JP2014198757A - ボールペン用インキ組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】ボールペン用インキ組成物に関し、更に詳しくは、高筆圧での長距離の筆記によってもボールの受け座が傷つくのを防止し、インキを消費しきるまで、良好な筆記感を提供するボールペン用インキ組成物を提供する。【解決手段】着色剤と、溶剤と、新モース硬度4以上の無機粒子と、繰り返し分子構造中にエステル基を、末端に水酸基及び/又はカルボキシル基を有する樹枝状高分子とを少なくとも含有するボールペン用インキ組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、ボールペン用インキ組成物に関し、更に詳しくは、高筆圧での長距離の筆記によってもボールの受け座が傷つくのを防止し、インキを消費しきるまで、良好な筆記感を提供するボールペン用インキ組成物に関するものである。
ボールペン用のインキは、ボールの回転に伴って、ボール表面に付着したインキが紙などの被筆記面に転写され筆跡を形成する。筆記に際してボールが回転することから、通常、このボールとボールホルダーとの接触する部分において摩擦が生じることになる。筆圧にてボールが押さえつけられ、ボール受け座の磨耗や傷が発生することがあった。この摩耗が進むと、ボールが後退しインキ流通路を狭くしたり、塞ぐなどしてインキの吐出不良が生じる。また、ボール受け座が傷つくことによりボールが円滑に回らずに瞬間的に停止するなどの回転不良により筆跡が点線状となる等の筆跡不良を生じることがあった。
このような問題点を解決しようとして、従来より種々の工夫が試されている。
例えば、特許文献1では、インキ組成物中に二鎖二分岐型リン酸エステルを添加したインキが、特許文献2では、インキ組成物中に潤滑剤として、オレイン酸の脂肪酸アミンもしくはその誘導体を添加したインキが、特許文献3では、インキ組成物中にオレイン酸と5−アミノテトラゾールを添加したインキが、特許文献4では、球状シリカパウダーを添加したインキが、特許文献5では、固体潤滑剤と顔料を複合化した着色剤を添加したインキが、特許文献6では、新モース硬度が4以上の微粒子を添加したインキが、特許文献7では、無機微粒子をしたインキが提案されている。特許文献1〜3に記載の発明は、インキ中に界面活性剤を添加し、保護膜を形成し、ボール受け座の磨耗を防ぐというものである。また、特許文献4〜7に記載の発明は、無機粒子を添加し、ボール受け座の磨耗を防ぐというものである。
特開2012−107171号公報 特開平06−212111号公報 特開2002−053786号公報 特開平11−286642号公報 特開平02−199182号公報 特開2002−206066号公報 特開2006−160911号公報
特許文献1〜3に記載の発明は、いずれもインキに潤滑油の働きをする成分を添加し、潤滑膜を形成させるものであるが、高筆記圧で筆記した時には、受け座とボールとの間の潤滑油の働きをする成分が押し退けはじかれて、潤滑膜が貧しくなり、ボール受け座の摩耗を抑制するに十分な効果が得られないことがあった。
特許文献4〜7に記載の発明では、無機粒子がボールとボール受座との間で「ころ」の働きをし、初期では円滑なボールの回転が得られるが、高筆記圧で筆記を続けた場合や、繰り返し紙面との当接・離脱が繰り返し行われた場合などに、添加されている無機粒子が、ボールの受け座面に強く擦りつけられたり、打ち付けられることによって、該面を傷つけて凹凸が形成されてしまい、ボールと該面との摩擦抵抗が増大してボールが円滑に回らずに瞬間的に停止するなどの回転不良が発生することがあった。ボールの回転が円滑に行われないと筆跡が点線状となる等の筆跡不良を生じてしまう。
また、これは、ボールやボール受け座、無機粒子の表面に吸着している分散剤や潤滑剤などの長鎖アルキル基や高分子分散剤が絡み合い、無機粒子がボールとボール受け座の接触場所から移動し難くなっていることも原因の一端となっているものとも推察される。
即ち、本発明は、着色剤と、溶剤と、新モース硬度4以上の無機粒子と、繰り返し分子構造中にエステル基を、末端に水酸基及び/又はカルボキシル基を有する樹枝状高分子とを少なくとも含有するボールペン用インキ組成物を要旨とする。
本発明に用いる樹枝状高分子は、末端の水酸基、カルボキシル基と繰り返し分子の構造中のエステル基でインキ中の無機粒子表面や、ボールペンチップの筆記部材であるボール、ボールペンチップの内壁金属面に水素結合により吸着する。繰り返し分子構造の途中に存在するエステル基が吸着するため、樹枝状高分子が平面的に張り付けられたような吸着構造を形成するので、接触するときに絡み合うことがなく、無機粒子がボールとボールホルダー内壁との間で挟まれ難く、逃げやすいものと推察され、結果的に金属表面を傷つけ難く、本来、無機粒子が有する「ころ」や「そり」の機能が十分に発揮され、円滑なボールの回転が維持されるので、美しい連続的な筆跡が長期に渡り得られるものである。
以下に詳細に説明する。
着色材としては、染料と顔料があるが、どちらでも使用できる。着色材として顔料を用いる場合は、顔料は従来公知の顔料を使用することができ、有機顔料の具体例としては、C.I.PIGMENT RED2、同3、同5、同17、同22、同38、同41、同48:2、同48:3、同49、同50:1、同53:1、同57:1、同58:2、同60、同63:1、同63:2、同64:1、同88、同112、同122、同123、同144、同146、同149、同166、同168、同170、同176、同177、同178、同179、同180、同185、同190、同194、同202、同206、同207、同209、同216、同245、同254、同255、同256、同272、C.I.PIGMENT ORANGE 5、同10、同13、同16、同36、同40、同43、同61、同64、同71、同73、C.I.PIGMENT VIOLET 19、同23、同31、同33、同36、同37、同38、同50、C.I.PIGMENT BLUE 2、同15、同15:1、同15:2、同15:3、同15:4、同15:5、同15:6、同16、同17、同22、同25、同60、同66、C.I.PIGMENT BROWN 23、同25、同26、C.I.PIGMENT YELLOW 1、同3、同12、同13、同24、同83、同93、同94、同95、同97、同99、同108、同109、同110、同117、同120、同128、同139、同147、同151、同153、同166、同167、同173、C.I.PIGMENT GREEN 7、同10、同36、同37、C.I.PIGMENT BLACK 7等の有機顔料等が挙げられる。これらの有機顔料は1種又は2種以上混合して使用することができ、その使用量は、インキ組成物全量に対して20〜40重量%である。
また、無機顔料として、ファーネスブラック、チャンネルブラック、サーマルブラック、アセチレンブラック等のカーボンブラック、黒色酸化鉄、黄色酸化鉄、赤色酸化鉄、硫酸バリウム、カドミウムレッド、クロムイエロー、黄土、カドミウムイエロー、バリウム黄、群青、紺青、コバルトブルー、チタンイエロー、ターコイズ、モリブデートオレンジ、酸化チタン等が挙げられる。
カーボンブラックの具体例としては、三菱カーボンブラック#10B、同#20B、同#14、同#30、同#33、同#40、同#44、同#45、同#45L、同#50、同#55、同#95、同#260、同#900、同#1000、同#2200B、同#2300、同#2350、同#2400B、同#2650、同#2700、同#4000B、同CF9、同MA8、同MA11、同MA77、同MA100、同MA220、同MA230、同MA600及びMCF88(以上、三菱化学(株)製)、モナーク120、モナーク700、モナーク800、モナーク880、モナーク1000、モナーク1100、モナーク1300、モナーク1400、モーガルL、リーガル99R、リーガル250R、リーガル300R、リーガル330R、リーガル400R、リーガル500及びリーガル660R(以上、米国、キャボット コーポレーション社製)、プリンテックスA、プリンテックスG、プリンテックスU、プリンテックスV、プリンテックス55、プリンテックス140U、プリンテックス140V、プリンテックス35、プリンテックス40、プリンテックス45、プリンテックスプリンテックス85、ナインペックス35、スペシャルブラック4,スペシャルブラック4A、スペシャルブラック5、スペシャルブラック6,スペシャルブラック100、スペシャルブラック250、スペシャルブラック350、スペシャルブラック550、カラーブラックFW1、カラーブラックFW2、カラーブラックFW2V、カラーブラックFW18、カラーブラックFW200、カラーブラックS150、カラーブラックS160及びカラーブラックS170(以上、デグサ ジャパン(株)製)、ラーベン5000ウルトラII、ラーベン2500ウルトラ、ラーベン1250、ラーベン760ウルトラ(以上、コロンビアカーボン日本(株)製)等が挙げられる。
これらの無機顔料は、1種又は2種以上混合して使用することができ、その使用量は、インキ組成物全量に対して1〜40重量%以下で好適に使用でき、1重量%以上30重量%以下がより好ましい。使用量が1重量%より少ないと筆跡が薄すぎて判読がし難くなる。40重量%より多いと配合時の溶解不足や、経時的な沈降による目詰まりによる筆記不能やボールペン用インキ中の固形分の増加により書き味が重くなる不具合を生じやすくなる。
顔料の分散効率を上げるため、前記高分子化合物中に顔料をあらかじめ微分散したものを粒子化したものを使用しても良い。特に、このような顔料を用いた場合は、製造上容易に分散できるので、製造上有用な手段として用いることが出来る。一例を挙げると、マイクロリス Yellow 2G−T、同Yellow 3R−T、同Brown 5R−T、同Scarlet R−T、同Red BR−T、同Blue GS−T、同Green G−T、同Black C−T(ロジンエステル樹脂に微分散させた顔料、チバ・ジャパン(株)製)、マイクロリス Yellow 4G−A、同Yellow MX−A、同Yellow 2R−A、同Brown 5R−A、同Scarlet R−A、同 Red 2C−A、同Red 3R−A、同Magenta 2B−A、同Violet B−A、同Blue 4G−A、同Green G−A、同Black C−A、同White R−A(エチルセルロース樹脂に微分散させた顔料、チバ・ジャパン(株)製)、L1/SイエローNIF、L1/8レッドF3RK−70、L1/8バイオレットRN50、L1/8オレンジ501、L1/8ブラウン5R、L1/8ブラックMA100、NC790ホワイト(ニトロセルロース樹脂に微分散させた顔料、太平化学製品(株)製)等が挙げられる。
着色材として染料を用いる場合は、従来公知の染料を使用することができ、油溶性染料の具体例としては、ローダミンBベース(C.I.45170B、田岡染料製造(株)製)、ソルダンレッド3R(C.I.21260、中外化成(株)製)、メチルバイオレット2Bベース(C.I.42535B、米国、NATIONAL ANILINE DIV.社製)、ビクトリアブルーF4R(C.I.42563B)、ニグロシンベースLK(C.I.50415)(以上、BASF社製、独国)、バリファーストイエロー#3104(C.I.13900A)、バリファーストイエロー#3105(C.I.18690)、オリエントスピリットブラックAB(C.I.50415)、バリファーストブラック#3804(C.I.12195)、バリファーストイエロー#1109、バリファーストオレンジ#2210、バリファーストレッド#1320、バリファーストブルー#1605、バリファーストバイオレット#1701、バリファーストバイオレット#1704、オイルブルー#613、オイルイエロ−#129、ニグロシンベースEX(以上、オリエント化学工業(株)製)、スピロンブラックGMHスペシャル、スピロンイエローC−2GH、スピロンイエローC−GNH、スピロンレッドC−GH、スピロンレッドC−BH、スピロンブルーBPNH、スピロンブルーC−RH、スピロンバイオレットC−RH、S.P.T.オレンジ6、S.P.T.ブルー111(以上、保土ヶ谷化学工業(株)製)、ネオスーパーブルーC−555(以上、中央合成化学(株)製)等が挙げられる。
水溶性染料の具体例としては、直接染料、酸性染料、塩基性染料等のいずれも用いることができる。水溶性染料の具体例としては、C.I.ダイレクトブラック17、同19、同22、同32、同38、同51、同71、C.I.ダイレクトイエロー4、同26、同44、同50、C.I.ダイレクトレッド1、同4、同23、同31、同37、同39、同75、同80、同81、同83、同225、同226、同227、C.I.ダイレクトブルー1、同15、同41、同71、同86、同87、同106、同108、同199等の直接染料や、C.I.アシッドブラック1、同2、同24、同26、同31、同52、同107、同109、同110、同119、同154、C.I.アシッドイエロー1、同7、同17、同19、同23、同25、同29、同38、同42、同49、同61、同72、同78、同110、同127、同135、同141、同142、C.I.アシッドレッド8、同9、同14、同18、同26、同27、同35、同37、同51、同52、同57、同82、同83、同87、同92、同94、同111、同129、同131、同138、同186、同249、同254、同265、同276、C.I.アシッドバイオレット15、同17、同49、C.I.アシッドブルー1、同7、同9、同15、同22、同23、同25、同40、同41、同43、同62、同78、同83、同90、同93、同100、同103、同104、同112、同113、同158、C.I.アシッドグリーン3、同9、同16、同25、同27、C.I.アシッドオレンジ56等の酸性染料、C.I.フードイエロー3等の食用染料、マラカイトグリーン(C.I.42000)、ビクトリアブルーFB(C.I.44045)、メチルバイオレットFN(C.I.42535)、ローダミンF4G(C.I.45160)、ローダミン6GCP(C.I.45160)等の塩基性染料等が挙げられる。これらは、1種もしくは2種以上混合して用いることが出来、その使用量は、インキ組成物全量に対して20〜40重量%である。
尚、上記染料、有機顔料、無機顔料等は混合して使用することもできる。
本発明において使用する溶剤としては、従来公知のボールペン用溶剤を使用することができる。例えば、水の他に、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノイソブチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノ2−エチルヘキシルエーテル、エチレングリコールモノアリルエーテル、ジエチレングリコールモノフェニルエーテル、ジエチレングリコールモノベンジルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノイソブチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノ2−エチルヘキシルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、ポリエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールターシャリブチルエーテル、プロピレングリコールモノフェニルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリプロピレングリコールモノブチルエーテル、3−メチル−3−メトキシ−1−ブチルアセテート等のグリコールエーテル類等のグリコールエーテル系溶剤、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ヘキシレングリコール、グリセリン、ポリエチレングリコール等のグリコール系溶剤、酢酸−2−エチルへキシル、イソ酪酸イソブチル、乳酸エチル、乳酸ブチル、等のエステル系溶剤、ベンジルアルコール、β−フェニルエチルアルコール、α−メチルベンジルアルコール、ラウリルアルコール、トリデシルアルコール、イソドデシルアルコール、イソトリドデシルアルコール、等のアルコール系溶剤、イオン交換水等が使用可能である。
これらの有機溶剤は単独で用いても2種以上混合して用いても良く、その使用量はインキ全量に対し10重量%以上90重量%以下が好ましい。
新モース硬度4以上の粒子は、球形であることによって「ころ」の効果が期待できることが好ましいが、板状などの平板形状であっても配行させるなどして「そり」の効果を期待できる。いずれにしても動く(回転する)ものであるボールと動かないものであるボール受け座との間で摩擦を小さくする作用が働けばよい。また、粒度調整をして粒度分布が狭いもの、具体的には平均粒子径±25%の大きさの粒子径が50%以上のもので、その平均粒径は0.1〜30μmのものを使用することが好ましい。平均粒子径が0.1μm未満の微粒子では、ボール受け座の摩耗抑制効果が充分でない可能性がある。また、平均粒子径が30μmを越えると、ボールペンのインキ流通路の大きさとの関係で不具合が発生する可能性がある。
また、粒度分布巾が広く、30μm以上の粗大粒子を含む微粒子については、インキを濾過、遠心分離して除去して使用してもよい。
新モース硬度4以上の無機粒子の具体例としては、アルミナ、炭化珪素、酸化クロム、炭化ホウ素、酸化ジルコン、窒化ジルコン、炭化ジルコン、セン晶石、ヒスイ石、フッ化カルシウム、タングステンカーバイド、シリカ、ダイヤ、ザクロ石、窒化アルミニウム、窒化珪素、パラジウム、オパール、コランダム、アパタイト、ガラス、窒化チタン、炭化タンタル、パラジウム、アスベスト、メノウ、酸化ベリリウム、白金、鉄、マンガン、ニッケル、酸化鉄、イリジウム、ホウ化アルミニウム、ホウ化タングステン等が挙げられる。
このような無機粒子の使用量は、インキ全量に対して0.003〜10重量%が好ましい。使用量が0.003重量%未満の場合、ボール沈みの防止効果が充分に発揮できない可能性がある。また、10重量%以上であると、筆跡が所望の色調と多少あわなかったり、ボールペンチップ内でのインキの詰まりから筆記かすれが生じたりする可能性がある。
樹枝状高分子は、コア分子である多官能分子と、3つの結合可能部位を有する繰り返し分子が分岐を繰り返しながら結合した構造(繰り返し分子構造)からなる高分子である。
樹枝状高分子は「デンドリマー」と「超分岐高分子」という2つのカテゴリーに分類することができる。デンドリマーは、繰り返し分子構造が非常に規則的な三次元単分散高分子で、分岐、構造が規則的であり、コア分子である多官能分子で線対称の構造を有する高分子である。超分岐高分子はデンドリマーとは異なり、分岐、構造が不規則的である高分子である。
本発明で用いる樹枝状高分子は繰り返し分子構造にエステル基を有し、末端に水酸基及び/又はカルボキシル基を有することを特徴とする。また、本発明で用いる樹枝状高分子は、コア分子である多官能分子で完全に線対称である「デンドリマー」型であっても、分岐が多分散であり構造が不規則である「超分岐高分子」型であってもいいが、樹枝状高分子が規則的に並ぶことで、各表面を密に覆うことができる、コア分子である多官能分子で完全に線対称である「デンドリマー」型を用いることがより好ましい。
基本単位となる繰り返し分子構造の規則的な繰り返しの数は世代(ジェネレーション)という概念用語で表され、樹枝状高分子の世代数が多くなるに従って、官能基が指数関数的に増加し、吸着点が増加するものの溶剤との相互作用が強くなり、インキの系全体が増粘することが考えられる。系全体が粘度上昇すると、無機粒子がスムーズにインキ中を移動しにくくなるため、ボールとボール受け座との衝突の際に逃げにくくなる可能性がある。そのため、樹枝状高分子の世代数は1〜2が好ましい。
市販品の例としては、Hybrane P/S80 S1200、H1500、H/S80 1700、P1000、Hybrane S1200、PX−100(ディー・エス・エムコーポレーション(オランダ国))が挙げられる。
インキ中の使用量は、インキ組成物全量に対して0.1〜20重量%以下が好ましい。樹枝状高分子の使用量が0.1重量%より少ないと、樹枝状高分子が無機粒子や、ボール、ボール受け座を覆いきれず、ボール受け座の磨耗や傷を防ぐことができない可能性がある。20重量%よりも多いとインキの粘度が高くなり、無機粒子がインキ中を多少なりともスムーズに移動し難くなるため、ボールとボール受け座との衝突の際に無機粒子が逃げにくくなり、ボール受け座を傷つけてしまう可能性がある。
以上の必須成分の他に、ボールペン用インキに使用される各種材料を添加することができる。
粘度の調整、顔料などの固形物の分散、定着性向上、筆跡の裏移り防止等の目的で増粘剤を添加することもできる。増粘剤の一例として、アラビアガム、トラガカントガム、グァーガム、ローカストビーンガム、アルギン酸、カラギーナン、ゼラチン、カゼイン、キサンテンガム、デキストラン、ウェランガム、ラムザンガム、アルカガム、デンプングリコール酸ナトリウム、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル、ヒドロキシプロピル化グァーガム、メチルセルロース、エチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルメチルエーテル、ポリアクリル酸、カルボキシビニルポリマー、ポリエチレンオキサイド、酢酸ビニルとポリビニルピロリドンの共重合体、アクリル樹脂塩、アクリル酸とアルキルメタクリレートの共重合体又はそれらの塩、ヒアルロン酸等の多糖類、ベンジリデンソルビトール、シリカ、ベントナイト系無機化合物、有機ベントナイトが挙げられる。
また、定着剤としてケトン樹脂、スルフォアミド樹脂、アクリル樹脂、マレイン酸樹脂、スチレンとマレイン酸エステルとの共重合体、スチレンとアクリル酸又はそのエステルとの共重合体、エステルガム、キシレン樹脂、尿素樹脂、ポリアミド樹脂、アルキッド樹脂、フェノール樹脂、アルキルフェノール樹脂、テルペンフェノール樹脂、ロジン系樹脂やその水添化合物、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセタール、ポリビニルアルキルエーテル、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンオキサイド等を併用することが出来る。単独で用いても良いし、2種以上混合して用いても良く、その配合量は、インキ組成物全量に対して、0.1〜15重量%範囲である。
その他必要に応じて、防腐剤、防錆剤、消泡剤、潤滑剤、分散剤、カスレ防止剤、洩れ防止剤、界面活性剤等のインキ組成物に慣用されている助剤を含有させても良い。
本発明のボールペン用インキ組成物は、上記各成分をダイノーミル、ボールミル、ロールミル、アトライター、サンドグラインダー、ターボミキサー、ラボミキサー、ホモミキサー等の分散機を使用して分散混合することによって得られる。
このようなインキを収容して筆記するボールペンとしては、筆記部材のボールをインキ通孔の先端開口部より一部臨出した状態で回転自在に抱持するボールペンチップを、直接又は接続部材を介してインキタンクと連通させたボールペン体を使用することができる。筆記部材となるボールは、タングステンカーバイドやシリコンカーバイドなどの焼結体が使用でき、ボールの径は、φ1.0mm以上やφ0.3mm以下などのφ0.7mm以外のものも使用できる。また、ボールを先端方向に付勢するコイルスプリングなどの弾撥部材をボールホルダー内に配置して、ボールを先端開口部内縁に押し付け、非筆記時にはインキ通孔の開口部を密閉するようにすることもできる。
以下、本発明は実施例を示して具体的に説明する。なお、以下の配合数値は重量部を示す。
実施例1
PRINTEX 35(顔料、デグサ・ヒュルスジャパン(株)製) 30.00
エスレック BL−1(ポリビニルブチラール、分散剤、積水化学(株)製) 4.00
ヘキシレングリコール 59.48
ハイラック 901(ケトン樹脂、日立化成工業(株)製) 3.00
PVP K−90(ポリビニルピロリドン、ISPジャパン(株)製) 0.50
AKP−30(高純度アルミナ粉末、住友化学工業(株)製) 0.02
Hybrane PX−100(多分岐ポリエステルアミド、1世代、末端水酸基8個、ディー・エス・エムコーポレーション(オランダ国)製) 3.00
上記の各成分の混合物をプロペラ攪拌機にて60℃で4時間撹拌し、黒色のボールペン用インキを得た。
実施例2
オイルブラックHBB(染料、オリエント化学工業(株)製) 20.00
ベンジルアルコール 58.98
ベンジルグリコール 9.27
ケトンレジン K90(ケトン樹脂、荒川化学工業(株)製) 5.00
PVP K−120(ポリビニルピロリドン、ISPジャパン(株)製) 0.70
酸化クロム粒子(平均粒径1μm) 0.05
Hybrane S1200(多分岐ポリエステルアミド、1世代、末端水酸基8個、ディー・エス・エムコーポレーション(オランダ国)製) 6.00
上記の各成分の混合物をプロペラ攪拌機にて60℃で4時間撹拌し、黒色のボールペン用インキを得た。
実施例3
スペシャルブラック#4(顔料、デグサ・ヒュルスジャパン(株)製) 15.00
オイルブラックHBB(前述) 15.00
ジョンクリル678(スチレン−アクリル酸共重合体、分散剤、BASFジャパン(株)
製) 8.00
ヘキシレングリコール 17.28
エチレングリコールモノフェニルエーテル 35.12
ケトンレジン K90(前述) 6.00
PVP K−90(前述) 0.30
AKP−30(前述) 0.30
Hybrane S1200(前述) 3.00
上記の各成分の混合物をプロペラ攪拌機にて60℃で4時間撹拌し、黒色のボールペン用インキを得た。
実施例4
PRINTEX 35(前述) 15.00
エスレック BL−1(前述) 7.00
ヘキシレングリコール 50.57
ケトンレジン K90(前述) 6.00
PVP K−60(ポリビニルピロリドン、ISPジャパン(株)製) 0.40
AKP−30(前述) 0.03
Hybrane PX−100(前述) 21.00
上記の各成分の混合物をプロペラ攪拌機にて60℃で4時間撹拌し、黒色のボールペン用インキを得た。
実施例5
PRINTEX 35(前述) 15.00
エスレック BL−1(前述) 7.00
ヘキシレングリコール 71.52
ケトンレジン K90(前述) 6.00
PVP K−60(前述) 0.40
AKP−30(前述) 0.03
Hybrane PX−100(前述) 0.05
上記の各成分の混合物をプロペラ攪拌機にて60℃で4時間撹拌し、黒色のボールペン用インキを得た。
実施例6
PRINTEX 35(前述) 10.00
三菱カーボンブラック MA220(顔料、三菱化学(株)製) 15.00
エスレック BL−1(前述) 10.00
ヘキシレングリコール 57.48
ケトンレジン K90(前述) 4.00
PVP K−60(前述) 0.50
AKP−30(前述) 0.02
Hybrane H1500(多分岐ポリエステルアミド、2世代、末端水酸基10個、ディー・エス・エムコーポレーション(オランダ国)製) 3.00
上記の各成分の混合物をプロペラ攪拌機にて60℃で4時間撹拌し、黒色のボールペン用インキを得た。
実施例7
オイルブラックHBB(前述) 30.00
ヘキシレングリコール 58.25
ハイラック 901(前述) 5.00
PVP K−120(前述) 0.70
酸化クロム(前述) 0.05
Hybrane P1000(多分岐ポリエステルアミド、1世代、末端水酸基7個、ディー・エス・エムコーポレーション(オランダ国)製) 6.00
上記の各成分の混合物をプロペラ攪拌機にて60℃で4時間撹拌し、黒色のボールペン用インキを得た。
実施例8
FUJI SP BLACK 8922(カーボンブラック20%分散液、冨士色素
(株)製) 25.00
イオン交換水 57.41
グリセリン 6.87
エチレングリコール 6.00
ベンゾトリアゾール 0.50
プロクセル GXL(1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン、防腐剤、ICI(株)
製) 0.20
ペミュレン TR−1(架橋型のアクリル酸とアクリル酸エステル共重合体、B.F.GOODRICH社製) 0.30
水酸化ナトリウム 0.70
AKP−20(前述) 0.02
Hybrane PX−100(前述) 3.00
上記成分中、ペミュレン TR−1の全量とイオン交換水10部とをラボミキサーにて1時間撹拌してペミュレン TR−1水溶液を調整した。次いでAKP−20とグリセリンの全量を混合し、均一に撹拌した後ホモジナイザーで15分撹拌し、アルミナ分散液を調整した。残りの各成分を混合して均一になるまで1時間撹拌した液に、ペミュレン TR−1水溶液とアルミナ分散液を加え、さらに2時間混合撹拌して黒色のボールペン用インキを得た。
実施例9
WATER RED #2(C.I.ACID RED87、オリエント化学工業(株)
製) 5.00
WATER BLUE 105S(C.I.ACID RED87、オリエント化学工業
(株)製) 5.00
WATER YELLOW #6C(C.I.ACID RED87、オリエント化学工業(株)製) 3.00
イオン交換水 58.77
グリセリン 6.00
エチレングリコール 14.00
ベンゾトリアゾール 0.50
プロクセル GXL(前述) 0.20
ケルザン AR(キサンタンガム、三晶(株)製) 0.50
ハイドロキノンスルホン酸カリウム 0.50
アスコルビン酸ナトリウム 0.50
シリカ 0.03
Hybrane S1200(前述) 6.00
上記成分中、ケルザン ARの全量とイオン交換水10部とをラボミキサーにて1時間撹拌してケルザン AR水溶液を調整した。次いでシリカとグリセリンの全量を混合し、均一に撹拌した後ホモジナイザーで15分撹拌し、シリカ分散液を調整した。残りの各成分を混合して均一になるまで1時間撹拌した液に、ケルザン AR水溶液とアルミナ分散液を加え、さらにホモジナイザーで15分撹拌して黒色のボールペン用インキを得た。
実施例10
FUJI SP BLACK 8922(前述) 18.00
WATER RED #2(前述) 4.00
WATER YELLOW #6C(前述) 2.00
イオン交換水 54.27
グリセリン 7.00
エチレングリコール 10.00
ベンゾトリアゾール 0.50
プロクセル GXL(前述) 0.20
ペミュレン TR−1(前述) 0.30
水酸化ナトリウム 0.70
AKP−20(前述) 0.03
Hybrane S1200(前述) 3.00
上記成分中、ペミュレン TR−1の全量とイオン交換水10部とをラボミキサーにて1時間撹拌してペミュレン TR−1水溶液を調整した。次いでAKP−20とグリセリンの全量を混合し、均一に撹拌した後ホモジナイザーで15分撹拌し、アルミナ分散液を調整した。残りの各成分を混合して均一になるまで1時間撹拌した液に、ペミュレン TR−1水溶液とアルミナ分散液を加え、さらに2時間混合撹拌して黒色のボールペン用インキを得た。
実施例11
FUJI SP BLACK 8922(前述) 25.00
イオン交換水 35.77
グリセリン 7.00
エチレングリコール 9.00
ベンゾトリアゾール 0.50
プロクセル GXL(前述) 0.20
ケルザン AR(前述) 0.50
ハイドロキノンスルホン酸カリウム 0.50
アスコルビン酸ナトリウム 0.50
AKP−20(前述) 0.03
Hybrane PX−100(前述) 21.00
上記成分中、ケルザン ARの全量とイオン交換水10部とをラボミキサーにて1時間撹拌してケルザン AR水溶液を調整した。次いでAKP−20とグリセリンの全量を混合し、均一に撹拌した後ホモジナイザーで15分撹拌し、アルミナ分散液を調整した。残りの各成分を混合して均一になるまで1時間撹拌した液に、ケルザン AR水溶液とアルミナ分散液を加え、さらにホモジナイザーで15分撹拌して黒色のボールペン用インキを得た。
実施例12
FUJI SP BLACK 8922(前述) 25.00
イオン交換水 56.72
グリセリン 7.00
エチレングリコール 9.00
ベンゾトリアゾール 0.50
プロクセル GXL(前述) 0.20
ケルザン AR(前述) 0.50
ハイドロキノンスルホン酸カリウム 0.50
アスコルビン酸ナトリウム 0.50
AKP−20(前述) 0.03
Hybrane PX−100(前述) 0.05
上記成分中、ケルザン ARの全量とイオン交換水10部とをラボミキサーにて1時間撹拌してケルザン AR水溶液を調整した。次いでAKP−20とグリセリンの全量を混合し、均一に撹拌した後ホモジナイザーで15分撹拌し、アルミナ分散液を調整した。残りの各成分を混合して均一になるまで1時間撹拌した液に、ケルザン AR水溶液とアルミナ分散液を加え、さらにホモジナイザーで15分撹拌して黒色のボールペン用インキを得た。
実施例13
FUJI SP BLACK 8922(前述) 30.00
イオン交換水 53.28
グリセリン 6.00
エチレングリコール 6.00
ベンゾトリアゾール 0.50
プロクセル GXL(前述) 0.20
ペミュレン TR−1(前述) 0.30
水酸化ナトリウム 0.70
AKP−20(前述) 0.02
Hybrane H1500 3.00
上記成分中、ペミュレン TR−1の全量とイオン交換水10部とをラボミキサーにて1時間撹拌してペミュレン TR−1水溶液を調整した。次いでAKP−20とグリセリンの全量を混合し、均一に撹拌した後ホモジナイザーで15分撹拌し、アルミナ分散液を調整した。残りの各成分を混合して均一になるまで1時間撹拌した液に、ペミュレン TR−1水溶液とアルミナ分散液を加え、さらに2時間混合撹拌して黒色のボールペン用インキを得た。
実施例14
WATER RED #2(前述) 10.00
WATER BLUE 105S(前述) 7.00
WATER YELLOW #6C(前述) 3.00
イオン交換水 53.75
グリセリン 6.00
エチレングリコール 12.00
ベンゾトリアゾール 0.50
プロクセル GXL(前述) 0.20
ケルザン AR(前述) 0.50
ハイドロキノンスルホン酸カリウム 0.50
アスコルビン酸ナトリウム 0.50
AKP−20(前述) 0.05
Hybrane P1000 6.00
上記成分中、ケルザン ARの全量とイオン交換水10部とをラボミキサーにて1時間撹拌してケルザン AR水溶液を調整した。次いでAKP−20とグリセリンの全量を混合し、均一に撹拌した後ホモジナイザーで15分撹拌し、アルミナ分散液を調整した。残りの各成分を混合して均一になるまで1時間撹拌した液に、ケルザン AR水溶液とアルミナ分散液を加え、さらにホモジナイザーで15分撹拌して黒色のボールペン用インキを得た。
比較例1
実施例1において、Hybrane PX−100を除してエスレックBH−3(ポリビニルブチラール、積水化学(株)製)に置き換えた以外は同様になして黒色の油性インキを得た。
比較例2
実施例1において、Hybrane PX−100を除してプライサーフA208B(リン酸エステル、第一工業製薬(株)製)に置き換えた以外は同様になして黒色の油性インキを得た。
比較例3
実施例9において、Hybrane S1200を除してジョンクリル 61J(水溶性樹脂、BASF社製、独国)に置き換えた以外は同様になして黒色の油性インキを得た。
比較例4
実施例9において、Hybrane S1200を除してプライサーフA208B(前述)に置き換えた以外は同様になして黒色の油性インキを得た。
比較例5
PRINTEX 35(前述) 30.00
エスレック BL−1(前述) 4.00
ヘキシレングリコール 59.50
ハイラック 901(前述) 3.00
プライサーフA208B(前述) 3.00
上記の各成分の混合物をプロペラ攪拌機にて60℃で4時間撹拌し、黒色のボールペン用インキを得た。
比較例6
比較例5において、プライサーフA208B(前述)を除してHYBRANE PX−100に置き換えた以外は同様になして黒色の油性インキを得た。
比較例7
PRINTEX 35(前述) 30.00
エスレック BL−1(前述) 4.00
ヘキシレングリコール 62.48
ハイラック 901(前述) 3.00
AKP−20(前述) 0.02
上記の各成分の混合物をプロペラ攪拌機にて60℃で4時間撹拌し、黒色のボールペン用インキを得た。
以上、実施例、比較例で得たインキについて、下記の試験を行った。結果を表1に示す。
試験サンプルの作成
上記実施例1〜14及び比較例1〜9で得た各インキを、直径0.7mmの超硬製のボールをステンレス製のボールホルダーにて抱持したボールペンチップと、押出成形により成形したポリプロピレン製パイプとを接続したリフィル体を収容するノック式ボールペン(ROLLY、製品符号BP127、ぺんてる(株)製、ボール径Φ0.7mm)のインキ収容管に0.25g充填してボールペンチップが外向きに位置するよう配置し、市販の遠心機(H−103NR、株式会社コクサン)を用い、回転速度1700rpmで10分間遠心を行い、試験用ボールペンサンプルとした。
ボール沈み量の測定
上記試験用ボールペンサンプル各5本を、ボールが常にボール受け座に当たっているように連続筆記される状態の筆記試験として、螺旋筆記試験機で高筆記圧筆記条件(筆記角度70°、荷重300g、筆記速度7cm/sec)にて筆記した。筆記距離が100m及び500mの段階で、ボールをボール受け座に当接させた状態で、ボールホルダーの先端からボール先端までの垂直方向の距離をボールの突出長さとして測定し、未筆記の時との差をボール沈み量とした。n=5の平均値を算出した。
筆跡の評価
上記ボール沈み量を測定した後のサンプルを10cm直線筆記し、筆記線の途切れた長さを測定した。
書き味の滑らかさ評価
上記試験用ボールペンサンプルを、各実施例、比較例につきn=3本ずつ新たに用意し、静・動摩擦測定機(TRIBO−MASTER TYPE TL201SA、(株)トリニティーラボ製)を用い、筆記荷重を150g、筆記角度70度、筆記速度7cm/secで15cm筆記させたときの筆記抵抗値を測定した。
次いで、漢字を筆記する場合のように一画ごとにボールが紙面と当接・離脱を繰り返す筆記の試験としてレタリングプロッタ(CADLINER CD−3900、マックス(株)製)を用い、筆記角度90度で「永久不滅」の文字を100回筆記(紙面に当接するときの瞬間最大圧力300g)させた後、再び、静・動摩擦測定機を用い同条件で筆記抵抗値を測定した。
筆記抵抗値の測定は、測定周波数200Hzにて10秒間測定を行った。測定開始0.5秒から2.0秒までの間で得られた300個の筆記抵抗値のデータから、筆記抵抗値の最大値と最小値、及びそれらの差の値をなめらかさの指標とした。
ボールとボール受け座との摩擦抵抗が増大してボールが円滑に回らずに瞬間的に停止するなどの回転不良が発生すると、ペンを持つ手にかかる抵抗値の最大値が瞬間的に上昇し筆記感の悪化につながる。
受け座表面の観察
上記、書き味を測定した後のボールペンサンプルについてボールを抜きとり、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて、ボール受け座表面の傷や無機粒子の埋没を観察した。
Figure 2014198757
実施例1〜14のボールペン用インキ組成物では、金属表面の傷が少なく、受け座摩耗が防止されて、ボールの沈みが少なく、なめらかな筆記が継続できる。
これに対して、比較例1〜9のボールペン用インキ組成物は、無機粒子が配合されていない場合、ボール受け座の摩耗が発生している。また、新モース硬度が4以上の無機粒子が配合されていると、ボール受け座に傷や、無機粒子の埋没が発生しており、筆記抵抗値も高い値となって筆記間の滑らかさを失うものである。
以上、詳細に説明したように本発明のボールペン用インキは、ボールペンを用いて高筆記圧で筆記し続けても、極めて滑らかな書き味を与え続けるボールペン用インキ組成物に関するものである。

Claims (1)

  1. 着色剤と、溶剤と、新モース硬度4以上の無機粒子と、繰り返し分子構造中にエステル基を、末端に水酸基及び/又はカルボキシル基を有する樹枝状高分子とを少なくとも含有するボールペン用インキ組成物。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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