JPWO2019050019A1 - 投映像表示用ハーフミラーフィルム、投映像表示用の合わせガラス、および、画像表示システム - Google Patents

投映像表示用ハーフミラーフィルム、投映像表示用の合わせガラス、および、画像表示システム Download PDF

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Abstract

密着性の高い投映像表示用ハーフミラーフィルム、ハーフミラーフィルムの皺の発生を抑え、あるいはさらに密着性の高い合わせガラス、および、この合わせガラスを用いる画像表示システムの提供を課題とする。透明支持体(1)と、波長選択的に光を反射する選択反射層(3)とを有し、透明支持体は波長550nmにおける面内位相差の絶対値が10nm以下で、透明支持体(1)の選択反射層(3)を有する面の反対面側にヒートシール層(4)を有し、ヒートシール層(4)は熱可塑性樹脂を含有し、透明支持体(1)とヒートシール層(4)との間に、両者の成分が混合された混合層(M)を有する投映像表示用ハーフミラーフィルムにより、課題を解決する。

Description

本発明は、投映像表示用ハーフミラーフィルムおよび投映像表示用の合わせガラス、ならびに、この投映像表示用の合わせガラスを用いた画像表示システムに関する。
自動車のウインドシールド等に使用される合わせガラスにハーフミラーフィルムを内蔵することにより合わせガラスをヘッドアップディスプレイシステムの投映像表示用部材としても利用することができる。特許文献1においては、位相差層および複数のコレステリック液晶層を含むハーフミラーフィルムを投映像表示用部材として使用することが開示されている。特許文献1には、合わせガラス構成のウインドシールドガラスにおいて、ハーフミラーフィルムを中間膜に設けることが記載されている。
通常、合わせガラスは2枚のガラス板の間に中間膜を有する。
国際公開第2016/052367号
本発明者らが検討したところ、自動車のウインドシールドのように広い面積の合わせガラスを作製する場合、中間膜とハーフミラーフィルムを同時に貼合すると、ハーフミラーフィルムの皺が生じやすいという課題があった。特に湾曲面を有するガラス板を使用した場合に皺の発生は顕著であった。
皺が1か所でも発生するとそれを含む合わせガラス自体が欠陥品となるため歩留まりに直結する問題である。さらに、微細な皺は、光学的な歪みを与えて投映画像の視認性に悪影響するという問題もある。
また、複数の層を積層したハーフミラーフィルムでは、密着性が低いという課題が生じる場合も有る。
本発明は、密着性の高い積層型の投映像表示用ハーフミラーフィルム、このハーフミラーフィルムを用いる投映像表示用の合わせガラス、密着性の高い投映像表示用の合わせガラス、ハーフミラーフィルムの皺の発生を抑えた投映像表示用の合わせガラス、および、その合わせガラスを用いた画像表示システムの提供を課題とする。
本発明者らが鋭意検討の結果、透明支持体にヒートシール層を設けたハーフミラーフィルムによって、ハーフミラーフィルムの密着性を向上できること、および、ハーフミラーフィルムを用いる合わせガラスに、特定のヒートシール層を設けることで、ハーフミラーフィルムの皺の発生を抑え、あるいはさらに、密着性が高い合わせガラスを得られることを見出した。
[1] 透明支持体と、波長選択的に光を反射する選択反射層と、を有する投映像表示用ハーフミラーフィルムであって、
透明支持体は、波長550nmにおける面内位相差の絶対値が10nm以下であり、
透明支持体において、選択反射層を有する面の反対面側にヒートシール層を有し、ヒートシール層は熱可塑性樹脂を含有し、さらに
透明支持体とヒートシール層との間に、透明支持体の成分とヒートシール層の成分とが混合された混合層が形成されている、投映像表示用ハーフミラーフィルム。
[2] 透明支持体と選択反射層との間に位相差層を有し、位相差層の波長550nmにおける面内位相差が250〜450nmまたは50〜180nmである、[1]に記載の投映像表示用ハーフミラーフィルム。
[3] ヒートシール層の表面が粗面化している、[1]または[2]に記載の投映像表示用ハーフミラーフィルム。
[4] 透明支持体とヒートシール層の少なくとも一方が、重合性基、および、透明支持体に含有される樹脂と結合形成可能な基からなる群から選択される基を複数個有する化合物由来の成分を含有する、[1]〜[3]のいずれかに記載の投映像表示用ハーフミラーフィルム。
[5] [1]〜[4]のいずれかに記載の投映像表示用ハーフミラーフィルムと、投映像表示用ハーフミラーフィルムの選択反射層に隣接する中間膜とが、2枚のガラス板で挟持された、投映像表示用の合わせガラス。
[6] ハーフミラーフィルムおよび中間膜が、ハーフミラーフィルム側のガラス板と中間膜側のガラス板とで狭持されており、
ハーフミラーフィルムとハーフミラー側のガラス板との間に、熱可塑性樹脂を含む、厚みが0.1〜50μmのヒートシール層を有する、投映像表示用の合わせガラス。
[7] ハーフミラーフィルムが、波長選択的に光を反射する選択反射層および位相差層を有し、ヒートシール層が、選択反射層または位相差層に隣接する、[6]に記載の投映像表示用の合わせガラス。
[8] ヒートシール層が、選択反射層に隣接する、[7]に記載の投映像表示用の合わせガラス。
[9] ヒートシール層が、平均一次粒子径が5〜50nmである一次粒子の凝集からなる二次粒子を形成している無機微粒子を含有する、[6]〜[8]のいずれかに記載の投映像表示用の合わせガラス。
[10] [5]〜[9]のいずれかに記載の投映像表示用の合わせガラスに、p直線偏光光源から画像を投映する、画像表示システム。
本発明によれば、密着性が高い投映像表示用ハーフミラーフィルム、および、ハーフミラーフィルムの皺の発生を抑え、あるいはさらに、密着性が高い投映像表示用の合わせガラス、ならびに、これらの合わせガラスを用いた画像表示システムを提供することができる。
図1は、本発明の投映像表示用ハーフミラーフィルムの一例を概念的に示す図である。 図2は、本発明の投映像表示用の合わせガラスの第1の態様の一例を概念的に示す図である。 図3は、本発明の投映像表示用の合わせガラスの第2の態様の一例を概念的に示す図である。 図4は、本発明の投映像表示用の合わせガラスの第2の態様の別の例を概念的に示す図である。 図5は、本発明の投映像表示用の合わせガラスの第2の態様の別の例を概念的に示す図である。 図6は、本発明の投映像表示用の合わせガラスの第2の態様の別の例を概念的に示す図である。 図7は、図2に示す投映像表示用の合わせガラス画像を投影した場合の視認の様子を概念的に示す図である。
以下、本発明を詳細に説明する。
本明細書において「〜」とはその前後に記載される数値を下限値および上限値として含む意味で使用される。
また、本明細書において、角度(例えば「90°」等の角度)、およびその関係(例えば、「平行」、「水平」、「鉛直」等)については、本発明が属する技術分野において許容される誤差の範囲を含むものとする。例えば、厳密な角度±10°未満の範囲内であることなどを意味し、厳密な角度との誤差は、5°以下であることが好ましく、3°以下であることがより好ましい。
本明細書において、円偏光につき「選択的」と言うときは、光の右円偏光成分および左円偏光成分のいずれかの光量が、他方の円偏光成分よりも多いことを意味する。具体的には「選択的」というとき、光の円偏光度は、0.3以上であることが好ましく、0.6以上がより好ましく、0.8以上がさらに好ましい。実質的に1.0であることがさらに好ましい。ここで、円偏光度とは、光の右円偏光成分の強度をIR、左円偏光成分の強度をILとしたとき、|IR−IL|/(IR+IL)で表される値である。
本明細書において、円偏光につき「センス」と言うときは、右円偏光であるか、または左円偏光であるかを意味する。円偏光のセンスは、光が手前に向かって進んでくるように眺めた場合に電場ベクトルの先端が時間の増加に従って時計回りに回る場合が右円偏光であり、反時計回りに回る場合が左円偏光であるとして定義される。
本明細書においては、コレステリック液晶の螺旋の捩れ方向について「センス」との用語を用いることもある。コレステリック液晶の螺旋の捩れ方向(センス)が右の場合は右円偏光を反射し、左円偏光を透過し、センスが左の場合は左円偏光を反射し、右円偏光を透過する。
本明細書において、「光」と言う場合、特に断らない限り、可視光かつ自然光(非偏光)の光を意味する。可視光線は電磁波のうち、ヒトの目で見える波長の光であり、通常、380〜780nmの波長域の光を示す。
本明細書において、単に「反射光」または「透過光」と言うときは、散乱光および回折光を含む意味で用いられる。
なお、光の各波長の偏光状態は、円偏光板を装着した分光放射輝度計またはスペクトルメータを用いて測定することができる。この場合、右円偏光板を通して測定した光の強度がIR、左円偏光板を通して測定した光の強度がILに相当する。また、照度計または光スペクトルメータに円偏光板を取り付けても測定することができる。右円偏光透過板をつけ、右円偏光量を測定、左円偏光透過板をつけ、左円偏光量を測定することにより、比率を測定できる。
本明細書において、p偏光は光の入射面に平行な方向に振動する偏光を意味する。入射面は反射面(ウインドシールドガラス表面など)に垂直で入射光線と反射光線とを含む面を意味する。p偏光は電場ベクトルの振動面が入射面に平行である。
本明細書において、面内位相差(面内位相差Re)は、Axometrics(アクソメトリクス)社製のAxoScanを用いて測定した値である。測定波長は特に言及のないときは、550nmとする。
本明細書において、「投映像(projection image)」は、前方などの周囲の風景ではない、使用するプロジェクターからの光の投射に基づく映像を意味する。投映像は、観察者から見てウインドシールドガラスの投映像表示部位の先に浮かび上がって見える虚像として観測される。
本明細書において、「画像(screen image)」はプロジェクターの描画デバイスに表示される像または、描画デバイスにより中間像スクリーン等に描画される像を意味する。虚像に対して、画像は実像である。
画像および投映像は、いずれも単色の像であっても、2色以上の多色の像であっても、フルカラーの像であってもよい。
本明細書において、「可視光線透過率」はJIS R 3212:2015(自動車用安全ガラス試験方法)において定められたA光源可視光線透過率とする。すなわちA光源を用い分光光度計にて、380〜780nmの範囲の各波長の透過率を測定し、CIE(国際照明委員会)の明順応標準比視感度の波長分布および波長間隔から得られる重価係数を各波長での透過率に乗じて加重平均することによって求められる透過率である。
また、本明細書において、液晶性組成物、液晶性化合物とは、硬化等により、もはや液晶性を示さなくなったものも概念として含まれる。
以下、本発明の投映像表示用ハーフミラーフィルム、投映像表示用の合わせガラス、および、画像表示システムについて、添付の図面を参照して説明する。なお、以下に示す図1〜図7においては、同じ部材には同じ符号を付す。
図1に、本発明の投映像表示用ハーフミラーフィルムの一例を概念的に示す。
図1に示すように、本発明の投映像表示用ハーフミラーフィルムは、図中下方から、ヒートシール層4、透明支持体1、位相差層2、および、選択反射層3を有する。
本発明の投映像表示用ハーフミラーフィルムにおいて、ヒートシール層4は、透明支持体1の選択反射層3とは逆側の面に設けられる。さらに、透明支持体1とヒートシール層4との間には、透明支持体1の成分と、ヒートシール層4の成分とが混合された、混合層Mが形成される。後に実施例で示すが、本発明の投映像表示用ハーフミラーフィルム、および、後述する本発明の合わせガラスの第1の態様は、この混合層を有することにより、透明支持体1とヒートシール層4との高い密着性を実現している。
本発明の投映像表示用ハーフミラーフィルムにおいて、位相差層2は、好ましい態様として設けられるものであり、透明支持体1と選択反射層3との間に設けられる。
図2に、本発明の投映像表示用の合わせガラスの第1の態様の一例を概念的に示す。なお、以下の説明では『投映像表示用の合わせガラス』を、単に、『合わせガラス』とも言う。
本発明の合わせガラスの第1の態様は、上述した本発明の投映像表示用ハーフミラーフィルムと、投映像表示用ハーフミラーフィルムの選択反射層に隣接する中間膜とを、2枚のガラス板で挟持したものである。
図2に示す合わせガラスは、図中下方から、第1ガラス6、ヒートシール層4、透明支持体1、位相差層2、選択反射層3、中間膜5、および、第2ガラス7を有する。上述のように、本発明の投映像表示用ハーフミラーフィルムは、ヒートシール層4、透明支持体1、位相差層2、および、選択反射層3で構成され、ヒートシール層4と透明支持体1との間には、混合層Mが形成される。
本発明の合わせガラスの第1の態様は、このような構成を有することにより、投映像表示用ハーフミラーフィルムの密着性が高く、しかも、投映像表示用ハーフミラーフィルムの皺の発生も抑えた合わせガラスを実現している。
図3に、本発明の合わせガラスの第2の態様の一例を概念的に示す。
本発明の合わせガラスの第2の態様は、ハーフミラーフィルムおよび中間膜が、ハーフミラーフィルム側のガラス板と、中間膜側のガラス板とで挟持されており、ハーフミラーフィルムとハーフミラーフィルム側のガラス板との間に、熱可塑性樹脂を含む、厚みが0.1〜50μmのヒートシール層を有するものである。本発明の合わせガラスの第2の態様は、このようなヒートシール層を有することにより、ハーフミラーフィルムを用いる投映像表示用の合わせガラスにおいて、ハーフミラーフィルムの皺の発生を防止している。
図3に示す合わせガラスは、図中下方から、第1ガラス6、中間膜5、透明支持体1、位相差層2、選択反射層3、ヒートシール層4、および、第2ガラス7を有する。本例においては、好ましい態様として、透明支持体1と位相差層2と選択反射層3とで、ハーフミラーフィルム10が構成される。
図4に、本発明の合わせガラスの第2の態様の別の例を示す。図4に示す合わせガラスは、図中下方から、第1ガラス6、ヒートシール層4、位相差層2、選択反射層3、透明支持体1、中間膜5、および、第2ガラス7を有する。本例においても、好ましい態様として、位相差層2と選択反射層3と透明支持体1とで、ハーフミラーフィルム10が構成される。
図3および図4に示される合わせガラスは、好ましい態様として、ヒートシール層4が、位相差層2または選択反射層3に隣接しており、図3に示す合わせガラスは、より好ましい態様として、ヒートシール層4が、選択反射層3に隣接している。
図5に、本発明の合わせガラスの第2の態様の別の例を示す。図5に示す合わせガラスは、図中下方から、第1ガラス6、中間膜5、位相差層2、選択反射層3、透明支持体1、ヒートシール層4、および、第2ガラス7を有する。本例においても、好ましい態様として、位相差層2と選択反射層3と透明支持体1とで、ハーフミラーフィルム10が構成される。また、ヒートシール層4と透明支持体1との間には、混合層Mが形成される。
本発明の合わせガラスの第2の態様において、透明支持体1とヒートシール層4とが隣接している場合には、図5に示されるように、透明支持体1とヒートシール層4との間に、透明支持体1の成分と、ヒートシール層4の成分とが混合された、混合層Mを有してもよい。
しかしながら、本発明の合わせガラスの第2の態様は、これに制限はされず、透明支持体1とヒートシール層4とが隣接する場合でも、混合層Mを有さなくてもよい。また、透明支持体1とヒートシール層4とが隣接しており、かつ、混合層Mを有さない場合には、ヒートシール層4に、後述する密着強化剤を用いてもよい。
また、本発明の合わせガラスでは、第1の態様および第2の態様共に、ヒートシール層4は、第1ガラス6および第2ガラス7のいずれかに接しているのが好ましい。
図3〜図5に示す、本発明の合わせガラスの第2の態様は、いずれも、透明支持体1を有しているが、本発明の第2の態様の合わせガラスは、これに制限はされない。すなわち、本発明の合わせガラスの第2の態様は、透明支持体1を有さなくてもよい。
例えば、図3に示す合わせガラスであれば、図6に概念的に示すように、透明支持体1を有さずに、図中下方から、第1ガラス6、中間膜5、位相差層2、選択反射層3、ヒートシール層4、および、第2ガラス7を有する構成でもよい。
また、図5に示す合わせガラスであれば、透明支持体1を有さずに、図中下方から、第1ガラス6、中間膜5、位相差層2、選択反射層3、ヒートシール層4、および、第2ガラス7を有する構成でもよい。
すなわち、本発明の合わせガラスの第2の態様は、ハーフミラーフィルム10および中間膜5が、第1ガラス板6および第2ガラス板7で挟持されており、ハーフミラーフィルム10といずれかガラス板との間に、厚みが0.1〜50μmのヒートシール層4を有するものであれば、様々な各種の層構成が利用可能である。
以下、このような層構成を有する本発明の投映像表示用ハーフミラーフィルム、および、合わせガラス、ならびに、本発明の投映像表示用ハーフミラーフィルムおよび合わせガラスを構成する各層について、より詳細に説明する。
<<投映像表示用ハーフミラーフィルム>>
本明細書において、投映像表示用ハーフミラーフィルムとは、反射光で投映像を表示することができるハーフミラーフィルムを意味する。
本発明の投映像表示用ハーフミラーフィルムは可視光透過性である。具体的には、本発明の投映像表示用ハーフミラーフィルムの可視光線透過率は、85%以上が好ましく、86%以上がより好ましく、87%以上がさらに好ましい。
このような高い可視光線透過率を有することにより、可視光線透過率が低いガラスと組み合わせて合わせガラスとしたときであっても、車両のウインドシールドガラスの規格を満たす可視光線透過率を実現することができる。
本発明の投映像表示用ハーフミラーフィルムは視感度の高い波長域において実質的な反射を示さないことが好ましい。具体的には、法線方向からの光に対して、通常の合わせガラスと、本発明の投映像表示用ハーフミラーフィルムを組み込んだ合わせガラスとを比較したときに、波長550nm近辺で実質的に同等な反射を示すことが好ましい。特に、490〜620nmの可視光波長域において、実質的に同等な反射を示すことがより好ましい。「実質的に同等な反射」とは、例えば、日本分光社製の分光光度計「V−670」等の分光光度計で法線方向から測定した対象の波長における自然光(無偏光)の反射率の差が10%以下であることを意味する。上述の波長域において、反射率の差は、5%以下であることが好ましく、3%以下であることがより好ましく、2%以下であることがさらに好ましく、1%以下であることが特に好ましい。視感度の高い波長域において実質的に同等な反射を示すことによって、可視光線透過率が低いガラスと組み合わせて合わせガラスとしたときであっても、車両のウインドシールドガラスの規格を満たす可視光線透過率を実現することができる。
本発明の投映像表示用ハーフミラーフィルムは、薄膜のフィルム状、シート状などであればよい。
本発明の投映像表示用ハーフミラーフィルムは、ウインドシールドガラスにおいて使用される前は、薄膜のフィルムとしてロール状等になっていてもよい。
本発明の投映像表示用ハーフミラーフィルムは、少なくとも投映されている光の一部に対して、ハーフミラーとしての機能を有しているものであればよく、例えば可視光域全域の光に対してハーフミラーとして機能していることを必要とするものではない。また、本発明の投映像表示用ハーフミラーフィルムは、全ての入射角の光に対して上述のハーフミラーとしての機能を有していてもよいが、少なくとも一部の入射角の光に対して上述の機能を有していればよい。
上述したように、本発明の投映像表示用ハーフミラーフィルムは、透明支持体、選択反射層およびヒートシール層を含む。
また、本発明の(投映像表示用の)合わせガラスの第1の態様は、本発明の投映像表示用ハーフミラーフィルムと中間膜とを、2枚のガラス板で挟持したものであり、中間膜は選択反射層に隣接する。
さらに、本発明の(投映像表示用の)合わせガラスの第2の態様は、ハーフミラーフィルムと中間膜とが、2枚のガラス板で挟持されるものであり、ハーフミラーフィルムとガラス板との間に、ヒートシール層を有するものである。
なお、本発明の投映像表示用ハーフミラーフィルムおよび合わせガラスは、これらの部材以外に、必要に応じて、位相差層、配向層、および、接着層などの層を含んでいてもよい。
<選択反射層>
選択反射層は波長選択的に光を反射する層である、選択反射層は可視光波長域の一部において選択反射を示すことが好ましい。選択反射層は投映像表示のための光を反射していればよい。
本発明において、最も短い波長に選択反射の中心波長を有する選択反射層の選択反射の中心波長は650〜780nmであることが好ましい。本明細書において、選択反射層の選択反射の中心波長λは、選択反射層の法線方向から測定した反射スペクトルの反射ピークの重心位置にある波長を意味する。このような構成は、例えば、投映像表示用ハーフミラーが選択反射の中心波長は650〜780nmである選択反射層を含むとともに、650nm未満の可視光波長域において選択反射の中心波長を有する選択反射層を含まない構成で実現することができる。
本発明において、最も短い波長に選択反射の中心波長を有する選択反射層の選択反射の中心波長は、750nm以下であることが好ましく、720nm以下であることがより好ましく、700nm以下であることがさらに好ましい。
本発明の投映像表示用ハーフミラーフィルムおよび合わせガラスは、2層以上の選択反射層を含んでいてもよい。
2層以上の選択反射層の選択反射の中心波長は同一であってもよく、異なっていてもよいが、異なっていることが好ましい。選択反射の中心波長が異なる選択反射層を2層以上含むことにより二重像を低減することができる。例えば、選択反射層を2層含む場合、この2層の選択反射の中心波長は、60nm以上異なることが好ましく、80nm以上異なることがより好ましく、100nm以上異なることがさらに好ましい。2層以上の選択反射層の選択反射の中心波長はいずれも650〜780nmにあってもよく、少なくとも1つが650〜780nmにあり、その他が780nm超の波長にあってもよいが、いずれも650〜780nmにあることが好ましい。
選択反射層は偏光反射層であることが好ましい。偏光反射層は、直線偏光、円偏光、または楕円偏光を反射する層である。
偏光反射層は、円偏光反射層または直線偏光反射層であることが好ましい。円偏光反射層は、選択的に反射する波長域において、いずれか一方のセンスの円偏光を反射し、かつ、他方のセンスの円偏光を透過する層である。また、直線偏光反射層は、選択的に反射する波長域において、1つの偏光方向の直線偏光を反射し、かつ、反射する偏光方向に直交する偏光方向の直線偏光を透過する層である。
偏光反射層は、反射しない偏光を透過させることができ、選択反射層が反射を示す波長域においても、一部の光を透過させることができる。そのため、投映像表示用ハーフミラーを透過した光の色味を悪化させにくく、可視光線透過率も低下させにくくなるため、好ましい。
円偏光反射層である選択反射層としては、コレステリック液晶層が好ましい。
[コレステリック液晶層]
本明細書において、コレステリック液晶層は、コレステリック液晶相を固定した層を意味する。
コレステリック液晶層は、コレステリック液晶相となっている液晶化合物の配向が保持されている層であればよく、典型的には、重合性液晶化合物をコレステリック液晶相の配向状態としたうえで、紫外線照射、加熱等によって重合、硬化し、流動性が無い層を形成して、同時に、外場および外力等によって配向形態に変化を生じさせることがない状態に変化した層であればよい。
なお、コレステリック液晶層においては、コレステリック液晶相の光学的性質が層中において保持されていれば十分であり、層中の液晶化合物はもはや液晶性を示していなくてもよい。例えば、重合性液晶化合物は、硬化反応により高分子量化して、もはや液晶性を失っていてもよい。
コレステリック液晶層は、右円偏光および左円偏光のいずれか一方のセンスの円偏光を選択的に反射させるとともに他方のセンスの円偏光を透過する円偏光選択反射を示すことが知られている。
円偏光選択反射性を示すコレステリック液晶相を固定した層を含むフィルムとして、重合性液晶化合物を含む組成物から形成されたフィルムは従来から数多く知られており、コレステリック液晶層については、それらの従来技術を参照することができる。
コレステリック液晶層の選択反射の中心波長λは、コレステリック相における螺旋構造のピッチP(=螺旋の周期)に依存し、コレステリック液晶層の平均屈折率nとλ=n×Pの関係に従う。この式からわかるように、n値とP値を調節することにより、選択反射の中心波長を650〜780nmに調節することができる。
コレステリック液晶層の選択反射中心波長と半値幅は、下記のように求めることができる。
分光光度計UV3150(島津製作所)を用いてコレステリック液晶層の透過スペクトル(コレステリック液晶層の法線方向から測定したもの)を測定すると、選択反射帯域に透過率の低下ピークがみられる。このピークの極小透過率と低下前の透過率との中間(平均)の透過率となる2つの波長のうち、短波長側の波長の値をλl(nm)、長波長側の波長の値をλh(nm)とすると、選択反射の中心波長λと半値幅Δλは下記式で表すことができる。
λ=(λl+λh)/2Δλ=(λh−λl
上述のように求められる選択反射の中心波長はコレステリック液晶層の法線方向から測定した円偏光反射スペクトルの反射ピークの重心位置にある波長と略一致する。
後述するように、ヘッドアップディスプレイシステムにおいては、ウインドシールドガラスに対して斜めに光が入射するように用いることにより、投映光入射側のガラス板表面での反射率を低くすることができる。このとき、コレステリック液晶層に対しても斜めに光が入射する。例えば、屈折率1の空気中で投映像表示部位の法線に対し45°〜70°の角度で入射した光は、屈折率1.61程度のコレステリック液晶層を26°〜36°程度の角度で透過する。この場合、反射波長は短波長側にシフトする。選択反射の中心波長がλであるコレステリック液晶層中でコレステリック液晶層の法線方向(コレステリック液晶層の螺旋軸方向)に対して光線がθ2の角度で通過するときの選択反射の中心波長をλdとするとき、λdは以下の式で表される。
λd=λ×cosθ2
そのため、θ2が26°〜36°のとき650〜780nmの範囲に選択反射の中心波長を有するコレステリック液晶層は、520〜695nmの範囲で投映光を反射することができる。
このような波長範囲は視感度の高い波長域であるため投映像の輝度への寄与度が高く、結果として高い輝度の投映像を実現することができる。
コレステリック液晶相のピッチは、重合性液晶化合物とともに用いるキラル剤の種類、またはその添加濃度に依存するため、これらを調節することによって所望のピッチを得ることができる。なお、螺旋のセンスおよびピッチの測定法については「液晶化学実験入門」日本液晶学会編 シグマ出版2007年出版、46頁、および「液晶便覧」液晶便覧編集委員会 丸善 196頁に記載の方法を用いることができる。
また、本発明の投映像表示用ハーフミラーフィルムおよび合わせガラスにおいて、コレステリック液晶層は、視認側(車内側)からみて、選択反射の中心波長が短いものから順に配置されていることが好ましい。
各コレステリック液晶層としては、螺旋のセンスが右または左のいずれかであるコレステリック液晶層が用いられる。コレステリック液晶層の反射円偏光のセンスは螺旋のセンスに一致する。選択反射の中心波長が異なるコレステリック液晶層の螺旋のセンスは全て同じであっても、異なるものが含まれていてもよいが、同じであることが好ましい。
また、本発明の投映像表示用ハーフミラーフィルムおよび合わせガラスは、同一または重複する波長域で選択反射を示すコレステリック液晶層として異なる螺旋のセンスのコレステリック液晶層を含まないことが好ましい。特定の波長域での透過率が例えば50%未満に低下することを避けるためである。
選択反射を示す選択反射帯の半値幅Δλ(nm)は、Δλが液晶化合物の複屈折Δnと上述ピッチPに依存し、Δλ=Δn×Pの関係に従う。そのため、選択反射帯の幅の制御は、Δnを調節して行うことができる。Δnの調節は重合性液晶化合物の種類および混合比率等を調節したり、配向固定時の温度を制御したりすることで行うことができる。
選択反射の中心波長が同一の1種のコレステリック液晶層の形成のために、ピッチPが同じで、同じ螺旋のセンスのコレステリック液晶層を複数積層してもよい。ピッチPが同じで、同じ螺旋のセンスのコレステリック液晶層を積層することによって、特定の波長で円偏光選択性を高くすることができる。
複数のコレステリック液晶層を積層する際は、別に作製したコレステリック液晶層を接着剤等を用いて積層してもよく、後述の方法で形成された先のコレステリック液晶層の表面に直接、重合性液晶化合物等を含む液晶組成物を塗布し、配向および固定の工程を繰り返してもよいが、後者が好ましい。
先に形成されたコレステリック液晶層の表面に直接次のコレステリック液晶層を形成することにより、先に形成したコレステリック液晶層の空気界面側の液晶分子の配向方位と、その上に形成するコレステリック液晶層の下側の液晶分子の配向方位が一致し、コレステリック液晶層の積層体の偏光特性が良好となるからである。また、接着層の厚みムラに由来して生じ得る干渉ムラが観測されないからである。
コレステリック液晶層の厚みは、0.5〜10μmであることが好ましく、1.0〜8.0μmであることがより好ましく、1.5〜6.0μmであることがさらに好ましい。また、投映像表示用ハーフミラーにおけるコレステリック液晶層の厚みの総計は、2.0〜30μmであることが好ましく、2.5〜25μmであることがより好ましく、3.0〜20μmであることがさらに好ましい。
本発明においては、コレステリック液晶層の厚みを上述の範囲とすることにより、コレステリック液晶層の厚みを低減することなく、可視光線透過率を高く維持することができる。
(コレステリック液晶層の作製方法)
以下、コレステリック液晶層の作製材料および作製方法について説明する。
上述コレステリック液晶層の形成に用いる材料としては、重合性液晶化合物とキラル剤(光学活性化合物)とを含む液晶組成物などが挙げられる。必要に応じてさらに界面活性剤および重合開始剤などと混合して溶剤などに溶解した上述液晶組成物を、支持体、配向層、下層となるコレステリック液晶層などに塗布し、コレステリック配向熟成後、液晶組成物の硬化により固定化してコレステリック液晶層を形成することができる。
(重合性液晶化合物)
重合性液晶化合物は、棒状液晶化合物であっても、円盤状液晶化合物であってもよいが、棒状液晶化合物であることが好ましい。
コレステリック液晶層を形成する棒状の重合性液晶化合物の例としては、棒状ネマチック液晶化合物が挙げられる。棒状ネマチック液晶化合物としては、アゾメチン類、アゾキシ類、シアノビフェニル類、シアノフェニルエステル類、安息香酸エステル類、シクロヘキサンカルボン酸フェニルエステル類、シアノフェニルシクロヘキサン類、シアノ置換フェニルピリミジン類、アルコキシ置換フェニルピリミジン類、フェニルジオキサン類、トラン類、および、アルケニルシクロヘキシルベンゾニトリル類が好ましく用いられる。低分子液晶化合物だけではなく、高分子液晶化合物も用いることができる。
重合性液晶化合物は、重合性基を液晶化合物に導入することで得られる。重合性基の例には、不飽和重合性基、エポキシ基、およびアジリジニル基が含まれ、不飽和重合性基が好ましく、エチレン性不飽和重合性基が特に好ましい。重合性基は種々の方法で、液晶化合物の分子中に導入できる。重合性液晶化合物が有する重合性基の個数は、好ましくは一分子中に1〜6個、より好ましくは1〜3個である。
重合性液晶化合物の例は、Makromol.Chem.,190巻、2255頁(1989年)、Advanced Materials 5巻、107頁(1993年)、米国特許第4683327号明細書、同5622648号明細書、同5770107号明細書、国際公開WO95/22586、国際公開WO95/24455、WO97/00600、WO98/23580、WO98/52905、特開平1−272551号公報、同6−16616号公報、同7−110469号公報、同11−80081号公報、および、特開2001−328973号公報などに記載の化合物が含まれる。2種類以上の重合性液晶化合物を併用してもよい。2種類以上の重合性液晶化合物を併用すると、配向温度を低下させることができる。
また、液晶組成物中の重合性液晶化合物の添加量は、液晶組成物の固形分質量(溶媒を除いた質量)に対して、80〜99.9質量%であることが好ましく、85〜99.5質量%であることがより好ましく、90〜99質量%であることが特に好ましい。
(キラル剤:光学活性化合物)
キラル剤はコレステリック液晶相の螺旋構造を誘起する機能を有する。キラル剤は、化合物によって誘起する螺旋のセンスまたは螺旋ピッチが異なるため、目的に応じて選択すればよい。
キラル剤としては、特に制限はなく、公知の化合物を用いることができる。キラル剤の例としては、液晶デバイスハンドブック(第3章4−3項、TN、STN用カイラル剤、199頁、日本学術振興会第142委員会編、1989)、特開2003−287623号、特開2002−302487号、特開2002−80478号、特開2002−80851号、特開2010−181852号、および、特開2014−034581号等の各公報に記載の化合物が挙げられる。
キラル剤は、一般に不斉炭素原子を含むが、不斉炭素原子を含まない軸性不斉化合物あるいは面性不斉化合物もキラル剤として用いることができる。軸性不斉化合物または面性不斉化合物の例には、ビナフチル、ヘリセン、パラシクロファン、および、これらの誘導体が含まれる。
キラル剤は、重合性基を有していてもよい。キラル剤と液晶化合物とがいずれも重合性基を有する場合は、重合性キラル剤と重合性液晶化合物との重合反応により、重合性液晶化合物から誘導される繰り返し単位と、キラル剤から誘導される繰り返し単位とを有するポリマーを形成することができる。この態様では、重合性キラル剤が有する重合性基は、重合性液晶化合物が有する重合性基と、同種の基であることが好ましい。従って、キラル剤の重合性基も、不飽和重合性基、エポキシ基またはアジリジニル基であることが好ましく、不飽和重合性基であることがより好ましく、エチレン性不飽和重合性基であることがさらに好ましい。
また、キラル剤は、液晶化合物であってもよい。
キラル剤としては、イソソルビド誘導体、イソマンニド誘導体、または、ビナフチル誘導体等が好ましい。イソソルビド誘導体としては、BASF社製のLC−756等の市販品を用いてもよい。
液晶組成物における、キラル剤の含有量は、重合性液晶化合物量の0.01〜200モル%が好ましく、1〜30モル%がより好ましい。
(重合開始剤)
液晶組成物は、重合開始剤を含有していることが好ましい。紫外線照射により重合反応を進行させる態様では、使用する重合開始剤は、紫外線照射によって重合反応を開始可能な光重合開始剤であることが好ましい。光重合開始剤の例には、α−カルボニル化合物(米国特許第2367661号、同2367670号の各明細書記載)、アシロインエーテル(米国特許第2448828号明細書記載)、α−炭化水素置換芳香族アシロイン化合物(米国特許第2722512号明細書記載)、多核キノン化合物(米国特許第3046127号、同2951758号の各明細書記載)、トリアリールイミダゾールダイマーとp−アミノフェニルケトンとの組み合わせ(米国特許第3549367号明細書記載)、アクリジンおよびフェナジン化合物(特開昭60−105667号公報、米国特許第4239850号明細書記載)、アシルフォスフィンオキシド化合物(特公昭63−40799号公報、特公平5−29234号公報、特開平10−95788号公報、特開平10−29997号公報、特開2001−233842号公報、特開2000−80068号公報、特開2006−342166号公報、特開2013−114249号公報、特開2014−137466号公報、特許4223071号公報、特開2010−262028号公報、特表2014−500852号公報記載)、オキシム化合物(特開2000−66385号公報、日本特許第4454067号明細書記載)、および、オキサジアゾール化合物(米国特許第4212970号明細書記載)等が挙げられる。例えば、特開2012−208494号公報の段落[0500]〜[0547]の記載も参酌できる。
重合開始剤としては、アシルフォスフィンオキシド化合物またはオキシム化合物を用いることも好ましい。
アシルフォスフィンオキシド化合物としては、例えば、市販品のBASFジャパン社製のIRGACURE810(化合物名:ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド)を用いることができる。オキシム化合物としては、IRGACURE OXE01(BASF社製)、IRGACURE OXE02(BASF社製)、TR−PBG−304(常州強力電子新材料有限公司製)、アデカアークルズNCI−831、アデカアークルズNCI−930(ADEKA社製)、および、アデカアークルズNCI−831(ADEKA社製)等の市販品を用いることができる。
重合開始剤は、1種のみ用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
液晶組成物中の光重合開始剤の含有量は、重合性液晶化合物の含有量に対して0.1〜20質量%であることが好ましく、0.5〜5質量%であることがより好ましい。
(架橋剤)
液晶組成物は、硬化後の膜強度向上、耐久性向上のため、任意に架橋剤を含有していてもよい。架橋剤としては、紫外線、熱、および、湿気等で硬化するものが好適に使用できる。
架橋剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えばトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート等の多官能アクリレート化合物;グリシジル(メタ)アクリレート、エチレングリコールジグリシジルエーテル等のエポキシ化合物;2,2−ビスヒドロキシメチルブタノール−トリス[3−(1−アジリジニル)プロピオネート]、4,4−ビス(エチレンイミノカルボニルアミノ)ジフェニルメタン等のアジリジン化合物;ヘキサメチレンジイソシアネート、ビウレット型イソシアネート等のイソシアネート化合物;オキサゾリン基を側鎖に有するポリオキサゾリン化合物;ビニルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)3−アミノプロピルトリメトキシシラン等のアルコキシシラン化合物などが挙げられる。また、架橋剤の反応性に応じて公知の触媒を用いることができ、膜強度および耐久性向上に加えて生産性を向上させることができる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
架橋剤の含有量は、重合性液晶化合物の含有量に対して3〜20質量%が好ましく、5〜15質量%がより好ましい。架橋剤の含有量を3質量%以上とすることにより、架橋密度向上の効果を得ることができ、架橋剤の含有量を20質量%以下とすることにより、コレステリック液晶層の安定性の低下を防止できる。
(配向制御剤)
液晶組成物中には、安定的にまたは迅速にプレーナー配向のコレステリック液晶層とするために寄与する配向制御剤を添加してもよい。配向制御剤の例としては特開2007−272185号公報の段落[0018]〜[0043]等に記載のフッ素(メタ)アクリレート系ポリマー、特開2012−203237号公報の段落[0031]〜[0034]等に記載の式(I)〜(IV)で表される化合物、および、特開2013−113913号公報に記載の化合物などが挙げられる。
なお、配向制御剤としては1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
液晶組成物中における、配向制御剤の添加量は、重合性液晶化合物の全質量に対して0.01〜10質量%が好ましく、0.01〜5質量%がより好ましく、0.02〜1質量%が特に好ましい。
(その他の添加剤)
その他、液晶組成物は、塗膜の表面張力を調節し厚みを均一にするための界面活性剤、および重合性モノマー等の種々の添加剤から選ばれる少なくとも1種を含有していてもよい。また、液晶組成物中には、必要に応じて、さらに重合禁止剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定化剤、色材、金属酸化物微粒子等を、光学性能を低下させない範囲で添加することができる。
コレステリック液晶層は、重合性液晶化合物および重合開始剤、更に必要に応じて添加されるキラル剤、界面活性剤等を溶媒に溶解させた液晶組成物を、支持体、配向層、または先に作製されたコレステリック液晶層等の上に塗布し、乾燥させて塗膜を得、この塗膜に活性光線を照射してコレステリック液晶性組成物を重合し、コレステリック規則性が固定化されたコレステリック液晶層を形成することができる。
なお、複数のコレステリック液晶層からなる積層膜は、コレステリック液晶層の上述製造工程を繰り返し行うことにより形成することができる。
(溶媒)
液晶組成物の調製に使用する溶媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、有機溶媒が好ましく用いられる。
有機溶媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えばケトン類、アルキルハライド類、アミド類、スルホキシド類、ヘテロ環化合物、炭化水素類、エステル類、および、エーテル類などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、環境への負荷を考慮した場合にはケトン類が特に好ましい。
(塗布、配向、重合)
液晶組成物の塗布方法は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ワイヤーバーコーティング法、カーテンコーティング法、押し出しコーティング法、ダイレクトグラビアコーティング法、リバースグラビアコーティング法、ダイコーティング法、スピンコーティング法、ディップコーティング法、スプレーコーティング法、および、スライドコーティング法などが挙げられる。また、別途支持体上に塗設した液晶組成物を転写することによっても実施できる。塗布した液晶組成物を加熱することにより、液晶分子を配向させる。加熱温度は、200℃以下が好ましく、130℃以下がより好ましい。この配向処理により、重合性液晶化合物が、フィルム面に対して実質的に垂直な方向に螺旋軸を有するようにねじれ配向している光学薄膜が得られる。
配向させた液晶化合物をさらに重合させることにより、液晶組成物を硬化することができる。重合は、熱重合、および、光照射を利用する光重合のいずれでもよいが、光重合が好ましい。光照射は、紫外線を用いることが好ましい。照射エネルギーは、20mJ/cm2〜50J/cm2が好ましく、100〜1,500mJ/cm2がより好ましい。
光重合反応を促進するため、加熱条件下および/または窒素雰囲気下で光照射を実施してもよい。照射紫外線波長は350〜430nmが好ましい。重合反応率は、安定性の観点から高いほうが好ましく、70%以上が好ましく、80%以上がより好ましい。重合反応率は、重合性の官能基の消費割合をIR吸収スペクトルを用いて測定することにより、決定することができる。
[直線偏光反射層]
選択反射層としては、直線偏光反射層を用いてもよい。直線偏光反射層としては、例えば屈折率異方性の異なる薄膜を積層した偏光子が挙げられる。
このような偏光子は、コレステリック液晶層と同様に、高い可視光線透過率であり、かつ650〜780nmの特定の波長域で選択反射の中心波長を示す構成とすることができる。また、ヘッドアップディスプレイシステムにおける使用時に斜めから入射する投映光を視感度の高い波長において反射することができる。
屈折率異方性の異なる薄膜を積層した偏光子としては、例えば特表平9−506837号公報などに記載されたものを用いることができる。具体的には、屈折率関係を得るために選ばれた条件下で加工すると、広く様々な材料を用いて、偏光子を形成できる。
一般に、第1の材料の一つが、選ばれた方向において、第2の材料とは異なる屈折率を有することが必要である。この屈折率の違いは、フィルムの形成中、またはフィルムの形成後の延伸、押出成形、或いはコーティングを含む様々な方法で達成できる。更に、2つの材料が同時押出することができるように、類似のレオロジー特性(例えば、溶融粘度)を有することが好ましい。
屈折率異方性の異なる薄膜を積層した偏光子としては、市販品を用いることができる。市販品としては、反射型偏光板と仮支持体との積層体となっているものを用いてもよい。市販品としては、例えば、DBEF(3M社製)、および、APF(高度偏光フィルム(Advanced Polarizing Film(3M社製))等が挙げられる。
反射型偏光板の厚みは、好ましくは2.0〜50μmの範囲、より好ましくは8.0〜30μmの範囲であればよい。
<位相差層>
本発明の投映像表示用ハーフミラーフィルム(すなわち、合わせガラスの第1の態様)および合わせガラスの第2の態様は、位相差層を含んでいてもよい。特に、コレステリック液晶層を含む投映像表示用ハーフミラーフィルムおよび合わせガラスは、位相差層を含むことが好ましい。
位相差層をコレステリック液晶層と組み合わせて用いることにより、鮮明な投映像を表示することができる。面内位相差および遅相軸方向の調節により、ヘッドアップディスプレイシステムにおいて高い輝度を与え、また二重像も防止することができる投映像表示用ハーフミラーを提供することができる。
投映像表示用ハーフミラーにおいて、位相差層は、使用時に全ての選択反射層(コレステリック液晶層)に対して視認側にあるように設けられる。
なお、投映像表示用ハーフミラーフィルムおよび合わせガラスが、コレステリック液晶層を含む場合であっても、例えば、ヘッドアップディスプレイシステム(画像表示システム)のプロジェクターが円偏光の投映像を照射する場合には、投映像表示用ハーフミラーフィルムおよび合わせガラスは、位相差層を含まなくてもよい。
位相差層としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、延伸されたポリカーボネートフィルム、延伸されたノルボルネン系ポリマーフィルム、炭酸ストロンチウムのような複屈折を有する無機粒子を含有して配向させた透明フィルム、支持体上に無機誘電体を斜め蒸着した薄膜、液晶化合物を一軸配向させて配向固定したフィルムなどが挙げられる。
位相差層としては、重合性液晶化合物を一軸配向させて配向固定したフィルムが好ましい。例えば、位相差層は、仮支持体、または配向層表面に重合性液晶化合物を含む液晶組成物を塗布し、そこで液晶組成物中の重合性液晶化合物を液晶状態においてネマチック配向に形成後、硬化によって固定化して、形成することができる。この場合の位相差層の形成は液晶組成物中にキラル剤を添加しない以外は、上述のコレステリック液晶層の形成と同様に行うことができる。ただし、液晶組成物の塗布後のネマチック配向の際、加熱温度は50〜120℃が好ましく、60〜100℃がより好ましい。
位相差層は、高分子液晶化合物を含む組成物を、仮支持体または配向層等の表面に塗布して液晶状態においてネマチック配向に形成後、冷却することによって当該配向を固定化して得られる層であってもよい。
位相差層の厚みは、0.2〜300μmが好ましく、0.5〜150μmがより好ましく、1.0〜80μmがさらに好ましい。液晶組成物から形成される位相差層の厚みは、特に限定はされないが、0.2〜10μmが好ましく、0.5〜5.0μmがより好ましく、1.0〜2.0μmがさらに好ましい。
位相差層の遅相軸の方向は、ヘッドアップディスプレイシステムとしての使用時の、投映像表示のための入射光の入射方向、およびコレステリック液晶層の螺旋のセンスに応じて決定することが好ましい。
例えば、本発明の合わせガラスの第1の態様(投映像表示用ハーフミラーフィルム)および第2の態様において、ヘッドアップディスプレイシステムにおける使用時の方向が定まるときであって、入射光が、合わせガラス(投映像表示用ハーフミラーフィルム)の下(鉛直下)方向であり、かつ、コレステリック液晶層に対して位相差層側から入射する場合については、面内位相差に応じて、以下のような範囲で遅相軸の方向を定めることができる。
例えば、波長550nmにおける面内位相差が250〜450nmの位相差層を用いる場合、合わせガラス(投映像表示用ハーフミラー)の鉛直上方向に対し、位相差層の遅相軸が+30°〜+85°または−30°〜−85°の範囲が好ましい。また、波長550nmにおける面内位相差が50〜180nmの位相差層を用いる場合、合わせガラスの鉛直上方向に対し、位相差層の遅相軸が+120°〜+175°または−120°〜−175°の範囲が好ましい。
自動車などの乗り物に設けられたウインドシールドガラス(コンバイナ)では、通常の使用時に、ウィンドシールドガラス(コンバイナ)の面内の方向であって、運転者を基準に、上下(鉛直方向の上下方向)となる方向、および、視認側(観察者側、運転者側、車内側)となる面が特定できる。
本明細書において、ウインドシールドガラス、合わせガラス、および、投映像表示用ハーフミラーフィルムについて、鉛直上方向と言うときは、上述のように特定できるウインドシールドガラス、合わせガラス、および、投映像表示用ハーフミラーフィルムの視認側の面において、上述のように特定できる使用時に鉛直方向に沿う方向を意味する。
さらに、波長550nmにおける面内位相差が250〜450nmの位相差層を用いる場合、合わせガラスの鉛直上方向に対し、位相差層の遅相軸が+35°〜+70°または−35°〜−70°の範囲が、より好ましい。
また、波長550nmにおける面内位相差が50〜180nmの位相差層を用いる場合、合わせガラスの鉛直上方向に対し、位相差層の遅相軸が+125°〜+160°または−125°〜−160°の範囲が、より好ましい。
なお、遅相軸について、上述で+および−が定義されているが、これは視認位置を固定したときの時計回り方向と反時計回り方向を意味する。好ましい方向は、合わせガラス(投映像表示用ハーフミラーフィルム)が有するコレステリック液晶層の螺旋のセンスに依存する。
例えば、合わせガラスに含まれる全てのコレステリック液晶層の螺旋のセンスが右である場合、位相差層の遅相軸の方向は、コレステリック液晶層に対して位相差層側から見て、鉛直上方向に対して、時計回りに30°〜85°または120°〜175°であればよい。合わせガラスに含まれる全てのコレステリック液晶層の螺旋のセンスが左である場合、位相差層の遅相軸方向は、コレステリック液晶層に対して位相差層側から見て反時計回りに30°〜85°または120°〜175°であればよい。
[第2の位相差層]
本発明の投映像表示用ハーフミラーフィルムおよび合わせガラスは、上述した位相差層に加えて、第2の位相差層を含んでいてもよい。
第2の位相差層を設ける場合には、上述の位相差層(以下、「第1の位相差層」とも言う)、全てのコレステリック液晶層、および、第2の位相差層が、この順になるように設ければよい。特に、視認側から、第1の位相差層、選択反射層、および、第2の位相差層がこの順になるように設ければよい。
第1の位相差層に加えて上述の位置に第2の位相差層を含むことによって、二重像をさらに防止することができる。特に、p偏光を入射させて投映像を形成する場合の二重像を、さらに防止することができる。第2の位相差層の利用により二重像をさらに防止することができる理由は、コレステリック液晶層の選択反射帯域にない波長の光がコレステリック液晶層で偏光変換してウインドシールドガラスの裏面で反射されることに基づく二重像を防止できるためと推定される。
第2の位相差層の面内位相差は、波長550nmにおいて160〜460nmの範囲、好ましくは240〜420nmの範囲で、適宜、調節すればよい。
第2の位相差層の材料および厚み等は、第1の位相差層と同様の範囲で選択することができる。
第2の位相差層の遅相軸方向は、投映像表示のための入射光の入射方向、およびコレステリック液晶層の螺旋のセンスに応じて決定することが好ましい。
例えば、波長550nmにおける160〜400nmの範囲の面内位相差を有する第2の位相差層であれば、合わせガラス(投映像表示用ハーフミラーフィルム)の鉛直上方向に対し、遅相軸が+10°〜+35°、または−10°〜−35°の範囲となるようにすることが好ましい。波長550nmにおける200〜400nmの範囲の面内位相差を有する第2の位相差層であれば、合わせガラスの鉛直上方向に対し、遅相軸が+100°〜+140°、または−100°〜−140°の範囲となるようにすることが好ましい。
[他の層]
投映像表示用ハーフミラーフィルムおよび合わせガラスは、必須の構成要素以外にも、他の層を含んでいてもよい。他の層はいずれも可視光領域で透明であることが好ましい。
また、他の層はいずれも低複屈折性であることが好ましい。本明細書において低複屈折性であるとは、本発明に用いられるウインドシールドガラスの投映像表示用ハーフミラーが反射を示す波長域において、面内位相差が10nm以下であることを意味し、面内位相差は5nm以下であることが好ましい。さらに、他の層はいずれもコレステリック液晶層の平均屈折率(面内平均屈折率)との屈折率の差が小さいことが好ましい。他の層としては支持体、配向層、接着層などが挙げられる。
(透明支持体)
本発明の投映像表示用ハーフミラーフィルムおよび合わせガラスの第1の態様においては、透明支持体が必須の構成要素である。これに対して、本発明の合わせガラスの第2の態様においては、上述したように、透明支持体は省略されてもよく、また、位相差層が透明支持体を兼用してもよい。または、透明支持体が位相差層を兼用してもよい。
本発明に好ましく用いられる透明支持体は、波長550nmにおける面内位相差の絶対値が10nm以下、好ましくは面内位相差の絶対値が5nm以下である。また厚み方向の位相差Rthの絶対値は40nm以下が好ましく、30nm以下がより好ましい。位相差が小さいことにより、透明支持体による偏光の乱れが小さくなることと共に、面内の物理特性が小さいことにより、この発明の効果を高めている。
透明支持体は、セルロースアシレート、アクリル等の樹脂からなることが好ましいが、特にセルロースアシレート樹脂からなることが好ましく、とりわけ、トリアセチルセルロース樹脂、または、ジアセチルセルロース樹脂からなることが好ましい。
本発明においては、透明支持体の貯蔵弾性率が2.0GPa以下となるよう、透明支持体を加熱しながら2枚のガラス板とハーフミラーフィルムと中間膜とを密着することが好ましい。
さらに、透明支持体を含むハーフミラーフィルム(積層体)の貯蔵弾性率が2.0GPa以下となるよう、透明支持体を加熱しながら2枚のガラス板とハーフミラーフィルムと中間膜とを密着することも好ましい。
また、本発明の合わせガラスの第2の態様において、図4に示される例のように、ヒートシール層が位相差層に隣接する場合では、透明支持体1は、選択反射層3よりも屋外側に配置されることになるため、透明支持体1に紫外線吸収剤を添加して紫外線カット機能を付与することもできる。
透明支持体の厚みとしては、5.0〜1000μm程度であればよく、10〜250μmが好ましく、15〜90μmがより好ましい。
(ヒートシール層)
本発明の投映像表示用ハーフミラーフィルムおよび合わせガラスの第1の態様においては、投映像表示用ハーフミラーフィルムに用いられる透明支持体において選択反射層を有する面の反対面側にヒートシール層を有する。
また、本発明の合わせガラスの第2の態様においては、ハーフミラーフィルムおよび中間膜が、ハーフミラーフィルム側のガラス板と中間膜側のガラス板で狭持されており、ハーフミラーフィルムとハーフミラーフィルム側のガラス板との間に、厚みが0.1〜50μmであり、熱可塑性樹脂を含むヒートシール層を有する。
本発明の投映像表示用ハーフミラーフィルムおよび合わせガラスの第1の態様において、「ヒートシール層」とは、投映像表示用ハーフミラーフィルムの透明支持体とガラス板とを物理的に接合するための層であり、ヒートシール層に含まれる熱可塑性樹脂が合わせガラス作製時の加熱により融着する作用を有するものである。また、本発明の合わせガラスの第2の態様において、「ヒートシール層」とは、ガラス板と隣接する層とを物理的に接合するための層であり、ヒートシール層に含まれる熱可塑性樹脂が合わせガラス作製時の加熱により融着する作用を有するものである。
本発明においては、ヒートシール層を設けることにより、ハーフミラーフィルムと合わせガラスのガラス板との滑り性を確保して、合わせガラスを加熱しながら2枚のガラス板とハーフミラーフィルムと中間膜とを密着することが、作製時のシワの発生を抑えながらハーフミラーフィルムとガラス板を強く密着することができる。
特に、本発明の投映像表示用ハーフミラーフィルムおよび合わせガラスの第1の態様では、透明支持体とヒートシール層との間に、透明支持体の成分とヒートシール層の成分とが混合された混合層が形成されることによって、透明支持体とヒートシール層間の密着性も強固となり、合わせガラス内部の剥離故障を防止する。
また、本発明の合わせガラスの第2の態様においても、透明支持体とヒートシール層とが隣接する場合に、好ましくは透明支持体とヒートシール層との間に同様の混合層が形成されることによって、透明支持体とヒートシール層間の密着性も強固となり、合わせガラス内部の剥離故障を防止できる(図5参照)。
本発明の合わせガラスの第2の態様においては、ハーフミラーフィルムが波長選択的に光を反射する選択反射層および位相差層を有し、ヒートシール層が選択反射層または位相差層に隣接することが好ましく、ヒートシール層が選択反射層に隣接することがより好ましい。特に、選択反射層および位相差層が、硬化された液晶層からなる場合にはそれらに隣接するヒートシール層の表面が平滑化するため、合わせガラス作製時の皺発生のきっかけが生じにくく、好ましい。
ここで、ヒートシール層が選択反射層または位相差層に隣接する場合には、ヒートシール層と選択反射層または位相差層は、直接、接していてもよいし、その間に接着層等が介在して間接的に接していてもよい。
本発明の合わせガラスの第2の態様において、ヒートシール層の厚みは0.1〜50μmであるが、0.1〜25μmが好ましく、0.1〜10μmがより好ましく、0.1〜5.0μmがさらに好ましく、0.1〜3.0μmが特に好ましい。
また、本発明の合わせガラスの第2の態様においては、上述したように、ヒートシール層に隣接する透明支持体、あるいは、位相差層または選択反射層とヒートシール層の間の混合層は、必ずしも必須ではない。この場合には、ヒートシール層と、ヒートシール層に隣接する層との界面に化学的に結合する密着強化剤を用いることによって、または、ヒートシール層および/またはヒートシール層に隣接する層が含有する架橋剤の作用によって、両者の良好な密着性を得ることができる。
さらに、上述したように、本発明の合わせガラスの第2の態様では、透明支持体を省略してもよい。この場合には、例えば、透明支持体を兼用した位相差層であってもよい。本発明の合わせガラスの第2の態様において、透明支持体を兼用する位相差層である場合は、セルロースアシレート、アクリル、および、環状オレフィン等の複屈折性の熱可塑性樹脂を含有するフィルムを延伸処理することにより、上述した好ましい範囲の位相差を発現できることが好ましく、特に、その中でセルロースアシレート樹脂からなる位相差層が好ましく、とりわけ、トリアセチルセルロース樹脂またはアセチルセルロース樹脂からなる位相差層が好ましい。
[ヒートシール層に含まれる熱可塑性樹脂]
ヒートシール層は熱可塑性樹脂を含有する。ヒートシール層は、透明であることが好ましい。また、熱可塑性樹脂は、非晶性樹脂であることが好ましい。
このような熱可塑性樹脂としては、ガラス板との親和性、接着性が良いものが好ましく、ポリビニルブチラール(PVB)樹脂を代表とするポリビニルアセタール樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、および、塩素含有樹脂からなる群から選ばれる樹脂を用いることができる。ヒートシール層の主成分は、上述した樹脂であることが好ましい。なお、主成分であるとは、ヒートシール層全質量のうちの50質量%以上の割合を占める成分のことを言う。
上述した樹脂のうち、ポリビニルブチラール樹脂を代表とするポリビニルアセタール樹脂またはエチレン−酢酸ビニル共重合体が好ましく、ポリビニルブチラール樹脂を代表とするポリビニルアセタール樹脂(アルキルアセタール化ポリビニルアルコールとも言う)がより好ましい。樹脂は、合成樹脂であることが好ましい。
ポリビニルブチラールは、ポリビニルアルコールをブチルアルデヒドによりアセタール化して得ることができる。上述したポリビニルブチラール樹脂を代表とするポリビニルアセタール樹脂のアセタール化度の好ましい下限は40%、好ましい上限は85%であり、より好ましい下限は60%、より好ましい上限は80%である。
これらの樹脂の原料となるポリビニルアルコールは、通常、ポリ酢酸ビニルを鹸化することにより得られ、鹸化度80〜99.8モル%のポリビニルアルコールが一般的に用いられる。
また、ポリビニルアルコールの重合度の好ましい下限は200、好ましい上限は10000である。ポリビニルアルコールの重合度が200以上であると、得られる合わせガラスの耐貫通性が低下しにくく、10000以下であると、樹脂膜の成形性がよく、しかも樹脂膜の剛性が大きくなり過ぎず、加工性が良好である。より好ましい下限は500、より好ましい上限は5000である。ここでいう重合度とは平均重合度を表す。
ヒートシール層に好ましく用いられるポリビニルアセタール樹脂としては、例えば、積水化学工業社製のKS−10、KS−1、KS−3、および、KS−5等が挙げられる。これらのポリビニルアセタール樹脂は、透明支持体に塗工した際に透明支持体との混合層を形成しやすい。特に計算分子量が10万以上であるKS−3およびKS−5は、透明支持体との密着性に優れる点で好ましく使用できる。
また、ヒートシール層を薄層塗工するためには、塗工液が低粘性であることが重要である。その観点からは、計算分子量が1万以上5万以下であることが好ましく、KS−10、および、KS−1が好ましい。本発明において、計算分子量とは、原料となるポリビニルアルコールの平均重合度に、アセタール化されたユニットの分子量を乗じた値と定義する。
ヒートシール層には、ポリビニルアセタール樹脂の他に、ポリビニルアセタール樹脂構造中のポリビニルアルコールユニットを架橋する架橋剤を含むことも、好ましい態様の一つである。
架橋剤としては、エポキシ系の添加剤が挙げられ、特に1分子中にエポキシ基が2個以上である化合物が好ましく、下記の一般式(EP1)で表される化合物が好ましい。
Ep−CH2−O−(R−O)n−CH2−Ep (EP1)
上述一般式(EP1)中、Epはエポキシ基であり、Rは炭素数2〜4のアルキレン基であり、nは1〜30である。但し、nが2以上である場合、複数のRは同じであっても異なっていてもよい。
上述一般式(EP1)で表される化合物として具体的にはナガセケムテックス社製のデナコールEX−810、811、821、830、832、841、850、851、861、911、920、931、および、941等が挙げられる。
架橋剤としてエポキシ系の添加剤を用いる場合は、光吸収性カチオン部と酸発生源であるアニオン部からなるオニウム塩であるカチオン重合開始剤(光酸発生剤)を用いることができ、公知のスルホニウム塩系、ヨードニウム塩系のカチオン重合開始剤を使用できる。特にヨードニウム系のカチオン重合開始剤が好ましい。
[ヒートシール層の塗布組成物の溶媒]
本発明において、ヒートシール層を形成する塗布組成物は、透明支持体に対して浸透性を有する少なくとも1種の溶媒を全溶媒量に対して30〜70質量%含有する。
透明支持体に対する「浸透性」とは、透明支持体にその溶媒が塗工された際に染み込むことを意味し、支持体に溶媒が染み込むことにより透明支持体が膨潤性を示してもよい。浸透性の溶媒が透明支持体に染み込むことによって、ヒートシール層の塗工時に、ヒートシール層と透明支持体との間に、ヒートシール層の成分と透明支持体の成分とが混合された混合層を形成する。
透明支持体に対して浸透性を有する溶媒の具体例としては、透明支持体がトリアセチルセルロースである場合、ケトン類;アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、メチルイソブチルケトン、および、ジアセトンアルコール等、エステル類;蟻酸メチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、および、乳酸エチル等、含窒素化合物;ニトロメタン、アセトニトリル、N−メチルピロリドン、および、N,N−ジメチルホルムアミド等、グリコール類;メチルグリコール、および、メチルグリコールアセテート等、エーテル類;テトラヒドロフラン、1,4―ジオキサン、ジオキソラン、および、ジイソプロピルエーテル等、ハロゲン化炭化水素;塩化メチレン、クロロホルム、および、テトラクロルエタン等、グリコールエーテル類;メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、および、セロソルブアセテート等、その他;ジメチルスルホキシド、および、炭酸プロピレン等、が挙げられ、さらに、これらの混合物が挙げられ、好ましくはエステル類、ケトン類;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、および、メチルエチルケトン等、が挙げられる。その他、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノールおよびイソブチルアルコール等のアルコール類、ならびに、トルエンおよびキシレン等の芳香族炭化水素類も、上述した浸透性溶媒と混合して用いることができる。
上述したように、本発明の第2の態様の合わせガラスにおいては、ヒートシール層が選択反射層または位相差層に隣接することが好ましい。
この場合において、ヒートシール層に含まれる熱可塑性樹脂は、上述した樹脂が好ましく用いられる。
また、ヒートシール層の塗布組成物の溶媒としては、ヒートシール層に含まれる熱可塑性樹脂を溶解する溶媒が好ましく、ポリビニルブチラールの場合、アルコール類;メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノール、イソブチルアルコール、および、ジアセトンアルコール等、芳香族炭化水素類;トルエン、および、キシレン等、グリコールエーテル類;メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、および、セロソルブアセテート等、ケトン類;アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン、および、イソホロン等、アミド類;N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、および、N−メチル−2−ピロリドン等、エステル類;蟻酸メチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、および、乳酸エチル等、エーテル類;テトラヒドロフラン、1,4―ジオキサン、ジオキソラン、ジイソプロピルエーテル、および、エチルエーテル等、ハロゲン化炭化水素;塩化メチレン、クロロホルム、および、テトラクロルエタン等、含窒素化合物;ニトロメタン、アセトニトリル、N−メチルピロリドン、および、N,N−ジメチルホルムアミド等、グリコール類;メチルグリコール、および、メチルグリコールアセテート等、その他;ジメチルスルホキシド、炭酸プロピレン、および、水等、が挙げられ、またはこれらの混合物が挙げられる。
ヒートシール層と、選択反射層または位相差層のいずれかとの密着を向上させるため、ヒートシール層と隣接する選択反射層または位相差層のいずれかを作製する際の重合反応率を70%以下になるように調節することで、ヒートシール層の一部が選択反射層または位相差層のいずれかの表面に染み込み、密着を向上することができる。重合反応率は、5〜60%が好ましく、10〜40%がより好ましい。すなわち、本発明の合わせガラスの第2の態様においては、ヒートシール層と位相差等との間、または、ヒートシール層と選択反射層との間に、両層の成分が混合された混合層を有してもよい。
さらに、ヒートシール層と、選択反射層または位相差層のいずれかとの密着を向上させるために、ヒートシール層と接する選択反射層または位相差層のいずれかを作製する際の重合反応率を70%以下になるように調節することに加え、ヒートシール層に架橋剤を添加してもよい。架橋剤として、液晶組成物で添加することのできる前述の架橋剤が好ましい。このとき、架橋を開始、促進するための重合開始剤も添加することができる。紫外線照射により重合反応を進行させる態様では、使用する重合開始剤は、紫外線照射によって重合反応を開始可能な前述の光重合開始剤が好ましい。
架橋剤の添加量は、多すぎる場合にはガラスとの密着が低下することから、熱可塑性樹脂に対し、0.01〜50%の範囲内で設定することが好ましく、0.1〜30%がより好ましい。
ヒートシール層の作製時に、ヒートシール層と選択反射層または位相差層のとの間も架橋させるように反応を促進することで、さらに密着を向上させることができる。
紫外線照射の場合、ヒートシールと接する選択反射層を形成する際の紫外線照射量を重合反応率が70%以下になるように設定し、ヒートシール層を形成する際に、再度、紫外線照射を行い、ヒートシール層と選択反射層の間の架橋を促進することが好ましい。ここで、重合反応率は、重合性の官能基の消費割合を、IR吸収スペクトルを用いて決定することができる。
[ヒートシール層の粗面化]
本発明において、ハーフミラーフィルムと合わせガラスのガラス板との滑り性を向上するためにヒートシール層の表面は粗面化していることが好ましい。
ヒートシール層の表面を粗面化する好ましい手段としては、ヒートシール層を形成する塗布組成物の溶媒として水を適量使用することが挙げられる。水を使用することにより、ヒートシール層を乾燥固化する際の水蒸気の作用により、その表面が粗面化するものと考えられる。ヒートシール層の塗布組成物中の水の好ましい量は、全溶媒に対して2〜8質量%である。
また、ヒートシール層の表面を粗面化する他の好ましい手段としては、シリカ(二酸化ケイ素)、酸化アルミニウム、二酸化チタン、酸化ジルコニウム、炭酸カルシウム、タルク、クレイ、焼成カオリン、焼成ケイ酸カルシウム、水和ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、および、リン酸カルシウム等の少なくとも1種を含む無機微粒子をヒートシール層に適量添加することが挙げられる。この際には、添加した無機微粒子がヒートシール層表面に分布することによって、その表面が粗面化する。
ヒートシール層に添加する無機微粒子としては、無機酸化物微粒子であることが好ましく、シリカ(二酸化ケイ素)、酸化アルミニウム、二酸化チタン、または、酸化ジルコニウムがより好ましい。
ヒートシール層に添加する無機微粒子としては、一次粒子からなり、その一次粒子の凝集からなる二次粒子を形成していることが好ましい。
ヒートシール層に添加する無機微粒子としては、その平均一次粒子径が5〜50nmであり、さらに平均二次粒子径が100〜500nmである無機微粒子を含有することが好ましく、特に平均二次粒子径が150〜400nmであることがより好ましい。ヒートシール層に添加する無機微粒子はシリカ微粒子が好ましく、例えば、市販のシリカ微粒子含有組成物(市販のコロイダルシリカ分散液)を、そのまま、あるいは任意に有機溶媒を添加して用いることができる。
ヒートシール層の塗布組成物中の無機微粒子(固形分)の好ましい量は、ヒートシール層の全固形分に対して1〜40質量%が好ましく、3〜30質量%がより好ましい。
またヒートシール層を形成する際に、残留溶剤量が少ないことが密着性および滑り性の観点から好ましい。残留溶剤量を減少させる方法として、乾燥時の温度を高く、あるいは乾燥時間を長くすることが好ましい。乾燥温度に関して、使用溶媒の沸点以上200℃以下が好ましく、80〜150℃がより好ましい。乾燥時間に関して、0.2分〜300分までが好ましく、0.5分〜10分がより好ましい。またヒートシール層形成後、大気圧環境下で1日以上放置しておくことも好ましい。
上述した無機微粒子の平均一次粒子径は、その分散液組成物中に含まれる無機微粒子またはヒートシール層に含まれる無機微粒子について測定される値とする。
測定は、透過型電子顕微鏡観察により行う。具体的には、任意に選択した50個の一次粒子について、一次粒子に外接する円の直径を求め、その算術平均を、平均一次粒子径とする。透過型電子顕微鏡の観察倍率は、50万倍〜500万倍の間の一次粒子径が判別できる任意の倍率とする。
上述した無機微粒子の平均二次粒子径は、レーザー回折散乱式粒子径分布測定装置を用いて真球形フィッティング(屈折率1.46)を行い測定される値である。測定装置としては、例えばマイクロトラック・ベル社製MicroTrac MT3000を用いることができる。
(密着強化剤)
重合性基および透明支持体に含有される樹脂と結合形成可能な基からなる群から選択される基を複数個有する化合物(以下、密着強化剤とも言う)は、ヒートシール層と透明支持体との密着性を強める機能を有する。また、透明支持体およびヒートシール層の少なくとも一方が、上述した、密着強化剤由来の成分を含有することが、本発明の好ましい態様の一つである。なお、上記密着強化剤由来の成分とは、密着強化剤中の、重合性基および透明支持体に含有される樹脂と結合形成可能な基からなる群から選択される基が反応して得られる成分を意図する。例えば、密着強化剤はヒートシール層形成用塗布液に含まれてることにより、形成されるヒートシール層中に密着強化剤由来の成分が含まれることになる。
密着強化剤において、重合性基の定義は、上述の通りである。重合性基の数は特に制限されず、1つでも、複数(2つ以上)でもよいが、密着強化剤が透明支持体に含有される樹脂と結合形成可能な基を有さない場合は重合性基を複数個有する。
密着強化剤としては、具体的には市販された、重合性基を複数個有するモノマー、オリゴマーから選択することができ、特に重合性基を3つ以上有することが好ましい。そのようなモノマーあるいはオリゴマーとしては、例えば、新中村化学工業社製のU6HA(6官能ウレタンアクリレートオリゴマー)、および、日本化薬社製のPET−30等が挙げられる。
密着強化剤が重合性基を有する場合は、上述した重合開始剤を適宜選択して使用することが好ましい。
密着強化剤に含まれる透明支持体に含有される樹脂と結合形成可能な基(以後、反応性基とも称する)とは、透明支持体に含有される樹脂を構成している材料が有する基と相互作用して、透明支持体に含有される樹脂に化学吸着可能な基を意味する。
このような反応性基としては、一例として、ボロン酸基、ボロン酸エステル基、オキシラニル基、オキセタニル基、水酸基、カルボキシル基、イソシアネート基、および、−SiX3(Xはハロゲン、アルコキシ基、または、アルキル基を表し、少なくとも一つはハロゲンもしくはアルコキシ基である)などが挙げられる。なかでも、上述した透明支持体に含有される樹脂が部分ケン化されたセルロースエステル樹脂である場合、反応性基としては、例示した基の中のセルロースエステル樹脂に残った水酸基と結合形成可能な基(例えば、ボロン酸基、ボロン酸エステル基、イソシアネート基、および、−SiX3など)が好ましく、ボロン酸基、ボロン酸エステル基、または、イソシアネート基がより好ましい。反応性基の数は特に制限されず、1つでも、複数(2つ以上)でもよい。
密着強化剤としては、重合性基のみを複数個有する化合物であるか、または、透明支持体に含有される樹脂と結合形成可能な基のみを複数個有する化合物であってもよい。重合性基のみを複数個有する化合物としては、市販の多官能モノマー化合物を使用することができる。また、透明支持体に含有される樹脂と結合形成可能な基のみを複数個有する化合物としては、例えば、ポリイソシアネートが挙げられ、一例として、東ソー社製のコロネートLが挙げられる。
密着強化剤としては、重合性基を分子中に少なくとも1個有し、かつ、透明支持体に含有される樹脂と結合形成可能な基を分子中に少なくとも1個有する化合物であることが、透明支持体とヒートシール層との密着性が高い点で特に好ましい。
また、透明支持体とヒートシール層の間に、それらの混合層が形成される場合に、密着強化剤による密着性の向上作用は大きく、すなわち、混合層を形成しており、かつ、密着強化剤を用いることは、相乗効果があって好ましい。
密着強化剤の最も好ましい態様としては、透明支持体とヒートシール層の間の密着性がより優れる点で、式(A)で表される化合物が挙げられる。
式(A) (Z)n−X−Q
式(A)中、Zは、重合性基を有する置換基を表す。重合性基の定義は、上述の通りである。該重合性基を有する置換基の具体例としては、(メタ)アクリロイル基、スチリル基、ビニルケトン基、ビニル基、ブタジエン基、ビニルエーテル基、オキシラニル基、アジリジニル基、または、オキセタニル基等を含む置換基が好ましく、(メタ)アクリロイル基、スチリル基、ビニル基、オキシラニル基またはオキセタニル基を含む置換基がより好ましく、(メタ)アクリロイル基またはスチリル基を含む置換基がさらに好ましく、(メタ)アクリロイル基を含む置換基が特に好ましい。
なかでも、Zは、下記式(II)で表される基、または、オキシラニル基もしくはオキセタニル基を有する置換基であるのが好ましい。
式(II)中、R3は、水素原子またはメチル基であり、水素原子が好ましい。
1は、単結合、または、−O−、−CO−、−NH−、−CO−NH−、−COO−、−O−COO−、アルキレン基、アリーレン基、ヘテロ環基(ヘテロアリール基)、および、それらの組み合わせから選ばれる2価の連結基であり、単結合、−CO−NH−、または−COO−が好ましく、単結合または−CO−NH−が最も好ましい。*は、結合位置を示す。
式(A)中、Qは、透明支持体に含有される樹脂と結合形成可能な基である。該基の定義は、上述の通りである。
式(A)中、Xはn+1価の連結基を表す。
nは1〜4の整数を表すが、1を表すことがより好ましい。
なお、nが1の場合、Xは2価の連結基を表し、例えば、−O−、−CO−、−NH−、−CO−NH−、−COO−、−O−COO−、アルキレン基、アリーレン基、ヘテロアリール基、および、それらの組み合わせから選ばれる2価の連結基が好ましく、置換もしくは無置換のアリーレン基がより好ましい。
Xは好ましくは、−COO−アリーレン基−、−アリーレン基−、−CONH−アリーレン基−であり、より好ましくは−COO−アリーレン基−である。
式(A)で表される化合物は、少なくとも1個のホウ素原子を含んでいるのが好ましく、下記式(I)で表される化合物が好ましい。
式(I)中、R1およびR2はそれぞれ独立に、水素原子、置換もしくは無置換の、脂肪族炭化水素基、アリール基、またはヘテロアリール基を表す。
また、R1とR2は、アルキレン基、アリーレン基、またはこれらの組み合わせからなる連結基を介して互いに連結してもよい。
なお、式(I)中、ZおよびXの定義は、上述の通りである。
式(I)中、R1およびR2がそれぞれ表す置換もしくは無置換の脂肪族炭化水素基には、置換または無置換のアルキル基、アルケニル基およびアルキニル基が含まれる。
アルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、エイコシル基、イソプロピル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、1−メチルブチル基、イソヘキシル基、2−メチルヘキシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、1‐アダマンチル基、2−ノルボルニル基等の直鎖状、分枝状、または環状のアルキル基が挙げられる。
アルケニル基の具体例としては、ビニル基、1−プロペニル基、1−ブテニル基、1−メチル−1−プロペニル基、1−シクロペンテニル基、1−シクロヘキセニル基等の直鎖状、分枝状、または環状のアルケニル基が挙げられる。アルキニル基の具体例としては、エチニル基、1−プロピニル基、1−ブチニル基、および、1−オクチニル基等が挙げられる。
アリール基の具体例としては、1個から4個のベンゼン環が縮合環を形成したもの、ベンゼン環と不飽和五員環とが縮合環を形成したものを挙げることができ、具体例としてはフェニル基、ナフチル基、アントリル基、フェナントリル基、インデニル基、アセナブテニル基、フルオレニル基、および、ピレニル基等が挙げられる。
なお、R1、R2およびX1は、可能な場合はさらに1個以上の置換基によって置換されていてもよい。置換基の種類は特に制限されず、特開2006−309120号公報の段落0054で例示される置換基群Yなどが挙げられる。
以下に、密着強化剤の具体例を示すが、本発明はこれに限定されるものではない。
(配向層)
投映像表示用ハーフミラーは、コレステリック液晶層または位相差層の形成の際に液晶組成物が塗布される下層として、配向層を含んでいてもよい。
配向層は、ポリマーなどの有機化合物(ポリイミド、ポリビニルアルコール、ポリエステル、ポリアリレート、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、ポリアミド、変性ポリアミドなどの樹脂)のラビング処理、無機化合物の斜方蒸着、マイクログルーブを有する層の形成、またはラングミュア・ブロジェット法(LB膜)を用いた有機化合物(例えば、ω−トリコサン酸、ジオクタデシルメチルアンモニウムクロライド、ステアリル酸メチル)の累積のような手段で、設けることができる。更に、電場の付与、磁場の付与または光照射により、配向機能が生じる配向層を用いてもよい。
特にポリマーからなる配向層はラビング処理を行ったうえで、ラビング処理面に液晶組成物を塗布することが好ましい。ラビング処理は、ポリマー層の表面を、紙、布で一定方向に、擦ることにより実施することができる。
配向層を設けずに支持体表面、または支持体をラビング処理した表面に、液晶組成物を塗布してもよい。
仮支持体を用いて液晶層を形成する場合は、配向層は仮支持体とともに剥離されて投映像表示用ハーフミラーを構成する層とはならなくてもよい。
配向層の厚みは、0.01〜5.0μmであることが好ましく、0.05〜2.0μmであることがさらに好ましい。
(接着層)
接着層は、例えばコレステリック液晶層間、選択反射層(コレステリック液晶層)と位相差層との間、選択反射層と第2の位相差層との間、選択反射層と透明支持体との間に設けられていてもよい。また、接着層は、選択反射層と中間膜との間、位相差層(第1または第2)と中間膜との間等に設けられていてもよい。
接着層は接着剤から形成されるものであればよい。
接着剤としては硬化方式の観点からホットメルトタイプ、熱硬化タイプ、光硬化タイプ、反応硬化タイプ、硬化の不要な感圧接着タイプがあり、それぞれ素材としてアクリレート系、ウレタン系、ウレタンアクリレート系、エポキシ系、エポキシアクリレート系、ポリオレフィン系、変性オレフィン系、ポリプロピレン系、エチレンビニルアルコール系、塩化ビニル系、クロロプレンゴム系、シアノアクリレート系、ポリアミド系、ポリイミド系、ポリスチレン系、ポリビニルブチラール系などの化合物を使用することができる。作業性、生産性の観点から、硬化方式として光硬化タイプが好ましく、光学的な透明性、耐熱性の観点から、素材はアクリレート系、ウレタンアクリレート系、エポキシアクリレート系などを使用することが好ましい。
接着層は、高透明性接着剤転写テープ(OCAテープ)を用いて形成されたものであってもよい。高透明性接着剤転写テープとしては、画像表示装置用の市販品、特に画像表示装置の画像表示部表面用の市販品を用いればよい。市販品の例としては、パナック社製の粘着シート(PD−S1など)、および、日栄化工社製のMHMシリーズの粘着シートなどが挙げられる。
接着層の厚みは、0.5〜10μmであることが好ましく、1.0〜5.0μmであることがより好ましい。また、OCAテープを用いて形成された接着層の厚みは、10μm〜50μmであってもよく、15μm〜30μmが好ましい。投映像表示用ハーフミラーの色ムラ等を軽減するため均一な厚みで設けられることが好ましい。
<ウインドシールドガラス>
本発明の合わせガラスを用いて、投映像表示機能を有するウインドシールドガラスを提供することができる。
本明細書において、ウインドシールドガラスは、車、電車などの車両、飛行機、船、遊具などの乗り物一般の窓ガラスを意味する。ウインドシールドガラスは乗り物の進行方向にあるフロントガラスであることが好ましい。ウインドシールドガラスは車両のフロントガラスであることが好ましい。
ウインドシールドガラスの可視光線透過率は70%以上であることが好ましく、70%超であることがより好ましく、75%以上であることがさらに好ましく、80%以上であることが特に好ましい。この可視光線透過率はウインドシールドガラスのいずれの位置においても満たされていることが好ましく、特に投映像表示部位が上述の可視光線透過率を満たすことが好ましい。
本発明の合わせガラス(投映像表示用ハーフミラーフィルム)は上述のように、視感度の高い波長域において可視光線透過率が高いため、ウインドシールドガラスに一般的に用いられるガラスのいずれを用いた場合においても、上述した可視光線透過率を満たす構成とすることができる。
ウインドシールドガラス(本発明の合わせガラス)は、平面状であればよい。また、ウインドシールドガラス(本発明の合わせガラス)は、適用される乗り物への組み込み用に成形されていてもよく、例えば、曲面を有していてもよい。
ウインドシールドガラスは、投映像表示部位において、厚みが均一であってもよく、厚みが不均一であってもよい。例えば、特表2011−505330号公報に記載の車両用ガラスのように楔形の断面形状を有し、投映像表示部位の厚みが不均一であってもよいが、投映像表示部位において、厚みが均一であることが好ましい。
[投映像表示部位]
本発明の投映像表示用ハーフミラーフィルム、および、本発明の合わせガラスの第2の態様におけるハーフミラーフィルムは、ウインドシールドガラスの投映像表示部位に設けられていればよい。以下、本発明の投映像表示用ハーフミラーフィルム、および、本発明の合わせガラスの第2の態様におけるハーフミラーフィルムを、まとめて、ハーフミラーフィルムとも言う。
ハーフミラーフィルムをウインドシールドガラスのガラス板の外面に設ける、または、ウインドシールドガラス(合わせガラス)における2枚のガラス板の間に設けることにより投映像表示部位を形成することができる。ハーフミラーフィルムを、ウインドシールドガラスのガラス板の外面に設けられる場合、ハーフミラーフィルムはガラス板からみて視認側に設けられていても、その反対側に設けられていてもよいが、視認側に設けられていることが好ましい。ハーフミラーフィルムは、2枚のガラス板の間に設けることがより好ましい。耐擦傷性がガラス板に比較して低いハーフミラーフィルムが保護されるためである。
本明細書において、投映像表示部位とは、反射光で投映像を表示することができる部位であり、プロジェクター等から投映された投映像を視認可能に表示することができる部位であればよい。
投映像表示部位はヘッドアップディスプレイシステムのコンバイナとして機能する。ヘッドアップディスプレイシステムにおいて、コンバイナは、プロジェクターから投映された画像を視認可能に表示することができるとともに、画像が表示されている同じ面側からコンバイナを観察したときに、反対の面側にある情報または風景を同時に観察することができる光学部材を意味する。すなわち、コンバイナは、外界光と映像光を重ねあわせて表示する光路コンバイナとしての機能を有する。
投映像表示部位(コンバイナ)は、ウインドシールドガラスの全面にあってもよく、またはウインドシールドガラスの全面積に対し一部にあってもよい。一部である場合、投映像表示部位はウインドシールドガラスのいずれの位置に設けてもよいが、ヘッドアップディスプレイシステムとしての使用時に、観察者(例えば、運転者)から視認しやすい位置に虚像が示されるように設けられていることが好ましい。例えば、適用される乗り物の運転席の位置とプロジェクターを設置する位置との関係から投映像表示部位を設ける位置を決定すればよい。
投映像表示部位は、曲面を有していない平面状であってもよいが、曲面を有していてもよく、全体として凹型または凸型の形状を有し、投映像を拡大または縮小して表示するようになっていてもよい。
[合わせガラスのガラス板]
本明細書においては、ウインドシールドガラスにおいて、視認側のガラス板を第1ガラス板と言い、視認側より遠い位置にあるガラス板を第2ガラス板とも言う。
ガラス板としては、ウインドシールドガラスに一般的に用いられるガラス板を使用することができる。例えば、遮熱性の高いグリーンガラスなどの、可視光線透過率が73%、76%など80%以下となるガラス板を使用してもよい。このように可視光線透過率が低いガラス板を使用したときであっても、本発明に用いられる投映像表示用ハーフミラーを使用することにより、投映像表示部位においても70%以上の可視光線透過率を有するウインドシールドガラスを作製することができる。
本発明の合わせガラスは、2枚のガラス板が湾曲面を有することが好ましく、特にハーフミラーフィルム側のガラス板のハーフミラーフィルム側の面が凹型の湾曲面であることが好ましく、本発明の合わせガラスの第2の態様の一つである図3に示すように、その湾曲面にヒートシール層を介してハーフミラーフィルムが密着することが好ましい。
本発明の合わせガラスは、ウインドシールドガラスとして好ましく用いられる。
ガラス板の厚みについては特に制限はないが、0.5〜5.0mm程度であればよく、1.0〜3.0mmが好ましく、2.0〜2.3がより好ましい。
第1ガラス板および第2ガラス板の材料または厚みは同一であっても異なっていてもよい。
(中間膜)
中間膜は、公知の合わせガラスに用いられる、公知のいずれの中間膜を用いてもよい。たとえば、ポリビニルブチラール(PVB)、エチレン−酢酸ビニル共重合体および塩素含有樹脂の群から選ばれる樹脂を含む樹脂膜を用いることができる。上述樹脂は、中間膜の主成分であることが好ましい。なお、主成分であるとは、中間膜の50質量%以上の割合を占める成分のことを言う。
上述の樹脂のうち、ポリビニルブチラールまたはエチレン−酢酸ビニル共重合体であることが好ましく、ポリビニルブチラールがより好ましい。樹脂は、合成樹脂であることが好ましい。
ポリビニルブチラールは、ポリビニルアルコールをブチルアルデヒドによりアセタール化して得ることができる。ポリビニルブチラールのアセタール化度の好ましい下限は40%、好ましい上限は85%であり、より好ましい下限は60%、より好ましい上限は75%である。
ポリビニルアルコールは、通常、ポリ酢酸ビニルを鹸化することにより得られ、鹸化度80〜99.8モル%のポリビニルアルコールが一般的に用いられる。
また、ポリビニルアルコールの重合度の好ましい下限は200、好ましい上限は3000である。ポリビニルアルコールの重合度が200以上であると、得られる合わせガラスの耐貫通性が低下しにくく、3000以下であると、樹脂膜の成形性がよく、しかも樹脂膜の剛性が大きくなり過ぎず、加工性が良好である。より好ましい下限は500、より好ましい上限は2000である。
本発明の好ましい態様としては、透明支持体の全ての端部および選択反射層の全ての端部が、中間膜の端部よりも5mm以上内側となるようハーフミラーフィルムと中間膜を配置し、その後、透明支持体を加熱しながら2枚のガラス板とハーフミラーフィルムと中間膜を密着する。端部が中間膜の端部より内側となることで端部が中間膜でシールされ、側面から空気の侵入を抑制するため皺が発生しない。
好ましくは、透明支持体の全ての端部および選択反射層の全ての端部が、中間膜の端部よりも10mm以上内側であり、15mm以上内側であることが特に好ましい。
(ハーフミラーフィルムを含む中間膜)
ハーフミラーフィルムを含む合わせガラス用積層中間膜は、ハーフミラーフィルムを中間膜の表面に貼合して形成することができる。または、ハーフミラーフィルムを2枚の中間膜に挟んで形成することもできる。2枚の中間膜は、同一であってもよく異なっていてもよいが、同一であることが好ましい。
ハーフミラーフィルムと中間膜との貼合には、公知の貼合方法を用いることができるが、ラミネート処理を用いることが好ましい。積層体と中間膜とが加工後に剥離してしまわないように、ラミネート処理を実施する場合には、ある程度の加熱および加圧条件下にて実施することが好ましい。
ラミネートを安定的に行なうには、中間膜の接着する側の膜面温度が50〜130℃であることが好ましく、70〜100℃であることがより好ましい。
ラミネート時には加圧することが好ましい。加圧条件は、2.0kg/cm2未満(196kPa未満)であることが好ましく、0.5〜1.8kg/cm2(49〜176kPa)の範囲であることがより好ましく、0.5〜1.5kg/cm2(49〜147kPa)の範囲であることがさらに好ましい。
[選択反射層に対して視認側にある層]
一般的に、投映像表示用部材において、投映光を反射する層からの反射光に基づく像と、投映像表示用部材の光入射側から見て手前の面または裏側面からの反射光に基づく像が重なることによって二重像(または多重像)の問題が生じている。
本発明の合わせガラスにおいて、選択反射層を透過する光は、選択反射層が反射する円偏光と逆のセンスの円偏光となっているか、または、選択反射層が反射する直線偏光と直交する方向の偏光となっており、裏側面からの反射光は、選択反射層より裏側面側にある層が低複屈折性である場合は、通常上述選択反射層に反射される偏光が大部分となるため顕著な二重像を生じさせにくい。特に、投映光として偏光を利用することにより投映光の大部分が選択反射層で反射されるように構成できる。
一方で、手前の面からの反射光は顕著な二重像を生じさせ得る。特に選択反射層の重心から合わせガラスの光入射側から見て手前の面までの距離が一定値以上であると、二重像が顕著になる可能性が有る。具体的には、本発明の合わせガラスの構造において、選択反射層より第1の位相差層側にある層の厚みの総計(選択反射層の厚みを含まない)、すなわち、選択反射層の視認側の面から合わせガラス(ウインドシールドガラス)の視認側の面までの距離が0.5mm以上となると二重像が顕著になる可能性があり、1mm以上でより顕著となる可能性があり、1.5mm以上でより顕著となる可能性があり、2.0mm以上で特に顕著になる可能性がある。選択反射層より視認側にある層としては、第1の位相差層のほか、透明支持体、中間膜、第2ガラス板などが挙げられる。
しかし、本発明の合わせガラスは、後述のようにp偏光を利用した投映像表示において、選択反射層より視認側にある層の厚みの総計が上述のようである場合でも、顕著な二重像なしに投映像を視認することができる。
<ヘッドアップディスプレイシステム(画像表示システム)>
本発明の合わせガラスは、ヘッドアップディスプレイシステム(画像表示システム)の構成部材として用いることができる。一例として、本発明の合わせガラスは、車両等においてヘッドアップディスプレイシステムを構成するウインドシールドとして用いることができる。ヘッドアップディスプレイシステムは、プロジェクターを含むことが好ましい。
図7に、本発明の合わせガラスをウインドシールドガラスとして用いるヘッドアップディスプレイシステムの一例を概念的に示す。図7に示す例は、合わせガラスとして、図2に示す本発明の合わせガラスの第1の態様を用いた例であり、プロジェクター100は、第1ガラス6側からウインドシールドガラス(合わせガラス)に画像を投影し、使用者は、第1ガラス6側から、画像を視認する。
なお、図7に示す例は、合わせガラスとして、図2に示す本発明の合わせガラスの第1の態様を用いるものであるが、図3〜図6に示す本発明の合わせガラスの第2の態様を用いた場合にも、同様にヘッドアップディスプレイシステムを構成できる。図3〜図6に示す本発明の合わせガラスの第2の態様を用いた場合にも、一例として、同様に、第1ガラス6側から画像を投影し、第1ガラス6側から、画像を視認する。
[プロジェクター]
本明細書において、「プロジェクター」は「光または画像を投映する装置」であり、「描画した画像を投射する装置」を含む。本発明に用いられるヘッドアップディスプレイシステムにおいて、プロジェクターは、ウインドシールドガラス中の投映像表示用ハーフミラーに、上述のような斜め入射角度で入射できるように配置されていればよい。ヘッドアップディスプレイシステムにおいて、プロジェクターは、描画デバイスを含み、小型の中間像スクリーンに描画された画像(実像)をコンバイナにより虚像として反射表示するものが好ましい。
(描画デバイス)
描画デバイスはそれ自体が画像を表示するデバイスであってもよく、画像を描画できる光を発するデバイスであってもよい。描画デバイスでは、光源からの光が、光変調器、レーザー輝度変調手段、または描画のための光偏向手段などの描画方式で調節されていればよい。本明細書において、描画デバイスは光源を含み、さらに、描画方式に応じて光変調器、レーザー輝度変調手段、または描画のための光偏向手段などを含むデバイスを意味する。
(光源)
光源は特に限定されず、LED(Light Emitting Diode、発光ダイオード、有機発光ダイオード(OLED(Organic Light Emitting Diode)を含む)、放電管、および、レーザー光源などを用いることができる。これらのうち、LEDおよび放電管が好ましい。直線偏光を出射する描画デバイスの光源に適しているからである。これらのうち、特にLEDが好ましい。
LEDは発光波長が可視光領域において連続的でないため、後述するように特定波長域で選択反射を示すコレステリック液晶層が用いられているコンバイナとの組み合わせに適しているためである。
(描画方式)
描画方式としては、使用する光源および用途等に応じて選択することができ、特に限定されない。
描画方式の例としては、蛍光表示管、液晶を利用するLCD(Liquid Crystal Display)方式およびLCOS(Liquid Crystal on Silicon)方式、DLP(Digital Light Processing)方式、レーザーを利用する走査方式などが挙げられる。描画方式は光源と一体となった蛍光表示管を用いた方式であってもよい。描画方式としてはLCDが好ましい。
LCD方式およびLCOS方式では、各色の光が光変調器で変調、合波され、投射レンズから光が出射する。
DLP方式は、DMD(Digital Micromirror Device)を用いた表示システムであり、画素数分のマイクロミラーを配置して描画され投射レンズから光が出射する。
走査方式は光線をスクリーン上で走査させ、目の残像を利用して造影する方式であり、例えば、特開平7−270711号公報、および、特開2013−228674号公報等の記載が参照できる。レーザーを利用する走査方式では、輝度変調された各色(例えば、赤色光、緑色光、青色光)のレーザー光が合波光学系または集光レンズなどで1本の光線に束ねられ、光線が光偏向手段により走査されて後述する中間像スクリーンに描画されていればよい。
走査方式において、各色(例えば赤色光、緑色光、青色光)のレーザー光の輝度変調は、光源の強度変化として直接行ってもよく、外部変調器により行ってもよい。
光偏向手段としては、ガルバノミラー、ガルバノミラーとポリゴンミラーの組み合わせ、またはMEMS(Micro Electro Mechanical Systems、微小電子機械システム)が挙げられ、このうちMEMSが好ましい。走査方法としては、ランダムスキャン方式、およびラスタースキャン方式等が挙げられるが、ラスタースキャン方式を用いることが好ましい。ラスタースキャン方式において、レーザー光は、例えば、水平方向は共振周波数で、垂直方向はのこぎり波で駆動されることができる。走査方式は投射レンズが不要であるため、装置の小型化が容易である。
描画デバイスからの出射光は、直線偏光であっても自然光(非偏光)であってもよい。
本発明に用いられるヘッドアップディスプレイシステムに含まれる描画デバイスからの出射光は、直線偏光であることが好ましい。描画方式がLCDまたはLCOSである描画デバイスおよびレーザー光源を用いた描画デバイスは、本質的には出射光が直線偏光となる。出射光が直線偏光である描画デバイスであって出射光が複数の波長(色)の光を含むものである場合は、複数の光の偏光の偏光方向(透過軸方向)は同一であるかまたは互いに直交していることが好ましい。市販の描画デバイスは、出射光の赤、緑、青の光の波長域での偏光方向が均一ではないものがあることが知られている(特開2000−221449号公報参照)。具体的には、緑色光の偏光方向が赤色光の偏光方向および青色光の偏光方向と直交している例が知られている。
(中間像スクリーン)
上述のように、描画デバイスは中間像スクリーンを使用するものであってもよい。本明細書において、「中間像スクリーン」は、画像が描画されるスクリーンである。すなわち、描画デバイスを出射した光がまだ画像として視認できるものではない場合などにおいて、この光によって描画デバイスは中間像スクリーンに視認可能な画像を形成する。
中間像スクリーンにおいて描画された画像は、中間像スクリーンを透過する光によりコンバイナに投映されていてもよく、中間像スクリーンを反射してコンバイナに投映されていてもよい。
中間像スクリーンの例としては、散乱膜、マイクロレンズアレイ、リアプロジェクション用のスクリーンなどが挙げられる。中間像スクリーンとしてプラスチック材料を用いる場合などにおいて、中間像スクリーンが複屈折性を有すると、中間像スクリーンに入射した偏光の偏光面および光強度が乱され、その結果、コンバイナにおいて色ムラ等が生じやすくなるが、所定の位相差を有する位相差層を用いることにより、この色ムラの問題が低減できる。
中間像スクリーンは、入射光線を広げて透過させる機能を有するものが好ましい。投映像拡大表示が可能となるからである。このような中間像スクリーンとしては、例えばマイクロレンズアレイで構成されるスクリーンが挙げられる。ヘッドアップディスプレイで用いられるマイクロアレイレンズについては、例えば、特開2012−226303号公報、特開2010−145745号公報、および、特表2007−523369号公報等に記載がある。
プロジェクターは描画デバイスで形成された投映光の光路を調節する反射鏡などを含んでいてもよい。
ウインドシールドガラスを投映像表示用部材として用いたヘッドアップディスプレイシステムについては、特開平2−141720号公報、特開平10−96874号公報、特開2003−98470号公報、米国特許第5013134号明細書、および、特表2006−512622号公報などを参照することができる。
本発明の合わせガラスは、特に、発光波長が可視光領域において連続的でないレーザー、LED、および、OLEDなどを光源に用いたプロジェクターと組み合わせて用いるヘッドアップディスプレイシステムを構成するウインドシールドガラスに有用である。各発光波長に合わせて、コレステリック液晶層の選択反射の中心波長を調節できるからである。また、LCD(液晶表示装置)などの表示光が偏光しているディスプレイの投映に用いることもできる。
[投映光(入射光)]
本発明の合わせガラスにp直線偏光光源から画像を投映することにより、視認者が反射画像を視認できる本発明の画像表示システムが得られる。例えば、本発明の合わせガラスをウインドシールドガラスに利用して、ヘッドアップディスプレイシステムを構成する場合、ウインドシールドガラスにp直線偏光光源から画像を投映することにより、視認者が反射画像を視認できる本発明の画像表示システムが得られる。
p直線偏光を入射する方向は、合わせガラスに内蔵されるハーフミラーフィルムが直線偏光の反射偏光子として機能する方向であって、ハーフミラーフィルムが、選択反射層と位相差層を有する場合は、位相差層側からp直線偏光を入射するように光源を配置する。
入射光は、投映像表示用ハーフミラーの法線に対し45°〜70°の斜め入射角度で入射させることが好ましい。屈折率1.51程度のガラスと屈折率1の空気との界面のブリュースター角は約56°であり、上述の角度の範囲でp偏光を入射させることにより、投映像表示のための入射光の選択反射層に対して視認側のウインドシールドガラスの表面からの反射光が少なく、二重像の影響が小さい画像表示が可能である。上述角度は50°〜65°であることも好ましい。このとき、投映像の観察を投映光の入射側において、選択反射層の法線に対し、入射光とは反対側で45°〜70°、好ましくは50°〜65°の角度で行うことができる構成であればよい。
本発明の合わせガラスをウインドシールドガラスに利用する場合、入射光は、ウインドシールドガラスの上下左右等、いずれの方向から入射してもよく、視認方向と対応させて、決定すればよい。例えば、使用時の下方向から上述のような斜め入射角度で入射する構成が好ましい。
また、ウインドシールドガラス中の位相差層の遅相軸は、入射p偏光の振動方向(入射光の入射面)に対し、位相差層の面内位相差に応じて、30°〜85°または120°〜175°の角度をなしていることがより好ましい。
上述のように、ヘッドアップディスプレイ(本発明の画像表示システム)における投映像表示の際の投映光は入射面に平行な方向に振動するp偏光であることが好ましい。プロジェクターの出射光が直線偏光ではない場合は、直線偏光フィルムをプロジェクターの出射光側に配して用いることによりp偏光としていてもよく、プロジェクターからウインドシールドガラスまでの光路でp偏光とされていてもよい。上述のように、出射光の赤、緑、青の光の波長域での偏光方向が均一ではないプロジェクターについては、波長選択的に偏光方向を調節し、全ての色の波長域でp偏光として入射させることが好ましい。
ヘッドアップディスプレイシステムは、虚像結像位置を可変とする投映システムであってもよい。このような投映システムについては、例えば特開2009−150947号公報に記載がある。虚像結像位置を可変とすることにより、運転者はより快適に利便性高く虚像を視認することができる。虚像結像位置は、車両の運転者から虚像を視認できる位置であり、例えば、通常運転者から見てウインドシールドガラスの先、1000mm以上離れた位置である。
ここで、上述の特表2011−505330号公報に記載のガラスのように、ガラスが投映像表示部位において不均一(楔形)であると、虚像結像位置を変化させたときに、その楔形の角度も変更する必要が生じる。そのため、例えば、特開2017−15902号公報に記載されるように、部分的に楔形の角度を変えて投映位置を変えることによって擬似的に虚像結像位置変化に対応するなどの必要が生じる。
本発明の合わせガラスをウインドシールドガラスとして用い、かつ上述のようにp偏光を利用して構築されたヘッドアップディスプレイシステムでは、楔形のガラスの利用は不要であり、投映像表示部位においてガラスの厚みを均一とすることができるため、上述の虚像結像位置を可変とする投映システムを好適に採用することができる。
以下に実施例、および、参考例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。以下の実施例、比較例、作製例に示す材料、試薬、物質量とその割合、操作等は本発明の趣旨から逸脱しない限り適宜変更することができる。従って、本発明の範囲は、以下の実施例、および、参考例に限定されるものではない。
<塗布液の調製>
(コレステリック液晶層形成用塗布液)
下記の成分を混合し、下記組成のコレステリック液晶層形成用の塗布液B、G、および、Rを調製した。
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塗布液Bの組成
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・化合物1 80質量部
・化合物2 20質量部
・フッ素系化合物1 0.02質量部
・フッ素系化合物3 0.01質量部
・右旋回性キラル剤LC756(BASF社製)
目標の反射波長に合わせて調節
・重合開始剤IRGACURE OXE01(BASF社製)
0.75質量部
・溶媒(酢酸メチル) 溶質濃度が20質量%となる量
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塗布液G、Rの組成
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・混合物1 100質量部
・フッ素系化合物1 0.05質量部
・フッ素系化合物2 0.04質量部
・右旋回性キラル剤LC756(BASF社製)
目標の反射波長に合わせて調節
・重合開始剤IRGACURE OXE01(BASF社製)
1.0質量部
・溶媒(メチルエチルケトン) 溶質濃度が25質量%となる量
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・混合物1
・化合物1
・化合物2
・フッ素系化合物1
・フッ素系化合物2
・フッ素系化合物3
上述の塗布液組成のキラル剤LC−756の処方量を調節して塗布液B、G、および、Rを調製した。それぞれの塗布液を用いて、以下の機能層作製時と同様に剥離性支持体上に単一層のコレステリック液晶層を作製し、反射特性を確認したところ、作製されたコレステリック液晶層はすべて右円偏光反射層であり、中心反射波長は下記表1のとおりであった。
(位相差層形成用塗布液)
下記の成分を混合し、下記組成の位相差層形成用塗布液を調製した。
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位相差層形成用塗布液の組成
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・混合物1 100質量部
・フッ素系化合物1 0.05質量部
・フッ素系化合物2 0.01質量部
・重合開始剤IRGACURE OXE01(BASF社製)
0.75質量部
・溶媒(メチルエチルケトン) 溶質濃度が25質量%となる量
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<セルロースアシレートフィルムの鹸化>
国際公開第2014/112575号の実施例20と同一の作製方法で得られた40μmセルロースアシレートフィルムを、温度60℃の誘電式加熱ロールを通過させ、フィルム表面温度を40℃に昇温した後に、フィルムの片面に下記に示す組成のアルカリ溶液を、バーコーターを用いて塗布量14mL/m2で塗布し、110℃に加熱したスチーム式遠赤外ヒーター(ノリタケカンパニーリミテド社製)の下に10秒間滞留させた。
次いで、同じくバーコーターを用いて、純水を3mL/m2塗布した。
次いで、ファウンテンコーターによる水洗とエアナイフによる水切りを3回繰り返した後に、70℃の乾燥ゾーンに5秒間滞留させて乾燥し、鹸化処理したセルロースアシレートフィルム1を作製した。
セルロースアシレートフィルム1の面内位相差をAxoScanで測定したところ、1nmであった。
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アルカリ溶液の組成
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・水酸化カリウム 4.7質量部
・水 15.7質量部
・イソプロパノール 64.8質量部
・界面活性剤(C1633O(CH2CH2O)10H) 1.0質量部
・プロピレングリコール 14.9質量部
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<配向膜の形成>
上述で得られた鹸化処理したセルロースアシレートフィルム1(透明支持体)の鹸化処理面に、下記に示す組成の配向膜形成用塗布液を、ワイヤーバーコーターで24mL/m 2塗布し、100℃の温風で120秒乾燥した。
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配向膜形成用塗布液の組成
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・下記に示す変性ポリビニルアルコール 28質量部
・クエン酸エステル(AS3、三共化学社製) 1.2質量部
・光開始剤(イルガキュア2959、BASF社製) 0.84質量部
・グルタルアルデヒド 2.8質量部
・水 699質量部
・メタノール 226質量部
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(変性ポリビニルアルコール)
<コレステリック液晶層積層体の作製>
上述作製した配向膜に、短辺方向を基準に反時計回りに31.5°回転させた方向にラビング処理(レーヨン布、圧力:0.1kgf(0.98N)、回転数:1000rpm、搬送速度:10m/min、回数:1往復)を施した。
セルロースアシレートフィルム1のラビングした表面に、位相差層形成用塗布液をワイヤーバーを用いて塗布後、乾燥させて55℃にて1分間加熱処理を行い、50℃のホットプレート上に置き、フュージョンUVシステムズ社製の無電極ランプ「Dバルブ」(60mW/cm)にて6秒間、紫外線を照射し、液晶相を固定して、厚み1.9μmの位相差層を得た。このとき、位相差層のレタデーションと遅相軸角度をAxoScanで測定したところ、レタデーションは349nm、遅相軸角度は完成した合わせガラスの鉛直上方向(短辺方向)に対し、+58.5°であった。
得られた位相差層の表面に塗布液Bをワイヤーバーを用いて塗布後、乾燥させて85℃にて1分間加熱処理を行い、80℃のホットプレート上に置き、ヘレウス社製の無電極ランプ「Dバルブ」(60mW/cm)にて6秒間、紫外線を照射し、コレステリック液晶相を固定して、厚み2.3μmのコレステリック液晶層を得た。
得られたコレステリック液晶層の表面にさらに塗布液Gをワイヤーバーを用いて塗布後、乾燥させて70℃にて1分間加熱処理を行い、75℃のホットプレート上に置き、ヘレウス社製の無電極ランプ「Dバルブ」(60mW/cm)にて6秒間、紫外線を照射し、コレステリック液晶相を固定して、厚み0.7μmのコレステリック液晶層を得た。
得られたコレステリック液晶層の表面にさらに塗布液Rをワイヤーバーを用いて塗布後、乾燥させて70℃にて1分間加熱処理を行い、75℃のホットプレート上に置き、ヘレウス社製の無電極ランプ「Dバルブ」(60mW/cm)にて6秒間、紫外線を照射し、コレステリック液晶相を固定して、厚み2.8μmのコレステリック液晶層を得た。
こうして位相差層および3層のコレステリック液晶層からなる機能層を持つコレステリック液晶層積層体A(ハーフミラーフィルム)を得た。積層体Aの透過スペクトルを分光光度計(日本分光社製、V−670)で測定したところ、515nm、685nm、775nmに選択反射中心波長を有する透過スペクトルが得られた。
透明支持体として東洋紡社製のPETフィルム(コスモシャインA4100、厚み:100μm)を使用したこと以外は、同様の手順で、コレステリック液晶層積層体Bを作製した。透明支持体として用いたPETフィルムは、一方の面に下塗り層を設けており、他方の面は下塗り層を設けず、ラビング処理を施された面となっているものである。このPETフィルムのラビング処理面に、位相差層、コレステリック液晶層を積層し、コレステリック液晶層積層体Bを得た。
PETフィルムの550nmにおける面内位相差をAxoScanで測定したところ、1000nm超であった。
<ヒートシール層の作製1>
(ヒートシール層形成用塗布液1)
下記の成分を混合し、下記表2の組成のヒートシール層形成用塗布液1〜18を調製した。
<シリカ粒子分散液の調製>
本発明においてヒートシール層に好ましく用いられる無機微粒子としてAEROSIL
RX300(日本アエロジル社製)を、固形分濃度が5質量%になるように、MiBK(メチルイソブチルケトン)へ添加し、マグネチックスターラーで30分攪拌した。その後、超音波分散機(エスエムテー社製、Ultrasonic Homogenizer
UH−600S)で10分間、超音波分散し、シリカ粒子分散液を作製した。
得られた分散液から一部を平均二次粒子径測定用に採取し、Microtrac MT3000(マイクロトラックベル社製)を用いて、分散液中のシリカ粒子の平均二次粒子径を測定したところ、190nmであった。
MEK−ST L(日産化学社製)は、市販のMEK分散液を用いた(固形分濃度30質量%)。
表中、無機微粒子の添加量は分散液の添加量を記載した。
<ヒートシール積層体の作製1>
コレステリック液晶層積層体Aの裏面(コレステリック液晶を塗布していない面側)にヒートシール層形成用塗布液1〜18をワイヤーバーを用いて塗布後、乾燥させて50℃にて1分間加熱処理を行い、厚み0.5μmのヒートシール層1〜18を得た。こうして透明支持体の一面に、位相差層および3層のコレステリック液晶層(選択反射層)を持ち、透明支持体の他面にヒートシール層1〜18を持つヒートシール積層体Ah1〜18を得た。
コレステリック液晶層積層体Bの裏面(コレステリック液晶を塗布していない、PETフィルムの下塗り層を有する面側)にヒートシール層形成用塗布液4をワイヤーバーを用いて塗布後、乾燥させて50℃にて1分間加熱処理を行い、厚み0.5μmのヒートシール層18を得た。こうして表面に位相差層および3層のコレステリック液晶層からなる機能層を持ち、裏面にヒートシール層18を持つヒートシール積層体Ah19を得た。
<合わせガラスの作製>
縦260mm×横330mm厚み2mmの上に凸の曲面ガラス板の上に、縦220×横290mmのヒートシール積層体Ah1〜19を、ヒートシール層側を下にしてガラス板の中央部に配置した。これにより、第1ガラス板、ヒートシール層、透明支持体、位相差層、および、選択反射層(コレステリック液晶層)を、この順番で有する積層体を形成した。
この積層体の上に、縦260mm×横330mmの積水化学工業社製の厚み0.38mmのPVBフィルム(中間膜)を配置し、さらにその上に、縦260mm×横330mm厚み2mmの上に凸の曲面ガラス板(第2ガラス板)を配置した。これを90℃、10kPa(0.1気圧)下で1時間保持した後に、オートクレーブ(栗原製作所製)にて140℃、1.3Mpa(13気圧)で20分間加熱して気泡を除去し、合わせガラスA〜Sを得た。この合わせガラスA〜Sは、図2に示す合わせガラスと同様の層構成を有するものである。
(貯蔵弾性率の測定)
透明支持体として使用したセルロースアシレートフィルム1、透明支持体として使用した東洋紡社製のPETフィルム(コスモシャインA4100、厚み:100μm)の試料5mm×30mmを、25℃、相対湿度60%で2時間以上調湿した後に動的粘弾性測定装置(アイティー計測制御社製、バイブロン:DVA−225)で、つかみ間距離20mm、昇温速度2℃/分、測定温度範囲30℃〜220℃、周波数1Hzで貯蔵弾性率を測定し、各オートクレーブの設定温度の貯蔵弾性率の値を読み取った。
(ヒートシール層と透明支持体との間の混合層の有無の評価)
ヒートシール積層体のヒートシール層と透明支持体間との間の混合層の有無について、ヒートシール積層体の断面をSEMで観察し、混合層があるかどうかを評価し、表中、混合層の有無として表記した。
(ヒートシール層と透明支持体の密着性の評価)
ヒートシール積層体のヒートシール層と透明支持体との密着性について、JISK5600−5−6で定められたクロスカット試験を実施し、そのときの透明支持体からの剥離性を下記基準で評価した。
ヒートシール層が剥がれる面積が少ないほど、合わせガラス作製作業中にヒートシール層の剥がれが無くなり、微小なシワの発生を抑制できる。また、ヒートシール層が剥がれる部分が少なくなるほど、合わせガラスの強度が強くなり、衝撃試験に耐えられるようになる。
A:ヒートシール層が剥がれる面積が20%以下。
B:ヒートシール層が剥がれる面積が20超60%以下。
C:ヒートシール層が剥がれる面積が60%超。
(ヒートシール層のガラスに対する貼りつき性の評価(貼付性))
各積層体について、液晶層塗布面と逆面の表面とガラスを貼り合わせた際の貼り付き性を、下記基準で評価した。貼り付き感が無くなるほど滑り性が向上し、合わせガラス加工時の積層体のハンドリング性が向上し、シワが発生しにくくなる効果がある。
A:貼り付き感が全く無い。
B:貼り付き感が殆ど無い。
C:貼り付き感が強い。
(シワの評価)
合わせガラス加工後に積層体に微細なシワ状ムラが発生しているか目視で下記基準で評価した。
A:微細なシワの発生が全くない。
B:微細なシワはないが、僅かな波打ちが見える。
C:微細なシワの発生が有る。
(画像視認性の評価)
画像視認性は合わせガラスの凹面に図4に示すようにp偏光を当て、映像を投影し、発生した虚像の歪み、色ムラの有無を画像視認性として下記基準で評価した。
A:歪み、色ムラ無し。
C:歪み、色ムラ有り。
(合せガラスのヘイズの評価)
各合わせガラスのヘイズについて、ヘイズメーター(日本電色工業社製、ヘイズメーターNDH2000)を用いて、各合わせガラスのヘイズを測定した。評価結果は下記基準とする。
A:0.5以下
B:0.5以上1.0以下
C:1.0以上

この表において、Re[nm]は、透明支持体であるセルロースアシレートフィルムおよびPETフィルムの面内位相差である。
合わせガラスC〜E、G〜I、K〜M、O〜Qは積層体に微細なシワ状ムラ発生することなく合わせガラス加工をすることができ、外光反射、画像視認性も良好であった。特に合わせガラスH、I,L、M、P、Qはヒートシール層のガラスに対する貼りつき性が良好であったため合せガラス時のハンドリング性が向上し、シワがさらに良好であった。
合わせガラスAおよびBは、ヒートシール層とセルロースアシレートフィルムの密着性が悪く、微細なシワ状ムラが発生した。合わせガラスSは、透明支持体として使用しているPETフィルム(東洋紡社製、コスモシャインA4100、厚み:100μm)のレタデーションが大きいために、外光反射に虹状の色付き模様が現れ問題であり、さらに投映像のp偏光が乱され、コレステリック液晶層で効率良く光を反射できないため、視認虚像の色味が変化し、像の明るさが低下した。
なお、合わせガラスS(参考例19)は、混合層を有さないが、透明支持体として下塗り層を有するPETフィルムを用い、下塗り層を有する面にヒートシール層を形成しているので、混合層を有さなくても、下塗り層とヒートシール層との間で、高い密着性が得られている。
<コレステリック液晶層積層体の作製2>
セルロースアシレートフィルム1の上に作製した配向膜に、短辺方向を基準に反時計回りに31.5°回転させた方向にラビング処理(レーヨン布、圧力:0.1kgf(0.98N)、回転数:1000rpm、搬送速度:10m/min、回数:1往復)を施した。
ラビングした表面に位相差層形成用塗布液をワイヤーバーを用いて塗布後、乾燥させて55℃にて1分間加熱処理を行い、50℃のホットプレート上に置き、フュージョンUVシステムズ社製の無電極ランプ「Dバルブ」(60mW/cm)にて6秒間、紫外線を照射し、液晶相を固定して、厚み1.9μmの位相差層を得た。このとき、位相差層のレタデーションと遅相軸角度をAxoScan(アクソメトリクス社製)で測定したところ、レタデーションは349nm、遅相軸角度は完成した合わせガラスの鉛直上方向(短辺方向)に対し、+58.5°であった。
得られた位相差層の表面に塗布液Bをワイヤーバーを用いて塗布後、乾燥させて85℃にて1分間加熱処理を行い、80℃のホットプレート上に置き、ヘレウス社製の無電極ランプ「Dバルブ」(60mW/cm)にて6秒間、紫外線を照射し、コレステリック液晶相を固定して、厚み2.3μmのコレステリック液晶層を得た。
得られたコレステリック液晶層の表面にさらに塗布液Gをワイヤーバーを用いて塗布後、乾燥させて70℃にて1分間加熱処理を行い、75℃のホットプレート上に置き、ヘレウス社製の無電極ランプ「Dバルブ」(60mW/cm)にて6秒間、紫外線を照射し、コレステリック液晶相を固定して、厚み0.7μmのコレステリック液晶層を得た。
得られたコレステリック液晶層の表面にさらに塗布液Rをワイヤーバーを用いて塗布後、乾燥させて70℃にて1分間加熱処理を行い、75℃のホットプレート上に置き、ヘレウス社製の無電極ランプ「Dバルブ」(60mW/cm)にて1秒間、紫外線を照射し、コレステリック液晶相を固定して、厚み2.8μmのコレステリック液晶層を得た。
こうして位相差層および3層のコレステリック液晶層(選択反射層)を持つコレステリック液晶層積層体C(ハーフミラーフィルム)を得た。
積層体Cの透過スペクトルを分光光度計(日本分光社製、V−670)で測定したところ、515nm、685nm、775nmに選択反射中心波長を有する透過スペクトルが得られた。
<ヒートシール層の作製1>
(ヒートシール層形成用塗布液1)
下記の成分を混合し、下記表4の組成のヒートシール層形成用塗布液19、20を調製した。
<ヒートシール積層体の作製2>
コレステリック液晶層積層体Aのコレステリック液晶層を形成していない面に、ヒートシール層形成用塗布液8、19をワイヤーバーを用いて塗布後、乾燥させて120℃にて5分間加熱処理を行い、厚み0.5μmのヒートシール層を得た。こうして、透明支持体の一方の表面に位相差層および3層のコレステリック液晶層(選択反射層)を有し、透明支持体の他方の表面にヒートシール層を有するヒートシール積層体Bh1、2を得た。
コレステリック液晶層積層体Cのコレステリック液晶層にヒートシール層形成用塗布液19をワイヤーバーを用いて塗布後、乾燥させて120℃にて5分間加熱処理を行い、厚み0.5μmのヒートシール層を得た。こうして、透明支持体の表面に位相差層および3層のコレステリック液晶層(選択反射層)およびヒートシール層を有するヒートシール積層体Bh3を得た。
コレステリック液晶層積層体Cのコレステリック液晶層にヒートシール層形成用塗布液20をワイヤーバーを用いて塗布後、乾燥させて120℃にて5分間加熱処理を行った後、75℃のホットプレート上に置き、ヘレウス社製の無電極ランプ「Dバルブ」(60mW/cm)にて6秒間、紫外線をし、厚み0.5μmのヒートシール層を得た。こうして透明支持体の表面に、位相差層および3層のコレステリック液晶層(選択反射層)およびヒートシール層を有するヒートシール積層体Bh4を得た。
<合わせガラスの作製>
縦260mm×横330mm厚み2mmの上に凸の曲面ガラス板と、縦260mm×横330mmの積水化学工業社製の厚み0.38mmのPVBフィルム(中間膜)と、縦220×横290mmのヒートシール積層体Bh1〜4とを用いて、合わせガラスを作製した。
まず、合わせガラス2Aおよび2Bを作製した。
曲面ガラス板(第1ガラス板)の中央部に、ヒートシール積層体Bh1、2をヒートシール層側を下にして配置し、その上に中間膜を配置した。これらの積層体の上に、縦260mm×横330mm厚み2mmの凸の曲面ガラス板(第2ガラス板)を配置した。
これを90℃、10kPa(0.1気圧)下で1時間保持した後に、オートクレーブ(栗原製作所製)にて140℃、1.3Mpa(13気圧)で20分間加熱して気泡を除去して合わせガラス2Aおよび2Bを得た。
これらはともに、第1ガラス板、ヒートシール層、透明支持体、位相差層、選択反射層(コレステリック液晶層)、中間膜、および、第2ガラス板を、この順に積層したものであり、図2に示す合わせガラスと同様の層構成を有するものである。ただし、合わせガラス2B(ヒートシール積層体Bh2)には、混合層は形成されていなかった。
次に、合わせガラス2Cおよび2Dを作製した。
曲面ガラス板(第1ガラス板)の中央部に中間膜を配置し、その上にヒートシール層側を上にしたヒートシール積層体Bh3、4を配置した。その後、合わせガラス2Aの場合と同様に第2ガラス板を貼合し、合わせガラス2Cおよび2Dを得た。
これらはともに、第1ガラス板、中間膜、透明支持体、位相差層、選択反射層(コレステリック液晶層)、ヒートシール層および第2ガラス板を、この順に積層したものであり、図3に示す合わせガラスと同様の層構成を有するものである。
作製したヒートシール積層体および合わせガラスについて、先と同様の評価を行った。
なお、ヒートシール積層体の密着性評価を行うにあたり、実施例B1およびB2(合わせガラス2Aおよび2B)については、ヒートシール積層体のヒートシール層と透明支持体との密着性を評価し、実施例B3およびB4(合わせガラス2Cおよび2D)については、ヒートシール積層体のヒートシール層と選択反射層(コレステリック液晶層)との密着性を評価した。
合わせガラス2A〜2Dは積層体に微細なシワ状ムラ発生することなく合わせガラス加工をすることができ、外光反射、画像視認性も良好であった。特に、合わせガラス2Cおよび2Dは、ヒートシール層のガラスに対する貼りつき性が良好であったため合わせガラス時のハンドリング性が向上し、シワがさらに良好であった。
また、合わせガラス2Dは、密着強化剤の作用により良好な密着性の結果を得た。
<ヒートシール層の作製2>
(ヒートシール層形成用塗布液2)
下記の成分を混合し、下記表6の組成のヒートシール層形成用塗布液21〜25を調製した。
密着強化剤1(重合性基とボロン酸基を有する化合物)

密着強化剤2(東ソー社製、コロネートL:1分子中にイソシアネート基を3個有する化合物)
密着強化剤3(日本化薬社製、PET−30:1分子中に3〜4個の重合性基を有する化合物)
<ヒートシール積層体の作製3>
コレステリック液晶層積層体Aの裏面(コレステリック液晶を塗布していない面側)にヒートシール層形成用塗布液21〜25をワイヤーバーコート法にて塗布後、乾燥させて50℃にて1分間加熱処理を行い、それぞれ厚み0.5μm、1.5μmのヒートシール層を得た。こうして、透明支持体の一面に、位相差層および3層のコレステリック液晶層(選択反射層)を持ち、透明支持体の他面に、ヒートシール層を持つヒートシール積層体Ch1〜10を得た。
ヒートシール積層体Ch1〜10のヒートシール層と透明支持体の密着性の評価は全てAであった。
<合わせガラスの作製>
縦260mm×横330mm厚み2mmの上に凸の曲面ガラス板の上に、縦220×横290mmのヒートシール積層体Ch1〜10を、ヒートシール層側を下にしてガラス板の中央部に配置した。次に、ヒートシール積層体の選択反射層上に、縦260mm×横330mmの積水化学工業社製の厚み0.38mmのPVBフィルム(中間膜)を配置した。これにより、第1ガラス板、ヒートシール層、透明支持体、位相差層、選択反射層(コレステリック液晶層)および中間膜を、この順番に有する積層体を形成した。
この積層体の上に、さらに、縦260mm×横330mm、厚み2mmの凸の曲面ガラス板(第2ガラス板)を配置した。これを90℃、10kPa(0.1気圧)下で1時間保持した後に、オートクレーブ(栗原製作所製)にて140℃、1.3Mpa(13気圧)で20分間加熱して気泡を除去し、合わせガラス3A〜3Jを得た。
作製した合わせガラスについて、先と同様の評価を行った。
なお、この合わせガラス3A〜3Jは、基本的に、図2に示す合わせガラスと同じ層構成を有するものである。
合わせガラス3A〜3Jは積層体に微細なシワ状ムラ発生することなく合わせガラス加工をすることができ、外光反射、画像視認性も良好であった。
<ヒートシール層の作製3>
(ヒートシール層形成用塗布液の調製)
下記の成分を混合し、下記表8の組成のヒートシール層形成用塗布液26〜29を調製した。
なお、ヒートシール層形成用塗布液の調製にあたり、下記の材料を使用した。
エスレックKS−5(積水化学工業社製)

ここでlは74±3、mは3以下、nは約25であり、計算分子量は約130000であった。
エスレックKS−10(積水化学工業社製)

ここでlは74±3、mは3以下、nは約25であり、計算分子量は約17000であった。
ヒートシール層の樹脂の架橋剤(エポキシ系添加剤)として、
デナコール EX832(ナガセケムテックス社製)

カチオン重合開始剤1
<ヒートシール積層体Dh1〜4の作製>
コレステリック液晶層積層体Aの裏面(コレステリック液晶を塗布していない面側)にヒートシール層形成用塗布液26〜29をワイヤーバーを用いて塗布後、乾燥させて50℃にて1分間加熱処理を行い、厚み0.5μmのヒートシール層26〜29を得た。
なお、ヒートシール層29については、さらに、窒素雰囲気下、室温にてヘレウス社製の無電極ランプ「Dバルブ」(60mW/cm)にて33秒間、紫外線を照射した。
こうして、透明支持体の一面に位相差層および3層のコレステリック液晶層(選択反射層)を持ち、透明支持体の他面にヒートシール層26〜29を持つ、ヒートシール積層体Dh1〜4を得た。
<合わせガラスの作製>
縦260mm×横330mm厚み2mmの上に凸の曲面ガラス板の上に、縦220×横290mmのヒートシール積層体Dh1〜4をヒートシール層側を下にしてガラス板の中央部に配置した。これにより、第1ガラス板、ヒートシール層、透明支持体、位相差層、および、選択反射層(コレステリック液晶層)を、この順番で有する積層体を形成した。
選択反射層の上に、縦260mm×横330mmの積水化学工業社製の厚み0.38mmのPVBフィルム(中間膜)を配置し、さらに、その上に、縦260mm×横330mm厚み2mmの上に凸の曲面ガラス板(第2ガラス板)を配置した。これを90℃、10kPa(0.1気圧)下で1時間保持した後に、オートクレーブ(栗原製作所製)にて140℃、1.3Mpa(13気圧)で20分間加熱して気泡を除去し、合わせガラス4A〜4Dを得た。
なお、この合わせガラス4A〜4Dは、図2に示す合わせガラスと同じ層構成を有するものである。
作製したヒートシール積層体および合わせガラスについて、先と同様の評価を行った。その結果、下記の表9に示すように、良好な結果を得た。
1 透明支持体
2 位相差層
3 選択反射層
4 ヒートシール層
5 中間膜
6 第1ガラス板
7 第2ガラス板
10 ハーフミラーフィルム
100 プロジェクター(p偏光画像)

Claims (10)

  1. 透明支持体と、波長選択的に光を反射する選択反射層と、を有する投映像表示用ハーフミラーフィルムであって、
    前記透明支持体は、波長550nmにおける面内位相差の絶対値が10nm以下であり、
    前記透明支持体において、前記選択反射層を有する面の反対面側にヒートシール層を有し、前記ヒートシール層は熱可塑性樹脂を含有し、さらに
    前記透明支持体と前記ヒートシール層との間に、前記透明支持体の成分と前記ヒートシール層の成分とが混合された混合層が形成されている、投映像表示用ハーフミラーフィルム。
  2. 前記透明支持体と前記選択反射層との間に位相差層を有し、前記位相差層の波長550nmにおける面内位相差が250〜450nmまたは50〜180nmである、請求項1に記載の投映像表示用ハーフミラーフィルム。
  3. 前記ヒートシール層の表面が粗面化している、請求項1または2に記載の投映像表示用ハーフミラーフィルム。
  4. 前記透明支持体と前記ヒートシール層の少なくとも一方が、
    重合性基、および、前記透明支持体に含有される樹脂と結合形成可能な基からなる群から選択される基を複数個有する化合物由来の成分を含有する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の投映像表示用ハーフミラーフィルム。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の投映像表示用ハーフミラーフィルムと、前記投映像表示用ハーフミラーフィルムの前記選択反射層に隣接する中間膜とが、2枚のガラス板で挟持された、投映像表示用の合わせガラス。
  6. ハーフミラーフィルムおよび中間膜が、前記ハーフミラーフィルム側のガラス板と前記中間膜側のガラス板とで狭持されており、
    前記ハーフミラーフィルムと前記ハーフミラー側のガラス板との間に、熱可塑性樹脂を含む、厚みが0.1〜50μmのヒートシール層を有する、投映像表示用の合わせガラス。
  7. 前記ハーフミラーフィルムが、波長選択的に光を反射する選択反射層および位相差層を有し、
    前記ヒートシール層が、前記選択反射層または前記位相差層に隣接する、請求項6に記載の投映像表示用の合わせガラス。
  8. 前記ヒートシール層が、前記選択反射層に隣接する、請求項7に記載の投映像表示用の合わせガラス。
  9. 前記ヒートシール層が、平均一次粒子径が5〜50nmである一次粒子の凝集からなる二次粒子を形成している無機微粒子を含有する、請求項6〜8のいずれか1項に記載の投映像表示用の合わせガラス。
  10. 請求項5〜9のいずれか1項に記載の投映像表示用の合わせガラスに、p直線偏光光源から画像を投映する、画像表示システム。
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