JP2023068927A - 筆記具用油性インク組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】顔料の分散安定性に優れ、非吸収面への筆記において、「はじき」抑制、及び塗膜の固着性、耐擦過性に優れた筆記具用油性インク組成物及びこの油性インク組成物を搭載した筆記具を提供する。【解決手段】少なくとも、顔料と、樹脂と、有機溶剤と、ポリジメチルシロキサンと、ポリテトラフルオロエチレン粒子とを含有し、上記ポリジメチルシロキサンが、ポリエーテル変性基を両末端に有し、かつコーンプレート型粘度測定において、TI値(10rpm/100rpm)が1.15~2.00であることを特徴とする筆記具用油性インク組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、筆記具用油性インク組成物に関する。
従来において、ポリジメチルシロキサンなどのシリコーン類を含有する筆記具用インク組成物等として、例えば、
〔1〕シリコーン界面活性剤、被膜形成重合体、顔料、および水を含んでなることを特徴とする水性マーカーインクが記載され、上記シリコーン界面活性剤が、ポリオキシエチレンを含んでなるポリジメチルシロキサンであるマーカーインク(例えば、特許文献1参照)、
〔2〕低毒性の非芳香族炭化水素溶剤系インキにおいて、マーキングペンのペン先からのインキの連続的流出を阻害する程インキ粘度を増大させることなく、インキ不浸透面にも実質的に滲みのない筆跡をもたらすマーキングペン用油性インキとして、必須成分として着色剤、脂肪族炭化水素及び/又は脂環族炭化水素を主体とする有機溶剤、前記溶剤に可溶の樹脂、及び環状ポリジメチルシロキサン、アルキル変性シリコーン及び末端変性型ポリエーテル変性シリコーンから選ばれるシリコーンオイルの少なくとも1種を含有してなるマーキングペン用油性インキ組成物(例えば、特許文献2参照)、
〔3〕種々の材質の筆記面に対する良好な筆記性を有しつつ、筆記後の筆跡の繰り返しの擦過やより強い力での擦過に強い改良された耐擦過性を有する筆記具用油性インキ組成物として、着色剤、樹脂、有機溶剤、ポリジメチルシロキサンを含有しており、ポリジメチルシロキサンが、ポリエーテル変性基を両末端に有しており、かつ上記ポリエーテル変性基の水酸基の総和が3以上である筆記具用油性インク組成物(例えば、特許文献3参照)、
〔4〕金属やプラスチックに対する高い定着性とガラス面における除去性とを備える油性マーキングペン用インキ組成物として、溶剤と、着色剤と、前記溶剤に溶解する樹脂と、側鎖にポリエーテル構造を有する変性シリコーンオイルと、を含み、前記溶剤は、主成分としてプロピレングリコールモノメチルエーテルを含み、20℃での表面張力は24mN/m以下である油性マーキングペン用インキ組成物(例えば、特許文献4参照)、
などが知られている。
しかしながら、上記特許文献1は、水性のものであり、本発明とは配合物性などが相違するものであり、上記特許文献2~4は、本発明の近接技術を開示するものであるが、上記特許文献2は主に染料を用いた油性インキであり、また、本発明とは配合物性等が相違するものである。
上記特許文献3は、本出願人の先行出願であり、ポリエーテル変性基を両末端に有するポリジメチルシロキサンを用いる点で一部共通するが、該ポリエーテル変性基ポリジメチルシロキサンは摩擦低減剤として用いるものであり、その含有量も1質量%以上と多く、また、実施例の配合組成も染料のみを用いたものであり、本発明とは発明の目的などを含む配合物性等が相違するものである。上記特許文献4は、側鎖にポリエーテル構造を有する変性シリコーンオイルを用いるものであり、本発明とは配合物性など相違しており、また、これらの各特許文献2~4は、未だ顔料の分散安定性や、非吸収面への筆記において、「はじき」抑制、並びに、塗膜の固着性、耐擦過性などの何れか一つ以上が不十分となる課題があり、各性能に優れる筆記具用油性インク組成物が切望されているのが現状である。
特表平07-509271号公報(特許請求の範囲、実施例等) 特開平09-111176号公報(特許請求の範囲、実施例等) 特開2018-193523号公報(特許請求の範囲、実施例等) 特開2021-17463号公報(特許請求の範囲、実施例等)
本発明は、上記従来技術の課題及び現状などに鑑み、これを解消しようとするものであり、顔料の分散安定性に優れ、非吸収面への筆記において、「はじき」抑制、及び塗膜の固着性、耐擦過性に優れた筆記具用油性インク組成物及びこの油性インク組成物を搭載した筆記具を提供することを目的とする。
本発明者は、上記従来の課題等に鑑み、鋭意研究を行った結果、少なくとも、顔料と、樹脂と、有機溶剤と、特定物性のポリジメチルシロキサンと、ポリテトラフルオロエチレン粒子とを含有し、かつコーンプレート型粘度測定において、TI値(10rpm/100rpm)を特定の範囲とすることなどにより、上記目的の筆記具用油性インク組成物及びこの油性インク組成物を搭載した筆記具が得られることを見出し、本発明を完成するに至ったのである。
すなわち、本発明の筆記具用油性インク組成物は、少なくとも、顔料と、樹脂と、有機溶剤と、ポリジメチルシロキサンと、ポリテトラフルオロエチレン粒子とを含有し、上記ポリジメチルシロキサンが、ポリエーテル変性基を両末端に有し、かつコーンプレート型粘度測定において、TI値(10rpm/100rpm)が1.15~2.00であることを特徴とする。
前記顔料(A)とポリジメチルシロキサン(B)との質量比〔(A)/(B)〕が、500~1800であることが好ましい。
前記インク組成物の25℃における表面張力が26mN/m以下であることが好ましい。
本発明の筆記具は、上記組成の筆記用油性インク組成物を搭載したことを特徴とする。
本発明によれば、顔料の分散安定性に優れ、非吸収面への筆記において、「はじき」抑制、及び塗膜の固着性、耐擦過性に優れた筆記具用油性インク組成物及びこの油性インク組成物を搭載した筆記具が提供される。
本発明の目的及び効果は、特に請求項において指摘される構成要素及び組み合わせを用いることによって認識され且つ得られるものである。上述の一般的な説明及び後述の詳細な説明の両方は、例示的及び説明的なものであり、特許請求の範囲に記載されている本発明を制限するものではない。
以下に、本発明の実施形態を詳しく説明する。但し、本発明の技術的範囲は下記で詳述する実施の形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された発明とその均等物に及ぶ点に留意されたい。また、本発明は、本明細書に開示されている内容と当該分野における技術常識(設計事項、自明事項を含む)に基づいて実施することができる。
〈筆記具用油性インク組成物〉
本発明の筆記具用油性インク組成物は、少なくとも、顔料と、樹脂と、有機溶剤と、ポリジメチルシロキサンと、ポリテトラフルオロエチレン粒子とを含有し、上記ポリジメチルシロキサンが、ポリエーテル変性基を両末端に有し、かつコーンプレート型粘度測定において、TI値(10rpm/100rpm)が1.15~2.00であることを特徴とするものである。
<顔料>
本発明に用いることができる顔料としては、例えば、カーボンブラック、グラファイト、二酸化チタン等の無機顔科、タルク、シリカ、アルミナ、マイカ、アルミナシリケート等の体質顔科、アゾ系顔料、縮合アゾ系顔料、フタロシアニン系顔料、アンスラキノン顔料、キナクドリン顔料、イソインドリノン系顔料、ジケトピロロピロール系顔料、各種レーキ顔料等の有機顔料、蛍光顔料、パール顔料、金色、銀色等のメタリック顔料等が挙げられる。これらの顔料は、単独で用いてもよく、混合させて用いてもよい。
これらの顔料の平均粒子径は、特に限定されず、顔料種、筆記具の用途、ペン先構造、分散安定性の点等に応じて、好適な範囲のものを用いることができる。ここで、本発明において、平均粒子径とは、動的光散乱法を用いて、濃厚系粒径アナライザーFPAR-1000(大塚電子社製)を用いて算出された、散乱強度分布におけるキュムラント法解析の平均粒子径の値、またはレーザー回折法において体積基準により算出されたD50の値であり、この測定は、例えば日機装株式会社の粒子径分布解析装置HRA9320-X100である。
なお、本発明では、本発明の効果を損なわない範囲で、筆記具用油性インク組成物で使用することができる染料、例えば、油溶性染料、直接染料、酸性染料、塩基性染料、媒染・酸性媒染染料、酒精溶性染料、アゾイック染料、硫化・硫化建染染料、建染染料、分散染料、食用染料、金属錯塩染料、造塩染料、樹脂に染料を染着した染料等などを使用することができる。
これらの顔料の含有量は、所定の着色効果を得る点、経時安定性の点から、筆記具用油性インク組成物全量に対して、15~25質量%、更に好ましくは、17~20質量%が望ましい。
<樹脂>
本発明に用いることができる樹脂としては、例えば、ケトン樹脂、スルホアミド樹脂、マレイン酸樹脂、テルペン樹脂、テルペンフェノール樹脂、ロジン変性樹脂、エステルガム、キシレン樹脂、アルキッド樹脂、フェノール樹脂、ブチラール樹脂、ロジン、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、アクリル系樹脂、メラミン系樹脂、ニトロセルロースなどのセルロース系樹脂等、及びこれらの誘導体を用いることができる。これらの樹脂は、単独で用いてもよく、混合させて用いてもよい。
これらの樹脂の含有量は、インク吐出量の点、経時安定性の点から、筆記具用油性インク組成物全量に対して、10~20質量%、更に好ましくは、13~17質量%が望ましい。
〈有機溶剤〉
本発明に用いることができる有機溶剤としては、例えば、芳香族類、アルコール類、多価アルコール類、グリコールエーテル類、炭化水素類、エステル類等を用いることができる。これらの溶剤は、単独で用いてもよく、又は組み合わせて用いてもよい。
芳香族類としては、例えば、ベンジルアルコール、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル、プロピレングリコールモノフェニルエーテル、ジエチレングリコールモノフェニルエーテル、アルキルスルフォン酸フェニルエステル、フタル酸ブチル、フタル酸エチルヘキシル、フタル酸トリデシル、トリメリット酸エチルヘキシル、ジエチレングリコールジベンゾエート、ジプロピレングリコールジベンゾエート等を用いることができる。
アルコール類としては、例えば、エタノール、n-プロパノール、イソプロパノール、n-ブタノール、イソブタノール、tert-ブチルアルコール、1-ペンタノール、イソアミルアルコール、sec-アミルアルコール、3-ペンタノール、tert-アミルアルコール、n-ヘキサノール、メチルアミルアルコール、2-エチルブタノール、n-ヘプタノール、2-ヘプタノール、3-ヘプタノール、n-オクタノール、2-オクタノール、2-エチルヘキサノール、3,5,5-トリメチルヘキサノール、ノナノール、n-デカノール、ウンデカノール、n-デカノール、トリメチルノニルアルコール、テトラデカノール、ヘプタデカノール、シクロヘキサノール、2-メチルシクロヘキサノール等を用いることができる。
多価アルコール類としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、3-メチル-1,3ブンタンジオール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3プロパンジオール、1,3ブタンジオール、1,5ペンタンジオール、ヘキシレングリコール、オクチレングリコール等を用いることができる。
グリコールエーテル類としては、例えば、メチルイソプロピルエーテル、エチルエーテル、エチルプロピルエーテル、エチルブチルエーテル、イソプロピルエーテル、ブチルエーテル、ヘキシルエーテル、2-エチルヘキシルエーテル、エチレングリコールモノヘキ
シルエーテル、エチレングリコールモノ-2-エチルブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノブチルエーテル、3-メチル-3-メトキシ-1-ブタノール、3-メトキシ-1-ブタノール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールターシャリーブチルエーテルジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノブチルエーテル、テトラプロピレングリコールモノブチルエーテル等を用いることができる。
炭化水素類としては、例えば、ヘキサン、イソヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン等の直鎖炭化水素類、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン等の環状炭化水素類を用いることができる。
エステル類としては、例えば、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールジアセテート、3-メチル-3-メトキシブチルアセテート、プロピレングリコールエチルエーテルアセテート、エチレングリコールエチルエーテルアセテート、ギ酸ブチル、ギ酸イソブチル、ギ酸イソアミル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、酢酸イソプロピル、酢酸イソブチル、酢酸イソアミル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸プロピル、プロピオン酸イソブチル、プロピオン酸イソアミル、酪酸メチル、酪酸エチル、酪酸プロピル、イソ酪酸メチル、イソ酪酸エチル、イソ酪酸プロピル、吉草酸メチル、吉草酸エチル、吉草酸プロピル、イソ吉草酸メチル、イソ吉草酸エチル、イソ吉草酸プロピル、トリメチル酢酸メチル、トリメチル酢酸エチル、トリメチル酢酸プロピル、カプロン酸メチル、カプロン酸エチル、カプロン酸プロピル、カプリル酸メチル、カプリル酸エチル、カプリル酸プロピル、ラウリン酸メチル、ラウリン酸エチル、オレイン酸メチル、オレイン酸エチル、カプリル酸トリグリセライド、クエン酸トリブチルアセテート、オキシステアリン酸オクチル、プロピレングリコールモノリシノレート、2-ヒドロキシイソ酪酸メチル、3-メトキシブチルアセテート等を用いることができる。
これらの有機溶剤の含有量は、配合する顔料、樹脂、ポリジメチルシロキサンなどの成分との混和性、並びに、筆記具の用途などを勘案等して、種々の混合比が決定されるものであり、筆記具用油性インク組成物全量に対して、20~80質量%程度である。
〈ポリメチルジメチルシロキサン〉
本発明に用いるポリメチルジメチルシロキサンは、下記一般式で表される化合物であり、ポリエーテル変性基を両末端、すなわち下記一般式のR及びRの位置に有しているポリジメチルシロキサンである。
Figure 2023068927000001
本発明において、ポリエーテル変性基は、例えば、以下のポリエーテル構造を少なくとも一部に有する基を示すものである:
-R1(CO)a(CO)bR2
(式中R1は、炭素数1~10のアルキル基を表し、R2は、水素、炭素数1~50のアルキル基、アリール基のいずれかを表す。また、aは1~50の整数を表し、bは1~50の整数を表す)。
ポリエーテル変性基の少なくとも1つは、多分岐分子骨格を有するものであることが好ましく、特に、多分岐分子骨格を有するポリエーテル変性基は、上記のポリエーテル構造を、少なくとも1つの分岐部に有するものであることができる。また、このようなポリエーテル変性基は分岐部の末端の全部又は一部に水酸基を有していてもよく、その結果、ポリエーテル変性基全体として複数の水酸基を有していてよい。水酸基の個数を、好ましくは3個以上に増大させることによって、塗膜の耐擦過性を更に良好とすることができる。
多分岐分子骨格を構成する原子は、C、Si、O、Hのうちの全部又は一部であることができる。この多分岐分子骨格は、複数の分岐部、例えば、2個以上、3個以上、5個以上、7個以上、又は10個以上であり、かつ100個以下、80個以下、50個以下、又は30個以下の分岐部を有していることができる。この多分岐分子骨格を有することにより、分岐部の末端に水酸基の個数も増大させることができ、これにより、更に塗膜の耐擦過性を向上させることができる。
このような水酸基含有ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサンとしては、市販品では、例えば、BYK社製のBYK-シルクリーン3720(水酸基の数3個以上)、TEGO社製のProtect 5000N(水酸基の数3個以上)等を用いることができる。
この特性のポリエーテル変性ポリジメチルシロキサンの含有量(固形分量)は、表面張力の点、インク塗膜の強固性の点から、筆記具用油性インク組成物全量に対して、0.001~0.25質量%、更に好ましくは、0.02~0.05質量%が望ましい。
本発明では、前記顔料(A)とポリジメチルシロキサン(B)との質量比〔(A)/(B)〕は塗膜平滑性の点から、非吸収面でのインクはじきの点から、好ましくは、500~1800、更に好ましくは、600~1000とすることが望ましい。
更に、本発明の筆記具用油性インク組成物には、上記顔料、樹脂、有機溶剤、ポリジメチルシロキサンと共に、塗膜の減摩耗性の点、塗膜剥離の点から、更にポリテトラフルオロエチレン(PTFE)粒子を含有することが必要である。
用いることができるPTFE粒子は、分散安定性の点、顔料との共存の点から動的光散乱法により測定したときの平均粒子径が、0.1μm以上0.5μm以下のものが好ましい。
この特性のPTFE粒子の含有量(固形分量)は、塗膜の減摩耗性の点、塗膜剥離の点から、筆記具用油性インク組成物全量に対して、1.0~10.0質量%、更に好ましくは、3.0~6.0質量%が望ましい。
本発明の筆記具用油性インク組成物は、上記各成分の他、本発明の効果を損なわない範囲での、例えば、リン酸エステル系界面活性剤等のレべリング剤、防錆剤、防腐剤、潤滑剤、減摩耗剤等を含有することができる。
本発明の筆記具用油性インク組成物は、コーンプレート型粘度測定において、TI(Thixotropic index)値(10rpm/100rpm)が、1.15~2.00であることが必要であり、好ましくは、1.30~1.50とすることが望ましい。
このTI値を上記1.15~2.00の範囲とすることにより、ペン芯内での顔料沈降抑制、沈降した顔料の再分散することができる。このTI値が1.15未満では、ペン芯内沈降が起き、再度筆記する際に新しいインクを無駄に吐出しなければならなくなり、一方、TI値が2.00超過では、インク吐出が渋くなる傾向があり、また顔料の再分散に高シェアが必要となり、好ましくない。
また、本発明では、筆記具用油性インク組成物の25℃における表面張力は、塗膜平滑性の点、非吸収面でのインクはじきの点から、26mN/m以下であることが好ましく、更に好ましくは、22~25mN/mとなることが好ましい。
本発明の筆記具用油性インク組成物における上記TI値、表面張力の調整等は、用いる顔料、樹脂、有機溶剤、ポリジメチルシロキサンなど各配合成分種の洗濯、並びにこれらの各配合量などの好適に組み合わせ、好適な混練機などを用いることによって調整することができる。
本発明の筆記具用油性インク組成物は、少なくとも、顔料と、樹脂と、有機溶剤と、ポリジメチルシロキサン、PTFE粒子、その他の各成分を筆記具用(ボールペン用、マーキングペン用等)インクの用途に応じて適宜組み合わせて、ホモミキサー、ホモジナイザーもしくはディスパー等の撹拌機により撹拌混合することにより、更に必要に応じて、ろ過や遠心分離によってインク組成物中の粗大粒子を除去すること等によって目的の筆記具用油性インク組成物が得られる。
このように構成される本発明の筆記具用油性インク組成物では、少なくとも、顔料と、樹脂と、有機溶剤と、ポリジメチルシロキサンと、PTFE粒子とを含有し、上記ポリジメチルシロキサンが、ポリエーテル変性基を両末端に有し、かつコーンプレート型粘度測定において、TI値(10rpm/100rpm)が1.15~2.00とすることにより、顔料の分散安定性に優れ、非吸収面への筆記において、「はじき」抑制、及び塗膜の固着性、耐擦過性に優れたものとなる。
本発明の筆記具は、上記構成の筆記具用油性インク組成物を搭載したことを特徴とするものである。
本実施形態の筆記具としては、例えば、インク貯蔵部、筆記部及び保持部を少なくとも具備している。このインク貯蔵部には、上記の筆記具用油性インク組成物が貯蔵されている。本発明において、筆記具は、マーキングペンであってもよく、又はボールペンであってもよい。
ここで、本明細書において「マーキングペン」とは、インク貯蔵部に貯蔵されているインクを、毛細管現象により樹脂製の筆記部(ペン芯等)に供給する機構を有するペンを意味するものであり、当業者により「サインペン」として言及されるペンも含まれる。また、本明細書において「ボールペン」とは、筆記部に備えられているボールの回転によって、インク貯蔵部に貯蔵されているインクを滲出させる機構を有するペンを意味する。
インク貯蔵部には、上記の筆記具用油性インク組成物が貯蔵されている。また、インク貯蔵部は、インクを貯蔵し、かつ筆記部にインクを供給することができるものであれば、任意のものを用いることができる。
このように構成される本発明の筆記具では、上記特性の筆記具用油性インク組成物が搭載されているので、顔料の分散安定性に優れ、非吸収面への筆記において、「はじき」抑制、及び塗膜の固着性、耐擦過性に優れた油性筆記具が得られるものとなる。
また、本発明では、顔料として、上述の如く、種々の顔料を用いることができ、特に、酸化チタンなどの比重の大きいものを用いた場合、従来において、ペン芯内で沈降してしまうなどの課題があったが、本発明の筆記具用油性インク組成物を搭載した筆記具では、ペン芯内での沈降が抑制され、書き出し時より濃度変化もなく、良好な描線が得られるものとなる。
次に、筆記具用油性インク組成物及びこれを搭載した筆記具の実施例1~5及び比較例1~6により本発明を更に詳細に説明するが、本発明は下記実施例等に限定されるものではない。
〔実施例1~5及び比較例1~6〕
下記表1に示す、各顔料、樹脂、有機溶剤、ポリジメチルシロキサン、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE粒子)分散体、その他の筆記具用油性インク成分の配合処方にしたがって、常法により各筆記具用油性インク組成物を調製した。
得られた各筆記具用油性インク組成物について、25℃における表面張力、TI値(10rpm/100rpm)、撹拌ボール動き、ペン芯内沈降具合、固着性、描線のはじき性について、下記各方法により評価等した。これらの結果を下記表1に表す。
〔表面張力の測定方法〕
得られた各筆記具用油性インク組成物の表面張力(25℃)は、協和界面科学社製、表面張力測定装置:DY-300にて測定した。
(インク粘度、TI値の算出方法)
得られた各筆記具用油性インク組成物について、コーンプレート型粘度測定(TVE-35L)粘度計(東機産業社製)を用いて、10rpm時のインク粘度(25℃、mPa・s)、100rpmのインク粘度(25℃、mPa・s)を測定し、この各粘度値を用いて、10rpmの粘度値/100rpmの粘度値の比(TI値)を算出した。なお、コーンプレートは3°×R14を用いた。
(分散安定性の評価方法)
得られた各筆記具用油性インク組成物を使用して、サインペンを作製した。サインペンの構成は以下のとおりである。
商品名および品番:PC-5M、三菱鉛筆社製
軸材質:ポリプロピレン(PP)樹脂
ペン芯:ナイロン製、形状:両刀形状、気孔率:70~75%
軸筒内にバルブ機構および撹拌ボール(φ6.4mm、ステンレス鋼製)を内蔵
各油性インク組成物を充填したサインペンを、キャップ側を上向きにして、50℃環境下において12週間(3M)静置した後、サインペンを振った。撹拌ボールが油性インク組成物中で移動し始めるまでに振った回数(分散安定性)を下記評価基準で評価した。
評価基準:
A:1~10回
B:11~50回
C:51~100回以上
(ペン芯内沈降具合の評価)
各油性インク組成物を充填したサインペンを、ペン先までインクを十分に浸透させたのち、ペン先を上向きの状態で、25℃環境下で1週間保存した。エタノールで拭き取った鉄板にらせん書きで筆記し、描線の濃度により、下記評価基準でペン芯内沈降具合を評価した。
評価基準:
A:書き出し時より濃度変化なく良好な描線であった。
B:書き出し時に濃度低下がみられる。筆記を進めると濃度が復帰した。
C:書き出し時より濃度低下がみられ、筆記を進めても濃度復帰しない。
(固着性の評価)
各油性インク組成物を充填したサインペンを、ポリプロピレン(PP)フィルム、ガラス、ポリエチレンテレフタレート(PET)表面に筆記し、筆跡を乾燥させた。この描線を、500gの分銅を載せたキムワイプを5回移動させることによって擦過して、下記評価基準で固着性を評価した。
評価基準:
A:擦過後に、描線に剥がれがまったく生じなかった。
B:擦過後に、描線に少し剥がれが生じたが、描線は殆ど残っていた。
C:擦過後に、描線が残らないほど剥がれが生じていた。
(描線のはじきの評価方法)
上記で得られたインク組成物を充填した上記サインペンを用いて、特にインキをはじき易いPETフィルムを選び、そのPETフィルム上に筆記して、筆記描線のはじき具合を下記評価基準で検証した。
評価基準:
A:インクは全くはじかず、鮮明な筆記描線を得る。
B:多少のはじきが見られる。
C:インクのはじきが著しく、筆記描線に欠けが発生する。
Figure 2023068927000002
上記表1の結果から明らかなように、本発明範囲となる実施例1~5の筆記具用油性インク組成物、これを搭載した筆記具は、本発明の範囲外となる比較例1~6に較べ、分散安定性、ペン芯内の顔料の沈降もなく、固着性に優れ、しかも、描線は全くはじかず鮮明な筆記描線が得られる筆記具用油性インク組成物、これを搭載した筆記具となることが確認された。
比較例を個別に考察すると、比較例1は両末端にポリエーテル変性基を有するポリジメチルシロキサンを含有しない物であり、比較例2は両末端がカルビノール変性型のポリジメチルシロキサンを含有するものであり、比較例3は、PTFE粒子を含有しない場合であり、比較例4は顔料を含有せず、染料を用いたものであり、比較例5及び6はTI値が本発明の範囲外のものであり、これらの場合は、本発明の効果を発揮できないことが確認された。
サインペン、マーキングペンなどに好適な筆記具用油性インク組成物、このインク組成物を搭載したサインペン、マーキングペンなどの筆記具が得られる。

Claims (4)

  1. 少なくとも、顔料と、樹脂と、有機溶剤と、ポリジメチルシロキサンと、ポリテトラフルオロエチレン粒子とを含有し、上記ポリジメチルシロキサンが、ポリエーテル変性基を両末端に有し、かつコーンプレート型粘度測定において、TI値(10rpm/100rpm)が1.15~2.00であることを特徴とする筆記具用油性インク組成物。
  2. 前記顔料(A)とポリジメチルシロキサン(B)との質量比〔(A)/(B)〕が、500~1800であることを特徴とする請求項1記載の筆記具用油性インク組成物。
  3. 前記インク組成物の25℃における表面張力が26mN/m以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の筆記具用油性インク組成物。
  4. 請求項1~3の何れか1つに記載の筆記具用油性インク組成物を搭載したことを特徴とする筆記具。
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