型水性シーラー用エマルション組成物の製造方法
JP2016508534A (ja) * 2013-11-18 2016-03-22 エルジー・ケム・リミテッド カルボン酸変性ニトリル系共重合体ラテックス組成物、この製造方法、及びこれを含むディップ成形用ラテックス組成物
JP2018053204A (ja) * 2016-09-30 2018-04-05 株式会社日本触媒 塗料用樹脂エマルション
CN110945038A (zh) * 2017-07-31 2020-03-31 陶氏环球技术有限责任公司 水性聚合物分散体

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010065098A (ja) * 2008-09-09 2010-03-25 Sk Kaken Co Ltd 水性被覆材
CN103857759A (zh) * 2011-10-11 2014-06-11 罗门哈斯公司 水性聚合物分散体
JP2015030787A (ja) * 2013-08-01 2015-02-16 サイデン化学株式会社 一液型水性シーラー用エマルション組成物および一液型水性シーラー用エマルション組成物の製造方法
JP2016508534A (ja) * 2013-11-18 2016-03-22 エルジー・ケム・リミテッド カルボン酸変性ニトリル系共重合体ラテックス組成物、この製造方法、及びこれを含むディップ成形用ラテックス組成物
US9820517B2 (en) 2013-11-18 2017-11-21 Lg Chem. Ltd. Carboxylic acid-modified nitrile-based copolymer latex composition, preparation method thereof, and latex composition for dip molding including the same
JP2018053204A (ja) * 2016-09-30 2018-04-05 株式会社日本触媒 塗料用樹脂エマルション
CN110945038A (zh) * 2017-07-31 2020-03-31 陶氏环球技术有限责任公司 水性聚合物分散体
CN110945038B (zh) * 2017-07-31 2023-05-23 陶氏环球技术有限责任公司 水性聚合物分散体

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20040143058A1 (en) Removable, water-whitening resistant pressure sensitive adhesives
WO1993010184A1 (fr) Emulsion de reticulation mono-emballage tres resistante aux intemperies
JP2000355602A (ja) 水性樹脂分散体
WO2011024759A1 (ja) 水性エマルジョン樹脂組成物およびそれを配合した塗料
JP3454564B2 (ja) 水性エマルジョン組成物およびその製造方法
JPH11152439A (ja) 水性重合体被覆組成物
JP2002012601A (ja) 塗料用水性重合体分散液の製造方法及びその分散液
JP6899641B2 (ja) 樹脂組成物
JP2004067749A (ja) 水性コーティング剤組成物
JP2009209182A (ja) 水性樹脂組成物および塗装物
JP3624236B2 (ja) 水性樹脂分散体
JP5211794B2 (ja) 耐アルカリ性バインダー樹脂組成物
JP3380059B2 (ja) アルコキシシリル基含有アクリル系エマルジョン
JP5515612B2 (ja) プラスチック塗料用樹脂組成物、水性重合体の製造方法、及びプラスチック塗料
JP2000273305A (ja) 水性エマルジョン、その製造法及び水性塗料
JP3736674B2 (ja) 無機系多孔質基材用水性下塗塗料組成物
JPH0860117A (ja) 架橋型アクリル系感圧接着剤
JP4514260B2 (ja) シリコン含有水性コーティング剤組成物
JP2004099823A (ja) 水性被覆組成物
JP3390796B2 (ja) 水性分散型組成物、及びその製造方法
JP2000313705A (ja) 水性分散型耐候性樹脂組成物及びその製法
JP4212881B2 (ja) 水性樹脂組成物および該組成物を主成分とする下塗り用水性塗料組成物
JP3294576B2 (ja) 水分散型塗料組成物
JP5541503B2 (ja) プラスチック基材用水性被覆組成物の製造方法
GB2413330A (en) Vinyl graft polymer composition