JP2020116314A - 止血器具 - Google Patents

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Abstract

【課題】押圧部材の位置調整を簡便に行うことができる止血器具を提供する。【解決手段】止血器具100は、患者の手Hの穿刺部位tを圧迫する押圧部材140と、手の体表面の望ましい位置に押圧部材を保持する保持部材110と、を備える。保持部材は、第1ベルト部111と、第1ベルト部の長手方向D1と交差する第2ベルト部112と、を有する。押圧部材は、第2ベルト部が第1ベルト部の長手方向に対して交差した状態で、第1ベルト部と前記第2ベルト部とを連結している。押圧部材は、第2ベルト部が第1ベルト部の長手方向に対して交差した状態を維持しつつ、第1ベルト部および第2ベルト部に沿って移動可能である。【選択図】図1

Description

本発明は、止血器具に関する。
カテーテル手技の1つとして、患者の腕等の肢体の血管を穿刺し、肢体の血管に形成した穿刺部位を介して各種の医療用長尺体を血管内に導入し、血管内の病変部位に対する処置や治療を行う手技が知られている。このような手技を行った場合、術者等は、穿刺部位から医療用長尺体を抜去する際に穿刺部位等の止血すべき部位の止血を行う。
例えば、下記特許文献1には、肢体に装着されるアーチ型のプレートと、プレートの長手方向に沿って移動可能であり、止血すべき部位を圧迫する押圧部と、を有する止血器具が開示されている。術者等の使用者は、プレートの長手方向に沿って押圧部を移動させることで、押圧部の位置を調整できる。
特許第4719839号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載されている止血器具は、一方向にしか押圧部の位置を調整できない。そのため、使用者は、押圧部がプレートの長手方向と異なる方向において止血すべき部位から位置ずれしている場合、プレート自体の位置を調整する必要がある。
本発明は、上記課題を鑑み、止血すべき部位に対する押圧部材の位置調整を簡便に行うことができる止血器具を提供することを目的とする。
本発明に係る止血器具は、患者の肢体の止血すべき部位を圧迫する押圧部材と、前記肢体の体表面の望ましい位置に前記押圧部材を保持する保持部材と、を備え、前記保持部材は、第1ベルト部と、前記第1ベルト部の長手方向と交差する第2ベルト部と、を有し、前記押圧部材は、前記第2ベルト部が前記第1ベルト部の長手方向に対して交差した状態で、前記第1ベルト部と前記第2ベルト部とを連結しており、前記押圧部材は、前記第2ベルト部が前記第1ベルト部の長手方向に対して交差した状態を維持しつつ、前記第1ベルト部および前記第2ベルト部に沿って移動可能である。
本発明の止血器具は、押圧部材が第1ベルト部および第2ベルト部に沿って移動可能であるため、止血すべき部位に対する押圧部材の位置調節を簡便に行うことができる。
本発明の第1実施形態に係る止血器具を示す図であって、保持部材の外面側から見た平面図である。 図1に示す止血器具の使用例を簡略的に示す図である。 図1に示す止血器具の使用例を簡略的に示す図である。 図1に示す止血器具の使用例を簡略的に示す図である。 図1に示す止血器具の使用例を簡略的に示す図である。 図4に示す矢印6−6に沿う端面を模式的に示す図である。 変形例に係る保持部材を示す図である。 本発明の第2実施形態に係る止血器具を示す図であって、保持部材の外面側から見た平面図である。 図8に示す止血器具の使用例を簡略的に示す図である。 図9に示す矢印10−10に沿う端面を模式的に示す図である。 図10に示す矢印11からの矢視図である。
以下、添付した図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。以下の記載は特許請求の範囲に記載される技術的範囲や用語の意義を限定するものではない。また、図面の寸法比率は説明の都合上誇張されており、実際の比率とは異なる場合がある。
(第1実施形態)
図1は、本実施形態に係る止血器具100を説明するための図、図2〜図6は、止血器具100の使用例を説明するための図である。
現在、経橈骨動脈アプローチの新しい手法として、手の甲側に位置する解剖学上のスナッフボックス、又は、スナッフボックス周辺の位置から手掌動脈(遠位橈骨動脈を含む)にアクセスし、その血管アクセス部位を介して治療を行うdTRA(distal transradial approach)によるカテーテル手技が試みられている。
止血器具100は、例えば、図2および図6に示すように、患者の前腕部Aよりも手指側に位置する左手(肢体に相当)Hの甲Hb側を走行する手掌動脈(深掌動脈)Bの橈骨動脈側(例えば、解剖学上のスナッフボックス周辺の動脈、又は、スナッフボックスよりも指先側を走行する遠位橈骨動脈)に形成された穿刺部位t(「止血すべき部位」に相当する)に留置していたイントロデューのシースチューブSを抜去する際、その穿刺部位tを止血するために使用することができる。なお、解剖学上のスナッフボックスは、患者が手Hの親指f1を広げた際に前腕部Aの橈骨側に位置する手の空洞である。
止血器具100は、概説すると、図1に示すように、保持部材110と、押圧部材140と、を有する。以下、止血器具100の各部について詳述する。
なお、以下の説明では、押圧部材140を患者の手Hの上に配置し、かつ、保持部材110を構成する各ベルト部111〜113を手Hに巻き付けて固定した状態を「装着状態」と称する。また、止血器具100を患者の手Hに装着せずに保持部材110を構成する各ベルト部111、112、113を延ばした状態を「未装着状態」と称する。また、装着状態において、止血器具100の各部において患者の手Hの体表面に向い合うように配置される側を「内面側」と称し、その反対側を「外面側」と称する。また、装着状態で、止血器具100の各部において手Hの指先が配置される側を、「先端側」と称し、その反対側(前腕部A側)を「基端側」と称する。また、押圧部材140において先端側から基端側に向う方向(またはその逆の方向)を「縦方向Y」と称する。また、縦方向Yと交差する方向を「横方向X」と称する。なお、横方向Xは、装着状態における手Hの左右方向に相当する。
<保持部材>
保持部材110は、手Hの体表面の望ましい位置に押圧部材140を保持する。ここで、「望ましい位置」とは、押圧部材140が穿刺部位tを止血できる程度に穿刺部位tに圧迫力を付与できる位置を意味する。「望ましい位置」とは、特に限定されないが、例えば、押圧部材140を構成する拡張部材141(詳細後述)の平面視における略中心位置が穿刺部位tに配置される位置等である。
保持部材110は、本実施形態では、第1ベルト部111と、第1ベルト部111の長手方向D1と交差する第2ベルト部112と、第1ベルト部111および第2ベルト部112と異なる方向に延在する第3ベルト部113と、を有する。以下、保持部材110の各部について詳述する。
第1ベルト部111は、長尺な形状を有する。以下、第1ベルト部111の長手方向を単に長手方向D1と称する。第1ベルト部111は、未装着状態で、縦方向Yおよび横方向Xに対して斜めに延在している。具体的には、第1ベルト部111は、未装着状態の止血器具100を外面側から平面視した際に、押圧部材140の横方向Xの左側かつ縦方向Yの先端側(図1の左上)から、押圧部材140の横方向Xの右側かつ縦方向Yの基端側(図1の右下)に向かって延在している。
第2ベルト部112は、長尺な形状を有する。以下、第2ベルト部112の長手方向を単に長手方向D2と称する。第2ベルト部112は、未装着状態で、縦方向Yおよび横方向Xに対して斜めに延在している。具体的には、第2ベルト部112は、未装着状態で止血器具100を外面側から平面視した際に、押圧部材140の横方向Xの右側かつ縦方向Yの先端側(図1の右上)から、押圧部材140の横方向Xの左側かつ縦方向Yの基端側(図1の左下)に向かって延在している。
第1ベルト部111は、図4に示すように、装着状態で、手Hの中指f3と薬指f4との間の凹部、および、手首の右側面に当接するように配置される。第2ベルト部112は、装着状態で、手Hの親指f1の付け根の側面、および、手首の左側面に当接するように配置される。図5に示すように、第1ベルト部111の先端部は、装着状態で、手Hの掌側において第2ベルト部112の先端部に連結される。第1ベルト部111の基端部は、装着状態で、手Hの掌側において第2ベルト部112の基端部に連結される。
そのため、保持部材110は、穿刺部位tの圧迫時に、手Hの中指f3と薬指f4との間の凹部、手首の右側面、親指f1の付け根の側面、および手首の左側面等の手Hの動きの影響の少ない4点において手Hに当接した状態で、押圧部材140を手Hに押し付ける。そのため、保持部材110は、穿刺部位tの圧迫時に押圧部材140が穿刺部位tから位置ずれすることを効果的に抑制できる。
図1に示すように、第1ベルト部111は、第1部分114と、第1部分114の長手方向D1の両端部に接続され、第1部分114よりも高い伸縮性を備える第2部分115a、115bと、を有する。同様に、第2ベルト部112は、第1部分116と、第1部分116の長手方向D2の両端部に接続され、第1部分116よりも高い伸縮性を備える第2部分117a、117bと、を有する。
第1ベルト部111の第1部分114は、本実施形態では、貫通孔h1が形成された枠部材118によって構成している。貫通孔h1は、長手方向D1に延在している。同様に、第2ベルト部12の第1部分116は、本実施形態では、貫通孔h2が形成された枠部材119によって構成している。貫通孔h2は、長手方向D2に延在している。なお、本実施形態では、各枠部材118、119は、各ベルト部111、112の長手方向D1、D2に延在する一対の長辺部と、一対の長辺部を両端部で連結する一対の短辺部と、を有する。各短辺部は、各第2部分115a、115b、117a、117bに取り付けられている。ただし、各枠部材118、119は、短辺部を備えず、各長辺部の端部が、各第2部分115a、115b、117a、117bに取り付けられていてもよい。
各第1部分114、116(枠部材118、119)の構成材料は、可撓性を有する限り特に限定されないが、例えば、ポリ塩化ビニル等を用いることができる。
各第2部分115a、115b、117a、117bは、貫通孔が形成されていない長尺な帯状部材によって構成している。
第1ベルト部111の第2部分115aは、第1部分114の長手方向D1の先端部に接続されている。第1ベルト部111の第2部分115bは、第1ベルト部111の第1部分114の長手方向D1の基端部に接続されている。同様に、第2ベルト部112の第2部分117aは、第2ベルト部112の第1部分116の長手方向D2の先端部に接続されている。第2ベルト部112の第2部分117bは、第2ベルト部112の第1部分116の長手方向D2の基端部に接続されている。
第1ベルト部の第2部分115aの長さL1(長手方向D1の寸法)は、本実施形態では、他の第2部分115b、117a、117bの長さL2、L3、L4よりも大きい。そのため、図5に示すように、第1ベルト部111の第2部分115aは、装着状態で、手Hの中指f3と薬指f4との間の凹部に当接した状態で、掌側で第2ベルト部112の第2部分117aに連結できる。
図1に示すように、第2ベルト部112の第2部分117aの長さL3は、本実施形態では、他の第2部分115a、115b、117bの長さL1、L2、L4よりも小さい。そのため、図5に示すように、第2ベルト部112の第2部分117aは、装着状態で、手Hに巻き付けられていない余剰な部分が生じることを抑制できる。
図1に示すように、第1ベルト部111の第2部分115bの長さL2および第2ベルト部112の第2部分117bの長さL4は、本実施形態では、同程度である。ただし、各第2部分115a、115b、117a、117bの長さL1〜L4の大小関係は上記に限定されない。
各第2部分115a、115b、117a、117bは、第1部分114、116よりも伸縮性の高い材料によって形成されている。そのような材料としては、特に限定されないが、例えば、エラストマー材料やゴム材料等が挙げられる。なお、第1部分および第2部分を一つの部材によって形成し、例えば、第2部分の厚みを第1部分の厚みよりも小さくすることで、第2部分の伸縮性を第1部分の伸縮性よりも高くしてもよい。
第3ベルト部113は、長尺な形状を有する。以下、第3ベルト部113の長手方向を単に長手方向D3と称する。第3ベルト部113の長手方向D3の一端部は、押圧部材140を構成する支持部材142の先端部に接続されている。第3ベルト部113の長手方向D3の一端部は、押圧部材140の横方向Xの中央部に配置されている。第3ベルト部113の他端部は、第1ベルト部111の基端部に連結分離可能である。
図4に示すように、第3ベルト部113は、装着状態で、手Hの親指f1と人差し指f2との間の凹部に当接するように配置される。図5に示すように、第3ベルト部113の他端部は、装着状態で、手Hの掌側において第1ベルト部111の基端部に連結される。そのため、第3ベルト部113は、穿刺部位tの圧迫時に押圧部材140が穿刺部位tから位置ずれすることを効果的に抑制できる。
第3ベルト部113の構成材料は、特に限定されないが、例えば、第1部分114、116や第2部分115a、115b、117a、117bの構成材料と同様の材料を用いることができる。
図1に示すように、各ベルト部111〜113には、各ベルト部111〜113を手Hに固定するための固定部材121〜127が設けられている。各固定部材121〜127は、本実施形態では、面ファスナーの雌側または雄側によって構成している。面ファスナーは、面的に着脱可能なファスナーであり、例えば、Magic Tape(登録商標)やVelcro(登録商標)である。
図1および図5に示すように、第1ベルト部111の第2部分115aの外面には、第1固定部材121(面ファスナーの雌側)と、折り返して第1固定部材121に連結される第2固定部材122(面ファスナーの雄側)と、が配置されている。図1および図5に示すように、第1ベルト部111の第2部分115bの内面には、第3固定部材123(面ファスナーの雌側)が配置されている。第1ベルト部111の第2部分115bの外面には、第4固定部材124(面ファスナーの雌側)が配置されている。
図1および図5に示すように、第2ベルト部112の第2部分117aの内面には、第1固定部材121(面ファスナーの雌側)に連結分離可能な第5固定部材125(面ファスナーの雄側)が配置されている。図1および図5に示すように、第2ベルト部112の第2部分117bの外面には、第3固定部材123(面ファスナーの雌側)に連結分離可能な第6固定部材126(面ファスナーの雄側)が配置されている。
第3ベルト部113の他端部の内面には、第4固定部材124(面ファスナーの雌側)に連結分離可能な第7固定部材127(面ファスナーの雄側)が配置されている。
なお、各固定部材121〜127は、各ベルト部111〜113を患者の手Hに巻き付けた状態で各ベルト部111〜113および押圧部材140を患者の手Hに固定することが可能な限り、具体的な構成は限定されない。例えば、一部の固定部材の設置の省略や各ベルト部111〜113において固定部材を配置する位置の変更等は適宜行い得る。また、各固定部材121〜127を面ファスナーで構成する場合、面ファスナーの雄側と雌側を入れ替えた構成としてもよい。また、各固定部材121〜127は、例えば、スナップ、ボタン、クリップ、孔部が形成された枠部材等であってもよい。
<押圧部材>
図1に示すように、押圧部材140は、本実施形態では、流体の注入により拡張し、穿刺部位tを圧迫する拡張部材141と、拡張部材141の外面に取り付けられ、第1ベルト部111および第2ベルト部112よりも高い剛性を備える支持部材142と、を有している。押圧部材140は、第2ベルト部112が第1ベルト部111の長手方向D1に対して交差した状態で、第1ベルト部111と第2ベルト部112とを連結している。押圧部材140は、第2ベルト部112が第1ベルト部111の長手方向D1に対して交差した状態を維持しつつ、第1ベルト部111および第2ベルト部112に沿って移動可能である。
そのため、使用者は、2つのベルト部111、112が完全に手Hに固定されていない状態(図2参照)や拡張部材141が未拡張の状態で、押圧部材140を第1ベルト部111および第2ベルト部112に沿って移動させて、押圧部材140の穿刺部位tに対する位置調節を簡便に行うことができる。また、止血器具100は、第1ベルト部111と第2ベルト部112とが交差した位置に押圧部材140が位置するため、穿刺部位tの圧迫時には、2つのベルト部111、112により押圧部材140を手Hの体表面に押し付けることができ、押圧部材140が調整した位置からずれることを防止できる。
さらに本実施形態では、押圧部材140は、第1ベルト部111の第1部分114と第2ベルト部の第1部分116とが交差した状態を維持しつつ、第1ベルト部111および第2ベルト部112に沿って移動可能である。そのため、止血器具100は、伸縮し難い2つの第1部分114、116によって押圧部材140を手Hの体表面に押し付けて押圧部材140の位置ずれを抑制する一方、伸縮し易い各第2部分115a、115b、117a、117bによって手Hの動きに追従できる。
以下、押圧部材140を構成する拡張部材141および支持部材142について詳述する。
[拡張部材]
図1および図6に示すように、拡張部材141は、例えば、二つのシート状の部材の間に流体が注入可能な内部空間143を形成した状態で、二つのシート状の部材の縁部を接合することによって形成することができる。拡張部材141を形成するシート状の部材の接合方法は特に限定されないが、例えば、接着や融着を採用することができる。なお、拡張部材141は、複数のシート状の部材を接合した構造に限定されることはない。拡張部材141は、例えば、流体が注入可能な内部空間が形成された一つの袋状の部材で形成してもよい。
図1に示すように、拡張部材141は、本実施形態では、平面視において略矩形の外形を有している。ただし拡張部材141の平面視における外形は特に限定されず、例えば、丸形、多角形であってもよい。
拡張部材141に用いられる材料は、特に限定されないが、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブタジエン、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)のようなポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)のようなポリエステル、ポリ塩化ビニリデン、シリコーン、ポリウレタン、ポリアミドエラストマー、ポリウレタンエラストマー、ポリエステルエラストマー等の各種熱可塑性エラストマー、あるいはこれらを任意に組み合わせたもの(ブレンド樹脂、ポリマーアロイ、積層体等)が挙げられる。
拡張部材141には、拡張部材141を穿刺部位tに対して位置合わせするためのマーカー部144が設けられている。
マーカー部144は、拡張部材141を平面視した際の略中心位置に配置している。図6に示すように、マーカー部144は、本実施形態では、拡張部材141を形成する内面側のシート状の部材の内部空間143に臨む面に設けられている。なお、マーカー部144は、押圧部材140を形成する外面側のシート状の部材の内部空間143に臨む面、その反対側の面、または後述する支持部材142に配置することも可能である。
図1に示すように、マーカー部144は、例えば、マーカー部144全体が有色で形成された矩形形状のマーカーで形成することができる。ただし、マーカー部144は、例えば、透明な中心部と、その中心部を囲む有色の線状の枠部とから構成されてもよい。使用者は、マーカー部144を利用し、穿刺部位tに押圧部材140の中心位置を簡単に配置することができる。なお、マーカー部144の具体的な形状、色、止血器具100の各部への形成方法等は特に限定されない。
前述したように、各第1部分114、116には、貫通孔h1、h2が形成されており、押圧部材140は、第1ベルト部111および第2ベルト部112の貫通孔h1、h2が交差した状態を維持しつつ、第1ベルト部111および第2ベルト部112に沿って移動可能である。また、マーカー部144は、第1ベルト部111および第2ベルト部112の貫通孔h1、h2が交差する領域に配置されている。また、押圧部材140は、少なくとも貫通孔h1、h2が交差する領域において透明性を備える。なお、ここで「領域が透明性を備える」とは、使用者が物体を隔てた外面側から内面側を視認できるように、その領域が無色透明、半透明、または有色透明であることを意味する。そのため、使用者は、マーカー部144を容易に視認できる。そのため、使用者は、交差する貫通孔h1、h2および押圧部材140を介して、穿刺部位tおよびマーカー部144を視認できる。そのため、使用者は、押圧部材140の位置調整を簡便に行うことができる。
拡張部材141の内部空間143は、拡張部材141へ流体を供給するためのチューブ151の内腔と連通している。
チューブ151の一端部は、拡張部材141を形成するシート状の部材の間に挟み込まれた状態で接着材等により接続されている。チューブ151は、拡張部材141の基端部において拡張部材141に接続されている。そのため、図2に示すように、止血器具100を患者の手Hに配置した際、チューブ151がイントロデューサーのシースチューブSと干渉することを防止できる。なお、チューブ151を拡張部材141から引き出す位置は適宜変更することが可能である。
図1に示すように、チューブ151の他端部は、内部空間152が形成された緩衝部材153に接続されている。チューブ151の内腔は、緩衝部材153の内部空間152と連通している。
緩衝部材153は、内部空間152が形成された可撓性を備える袋状の部材によって構成している。緩衝部材153には、拡張部材141に流体を注入するための注入部154が接続されている。
注入部154は、逆止弁(図示せず)を内蔵するコネクタで構成している。注入部154には、シリンジ(図示せず)を接続することができる。緩衝部材153には、注入部154へのシリンジの挿入方向を示す矢印状のマーカーを設けてもよい。
使用者は、拡張部材141を拡張させる際、注入部154にシリンジの先筒部を挿入して逆止弁を開く。使用者は、注入部154の逆止弁を開いた状態で、シリンジの押し子を押すことにより、シリンジ内の流体を拡張部材141の内部空間143に注入する。
拡張部材141の内部空間143に流体が注入されると、拡張部材141が拡張する。拡張部材141が拡張すると、チューブ151を介して拡張部材141の内部空間143と連通している緩衝部材153が膨張する。使用者は、緩衝部材153の膨張を確認することにより、流体が漏れずに、拡張部材141を加圧できていることを目視で確認することができる。
注入部154は、注入部154にシリンジが挿入されていない状態で、注入部154に内蔵された逆止弁を閉じた状態に維持し、注入部154から流体が漏れることを防止する。患者に止血器具100を装着された状態において、患者が手Hを動かすと、手Hの穿刺部位tを圧迫する拡張部材141が変形しようとする。この際、拡張部材141の内部空間143にある流体の逃げ場がないと、拡張部材141の変形が妨げられる。そのため、患者は、手Hの可動範囲が制限される。これに対し、本実施形態では、緩衝部材153の内部空間152と拡張部材141の内部空間143は、チューブ151を介して常時連通している。そのため、緩衝部材153は、患者が手Hを動かした際、拡張部材141の内部空間143から緩衝部材153への流体の移動を可能にする。そのため、止血器具100は、患者が手Hを動作させた際に、拡張部材141により手Hの可動範囲が制限されることを防止できる。なお、患者が手Hを変形させた状態から元の状態に戻すと、緩衝部材153から拡張部材141へ流体が移動するため、拡張部材141は、穿刺部位tに対して効果的に圧迫力を付与することができる。
使用者は、拡張部材141を収縮させる際、注入部154にシリンジの先筒部を挿入して、シリンジの押し子を引く。使用者は、上記の操作を行うことにより、拡張部材141内の流体をシリンジへ排出することができる。
[支持部材]
支持部材142は、本実施形態では、板状部材によって構成している。
支持部材142は、本実施形態では、平面視において拡張部材141よりも大きい外形を有する。そのため、支持部材142は、患者の手Hの体表面に拡張部材141を押し付けることができる。また、支持部材142の角部は、本実施形態では平面視で丸みを帯びている。そのため、支持部材142は、支持部材142の角部が患者の手Hの体表等に接触した際に、患者が痛みを感じることを抑制できる。また、図6に示すように、支持部材142は、横方向Xの略中央部が外面側に向って突出するように湾曲した外形を有する。このように、支持部材142は、手Hの穿刺部位tの近傍における体表面に沿って湾曲した外形を有するため、拡張部材141を穿刺部位tに効果的に押し付けることができる。また、支持部材142の縁部142aは、図6に示すように、曲面であってもよい。なお、支持部材142の外形は、上記に限定されない。
支持部材142は、保持部材110を構成する各ベルト部111〜113よりも硬質な材料で構成されており、ほぼ一定の形状を保つようになっている。そのような材料としては、特に限定されないが、例えば、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル(特に硬質ポリ塩化ビニル)、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブタジエンのようなポリオレフィン、ポリスチレン、ポリ−(4−メチルペンテン−1)、ポリカーボネート、ABS樹脂、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリアセタール、ポリアクリレート、ポリアクリロニトリル、ポリフッ化ビニリデン、アイオノマー、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)のようなポリエステル、ブタジエン−スチレン共重合体、芳香族または脂肪族ポリアミド、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素系樹脂等が挙げられる。
図1に示すように、支持部材142の外面には、第1ベルト部111と第2ベルト部112とが交差した状態で、第1ベルト部111の枠部材118および第2ベルト部112の枠部材119の長辺部を挿通する複数の挿通部材160が設けられている。各挿通部材160は、各枠部材118、119が配置される挿通孔が形成されている限り特に限定されないが、チューブ等の中空部材によって形成できる。
図1および図6に示すように、支持部材142の外面には、支持部材142の外面から外方側に向かって突出する複数の位置調整つまみ170が設けられている。そのため使用者は、位置調整つまみ170を用いて押圧部材140を容易に位置調整できる。
図1に示すように、本実施形態では、位置調整つまみ170は、支持部材142の縦方向Yの両端部および横方向Xの両端部に設けられている。そのため使用者は、対向する一対の位置調整つまみ170を手指でつまみ、押圧部材140を容易に位置調整できる。ただし、止血器具100の備える位置調整つまみ170の数および位置は、上記に限定されない。例えば、位置調整つまみ170は、各枠部材118、119を構成する一対の長辺部の間に配置されていてもよい。また、位置調整つまみ170は、支持部材142の縦方向Yの両端部のみ(または横方向Xの両端部のみ)にしか設けられていなくてもよい。
位置調整つまみ170は、支持部材142と一体的に形成されてもよいし、支持部材142と別部材によって構成されて支持部材142に接合されてもよい。
<止血器具の使用例>
次に、図2〜図6を参照して、止血器具100の使用例を説明する。以下では、穿刺部位tが形成された患者の手(左手)Hへの止血器具100の装着手順例を説明する。
図2には、患者の手Hの甲Hbに形成した穿刺部位tを介して手掌動脈Bの遠位橈骨動脈側にイントロデューサーのシースチューブSを挿入して各種の手技を実施し終え、穿刺部位tからシースチューブSの一部を引き抜いた状態を示している。例えば、シースチューブSは、シースチューブSの先端側の2〜3cm程度が手掌動脈Bに留置されている状態である。
術者等の使用者は、止血の開始に際し、図2に示すように、患者の手Hの甲Hbに押圧部材140を重ねるように配置する。
次に、使用者は、第1ベルト部111の基端部および第2ベルト部112の基端部を患者の手首に巻き付けた状態で、第1ベルト部111に配置された第3固定部材123を、第2ベルト部112に配置された第6固定部材126に連結させる(図5参照)。
次に、使用者は、図2に示すように、押圧部材140を第1ベルト部111および第2ベルト部112に沿って移動させ、拡張部材141の略中心位置(マーカー部144)を穿刺部位tに配置する。そのため、使用者は、穿刺部位tに対して拡張部材141を容易に位置調整できる。
次に、使用者は、図3および図5に示すように、第1ベルト部111が手Hの中指f3と薬指f4との間の凹部に配置され、かつ、第2ベルト部112が親指f1の付け根の側面に配置された状態で、第1ベルト部111に配置された第1固定部材121を、第2ベルト部112に配置された第5固定部材125に連結させる。この際、第1ベルト部111の先端部を折り返して、第2固定部材122を第1固定部材121に連結してもよい。これによって、第1ベルト部111は、手Hに巻き付けられていない余剰な部分が生じた場合に、余剰な部分に外力が作用することによって第1ベルト部111の先端部と第2ベルト部112の先端部との連結が解除されることを防止できる。
次に、使用者は、拡張部材141の穿刺部位tに対する位置を確認する。仮に、拡張部材141の穿刺部位tに対する位置がずれている場合、使用者は、押圧部材140を第1ベルト部111および第2ベルト部112に沿って移動させ、拡張部材141の略中心位置を穿刺部位tに配置する。
次に、使用者は、注入部154にシリンジを接続し、拡張部材141に流体を注入し、拡張部材141を拡張させる。これによって、拡張部材141は、穿刺部位tに対して圧迫力を付与する。
次に、使用者は、図4に示すように、シースチューブSを穿刺部位tから抜去する。次に、使用者は、穿刺部位tからの出血がないことを確認する。使用者は、穿刺部位tからの出血がある場合、拡張部材141への流体の注入量を調整する。
次に、使用者は、図5に示すように、第3ベルト部113が手Hの親指f1と人差し指f2との間の凹部に配置された状態で、掌側において第3ベルト部113の第7固定部材127を第1ベルト部111の第4固定部材124に連結させる。
使用者は、止血を開始して一定時間が経過した後、拡張部材141を徐々に減圧し、穿刺部位tの止血が適切になされていることを確認する。
穿刺部位tの圧迫時、保持部材110は、手Hの中指f3と薬指f4との間凹部、手首の右側面、親指f1の付け根の側面、および手首の左側面等の手Hの動きの影響の少ないの4点において手Hに当接した状態で、押圧部材140を手Hに押し付ける。また、第3ベルト部113は、手Hの中指f3と薬指f4との間凹部に当接した状態で、第1ベルト部111に連結される。そのため、保持部材110は、穿刺部位tの圧迫時に、押圧部材140が穿刺部位tから位置ずれすることを効果的に抑制できる。
使用者は、穿刺部位tの止血が終了した後、拡張部材141を十分に減圧する。そして、使用者は、止血器具100を患者の手Hから取り外す。なお、使用者は、拡張部材141を減圧せずに止血器具100を患者の手Hから取り外してもよい。
なお、上記の使用例はあくまで一例であり、使用手順は適宜変更可能である。例えば、第1ベルト部111の先端部と第2ベルト部112の先端部とを連結した後に、第1ベルト部111の基端部と第2ベルト部112の基端部とを連結してもよい。また、例えば、第3ベルト部113の第1ベルト部111への連結は、拡張部材141の拡張前に行ってもよい。
以上のように、第1実施形態に係る止血器具100は、患者の手Hの穿刺部位tを圧迫する押圧部材140と、手Hの体表面の望ましい位置に押圧部材140を保持する保持部材110と、を備える。保持部材110は、第1ベルト部111と、第1ベルト部111の長手方向D1と交差する第2ベルト部112と、を有する。押圧部材140は、第2ベルト部112が第1ベルト部111の長手方向D1に対して交差した状態で、第1ベルト部111と第2ベルト部112とを連結している。押圧部材140は、第2ベルト部112が第1ベルト部111の長手方向D1に対して交差した状態を維持しつつ、第1ベルト部111および第2ベルト部112に沿って移動可能である。
上記止血器具100は、押圧部材140が第1ベルト部111および第2ベルト部112に沿って移動可能であるため、押圧部材140の穿刺部位tに対する位置調節を簡便に行うことができる。また、止血器具100は、第1ベルト部111と第2ベルト部112が交差した位置に押圧部材140が位置するため、穿刺部位tの圧迫時は、2つのベルト部111、112により押圧部材140を手Hの体表面に押し付けることができる。そのため、止血器具100は、穿刺部位tの圧迫時に、押圧部材140が穿刺部位tから位置ずれすることを防止できる。また、止血器具100は、第1ベルト部111及び第2ベルト部112により、患者の手Hの大きさや形に合わせて簡便に装着することができる。
また、止血器具100は、押圧部材140の外面から外方に向かって突出する位置調整つまみ170をさらに有する。そのため、術者等の使用者は、穿刺部位tに対する押圧部材140の位置調整を簡便に行うことができる。
また、第1ベルト部111および第2ベルト部112のそれぞれは、第1部分114、116と、第1部分114、116に接続され、第1部分114、116よりも高い伸縮性を備える第2部分115a、115b、117a、117bと、を有する。押圧部材140は、第1ベルト部111の第1部分114と第2ベルト部112の第1部分116とが交差した状態を維持しつつ、第1ベルト部111及び前記第2ベルト部112に沿って移動可能である。そのため、止血器具100は、伸縮し難い第1部分114、116によって押圧部材140を穿刺部位tに効果的に押付けつつ、伸縮しやすい第2部分115a、115b、117a、117bによって手Hの動きに追従できる。
また、止血器具100は、手Hに装着される止血器具である。保持部材110は、一端部が押圧部材140の先端部に接続され、第1ベルト部111および第2ベルト部112と異なる方向に延在し、他端部が第1ベルト部111または第2ベルト部112の少なくとも一方に連結分離可能な第3ベルト部113をさらに備える。そのため、使用者は、第3ベルト部113は、隣り合う指f1、f2の間の凹部に配置された状態で、第1ベルト部111または第2ベルト部112の少なくとも一方に連結できる。これによって止血器具100は、穿刺部位tの圧迫時に押圧部材140が手Hの穿刺部位tから位置ずれすることを効果的に抑制できる。
また、押圧部材140は、流体の注入により拡張し、穿刺部位tを圧迫する拡張部材141と、拡張部材141の外面に取り付けられ、第1ベルト部111および第2ベルト部112よりも高い剛性を備える支持部材142と、を有する。支持部材142は、拡張部材141よりも大きい外形を有する。そのため、支持部材142は、手Hに拡張部材141を効果的に押し付けることができる。
また、第1ベルト部111および第2ベルト部112には、貫通孔h1、h2が形成されている。押圧部材140は、第1ベルト部111の貫通孔h1と第2ベルト部112の貫通孔h2とが交差した状態を維持しつつ、第1ベルト部111および第2ベルト部112に沿って移動可能であり、少なくとも貫通孔h1、h2が交差する領域において透明性を備える。そのため、使用者は、交差する貫通孔h1、h2から穿刺部位tを視認し、押圧部材140を穿刺部位tに対して簡便に位置調整できる。
また、止血器具100は、押圧部材140を穿刺部位tに位置合わせするためのマーカー部144をさらに備える。マーカー部144は、第1ベルト部111および第2ベルト部112の貫通孔h1、h2が交差する領域に配置されている。そのため、使用者は、交差する貫通孔h1、h2から穿刺部位tおよびマーカー部144を視認し、押圧部材140を穿刺部位tに対して簡便に位置調整できる。
また、第1ベルト部111および第2ベルト部112のそれぞれは、貫通孔h1、h2を形成する枠部材118、119を有する。押圧部材140の外面には、第1ベルト部111と第2ベルト部とが交差した状態で第1ベルト部111の枠部材118および第2ベルト部112の枠部材119のそれぞれを挿通する複数の挿通部材160が設けられている。そのため、第1ベルト部111の枠部材118および第2ベルト部112の枠部材119のそれぞれを挿通部材160に挿通するという簡便な構成よって、押圧部材140は、貫通孔h1、h2が交差した状態を維持しつつ、第1ベルト部111および第2ベルト部112に沿って移動できる。
次に、第1実施形態の変形例および第2実施形態を説明する。各変形例および第2実施形態の説明では、第1実施形態で既に説明した構成等についての詳細な説明は省略する。また、各変形例および第2実施形態の説明で特に説明がない内容については、第1実施形態と同様のものとすることができる。
(保持部材の変形例)
図7は、変形例に係る保持部材210を説明するための図である。図7に示すように、保持部材210を構成する第1ベルト部211において、手Hの中指f3と薬指f4との間の凹部に配置され、かつ、中指f3に当接する領域には、複数の切り込みや切欠き212が形成されていてもよい。これによって、第1ベルト部211が第2ベルト部112に引っ張られて、第1ベルト部211が中指f3に押付けられた場合に、患者が痛みを感じることを抑制できる。
(第2実施形態)
図8〜図11は、第2実施形態に係る止血器具300を説明するための図である。
止血器具300は、概説すると、図8に示すように、保持部材310と、押圧部材340と、を有する。第2実施形態に係る止血器具300は、保持部材310および押圧部材340の構成において第1実施形態に係る止血器具100と相違する。以下、止血器具100の各部について詳述する。
<保持部材>
保持部材310は、本実施形態では、第1ベルト部311と、第1ベルト部311の長手方向D1と交差する第2ベルト部312と、第1ベルト部311および第2ベルト部312と異なる方向に延在する第3ベルト部113と、を有する。以下、保持部材310の各部について詳述する。
第1ベルト部311は、第1部分314と、第1部分314の長手方向D1の両端部に接続され、第1部分314よりも高い伸縮性を備える第2部分115a、115bと、を有する。同様に、第2ベルト部312は、第1部分316と、第1部分316の長手方向D2の両端部に接続され、第1部分316よりも高い伸縮性を備える第2部分117a、117bと、を有する。
各第1部分314、316は、本実施形態では、貫通孔が形成されていない帯状部材によって構成している。
各第1部分314、316の構成材料は、可撓性を有する限り特に限定されないが、例えば、第1実施形態に係る第1部分114、116の構成材料と同様の材料を用いることができる。
<押圧部材>
押圧部材340は、本実施形態では、流体の注入により拡張し、穿刺部位tを圧迫する拡張部材341と、拡張部材341の外面に取り付けられ、第1ベルト部311および第2ベルト部312よりも高い剛性を備える支持部材342と、を有している。以下、押圧部材340の各部について詳述する。
[拡張部材]
拡張部材341の形状等は、第1実施形態に係る拡張部材341と同様であるため、その説明を省略する。拡張部材341には、第1実施形態と同様に、拡張部材341を穿刺部位tに対して位置合わせするためのマーカー部344が設けられている。
マーカー部344は、本実施形態では、2本の線を交差させたクロス形状を有する。線が細いほど、穿刺部位tの視認性は向上する。ただし、マーカー部344の形状は特に限定されない。マーカー部344は、拡張部材341を平面視した際の略中心位置に配置している。本実施形態では、拡張部材341を平面視した際の略中心位置が2つのベルト部311、312が重なる領域に配置されている。そのため、2つのベルト部311、312は、押圧部材340を手Hの体表面に効果的に押し付けることができる一方、図9に示すように、使用者がマーカー部344および穿刺部位tを視認することを妨げる。
これに対し、本実施形態では、拡張部材341および支持部材342は、透明性を備える(無色透明、半透明、または有色透明である)。そのため、図10および図11に示すように、使用者は、斜め方向の外方から拡張部材341の内面の略中心位置を見た場合に、マーカー部344および穿刺部位tを視認することができる。そのため、使用者は、第1ベルト部311および第2ベルト部312の交差する領域に貫通孔の形成されていない場合であっても、拡張部材341を穿刺部位tに簡便に位置合わせできる。
なお、第1ベルト部311の第1部分314は、第1ベルト部311と第2ベルト部312とが交差した状態で第1ベルト部311が後述する支持部材342の挿通孔343に挿通可能である場合、貫通孔が形成された帯状部材によって構成してもよい。同様に、第2ベルト部312の第1部分316は、第1ベルト部311と第2ベルト部312とが交差した状態で第2ベルト部312が後述する支持部材342の挿通孔343に挿通可能である場合、貫通孔が形成された帯状部材によって構成してもよい。このように、各ベルト部311、312に貫通孔が形成されている場合、第1実施形態に係る止血器具100と同様に、使用者は、平面視において穿刺部位tおよびマーカー部344を視認できる。
[支持部材]
支持部材342は、本実施形態では、板状部材によって構成している。
図8に示すように、支持部材342は、本実施形態では、平面視において拡張部材341よりも大きい外形を有する。そのため、支持部材342は、患者の手Hの体表面に拡張部材341を押し付けることができる。
支持部材342は、本実施形態では、平面視において略矩形の外形を有している。支持部材342の角部342aには、第1ベルト部311と第2ベルト部312とが交差した状態で、第1ベルト部311および第2ベルト部312のそれぞれを挿通する複数の挿通孔343が形成されている。図10に示すように、支持部材342において挿通孔343が形成された角部342aは、角部342aよりも支持部材342の内方側の中央部342bに対して外面側に傾斜している。そのため、支持部材342は、第1ベルト部311および第2ベルト部312に沿ってスムーズに移動できる。なお、支持部材342の具体的な形状は、上記に限定されない。
支持部材342の構成材料としては、第1実施形態に係る支持部材142と同様の材料を用いることができる。
図8に示すように、支持部材342の外面には、支持部材342の外面から外方側に向かって突出する複数の位置調整つまみ170が設けられている。そのため使用者は、穿刺部位tに対して押圧部材340を容易に位置調整できる。
以上のように、第2実施形態に係る止血器具300では、押圧部材340の支持部材342には、第1ベルト部311と第2ベルト部312とが交差した状態で第1ベルト部311および第2ベルト部312を挿通する複数の挿通孔343を有する。そして、支持部材342は、押圧部材340が移動する際、第1ベルト部311と第2ベルト部312とが交差した状態を維持する。そのため、第1ベルト部311および第2ベルト部312は、第1ベルト部311と第2ベルト部312とが交差した箇所により、穿刺部位tの圧迫時に押圧部材340を手Hの体表に効果的に押し付けることができる。また、挿通孔343に第1ベルト部311および第2ベルト部312を挿通させるという簡便な構成によって、押圧部材340は、第1ベルト部311と第2ベルト部312とが交差した状態を維持しつつ、第1ベルト部311および第2ベルト部312に沿って移動できる。
以上、実施形態を通じて本発明に係る止血器具を説明したが、本発明は明細書において説明した内容のみに限定されるものでなく、特許請求の範囲の記載に基づいて適宜変更することが可能である。
実施形態の説明では、左手の甲に形成した穿刺部位を止血するための止血器具を例示したが、止血器具は、右手の甲に形成された穿刺部位、右手の掌に形成された穿刺部位、左手の掌に形成された穿刺部位等を止血するために使用することも可能である。また、本発明に係る止血器具は、手ではなく、手首、脚、足等に適用する止血器具として構成してもよい。
穿刺部位を圧迫する部材は、各実施形態において説明した拡張部材に限定されることはない。穿刺部位を圧迫する部材は、例えば、プラスチック等の樹脂材料やゲル等で構成された部材、時間経過に応じて含水率が低下して圧迫力を徐々に減少させるゲルを含む部材、スポンジ状の物質等の弾性材料、所定の立体形状を備える部材(球状、楕円体、三角錐等)、これらを適宜組み合わせたもの等で構成することも可能である。また、押圧部材は、支持部材を備えず、拡張部材の外面に、第1ベルト部および第2ベルト部を挿通する挿通部材を取り付けてもよい。
100、300 止血器具、
110、210、310 保持部材、
111、211、311 第1ベルト部、
112、312 第2ベルト部、
113 第3ベルト部、
114、116、314、316 第1部分、
115a、115b、117a、117b 第2部分、
118、119 枠部材、
140、340 押圧部材、
141、341 拡張部材、
142、342 支持部材、
144、344 マーカー部、
160 挿通部材、
170 位置調整つまみ、
343 挿通孔、
D1 第1ベルト部の長手方向、
D2 第2ベルト部の長手方向、
D3 第3ベルト部の長手方向、
H 手(肢体)、
S イントロデューサーのシースチューブ、
h1、h2 貫通孔、
t 穿刺部位(止血すべき部位)。

Claims (9)

  1. 患者の肢体の止血すべき部位を圧迫する押圧部材と、
    前記肢体の体表面の望ましい位置に前記押圧部材を保持する保持部材と、を備え、
    前記保持部材は、第1ベルト部と、前記第1ベルト部の長手方向と交差する第2ベルト部と、を有し、
    前記押圧部材は、前記第2ベルト部が前記第1ベルト部の長手方向に対して交差した状態で、前記第1ベルト部と前記第2ベルト部とを連結しており、
    前記押圧部材は、前記第2ベルト部が前記第1ベルト部の長手方向に対して交差した状態を維持しつつ、前記第1ベルト部および前記第2ベルト部に沿って移動可能である、止血器具。
  2. 前記押圧部材の外面から外方に向かって突出する位置調整つまみをさらに有する、請求項1に記載の止血器具。
  3. 前記第1ベルト部および前記第2ベルト部のそれぞれは、第1部分と、前記第1部分に接続され、前記第1部分よりも高い伸縮性を備える第2部分と、を有し、
    前記押圧部材は、前記第1ベルト部の前記第1部分と前記第2ベルト部の前記第1部分とが交差した状態を維持しつつ、前記第1ベルト部および前記第2ベルト部に沿って移動可能である、請求項1または請求項2に記載の止血器具。
  4. 手または足に装着される止血器具であって、
    前記保持部材は、一端部が前記押圧部材の先端部に接続され、前記第1ベルト部および前記第2ベルト部と異なる方向に延在し、他端部が前記第1ベルト部または前記第2ベルト部の少なくとも一方に連結分離可能な第3ベルトをさらに備える、請求項1〜3のいずれか一項に記載の止血器具。
  5. 前記押圧部材は、
    流体の注入により拡張し、前記止血すべき部位を圧迫する拡張部材と、
    前記拡張部材の外面に取り付けられ、前記第1ベルト部および前記第2ベルト部よりも高い剛性を備える支持部材と、を有し、
    前記支持部材は、前記拡張部材よりも大きい外形を有する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の止血器具。
  6. 前記第1ベルト部および前記第2ベルト部には、貫通孔が形成されており、
    前記押圧部材は、前記第1ベルト部の前記貫通孔と前記第2ベルト部の前記貫通孔とが交差した状態を維持しつつ、前記第1ベルト部および前記第2ベルト部に沿って移動可能であり、少なくとも前記貫通孔が交差する領域において透明性を備える、請求項1〜5のいずれか一項に記載の止血器具。
  7. 前記押圧部材を前記止血すべき部位に位置合わせするためのマーカー部をさらに備え、
    前記マーカー部は、前記第1ベルト部および前記第2ベルト部の前記貫通孔が交差する領域に配置されている、請求項6に記載の止血器具。
  8. 前記第1ベルト部および前記第2ベルト部のそれぞれは、前記貫通孔を形成する枠部材を有し、
    前記押圧部材の外面には、前記第1ベルト部の前記枠部材および前記第2ベルト部の前記枠部材のそれぞれを挿通する複数の挿通部材が設けられている、請求項6または請求項7に記載の止血器具。
  9. 前記支持部材は、前記第1ベルト部と前記第2ベルト部とが交差した状態で前記第1ベルト部および前記第2ベルト部を挿通する複数の挿通孔を有し、
    前記支持部材は、前記押圧部材が移動する際、前記第1ベルト部と前記第1ベルト部とが交差した状態を維持する、請求項5に記載の止血器具。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2022239826A1 (ja) * 2021-05-14 2022-11-17 テルモ株式会社 止血器具
WO2023140265A1 (ja) * 2022-01-19 2023-07-27 テルモ株式会社 止血器具

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