JP2015124345A - ボールペン用水性インキ組成物及びそれを内蔵したボールペン - Google Patents

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Abstract

【課題】紙面への筆跡滲みやペン芯の機能低下等の不具合を生じることがなく、筆記時のインキ吐出性を長期に亘って安定維持できるものであり、良好な筆跡形成が可能な実用性の高いボールペン用水性インキ組成物とそれを内蔵したボールペンを提供する。
【解決手段】着色剤と、水と、ハイパーブランチポリマーを含有するボールペン用水性インキ組成物。前記ボールペン用水性インキ組成物を内蔵したボールペン。前記ボールペンがインキ流量調節部材を備えてなる。
【選択図】なし

Description

本発明はボールペン用水性インキ組成物に関する。更には、筆記時のインキ吐出安定性に優れたボールペン用水性インキ組成物とボールペンに関する。
従来、油性インキに比べて表面張力が高く、潤滑性が乏しい水性インキにおいては、ボールペンチップやペン芯(多数の円盤体が櫛溝状間隔を開け並列配置されるインキ流量調節部材)に対する濡れ性が悪いため、筆記時にペン先から気泡を巻き込むなどして、インキの吐出不良が生じ易く、筆跡にウスやトギレ等の不具合を生じることがある。特にペン芯を使用するボールペンにおいては、部品点数が多く構造が複雑であるため、各部材間や櫛溝部分でのインキ追従が不安定になり易く、インキ吐出性が安定し難い。そこで各種界面活性剤を水性インキ中に添加することでインキの表面張力を低下させる技術が開示されている(例えば、特許文献1,2参照)。
特開2004−256758号公報 特開平10−298482号公報
前記界面活性剤を用いて表面張力を低下させた水性インキは、チップやペン芯に対する濡れ性がよくなるため、筆記時のインキ吐出性が向上するものの、紙に対する浸透性も高くなるため、紙面での筆跡滲みが生じ易くなる。また、ペン芯においては、筆記具内の圧力変化時にインキを保持できなくなるため、インキ漏れ等を生じる虞がある。
本発明は、紙面への筆跡滲みやペン芯の機能低下等の不具合を生じることがなく、筆記時のインキ吐出性を長期に亘って安定維持できるものであり、良好な筆跡形成が可能な実用性の高いボールペン用水性インキ組成物とそれを内蔵したボールペンを提供するものである。
本発明のボールペン用水性インキ組成物は、着色剤と、水と、ハイパーブランチポリマーを含有することを要件とする。
更に、前記ボールペン用水性インキ組成物を内蔵したボールペンを要件とし、該ボールペンが、多数の円盤体が櫛溝状の間隔を開け並列配置され、前記円盤体を軸方向に縦貫するスリット状のインキ誘導溝及び該溝より太幅の通気溝が設けられ、更に軸心にインキ貯蔵部からペン先へインキを誘導するためのインキ誘導芯が配置されてなるインキ流量調節部材を備えてなることを要件とする。
本発明により、紙面への筆跡滲みや、ペン芯性能の低下等を生じることなく、筆記時のインキ吐出性を長期に亘って安定維持できるボールペン用水性インキ組成物と、ウスやトギレ等のない良好な筆跡が長期的に形成可能な実用性の高いボールペンとなる。
本発明の水性インキに添加されるハイパーブランチポリマーとは、1分子中に2種類の置換基を合計3個以上もつ、いわゆるABx型分子の自己縮合により合成される多分岐高分子、または、1分子中に重合開始能を有する基と重合性基とを有する分子、いわゆるイニマー(inimer)の自己縮合により合成される多分岐高分子である。例えば、石津浩二編著「分岐ポリマーのナノテクノロジー」(2000年、株式会社アイピーシー)に記載されるハイパーブランチポリマー等が挙げられる。
これらのハイパーブランチポリマーの製造方法としては、例えば、M.Suzuki et al;Macromolecules,25巻,7071頁(1992)、同31巻,1716頁(1998)に記載されるように、一級アミンを求核成分とし、パラジウム触媒による環状化合物の開環重合による合成方法等が挙げられる。
高度に分岐した分子構造を有するハイパーブランチポリマーは、「非晶質である、粘度が極端に低い、溶媒に対する溶解性が高い、機能性基を導入可能な鎖末端を多数有する」等の線状高分子にはない特異な特徴を有している。
また、多官能基を有するモノマーを一段階ずつ化学反応させて規則的な分岐構造(コア部分を中心に複数の分岐した鎖状部分を有する構造)を形成させるデンドリマーに比べ、ハイパーブランチポリマーはモノマーから重縮合で一気に製造することができるため、デンドリマーよりも製造が容易であり、製造コストが安価であるという長所を有している。また、合成条件を適宜選択することにより分岐度も制御できるため、用途に応じた分子設計も容易に実施できることから、本発明の水性インキ組成物への適用に有用である。尚、ハイパーブランチポリマーは、構造の規制、分子量分布についてはデンドリマーほど精密ではないため、分子量や分岐度の異なる化合物の混合物となるが、デンドリマーが中心部分の結合密度が高くなるのに対して、均一な密度で結合できるため水性媒体への溶解性が高くなる。
前記ハイパーブランチポリマーは、従来の線状高分子(直線的な広がりを持った分子構造)とは異なり、水性インキ中に添加した際に、インキの粘度を上昇させることがないため、キャップオフ性能を阻害することがなくなるとともに、筆記時におけるインキの追従性(ペン先への供給だけでなく、ペン芯内やジョイント等の部材間における連続供給性を含む)が効果的に付与できる。そのため、表面張力の大きさに関係なく、インキの吐出が安定化され、カスレ等のない一定の筆跡が形成できる。
前記ハイパーブランチポリマーはインキ組成物全量中0.01〜20重量%、好ましくは0.5〜10重量%の範囲で添加することができる。
0.01重量%未満では十分なインキ吐出性能を付与することは困難であり、また、20重量%を越えて添加しても一定以上の性能向上は認められないので、これ以上の添加を要しない。
前記着色剤としては、水性媒体に溶解もしくは分散可能な染料及び顔料がすべて使用可能であり、その具体例を以下に例示する。
前記染料としては、酸性染料、塩基性染料、直接染料等を使用することができる。
酸性染料としては、ニューコクシン(C.I.16255)、タートラジン(C.I.19140)、アシッドブルーブラック10B(C.I.20470)、ギニアグリーン(C.I.42085)、ブリリアントブルーFCF(C.I.42090)、ソルブルブルー(C.I.42755)、ナフタレングリーン(C.I.44025)、エオシン(C.I.45380)、フロキシン(C.I.45410)、エリスロシン(C.I.45430)、ニグロシン(C.I.50420)、アシッドフラビン(C.I.56205)等が用いられる。
塩基性染料としては、クリソイジン(C.I.11270)、クリスタルバイオレット(C.I.42555)、マラカイトグリーン(C.I.42000)、ビクトリアブルーFB(C.I.44045)、ローダミンB(C.I.45170)、アクリジンオレンジNS(C.I.46005)、メチレンブルーB(C.I.52015)等が用いられる。
直接染料としては、コンゴーレッド(C.I.22120)、ダイレクトスカイブルー5B(C.I.24400)、バイオレットBB(C.I.27905)、ダイレクトディープブラックEX(C.I.30235)、カヤラスブラックGコンク(C.I.35225)、ダイレクトファストブラックG(C.I.35255)、フタロシアニンブルー(C.I.74180)等が用いられる。
前記顔料としては、カーボンブラック、群青などの無機顔料や銅フタロシアニンブルー、ベンジジンイエロー等の有機顔料の他、予め界面活性剤等を用いて微細に安定的に水媒体中に分散された水分散顔料製品等が用いられ、例えば、C.I.Pigment Blue 15:3B〔品名:S.S.Blue GLL、顔料分22%、山陽色素株式会社製〕、C.I.Pigment Red 146〔品名:S.S.Pink FBL、顔料分21.5%、山陽色素株式会社製〕、C.I.Pigment Yellow 81〔品名:TC Yellow FG、顔料分約30%、大日精化工業株式会社製〕、C.I.Pigment Red220/166〔品名:TC Red FG、顔料分約35%、大日精化工業株式会社製〕等を挙げることができる。
蛍光顔料としては、各種蛍光性染料を樹脂マトリックス中に固溶体化した合成樹脂微細粒子状の蛍光顔料が使用できる。
その他、パール顔料、金色、銀色のメタリック顔料、蓄光性顔料、修正ペン等に用いられる二酸化チタン等の白色顔料、アルミニウム等の金属粉、更には熱変色性組成物、光変色性組成物、香料等を直接又はマイクロカプセル化したカプセル顔料等を例示できる。
前記熱変色性組成物としては、(イ)電子供与性呈色性有機化合物、(ロ)電子受容性化合物、(ハ)前記両者の呈色反応の生起温度を決める反応媒体からなる可逆熱変色性組成物が好適であり、マイクロカプセルに内包させて可逆熱変色性マイクロカプセル顔料として適用される。
前記可逆熱変色性組成物としては、特公昭51−44706号公報、特公昭51−44707号公報、特公平1−29398号公報等に記載された、所定の温度(変色点)を境としてその前後で変色し、高温側変色点以上の温度域で消色状態、低温側変色点以下の温度域で発色状態を呈し、前記両状態のうち常温域では特定の一方の状態しか存在せず、もう一方の状態は、その状態が発現するのに要した熱又は冷熱が適用されている間は維持されるが、前記熱又は冷熱の適用がなくなれば常温域で呈する状態に戻る、ヒステリシス幅が比較的小さい特性(ΔH=1〜7℃)を有する可逆熱変色性組成物をマイクロカプセル中に内包させた加熱消色型のマイクロカプセル顔料が適用できる。
更に、特公平4−17154号公報、特開平7−179777号公報、特開平7−33997号公報、特開平8−39936号公報等に記載されている比較的大きなヒステリシス特性(ΔH=8〜50℃)を示すものや、特開2006−137886号公報、特開2006−188660号公報、特開2008−45062号公報、特開2008−280523号公報等に記載されている大きなヒステリシス特性を示す、即ち、温度変化による着色濃度の変化をプロットした曲線の形状が、温度を変色温度域より低温側から上昇させていく場合と逆に変色温度域より高温側から下降させていく場合とで大きく異なる経路を辿って変色し、完全発色温度以下の低温域での発色状態、又は完全消色温度以上の高温域での消色状態が、特定温度域で色彩記憶性を有する可逆熱変色性組成物を内包させ加熱消色型のマイクロカプセル顔料も適用できる。
尚、前記水性インキに適用される色彩記憶性を有する可逆熱変色性組成物として具体的には、完全発色温度を冷凍室、寒冷地等でしか得られない温度、即ち−50〜0℃、好ましくは−40〜−5℃、より好ましくは−30〜−10℃、且つ、完全消色温度を摩擦体による摩擦熱、ヘアドライヤー等身近な加熱体から得られる温度、即ち50〜95℃、好ましくは50〜90℃、より好ましくは60〜80℃の範囲に特定し、ΔH値を40〜100℃に特定することにより、常態(日常の生活温度域)で呈する色彩の保持に有効に機能させることができる。
前記着色剤は一種又は二種以上を適宜混合して使用することができ、インキ組成中1〜35重量%、好ましくは2〜30重量%の範囲で用いられる。
また、着色剤として顔料を用いた場合、必要に応じて顔料分散剤を添加できる。前記顔料分散剤としてはアニオン、ノニオン等の界面活性剤、ポリアクリル酸、スチレンアクリル酸等のアニオン性高分子、PVP、PVA等の非イオン性高分子等が用いられる。
更に必要に応じて、水に相溶性のある従来汎用の水溶性有機溶剤を用いることができる。具体的には、エタノール、プロパノール、ブタノール、グリセリン、ソルビトール、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、モノエタノールアミン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、チオジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、スルフォラン、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン等が挙げられる。
尚、前記水溶性有機溶剤は一種又は二種以上を併用して用いることができ、2〜60重量%、好ましくは5〜35重量%の範囲で用いられる。
更に、紙面への固着性や粘性を付与するために水溶性樹脂を添加することもできる。前記水溶性樹脂としては、アルキッド樹脂、アクリル樹脂、スチレンマレイン酸共重合物、セルロース誘導体、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、デキストリン等が挙げられる。前記水溶性樹脂は一種又は二種以上を併用することができ、インキ組成中1〜30重量%の範囲で用いられる。
その他、必要に応じて、炭酸ナトリウム、リン酸ナトリウム、酢酸ソーダ等の無機塩類、水溶性のアミン化合物等の有機塩基性化合物等のpH調整剤、トリルトリアゾール、サポニン等の防錆剤、石炭酸、1、2−ベンズチアゾリン3−オンのナトリウム塩、安息香酸ナトリウム、デヒドロ酢酸ナトリウム、ソルビン酸カリウム、パラオキシ安息香酸プロピル、2,3,5,6−テトラクロロ−4−(メチルスルフォニル)ピリジン等の防腐剤或いは防黴剤、尿素、ソルビット、マンニット、ショ糖、ぶどう糖、還元デンプン加水分解物、ピロリン酸ナトリウム等の湿潤剤、消泡剤、インキの浸透性を向上させるフッ素系界面活性剤やノニオン系界面活性剤を使用してもよい。
更に、潤滑剤を添加することができ、金属石鹸、ポリアルキレングリコール脂肪酸エステル、エチレンオキサイド付加型カチオン活性剤、リン酸エステル系活性剤、ジカルボン酸型界面活性剤、β−アラニン型界面活性剤、2,5−ジメルカプト−1,3,4−チアジアゾールやその塩やオリゴマー、3−アミノ−5−メルカプト−1,2,4−トリアゾール、チオカルバミン酸塩、ジメチルジチオカルバミン酸塩、N−アシル−L−グルタミン酸とL−リジンとの縮合物やその塩等が用いられる。
また、アスコルビン酸類、エリソルビン酸類、α−トコフェロール、カテキン類、合成ポリフェノール、コウジ酸、アルキルヒドロキシルアミン、オキシム誘導体、α−グルコシルルチン、α−リポ酸、ホスホン酸塩、ホスフィン酸塩、亜硫酸塩、スルホキシル酸塩、亜ジチオン酸塩、チオ硫酸塩、二酸化チオ尿素等を添加して化学的に気泡を除去することもできる。N−ビニル−2−ピロリドンのオリゴマー、N−ビニル−2−ピペリドンのオリゴマー、N−ビニル−2−ピロリドン、N−シクロヘキシル−2−ピロリドン、ε−カプロラクタム、N−ビニル−ε−カプロラクタムのオリゴマー等の増粘抑制剤を添加することもできる。
更に、必要に応じて剪断減粘性付与剤を添加し、インキに適当な粘性を与えて実用に供することができる。用いられる剪断減粘性付与剤は従来公知のものから適宜選択することができ、その具体例としては、キサンタンガム、サクシノグリカン、カラギーナン等の多糖類、ポリアクリル酸、架橋型アクリル酸、ポリビニルアセトアミド、非イオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、会合性ウレタンエマルジョン等が挙げられ、単独或いは混合して用いられる。
前記水性インキ組成物は、ボールペンチップを筆記先端部に装着したボールペンに充填される。
ボールペン自体の構造、形状は特に限定されるものではなく、従来から汎用のものが適用でき、例えば、軸筒内にインキ組成物を充填したインキ収容管を有し、該インキ収容管はボールを先端部に装着したチップに連通しており、更にインキの端面には逆流防止用のインキ逆流防止体が密接しているボールペンや、チップを筆記先端部に装着し、軸筒内部(インキ貯蔵部)に直接インキを収容し、合成樹脂製の櫛溝状インキ流量調節部材(ペン芯)を介在させる構造を有するボールペンが例示できる。
前記ボールペンチップについて更に詳しく説明すると、金属製のパイプの先端近傍を外面より内方に押圧変形させたボール抱持部にボールを抱持してなるチップ、或いは、金属材料をドリル等による切削加工により形成したボール抱持部にボールを抱持してなるチップ、或いは、金属製のパイプや金属材料の切削加工により形成したチップに抱持するボールをバネ体により前方に付勢させたもの等を適用できる。
また、前記ボールは、超硬合金、ステンレス鋼、ルビー、セラミック等が適用でき、直径0.1mm〜2.0mmの範囲のものが好適に用いられる。
前記水性インキ組成物を収容するインキ収容体(インキ収容管やインキ貯蔵部)は、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート等の熱可塑性樹脂からなる成形体が、インキの低蒸発性、生産性の面で好適に用いられる。また、前記インキ収容体として透明、着色透明、或いは半透明の成形体を用いることにより、インキ色やインキ残量等を確認できる。
前記インキ収容体は、有底筒状のインキ貯蔵部(栓体を用いたカートリッジ形態を含む)とする他、筒状のインキ収容管として、チップを直接または接続部材を介して連結してもよい。
尚、前記インキ収容管はレフィルの形態として、前記レフィルを軸筒内に収容するものでもよいし、先端部にチップを装着した軸筒自体をインキ収容体として、前記軸筒内に直接インキを充填してもよい。
更に、インキ収容管内に充填されたインキ組成物の後端部にはインキ逆流防止体(液栓)が充填される。
前記インキ逆流防止体としては、液状または固体のいずれを用いることもでき、前記液状のインキ逆流防止体としては、ポリブテン、α−オレフィンコオリゴマー、シリコーン油、精製鉱油等の不揮発性媒体が挙げられ、所望により前記媒体中にシリカ、珪酸アルミニウム、膨潤性雲母、脂肪酸アマイド等を添加することもできる。また、固体のインキ逆流防止体としては樹脂成形物が挙げられる。前記液状及び固体のインキ逆流防止体は併用することも可能である。
前記インキ貯蔵部形態のボールペンで適用されるインキ流量調節部材(ペン芯)は、多数の円盤体が櫛溝状の間隔を開け並列配置され、前記円盤体を軸方向に縦貫するスリット状のインキ誘導溝及び該溝より太幅の通気溝が設けられ、更に軸心にインキ貯蔵部からペン先へインキを誘導するためのインキ誘導芯が配置されてなるものであり、その材質としては、多数の円盤体を櫛溝状とした構造に射出成形できる合成樹脂であれば汎用のポリカーボネート、ポリプロピレン、ポリエチレン、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体等いずれを用いることもできるが、特に成形性が高く、ペン芯性能(インキ保持力)が得られやすい点からアクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体が好適である。前記樹脂材料により成形されたインキ流量調節部材は濡れ性が低く、筆記具形態ではインキ誘導のためにペン先やインキ貯蔵部との接続部分が必要となるため、前述のインキ収容管を用いた筆記具に比べてインキ吐出が不安定である。そのため、本発明の水性インキ組成物が特に有用なものとなる。
前記ボールペンは、キャップ式、出没式のいずれの形態であってもよく、出没式ボールペンとしては、ボールペンレフィルに設けられた筆記先端部が外気に晒された状態で軸筒(外軸)内に収納されており、出没機構の作動によって軸筒開口部から筆記先端部が突出する構造であれば全て用いることができる。
出没機構の操作方法としては、ノック式、回転式、スライド式等が挙げられる。
前記ノック式は、軸筒後端部や軸筒側面にノック部を有し、該ノック部の押圧により、ボールペンレフィルの筆記先端部を軸筒前端開口部から出没させる構成、或いは、軸筒に設けたクリップ部を押圧することにより、ボールペンレフィルの筆記先端部を軸筒前端開口部から出没させる構成を例示できる。
前記回転式は、軸筒後部に回転部を有し、該回転部を回すことによりボールペンレフィルの筆記先端部を軸筒前端開口部から出没させる構成を例示できる。
前記スライド式は、軸筒側面にスライド部を有し、該スライドを操作することによりボールペンレフィルの筆記先端部を軸筒前端開口部から出没させる構成、或いは、軸筒に設けたクリップ部をスライドさせることにより、ボールペンレフィルの筆記先端部を軸筒前端開口部から出没させる構成を例示できる。
前記出没式ボールペンは軸筒内に複数のボールペンレフィルを収容してなる複合タイプの出没式ボールペン(レフィル交換式)であってもよい。
以下に実施例を説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
以下の表に実施例及び比較例のボールペン用水性インキの組成を示す。尚、表中の組成の数値は重量部を示す。
Figure 2015124345
表中の原料の内容について注番号に沿って説明する。
(1)富士色素(株)製、商品名:SP ブルー 6455、固形分27.5%
(2)保土ヶ谷化学工業(株)製、商品名:ブリリアントブルーFCF−L
(3)オリエント化学工業(株)製、商品名:ウォーターブラック 191L
(4)第一工業製薬(株)製、商品名:プライサーフAL
(5)アーチ・ケミカルズ・ジャパン社製、商品名:プロキセルXL−2
(6)DMS社製、商品名:Hybrane PX−100(50%水溶液)
(7)BASF社製、商品名:ルビテックK−30
(8)ACGセイミケミカル(株)製、商品名:サーフロンS−111N
インキの調製
水に各成分を添加して室温又は必要に応じて50℃〜60℃の範囲に加温して混合攪拌した後に、室温でディスパーにて1時間攪拌し、ろ過することで各インキを調製した。
ボールペンの作製
前記実施例及び比較例のインキ組成物をペン芯式ボールペン(パイロットコーポレーション社製、Hi−TecpointV5)外装のインキ貯蔵部に2g充填し、キャップを嵌合することで試料ボールペンを作製した。尚、前記ボールペンのペン芯はABS樹脂材料を射出成形することで形成した。
前記試料ボールペンを用いて以下の試験を行った。
筆記試験A
筆記可能であることを確認した各ボールペンを自動筆記試験機にて、JIS P3201筆記用紙Aに螺旋状の丸を連続筆記した際の吐出安定性を確認した。尚、前記試験機は、室温にて筆記荷重50g、筆記角度70°、筆記速度4m/分の条件で使用した。
筆記試験B
筆記可能であることを確認した各ボールペンを、室温にてJIS P3201筆記用紙Aに手書きで1行に12個の螺旋状の丸を3行連続筆記した。その際の筆跡状態を目視により確認した。
前記各試験の結果を以下の表に示す。
Figure 2015124345
尚、試験結果の評価は以下の通りである。
筆記試験A
○:一定の吐出量で最後まで書き切れた。
×:吐出量にばらつきが見られる又は途中で筆記不能となる。
筆記試験B
○:良好な筆跡であった。
×:筆跡に複数のカスレや線飛びが見られた、又は筆跡に滲みが見られた。

Claims (3)

  1. 着色剤と、水と、ハイパーブランチポリマーを含有するボールペン用水性インキ組成物。
  2. 前記請求項1記載のボールペン用水性インキ組成物を内蔵したボールペン。
  3. 多数の円盤体が櫛溝状の間隔を開け並列配置され、前記円盤体を軸方向に縦貫するスリット状のインキ誘導溝及び該溝より太幅の通気溝が設けられ、更に軸心にインキ貯蔵部からペン先へインキを誘導するためのインキ誘導芯が配置されてなるインキ流量調節部材を備えてなる請求項2記載のボールペン。
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