JP2015067801A - ボールペン用油性インキ組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】 本発明の目的は、長期間経時してもクリアドレイン性が良く、書き味が変わらないボールペン用油性インキ組成物を提供することを目的とする。
【解決手段】 着色剤と、溶剤と、エチルセルロースと、一般式(化1)の化合物から選ばれる1種を少なくとも含有してなるボールペン用油性インキ組成物。
【選択図】 なし

Description

本発明は、ボールペン用油性インキ組成物に関し、更に詳しくは、インキにせん断減粘性を付与することにより、書き味を軽くした油性ボールペンにおいて長期間経時してもクリアドレイン性が良く、経時後でも軽い書き味が保持されるボールペン用油性インキ組成物に関するものである。
従来、せん断減粘性付与剤をインキに添加することで、静置時に粘度が高く漏れを防止し、筆記時にボールの回転によるせん断力でインキの粘度が低くなり、軽い書き味を得ることができる油性ボールペンインキ組成物が知られている。特許文献1には、特にせん断減粘性付与剤としてエチルセルロースを使用したインキは他のせん断減粘性付与剤に比べて顔料にエチルセルロースの疎水基の部分が結合することにより、顔料分散や、顔料分散安定化の効果があり、経時でのインキの粘度変化を抑えることができるため書き味が経時前後で保持される効果が高いことが開示されている。また、着色剤が染料の場合でもせん断減粘性付与剤として他のセルロース誘導体より疎水基部分の効果により、一般的に試用される油性インキ溶剤への溶解性が高いと共に、空気中の湿度など水分の影響を受けにくく、染料や添加剤の析出、インキの粘度変化が生じにくく、経時性に優れている。しかし、インキ残量が視認できる透明または半透明樹脂製インキ収容部を用いると、エチルセルロースの疎水基がインキ収容部に吸着し、インキ収容部へのインキ付着汚染によりインキ残量が視認できなくなる場合がある。
従来、透明又は半透明樹脂製のインキ収容部において、インキ残量が視認可能な性能は「クリアドレイン性」と呼ばれている。
クリアドレイン性を向上させるために、押し出し成形による直管状のインキ収容部の内壁にインキと親和性のない薄膜を作成する、具体的にはシリコーンオイルやシリコーンワニス膜を作成する方法が知られている。しかし、この方法はインキ収容部が射出成形により成形された収容部、特に加圧式のボールペンなどに使用されることの多い段差など複雑な内部構造を持つボールペンには実施できない。また、このシリコーン薄膜は経時的に少しずつインキに溶解して長期間のクリアドレイン性が保てない場合があった。
また、インキ組成物側からクリアドレイン性を高める方法として、例えば、特許文献2では、インキ組成物中に種々の変性シリコーンオイルが添加されたインキが、特許文献3では、インキ組成物中にジグリセリンに酸化プロピレンが付加重合して得られるエーテル・ポリオールの一種を添加したインキが、特許文献4では、インキ組成物中に25℃で粘度が600mPa・s以上であるポリプロピレングリコールモノアルキルエーテルを添加したインキが提案されている。
WO2013/031845号公報 特開昭50−152828号公報 特開2004−83881号公報 特開2006−348239号公報
特許文献2に記載の発明は、インキに対し親和性の少ない変性シリコーンオイルを添加することでインキとインキ収容部の間に添加剤層を作りインキ付着を防止するものであるが、添加する量が少ないと十分な性能は得られず、添加量を増やすとインキと、元々がインキと親和性の少ない添加剤であるので、ペン先や後端にも添加剤の分離層ができて、インキの代わりに吐出されてしまい筆跡が薄くなる場合がある。またボールペンが何らかの原因で加熱状態に置かれるとインキとインキ収容部の添加剤の溶解性が上がりインキとインキ収容部が直接接触してインキ付着が起こる原因となる場合があった。特許文献3、特許文献4に記載の発明はインキとインキ収容部の両方に親和性を持つ添加剤を加えインキとインキ収容部の間に添加剤層を作りインキ付着を防止するものであるが、エチルセルロースの疎水基と競合してしまい十分な性能が得られなかったり、添加剤の分子量がある程度大きくないと効果を奏することができないため、せん断減粘性のあるインキ組成物に添加すると書き味が重くなってしまうなどの問題が起こることがあった。
即ち、本発明は、着色剤と、溶剤と、エチルセルロースと、一般式(化1)で表される化合物の少なくとも1種を含有してなるボールペン用インキ組成物を要旨とする。
Figure 2015067801
本発明に用いる一般式(化1)で表される化合物は分子量が小さいため、せん断減粘性に影響がなく経時前、経時後で軽い書き味が保持される。更に、疎水基であるヘキシル基やメチル基がインキ収容部に吸着し、極性を有する環状エーテル部分がインキ側に存在し、エチルセルロースの疎水基がインキ収容部表面に直接付着するのを防止していると考えられる。更に、インキ収容部に密に吸着することができるのでクリアドレイン性が良く、インキ残量が視認できると考えられる。
以下に発明を詳細に説明する。
着色剤としては、染料と顔料があるが、どちらでも使用できる。着色剤として顔料を用いる場合は、顔料は従来公知の顔料を使用することができ、有機顔料の具体例としては、C.I.PIGMENT RED2、同3、同5、同17、同22、同38、同41、同48:2、同48:3、同49、同50:1、同53:1、同57:1、同58:2、同60、同63:1、同63:2、同64:1、同88、同112、同122、同123、同144、同146、同149、同166、同168、同170、同176、同177、同178、同179、同180、同185、同190、同194、同202、同206、同207、同209、同216、同245、同254、同255、同256、同272、C.I.PIGMENT ORANGE 5、同10、同13、同16、同36、同40、同43、同61、同64、同71、同73、C.I.PIGMENT VIOLET 19、同23、同31、同33、同36、同37、同38、同50、C.I.PIGMENT BLUE 2、同15、同15:1、同15:2、同15:3、同15:4、同15:5、同15:6、同16、同17、同22、同25、同60、同66、C.I.PIGMENT BROWN 23、同25、同26、C.I.PIGMENT YELLOW 1、同3、同12、同13、同24、同83、同93、同94、同95、同97、同99、同108、同109、同110、同117、同120、同128、同139、同147、同151、同153、同166、同167、同173、C.I.PIGMENT GREEN 7、同10、同36、同37、等の有機顔料等が挙げられる。
これらの有機顔料は、1種又は2種以上混合して使用することができ、その使用量は、着色剤として有機顔料単独で使用する場合、インキ組成物全量に対して1重量%以上、60重量%以下で好適に使用でき、10重量%以上、60重量%以下がより好ましい。使用量が1重量%より少ないと筆跡が薄すぎて判読がし難くなる。60重量%より多いと、固形分の増加により、経時での筆跡のカスレが生じやすくなる。
また、無機顔料として、ファーネスブラック、チャンネルブラック、サーマルブラック、アセチレンブラック等のカーボンブラック(C.I.PIGMENT BLACK 7)、黒色酸化鉄、黄色酸化鉄、赤色酸化鉄、硫酸バリウム、カドミウムレッド、クロムイエロー、黄土、カドミウムイエロー、バリウム黄、群青、紺青、コバルトブルー、チタンイエロー、ターコイズ、モリブデートオレンジ、酸化チタン等が挙げられる。
カーボンブラックの具体例としては、三菱カーボンブラック#10B、同#20B、同#14、同#25、同#30、同#33、同#40、同#44、同#45、同#45L、同#50、同#55、同#95、同#260、同#900、同#1000、同#2200B、同#2300、同#2350、同#2400B、同#2650、同#2700、同#4000B、同CF9、同MA8、同MA11、同MA77、同MA100、同MA220、同MA230、同MA600及びMCF88(以上、三菱化学(株)製)、モナーク120、モナーク700、モナーク800、モナーク880、モナーク1000、モナーク1100、モナーク1300、モナーク1400、モーガルL、リーガル99R、リーガル250R、リーガル300R、リーガル330R、リーガル400R、リーガル500及びリーガル660R(以上、米国、キャボット コーポレーション社製)、プリンテックスA、プリンテックスG、プリンテックスU、プリンテックスV、プリンテックス55、プリンテックス140U、プリンテックス140V、プリンテックス35、プリンテックス40、プリンテックス45、プリンテックスプリンテックス85、ナインペックス35、スペシャルブラック4,スペシャルブラック4A、スペシャルブラック5、スペシャルブラック6,スペシャルブラック100、スペシャルブラック250、スペシャルブラック350、スペシャルブラック550、カラーブラックFW1、カラーブラックFW2、カラーブラックFW2V、カラーブラックFW18、カラーブラックFW200、カラーブラックS150、カラーブラックS160及びカラーブラックS170(以上、デグサ ジャパン(株)製)、ラーベン5000ウルトラII、ラーベン2500ウルトラ、ラーベン1250、ラーベン760ウルトラ(以上、コロンビアカーボン日本(株)製)等が挙げられる。
これらの無機顔料は、1種又は2種以上混合して使用することができ、その使用量は、着色剤として無機顔料単独で使用する場合、インキ組成物全量に対して1重量%以上、60重量%以下で好適に使用でき、10重量%以上、60重量%以下がより好ましい。使用量が1重量%より少ないと筆跡が薄すぎて判読がし難くなる。60重量%より多いと、固形分の増加により、経時での筆跡のカスレが生じやすくなる。
顔料の分散効率を上げるため、高分子化合物中に顔料をあらかじめ微分散し粒子化したものを使用しても良い。特に、このような顔料を用いた場合は、製造上容易に分散できるので、有用な手段として用いることが出来る。一例を挙げると、マイクロリス Black 0066T、同Blue 6955T、同Blue 7080T、同Brown 3001T、同Green 8750T、同Red 3890T、同Scarlet
3430T、同Yellow 1105T、同Yellow 2040T(いずれもロジンエステル樹脂に微分散させた顔料、BASFジャパン(株)製)、マイクロリス Black 0066A、同Blue 7080A、同Brown 3001A、同Red
3785A、同Scarlet 3430A、同White 0022A、同Yellow 1040A、同Yellow 1550A(いずれもエチルセルロース樹脂に微分散させた顔料、BASFジャパン(株)製)、L1/SイエローNIF、L1/8レッドF3RK−70、L1/8バイオレットRN50、L1/8オレンジ501、L1/8ブラウン5R、L1/8ブラックMA100、NC790ホワイト(いずれもニトロセルロース樹脂に微分散させた顔料、太平化学製品(株)製)等が挙げられる。
これらの加工顔料は、1種又は2種以上混合して使用することができ、その使用量は、着色剤として加工顔料単独で使用する場合、インキ組成物全量に対して1重量%以上、60重量%以下で好適に使用でき、10重量%以上、60重量%以下がより好ましい。使用量が1重量%より少ないと筆跡が薄すぎて判読がし難くなる。60重量%より多いと、固形分の増加により、経時での筆跡のカスレが生じやすくなる。
着色剤として染料を用いる場合は、従来公知の染料を使用することができ、具体例として、C.I.ダイレクトブラック17、同19、同22、同32、同38、同51、同71、C.I.ダイレクトイエロー4、同26、同44、同50、C.I.ダイレクトレッド1、同4、同23、同31、同37、同39、同75、同80、同81、同83、同225、同226、同227、C.I.ダイレクトブルー1、同15、同41、同71、同86、同87、同106、同108、同199等の直接染料や、C.I.アシッドブラック1、同2、同24、同26、同31、同52、同107、同109、同110、同119、同154、C.I.アシッドイエロー1、同7、同17、同19、同23、同25、同29、同36、同38、同42、同49、同61、同72、同78、同110、同127、同135、同141、同142、C.I.アシッドレッド8、同9、同14、同18、同26、同27、同35、同37、同51、同52、同57、同82、同83、同87、同92、同94、同111、同129、同131、同138、同186、同249、同254、同265、同276、C.I.アシッドバイオレット15、同17、同49、C.I.アシッドブルー1、同7、同9、同15、同22、同23、同25、同40、同41、同43、同62、同78、同83、同90、同93、同100、同103、同104、同112、同113、同158、C.I.アシッドグリーン3、同9、同16、同25、同27、C.I.アシッドオレンジ56等の酸性染料、C.I.フードイエロー3等の食用染料、マラカイトグリーン(C.I.42000)、ビクトリアブルーFB(C.I.44045)、メチルバイオレットFN(C.I.42535)、ローダミンF4G(C.I.45160)、ローダミン6GCP(C.I.45160)等の塩基性染料、C.I.ソルベントブラック3、同7、同20、同24、同123、C.I.ソルベントレッド8、同49、C.I.ソルベントブルー2、同5、同25、同38、同44、同55、同64、同70、C.I.ソルベントグリーン3、C.I.ソルベントイエロー21、同34、同47、同61、同82、C.I.ソルベントオレンジ25、同37、C.I.ソルベントバイオレット8、同9、同21、C.I.ベーシックブルー1、同7、同8、C.I.ベーシックバイオレット3、C.I.ベーシックレッド1等が挙げられる。
また、従来油性ボールペンインキ組成物に汎用されるアルコール可溶型の油溶性染料が好適に使用できる。これらのアルコール可溶型油溶性染料はアルコールやグリコールエーテル系溶剤への溶解性が非常に良好で濃度の高い筆跡が得られる。具体的にはバリファーストイエロー3104、同3105、同1105、同1151、同AUM、同1109、オリエント スピリットブラックAB、バリファーストブラック3804、同3806、同1802、同1805、バリファーストオレンジ2210、バリファーストレッド1320、バリファーストブルー1605、バリファーストバイオレット1701、オリエント オイル スカーレット308、ニグロシンベースEX−BP、オイルブルー613、(以上、オリエント化学工業(株)製)、スピロンブラック GMHスペシャル、スピロンイエローC−2GH、スピロンレッドC−GH、同C−BH、スピロンブルーBPNH、同C−RH、スピロンバイオレットC−RH、S.P.T.オレンジ6、S.P.T.ブルー−111(以上、保土谷化学工業(株)製)、ローダミンBベース(C.I.45170B、住友化学工業(株)製)、ビクトリアブルーF4R、ニグロシンベースLK(独国、BASF社製)、メチルバイオレット2Bベース(米国、National Anilne Div.社製)、ネオスーパーブルーC−555(中央合成化学(株)製)等が好適に使用できる。
これらの染料は、1種又は2種以上混合して使用することができ、その使用量は、着色剤として染料単独で使用する場合、インキ組成物全量に対して1重量%以上、60重量%以下で好適に使用でき、10重量%以上、60重量%以下がより好ましい。使用量が1重量%より少ないと筆跡が薄すぎて判読がし難くなる。60重量%より多いと、固形分の増加により、経時での筆跡のカスレが生じやすくなる。
尚、上記染料、有機顔料、無機顔料、加工顔料等は混合して使用することもできる。混合して使用した場合には、その着色剤の合計量がインキ組成物全量に対して1重量%以上、60重量%以下で好適に使用でき、10重量%以上、60重量%以下がより好ましい。使用量が1重量%より少ないと筆跡が薄すぎて判読がし難くなる。60重量%より多いと、固形分の増加により、経時での筆跡のカスレが生じやすくなる。
本発明において使用する有機溶剤としては、従来公知の油性ボールペン用溶剤を使用することができる。例えば、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノイソブチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノ2−エチルヘキシルエーテル、エチレングリコールモノアリルエーテル、ジエチレングリコールモノフェニルエーテル、ジエチレングリコールモノベンジルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノイソブチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノ2−エチルヘキシルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、ポリエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールターシャリブチルエーテル、プロピレングリコールモノフェニルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリプロピレングリコールモノブチルエーテル、3−メチル−3−メトキシ−1−ブチルアセテート等のグリコールエーテル系溶剤、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ヘキシレングリコール、オクチレングリコール、グリセリン、ポリエチレングリコール、3−メチル−1,3−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール等のグリコール系溶剤、酢酸−2−エチルへキシル、イソ酪酸イソブチル、乳酸エチル、乳酸ブチル等のエステル系溶剤、ベンジルアルコール、β−フェニルエチルアルコール、α−メチルベンジルアルコール、ラウリルアルコール、トリデシルアルコール、イソドデシルアルコール、イソトリドデシルアルコール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、3−メトキシ−1−ブタノール、3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール、3−メチル−3−メトキシ−ペンタノール等のアルコール系溶剤などが使用可能である。
これらの有機溶剤は単独で用いても2種以上混合して用いても良く、その使用量はインキ全量に対し10重量%以上、90重量%以下が好ましい。
本発明のインキのせん断減粘性付与剤としてはエチルセルロースを用いることができる。
エチルセルロースの市販品としては、エトセル4、同7、同10、同14、同20、同45、同70、同100、同200、同300(ダウ・ケミカル日本(株)製)、AQUALON N50、同N100、同N200、同N300(アシュランド社製、アメリカ合衆国)等が挙げられる。
また、前述したが、エチルセルロース中に顔料をあらかじめ微分散したものを粒子化したものを使用しても良い。具体例を挙げると、マイクロリス Black 0066A、同Blue 7080A、同Brown 3001A、同Red3785A、同Scarlet 3430A、同White 0022A、同Yellow 1040A、同Yellow 1550A(エチルセルロース樹脂に微分散させた顔料、BASF社製、ドイツ)等が挙げられる。
エチルセルロースの使用量は、インキ全体に対してエチルセルロースを1重量%以上含むことが好ましい。着色剤に顔料が含まれている場合は顔料の量をエチルセルロースの4.5倍以上10倍以下にすれば、静置時のインキの粘度が高くなり、且つ大きなせん断減粘性を有することで、漏れの防止と極めて軽い書き味が得られ、エチルセルロースが顔料の分散を十分に補助できるので、顔料分散性、顔料分散安定性も良好になるので好ましい。また、インキ中のエチルセルロースの量が10重量%より多くなると、インキ全体に対するせん断減粘性付与剤が多すぎることにより、せん断減粘性付与剤を溶解させるために他の固形分材料、例えば、着色剤や定着剤や機能性添加剤の添加量に制約が生じ、ボールペンとしての全体の品質特性のバランスを取り辛くなるので、エチルセルロースの添加量は10重量%以下にするのが好ましい。
一般式(化1)で表される化合物は2−オクタノンと各種ジオール(エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール)をアセタール化反応させることにより得られる。
上記した化合物の配合量は、インキ組成物全量に対して1重量%以上、90重量%以下で好適に使用でき、好ましくは5重量%以上、50重量%以下であり、これらの化合物は単独でまた複数種を混合しても良く、合計量が上記の範囲であることが好ましい。また、これらの添加はインキ製造の如何なる工程で行ってもよく、例えば染料を加熱撹拌溶解するとき、顔料を分散させる工程でもよいし、他の添加剤と共にインキ組成を調整するときでもよい。
また、一般式(化1)で表される化合物はシリコーンオイル類と違い、汎用的な油性ボールペン用溶剤や活性剤、樹脂との相溶性が良好でインキ収容部へ密に吸着することはできても経時的にインキから分離するなどの問題が発生することはない。
以上の必須成分の他に、ボールペン用油性インキ組成物に使用される各種材料を添加することができる。
通常ボールペンインキ組成物に増粘剤や定着剤、分散剤として使用されている樹脂、例えばケトン樹脂、スルフォアミド樹脂、アクリル樹脂、マレイン酸樹脂、スチレンとマレイン酸エステルとの共重合体、スチレンとアクリル酸又はそのエステルとの共重合体、エステルガム、キシレン樹脂、尿素樹脂、ポリアミド樹脂、アルキッド樹脂、フェノール樹脂、アルキルフェノール樹脂、テルペンフェノール樹脂、ロジン系樹脂やその水添化合物、ポリメタクリル酸エステル樹脂、ポリアクリル酸エステル樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセタール、ポリビニルアルキルエーテル、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンオキサイド、等を併用することが出来る。これらの樹脂は単独で用いても良いし、2種以上混合して用いても良く、その配合量は、インキ組成物全量に対して、0.1重量%以上、15重量%以下の範囲である。 これらの樹脂は、インキ組成物の粘度を調整したり、固着性、耐水性等を向上させたりする作用がある。
その他必要に応じて、防腐剤、防錆剤、消泡剤、潤滑剤、分散剤、カスレ防止剤、漏れ防止剤、界面活性剤等のボールペン用油性インキ組成物に慣用されている助剤を含有させても良い。
例えば、顔料の分散性を良好なものとするために、アニオン、カチオン、ノニオン、両性の界面活性剤を使用することができる。具体的には、高級脂肪酸、高級アルコール硫酸エステル塩類、脂肪酸硫酸エステル塩類、アルキルアリルスルホン酸類、リン酸エステル類、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル類、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル類、ソルビタン脂肪酸エステル類等のアニオン、ノニオン、カチオン性の界面活性剤などが挙げられる。
また、リン酸エステル系化合物、不飽和脂肪酸、硬化ひまし油などのカスレ防止剤や、リン酸エステル、POE硬化ヒマシ油、N−アシルアミノ酸などの潤滑剤、ベンゾトリアゾール、金属塩系、リン酸エステル系化合物などの防錆剤や、イソチアゾロン、オキサゾリジン系化合物などの防腐剤や、シリコーン系、鉱物油、フッ素系化合物などの消泡剤や、グリセリン、ソルビタン系、多糖類、尿素、エチレン尿素またはこれらの誘導体などの湿潤剤や、アセチレングリコール、アセチレンアルコールおよびシリコーン系界面活性剤などのレベリング性付与剤や、凍結防止剤などの従来公知のインキ用添加剤を併用することも可能である。
また、顔料を分散するには汎用されている一般的な方法を用いることが可能である。例
えば、顔料と溶剤と分散剤を混合し、プロペラ撹拌機等で均一に撹拌した後、分散機で顔料を分散する。ロールミル、ボールミル、サンドミル、ビーズミル、ホモジナイザー等の分散機はインキの有機溶媒の量、顔料濃度によって適宜選択する。
インキ作成は溶剤量や、着色剤の種類や濃度によって加熱撹拌機やロールミル、ボールミル、サンドミル、ビーズミル、ホモジナイザー等の分散混合機を適宜選択することができる。着色剤が染料の場合加熱撹拌機でインキ各成分を加熱撹拌混合し作成する。着色剤が顔料の場合、顔料を溶剤と分散樹脂や活性剤と共に分散させた顔料分散体を作成し溶剤や樹脂、添加剤をインキ調整時に添加混合する、同様に作製した顔料分散体とせん断減粘性付与剤エチルセルロースを溶解させた樹脂溶液を作製し溶剤や樹脂添加剤と混合する、など各種の方法によってボールペン用油性インキ組成物を得ることができる。また、顔料として加工顔料を用いた場合は、加熱撹拌機でインキ各成分を加熱撹拌混合し作成する、加工顔料を溶剤と共に分散させた顔料分散体を作成し溶剤や樹脂、添加剤をインキ調整時に添加混合するなど各種の方法によってボールペン用油性インキ組成物を得ることができる。
特に顔料の分散混合機としては、樹脂と顔料の分散時に温度コントロールのできるロールミル、ビーズミルが好ましい。
インキ中の樹脂や添加剤の不溶解分等を除去するためや、顔料の粗大粒子除去のため、顔料の平均粒子経を設定値内にするために作成したインキベースやインキを遠心機や濾過機で処理することもできる。
このボールペン用油性インキ組成物を収容するインキ収容部は、金属製や合成樹脂製のものが使用可能である。透明・半透明の合成樹脂製であればインキ残量を明示できる。この場合、インキ溶剤に溶解・膨潤しない樹脂であれば従来油性ボールペン用インキ収容部として使用されている樹脂が総て使用できる。例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリウレタン、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリアクリロニトリル系樹脂、ポリアリレート、エチレン−ビニルアルコール共重合体、フッ素樹脂等があり、価格と視認性の面からポリプロピレンが良好に使用できる。また、インキ後端に逆流防止用組成物を充填してもよい。
以下、本発明は実施例を示して具体的に説明する。なお、以下の配合数値は重量部を示す。
実施例1
三菱カーボンブラック#25(カーボンブラック、三菱化学(株)製) 19.9
スピロンレッドC−GH(油溶性染料、保土谷化学工業(株)製) 1.2
バリファーストイエロー1151(油溶性染料、オリエント化学工業(株)製) 1.2
ネオスーパーブルーC−555(油溶性染料、中央合成化学(株)製) 4.0
2−Hexyl−2−methyl−1,3−dioxolane(一般式(化1)で表
される化合物:R=水素、A=メチレン基) 10.6
エスレックBL−1(ポリビニルブチラール、積水化学(株)) 2.8
ハイラック 901(ケトン樹脂、日立化成工業(株)製) 5.0
PVP K−90(ポリビニルピロリドン、ISPジャパン(株)製) 0.4
エトセル10(エチルセルロース、ダウ・ケミカル日本(株)製) 4.0
フェニルグリコール(溶剤) 7.8
ヘキシレングリコール(溶剤) 24.7
トリプロピレングリコールノルマルブチルエーテル(溶剤) 14.6
3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール(溶剤) 3.8
上記成分中のエスレックBL−1と全溶剤とを加熱撹拌し、三菱カーボンブラック#25を添加し、ビーズミルで1時間分散した。得られた顔料分散体と2−Hexyl−2−methyl−1,3−dioxolane、残りの成分とをラボミキサーにて混合加熱撹拌し黒色インキを得た。
実施例2
プリンテックス 35(カーボンブラック、デグサ・ヒュルスジャパン(株)製)
23.7
2,4−Dimethyl−2−hexyl−1,3−dioxocyclopenta
ne(一般式(化1)で表される化合物:R=メチル基、A=メチレン基) 5.0
エスレックBL−1(前述) 3.3
ハイラック 901(前述) 5.0
PVP K−90(前述) 0.4
エトセル20(エチルセルロース、ダウ・ケミカル日本(株)製) 5.1
ヘキシレングリコール(前述) 34.8
トリプロピレングリコールノルマルメチルエーテル(溶剤) 15.4
ジエチレングリコールモノブチルエーテル(溶剤) 7.3
上記成分中のエスレックBL−1と全溶剤とを加熱撹拌し、プリンテックス 35を添加し、ビーズミルで1時間分散した。得られた顔料分散体と2,4−Dimethyl−2−hexyl−1,3−dioxocyclopentane、残りの成分とをラボミキサーにて混合加熱撹拌し黒色インキを得た。
実施例3
スピロンレッドC−GH(前述) 2.0
オイルブルー613(油溶性染料、オリエント化学工業(株)製) 12.0
ネオスーパーブルーC−555(前述) 5.0
2,4−Dimethyl−2−hexyl−1,3−dioxane(一般式(化1)
で表される化合物:R=メチル基、A=エチレン基) 15.3
ハイラック 901(前述) 3.8
PVP K−90(前述) 0.6
エトセル100(エチルセルロース、ダウ・ケミカル日本(株)製) 5.6
フェニルグリコール(前述) 15.4
ヘキシレングリコール(前述) 26.5
ジエチレングリコールモノブチルエーテル(前述) 13.8
上記の各成分の混合物をラボミキサーにて混合加熱撹拌し青色インキを得た。
実施例4
プリンテックス 35(前述) 20.1
マイクロリス Black0066A(カーボンブラックをエチルセルロース樹脂に微分
散させた加工顔料、カーボンブラックとエチルセルロースとの比率が6:4、BASFジ
ャパン(株)製) 16.5
スピロンレッドC−GH(前述) 1.2
バリファーストイエロー1151(前述) 1.2
オイルブルー613(前述) 4.0
2−Hexyl−2−methyl−1,3−dioxolane(前述) 1.2
エスレックBL−1(前述) 2.6
ハイラック 901(前述) 5.0
PVP K−90(前述) 0.4
フェニルグリコール (前述) 31.0
3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール(前述) 16.8
上記成分中のエスレックBL−1と全溶剤とを加熱撹拌し、プリンテックス 35を添加し、ビーズミルで1時間分散した。得られた顔料分散体と2−Hexyl−2−methyl−1,3−dioxolaneと残りの成分とをラボミキサーにて混合加熱撹拌し黒色インキを得た。
実施例5
フジレッド8800(赤色顔料、ピグメントレッド254、富士色素(株)製)
19.8
マイクロリス Red3785A(顔料をエチルセルロース樹脂に微分散させた加工顔料
、C.I.PIGMENT RED48:2とエチルセルロースとの比率が6.5:3.
5、BASFジャパン(株)製) 11.0
2−Hexyl−2−methyl−1,3−dioxolane(前述) 7.7
2,4−Dimethyl−2−hexyl−1,3−dioxane(前述) 5.5
エスレックBL−1(前述) 4.5
ハイラック 901(前述) 5.0
エスレックBX−5(ポリビニルブチラール、積水化学(株)) 0.5
エトセル10(前述) 1.0
フェニルグリコール(前述) 12.8
ヘキシレングリコール(前述) 15.6
3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール(前述) 8.3
トリプロピレングリコールノルマルブチルエーテル(前述) 8.3
上記成分中のエスレックBL−1とエスレックBX−5と全溶剤とを加熱撹拌し、フジレッド8800を添加し、ビーズミルで1時間分散した。得られた顔料分散体と2−Hexyl−2−methyl−1,3−dioxolane、2,4−Dimethyl−2−hexyl−1,3−dioxaneと残りの成分とをラボミキサーにて混合加熱撹拌し赤色インキを得た。
比較例1
実施例1において、2,4−Dimethyl−2−hexyl−1,3−dioxaneを除してヘキシレングリコールに置き換えた以外は同様になして黒色の油性インキを得た。
比較例2
実施例1において、2,4−Dimethyl−2−hexyl−1,3−dioxaneを除して特許文献5記載のエーテル・ポリオール(分子量:約1000)に置き換えた以外は同様になして黒色の油性インキを得た。
比較例3
実施例1において、2,4−Dimethyl−2−hexyl−1,3−dioxaneを除してユニルーブMB−700(ポリプロピレングリコールモノブチルエーテル、日本油脂(株)製、分子量:約3000)に置き換えた以外は同様になして黒色の油性インキを得た。
比較例4
実施例1において、2,4−Dimethyl−2−hexyl−1,3−dioxaneを除してKF968(アルキル変性シリコーンオイル、信越化学工業(株)製)に置き換えた以外は同様になして黒色の油性インキを得た。
以上、実施例、比較例で得たインキについて、下記の試験を行った。結果を表1に示す。
試験サンプルの作成
上記実施例1〜5及び比較例1〜4で得た各ボールペン用インキを、直径0.7mmの超硬製のボールを、それぞれステンレス製のボールホルダーにて、ボールホルダーの先端開口部より一部突出した状態で抱持したボールペンチップと、押出成形により成形したポリプロピレン製インキ収容部とを接続したリフィル体を収容するノック式ボールペン(VICUNA、製品符号BX157、ぺんてる(株)製、ボール径Φ0.7mm)のインキ収容管に0.25g充填し、市販の遠心機(H−103NR、株式会社コクサン)を用い、回転速度1700rpmで10分間遠心を行い、試験用ボールペンサンプルとした。但し、インキが高粘度であるために、吐出が困難な場合には、上記サンプルにバネや圧縮空気等で加圧している状態で筆記できるように工夫改造して、同様の評価を実施した。また、本発明で使用するボールペンチップのボール径は直径0.7mm以外のものも使用できる。
初期筆記試験:ボールペンサンプル3本を作成後24時間室温で放置して、市販の螺旋式筆記試験機を用い、筆記速度7cm/sec、筆記角度70度、荷重150gでインキがなくなるまで連続筆記し、筆記直後にインキ残量が視認できるかどうか評価した。
◎:インキ収容部に付着汚染なし。
○:斑点状にインキが付着している。
△:インキ収容部に一部付着があるがインキ残量の視認はできる。
×:インキ収容部全面に付着汚染がありインキ残量の視認はできない。
熱掛け後筆記試験:ボールペンサンプル3本を横置きで長期間の経時安定性を想定した促進試験として、温度80℃、湿度80%の恒温恒湿槽に2週間放置した後24時間室温で放置して、上記の初期筆記試験と同条件で連続筆記した。評価基準も初期筆記試験と同様である。
書き味の軽さ評価(筆記抵抗値の標準偏差):筆記抵抗値の測定を静・動摩擦測定機(TRIBO−MASTER TYPE TL201SA、(株)トリニティーラボ製)を用い行った。ボールペンサンプル3本を作成後24時間室温で放置して、静・動摩擦測定機を用い、ペン作成後未筆記のボールペンサンプルを、筆記速度7cm/sec、筆記角度70度、荷重150gで15cm筆記させたときの筆記抵抗値を測定した。
筆記抵抗値の測定は、測定周波数200HZにて2.5秒間測定を行った。測定開始0.5秒から2.0秒までの間で得られた300点の筆記抵抗値のデータの平均値を各ボールペンサンプル1本の筆記抵抗値とし、3本の平均値を各実施例・比較例の書き味の軽さの代表値とした。
熱掛け後書き味の軽さ評価(筆記抵抗値の標準偏差):ボールペンサンプル3本を横置きで長期間の経時安定性を想定した促進試験として、温度80℃、湿度80%の恒温恒湿槽に2週間放置した後24時間室温で放置して、上記の書き味の軽さ評価と同条件で筆記抵抗値の平均値を算出した。
Figure 2015067801
実施例1〜5のボールペン用インキ組成物は、添加した一般式(化1)で表される化合物によるせん断減粘性への影響がなく熱掛け前、熱掛け後でもかわらずにエチルセルロースによる高いせん断減粘性を持ち、軽い書き味が保持されている。また、一般式(化1)で表される化合物の疎水基であるヘキシル基やメチル基がインキ収容部に密に吸着し、極性を有する環状エーテル部分がインキ側に存在し、エチルセルロースの疎水基がインキ収容部表面に直接付着するのを防止したことで、クリアドレイン性が良好で、インキ残量が視認できる。
これに対して、比較例1のボールペン用インキ組成物は、熱掛け前、熱掛け後でもエチルセルロースの持つ経時安定性により軽い書き味が保持されているが、エチルセルロースの疎水基がインキ収容部に吸着し、インキの収容部へのインキの付着汚染が発生し、インキ残量が視認できなかったと考えられる。比較例2、3のボールペン用インキ組成物は添加した化合物の分子量が大きかったため、書き味が重く、特に熱掛け後のクリアドレイン性が不十分である。これは、一般式(化1)で表される化合物に比べインキ収容部への吸着が密ではないために経時的にエチルセルロースがインキ収容部へ吸着したためであると推察される。比較例4のボールペン用インキ組成物は熱掛けによりインキと親和性が低い変性シリコーンオイルが分離したため、筆跡が薄くなり、変性シリコーンオイル層がまだら状態になりインキとインキ収容部が直接接触してインキ付着したと考えられる。
以上、詳細に説明したように本発明のボールペン用インキは、せん断減粘性により、書き味を軽くした油性ボールペンにおいて長期間経時してもクリアドレイン性が良く、経時後で軽い書き味が保持されるボールペン用インキ組成物に関するものである。

Claims (1)

  1. 着色剤と、溶剤と、エチルセルロースと、一般式(化1)の化合物から選ばれる1種を少なくとも含有してなるボールペン用油性インキ組成物。
    Figure 2015067801
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2020152357A1 (en) * 2019-01-25 2020-07-30 Societe Bic Non newtonian ballpoint pen ink comprising cellulose nanofibers
RU2811538C2 (ru) * 2019-01-25 2024-01-15 Сосьете Бик Неньютоновские чернила для шариковых ручек, содержащие нановолокна целлюлозы

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