JP7011522B2 - エアブラシユニット及び筆記具 - Google Patents

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Description

本発明は、エアブラシユニット及び筆記具に関する。
従来、描画等の分野において、インクを飛散させて霧状になし、その霧状のインクを紙などに吹き付けることにより描画などを可能とするエアブラシが用いられている。空気噴射部材をエアブラシ本体に取り付けられることが従来行われていたが、かかるエアブラシは、インクの交換を円滑に行うことができないという問題や、インク詰まり等の問題を生じることがあった。
これに対し、筆記具を取付けて、そのペン先に空気を噴射して当てて、ペン先に滲出したインクを飛散させて霧状になし、その霧状のインクを紙などに吹き付けることにより描画などを可能とするエアブラシが種々提案されている。
特許文献1では、筆記用具から絵の具やインク等の液体を供給することを特徴とするエアブラシが開示されている。
特許文献2では、加熱により消色する着色剤とビヒクルとからなるインキ組成物を軸筒内に収容し、筆記先端部に繊維又は合成樹脂ペン体を設けた筆記具と、筆記具を装着し、筆記先端部に高圧気体を噴出する吹き付け具とからなる吹き付け具セットが開示されている。
特許文献3では、モータと、回転運動を往復運動に変換するクランク等の装置を介してモータと接続する高圧空気発生装置と、高圧空気発生装置からエアーノズルへ高圧空気を送るチューブと、電池とをケースに内蔵するとともに、ペン先がエアーノズルの空気噴射口に近接するように筆記具を保持するペンホルダーをケースの外部に一体的に設けたことを特徴とする筆記具を利用したエアブラシが開示されている。
実開平6-057447号公報 登録実用新案第3173489号公報 特開平11-047644号公報
上記のエアブラシによれば、詰まりの問題が抑制されているため、インクの良好な噴射性を得ることができる。
一方、上記のエアブラシを用い、プラスチックモデル等の非吸収面にインクを噴射させると、塗工ムラが生じることがあり、その結果、塗膜の厚さに差異が生じ、濃淡が生じることがあった。
また、製品の流通の便宜等の要望により、エアブラシのためのインク供給具としてのみならず、単独の筆記具としても用いることができる筆記具を提供することも望まれている。
そこで、塗工ムラが抑制された、エアブラシユニット、及びかかるエアブラシユニットのためのインク供給具としても、単独の筆記具としても用いることができる筆記具を提供する必要性が存在する。
本発明者らは、鋭意検討したところ、以下の手段により上記課題を解決できることを見出して、本発明を完成させた。すなわち、本発明は、下記のとおりである:
〈態様1〉エアブラシ及び筆記具を具備しており、前記エアブラシから噴き出す空気を介して、前記水性インク組成物を噴射させる、エアブラシユニットであって、
前記筆記具は、水性インク組成物を含有しており、かつ
前記水性インク組成物は、隠蔽性顔料を含有しており、かつ剪断速度9.6~76.6/sにおける剪断減粘指数が0.4~0.8である、
エアブラシユニット。
〈態様2〉前記水性インク組成物の剪断速度38.3/sでの粘度が、5~50mPa・sである、態様1に記載のエアブラシユニット。
〈態様3〉前記水性インク組成物の、25℃及び200msにおける動的表面張力が55mN/m以下である、態様1又は2に記載のエアブラシユニット。
〈態様4〉前記水性インク組成物が、フッ素系界面活性剤、アセチレングリコール系界面活性剤、及びシリコーン系界面活性剤からなる群より選択される少なくとも一種の界面活性剤を含有している、態様1~3のいずれか一項に記載のエアブラシユニット。
〈態様5〉エアブラシと組み合わせて用いられる筆記具であって、
前記筆記具は、水性インク組成物を含有しており、
前記水性インク組成物は、
水、及び隠蔽性顔料を含有しており、
25℃及び200msにおける動的表面張力が55mN/m以下であり、かつ
剪断速度9.6~76.6/sにおける剪断減粘指数が0.4~0.8である、
筆記具。
〈態様6〉前記水性インク組成物の剪断速度38.3/sでの粘度が、5~50mPa・sである、態様5に記載の筆記具。
〈態様7〉前記水性インク組成物が、フッ素系界面活性剤、アセチレングリコール系界面活性剤、及びシリコーン系界面活性剤からなる群より選択される少なくとも一種の界面活性剤を含有している、態様5又は6に記載の筆記具。
本発明によれば、塗工ムラが抑制された、エアブラシユニット、及びかかるエアブラシユニットのためのインク供給具としても、単独の筆記具としても用いることができる筆記具を提供することができる。
図1は、本発明のエアブラシユニットの概略図である。
《エアブラシユニット》
図1に示すように、本発明のエアブラシユニット100は、エアブラシ10及び筆記具20を具備しており、エアブラシ10から噴き出す空気を介して、水性インク組成物を噴射させる、エアブラシユニット100であって、
筆記具20は、水性インク組成物を含有しており、かつ
水性インク組成物は、隠蔽性顔料を含有しており、かつ剪断速度9.6~76.6/sにおける剪断減粘指数が0.4~0.8である。
本発明のエアブラシユニット100は、エアブラシ10と筆記具20を連結させる随意の連結部材30を具備していてよい。
本発明のエアブラシユニット100は、例えば、図1の白抜き矢印で示すように、ノズル12から筆記具20の筆記部22に向かう方向へと空気を噴射することにより、筆記部22に付着しているインクを、図1の5本の矢印で示すように、筆記部22から広がるようにして噴射させることができる。
ここで、剪断減粘指数は、剪断速度を速度の変化に応じた見掛け粘度の変化の尺度を示す値であり、以下の関係式を満たすnを意味するものである。この剪断減粘指数は、例えばレオメータ又は回転粘度計を用いて測定することができる:
τ=ηD
(式中、τは、ずり応力を示しており、Dは、ずり速度を示しており、ηは、見掛け粘度を意味するものである)
従来、エアブラシのために用いるインクとしては、油性インクが用いられていたが、本発明者らは、安全性の観点から、水性インクを用いることを検討した。しかしながら、水性インクを用いた場合には、エアブラシにより噴射したインクが、プラスチックモデル等の被塗工体に着弾し、その後にこのインクが乾燥するまでに時間を要し、その間に着弾したインクの液滴が凝集して、その結果、塗工ムラが生じることを見出した。
これに対し、本発明者らは、上記の構成により、インクの良好な噴射性及び抑制された液滴の凝集をもたらすことができ、その結果、塗工ムラが抑制することができることを見出した。
具体的には、まず、本発明の筆記具によれば、隠蔽性顔料を用いることにより、塗膜の厚みによらない、ムラのない外観を実現できることを見出した。
更に、本発明のエアブラシユニットによれば、剪断減粘指数を0.8以下とすることにより、筆記具として用いるのに十分な再初筆性を満足させつつ、エアブラシにより噴射したインクが被塗工体に着弾した後の液滴の凝集を抑制することができ、その結果、比較的乾燥しにくい水性インクを用いた場合にも、インクが乾燥している間における液滴の凝集を抑制することができる。更に、本発明のエアブラシユニットによれば、剪断減粘指数を0.4以上とすることにより、エアブラシによるインクの噴射性を確保することができるとともに、筆記した際のインクの良好な流出も確保することができる。
この剪断減粘指数は、0.9以下、0.8以下、又は0.7以下であってよく、また0.4以上、0.5以上、又は0.6以上であってよい。この剪断減粘指数は、主に増粘剤によって調節することができる。
以下では、本発明のエアブラシユニットの各構成要素について説明する。
〈筆記具〉
筆記具は、水性インク組成物を含有している。筆記具は、インク貯蔵部、筆記部及び保持部を具備していてよく、この場合、インク貯蔵部には、水性インク組成物が貯蔵されていてよい。
本発明の筆記具は、マーキングペンであることが、エアブラシによるインクの良好な噴射性を確保する観点から好ましい。
ここで、本明細書において「マーキングペン」とは、インク貯蔵部に貯蔵されているインクを、毛細管現象により樹脂製の筆記部に供給する機構を有するペンを意味するものであり、当業者により「サインペン」として言及されるペンも含まれる。
特に、本発明の筆記具は、インク貯蔵部と筆記部との間にバルブを更に有するバルブ式筆記具であることが、隠蔽性顔料を用いた場合にも良好なインク流出性を得る観点から好ましい。
(水性インク組成物)
水性インク組成物は、水、及び隠蔽性顔料を含有している。水性インク組成物は、剪断速度9.6~76.6/sにおける剪断減粘指数が0.4~0.8である。
水性インク組成物の剪断速度38.3/sでの粘度は、5mPa・s以上、10mPa・s以上、又は15mPa・s以上であり、かつ50mPa・s以下、45mPa・s以下、又は42mPa・s以下であることが、上記の剪断減粘指数を満足させる観点から好ましい。この粘度は、主に増粘剤によって調節することができる。
水性インク組成物は、25℃及び100msにおける動的表面張力が55mN/m以下であることが、エアブラシでインクを噴射させた際に生じるミストをより緻密にし、その結果、ムラを更に生じにくくする観点から好ましい。この動的表面張力は、50mN/m以下、45mN/m以下であってよく、また25mN/m以上、又は30mN/m以上であってよい。この動的表面張力は、界面活性剤や水溶性有機溶剤等によって調節させることができる。
水性インク組成物は、25℃における静的表面張力が、50mN/m以下、45mN/m以下、40mN/m以下、又は35mN/m以下であってよく、また20mN/m以上、又は25mN/m以上であってよい。この静的表面張力は、界面活性剤や水溶性有機溶剤等によって調節させることができる。
上記の動的表面張力及び静的表面張力は、例えば表面張力計を用いて測定することができる。
水性インク組成物は、界面活性剤を含有していることが、水性インク組成物の動的表面張力及び静的表面張力を良好に低減させる観点から好ましい。水性インク組成物が界面活性剤を含有している場合、界面活性剤の含有率は、0.05質量%以上、又は0.10質量%以上であり、かつ5.0質量%以下、3.0質量%以下、又は2.0質量%以下であることが、インクの隠蔽性と良好な剪断減粘指数とを調和させる観点から好ましい。
(水性インク組成物:水)
水は、イオン交換水、蒸留水等であることができる。
(水性インク組成物:隠蔽性顔料)
隠蔽性顔料としては、例えば酸化チタン、酸化亜鉛、アルミニウム等を用いることができる。
隠蔽性顔料の平均粒子径は、インクの隠蔽性を確保できる限り特に限定されないが、例えば150nm以上、200nm以上、250nm以上、又は300nm以上であってよく、また15μm以下、13μm以下、又は10μm以下であってよい。ここでいう平均粒子径とは、対象となる隠蔽性顔料の大きさによって適宜選択され、概ね1μm未満の粒子の場合は、動的散乱法により測定した散乱強度分布によるヒストグラム平均粒子径(D50)の値であり、1μm以上の粒子の場合は、レーザー回折法において体積基準により算出されたD50の値である。
特に、隠蔽性顔料が酸化チタンである場合には、平均粒子径は、150nm以上、200nm以上、250nm以上、又は300nm以上であってよく、また1μm以下、900nm以下、800nm以下、700nm以下、600nm以下、500nm以下、又は400nm以下であってよい。また、隠蔽性顔料がアルミニウムである場合には、平均粒子径は、1μm以上、3μm以上、又は5μm以上であってよく、また15μm以下、13μm以下、又は10μm以下であってよい。
(水性インク組成物:色材)
色材としては、染料、顔料、又は染料と顔料との混合物等、従来のインクに用いることができる種々の色材を使用することができる。これらの色材は、単独で用いてもよく、又は混合して用いてもよい。
染料としては、例えば通常の染料インク組成物に用いられる直接染料、酸性染料、塩基性染料、媒染・酸性媒染染料、酒精溶性染料、アゾイック染料、硫化・硫化建染染料、建染染料、分散染料、油溶染料、食用染料、金属錯塩染料、造塩染料、樹脂に染料を染着した染料等の中から任意のもの、及びこれらの水溶液を用いることができる。
顔料としては、例えばカーボンブラック、グラファイト等の無機顔科、タルク、シリカ、アルミナ、マイカ、アルミナシリケート等の体質顔科、アゾ系顔料、縮合アゾ系顔料、フタロシアニン系顔料、アンスラキノン顔料、キナクドリン顔料、イソインドリノン系顔料、ジケトピロロピロール系顔料、各種レーキ顔料等の有機顔料、蛍光顔料、パール顔料等を用いることができる。
(水性インク組成物:水溶性有機溶剤)
水溶性有機溶剤としては、グリセリン、プロピレングリコール、エチレングリコールなどのグリコール類、エチレングリコールモノメチルエーテル、プロプレングリコールモノメチルエーテルなどのグリコールエーテル類等が好ましく使用できる。
(水性インク組成物:増粘剤)
増粘剤としては、例えば多糖類等の天然高分子、合成高分子を用いることができる。
多糖類としては、例えばアラビアガム、トラガカントガム、グアーガム、ローカストビーンガム、アルギン酸、カラギーナン、ゼラチン、キサンタンガム、ウェランガム、サクシノグリカン、ダイユータンガム、デキストラン、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、デンプングリコール酸及びその塩を用いることができる。
合成高分子としては、例えばポリビニルピロリドン、ポリビニルメチルエーテル、ポリアクリル酸及びその塩、ポリエチレシオキサイド、酢酸ビニル-ポリビニルピロリドン共重合体、スチレン-アクリル酸共重合体及びその塩、イソブチレン無水マレイン酸共重合体及びその塩を用いることができる。
(水性インク組成物:界面活性剤)
界面活性剤としては、随意の界面活性剤を用いることができるが、フッ素系界面活性剤、アセチレングリコール系界面活性剤、及びシリコーン系界面活性剤からなる群より選択される少なくとも一種の界面活性剤を用いることが、水性インク組成物の動的表面張力をより良好に低減させる観点から好ましい。これらの界面活性剤としては、以下の実施例で言及するように、これらの界面活性剤を特定するものとして商業的に入手可能である物を用いることができる。
(水性インク組成物:他の成分)
水性インク組成物は、種々の添加剤、例えば、防腐剤、固着剤、PH調整剤、ノンドライ剤等を含有していてもよい。
(インク貯蔵部)
インク貯蔵部には、上記の筆記具用水性インク組成物が貯蔵されている。
インク貯蔵部は、インクを貯蔵し、かつ筆記部にインクを供給することができる物であれば、任意の物を用いることができる。
特に、筆記具がマーキングペンである場合には、インク貯蔵部は、中空の空間で形成されていることが、インクの目詰まりを抑制する観点から好ましい。また、この場合、インク貯蔵部には、撹拌子が封入されていることが、比重の大きい隠蔽性顔料を使用前に均一に分散させる観点から好ましい。
(筆記部)
筆記部は、筆記具の用途に応じ、随意の材料で構成されていてよい。本発明の筆記具がサインペンである場合、筆記部としては、例えば繊維芯及びプラスチック芯等が挙げられる。
樹脂製の筆記部としては、例えば焼結芯、繊維芯が挙げられる。
繊維芯は、天然繊維、獣毛繊維、ポリアセタール系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリビニル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリフェニレン系樹脂などの1種又は2種以上の組合せからなる平行繊維束、フェルト等の繊維束を加工又はこれらの繊維束を樹脂加工した芯である。
〈エアブラシ〉
図1に示すように、エアブラシ10は、ノズル12及びガス供給部材14を具備していてよい。ノズル12とガス供給部材14とは、一体として形成されていてもよく、又はホース等の中空部材を介して互いに接続されていてもよい。
ノズルは、筆記具の筆記部に高圧ガスを噴射できるノズルであれば、特に限定されない。
ガス供給部材は、ノズルに高圧ガスを供給できる部材であれば、特に限定されない。ガス供給部材は、人間が口から空気を吹き込んで噴射させる部材、ブロアーポンプの弾性体部分を手で圧縮変形させて高圧ガスを生じさせる部材、ピストンとシリンダーとからなるポンプのピストンを手で往復運動させる部材、液化ガスを充填したスプレー缶を用いる部材、電気的に圧縮空気を発生させる部材、例えば、モータと、回転運動を往復運動に変換する機構を介してモータと接続するダイヤフラム等の高圧ガス発生装置とからなり、高圧空気発生装置から噴射口へ高圧ガスを送る部材であってよい。
〈連結部材〉
連結部材は、エアブラシと筆記具とを連結させる随意の部材である。連結部材は、エアブラシと筆記具とを物理的に連結させる部材であれば、特に限定されない。
《筆記具》
上記で言及したように、本発明の筆記具は、エアブラシと組み合わせて用いられる筆記具であって、前記筆記具が、水性インク組成物を含有しており、
前記水性インク組成物が、
水、及び隠蔽性顔料を含有しており、
25℃及び200msにおける動的表面張力が55mN/m以下であり、かつ
剪断速度9.6~76.6/sにおける剪断減粘指数が0.4~0.8である。
実施例及び比較例により本発明を具体的に説明するが、本発明は、これらに限定されるものではない。
《筆記具の作製》
〈実施例1〉
(水性インク組成物の作製)
隠蔽性顔料としての酸化チタン(チタンR-706、DuPont社、平均粒子径360nm)10質量部、色材としての青色顔料(FASTGEN BLUE TGR-SD、DIC社)5質量部、顔料分散剤としてのスチレンアクリル樹脂(ジョンクリルJ-63、BASF社)1質量部、増粘剤としてのキサンタンガム(エコーガムRD、DSP五協フード&ケミカル社)0.1質量部、固着剤としてのスチレンアクリル樹脂(ジョンクリル7100、BASF社)10質量部、防腐剤(バイオデンS、大和化学工業社)0.1質量部、水溶性有機溶剤としてのグリセリン0.8質量部、及びイオン交換水77.3質量部を用い、水性インク組成物を100質量部作製した。
より具体的には、まず、顔料成分、すなわち隠蔽性顔料、青色顔料及び顔料分散剤を、上記のイオン交換水の一部とともに、公知の分散機を用いて混合して、顔料成分の水分散体を予め作製した。次いで、公知の攪拌機を用いて、この顔料成分の水分散体と、残りの成分とを混合攪拌して、水性インク組成物を作製した。
作製した水性インク組成物に関し、剪断減粘指数を、Modular Compact Rheometer MCR302(Anton Paar社)を用いて測定し、動的表面張力をBUBBLE PRESURE TENSIOMETER BP2(三洋貿易社)を用いて測定し、静的表面張力を、CBVP-A3(協和界面科学社)を用いて測定した。
バルブ式マーキングペン(ポスカ銀色、三菱鉛筆社)のインク貯蔵部に、作製した水性インク組成物を充填して、実施例1の筆記具を作製した。
〈実施例2~14及び比較例1~5〉
水性インク組成物の成分を、表1に示すように変更したことを除き、実施例1と同様にして、実施例2~14及び比較例1~5の筆記具を作製した。なお、表1で言及している他の材料としては、以下のものを用いた。
アルミニウム顔料:EMR-DZ485(東洋アルミニウム社、平均粒子径8μm)
青色酸性染料:青1号 40%水溶液
赤色酸性染料:赤103号 35%水溶液
アセチレングリコール系界面活性剤:オルフィン4036(日信化学工業社)
フッ素系界面活性剤:キャップストーンFS-10(DuPond社)
シリコーン系界面活性剤:KF-6011(信越化学工業)
《筆記特性の評価》
作製した筆記具を10回振って撹拌子によりインク貯蔵部内の水性インク組成物を撹拌し、次いでPPC用紙に「VENENO」と筆記して、描線のカスレ及び滲みを評価した。
〈インク流出性〉
描線のカスレの評価基準は以下のとおりである:
A:擦れがなく、十分な濃度の描線が表現できている。
C:描線が多少擦れており、描線濃度がうすい。
E:描線が酷く擦れており、描線が殆ど見えない。
〈描線の滲み〉
描線の滲みの評価基準は以下のとおりである:
A:滲みが殆どない。
C:描線がやや太くなる程度の滲みがあるが、インクの裏抜けはしていない。
E:滲みが酷く、インクの裏抜けがある。
〈再初筆性〉
作製した筆記具で描線を筆記した後に筆記部を上向きにした状態で24時間静置して、再び描線を筆記して、その状態を対比した。
再初筆性の評価基準は以下の通りである:
A:描線が問題なく確認できる。
E:描線の確認が困難。
なお、比較例1及び2は白い紙を用いて、それ以外は黒い紙に筆記した。
《エアブラシユニットの作製》
作製した筆記具を、エアブラシに接続して、エアブラシユニットを作製した。
《塗工性の評価》
直径8mm、高さ8cmの筒状のポリカーボネート製の被塗工体を高さ方向が鉛直となるように配置し、作製したエアブラシユニットを用いて、被塗工体の全周を塗工するようにしてインクを噴射させて、この被塗工体を目視で観察して、外観を評価した。
別途、作製したエアブラシユニットを用いて、PPC用紙にインクを噴射させて、噴射時のインクの吐出量性を目視により評価した。
〈噴射時のインクの吐出量〉
噴射時のインクの吐出量については、インクの吐出量が適切であるかを表1に記載している。
〈塗膜ムラ〉
塗膜ムラの液ダレの評価基準は以下のとおりである:
A:ムラがなく、均一な塗膜が形成されている。
B:僅かにムラが見られるが、ほぼ均一な塗膜が形成されている。
C:ムラがやや見られるが、均一な塗膜が形成されている。
D:ムラが目立つ。
E:ムラが多く、塗膜の外観が損なわれている。
結果を表1に示す。
Figure 0007011522000001
表1から、隠蔽性顔料を含有しており、かつ剪断速度9.6~76.6/sにおける剪断減粘指数が0.4~0.8である、水性インク組成物を含有している実施例1~14の筆記具を具備しているエアブラシユニットは、エアブラシの塗工性及び筆記特性のいずれにおいても、実用上問題のない結果が出ていたことが理解できよう。中でも、200msにおける動的表面張力が55mN/m以下である実施例2~14の筆記具を具備しているエアブラシユニットは、塗膜ムラを更に抑制できていること、並びに上記の実施例の中でも、上記の動的表面張力が45mN/m以下である実施例6~11及び14筆記具を具備しているエアブラシユニットは、塗膜ムラを最も抑制できていることが理解できよう。
これに対し、隠蔽性顔料を有していない比較例1及び2の筆記具を具備しているエアブラシユニットは、上記の剪断減粘指数の範囲を満足しているにもかかわらず、塗膜ムラが多かったことが確認できよう。
また、剪断速度38.3/sでの粘度が50mPa・s超であり、かつ剪断減粘指数が0.4未満である比較例3の筆記具を具備しているエアブラシユニットは、噴射性が良好ではなかったこと、並びに剪断速度38.3/sでの粘度が5mPa・s未満であり、かつ剪断減粘指数が0.8超である比較例4及び5の筆記具は、再初筆性が良好ではなく、これを具備しているエアブラシユニットは、噴射時のインクの吐出量が多かったこと、塗膜ムラが目立っていたことも確認できよう。
10 エアブラシ
12 ノズル
14 ガス供給部材
20 筆記具
22 筆記部
30 連結部材
100 エアブラシユニット

Claims (7)

  1. エアブラシ及び筆記具を具備しており、前記エアブラシから噴き出す空気を介して、水性インク組成物を噴射させる、エアブラシユニットであって、
    前記筆記具は、前記水性インク組成物を含有しており、かつ
    前記水性インク組成物は、隠蔽性顔料を含有しており、かつ剪断速度9.6~76.6/sにおける剪断減粘指数が0.4~0.8である、
    エアブラシユニット。
  2. 前記水性インク組成物の剪断速度38.3/sでの粘度が、5~50mPa・sである、請求項1に記載のエアブラシユニット。
  3. 前記水性インク組成物の、25℃及び200msにおける動的表面張力が55mN/m以下である、請求項1又は2に記載のエアブラシユニット。
  4. 前記水性インク組成物が、フッ素系界面活性剤、アセチレングリコール系界面活性剤、及びシリコーン系界面活性剤からなる群より選択される少なくとも一種の界面活性剤を含有している、請求項1~3のいずれか一項に記載のエアブラシユニット。
  5. エアブラシと組み合わせて用いられる筆記具であって、
    前記筆記具は、水性インク組成物を含有しており、
    前記水性インク組成物は、
    水、及び隠蔽性顔料を含有しており、
    25℃及び200msにおける動的表面張力が55mN/m以下であり、かつ
    剪断速度9.6~76.6/sにおける剪断減粘指数が0.4~0.8である、
    筆記具。
  6. 前記水性インク組成物の剪断速度38.3/sでの粘度が、5~50mPa・sである、請求項5に記載の筆記具。
  7. 前記水性インク組成物が、フッ素系界面活性剤、アセチレングリコール系界面活性剤、及びシリコーン系界面活性剤からなる群より選択される少なくとも一種の界面活性剤を含有している、請求項5又は6に記載の筆記具。
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