JP2016140812A - 保護用塗布具 - Google Patents
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Abstract
【課題】必要な箇所に保護液を塗布し、簡便に、どのような方法で形成された像であっても、耐擦性を向上できる保護用塗布具を提供する。
【解決手段】少なくとも溶剤と、樹脂を含有した文字及び又は絵を保護する保護液を充填した保護用塗布具で、保護液を塗布する部材である、繊維収束体、焼結体、多孔質体、筆、ペン先2、ボールペンチップ、ローラー等と保護液を貯蔵する部材である、インキ用塗布具容器、化粧用塗布具容器、液状糊塗布容器、弁付塗布容器等を備える。
【選択図】図1
【解決手段】少なくとも溶剤と、樹脂を含有した文字及び又は絵を保護する保護液を充填した保護用塗布具で、保護液を塗布する部材である、繊維収束体、焼結体、多孔質体、筆、ペン先2、ボールペンチップ、ローラー等と保護液を貯蔵する部材である、インキ用塗布具容器、化粧用塗布具容器、液状糊塗布容器、弁付塗布容器等を備える。
【選択図】図1
Description
本発明は、筆記、描画、印刷などで形成された文字及び又は絵などの像に対し、後から任意の箇所に保護液を塗布することで、像の部分の耐擦性を向上する保護用塗布具に関するものである。
従来、筆記具、描画材、印刷インキなどは、それぞれに求められる耐擦性が得られるよう研究されているが、実際には印刷物に筆記具で筆記する、複数の筆記具や描画材を使用して絵やイラストを描くなど、実際の使用方法では耐擦性の異なる文字及び又は絵が混在することがある。このような場合比較的耐擦性の低い部分の文字や絵の輪郭が手や消しゴムなどの擦過や経時により意図せず崩れたり、消えたりしてしまうことがある。また、近年熱で消色するインキを搭載した筆記具の筆跡を、熱を発生させる摩擦体で擦過することで、摩擦熱により消去できる筆記具も一般化してきて、従来よりも硬い部品で、文字や絵が擦られる場面が増え、文字や絵などの像の耐擦性の向上が望まれている。印刷物の保存性を向上するために特許文献1では、インクジェット記録方法による印刷物に対し、アセタール樹脂及び有機溶剤を含有する保護液をスプレーで噴霧することにより、塗布ムラがなく保存性の向上した印刷物保護剤が開示されている。
特許文献1に記載の発明では、スプレーでムラなく塗布する方法が開示されているが、保護したい範囲が小さい場合など、任意の箇所を保護したい場合はノズルなどを工夫し、噴霧範囲を小さくすること、あらかじめ周囲をマスキングするなど事前準備や複数のノズルを準備するなど煩雑な物であった。
本発明は、必要な箇所に保護液を塗布し、簡便にどのような方法で形成された像であっても耐擦性を向上できる保護用塗布具を提供する事を目的とする。
即ち、本発明は、少なくとも溶剤と、樹脂を含有した文字及び又は絵を保護する保護液を充填した塗布具を要旨とするものである。
塗布具により、塗布範囲が限定されることで必要な箇所に保護液が塗布され、樹脂による保護膜が形成されるので、必要な箇所の耐擦性を簡便に向上することができる。
以下に発明を詳細に説明する。
本発明の保護液に使用できる樹脂は、保護液が塗布された際に、文字及び又は絵の耐擦性を向上させる保護膜を形成するものである。
水溶性樹脂の例としては、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸樹脂、ポリカルボン酸樹脂、ポリアクリル酸ソーダ、ポリアクリルアミド、アルキル酸−メタクリル酸アルキル共重合体、ポリエチレンオキサイド、カルボキシメチルセルロース、エチルセルロース、セルロース及びその誘導体等の合成樹脂、アラビアガム、デキストリン、アルギン酸ソーダ、トラガカントガム、グァーガム、ローストビーンガム、ゼラチン、カゼイン、キサンタンガム等の天然樹脂、サクシノグリカン、ウエランガム(三晶(株)製)やアルカシーラン、アルカシーガム、ゼータシーガム(伯東(株)製)、カラーギナン、アルギン酸及びその誘導体、グァーガム、ローカストビーンガム及びその誘導体、樹脂多糖類のタラガントガム、ジェランガム、サイリウムシードガム、タマリンドシードガム、トラガントガム、ガラクトマンナン、ガティガム、カラヤガム、グルコマンナン、クインスシードガム、タラガム、等の多糖類、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース等の半合成樹脂、などが挙げられる。具体的には、PVPK−15、同K−30、同K−60、同K−90、同K−120(以上、ポリビニルピロリドン、ISPジャパン(株)製)、ゴーセノールNL−05、同NM−11、同NM−14、同N−300、同NH−18、同NH−20、同NH−26(以上、完全ケン化型ポリビニルアルコール、日本合成化学(株)製)、ゴーセノールAL−06R、同P−610、同C−500、同A−300、同AH−17、同AH−26(以上、準完全ケン化型ポリビニルアルコール、日本合成化学(株)製)、ゴーセノールGL−03、同GL−05、同GM−14L、同GM−14、同GH−17、同GH−20、同GH−23、同NK−05R、同KP−08R、同KL−03、同KL−05、同KH−17、同KH−20(以上、部分ケン化型ポリビニルアルコール、日本合成化学(株)製)、アロンT−50、同A−20、同A−30SL、同SD−10、ジュリマーAC−10S、同AC−103、同AC−10P、同AC−10NPD(以上、ポリアクリル酸樹脂、東亜合成(株)製)、ジュリマーA−6310、同A−6712、A−6114(以上、ポリカルボン酸樹脂、東亜合成(株)製)、赤玉デキストリンNo.3、同No.4−C、同MF−30、同No.102−S、同No.102−M、同No.102−D、同No.103、同ND−S(以上、デキストリン、日澱化学(株)製)、ダックアルギンNSPH2、同NSPH、同NSPM、同NSPL、同NSPLL(以上、アルギン酸ナトリウム、キッコーマンバイオケミファ(株)製)、ケルザン、ケルザンS、ケルザンF、ケルザンAR、ケルザンM、ケルザンD(以上、キサンタンガム、三晶(株)製)、ジャガー8111、同8600、同HP−8、同HP−60、CP−13(以上、グァーガム、三唱(株)製)、メトローズSM−4、同SM−15、同SM−25、同SM−100、同SM−400、同SM−1500、同SM−4000、同SM−8000(以上、メチルセルロース、信越化学工業(株)製)、HECダイセルSP200、同SP400、同SP500、同SP600、同SP850、同SP900、同EP850、同SE400、同SE500、同SE600、同SE850、同SE900、同EE820(以上、ヒドロキシエチルセルロース、ダイセルファインケム(株)製)チローゼH20P2、同H4000P(以上、ヒドロキシエチルセルロース、日本合成化学工業(株)製)、NISSOHPC SSL、同SL、同L、同M、同H(以上、ヒドロキシプロピルセルロース、日本曹達(株)製)、メトローズ60SH−3、同60SH−6、同60SH−15、同60SH−50、同60SH−4000、同60SH−10000、同65SH−50、同65SH−400、同65SH−1500、同65SH−4000、同65SH−10000、同90SH−100、同90SH−400、同90SH−4000、同90SH−15000、同90SH−30000、同90SH−100000、同SHV−P(以上、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、信越化学工業(株)製)、メトローズSEB−4T、同SNB−30T、同SNB−60T、同SHV−W(以上、ヒドロキシエチルメチルセルロース。信越化学工業(株)製)等が挙げられる。
有機溶剤に可溶な樹脂としては、エステルガム、キシレン樹脂、アルキッド樹脂、ポリビニルピロリドン、アクリル酸エステル系樹脂、メラミン系樹脂、セルロース系樹脂、シクロヘキサノン、アセトフェノン、尿素などのケトンとホルムアルデヒドとの縮合樹脂、シクロヘキサノンの縮合樹脂及びそれらを水素添加した樹脂、マレイン酸樹脂、スチレンとマレイン酸エステルとの共重合体、スチレンとアクリル酸又はそのエステルとの共重合体、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂、ポリビニルアルキルエーテル、クマロン−インデン樹脂、ポリテルペン、ロジン系樹脂やその水素添加物、ロジン変性されたマレイン酸樹脂、ロジン変性されたフェノール樹脂、ビニルピロリドン−酢酸ビニル共重合物、ポリメタクリル酸エステル、ポリオキシエチレン、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ケトン樹脂、スルフォアミド樹脂、アクリル樹脂、エステルガム、キシレン樹脂、尿素樹脂、アルキッド樹脂、フェノール樹脂、アルキルフェノール樹脂、テルペンフェノール樹脂、アセタール樹脂、ポリビニルアルキルエーテル、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンオキサイド等が挙げられる。これらの樹脂は単独で用いても良いし、2種以上混合して用いても良く、その配合量は、保護液全量に対して、0.1〜50重量%範囲である。これらの樹脂は、保護膜を形成するだけでなく、保護液の粘度を調整する作用がある。
なかでも、保護液による耐擦性の向上が良好となるアセタール樹脂が好ましい。アセタール樹脂の一例としては、アセタール樹脂のアセタール基がブチラール基であるポリビニルブチラール、アセタール樹脂のアセタール基がホルマール基であるポリビニルホルマール、アセタール樹脂のアセタール基がアセタール基であるポリビニルアセタールが挙げられる。特にポリビニルブチラールは、より強く耐擦性を向上できるのでさらに好ましい。
ポリビニルブチラール樹脂の一例としては、積水化学工業(株)製のエスレックBL−1(分子量19000)、同BL−1H(分子量20000)、同BL−2(分子量27000)、同BL−2H(分子量28000)、同BL−5(分子量32000)、同BL−10(分子量15000)、同BL−S(分子量23000)、同BM−1(分子量40000)、同BM−2(分子量52000)、同BM−5(分子量53000)、同BM−S(分子量53000)、同BH−3(分子量110000)、同BH−6(分子量92000)、同BH−A(分子量115000)、同BH−S(分子量66000)、(株)クラレ製のMowitalB16H、同B20H、同B30T、同B30H、同B30HH、同B45M、同B45H、同B60T、同B60H、同B60HH、同B75H等が挙げられる。ポリビニルアセタール樹脂の一例としては、積水化学工業(株)製のエスレックBX−L(分子量20000)、同BX−1(分子量100000)、同BX−3(分子量123000)、同BX−5(分子量130000)、同KS−10(分子量17000)、同KS−1(分子量27000)、同KS−3(分子量108000)、同KS−5(分子量130000)等が挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上組合せて用いてもよい。
有機溶剤に可溶な樹脂としては、エステルガム、キシレン樹脂、アルキッド樹脂、ポリビニルピロリドン、アクリル酸エステル系樹脂、メラミン系樹脂、セルロース系樹脂、シクロヘキサノン、アセトフェノン、尿素などのケトンとホルムアルデヒドとの縮合樹脂、シクロヘキサノンの縮合樹脂及びそれらを水素添加した樹脂、マレイン酸樹脂、スチレンとマレイン酸エステルとの共重合体、スチレンとアクリル酸又はそのエステルとの共重合体、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂、ポリビニルアルキルエーテル、クマロン−インデン樹脂、ポリテルペン、ロジン系樹脂やその水素添加物、ロジン変性されたマレイン酸樹脂、ロジン変性されたフェノール樹脂、ビニルピロリドン−酢酸ビニル共重合物、ポリメタクリル酸エステル、ポリオキシエチレン、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ケトン樹脂、スルフォアミド樹脂、アクリル樹脂、エステルガム、キシレン樹脂、尿素樹脂、アルキッド樹脂、フェノール樹脂、アルキルフェノール樹脂、テルペンフェノール樹脂、アセタール樹脂、ポリビニルアルキルエーテル、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンオキサイド等が挙げられる。これらの樹脂は単独で用いても良いし、2種以上混合して用いても良く、その配合量は、保護液全量に対して、0.1〜50重量%範囲である。これらの樹脂は、保護膜を形成するだけでなく、保護液の粘度を調整する作用がある。
なかでも、保護液による耐擦性の向上が良好となるアセタール樹脂が好ましい。アセタール樹脂の一例としては、アセタール樹脂のアセタール基がブチラール基であるポリビニルブチラール、アセタール樹脂のアセタール基がホルマール基であるポリビニルホルマール、アセタール樹脂のアセタール基がアセタール基であるポリビニルアセタールが挙げられる。特にポリビニルブチラールは、より強く耐擦性を向上できるのでさらに好ましい。
ポリビニルブチラール樹脂の一例としては、積水化学工業(株)製のエスレックBL−1(分子量19000)、同BL−1H(分子量20000)、同BL−2(分子量27000)、同BL−2H(分子量28000)、同BL−5(分子量32000)、同BL−10(分子量15000)、同BL−S(分子量23000)、同BM−1(分子量40000)、同BM−2(分子量52000)、同BM−5(分子量53000)、同BM−S(分子量53000)、同BH−3(分子量110000)、同BH−6(分子量92000)、同BH−A(分子量115000)、同BH−S(分子量66000)、(株)クラレ製のMowitalB16H、同B20H、同B30T、同B30H、同B30HH、同B45M、同B45H、同B60T、同B60H、同B60HH、同B75H等が挙げられる。ポリビニルアセタール樹脂の一例としては、積水化学工業(株)製のエスレックBX−L(分子量20000)、同BX−1(分子量100000)、同BX−3(分子量123000)、同BX−5(分子量130000)、同KS−10(分子量17000)、同KS−1(分子量27000)、同KS−3(分子量108000)、同KS−5(分子量130000)等が挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上組合せて用いてもよい。
本発明で使用する溶剤としては、樹脂を溶解及び又は分散できれば特に限定されないが、特に、速乾性や安全性や臭気の問題から、アルコール、グリコール、グリコールエーテルが好ましい。
溶剤の一例としては、水、イオン交換水、蒸留水の他に、ノルマルペンタン、シクロペンタン、メチルシクロペンタン、ノルマルヘキサン、イソヘキサン、ノルマルヘプタン、ノルマルオクタンなど脂肪族炭化水素系溶剤、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン等の他、エクソールDSP100/140(以上エクソン化学(株)製)等の脂肪族炭化水素系溶剤の混合品、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノイソブチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノ2−エチルヘキシルエーテル、エチレングリコールモノアリルエーテル、ジエチレングリコールモノフェニルエーテル、ジエチレングリコールモノベンジルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノイソブチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノ2−エチルヘキシルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、ポリエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールターシャリブチルエーテル、プロピレングリコールモノフェニルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリプロピレングリコールモノブチルエーテル、3−メチル−3−メトキシ−1−ブチルアセテート等のグリコールエーテル類、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ヘキシレングリコール、オクチレングリコール、グリセリン、ポリエチレングリコール、3−メチル−1,3ブタンジオール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール等のグリコール類、ベンジルアルコール、β−フェニルエチルアルコール、α−メチルベンジルアルコール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、3−メトキシ−1−ブタノール、3−メチル−3−メトキシ−1−ブタノール、3−メチル−3−メトキシペンタノール、ラウリルアルコール、トリデシルアルコール、イソデシルアルコール、イソトリデシルアルコール等のアルコール類、メチルイソプロピルエーテル、エチルエーテル、エチルプロピルエーテル、エチルブチルエーテル、イソプロピルエーテル、ブチルエーテル、ヘキシルエーテル、2−エチルヘキシルエーテル等のエーテル類、酢酸−2−エチルヘキシル、イソ酪酸イソブチル、乳酸エチル、乳酸ブチル等のエステル類を挙げることができる。
これらの溶剤は単独あるいは組み合わせて使用でき、その使用量はインキ全量に対し10重量%以上99.9重量%以下が好ましい。
これらの溶剤は単独あるいは組み合わせて使用でき、その使用量はインキ全量に対し10重量%以上99.9重量%以下が好ましい。
文字及び又は絵とは、筆記具、描画材、印刷装置などで被塗布物に形成された像のことである。筆記具、描画材の例としては、マーキングペン、筆ペン、ボールペン、万年筆、サインペン、シャープペンシル、鉛筆、絵具、ポスターカラー、パス、コンテ、パステル、くれよん、色鉛筆、木炭、などが挙げられる。印刷装置の例としては、凸版式印刷、平版式印刷、凹版式印刷、孔版式印刷、オフセット印刷、インクジェット印刷、トナー印刷など挙げられる。
保護用塗布具について、保護液を充填する塗布具としては保護液を塗布する部材としてのペン先と、保護液を貯蔵する部材を備えるものであれば、一般的なインキ用塗布具の容器や、マニキュアやアイライナーなどの化粧用塗布具容器、液状糊の塗布容器、修正液の塗布容器などが使用可能である。塗布具容器の例としては、万年筆、サインペン・マーキングペン、筆ペン、ボールペンの容器、ローラー式の塗布部を持った液状糊塗布容器、修正液などの弁付塗布容器などが挙げられる。
保護用塗布具のペン先としては、一般的な塗布具のペン先などを使用することができ、例えば、繊維収束体、焼結体、多孔質体、筆、プラスチックペン先、万年筆などの金属ペン先、修正液などの弁付ペン先、保護液を紙面等の被塗布面に転写するボールを先端から一部臨出させて回転自在に抱持するボールペンチップ、保護液を紙面等の被塗布面に転写するローラーを先端から一部臨出させて回転自在に抱持するローラー等が挙げられる。
繊維収束体、焼結体、多孔質体、筆、プラスチックペン先は、筆跡及び又は描画物への機械的な影響が少なく好ましい。
これらのペン先は保護液貯蔵部に直接もしくは接続中継部材を介して、接続することができる。保護液の供給制御機構として、保護液吸蔵体や、断面櫛歯状の一時的保護液溜め部材、弁機構などを備えていてもかまわないし、必要に応じて保護液消費に伴う内蔵インキ体積の減少に伴い外気を取り入れる空気流通機構を備えることもできる。また、保護液タンクをそのまま筆記具の外装部品とすることもできるし、別途外装部品を被せることも適宜である。
保護用塗布具のペン先としては、一般的な塗布具のペン先などを使用することができ、例えば、繊維収束体、焼結体、多孔質体、筆、プラスチックペン先、万年筆などの金属ペン先、修正液などの弁付ペン先、保護液を紙面等の被塗布面に転写するボールを先端から一部臨出させて回転自在に抱持するボールペンチップ、保護液を紙面等の被塗布面に転写するローラーを先端から一部臨出させて回転自在に抱持するローラー等が挙げられる。
繊維収束体、焼結体、多孔質体、筆、プラスチックペン先は、筆跡及び又は描画物への機械的な影響が少なく好ましい。
これらのペン先は保護液貯蔵部に直接もしくは接続中継部材を介して、接続することができる。保護液の供給制御機構として、保護液吸蔵体や、断面櫛歯状の一時的保護液溜め部材、弁機構などを備えていてもかまわないし、必要に応じて保護液消費に伴う内蔵インキ体積の減少に伴い外気を取り入れる空気流通機構を備えることもできる。また、保護液タンクをそのまま筆記具の外装部品とすることもできるし、別途外装部品を被せることも適宜である。
筆とは繊維が集束された筆穂を固定部材を介して配したペン先のことであり、繊維の先端にテーパーを有していてもよい。
プラスチックペン先とは、細管及び又は細溝によって、ペン先にインキが導出するプラスチック体のことであり、特許第4665217号記載のプラスチックペン先は、筆跡及び又は描画物への機械的な影響が特に少なくて好ましい。
保護用塗布具のペン先が乾燥しないよう適宜従来公知の乾燥防止手段を講じることができる。構造によるペン先の乾燥防止方法としては、ペン先を気密に保持するキャップを使用しても、又は、筆記具本体の前後動に連動して開閉する蓋体を設けたノック式の密閉構造を使用してもよい。ノック式の密閉構造を使用する事によって、筆記具使用時のキャップ紛失を防止したり、筆記時にキャップ開閉を両手で行わなければならないといった煩わしさを防止する事も出来る。
また、保護液への添加物によるペン先の乾燥防止方法としては、保護液に高沸点溶剤添加してペン先での乾燥固化を抑制してもよく、保護液にポリグリセリン脂肪酸エステルや飽和脂肪酸トリグリセリド、脂肪酸トリグリセリドデカグリンなどを添加して乾燥時にインキを含んだ柔らかい被膜をペン先に作らせそれ以上の溶剤の蒸発を抑制してもよい。
また、保護液への添加物によるペン先の乾燥防止方法としては、保護液に高沸点溶剤添加してペン先での乾燥固化を抑制してもよく、保護液にポリグリセリン脂肪酸エステルや飽和脂肪酸トリグリセリド、脂肪酸トリグリセリドデカグリンなどを添加して乾燥時にインキを含んだ柔らかい被膜をペン先に作らせそれ以上の溶剤の蒸発を抑制してもよい。
図1、図2、図3、図4にノック式の密閉構造を使用した出没式筆記具容器の一例を示す。ポリエステル繊維の収束体をペン先とし、保護液を繊維収束体である保護液吸蔵体に含浸させ使用したものを想定している。
筆記具の最外形を形成し、外装体1の内部に、ペン先2を先端に備えた筆記具本体3を前後動自在に収容している。外装体1は、基本的には前後端に開口部を有する貫通穴を備えた筒状体であり、前端開口部1aがペン先吐出口であり、後端開口部1bが、操作部材の突出口となっている。前端開口部1aには、後述する蓋体4に対して摺接する環状弾性体5が嵌めこまれて固定されており、蓋体4が前端開口部1aを閉塞する状態において、蓋体4は環状弾性体5と周状当接し、外部における通気を遮断している。
筆記具の最外形を形成し、外装体1の内部に、ペン先2を先端に備えた筆記具本体3を前後動自在に収容している。外装体1は、基本的には前後端に開口部を有する貫通穴を備えた筒状体であり、前端開口部1aがペン先吐出口であり、後端開口部1bが、操作部材の突出口となっている。前端開口部1aには、後述する蓋体4に対して摺接する環状弾性体5が嵌めこまれて固定されており、蓋体4が前端開口部1aを閉塞する状態において、蓋体4は環状弾性体5と周状当接し、外部における通気を遮断している。
外装体1の側部には、筆記具本体3の突出係止機構のためのクリップ6が外装体1の後方に一体に固定され、クリップ6の先端内側にはギア部材7が回転可能に固定されている。
筆記具本体3の後方側壁には前突起3aと同一軸線位置に後突起3bが形成されており、外装体1の側部に設けられたスリット孔1cを通じて外装体1の外に突出している。
筆記具本体3を前進させる事によって、蓋体4が回転開口し、ペン先2が突出した位置で、前突起3aがクリップ6の先端内側に配置されたギア部材7に係止され、ペン先突出状態を維持する。そして、更に筆記具本体3を前進させると、後突起3bがギア部材7を回転させ、前突起3aとギア部材7との係止が解除され、筆記具本体3は後退可能となる。筆記具本体3は、肩部3cに当接するコイルスプリング8により後方付勢力を受けており、前突起3aとギア部材7との係止が解除されると、ペン先2を外装体1内に没入状態とする位置にまで筆記具本体3が後退し、筆記具本体に連動して蓋体4が回転閉口し、ペン先2を密閉状態とする。
筆記具本体3の後方側壁には前突起3aと同一軸線位置に後突起3bが形成されており、外装体1の側部に設けられたスリット孔1cを通じて外装体1の外に突出している。
筆記具本体3を前進させる事によって、蓋体4が回転開口し、ペン先2が突出した位置で、前突起3aがクリップ6の先端内側に配置されたギア部材7に係止され、ペン先突出状態を維持する。そして、更に筆記具本体3を前進させると、後突起3bがギア部材7を回転させ、前突起3aとギア部材7との係止が解除され、筆記具本体3は後退可能となる。筆記具本体3は、肩部3cに当接するコイルスプリング8により後方付勢力を受けており、前突起3aとギア部材7との係止が解除されると、ペン先2を外装体1内に没入状態とする位置にまで筆記具本体3が後退し、筆記具本体に連動して蓋体4が回転閉口し、ペン先2を密閉状態とする。
筆記具本体3の内部には、保護液を含浸させた吸蔵体9が収納され、ペン先2の後端が吸蔵体9の先端に埋没状に接続され、保護液が連通するようなしてある。筆記具本体3は気体透過が少なく、成形性の良いポリプロピレンを使用している。また、筆記具本体3の後部には、螺合により着脱自在とし、気密に装着された、尾栓10があり、尾栓10の内部空間にまで吸蔵体9が介在するようになしてある。この尾栓10の内壁には、複数のリブ10aが長手方向に延在して、尾栓10及び筆記具本体3の内壁と吸蔵体9との間及び後端に通気路を形成していると共に、リブ10aによって吸蔵体9が挟持される形となっており、尾栓10を取り外す時に吸蔵体9が尾栓10と共に取り外されるようなしてある。このようにすることによって、吸蔵体9中に含浸する保護液が消費されて少なくなったり保護液がなくなったりした際に、尾栓10と共に吸蔵体9を抜き出し、再度保護液を含浸させたり、吸蔵体9ごと保護液が含浸した吸蔵体と交換するなどとすることができるものである。また、吸蔵体9には外皮が付いており、交換時にさわっても手を汚さないようになっている。
また、筆記具本体3の外形は、主にペン先2を収容している細径部3dと、主に吸蔵体9を収容する太径部3eとからなっており、その間に肩部3cが形成されている。前述した通り、この肩部3cが、コイルスプリング8によって、筆記具本体3がペン先没入移動の際の付勢力を受ける部分となる。肩部3cと細径部3dとの間には複数のリブが形成されており、細径部3dの撓みを抑制する。そして、外装体1の内壁と、筆記具本体3の細径部3dと間には、環状の弾性体11が両者と気密当接した状態で嵌められている。その弾性体11は後方よりコイルスプリング8の前方付勢力を受け、前方の環状部材12を介して蓋体4へ前方付勢力を伝えている。これによって、前述の外装体1の前端開口部1aに嵌めこまれて固定された環状弾性体5と蓋体4との気密当接と共に、ペン先2を気密に収容するキャップ内空間を形成する。
ペン先2の外周は、筆記具本体3の内面に4箇所設けたペン先保持部3f(図中、破線記載)によってペン先2の最大外径部2aを保持し固定されている。前記ペン先保持部3fはペン先2の中間部に形成されている段部2bまで軸方向に連続して設けられており、ペン先2の軸方向の位置決めは、筆記具本体3の内部に設けた内段部3g(図中、破線記載)とペン先2の段部2bが当接する事によってなされる。
また、筆記具本体3には、空気交換可能な空気交換溝3hが1箇所設けられ、その空気交換溝3hは内段部3gよりも軸方向後方側まで伸びていると共に、ペン先2の段部2b後方の縮径部2cと筆記具本体3の細径部3d内面との空間を介して、筆記具本体3内に挿入された吸蔵体9の空間まで空気交換可能に連通している。
ペン先2はラインマーカー用に先端をナタ形に加工したペン先形状となっており、その天面を筆記面2dとしている。そのナタ形に加工されたペン先2の先端両面2eと同方向の面には、サイド面2fが延設されているが、そのサイド面2fはペン先2の中間部に形成されている段部2bまで伸びている。そのサイド面2fは断面Dカット形状となっている。
また、筆記具本体3には、空気交換可能な空気交換溝3hが1箇所設けられ、その空気交換溝3hは内段部3gよりも軸方向後方側まで伸びていると共に、ペン先2の段部2b後方の縮径部2cと筆記具本体3の細径部3d内面との空間を介して、筆記具本体3内に挿入された吸蔵体9の空間まで空気交換可能に連通している。
ペン先2はラインマーカー用に先端をナタ形に加工したペン先形状となっており、その天面を筆記面2dとしている。そのナタ形に加工されたペン先2の先端両面2eと同方向の面には、サイド面2fが延設されているが、そのサイド面2fはペン先2の中間部に形成されている段部2bまで伸びている。そのサイド面2fは断面Dカット形状となっている。
保護液タンク内に繊維集束体などの保護液吸蔵体を使用せずに自由状態の保護液を収容した場合、その保護液の粘度が数千〜2万mPa・sと非常に高い場合には、保護液タンクの内径が2.8mm以下のような小径のものであれば、保護液タンク内での保護液の層は保護液の自重では移動し難くなり、保護液タンクのペン先と反対側の端部が開放されている場合にも該部からのインキ漏れの恐れは少ない。また、保護液タンクの内径が2.8mmを越えるような大径のものの場合や保護液の粘度が0.1〜数千mPa・sと低い場合には、衝撃が加わった際は保護液の自重以上の力が保護液に付与されることになり、また、高温の環境下に置かれた際には保護液自身の流動性が増して、保護液が漏れることを防ぐために、ワセリン、シリコーングリス、シリコーンオイル又は流動パラフィンとワセリンとの混合物などを保護液のペン先と反対側の界面位置に層状に配置してもよい。この層は筆記による保護液容量の減少に伴う保護液界面の移動に追従して、保護液界面と接触した層として得られるものであり、保護液の蒸発乾燥防止や、使用時の保護液タンク内面への保護液付着防止の目的で使用してもよい。保護液に追従する組成物にはワセリン、シリコーンオイル、ポリブテン、α−オレフィンオリゴマー、エチレン−α−オレフィンオリゴマー、ジベンジリデンソルビトールなどの難揮発性有機液体に粘稠性を付与したものを用いることもできる。
保護液には必要に応じて、潤滑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、防錆剤、防腐剤、消泡剤の添加剤を添加することも可能である。
塗布感の向上、ボールやローラーの回転補助のために、潤滑剤を添加しても良い。
一例としては、切削油類、高級脂肪酸類、リン酸エステル類、リン酸エステル類の中和物、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油とこれらの誘導体、アシルアミノ酸類、チアゾール類、ポリエチレングリコール類、ポリオール変性シリコーン、が挙げることが出来る。
一例としては、切削油類、高級脂肪酸類、リン酸エステル類、リン酸エステル類の中和物、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油とこれらの誘導体、アシルアミノ酸類、チアゾール類、ポリエチレングリコール類、ポリオール変性シリコーン、が挙げることが出来る。
これらは保護液全量に対し0.2〜10.0重量%使用する。0.2重量%以下では塗布感の向上、ボールやローラーの回転を補助する効果が弱くなり、10.0重量%以上添加すると保護液の表面張力が小さくなり、ペン先を下向きにして放置したときに保護液が漏れ出す畏れがある。
リン酸エステルの具体例としては、モノアルキルエーテルリン酸、ポリオキシエチレンモノアルキルエーテルリン酸、ジアルキルエーテルリン酸、ポリオキシエチレンジアルキルエーテルリン酸、トリアルキルエーテルリン酸、ポリオキシエチレントリアルキルエーテルリン酸、並びに、これらの塩である。
また、これらの物質を中和したり、溶液にしたりして使用することは何ら差し支えない。市販のものとしては、フォスファノールBH−650、SM−172、ED−200、GF−339、RA−600、GF199、ML−200、ML−220、ML−240、RD−510Y、GF−185、RS−410、RS−610、RS−710、RL−210、RL−310、RB−410、RP−710、AK−25、GF702、RS−610NA、SC−6103、RD−720、LP−700、LS−500、LB400(以上、東邦化学工業(株)製)や、プライサーフA208B、A219B、A208S、A212S、A215C(以上、第一工業製薬(株)製)、NIKKOLDLP−10、DOP−8N、DDP−2、DDP−4、DDP−6、DDP−8、DDP−10(以上、日光ケミカルズ(株)製)などが挙げられる。
更に、上記リン酸エステルが、保護液中の他成分と反応することで保護液の状態が経時的に変化するようなことが起こらないようにするために、予め中和剤と混合して、リン酸基を中和してから保護液に添加することもできる。中和剤としては、アミン化合物、アミド化合物、アミノ酸化合物やこれらの誘導体、両性界面活性剤などが用いられ、具体的には、アミート102、アミート105、アミート302、アミート308、アミート320などのポリオキシエチレンアルキルアミン類や、ファーミンCS、ファーミン08D、ファーミン20D、ファーミン80、ファーミン86T、ファーミンO、ファーミンT、ファーミンなどの脂肪アミン類(以上、花王(株)製)や、ナイミーンL−201、ナイミーンL−202、ナイミーンL207、ナイミーンF−215、ナイミーンS−202、ナイミーンS−204、ナイミーンS−210、ナイミーンS−215、ナイミーンS−220、ナイミーンT2−206、ナイミーンT2−210、ナイミーンT2−230、ナイミーンT2−260、ナイミーンDT−203、ナイミーンDT−208などのアルキルポリエーテルアミン類(以上、日本油脂(株)製)や、NIKKOLTAMNOS−5、TAMNOS−10,TAMNOS−15、TAMNO−5、TAMNO−15などのポリオキシエチレンアルキルアミン類や、TAMDS−4、TAMDS−15、TAMDO−5などのポリオキシエチレン脂肪酸アミド類や、NIKKOLAM−301、AM3130Nなどの両性界面活性剤(以上、日光ケミカルズ(株)製)や、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリエチルアミン、ジメチルアミノエタノール、ジエチルアミノエタノール、メチルジエタノールアミン、ブチルジエタノールアミン、ジブチルエタノールアミン、ジエチルイソプロパノールアミン、ブチルイソプロピルアミン、ブチルベンジルアミン、ブトキシプロピルアミン(以上、関東化学(株)製)などが挙げられる。
本発明の保護液は筆記先端部を上向き(正立状態)で放置した場合の保護液の逆流を防止したりするために剪断減粘性を付与しても良い。剪断減粘性剤としては、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロース、エチルセルロースなどのセルロース誘導体、アラビアガム、トラガカントガム、グァーガム、ローカストビーンガム、アルギン酸、カラギーナン、ゼラチン、カゼイン、キサンテンガム、デキストラン、ウェランガム、ラムザンガム、アルカガム、デンプングリコール酸ナトリウム、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル、ヒドロキシプロピル化グァーガム、サクシノグリカン、アルカシーラン、アルカシーガム、ゼータシーガム、カラーギナン、タラガントガム、メチルセルロース、エチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルメチルエーテル、ポリアクリル酸、カルボキシビニルポリマー、ポリエチレンオキサイド、酢酸ビニルとポリビニルピロリドンの共重合体、アクリル樹脂塩、アクリル酸とアルキルメタクリレートの共重合体又はそれらの塩、ヒアルロン酸等の多糖類、ベンジリデンソルビトール、シリカ、ベントナイト系無機化合物、有機ベントナイトが挙げられる。
金属部品を使用した際に、錆びの発生や、腐食、金属の溶出を抑えるために、ベンゾトリアゾール、エチレンジアミン四酢酸などを添加しても良い。
保護用塗布具の黴の発生を防止するために、保護液にデヒドロ酢酸ナトリウム、1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オン、安息香酸ナトリウム、モルホリン、モルホリン誘導体などの防腐防黴剤を適宜加えてもよい。
保護液のpHを調整するために、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、トリエタノールアミン、モノエタノールアミン、アミノメチルプロパンジオール、アルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミン、オキシエチレンアルキルアミンなどの塩基性物質や、硫酸などの酸性物質を添加してもよい。
本発明の保護用塗布具は、必要な箇所の耐擦性を向上できることから、保護液を塗布し耐擦性を向上した鉛筆芯やシャープペンシル芯の文字及び又は絵を、更に鉛筆芯やシャープペンシル芯で塗りつぶして隠し、第3者から隠蔽できる状態にした後に、消しゴムを用いて、塗りつぶした部分を消去することで、保護した筆跡を浮かび上がらせるといったスクラッチのような使い方もできる(スクラッチ効果)。
また、あらかじめ鉛筆芯やシャープペンシル芯で面塗りした部分を、保護液で筆記及び又は描画し、消しゴムで面塗り部を擦過すると非保護部のみが消去され、面塗りの風合いを活かした文字や絵を浮かび上がらせることができる(面塗り風筆跡効果)。保護膜の光沢が少なく目立たないと、しっかり隠すことが出来たり、筆跡の風合いを損ねることなく保護できたりするので好ましい。
また、あらかじめ鉛筆芯やシャープペンシル芯で面塗りした部分を、保護液で筆記及び又は描画し、消しゴムで面塗り部を擦過すると非保護部のみが消去され、面塗りの風合いを活かした文字や絵を浮かび上がらせることができる(面塗り風筆跡効果)。保護膜の光沢が少なく目立たないと、しっかり隠すことが出来たり、筆跡の風合いを損ねることなく保護できたりするので好ましい。
このような用途に用いる場合の鉛筆芯やシャープペンシル芯としては、消しゴムで消去可能なものであれば、特に制限はない。また、使用可能な消しゴムとしては、鉛筆芯やシャープペンシル芯の筆跡を消去するものである。その例としては、ポリ塩化ビニルを基材として可塑剤と充填剤等からなる混合物のプラスチゾルを温度調整した加熱成形により半ゲル状態にしたポリ塩化ビニル製消しゴムおよび天然ゴムや合成ゴムや熱可塑性エラストマーといったエラストマーを基材として白サブと軟化剤と充填剤とからなり、混練、加熱成形したエラストマー製消しゴムがある。これらの消しゴムの内、消去性の良さ、経時安定性の良さからポリ塩化ビニル製消しゴムが好ましい。
保護用塗布具による保護膜は、耐擦性だけでなく、耐水性も向上することができる。特に、有機溶剤に可溶な樹脂を用いることで、耐水性を大きく向上させることもできる。被塗布物が紙の場合、保護用塗布具で塗布することで、紙内に保護液を圧入することができ、塗布面側だけでなく、塗布面の裏側からの水の浸入によるニジミ等も防止することもできる。特に耐水性の弱い水性染料インキによる文字又は絵に対しても、著しく耐水性を向上することができる。
保護液を目立たなくする方法として、筆記幅「W」(単位m)、保護液の吐出量「Q」(単位g/m)、保護液中の樹脂の濃度「C」(単位なし)とした時の、塗布面積当たりの樹脂の量(Q/W)×C(単位g/m2)を、0.01≦(Q/W)×C≦1.0としてもよい。吐出量は、吐出により消費した保護液の重量を筆記距離で割って算出する。
保護液は、乾燥前には着色することもできるが、保護した文字及び又は絵の風合いを損ねないように、乾燥後には透明な皮膜となるものがのぞましい。具体的には、o-クレゾールフタレインや、チオールフタレインを添加し、NaOHなどの塩基を加えて高いpH状態にすることで発色させ、塗布直後までは発色しているが、塗布後に被塗布物のpHや、空気中の二酸化炭素などの影響で消色するようにすることも出来る。
以下、実施例及び比較例に基づき更に詳細に説明する。
(実施例1)
エスレックBL−1(ポリビニルブチラール 積水化学工業(株)製)
5.0重量部
エタノール 95.0重量部
をマグネットホットスターラーで加温撹拌等して無色の保護液を作成した。
作成した保護液の粘度を、25℃の環境下で、剪断速度10/sにて測定したところ4.6mPa・sであった。
作成した保護液を図1例示の出没式筆記具容器に充填し、保護用塗布具を作成した。
(実施例2〜28、比較例1〜2)
インキ配合と保護用塗布具の形態を、表1〜表3に示すように変更した以外は、実施例1と同様な手順で実施例2〜28、比較例1の保護用塗布具を作成した。
比較例2は、何も塗布しなかった時の耐擦性を確認するための例である。
塗布具容器1:図1例示の出没式筆記具容器の吸蔵体に保護液を充填
塗布具容器2:特許4665217号記載の線引き用ペン体の吸蔵体に保護液を充填
塗布具容器3:ぺんてる(株)製 水筆、FRH-F容器に保護液を充填
塗布具容器4:ぺんてる(株)製 ボールペン、BX157-Aの容器に保護液を充填し、グリスを充填後、遠心
塗布具容器5:ぺんてる(株)製 のり(コロピタ)、XER101SDの容器に保護液を充填
塗布具容器6:ぺんてる(株)製 のり(イーグルー)、ERB80Mの容器に保護液を充填
塗布具容器7:ぺんてる(株)製 修正液、XEZL1-Wの容器に保護液を充填
塗布具容器8:パイロット(株)製 万年筆、FKA-1SR-Oのインキを排除し、アルコールで超音波洗浄して保護液を充填
塗布具容器9:ぺんてる(株)製 プラマン、TRJ50-Aの容器に保護液を充填
塗布具容器10:ぺんてる(株)製 マーキングペン、ENN50-Aの容器の吸蔵体に保護液を充填
塗布具容器11:ぺんてる(株)製 ペイントマーカー、MWP30の容器に保護液を充填
塗布具容器12:ぺんてる(株)製 カリグラフィペン、JM213 1.3の容器の吸蔵体に保護液を充填
塗布具容器13:ぺんてる(株)製 筆タッチサインペン、SES15C-Aの容器の吸蔵体に保護液を充填
評価方法
(実施例1)
エスレックBL−1(ポリビニルブチラール 積水化学工業(株)製)
5.0重量部
エタノール 95.0重量部
をマグネットホットスターラーで加温撹拌等して無色の保護液を作成した。
作成した保護液の粘度を、25℃の環境下で、剪断速度10/sにて測定したところ4.6mPa・sであった。
作成した保護液を図1例示の出没式筆記具容器に充填し、保護用塗布具を作成した。
(実施例2〜28、比較例1〜2)
インキ配合と保護用塗布具の形態を、表1〜表3に示すように変更した以外は、実施例1と同様な手順で実施例2〜28、比較例1の保護用塗布具を作成した。
比較例2は、何も塗布しなかった時の耐擦性を確認するための例である。
塗布具容器1:図1例示の出没式筆記具容器の吸蔵体に保護液を充填
塗布具容器2:特許4665217号記載の線引き用ペン体の吸蔵体に保護液を充填
塗布具容器3:ぺんてる(株)製 水筆、FRH-F容器に保護液を充填
塗布具容器4:ぺんてる(株)製 ボールペン、BX157-Aの容器に保護液を充填し、グリスを充填後、遠心
塗布具容器5:ぺんてる(株)製 のり(コロピタ)、XER101SDの容器に保護液を充填
塗布具容器6:ぺんてる(株)製 のり(イーグルー)、ERB80Mの容器に保護液を充填
塗布具容器7:ぺんてる(株)製 修正液、XEZL1-Wの容器に保護液を充填
塗布具容器8:パイロット(株)製 万年筆、FKA-1SR-Oのインキを排除し、アルコールで超音波洗浄して保護液を充填
塗布具容器9:ぺんてる(株)製 プラマン、TRJ50-Aの容器に保護液を充填
塗布具容器10:ぺんてる(株)製 マーキングペン、ENN50-Aの容器の吸蔵体に保護液を充填
塗布具容器11:ぺんてる(株)製 ペイントマーカー、MWP30の容器に保護液を充填
塗布具容器12:ぺんてる(株)製 カリグラフィペン、JM213 1.3の容器の吸蔵体に保護液を充填
塗布具容器13:ぺんてる(株)製 筆タッチサインペン、SES15C-Aの容器の吸蔵体に保護液を充填
評価方法
保護性(耐擦性)試験:
保護用塗布具で保護した保護面の耐擦性を評価するために、耐擦性が特に弱いシャープペンシル芯の消去率を用いた。
JIS S6050(2002)「プラスチック字消し」の6.4消し能力(消字率)の試験方法に記載の試験方法中において、JISS6006 に規定の鉛筆のHBを、0.5mmHBシャープ芯(ハイポリマーAin0.5HB、ぺんてる(株)製)を0.5mmシャープペンシル(eクリップシャープペンシル 0.5 ぺんてる(株)製)に変更し、また、しん先端形状を、先端の直径が0.6mmの円すい形から垂直な端面に変更した他は、すべてJISS6050(2002)「プラスチック字消し」の6.4 b)着色紙の作成の試験方法と同じにし、着色紙を作成した。
作成した着色紙に、実施例及び比較例で作成した保護用塗布具で、角度65°、荷重0.98N、速度7cm毎秒で塗布し、5分間乾燥させた。
保護用塗布具で塗布した着色紙に対して、消しゴム(アイン消しゴム/軽く消せるタイプ ぺんてる(株)製)を用いて、JISS6050(2002)6.4 a)試験片の作成、6.4 c)測定方法 消し能力(消字率)の試験方法と同じにして消字率を測定した。
保護されているほど消字率は低くなるので、耐擦性を消字率の低さとして評価できる。測定した結果を表1〜表3に示す。
保護用塗布具で保護した保護面の耐擦性を評価するために、耐擦性が特に弱いシャープペンシル芯の消去率を用いた。
JIS S6050(2002)「プラスチック字消し」の6.4消し能力(消字率)の試験方法に記載の試験方法中において、JISS6006 に規定の鉛筆のHBを、0.5mmHBシャープ芯(ハイポリマーAin0.5HB、ぺんてる(株)製)を0.5mmシャープペンシル(eクリップシャープペンシル 0.5 ぺんてる(株)製)に変更し、また、しん先端形状を、先端の直径が0.6mmの円すい形から垂直な端面に変更した他は、すべてJISS6050(2002)「プラスチック字消し」の6.4 b)着色紙の作成の試験方法と同じにし、着色紙を作成した。
作成した着色紙に、実施例及び比較例で作成した保護用塗布具で、角度65°、荷重0.98N、速度7cm毎秒で塗布し、5分間乾燥させた。
保護用塗布具で塗布した着色紙に対して、消しゴム(アイン消しゴム/軽く消せるタイプ ぺんてる(株)製)を用いて、JISS6050(2002)6.4 a)試験片の作成、6.4 c)測定方法 消し能力(消字率)の試験方法と同じにして消字率を測定した。
保護されているほど消字率は低くなるので、耐擦性を消字率の低さとして評価できる。測定した結果を表1〜表3に示す。
実施例1〜28の保護用塗布具は、何も塗布しなかった比較例2と比較して、著しく耐擦性を向上することができた。実施例16〜21は、塗布前及び塗布直後は有色のため、塗布したい部分に確実に塗布したことを目視で確認しながら塗布でき、塗布後数秒〜数分で塗布箇所が無色となった。
これに対して、比較例1では、樹脂を含有しないので、何も塗布しなかった比較例2と同程度の結果であり、耐擦性を向上できなかった。
以上、詳細に説明したように本発明は、必要な箇所を保護でき、擦過により文字及び又は絵の輪郭が崩れたり、消えたりすることのない保護用塗布具に関するものである。
1 外装体
1a 前端開口部
1b 後端開口部
1c スリット孔
2 ペン先
2a 最大外径部
2b 段部
2c 縮径部
2d 筆記面
2e 先端両面
2f サイド面
3 筆記具本体
3a 前突起
3b 後突起
3c 肩部
3d 細径部
3e 太径部
3f ペン先保持部
3g 内段部
3h 空気交換溝
4 蓋体
5 環状弾性体
6 クリップ
7 ギア部材
8 コイルスプリング
9 吸蔵体
10 尾栓
10a リブ
11 環状の弾性体
12 環状部材
1a 前端開口部
1b 後端開口部
1c スリット孔
2 ペン先
2a 最大外径部
2b 段部
2c 縮径部
2d 筆記面
2e 先端両面
2f サイド面
3 筆記具本体
3a 前突起
3b 後突起
3c 肩部
3d 細径部
3e 太径部
3f ペン先保持部
3g 内段部
3h 空気交換溝
4 蓋体
5 環状弾性体
6 クリップ
7 ギア部材
8 コイルスプリング
9 吸蔵体
10 尾栓
10a リブ
11 環状の弾性体
12 環状部材
Claims (1)
- 少なくとも溶剤と、樹脂を含有した文字及び又は絵を保護する保護液を充填した保護用塗布具。
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2020127908A (ja) * | 2019-02-07 | 2020-08-27 | 三菱鉛筆株式会社 | 筆記具型の水性オーバーコート組成物用塗布具及びエアブラシユニット |
-
2015
- 2015-01-30 JP JP2015017795A patent/JP2016140812A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2020127908A (ja) * | 2019-02-07 | 2020-08-27 | 三菱鉛筆株式会社 | 筆記具型の水性オーバーコート組成物用塗布具及びエアブラシユニット |
JP7239341B2 (ja) | 2019-02-07 | 2023-03-14 | 三菱鉛筆株式会社 | 筆記具型の水性オーバーコート組成物用塗布具及びエアブラシユニット |
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