JPWO2019198782A1 - ジシアノアルカンおよびビス(アミノメチル)アルカンの製造方法 - Google Patents

ジシアノアルカンおよびビス(アミノメチル)アルカンの製造方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、金属触媒の析出を抑えた状態でシアノ化反応を行うことにより、シアノ化反応工程後の触媒の濾過工程を省略することができる新規なジシアノアルカンの製造方法を提供する。本発明の一態様によれば、ジシアノアルカンの製造方法であって、脂肪族ジカルボン酸およびその塩からなる群から選択される1種以上を、所定の化合物ならびに触媒の存在下、アンモニア源とシアノ化する、シアノ化反応工程を含み、シアノ化反応工程において、当該所定の化合物の量を触媒に対して所定の量以上に維持する方法が提供される。

Description

本発明はジシアノアルカンおよびビス(アミノメチル)アルカンの製造方法に関する。
ジシアノアルカンは、水添反応によりビス(アミノメチル)アルカンを得るための原料として用いることができる。ビス(アミノメチル)アルカンは、樹脂の原料として有用であるため、効率的にジシアノアルカンを製造する方法が求められている。
ジシアノアルカンからビス(アミノメチル)アルカンを製造する際の前工程として、アルカンジカルボン酸のシアノ化反応工程がある。このシアノ化反応工程について一般的に金属触媒を用いた反応が知られている。例えば特許文献1には、トランス−ビス(アミノメチル)シクロヘキサンの製造方法において、酸化スズ(II)触媒存在下で1,4−シクロヘキサンジカルボン酸から1,4−ジシアノシクロヘキサンを得る方法が記載されている(特許文献1、実施例1)。
特許第6078158号
しかしながら、特許文献1に記載の製造方法では、シアノ化反応工程後に濾過をして固形物(すなわち析出した触媒)を除去する工程が含まれており、改善の余地があった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、金属触媒の析出を抑えた状態でシアノ化反応を行うことにより、シアノ化反応工程後の触媒の濾過工程を省略することができる新規なジシアノアルカンの製造方法を提供することができる。また、本発明によれば、析出した触媒による輸送ラインや蒸留塔の閉塞リスクも回避することができる。
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、シアノ化反応工程において特定の化合物の量を触媒に対して所定量以上に維持することで触媒の析出を抑えることができることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は下記のとおりである。
[1]
ジシアノアルカンの製造方法であって、
脂肪族ジカルボン酸およびその塩からなる群から選択される1種以上を、下記一般式(1)で表されるアミド化合物またはその誘導体、
Figure 2019198782

[式中、Rは、置換または無置換の炭化水素基である]
ならびに金属酸化物および/または金属塩の存在下、アンモニア源とシアノ化する、シアノ化反応工程を含み、
前記シアノ化反応工程において、前記一般式(1)で表されるアミド化合物の量を前記金属酸化物および金属塩の総量に対して0.010当量以上に維持する、方法。
[2]
前記アンモニア源が、アンモニア、尿素、炭酸水素アンモニウム、炭酸アンモニウムまたは脂肪族ジカルボン酸アンモニア水溶液の加熱濃縮物によってもたらされる、[1]に記載の方法。
[3]
前記Rの置換または無置換の炭化水素基が、置換または無置換の脂肪族炭化水素基、置換または無置換の脂環族炭化水素基、および置換または無置換の芳香族炭化水素基からなる群から選択される1価の基から選択される、[1]または[2]に記載の方法。
[4]
前記一般式(1)で表されるアミド化合物が、カルバモイルアルカンカルボン酸、アルカンジアミドおよびシアノアルカンカルボキサミドからなる群から選択される1種以上である、[1]〜[3]のいずれかに記載の方法。
[5]
前記金属酸化物が、酸化亜鉛、酸化スズおよび酸化鉄からなる群から選択される1種以上である、[1]〜[4]のいずれかに記載の方法。
[6]
前記金属塩が、炭酸塩、カルボン酸塩、硫酸塩、硝酸塩およびハロゲン化物ならびにそれらの水和物からなる群から選択される1種以上である、[1]〜[5]のいずれかに記載の方法。
[7]
前記シアノ化反応工程中に前記一般式(1)で表されるアミド化合物またはその誘導体の追加を行うことで、前記一般式(1)で表されるアミド化合物の量を前記金属酸化物および金属塩の総量に対して0.010当量以上に維持する、[1]〜[6]のいずれかに記載の方法。
[8]
前記シアノ化反応工程において、前記一般式(1)で表されるアミド化合物の量が前記金属酸化物および金属塩の総量に対して0.010当量未満となる前に、前記シアノ化反応を終了させる、[1]〜[7]のいずれかに記載の方法。
[9]
前記シアノ化反応工程において、前記一般式(1)で表されるアミド化合物の量を定量する、[1]〜[8]のいずれかに記載の方法。
[10]
[1]〜[9]のいずれかに記載の方法により得られたジシアノアルカンに対する水素添加反応により、ビス(アミノメチル)アルカンを得るアミノ化工程を有する、ジアミノアルカンの製造方法。
本発明によれば、金属触媒の析出を抑えた状態でシアノ化反応を行うことにより、シアノ化反応工程後の触媒の濾過工程を省略することができる新規なジシアノアルカンの製造方法を提供することができる。また、本発明によれば、析出した触媒による輸送ラインや蒸留塔の閉塞リスクも回避することができる。
触媒析出前後の1,4−ジシアノシクロヘキサンおよび4−シアノシクロヘキサンカルボキサミドの組成比の変化をガスクロマトグラフィー(以下、GCとも称する)を用いて測定した結果である。 実施例1における反応終了時の反応液の状態を示す写真である。 比較例1における反応終了時の反応液の状態を示す写真である。 触媒と中間体との複合体の構造を示す、実施例1におけるLC−Mass分析の結果である。
以下、本発明を実施するための形態(以下、単に「本実施形態」ともいう。)について詳細に説明するが、本発明は下記本実施形態に限定されるものではない。本発明は、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変形が可能である。
1.ジシアノアルカンの製造方法
本発明のジシアノアルカンの製造方法は、脂肪族ジカルボン酸およびその塩からなる群から選択される1種以上を、下記一般式(1)で表されるアミド化合物またはその誘導体、
Figure 2019198782

[式中、Rは、置換または無置換の炭化水素基である]
ならびに金属酸化物および/または金属塩の存在下、アンモニア源とシアノ化する、シアノ化反応工程(以下、「本発明のシアノ化反応工程」とも称する)を含み、
前記シアノ化反応工程において、前記一般式(1)で表されるアミド化合物の量を前記金属酸化物および金属塩の総量に対して0.010当量以上に維持する、方法(以下、「本発明の製造方法」とも称する)である。本明細書において「当量」とは、特に明記がない限り「モル当量」を意味する。すなわち、「0.010当量」とは0.010倍のモル比を意味する。
本明細書において、ジシアノアルカンとは2つのシアノ基(−CNで表され、ニトリル基とも称される)を有するアルカン(飽和炭化水素や脂肪族炭化水素とも称される)であり、鎖状のアルカンと環状のアルカンのいずれであってもよい。アルカンの炭素数としては、特に限定されないが、鎖状のアルカンの場合、好ましくは炭素数は1〜20、より好ましくは4〜10、さらに好ましくは6〜8であり、環状のアルカンの場合は、好ましくは3〜8、より好ましくは4〜8、さらに好ましくは、5〜6である。
本発明の製造方法で製造し得るジシアノアルカンとしては、種々のジシアノアルカンが含まれる。鎖状のジシアノアルカンとしては、例えば、ジシアノメタン、ジシアノエタン、ジシアノプロパン、ジシアノブタン、ジシアノペンタン、ジシアノヘキサン、ジシアノヘプタン、ジシアノオクタン、ジシアノノナン、ジシアノデカン等が挙げられる。これらの中でもジシアノペンタン、ジシアノヘキサン、ジシアノオクタンが好ましく、1,6−ジシアノヘキサン(スベロニトリルとも称される)や1,8−ジシアノオクタン(セバコニトリルとも称される)がさらに好ましい。環状のジシアノアルカンとしては、例えば、ジシアノシクロプロパン、ジシアノシクロブタン、ジシアノシクロペンタン、ジシアノシクロヘキサン、ジシアノシクロヘプタン、ジシアノシクロオクタン、ジシアノシクロノナン、ジシアノシクロデカン等が挙げられる。これらの中でもジシアノシクロペンタン、ジシアノシクロヘキサン、ジシアノシクロヘプタンが好ましく、1,2−ジシアノシクロヘキサン、1,3−ジシアノシクロヘキサン、1,4−ジシアノシクロヘキサンがさらに好ましい。ジシアノアルカンは、さらに任意の1つ以上の置換基を有していてもよく、そのような置換基としては、例えば、ハロゲン原子、炭素数1〜20のアルキル基、または炭素数6〜12のアリール基等が挙げられる。
本発明の製造方法において、ジシアノアルカンは脂肪族ジカルボン酸およびその塩からなる群から選択される1種以上のシアノ化反応によって得ることができる。そのような脂肪族ジカルボン酸としては、種々の脂肪族ジカルボン酸が含まれる。鎖状の脂肪族ジカルボン酸としては、例えば、メタンジカルボン酸、エタンジカルボン酸、プロパンジカルボン酸、ブタンジカルボン酸、ペンタンジカルボン酸、ヘキサンジカルボン酸、ヘプタンジカルボン酸、オクタンジカルボン酸、ノナンジカルボン酸、デカンジカルボン酸等が挙げられる。これらの中でもペンタンジカルボン酸、ヘキサンジカルボン酸、オクタンジカルボン酸が好ましく、1,6−ヘキサンジカルボン酸(スベリン酸)や1,8−オクタンジカルボン酸(セバシン酸)がさらに好ましい。環状の脂肪族ジカルボン酸としては、例えば、シクロプロパンジカルボン酸、シクロブタンジカルボン酸、シクロペンタンジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、シクロヘプタンジカルボン酸、シクロオクタンジカルボン酸、シクロノナンジカルボン酸、シクロデカンジカルボン酸等が挙げられる。これらの中でもシクロペンタンジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、シクロヘプタンジカルボン酸が好ましく、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸がさらに好ましい。脂肪族ジカルボン酸の塩としては、脂肪族ジカルボン酸のアンモニウム塩や金属塩等が挙げられる。脂肪族ジカルボン酸は、さらに任意の1つ以上の置換基を有していてもよく、そのような置換基としては、例えば、ハロゲン原子、炭素数1〜20のアルキル基、または炭素数6〜12のアリール基等が挙げられる。本発明の製造方法におけるシアノ化反応工程において、原料として用いられる脂肪族ジカルボン酸は、常法によって製造してもよく、市販品を入手してもよい。
本発明のシアノ化反応工程の流れを下記スキーム1を用いて説明する。
Figure 2019198782
上記スキーム1に示すように、出発物質であるカルボン酸とアンモニアガスとの反応が起こり、カルボキシル基が順次アミド基に変換される。そのアミド基が触媒の存在下で脱水されてシアノ基に変換されることで目的化合物であるニトリルが得られる。
本発明のシアノ化反応工程は、下記一般式(1)で表されるアミド化合物またはその誘導体、
Figure 2019198782

ならびに金属酸化物および/または金属塩の存在下で行われる。上記式中、Rは、置換または無置換の炭化水素基である。Rの置換または無置換の炭化水素基は、好ましくは、置換または無置換の脂肪族炭化水素基、置換または無置換の脂環族炭化水素基、および置換または無置換の芳香族炭化水素基からなる群から選択される1価の基から選択される。そのような脂肪族炭化水素としては、メタン、エタン、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン等が挙げられる。これらの中でもペンタン、ヘキサン、オクタンが好ましい。脂環族炭化水素としては、例えば、シクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン、シクロノナン、シクロデカン等が挙げられる。芳香族炭化水素としては、ベンゼン、ピロール、フラン、チオフェン、ピリジン、イミダゾール、ピラゾール、オキサゾール、チアゾール等が挙げられる。置換基としては、例えば、シアノ基、ニトロ基、カルボキシル基、ハロゲン原子、炭素数1〜20のアルキル基、または炭素数6〜12のアリール基等が挙げられる。
上記一般式(1)で表されるアミド化合物としては、例えば、カルバモイルアルカンカルボン酸、アルカンジアミドおよびシアノアルカンカルボキサミドからなる群から選択される1種以上が挙げられる。一般式(1)で表されるアミド化合物の誘導体としては、一般式(1)で表されるアミド化合物のNHの水素が他のヘテロ原子に置換されたものが挙げられる。好ましくは、上記一般式(1)で表されるアミド化合物は、シアノアルカンカルボキサミドであり、より好ましくは、4−シアノシクロヘキサンカルボキサミド、7−シアノヘプタンアミドまたは9−シアノノナンアミドである。
本発明の製造方法は、シアノ化反応工程において、前記一般式(1)で表されるアミド化合物の量を前記金属酸化物および金属塩の総量に対して0.010当量以上に維持する。なお、本明細書において「一般式(1)で表されるアミド化合物の量を前記金属酸化物および金属塩の総量に対して0.010当量以上に維持する」とは、反応開始後に前記一般式(1)で表されるアミド化合物の量が前記金属酸化物および金属塩の総量に対して0.010当量以上となった後、その状態を維持することを意味する。例えば、反応開始直後において一般式(1)で表されるアミド化合物の量が前記金属酸化物および金属塩の総量に対して0.010当量を下回っている場合、反応が進行して一般式(1)で表されるアミド化合物の量が0.010当量以上となってからその状態を維持することを意味する。一般式(1)で表されるアミド化合物の量を上記の値以上に維持することで、触媒の析出を抑えることができる。なお、触媒析出後に一般式(1)で表されるアミド化合物の量が一時的に増加する場合があるため、上記の0.010当量は触媒析出前のアミド化合物の量を意味する。
理論に拘束されるものではないが、反応系に存在するカルボン酸とシアノ化触媒である金属酸化物または金属塩とが複合体を形成することで、当該触媒が溶解状態となると考えられる。そして、上記一般式(1)で表される化合物が一定量以上存在することで、このカルボン酸とシアノ化触媒である金属酸化物または金属塩との複合体が安定的に存在できるため、当該触媒の溶解状態が維持され、反応後の触媒の析出を効果的に抑制できるものと考えられる。複合体が形成されることは、本明細書の実施例においても裏付けられており、例えば、実施例1におけるLC−Mass分析の結果を示す図4では、触媒として添加した酸化亜鉛に4−シアノシクロヘキサンカルボン酸またはそのカルボキシラートイオンが3分子結合して複合体を形成していることが確認された(ESIネガティブモードによって検出したことを考慮すると、実際の反応液では3分子よりも少ない4−シアノシクロヘキサンカルボン酸および/またはそのカルボキシラートイオンが亜鉛と複合体を形成している可能性も考えられる)。触媒の析出が抑えられているか否かは目視によっても確認することができるが、種々の分析方法(例えば、ICP分析)によって確認することもできる。ICP分析によって測定した場合、析出した金属が、添加した触媒に含まれる金属に対して60wt%以下であれば十分に析出が抑制されているといえる。
ここで、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸の1,4−ジシアノシクロヘキサンへのシアノ化の場合、反応系中で生じるカルボン酸の1つである4−シアノシクロヘキサンカルボン酸が触媒である酸化亜鉛と複合体を形成し、その複合体が上記一般式(1)で表される化合物の1つである4−シアノシクロヘキサンカルボキサミドの1,4−ジシアノシクロヘキサンへの反応を触媒しているものと考えられる。そして、反応の進行とともに4−シアノシクロヘキサンカルボキサミドの系内での濃度が低下すると、反応平衡が傾き、複合体の分解が促進されて触媒の析出につながると考えられる。したがって、上記一般式(1)で表される化合物の量を所定の水準以上に維持することで、触媒の析出を抑制することができることを本発明者らは初めて知得した。また、反応平衡を維持することで触媒の析出を抑制することができることから、上記一般式(1)で表される化合物は必ずしもシアノ化工程における反応中間体でなくてもよい。例えば、上記の例では、上記一般式(1)で表される化合物である4−シアノシクロヘキサンカルボキサミドは、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸から1,4−ジシアノシクロヘキサンを得る反応における中間体であるが、上記一般式(1)で表される化合物として4−シアノシクロヘキサンカルボキサミド以外の化合物を用いてもよい。
一般式(1)で表されるアミド化合物の量は前記金属酸化物および金属塩の総量に対して0.010当量以上であり、好ましくは0.10当量以上であり、より好ましくは、0.50当量以上である。一般式(1)で表されるアミド化合物の量の上限値は、好ましくは30当量以下であり、より好ましくは25当量以下である。
本発明のシアノ化反応工程において、一般式(1)で表されるアミド化合物の量を維持する方法としては特に限定されないが、例えば、シアノ化反応工程中に一般式(1)で表されるアミド化合物またはその誘導体を追加することができる。
あるいは、シアノ化反応工程において、一般式(1)で表されるアミド化合物の量が前記金属酸化物および金属塩の総量に対して0.010当量未満となる前に、前記シアノ化反応を終了させることでも維持することができる。
一般式(1)で表されるアミド化合物の量の維持は、シアノ化反応工程における一般式(1)で表されるアミド化合物の量を定量することによって行ってもよく、あるいは、シアノ化反応工程におけるこの化合物の量の低減速度を計算し、シミュレーションによって行ってもよい。例えば、本明細書に記載の検証例1のように、一旦触媒の析出が生じるまで反応を進行させてその際の反応系内の化合物の量の変化を記録し、その記録に基づいてシミュレーションを行ってもよい。本発明の好ましい態様において、シアノ化反応工程において、一般式(1)で表されるアミド化合物の量を定量する。反応の最中に適宜定量を行うことで、より確実に当該化合物の量を維持することができ、効果的に触媒の析出を抑制することができる。本明細書において、一般式(1)で表されるアミド化合物の量は、ガスクロマトグラフィーを用いて測定することができ、例えば、実施例1に記載のガスクロマトグラフィーを用いた測定方法で測定することができる。定量の回数やタイミングは特に限定されないが、例えば、10分毎、15分毎、20分毎、30分毎、40分毎、50分毎、1時間毎、2時間毎、3時間毎、または4時間毎に定量してもよい。また、反応の進行度を考慮して、定量するタイミングを反応途中で変えてもよく、例えば、反応開始から4時間までは1時間毎に定量し、その後は10分毎に定量するなどしてもよい。
また、図4に示すように4−シアノシクロヘキサンカルボン酸および/またはそのカルボキシラートアニオンも触媒の溶解状態に影響すると考えられる。従って、4−シアノシクロヘキサンカルボン酸および/またはそのカルボキシラートアニオンを種々の分析方法(例えば、イオンクロマトグラフィー)によって定量し、前記金属酸化物および金属塩の総量に対して0.2当量以上、0.3当量以上、0.4当量以上、0.5当量以上、0.6当量以上、0.7当量以上、0.8当量以上、0.9当量以上、1.0当量以上、1.1当量以上、1.2当量以上、1.3当量以上、1.4当量以上、1.5当量以上、1.6当量以上、1.7当量以上、1.8当量以上、1.9当量以上、または2.0当量以上を反応系中に維持することも触媒の析出を軽減/抑制するために効果的な方法である。また、4−シアノシクロヘキサンカルボン酸および/またはそのカルボキシラートアニオンの量の上限値は、好ましくは150当量以下であり、より好ましくは100当量以下である。定量の回数やタイミングは特に限定されないが、例えば、10分毎、15分毎、20分毎、30分毎、40分毎、50分毎、1時間毎、2時間毎、3時間毎、または4時間毎に定量してもよい。また、反応の進行度を考慮して、定量するタイミングを反応途中で変えてもよく、例えば、反応開始から3時間までは1時間毎に定量し、その後は15分毎に定量するなどしてもよい。例えば、イオンクロマトグラフィーによって4−シアノシクロヘキサンカルボン酸および/またはそのカルボキシラートアニオンの量を定量する場合は、市販のイオンクロマトグラフ(例えば、日本ダイオネクス製のICS2000)を用いて測定することができる。
本発明のシアノ化反応工程において、アンモニア源がアンモニア(ガス)、尿素、炭酸水素アンモニウム、炭酸アンモニウムまたは脂肪族ジカルボン酸アンモニア水溶液の加熱濃縮物によってもたらされてもよい。シアノ化工程に用いられるアンモニア源と脂肪族ジカルボン酸とのモル比(アンモニア源のモル数/脂肪族ジカルボン酸のモル数)は、0.1〜5であることが好ましく、より好ましくは0.3〜4であり、特に好ましくは0.5〜3の範囲内である。なお、アンモニアガス等の気体をアンモニア源として用いる場合、1時間当たりの合計流量のモル数を上記アンモニア源のモル数とする。脂肪族ジカルボン酸アンモニア水溶液の加熱濃縮物をアンモニア源として用いる場合、シアノ化反応工程に先立って脂肪族ジカルボン酸のアンモニア水溶液(すなわち、脂肪族ジカルボン酸を含むアンモニア水溶液)を加熱して、水の少なくとも一部を除去することにより、上記加熱濃縮物を得る工程(以下、「加熱濃縮工程」とも称する)を有していてもよく、その後のシアノ化工程と連続的に行ってもよい。アンモニア水溶液中の脂肪族ジカルボン酸の濃度は、アンモニア100モル%に対して、25〜50モル%であると好ましい。また、加熱濃縮工程において、初期のアンモニア水溶液中のアンモニアの濃度は、アンモニア水溶液の全体量に対して、0.1〜10質量%であると好ましい。さらに、加熱濃縮物を得る際の加熱温度は、100℃〜200℃であると好ましく、圧力は常圧であっても加圧であってもよい。
シアノ化反応工程においては、まず、反応器内に脂肪族ジカルボン酸とアンモニア源とを導入し、必要に応じて溶媒と、触媒とを仕込む。アンモニアガスを使用する場合、その導入機会は加熱途中でもよい。その後、反応器内を所定の温度になるまで加熱して、反応器内の圧力が一定の範囲内を維持するよう、適宜不活性ガスを反応器内に導入しつつ、かつ反応器内を撹拌しながら、シアノ化反応を進行させる。また、系内の圧力の調整は、アンモニア源の1種であるアンモニアガスの導入によって調整してもよい。
触媒としては、通常のシアノ化反応に用いられる金属酸化物および/または金属塩を採用することができる。具体的には、金属酸化物としては、酸化亜鉛、酸化スズ(II)、酸化スズ(IV)、酸化鉄(II)および酸化鉄(III)からなる群から選択される1種以上が挙げられる。これらの中では、シアノ化反応をより有効かつ確実に進行させる観点から、酸化亜鉛、酸化スズ(II)、および酸化鉄(III)が好ましい。金属塩としては、亜鉛、スズおよび鉄の、炭酸塩、カルボン酸塩、硫酸塩、硝酸塩およびハロゲン化物ならびにそれらの水和物からなる群から選択される1種以上が挙げられる。触媒は、1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて用いられる。さらに、触媒の使用量は、脂肪族ジカルボン酸100質量%に対して、0.5〜20質量%であると好ましい。触媒を上記の範囲内の量となるように用いることで、得られるジシアノアルカンの収率および選択率を高めることができる。
シアノ化工程は無溶媒で行ってもよく、溶媒を用いて行ってもよい。好ましくは沸点が600℃以下の溶媒、より好ましくは沸点が500℃以下の溶媒、さらに好ましくは沸点が420℃以下の溶媒が使用される。また、シアノ化反応の反応温度以上である溶媒の沸点は、好ましくは250℃以上であり、より好ましくは270℃以上であり、さらに好ましくは300℃以上である。沸点が300℃以上であることにより、シアノ化反応が円滑に進行し、且つ、ジシアノシクロヘキサンの三量体といったような不純物の生成を抑えることができる傾向にある。
シアノ化工程において用いられる溶媒として、ヘプタデカン、ノナデカン、ドコサン等の脂肪族アルカン;ヘプタデセン、ノナデセン、ドコセン等の脂肪族アルケン;ヘプタデシン、ノナデシン、ドコシン等の脂肪族アルキン;ウンデシルベンゼン、トリデシルベンゼン、テトラデシルベンゼン等のアルキルベンゼン、ジアルキルベンゼン及びアルキルナフタレン等のアルキル置換芳香族;ウンデカンアミド、ラウリン酸アミド、ステアリン酸アミド等のアミド化合物;テトラデカンニトリル、ヘキサデカンニトリル、2−ナフチルアセトニトリル、ステアロニトリル、1,6−ジシアノヘキサン、1,8−ジシアノオクタン、1,2−ジシアノシクロヘキサン、1,3−ジシアノシクロヘキサン、1,4−ジシアノシクロヘキサン等のニトリル化合物;4−ジブロモフェニルエーテル等のエーテル;1,2,4,5−テトラクロロ−3−ニトロベンゼン、4,4’−ジクロロベンゾフェノン等のハロゲン化ベンゼン;2−フェニルアセトフェノン、アントラキノン等のケトン並びにトリフェニルメタン;等が挙げられる。
これらのうち、アルキルナフタレン、トリフェニルメタン、ジシアノヘキサン、ジシアノオクタン、ジシアノシクロヘキサン等がシアノ化反応の進行を妨げない点で好ましい。より好ましくは、溶媒として最終生成物を用いることが、溶媒と生成した脂肪族ジニトリルの分離工程を省略できる点から好ましい。
シアノ化工程における溶媒量は、無溶媒、もしくはシアノ化反応が十分に進行する量であれば良いが、例えば溶媒の使用量は脂肪族ジカルボン酸および/またはその塩の質量に対し、20倍量以下であることが好ましく、0.01〜10倍量であることがより好ましく、さらに好ましくは0.05〜5倍量であり、特に好ましくは0.1〜3倍量の範囲内である。
シアノ化反応工程における反応温度は、200〜340℃であると好ましく、230〜330℃であるとより好ましく、250〜320℃であるとさらに好ましい。反応圧力は、陰圧であっても常圧であっても陽圧であってもよいが、0.001MPa〜10MPaであることが好ましく、より好ましくは0.05MPa〜5MPaであり、さらに好ましくは0.08MPa〜0.12MPaの範囲内、例えば常圧(0.1MPa)である。各原料の濃度や反応条件を上述の範囲内に調整することで、得られるジシアノアルカンの収率及び選択率を高めることができる。
反応時間は、上記一般式(1)で表されるアミド化合物の量が金属酸化物および金属塩の総量に対して0.010当量以上に維持されている時間であれば特に限定されず、反応スケールによって適宜選択することができる。
このようにして得られたジシアノアルカンを含む反応液を、必要に応じて蒸留することにより、ジシアノアルカンを回収してもよい(以下、この工程を「蒸留工程」とも称する)。蒸留は、例えば1,4−ジシアノシクロヘキサンの場合、蒸留器の系内の圧力が3.0kPa〜4.0kPa、温度が180〜230℃になるよう蒸留器を底部から加熱すると共に頂部で冷却をすることで、器内において気液接触させることで行われる。これにより、蒸留器の頂部からジシアノアルカンを選択的に抜き出して回収することができる。
2.ビス(アミノメチル)アルカンの製造方法
本実施形態の製造方法は、上述のようにして得られたジシアノアルカンに対する水素添加反応により、ビス(アミノメチル)アルカンを得る工程(以下、「アミノ化工程」とも称する)を有していてもよい。アミノ化工程により、シアノ基(-CN)がアミノメチル基(−CHNH)に変換される。ビス(アミノメチル)アルカンは、シアノ基の水素添加反応によって得られたアミノメチル基を2つ有するアルカンであり、例えば、下記のような構造を有する。
Figure 2019198782
アミノ化工程においては、まず、反応器内にジシアノアルカンと、溶媒と、触媒とを仕込み、系内の圧力が所定の圧力になるまで水素ガスを導入する。その後、反応器内を所定の温度になるまで加熱して、反応器内の圧力が一定の範囲内を維持するよう、適宜水素ガスを反応器内に導入しつつ、水素添加反応を進行させる。
溶媒としては、通常の水素添加反応に用いられる溶媒を採用することもでき、具体的には、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、及びtert−ブタノール等のアルコール、キシレン、メシチレン、及びプソイドキュメンのような芳香族炭化水素、液体アンモニア、及びアンモニア水が挙げられる。溶媒は1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。また、触媒としては、通常の水素添加反応に用いられる触媒を採用することもでき、具体的には、Ni及び/又はCoを含有する触媒を用いることができる。一般には、Ni及び/又はCoを、Al、SiO、けい藻土、SiO−Al、及びZrOに沈殿法で担持した触媒、ラネーニッケル、あるいはラネーコバルトが触媒として好適に用いられる。これらの中では、ニトリル水添反応をより有効かつ確実に進行させる観点から、ラネーコバルト触媒及びラネーニッケル触媒が好ましい。触媒は1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。さらに、触媒の使用量は、ジシアノアルカン100質量%に対して、0.1〜150質量%であると好ましく、0.1〜20質量%であるとより好ましく、0.5〜15質量%であるとさらに好ましい。触媒を上記の範囲内の量となるように用いることで、得られるビス(アミノメチル)アルカンの収率および選択率を高めることができる。
アミノ化工程における、ジシアノアルカンの濃度は、反応効率の観点から、反応液の全体量に対して、1〜50質量%であると好ましく、2〜40質量%であるとより好ましい。また、アミノ化工程における反応温度は、40〜150℃であると好ましく、反応圧力は、水素分圧で0.5〜15MPaであると好ましい。なお、反応時間は、水素添加反応が十分に進行する時間であればよい。反応条件を上述の範囲内に調整することで、得られるビス(アミノメチル)アルカンの収率及び選択率を高めることができる。
<実施例>
以下に本発明を実施例により説明するが、本発明はこれらの実施例に何らの制限を受けるものではない。
(検証例1)
撹拌羽根、供給高さが可変であるガス供給管、熱電対及び脱水装置を付帯した500mL五ツ口フラスコに、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸(東京化成工業株式会社製)100g、酸化亜鉛(関東化学株式会社製)1.60g、及び1,4−ジシアノシクロヘキサン100gを仕込んだ。300rpm攪拌下にて170℃で窒素ガス(供給速度68ml/min)、およびアンモニアガス(供給速度348ml/min)を液面より上に設置したガス供給管からフラスコに導入した。反応系の温度が270℃まで昇温したところでガス供給口を反応液内へ下降させてバブリングを開始し、このときをシアノ化反応の開始時とした。反応系をさらに昇温し、反応温度300℃で6時間攪拌した結果、5時間54分の時点で析出物を視認した。触媒析出前後の1,4−ジシアノシクロヘキサンおよび4−シアノシクロヘキサンカルボキサミドの組成比の変化をガスクロマトグラフィー(以下、GCとも称する)を用いて測定し、結果を図1に示した。GCの条件は、下記実施例1と同様の条件で行った。6時間撹拌したときの4−シアノシクロヘキサンカルボキサミドの量は1.7mmolであった。
(実施例1)
撹拌羽根、供給高さが可変であるガス供給管、熱電対及び脱水装置を付帯した500mL五ツ口フラスコに、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸(東京化成工業株式会社製)100g、酸化亜鉛(関東化学株式会社製)1.60g、及び1,4−ジシアノシクロヘキサン100gを仕込んだ。300rpm攪拌下にて170℃で窒素ガス(供給速度68ml/min)、およびアンモニアガス(供給速度348ml/min)を液面より上に設置したガス供給管からフラスコに導入した。反応系の温度が270℃まで昇温したところでガス供給口を反応液内へ下降させてバブリングを開始し、このときをシアノ化反応の開始時とした。反応系をさらに昇温し、反応温度300℃で攪拌を続けた。微量の反応液を反応開始から4時間までは1時間毎、その後は10分毎に採取し、室温まで冷却後にメタノールを用いて溶解させ、GCにより分析した。5時間攪拌した時点で4−シアノシクロヘキサンカルボキサミドの量は3.8mmolとなり、添加した酸化亜鉛(19.6mmol)に対して約0.19当量となったため、反応を終了した。この時、図2のように反応液中に析出物は視認できなかった。
反応終了後、反応系を室温まで放冷し、メタノールを用いて反応生成物を溶解させ、GCにより分析した。その結果、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸の転化率は99.9%、1,4−ジシアノシクロヘキサンの収率は89.0%であった。尚、収率には仕込みの1,4-ジシアノシクロヘキサンを含まず、以下の実施例および比較例に記載の収率もこれと同様である。また、この時の反応液のLC−Mass分析からは1当量の亜鉛と3当量の4−シアノシクロヘキサンカルボン酸との複合体を観測した(図4参照)。さらに、ICP分析により析出した亜鉛は、添加した酸化亜鉛に含まれる亜鉛に対して3.1 wt%であった。なお、GC、LC−MassおよびICPは以下の条件で分析を行った。また、実施例1の反応終了後の反応液をイオンクロマトグラフ(日本ダイオネクス製のICS2000、溶離液:KOH水溶液、カラム:AS17C)を用いて分析した結果、4−シアノシクロヘキサンカルボン酸のカルボキシラートアニオンは酸化亜鉛に対して1.0当量であった。
<GC分析条件>
分析装置:島津製作所社製型式名「GC2010 PLUS」
カラム:製品名「HP−5ms」(アジレント・テクノロジー株式会社製、長さ30m×内径0.25mm、膜厚0.25μm)
キャリアーガス:He(constant pressure:73.9kPa)
注入口温度:300℃
検出器:FID
検出器温度:300℃
カラムオーブン温度:100℃で開始し、10℃/minで300℃まで昇温し300℃で30分間保持
<LC−Mass分析条件>
HPLCの分析装置・分析条件
装置:U3000 Rapid Separation LC(Thermo Fisher Scientific社製
カラム:なし(フローインジェクション)
温度:35℃
移動液、流量:アセトニトリル、0.2 ml/min
試料濃度、注入量:15倍希釈10μL
検出器:PDA(抽出波長254nm)
MSの分析装置・分析条件
装置:LTQ Orbitrap Discovery(Thermo Fisher Scientific社製)
イオン化法:ESIネガティブモード
<ICP−AES分析条件>
分析装置: ICP発光分析装置(Vista−PRO Axial アジレントテクノロジー社製)
亜鉛の析出量(wt%)は以下の方法で測定した。実施例1で得られた反応生成物4.0gを秤量し、メタノール(20ml)を加えて超音波溶解を15分間行った。メンブレンフィルター(ADVANTEC(登録商標) H100A047A)にて加圧濾過を行い、メタノール(30ml)で洗浄後、乾燥して得られた残渣に0.1M硝酸水溶液を添加して湿式分解を行った。これを超純水で希釈した溶液をICP−AESにより分析した。
(比較例1)
実施例1と同様に、撹拌羽根、供給高さが可変であるガス供給管、熱電対及び脱水装置を付帯した500mL五ツ口フラスコに、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸100g、酸化亜鉛1.60g、及び1,4−ジシアノシクロヘキサン100gを仕込んだ。300rpm攪拌下にて170℃で窒素ガス(供給速度68ml/min)、およびアンモニアガス(供給速度348ml/min)を液面より上に設置したガス供給管からフラスコに導入した。反応系の温度が270℃まで昇温したところでガス供給口を反応液内へ下降させてバブリングを開始し、このときをシアノ化反応の開始時とした。反応系をさらに昇温し、反応温度300℃で6時間攪拌した結果、図3のように析出物を視認した。
反応終了後、メタノールを用いて反応生成物を溶解させ、メンブレンフィルター(ADVANTEC(登録商標) H100A047A)にて加圧濾過することで析出物を濾別し、濾液をGCにより分析した。その結果、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸の転化率は99.9%、1,4−ジシアノシクロヘキサンの収率は89.9%であった。また、4−シアノシクロヘキサンカルボキサミド含有量は0.18mmolであり、添加した酸化亜鉛(19.6mmol)の0.009当量であった。上記の加圧濾過時に得られた残渣のICP分析により、析出した亜鉛は添加した酸化亜鉛に含まれる亜鉛に対して81.0wt%であった。
<ICP−AES分析条件>
上記の残渣に0.1M硝酸水溶液を添加して湿式分解を行い、これを超純水で希釈した溶液をICP−AESにより分析した。
(実施例2)
撹拌羽根、供給高さが可変であるガス供給管、熱電対及び脱水装置を付帯した500mL三ツ口フラスコに、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸100g、酸化スズ(II)(和光純薬工業株式会社製)1.32g、及び1,4−ジシアノシクロヘキサン100gを仕込んだ。300rpm攪拌下にて170℃で窒素ガス(供給速度68ml/min)、およびアンモニアガス(供給速度348ml/min)を液面より上に設置したガス供給管からフラスコに導入した。反応系の温度が270℃まで昇温したところでガス供給口を反応液内へ下降させてバブリングを開始し、このときをシアノ化反応の開始時とした。反応系をさらに昇温し、反応温度300℃で攪拌を続けた。微量の反応液を適宜採取して室温まで放冷し、メタノールを用いて溶解させ、GCにより分析した。4時間30分攪拌した時点で4−シアノシクロヘキサンカルボキサミドの量は8.3mmolとなり、触媒量(9.8mmol)に対して0.85当量となったため、反応を終了した。この時、反応液中に酸化スズの黒色析出物は視認できなかった。
反応終了後反応系を室温まで放冷し、メタノールを用いて反応生成物を溶解させ、GCにより分析した。その結果、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸の転化率は99.9%、1,4−ジシアノシクロヘキサンの収率は87.3%であった。また、実施例1と同様の手順で反応液のICP分析を行った結果、析出したスズは添加した酸化スズに含まれるスズに対して5.1 wt%であった。
(比較例2)
撹拌羽根、供給高さが可変であるガス供給管、熱電対及び脱水装置を付帯した500mL三ツ口フラスコに、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸100g、酸化スズ(II)1.32g、及び1,4−ジシアノシクロヘキサン100gを仕込んだ。300rpm攪拌下にて170℃で窒素ガス(供給速度68ml/min)、およびアンモニアガス(供給速度348ml/min)を液面より上に設置したガス供給管からフラスコに導入した。反応系の温度が270℃まで昇温したところでガス供給口を反応液内へ下降させてバブリングを開始し、このときをシアノ化反応の開始時とした。反応系をさらに昇温し、反応温度300℃で6時間攪拌したところで反応を終了した。この時、反応液中に析出物を視認した。
反応終了後、反応系を室温まで放冷し、メタノールを用いて反応生成物を溶解させ、メンブレンフィルターにて加圧濾過することで析出物を濾別し、濾液をGCにより分析した。その結果、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸の転化率は99.9%、1,4−ジシアノシクロヘキサンの収率は88.6%であった。また、4−シアノシクロヘキサンカルボキサミド含有量は0.08mmolであり、添加した酸化スズ(9.8mmol)の0.008当量であった。加圧濾過時の残渣に比較例1と同様の処理を施してICP分析を行った結果、析出したスズは添加した酸化スズに含まれるスズに対して78.5wt%であった。
(実施例3)
撹拌羽根、供給高さが可変であるガス供給管、熱電対及び脱水装置を付帯した500mL五ツ口フラスコに、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸100g、Fe(III)(和光純薬工業株式会社製)0.78g、及び1,4−ジシアノシクロヘキサン100gを仕込んだ。300rpm攪拌下にて170℃で窒素ガス(供給速度68ml/min)、およびアンモニアガス(供給速度348ml/min)を液面より上に設置したガス供給管からフラスコに導入した。反応系の温度が270℃まで昇温したところでガス供給口を反応液内へ下降させてバブリングを開始し、このときをシアノ化反応の開始時とした。反応系をさらに昇温し、反応温度300℃で攪拌を続けた。微量の反応液を適宜採取して室温まで放冷し、メタノールを用いて溶解させ、GCにより分析した。4時間30分攪拌した時点で4−シアノシクロヘキサンカルボキサミドの量は7.3mmolとなり、添加した鉄イオン(9.8mmol)に対して約0.74当量となったため、反応を終了した。
反応終了後反応系を室温まで放冷し、メタノールを用いて反応生成物を溶解させ、GCにより分析した。その結果、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸の転化率は99.9%、1,4−ジシアノシクロヘキサンの収率は91.1%であった。また、実施例1と同様の手順で反応液のICP分析を行った結果、析出した鉄は添加した酸化鉄に含まれる鉄に対して54.7wt%であった。
(比較例3)
撹拌羽根、供給高さが可変であるガス供給管、熱電対及び脱水装置を付帯した500mL五ツ口フラスコに、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸100g、Fe(III)0.78g、及び1,4−ジシアノシクロヘキサン100gを仕込んだ。300rpm攪拌下にて170℃で窒素ガス(供給速度68ml/min)、およびアンモニアガス(供給速度348ml/min)を液面より上に設置したガス供給管からフラスコに導入した。反応系の温度が270℃まで昇温したところでガス供給口を反応液内へ下降させてバブリングを開始し、このときをシアノ化反応の開始時とした。反応系をさらに昇温し、反応温度300℃で6時間攪拌したところで反応を終了した。この時、反応液中に析出物を視認した。
反応終了後、反応系を室温まで放冷し、メタノールを用いて反応生成物を溶解させ、メンブレンフィルターにて加圧濾過することで析出物を濾別し、濾液をGCにより分析した。その結果、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸の転化率は99.9%、1,4−ジシアノシクロヘキサンの収率は92.3%であった。また、4−シアノシクロヘキサンカルボキサミド含有量は0.06mmolであり、添加した鉄イオン(9.8mmol)の0.006当量であった。加圧濾過時の残渣に比較例1と同様の処理を施してICP分析を行った結果、析出した鉄は添加した酸化鉄に含まれる鉄に対して95.8wt%であった。
(実施例4)
(ビス(アミノメチル)シクロヘキサンの製造)
300mLのSUS316製耐圧容器内に、1,4−ジシアノシクロヘキサン24.4g、溶媒としてのメタノール37.3gと28%アンモニア水(和光純薬工業株式会社製)28.4g、及び、触媒としてラネーコバルト触媒(和光純薬工業株式会社製)0.56gを仕込み、水素ガスを4.5MPaの反応圧力になるまで導入した。次いで、容器内を80℃の反応温度まで加熱し、温度を一定に保持し、容器内を電磁式攪拌羽根にて750rpmで撹拌しながら、水素添加によるアミノ化反応(ニトリル水添反応)を240分間、進行させた。その結果、1,4−ジシアノシクロヘキサンの転化率は100%、1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサンの選択率は97.0%、収率は97.0%であった。
(実施例5)
(スベロニトリルの製造)
撹拌羽根、供給高さが可変であるガス供給管、熱電対及び脱水装置を付帯した100mL三ツ口フラスコに、スベリン酸(東京化成工業株式会社製)20g、酸化亜鉛317mg、及びスベロニトリル20g(東京化成工業株式会社製)を仕込んだ。300rpm攪拌下にて170℃で窒素ガス(供給速度20ml/min)、およびアンモニアガス(供給速度70ml/min)を液面より上に設置したガス供給管からフラスコに導入した。反応系の温度が270℃まで昇温したところでガス供給口を反応液内へ下降させてバブリングを開始し、このときをシアノ化反応の開始時とした。反応温度260〜270℃の温度範囲で攪拌を続けた。微量の反応液を適宜採取して室温まで放冷し、メタノールを用いて溶解させ、GCにより分析した。6.5時間攪拌した時点で7−シアノヘプタンアミドの量は3.2mmolとなり、触媒量(3.9mmol)に対して0.82当量となったため、反応を終了した。この時、反応液中に析出物は視認できなかった。
反応終了後反応系を室温まで放冷し、メタノールを用いて反応生成物を溶解させ、GCにより分析した。その結果、仕込み分のスベロニトリルを除いたスベロニトリルの収率は49.7%であった。また、実施例1と同様の手順で反応液のICP分析を行った結果、析出した亜鉛は添加した酸化亜鉛に含まれる亜鉛に対して58.5wt%であった。
(比較例4)
撹拌羽根、供給高さが可変であるガス供給管、熱電対及び脱水装置を付帯した100mL三ツ口フラスコに、スベリン酸20g、酸化亜鉛317mg、及びスベロニトリル20gを仕込んだ。300rpm攪拌下にて170℃で窒素ガス(供給速度20ml/min)、およびアンモニアガス(供給速度70ml/min)を液面より上に設置したガス供給管からフラスコに導入した。反応系の温度が270℃まで昇温したところでガス供給口を反応液内へ下降させてバブリングを開始し、このときをシアノ化反応の開始時とした。反応系をさらに昇温し、反応温度300℃で7時間攪拌を続けた。この時、反応液中に析出物を視認した。
反応終了後、反応系を室温まで放冷し、メタノールを用いて反応生成物を溶解させ、メンブレンフィルターにて加圧濾過することで析出物を濾別し、濾液をGCにより分析した。その結果、仕込み分のスベロニトリルを除いたスベロニトリルの収率は39.4 %であった。また、7−シアノヘプタンアミドはGC分析では検出されなかった。加圧濾過時の残渣に比較例1と同様の処理を施してICP分析を行った結果、析出した亜鉛は添加した酸化亜鉛に含まれる亜鉛に対して73.0wt%であった。
(実施例6)
(1,8−ジアミノオクタンの製造)
30mLのSUS316製耐圧容器内に攪拌子、スベロニトリル1.0g、メタノール1.6g、28%アンモニア水1.1g、および触媒としてラネーコバルト触媒0.1gを仕込み、水素ガスを8.7MPaの反応圧力になるまで導入した。次いで、容器内を80℃の反応温度まで加熱し、温度を一定に保持し、容器内をマグネチックスターラーにて600rpmで撹拌しながら、水素添加によるアミノ化反応を60分間進行させた。その結果、スベロニトリル転化率は100%、1,8−ジアミノオクタンの収率は90.2%であった。

Claims (10)

  1. ジシアノアルカンの製造方法であって、
    脂肪族ジカルボン酸およびその塩からなる群から選択される1種以上を、下記一般式(1)で表されるアミド化合物またはその誘導体、
    Figure 2019198782

    [式中、Rは、置換または無置換の炭化水素基である]
    ならびに金属酸化物および/または金属塩の存在下、アンモニア源とシアノ化する、シアノ化反応工程を含み、
    前記シアノ化反応工程において、前記一般式(1)で表されるアミド化合物の量を前記金属酸化物および金属塩の総量に対して0.010当量以上に維持する、方法。
  2. 前記アンモニア源が、アンモニア、尿素、炭酸水素アンモニウム、炭酸アンモニウムまたは脂肪族ジカルボン酸アンモニア水溶液の加熱濃縮物によってもたらされる、請求項1に記載の方法。
  3. 前記Rの置換または無置換の炭化水素基が、置換または無置換の脂肪族炭化水素基、置換または無置換の脂環族炭化水素基、および置換または無置換の芳香族炭化水素基からなる群から選択される1価の基から選択される、請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記一般式(1)で表されるアミド化合物が、カルバモイルアルカンカルボン酸、アルカンジアミドおよびシアノアルカンカルボキサミドからなる群から選択される1種以上である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
  5. 前記金属酸化物が、酸化亜鉛、酸化スズおよび酸化鉄からなる群から選択される1種以上である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
  6. 前記金属塩が、炭酸塩、カルボン酸塩、硫酸塩、硝酸塩およびハロゲン化物ならびにそれらの水和物からなる群から選択される1種以上である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
  7. 前記シアノ化反応工程中に前記一般式(1)で表されるアミド化合物またはその誘導体の追加を行うことで、前記一般式(1)で表されるアミド化合物の量を前記金属酸化物および金属塩の総量に対して0.010当量以上に維持する、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
  8. 前記シアノ化反応工程において、前記一般式(1)で表されるアミド化合物の量が前記金属酸化物および金属塩の総量に対して0.010当量未満となる前に、前記シアノ化反応を終了させる、請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
  9. 前記シアノ化反応工程において、前記一般式(1)で表されるアミド化合物の量を定量する、請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法。
  10. 請求項1〜9のいずれか1項に記載の方法により得られたジシアノアルカンに対する水素添加反応により、ビス(アミノメチル)アルカンを得るアミノ化工程を有する、ジアミノアルカンの製造方法。
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