JPWO2020105613A1 - 筆記具用油性インク組成物、およびこれを用いた筆記具、並びにこれを用いたエアブラシユニット - Google Patents

筆記具用油性インク組成物、およびこれを用いた筆記具、並びにこれを用いたエアブラシユニット Download PDF

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Abstract

種々の材質の筆記面に対する良好な筆記性を有しつつ、筆記後の筆跡の繰り返しの擦過やより強い力での擦過に強い改良された耐擦過性を有する筆記具用油性インク組成物、およびこれを用いた筆記具、並びにこれを用いたエアブラシユニットを提供する。本発明の筆記具用油性インク組成物は、少なくとも、アルミニウム顔料と、着色剤と、樹脂と、有機溶剤と、ポリジメチルシロキサンとを含有し、前記ポリジメチルシロキサンが、ポリエーテル変性基を両末端に有しており、かつ前記ポリエーテル変性基の水酸基の総和が3以上であることを特徴とする。

Description

本発明は、筆記具用油性インク組成物、およびこれを用いた筆記具、並びにこれを用いたエアブラシユニットに関する。
従来、マーキングペンに使用される油性インクには、多様な着色剤が用いられている。その一つとして、描線に金属光沢感を付与するために、アルミニウム顔料を代表とする金属紛体が一般的に用いられている。アルミニウム顔料は、その全長が数μmと大きいため、筆記面に対する固着性を十分に付与しないと、指などの擦過により容易に剥離しやすいという性質を有している。
また、油性インク組成物を用いた筆記具による筆記対象は、一般的な液体浸透性を有する紙に限定されず、表面を樹脂コーティングした紙、プラスチック、ガラス、金属などにもおよぶ。このような多様な対象にも、油性インクは、十分な固着性を有し、擦過に耐えられる筆跡をもたらすことが要求されている。
さらに、アルミニウム顔料と一般的な着色剤を併用したインク組成物の筆跡は、アルミニウム顔料の表面を前記着色剤が一定量覆うことで、金属光沢感を有したカラーを得ることができる。しかしながら、アルミニウム顔料と前記着色剤との間に親和性があり、かつ十分な固着性がなければ、擦過により前記着色剤のみが剥がれ落ちて銀色の筆跡となってしまう場合がある。
特許文献1では、有機溶媒、金属粉顔料及び樹脂を含む油性マーキングペン用金属粉顔料インキ組成物であって、上記樹脂がケトン樹脂、水添ロジン樹脂及び超淡色ロジン樹脂から選ばれる少なくとも1種の第1の樹脂とアクリル樹脂、スチレン−アクリル樹脂及びスチレン−マレイン酸樹脂から選ばれる少なくとも1種の第2の樹脂の組み合わせである油性マーキングペン用金属粉顔料インキ組成物が開示されている。
しかしながら、上記特許文献1の油性マーキングペン用金属粉顔料インキ組成物は、多様な筆記面に対するアルミニウム顔料の固着性が不十分な場合があった。また、アルミニウム顔料以外の着色剤を併用すると、筆跡の耐擦過性が十分ではない場合があった。
特許文献2では、筆記具をエアブラシの態様で用いる吹き付け具セットとして、インキ組成物を軸筒内に収容し、筆記先端部に繊維又は合成樹脂ペン体を設けた筆記具と、筆記具を装着し、筆記先端部に高圧気体を噴出する吹き付け具とからなる吹き付け具(エアブラシ)セットが開示されている。
しかしながら、上記筆記具をエアブラシの態様で用いる吹き付け具(エアブラシ)セットは、単純に筆記具用インクを吹き付けただけであり、耐擦過性が十分ではない場合があった。
特開2017−52836号公報 登録実用新案第3173489号公報
したがって、本発明は、種々の材質の筆記面に対する十分な固着性と耐擦過性を示し、金属光沢感に優れ、エアブラシユニットとしても用いることが可能な筆記具用油性インク組成物、およびこれを用いた筆記具、並びにこれを用いたエアブラシユニットを提供する必要性が存在する。
本発明者らは、鋭意検討したところ、以下の手段により上記課題を解決できることを見出して、本発明を完成させたのである。すなわち、本発明は、下記のとおりである:
〈1〉 少なくとも、アルミニウム顔料と、着色剤と、樹脂と、有機溶剤と、ポリジメチルシロキサンとを含有し、前記ポリジメチルシロキサンが、ポリエーテル変性基を両末端に有しており、かつ前記ポリエーテル変性基の水酸基の総和が3以上であることを特徴とする、筆記具用油性インク組成物。
〈2〉 前記ポリエーテル変性基の少なくとも1つが、多分岐分子骨格を有することを特徴とする、上記〈1〉項に記載の筆記具用油性インク組成物。
〈3〉 前記ポリジメチルシロキサンの含有率が、筆記具用油性インク組成物の全質量に対して、0.005〜10質量%であることを特徴とする、上記〈1〉又は〈2〉項に記載の筆記具用油性インク組成物。
〈4〉 前記アルミニウム顔料が、リーフィングタイプであることを特徴とする、上記〈1〉〜〈3〉のいずれか一項に記載の筆記具用油性インク組成物。
〈5〉 インク貯蔵部、筆記部及び保持部を少なくとも具備しており、前記インク貯蔵部に上記〈1〉〜〈4〉のいずれか一項に記載の筆記具用油性インク組成物が貯蔵されていることを特徴とする、筆記具。
〈6〉 エアブラシ及び上記〈5〉項に記載の筆記具を具備しており、前記エアブラシから噴き出す空気を介して、油性インク組成物を飛散させることを特徴とする、エアブラシユニット。
本発明によれば、種々の材質の筆記面に対する十分な固着性と耐擦過性を示し、金属光沢感に優れ、エアブラシユニットとしても用いることができる筆記具用油性インク組成物、およびこれを用いた筆記具、並びにこれを用いたエアブラシユニットを提供することができる。
本発明のエアブラシユニットの一例を示す概略図である。
本発明の実施形態について、以下に詳述する。
《筆記具用油性インク組成物》
本発明の筆記具用油性インク組成物は、少なくとも、アルミニウム顔料と、着色剤と、樹脂と、有機溶剤と、ポリジメチルシロキサンとを含有しており、該ポリジメチルシロキサンが、ポリエーテル変性基を両末端に有しており、かつ、ポリエーテル変性基の水酸基の総和が3以上であることを特徴とするものである。
特許文献1に関して言及したように、アルミニウム顔料を配合した筆記具用油性インク組成物は、筆跡の固着性等を向上させることを目的として樹脂成分が配合されている。
これに対し、本発明者らは、筆記面に筆記した後におけるインク組成物の表面に新たに着目した。より具体的には、本発明者らは、筆記面に筆記した後において、筆跡の摩擦係数を小さくすることによって、筆跡が摩擦力を受けにくいようにし、それによって、筆跡の耐擦過性を向上できることを見出した。
このように、筆跡の摩擦係数を小さくすることは、特に、ポリジメチルシロキサンの主鎖を筆跡の表面に保持できるようにすることによってできることを解明した。
従来の筆記具用油性インク組成物については、筆記面に筆記すると、筆記面に対するインク組成物の濡れ性が良くなって、密着性が改良される。また、これと併せてアルミニウム顔料、着色剤、樹脂、及び有機溶剤を含有している被着成分の表面に、ポリジメチルシロキサンのポリエーテル変性基が、水酸基を介して被着成分に親和し、主鎖が筆記具用油性インク組成物の表面に露出する。
本発明の筆記具用油性インク組成物は、ポリジメチルシロキサンのポリエーテル変性基が、複数の水酸基を有しており、それによってポリジメチルシロキサンがより強固に被着成分に親和すると考えられる。その結果、筆跡に摩擦力が印加されても、ポリジメチルシロキサンの主鎖が筆記具用油性インク組成物の表面に維持され、そしてこの主鎖の存在に起因して、筆跡の耐擦過性が向上すると考えられる。
さらに本発明者らは、アルミニウム顔料以外の着色剤を併用したインク組成物であっても、非吸収面に筆記した筆跡の耐擦過性が向上することを見出した。すなわち、アルミニウム顔料と着色剤を併用したインク組成物を非吸収面に筆記した筆跡を擦過すると、着色剤が選択的に剥がれ落ち、描線が銀色になってしまう不具合が発生するが、本発明の筆記具用油性インク組成物は、着色剤が剥がれ落ちにくくなることを見出した。とりわけ、リーフィングタイプのアルミニウム顔料を使用した場合には、前記課題が顕著となるため、著しい改善効果を発揮することができる。
そのメカニズムは明らかではないが、以下のように推測される。すなわち、筆跡において、アルミニウム顔料と筆記面(非吸収面)の間には、固着樹脂が介在し固着性を発揮するが、一方でアルミニウム顔料と気液界面の間に存在する着色剤の間には固着樹脂が介在しにくい状態となっており、そこにポリジメチルシロキサンのポリエーテル変性基が、水酸基を介して着色剤、及び、アルミニウム顔料に親和し、加えて摩擦係数が小さくなって、耐擦過性が向上すると考えられる。
また、リーフィングタイプのアルミニウム顔料は、表面にステアリン酸等の界面活性剤による表面処理がなされており、ノンリーフィングタイプと比較して、より固着樹脂が介在しにくい状態となっているため、顕著な改善効果が発揮されると推察される。
本発明の各構成要素等について、以下において説明する。
〈アルミニウム顔料〉
本発明に用いるアルミニウム顔料は、一般にアルミニウムをボールミルやアトライターミル中で粉砕媒液の存在下、粉砕助剤を用いて粉砕、摩砕して製造される。油性インク用の顔料等として用いられているものであれば、その製造法、性状(粉状、ペースト状等)、粒子の大きさ(平均粒子径、厚み)などは、特に限定されるものではなく、例えば、インク膜の表層に配列するリーフィングタイプ、インク膜内で一様に分散配列するノンリーフィングタイプ(樹脂コーティングタイプを含む)などが挙げられる。具体的には、油性インク用として市販されているものを使用することができる。
用いることができるアルミニウム顔料としては、例えば、13G、13GH、15GH(以上、リーフィングタイプ)、FD−4070、FW−610(以上、ノンリーフィングタイプ)〔以上、旭化成ケミカルズ社製〕、0700M、0870MS(以上、リーフィングタイプ)、2172、1200M(以上、ノンリーフィングタイプ)〔以上、東洋アルミニウム社製〕等が挙げられ、これらは単独で又は2種以上を混合して用いることができる。これらのうち、より強い光沢感を有する筆跡が得られることから、リーフィングタイプを使用することが好ましい。
本発明の筆記具用油性インク組成物中のアルミニウム顔料の含有率は、その下限が0.3質量%以上、1質量%以上、2質量%以上、3質量%以上、特に5質量%以上であることがより好ましく、一方、上限は25質量%以下、20質量%以下、特に15質量%以下であることがより好ましい。
アルミニウム顔料の含有率が0.3質量%未満では金属光沢が出にくくなり、一方、25質量%を超えると、筆記具のインク流通部内で詰まりを発生する場合がある。
〈アルミニウム顔料以外の着色剤〉
本発明では、上記アルミニウム顔料以外の着色剤として、染料、顔料、又は染料と顔料との混合物等、従来のインクに用いることができる種々の着色剤を使用することができる。
本発明で使用することができる染料としては、通常の染料インク組成物に用いられる直接染料、酸性染料、塩基性染料、媒染・酸性媒染染料、酒精溶性染料、アゾイック染料、硫化・硫化建染染料、建染染料、分散染料、油溶染料、食用染料、金属錯塩染料、造塩染料、樹脂に染料を染着した染料等の中から任意のもの、及びこれらの溶液を使用することができる。
本発明で使用することができる顔料としては、例えば、カーボンブラック、グラファイト、二酸化チタン等の無機顔科、タルク、シリカ、アルミナ、マイカ、アルミナシリケート等の体質顔科、アゾ系顔料、縮合アゾ系顔料、フタロシアニン系顔料、アンスラキノン顔料、キナクドリン顔料、イソインドリノン系顔料、ジケトピロロピロール系顔料、各種レーキ顔料等の有機顔料、蛍光顔料、パール顔料等が挙げられる。
本発明で用いる着色剤としては、上記した染料、顔料を単独で用いることができ、又は上記した染料、顔料を混合して用いることもできる。
本発明の筆記具用油性インク組成物中のアルミニウム顔料以外の上記着色剤の含有率は、着色力(濃度・発色)の点から、0.1質量%以上、1質量%以上であることがより好ましく、一方、油性インク組成物の安定性の点から、30質量%以下、20質量%以下であることがより好ましい。
〈樹脂〉
本発明に用いる樹脂としては、例えば、ケトン樹脂、スルホアミド樹脂、マレイン酸樹脂、テルペン樹脂、テルペンフェノール樹脂、エステルガム、キシレン樹脂、アルキッド樹脂、フェノール樹脂、ロジン、ポリビニルピロリドン、ポリビニルブチラール、ポリビニルアルコール、アクリル系樹脂、メラミン系樹脂、ニトロセルロース系樹脂、尿素樹脂等、及びこれらの誘導体を用いることができる。これらのうち、筆跡にツヤ感を与えることから、ニトロセルロース系樹脂を使用することが好ましい。
本発明の筆記具用油性インク組成物中の樹脂の含有率は、その下限が1質量%以上、2質量%以上、3質量%以上、特に5質量%以上であることより好ましく、一方、上限は25質量%以下、20質量%以下、特に15質量%以下であることがより好ましい。
この樹脂の含有率が1質量%未満では、十分な固着性が発揮されず、一方、25質量%を超えると、インクの粘度が高くなり、筆記性やエアブラシからの吐出性が損なわれる場合がある。
〈有機溶剤〉
本発明に用いる有機溶剤としては、例えば、芳香族類、アルコール類、多価アルコール類、グリコールエーテル類、炭化水素類、エステル類等を用いることができる。これらの溶剤は、単独で用いてもよく、又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
芳香族類としては、例えば、ベンジルアルコール、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル、プロピレングリコールモノフェニルエーテル、ジエチレングリコールモノフェニルエーテル、アルキルスルフォン酸フェニルエステル、フタル酸ブチル、フタル酸エチルヘキシル、フタル酸トリデシル、トリメリット酸エチルヘキシル、ジエチレングリコールジベンゾエート、ジプロピレングリコールジベンゾエート等を用いることができる。
アルコール類としては、例えば、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、tert−ブチルアルコール、1−ペンタノール、イソアミルアルコール、sec−アミルアルコール、3−ペンタノール、tert−アミルアルコール、n−ヘキサノール、メチルアミルアルコール、2−エチルブタノール、n−ヘプタノール、2−ヘプタノール、3−ヘプタノール、n−オクタノール、2−オクタノール、2−エチルヘキサノール、3,5,5−トリメチルヘキサノール、ノナノール、n−デカノール、ウンデカノール、n−デカノール、トリメチルノニルアルコール、テトラデカノール、ヘプタデカノール、シクロヘキサノール、2−メチルシクロヘキサノール等を用いることができる。
多価アルコール類としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、3−メチル−1,3ブタンジオール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3プロパンジオール、1,3ブタンジオール、1,5ペンタンジオール、ヘキシレングリコール、オクチレングリコール等を用いることができる。
グリコールエーテル類としては、例えば、メチルイソプロピルエーテル、エチルエーテル、エチルプロピルエーテル、エチルブチルエーテル、イソプロピルエーテル、ブチルエーテル、ヘキシルエーテル、2−エチルヘキシルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノ−2−エチルブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノブチルエーテル、3−メチル−3−メトキシ−1−ブタノール、3−メトキシ−1−ブタノール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールターシャリーブチルエーテルジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノブチルエーテル、テトラプロピレングリコールモノブチルエーテル等を用いることができる。
炭化水素類としては、例えば、ヘキサン、イソヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン等の直鎖炭化水素類、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン等の環状炭化水素類を用いることができる。
エステル類としては、例えば、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールジアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、プロピレングリコールエチルエーテルアセテート、エチレングリコールエチルエーテルアセテート、ギ酸ブチル、ギ酸イソブチル、ギ酸イソアミル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、酢酸イソプロピル、酢酸イソブチル、酢酸イソアミル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸プロピル、プロピオン酸イソブチル、プロピオン酸イソアミル、酪酸メチル、酪酸エチル、酪酸プロピル、イソ酪酸メチル、イソ酪酸エチル、イソ酪酸プロピル、吉草酸メチル、吉草酸エチル、吉草酸プロピル、イソ吉草酸メチル、イソ吉草酸エチル、イソ吉草酸プロピル、トリメチル酢酸メチル、トリメチル酢酸エチル、トリメチル酢酸プロピル、カプロン酸メチル、カプロン酸エチル、カプロン酸プロピル、カプリル酸メチル、カプリル酸エチル、カプリル酸プロピル、ラウリン酸メチル、ラウリン酸エチル、オレイン酸メチル、オレイン酸エチル、カプリル酸トリグリセライド、クエン酸トリブチルアセテート、オキシステアリン酸オクチル、プロピレングリコールモノリシノレート、2−ヒドロキシイソ酪酸メチル、3−メトキシブチルアセテート等を用いることができる。
これら有機溶剤の含有率は、上記アルミニウム顔料、着色剤、樹脂、後述するポリジメチルシロキサンの各所定の含有量を含ませた後の、残部となるものである。
好ましくは、筆跡の乾燥速度、筆記面への密着性、エアブラシユニットとして用いた場合のインク吐出性、塗工面の均一性、安全性等の理由から、本発明の筆記具用油性インク組成物中の含有率は、好ましくは、99〜60質量%、更に好ましくは、95〜70質量%とすることが望ましい。
更に好ましくは、エチルアルコール、及び/又はプロピレングリコールモノメチルエーテルを、インク組成物中の有機溶剤のうち50質量%以上含むことが望ましい。さらに、筆跡の乾燥速度の調整等を目的としてベンジルアルコール、及び/又はエチレングリコールモノフェニルエーテルを併用してもよい。
〈ポリジメチルシロキサン〉
本発明に用いるポリジメチルシロキサンは、以下の一般式を有する化合物である。
Figure 2020105613
特に、本発明の筆記具用油性インク組成物におけるポリジメチルシロキサンは、ポリエーテル変性基を両末端、すなわち、上記一般式のR及びRの位置に有している両末端変性型ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサンである。なお、上記式中、nは0〜5000の整数を表す。
{ポリエーテル変性基}
ポリエーテル変性基は、例えば、以下のポリエーテル構造を少なくとも一部に有する基を示すものである:
−R(CO)a(CO)
(上記式中、Rは、炭素数1〜10のアルキル基を表し、Rは、水素原子、炭素数1〜50のアルキル基、アリール基のいずれかを表す。また、aは1〜50の整数を表し、bは1〜50の整数を表す)。
好ましくは、ポリエーテル変性基の少なくとも1つは、多分岐分子骨格を有していることが、水酸基の個数を増大させ、それによって、塗膜の耐擦過性を大きくする観点から望ましい。
(多分岐分子骨格)
多分岐分子骨格を構成する原子は、C、Si、O、Hのうちの全部又は一部であることができる。
また、多分岐分子骨格は、複数の分岐部、例えば、2個以上、3個以上、5個以上、7個以上、又は10個以上であり、かつ100個以下、80個以下、50個以下、又は30個以下の分岐部を有していることができる。
特に、多分岐分子骨格を有するポリエーテル変性基は、上記のポリエーテル構造を、少なくとも1つの分岐部に有するものであることができる。また、このようなポリエーテル変性基は、分岐部の末端の全部又は一部に水酸基を有していてよく、その結果、ポリエーテル変性基全体として複数の水酸基(−OH)を有していてよい。
このポリエーテル変性基の水酸基の総和は、少なくとも、3以上であることが必要である。この総和は、好ましくは、5以上、7以上、又は10以上であることが望ましく、また、上限は100以下、80以下、50以下、40以下、又は30以下であることがより好ましい。
このポリエーテル変性基の水酸基の総和が3未満であると、耐擦過性がやや不足気味となり、一方、100を超過すると、油性インク組成物の安定性が損なわれることがある。
なお、本発明において、ポリエーテル変性基の水酸基の総和の算出等は、水酸基価の測定によりできる。
このような特性を有する具体的に用いることができるポリジメチルシロキサンとしては、例えば、BYK社製の呼称BYK−SILCLEAN3720、TEGO社の呼称Protect 5000N等が挙げられる。
本発明の筆記具用油性インク組成物中の上記特性のポリジメチルシロキサンの含有率は、0.005〜10質量%であることが、上述の作用させる観点から好ましい。
この含有率は、その下限が0.005質量%以上、好ましくは、0.01質量%以上、0.05質量%以上、0.1質量%以上、0.3質量%以上、特に0.5質量%以上であり、筆跡の表面にポリジメチルシロキサンを十分に存在させ、それによって耐擦過性を向上させる観点から望ましく、一方、上限は10質量%以下、8質量%以下、又は5質量%以下であることが、筆記具用油性インク組成物の筆記面との密着性を確保する観点から好ましい。
〈他の成分〉
本発明の筆記具用油性インク組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、他の任意成分を含有していてもよい。他の成分としては、例えば、レベリング剤、防錆剤、防腐剤、潤滑剤等が挙げられる。
レベリング剤としては、例えば、フッ素系界面活性剤、リン酸エステル系界面活性剤等を用いることができる。
《筆記具用油性インク組成物の製造方法》
本発明の筆記具用油性インク組成物は、少なくとも、上記アルミニウム顔料、樹脂、有機溶剤、及び上記特性のポリジメチルシロキサンを、ディスパー等の撹拌機器を用いて混合しながら、従来公知の方法で製造することができる。
このように構成される本発明の筆記具用油性インク組成物は、少なくとも、上述のアルミニウム顔料と、着色剤と、樹脂と、有機溶剤と、ポリジメチルシロキサンとを含有しており、該ポリジメチルシロキサンが、ポリエーテル変性基を両末端に有しており、かつ、ポリエーテル変性基の水酸基の総和が3以上とすることにより、種々の材質(紙、樹脂フィルム、金属など、以下同様)の筆記面に対する十分な固着性と耐擦過性を示し、金属光沢感に優れたものとなる。
《筆記具》
本発明の筆記具は、インク貯蔵部、筆記部及び保持部を少なくとも具備している。このインク貯蔵部には、上記配合特性となる本発明の筆記具用油性インク組成物が貯蔵されている。
本発明の筆記具は、その筆記具種はサインペンであってもよく、又はボールペンであってもよい。
ここで、本明細書において「マーキングペン」とは、インク貯蔵部に貯蔵されているインクを、毛細管現象により樹脂製の筆記部に供給する機構を有するペンを意味するものであり、当業者により「サインペン」として言及されるペンも含まれる。また、本明細書において「ボールペン」とは、筆記部に備えられているボールの回転によって、インク貯蔵部に貯蔵されているインクを滲出させる機構を有するペンを意味する。
〈インク貯蔵部〉
インク貯蔵部には、上記構成の筆記具用油性インク組成物が貯蔵されている。
また、インク貯蔵部は、インクを貯蔵し、かつ筆記部にインクを供給することができる物であれば、任意の物を用いることができる。
〈筆記部〉
筆記部は、筆記具の用途に応じ、随意の材料で構成されていてよい。本発明の筆記具がサインペンである場合、筆記部としては、例えば、繊維芯及びプラスチック芯等が挙げられる。本発明の筆記具がボールペンである場合、筆記部は、ボールペンチップを先端部に備えた筆記部であることができる。
このように構成される筆記具では、種々の材質の筆記面に対する十分な固着性と耐擦過性を示し、金属光沢感に優れる筆記具用油性インク組成物を搭載したボールペン、マーキングペンなどの好適な筆記具が提供されることとなる。
《エアブラシユニット》
次に、本発明のエアブラシユニットの一例を、図面を参照して説明する。
図1に示すように、本発明のエアブラシユニット100は、エアブラシ10及び上記構成の本発明となる筆記具20を具備しており、エアブラシ10から噴き出す空気を介して、上記配合特性の油性インク組成物を飛散させる、エアブラシユニット100である。
本発明のエアブラシユニット100は、エアブラシ10と筆記具20を連結させる任意の連結部材30を具備していてよい。
本発明のエアブラシユニット100は、例えば、図1の白抜き矢印で示すように、ノズル12から筆記具20の筆記先端が凸曲面に形成された筆記部22に向かう方向へと空気を噴射することにより、筆記部22に付着しているインクを、図1の5本の矢印で示すように、筆記部22から広がるようにして飛散させることができる。
〈エアブラシ〉
図1に示すように、エアブラシ10は、ノズル12及びガス供給部材14を具備していてよい。ノズル12とガス供給部材14とは、一体として形成されていてもよく、又はホース等の中空部材を介して互いに接続されていてもよい。
ノズル12は、筆記具20の筆記部22に高圧ガスを噴射できるノズルであれば特に限定されない。
ガス供給部材14は、ノズル12に高圧ガスを供給できる部材であれば、特に限定されない。例えば、ガス供給部材14は、人間が口から空気を吹き込んで噴射させる部材、ブロアーポンプの弾性体部分を手で圧縮変形させて高圧ガスを生じさせる部材、ピストンとシリンダーとから構成してもよい。
また、ポンプのピストンを手で往復運動させる部材、液化ガスを充填したスプレー缶を用いる部材、電気的に圧縮空気を発生させる部材、例えば、少なくとも、モータと、回転運動を往復運動に変換する機構を介してモータと接続するダイヤフラム等の高圧ガス発生装置とからなり、高圧空気発生装置から噴射口へ高圧ガスを送る部材であってよい。
〈連結部材〉
連結部材30は、エアブラシ10と筆記具20とを連結させる随意の部材である。連結部材30は、エアブラシ10と筆記具20とを物理的に連結させる部材であれば、特に限定されない。
このように構成される本発明のエアブラシユニットは、エアブラシ及び上記構成の筆記具を具備しており、前記エアブラシから噴き出す空気を介して、上記配合特性の油性インク組成物を飛散させることにより、種々の材質の塗布面に対する十分な固着性と耐擦過性を示し、金属光沢感に優れる油性インク組成物を飛散させることできるエアブラシユニットが提供されることとなる。
次に、実施例及び比較例により本発明を具体的に説明するが、本発明は、これらに限定されるものではない。
〔実施例1〜6及び比較例1〜5〕
下記方法により各筆記具用油性インク組成物を調製した。
《筆記具用油性インク組成物の調製》
〈実施例1〉
アルミニウム顔料(13G:リーフィングタイプ、旭化成社製、6質量部)、染料(Spilon Red C−GH、保土谷化学工業社製、3質量部)、樹脂としてのニトロセルロース(DHX5−10、ノーベル社製、5質量部)、水酸基含有ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン〔BYK−SILCLEAN3720、BYK社製、有効成分25%、溶剤プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGM)、4質量部(有効成分1質量部、プロピレングリコールモノメチルエーテル3質量部)〕、並びに溶剤としてのプロピレングリコールモノメチルエーテル(57質量部)、エタノール(20質量部)、及びベンジルアルコール(5質量部)を撹拌により混合させて、実施例1の筆記具用油性インク組成物を100質量部調製した。
〈実施例2〉
水酸基含有ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン(BYK−SILCLEAN3720、BYK社製)の質量部を12質量部(有効成分3質量部、プロピレングリコールモノメチルエーテル9質量部)に変更し、プロピレングリコールモノメチルエーテルの質量部を49質量部に変更したことを除き、実施例1と同様にして、実施例2の筆記具用油性インク組成物を100質量部調製した。
〈実施例3〉
アルミニウム顔料(13G:リーフィングタイプ、旭化成社製、6質量部)、着色剤としての染料(Spilon Red C−GH、保土谷化学工業社製、3質量部)、樹脂としてのニトロセルロース(DHX5−10、ノーベル社製、5質量部) 、水酸基含有ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン(Protect 5000N、TEGO社、3質量部)、並びに溶剤としてのプロピレングルコールモノメチルエーテル(63質量部)、エタノール(20質量部)を撹拌により混合させて、実施例3の筆記具用油性インク組成物100質量部を調製した。
〈実施例4〉
水酸基含有ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン(Protect 5000N、TEGO社製)の質量部を6質量部に変更し、プロピレングルコールモノメチルエーテルの質量部を60質量部に変更したことを除き、実施例3と同様にして、実施例4の筆記具用油性インク組成物を100質量部調製した。
〈実施例5〉
アルミニウム顔料(13G:リーフィングタイプ、旭化成社製、6質量部)をアルミニウム顔料(1200M:ノンリーフィングタイプ、東洋アルミニウム社製、6質量部)に変更したことを除き、実施例1と同様にして、実施例5の筆記具用油性インク組成物を100質量部調製した。
〈実施例6〉
ニトロセルロース(DHX5−10、ノーベル社製、5質量部)を尿素・脂肪族アルデヒド樹脂(ラロパールA81、BASF社製、5質量部)に変更したことを除き、実施例1と同様にして、実施例6の筆記具用油性インク組成物を100質量部調製した。
〈比較例1〉
水酸基含有ポリジメチルシロキサン(BYK−SILCLEAN3720、BYK社製)の代わりに、両末端カルビノール変性ポリジメチルシロキサン(KF−6003、信越シリコーン社製、1質量部)を用い、プロピレングルコールモノメチルエーテルを60質量部用いたことを除き、実施例1と同様にして、比較例1の筆記具用油性インク組成物を調製した。
〈比較例2〉
水酸基含有ポリジメチルシロキサン(BYK−SILCLEAN3720、BYK社製)の代わりに、PEG−32メチルエーテルジメチコン(KF−6004、信越シリコーン社製、1質量部)を用い、プロピレングルコールモノメチルエーテルを60質量部用いたことを除き、実施例1と同様にして、比較例2の筆記具用油性インク組成物を調製した。
〈比較例3〉
水酸基含有ポリジメチルシロキサン(BYK−SILCLEAN3720、BYK社)の代わりに、両末端ポリエーテル変性 -R(C2H4O)a(C3H6O)bH(X-22-4952、信越シリコーン社製、1質量部)を用い、プロピレングルコールモノメチルエーテルを60質量部用いたことを除き、実施例1と同様にして、比較例2の筆記具用油性インク組成物を調製した。
〈比較例4〉
水酸基含有ポリジメチルシロキサン(BYK−SILCLEAN3720、BYK社製)を用いず、61質量部のプロピレングルコールモノメチルエーテルを用いたことを除き、実施例1と同様にして、比較例4の筆記具用油性インク組成物を調製した。
〈比較例5〉
アルミニウム顔料(13G:リーフィングタイプ、旭化成社製、6質量部)をアルミニウム顔料(1200M:ノンリーフィングタイプ、東洋アルミニウム社製、6質量部)に変更したことを除き、比較例4と同様にして、比較例5の筆記具用油性インク組成物を調製した。
上記で得られた実施例及び比較例の各筆記具用油性インク組成物を用いて、下記構成の筆記具を作製して、下記評価方法により筆跡の金属光沢感、及び耐擦過性の評価を行った。また、上記各筆記具を用いて、図1に準拠するエアブラシに接続して、エアブラシユニットを作製し、下記評価方法により塗膜ムラの評価を行った。
下記表1に、実施例及び比較例の各筆記具用油性インク組成物の配合組成、各評価結果を示す。
《筆記具の作製》
三菱鉛筆社製PX−21〔商品名「ペイントマーカー」、ペン芯:細字丸芯(アクリル繊維芯)〕に、上記で得られた実施例及び比較例の各筆記具用油性インク組成物を充填してマーカーを作製した。その後、細字丸芯を用いて筆跡の金属光沢感、及び耐擦過性の評価を行った。
《評価方法》
〈筆跡の金属光沢感〉
作製したマーカーを用いて、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムに筆記して、筆跡を乾燥させた後、筆跡の金属光沢感を下記評価基準で評価した。
筆跡の金属光沢感の評価基準は以下のとおりである。
A:強い金属光沢感。
B:金属光沢感。
C:弱い金属光沢感。
〈耐擦過性〉
作製したマーカーを用いて、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムに筆記して、筆跡を乾燥させ、綿棒を使用して約100gfの荷重で擦過して、筆跡の耐擦過性を下記評価基準で評価した。
耐擦過性の評価基準は以下のとおりである。
A:試験後に観察した際に、筆跡がほとんど変化しなかった。
B:試験後に観察した際に、着色剤が少し剥がれた。
C:試験後に観察した際に、着色剤が大きく剥がれた。
D:試験後に観察した際に、着色剤が残らない程、剥がれた。
《エアブラシユニットの作製》
作製した上記各筆記具(マーカー)を用いて、図1に準拠するエアブラシに接続して、エアブラシユニットを作製した。このエアブラシは、ガス供給部材および、これと連結して前記ガスが噴出されるノズルから構成されるものを用いた、
《塗工性の評価》
直径8mm、高さ8cmの筒状のポリプロピレン製の被塗工体を高さ方向が鉛直となるように配置し、作製したエアブラシユニットを用いて、被塗工体の全周を塗工するようにしてインクを飛散させて、この被塗工体を顕微鏡で観察して、塗工性となるインクの外観(塗膜ムラ)を評価した。
塗膜ムラ(液だれ等)の評価基準は以下のとおりである:
A:ムラがなく、均一な塗膜が形成されている。
B:ムラがやや見られるが、ほぼ均一な塗膜が形成されている。
C:ムラが多く、塗膜の外観が損なわれている。
Figure 2020105613
上記表1から、ポリエーテル変性基を両末端に有しており、かつポリエーテル変性基の水酸基の総和が3以上であるポリジメチルシロキサンを用いた実施例1〜6の筆記具用油性インク組成物は、金属光沢感を発揮して筆記後の耐擦過性に優れる結果を得ることができた。また、エアブラシユニットとしても良好な結果を得ることができた。
10 エアブラシ
12 ノズル
14 ガス供給部材
20 筆記具
22 筆記部
30 連結部材
100 エアブラシユニット

Claims (6)

  1. 少なくとも、アルミニウム顔料と、着色剤と、樹脂と、有機溶剤と、ポリジメチルシロキサンとを含有し、前記ポリジメチルシロキサンが、ポリエーテル変性基を両末端に有しており、かつ前記ポリエーテル変性基の水酸基の総和が3以上であることを特徴とする、筆記具用油性インク組成物。
  2. 前記ポリエーテル変性基の少なくとも1つが、多分岐分子骨格を有することを特徴とする、請求項1に記載の筆記具用油性インク組成物。
  3. 前記ポリジメチルシロキサンの含有率が、筆記具用油性インキ組成物の全質量に対して、0.005〜10質量%であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の筆記具用油性インク組成物。
  4. 前記アルミニウム顔料がリーフィングタイプであることを特徴とする、請求項1〜3いずれか一項に記載の筆記具用油性インク組成物。
  5. インク貯蔵部、筆記部及び保持部を少なくとも具備しており、
    前記インク貯蔵部に請求項1〜4のいずれか一項に記載の筆記具用油性インク組成物が貯蔵されていることを特徴とする、筆記具。
  6. エアブラシ及び請求項5記載の筆記具を具備しており、前記エアブラシから噴き出す空気を介して、油性インク組成物を飛散させることを特徴とする、エアブラシユニット。
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