JP2022035819A - 止血器具 - Google Patents

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Abstract

【課題】患者の手に形成した穿刺部位の位置に合わせて押圧部材を配置することができるとともに、穿刺部位に押圧部材を配置した状態で患者の手の動きが拘束されることを防止でき、かつ、患者の手に簡単に装着することができる止血器具を提供する。【解決手段】止血器具100は、患者の右手H1に形成された各穿刺部位p1、p2を圧迫するように構成された止血部材110と、右手の一部に配置されるように構成された支持部材150と、支持部材を右手の一部に固定するように構成された複数の固定部材161、162、163、164、165と、を備える被覆部材140と、を有し、支持部材は、本体部と、本体部の一部に形成された第1孔部155aと、第1孔部と異なる位置に形成された第2孔部155bと、を有し、止血部材は、第1孔部及び第2孔部の一方の孔部に配置可能に構成されており、本体部は、第1孔部と第2孔部の間に形成された湾曲領域153aを有する。【選択図】図1

Description

本発明は、止血器具に関する。
カテーテル手技の1つとして、患者の腕や手の血管を穿刺して形成された穿刺部位を介して各種の医療用長尺体を血管内に導入し、病変部位に対する処置や治療を行う手技が知られている。例えば、特許文献1には、手を走行する血管(遠位橈骨動脈を含む)へのアクセスを可能にするために形成された穿刺部位を止血する止血器具が開示されている。
特許文献1の止血器具は、患者の手に形成された穿刺部位に圧迫力を付与するバルーンを備える止血部材と、止血部材が配置された被覆部材と、を備える。被覆部材は、手の外周に沿って巻き付けるように配置される巻き付け用の帯体と、手の隣り合う指の間に位置する指間部に配置される指掛け用の帯体と、を備える。
米国特許出願公開第2019/0133602号明細書
医師等の術者(以下、「術者」とする)は、特許文献1の止血器具を使用して患者の手に形成された穿刺部位を止血する際、巻き付け用の帯体を手の外周に沿って巻き付け、さらに指掛け用の帯体を親指と人差し指の間の指間部に配置する。術者は、止血部材を患者の手に形成された穿刺部位及びその周辺部に配置した状態で各帯体を使用して止血器具を固定することにより、止血部材が患者の手に形成された穿刺部位から位置ずれすることを防止できる。
しかしながら、特許文献1に記載された止血器具では、次のような点が課題となりうる。
手を走行する血管の位置が患者ごとに異なったり、患者ごとに体格差があることに起因して、術者は手技の都度、患者の手の異なる位置に穿刺部位を形成することがある。例えば、術者は、手の甲側に位置する解剖学上のスナッフボックスに穿刺部位を形成したり、スナッフボックスよりも末梢側(スナッフボックスよりも手の指先側)の位置に穿刺部位を形成したりすることがある。
特許文献1の止血器具は、患者の手の異なる位置に形成された各穿刺部位に対して併用することを想定していない。そのため、巻き付け用の帯体と止血部材とを接続する接続位置が固定されており、かつ、被覆部材において止血部材が配置された位置も固定されている。したがって、特許文献1の止血器具は、巻き付け用の帯体の患者の手への装着位置の自由度、及び患者の手への止血部材の配置の自由度が低い。
特許文献1の止血器具を患者の手の異なる位置に形成された穿刺部位の止血に使用する場合、一方の穿刺部位(例えば、スナッフボックスに形成した穿刺部位)を止血する際には、患者の手の動作等を妨げることの無いように巻き付け用の帯体を患者の手の適切な位置に配置することが可能であると考えられる。一方で、特許文献1の止血器具が他の穿刺部位(例えば、スナッフボックスよりも末梢側の位置に形成された穿刺部位)の止血に使用される場合、巻き付け用の帯体を本来は装着が想定されていない位置(例えば、スナッフボックスよりも手の末梢側に近接する位置)に巻き付けることになる。巻き付け用の帯体がスナッフボックスよりも手の末梢側に近接する位置に巻き付けられた場合、巻き付け用の帯体が手の動きを拘束してしまう。巻き付け用の帯体を上記のように手に装着した状態で患者が手を広げる等の動作を行うと、巻き付け用の帯体が手からずれてしまう。巻き付け用の帯体が手からずれると、巻き付け用の帯体に接続された止血部材が手に形成された穿刺部位からずれてしまう。そのため、特許文献1の止血器具は、手に形成された穿刺部位を適切かつ安定的に止血することが困難となる。
本発明は、上記課題を鑑み、患者の手に形成した穿刺部位の位置に合わせて押圧部材を配置することができるとともに、穿刺部位に押圧部材を配置した状態で患者の手の動きが拘束されることを防止でき、かつ、患者の手に簡単に装着することができる止血器具を提供することを目的とする。
本発明に係る止血器具は、患者の手に形成された穿刺部位を圧迫するように構成された止血部材と、前記手の一部に配置されるように構成された支持部材と、前記支持部材を前記手の一部に固定するように構成された固定部材と、を備える被覆部材と、を有し、前記支持部材は、本体部と、前記本体部の一部に形成された第1孔部と、前記第1孔部と異なる位置に形成された第2孔部と、を有し、前記止血部材は、前記第1孔部及び前記第2孔部の一方の孔部に配置可能に構成され、前記本体部は、前記第1孔部と前記第2孔部の間に形成された湾曲領域を有する。
本発明の止血器具によれば、支持部材の異なる位置に形成された第1孔部及び第2孔部に止血部材を選択的に配置することができる。それにより、止血器具は、患者の手に形成された穿刺部位の位置に合わせて止血部材を選択的に配置することができるように構成される。そのため、止血器具は、患者の手に形成された穿刺部位の位置に合わせて被覆部材の配置を変更することなく、各穿刺部位を適切に止血することができる。そのため、止血器具は、止血部材が穿刺部位に配置された際、被覆部材が患者の手の動きを拘束するような位置に配置されることを防止できる。また、止血器具は、支持部材に形成された2つの孔部の間に湾曲領域を有する。そのため、止血器具は、患者の手に形成された穿刺部位を止血する際、支持部材の湾曲領域が基点となって2つの孔部のいずれかに配置された止血部材を患者の手の外周面に沿って押し付けることができる。それにより、患者の手に形成された穿刺部位に対して効果的に圧迫力を付与することができる。加えて、止血器具は、患者の手に形成された穿刺部位に止血部材を配置する際、患者の手に位置する腱(例えば、長母指伸筋腱)に支持部材の湾曲領域を配置することができる。止血器具は、上記のように湾曲領域が患者の手に配置されることにより、患者が手を動作させた際、患者の手の動作に伴う腱の動作が支持部材へ伝わることを抑制できる。そのため、止血器具は、患者の手に形成された穿刺部位に対して止血部材が適切に圧迫力を伝えることができる。
実施形態に係る止血器具を示す図であって、各帯体の外面側から見た平面図である。 実施形態に係る止血器具を示す図であって、各帯体の内面側から見た平面図である。 各帯体の外面側から見た止血器具の一部を拡大して示す平面図である。 各帯体の内面側から見た止血器具の一部を拡大して示す平面図である。 各帯体の内面側から見た止血器具の一部を拡大して示す平面図である。 図5に示す矢印6A-6Aに沿う止血器具の部分断面図であって、拡張部材が拡張した際の様子を示す図である。 各帯体の内面側から見た止血器具の平面図であって、支持部材の各孔部に止血部材を接続する前後の様子を示す図である。 支持部材の斜視図である。 止血器具の使用対象となる患者の手(右手)を示す図である。 止血器具の第1使用例を簡略的に示す図である。 止血器具の第1使用例を簡略的に示す図である。 止血器具の第1使用例を簡略的に示す図である。 止血器具の第1使用例を簡略的に示す図である。 図13に示す矢印14A-14Aに沿う部分断面図である。 止血器具の第2使用例を簡略的に示す図である。 図15に示す矢印16A-16Aに沿う部分断面図である。 変形例1に係る止血器具の一部を拡大して示す平面図である。 変形例1に係る止血器具の使用例を簡略的に示す図である。 変形例2に係る止血器具の平面図である。
以下、添付した図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。以下の記載は特許請求の範囲に記載される技術的範囲や用語の意義を限定するものではない。また、図面の寸法比率は説明の都合上誇張されており、実際の比率とは異なる場合がある。
図1~図8は、本実施形態に係る止血器具100を説明するための図、図9~図16は、止血器具100の使用例を説明するための図である。
止血器具100は、例えば、図9、図13、図14、図15、図16に示すように、患者の前腕部Aよりも遠位側(手指側)に位置する手Hに形成された穿刺部位(例えば、後述する各穿刺部位p1、p2)に留置していたイントロデューサー200のシースチューブを抜去する際、その穿刺部位を止血するために使用することができる。
止血器具100の止血対象となる穿刺部位の具体的な位置は特に限定されないが、本実施形態では下記の第1穿刺部位p1及び第2穿刺部位p2を例示する。
第1穿刺部位p1は、図9、図13、図14に示すように、患者の前腕部Aよりも遠位側に位置する右手H1(手H)の甲Hb側を走行する手掌動脈のスナッフボックスに位置する動脈B1(以下、「血管B1」とも称する)に形成された穿刺部位である。なお、スナッフボックスは、患者が手Hの親指を広げた際に橈骨付近に位置する手の空洞である。
第2穿刺部位p2は、図9、図15、図16に示すように、患者の右手H1の甲Hb側を走行する手掌動脈のスナッフボックスよりも遠位側に位置する遠位橈骨動脈B2(以下、「血管B2」とも称する)に形成した穿刺部位である。第2穿刺部位p2は、患者の右手H1の甲Hbに位置する長母指伸筋腱t1を基準にして第1穿刺部位p1よりも右手H1の遠位側に位置する。
また、図9には、患者の右手H1に形成された第1穿刺部位p1及びその周辺部を含む第1穿刺スポットs1と、患者の右手H1に形成された第2穿刺部位p2及びその周辺部を含む第2穿刺スポットs2を例示している。
第1穿刺スポットs1は、スナッフボックス周辺の所定の範囲を含む。第1穿刺スポットs1は、患者の右手H1の遠位側に向けて先細る略二等辺三角形の形状を有する。また、第1穿刺スポットs1には、患者が右手H1の親指を広げた際、長母指伸筋腱t1よりも患者の右手H1の内側に窪む凹部が形成される。
第2穿刺スポットs2は、長母指伸筋腱t1を基準にしてスナッフボックスよりも患者の右手H1の遠位側の所定の範囲を含む。第2穿刺スポットs2は、患者の右手H1の近位側に向けて先細る略二等辺三角形の形状を有する。また、第2穿刺スポットs2には、患者が右手H1の親指を広げた際、長母指伸筋腱t1よりも患者の右手H1の内側に窪む凹部が形成される。
なお、明細書の説明では、患者の右手H1に形成された第1穿刺部位p1を単に「第1穿刺部位p1」とも記載し、患者の右手H1に形成された第2穿刺部位p2を単に「第2穿刺部位p2」とも記載する。
以下、止血器具100について詳述する。
止血器具100は、概説すると、図1、図2、図13、図14に示すように、第1穿刺部位p1を圧迫するように構成された止血部材110と、支持部材150及び複数の固定部材161、162、163、164、165を備える被覆部材140と、を備える。
<止血部材>
止血部材110は、図6、図14、図16に示すように、各穿刺部位p1、p2を圧迫するように構成された拡張部材120と、拡張部材120と連結され、手指での把持が可能に構成された把持部材130と、を有する。
本実施形態では、止血部材110は、後述する支持部材150の第1孔部155a及び第2孔部155bの一方の孔部に配置可能に構成されている(図6、図7を参照)。なお、図1~図6に示す図面では、止血部材110を第1孔部155aに配置した状態を例示している。また、図6では、図5に示す矢印6A-6Aで示す断面を上下反転させて示している。
拡張部材120は、例えば、空気等の流体が流入可能な内腔123を備える樹脂製のバルーンで構成することができる。図6、図14には、拡張部材120が拡張された状態の断面図を示している。
拡張部材120の内腔123には、後述するチューブ128(図1を参照)が連結されている。
拡張部材120は、図6に示すように、第1孔部155aに止血部材110を配置した状態において、支持部材150の一の面150a側に配置される。支持部材150の一の面150aは、止血器具100を患者の右手H1に装着した際に患者の右手H1の体表面側に配置される面(内面)である。また、支持部材150の他の面150bは、一の面150aの反対側に位置する面(外面)である。
拡張部材120は、図6に示すように、把持部材130の凸部131の底部及びフランジ部133に接続することができる。なお、拡張部材120は、把持部材130の凸部131の底部又はフランジ部133の一方のみに接続していてもよい。
拡張部材120と凸部131の底部及びフランジ部133の接続には、例えば、融着や接着を採用することができる。なお、拡張部材120は、所定の接続部材(樹脂製のシート材等)を介して凸部131の底部及びフランジ部133に接続してもよい。
拡張部材120は、図1~図5に示す平面視において、円形を有する。ただし、平面視における拡張部材120の形状は円形に限定されない。また、拡張部材120の拡張前後における断面形状、拡張部材120の構成材料、拡張部材120の具体的な構造等についても特に制限はない。例えば、拡張部材120の外面(止血器具100を患者の右手H1に装着した際に、患者の右手H1の体表面側に配置される面)には、患者の右手H1の体表面に対する密着性を高めるためのゲル等を配置することができる。
拡張部材120には、図4、図5、図6、図13、図14に示すように、拡張部材120を第1穿刺部位p1に位置合わせするためのマーカー125を配置している。
マーカー125は、図6に示すように、拡張部材120の外面に配置している。また、マーカー125は、図5に示すように、拡張部材120の面方向の略中心位置に配置している。
マーカー125は、例えば、マーカー125全体が有色で形成された矩形形状のマーカーで形成することができる。なお、マーカー125の具体的な形状、色、形成方法、拡張部材120に形成する位置等は特に限定されない。例えば、マーカー125は、透明な中心部と、その中心部を囲む有色の線状の枠部とから構成されてもよい。また、例えば、マーカー125は、把持部材130の凸部131の底部(図6を参照)に設けてもよい。
止血部材110は、第1穿刺部位p1に対して圧迫力を付与するための部材としてバルーンで構成された拡張部材120以外の部材を備えていてもよい。バルーンで構成された拡張部材120以外の部材としては、例えば、プラスチック等の樹脂材料やゲル等で構成された部材、時間経過に応じて含水率が低下して圧迫力を徐々に減少させるゲルを含む部材、スポンジ状の物質等の弾性材料、綿(わた)のような繊維の集合体、金属、所定の立体形状を備える部材(球状、楕円体、三角錐等)、これらを適宜組み合わせたもの等を用いることができる。
把持部材130は、図6に示すように、支持部材150の第1孔部155a及び第2孔部155bを挿通可能な凸部131と、凸部131(凸部131の底部)の外側に突出するフランジ部133と、を有する。
凸部131は、フランジ部133から離間する方向に突出している。「フランジ部133から離間する方向」は、図6に示す断面図の上方向である。また、フランジ部133の突出方向を意味する「凸部131の外側」は、凸部131の突出方向と交差する側の方向であり、図6に示す断面図の左右方向である。
凸部131は、円筒形状を有する。また、凸部131は、図5、図7に示す平面視において円形を有する。本実施形態では、凸部131の面方向の中心位置は、拡張部材120の面方向の中心位置(マーカー125が配置された位置)と重なる位置に配置している。
フランジ部133は、平面視において、凸部131よりも大きな外形を持つ円形に形成されている。
支持部材150の第1孔部155a及び第2孔部155bは、図5、図7に示す平面視において、円形を有する。
凸部131は、支持部材150の第1孔部155a及び第2孔部155bよりも小さな外形を有する。そのため、凸部131は、図6、図14、図16に示すように、支持部材150の第1孔部155a及び第2孔部155bを挿通することができる。
止血器具100は、図7に示すように、第1孔部155a及び第2孔部155bに凸部131を選択的に挿入することができる。
フランジ部133は、図7に示すように、支持部材150の第1孔部155a及び第2孔部155bよりも大きな外形を有する。そのため、フランジ部133は、図6、図14、図16に示すように、支持部材150の第1孔部155a及び第2孔部155bを挿通することができない。フランジ部133は、凸部131が支持部材150の第1孔部155a及び第2孔部155bを挿通した状態において、支持部材150の第1孔部155a及び第2孔部155bの周辺部に突き当たる。それにより、止血部材110は、フランジ部133が支持部材150の第1孔部155a及び第2孔部155bを通り抜けて、支持部材150の他の面150b側へ抜け出ることを防止できる。止血部材110は、凸部131が支持部材150の第1孔部155a及び第2孔部155bに挿通された状態において、凸部131の底部及びフランジ部133に接続された拡張部材120を支持部材150の一の面150a側に配置された状態に維持することができる。
凸部131は、例えば、図6に示すように、凸部131が支持部材150の第1孔部155a又は第2孔部155bを挿通した状態において、支持部材150の他の面150b側に所定の長さだけ突出するような大きさ(高さ)を備えることが好ましい。このように凸部131を構成することにより、支持部材150に止血部材110を配置した状態において、術者は、支持部材150の他の面150b側から把持部材130を手指で把持して操作することが可能になる。
凸部131は、図6に示すように、凸部131の底部側に向けて窪んだ凹部134を有する。凹部134は、凸部131の内部に空間を形成するように凸部131の高さ方向に沿って延びている。
拡張部材120、把持部材130、及び接続部材139の各々において、図4、図5に示す平面視で互いに重なる部分は、例えば、透明に形成することができる。このように拡張部材120、把持部材130、及び接続部材139を構成した場合、図10~図13に示すように、止血器具100を患者の右手H1に装着する際、術者が各部材120、130、139を介してマーカー125及び/又は第1穿刺部位p1の位置を目視で簡単に確認することが可能になる。特に、凹部134の底部をなす領域(凸部131の底部)は、術者が支持部材150を他の面150b側から目視した際、拡張部材120に配置されたマーカー125や第1穿刺部位p1の位置をより簡単に確認することができるようにするために、透明に形成することがより好ましい。なお、本明細書における「透明」には、有色透明、無色透明、半透明が含まれる。
<被覆部材>
被覆部材140は、図1、図2、図13に示すように、患者の右手H1の一部に配置されるように構成された支持部材150と、支持部材150を患者の右手H1の一部に固定するように構成された複数の固定部材161、162、163、164、165と、支持部材150に接続された複数の帯体170、180、190と、を備える。
支持部材150は、図5、図6、図8に示すように、本体部153と、本体部153の一部に形成された第1孔部155aと、第1孔部155aと異なる位置に形成された第2孔部155bと、を有する。
本体部153は、図5、図8に示すように、支持部材150の先端部151と支持部材150の基端部152との間に位置する。
支持部材150の先端部151は、図13、図15に示すように、止血器具100を患者の右手H1に装着した際に、各穿刺部位p1、p2よりも患者の右手H1の遠位側の位置に配置される部分である。支持部材150の基端部152は、図13、図15に示すように、止血器具100を患者の右手H1に装着した際に、各穿刺部位p1、p2よりも患者の右手H1の近位側(前腕部A側)の位置に配置される部分である。
本体部153は、図5、図6、図8に示すように、第1孔部155aと第2孔部155bの間に形成された湾曲領域153aを有する。
支持部材150は、図5、図8に示すように、第1孔部155aと第2孔部155bの間を通る中心線Mに対して直交する方向に位置する一端部154及び他端部155の両端部側から本体部153の中央側に向けて湾曲している。具体的には、支持部材150は、図6に示す断面の左右両側から本体部153側に向けて凸状に湾曲している。そのため、本体部153には、図5、図8に示すように、中心線Mに沿って湾曲領域(湾曲頂点)が延在している。なお、中心線Mは、図5に示すように、先端部151と基端部152とを結ぶ直線であって、かつ、第1孔部155aの中心c1と第2孔部155bの中心c2を結ぶ直線L1に対して直交する直線で定義することができる。
第1孔部155aと第2孔部155bは、図5、図6、図7に示すように、湾曲領域153aを間に挟んで、所定の距離だけ離間した位置に形成されている。
本実施形態では、第1孔部155aと第2孔部155bは、図5に示す平面視において、上下方向及び左右方向の異なる位置に配置されている。そのため、図13、図15に示すように、患者の右手H1に支持部材150を配置した際、第1孔部155aと第2孔部155bの各々は、患者の右手H1の遠位側及び近位側の異なる位置、及び患者の右手H1の外周方向の異なる位置に配置することができる。
図6に示すように、第1孔部155a及び第2孔部155bは、支持部材150を厚み方向に貫通する孔で構成されている。第1孔部155a及び第2孔部155bの形状や大きさは、止血部材110を配置可能な限り特に限定されない。例えば、第1孔部155a及び第2孔部155bは、後述する変形例で示すように、把持部材130のフランジ部133の形状に合わせて円形以外の形状を有していてもよい(図17を参照)。
図8に示すように、支持部材150の基端部152には、基端湾曲部152aが形成されている。
基端湾曲部152aは、支持部材150を患者の右手H1に配置した際に患者の右手H1から離間する方向(図14の断面図の上方向)へ向けて凸状に湾曲している。
支持部材150は、所定の硬さを有する材料で構成することが好ましい。支持部材150が所定の硬さを有するように構成されている場合、図14、図16に示すように第1穿刺部位p1及び第2穿刺部位p2に対して拡張部材120が圧迫力を付与する際、支持部材150が患者の右手H1に対して拡張部材120を押さえ付けることができる。それにより、拡張部材120が患者の右手H1から浮き上がることを防止できる。
上記のような硬さを備える支持部材150の構成材料としては、例えば、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル(特に硬質ポリ塩化ビニル)、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブタジエンのようなポリオレフィン、ポリスチレン、ポリ-(4-メチルペンテン-1)、ポリカーボネート、ABS樹脂、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリアセタール、ポリアクリレート、ポリアクリロニトリル、ポリフッ化ビニリデン、アイオノマー、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合体、ポリエチレンテレフタレート(PET)等を用いることができる。
被覆部材140は、図1、図2、図3、図4に示すように、支持部材150から第1方向に延在する第1帯体170と、支持部材150から第1方向と異なる第2方向に延在する第2帯体180と、支持部材150から第1方向及び第2方向と異なる第3方向に延在する第3帯体190と、を有する。
第1帯体170は、図13に示すように、患者の右手H1の一部を覆うように支持部材150を配置した状態で、患者の右手H1の親指と人差し指の間に位置する指間部fbに引っ掛けるように配置することができる。
第2帯体180及び第3帯体190は、図13、図15に示すように、者の右手H1の一部を覆うように支持部材150を配置した状態で、患者の右手H1の外周に沿って巻き付けるように配置することができる。
支持部材150の幅は、図5に示すように、第2帯体180側から第3帯体190側に向かって小さくなっている。
上記の「第2帯体180側」とは、支持部材150において第2帯体180が接続された他端部155側である。また、上記の「第3帯体190側」とは、支持部材150において第3帯体190が接続された一端部154側である。つまり、支持部材150は、図5に示す平面図において、他端部155側に近接する部分の幅W1が一端部154側に近接する部分の幅W2よりも大きくなっている。
図5に示すように、支持部材150の第1孔部155a及び第2孔部155bは、第1帯体170と第3帯体190の間に位置する。
上記の「第1帯体170と第3帯体190の間に位置する」とは、図5に示す平面視において、第3帯体190(図3に示す第3帯体190の第3の一端部191)を第1帯体170側(先端部151側)に延長した投影領域K1と重なる範囲に位置することを意味する。つまり、支持部材150の第1孔部155a及び第2孔部155bは、図5に示す投影領域K1内に位置する。
本実施形態に係る止血器具100では、患者の右手H1に形成された第1穿刺部位p1及び第2穿刺部位p2を止血対象として想定している(図9を参照)。
術者は、第1穿刺部位p1を止血する際、支持部材150の本体部153を患者の右手H1の甲Hbの一部に配置することにより、湾曲領域153aを患者の右手H1の長母指伸筋腱t1と重なる位置に配置しつつ、第1孔部155aを第1穿刺部位p1と重なる位置に配置することができる(図13を参照)。また、第1孔部155aと第2孔部155bは、湾曲領域153aを間に挟んで互いに所定の距離だけ離間した位置に形成されている。そのため、術者は、長母指伸筋腱t1を間に挟んで第1穿刺部位p1と異なる位置に形成された第2穿刺部位p2を止血する際、湾曲領域153aを患者の右手H1の長母指伸筋腱t1と重なる位置に配置しつつ、第2孔部155bを第2穿刺部位p2と重なる位置に配置することができる(図15を参照)。
なお、支持部材150上における湾曲領域153a、第1孔部155a、及び第2孔部155bの相対的な位置関係は、患者の右手H1の長母指伸筋腱t1及び各穿刺部位p1、p2の位置に基づいて任意に設定することができる。
第1帯体170、第2帯体180、及び第3帯体190は、図5に示すように、支持部材150の中心線Mと重なる位置には配置されていない。つまり、各帯体170、180、190は、図5に示す平面視において、支持部材150の中心線Mの延在方向に対して交差する方向に延在している。
第1帯体170は、図1、図2、図3、図4に示すように、第1の本体部175と、支持部材150に接続された第1の一端部171と、自由な第1の他端部173と、を有する。
本明細書における「自由な他端部」とは、止血器具100の未装着状態(患者に止血器具を装着していない状態)において、他の部材と直接又は間接的な接続関係が無いことを意味する。
第2帯体180は、図1、図2、図3、図4に示すように、第2の本体部185と、支持部材150に接続された第2の一端部181と、自由な第2の他端部183と、を有する。
第3帯体190は、図1、図2、図3、図4に示すように、第3の本体部195と、支持部材150に接続された第3の一端部191と、自由な第3の他端部193と、を有する。
各帯体170、180、190の各一端部171、181、191は、例えば、図1に示すように、支持部材150の他の面(外面)150bに接着や溶着で接続することができる。
各帯体170、180、190の構成材料は特に限定されないが、例えば、塩化ビニル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂等で構成することができる。また、各帯体170、180、190の形状、長さ、厚み、支持部材150に対する接続位置、各帯体170、180、190の間の角度等について特に制限はない。
止血器具100は、図1、図2、図3、図4に示すように、第1固定部材161、第2固定部材162、第3固定部材163、第4固定部材164、第5固定部材165の5つの固定部材を備える。
図1、図3に示すように、第2帯体180の外面には第1固定部材161を配置している。第3帯体190の外面には第2固定部材162を配置している。
図2、図4に示すように、第2帯体180の内面には第3固定部材163を配置している。第3帯体190の内面には第4固定部材164を配置している。第1帯体170の内面には第5固定部材165を配置している。
なお、各帯体170、180、190の「内面」は、止血器具100を患者に装着した際に患者の体表面側に配置される面であり、各帯体170、180、190の「外面」は、内面と反対側に位置する面である。
第1固定部材161及び第2固定部材162は、面ファスナーの雄側で構成している。第3固定部材163、第4固定部材164、及び第5固定部材165は、面ファスナーの雌側で構成している。本明細書における面ファスナーは、面的に着脱可能なファスナーであり、例えば、Magic Tape(登録商標)やVelcro(登録商標)である。
なお、各固定部材161、162、163、164、165は、止血器具100を患者の右手H1に配置した状態で各帯体170、180、190同士を接続することにより、被覆部材140を患者の右手H1に固定することが可能な限り、具体的な構造は限定されない。例えば、一部の固定部材の設置の省略や各帯体170、180、190において固定部材を配置する位置の変更等は任意に行いうる。また、各固定部材161、162、163、164、165を面ファスナーで構成する場合、面ファスナーの雄側と雌側を入れ替えた構成としてもよい。また、各固定部材161、162、163、164、165は、例えば、スナップ、ボタン、クリップ、孔部が形成された枠部材等であってもよい。
<注入部>
止血部材110は、図1、図2に示すように、拡張部材120に流体を注入するための注入部126を有する。
注入部126は、逆止弁(図示せず)を内蔵するコネクタで構成している。注入部126にはシリンジ(図示せず)を接続することができる。
注入部126と拡張部材120との間には、拡張可能な空間を有する緩衝部材127を配置している。緩衝部材127は、内部に空間が形成された可撓性を備える袋状の部材で構成している。なお、緩衝部材127には注入部126へのシリンジの挿入方向を示す矢印状のマーカーを設けてもよい。
緩衝部材127の一端側には注入部126を接続している。注入部126の内腔は、緩衝部材127の空間と連通している。ただし、注入部126に内蔵された逆止弁が閉じている間は、注入部126の内腔と緩衝部材127の空間との連通は遮断されている。
緩衝部材127の他端側には可撓性を備えるチューブ128が接続されている。チューブ128の内腔は、緩衝部材127の空間と連通している。また、チューブ128は、緩衝部材127と接続された一端部と反対側の他端部が拡張部材120に接続されている。チューブ128の内腔は、拡張部材120の内腔123と連通している。
術者は、拡張部材120を拡張させる際、注入部126にシリンジ(図示せず)の先筒部を挿入して逆止弁を開く。術者は、注入部126の逆止弁を開いた状態で、シリンジの押し子を押すことにより、シリンジ内の空気を拡張部材120の内腔123に注入する。
拡張部材120の内腔123に空気が注入されると、拡張部材120が拡張する。拡張部材120が拡張すると、チューブ128を介して拡張部材120の内腔123と連通する緩衝部材127が膨張する。術者は、緩衝部材127の膨張を目視により確認することにより、空気が漏れること無く、拡張部材120が拡張したことを簡単に把握することができる。
術者は、拡張部材120を収縮させる際、注入部126にシリンジの先筒部を挿入して、シリンジの押し子を引く。術者は、上記の操作を行うことにより、拡張部材120の内腔123の空気をシリンジへ排出することができる。
なお、注入部126、緩衝部材127、及びチューブ128は、止血部材110と連結れた状態で準備及び提供されるようにしてもよいし、止血部材110とは分離された状態で準備及び提供されるようにしてもよい。
<止血器具の使用例>
次に、図9~図14を参照して、止血器具100の第1使用例を説明する。
第1使用例では、図9に示すように、患者の右手H1に形成した第1穿刺部位p1を止血する際の止血器具100の使用手順を説明する。
図10には、患者の右手H1に形成された第1穿刺部位p1にイントロデューサー200のシースチューブを挿入して各種の手技を実施し終えた状態を示している。
術者は、第1穿刺部位p1を止血するに際し、支持部材150の第1孔部155aに止血部材110を配置する。
術者は、図6、図7に示すように、支持部材150の一の面150a側から把持部材130の凸部131を第1孔部155aに挿入する。術者は、凸部131を手指で把持することにより、第1孔部155aに凸部131を簡単に挿入することができる。また、止血器具100は、把持部材130のフランジ部133の外形が第1孔部155aの外形よりも大きい。そのため、第1孔部155aに凸部131を挿入する際、支持部材150の他の面150b側にフランジ部133及びフランジ部133に接続された拡張部材120が抜け出ることを防止できる。
術者は、第1孔部155aに止血部材110を配置した状態で、図10に示すように、患者の右手H1の甲Hbの一部に支持部材150を重ねるように配置する。この際、術者は、拡張部材120に配置されたマーカー125の位置を目視で確認しつつ、マーカー125を第1穿刺部位p1に配置することにより、拡張部材120を第1穿刺部位p1に適切に位置決めすることができる。
また、術者は、第1孔部155aに配置された止血部材110の拡張部材120を第1穿刺部位p1に配置することにより、支持部材150の本体部153に形成された湾曲領域153aを長母指伸筋腱t1に配置することができる(図14を参照)。
止血器具100は、第1帯体170、第2帯体180、及び第3帯体190が第1孔部155aと第2孔部155bの間の中心線Mと重なる位置に配置されていない(図5を参照)。そのため、術者は、図10に示すように、患者の右手H1に形成された第1穿刺部位p1にイントロデューサー200の一部が挿入された状態で、患者の右手H1に支持部材150を配置する際、支持部材150の中心線Mをイントロデューサー200の軸方向と重ねるように配置することができる。このように支持部材150を配置することにより、止血器具100を患者の右手H1に装着する際、各帯体170、180、190がイントロデューサー200と干渉することを防止できる。それにより、止血器具100を患者の右手H1に簡単に装着することができる。
止血器具100は、把持部材130の凸部131に凹部134が設けられている(図6、図14を参照)。
凸部131において凹部134が設けられた部分には、凸部131の底部側に向けて窪んだ空間が形成されている。そのため、止血器具100は、術者が支持部材150の他の面150b側から凸部131を目視する際、凹部134を通し、凸部131において凹部134が設けられた部分に重ねて配置された部材や物体を視認し易い。すなわち、止血器具100は、術者が支持部材150の他の面150b側から凸部131を目視する際、凸部131において凹部134が設けられた部分に重ねて配置された部材や物体が、凸部131の他の部分に重ねて配置された部材や物体と比較して視認し易いように構成されている。また、凹部134は透明に形成されている。そのため、術者は、止血器具100を患者の右手H1に装着する際、凹部134を目視することにより、凹部134を介して第1穿刺部位p1の位置、及び拡張部材120に配置されたマーカー125の位置を簡単に確認することができる。
なお、術者は、イントロデューサー200を使用した手技を終えた後、止血器具100を患者の右手H1に装着する前に、第1穿刺部位p1からイントロデューサー200のシースチューブの一部を引き抜いてもよい。術者は、例えば、イントロデューサー200のシースチューブが血管B1(図14を参照)に留置された状態で、術者の手元側にシースチューブを2~3cm程度引き抜いた後、止血器具100の装着作業を開始することができる。
術者は、図11、図12に示すように、第2帯体180及び第3帯体190を患者の右手H1の外周に沿って巻き付ける。この際、術者は、各帯体180、190を患者の右手H1の近位側の部分に巻き付けることができる。術者は、各帯体180、190を患者の右手H1の近位側の部分に巻き付けることにより、患者の右手H1の遠位側の部分が各帯体180、190で拘束されることを防止できる。なお、患者の手H(右手H1)の遠位側の部分は、各指、及び親指の付け根の関節から手首までの手Hの掌の部分である。
術者は、第2帯体180の内面に配置された第3固定部材163(図2を参照)を第3帯体190の外面に配置された第2固定部材162(図1を参照)と接触させることにより、各固定部材162、163を介して、第2帯体180と第3帯体190を固定することができる。
術者は、図13に示すように、第1帯体170を患者の右手H1の親指と人差し指の間に位置する指間部fbに通しつつ、第1帯体170の一部を患者の右手H1の掌側に配置する。この際、術者は、第1帯体170の内面に配置された第5固定部材165(図2を参照)を第2帯体180の外面に配置された第1固定部材161(図1を参照)と接触させることにより、各固定部材161、165を介して、第1帯体170と第2帯体180を固定することができる。
術者は、以上のように、第2帯体180及び第3帯体190を患者の右手H1の外周に沿って巻き付けるように配置し、さらに患者の右手H1の親指と人差し指の間の指間部fbに第1帯体170の一部を引っ掛けて配置することにより、止血器具100が患者の右手H1から位置ずれすることを効果的に防止することができる。
術者は、注入部126にシリンジを接続した状態で、拡張部材120に空気を注入することにより、拡張部材120を拡張させる。止血器具100は、図14に示すように、拡張部材120が拡張すると、拡張部材120が第1穿刺部位p1に対して圧迫力を付与する。
止血器具100は、第1孔部155aと第2孔部155bの間に形成された湾曲領域153aを有する。そのため、図14に示すように、止血部材110が配置された第1孔部155aを第1穿刺部位p1に配置しつつ、湾曲領域153aを長母指伸筋腱t1に配置することができる。
止血器具100は、湾曲領域153aを患者の右手H1の外周に沿うように配置した状態で拡張部材120が拡張すると、湾曲領域153aの周辺部が拡張部材120を湾曲領域153a側に向けて斜め方向(図14の矢印z1を参照)に押し付ける。そのため、拡張部材120が拡張した際、拡張部材120は、第1穿刺部位p1が形成された周囲の皮下組織を第1穿刺部位p1側に向けて押し付けることができる。そのため、拡張部材120は、拡張部材120が拡張した際、第1穿刺部位p1に対して効果的に圧迫力を付与することができる。また、図13に示すように、止血器具100を患者の右手H1に装着した際、第1孔部155aと第2孔部155bは、患者の右手H1の上下方向の異なる位置に配置される。これにより、止血器具100は、患者の右手H1に装着された際、湾曲領域153aを挟んで第1孔部155aと対向する位置に配置された支持部材150の一部(第2孔部155bが形成されていない領域で、長母指伸筋腱t1を挟んで第1孔部155aと対向する位置に配置された支持部材150の一部)により、図14に示す矢印z3方向で第1孔部155a側に、患者の右手H1の皮下組織を圧迫する。そのため、止血器具100は、患者の右手H1に装着された際、支持部材150の一部により、第1孔部155a付近に位置する第1穿刺部位p1側に、患者の右手H1の皮下組織を圧迫する。したがって、第1孔部155aに配置された拡張部材120は、第1穿刺部位p1に対してより一層効果的に圧迫力を付与することができる。
また、止血器具100は、第1孔部155aと第2孔部155bの間に湾曲領域153aを有するため、湾曲領域153aが患者の右手H1の甲Hbから離間する方向へ向けて突出する長母指伸筋腱t1に配置される。そのため、止血器具100は、患者の右手H1の甲Hbから離間する方向へ向けて突出する長母指伸筋腱t1に湾曲領域153aが配置されることにより、支持部材150の湾曲領域153a以外の他の部分(例えば、平坦な板状の部分)が長母指伸筋腱t1に配置されることを防止できる。例えば、長母指伸筋腱t1に湾曲領域153a以外の他の部分が配置されると、図14に示すように患者の右手H1の外周に沿うように支持部材150を配置することができず、支持部材150が長母指伸筋腱t1によって患者の右手H1から浮き上がってしまう。このように支持部材150を配置した状態で拡張部材120が拡張した場合、拡張部材120は第1穿刺部位p1に対して効果的に圧迫力を付与することができなくなる。
本実施形態に係る止血器具100では、長母指伸筋腱t1に湾曲領域153aを配置することにより、支持部材150が患者の右手H1から浮き上がることを防止できる。また、そのように支持部材150を配置した状態で拡張部材120を拡張させることにより、第1穿刺部位p1に対して効果的に圧迫力を付与することができる。特に、止血器具100は、支持部材150が患者の右手H1から浮き上がることを防止した状態で拡張部材120の拡張を開始させることにより、拡張部材120の拡張量が小さい段階(拡張部材120が低圧下で拡張した段階)においても、第1穿刺部位p1に対して好適に圧迫力を付与することができる。
本実施形態では、支持部材150の幅は、第2帯体180側から第3帯体190側に向かって小さくなる(図5を参照)。そのため、図13に示すように、第1帯体170を親指と人差し指の間の指間部fbに配置し、第3帯体190を親指よりも患者の右手H1の近位側の位置に配置した際、親指よりも近位側の位置で支持部材150が患者の右手H1を覆う範囲が小さくなる。そのため、止血器具100は、患者の右手H1に支持部材150が配置された状態で、親指の可動域が狭められることを防止できる。それにより、患者は、止血器具100が右手H1に装着された状態においても、右手H1の親指及びその周辺部を容易に可動させることができる。
また、本実施形態では、第1孔部155aと第2孔部155bは、第1帯体170と第3帯体190の間に位置する(図5を参照)。そのため、図13に示すように、患者の右手H1に止血器具100を装着した状態において、第1帯体170と第3帯体190との間に配置される親指の可動域周辺で、第1帯体170及び第3帯体190が第1孔部155a及び第2孔部155bを患者の右手H1に押さえ付ける。そのため、患者が右手H1の親指を動作させた際、親指の動作に伴って各孔部155a、155bに配置された止血部材110が各穿刺部位p1、p2から位置ずれすることを防止できる。
また、本実施形態では、フランジ部133の外形が第1孔部155aの外形よりも大きい。そのため、止血部材110を第1孔部155aに配置した際、フランジ部133が支持部材150の一の面150aと当接する。フランジ部133が支持部材150の一の面150aと当接した状態で拡張部材120が拡張すると、支持部材150が拡張部材120を患者の右手H1に押さえ付ける。そのため、拡張部材120は、第1穿刺部位p1に対して効果的に圧迫力を付与することができる。
また、本実施形態では、支持部材150の基端部152には、支持部材150を患者の右手H1に配置した際に右手H1から離間する方向へ向けて凸状に湾曲した基端湾曲部152aが形成されている(図8を参照)。そのため、止血器具100が患者の右手H1に装着された状態で、患者が手首を捻って右手H1を手の甲Hbが前腕部Aに近接する方向(上方向)に動作させた際、基端湾曲部152aは、基端部152側に位置する支持部材150の周縁部が患者の右手H1に当接することを防止する。それにより、止血器具100は、第1穿刺部位p1を止血している間、支持部材150の基端部152側に位置する周縁部が患者の右手H1に当接したり、食い込んだりすることによって患者が不快に感じたり、痛みを感じたりすることを防止できる。
術者は、拡張部材120を拡張させた後、図13に示すようにイントロデューサー200のシースチューブを第1穿刺部位p1から抜去する。術者は、止血器具100を使用して止血を行っている間、第1穿刺部位p1から出血がないことを確認する。術者は、第1穿刺部位p1から出血がある場合、拡張部材120への空気の注入量を調整する。
術者は、以上の手順により、止血器具100を使用して第1穿刺部位p1を止血することができる。
図15、図16には、止血器具100の第2使用例を示している。第2使用例は患者の右手H1に形成した第2穿刺部位p2を止血する際の止血器具100の使用例である。なお、第2使用例の説明では、第1使用例で既に説明した内容は適宜省略する。
術者は、図15に示すように、患者の右手H1に形成された第2穿刺部位p2を止血するに際し、止血器具100を患者の右手H1に装着させる。第2穿刺部位p2は、前述した第1穿刺部位p1よりも患者の右手H1の遠位側に位置する(図9を参照)。
術者は、支持部材150を患者の右手H1の甲Hbの一部に配置する際、第2孔部155bを第2穿刺部位p2に配置し、湾曲領域153aを長母指伸筋腱t1に配置する。また、術者は、第2孔部155bに止血部材110を配置する。
術者は、各帯体180、190を患者の右手H1に巻き付ける。止血器具100は、第1穿刺部位p1に対応した位置に形成された第1孔部155aと、第2穿刺部位p2に対応した位置に形成された第2孔部155bと、を有する。そのため、止血器具100を第2穿刺部位p2の止血に使用する際、各帯体180、190を患者の右手H1に配置する位置は、止血器具100を第1穿刺部位p1の止血に使用する際の位置(図13を参照)から変更する必要がない。そのため、術者は、第2穿刺部位p2を止血するにあたり、各帯体180、190を患者の右手H1の遠位側の部分に巻き付ける必要がない。そのため、止血器具100は、患者の右手H1の遠位側の部分が各帯体180、190で拘束されることを防止できる。
本実施形態では、第1孔部155aと第2孔部155bは、湾曲領域153aを間に挟んで配置されている。そのため、図16に示すように、止血器具100は、湾曲領域153aが長母指伸筋腱t1に配置され、かつ、第2孔部155bに配置された止血部材110が第2穿刺部位p2に配置された状態で、拡張部材120が拡張すると、拡張部材120が湾曲領域153aの配置された側に向けて斜め方向(図16の矢印z2を参照)に圧迫力を付与する。つまり、拡張部材120が第2穿刺部位p2に対して圧迫力を付与する方向は、湾曲領域153aを基準として、図16に示す断面図において、第1孔部155aに配置した拡張部材120が拡張し際に第1穿刺部位p1に対して圧迫力を付与する方向(図14を参照)と略対称の方向となる。拡張部材120が拡張した際、拡張部材120は、第2穿刺部位p2が形成された周囲の皮下組織を第2穿刺部位p2側に向けて押し付けることができる。そのため、拡張部材120は、第2穿刺部位p2に対して効果的に圧迫力を付与することができる。また、図15に示すように、止血器具100を患者の右手H1に装着した際、第1孔部155aと第2孔部155bは、患者の右手H1の上下方向の異なる位置に配置される。そのため、第1孔部155aと第2孔部155bは、患者の右手H1の周方向の異なる位置に配置される。これにより、止血器具100は、患者の右手H1に装着された際、湾曲領域153aを挟んで第2孔部155bと対向する位置に配置された支持部材150の一部(第1孔部155aが形成されていない領域で、長母指伸筋腱t1を挟んで第2孔部155bと対向する位置に配置された支持部材150の一部)により、図16に示す矢印z4方向で第2孔部155b側に、患者の右手H1の皮下組織を圧迫する。そのため、止血器具100は、患者の右手H1に装着された際、支持部材150の一部により、第2孔部155b付近に位置する第2穿刺部位p2側に、患者の右手H1の皮下組織を圧迫する。したがって、第2孔部155bに配置された拡張部材120は、第2穿刺部位p2に対してより一層効果的に圧迫力を付与することができる。
また、止血器具100は、患者の右手H1の甲Hbから離間する方向へ向けて突出する長母指伸筋腱t1に湾曲領域153aが配置されることにより、支持部材150の湾曲領域153a以外の他の部分(例えば、平坦な板状の部分)が長母指伸筋腱t1に配置されることを防止できる。そのため、止血器具100は、支持部材150が長母指伸筋腱t1によって患者の右手H1から浮き上がってしまうことを防止できる。それにより、拡張部材120は、拡張部材120が拡張した際、第2穿刺部位p2に対して効果的に圧迫力を付与することができる。
第1使用例及び第2使用例を通じて説明したように、止血器具100は、患者の右手H1の異なる位置に形成された各穿刺部位p1、p2の止血に使用する場合においても、患者の手Hの遠位側の部分が各帯体180、190で拘束されることのないように患者の手Hに装着させることができる。
以上、本実形態に係る止血器具100は、患者の右手H1に形成された各穿刺部位p1、p2を圧迫するように構成された止血部材110と、患者の右手H1の一部に配置されるように構成された支持部材150と、支持部材150を右手H1の一部に固定するように構成された複数の固定部材161、162、163、164、165と、を備える被覆部材140と、を有する。支持部材150は、本体部153と、本体部153の一部に形成された第1孔部155aと、第1孔部155aと異なる位置に形成された第2孔部155bと、を有する。止血部材110は、第1孔部155a及び第2孔部155bの一方の孔部に配置可能に構成されている。本体部153は、第1孔部155aと第2孔部155bの間に形成された湾曲領域153aを有する。
上記のように構成された止血器具100によれば、支持部材150の異なる位置に形成された第1孔部155a及び第2孔部155bに止血部材110を選択的に配置することができる。それにより、止血器具100は、患者の右手H1の異なる位置に形成された各穿刺部位p1、p2に止血部材110を選択的に配置することができる。すなわち、止血器具100は、患者の右手H1に形成された各穿刺部位p1、p2の位置に合わせて止血部材110を選択的に配置することができるように構成される。そのため、止血器具100は、患者の右手H1に形成された各穿刺部位p1、p2の位置に合わせて被覆部材140の配置を変更することなく、各穿刺部位p1、p2を止血することができる。そのため、止血器具100は、止血部材110が各穿刺部位p1、p2に配置された際、被覆部材140が患者の右手H1の動きを拘束するような位置に配置されることを防止できる。
また、止血器具100は、支持部材150に形成された2つの孔部155a、155bの間に湾曲領域153aを有する。そのため、止血器具100は、患者の右手H1に形成された各穿刺部位p1、p2を止血する際、支持部材150の湾曲領域153aが基点となって2つの孔部155a、155bのいずれかに配置された止血部材110を患者の右手H1の外周面に沿って押し付けることができる。具体的には、患者の手Hの外表面は曲面であるため、術者が右手H1に形成された各穿刺部位p1、p2に止血器具100を配置する際、支持部材150の湾曲領域153aが基点となり、支持部材150の湾曲領域153aと手Hの表面が密着する。そのため、止血器具100は、患者の右手H1に形成された各穿刺部位p1、p2を止血する際、支持部材150の湾曲領域153aが基点となって2つの孔部155a、155bのいずれかに配置された拡張部材120を患者のHの外周面に沿って押し付けることができ、患者の手Hの外表面に沿って各穿刺部位p1、p2に圧力を好適に加えることができる。それにより、患者の右手H1に形成された各穿刺部位p1、p2に対して効果的に圧迫力を付与することができる。加えて、止血器具100は、患者の右手H1に形成された各穿刺部位p1、p2に止血部材110を配置する際、患者の右手H1に位置する腱(例えば、長母指伸筋腱t1)に支持部材150の湾曲領域153aを配置することができる。止血器具100は、上記のように湾曲領域153aが患者の右手H1に配置されることにより、患者が右手H1を動作させた際、患者の右手H1の動作に伴う長母指伸筋腱t1の動作が支持部材150へ伝わることを抑制できる。そのため、止血器具100は、止血部材110が患者の右手H1に形成された各穿刺部位p1、p2に対して適切に圧迫力を伝えることができる。
また、被覆部材140は、支持部材150から第1方向に延在する第1帯体170と、支持部材150から第1方向と異なる第2方向に延在する第2帯体180と、支持部材150から第1方向及び第2方向と異なる第3方向に延在する第3帯体190と、を有する。第1帯体170は、被覆部材140を患者の右手H1の一部を覆うように装着した状態で患者の右手H1の親指と右手H1の人差し指の間に配置されるように構成されている。また、支持部材150の幅は、第2帯体180側から第3帯体190側に向かって小さくなる。
上記のように構成した止血器具100では、第1帯体170を親指と人差し指の間の指間部fbに配置し、第3帯体190を親指よりも患者の右手H1の近位側の位置に配置した際、支持部材150が親指よりも近位側の位置で患者の右手H1を覆う範囲が小さくなる。そのため、止血器具100は、支持部材150が患者の右手H1に配置された状態で、患者の右手H1の親指の可動域が狭められることを防止できる。それにより、患者は、止血器具100が右手H1に装着された状態においても、右手H1の親指及びその周辺部を容易に可動させることができる。
また、第1孔部155aと第2孔部155bは、第1帯体170と第3帯体190の間に位置する。
上記のように構成した止血器具100では、患者の右手H1に止血器具100を装着した状態において、第1帯体170と第3帯体190との間に位置する親指の可動域周辺で、第1帯体170及び第3帯体190が第1孔部155a及び第2孔部155bを患者の右手H1に押さえ付けることができるように構成される。そのため、患者が右手H1の親指を動作させた際、親指の動作に伴って各孔部155a、155bに配置された止血部材110が各穿刺部位p1、p2から位置ずれすることを防止できる。
また、支持部材150は、第1孔部155aと第2孔部155bの間を通る中心線Mを有する。第1帯体170、第2帯体180、及び第3帯体190は、中心線Mと重なる位置には配置されていない。
上記のように構成した止血器具100によれば、術者は、各穿刺部位p1、p2にイントロデューサー200の一部が挿入された状態において、中心線Mがイントロデューサー200の軸方向と重なるように支持部材150を患者の右手H1に配置することができる。このように支持部材150を配置することにより、止血器具100を患者の右手H1に装着する際、各帯体170、180、190がイントロデューサー200と干渉することを防止できる。それにより、止血器具100を患者の右手H1に簡単に装着することができる。
また、止血部材110は、第1穿刺部位p1を圧迫するように構成された拡張部材120と、拡張部材120と連結され、手指での把持が可能に構成された把持部材130と、を有する。把持部材130は、第1孔部155a及び第2孔部155bを挿通可能な凸部131と、凸部131の外側に突出するフランジ部133と、を有する。フランジ部133の外形は、第1孔部155a及び第2孔部155bの外形よりも大きい。
上記のように構成した止血器具100によれば、止血部材110は、把持部材130の凸部131を各孔部155a、155bに挿通させる簡単な作業により、支持部材150に止血部材110を接続することができる。また、フランジ部133の外形は各孔部155a、155bの外形よりも大きい。そのため、止血部材110を各孔部155a、155bに配置した際、フランジ部133が支持部材150の一の面150aと当接する。フランジ部133が支持部材150の一の面150aと当接した状態で拡張部材120が拡張すると、支持部材150が拡張部材120を患者の右手H1に押さえ付ける。そのため、拡張部材120は、各穿刺部位p1、p2に対して効果的に圧迫力を付与することができる。
また、凸部131は、凸部131の底部側に向けて窪んだ凹部を有する。
上記のように構成した止血器具100では、凸部131において凹部134が設けられた部分には凸部131の底部側に向けて窪んだ空間が形成されている。そのため、止血器具100は、術者が支持部材150の他の面150b側から凸部131が目視する際、凹部134を通し、凸部131において凹部134が設けられた部分に重ねて配置された部材や物体を視認し易い。すなわち、止血器具100は、術者が支持部材150の他の面150b側から凸部131を目視する際、凸部131において凹部134が設けられた部分に重ねて配置された部材や物体が凸部131の他の部分に重ねて配置された部材や物体と比較して視認し易いように構成される。また、凹部134は、透明に形成することができる。凹部134が透明に形成されている場合、術者は、止血器具100を患者の右手H1に装着する際、凹部134を目視することにより、凹部134を介して各穿刺部位p1、p2の位置及び拡張部材120に配置されたマーカー125の位置を簡単に確認することができる。
また、支持部材150の右手H1の前腕部A側の位置に配置される基端部152には、支持部材150を右手H1に配置した状態で、右手H1から離間する方向へ向けて凸状に湾曲した基端湾曲部152aが形成されている。
上記のように構成した止血器具100によれば、止血器具100を患者の右手H1に装着した状態で、患者が手首を捻って右手H1を手の甲Hbが前腕部Aに近接する方向(上方向)に動作させた際、基端部152側に位置する支持部材150の周縁部が患者の右手H1に当接することを防止できる。それにより、止血器具100は、各穿刺部位p1、p2を止血している間、支持部材150の基端部152側に位置する周縁部が患者の右手H1に当接したり、食い込んだりすることによって患者が不快に感じたり、痛みを感じたりすることを防止できる。
次に、本発明に係る止血器具の変形例を説明する。変形例の説明では、前述した実施形態の説明において既に説明した部材や止血器具の使用手順等についての説明は適宜省略する。また、各変形例において特に説明の無い内容は、前述した実施形態と同一のものとすることができる。
<変形例1>
図17には、変形例1に係る止血器具100Aの一部を拡大して示している。図18には、変形例2に係る止血器具100Aの使用例を示している。
前述した実施形態に係る止血器具100では、各孔部155a、155bが円形を有していた。また、把持部材130の凸部131は、各孔部155a、155bに挿通可能な円形を有していた(図1、図7を参照)。本変形例に係る止血器具100Aでは、図17に示すように、各孔部155a、155bが非円形の形状(真円以外の形状)を有している。また、フランジ部133は、非円形の形状を有する各孔部155a、155bと相似形状を有する。
本変形例では、各孔部155a、155bは、支持部材150の先端部151側に頂点が配置された二等辺三角形の形状を有する。また、凸部131は、各孔部155a、155bよりも小さな外形を備える二等辺三角形の形状を有する。
止血器具100Aは、各孔部155a、155bが二等辺三角形の形状を有するため、凸部131を各孔部155a、155bに挿通した状態において、凸部131が各孔部155a、155b内で不用意に回転することを防止できる。また、各孔部155a、155bの頂点が支持部材150の先端部151側に配置されているため、支持部材150を患者の右手H1に配置する際、各孔部155a、155bの頂点の位置を確認することにより、支持部材150の先端部151及び基端部152の位置や支持部材150の向きを簡単に把握することができる。
なお、各孔部155a、155b及び凸部131の形状は、二等辺三角形に限定されない。例えば、正方形、長方形、台形、楕円形等でもよい。これらの形状を採用することにより、各孔部155a、155bに凸部131を挿通させた状態において、凸部131が各孔部155a、155b内で回転することを防止できる。また、支持部材150の向きを確認可能に構成する場合、各孔部155a、155b及び凸部131は、例えば、支持部材150の先端部151側に向けて幅が小さくなる形状を採用することができる。このような形状としては、例えば、台形を挙げることができる。
<変形例2>
図19には、変形例2に係る止血器具100Bを示している。
図19に示すように、支持部材150には、複数の第1孔部155aからなる第1孔部群156aと、複数の第2孔部155bからなる第2孔部群156bを設けることもできる。なお、図19では止血部材110の図示を省略している。
患者によっては、第1穿刺スポットs1(図9を参照)内において、血管B1の位置や大きさにばらつきがある。同様に、患者によっては、第2穿刺スポットs2(図9を参照)内において、血管B2の位置や大きさにばらつきがある。そのため、複数の第1孔部155aを互いに近接した位置に配置することにより、患者の個人差によって血管B1の位置や大きさにばらつきがあっても、いずれかの第1孔部155aに止血部材110を配置することにより、第1穿刺部位p1を適切に止血することが可能になる。同様に、複数の第2孔部155bを互いに近接した位置に配置することにより、患者の個人差によって血管B2の位置や大きさにばらつきがあっても、いずれかの第2孔部155bに止血部材110を配置することにより、第2穿刺部位p2を適切に止血することが可能になる。
なお、変形例2では、各孔部155a、155bを3つずつ設けた例を示したが、各孔部155a、155bの個数は1つ以上であればよく、具体的な数は特に限定されない。また、各孔部群における各孔部の形状も任意に変更することが可能である。
以上、実施形態を通じて本発明に係る止血器具を説明したが、本発明は明細書において説明した内容のみに限定されるものでなく、特許請求の範囲の記載に基づいて適宜変更することが可能である。
例えば、止血部材は、複数の種類のものを使用することができる。大きさや形状が異なる拡張部材を備える複数の種類の止血部材を準備することにより、第1穿刺部位及び第2穿刺部位の止血に適したものを使い分けることができる。一例として、第1穿刺部位を止血する止血部材として大・中・小の3つの大きさの拡張部材を備えるものを準備し、術者が第1穿刺部位に合わせて使用できるようにしてもよい。同様に、第2穿刺部位を止血する止血部材として大・中・小の3つの大きさの拡張部材を備えるものを準備し、術者が第2穿刺部位に合わせて使用できるようにしてもよい。
実施形態の説明では、右手の甲に形成された穿刺部位を止血するための止血器具を例示した。ただし、止血器具は、左手の甲に形成された穿刺部位を止血可能に構成することも可能である。また、止血器具を患者に装着する際の各帯体の配置は図示により説明した位置に限定されることはなく、適宜変更することが可能である。例えば、第1帯体は、親指と人差し指の間に位置する指間部以外の指間部(他の指同士の間に位置する指間部)に配置することも可能である。
止血器具の各部の形状や寸法等は、患者の手に形成された穿刺部位を止血するように構成されている限り、特に限定されることはなく、適宜変更することが可能である。
100、100A、100B 止血器具
110 止血部材
120 拡張部材
123 拡張部材の内腔
125 マーカー
126 注入部
127 緩衝部材
128 チューブ
130 把持部材
131 凸部
133 フランジ部
134 凹部
140 被覆部材
150 支持部材
150a 支持部材の一の面
150b 支持部材の他の面
151 支持部材の先端部
152 支持部材の基端部
152a 基端湾曲部
153 支持部材の本体部
153a 湾曲領域
154 支持部材の一端部
155 支持部材の他端部
155a 第1孔部
155b 第2孔部
156a 第1孔部の孔部群
156b 第2孔部の孔部群
161 第1固定部材(固定部材)
162 第2固定部材(固定部材)
163 第3固定部材(固定部材)
164 第4固定部材(固定部材)
165 第5固定部材(固定部材)
170 第1帯体
171 第1の一端部
173 第1の他端部
175 第1の本体部
180 第2帯体
181 第2の一端部
183 第2の他端部
185 第2の本体部
190 第3帯体
191 第3の一端部
193 第3の他端部
195 第3の本体部
200 イントロデューサー
A 前腕部
B1 スナッフボックスに位置する動脈(血管)
B2 遠位橈骨動脈(血管)
H 手
H1 右手
Hb 手の甲
K1 投影面
M 第1孔部と第2孔部の間の中心線
c1 第1孔部の中心
c2 第2孔部の中心
fb 指間部
p1 第1穿刺部位(穿刺部位)
p2 第2穿刺部位(穿刺部位)
s1 第1穿刺スポット
s2 第2穿刺スポット
t1 長母指伸筋腱

Claims (8)

  1. 患者の手に形成された穿刺部位を圧迫するように構成された止血部材と、
    前記手の一部に配置されるように構成された支持部材と、前記支持部材を前記手の一部に固定するように構成された固定部材と、を備える被覆部材と、を有し、
    前記支持部材は、本体部と、前記本体部の一部に形成された第1孔部と、前記第1孔部と異なる位置に形成された第2孔部と、を有し、
    前記止血部材は、前記第1孔部及び前記第2孔部の一方の孔部に配置可能に構成され、
    前記本体部は、前記第1孔部と前記第2孔部の間に形成された湾曲領域を有する、止血器具。
  2. 前記被覆部材は、前記支持部材から第1方向に延在する第1帯体と、前記支持部材から前記第1方向と異なる第2方向に延在する第2帯体と、前記支持部材から前記第1方向及び前記第2方向と異なる第3方向に延在する第3帯体と、を有し、
    前記第1帯体は、前記被覆部材を前記手の一部を覆うように装着した状態で前記手の親指と前記手の人差し指の間に配置されるように構成されており、
    前記支持部材の幅は、前記第2帯体側から前記第3帯体側に向かって小さくなる、請求項1に記載の止血器具。
  3. 前記第1孔部と前記第2孔部は、前記第1帯体と前記第3帯体の間に位置する、請求項請求項2に記載の止血器具。
  4. 前記支持部材は、前記第1孔部と前記第2孔部の間を通る中心線を有し、
    前記第1帯体、前記第2帯体、及び前記第3帯体は、前記中心線と重なる位置には配置されていない、請求項2又は請求項3に記載の止血器具。
  5. 前記止血部材は、前記穿刺部位を圧迫するように構成された拡張部材と、
    前記拡張部材と連結され、手指での把持が可能に構成された把持部材と、を有し、
    前記把持部材は、前記第1孔部及び前記第2孔部を挿通可能な凸部と、前記凸部の外側に突出するフランジ部と、を有し、
    前記フランジ部の外形は、前記第1孔部及び前記第2孔部の外形よりも大きい、請求項1~4のいずれか1項に記載の止血器具。
  6. 前記第1孔部及び前記第2孔部は、非円形の外形を有し、
    前記凸部は、前記第1孔部及び前記第2孔部と相似形状を有する、請求項5に記載の止血器具。
  7. 前記凸部は、前記凸部の底部側に向けて窪んだ凹部を有する、請求項5又は請求項6に記載の止血器具。
  8. 前記支持部材の前記手の前腕部側の位置に配置される基端部には、前記支持部材を前記手に配置した状態で、前記手から離間する方向へ向けて凸状に湾曲した基端湾曲部が形成されている、請求項1~7のいずれか1項に記載の止血器具。
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