JPWO2019088152A1 - ジヒドロキシインドール類の製造方法 - Google Patents

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Abstract

ジヒドロキシインドール類の製造方法は、3-(3,4-ジヒドロキシフェニル)アラニン及びその誘導体の群から選ばれる1種又は2種以上と酸化剤とを反応させてジヒドロキシインドール類を生成させた水性の第1液を得る工程1と、前記工程1で得た前記第1液と抽剤とを混合して前記抽剤に前記ジヒドロキシインドール類を抽出した油性の第2液を得る工程2とを含む。前記工程1で得た前記第1液に、前記工程2で前記抽剤と混合する前に、水不溶性副生成物の除去操作を行う。

Description

本発明は、ジヒドロキシインドール類の製造方法に関する。
メラニンは、動物や植物において形成される黄色乃至黒色の色素であり、紫外線吸収機能、ラジカル捕獲機能、酸化防止機能等を有することが知られている。また、メラニンは、生体由来の安全性の高い物質であるので、化粧料、食品、プラスチック製品等に含有させることが広く行われており、例えば、日焼け防止クリームやサングラス等では紫外線吸収剤として使用され、また、食品やプラスチック製品等では酸化防止剤として使用され、更に、白髪染め等では色素として使用されている。
ところで、生体内において、メラニンは、基質化合物である3-(3,4-ジヒドロキシフェニル)アラニン(DOPA)がメラニン生成酵素であるチロシナーゼの触媒作用により酸化されてドーパキノンを経てメラニン前駆体のジヒドロキシインドール類(5,6-ジヒドロキシインドール、5,6-ジヒドロキシインドール-2-カルボン酸等)を生成し、このジヒドロキシインドール類が重合することにより生合成される。このようにして生合成されるメラニンは、皮膚や髪等のメラニン産生細胞内に小粒となって存在し、熱濃硫酸や強アルカリを用いなければ溶解しない水や有機溶剤に不溶の安定な高分子化合物である。そのため、例えばメラニンを繊維や皮革等の染料とする場合、メラニンをそのまま添加剤として使用しても、水や有機溶剤に不溶なメラニンを染色対象物の組織に浸透させて染色することはできないので、水溶性のジヒドロキシインドール類を添加剤として使用して染色対象物においてメラニンを形成させるということが行われる。
そのような用途で用いるジヒドロキシインドール類の製造方法として、例えば、特許文献1には、3-(3,4-ジヒドロキシフェニル)アラニンを含有する水溶液にヘキサシアノ鉄(III)酸塩を添加して反応させることによりジヒドロキシインドール類を生成し、得られたジヒドロキシインドール類を含有する水溶液からヘキサシアノ鉄(II)酸塩を錯体化して除去することが開示されている。また、非特許文献1及び2には、3-(3,4-ジヒドロキシフェニル)アラニンを含有する水溶液にヘキサシアノ鉄(III)酸塩を添加して反応させることによりジヒドロキシインドール類を生成し、得られたジヒドロキシインドール類を含有する水溶液に抽剤の酢酸エチルを添加してジヒドロキシインドール類を抽出することが開示されている。
米国特許第5704949号明細書
Wakamatsu,K. and Ito,S. (1988) Analytical Biochemistry 170,335-340. R.Edge,M.d’lschia,E.J.Land,A.Napolitano,S.Navaratham,L.Panzella,A.Pezzella,C.A.Ramsden and P.A.Riley (2006) Pigment Cell Res.19;443-450.
本発明は、3-(3,4-ジヒドロキシフェニル)アラニン及びその誘導体の群から選ばれる1種又は2種以上と酸化剤とを反応させてジヒドロキシインドール類を生成させた水性の第1液を得る工程1と、前記工程1で得た前記第1液と抽剤とを混合して前記抽剤に前記ジヒドロキシインドール類を抽出した油性の第2液を得る工程2とを含むジヒドロキシインドール類の製造方法であって、前記工程1で得た前記第1液に、前記工程2で前記抽剤と混合する前に、水不溶性副生成物の除去操作を行うものである。
反応装置の構成を示す図である。 循環濾過を行う装置構成を示す図である。 ワンパス濾過を行う装置構成を示す図である。 単一の濾材が設けられた濾過器の構造を示す図である。 複数の濾材が直列に設けられた濾過器の構造を示す図である。 複数の濾材が並列に設けられた濾過器の構造を示す図である。 複数の濾材が並列で且つ直列に設けられた濾過器の構造を示す図である。 精製工程を示す第1の説明図である。 精製工程を示す第2の説明図である。 溶媒置換工程を示す第1の説明図である。 溶媒置換工程を示す第2の説明図である。 溶媒置換工程を示す第3の説明図である。
以下、実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
実施形態に係るジヒドロキシインドール類の製造方法は、反応工程(工程1)、精製工程(工程2)、及び、任意工程としての溶媒置換工程(工程3)を含む。なお、本明細書において、「3-(3,4-ジヒドロキシフェニル)アラニン:DOPA」、「3-(3,4-ジヒドロキシフェニル)アラニン及びその誘導体の群から選ばれる1種又は2種以上:DOPA類」、「5,6-ジヒドロキシインドール:DHI」、及び「ジヒドロキシインドール類:DHI類」とそれぞれ略記する。
<反応工程(工程1)>
反応工程では、DOPA類と酸化剤とを反応させてDHI類を生成させた水性の第1液L1を得る。このとき、DOPA類の水溶液又は水性懸濁液のDOPA類液Dと、酸化剤の水溶液又は水性懸濁液の酸化剤液Oとを混合することが好ましい。また、DOPA類と酸化剤との反応は、酸化還元反応である。
図1は、反応工程(工程1)で用いる反応装置10の一例を示す。
反応装置10は、反応槽11と酸化剤槽12とを有する。反応槽11の上部には、酸化剤槽12の底部から延びた酸化剤供給管13が導入されている。反応槽11の底部からは排出管14が延びている。反応槽11及び酸化剤槽12にはそれぞれ撹拌機151,152が設けられている。撹拌機151,152の撹拌翼151a,152aは、低粘度液を十分に撹拌できるものであればよく、例えば、パドル翼、ディスクタービン、傾斜パドル翼、アンカー翼等が挙げられる。反応槽11には槽内を温度調整するためのジャケット16が設けられている。
具体的には、まず、反応槽11に水を仕込む。水には、例えばイオン交換水や蒸留水を用いることが好ましい。水は、窒素ガスやアルゴンガス等の不活性ガスを供給することにより溶存酸素濃度を低減したものを用いることが好ましい。水の溶存酸素濃度は、好ましくは1.0mg/L以下、より好ましくは0.5mg/L以下である。この水の溶存酸素濃度は、市販の溶存酸素計を用いて測定される(以下同様)。
反応槽11内は、水を仕込む前又は後に、窒素ガスやアルゴンガス等の不活性ガスを供給することにより酸素濃度を低減することが好ましい。反応槽11内の気相の酸素濃度は、好ましくは1.0体積%以下、最も好ましくは0体積%である。反応槽11内の気相の酸素濃度は、市販の酸素濃度計により測定される(以下同様)。反応槽11内の気相への不活性ガスの供給は、この反応工程の操作において継続して行うことが好ましい。
次いで、反応槽11に設けられた撹拌機151を起動させて水を撹拌しながらDOPA類を投入して溶解又は分散させることによりDOPA類液Dを得る。なお、このDOPA類液Dの調製方法は好適な具体例であって、先にDOPA類を反応槽11に仕込み、次いで水を反応槽11に供給してもよいし、水及びDOPA類を同時に反応槽11に供給してもよいし、或いは、水及びDOPA類を、それぞれ分割して、交互に反応槽11に供給してもよい。
DOPA類のうちのDOPAとしては、D-DOPA(3,4-ジヒドロキシ-D-フェニルアラニン)及びL-DOPA(3,4-ジヒドロキシ-L-フェニルアラニン)が挙げられる。DOPA類のうちのDOPA誘導体としては、例えば、2-3’,4’-ジヒドロキシフェニルエチルアミン誘導体(N-オクタノイル-4-(2-アミノエチル)ベンゼン-1,2-ジオール、N-オクタノイル-4,2-(3,4-ジヒドロフェニル)エチルアミン等)、4-(2-アミノエチル)ベンゼン-1,2-ジオール(ドーパミン)、D-DOPAの塩(カリウム塩、ナトリウム塩など)、L-DOPAの塩(カリウム塩、ナトリウム塩など)、DOPAの低級(炭素数1〜4)アルキルエステル、α-低級(炭素数1以上4以下)アルキルDOPA、及びこれらの異性体等が挙げられる。なお、DOPA類液Dは、DOPA類以外に安息香酸塩類等DOPA類に対して不活性な化学物質を含有してもよい。
DOPA類液DにおけるDOPA類の含有量は、高い生産性を得る観点から、好ましくは0.10質量%以上、より好ましくは0.20質量%以上、更に好ましくは0.30質量%以上であり、また、副反応の進行を抑制してDHI類の収率を高める観点から、好ましくは1.0質量%以下、より好ましくは0.70質量%以下、更に好ましくは0.50質量%以下である。DOPA類液DにおけるDOPA類の含有量は、好ましくは0.10質量%以上1.0質量%以下、より好ましくは0.20質量%以上0.70質量%以下、更に好ましくは0.30質量%以上0.50質量%以下である。
また、酸化剤槽12に水を仕込む。水には、例えばイオン交換水や蒸留水を用いることが好ましい。水は、窒素ガスやアルゴンガス等の不活性ガスを供給することにより溶存酸素濃度を低減したものを用いることが好ましい。水の溶存酸素濃度は、好ましくは1.0mg/L以下、より好ましくは0.5mg/L以下である。
次いで、酸化剤槽12に設けられた撹拌機152を起動させて水を撹拌しながら酸化剤を投入して溶解又は分散させることにより酸化剤液Oを得る。なお、この酸化剤液Oの調製方法は好適な具体例であって、先に酸化剤を酸化剤槽12に仕込み、次いで水を酸化剤槽12に供給してもよいし、水及び酸化剤を同時に又は交互に酸化剤槽12に供給してもよいし、或いは、水及び酸化剤を、それぞれ分割して、交互に酸化剤槽12に供給してもよい。
酸化剤としては、例えば、ヘキサシアノ鉄(III)酸カリウム、ヘキサシアノ鉄(III)酸ナトリウム、ヘキサシアノ鉄(III)酸リチウムなどのヘキサシアノ鉄(III)酸のアルカリ金属塩、また、ヘキサシアノ鉄(III)酸塩;二酸化マンガン、酸化銀、二酸化パラジウム、過マンガン酸カリウムなどの金属酸化物;塩化鉄、三塩化酸化バナジウム(V)、硫酸セリウム(IV)などの金属塩等が挙げられる。酸化剤は、これらのうちの1種又は2種以上を用いることが好ましく、生産性の観点から、ヘキサシアノ鉄(III)酸塩を用いることが好ましく、ヘキサシアノ鉄(III)酸のアルカリ金属塩を用いることがより好ましく、また、汎用性の観点から、ヘキサシアノ鉄(III)酸カリウムを用いることが更に好ましい。なお、銅、マンガン、ニッケル等の金属触媒存在下においては酸素を酸化剤として利用することができる。
酸化剤としてヘキサシアノ鉄(III)酸のアルカリ金属塩等のヘキサシアノ鉄(III)酸塩を用いる場合、酸化剤液Oにおける酸化剤のヘキサシアノ鉄(III)酸のアルカリ金属塩等のヘキサシアノ鉄(III)酸塩の含有量は、反応を促進させてDHI類の収率を高める観点から、DOPA類液DにおけるDOPA類のモル数に対して、好ましくは2.0当量以上、より好ましくは2.6当量以上、更に好ましくは3.5当量以上であり、また、副反応の進行を抑制してDHI類の収率を高める観点から、好ましくは6.0当量以下、より好ましくは5.5当量以下、更に好ましくは4.6当量以下である。酸化剤液Oにおける酸化剤のヘキサシアノ鉄(III)酸のアルカリ金属塩等のヘキサシアノ鉄(III)酸塩の含有量は、DOPA類液DにおけるDOPA類のモル数に対して、好ましくは2.0当量以上6.0当量以下、より好ましくは2.6当量以上5.5当量以下、更に好ましくは3.5当量以上4.6当量以下である。
酸化剤液Oは、反応時のpHを弱塩基性に保って反応を促進させる観点から、塩基剤を含有することが好ましい。塩基剤としては、例えば、炭酸水素カリウムや炭酸水素ナトリウムなどの炭酸水素イオンのアルカリ金属塩、炭酸カリウムや炭酸ナトリウムなどの炭酸イオンのアルカリ金属塩等が挙げられる。塩基剤は、これらのうちの1種又は2種以上を用いることが好ましい。なお、酸化剤液Oは、その他に安息香酸塩類等の酸化剤に対して不活性な化学物質を含有してもよい。
酸化剤液Oにおける塩基剤の含有量は、反応時のpHを適度に弱塩基性に保って反応を促進させる観点から、DOPA類液DにおけるDOPA類のモル数に対して、好ましくは3.9当量以上、より好ましくは5.1当量以上、更に好ましくは5.9当量以上であり、また、同様の観点から、好ましくは9.0当量以下、より好ましくは7.8当量以下、更に好ましくは6.3当量以下である。酸化剤液Oにおける塩基剤の含有量は、DOPA類液DにおけるDOPA類のモル数に対して、好ましくは3.9当量以上9.0当量以下、より好ましくは5.1当量以上7.8当量以下、更に好ましくは5.9当量以上6.3当量以下である。
続いて、反応槽11において撹拌機151でDOPA類液Dを撹拌しながら、反応槽11内のDOPA類液Dに、酸化剤槽12から酸化剤供給管13を介して酸化剤液Oを滴下する。
酸化剤液Oの滴下時間は、大量生産への適用可能性の観点から、好ましくは1分以上、より好ましくは3分以上、更に好ましくは5分以上であり、また、副反応の進行を抑制してDHI類の収率を高める観点から、好ましくは1時間以下、より好ましくは30分以下、更に好ましくは10分以下である。酸化剤液Oの滴下時間は、好ましくは1分以上1時間以下、より好ましくは3分以上30分以下、更に好ましくは5分以上10分以下である。
そして、上記のDOPA類液Dへの酸化剤液Oの滴下により、DOPA類とヘキサシアノ鉄(III)酸塩との酸化還元反応を進行させてDHI類を生成する。なお、本実施形態では、反応槽11内のDOPA類液Dに、酸化剤槽12からの酸化剤液Oを添加する構成としたが、DOPA類液Dと酸化剤液Oとを混合する構成であれば、特にこれに限定されるものではなく、例えば、酸化剤液OにDOPA類液Dを添加する構成であってもよく、また、液槽に、DOPA類液D及び酸化剤液Oを同時に又は交互に供給する構成であってもよい。
DOPA類と酸化剤との反応温度は、反応速度を高めて反応時間を短くする観点から、好ましくは10℃以上、より好ましくは25℃以上、更に好ましくは30℃以上であり、また、副反応の進行を抑制してDHI類の収率を高める観点から、好ましくは50℃以下、より好ましくは45℃以下、更に好ましくは40℃以下である。DOPA類と酸化剤との反応温度は、好ましくは10℃以上50℃以下、より好ましくは25℃以上45℃以下、更に好ましくは30℃以上40℃以下である。なお、この反応温度は、反応槽11に設けられたジャケット16による液温設定により制御することができ、また、反応槽11でのDOPA類液Dの調製時に、DOPA類液Dの液温をこの反応温度に設定しておくことが好ましい。
DOPA類と酸化剤との反応時間(熟成時間)は、DHI類の収率を高める観点から、酸化剤液Oの滴下開始時から、好ましくは2時間以上、より好ましくは3時間以上、更に好ましくは4時間以上であり、また、生産性を高める観点から、好ましくは22時間以下、より好ましくは6時間以下、更に好ましくは5時間以下である。DOPA類と酸化剤との反応時間は、好ましくは2時間以上22時間以下、より好ましくは3時間以上6時間以下、更に好ましくは4時間以上5時間以下である。
生成するDHI類は、原料のDOPA類に対応するが、例えば、DHI及びその塩(カリウム塩、ナトリウム塩など)、5,6-ジヒドロキシインドール-2-カルボン酸及びその塩(カリウム塩、ナトリウム塩など)等が挙げられる。DHI類は、これらのうちの1種又は2種以上を含有することが好ましい。
以上のようにして反応槽11には、DHI類を含有する水性の第1液L1が得られる。
得られた第1液L1は、DHI類を安定化させる観点から、pH調整剤を添加してpH調整を行うことが好ましい。pH調整剤としては、例えば、リン酸水溶液、希硫酸、希塩酸等が挙げられる。pH調整剤は、これらのうちの1種又は2種以上を用いることが好ましい。pH調整後の第1液L1のpHは、DHI類を安定化させてその収率を高める観点から、好ましくは3.0以上、より好ましくは3.3以上、更に好ましくは3.5以上であり、また、後述の濾過時の濾過速度を高めると共に抽出時に良好な分相を得る観点から、好ましくは5.5以下、より好ましくは5.3以下、更に好ましくは5.0以下である。pH調整後の第1液L1のpHは、好ましくは3.0以上5.5以下、より好ましくは3.3以上5.3以下、更に好ましくは3.5以上5.0以下である。
実施形態に係るDHI類の製造方法では、この反応工程で得た第1液L1に、次工程の精製工程で抽剤を混合する前に、水不溶性副生成物の除去操作を行う。本出願において、「水不溶性副生成物」とは、DOPA類と酸化剤との酸化還元反応の副生成物であって、20℃における溶解度が1mg/100g−HO以下のものをいう。水不溶性副生成物としては、例えばメラニンやその中間体等が挙げられる。
ところで、特許文献1に開示された技術では、DHI類を生成させた反応液からヘキサシアノ鉄(II)酸塩を錯体化して除去する。ところが、反応液には、それ以外にも未反応原料等の不純物が含まれるため、DHI類の純度を向上させる観点からは、非特許文献1及び2に開示されているように、ジヒドロキシインドール類を抽剤に抽出して分離することが好ましい。そして、そのような抽剤を用いたDHI類の抽出において、その抽出収率の向上が求められている。
これに対し、本発明者らは、水不溶性副生成物を含む第1液L1に抽剤を混合すると、第1液L1と抽剤との界面付近で水不溶性副生成物が粉体乳化し、第3相を形成してしまい、第1液L1と第2液L2との相分離を阻害することを発見した。また、この第3相の形成が、DHI類の抽出収率を低下させる要因となっていることを発見した。この課題を解決する手段として、第1液L1から水不溶性副生成物を除去して第1液L1と抽剤とを適正に相分離させることにより、抽剤へのDHI類の抽出収率を高めることができ、かつ迅速に相分離させることができることを見出した。このことから、実施形態に係るDHI類の製造方法によれば、この反応工程でDHI類を生成させて得た水性の第1液L1に、次工程の精製工程で抽剤を混合する前に、上記のように水不溶性副生成物の除去操作を行うことにより、次の精製工程における抽剤によるDHI類の抽出収率を高めることができる。なお、本出願において、「抽出収率」とは、反応液中に含有される、反応で生成したDHI類のモル量に対する、抽出分離後回収した抽剤に含まれるDHI類のモル量の百分率をいう。
ここで、水不溶性副生成物の除去操作としては、例えば、濾過、遠心分離等が挙げられる。水不溶性副生成物の除去操作は、操作の簡便性の観点から、これらのうちの濾過が好ましい。
濾過により第1液L1の水不溶性副生成物を除去する方法としては、特に限定されるものではなく、例えば、図2Aに示すように、濾過器171が介設された循環配管181を反応槽11に設け、これに第1液L1を循環させて循環濾過し、濾過後の濾液である第1液L1を反応槽11に貯留する方法であってもよい。第1液L1の循環配管181のパス回数は、循環配管181における第1液L1の流量に循環時間を乗じた総循環液量を、反応槽11内の第1液L1の体積で除して算出されるが、水不溶性副生成物を除去し、抽出収率を高めるという観点から、好ましくは2回以上、より好ましくは3回以上、更に好ましくは4回以上であり、また、濾過の工程時間を短くし、生産性を高めるという観点から、好ましくは10回以下、より好ましくは8回以下、更に好ましくは6回以下である。また、図2Bに示すように、反応槽11から延びる槽間連結配管182に濾過器172を介設すると共に槽間連結配管182を濾液槽19に接続し、これに第1液L1を流通させてワンパス濾過し、濾過後の濾液である第1液L1を濾液槽19に貯留する方法であってもよい。
濾過器171,172には、図3に示すように、単一の濾材17aが設けられていてもよく、また、複数の濾材17aが設けられていてもよい。濾過器171,172に複数の濾材17aが設けられている場合、複数の濾材17aは、図4Aに示すように、第1液L1の流動方向に沿って直列に設けられていてもよい。直列に設けられた複数の濾材17aは、相互に間隔をおいて設けられていてもよい。直列に設けられた複数の濾材17aは、目開きが同一であってもよく、また、目開きが異なっていてもよい。後者の場合、直列に設けられた複数の濾材17aは、上流側に目開きの大きい濾材17aが設けられ且つ下流側に目開きの小さい濾材17aが設けられていることが好ましく、上流側から下流側に向かって目開きが段階的に小さくなるように設けられていることがより好ましい。また、複数の濾材17aは、図4Bに示すように、濾過器171,172内で分流した第1液L1のそれぞれが通過するように並列に設けられていてもよい。並列に設けられた複数の濾材17aは、目開きが同一であることが好ましい。さらに、複数の濾材17aは、図4A及びBの構成が組み合わされて設けられていてもよい。すなわち、複数の濾材17aは、図4Cに示すように、濾過器171,172内で分流した第1液L1のそれぞれが通過するように並列に設けられているとともに、更にそれらのそれぞれについて、第1液L1の流動方向に沿って直列に設けられていてもよい。
濾過器171,172に設けられる濾材17aの目開きは、濾過速度を高める観点から、好ましくは0.1μm以上、より好ましくは0.5μm以上、更に好ましくは1.0μm以上であり、また、水不溶性副生成物を除去して抽剤へのDHI類の抽出収率を高める観点から、好ましくは5.0μm以下、より好ましくは2.0μm以下、更に好ましくは1.5μm以下である。濾過器171,172に設けられる濾材17aの目開きは、0.1μm以上5.0μm以下、より好ましくは0.5μm以上2.0μm以下、更に好ましくは1.0μm以上1.5μm以下である。
濾材17aは、水不溶性副生成物の除去の観点から、特に材質は限定されないが、濾過速度を高める観点から、親水性材料で形成されていることが好ましい。
<精製工程(工程2)>
精製工程(工程2)では、反応工程(工程1)で得た第1液L1と抽剤とを混合して抽剤にDHI類を抽出した油性の第2液L2を得る。
具体的な一例としては、図5Aに示すように、反応工程で得た第1液L1を貯留するA槽20Aにおいて、第1液L1を撹拌しながら抽剤を添加することにより、抽剤にDHI類を抽出し、また、このとき下層の水相の第1液L1と上層の抽剤にDHI類を抽出した油相の第2液L2とに相分離し、その後、図5Bに示すように、下層の第1液L1をA槽20Aの底部から排出することにより油性の第2液L2を得る。ここで、A槽20Aは、反応工程で用いた図1及び図2A及びBに示す反応槽11であってもよく、また、図2Bに示す濾液貯槽19であってもよく、更に、それらから第1液L1を移送した別の液槽であってもよい。なお、本実施形態では、第1液L1に抽剤を添加する構成としたが、反応槽11から第1液L1を移送する場合には、第1液L1と抽剤とを混合する構成であれば、特にこれに限定されるものではなく、例えば、抽剤に第1液L1を添加する構成であってもよく、また、液槽に、第1液L1及び抽剤を同時に又は交互に供給する構成であってもよい。
A槽20A内は、窒素ガスやアルゴンガス等の不活性ガスを供給することにより酸素濃度を低減することが好ましい。A槽20A内の気相の酸素濃度は、好ましくは1.0体積%以下、最も好ましくは0体積%である。A槽20A内の気相への不活性ガスの供給は、この精製工程の操作において継続して行うことが好ましい。
抽剤は、分層性の観点から、オクタノール/水分配係数(LogP)が0以上4.0以下の有機溶剤であることが好ましい。抽剤としては、例えば、オクタノール/水分配係数が0.90未満の有機溶剤である酢酸エチル(0.73)、ジエチルエーテル(0.89);オクタノール/水分配係数が0.90よりも大きい有機溶剤であるメチルイソブチルケトン(1.4)、ジクロロメタン(1.3)、シクロヘキサン(3.4)等が挙げられる(括弧内の数値はオクタノール/水分配係数)。抽剤は、これらのうちの1種又は2種以上を用いることが好ましく、抽出効率を高める観点から、オクタノール/水分配係数が好ましくは1.5以下、より好ましくは0.90未満の有機溶剤を含めて用いることがより好ましく、酢酸エチルを含めて用いることが更に好ましい。なお、第1液L1には抽剤と併せて安息香酸塩類やリン酸塩類等DHI類に対して不活性な化学物質を添加してもよい。
第1液L1に対する抽剤の混合量は、抽剤へのDHI類の抽出収率を高める観点から、反応終了時における第1液L1の体積に対して、好ましくは20体積%以上、より好ましくは30体積%以上、更に好ましくは50体積%以上であり、また、廃液量を低減して製造コストを削減する観点から、好ましくは400体積%以下、より好ましくは200体積%以下、更に好ましくは100体積%以下である。第1液L1に対する抽剤の混合量は、反応終了時における第1液L1の体積に対して、好ましくは20体積%以上400体積%以下、より好ましくは30体積%以上200体積%以下、更に好ましくは50体積%以上100体積%以下である。
抽剤へのDHI類の抽出収率を高める観点から、好ましくは第1液L1に抽剤を添加した後又は添加しながら、それらの混合液を撹拌する。
抽剤を添加した後、混合液を撹拌する場合、混合液の撹拌時間(抽出時間)は、抽剤へのDHI類の抽出収率を高める観点から、好ましくは10分以上、より好ましくは15分以上、更に好ましくは20分以上であり、また、生産性を高める観点から、好ましくは120分以下、より好ましくは90分以下、更に好ましくは60分以下である。混合液の撹拌時間(抽出時間)は、好ましくは10分以上120分以下、より好ましくは15分以上90分以下、更に好ましくは20分以上60分以下である。
また、抽剤を添加しながら第1液L1を撹拌する場合、第1液L1の抽剤添加開始時からの撹拌時間(抽出時間)は、抽剤へのDHI類の抽出収率を高める観点から、好ましくは10分以上、より好ましくは15分以上、更に好ましくは20分以上であり、また、生産性を高める観点から、好ましくは120分以下、より好ましくは90分以下、更に好ましくは60分以下である。第1液L1の撹拌時間(抽出時間)は、好ましくは10分以上120分以下、より好ましくは15分以上90分以下、更に好ましくは20分以上60分以下である。
上記の抽剤を混合した後、形成する油性の第2液L2は、不純物を除去する観点から、好ましくは水性の液との分離操作を行い、その後、得られた第2液L2は、更に不純物を除去する観点から、洗浄水による洗浄を行うことが好ましい。洗浄方法としては、得られた第2液L2を貯留するA槽20Aにおいて、第2液L2を撹拌しながら洗浄水を添加することにより第2液L2に洗浄水を十分に接触させた後、相分離した上層の第2液L2の油相及び下層の水相のうちの後者をA槽20Aの底部から排出する方法がある。
第2液L2への洗浄水の添加量は、洗浄水のpHを中性付近に安定に保つ観点から、第2液L2の体積に対して、好ましくは10体積%以上、より好ましくは20体積%以上、更に好ましくは30体積%以上であり、また、DHI類の収率を高める観点から、好ましくは100体積%以下、より好ましくは80体積%以下、更に好ましくは50体積%以下である。第2液L2への洗浄水の添加量は、第2液L2の体積に対して、好ましくは10体積%以上100体積%以下、より好ましくは20体積%以上80体積%以下、更に好ましくは30体積%以上50体積%以下である。
第2液L2の洗浄水での洗浄時間は、洗浄水のpHを中性付近に安定に保つ観点から、好ましくは30分以上、より好ましくは45分以上、更に好ましくは60分以上であり、また、DHI類の収率を高める観点から、好ましくは120分以下、より好ましくは105分以下、更に好ましくは90分以下である。第2液L2の洗浄水での洗浄時間は、好ましくは30分以上120分以下、より好ましくは45分以上105分以下、更に好ましくは60分以上90分以下である。
洗浄水には、pHを中性付近に調整する観点から、多塩基酸塩を含有させてもよい。多塩基酸塩としては、例えば、リン酸のカリウム塩、クエン酸のカリウム塩、炭酸のカリウム塩、リン酸のナトリウム塩、クエン酸のナトリウム塩、炭酸のナトリウム塩等が挙げられる。多塩基酸は、これらのうちの1種又は2種以上を用いることが好ましく、リン酸のカリウム塩(リン酸水素二カリウム及びリン酸水素二カリウム)を含めて用いることがより好ましい。
抽剤へのDHI類の抽出収率は、好ましくは25mol%以上、より好ましくは50mol%以上、更に好ましくは75mol%以上である。
<溶媒置換工程(工程3)>
任意工程としての溶媒置換工程(工程3)では、精製工程(工程2)で得た第2液L2と水Wとを混合して抽剤を留去することにより溶媒置換を行い、水性の第3液L3であるDHI類を含有する水溶液又は水分散液のDHI類液を得ることが好ましい。また、生産時の効率性の観点からは、この溶媒置換と共に濃度調整を行うことが好ましい。
溶媒置換工程は、DHI類液の純度を高める観点から、槽内を洗浄したB槽20Bにおいて行うことが好ましい。そこで、まず、図6Aに示すように、精製工程で得た第2液L2をA槽20Aから排出し、それを移送した後、その第2液L2を、槽内を洗浄したB槽20Bに供給して貯留する。B槽20Bは、A槽20Aとは別の液槽であってもよく、また、第2液L2を排出した後に槽内を洗浄した元のA槽20Aであってもよい。
槽内を洗浄したB槽20Bの槽内は、窒素ガスやアルゴンガス等の不活性ガスを供給することにより酸素濃度を低減することが好ましい。B槽20Bの槽内の気相の酸素濃度は、好ましくは1.0体積%以下、最も好ましくは0体積%である。B槽20Bの槽内の気相への不活性ガスの供給は、この溶媒置換工程の操作において継続して行うことが好ましい。
次いで、図6Bに示すように、B槽20B内の第2液L2に水Wを添加し、それに続いて、B槽20Bにおいて水Wを添加した第2液L2を加熱することにより抽剤を留去させて抽剤を水Wに溶媒置換する。有機溶剤の濃度を低減する観点からは、この水Wの添加及び抽剤の留去による溶媒置換を複数回行うことが好ましい。溶媒置換の回数は好ましくは2回以上4回以下である。
添加する水Wには、例えばイオン交換水や蒸留水を用いることが好ましい。水Wは、窒素ガスやアルゴンガス等の不活性ガスを供給することにより溶存酸素濃度を低減したものを用いることが好ましい。水Wの溶存酸素濃度は、好ましくは1.0mg/L以下、より好ましくは0.5mg/L以下である。
初回の溶媒置換の際の第2液L2への水Wの添加は、B槽20Bに供給した後の第2液L2に対して行ってもよく、また、A槽20Aから排出してB槽20Bに供給されるまでの間の第2液L2に対して行ってもよい。なお、2回目以降の溶媒置換の際の水Wの添加は、B槽20Bに残留した液体に対して行えばよい。
水Wの添加量は、効率的に溶媒置換を行う観点から、初回の溶媒置換における第2液L2の体積に対して、又は、2回目以降の溶媒置換におけるB槽20Bに残留した液体の体積に対して、好ましくは50体積%以上、より好ましくは80体積%以上、更に好ましくは100体積%以上であり、また、同様の観点から、好ましくは150体積%以下、より好ましくは120体積%以下、更に好ましくは110体積%以下である。水Wの添加量は、初回の溶媒置換における第2液L2の体積に対して、又は、2回目以降の溶媒置換におけるB槽20Bに残留した液体の体積に対して、好ましくは50体積%以上150体積%以下、より好ましくは80体積%以上120体積%以下、更に好ましくは100体積%以上110体積%以下である。
抽剤を留去させるときの液温は、抽剤の留去速度を高める観点から、好ましくは40℃以上、より好ましくは50℃以上、更に好ましくは60℃以上であり、また、DHI類の熱分解を抑制する観点から、好ましくは90℃以下、より好ましくは85℃以下、更に好ましくは80℃以下である。抽剤を留去させるときの液温は、好ましくは40℃以上90℃以下、より好ましくは50℃以上85℃以下、更に好ましくは60℃以上80℃以下である。なお、留去した抽剤の蒸気は、熱交換器等により凝縮させて回収することが好ましい。
初回の溶媒置換における抽剤を留去させるときの圧力は、抽剤の留去速度を高める観点から、好ましくは大気圧(101.325kPa(abs))以下、より好ましくは90kPa(abs)以下、更に好ましくは80kPa(abs)以下である。2回目以降の溶媒置換における抽剤を留去させるときの圧力は、抽剤の留去速度を高める観点から、好ましくは80kPa(abs)以下、より好ましくは40kPa(abs)以下、更に好ましくは10kPa(abs)以下である。
そして、図6Cに示すように、溶媒置換後にB槽20Bに残留した液体に水及び水溶性溶媒を添加して濃度調整することにより水性の第3液L3であるDHI類液の形でDHI類を得ることができる。水溶性溶媒としては、例えばエタノール等が挙げられる。
得られた第3液L3のDHI類液におけるDHI類の含有量は、好ましくは0.3質量%以上、より好ましくは0.5質量%以上、更に好ましくは1.0質量%以上である。DHI類の含有量は、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)により測定される。
得られた第3液L3のDHI類液における有機溶剤の含有量は、好ましくは1.5質量%以下、より好ましくは1.0質量%以下、更に好ましくは0.5質量%以下である。有機溶剤の含有量は、ガスクロマトグラフィー(GC)により測定される。
ところで、溶媒置換後の第3液L3のDHI類液を染毛等の染色用途で用いる場合、DHI類の含有量が1質量%程度であることが望まれる。かかる観点からは、溶媒置換前に第2液L2を濃縮することが好ましい。
第2液L2の濃縮操作は、精製工程で得た第2液L2をA槽20Aにおいて抽剤を留去させることにより濃縮した後、濃縮した第2液L2をA槽20Aから排出し、それをB槽20Bに供給して貯留してもよい。また、精製工程で得た第2液L2をA槽20Aから排出し、それをB槽20Bに供給して貯留した後、B槽20Bにおいて抽剤を留去させることにより第2液L2を濃縮してもよい。更に、精製工程で得た第2液L2をA槽20Aから排出し、それを別の液槽に供給して抽剤を留去させることにより濃縮した後にその液槽から排出し、濃縮した第2液L2をB槽20Bに供給して貯留してもよい。
第2液L2を濃縮するときの液温は、抽剤の留去速度を高める観点から、好ましくは40℃以上、より好ましくは50℃以上、更に好ましくは60℃以上であり、また、DHI類の熱分解を抑制する観点から、好ましくは90℃以下、より好ましくは85℃以下、更に好ましくは80℃以下である。第2液L2を濃縮するときの液温は、好ましくは40℃以上90℃以下、より好ましくは50℃以上85℃以下、更に好ましくは60℃以上80℃以下である。
第2液L2を濃縮するときの圧力は、抽剤の留去速度を高める観点から、好ましくは大気圧(101.325kPa(abs))以下、より好ましくは100kPa(abs)以下、更に好ましくは90kPa(abs)以下である。
上述した実施形態に関し、更に以下の構成を開示する。
<1>DOPA類と酸化剤とを反応させてDHI類を生成させた水性の第1液を得る工程1と、前記工程1で得た前記第1液と抽剤とを混合して前記抽剤に前記DHI類を抽出した油性の第2液を得る工程2と、を含むDHI類の製造方法であって、前記工程1で得た前記第1液に、前記工程2で前記抽剤と混合する前に、水不溶性副生成物の除去操作を行うDHI類の製造方法。
<2>前記水不溶性副生成物の除去操作が濾過である、<1>に記載された製造方法。
<3>前記濾過で用いる濾材の目開きが5.0μm以下である、<2>に記載された製造方法。
<3−1>前記濾過で用いる濾材の目開きが2.0μm以下である、<2>に記載された製造方法。
<3−2>前記濾過で用いる濾材の目開きが1.5μm以下である、<2>に記載された製造方法。
<4>前記濾過で用いる濾材の目開きが0.1μm以上である、<2>乃至<3−2>のいずれかに記載された製造方法。
<4−1>前記濾過で用いる濾材の目開きが0.5μm以上である、<2>乃至<3−2>のいずれかに記載された製造方法。
<4−2>前記濾過で用いる濾材の目開きが1.0μm以上である、<2>乃至<3−2>のいずれかに記載された製造方法。
<5>前記濾過を、前記濾材が設けられた濾過器が介設された循環配管に、前記第1液を循環させることにより行う、<2>乃至<4−2>のいずれかに記載された製造方法。
<6>前記循環配管への前記第1液の循環回数が、好ましくは2回以上、より好ましくは3回以上、更に好ましくは4回以上であり、また、好ましくは10回以下、より好ましくは8回以下、更に好ましくは6回以下である、<5>に記載された製造方法。
<7>前記濾過を、前記濾材が設けられた濾過器が介設された配管に流通させてワンパス濾過することにより行う、<2>乃至<4>のいずれかに記載された製造方法。
<8>前記濾過器に設けられた前記濾材が単一である、<5>乃至<7>のいずれかに記載された製造方法。
<9>前記濾過器に設けられた前記濾材が複数である、<5>乃至<7>のいずれかに記載された製造方法。
<10>前記複数の濾材が、前記第1液の流動方向に沿って直列に設けられている、<9>に記載された製造方法。
<11>前記直列に設けられた前記複数の濾材は、上流側から下流側に向かって目開きが段階的に小さくなるように設けられている、<10>に記載された製造方法。
<12>前記複数の濾材が、前記濾過器内で分流した前記第1液のそれぞれが通過するように並列に設けられている、<9>乃至<11>のいずれかに記載された製造方法。
<13>前記並列に設けられた前記複数の濾材は、目開きが同一である、<12>に記載された製造方法。
<14>前記工程1では、前記DOPA類を0.20質量%以上含有する水溶液又は水性懸濁液と、前記酸化剤の水溶液又は水性懸濁液とを混合する、<1>乃至<13>のいずれかに記載された製造方法。
<15>前記DOPA類の含有量が、好ましくは0.30質量%以上であり、また、好ましくは1.0質量%以下、より好ましくは0.70質量%以下、更に好ましくは0.50質量%以下である、<14>に記載された製造方法。
<16>前記酸化剤がヘキサシアノ鉄(III)酸のアルカリ金属塩を含む、<14>又は<15>に記載された製造方法。
<17>前記酸化剤のヘキサシアノ鉄(III)酸のアルカリ金属の含有量が、前記DOPA類のモル数に対して、好ましくは2.0当量以上、より好ましくは2.6当量以上、更に好ましくは3.5当量以上であり、また、好ましくは6.0当量以下、より好ましくは5.5当量以下、更に好ましくは4.6当量以下である、<16>に記載された製造方法。
<18>前記酸化剤の水溶液又は水性懸濁液が塩基剤を含有する、<14>乃至<17>のいずれかに記載された製造方法。
<19>前記塩基剤が炭酸水素イオンのアルカリ金属塩を含む、<18>に記載された製造方法。
<20>前記塩基剤の含有量が、前記DOPA類のモル数に対して、好ましくは3.9当量以上、より好ましくは5.1当量以上、更に好ましくは5.9当量以上であり、また、好ましくは9.0当量以下、より好ましくは7.8当量以下、更に好ましくは6.3当量以下である、<18>又は<19>に記載された製造方法。
<21>前記抽剤が、オクタノール/水分配係数が0以上4.0以下の有機溶剤を含む、<1>乃至<20>のいずれかに記載された製造方法。
<21−1>前記抽剤が、オクタノール/水分配係数が、好ましくは0以上1.5以下、より好ましくは0以上0.9未満の有機溶剤を含む、<1>乃至<20>のいずれかに記載された製造方法。
<22>前記抽剤が酢酸エチルを含む、<21>に記載された製造方法。
<23>前記第1液に対する前記抽剤の混合量が、反応終了時における前記第1液の体積に対して、好ましくは20体積%以上、より好ましくは30体積%以上、更に好ましくは50体積%以上であり、また、好ましくは400体積%以下、より好ましくは200体積%以下、更に好ましくは100体積%以下である、<1>乃至<22>のいずれかに記載された製造方法。
<24>前記抽剤への前記DHI類の抽出収率が、好ましくは25mol%以上、より好ましくは50mol%以上、更に好ましくは75mol%以上である、<1>乃至<23>のいずれかに記載された製造方法。
(DHIの製造)
以下の実施例1〜4及び比較例のDHIの製造実験を行った。なお、いずれの工程も窒素雰囲気下にて行った。それぞれの構成については表1にも示す。
なお、DHIの含有量(HPLC)及び純度の測定は次のようにして行った。
・DHIの含有量(HPLC)
まず、容器内を窒素で置換した50mLのメスフラスコに、酸化防止剤であるアスコルビン酸ナトリウムを1.0g、安息香酸カリウムを0.2重量%含有した0.1重量%りん酸水溶液を2.0g及びDHI溶液を1.0gを混合した。次いで、メスフラスコに0.1重量%りん酸水溶液を50mLになるまで加えて溶液を調整し、それをHPLCにより測定してDHIの含有量を算出した。なお、いずれの溶液も窒素ガスを吹き込んで溶存酸素濃度を1.0mg/L以下にした溶液を使用した。
・純度の測定方法
DHIの純度は、HPLCにより測定された全ての物質のピーク面積値より、アスコルビン酸ナトリウム及び安息香酸カリウムの面積値を減じた値に対する、DHIのピーク面積値の百分率として算出した。
<実施例1>
−反応工程(工程1)−
実施例1では、図1に示すのと同様に反応槽及び酸化剤槽を備え、また、図2Aに示すのと同様に反応槽に、濾過器が介設された循環配管が設けられた反応装置を準備した。反応槽は、容量が300Lであって、アンカー翼を有する撹拌機及び温度調節用のジャケットが設けられたものであった。酸化剤槽は、撹拌機が設けられたものであった。濾過器は、目開きが1.2μmの単一の濾材が設けられたものであった。
まず、反応槽に窒素ガスを継続的に供給し、そこに窒素ガスを吹き込んで溶存酸素濃度を1.0mg/L以下にした水を仕込んだ。反応槽内で水を撹拌しながら、そこにDOPAを投入して溶解させることにより、濃度が0.33質量%のDOPA水溶液(DOPA類液)を175L調製した。このとき、ジャケットに温水を流して、DOPA水溶液の液温を35℃に調整した。
また、酸化剤槽に水を仕込んだ。酸化剤槽内で水を撹拌しながら、そこに酸化剤のヘキサシアノ鉄(III)酸カリウム及び塩基剤の炭酸水素カリウムを投入して溶解させることにより、濃度が16.8質量%のヘキサシアノ鉄(III)酸カリウム水溶液(酸化剤液)を25.2L調製した。このヘキサシアノ鉄(III)酸カリウム水溶液における酸化剤のヘキサシアノ鉄(III)酸カリウムの含有量は、DOPA水溶液におけるDOPAのモル数に対して4.0当量である。また、このヘキサシアノ鉄(III)酸カリウム水溶液における塩基剤の炭酸水素カリウムの含有量は、DOPA水溶液におけるDOPAのモル数に対して6.0当量である。
次いで、反応槽内のDOPA水溶液を撹拌しながら、そこに酸化剤槽内のヘキサシアノ鉄(III)酸カリウム水溶液を10分かけて滴下し、滴下開始から4時間熟成させ、DOPAとヘキサシアノ鉄(III)酸カリウムとを酸化還元反応させてDHIを生成させた水性の第1液を得た。この間、反応槽内の反応液の液温を35℃に維持した。
続いて、反応槽内の第1液を撹拌しながら、そこにpH調整剤として溶存酸素濃度を1.0mg/L以下とした濃度が10質量%のリン酸水溶液を添加してpHを4.7に調整した。得られた第1液の一部を取出し、そのDHIの含有量をHPLCにより測定し、第1液におけるDHIのモル量を算出した。
そして、反応槽内の第1液を循環配管に循環させて濾過器で濾過することにより水不溶性副生成物を除去した。第1液の循環配管のパス回数は5回とした。
−精製工程(工程2)−
濾過により水不溶性副生成物を除去した第1液の一部を取出してNo.7スクリュー管に移した。次いで、スクリュー管内の第1液に、抽剤として酢酸エチルを、第1液に対して50体積%添加し、スクリュー管を手で振ってそれらをよく撹拌することにより、抽剤の酢酸エチルにDHIを抽出した油性の第2液を得た。その後、撹拌を止め、水性の第1液と油性の第2液とを相分離させた。その後、ピペットを用いて上層の第2液のみを回収し、得られた第2液の一部を取出し、そのDHIの含有量をHPLCにより測定し、回収した第2液におけるDHIのモル量を算出した。
<実施例2>
−反応工程(工程1)−
実施例2では、まず、容量が500mLの反応槽に窒素ガスを継続的に供給し、そこに窒素ガスを吹き込んで溶存酸素濃度を1.0mg/L以下にした水を仕込んだ。反応槽内の水を撹拌しながら、そこにDOPAを投入して溶解させることにより、濃度が0.33質量%のDOPA水溶液(DOPA類液)を348mL調製した。このとき、DOPA水溶液の液温を35℃に調整した。
また、イオン交換水に酸化剤のヘキサシアノ鉄(III)酸カリウム及び塩基剤の炭酸水素カリウムを投入して溶解させることにより、濃度が16.8質量%のヘキサシアノ鉄(III)酸カリウム水溶液(酸化剤液)を41mL調製した。このヘキサシアノ鉄(III)酸カリウム水溶液におけるヘキサシアノ鉄(III)酸カリウムの含有量は、DOPA水溶液におけるDOPAのモル数に対して4.0当量である。また、このヘキサシアノ鉄(III)酸カリウム水溶液における塩基剤の炭酸水素カリウムの含有量は、DOPA水溶液におけるDOPAのモル数に対して6.0当量である。
次いで、反応槽内のDOPA水溶液を撹拌しながら、そこにヘキサシアノ鉄(III)酸カリウム水溶液を5分かけて滴下し、滴下開始から4時間熟成させ、DOPAとヘキサシアノ鉄(III)酸カリウムとを酸化還元反応させてDHIを生成させた水性の第1液を得た。この間、反応槽内の反応液の液温を35℃に維持した。
続いて、反応槽内の第1液を撹拌しながら、そこにpH調整剤として溶存酸素濃度を1.0mg/L以下とした濃度が10質量%のリン酸水溶液を添加してpHを4.7に調整した。得られた第1液の一部を取出し、そのDHIの含有量をHPLCにより測定し、第1液におけるDHIのモル量を算出した。
そして、反応槽内の第1液の一部を取り出し、それを、目開きが2.0μmの濾材を用いて濾過することにより水不溶性副生成物を除去した。
−精製工程(工程2)−
濾過により水不溶性副生成物を除去した第1液をNo.7スクリュー管に移した。次いで、スクリュー管内の第1液に、抽剤として酢酸エチルを、第1液に対して50体積%添加し、スクリュー管を手で振ってそれらをよく撹拌することにより、抽剤の酢酸エチルにDHIを抽出した油性の第2液を得た。その後、撹拌を止め、水性の第1液と油性の第2液とを相分離させた。その後、ピペットを用いて上層の第2液のみを回収し、得られた第2液の一部を取出し、そのDHIの含有量をHPLCにより測定し、回収した第2液におけるDHIのモル量を算出した。
<実施例3>
実施例3では、目開きが5.0μmの濾材を用いたことを除いて実施例2と同様の操作を行った。
<実施例4>
実施例4では、水不溶性副生成物の除去を、第1液を遠心分離することにより行ったことを除いて実施例2と同様の操作を行った。遠心分離は、反応槽内の第1液を容量が15mLの遠沈管に7mL取り、回転数を5000rpm及び回転時間を2分として行った。
<比較例>
比較例では、濾過による水不溶性副生成物の除去操作を行わなかったことを除いて実施例2と同様の操作を行った。
Figure 2019088152
(試験方法及び結果)
実施例1〜4及び比較例それぞれで得た油性の第2液について抽出収率を求めた。抽出収率は、第1液におけるDHIの含有モル量に対する、第2液におけるDHIの含有モル量の百分率として算出した。
また、実施例1〜4及び比較例それぞれについて相分離速度を求めた。相分離速度は、第1液に抽剤の酢酸エチルを添加したときの液高さを、スクリュー管を振る撹拌を停止してから相分離するまでに要した時間で除したものを算出した。
それらの結果を表1に示す。表1によれば、水不溶性副生成物の除去操作を行った実施例1〜4は、水不溶性副生成物の除去操作を行わなかった比較例に比べ、抽出収率が高く、また、相分離速度が速いことが分かる。
本発明は、ジヒドロキシインドール類の製造方法の技術分野について有用である。
D DOPA類液
O 酸化剤液
L1 第1液
L2 第2液
L3 第3液
W 水
10 反応装置
11 反応槽
12 酸化剤槽
13 酸化剤供給管
14 排出管
151,152 撹拌機
151a,152a 撹拌翼
16 ジャケット
171,172 濾過器
17a 濾材
181 循環配管
182 槽間連結配管
19 濾液槽

Claims (9)

  1. 3-(3,4-ジヒドロキシフェニル)アラニン及びその誘導体の群から選ばれる1種又は2種以上と酸化剤とを反応させてジヒドロキシインドール類を生成させた水性の第1液を得る工程1と、
    前記工程1で得た前記第1液と抽剤とを混合して前記抽剤に前記ジヒドロキシインドール類を抽出した油性の第2液を得る工程2と、
    を含むジヒドロキシインドール類の製造方法であって、
    前記工程1で得た前記第1液に、前記工程2で前記抽剤と混合する前に、水不溶性副生成物の除去操作を行う製造方法。
  2. 前記水不溶性副生成物の除去操作が濾過である、請求項1に記載された製造方法。
  3. 前記濾過で用いる濾材の目開きが5.0μm以下である、請求項2に記載された製造方法。
  4. 前記濾過で用いる濾材の目開きが2.5μm以下である、請求項2に記載された製造方法。
  5. 前記濾過で用いる濾材の目開きが2.0μm以下である、請求項2に記載された製造方法。
  6. 前記濾過で用いる濾材の目開きが1.5μm以下である、請求項2に記載された製造方法。
  7. 前記工程1では、前記3-(3,4-ジヒドロキシフェニル)アラニン及びその誘導体の群から選ばれる1種又は2種以上を0.2質量%以上含有する水溶液又は水性懸濁液と、前記酸化剤の水溶液又は水性懸濁液とを混合する、請求項1乃至6のいずれかに記載された製造方法。
  8. 前記工程1では、前記3-(3,4-ジヒドロキシフェニル)アラニン及びその誘導体の群から選ばれる1種又は2種以上を0.3質量%以上含有する水溶液又は水性懸濁液と、前記酸化剤の水溶液又は水性懸濁液とを混合する、請求項1乃至7のいずれかに記載された製造方法。
  9. 前記抽剤が、オクタノール/水分配係数が0以上4.0以下の有機溶剤を含む、請求項1乃至8のいずれかに記載された製造方法。
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