JP2020196189A - 筆記具 - Google Patents

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Abstract

【課題】 水性顔料インキを収容した筆記具であっても優れた乾燥性を奏する筆跡を形成可能としつつ、筆跡の裏移りや滲みを抑えて、発色性に優れる、鮮明な筆跡を形成することが可能な筆記具を提供すること。【解決手段】 ホスホン酸基が結合した顔料と、界面活性剤と、水とを含む水性インキ組成物を収容した筆記具であり、前記水性インキ組成物は18〜50mN/mを示すことが好ましく、前記筆記具の形態としては、ボールペン、マーキングペン、または万年筆が好ましい。【選択図】 なし

Description

本発明は、筆記具に関するものである。さらに詳しくは、本発明は、乾燥性に優れつつ、裏移りや滲みが抑制された、鮮明な筆跡を形成可能な筆記具に関するものである。
従来から、水を主溶媒としたインキ(水性インキ)を用いた筆記具が知られ、低臭気で安全性が高いことから盛んに利用されている。しかしながら、水は、その高い表面張力に起因して紙面に速やかに浸透しにくいことから、水性インキを用いた筆記具は、乾燥性に優れる筆跡を紙面に形成し難いことがあるため、インキの表面張力を下げて、インキの紙面浸透性を向上させる検討が行われている。
(例えば、特許文献1)
特許文献1には、インキ中に、顔料と水と水に可溶化する炭素数4以上で、かつ比重が1.00未満(25℃)の多価アルコール及び/又はグリコールエーテル類とを含有した筆記具が記載されている。この筆記具は、前記した特定の有機溶剤によってインキの表面張力が低く抑えられ、インキの紙面浸透性が良好とされた筆記具であり、乾燥性に優れる筆跡を形成可能とされている。
しかしながら、顔料は、粒子の大きさが小さく、筆記時に紙表面に留まらずに紙の繊維間の隙間を通って、紙面内部や筆記部の周囲に侵入しやすい。このため、顔料インキを用いた筆記具で筆記すると、筆跡に滲みや裏抜けが生じて筆跡の鮮明性が低下する傾向があり、特に、インキが前記従来技術のインキのように高い紙面浸透性を有する場合には、顔料がより紙面内部に侵入しやすいため、鮮明な筆跡を形成することは一層困難であった。
特許5714888号公報
本発明は、上記従来技術の欠点を鑑みて成されたものである。即ち、水性顔料インキを収容し、筆跡の乾燥性を良好としながらも、裏移りや滲みを抑えて、鮮明な筆跡を形成可能とする筆記具を提供することを目的とする。
本発明は上記課題を解決するために、
「1.ホスホン酸基が結合した顔料と、界面活性剤と、水とを含む水性インキ組成物を収容した筆記具。
2.前記水性インキ組成物が、18〜50mN/mの表面張力を示す、第1項に記載の筆記具。
3. 前記水性インキ組成物全質量を基準とし、前記顔料の含有率をX、前記界面活性剤の含有率をYとした場合、X/Yが、0.1≦X/Y≦80である、第1項に記載の筆記具。
4.前記界面活性剤が、シリコーン系界面活性剤またはアセチレングリコール系界面活性剤である、第3項に記載の筆記具。
5.形態がボールペン、マーキングペンまたは万年筆である、第1項〜第4項のいずれか1項に記載の筆記具。」とする。
本発明によれば、水性顔料インキを収容し、筆跡の乾燥性を良好としながらも、裏移りや滲みを抑えて、発色性に優れる、鮮明な筆跡を形成可能とする筆記具が提供される。
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。なお、本明細書において、配合を示す「部」、「%」、「比」などは特に断らない限り質量基準である。
本発明の筆記具は、水性インキ組成物(以下、場合により、「インキ組成物」または「組成物」と表すことがある。)を収容してなる。また、前記水性インキ組成物は、着色材と、着色材の分散媒であるビヒクルとからなる。以下、本発明による筆記具を構成する各成分について説明する。
(着色材)
水性インキ組成物は、着色材としてホスホン酸基[−P(=O)(OH)]が結合した顔料を含む。
前記ホスホン酸基は、直接または有機基を介して顔料表面に結合している。
前記ホスホン酸基は親水性であるとともに、ホスホン酸基がインキ中で電離して[−P(=O)(OH)(O)]または[−P(=O)(O]の構造を有するイオンとなり、着色材間に電気的反発力が生じることから、前記着色剤は、インキ組成物中において沈降、凝集することが抑制されて優れた分散性を奏する。このため、着色材に前記顔料を用いた本発明の筆記具は、ペン先からのインキ吐出性に優れたものとなる。
筆記時に吐出されたインキ組成物が紙面に触れた際、前記イオンは紙に含まれるカオリン、クレーおよび炭酸カルシウム等の多価金属塩からインキ中に溶出した多価金属イオンと速やかに強く結合することから、前記イオンに起因する着色材間の電気的反発力が消失し、着色剤の分散性が著しく低下する。前記着色材は紙表面で着色材の嵩高い凝集体を形成し、前記凝集体が、紙繊維間の隙間を通って紙面内部および筆記部周囲へ侵入することなく筆記部の紙表面に定着するため、裏抜けや滲みが抑制された、発色性に優れる、鮮明な筆跡が形成される。
なお、前記の通り、筆跡における着色材は多価金属と強く結合して凝集体を形成しているため、筆跡が水に触れた場合でも、前記着色剤は水に再分散し難い。このため、本発明の筆記具で形成された筆跡は、優れた耐水性をも有する。
筆記具がボールペンの場合、前記着色材により筆記時のインキ吐出性が良好であるため、発色性に優れる筆跡を形成することが容易となる。これは、ホスホン酸基がボール表面およびボール座表面に吸着することで、前記着色材が筆記時のボール回転においてコロの効果を奏し、ボール回転を円滑にすることが要因であると推測される。
前記着色材が、ホスホン酸基が有機基を介して表面に結合した顔料の場合、前記ホスホン酸基と結合する有機基は様々な官能基を選択できる。具体的には、アルキル基、アルケニル基、アリール基、アリーレン基等の炭化水素基でもよく、前記炭化水素基とともに、構造に、エステル結合、エーテル結合、カルボニル基、水酸基、カルボキシ基等を有する含酸素有機基、アミド結合、ウレタン結合、アゾ基、ジアゾ基、ニトロ基等を有する含窒素有機基、または、スルフィド結合、ジスルフィド結合、スルホ基、チオール基等を有する含硫黄有機基であっても良い。
組成物中での前記着色材の分散性および紙に含まれる多価金属との結合性を一層高め、優れた発色性を奏する、鮮明な筆跡を形成することをより考慮すれば、着色材は、二つのホスホン酸基が同一の炭素に結合した有機基、即ち、ジェミナルビスホスホン酸基が表面に結合した顔料であることが好ましい。
なお、本発明に用いられる着色剤は、アルカリでホスホン酸基が中和された、アルカリ塩であってもよい。
前記ホスホン酸基が結合する顔料(基材顔料)としては、従来より知られている有機顔料、無機顔料、光輝性顔料を用いることができる。具体的には、有機顔料として、アゾ系顔料、インジゴ系顔料、フタロシアニン系顔料、キナクリドン系顔料、チオインジゴ系顔料、スレン系顔料、ペリノン系顔料、ペリレン系顔料、フタロン系顔料、ジオキサン系顔料、イソインドリノン系顔料、金属錯体系顔料、メチン・アゾメチン系顔料、ジケトピロロピロール系顔料等が挙げられ、無機顔料としては、カーボンブラックや酸化チタン、酸化亜鉛、鉄黒、黄色酸化鉄、弁柄、複合酸化物系顔料等の金属酸化物、および群青等が挙げられ、光輝性顔料としては、アルミニウム顔料やガラスフレーク顔料が挙げられる。
着色材の平均粒子径は、0.01〜0.5μmであることが好ましく、0.02〜0.3μmであることがより好ましく、0.05〜0.2μmであることがさらに好ましい。着色材の平均粒子径が上記数値範囲内であれば、前記着色材が紙繊維間の隙間に入り込み難く、発色性に優れる、鮮明な筆跡が得られやすいためである。また、平均粒子径が上記数値範囲内の着色材を含む水性インキ組成物を用いた筆記具は、インキ吐出性を向上させることができる。
なお、着色材の平均粒子径は、一例としては、レーザー回折式粒度分布測定機(商品名「ナノトラックNANO−flex」、マイクロトラック・ベル株式会社)を用いて動的光散乱法で測定される粒度分布の体積累積50%時の粒子径(D50)により測定することができる。本明細書では、着色材の「平均粒子径」とは、特に断りのない限り、体積基準の平均粒子径のことを指すものとする。
本発明に用いられる着色剤の具体例としては、商品名:CAB−O−JET400、商品名:CAB−O−JET450C、商品名:CAB−O−JET465M、商品名:CAB−O−JET470Y、商品名:CAB−O−JET480V(以上、キャボットジャパン株式会社製)が挙げられる。
水性インキ組成物における着色材の含有量は、水性インキ組成物の総質量を基準として、0.1〜20質量%であることが好ましく、0.5〜10質量%であることがより好ましい。着色材の含有率が上記数値範囲内であれば、ペン先からのインキ吐出性を良好とし、発色性に優れる、鮮明な筆跡を形成することが容易となる。
(界面活性剤)
水性インキ組成物は、ビヒクルに界面活性剤を含む。前記界面活性剤は、前記着色材の分散性を高めるとともに、ビヒクルの紙への浸透性を高めて、筆跡の乾燥性を良好とするものであり、従来既知の物質の中から選択可能である。前記界面活性剤としては、シリコーン系界面活性剤、アセチレングリコール系界面活性剤、フッ素系界面活性剤、リン酸エステル系界面活性剤、ジアルキルスルホコハク酸界面活性剤が好ましく、シリコーン系界面活性剤またはアセチレングリコール系界面活性剤がより好ましく、シリコーン系界面活性剤が特に好ましい。
シリコーン系界面活性剤およびアセチレングリコール系界面活性剤は、インキ組成物の紙面浸透性を向上する効果が優れるとともに、前記着色材の分散性を高めてペン先からのインキ吐出性を良好とし、筆跡の発色性を高めて鮮明な筆跡を形成する効果にも優れるものであり、中でも、シリコーン系界面活性剤は筆跡の発色性を向上する効果が一段と優れる、優れた界面活性剤である。
前記シリコーン系界面活性剤は、前記した効果を有するものであれば特に限りはないが、好ましくは、下記式(1)に示すポリエーテル変性シリコーンである。
Figure 2020196189
(式中、R1は同一でも異なってもよく、それぞれ炭素数1以上4以下のアルキル基を示す。pは0以上1000以下の数を示し、qは1以上1000以下の数を示す。X1及びX2は同一でも異なってもよく、それぞれヒドロキシ基、炭素数1以上4以下のアルキル基又はアルコキシ基を示す。R2は水素原子、又は炭素数1以上4以下のアルキル基もしくは炭素数2以上4以下のアシル基を示す。aは1以上4以下の数、bは1以上100以下の数、cは0以上50以下の数を示す。/は、p、qが付された各構成単位及びb、cが付された構成単位がランダム又はブロックであってもよいことを示す。)
上記一般式(1)において、R1は、好ましくはメチル基である。
X1及びX2は、好ましくは炭素数1以上3以下のアルキル基であり、より好ましくはメチル基である。
R2は、好ましくは水素原子、炭素数1以上4以下のアルキル基又は炭素数2以上3以下のアシル基である。
上記一般式(1)において、pは、0以上、好ましくは1以上、そして、1000以下、好ましくは100以下、より好ましくは10以下の数である。qは、1以上、そして、1000以下、好ましくは100以下、より好ましくは20以下の数である。
上記一般式(1)において、aは、好ましくは1以上3以下の数である。
上記一般式(1)において、bは、1以上、好ましくは2以上、より好ましくは3以上、そして、100以下、好ましくは50以下、より好ましくは30以下、更に好ましくは15以下の数である。
上記一般式(1)において、cは、0以上、そして、50以下、好ましくは30以下、より好ましくは10以下、更に好ましくは3以下の数であり、0であってもよい。
上記一般式(1)で表される化合物のHLB値は、ビヒクルの紙面浸透性を良好とし、筆跡の乾燥性を高めつつ、前記着色材の分散性を良好として、発色性に優れる、鮮明な筆跡を形成することを考慮すると、4〜18であることが好ましく、6〜16であることがより好ましい。
上記一般式(1)で表される化合物のHLB値は、下記式(2)により求められる。
HLB値=一般式(1)で表される化合物中のポリオキシエチレンの分子量×20/一般式(1)で表される化合物の分子量・・・(2)
尚、a、b、c、p、q、R1、R2、X1及びX2は、NMR等で求めることができる。
前記ポリエーテル変性シリコーンとしては、一般式(1)のようなポリエーテル変性に加えて、直鎖アルキル変性又は分岐鎖アルキル変性を有するシリコーンが挙げられる。アルキル変性のアルキル基としては炭素数6〜24の直鎖又は分岐アルキル基が挙げられる。またシリコーン鎖が直鎖の場合と分岐鎖の場合がある。
前記ポリエーテル変性シリコーンとしては市販品を用いることができ、市販品としては、KF618(PEG6メチルエーテルジメチコン(式(1)中、R2=メチル、b=6))、KF6011(PEG11メチルエーテルジメチコン(式(1)中、R2=メチル、b=11))、KF6012(PEG12 PEG/PPG−20/22 ブチルエーテルジメチコン(式(1)中、R2=ブチル、b=12)、KF6016(PEG9メチルエーテルジメチコン(式中(1)中、R2=メチル、b=9))、KF615A(PEG/PPG−27/9−ブチルエーテルジメチコン(式(1)中、R2=ブチル、b=20、c=22))、KF6043(PEG10ジメチコン(式(1)中、R2=H、b=10))(いずれも信越化学工業株式会社製)が挙げられる。
前記ポリエーテル変性シリコーンは、1種又は2種以上組み合わせて用いることができる。
また、前記アセチレングリコール系界面活性剤としては、下式(3)に示される物質が好ましく用いられる。
Figure 2020196189
式中、R〜Rはアルキル基を示し、Rはエチレン基を示す。k、lは0以上の整数である。
式(3)の構造を有するアセチレングリコール系界面活性剤としては、4〜12のHLB値を有する物質が好ましく、4〜10のHLB値を有する物質がより好ましい。
HLB値が前記数値範囲内であると、ビヒクルの紙面浸透性を良好とし、筆跡の乾燥性を高めつつ、前記着色材の分散性を良好として、発色性に優れる、鮮明な筆跡を形成することを容易となる。
ここで、本実施形態において用いられる界面活性剤のHLB値は、下式(4)によって算出される値をいう。
HLB値=20×(親水基の質量%)=20×(親水基の式量の総和/界面活性剤の分子量)・・・(4)
前記アセチレングリコール系界面活性剤の具体例としては、オルフィンD−10A、オルフィンD−10PG、オルフィンE1004、オルフィンE1010、オルフィンE1020、オルフィンE1030W、オルフィンPD−001、オルフィンPD−002W、オルフィンPD−003、オルフィンPD−004、オルフィンPD−201、オルフィンPD−301、オルフィンEXP.4001、オルフィンEXP.4200、オルフィンEXP.4123、オルフィンEXP.4300、サーフィノール82、サーフィノール104E、サーフィノール104H、サーフィノール104A、サーフィノール104PA、サーフィノール104PG−50、サーフィノール104S、サーフィノール420、サーフィノール440、サーフィノール465、サーフィノール485、サーフィノール2502、ダイノール604、ダイノール607、以上日信化学工業株式会社製、アセチレノールE13T、アセチレノールEH、アセチレノールEL、アセチレノールE40、アセチレノールE60、アセチレノールE81、アセチレノールE100、アセチレノール85、以上川研ファインケミカル株式会社製、が挙げられ、1種または2種以上を用いることが出来る。
また、フッ素系界面活性剤の具体例としては、パーフルオロアルキルエチレンオキシド付加物、パーフルオロ基ブチルスルホン酸塩、パーフルオロ基含有カルボン酸塩、パーフルオロ基含有リン酸エステル、パーフルオロ基含有リン酸エステル型配合物、パーフルオロアルキルエチレンオキシド付加物、パーフルオロ基・親水性基・親油性基含有オリゴマー、パーフルオロ基・親水性基含有オリゴマー、パーフルオロ基・親油性基含有オリゴマー、パーフルオロアルキルベタイン、パーフルオロアルキルアミンオキサイド化合物等が挙げられ、リン酸エステル系界面活性剤としては、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルリン酸モノエステルおよびその塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルリン酸ジエステルおよびその塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルリン酸トリエステルおよびその塩、ポリオキシアルキレンアリールエーテルリン酸モノエステルおよびその塩、ポリオキシアルキレンアリールエーテルリン酸ジエステルおよびその塩、ポリオキシアルキレンアリールエーテルリン酸トリエステルおよびその塩等が挙げられる。ジアルキルスルホコハク酸界面活性剤としては、アルキル基の炭素数が4〜16であるものが挙げられる。
インキ組成物における界面活性剤の含有率は、インキ組成物全質量を基準として、0.01〜5質量%であることが好ましく、0.1〜2質量%であることがより好ましい。含有量が上記数値範囲内であると、筆跡の乾燥性、インキ組成物中における界面活性剤の溶解安定性、および着色剤の分散性を良好としやすい。
また、インキ組成物全質量を基準とし、前記着色材の含有率をX、前記界面活性剤の含有率をYとした場合、X/Yは、0.1≦X/Y≦80であることが好ましく、0.2≦X/Y≦50であることがより好ましい。X/Yを上記数値範囲内とすれば、筆跡の乾燥性および界面活性剤の溶解安定性を良好とすること、および着色剤の分散性を高めて、発色性に優れる、鮮明な筆跡を形成することが一層容易となる。
(増粘剤)
水性インキ組成物は、ビヒクルに増粘剤を添加することもできる。これにより、経時的にインキ中の前記着色材が沈降、凝集することを抑え、インキ組成物の発色性およびペン先からのインキ吐出性が低下することを抑制しやすくなる。
増粘剤としては従来公知の物質を用いることが可能であるが、好ましくは、インキ組成物にせん断減粘性を付与できる物質である。前記物質を用いることにより、静置時に着色材が沈降、凝集しにくいインキ粘度としながらも、筆記時においてインキ組成物にせん断力が加わった際にインキが容易に低粘度化するため、着色材の沈降、凝集抑制と、良好なインキ吐出性とを両立させることが容易となる。なお、このようなインキ組成物は、ボールペンに好ましく用いることができる。これは、ボールペンは、筆記時にボールの回転に伴ってインキに強いせん断応力が加わるため、ペン先からのインキ吐出性がより良好となって発色性が一層優れる、鮮明な筆跡を形成することが可能であることによる。
インキ組成物にせん断減粘性を付与できる増粘剤の具体例としては、キサンタンガム、ウェランガム、ゼータシーガム、ダイユータンガム、マクロホモプシスガム、構成単糖がグルコースとガラクトースの有機酸修飾ヘテロ多糖体であるサクシノグリカン(平均分子量約100万ないし800万)、グアーガム、ローカストビーンガム及びその誘導体、ヒドロキシエチルセルロース、アルギン酸アルキルエステル類、メタクリル酸のアルキルエステルを主成分とする分子量10万〜15万の重合体、グルコマンナン、寒天やカラゲニン等の海藻より抽出されるゲル化能を有する炭水化物、ポリN−ビニル−カルボン酸アミド架橋物、ベンジリデンソルビトール及びベンジリデンキシリトール又はこれらの誘導体、架橋性アクリル酸重合体、無機質微粒子、ジアルキルスルホコハク酸の金属塩やアミン塩等を例示できる。
インキ組成物における増粘剤の含有率は、インキ組成物全質量に対して、質量0.01%〜5質量%とすることが好ましく、0.05質量%〜2質量%とすることがより好ましい。増粘剤の含有率を前記数値範囲内とすると、ペン先からのインキ吐出性と着色材の分散安定性とを両立することが容易となる。
(その他)
また、水性インキ組成物は、必要に応じて以下の添加剤を用いることができる。
具体的には、従来公知の染料、有機顔料、無機顔料、および光輝性顔料、カオリン、タルク、マイカ、クレー、ベントナイト、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、セリサイト、およびチタン酸カリウムなどの体質材、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、ブタノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、グリセリン、ジグリセリン、およびポリグリセリンなどのアルコールまたはグリコール、ポリオレフィン樹脂、アクリル樹脂、ナイロン樹脂、シリコーン樹脂、ウレタン樹脂、およびフッ素樹脂などからなる樹脂粒子、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、スチレン−ブタジエン系樹脂、アルキッド樹脂、スルフォアミド樹脂、マレイン酸樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、エチレン酢ビ樹脂、塩ビ−酢ビ樹脂、スチレンとマレイン酸エステルとの共重合体、スチレン−アクリロニトリル樹脂、シアネート変性ポリアルキレングリコール、エステルガム、キシレン樹脂、尿素樹脂、尿素アルデヒド樹脂、フェノール樹脂、アルキルフェノール樹脂、テルペンフェノール樹脂、ロジン系樹脂やその水添化合物、ロジンフェノール樹脂、ポリビニルアルキルエーテル、ポリアミド樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂、シクロヘキサノン系樹脂などの定着剤、pH調整剤、ベンゾトリアゾール、トリルトリアゾール、ジシクロヘキシルアンモニウムナイトライト、ジイソプロピルアンモニウムナイトライト、およびサポニンなどの防錆剤、尿素、アニオン系、カチオン系、ノニオン系、両性等の前記リン酸エステル系界面活性剤以外の各種界面活性剤、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドンなどの水溶性樹脂からなる顔料分散剤、還元又は非還元デンプン加水分解物、トレハロース等の二糖類、オリゴ糖、ショ糖、サイクロデキストリン、ぶどう糖、デキストリン、ソルビット、マンニット、およびピロリン酸ナトリウムなどの湿潤剤、防腐剤、気泡抑制剤、気泡吸収剤などの添加剤を用いることができる。
(水性インキ組成物の粘度)
水性インキ組成物の20℃における粘度は、せん断速度が38.4sec−1の条件で測定した場合、1〜200mPa・sであることが好ましく、1〜100mPa・sであることがより好ましい。また、せん断速度が384sec−1の条件で測定した場合、1〜50mPa・sであることが好ましく、1〜30mPa・sであることがより好ましい。
水性インキ組成物の粘度が上記数値範囲内であれば、筆記先端からのインキ吐出性を良好とし、発色性に優れた、鮮明な筆跡を形成することが容易となる。
なお、粘度の測定は、例えば、ティーエイインスツルメント社製のレオメーター「AR−G2粘度計」を用いて行うことができる。
また、水性インキ組成物の20℃における粘性指数nは、0.2〜1.0であることが好ましく、0.3〜1.0であることがより好ましい。ここで、粘性指数nは、S=αDで示される粘性式中のnを指す。なお、Sは剪断応力(dyn/cm=0.1Pa)、Dは剪断速度(s−1)、αは粘性係数を示す。
粘性指数nの測定は、例えば、ティーエイインスツルメント社製のレオメーター「AR−G2粘度計」を用いて行うことができ、38.4s−1及び384s−1のせん断速度と、それらのせん断速度でそれぞれ得られるせん断応力とを上記式に適用してnを求める。
水性インキ組成物の表面張力は、20℃環境下において、18〜50mN/mが好ましい。表面張力が上記数値範囲内であれば、筆跡の乾燥性を良好とすることができると共に、筆跡カスレ・中抜けなどを抑制して、筆記性を向上させることができる。筆跡の乾燥性を良好とすることをより考慮すれば、水性インキ組成物の表面張力は、18〜40mN/mがより好ましく、18〜30mN/mが一層好ましい。
なお、表面張力は、20℃環境下において、協和界面科学株式会社製の表面張力計測器を用い、白金プレートを用いて、垂直平板法によって測定して求められる。
水性インキ組成物のpHは、6〜10であることが好ましく、7〜9であることがより好ましい。水性インキ組成物のpHが上記数値範囲内であれば、着色材の分散性を良好とし易い。
本発明において、pHの値は、例えばIM−40S型pHメーター(東亜ディーケーケー株式会社製)により20℃にて測定することができる。
水性インキ組成物は、従来知られている任意の方法により製造することができる。具体的には、前記各成分を必要量配合し、プロペラ攪拌、ホモディスパー、またはホモミキサーなどの各種攪拌機やビーズミルなどの各種分散機などにて混合し、製造することができる。
(筆記具)
水性インキ組成物は、ペン先、インキ充填機構、ペン先出没機構、インキ供給機構を備えた、ボールペン、マーキングペン、および万年筆等の筆記具に収容される。
ペン先としては、チップ本体のボールハウス(ボール抱持室)にボールを回転自在に抱持したボールペンチップの他、繊維チップ、フェルトチップ、ならびにプラスチックチップなどのペン芯、および金属製の万年筆用のペン先などを好ましく用いることができる。その中でも、インキの吐出性を良好とし、滑らかな筆記感を奏しやすいことから、ボールペンチップが好ましく用いられる。
ボールペンチップは、先端縁の内壁にボールを押圧するコイルスプリングを配設することによってボールペンチップ先端のシール性を保ち、チップ先端から水の蒸発を防いでインキ増粘を抑制しやすくすることで、ドライアップ性能向上をしやすくなるため、より好ましく用いることが可能である。
また、ボールの材質は特に限定されるものではないが、タングステンカーバイドを主成分とする超硬合金ボールや、炭化珪素、アルミナ、ジルコニア、窒化珪素などが挙げられる
ボールの腐食を抑制することを考慮すれば、硫黄系化合物を含有することが好ましい。
筆記具のインキ充填機構は、水性インキ組成物を直に充填する構成のものであってもよく、水性インキ組成物を充填することのできるインキ収容体またはインキ吸蔵体を備えるものであってもよい。
筆記具が水性インキ組成物を直に充填する構成のものである場合、顔料の再分散を容易とするために、インキ収容体にはインキを攪拌する攪拌ボールなどの攪拌体を内蔵することが好ましい。前記攪拌体の形状としては、球状体、棒状体などが挙げられる。攪拌体の材質は特に限定されるものではないが、具体例として、金属、セラミック、樹脂、硝子などを挙げることができる。
また、筆記具が水性インキ組成物を充填することのできるインキ吸蔵体を備えるものである場合は、インキ吸蔵体は、撚り合わせた繊維を用いてなる繊維集束体が好ましい。
本発明の筆記具の出没機構は、特に限定されず、ペン先を覆うキャップを備えたキャップ式、ノック式、回転式およびスライド式などが挙げられる。また、軸筒内にペン先を収容可能な出没式であってもよい。
また、筆記具におけるインキ供給機構についても特に限定されるものではなく、例えば、(1)繊維束などからなるインキ誘導芯をインキ流量調節部材として備え、水性インキ組成物をペン先に供給する機構、(2)櫛溝状のインキ流量調節部材を備え、これを介在させ、水性インキ組成物をペン先に供給する機構、(3)多数の円盤体が櫛溝状の間隔を開け並列配置され、前記円盤体を軸方向に縦貫するスリット状のインキ誘導溝及び該溝より太幅の通気溝が設けられ、軸心にインキ貯蔵部からペン先へインキを誘導するためのインキ誘導芯が配置されてなるペン芯を介してインキ組成物をペン先へ誘導する機構、(4)弁機構によるインキ流量調節部材を備え、水性インキ組成物をペン先に供給する機構、および(5)ペン先を具備したインキ収容体または軸筒より、水性インキ組成物を直接、ペン先に供給する機構などを挙げることができる。
ペン先を具備したインキ収容体としては、前記ボールペンチップを先端に具備し、後端にグリース等の粘稠液体からなるインキ逆流防止体を充填したインキレフィルであっても良い。
インキ組成物を収容する筆記具は、前記したペン先、インキ充填機構、ペン先出没機構、およびインキ供給機構の中から各部材を適宜選択して構成することが可能であり、いずれも好ましく用いることができるが、ボールペンはインキの吐出性に優れる筆記具であり、インキ組成物が高粘度であってもインキの吐出性を良好として、発色性に優れる、鮮明な筆跡を形成容易とするのでより好ましい筆記具形態である。
(実施例1)
下記原材料および配合量にて、室温で1時間攪拌混合することにより、水性インキ組成物を得た。得られた水性インキ組成物の粘度をレオメーター(製品名:AR−G2粘度計、ティーエイインスツルメント社製)により測定し、せん断速度と、それらのせん断速度でそれぞれ得られるせん断応力を元に粘性指数を算出した。具体的には、20℃、せん断速度38.4sec−1における粘度は1.6mPa・sであり、せん断速度384sec−1における粘度は1.6mPa・sであった。また、粘性指数は1.0であった。
さらに、IM−40S型pHメーター(東亜ディーケーケー株式会社製)を用いて、20℃にて水性インキ組成物のpHを測定した結果、pHは8.4であった。
また、得られた水性インキ組成物の表面張力を、表面張力計測器(20℃環境下、垂直平板法、協和界面科学株式会社製)により測定したところ、21.1mN/mであった。
・着色材(1) 26.7質量%
(ホスホン酸基が結合したカーボンブラック、15質量%水分散体、商品名:CAB−O−JET400、キャボットジャパン株式会社製)
・界面活性剤(1) 1.0質量%
(シリコーン系界面活性剤、ポリエーテル変性シリコーン、商品名:KF−618、信越化学工業株式会社製)
・防腐剤 0.4質量%
(商品名:プロキセルXL−2、ロンザジャパン株式会社製)
・イオン交換水 71.9質量%
(実施例2〜16、比較例1〜4)
実施例1に対して、配合する成分の種類や添加量を表1〜2に示したとおりに変更して、実施例2〜16、比較例1〜4の水性インキ組成物を得た。
水性インキ組成物について、レオメーター(製品名:AR−G2粘度計、ティーエイインスツルメント社製、コーンプレート(40mm・角度2°))を用いて、38.4sec−1、384sec−1のせん断速度で20℃における粘度を測定した。
水性インキ組成物について、レオメーター(製品名:AR−G2粘度計、ティーエイインスツルメント社製、コーンプレート(40mm・角度2°))を用いて、前記せん断速度でそれぞれ得られるせん断応力を測定し、せん断速度およびせん断応力を元にS=αDで示される20℃における粘性指数nを算出した。具体的には、38.4s−1及び384s−1のせん断速度と、それらのせん断速度でそれぞれ得られるせん断応力とを上記式に適用して粘性指数nを求めた。なお、Sはせん断応力(dyn/cm=0.1Pa)、Dはせん断速度(s−1)、αは粘性係数を示す。
水性インキ組成物について、IM−40S型pHメーター(東亜ディーケーケー株式会社製)を用いて、20℃におけるpH値を測定した。
水性インキ組成物について、表面張力計測器(垂直平板法、協和界面科学株式会社製)を用いて、20℃における表面張力を、白金プレートを用いて、垂直平板法によって測定した。
上記実施例で使用した材料の詳細は以下の通りである。
・着色材(1)ホスホン酸基が結合したカーボンブラック(黒色、15質量%水分散体、商品名:CAB−O−JET400、キャボットジャパン株式会社製)
・着色材(2)ホスホン酸基が結合したフタロシアニンブルー(青色、15質量%水分散体、商品名:CAB−O−JET450C、キャボットジャパン株式会社製)
・着色材(3)カーボンブラック(16質量%水分散体、商品名:FUJI SP BLACK8038、冨士色素株式会社製)
・着色材(4)青色顔料(Pigment Blue15:3、17質量%水分散体、商品名:FUJI SP 6547、冨士色素株式会社製)
・着色材(5)黒色顔料(カーボンブラック、17質量%水分散体、商品名:MICROPIGMO WMBK−5、オリヱント化学工業株式会社製)
・界面活性剤(1)シリコーン系界面活性剤(ポリエーテル変性シリコーン、商品名:KF−618、有効成分100%、信越化学工業株式会社製)
・界面活性剤(2)シリコーン系界面活性剤(ポリエーテル変性シリコーン、商品名:KF−6011、有効成分100%、信越化学工業株式会社製)
・界面活性剤(3)シリコーン系界面活性剤(ポリエーテル変性シリコーン、商品名:KF−6012、有効成分100%、信越化学工業株式会社製)
・界面活性剤(4)アセチレングリコール系界面活性剤(商品名:ダイノール604、有効成分100%、日信化学工業株式会社製)
・界面活性剤(5)アセチレングリコール系界面活性剤(商品名:サーフィノール104E、有効成分50%、日信化学工業株式会社製)
・増粘剤 サクシノグリカン(商品名:レオザン、三晶株式会社製)
・pH調整剤(トリエタノールアミン)
・防腐剤 ベンゾイソチアゾリン−3−オン(商品名:プロキセルXL−2、ロンザジャパン株式会社製)
・イオン交換水
調製した水性インキ組成物を筆記具に収容し、下記の通り、評価を行った。得られた結果は表1〜2に記載したとおりであった。
なお、評価試験では、以下のような筆記具を作成し試験に用いた。
ボールペンA:ボール外径が0.5mmのボールを回転自在に抱持するボールペンチップのペン先と、インキ組成物を直詰め可能なインキ充填機構と、前記ペン先と前記インキ充填機構との間に介在し、水性インキ組成物をペン先に供給する櫛溝状のインキ流量調節部材とを備えたボールペン(株式会社パイロットコーポレーション製、商品名:ハイテックポイントV5グリップ)に実施例1〜14、比較例1〜4で得られたインキ組成物を収容した。
ボールペンB:インキ収容筒の先端にボール径が0.5mmのボールを回転自在に抱持したボールペンチップをチップホルダーに介して具備したインキ収容筒内(ポリプロピレン製)に実施例15で作製したインキ組成物を充填し、後端にシリコーン化合物の粘稠液体からなるインキ逆流防止体を充填したレフィルを(株)パイロットコーポレーション製のゲルインキボールペン(商品名:G−knock)に装着した。
マーキングペン:砲弾型ポリエステル繊維芯からなるペン先を具備したマーキングペン(パイロットコーポレーション製、商品名:JuicePaint、中字)のインキ収容体に、金属材からなる球状体の撹拌体、及び実施例16で作製したインキ組成物を内蔵した。
(筆跡乾燥性の評価)
前記筆記具で直線筆記し、筆記から1秒後に筆跡を指で擦過した時のインキ組成物の周辺への広がりを目視により観察した。なお、筆記試験用の媒体として、白紙(JIS P3210 筆記用紙A)を用いた。
◎:筆跡周辺にインキが広がった形跡は確認されない。
○:筆跡周辺にインキが広がった形跡が確認されるが、広がりの程度は軽微である。
×:筆跡周辺におけるインキの広がりが顕著である。
(筆跡鮮明性の評価)
上記筆記具により、文字書き(筆記文字:永)を行った。その際の筆跡における裏移り、視認性を目視により観察した。なお、試験紙は筆跡乾燥性の評価で使用した試験紙と同種の紙を用いた。
◎:裏移りや滲みがなく、文字のとめ、はね、はらいが明瞭である。文字の視認性は良好である。
○:わずかな裏移りまたは滲みが確認され、文字のとめ、はね、はらいの一部が若干不明瞭であるが、文字は十分に視認できる。
×:筆跡の裏移りや滲みが顕著であり、文字のとめ、はね、はらいが不明瞭である。文字が不鮮明であり、視認が難しい。
(筆跡発色性の評価)
上記筆記具により、筆記試験媒体に筆記を行った。その際の筆跡の発色性を目視により観察した。なお、試験紙は前記評価で使用した試験紙と同種の紙を用いた。
◎:筆跡に色ムラが無く、筆跡濃度が高い。
○:筆跡に若干の色ムラが確認されるが、筆跡濃度は高い。
△:筆跡に色ムラが確認され、筆跡濃度は若干低いが、実用上問題なし。
×:筆跡に色ムラがあり、濃度が低い。実用上懸念があるもの
Figure 2020196189
Figure 2020196189

Claims (5)

  1. ホスホン酸基が結合した顔料と、界面活性剤と、水とを含む水性インキ組成物を収容した筆記具。
  2. 前記水性インキ組成物が18〜50mN/mの表面張力を示す、請求項1に記載の筆記具。
  3. 前記水性インキ組成物全質量を基準とし、前記顔料の含有率をX、前記界面活性剤の含有率をYとした場合、X/Yが、0.1≦X/Y≦80である、請求項1に記載の筆記具。
  4. 前記界面活性剤が、シリコーン系界面活性剤またはアセチレングリコール系界面活性剤である、請求項3に記載の筆記具。
  5. 形態がボールペン、マーキングペンまたは万年筆である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の筆記具。
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