JP2022175655A - 止血器具 - Google Patents

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Koki Yamashita
竜也 大内
Tatsuya Ouchi
知哉 河村
Tomoya Kawamura
優奈 入本
Yuna Irimoto
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Abstract

【課題】穿刺部位に対して効果的に圧迫力を付与することができる止血器具を提供する。【解決手段】止血器具100は、患者の肢体の止血すべき部位p1を圧迫するように構成された拡張部材130と、拡張部材が固定された支持部材140と、支持部材と接続可能に構成され、支持部材を患者に固定可能に構成された固定部材120(帯体150、160、170)と、を有する。拡張部材は、流体の注入により拡張可能に構成された拡張部230と、拡張部の周囲から突出する突出部231と、を備える。支持部材は、支持部材の中央に位置する中央領域241と、中央領域から支持部材の縁部に向かって拡張部材の拡張部から離れる方向に湾曲する湾曲領域242と、を備える。拡張部材は、拡張部が中央領域と重なる位置で、突出部のみが湾曲領域に固定される。【選択図】図1

Description

本発明は、止血器具に関する。
カテーテル手技の1つとして、患者の腕や手の血管を穿刺して形成された穿刺部位を介して各種の医療用長尺体を血管内に導入し、病変部位に対する処置や治療を行う手技が知られている。例えば、特許文献1には、手を走行する血管(遠位橈骨動脈を含む)へのアクセスを可能にするために形成された穿刺部位を止血する止血器具が開示されている。
特許文献1の止血器具は、患者の手に形成された穿刺部位に圧迫力を付与するバルーンと、バルーンが固定されたプレートと、プレートを患者の手に固定するための複数の帯体と、を備える。また、複数の帯体は、手の外周に沿って巻き付けるように配置される巻き付け用の帯体と、手の隣り合う指の間に位置する指間部に配置される指掛け用の帯体と、を備える。
国際公開第2019/090104号
医師等の術者(以下、「術者」とする)は、特許文献1の止血器具を使用して患者の手に形成された穿刺部位を止血する際、バルーン及びプレートを穿刺部位に重ねるように配置する。術者は、巻き付け用の帯体を手の外周に沿って巻き付け、さらに指掛け用の帯体を親指と人差し指の間の指間部に配置する。術者は、バルーンを患者の手に形成された穿刺部位及びその周辺部に配置した状態で各帯体を使用して止血器具を固定することにより、バルーンが患者の手に形成された穿刺部位から位置ずれすることを防止できる。
特許文献1に記載された止血器具は、接着剤等により、バルーンがプレートに固定されている。しかしながら、特許文献1のバルーンは、バルーンの表面のうちプレートに向かい合う側の面の全面を接着剤等によってプレートに固定している。そのため、特許文献1の止血器具は、バルーンを拡張させたとき、プレートとバルーンの固定位置に依存し、プレートがバルーンの拡張方向に影響を与える。例えば、プレートがバルーンから離反する側に向けて湾曲した領域を有し、かつ、バルーンの表面のうちプレートに向かい合う側の面の全面がその湾曲した領域に固定された場合、特許文献1の止血器具は、バルーンを拡張させたとき、バルーンが穿刺部位に向かう方向に対して横方向にも広がる恐れがある。この結果、穿刺部位に対する圧迫力が分散され、穿刺部位に対して効果的に圧迫力を付与することができなくなる。
本発明は、上記課題を鑑み、穿刺部位に対して効果的に圧迫力を付与することができる止血器具を提供することを目的とする。
本発明に係る止血器具は、患者の肢体の止血すべき部位を圧迫するように構成された拡張部材と、前記拡張部材が固定された支持部材と、前記支持部材と接続可能に構成され、前記支持部材を前記患者に固定可能に構成された固定部材と、を有する。前記拡張部材は、流体の注入により拡張可能に構成された拡張部と、前記拡張部の周囲から突出する突出部と、を備える。前記支持部材は、前記支持部材の中央に位置する中央領域と、前記中央領域から前記支持部材の縁部に向かって前記拡張部材の前記拡張部から離れる方向に湾曲する湾曲領域と、を備える。前記拡張部材は、前記拡張部が前記中央領域と重なる位置で、前記突出部のみが前記湾曲領域に固定される。
本発明の止血器具は、拡張部材の拡張部が支持部材の中央領域と重なる位置に位置した状態で、拡張部材の突起部のみが支持部材の湾曲領域に固定されている。また、支持部材は、中央領域から支持部材の縁部に向かって拡張部材の拡張部から離れる方向に湾曲している。そのため、止血器具は、拡張部材の突起部のみが支持部材の湾曲領域に固定されることで、拡張部材の拡張部が拡張された状態で、拡張部の縁部と支持部材の湾曲領域との間に空間を形成する。したがって、止血器具は、拡張部材の拡張部を拡張させたときに、拡張部が穿刺部位に向かう方向に対して横方向へ広がることを抑えることができる。この結果、拡張部材による穿刺部位に対する圧迫力が分散されることを防止し、穿刺部位に対して効果的に圧迫力を付与することができる。さらに、拡張部材の拡張部と支持部材の中央領域とは、重なり合うだけであり、接着剤等を介して固定されていない。このため、拡張部材および支持部材を通しての視認性が低下しない。
実施形態に係る止血器具を示す図であって、各帯体の外面側から見た平面図である。 実施形態に係る止血器具を示す図であって、各帯体の内面側から見た平面図である。 各帯体の外面側から見た止血器具の一部を拡大して示す平面図である。 各帯体の内面側から見た止血器具の一部を拡大して示す平面図である。 各帯体の内面側から見た止血器具の一部を拡大して示す平面図である。 図5に示す矢印6A-6Aに沿う止血器具の断面を上下反転させた部分断面図であって、拡張部材の拡張部が拡張した際の様子を示す図である。 図5に示す矢印7A-7Aに沿う止血器具の断面を上下反転させた部分断面図であって、拡張部材の拡張部が拡張した際の様子を示す図である。 各帯体の外面側から見た止血器具の平面図であって、押圧部材に接続された第1帯体及び第2帯体を回転させる前後の様子を示す図である。 支持部材を示す斜視図である。 支持部材を示す斜視図である。 支持部材を拡張部材が配置される一の面側から見た状態の斜視図である。 拡張部材が配置された支持部材を示す平面図である。 支持部材を拡張部材が配置される一の面側から見た平面図である。 拡張部材を示す平面図である。 図15(A)、図15(B)、図15(C)は、支持部材に拡張部材を固定する実施形態の構造の作用を説明する模式図である。 図16(A)、図16(B)、図16(C)は、支持部材に拡張部材を固定する対比例の構造の作用を説明する模式図である。 支持部材に拡張部材を固定する変形例1の構造を示す平面図である。 支持部材に拡張部材を固定する変形例2の構造を示す平面図である。 支持部材に拡張部材を固定する変形例3の構造を示す平面図である。 図20(A)、図20(B)、図20(C)は、支持部材に拡張部材を固定する変形例4の構造の作用を説明する模式図である。 止血器具の使用対象となる患者の手(右手)を示す図である。 止血器具の第1使用例を簡略的に示す図である。 止血器具の第1使用例を簡略的に示す図である。 止血器具の第1使用例を簡略的に示す図である。 図24に示す矢印25A-25Aに沿う部分断面図である。 図24に示す矢印26A-26Aに沿う部分断面図である。 止血器具の第2使用例を簡略的に示す図である。
以下、添付した図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。以下の記載は特許請求の範囲に記載される技術的範囲や用語の意義を限定するものではない。また、図面の寸法比率は説明の都合上誇張されており、実際の比率とは異なる場合がある。
図1~図16は、本実施形態に係る止血器具100を説明するための図、図17~図20は、変形例を説明するための図、図21~図27は、止血器具100の使用例を説明するための図である。
止血器具100は、例えば、図21、図24~図26に示すように、患者の前腕部Aよりも遠位側(手指側)に位置する手Hに形成された穿刺部位(例えば、後述する各穿刺部位p1、p2)に留置していたイントロデューサー200のシースチューブ201を抜去する際、その穿刺部位を止血するために使用することができる。
止血器具100の止血対象となる穿刺部位の具体的な位置は特に限定されないが、本実施形態では下記の第1穿刺部位p1、第2穿刺部位p2を例示する。なお、本明細書では、主として、第1穿刺部位p1の止血に止血器具100を使用する例を通じて、止血器具100の各部の構造を説明する。
第1穿刺部位p1は、図21、図24に示すように、患者の前腕部Aよりも遠位側に位置する右手H1(手H)の甲Hb側を走行する手掌動脈のスナッフボックスに位置する動脈B(以下、「血管B」とも称する)に形成された穿刺部位である。なお、スナッフボックスは、患者が手Hの親指を広げた際に橈骨付近に位置する手の空洞である。
第2穿刺部位p2は、図21、図27に示すように、患者の右手H1の甲Hb側を走行する手掌動脈のスナッフボックスよりも遠位側に位置する遠位橈骨動脈に形成した穿刺部位である。第2穿刺部位p2は、患者の右手H1の甲Hbに位置する長母指伸筋腱t1を基準にして第1穿刺部位p1よりも右手H1の遠位側に位置する。
以下、止血器具100について詳述する。
止血器具100は、概説すると、図1、図2、図24、図25、図26に示すように、患者の肢体の止血すべき部位(例えば、患者の右手H1に形成された第1穿刺部位p1)を圧迫するように構成された拡張部材130と、拡張部材130が固定された支持部材140と、支持部材140と接続可能に構成され、支持部材140を患者に固定可能に構成された固定部材120と、を有する。
固定部材120は、図1、図2、図3、図4に示すように、支持部材140と接続可能に構成された第1帯体150(第1帯体部に相当する)と、支持部材140と接続可能に構成された第2帯体160(第2帯体部に相当する)と、支持部材140と接続可能に構成された第3帯体170(第3帯体部に相当する)と、を備える。第1帯体150は、支持部材140から第1方向に延在する。第2帯体160は、支持部材から第1方向と異なる第2方向に延在する。第3帯体170は、支持部材から第1方向及び第2方向と異なる第3方向に延在する。例えば図1において、第1方向及び第2方向は左右方向であり、第3方向は上下方向である。
止血器具100では、後述するように、第1帯体150、第2帯体160、及び第3帯体170の3つの帯体のうち、第1帯体150及び第2帯体160の2つの帯体が支持部材140の回転軸Rを中心にして回転可能に構成されている(図8を参照)。
第3帯体170は、図24に示すように、止血器具100を患者の右手H1に装着する際、隣り合う2つの指(例えば、親指と人差し指)の間に位置する指間部fbに引っ掛けるように配置することができる。
第1帯体150及び第2帯体160は、図22、図23、図24に示すように、止血器具100を患者の右手H1に装着する際、右手H1の外周に沿って巻き付けるように配置することができる。
<拡張部材>
図6、図7に示すように、拡張部材130の拡張部230は、例えば、空気等の流体が流入可能な内腔133を備える。なお、図6、図7には拡張部材130の拡張部230が拡張された状態の断面図を示している。また、図6、図7では、図5に示す矢印6A-6A及び矢印7A-7Aに沿う断面を上下反転させた部分断面図を示している。
拡張部材130は、例えば、樹脂製のバルーンで構成することができる。拡張部材130の拡張部230の内腔133には、後述するチューブ193が連結されている。
拡張部材130を構成する材料は、特に限定されないが、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブタジエン、エチレン-酢酸ビニル共重合体(EVA)のようなポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)等のポリエステル、ポリ塩化ビニリデン、シリコーン、ポリウレタン、ポリアミドエラストマー、ポリウレタンエラストマー、ポリエステルエラストマー等の各種熱可塑性エラストマー、ナイロン、ナイロンエラストマー、あるいはこれらを任意に組み合わせたもの(ブレンド樹脂、ポリマーアロイ、積層体等)を使用することができる。
拡張部材130は、図6、図7、図25、図26に示すように、支持部材140の一の面140a側に配置している。支持部材140の一の面140aは、止血器具100を患者の手Hに装着した際に患者の手Hの体表面側に配置される面である。また、支持部材140の他の面140bは、一の面140aの反対側に位置する面である。
拡張部材130は、図6、図7に示すように、支持部材140の一の面140aに接続することができる。
図12、図14、図15(A)、図15(B)、図15(C)に示すように、拡張部材130は、流体の注入により拡張可能に構成された拡張部230と、拡張部230の周囲から突出する突出部231と、を備えることができる。突出部231は、拡張部230の全周にわたって配置される。拡張部230が拡張する方向は、例えば図12において紙面に直交する方向である。突出部231が拡張部230の周囲から突出する方向は、例えば図12において紙面の方向である。
突出部231は、拡張部230の周囲に位置するフランジ部232と、フランジ部232から突出する凸部233と、を有する。凸部233は、フランジ部232の縁辺から外方に向けてさらに突出する。実施形態の凸部233は4個配置されている。
拡張部材130の拡張部230は、図1~図5、図12、図14に示す平面視において、円形を有する。突出部231のフランジ部232も同様に、円形を有する。突出部231の凸部233は、舌のような形状を有する。
ただし、拡張部材130における拡張部230、突出部231(フランジ部232および凸部233)の平面視における形状は図示した円形や舌形状に限定されない。また、拡張部230の拡張前後における断面形状、拡張部材130の構成材料、拡張部材130の具体的な構造等について特に制限はない。
支持部材140と拡張部材130との固定構造は、後述する。
拡張部材130には、図4、図5、図6、図7、図25、図26に示すように、拡張部材130を第1穿刺部位p1に位置合わせするためのマーカー135を配置している。
マーカー135は、拡張部材130の支持部材140が配置された側の面と反対側の面(止血器具100を患者の手Hに装着した際、患者の手Hの体表面側に配置される面)の外表面に配置している。
マーカー135は、拡張部材130に配置されている限り、具体的な配置箇所について特に制限はない。マーカー135は、例えば、拡張部材130の支持部材140が配置された側の面と反対側の面(止血器具100を患者の手Hに装着した際、患者の手Hの体表面側に配置される面)の内表面に配置してもよい。
図5、図12、図14に示すように、マーカー135は、拡張部材130における拡張部230の面方向の略中心位置に配置している。また、マーカー135は、支持部材140の面方向の略中心位置と重なるように配置している。
マーカー135は、例えば、マーカー135全体が有色で形成された矩形形状のマーカーで形成することができる。なお、マーカー135の具体的な形状、色、形成方法、位置等は特に限定されない。例えば、マーカー135は、透明な中心部と、その中心部を囲む有色の線状の枠部とから構成されてもよい。また、例えば、マーカー135は、支持部材140に設けてもよい。
<支持部材>
支持部材140は、図3、図5、図6、図7に示すように、拡張部材130の拡張部230が配置された第1領域141と、第1領域141よりも外側に位置し、第3帯体170、第1帯体150、及び第2帯体160が接続可能に構成された第2領域142と、を有する。
支持部材140は、図5に示す平面視において、円形を有する。
第1領域141は、図5に示す平面視において、拡張部材130の拡張部230が重なる領域である。第2領域142は、図5に示す平面視において、第1領域141よりも外側に位置する領域である。
なお、第1領域141は、支持部材140に配置された拡張部材130の拡張部230の外形や大きさに基づいて任意に定義することができる。また、第2領域142は、第1領域141との相対的な位置関係に基づいて定義することができる。そのため、第1領域141及び第2領域142は、支持部材140に配置された拡張部材130の外形や大きさに応じて適宜変更し得る。
第1領域141には、図5、図6、図7、図8に示すように、第1帯体150及び第2帯体160の回転中心となる回転軸Rが設けられている。
第2領域142には、図5、図6、図7、図9、図10に示すように、拡張部材130の拡張部230を間に挟んで対向した一対の第1孔部145a、145bと、一対の第1孔部145a、145bとは異なる位置で拡張部材130の拡張部230を間に挟んで対向した一対の第2孔部147a、147bと、が形成されている。
本明細書の説明において、第1孔部145aは「一の第1孔部145a」とも称する。また、第1孔部145bは「他の第1孔部145b」とも称する。また、第2孔部147aは「一の第2孔部147a」とも称する。また、第2孔部147bは「他の第2孔部147b」とも称する。
図5に示すように、一の第1孔部145a及び他の第1孔部145bは、拡張部材130の拡張部230を間に挟んで手Hの遠位側(指先側)又は手Hの近位側(前腕部A側)に配置される。本実施形態では、止血器具100を患者の右手H1に装着する際、一の第1孔部145aを拡張部材130の拡張部230よりも手Hの遠位側に配置しており、他の第1孔部145bを拡張部材130の拡張部230よりも手Hの近位側に配置している(図24を参照)。
なお、一の第1孔部145aと他の第1孔部145bは、患者の手Hへの止血器具100の取り付け位置を変更する場合、拡張部材130の拡張部230を基準にした両者の位置関係を入れ替えて配置することができる。つまり、一の第1孔部145aを拡張部材130の拡張部230よりも手Hの近位側に配置し、他の第1孔部145bを拡張部材130の拡張部230よりも手Hの遠位側に配置してもよい。
一の第1孔部145a及び他の第1孔部145bは、図3、図4、図5に示すように、支持部材140の外形に沿って円状に配置している。本実施形態では、支持部材140が図5に示す平面視において円形を有する。そのため、一の第1孔部145a及び他の第1孔部145bは、第1領域141よりも支持部材140の外側に位置する第2領域142の周方向に沿って配置されている。
上記の「円状に配置される」とは、支持部材140の第2領域142の周方向に連続した孔が形成された場合を仮定し、その孔の一部を占める任意の位置に一の第1孔部145a及び他の第1孔部145bが互いに隙間を隔てて配置されることを意味する。後述する一の第2孔部147a及び他の第2孔部147bの円状に配置される位置関係についても上記と同様である。
一の第1孔部145aには、図3、図4、図5、図7に示すように、第3帯体170を接続することができる。
本実施形態では、第3帯体170の第3の一端部171の幅(第3帯体170の延在方向と直交する方向の幅)W3が一の第1孔部145aの孔長L1と略同一である(図5を参照)。そのため、第3帯体170は、第3帯体170が一の第1孔部145aを介して支持部材140と接続された状態において、支持部材140の回転軸Rを中心にした回転が制限される。
なお、本明細書における各孔部145a、145b、147a、147bの孔長は、各孔部145a、145b、147a、147bの支持部材140の周方向に位置する端部間の直線距離を意味する。
一の第1孔部145aの幅W3は他の第1孔部145bの孔長L2と略同一に形成している(図5を参照)。そのため、第3帯体170は、第3帯体170が他の第1孔部145bを介して支持部材140に接続された場合、支持部材140の回転軸Rを中心にした回転が制限される。
図3、図4、図5に示すように、一の第2孔部147aと他の第2孔部147bは、一の第1孔部145aと他の第1孔部145bを結ぶ直線(図5に示す仮想線C)と交差する方向で拡張部材130の拡張部230を間に挟んで配置されている。
一の第2孔部147a及び他の第2孔部147bは、図3、図4に示すように、支持部材140の外形に沿って円状に配置している。
止血器具100は、図22に示すように、一の第1孔部145aを拡張部材130の拡張部230よりも患者の右手H1の遠位側に配置し、他の第1孔部145bを拡張部材130の拡張部230よりも患者の右手H1の近位側に配置する場合、一の第2孔部147aは患者の右手H1の周方向の内側(患者の胴体が配置される側)に配置することができ、他の第2孔部147bは患者の右手H1の周方向の外側に配置することができる。
一の第2孔部147aの孔長L3は、各第1孔部145a、145bの各孔長L1、L2よりも長い(図5を参照)。同様に、他の第2孔部147bの孔長L4は、各第1孔部145a、145bの各孔長L1、L2よりも長い。一の第2孔部147aの孔長L3と他の第2孔部147bの孔長L4は略同一の長さで形成している。
一の第2孔部147aには、図3、図4、図5、図7に示すように、第1帯体150が接続される。
第1帯体150の第1の一端部151の幅(第1帯体150の延在方向と直交する方向の幅)W1は、一の第2孔部147aの孔長L3よりも短い(図5を参照)。そのため、第1帯体150は、図8に示すように、第1帯体150が一の第2孔部147aを介して支持部材140と接続された状態で、支持部材140の回転軸R周りの所定の回転角度θ1の範囲で回転することができる。
第1帯体150の回転角度θ1は、第1帯体150の第1の一端部151の幅W1と一の第2孔部147aの孔長L3によって任意に定義することができる。第1帯体150の回転角度θ1は、特に限定されないが、例えば、1°~75°に設定することができる。
他の第2孔部147bには、図3、図4、図5、図7に示すように、第2帯体160が接続される。
第2帯体160の第2の一端部161の幅(第2帯体160の延在方向と直交する方向の幅)W2は、他の第2孔部147bの孔長L4よりも短い(図5を参照)。そのため、第2帯体160は、図8に示すように、第2帯体160が他の第2孔部147bに接続された状態で、支持部材140の回転軸R周りの所定の回転角度θ2の範囲で回転することができる。
第2帯体160の回転角度θ2は、第2帯体160の第2の一端部161の幅W2と他の第2孔部147bの孔長L4によって任意に定義することができる。第2帯体160の回転角度θ2は、特に限定されないが、例えば、1°~75°に設定することができる。
なお、各第1孔部145a、145bと各第2孔部147a、147bは、図5に示すように、支持部材140の回転軸Rを中心とする同心円状に配置することができる。ただし、各第1孔部145a、145bと各第2孔部147a、147bは同心円状に配置されていなくてもよい。
また、一の第1孔部145aと他の第1孔部145bは形状や孔長が異なっていてもよい。また、一の第2孔部147aと他の第2孔部147bは形状や孔長が異なっていてもよい。
また、一の第1孔部145aの孔長L1及び/又は他の第1孔部145bの孔長L2は、第3帯体170の第3の一端部171の幅W3よりも大きく形成されていてもよい。このように構成した場合、第3帯体170は、第3帯体170が一の第1孔部145a又は他の第1孔部145bを介して支持部材140と接続された状態において、支持部材140の回転軸Rを中心にして回転可能となる。
図7、図9、図10、図26に示すように、支持部材140の第2領域142において一対の第1孔部145a、145bが配置された部分には、支持部材140の一の面140aに配置された拡張部材130の拡張部230から離間する側へ向けて凸状に湾曲した第1湾曲領域148aが形成されている。
上記の「拡張部材130の拡張部230から離間する側」は、図26に示すように、止血器具100を患者の手Hに装着した際、患者の手Hの体表面から離間する側(図26の上側)である。
図6、図9、図10、図25に示すように、支持部材140の第2領域142において一対の第2孔部147a、147bが配置された部分には、支持部材140の一の面140aに配置された拡張部材130の拡張部230側へ向けて凸状に湾曲した第2湾曲領域148bが形成されている。
上記の「拡張部材130の拡張部230側」は、図25に示すように、止血器具100を患者の手Hに装着した際、患者の手Hの体表面に近接する側(図25の下側)である。
支持部材140は、所定の硬さを有する材料で構成することが好ましい。支持部材140が所定の硬さを有するように構成されている場合、図25、図26に示すように患者の右手H1に形成された第1穿刺部位p1に対して拡張部材130の拡張部230が圧迫力を付与する際、支持部材140は、拡張部材130の拡張部230を患者の右手H1に対して押さえ付けることができる。それにより、拡張部材130の拡張部230が患者の右手H1から浮き上がることを防止できる。
上記のような硬さを備える支持部材140の構成材料としては、例えば、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル(特に硬質ポリ塩化ビニル)、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブタジエンのようなポリオレフィン、ポリスチレン、ポリ-(4-メチルペンテン-1)、ポリカーボネート、ABS樹脂、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリアセタール、ポリアクリレート、ポリアクリロニトリル、ポリフッ化ビニリデン、アイオノマー、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合体、ポリエチレンテレフタレート(PET)等を用いることができる。
拡張部材130及び支持部材140の各々において、図4、図5に示す平面視で互いに重なる部分は透明に形成することができる。このように拡張部材130及び支持部材140を構成した場合、図22、図23に示すように、止血器具100を患者の右手H1に装着する際、術者が拡張部材130及び支持部材140を介してマーカー135及び/又は第1穿刺部位p1の位置を目視でより簡単に確認することが可能になる。なお、上記「透明」には、有色透明、無色透明、半透明が含まれる。
<支持部材と拡張部材との固定構造>
図7、図9、図10、図11、図13に示すように、支持部材140は、支持部材140の中央に位置する中央領域241と、中央領域241から支持部材140の縁部に向かって拡張部材130の拡張部230から離れる方向に湾曲する湾曲領域242と、を備える。中央領域241は、支持部材140を平面視したときの支持部材140の中心を含む領域である。中央領域241は、平面又は湾曲面から形成される。湾曲領域242は、第2領域142に形成された前述した第1湾曲領域148aを含む領域である。
支持部材140は、図9、図10、図11に示すように、支持部材140の一の面140aに配置された拡張部材130の拡張部230から離間する側へ向けて凸状に湾曲している。中央領域241は、支持部材140において、その凸状形状の頂点を含む領域である。
上記の「拡張部材130の拡張部230から離れる方向」は、図26に示すように、止血器具100を患者の手Hに装着した際、患者の手Hの体表面から離間する方向(図26の上方)である。
図12、図14、図15(A)、図15(B)、図15(C)に示すように、拡張部材130の突出部231は、凸部233に形成された貫通孔233aを有する。図11,図13に示すように、支持部材140は、湾曲領域242に形成された取り付け孔242aを有する。図15(A)、図15(B)、図15(C)に示すように、カシメピン234が貫通孔233a及び取り付け孔242aに挿通され、カシメ加工される。これによって、拡張部材130は、拡張部230が支持部材140の中央領域241と重なる位置で、突出部231のみが支持部材140の湾曲領域242に固定される。図12の符号235によって示される円の内側が、拡張部材130の拡張部230と支持部材140の中央領域241とが重なる位置を模式的に示している。拡張部230と中央領域241とは、重なりあうだけである。拡張部230と中央領域241とは、接着剤等を介して固定されていない。
図15(B)、図15(C)に示すように、拡張部材130は、拡張部230を拡張した状態で、拡張部230の縁部230aと支持部材140の湾曲領域242との間に空間Sを形成する。図12の符号236によって囲まれたリング状部分が、拡張部230の縁部230aと湾曲領域242との間に形成される空間Sを模式的に示している。
図16(A)、図16(B)、図16(C)は、支持部材140に拡張部材130を固定する対比例の構造の作用を模式的に示している。
対比例の場合、拡張部材130と支持部材140との固定を次のように行う。拡張部材130の外周面のうち湾曲した支持部材140に向かい合う側の面の全面を接着剤等によって支持部材140に固定する。拡張部材130を拡張させると、拡張部材130が穿刺部位p1に向かう方向に対して横方向にも広がる恐れがある。この結果、拡張部材130による穿刺部位p1に対する圧迫力が分散され、穿刺部位p1に対して効果的に圧迫力を付与することができなくなる。
図15(A)、図15(B)、図15(C)は、支持部材140に拡張部材130を固定する実施形態の構造の作用を模式的に示している。
実施形態の場合、拡張部材130は、拡張部230が支持部材140の中央領域241と重なる位置で、突出部231のみが支持部材140の湾曲領域242に固定される。そして、拡張部材130は、拡張部230を拡張した状態で、拡張部230の縁部230aと支持部材140の湾曲領域242との間に空間Sを形成する。拡張部材130と湾曲した支持部材140との間に空間Sが形成されるように拡張部材130と支持部材140とを固定することによって、拡張部材130の拡張部230を拡張させたときに、拡張部材130の拡張部230が穿刺部位p1に向かう方向に対して横方向へ広がることを抑えることができる。この結果、拡張部材130による穿刺部位p1に対する圧迫力が分散されることを防止し、穿刺部位p1に対して効果的に圧迫力を付与することができる。さらに、拡張部230と中央領域241とは、重なりあうだけであり、接着剤等を介して固定されていない。このため、マーカー135の視認性が低下しない。
拡張部材130の突出部231は、図12、図14に示すように、拡張部230の周囲に位置するフランジ部232と、フランジ部232から突出する凸部233と、を有する。そして、拡張部材130は、凸部233を介して湾曲領域242に固定される。
拡張部材130は、拡張部材130が凸部233を介して支持部材140に固定されるため、拡張部230と凸部233の間に位置するフランジ部232により、拡張部230と凸部233の間に所定距離を確保することができる。そのため、拡張部材130は、突出部231のフランジ部232および凸部233により、拡張部230を拡張した状態で、拡張部230の縁部230aと支持部材140の湾曲領域242との間により確実に空間Sを形成できる。これにより、止血器具100は、拡張部230を拡張させたときに、拡張部材130の拡張部230が穿刺部位p1に向かう方向に対して横方向へ広がることを抑えることができる。この結果、拡張部材130による穿刺部位p1に対する圧迫力が分散されることを一層防止でき、穿刺部位p1に対して一層効果的に圧迫力を付与することができる。
図4、図5、図8に示すように、支持部材140の取り付け孔242a(図9、図10、図11、図13を参照)は、第3帯体170の長手方向(図において上下方向)と直交する方向(図において左右方向)において、一対の第2孔部147a,147bと重ならない。したがって、拡張部材130は、第3帯体170の長手方向と直交する方向において、第1帯体150及び第2帯体160の可動範囲と重ならない位置で、湾曲領域242に固定される。
第1帯体150及び第2帯体160は、拡張部材130が第1帯体150及び第2帯体160の可動範囲と重ならない位置で支持部材140に固定されるため、術者が第1帯体150及び第2帯体160を移動させるとき、カシメピン234(支持部材140と拡張部材130との固定部)に接触しない。このため、第1帯体150及び第2帯体160の可動性が阻害されず、術者は第1帯体150及び第2帯体160を患者の手Hに支障なく巻き付けることができる。加えて、止血器具100は、第3帯体170の長手方向と直交する方向において拡張部材130が一対の第2孔部147a、147bの間で固定されないため、支持部材140上に拡張部材130の拡張部230を配置するための広い領域も確保することができる。
支持部材140は、図6、図9、図10、図11、図25に示すように、第3帯体170の長手方向と直交する方向において、中央領域241から支持部材140の縁部に向かって拡張部材130の拡張部230側に向かって湾曲する(第2湾曲領域148bを参照)。また、図11、図12、図13に示すように、支持部材140の湾曲領域242は、第3帯体170の長手方向の軸心(長軸C)から第1帯体150側及び第2帯体160側に向かって傾斜部243を形成している。取り付け孔242aは、傾斜部243に形成される。したがって、拡張部材130の突出部231は傾斜部243に固定される。
上記の「拡張部材130の拡張部230側」は、図25に示すように、止血器具100を患者の手Hに装着した際、患者の手Hの体表面に近接する側(図25の下側)である。
拡張部材130は、空間Sによって拡張部材130の拡張部230が穿刺部位p1に向かう方向に対して横方向へ広がることが抑えられ、しかも、支持部材140の第2湾曲領域148bによって、第3帯体170の長手方向と直交する方向へ広がることが抑えられる。この結果、拡張部材による穿刺部位p1に対する圧迫力が分散されることを一層防止でき、穿刺部位p1に対して一層効果的に圧迫力を付与することができる。
拡張部材130の突出部231は、第3帯体170の長手方向の軸心(長軸C)に対して左右対称な位置において、湾曲領域242に固定される。
止血器具は、拡張部材130の拡張部230を拡張したときに、拡張部230の縁部230aと支持部材140の湾曲領域242との間に空間Sを形成できる。拡張部材130の突出部231が第3帯体170の長手方向の軸心に対して左右対称な位置で固定されるため、この空間Sは、第3帯体170の長軸Cに対して左右対称となる。このため、患者の右手H1又は左手のいずれに支持部材140を配置した場合であっても、穿刺部位p1に対する圧迫力が分散されることを防止し、穿刺部位p1に対して効果的に圧迫力を付与することができる。
支持部材140又は拡張部材130の拡張部230の少なくとも一方は、支持部材140の中央領域241に位置し、患者の止血すべき部位に位置合わせするためのマーカー135を備える。図12に示すように、拡張部材130の突出部231は、支持部材140の湾曲領域242に4箇所の固定部によって固定される。拡張部230を挟んで対向する2箇所の固定部を通る2本の直線237の交点は、マーカー135に位置する。4箇所の固定部は、実施形態ではカシメピン234によって構成される。
マーカー135は、支持部材140の中央領域241に位置し、かつ、2本の直線237の交点がマーカー135に位置する。そのため、術者が穿刺部位p1にマーカー135を介して拡張部材130の拡張部230を固定し、かつ、拡張部材130の拡張部230を拡張したとき、拡張部230の縁部230aと支持部材140の湾曲領域242との間に形成される空間Sは、マーカー135を通る第3帯体170の長軸Cに対して左右対称となる。したがって、止血器具100は、支持部材140の中央領域241においてマーカー135が位置する拡張部230の中央付近を圧迫する構造となり、患者の右手H1又は左手のいずれに支持部材140を配置した場合であっても、拡張部材130による穿刺部位p1に対する圧迫力が分散されることを防止し、穿刺部位p1に対して効果的に圧迫力を付与することができる。
<固定部材>
固定部材120は、図1、図2、図3、図4に示すように、第1帯体150と、第2帯体160と、第3帯体170と、を備える。第1帯体150及び第2帯体160は、支持部材140に接続された状態で、支持部材140の中央領域241に回転軸Rを備え、回転軸Rを中心にして、拡張部230の周囲を回転可能に構成される。第3帯体170は、支持部材140に接続された状態で、患者の指同士の間に配置するように構成される。
第3帯体170は、図1、図2、図3、図4に示すように、第3の本体部175と、支持部材140の一の第1孔部145aに接続可能に構成された第3の一端部171と、自由な第3の他端部173と、を有する。
なお、本明細書における「自由な他端部」とは、止血器具100の未装着状態(患者に止血器具を装着していない状態)において、他の部材と直接又は関節的な接続関係が無いことを意味する。
第3の本体部175は、図1、図2に示すように、第3帯体170の長手方向に沿って延びている。
第3帯体170の第3の一端部171は、図7に示すように、支持部材140の一の第1孔部145aに挿通及び巻き付けるようにして配置することができる。第3帯体170は、第3の一端部171及び一の第1孔部145aを介して、支持部材140と接続される。
前述したように、本実施形態では、第3帯体170の第3の一端部171の幅W3は、一の第1孔部145aの孔長L1と略同一に形成している(図5を参照)。そのため、第3帯体170は、第3帯体170が支持部材140と接続された状態において、支持部材140の回転軸Rを中心とした回転が制限される。
なお、第3帯体170の第3の一端部171と支持部材140を接続する構造は特に限定されない。例えば、第3帯体170の第3の一端部171には、一の第1孔部145aに巻き付けられた状態を保持及び解除することが可能な固定部材(例えば、面ファスナー)を配置することができる。このように第3帯体170を構成した場合、第3帯体170は支持部材140に対して接続分離可能となる。
第1帯体150は、図1、図2、図3、図4に示すように、第1の本体部155と、支持部材140の一の第2孔部147aに接続可能に構成された第1の一端部151と、自由な第1の他端部153と、を有する。
第1の本体部155は、図1、図2に示すように、第1帯体150の長手方向に沿って延びている。
第1帯体150の第1の一端部151は、図6に示すように、支持部材140の一の第2孔部147aに挿通及び巻き付けるようにして配置することができる。第1帯体150は、第1の一端部151及び一の第2孔部147aを介して、支持部材140と接続される。
前述したように、第1帯体150の第1の一端部151の幅W1は、一の第2孔部147aの孔長L3よりも短い(図5を参照)。そのため、第1帯体150は、第1帯体150が支持部材140と接続された状態において、支持部材140の回転軸Rを中心にして回転可能である(図8を参照)。
なお、第1帯体150の第1の一端部151と支持部材140を接続する構造は特に限定されない。例えば、第1帯体150の第1の一端部151には、一の第2孔部147aに巻き付けられた状態を保持及び解除することが可能な固定部材(例えば、面ファスナー)を配置することができる。このように第1帯体150を構成した場合、第1帯体150は支持部材140に対して接続分離可能となる。
第2帯体160は、図1、図2、図3、図4に示すように、第2の本体部165と、支持部材140の他の第2孔部147bに接続可能に構成された第2の一端部161と、自由な第2の他端部163と、を有する。
第2の本体部165は、図1、図2に示すように、第2帯体160の長手方向に沿って延びている。
第2帯体160の第2の一端部161は、図6に示すように、支持部材140の他の第2孔部147bに挿通及び巻き付けるようにして配置することができる。第2帯体160は、第2の一端部161及び他の第2孔部147bを介して、支持部材140と接続される。
前述したように、第2帯体160の第2の一端部161の幅W2は、他の第2孔部147bの孔長L4よりも短い(図5を参照)。そのため、第2帯体160は、第2帯体160が支持部材140と接続された状態において、支持部材140の回転軸Rを中心にして回転可能である(図8を参照)。
なお、第2帯体160の第2の一端部161と支持部材140を接続する構造は特に限定されない。例えば、第2帯体160の第2の一端部161には、他の第2孔部147bに巻き付けられた状態を保持及び解除することが可能な固定部材(例えば、面ファスナー)を配置することができる。このように第2帯体160を構成した場合、第2帯体160は支持部材140に対して接続分離可能となる。
また、各帯体150、160、170の各一端部151、161、171側には、各帯体150、160、170を識別可能にする記号M(図形、文字を含む)が設けられている。本実施形態では、第1帯体150の一端部151側に「1」、第2帯体160の一端部161側に「2」、第3帯体170の一端部171側に「3」の数字が設けられている。各帯体150、160、170に設けられる数字は、術者が止血器具100を患者の右手H1に装着する際に各帯体150、160、170を巻く順番に対応している。そのため、術者は、記号Mを視認することによって、患者の右手H1に各帯体150、160、170を正しい順番で装着することができる。なお、記号Mの大きさ、色、形成方法、位置等は特に限定されない。例えば、記号Mの形成方法は、印刷の他、帯体に穴をあけることによっても形成できる。穴をあけて記号Mを形成する場合にあっては、少なくとも穴の周辺は単色であることが望ましい。多色に穴をあけると、記号を見づらいからである。もちろん、帯体の全体が単色であってもよい。
各帯体150、160、170の構成材料は特に限定されないが、例えば、塩化ビニル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドエラストマー樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂等で構成することができる。また、各帯体150、160、170の形状、長さ、厚み等について特に制限はない。
<固定部位>
止血器具100は、図1、図2、図3、図4に示すように、第1固定部位181、第2固定部位182、第4固定部位184、第5固定部位185の4つの固定部位を備える。
図1、図3に示すように、第1帯体150の外面には第1固定部位181を配置している。第2帯体160の外面には第2固定部位182を配置している。
また、図2、図4に示すように、第1帯体150の内面には第3固定部位183を配置している。第2帯体160の内面には第4固定部位184を配置している。第3帯体170の内面には第5固定部位185を配置している。第1帯体150の第3固定部位183は、第1帯体150を支持部材140に固定する際に使用される。第1帯体150の第3固定部位183は、手首に第1帯体150を巻き付けるためには使用しない。
なお、各帯体150、160、170の内面は止血器具100を患者に装着した際に患者の体表面側に配置される面であり、各帯体150、160、170の外面は内面と反対側に位置する面である。
第1固定部位181及び第2固定部位182は、面ファスナーの雄側で構成している。第3固定部位183、第4固定部位184及び第5固定部位185は、面ファスナーの雌側で構成している。本明細書における面ファスナーは、面的に着脱可能なファスナーであり、例えば、Magic Tape(登録商標)やVelcro(登録商標)である。
なお、各固定部位181、182、183、184、185は、止血器具100を患者の右手H1に配置した状態で各帯体150、160、170同士を接続することにより、拡張部材130を右手H1に固定することが可能な限り、具体的な構造は限定されない。例えば、一部の固定部位の設置の省略や各帯体150、160、170において固定部位を配置する位置の変更等は任意に行いうる。また、各固定部位181、182、184、185を面ファスナーで構成する場合、面ファスナーの雄側と雌側を入れ替えた構成としてもよい。また、各固定部位181、182、184、185は、例えば、スナップ、ボタン、クリップ、孔部が形成された枠部材等であってもよい。
<注入部>
止血器具100は、図1、図2に示すように、拡張部材130の拡張部230に流体を注入するための注入部191を有する。
注入部191は、逆止弁(図示せず)を内蔵するコネクタで構成している。注入部191にはシリンジ(図示せず)を接続することができる。
注入部191と拡張部材130との間には、拡張可能な空間を有する緩衝部材192を配置している。緩衝部材192は、内部に空間が形成された可撓性を備える袋状の部材で構成している。なお、緩衝部材192には注入部191へのシリンジの挿入方向を示す矢印状のマーカーを設けてもよい。
緩衝部材192の一端側には注入部191を接続している。注入部191の内腔は、緩衝部材192の空間と連通している。ただし、注入部191に内蔵された逆止弁が閉じている間は、注入部191の内腔と緩衝部材192の空間との連通は遮断されている。
緩衝部材192の他端側には可撓性を備えるチューブ193が接続されている。チューブ193の内腔は、緩衝部材192の空間と連通している。また、チューブ193は、緩衝部材192と接続された一端部と反対側の他端部が拡張部材130の拡張部230に接続されている。チューブ193の内腔は、拡張部材130の拡張部230の内腔133と連通している。
術者は、拡張部材130の拡張部230を拡張させる際、注入部191にシリンジ(図示せず)の先筒部を挿入して逆止弁を開く。術者は、注入部191の逆止弁を開いた状態で、シリンジの押し子を押すことにより、シリンジ内の空気を拡張部材130の拡張部230の内腔133に注入する。
拡張部材130の拡張部230の内腔133に空気が注入されると、拡張部材130の拡張部230が拡張する。拡張部材130の拡張部230が拡張すると、チューブ193を介して拡張部材130の拡張部230の内腔133と連通する緩衝部材192が膨張する。術者は、緩衝部材192の膨張を目視により確認することにより、空気が漏れること無く、拡張部材130の拡張部230が拡張したことを簡単に把握することができる。
術者は、拡張部材130の拡張部230を収縮させる際、注入部191にシリンジの先筒部を挿入して、シリンジの押し子を引く。術者は、上記の操作を行うことにより、拡張部材130の拡張部230の内腔133の空気をシリンジへ排出することができる。
<止血器具の使用例>
次に、図22~図26を参照して、止血器具100の第1使用例を説明する。
第1使用例では、患者の右手H1に形成した第1穿刺部位p1を止血する際の止血器具100の使用手順を説明する。
図22には、第1穿刺部位p1にイントロデューサー200のシースチューブ201を挿入して各種の手技を実施し終えた状態を示している。
術者は、図22に示すように、患者の右手H1の甲Hbに支持部材140を重ねるように配置する。この際、術者は、拡張部材130の拡張部230に配置されたマーカー135の位置を目視で確認しつつ、マーカー135を第1穿刺部位p1に配置することにより、支持部材140を第1穿刺部位p1に適切に位置決めすることができる。
なお、術者は、イントロデューサー200を使用した手技を終えた後、止血器具100を患者の右手H1に装着する前に、患者の右手H1に形成された第1穿刺部位p1からイントロデューサー200のシースチューブの一部を引き抜いてもよい。術者は、例えば、イントロデューサー200のシースチューブ201が血管Bに留置された状態で、術者の手元側にシースチューブ201を2~3cm程度引き抜いた後、止血器具100の装着作業を開始することができる。
術者は、図22、図23に示すように、第1帯体150及び第2帯体160を患者の右手H1の外周に沿って巻き付ける。術者は、第2帯体160の内面に配置された第4固定部位184(図2を参照)を、第1帯体150の外面に配置された第1固定部位181(図1を参照)と接触させることにより、各固定部位181、184を介して、第1帯体150と第2帯体160を固定することができる。
術者は、第1帯体150及び第2帯体160を患者の右手H1の外周に沿って巻き付ける際、支持部材140の第1領域141の回転軸Rを中心にして第1帯体150を回転させたり、第2帯体160を回転させたりすることができる。術者は、第1帯体150及び第2帯体160を回転させることにより、患者の右手H1において各帯体150、160が巻き付けられる位置を調整することができる。例えば、術者は、各帯体150、160が第1穿刺部位p1よりも前腕部A側(近位側)の位置で患者の右手H1に巻き付けられるように、各帯体150、160を回転角度θ1、θ2(図8を参照)の範囲で回転させることができる。
術者は、図24に示すように、第3帯体170を患者の右手H1の親指と人差し指の間に位置する指間部fbに通しつつ、第3帯体170の一部を患者の右手H1の掌側に配置する。この際、術者は、第3帯体170の内面に配置された第5固定部位185(図2を参照)を第2帯体160の外面に配置された第2固定部位182(図1を参照)と接触させることにより、各固定部位182、185を介して、第3帯体170と第2帯体160を固定することができる。
術者は、以上のように、第1帯体150及び第2帯体160を患者の右手H1の外周に沿って巻き付けるように配置し、さらに患者の右手H1の親指と人差し指の間の指間部fbに第3帯体170の一部を引っ掛けて配置することにより、止血器具100が患者の右手H1から位置ずれすることを効果的に防止することができる。
術者は、注入部191にシリンジを接続した状態で、拡張部材130の拡張部230に空気を注入することにより、拡張部材130の拡張部230を拡張させる。止血器具100は、図25、図26に示すように、拡張部材130の拡張部230が拡張すると、拡張部材130の拡張部230が患者の右手H1の第1穿刺部位p1に対して圧迫力を付与する。
図24、図26に示すように、術者は、止血器具100を患者の手Hに装着する際、患者の右手H1の遠位側の位置に一の第1孔部145a付近に形成された第1湾曲領域148aを配置することができる。また、術者は、患者の右手H1の近位側の位置に他の第1孔部145b付近に形成された第1湾曲領域148aを配置することができる。このように止血器具100を配置することにより、止血器具100が患者の右手H1に装着された状態で、患者が手首を捻って右手H1を上下方向や左右方向に動作させた際、第1湾曲領域148aが、患者の右手H1に対して支持部材140の周縁部が当接することを防止する。同様に、止血器具100は、上記のように患者が右手H1を動作させた際、他の第1孔部145b付近に形成された第1湾曲領域148aが、患者の右手H1に支持部材140の周縁部が当接することを防止する。それにより、止血器具100は、患者の右手H1に形成された第1穿刺部位p1を止血している間、支持部材140の周縁部が患者の右手H1に当接したり、食い込んだりすることによって患者が不快に感じたり、痛みを感じたりすることを防止できる。
また、図24、図25に示すように、術者は、止血器具100を患者の手Hに装着する際、支持部材140に形成された第2湾曲領域148bが患者の右手H1の外周の一部に沿って配置されるように拡張部材130の拡張部230を患者の右手H1に固定することができる。このように止血器具100を患者の右手H1に装着した状態で拡張部材130の拡張部230が拡張すると、支持部材140の第2湾曲領域148bが患者の右手H1の外周の一部に沿って拡張部材130の拡張部230を押さえ付ける。それにより、止血器具100は、拡張部材130の拡張部230が患者の右手H1から浮き上がることを防止できる。そのため、止血器具100は、拡張部材130の拡張部230によって第1穿刺部位p1に対して効果的に圧迫力を付与することができる。
術者は、拡張部材130の拡張部230を拡張させた後、図24に示すようにイントロデューサー200のシースチューブ201を患者の右手H1に形成された第1穿刺部位p1から抜去する。術者は、止血器具100を使用して止血を行っている間、患者の右手H1に形成された第1穿刺部位p1から出血がないことを確認する。術者は、患者の右手H1に形成された第1穿刺部位p1から出血がある場合、拡張部材130の拡張部230への空気の注入量を調整する。
術者は、以上の手順により、止血器具100を使用して患者の右手H1に形成された第1穿刺部位p1を止血することができる。
図27には、止血器具100の第2使用例を示している。第2使用例は患者の右手H1に形成した第2穿刺部位p2を止血する際の止血器具100の使用例である。
術者は、図27に示すように、患者の右手H1に形成された第2穿刺部位p2を止血するに際し、止血器具100を患者の右手H1に装着させる。患者の右手H1に形成された第2穿刺部位p2は、前述した第1穿刺部位p1よりも患者の右手H1の遠位側に位置する(図21を参照)。術者は、各帯体150、160を患者の右手H1に巻き付ける際、支持部材140の第1領域141の回転軸Rを中心にして各帯体150、160を回転させる。例えば、術者は、各帯体150、160が第1穿刺部位p1よりも前腕部A側(近位側)の位置で患者の右手H1に巻き付けられるように各帯体150、160を回転させる。術者は、各帯体150、160を患者の右手H1の近位側の位置に巻き付けることにより、患者の右手H1の遠位側の部分が各帯体150、160で拘束されることを防止できる。
止血器具100は、図示省略するが、患者の左手に形成された穿刺部位を止血する際にも使用できる。左手に形成された穿刺部位は、例えば、患者の左手の甲側を走行する手掌動脈のスナッフボックスに位置する動脈に形成された穿刺部位、患者の左手の甲側を走行する手掌動脈のスナッフボックスよりも遠位側に位置する遠位橈骨動脈に形成した穿刺部位である。後者の穿刺部位は、患者の左手の甲に位置する長母指伸筋腱を基準にして前者の穿刺部位よりも左手の遠位側に位置する。
左手の穿刺部位を止血する場合においても、前述した第1使用例及び第2使用例と同様の手順で止血器具100を患者の左手に装着することができる。術者は、患者の左手の各穿刺部位の位置に応じて、支持部材140の第1領域141の回転軸Rを中心にして各帯体150、160を回転させることにより、各帯体150、160を左手に巻き付ける位置を調整することができる。術者は、各帯体150、160を左手に巻き付ける位置を調整することにより、各穿刺部位を止血する際、患者の左手の遠位側の部分が各帯体150、160で拘束されることを防止できる。
各使用例を通じて説明したように、止血器具100は、患者の右手H1及び左手のいずれの手にも装着することができる。また、止血器具100は、患者の右手H1の異なる位置に形成された各穿刺部位p1、p2の止血に使用される場合、及び患者の左手の異なる位置に形成された各穿刺部位の止血に使用される場合においても、患者の手Hの遠位側の部分が各帯体150、160で拘束されることのないように患者の手Hに装着させることができる。
以上説明したように、本実施形態に係る止血器具100は、患者の肢体の止血すべき部位p1を圧迫するように構成された拡張部材130と、拡張部材130が固定された支持部材140と、支持部材140と接続可能に構成され、支持部材140を患者に固定可能に構成された固定部材120と、を有する。拡張部材130は、流体の注入により拡張可能に構成された拡張部230と、拡張部230の周囲から突出する突出部231と、を備える。支持部材140は、支持部材140の中央に位置する中央領域241と、中央領域241から支持部材140の縁部に向かって拡張部材130の前記拡張部から離れる方向に湾曲する湾曲領域242と、を備える。拡張部材130は、拡張部230が中央領域241と重なる位置で、突出部231のみが湾曲領域242に固定される。これにより、拡張部材130は、拡張部230を拡張した状態で、拡張部230の縁部230aと支持部材140の湾曲領域242との間に空間Sを形成する。
上記のように構成した止血器具100は、拡張部材130の拡張部230が支持部材140の中央領域241と重なる位置に位置した状態で、拡張部材130の突出部231のみが支持部材140の湾曲領域242に固定されている。また、支持部材140は、中央領域241から支持部材140の縁部に向かって拡張部材130の拡張部230から離れる方向に湾曲している。そのため、止血器具100は、拡張部材130の突出部231のみが支持部材140の湾曲領域242に固定されることで、拡張部材130の拡張部230が拡張された状態で、拡張部230の縁部230aと支持部材140の湾曲領域242との間に空間Sを形成する。したがって、止血器具100は、拡張部材130の拡張部230を拡張させたときに、拡張部材130の拡張部230が穿刺部位p1に向かう方向に対して横方向へ広がることを抑えることができる。この結果、拡張部材130による穿刺部位p1に対する圧迫力が分散されることを防止し、穿刺部位p1に対して効果的に圧迫力を付与することができる。さらに、拡張部材130の拡張部230と支持部材140の中央領域241とは、重なり合うだけであり、接着剤等を介して固定されていない。このため、拡張部材130の拡張部230および支持部材140を通しての視認性が低下しない。
突出部231は、拡張部230の周囲に位置するフランジ部232と、フランジ部232から突出する凸部233と、を有し、拡張部材130は、凸部233を介して湾曲領域242に固定される。
上記のように構成した止血器具100によれば、拡張部材130は、拡張部材130が凸部233を介して支持部材140に固定されるため、拡張部230と凸部233の間に位置するフランジ部232により、拡張部230と凸部233の間に所定距離を確保することができる。そのため、拡張部材130は、突出部231のフランジ部232および凸部233によって、拡張部230を拡張した状態で、拡張部230の縁部230aと支持部材140の湾曲領域242との間により確実に空間Sを形成できる。これにより、止血器具100は、拡張部材130の拡張部230を拡張させたときに、拡張部材130の拡張部230が穿刺部位p1に向かう方向に対して横方向へ広がることを抑えることができる。この結果、拡張部材130による穿刺部位p1に対する圧迫力が分散されることを一層防止でき、穿刺部位p1に対して一層効果的に圧迫力を付与することができる。
固定部材120は、支持部材140と接続可能に構成され、支持部材140から第1方向に延在する第1帯体150と、支持部材140と接続可能に構成され、支持部材140から第1方向と異なる第2方向に延在する第2帯体160と、支持部材140と接続可能に構成され、支持部材140から第1方向及び第2方向と異なる第3方向に延在する第3帯体170と、を備える。第1帯体150及び第2帯体160は、支持部材140に接続された状態で、中央領域241に回転軸Rを備え、回転軸Rを中心にして、拡張部230の周囲を回転可能に構成される。第3帯体170は、支持部材140に接続された状態で、患者の指同士の間に配置するように構成される。拡張部材130は、第3帯体170の長手方向と直交する方向において、第1帯体150及び第2帯体160の可動範囲と重ならない位置で、湾曲領域242に固定される。
上記のように構成した止血器具100によれば、第1帯体150及び第2帯体160は、拡張部材130が第1帯体150及び第2帯体160の可動範囲と重ならない位置で支持部材140に固定されるため、術者が第1帯体150及び第2帯体160を移動させるとき、支持部材140と拡張部材130との固定部(例えば、カシメピン234)に接触しない。このため、第1帯体150及び第2帯体160の可動性が阻害されず、第1帯体150及び第2帯体160を手Hに支障なく巻き付けることができる。また、第1帯体150及び第2帯体160は、第2領域142に接続された状態で、支持部材140の中央領域241に位置する回転軸Rを中心にして回転することができる。そのため、止血器具100は、拡張部材130の拡張部230を患者の手Hに形成された穿刺部位p1に配置しつつ、支持部材140に対して上記2つの帯体150、160を回転させることにより、患者の手Hに対する上記2つの帯体の回転位置を調整することができる。また、止血器具100は、第3帯体170の長手方向と直交する方向において拡張部材130が一対の第2孔部147a、147bの間で固定されないため、支持部材140上に拡張部材130の拡張部230を配置するための広い領域も確保することができる。
支持部材140は、第3帯体170の長手方向と直交する方向において、中央領域241から支持部材140の縁部に向かって拡張部材130の拡張部230側に向かって湾曲する(第2湾曲領域148bを参照)。支持部材140の湾曲領域242は、第3帯体170の長手方向の軸心(長軸C)から第1帯体150側及び第2帯体160側に向かって傾斜部243を形成する。拡張部材130の突出部231は傾斜部243に固定される。
上記のように構成した止血器具100によれば、拡張部材130は、拡張部230を拡張したとき、空間Sによって拡張部材130の拡張部230が穿刺部位p1に向かう方向に対して横方向へ広がることが抑えられ、しかも、支持部材140の第2湾曲領域148bによって、第3帯体170の長手方向と直交する方向へ広がることが抑えられる。この結果、拡張部材130による穿刺部位p1に対する圧迫力が分散されることを一層防止でき、穿刺部位p1に対して一層効果的に圧迫力を付与することができる。
拡張部材130の突出部231は、第3帯体170の長手方向の軸心(長軸C)に対して左右対称な位置において、湾曲領域242に固定される。
上記のように構成した止血器具100によれば、拡張部材130の拡張部230を拡張したとき、拡張部230の縁部230aと支持部材140の湾曲領域242との間に空間Sを形成できる。拡張部材130の突出部231が第3帯体170の長軸Cに対して左右対称な位置で固定されるため、空間Sは、第3帯体170の長軸Cに対して左右対称となる。このため、患者の右手H1又は左手のいずれに支持部材140を配置した場合であっても、拡張部材130による穿刺部位p1に対する圧迫力が分散されることを防止し、穿刺部位p1に対して効果的に圧迫力を付与することができる。
支持部材140又は拡張部材130の拡張部230の少なくとも一方は、支持部材140の中央領域241に位置し、患者の止血すべき部位に位置合わせするためのマーカー135を備える。拡張部材130の突出部231は、支持部材140の湾曲領域242に少なくとも4箇所の固定部(例えばカシメピン234)によって固定され、拡張部230を挟んで対向する2箇所の固定部を通る2本の直線237の交点は、マーカー135に位置する。
上記のように構成した止血器具100によれば、マーカー135は、支持部材140の中央領域241に位置し、かつ、2本の直線237の交点がマーカー135に位置する。そのため、術者が穿刺部位p1にマーカー135を介して拡張部材130を固定し、かつ、拡張部材130の拡張部230を拡張したとき、拡張部230の縁部230aと支持部材140の湾曲領域242との間に形成される空間Sは、マーカー135を通る第3帯体170の長軸Cに対して左右対称となる。したがって、止血器具100は、支持部材140の中央領域241においてマーカー135が位置する拡張部230の中央付近を圧迫する構造となり、患者の右手H1又は左手のいずれに支持部材140を配置した場合であっても、拡張部材130による穿刺部位p1に対する圧迫力が分散されることを防止し、穿刺部位p1に対して効果的に圧迫力を付与することができる。
<支持部材と拡張部材との固定構造の変形例>
図17~図20(A)(B)(C)は、支持部材140に拡張部材130を固定する構造の種々の変形例を示している。
実施形態においては、支持部材140と拡張部材130とを、カシメピン234を用いて、4個所で固定する例を示したが、本発明はこの場合に限定されない。固定する手段、固定する場所、固定する個所などは適宜変更可能である。
変形例1においては、図17に示すように、突出部231の凸部233は、融着又は接着によって、支持部材140の湾曲領域242に固定される。図7に破線によって示される円238は、凸部233と湾曲領域242との融着又は接着された範囲を模式的に示している。この場合、湾曲領域242に取り付け孔242aは形成されていない。固定する場所、固定する個所は、実施形態と同様である。
変形例2においては、図18に示すように、拡張部材130の大きさは、実施形態における拡張部材130の大きさに比べて小さい。突出部231の凸部233は、支持部材140の第1領域141内に4個所で固定される。固定は、カシメピン234、融着又は接着である。
変形例3においては、図19に示すように、変形例2と同様に、拡張部材130の大きさは、実施形態における拡張部材130の大きさに比べて小さい。突出部231の凸部233は、支持部材140の第1領域141内に2個所で固定される。固定は、カシメピン234、融着又は接着である。
変形例4においては、図20(A)、図20(B)、図20(C)に示すように、拡張部材130は、突出部231に蛇腹部239を備えている。拡張部材130は、拡張部230が拡張したとき、蛇腹部239を備えることによって、突出部231の長さを長くでき、拡張部230の縁部230aと支持部材140の湾曲領域242との間に形成される空間Sの大きさを調整できる。さらに、図示例のように、遠位側(手指側)の突出部231にのみ蛇腹部239を備えておき、遠位側(手指側)に形成される空間Sの大きさと、近位側(前腕部A側)に形成される空間Sの大きさとを異ならせることができる。そのため、例えば、患者の右手H1の甲Hb側を走行する手掌動脈のスナッフボックスよりも遠位側に位置する遠位橈骨動脈に形成した第2穿刺部位p2(図21を参照)に拡張部230を配置した際、拡張部材130の拡張部230の拡張方向が近位側(前腕部A側)になり、穿刺部位が位置する血管が血管よりも身体の内側に位置する骨に当たりやすくなる。このため、止血効果を高めることができる。
以上、実施形態を通じて本発明に係る止血器具を説明したが、本発明は明細書において説明した内容のみに限定されるものでなく、特許請求の範囲の記載に基づいて適宜変更することが可能である。
実施形態の説明では、拡張部材130における突出部231の凸部233がフランジ部232の外周のうち部分的(4個所)に離間して設けられている構成を例示した。ただし、拡張部材130は、拡張部230を拡張した状態で、拡張部230の縁部230aと支持部材140の湾曲領域242との間に空間Sを形成できる限りにおいて、凸部233を突出部231のフランジ部232の全周にわたって備え、凸部233の全周を介して湾曲領域242に固定する構造を有していてもよい。
実施形態の説明では、第1帯体及び第2帯体が支持部材の回転軸を中心にして回転可能であり、第3帯体が支持部材の回転軸を中心にして回転することができない構成を備える止血器具を例示した。ただし、止血器具は、第3帯体も支持部材の回転軸を中心にして回転できる構成を有していてもよい。
実施形態の説明では、支持部材140が一対の第1孔部145a、145b、一対の第2孔部147a、147bの合計4個の孔部を備える形態を例示した。ただし、孔部の具体的な個数は適宜変更可能である。例えば、一対の第1孔部145a、145bのうち他の第1孔部145bを設けず、合計3個の孔部を備える形態としてもよい。
実施形態の説明では、各帯体は支持部材の各孔部に接続された状態で、支持部材の回転軸を中心にして回転可能に構成されていた。ただし、各帯体を支持部材に接続するための構造は、支持部材に設けられた孔部に限定されない。各帯体を支持部材に接続するための構造は、例えば、支持部材及び各帯体の一方に設けられた凸部と、支持部材及び各帯体の他方に設けられ、上記凸部をスライド移動可能に保持する溝とによって構成することも可能である。
実施形態の説明では、手の甲に形成された穿刺部位を止血するための止血器具を例示した。ただし、止血器具は、手の掌に形成された穿刺部位を止血するために使用することも可能である。また、止血器具を患者に装着する際の各帯体の配置は図示により説明した位置に限定されることはなく、適宜変更することが可能である。例えば、第3帯体は、親指と人差し指の間に位置する指間部以外の指間部に配置することも可能である。また、止血器具は、手と同様に、指等の動きがある部分が多い足に使用してもよい。例えば、止血器具は、患者の足(例えば、足背、足底など)に形成された穿刺部位を止血するために使用してもよい。
止血器具の各部の形状や寸法等は、止血すべき部位に拡張部材を配置可能な限り、特に限定されることはなく、適宜変更することが可能である。
100 止血器具
120 固定部材
130 拡張部材
133 内腔
135 マーカー
140 支持部材
140a 支持部材の一の面
140b 支持部材の他の面
141 支持部材の第1領域
142 支持部材の第2領域
145a 一の第1孔部(一対の第1孔部)
145b 他の第1孔部(一対の第1孔部)
147a 一の第2孔部(一対の第2孔部)
147b 他の第2孔部(一対の第2孔部)
148a 第1湾曲領域
148b 第2湾曲領域
150 第1帯体(固定部材、第1帯体部)
151 第1の一端部
153 第1の他端部
155 第1の本体部
160 第2帯体(固定部材、第2帯体部)
161 第2の一端部
163 第2の他端部
165 第2の本体部
170 第3帯体(固定部材、第3帯体部)
171 第3の一端部
173 第3の他端部
175 第3の本体部
230 拡張部
230a 拡張部の縁部
231 突出部
232 フランジ部
233 凸部
233a 貫通孔
234 カシメピン(固定部)
239 蛇腹部
241 中央領域
242 湾曲領域
242a 取り付け孔
243 傾斜部
A 前腕部
B 血管(動脈)
H 手
H1 右手
Hb 手の甲
L1 一の第1孔部の孔長
L2 他の第1孔部の孔長
L3 一の第2孔部の孔長
L4 他の第2孔部の孔長
fb 指間部
p1 第1穿刺部位(穿刺部位)
p2 第2穿刺部位(穿刺部位)
R 回転軸
S 空間
θ1、θ2 回転角度

Claims (7)

  1. 患者の肢体の止血すべき部位を圧迫するように構成された拡張部材と、
    前記拡張部材が固定された支持部材と、
    前記支持部材と接続可能に構成され、前記支持部材を前記患者に固定可能に構成された固定部材と、を有し、
    前記拡張部材は、流体の注入により拡張可能に構成された拡張部と、前記拡張部の周囲から突出する突出部と、を備え、
    前記支持部材は、前記支持部材の中央に位置する中央領域と、前記中央領域から前記支持部材の縁部に向かって前記拡張部材の前記拡張部から離れる方向に湾曲する湾曲領域と、を備え、
    前記拡張部材は、前記拡張部が前記中央領域と重なる位置で、前記突出部のみが前記湾曲領域に固定される、止血器具。
  2. 前記突出部は、前記拡張部の周囲に位置するフランジ部と、前記フランジ部から突出する凸部と、を有し、
    前記拡張部材は、前記凸部を介して前記湾曲領域に固定される、請求項1に記載の止血器具。
  3. 前記固定部材は、前記支持部材と接続可能に構成され、前記支持部材から第1方向に延在する第1帯体部と、
    前記支持部材と接続可能に構成され、前記支持部材から前記第1方向と異なる第2方向に延在する第2帯体部と、
    前記支持部材と接続可能に構成され、前記支持部材から前記第1方向及び前記第2方向と異なる第3方向に延在する第3帯体部と、を備え、
    前記第1帯体部及び前記第2帯体部は、前記支持部材に接続された状態で、前記中央領域に回転軸を備え、前記回転軸を中心にして、前記拡張部の周囲を回転可能に構成され、
    前記第3帯体部は、前記支持部材に接続された状態で、患者の指同士の間に配置するように構成され、
    前記拡張部材は、前記第3帯体部の長手方向と直交する方向において、前記第1帯体部及び前記第2帯体部の可動範囲と重ならない位置で、前記湾曲領域に固定される、請求項1又は請求項2に記載の止血器具。
  4. 前記支持部材は、前記第3帯体部の長手方向と直交する方向において、前記中央領域から前記支持部材の縁部に向かって前記拡張部材の前記拡張部側に向かって湾曲し、
    前記支持部材の前記湾曲領域は、前記第3帯体部の長手方向の軸心から前記第1帯体部側及び前記第2帯体部側に向かって傾斜部を形成しており、
    前記拡張部材の前記突出部は前記傾斜部に固定される、請求項3に記載の止血器具。
  5. 前記拡張部材の前記突出部は、前記第3帯体部の長手方向の軸心に対して左右対称な位置において、前記湾曲領域に固定される、請求項3又は請求項4に記載の止血器具。
  6. 前記支持部材又は前記拡張部材の前記拡張部の少なくとも一方は、前記支持部材の前記中央領域に位置し、患者の止血すべき部位に位置合わせするためのマーカーを備え、
    前記拡張部材の前記突出部は、前記支持部材の前記湾曲領域に少なくとも4箇所の固定部によって固定され、前記拡張部を挟んで対向する2箇所の前記固定部を通る2本の直線の交点は、前記マーカーに位置する、請求項1~5のいずれか1項に記載の止血器具。
  7. 前記拡張部材は、前記突出部に蛇腹部を備える、請求項1~6のいずれか1項に記載の止血器具。
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