JPWO2019208714A1 - 止血器具 - Google Patents

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Abstract

【課題】止血を行っている最中に手の動き等が生じた場合であっても、押圧部材の止血すべき部位への圧迫力を維持することができる止血器具を提供する。
【解決手段】止血器具100は、患者の手Hの穿刺部位t1に配置可能な押圧部材110を有しており、押圧部材は、押圧部材の長手方向の中心軸c1に向かって窪む第1凹部115aと、第1凹部と対向する位置に配置され、かつ、押圧部材の長手方向の中心軸に向かって窪む第2凹部115bと、を有し、第1凹部および第2凹部は、押圧部材の長手方向の中央領域113に位置する。
【選択図】図2

Description

本発明は、止血器具に関する。
カテーテル手技の1つとして、患者の腕の血管(例えば、橈骨動脈)を穿刺し、患者の腕の血管に形成した穿刺部位を介して各種の医療用長尺体を血管内に導入し、病変部位に対する処置や治療を行う手技が知られている(下記特許文献1を参照)。例えば、橈骨動脈を利用するカテーテル手技は、経橈骨動脈アプローチと呼ばれている。
人体の腕を走行する橈骨動脈は、手側を迂回する手掌動脈と繋がっている。そのため、現在、経橈骨動脈アプローチの新しい手法として、手に位置する手掌動脈(遠位橈骨動脈を含む)を穿刺し、その穿刺部位を介して治療を行うdTRA(distal transradial approach)によるカテーテル手技が試みられている。
特開2008−119517号公報
手に位置する手掌動脈等の血管は、指等の可動部位が多い箇所に位置する。そのため、カテーテル手技後に術者が手に位置する血管の穿刺部位を止血する際、既存の腕用や脚用の止血器具では、手の動きへの追従が難しい場合がある。そのため、手に位置する血管の穿刺部位に対して、効果的な圧迫止血を行える止血器具が求められている。
手は、患者が手を広げたり、手を握ったりすると、手の形状が変化する。そのため、手の血管の穿刺部位を止血する止血器具は、腕や脚の血管の穿刺部位に対する止血器具と比較して、穿刺部位に対して圧迫力を付与する押圧部材(拡張部材等)が、穿刺部位から位置ずれしないように配置される必要がある。また、手の血管の穿刺部位を止血するための止血器具は、止血を行っている最中に患者が手を動かすと、押圧部材と穿刺部位との間に隙間が生じやすい。従って、手の穿刺部位を止血するための止血器具は、手の動き等が生じた場合であっても、穿刺部位への圧迫を適切に維持することも重要である。
本発明は、上記のような課題を鑑み、止血を行っている最中に手の動き等が生じた場合であっても、押圧部材の止血すべき部位への圧迫力を維持することができる止血器具を提供することを目的とする。
本発明に係る止血器具は、患者の手の止血すべき部位に配置可能な押圧部材を有し、前記押圧部材は、前記押圧部材の長手方向の中心軸に向かって窪む第1凹部と、前記第1凹部と対向する位置に配置され、かつ、前記押圧部材の前記長手方向の前記中心軸に向かって窪む第2凹部と、を有し、前記第1凹部および前記第2凹部は、前記押圧部材の前記長手方向の中央領域に位置する。
本発明に係る止血器具は、押圧部材が患者の手の止血すべき部位に圧迫力を付与するように配置された状態で、患者の手が動いた際に、患者の手が動くことにより生じた力が第1凹部および第2凹部に集中する。この際、押圧部材は、第1凹部および第2凹部を基点にして患者の手の動きに追従するように変形し、手の止血すべき部位に対する押圧部材の位置ずれを抑制することができる。そのため、止血器具は、止血を行っている最中に、手の動き等が生じた場合であっても、押圧部材の止血すべき部位への圧迫力を維持することができる。
第1実施形態に係る止血器具の概観斜視図である。 第1実施形態に係る止血器具の平面図である。 図2に示す3A−3A線に沿う拡張部材の断面図である。 第1実施形態に係る止血器具の使用例を説明するための図であって、患者の手の血管に医療用長尺体が挿入された状態を示す斜視図である。 第1実施形態に係る止血器具の使用例を説明するための図であって、患者の手の甲に止血器具を配置した状態を示す斜視図である。 第1実施形態に係る止血器具の使用例を説明するための図であって、患者の手の甲に止血器具を固定した状態を示す斜視図である。 第1実施形態に係る止血器具の使用例を説明するための図であって、患者の手の甲に配置した止血器具により止血を行っている状態を示す斜視図である。 第1実施形態に係る止血器具の作用を説明するための断面図であって、図7に示す8A−8A線に沿う部分断面図である。 第1実施形態に係る止血器具の作用を説明するための断面図であって、図7に示す8A−8A線に沿う部分断面図である。 第1実施形態の変形例に係る止血器具を示す斜視図である。 第2実施形態に係る止血器具の平面図である。 図11に示す11A−11A線に沿う拡張部材の断面図である。 第2実施形態に係る止血器具の使用例を説明するための図であって、患者の手の甲に配置した止血器具により止血を行っている状態を示す斜視図である。 第2実施形態に係る止血器具の作用を説明するための断面図であって、図13に示す14A−14A線に沿う部分断面図である。 第2実施形態に係る止血器具の作用を説明するための断面図であって、図13に示す14A−14A線に沿う部分断面図である。 第3実施形態に係る止血器具の平面図である。 図16に示す17A−17A線に沿う断面図である。
以下、添付した図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。なお、以下の記載は特許請求の範囲に記載される技術的範囲や用語の意義を限定するものではない。また、図面の寸法比率は説明の都合上誇張されており、実際の比率とは異なる場合がある。
(第1実施形態)
図1〜図3は、止血器具100を説明するための図、図4〜図9は、止血器具100の使用例を説明するための図である。
止血器具100は、例えば、図6および図7に示すように、患者の前腕部Aよりも手指側に位置する手Hの甲Hb側を走行する手掌動脈(深掌動脈)の橈骨動脈側(例えば、スナッフボックス周辺の動脈又はスナッフボックスよりも指先側を走行する遠位橈骨動脈)に形成された穿刺部位t1(「止血すべき部位」に相当)に留置していた医療用長尺体(例えば、イントロデューサー200のシースチューブ)210を抜去する際、その穿刺部位t1を止血するために使用することができる。
図1〜図3には、押圧部材110を有する止血器具100を示している。押圧部材110は、流体の注入により穿刺部位t1への圧迫度合を自由に調節できる拡張部材110が好ましい。図1〜図3では、押圧部材110からなる拡張部材110が拡張変形した状態の止血器具100を示している。止血器具100は、概説すると、患者の手Hの穿刺部位t1に配置可能な拡張部材110と、拡張部材110の内腔119と連通し、拡張部材110に流体を注入可能な注入部130と、を有する。
拡張部材110は、図1および図2に示すように、拡張部材110の拡張前の状態及び拡張部材110の拡張後の状態において、拡張部材110の長手方向(図2の左右方向)の中心軸c1に向かって窪む第1凹部115aと、第1凹部115aと対向する位置に配置され、拡張部材110の長手方向の中心軸c1に向かって窪む第2凹部115bと、を有している。
拡張部材110は、図2に示すように、第1領域111と、第2領域112と、拡張部材110の長手方向において第1領域111と第2領域112の間に配置された中央領域113と、を有している。
第1領域111は、拡張部材110の一端部111a側の一定の範囲に形成されている。第1領域111は、図2に示す平面図において、拡張部材110の幅方向(図中の上下方向であり、中心軸c1と直交する方向)に突出するように湾曲した形状を有している。
第2領域112は、拡張部材110の他端部112a側の一定の範囲に形成されている。第2領域112は、第1領域111と同様に、図2に示す平面図において、拡張部材110の幅方向に突出するように湾曲した形状を有している。
中央領域113には、第1凹部115aおよび第2凹部115bが配置されている。中央領域113は、第1凹部115aおよび第2凹部115bが配置されることにより、拡張部材110の幅方向の寸法が第1領域111側および第2領域112側から次第に小さくなるくびれ部を形成している。
なお、本明細書では、中央領域113は、第1凹部115aおよび第2凹部115bが形成された領域を意味し、第1領域111および第2領域112は中央領域113以外の任意の領域を意味するものである。つまり、拡張部材110上における各領域111、112、113の位置関係は、図示した位置関係のみに厳密に限定されない。
注入部130は、図2および図3に示すように、拡張部材110の内腔119に挿入された先筒部131と、拡張部材110の外部に導出された接続部133と、を有している。
注入部130の先筒部131には、逆止弁(図示せず)が配置されている。術者等は、拡張部材110を拡張させる際、接続部133からシリンジの先端部(図示省略)を挿入し、先筒部131に配置された逆止弁を開く。術者は、逆止弁を開いた状態でシリンジの押し子を押すことにより、シリンジ内の空気を拡張部材110の内腔119に注入する。拡張部材110は、拡張部材110の内腔119に空気が注入されることにより、拡張変形する。術者等は、拡張部材110を収縮させる場合、接続部133にシリンジの先端部を挿入し、シリンジの押し子を引いて空気を拡張部材110の内腔119から排出させる。術者は、止血器具100を使用して止血を行っている最中に拡張部材110を収縮させて圧迫力を調節することにより、患者の状態に合わせて拡張部材110による圧迫力を調節できるため、血管(例えば、手の遠位橈骨動脈)が閉塞することを抑制できる。なお、拡張部材110の拡張に使用される流体は、空気のみに限定されない。
拡張部材110は、例えば、拡張部材110の底面110a(患者の手Hに向い合せられる側の面)を形成するシート状の部材と、拡張部材110の上面110b(患者の手Hに向い合せられる側の面の反対側の面)を形成するシート状の部材と、を接合して形成することができる(図3を参照)。なお、本明細書の説明では、便宜上、拡張部材110の一方の面110aを底面とし、拡張部材110の他方の面110bを上面としているが、これらの名称は止血器具100を使用する際の拡張部材110の向きを限定するものではない。例えば、止血器具100を使用する際に、上面110bが患者の手Hに向い合せられるように配置されてもよい。
拡張部材110を形成する各シート状の部材は、拡張部材110の外縁部118を形成する位置において融着することにより接合している。つまり、拡張部材110の外縁部118では、拡張部材110を形成する各シート状の部材が重ね合わせて接合されている。そのため、拡張部材110の外縁部118は、各シート状の部材において接合されていない部位よりも硬くなっている。それにより、第1領域111、第2領域112、中央領域113の各部において、外縁部118が形成された部分は、外縁部118が形成されてない部分よりも硬く、かつ、拡張変形および収縮変形し難い。なお、拡張部材110の外縁部118は、拡張部材110を形成する各シート状の部材を重ね合わせて接着剤等で接合することにより、各シート状の部材において接合されていない部位よりも硬く形成してもよい。
注入部130は、先筒部131の一部が拡張部材110の内腔119に挿入されるように、拡張部材110の各シート状の部材により挟み込まれた状態で拡張部材110に対して液密に固定することができる。拡張部材110への注入部130の接続方法は、例えば、接着を採用することができる。
図2に示すように、拡張部材110は、第1凹部115aと第2凹部115bの間の中央部117に設けられたマーカー部116を有する。
拡張部材110の中央部117は、図2に示す平面図において、第1凹部115aと第2凹部115bの間に位置する中心付近である。図3に示すように、マーカー部116は、拡張部材110の底面110aの内表面において中央部117と重なる位置に形成している。
また、マーカー部116は、図1〜図3で示すように、透明な中心部と、その中心部を囲む有色の線状の枠部と、から構成されることが好ましい。これにより、術者は、マーカー部116の透明な中心部を介して穿刺部位t1を確認しつつ、穿刺部位t1にマーカー部116を配置することができる。そのため、術者は、マーカー部116を利用し、穿刺部位t1に拡張部材110の中央部117を簡便に配置することができる。なお、マーカー部116は、術者が穿刺部位t1に拡張部材110の中央部117を配置するために利用できる構成であれば、特に限定されない。例えば、マーカー部116は、枠部を有さず、有色な中心部のみで形成されていてもよい。
マーカー部116の具体的な形状、色、拡張部材110への形成方法等は特に限定されない。なお、拡張部材110においてマーカー部116と平面視上において重なる部分およびその周囲は、半透明または有色透明であることが好ましい。それにより、術者は、マーカー部116を穿刺部位t1に重ね合わせた状態においても、拡張部材110の上面110b側から穿刺部位t1を視認することが可能になる(図5を参照)。また、マーカー部116は、例えば、拡張部材110の上面110bの内表面や外表面に配置することも可能である。
前述したように、本実施形態に係る拡張部材110は、拡張部材110を形成する各シート状の部材が外縁部118において融着されている。一方で、外縁部118よりも拡張部材110の中心側に位置する中央部117は、融着等による接合がなされていない。そのため、拡張部材110は、拡張部材110の中央部117よりも拡張部材110の第1凹部115aおよび第2凹部115bを形成する外縁部118の方が硬い。
拡張部材110(拡張部材110を形成するシート状の部材)には、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブタジエン、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)のようなポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)のようなポリエステル、ポリ塩化ビニリデン、シリコーン、ポリウレタン、ポリアミドエラストマー、ポリウレタンエラストマー、ポリエステルエラストマー等の各種熱可塑性エラストマー、あるいはこれらを任意に組み合わせたもの(ブレンド樹脂、ポリマーアロイ、積層体等)を用いることができる。
また、拡張部材110は、穿刺部位t1が形成された手Hの甲Hbに接触する側の底面110aの外表面に、止血材を含有する薬剤部を備えていてもよい。なお、薬剤部は、止血器具100の装着時に穿刺部位t1と接触するように、拡張部材110の穿刺部位t1と接触する側の底面110aの中央領域113に配置されることが好ましい。これにより、止血器具100は、止血材が穿刺部位t1の止血を促進し、穿刺部位t1に対する止血を効率的に行えるため、穿刺部位t1の止血に要する時間を短縮することができる。
拡張部材110が上記のように薬剤部を備える場合、薬剤部は、術者が拡張部材110を介して穿刺部位t1の位置を確認できるように透明であることが好ましい。例えば、薬剤部は、止血材を透明な材料に分散させることで形成してもよい。また、薬剤部は、拡張部材110の外表面に配置できる形態であれば特に限定されない。例えば、薬剤部は、粘性液体、シート状の部材等で形成することができる。また、止血材は、生体組織の穿刺部位t1を治療可能であれば、特に限定されない。例えば、止血材は、トロンボプラスチン、トロンビン、メナジオン亜硫酸水素ナトリウム、アセトメナフトン、ε−アミノカプロン酸、トラネキサム酸、カルバゾクロムスルホン酸ナトリウム、アドレノクロムモノアミノグアニジンメタンスルホン酸塩などを使用できる。また、止血材は、三洋化成工業株式会社製マツダイト(登録商標)等の販売されている外科用止血剤を使用してもよい。
図7および図8に示すように、術者等は、患者の手Hの甲Hbに止血器具100を固定する際、所定の固定部材120を使用することができる。固定部材120としては、例えば、拡張部材110の一部または全部を覆うように配置されるシート本体部121と、シート本体部121の内表面側(手Hの甲Hb側)に配置され、シート本体部121を患者の手Hの甲Hbに対して固定する粘着層122と、を備えるシート材を利用することができる。
シート本体部121の色は、特に限定されない。なお、シート本体部121は、術者が穿刺部位t1に対する止血器具100の位置を確認しながら止血器具100を配置でき、かつ、術者が患者の手Hの甲Hbに止血器具100を固定した後に固定部材120を介して穿刺部位t1の状態を確認できるように、シート本体部121が拡張部材110を覆うように配置された状態でマーカー部116と平面視上において重なる部分およびその周囲が、透明であることが好ましい。それにより、術者は、固定部材120により止血器具100を患者の手Hの甲Hbに固定する際、止血器具100の穿刺部位t1に対する位置を確認しつつ、止血器具100に固定部材120を貼り付けることができる。そのため、術者は、止血器具100の穿刺部位t1に対する位置を微調整する際、穿刺部位t1を確認しつつ、固定部材120の貼り直し等を行うことができ、穿刺部位t1に対する止血器具100の位置調整を容易に行うことができる。また、術者は、固定部材120により止血器具100を患者の手Hの甲Hbに固定した状態においても、固定部材120の外面側から穿刺部位t1を視認することが可能になる(図7を参照)。
シート本体部121の大きさや形状、粘着層122の大きさ、形状、配置等は、止血器具100を患者の手Hに固定することが可能な限り特に限定されない。例えば、シート本体部121は、患者の手Hの周方向に一回または複数回巻き付けることが可能な長さを有していてもよい。また、例えば、図8および図9に示すように、本実施形態において粘着層122は、固定部材120により止血器具100を患者の手Hに固定する際、拡張部材110と重ならない位置に配置しているが、粘着層122は、シート本体部121の内表面の全体に配置されていてもよい。なお、粘着層122が拡張部材110と重なる位置に配置される場合、粘着層122は、マーカー部116と平面視上において重なる位置およびその周辺部が、透明であることが好ましい。
固定部材120は、粘着層122を患者の手Hに取り付ける前の状態において粘着層122を覆うように配置される剥離部材等を有していてもよい。
シート本体部121には、例えば、プラスチックシート、布、各種ラミネート紙、不織布その他各種シート状の材料を使用することができる。なお、シート本体部121は、ポリウレタン弾性繊維を使用した布材料等の伸縮性がある材料で形成することが好ましい。伸縮性を備えるシート本体部121は、術者がシート本体部121を引き延ばすようにして穿刺部位t1に止血器具100を貼り付けると、貼付後に穿刺部位t1の周囲の体表面に貼り付けられたシート本体部121が縮むことにより、止血器具100による穿刺部位t1の押圧を効率的に行ことができる。粘着層122には、例えば、シリコーン系粘着剤、アクリル系粘着剤、天然ゴム系粘着剤、ビニル系粘着剤等を用いることができる。
図2に示すように、拡張部材110は、拡張部材110の長手方向の一端部111aと中央部117とを結ぶ直線の長さL1が、拡張部材110の長手方向と交差する方向で第1凹部115aと第2凹部115bとを結ぶ直線の長さL2以下になるように形成されている。なお、本実施形態において、長さL1を定義する一端部111aは、拡張部材110の拡張可能な端部(外縁部118を除く位置)である。また、上記の長さL2は、第1凹部115aの拡張可能な位置(外縁部118を除く位置)と第2凹部115bの拡張可能な位置(外縁部118を除く位置)とを結ぶ直線の長さである。
上記のように、拡張部材110は、長さL1が長さL2以下の大きさ(長さL2≧長さL1)で形成されることにより、拡張部材110の内腔119の中央部117を含む中央領域113付近に、拡張部材110を拡張させるための流体を一定量保持することが可能な空間が区画される。そのため、図3に示すように、拡張部材110の内腔119に流体が流入した際、第1凹部115aおよび第2凹部115bが形成された中央領域113は、第1領域111および第2領域112よりも拡張部材110の厚み方向(図3の上下方向)に拡張変形することができる。それにより、止血器具100は、拡張部材110が拡張した状態で中央部117が穿刺部位t1に配置されることにより、中央部117から穿刺部位t1に対して圧迫力を効果的に付与することが可能になる(図8および図9を参照)。
拡張部材110は、拡張部材110が拡張した際の図2に示す長さL1が、例えば、10mm〜15mmになるように形成することができる。また、拡張部材110は、拡張部材110が拡張した際の図2に示す長さL2が、例えば、11mm〜20mmになるように形成することができる。
拡張部材110は、拡張部材110が拡張した際の図3に示す中央領域113の拡張寸法(厚み寸法)haが、例えば、12mm〜20mmになるように形成することができる。また、拡張部材110は、拡張部材110が拡張した際の図3に示す第2領域112の拡張寸法(厚み寸法)hbが、例えば、5mm〜13mmになるように形成することができる。また、拡張部材110は、拡張部材110が拡張した際の図3に示す第1領域111の拡張寸法(厚み寸法)hcが、例えば、5mm〜13mmになるように形成することができる。なお、上記の拡張部材110の拡張寸法(厚み寸法)は、拡張部材110の穿刺部位t1を止血する際の最大拡張時の寸法である。
また、上述の形状の場合、拡張部材110は、拡張部材110が拡張される際、拡張部材110の内腔119の流体により、第1凹部115aおよび第2凹部115bが圧迫される。そのため、拡張部材110の中央領域113は、拡張部材110への流体の注入量の増加に伴い、拡張部材110の中央部117が拡張部材110の厚み方向に突出するように拡張変形する。従って、拡張部材110が接触している体表面への拡張部材110による圧迫は、拡張部材110の内腔119の圧力が低圧の場合、拡張部材110の中央部117付近に分散される。一方、拡張部材110が接触している体表面への拡張部材110による圧迫は、拡張部材110の内腔119の圧力が高圧の場合、拡張部材110の中央部117が拡張部材110の内腔119の圧力が低圧の場合よりも拡張部材110の厚み方向に突出するように拡張変形するため、拡張部材110の中央部117に局所的に集中する(拡張部材110による体表面への圧迫力が高い部分が、拡張部材110の中央部117に局所的に形成される)。これにより、術者は、拡張部材110の拡張度合を調節することにより、拡張部材110による穿刺部位t1への圧迫力を更に適切に調節することができる。
次に、図4〜図9を参照して、止血器具100の使用例を説明する。
図4には、患者の手Hの甲Hbに形成した穿刺部位t1を介して遠位橈骨動脈にイントロデューサー200のシースチューブ210を挿入して各種の手技を実施し終え、穿刺部位t1からシースチューブ210の一部を引き抜いた状態を示している。
術者等は、止血を開始するに際し、図5に示すように、止血器具100の拡張部材110を穿刺部位t1に重ねるように配置する。具体的には、術者等は、拡張部材110の中央部117を穿刺部位t1に重ねる。術者等は、拡張部材110の中央部117を穿刺部位t1に配置する際、マーカー部116と穿刺部位t1の位置を確認することにより、拡張部材110の中央部117を穿刺部位t1に容易に配置することができる。なお、図5では、注入部130の接続部133(図1を参照)が患者の前腕部A側を向くように止血器具100を配置しているが、術者等は、注入部130の接続部133が患者の指側を向くように止血器具100を配置することも可能である。
次に、術者等は、図6に示すように、固定部材120を使用して、止血器具100を患者の手Hの甲Hbに固定する。
次に、術者等は、注入部130およびシリンジ(図示省略)を使用して、拡張部材110を拡張させる。止血器具100は、拡張部材110が拡張することにより、中央部117を含む中央領域113から穿刺部位t1に対して圧迫力を付与する。なお、術者等は、拡張部材110を穿刺部位t1に配置するのに先立って、拡張部材110を予め拡張変形させておいてもよい。
次に、術者等は、図7に示すように、穿刺部位t1に対して拡張部材110が圧迫力を付与した状態を維持しながら、イントロデューサー200のシースチューブ210を穿刺部位t1から抜去する。止血器具100は、穿刺部位t1からシースチューブ210が抜去された後も、拡張部材110の拡張状態が維持されることにより、穿刺部位t1に圧迫力を好適に付与する。
拡張部材110は、穿刺部位t1に圧迫力を付与して止血を行っている最中に、患者の手Hが動いた際に、患者の手Hの動きに追従するように変形することができる。例えば、図8に示すように、患者が手Hを動かすことにより患者の手Hの穿刺部位t1付近が凹状に変形した場合、患者の手Hが動くことにより生じた力が第1凹部115aおよび第2凹部115bが形成された中央領域113付近に集中する。それにより、拡張部材110は、中央領域113が患者の手Hの形状に追従するように変形する。また、例えば、図9に示すように、患者が手Hを動かすことにより患者の手Hの穿刺部位t1付近が凸状に変形した場合、患者の手Hが動くことにより生じた力が第1凹部115aおよび第2凹部115bが形成された中央領域113付近に集中する。それにより、拡張部材110は、中央領域113が患者の手Hの形状に追従するように変形する。上記のように、拡張部材110は、患者が手Hを動かした際、中央領域113が患者の手Hの動きに追従するように変形することにより、拡張部材110に付与される力を吸収する。そのため、止血器具100を使用して止血を行っている最中に、穿刺部位t1に対する拡張部材110の位置ずれを抑制できる。
以上のように、本実施形態に係る止血器具100は、患者の手Hの穿刺部位t1に配置可能な押圧部材110(拡張部材110)を有している。押圧部材110(拡張部材110)は、押圧部材110(拡張部材110)の長手方向の中心軸c1に向かって窪む第1凹部115aと、第1凹部115aと対向する位置に配置され、かつ、押圧部材110(拡張部材110)の長手方向の中心軸c1に向かって窪む第2凹部115bと、を有し、第1凹部115aおよび第2凹部115bは、押圧部材110(拡張部材110)の長手方向の中央領域113に位置する。
上記のように構成された止血器具100は、押圧部材110(拡張部材110)が患者の手Hの穿刺部位t1に圧迫力を付与するように配置された状態で、患者の手Hが動いた際に、患者の手Hが動くことにより生じた力が第1凹部115aおよび第2凹部115bに集中する。この際、押圧部材110(拡張部材110)は、第1凹部115aおよび第2凹部115bを基点にして患者の手Hの動きに追従するように変形し、手Hの穿刺部位t1に対する押圧部材110(拡張部材110)の位置ずれを抑制することができる。そのため、止血器具100は、止血を行っている最中に手Hの動き等が生じた場合であっても、押圧部材110(拡張部材110)の穿刺部位t1への圧迫力を維持することができる。
また、押圧部材110(拡張部材110)は、第1凹部115aと第2凹部115bの間の中央部117に設けられたマーカー部116を有する。そのため、術者等は、穿刺部位t1に押圧部材110(拡張部材110)を配置する際、マーカー部116の位置を確認することにより、第1凹部115aと第2凹部115bの間の中央部117を穿刺部位t1に容易に位置合わせすることができる。
また、押圧部材110は、拡張及び収縮ができる拡張部材110であり、拡張部材110の第1凹部115aと第2凹部115bの間の中央部117よりも拡張部材110の第1凹部115aおよび第2凹部115bを形成する外縁部118の方が硬い。そのため、拡張部材110は、拡張部材110が拡張した際、外縁部118が拡張変形し難い。それにより、拡張部材110は、拡張部材110が拡張した際、拡張部材110の面方向(手Hと平行な方向)に拡張変形し難くなる。そのため、拡張部材110は、拡張部材110が拡張した際、拡張部材110の厚み方向(手Hと垂直な方向)への拡張変形量が大きくなり、穿刺部位t1に対してより効果的に圧迫力を付与することができる。
また、止血器具100は、押圧部材110(拡張部材110)を患者の手Hに固定するための固定部材120を有している。固定部材120は、患者の手Hに固定可能な粘着層122を有する。そのため、術者等は、固定部材120の粘着層122を患者の手Hに貼り付ける簡便な作業により、止血器具100を患者の手Hに固定することができる。
また、止血器具100は、押圧部材110が拡張及び収縮できる拡張部材110であり、拡張部材110の長手方向の一端部111aと第1凹部115aと第2凹部115bの間の中央部117とを結ぶ直線の長さL1が、拡張部材110の長手方向と交差する方向で第1凹部115aと第2凹部115bとを結ぶ直線の長さL2以下となるように形成されている。そのため、拡張部材110は、拡張部材110の内腔119の中央部117を含む中央領域113付近に、拡張部材110を拡張させるための流体を一定量保持することが可能な空間が区画される。それにより、拡張部材110は、拡張部材110の内腔119に流体が流入した際、第1凹部115aおよび第2凹部115bが形成された中央領域113に位置する中央部117が、中央部117以外の部分よりも拡張部材110の厚み方向に拡張変形できるように形成される。従って、止血器具100は、拡張部材110が拡張した状態で中央部117が穿刺部位t1に配置されることにより、中央部117から穿刺部位t1に対して効果的に圧迫力を付与することができる。
また、止血器具100は、押圧部材110が拡張及び収縮できる拡張部材110であり、拡張部材110の内腔119と連通し、拡張部材110に流体を注入可能な注入部130を有している。そのため、術者等は、拡張部材110の内腔119への流体の供給と、拡張部材110の内腔119からの流体の排出を操作することにより、拡張部材110が穿刺部位t1に対して付与する圧迫力を容易に調整することができる。
(第1実施形態の変形例)
図10には、変形例に係る止血器具の使用状態を示している。変形例の説明において、第1実施形態で既に説明した部材等の説明は省略する。また、特に言及のない構成等については、第1実施形態と同様に構成できるものとする。
変形例に係る止血器具は、注入部140の構成が前述した第1実施形態に係る止血器具100と相違する。
注入部140は、拡張部材110の内腔119と連通する第1コネクタ141と、第1コネクタ141の内部空間と連通する可撓性を有するチューブ142と、チューブ142の内腔と連通するようにチューブ142の一端部に配置された袋部143と、袋部143に接続された逆止弁(図示せず)を内蔵する管状の第2コネクタ144と、を有している。
術者等は、拡張部材110を拡張させる際、第2コネクタ144にシリンジ(図示せず)の先端部を挿入して第2コネクタ144の逆止弁を開き、シリンジの押し子を押して、シリンジ内の空気を拡張部材110の内腔119に注入する。上記の操作によって拡張部材110が拡張すると、チューブ142を介して拡張部材110の内腔119と連通している袋部143が膨張する。術者等は、袋部143の膨張を確認することにより、空気が漏れずに、拡張部材110を加圧できていることを目視で容易に確認することができる。また、術者等は、拡張部材110を収縮させる際、第2コネクタ144にシリンジを接続する。術者等は、シリンジを操作して拡張部材110の内腔119の空気を排出させることにより、拡張部材110を収縮させることができる。
(第2実施形態)
図11〜図15には、第2実施形態に係る止血器具300を示している。第2実施形態の説明において、第1実施形態で既に説明した部材等の説明は適宜省略する。また、特に言及のない構成等については、第1実施形態と同様に構成できるものとする。
第2実施形態に係る止血器具300は、拡張部材110に配置された第1支持部材(「支持部材」に相当する)310および第2支持部材(「支持部材」に相当する)320を有している。
第1支持部材310は、拡張部材110の第1領域111の上面110bの外表面に配置されている。第2支持部材320は、拡張部材110の第2領域112の上面110bの外表面に配置されている。
第1支持部材310は、図11に示す平面図において、拡張部材110の第1領域111から幅方向(図中の上下方向)に所定の長さだけ突出するように配置された板状の部材で構成している。同様に、第2支持部材320は、図11に示す平面図において、拡張部材110の第2領域112から幅方向(図中の上下方向)に所定の長さだけ突出するように配置された板状の部材で構成している。
第1支持部材310および第2支持部材320は、拡張部材110の長手方向に沿う断面(図14および図15に示す断面)の形状が略矩形状に形成されている。第1支持部材310および第2支持部材320の断面の形状は、例えば、拡張部材110の上面110bの外表面に沿うように湾曲した形状で形成してもよい。
なお、第1支持部材310および第2支持部材320の具体的な形状、寸法(厚み、長さ、幅等)等は特に限定されず、適宜変更することが可能である。
第1支持部材310および第2支持部材320は、拡張部材110よりも硬い材料で構成することができる。第1支持部材310および第2支持部材320には、例えば、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル(特に硬質ポリ塩化ビニル)、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブタジエンのようなポリオレフィン、ポリスチレン、ポリ−(4−メチルペンテン−1)、ポリカーボネート、ABS樹脂、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリアセタール、ポリアクリレート、ポリアクリロニトリル、ポリフッ化ビニリデン、アイオノマー、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)のようなポリエステル、ブタジエン−スチレン共重合体、芳香族または脂肪族ポリアミド、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素系樹脂等を用いることができる。
第1支持部材310は、例えば、接着等により、拡張部材110の第1領域111の上面110bの外表面に固定することができる。同様に、第2支持部材320は、例えば、接着等により、拡張部材110の第2領域112の上面110bの外表面に固定することができる。
図13に示すように、各支持部材310、320は、止血器具300を患者の手Hの甲Hbに固定する際、固定部材120により、支持部材310、320の一部または全部が覆われる。
本実施形態に係る止血器具300は、図14および図15に示すように、拡張部材110による止血を行っている最中に患者の手Hが動いた場合に拡張部材110の中央領域113が患者の手Hの動きに追従するように変形する。そのため、止血器具300は、第1実施形態に係る止血器具100と同様に、止血器具300を使用して止血を行っている最中に、穿刺部位t1に対する拡張部材110の位置ずれが生じることを抑制できる。
また、本実施形態に係る止血器具300は、押圧部材110が拡張及び収縮できる拡張部材110であり、拡張部材110が第1領域111と、第2領域112と、第1領域111と第2領域112の間に配置された中央領域113と、を有しており、第1領域111および第2領域112の上面110bの外表面には支持部材310、320が配置されている。そのため、止血器具300は、拡張部材110が穿刺部位t1に圧迫力を付与する際、第1支持部材310および第2支持部材320により、手Hの甲Hbの体表面から離れる方向に拡張部材110が拡張することを抑制できる。それにより、止血器具300は、拡張部材110が拡張変形した際、手Hの穿刺部位t1に対して圧迫力をより効果的に付与することができる。
また、第1支持部材310は拡張部材110の第1領域111に配置されており、第2支持部材320は拡張部材110の第2領域112に配置されている。そのため、拡張部材110の中央領域113は、患者が手Hを動かした際に、各支持部材310、320により変形が阻害されることなく、患者の手Hの動きに追従するように変形することができる。
なお、第2実施形態に係る止血器具300は、図10に示す変形例に係る注入部140を備えるように構成することも可能である。
(第3実施形態)
図16および図17には、第3実施形態に係る止血器具400を示している。第3実施形態の説明において、第1実施形態および第2実施形態で既に説明した部材等の説明は適宜省略する。また、特に言及のない構成等については、第1実施形態および第2実施形態と同様に構成できるものとする。
図16および図17に示すように、第3実施形態に係る止血器具400は、固定部材420の構成が前述した第2実施形態に係る止血器具300と相違する。止血器具400は、固定部材420以外の構成は、第2実施形態に係る止血器具300と実質的に同一である。
図16および図17に示すように、固定部材420は、シート状の部材で形成している。固定部材420は、外縁部421と、外縁部421の内表面(手Hの甲Hb側の面)に配置された粘着層422と、拡張部材110を覆うように配置された窓部423と、を有している。
窓部423は、例えば、透明であることが好ましい。それにより、術者は、窓部423を穿刺部位t1に重ね合わせた状態においても、拡張部材110の上面110b側からマーカー部116および穿刺部位t1を視認することが可能になる。外縁部421は、例えば、透明、有色透明、所定の着色が施されたもの等で形成することができる。
窓部423と外縁部421は固定されている。各支持部材310、320は拡張部材110に固定されている。また、窓部423と各支持部材310、320は固定されている。そのため、止血器具400は、拡張部材110、各支持部材310、320、および固定部材420が一体的に取り付けられている。なお、窓部423と外縁部421の固定や、窓部423と各支持部材310、320の固定は、融着や接着等の方法で行うことができる。
固定部材420は、粘着層422を患者の手Hに取り付ける前の状態において粘着層422を覆うように配置される剥離部材等を有していてもよい。
外縁部421には、例えば、プラスチックシート、布、各種ラミネート紙、不織布などの材料を使用することができる。なお、外縁部421は、ポリウレタン弾性繊維を使用した布材料等の伸縮性がある材料で形成することが好ましい。伸縮性を備える外縁部421は、術者が外縁部421を引き延ばすようにして穿刺部位t1に止血器具100を貼り付けると、貼付後に穿刺部位t1の周囲の体表面に貼り付けられた外縁部421が縮むことにより、止血器具400による穿刺部位t1の押圧を効率的に行ことができる。粘着層422には、例えば、シリコーン系粘着剤、アクリル系粘着剤、天然ゴム系接着剤、ビニル系接着剤等を用いることができる。窓部423には、例えば、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリプロピレン、塩化ビニル等を用いることができる。
第3実施形態に係る止血器具400は、拡張部材110と固定部材420とが一体的に構成されているため、止血器具400を使用した止血を行う際に、止血器具400を患者の手Hの甲Hbに固定する作業を簡便に行うことができる。
なお、第1実施形態に係る止血器具100およびその変形例に係る止血器具にも第3実施形態において説明した固定部材420を備えさせることが可能である。
以上、実施形態を通じて本発明に係る止血器具を説明したが、本発明は明細書において説明した内容のみに限定されるものでなく、特許請求の範囲の記載に基づいて適宜変更することが可能である。
実施形態の説明では、左手の手の甲に形成した穿刺部位を止血するための止血器具を例示したが、止血器具は、右手の手の甲に形成された穿刺部位、右手の掌や左手の掌に形成された穿刺部位を止血するために使用することも可能である。
また、拡張部材は、第1凹部および第2凹部を少なくとも有していればよく、具体的な外形形状や断面形状等は図示により説明したものに限定されない。
また、各実施形態では、止血器具に注入部が備えられる形態を説明したが、止血器具は注入部を備えていなくてもよい。止血器具が注入部を備えない場合、例えば、拡張部材は、止血に使用される前に、予め所定の大きさまで拡張した状態で準備することができる。
また、固定部材は、粘着層を備えるシート材以外のもので構成してもよい。例えば、固定部材は、拡張部材を患者の手に巻き付けるように配置されるベルト部と、ベルト部に取り付けられた面ファスナーとを有するように構成することも可能である。
また、拡張部材は複数のシート状の部材を接合した構造に限定されることはない。拡張部材は、例えば、内腔が内部に形成された一つの袋状の部材等で構成してもよい。
また、押圧部材は、各実施形態において説明した拡張部材(バルーン)に限定されることはない。押圧部材は、例えば、回転等の外部からの操作により手に対する押し込み量を可変自在な機械式の部材、面圧を付与するように手に対して押し込まれるプラスチック等の樹脂材料やゲル等で構成された部材、時間経過に応じて含水率が低下して圧迫力を徐々に減少させるゲルを含む部材、スポンジ状の物質等の弾性材料、綿(わた)のような繊維の集合体、金属、所定の立体形状を備える部材(球状、楕円体、三角錐等)、これらを適宜組み合わせたもの等で構成することも可能である。
本出願は、2018年4月26日に出願された日本国特許出願第2018−085367号に基づいており、その開示内容は、参照により全体として引用されている。
100、300、400 止血器具、
110 拡張部材(押圧部材)、
110a 底面(手に向かい合わせられる側の面)、
110b 上面(手に向かい合わせられる側の面と反対側の面)、
111 第1領域、
111a 一端部、
112 第2領域、
112a 他端部、
113 中央領域、
115a 第1凹部、
115b 第2凹部、
116 マーカー部、
117 中央部、
118 外縁部、
119 内腔、
120、420 固定部材、
121 シート本体部、
122 粘着層、
130、140 注入部、
200 イントロデューサー、
210 シースチューブ、
310 第1支持部材(支持部材)、
320 第2支持部材(支持部材)、
A 前腕部、
H 手、
Hb 手の甲、
c1 拡張部材の長手方向の中心軸、
t1 穿刺部位(止血すべき部位)。

Claims (7)

  1. 患者の手の止血すべき部位に配置可能な押圧部材を有し、
    前記押圧部材は、前記押圧部材の長手方向の中心軸に向かって窪む第1凹部と、前記第1凹部と対向する位置に配置され、かつ、前記押圧部材の前記長手方向の前記中心軸に向かって窪む第2凹部と、を有し、
    前記第1凹部および前記第2凹部は、前記押圧部材の前記長手方向の中央領域に位置する、止血器具。
  2. 前記押圧部材は、前記第1凹部と前記第2凹部の間の中央部に設けられたマーカー部を有する、請求項1に記載の止血器具。
  3. 前記押圧部材は、拡張及び収縮ができる拡張部材であり、
    前記拡張部材は、前記拡張部材の前記第1凹部と前記第2凹部の間の中央部よりも前記拡張部材の前記第1凹部および前記第2凹部を形成する外縁部の方が硬い、請求項1または請求項2に記載の止血器具。
  4. 前記押圧部材は、拡張及び収縮ができる拡張部材であり、
    前記拡張部材は、第1領域と、第2領域と、前記第1領域と前記第2領域の間に配置された前記中央領域と、を有し、
    前記第1領域および前記第2領域の前記患者の前記手に向かい合わせられる側の面と反対側の面の外表面に配置された支持部材をさらに有する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の止血器具
  5. 前記押圧部材を前記患者の前記手に固定するための固定部材をさらに有し、
    前記固定部材は、前記患者の前記手に固定可能な粘着層を有する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の止血器具。
  6. 前記押圧部材は、拡張及び収縮ができる拡張部材であり、
    前記拡張部材の前記長手方向の一端部と前記第1凹部と前記第2凹部の間の中央部とを結ぶ直線の長さは、前記拡張部材の前記長手方向と交差する方向で前記第1凹部と前記第2凹部とを結ぶ直線の長さ以下である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の止血器具。
  7. 前記押圧部材は、拡張及び収縮ができる拡張部材であり、
    前記拡張部材の内腔と連通し、前記拡張部材に流体を注入可能な注入部を有する、請求項1〜6のいずれか1項に記載の止血器具。
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