JP2020116313A - 止血器具、および被覆部材 - Google Patents

止血器具、および被覆部材 Download PDF

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雄一 日置
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和田  哲
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正子 宮下
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美 渡辺
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Abstract

【課題】患者が手の指を動かした場合であっても、穿刺部位に対する圧迫を維持しつつ、手の皮膚から剥がれることを抑制できる止血器具を提供する。【解決手段】止血器具100は、患者の手Hの穿刺部位tを圧迫する押圧部材110と、押圧部材が穿刺部位に配置された状態で、手の表面上に押圧部材を固定する被覆部材130と、を有する。被覆部材は、患者の皮膚に接着する粘着層を含む。被覆部材は、押圧部材を覆い、手の表面上に押圧部材を固定する本体部131と、本体部から先端側Y1に突出する凸部132と、を備えている。凸部は、本体部の同一部分から突出する第1凸部133と第2凸部134と、を備えている。第1凸部と第2凸部は、互いに離反する方向に向かって本体部から突出する。【選択図】図3D

Description

本発明は、止血器具、および被覆部材に関する。
カテーテル手技の1つとして、患者の腕等の肢体の血管を穿刺し、肢体の血管に形成した穿刺部位を介して各種の医療用長尺体を血管内に導入し、血管内の病変部位に対する処置や治療を行う手技が知られている。このような手技を行った場合、術者等は、穿刺部位から医療用長尺体を抜去する際に穿刺部位の止血を行う。
例えば、下記特許文献1には、粘着剤層を備える長尺な基材と、基材の中央に配置されたパッドと、を有する止血用貼付材が開示されている。基材は、パッドが穿刺部位上に配置された状態で肢体の皮膚に接着される。
特開平8−131476号公報
ところで、現在、経橈骨動脈アプローチの新しい手法として、手の甲側に位置する解剖学上のスナッフボックス、又は、スナッフボックス周辺の穿刺部位から手掌動脈(遠位橈骨動脈を含む)にアクセスし、治療を行うdTRA(distal transradial approach)によるカテーテル手技が試みられている。
dTRAによるカテーテル手技を行う場合、穿刺部位は、患者の手に位置する。手は、指等の可動部位が多い。そのため、手に穿刺部位を形成する場合、止血器具は、患者の手の動き等の影響を受けないように穿刺部位に対して押圧部材を適切に固定する必要がある。
上記特許文献1の止血用貼付材は、手の穿刺部位を止血するために用いた場合、基材が基材の長手方向と交差するパットの上下方向(装着状態における指先側から手首側に向かう方向。特に、上方向)を十分に覆っていらず、手の表面に対するパットの上下方向の固定が不十分である。そのため、止血用貼付材は、患者の指の動き等により、基材の一部(特に、基材において患者が指を動かした際にその指の動きの影響を受けやすい指先側の部分)が手の皮膚から剥がれ、パットによる穿刺部位の圧迫が十分に維持できない可能性がある。
一方で、上記特許文献1の基材がパットの上下方向(特に、上方向)を十分に覆うように、基材の上下方向の幅を大きく形成した場合、手の穿刺部位上にパッドが配置された状態で、基材は、親指の付け根および人差し指の付け根に亘って接着される可能性がある。その場合、基材は、患者の親指や人差し指等の指の動きを制限するような状態で手の皮膚に接着されるため、患者が指を動かした際にその指の動きによる影響を大きく受ける。そのため、基材の上下方向の幅を大きく形成した場合であっても、患者の手の動き等により、基材の一部が剥がれ、パットによる穿刺部位の圧迫が十分に維持できない可能性がある。
本発明は、上記課題を鑑み、患者が手の指を動かした場合であっても、穿刺部位に対する圧迫を維持しつつ、手の皮膚から剥がれることを抑制できる止血器具および被覆部材を提供することを目的とする。
本発明に係る止血器具は、患者の手の止血すべき部位を圧迫する押圧部材と、前記押圧部材が前記止血すべき部位に配置された状態で、前記手の表面上に前記押圧部材を固定する被覆部材と、を有し、前記被覆部材は、前記患者の皮膚に接着する粘着層を含み、前記被覆部材は、前記押圧部材を覆い、前記手の表面上に前記押圧部材を固定する本体部と、前記本体部から先端側に突出する凸部と、を備え、前記凸部は、前記本体部の同一部分から突出する第1凸部と第2凸部と、を備え、前記第1凸部と前記第2凸部は、互いに離反する方向に向かって前記本体部から突出する。
本発明に係る被覆部材は、患者の手の止血すべき部位に配置された押圧部材を固定するための粘着層を有する被覆部材であって、前記押圧部材を覆い、前記手の表面上に前記押圧部材を固定する本体部と、前記本体部から先端側に突出する凸部と、を備え、前記凸部は、前記本体部の同一部分から突出する第1凸部と第2凸部と、を有し、前記第1凸部と前記第2凸部は、互いに離反する方向に向かって前記本体部から突出する。
本発明に係る被覆部材は、押圧部材を覆う本体部と、本体部から先端側に突出する凸部と、を有する。そのため、術者等の使用者が手の止血すべき部位に押圧部材を固定する際、本体部および凸部は、患者の手の表面に対し、十分に押圧部材を固定することができる。また、本発明に係る被覆部材の凸部は、互いに離反する第1凸部および第2凸部を有する。そのため、術者等の使用者は、押圧部材を手の止血すべき部位に固定する際、第1凸部および第2凸部の各々を親指の付け根および人差指の付け根に配置できる。そのため、本発明に係る被覆部材は、患者の手の表面に押圧部材を固定しつつ、患者の手の指の動きの制限を軽減できる。そのため、被覆部材は、患者が手の指を動かした場合であっても、手の皮膚から剥がれることを抑制できる。また、第1凸部および第2凸部は、本体部の同一部分から突出している。そのため、被覆部材は、患者が手の指を動かした場合、本体部と凸部との境界部を起点として変形できる。そのため、被覆部材は、押圧部材による穿刺部位に対する圧迫を維持しつつ、患者の手の指の動きによって本体部および凸部が手の皮膚から剥がれることを抑制できる。
本発明の第1実施形態に係る止血器具を示す斜視図である。 図1に示す止血器具の被覆部材の外面側を示す平面図である。 図1に示す止血器具の被覆部材の内面側を示す平面図である。 図1に示す止血器具の使用例を簡略的に示す図である。 図1に示す止血器具の使用例を簡略的に示す図である。 図1に示す止血器具の使用例を簡略的に示す図である。 図1に示す止血器具の使用例を簡略的に示す図である。 剥離部材の変形例を示す平面図である。 剥離部材の変形例を示す平面図である。 被覆部材の変形例を示す平面図である。 被覆部材の変形例を示す平面図である。 被覆部材の変形例を示す平面図である。 本発明の第2実施形態に係る止血器具を示す斜視図である。 図7に示す止血器具の内面側を示す平面図である。 図7に示す止血器具の使用例を簡略的に示す図である。 図7に示す止血器具の使用例を簡略的に示す図である。 図7に示す止血器具の使用例を簡略的に示す図である。 図7に示す止血器具の使用例を簡略的に示す図である。
以下、添付した図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。なお、以下の記載は特許請求の範囲に記載される技術的範囲や用語の意義を限定するものではない。また、図面の寸法比率は説明の都合上誇張されており、実際の比率とは異なる場合がある。
(第1実施形態)
図1〜図2Bは、本実施形態に係る止血器具100を説明するための図、図3A〜図3Dは、止血器具100の使用例を説明するための図である。
止血器具100は、例えば、図3Cおよび図3Dに示すように、患者の前腕部Aよりも手指側に位置する手(例えば、左手)Hの甲Hb側を走行する手掌動脈(深掌動脈)の橈骨動脈側(例えば、解剖学上のスナッフボックス周辺の動脈、又は、スナッフボックスよりも指先側を走行する遠位橈骨動脈)に形成された穿刺部位t(「止血すべき部位」に相当する)に留置していたイントロデューサーのシースチューブSを抜去する際、その穿刺部位tを止血するために使用することができる。なお、解剖学上のスナッフボックスは、患者が手Hの親指f1を広げた際に前腕部Aの橈骨側に位置する手の空洞である。
止血器具100は、概説すると、図1に示すように、患者の手Hの穿刺部位tを圧迫する押圧部材110と、押圧部材110が穿刺部位tに配置された状態で、手Hの表面上に押圧部材110を固定する被覆部材130と、を有する。
本実施形態では、使用前の状態で、押圧部材110と被覆部材130とは分離している。ここで、「使用前の状態」とは、術者等の使用者が、患者の手Hの穿刺部位tの圧迫止血のために止血器具100を使用する前の状態を意味する。押圧部材110と被覆部材130は、使用前の状態で同一の包装部材に包装されていてもよいし、それぞれ別の包装部材に包装されていてもよい。
被覆部材130は、患者の皮膚に接着する粘着層(図示せず)を含む。止血器具100は、使用前の状態で被覆部材130の粘着層を覆う剥離部材140をさらに有する。以下、止血器具100の各部について詳述する。
なお、以下の説明では、止血器具100を患者に装着した際に、止血器具100の各部において患者の手Hの体表面に向い合うように配置される側を「内面側Z1」と称し、その反対側を「外面側Z2」と称する。また、止血器具100を患者の手Hに装着した状態で、止血器具100の各部において手Hの指先が配置される側を、「先端側Y1」と称し、その反対側を「基端側Y2」と称する。また、先端側Y1から基端側Y2に向う方向(またはその逆の方向)と交差する方向を「幅方向X」と称する。
<押圧部材>
図1に示すように、押圧部材110は、本実施形態では、流体の注入により拡張される拡張部材によって構成している。
押圧部材110は、例えば、二つのシート状の部材の間に流体が注入可能な内部空間111を形成した状態で、二つのシート状の部材の縁部を接合することによって形成することができる。押圧部材110を形成するシート状の部材の接合方法は特に限定されないが、例えば、接着や融着を採用することができる。なお、押圧部材110は、複数のシート状の部材を接合した構造に限定されることはない。押圧部材110は、例えば、流体が注入可能な内部空間が形成された一つの袋状の部材で形成してもよい。
押圧部材110は、本実施形態では、平面視において略矩形の外形を有している。ただし、押圧部材110の平面視における外形は特に限定されず、例えば、丸形、多角形であってもよい。
押圧部材110に用いられる材料は、特に限定されないが、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブタジエン、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)のようなポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)のようなポリエステル、ポリ塩化ビニリデン、シリコーン、ポリウレタン、ポリアミドエラストマー、ポリウレタンエラストマー、ポリエステルエラストマー等の各種熱可塑性エラストマー、あるいはこれらを任意に組み合わせたもの(ブレンド樹脂、ポリマーアロイ、積層体等)が挙げられる。
押圧部材110には、押圧部材110を穿刺部位tに対して位置合わせするためのマーカー部112が設けられている。なお、使用者がマーカー部112を視認できるように、使用時に止血器具100の各部において少なくともマーカー部112およびマーカー部112の近辺と平面視で重なる領域は、無色透明、半透明、または有色透明である。なお、図2A、および図3A〜図3D等では、被覆部材130の全域が透明である例を示している。
マーカー部112は、押圧部材110を平面視した際の略中心位置に配置している。マーカー部112は、本実施形態では、押圧部材110を形成する内面側Z1のシート状の部材の内部空間111に臨む面に設けられている。なお、マーカー部112は、押圧部材110を形成する外面側Z2のシート状の部材の内部空間111に臨む面、その反対側の面、または後述する被覆部材130に配置することも可能である。
マーカー部112は、例えば、マーカー部112全体が有色で形成された矩形形状のマーカーで形成することができる。ただし、マーカー部112は、例えば、透明な中心部と、その中心部を囲む有色の線状の枠部とから構成されてもよい。使用者は、マーカー部112を利用し、穿刺部位tに押圧部材110の中心位置を簡単に配置することができる。なお、マーカー部112の具体的な形状、色、止血器具100の各部への形成方法等は特に限定されない。
図1に示すように、押圧部材110の内部空間111は、押圧部材110へ流体を供給するためのチューブ121の内腔と連通している。
チューブ121の一端部は、押圧部材110を形成するシート状の部材の間に挟み込まれた状態で接着材等により接続されている。チューブ121は、押圧部材110の基端部において押圧部材110に接続されている。そのため、図3Bおよび図3Cに示すように、止血器具100を患者の手Hに配置した際、チューブ121がイントロデューサーのシースチューブSと干渉することを防止できる。なお、チューブ121を押圧部材110から引き出す位置は適宜変更することが可能である。
図1に示すように、チューブ121の他端部は、内部空間122が形成された緩衝部材123に接続されている。チューブ121の内腔は、緩衝部材123の内部空間122と連通している。
緩衝部材123は、内部空間122が形成された可撓性を備える袋状の部材によって構成している。緩衝部材123には、押圧部材110に流体を注入するための注入部124が接続されている。
注入部124は、逆止弁(図示せず)を内蔵するコネクタで構成している。注入部124には、シリンジ(図示せず)を接続することができる。緩衝部材123には、注入部124へのシリンジの挿入方向を示す矢印状のマーカーを設けてもよい。
使用者は、押圧部材110を拡張させる際、注入部124にシリンジの先筒部を挿入して逆止弁を開く。使用者は、注入部124の逆止弁を開いた状態で、シリンジの押し子を押すことにより、シリンジ内の流体を押圧部材110の内部空間111に注入する。
押圧部材110の内部空間111に流体が注入されると、押圧部材110が拡張する。押圧部材110が拡張すると、チューブ121を介して押圧部材110の内部空間111と連通している緩衝部材123が膨張する。使用者は、緩衝部材123の膨張を確認することにより、流体が漏れずに、押圧部材110を加圧できていることを目視で確認することができる。
注入部124は、注入部124にシリンジが挿入されていない状態で、注入部124に内蔵された逆止弁を閉じた状態に維持し、注入部124から流体が漏れることを防止する。患者に止血器具100を装着された状態において、患者が手Hを動かすと、手Hの穿刺部位tを圧迫する押圧部材110が変形しようとする。この際、押圧部材110の内部空間111にある流体の逃げ場がないと、押圧部材110の変形が妨げられる。そのため、患者は、手Hの可動範囲が制限される。これに対し、本実施形態では、緩衝部材123の内部空間122と押圧部材110の内部空間111は、チューブ121を介して常時連通している。そのため、緩衝部材123は、患者が手Hを動かした際、押圧部材110の内部空間111から緩衝部材123への流体の移動を可能にする。そのため、止血器具100は、患者が手Hを動作させた際に、押圧部材110により手Hの可動範囲が制限されることを防止できる。なお、患者が手Hを変形させた状態から元の状態に戻すと、緩衝部材123から押圧部材110へ流体が移動するため、押圧部材110は、穿刺部位tに対して効果的に圧迫力を付与することができる。
使用者は、押圧部材110を収縮させる際、注入部124にシリンジの先筒部を挿入して、シリンジの押し子を引く。使用者は、上記の操作を行うことにより、押圧部材110内の流体をシリンジへ排出することができる。
<被覆部材>
図2Aに示すように、被覆部材130は、押圧部材110を覆い、手Hの表面上に押圧部材110を固定する本体部131と、本体部131から先端側Y1に突出する凸部132と、を備えている。粘着層は、本体部131および凸部132の内面の全域に設けられている。以下、被覆部材130の各部について詳述する。
本体部131は、本実施形態では、略矩形の外形を有している。本体部131の角部は、平面視において丸みを帯びている。そのため、本体部131は、角部に皮膚から剥がれるような外力が角部に作用した際に、角部に作用する外力を分散させることができる。そのため、本体部131は、手Hの皮膚から剥がれることを抑制できる。ただし、本体部131の外形は特に限定されない。
本体部131の幅L1(幅方向Xの寸法)は、凸部132の幅L2よりも大きいことが好ましい(L1>L2)。これによって、本体部131は、本体部131の幅L1が凸部132の幅L2よりも小さい場合と比較して、本体部131の皮膚への接着面積を増加させることができ、押圧部材110を手Hの表面により強固に固定できる。ただし、本体部131の幅L1aと凸部132の幅L2との大小関係は、上記に限定されない。
本体部131は、先端側Y1に凸部132が接続される中央部131aと、中央部131aの幅方向Xの両側に接続され、凸部132から分離した一対の側方部131b、131cと、を有している。各側方部131b、131cの幅L1bは、本実施形態では、中央部131aの幅L1aよりも小さい(L1b<L1a)。ただし、中央部131aの幅L1aと各側方部131b、131cの幅L1bとの大小関係は、上記に限定されない。
図3Aに示すように、中央部131aには、使用時に押圧部材110が配置される。そのため、中央部131aの幅L1a(図2A参照)は、押圧部材110の幅L3(図1参照)よりも大きいことが好ましい(L1a>L3)。これによって、中央部131aは、押圧部材110を十分に覆い、押圧部材110を手Hの表面に強固に固定できる。ただし、中央部131aの幅L1aと押圧部材110の幅L3との大小関係は、上記に限定されない。
図2Aに示すように、中央部131aには、押圧部材110の接着位置を示すマーカー部135が設けられていてもよい。マーカー部135は、図3Dに示すように、後述する第1凸部133および第2凸部134の各々が親指f1の付け根および人差し指f2の付け根に配置された状態で押圧部材110の略中心位置が手Hの穿刺部位tに配置されるような位置に設けられている。そのため、使用者は、押圧部材110を被覆部材130の適切な位置に配置し、止血器具100を手Hへ簡単に位置合わせできる。なお、図2Aでは、マーカー部135は、押圧部材110の外形形状と同形状を備える線状の枠部によって構成している。ただし、マーカー部135の具体的な形状は特に限定されない。例えば、マーカー部135は、押圧部材110の四隅の接着位置のみを示すように構成してもよい。
凸部132は、互いに離反する方向に向かって本体部131から突出する第1凸部133および第2凸部134を有している。そのため、図3Dに示すように、使用者は、押圧部材110を手Hの穿刺部位tに固定する際、第1凸部133および第2凸部134の各々を親指f1の付け根および人差指f2の付け根に配置できる。そのため、被覆部材130は、患者の手Hの表面に押圧部材110を固定しつつ、患者の手Hの指f1、f2の動きの制限を軽減できる。そのため、患者が手Hの指f1、f2を動かした場合であっても、被覆部材130は、押圧部材110による穿刺部位tへの圧迫を維持しつつ、手Hの皮膚から剥がれることを抑制できる。
このように、本実施形態に係る止血器具100は、被覆部材130が手Hの皮膚から剥がれることを抑制できる。そのため、止血器具100は、被覆部材130が手Hの皮膚から剥がれることによって押圧部材110による穿刺部位tへの圧迫が解除され、穿刺部位tから再出血することを抑制できる。また、止血器具100では、被覆部材130が手Hの皮膚から剥がれることを抑制することを目的として被覆部材130を覆う補助デバイス(ドレッシング材や包帯等)を使用する必要がない。
図2Aに示すように、第1凸部133および第2凸部134は、本体部131の同一部分から突出している。そのため、被覆部材130は、患者が手Hの指f1、f2を動かした場合に本体部131と凸部132との境界部を起点として変形できる。そのため被覆部材130は、患者の手Hの指f1、f2の動きによって本体部131や凸部132が手Hの皮膚から剥がれることを抑制できる。
第1凸部133と本体部131との間、および、第2凸部134と本体部131との間には、幅方向Xの内方に向かって窪んだくびれ部136、137が形成されている。そのため、被覆部材130は、患者の手Hの指f1、f2の動きに追従して第1凸部133および第2凸部134が動いた際に、第1凸部133および第2凸部134の動きが本体部131に伝わることを抑制できる。そのため、被覆部材130は、押圧部材110の位置ずれを抑制できる。
第1凸部133および第2凸部134の先端部は、平面視において丸みを帯びた外形を有する。そのため、第1凸部133および第2凸部134は、先端部に皮膚から剥がれるような外力が作用した際に、先端部に作用する外力を分散させることができる。そのため、第1凸部133および第2凸部134は、手Hの表面から剥がれることを抑制できる。
被覆部材130は、例えば、粘着層を備える不織布やフィルム材によって形成できる。
<剥離部材>
図1に示すように、剥離部材140は、凸部132に接着されるとともに本体部131に一部が侵入した状態で接着された凸部側剥離部141と、凸部側剥離部141と別に剥離可能であり、本体部131において凸部側剥離部141から露出する領域に接着される本体部側剥離部142と、を有する。以下、剥離部材140の各部について詳述する。
図1および図2Bに示すように、凸部側剥離部141は、本実施形態では、第1凸部133に接着されるとともに中央部131aに一部が侵入した状態で接着された第1剥離部141aと、第2凸部134に接着されるとともに中央部131aに一部が侵入した状態で接着された第2剥離部141bと、を有する。第1剥離部141aと第2剥離部141bは、別に剥離可能である。図2Bに示すように、第1剥離部141aおよび第2剥離部141bは、本実施形態では、中央部131aにおいて押圧部材110が配置される領域Bよりも先端側の領域を覆う。
図1および図2Bに示すように、第1剥離部141aおよび第2剥離部141bの基端部には、被覆部材130に接着されておらず、先端側Y1に向かって折り返されたつまみ部144が形成されている。そのため、使用者は、つまみ部144を指でつまむようにして、第1剥離部141aおよび第2剥離部141bを簡単に被覆部材130から剥離できる。
図1および図2Bに示すように、本体部側剥離部142は、本実施形態では、中央部131aの領域Bおよび領域Bよりも基端側Y2の領域に接着される第3剥離部142aと、中央部131aにおいて領域Bよりも幅方向Xの外方側の領域および側方部131bに接着された第4剥離部142bと、中央部131aにおいて領域Bよりも幅方向Xの外方側の領域および側方部131cに接着された第5剥離部142cと、を有する。第3剥離部142a〜第5剥離部142cは、別に剥離可能である。
図1および図2Bに示すように、第3剥離部142aの基端部には、被覆部材130の粘着層に接着されておらず、先端側Y1に向かって折り返されたつまみ部145が形成されている。第4剥離部142bおよび第5剥離部142cの幅方向Xの内方側の端部には、被覆部材130の粘着層に接着されておらず、外方側に向かって折り返されたつまみ部146が形成されている。そのため、使用者は、各つまみ部145、146を指でつまむようにして、各第3剥離部142a〜第5剥離部142cを簡単に剥離できる。
剥離部材140は、例えば、紙、プラスチックシート、ラミネートフィルム、織布、不織布等で形成することができる。
<使用例>
次に、止血器具100の使用例を説明する。
図3Aには、患者の手Hの甲Hbに形成した穿刺部位tを介して手掌動脈の遠位橈骨動脈側にイントロデューサーのシースチューブSを挿入して各種の手技を実施し終えた後、穿刺部位tからシースチューブSの一部を引き抜いた状態を示している。例えば、シースチューブSは、シースチューブの先端側の2〜3cm程度が血管に留置されている状態である。
まず、使用者は、第3剥離部142aを剥離し、押圧部材110を被覆部材130の中央部131aに接着する。
次に、使用者は、図3Aおよび図3Bに示すように、患者の手Hの甲Hb側に被覆部材130を重ねるように配置する。この際、押圧部材110のマーカー部112を穿刺部位tに配置する。
次に、使用者は、図3Cに示すように、第4剥離部142bおよび第5剥離部142cを剥離し、被覆部材130の本体部131を幅方向Xに引き延ばした状態で、本体部131を手Hの皮膚に接着する。
次に、使用者は、注入部124にシリンジを接続し、押圧部材110に流体を注入することにより、押圧部材110を拡張させる。これによって、押圧部材110は、穿刺部位tに対して圧迫力を付与する。
次に、使用者は、シースチューブSを穿刺部位tから抜去する。この際、シースチューブSにおいて生体から露出している部分と被覆部材130との間には、凸部側剥離部141(第1剥離部141aおよび第2剥離部141b)が配置されている。そのため、凸部側剥離部141は、シースチューブSを抜去の際に、シースチューブSが被覆部材130に接着することを抑制できる。
次に、使用者は、穿刺部位tからの出血がないことを確認する。使用者は、穿刺部位tからの出血がある場合、押圧部材110への流体の注入量を調整する。次に、使用者は、図3Dに示すように、第1剥離部141aおよび第2剥離部141bを剥離する。これによって、被覆部材130は、押圧部材110よりも先端側において手Hの皮膚に接着する。そのため、被覆部材130は、押圧部材110を手Hの表面に強固に固定できる。
止血中に、患者の手の指f1、f2が動いたとしても、前述したように被覆部材130は、手Hの指f1、f2の動きの制限を軽減するように手Hの皮膚に接着しているため、被覆部材130は、被覆部材130が手Hの皮膚から剥がれることを抑制できる。また、被覆部材130は、患者の指f1、f2が動いた場合に本体部131と凸部132との境界部を起点として変形できる。そのため、被覆部材130は、患者の手Hの指f1、f2の動きによって本体部131や凸部132が手Hの皮膚から剥がれることを抑制できる。
使用者は、止血を開始して一定時間が経過した後、押圧部材110を徐々に減圧し、穿刺部位tの止血が適切になされていることを確認する。
使用者は、穿刺部位tの止血が終了した後、押圧部材110を十分に減圧する。そして、使用者は、被覆部材130を手Hの表面から剥し、止血器具100を患者の手Hから取り外す。なお、使用者は、押圧部材110を減圧せずに止血器具100を患者の手Hから取り外してもよい。
以下、上記実施形態の作用効果を説明する。
上記実施形態に係る止血器具100は、患者の手Hの穿刺部位tを圧迫する押圧部材110と、押圧部材110が穿刺部位tに配置された状態で、手Hの表面上に押圧部材110を固定する被覆部材130と、を有している。被覆部材130は、患者の皮膚に接着する粘着層を含む。被覆部材130は、押圧部材110を覆い、手Hの表面上に押圧部材110を固定する本体部131と、本体部131から先端側Y1に突出する凸部132と、を備えている。凸部132は、本体部131の同一部分から突出する第1凸部133と第2凸部134と、を備えている。第1凸部133と第2凸部134は、互いに離反する方向に向かって本体部131から突出する。
また、上記実施形態に係る被覆部材130は、患者の手Hの穿刺部位tに配置された押圧部材110を固定するための粘着層を有する被覆部材である。被覆部材130は、押圧部材110を覆い、手Hの表面上に押圧部材110を固定する本体部131と、本体部131から先端側Y1に突出する凸部132と、を備えている。凸部132は、本体部131の同一部分から突出する第1凸部133と第2凸部134と、を有している。第1凸部133と第2凸部134は、互いに離反する方向に向かって本体部131から突出している。
上記被覆部材130は、押圧部材110を覆う本体部131と、本体部131から先端側に突出する凸部132と、を有する。そのため、使用者が穿刺部位tに押圧部材110を固定する際、本体部131及び凸部132は、患者の手Hの表面に対し、十分に押圧部材110を固定することができる。また、被覆部材130の凸部132は、互いに離反する第1凸部133および第2凸部134と有する。そのため、使用者は、押圧部材110を手Hの穿刺部位tに固定する際、第1凸部133および第2凸部134の各々を親指f1の付け根と人差指f2の付け根に配置できる。そのため、上記被覆部材130は、患者の手Hの表面に押圧部材110を固定しつつ、患者の手Hの指f1、f2の動きの制限を軽減できる。そのため、患者が手Hの指f1、f2を動かした場合であっても、被覆部材130は、手Hの皮膚から剥がれることを抑制できる。また、第1凸部133および第2凸部134は、本体部131の同一部分から突出している。そのため、被覆部材130は、患者の手Hの指f1、f2が動いた場合に本体部131と凸部132との境界部を起点として変形できる。そのため、被覆部材130は、押圧部材110による穿刺部位tへの圧迫を維持しつつ、患者の手Hの指f1、f2の動きによって本体部131や凸部132が手の皮膚から剥がれることを抑制できる。
また、使用前の状態で押圧部材110と被覆部材130は分離している。止血器具100は、使用前の状態で、粘着層を覆う剥離部材140をさらに有する。そのため、使用者は、接着に失敗した際等において被覆部材130を簡単に交換できる。また、使用前の状態で押圧部材110が被覆部材130に配置されていないため、剥離部材140は、被覆部材130の内面に沿って粘着層を覆うことができる。そのため、剥離部材140は、粘着層に粉塵等が付着し、粘着性が低下することを抑制できる。
また、剥離部材140は、凸部132に接着されるとともに本体部131に一部が侵入した状態で接着された凸部側剥離部141と、凸部側剥離部141と別に剥離可能であり、本体部131において凸部側剥離部141から露出する領域に接着される本体部側剥離部142と、を有する。そのため、使用者は、被覆部材130から本体部側剥離部142を剥離し、本体部131に押圧部材110を配置する。そして、使用者は、押圧部材110が配置された本体部131を手Hの皮膚に接着し、かつ、被覆部材130に凸部側剥離部141が接着されたままの状態で、イントロデューサーのシースチューブSを穿刺部位tから抜去できる。そのため、凸部側剥離部141は、抜去の際に、シースチューブSが被覆部材130に接着することを抑制できる。
また、本体部131には、押圧部材110の接着位置を示すマーカー部135が設けられている。そのため、使用者は、押圧部材110を本体部131の適切な位置に配置し、止血器具100を手Hに簡単に位置合わせできる。
また、凸部132の先端部は、平面視で丸みを帯びた外形を有する。そのため、凸部132は、外力が作用した際に手Hの皮膚から剥がれることを抑制できる。
また、本体部131の幅L1は、凸部132の幅L2よりも大きい。そのため、本体部131は、本体部131の幅L1が凸部132の幅L2よりも小さい場合と比較して、本体部131の皮膚への接着面積を増加させることができ、押圧部材110を手Hの表面に強固に固定できる。
次に、第1実施形態の変形例および第2実施形態を説明する。各変形例および第2実施形態の説明では、第1実施形態で既に説明した構成等についての詳細な説明は省略する。また、各変形例および第2実施形態の説明で特に説明がない内容については、第1実施形態と同様のものとすることができる。
(剥離部材の変形例)
図4Aおよび図4Bは、変形例に係る剥離部材240、340の説明に供する図である。
図4Aに示すように、凸部側剥離部241を構成する第1剥離部141aおよび第2剥離部141bのつまみ部244は、被覆部材130の第1凸部133と第2凸部134との間から突出していてもよい。また、つまみ部244は、第1凸部133および第2凸部134よりも先端側Y1に突出していることが好ましい。
図4Bに示すように、凸部側剥離部341は1枚のシート状の部材によって形成されていてもよい。凸部側剥離部341は、被覆部材130に接着されておらず、先端側Y1に向かって折り返されたつまみ部344を基端部に備える。つまみ部344は、被覆部材130の第1凸部133と第2凸部134との間から突出している。また、つまみ部344は、第1凸部133および第2凸部134よりも先端側に突出していることが好ましい。
以上説明したように、凸部側剥離部241、341は、被覆部材130に接着されておらず、先端側Y1に向かって折り返されたつまみ部244、344を基端部に備える。つまみ部244、344は、被覆部材130の第1凸部133と第2凸部134との間から突出している。そのため、使用者は、被覆部材130が手Hに配置された状態で、突出部244、344を手指でつまむようにして凸部側剥離部241、341を簡単に剥離できる。
(被覆部材の変形例)
図5〜図6Bは、変形例に係る被覆部材230、330、430の説明に供する図である。
図5に示すように、被覆部材230を構成する本体部231と凸部232とは、異なる部材によって構成されていてもよい。その場合、本体部231の伸び率は、凸部232の伸び率よりも大きいことが好ましい。これによって、本体部231は、引き延ばされた状態で手Hの皮膚に接着できる一方、凸部232は、本体部231が引き延ばされた際に形状を維持できる。そのため、被覆部材230は、押圧部材110を手Hの表面に強固に固定できる一方で、凸部232が手Hの皮膚から剥がれることを抑制できる。
なお、ここで「伸び率」は、本体部231(または凸部232)の幅方向Xに所定の引張力を作用させた際の伸び率を意味する。伸び率は、例えば、JIS K7127:1999に準拠して測定できる。
本体部231は、例えば、フィルム材によって形成できる。凸部232は、フィルム材よりも伸び率の小さい不織布等によって形成できる。
なお、図6Aに示すように、被覆部材330を構成する本体部331と凸部332とを同一の部材によって構成してもよい。この場合、本体部331を構成する中央部331aの幅L31aは、本体部331を構成する側方部331b、331cの幅L31bよりも小さく形成した方が好ましい(L31a<L31b)。これによって、被覆部材330は、第1実施形態に係る被覆部材130と比較して、本体部331と凸部332との間の境界部の幅を短くできる。そのため、凸部332は、本体部331が引き延ばされた際に、形状を維持できる。また、凸部332を構成する第1凸部333および第2凸部334が患者の手Hの指f1、f2の動きに追従した場合に、第1凸部333および第2凸部334の動きが、本体部331に伝わり本体部331が手Hの皮膚から剥がれることを抑制できる。
図6Aでは、凸部332を構成する第1凸部333および第2凸部334において本体部331から分離した部分の幅L32aは、中央部331aの幅L31aよりも長くなるように凸部432を形成している(L32a<L31a)。この場合、被覆部材330は、第1凸部333及び第2凸部334により、被覆部材330の指先側における手Hの表面に対する固定力を高めることができる。これに対し、図6Aの形態を改変して、図6Bに示すように、凸部432を構成する第1凸部433および第2凸部434において本体部431から分離した部分の幅L42aが、中央部331aの幅L31aよりも短くなるように凸部432を形成してもよい(L42a<L31a)。これによって、被覆部材430は、上記変形例に係る被覆部材330と比較して、凸部332の幅L42を短くできる。そのため、使用者は、凸部432を簡単に親指f1の付け根および人差し指f2の付け根に接着できる。
(第2実施形態)
図7〜図8は、第2実施形態に係る止血器具500を説明するための図であり、図9A〜図9Dは、第2実施形態に係る止血器具500の使用例を説明するための図である。なお、図9C〜図9Dでは、シースチューブSを省略している。
止血器具500は、図7に示すように、押圧部材110と、被覆部材130と、を有する。本実施形態では、使用前の状態で、押圧部材110が被覆部材130に取り付けられている。止血器具100は、図8に示すように、使用前の状態で、被覆部材130の粘着層において押圧部材110から露出する領域に接着される剥離部材540をさらに有する。
また、図7および図9Aに示すように、止血器具500は、押圧部材110と被覆部材130との間に配置されて押圧部材110を保持する保持部材550と、被覆部材130の外面側Z2において押圧部材110と重なる位置に配置される支持部材560と、支持部材560を覆うカバー部材570と、をさらに有する。以下、止血器具500の各部について詳述する。
<剥離部材>
図8に示すように、剥離部材540は、凸部132に接着されるとともに本体部131に一部が侵入した状態で接着された凸部側剥離部141と、凸部側剥離部141と別に剥離可能であり、本体部131において押圧部材110および凸部側剥離部141から露出する領域に接着される本体部側剥離部542と、を有する。
本体部側剥離部542は、本実施形態では、側方部131bに接着された第3剥離部542aと、側方部131cに接着された第4剥離部542bと、を有する。第3剥離部542aおよび第4剥離部142bは、別に剥離可能である。
第3剥離部542aおよび第4剥離部542bは、凸部側剥離部141および押圧部材110を覆うとともに、中央部131aにおいて凸部側剥離部141および押圧部材110から露出する領域に接着される。そのため、剥離部材540は、押圧部材110を保護するとともに、被覆部材130の粘着層に粉塵等が接着することを抑制できる。
第3剥離部542aおよび第4剥離部542bの幅方向Xの内方側の端部には、被覆部材130の粘着層に接着されておらず、外方側に向かって折り返されたつまみ部545が形成されている。
<保持部材>
図9Aに示すように、保持部材550は、本実施形態では、粘着材を備えるゲル部材によって構成している。保持部材550は、押圧部材110の外面および被覆部材130の内面に接着している。保持部材550は、押圧部材110および被覆部材130の形状に応じて変形自在である。
図9Bに示すように、被覆部材130を幅方向Xに引き延ばした場合、保持部材550において被覆部材130の近辺の領域は、被覆部材130に倣って引き延ばされるように変形するのに対し、保持部材550において押圧部材110の近辺の領域は、押圧部材110に倣って形状を維持する。そのため、保持部材550は、被覆部材130を幅方向Xに引き延ばした際に、押圧部材110が被覆部材130から脱落したり、押圧部材110が位置ずれしたりすることを抑制できる。また、図9Cおよび図9Dに示すように、被覆部材130を手Hの皮膚に貼り付けた場合や押圧部材110を拡張した場合、保持部材550は、押圧部材110および被覆部材130の形状に応じて変形できる。
<支持部材>
図7に示すように、支持部材560は、本実施形態では、平面視において押圧部材110よりも大きい外形を備える板状部材によって構成している。支持部材560は、被覆部材130よりも剛性が高い。図9Aに示すように、支持部材560は、被覆部材130の外面側Z2において押圧部材110と重なる位置に配置される。支持部材560は、本実施形態では、カバー部材570の内面に取り付けられている。ただし、支持部材560は、被覆部材130の外面に取り付けられていてもよい。
支持部材560は、被覆部材130よりも硬質な材料で構成されており、ほぼ一定の形状を保つようになっている。そのような材料としては、特に限定されないが、例えば、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル(特に硬質ポリ塩化ビニル)、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブタジエンのようなポリオレフィン、ポリスチレン、ポリ−(4−メチルペンテン−1)、ポリカーボネート、ABS樹脂、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリアセタール、ポリアクリレート、ポリアクリロニトリル、ポリフッ化ビニリデン、アイオノマー、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)のようなポリエステル、ブタジエン−スチレン共重合体、芳香族または脂肪族ポリアミド、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素系樹脂等が挙げられる。
<カバー部材>
図9Aに示すように、カバー部材570は、可撓性を備え、支持部材560を覆った状態で幅方向Xの両端部が被覆部材130に取り付けられている。カバー部材570は、被覆部材130に外力が付加されていない自然状態で被覆部材130に対してたるんでいる。
図9Bおよび図9Cに示すように、被覆部材130が幅方向Xに引き伸ばされた場合、カバー部材570は、たるみを解消する。そのため、使用者は、カバー部材570のたるみの解消を目視で確認することで、押圧部材110が穿刺部位tを圧迫できる程度に被覆部材130が十分に引き伸ばされていることを把握できる。また、図9Dに示すように、押圧部材110が拡張した状態では、カバー部材570は支持部材560を押圧部材110に向かって押し付ける。その結果、押圧部材110は、穿刺部位tを効果的に圧迫できる。
また、例えば、被覆部材の内面側に支持部材を配置して被覆部材によって支持部材を押圧部材に押し付ける形態では、被覆部材が支持部材の角部に当接して破れる可能性や、支持部材が患者の手Hに接触し、患者が痛みを感じる可能性がある。これに対して、本実施形態に係る止血器具500では、支持部材560は、被覆部材130とカバー部材570との間に配置され、カバー部材570が支持部材560を押圧部材110に押し付ける機能を有する。そのため、止血器具500は、支持部材560によって被覆部材130が破れることを防止でき、また、支持部材560が患者の手Hに接触して患者が痛みを感じることを抑制できる。
カバー部材570の構成材料としては、特に限定されないが、例えば、上述した押圧部材110の材料と同様の材料を用いることができる。
<使用例>
次に、止血器具500の使用例を説明する。
術者等の使用者は、各種の手技を実施し終えた後、患者の手Hの甲Hbに形成した穿刺部位tからイントロデューサーのシースチューブSの一部を引き抜いておく。
次に、使用者は、患者の手Hの甲Hb側に被覆部材130を重ねるように配置する。この際、押圧部材110の略中心位置に配置されたマーカー部112を穿刺部位tに配置する。
次に、使用者は、図9A〜図9Cに示すように、剥離部材540の第3剥離部542aおよび第4剥離部542bを剥離し、被覆部材130の本体部131を幅方向Xに引き延ばした状態で、本体部131を手Hの皮膚に接着する。これによって、カバー部材570は、たるみを解消する。そのため、使用者は、カバー部材570のたるみの解消を目視で確認することで、押圧部材110が穿刺部位tを圧迫できる程度に被覆部材130が引き伸ばされていることを把握できる。
次に、使用者は、注入部124にシリンジを接続し、押圧部材110に流体を注入することにより、図9Dに示すように、押圧部材110を拡張させる。この際、カバー部材570は支持部材560を押圧部材110に向かって押し付ける。その結果、押圧部材110は、穿刺部位tを効果的に圧迫できる。
次に、使用者は、シースチューブSを穿刺部位tから抜去する。
次に、使用者は、穿刺部位tからの出血がないことを確認する。使用者は、穿刺部位tからの出血がある場合、押圧部材110への流体の注入量を調整する。次に、使用者は、剥離部材140の第1剥離部141aおよび第2剥離部141bを剥離する。
使用者は、止血を開始して一定時間が経過した後、押圧部材110を徐々に減圧し、穿刺部位tの止血が適切になされていることを確認する。
使用者は、穿刺部位tの止血が終了した後、押圧部材110を十分に減圧する。そして、使用者は、被覆部材130を手Hの表面から剥し、止血器具500を患者の手Hから取り外す。
次に、上記実施形態の作用効果を説明する。
上記実施形態に係る止血器具500では、使用前の状態で、本体部131に押圧部材110が取り付けられている。また、止血器具500は、使用前の状態で、押圧部材110を覆うとともに粘着層において押圧部材110から露出する領域に接着される剥離部材540をさらに有する。そのため、使用者は、押圧部材110を被覆部材130に接着する必要がなく、止血器具500は、第1実施形態に係る止血器具100と比較して利便性を向上させることができる。また、剥離部材540は、押圧部材110を保護するとともに、粘着層に粉塵等が付着し、粘着性が低下することを抑制できる。
また、止血器具500は、押圧部材110と被覆部材130との間に配置されて押圧部材110を保持するとともに、押圧部材110および被覆部材130の形状に応じて変形自在な保持部材550をさらに有する。そのため、使用者が被覆部材130を引き延ばして手Hの皮膚に貼り付ける際に、保持部材550において被覆部材130の近傍の領域は被覆部材130に倣って引き延ばされ、保持部材550において押圧部材110の近傍の領域は押圧部材110に倣って形状を維持する。そのため、保持部材550は、押圧部材110が被覆部材130から脱落したり、押圧部材110が位置ずれすることを抑制できる。
また、止血器具500は、被覆部材130よりも剛性が高く、被覆部材130の外面側Z2において押圧部材110と重なる位置に配置される支持部材560と、支持部材560を覆った状態で幅方向Xの両端部が被覆部材130に取り付けられたカバー部材570と、をさらに有する。カバー部材570は、被覆部材130に外力が付加されていない自然状態でたるんでいる。そのため、使用者が被覆部材130を幅方向Xに引き伸ばした場合、カバー部材570は、たるみを解消する。使用者は、カバー部材570のたるみの解消を視認することで、押圧部材110が穿刺部位tを圧迫できる程度に被覆部材130が十分に引き伸ばされていることを把握できる。また、押圧部材110が拡張した状態では、カバー部材570は支持部材560を押圧部材110に向かって押し付ける。その結果、押圧部材110は、穿刺部位tを効果的に圧迫できる。このように、カバー部材570が支持部材560を押圧部材110に押し付ける機能を有するため、止血器具500は、支持部材560によって被覆部材130が破れることや、支持部材560が患者の手Hに接触して患者が痛みを感じることを抑制できる。
以上、実施形態を通じて本発明に係る止血器具を説明したが、本発明は明細書において説明した内容のみに限定されるものでなく、特許請求の範囲の記載に基づいて適宜変更することが可能である。
実施形態の説明では、止血器具を左手の甲に形成した穿刺部位を止血するために使用する例を説明した。しかし、本発明に係る止血器具は、右手の甲に形成された穿刺部位、右手の掌に形成された穿刺部位、左手の掌に形成された穿刺部位等を止血するために使用することも可能である。
例えば、押圧部材は、流体が注入されることによって拡張するように構成していなくてもよい。押圧部材は、例えば、プラスチック等の樹脂材料やゲル等で構成された部材、時間経過に応じて含水率が低下して圧迫力を徐々に減少させるゲルを含む部材、スポンジ状の物質等の弾性材料、綿(わた)のような繊維の集合体、金属、所定の立体形状を備える部材(球状、楕円体、三角錐等)、これらを適宜組み合わせたもの等で構成することも可能である。
また、例えば、剥離部材が、個別に剥離可能な複数の部材によって構成している場合、各部材に剥離順を示す番号等を付してもよい。また、剥離部材は、一つの部材によって構成してもよい。
100、500 止血器具、
110 押圧部材、
130、230、330、430 被覆部材、
131、231、331 本体部、
131a、331a 中央部、
131b、131c、331b、331c 側方部、
132、232、332、432 凸部、
133、333、433 第1凸部、
134、334、434 第2凸部、
135 押圧部材の接着位置を示すマーカー部、
140、240、340、540 剥離部材、
141、241、341 凸部側剥離部、
142、542 本体部側剥離部、
550 保持部材、
560 支持部材、
570 カバー部材、
H 手、
X 幅方向、
Y1 先端側、
Y2 基端側、
Z1 内面側、
Z2 外面側、
t 穿刺部位(止血すべき部位)。

Claims (13)

  1. 患者の手の止血すべき部位を圧迫する押圧部材と、
    前記押圧部材が前記止血すべき部位に配置された状態で、前記手の表面上に前記押圧部材を固定する被覆部材と、を有し、
    前記被覆部材は、前記患者の皮膚に接着する粘着層を含み、
    前記被覆部材は、前記押圧部材を覆い、前記手の表面上に前記押圧部材を固定する本体部と、前記本体部から先端側に突出する凸部と、を備え、
    前記凸部は、前記本体部の同一部分から突出する第1凸部と第2凸部と、を備え、
    前記第1凸部と前記第2凸部は、互いに離反する方向に向かって前記本体部から突出する、止血器具。
  2. 使用前の状態で、前記押圧部材と前記被覆部材は分離しており、
    使用前の状態で、前記粘着層に接着される剥離部材をさらに有する、請求項1に記載の止血器具。
  3. 使用前の状態で、前記本体部には前記押圧部材が取り付けられており、
    使用前の状態で、前記押圧部材を覆うとともに前記粘着層において前記押圧部材から露出する領域に接着される剥離部材をさらに有する、請求項1に記載の止血器具。
  4. 前記剥離部材は、
    前記凸部に接着されるとともに前記本体部に一部が侵入した状態で前記本体部に接着される凸部側剥離部と、
    前記凸部側剥離部と別に剥離可能であり、前記本体部において前記凸部側剥離部から露出する領域に接着される本体部側剥離部と、を有する、請求項2または請求項3に記載の止血器具。
  5. 前記凸部側剥離部は、前記被覆部材に接着されておらず、先端側に向かって折り返されたつまみ部を基端部に備え、
    前記つまみ部は、前記被覆部材の前記第1凸部と前記第2凸部との間から突出している、請求項4に記載の止血器具。
  6. 前記本体部の伸び率は、前記凸部の伸び率よりも大きい、請求項1〜5のいずれか一項の記載の止血器具。
  7. 前記本体部には、前記押圧部材の接着位置を示すマーカーが設けられている、請求項2に記載の止血器具。
  8. 前記凸部の先端部は、平面視において丸みを帯びた外形を有する、請求項1〜7のいずれか一項に記載の止血器具。
  9. 前記本体部の幅は、前記凸部の幅よりも大きい、請求項1〜8のいずれか一項に記載の止血器具。
  10. 前記本体部は、先端側に前記凸部が接続される中央部と、前記中央部の幅方向の両側に接続されるとともに前記凸部から分離した一対の側方部と、を有し、
    前記中央部の幅は、前記側方部の幅よりも小さい、請求項1〜9のいずれか一項に記載の止血器具。
  11. 前記押圧部材と前記被覆部材との間に配置されて前記押圧部材を保持するとともに、前記押圧部材および前記被覆部材の形状に応じて変形自在な保持部材をさらに有する、請求項3に記載の止血器具。
  12. 前記被覆部材よりも剛性が高く、前記被覆部材の外面側において前記押圧部材と重なる位置に配置される支持部材と、
    前記支持部材を覆った状態で幅方向の両端部が前記被覆部材に取り付けられたカバー部材と、をさらに有し、
    前記カバー部材は、前記被覆部材に外力が付加されていない自然状態で前記被覆部材に対してたるんでいる、請求項3に記載の止血器具。
  13. 患者の手の止血すべき部位に配置された押圧部材を固定するための粘着層を有する被覆部材であって、
    前記押圧部材を覆い、前記手の表面上に前記押圧部材を固定する本体部と、前記本体部から先端側に突出する凸部と、を備え、
    前記凸部は、前記本体部の同一部分から突出する第1凸部と第2凸部と、を有し、
    前記第1凸部と前記第2凸部は、互いに離反する方向に向かって前記本体部から突出する、被覆部材。
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