JP2021056321A - プロジェクター用反射部材およびヘッドアップディスプレイ用プロジェクター - Google Patents

プロジェクター用反射部材およびヘッドアップディスプレイ用プロジェクター Download PDF

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Abstract

【課題】s偏光を投映する汎用のヘッドアップディスプレイ用プロジェクターから、p偏光を投映可能にするプロジェクター用反射部材、および、この反射部材を用いるヘッドアップディスプレイ用プロジェクターの提供を課題とする。【解決手段】可視光を反射する選択反射層と、プロジェクターにおいて、選択反射層よりも光の入射側に設けられる、液晶化合物の分子軸が選択反射層の表面に対して傾斜した配向状態で固定されている位相差層と、を有する反射部材により、課題を解決する。【選択図】図2

Description

本発明は、プロジェクターに用いられる反射部材、および、この反射部材を有するヘッドアップディスプレイ用プロジェクターに関する。
車両等のウインドシールドガラスに画像を投映し、運転者に情報を提供する、いわゆるヘッドアップディスプレイ(ヘッドアップディスプレイシステム)が知られている。以下の説明では、ヘッドアップディスプレイを『HUD』とも言う。なお、HUDとは、『Head up Display』の略である。
HUDによれば、運転者は、前方の外界を見ながら、視線を大きく動かすことなく、地図、走行速度、および、車両の状態など、様々な情報を得ることができるため、各種の情報を得ながら、より安全に運転を行うことが期待できる。
周知のように、光の反射では、s偏光をブリュースター角で入射すると、最も高い反射率が得られる。
これに対応して、HUDでは、通常、プロジェクターからs偏光の投映像を投映して、s偏光の投映像をブリュースター角に近い角度でウインドシールドガラスに入射して、反射させることにより、投映像を表示する。
ここで、一般的な車両用のウインドシールドガラスは、2枚の板ガラスを中間膜と呼ばれる膜で貼着した、いわゆる合わせガラスである。
合わせガラスのウインドシールドガラスによって投映像を反射するHUDでは、車内側の板ガラスで反射された投映光が、観察される投映像となる。しかしながら、車内側のガラスを透過した投映光は、車外側の板ガラスでも反射され、二重像を生じてしまう。
この二重像を解消するために、HUDの投映像を反射するウインドシールドガラスは、2枚の板ガラスを、角度をつけて貼着する、いわゆする楔型の合わせガラスとする必要がある。
また、運転者は、サングラスを着用して運転する場合も多い。サングラスとしては、路上の水たまり等の反射光によるギラツキ、および、ボンネットの反射光によるギラツキ等を抑制する偏光サングラスが知られている。
路上の水たまり等の反射光によるギラツキなど、運転者が眩しいと感じるギラツキとなる光は、多くの場合、s偏光である。そのため、偏光サングラスは、通常、s偏光を遮光するように作られている。
ところが、上述のように、HUDの投映光は、多くがs偏光である。そのため、通常のHUDでは、偏光サングラスを着用した場合には、投映像を観察できなくなってしまう。
このような問題に対して、p偏光を反射するハーフミラーフィルムを用いるHUDも提案されている。このHUDでは、プロジェクターからp偏光の投映光を投映して、例えばウインドシールドガラスに組み込んだハーフミラーフィルムによってp偏光の投映光を反射することで、投映像を表示する。
例えば、特許文献1には、400nm以上500nm未満の中心反射波長をもち中心反射波長での通常光に対する反射率が5%以上25%以下である光反射層PRL−1と、500nm以上600nm未満の中心反射波長をもち中心反射波長での通常光に対する反射率が5%以上25%以下である光反射層PRL−2と、600nm以上700nm未満の中心反射波長をもち中心反射波長での通常光に対する反射率が5%以上25%以下である光反射層PRL−3のうち、1つ以上の光反射層を含み、かつ互いに異なる中心反射波長をもつ少なくとも2つ以上の光反射層が積層され、積層される少なくとも2つ以上の光反射層は、いずれも同じ向きの偏光を反射する、ハーフミラーフィルム(光反射フィルム)が記載されている。
特許文献2には、平面形状で400nm以上500nm未満の中心反射波長をもち中心反射波長での通常光に対する反射率が5%以上25%以下である光反射層PRL−1と、平面形状で500nm以上600nm未満の中心反射波長をもち中心反射波長での通常光に対する反射率が5%以上25%以下である光反射層PRL−2と、平面形状で600nm以上700nm未満の中心反射波長をもち中心反射波長での通常光に対する反射率が5%以上25%以下である光反射層PRL−3のうち、1つ以上の光反射層を含み、かつ互いに異なる中心反射波長をもつ少なくとも2つ以上の光反射層が積層され、積層される少なくとも2つ以上の光反射層は、いずれも同じ向きの偏光を反射する特性を有し、かついずれも無負荷状態で曲面形状を保持してなり、かつ厚さが50μm以上500μm以下である曲面形状のハーフミラーフィルム(光反射フィルム)が記載されている。
特許文献1および特許文献2には、このハーフミラーフィルムが、HUDに用いられることが記載されている。
国際公開第2016/056617号 特開2017−187685号公報
上述の特許文献1および特許文献2に記載されるハーフミラーフィルムは、例えば、ウインドシールドガラスに組み込まれて、HUDを構成する。
ここで、特許文献1および特許文献2に記載されるハーフミラーフィルムは、p偏光を反射するものである。そのため、このハーフミラーフィルムと、p偏光の投映像を投映するプロジェクターを用いるHUDによれば、s偏光をカットする偏光サングラスをかけた場合でも、投映像を観察できる。また、板ガラスで投映光を反射しないので、二重像を解消するために、ウインドシールドガラスを楔型にする必要もない。
ところが、上述のように、汎用のHUD用のプロジェクターは、多くの場合、s偏光の投映光を投映する。
そのため、p偏光によって投映像を表示するためには、新たにp偏光を投映するプロジェクターを作製する必要がある。しかしながら、p偏光を投映する新規なプロジェクターの開発および設計には、手間がかかる。
従って、s偏光を投映する汎用のプロジェクターを用いて、p偏光の投映光を投映するようにするのが好ましい。そのためには、プロジェクターからウインドシールドガラスに至る投映光の光路の途中、または、プロジェクター内部に、λ/2板(λ/2位相差板)等の、s偏光をp偏光に変換する光学部材を組み込む必要がある。
しかしながら、例えば車載用のHUDでは、プロジェクターは狭いダッシュボードの中に組み込まれるために、投映光の光路にλ/2板を配置するのは、困難である。
また、プロジェクターは、狭いダッシュボードの中に組み込むために、小型化することが要求されており、λ/2板等の新たな光学素子を追加するのは、困難である。
本発明の目的は、このような従来技術の問題点を解決することにあり、s偏光の投映光を投映する汎用のHUD用のプロジェクターにおいて、例えばコールドミラーなどの通常設けられる反射部材として用いることにより、s偏光をp偏光に変換できるプロジェクター用反射部材、および、このプロジェクター用反射部材を組み込んだHUD用プロジェクターを提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明は、以下の構成を有する。
[1] プロジェクターに組み込まれる反射部材であって、
可視光を反射する選択反射層と、
液晶化合物の分子軸が、選択反射層の表面に対して傾斜した配向状態で固定されている位相差層と、を有するプロジェクター用反射部材。
[2] 選択反射層の表面に対する、液晶化合物の分子軸の傾斜角が、10〜80°であり、
分子軸と直交する方向から光を入射した際における面内レタデーションが、100〜500nmである、[1]に記載のプロジェクター用反射部材。
[3] 選択反射層の表面に対する、液晶化合物の分子軸の傾斜角が、20〜70°であり、
分子軸と直交する方向から光を入射した際における面内レタデーションが、150〜270nmである、[1]または[2]に記載のプロジェクター用反射部材。
[4] 選択反射層が無偏光反射層である、[1]〜[3]のいずれかに記載のプロジェクター用反射部材。
[5] 選択反射層が直線偏光反射層である、[1]〜[3]のいずれかに記載のプロジェクター用反射部材。
[6] 選択反射層が円偏光反射層である、[1]〜[3]のいずれかに記載のプロジェクター用反射部材。
[7] 円偏光反射層が、コレステリック液晶相を固定してなるコレステリック液晶層である、[6]に記載のプロジェクター用反射部材。
[8] 選択反射層は、入射角45°で入射した可視光の反射光の半値幅が70nm以下である、[1]〜[7]のいずれかに記載のプロジェクター用反射部材。
[9] [1]〜[8]のいずれかに記載のプロジェクター用反射部材を有する、ヘッドアップディスプレイ用プロジェクター。
本発明によれば、s偏光の投映光を投映する汎用のHUD用のプロジェクターにおいて、例えばコールドミラーなどの反射部材として用いることにより、s偏光をp偏光に変換できるプロジェクター用反射部材、および、このプロジェクター用反射部材を組み込んだHUD用プロジェクターが提供される。
本発明のHUD用プロジェクターの一例を概念的に示す図である。 本発明のプロジェクター用反射部材を概念的に示す図である。 本発明のプロジェクター用反射部材における液晶化合物の傾斜配向を説明するための概念図である。 本発明のプロジェクター用反射部材における液晶化合物の傾斜配向を説明するための概念図である。 本発明のプロジェクター用反射部材における液晶化合物の傾斜配向を説明するための概念図である。 本発明のプロジェクター用反射部材における液晶化合物の傾斜配向の一例を示す概念図である。 配向膜の形成方法を説明するための概念図である。
以下、本発明のプロジェクター用反射部材およびHUD(ヘッドアップディスプレイ)用プロジェクターについて、添付の図面に示される好適実施例を基に詳細に説明する。
本明細書において「〜」とはその前後に記載される数値を下限値および上限値として含む意味で使用される。
本明細書において、可視光は、電磁波のうち、ヒトの目で見える波長の光であり、380〜780nmの波長域の光を示す。非可視光は、380nm未満の波長域または780nmを超える波長域の光である。また、これに限定されるものではないが、可視光のうち、420〜490nmの波長域の光は青色光(B光)であり、495〜570nmの波長域の光は緑色光(G光)であり、620〜750nmの波長域の光は赤色光(R光)である。さらに、これに限定されるものではないが、赤外線とは、非可視光のうち、780nm超2000nm以下の波長域を示す。
本明細書において、p偏光は光の入射面に平行な方向に振動する偏光を意味する。入射面は反射面に垂直で、入射光線と反射光線とを含む面を意味する。p偏光は電場ベクトルの振動面が入射面に平行である。
本明細書において、面内レタデーションRe(面内位相差)は、Axometrics(アクソメトリクス)社製のAxoScanを用いて測定した値である。特に言及のないときは、測定波長は550nmとする。
ただし、本明細書において、本発明のプロジェクター用反射部材を構成する位相差層の面内レタデーションReは、位相差層を構成する液晶化合物の分子軸と直交する方向から光を入射して測定した面内レタデーションReである。
本明細書において、「投映像(projection image)」は、前方などの周囲の風景ではない、使用するプロジェクターからの光の投射に基づく映像を意味する。投映像は、観察者から見てウインドシールドガラスの投映像表示部位の先に浮かび上がって見える虚像として観測される。
本明細書において、「画像(screen image)」はプロジェクターの描画デバイスに表示される像または、描画デバイスにより中間像スクリーン等に描画される像を意味する。虚像に対して、画像は実像である。
本明細書において、「可視光線透過率」はJIS R 3212:2015(自動車用安全ガラス試験方法)において定められたA光源可視光線透過率とする。すなわちA光源を用い分光光度計にて、380〜780nmの範囲の各波長の透過率を測定し、CIE(国際照明委員会)の明順応標準比視感度の波長分布および波長間隔から得られる重価係数を各波長での透過率に乗じて加重平均することによって求められる透過率である。
また、本明細書において、液晶組成物、液晶化合物とは、硬化等により、もはや液晶性を示さなくなったものも概念として含まれる。
本発明のプロジェクター用反射部材は、主にHUD用のプロジェクターに反射に組み込まれる反射部材である。また、本発明のHUD用プロジェクターは、自動車および電車などの車両、航空機、ならびに、船舶等に搭載されるHUDに用いられるプロジェクターで、本発明のプロジェクター用反射部材を組み込んだHUD用プロジェクターである。
図1に、本発明のHUD用プロジェクターの一例を概念的に示す。
図1に示す本発明のHUD用プロジェクター10は、画像形成部12と、中間像スクリーン14と、反射部材16と、凹面ミラー18と、を有して構成される。反射部材16は、本発明のプロジェクター用反射部材である。
以下の説明では、HUD用プロジェクターを、単にプロジェクターともいう。
図1に示すHUDでは、プロジェクター10が投映した投映光は、一点鎖線で示すように、ダッシュボード20に設けられた透過窓24を透過して、ウインドシールドガラス26に投映、反射され、使用者Oによって観察される。
なお、公知のHUDと同様、図示例のHUDでも、使用者Oは、ウインドシールドガラス26に投映された画像の虚像を観察している。
なお、本発明のプロジェクター10を用いるHUDは、図示例のようにウインドシールドガラス26に投映像を投映するHUD(ウインドシールドHUD)に制限はされない。すなわち、本発明のプロジェクター10を用いるHUDは、例えば、いわゆるコンバイナーに投映像を投映するHUD(コンバイナーHUD)等、各種の部材に投映像を投映する公知のHUDが、各種、利用可能である。
画像形成部12は、LCD30(Liquid Crystal Display、液晶ディスプレイ)と、投映レンズ32とを有する。
LCD30および投映レンズ32は、共に、HUD用のプロジェクターで用いられる公知の物である。画像形成部12は、LCD30が表示した画像を、投映レンズ32によって中間像スクリーン14に投映する。
プロジェクター10では、中間像スクリーン14によって実像化し、この実像を反射部材16および凹面ミラー18によって所定の光路に反射する。この反射光は、上述のように、ダッシュボード20に設けられた透過窓24を透過して、ウインドシールドガラス26に投映され、使用者Oによって観察される(一点鎖線参照)。
ここで、LCD30は、通常のHUDのプロジェクターに用いられるLCDと同様、s偏光の画像(投映像)を表示するものである。
なお、LCD30が、直線偏光の投映光を表示するものでは無い場合には、例えば、LCD30と投映レンズ32との間、または、投映レンズ32と後述する中間像スクリーン14との間に、LCD30からの投映光をs偏光にする偏光板を設ける。この点に関しては、他の画像形成手段を用いた場合も、同様である。
偏光板としては、一例として、屈折率異方性の異なる薄膜を積層した偏光板が挙げられる。屈折率異方性の異なる薄膜を積層した偏光板としては、例えば特表平9−506837号公報などに記載されたものを用いることができる。具体的には、屈折率関係を得るために選ばれた条件下で加工すると、広く様々な材料を用いて、偏光板を形成できる。
一般に、第1の材料の一つが、選ばれた方向において、第2の材料とは異なる屈折率を有することが必要である。この屈折率の違いは、フィルムの形成中、またはフィルムの形成後の延伸、押出成形、或いはコーティングを含む様々な方法で達成できる。さらに、2つの材料が同時押出することができるように、類似のレオロジー特性(例えば、溶融粘度)を有することが好ましい。
屈折率異方性の異なる薄膜を積層した偏光板は、市販品を用いてもよい。市販品としては、反射型偏光板と仮支持体との積層体となっているものを用いてもよい。市販品としては、例えば、DBEF(3M社製)、および、APF(高度偏光フィルム(Advanced Polarizing Film(3M社製))等が挙げられる。
また、偏光板は、ヨウ素化合物を含む吸収型偏光板、および、ワイヤーグリッドなどの反射型偏光板等の一般的な直線偏光板も利用可能である。
なお、本発明のプロジェクターにおいて、画像形成部12は、LCD30を用いるものに制限はされず、HUDのプロジェクターで用いられている公知の画像形成手段が、各種、利用可能である。
一例として、蛍光表示管、液晶を利用するLCOS(Liquid Crystal on Silicon)、有機エレクトロルミネッセンス(有機EL)ディスプレイ、ならびに、DMD(Digital Micromirror Device)を用いるDLP(Digital Light Processing)等、HUDのプロジェクター(イメージャー)で利用されている公知の画像形成手段が、各種、利用可能である。これらの画像形成手段では、LCD30と同様、投映レンズによって、投映像が中間像スクリーン14に投映される。
また、画像形成部12の画像形成手段としては、光源から、形成画像に応じて変調した光ビームを照射して、必用に応じてR光、G光およびB光を合光した後、光ビームをs偏光にして、光偏向器によって二次元的に走査することで投映像を形成する、光ビーム走査(光ビームスキャン)による画像形手段も利用可能である。
なお、投映する画像に応じた光ビームの変調は、光源を直接変調しても、外部の光変調器を用いて行ってもよい。
光源としては、LED(Light Emitting Diode、発光ダイオード、有機発光ダイオード(OLED(Organic Light Emitting Diode)を含む)、放電管、および、レーザー光源等が例示される。
二次元的な光偏向器としては、ガルバノミラー(ガルバノメーターミラー)、ガルバノミラーとポリゴンミラーとの組み合わせ、および、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems、微小電子機械システム)等が例示される。中でも、MEMSは、好適に利用される。走査方法には制限はなく、ランダムスキャンおよびラスタースキャン等の公知の光ビームの走査方法が利用可能である。中でも、ラスタースキャンは好適に例示される。
画像形成部12から出射された投映光は、次いで、中間像スクリーン14によって実像化(可視像化)される。
中間像スクリーン14には、制限はなく、HUDのプロジェクターにおいて、投映像を実像化する公知の中間像スクリーンが、各種、利用可能である。
中間像スクリーン14としては、散乱膜、マイクロレンズアレイ、および、リアプロジェクション用のスクリーン等が例示される。中間像スクリーン14としてプラスチック材料を用いる場合などにおいて、中間像スクリーン14が複屈折性を有すると、中間像スクリーン14に入射した偏光の偏光面および光強度が乱され、その結果、投映像に色ムラ等が生じやすくなるが、所定の位相差を有する位相差層を用いることにより、この色ムラの問題が低減できる。
中間像スクリーン14は、入射した投映光を広げて透過させる機能を有するものが好ましい。投映像の拡大表示が可能となるからである。
このような中間像スクリーンとしては、一例として、マイクロレンズアレイで構成される中間像スクリーンが例示される。HUDで用いられるマイクロアレイレンズについては、例えば、特開2012−226303号公報、特開2010−145745号公報、および、特表2007−523369号公報等に記載がある。
中間像スクリーン14で実像化された投映光は、上述のように、反射部材16および凹面ミラー18によって、所定の光路に反射され、ダッシュボード20に設けられた透過窓24を透過して、ウインドシールドガラス26に投映され、使用者Oによって観察される(一点鎖線参照)。
反射部材16は、本発明のプロジェクター用反射部材である。反射部材16に関しては、後に詳述する。
一方、凹面ミラー18は、投映光を拡大投映する、HUDのプロジェクターに用いられる、公知の凹面ミラー(凹面鏡)である。
なお、図示例のプロジェクター10は、投映光の光路を変更する部材として、反射部材16および凹面ミラー18を用いているが、本発明は、これに制限はされない。
すなわち、本発明のプロジェクターは、凹面ミラー18を有さず、投映光の光路を変更する部材として反射部材16のみを有するものであってもよく、または、反射部材16および凹面ミラー18に加え、他の光反射素子を、1以上、有してもよい。
光反射素子としては、凹面ミラーおよび通常のミラーに加え、自由曲面ミラー等も利用可能である。すなわち、本発明のプロジェクターは、本発明における反射部材を有するものであれば、各種の光反射素子を用いた構成が利用可能である。
上述のように、反射部材16は、本発明のプロジェクター用反射部材である。
反射部材16は、コールドミラーとしての作用も有するもので、可視光(赤色光、緑色光および青色光)を反射して、赤外線を透過する。
車載用等のHUDでは、図1に二点鎖線で示すように、太陽光などの外光がウインドシールドガラス26および透過窓24を透過してプロジェクター10に入射してしまい、一点鎖線で示す投映光の光路を逆に進行して、中間像スクリーン14、投映レンズ32およびLCD30に入射してしまう場合がある。このような太陽光は、これらの部材を加熱してしまい、熱に弱い部材が劣化してしまう。
ここで、これらの部材を加熱するのは、主に、太陽光に含まれる赤外線である。従って、反射部材16が、可視光を反射して、赤外線を透過するコールドミラーとしての機能を有することで、プロジェクター10に侵入した太陽光の赤外線は、破線で示すように、反射部材16を透過する。従って、太陽光の赤外線が中間像スクリーン14、投映レンズ32およびLCD30に入射して、これらの部材が熱によって損傷することを防止できる。
また、反射部材16の選択反射層を、後述するコレステリック液晶層とすることにより、太陽光に含まれる可視光も、半分、反射部材16を透過するので、より好適に、中間像スクリーン14、投映レンズ32およびLCD30の熱による損傷を防止できる。
図2に、反射部材16の一例を概念的に示す。
図2に示すように、反射部材16は、基板40と、接着層42と、選択反射層46と、位相差層48とを有する。
本発明のプロジェクター10において、反射部材16は、位相差層48を、選択反射層46よりも投映光の入射側にして配置される。すなわち、図1においては、位相差層48が選択反射層46よりも図中上側になる。
後述するが、反射部材16に入射した投映光は、位相差層48によってs偏光が円偏光に変換され、選択反射層46によって反射され、位相差層48によって円偏光がp偏光に変換され、p偏光の投映光が凹面ミラー18に向かって反射される。p偏光の投映光は、凹面ミラー18によって反射されて、透過窓24を透過して、後述するウインドシールドガラス26のp偏光を反射するハーフミラーフィルム60によって反射され、投映像が使用者Oによって観察される。
<基板>
基板40は、選択反射層46および位相差層48を支持するためのものである。
基板40には、制限はなく、これらの層を支持可能な板状物(シート状物、フィルム)が、各種、利用可能である。一例として、各種の板ガラス、ポリエチレンテレフタレート(PET)、トリアセチルセルロース(TAC)、アクリル樹脂(PMMA(Polymethyl methacrylate)等)、および、シクロオレフィンポリマー(COP)等の樹脂材料からなる樹脂フィルム、ならびに、アクリル板等が例示される。
基板40の厚さには、制限はなく、基板40の形成材料に応じて、選択反射層46および位相差層48を支持できる厚さを、適宜、設定すれば良い。
なお、本発明において、反射部材16の基板40は、必須の構成要件ではない。
従って、本発明の反射部材は、基板40を仮支持体として図2に示す反射部材16を作製した後、基板40を剥離して、選択反射層46と位相差層48のみで構成してもよい。
<接着層>
接着層42は、基板40と選択反射層46とを接着するためのものである。
接着層42は接着剤から形成されるものであればよい。
接着剤としては硬化方式の観点からホットメルトタイプ、熱硬化タイプ、光硬化タイプ、反応硬化タイプ、硬化の不要な感圧接着タイプがあり、それぞれ素材としてアクリレート系、ウレタン系、ウレタンアクリレート系、エポキシ系、エポキシアクリレート系、ポリオレフィン系、変性オレフィン系、ポリプロピレン系、エチレンビニルアルコール系、塩化ビニル系、クロロプレンゴム系、シアノアクリレート系、ポリアミド系、ポリイミド系、ポリスチレン系、および、ポリビニルブチラール系などの化合物を使用することができる。作業性および生産性の観点からは、硬化方式として光硬化タイプが好ましい。また、光学的な透明性および耐熱性の観点からは、素材はアクリレート系、ウレタンアクリレート系、および、エポキシアクリレート系等が好ましい。
接着層42は、高透明性接着剤転写テープ(OCA(Optical Clear Adhesive)テープ)を用いて形成されたものであってもよい。高透明性接着剤転写テープとしては、画像表示装置用の市販品、特に画像表示装置の画像表示部表面用の市販品を用いればよい。市販品の例としては、パナック社製の粘着シート(PD−S1など)、および、日栄化工社製のMHMシリーズの粘着シートなどが挙げられる。
接着層42の厚さには、制限はない。接着層の厚さは、0.5〜10μmが好ましく、1.0〜5.0μmがより好ましい。また、OCAテープを用いて形成された接着層42の厚さは、10μm〜50μmであってもよく、15μm〜30μmが好ましい。
<選択反射層>
選択反射層46は、波長選択的に光を反射する層である。具体的には、選択反射層46は、特定の波長域の選択的に反射する層である。
図示例において、選択反射層46は、可視光の波長域の光を選択的に反射し、それ以外の赤外線等を透過する。
選択反射層46は偏光反射層であるのが好ましい。偏光反射層は、直線偏光、円偏光、または楕円偏光を反射する層である。
偏光反射層は、円偏光反射層または直線偏光反射層であるのが好ましい。円偏光反射層は、選択的な反射波長域において、いずれか一方のセンス(旋回方向)の円偏光を反射し、かつ他方を透過する層である。また、直線偏光反射層は、選択反射の中心波長において、1つの偏光方向の直線偏光を反射し、反射する偏光方向に直交する偏光方向の直線偏光を透過する層である。
偏光反射層は反射しない偏光を透過させることができる。従って、偏光反射層を用いることで、選択反射層46が反射を示す波長域においても、一部の光を透過させることができる。
選択反射層46は、円偏光反射層であるのが好ましく、特に、コレステリック液晶相を固定してなるコレステリック液晶層であるのが好ましい。
図2に示す反射部材16の選択反射層46は、好ましい一例として、入射角が45°の場合において、赤色光の波長域に選択反射中心波長を有する赤色反射コレステリック液晶層46R、緑色光の波長域に選択反射中心波長を有する緑色反射コレステリック液晶層46G、および、青色光の波長域に選択反射中心波長を有する青色反射コレステリック液晶層46Bを有する。
なお、図示例の反射部材16は、赤色光、緑色光および青色光を反射するフルカラーの投映像に対応するものであるが、本発明は、これに制限はされない。
すなわち、本発明において、反射部材の選択反射層46は、赤色反射コレステリック液晶層46Rおよび緑色反射コレステリック液晶層46Gのみを有する、または、赤色反射コレステリック液晶層46Rおよび青色反射コレステリック液晶層46Bのみを有する、または、緑色反射コレステリック液晶層46Gおよび青色反射コレステリック液晶層46Bのみを有する、2色の投映像に対応するものでもよい。または、選択反射層46は、赤色反射コレステリック液晶層46R、緑色反射コレステリック液晶層46G、および、青色反射コレステリック液晶層46Bのうちの、1層のみを有するものでもよい。
すなわち、画像形成部12が投映する投映光がフルカラー画像である場合には、選択反射層46も青色光、緑色光および赤色光を、全て反射するように構成される。画像形成部12が投映する投映光が2色画像である場合には、選択反射層46も同じ色の2色を反射するように構成される。画像形成部12が投映する投映光がモノクロ画像である場合には、選択反射層46も同じ色を反射するように構成される。
[コレステリック液晶層(円偏光反射層)]
コレステリック液晶層は、コレステリック液晶相を固定してなる層を意味する。
コレステリック液晶層は、コレステリック液晶相となっている液晶化合物の配向が保持されている層であればよい。コレステリック液晶層は、典型的には、重合性液晶化合物をコレステリック液晶相の配向状態としたうえで、紫外線照射および加熱等によって重合、硬化し、流動性が無い層を形成して、同時に、また外場または外力によって配向形態に変化を生じさせることがない状態に変化した層であればよい。なお、コレステリック液晶層においては、コレステリック液晶相の光学的性質が層中において保持されていれば十分であり、層中の液晶化合物は、もはや液晶性を示していなくてもよい。例えば、重合性液晶化合物は、硬化反応により高分子量化して、もはや液晶性を失っていてもよい。
コレステリック液晶相は、右円偏光または左円偏光のいずれか一方のセンスの円偏光を選択的に反射させると共に、他方のセンスの円偏光を透過する円偏光選択反射を示すことが知られている。
円偏光選択反射性を示すコレステリック液晶相を固定した層を含むフィルムとして、重合性液晶化合物を含む組成物から形成されたフィルムは従来から数多く知られており、コレステリック液晶層については、それらの従来技術を参照することができる。
コレステリック液晶層による選択反射の中心波長(選択反射中心波長)λは、コレステリック液晶相における螺旋構造(螺旋配向構造)の螺旋ピッチP(=螺旋の周期)に依存し、コレステリック液晶層の平均屈折率nとλ=n×Pの関係に従う。この式からわかるように、n値および/またはP値を調整することにより、選択反射中心波長を調整することができる。
螺旋構造の螺旋ピッチP(螺旋1ピッチ)とは、言い換えれば、螺旋の巻き数1回分の螺旋軸方向の長さである。すなわち、螺旋ピッチPは、コレステリック液晶相を構成する液晶化合物のダイレクター(棒状液晶であれば長軸方向)が360°回転する螺旋軸方向の長さである。通常のコレステリック液晶層の螺旋軸方向は、コレステリック液晶層の厚さ方向と一致する。
また、コレステリック液晶層の断面を走査型電子顕微鏡(SEM(Scanning Electron Microscope))で観察すると、コレステリック液晶相に由来して、厚さ方向に明線(明部)と暗線(暗部)とを交互に有する縞模様が観察される。
コレステリック液晶層の螺旋ピッチPは、明線間の距離の2倍となる。言い替えれば、コレステリック液晶層の螺旋ピッチPは、厚さ方向の明線3本および暗線2本分の長さ、すなわち、厚さ方向の暗線3本および明線2本分の長さに等しい。なお、この長さは、厚さ方向の上下の明線または暗線の中心間距離である。
コレステリック液晶層の選択反射中心波長および半値幅(半値全幅)は、一例として、下記のように求めることができる。
分光光度計(日本分光社製、V−670)を用いて、法線方向からコレステリック液晶層の反射スペクトルを測定すると、選択反射帯域に透過率の低下ピークがみられる。このピークの極小透過率と低下前の透過率との中間(平均)の透過率となる2つの波長のうち、短波長側の波長の値をλl(nm)、長波長側の波長の値をλh(nm)とすると、選択反射中心波長λと半値幅Δλは下記式で表すことができる。
λ=(λl+λh)/2Δλ=(λh−λl
上述のように求められる選択反射中心波長は、コレステリック液晶層の法線方向から測定した円偏光反射スペクトルの反射ピークの重心位置にある波長と略一致する。
コレステリック液晶相の螺旋ピッチは、重合性液晶化合物とともに用いるキラル剤の種類、および、その添加濃度に依存するため、これらを調整することによって所望のピッチを得ることができる。なお、螺旋のセンスおよびピッチの測定法については「液晶化学実験入門」日本液晶学会編 シグマ出版2007年出版、46頁、および「液晶便覧」液晶便覧編集委員会 丸善 196頁に記載の方法を用いることができる。
また、反射部材において、コレステリック液晶層は、投映光の入射側から見て、選択反射の中心波長が短いものから順に配置されていることが好ましい。
各コレステリック液晶層としては、螺旋のセンスが右または左のいずれかであるコレステリック液晶層が用いられる。コレステリック液晶層が反射する円偏光のセンス(円偏光の旋回方向)は、螺旋のセンスに一致する。
なお、選択反射中心波長が異なる複数層のコレステリック液晶層は、螺旋のセンスは、すなわち反射する円偏光の旋回方向は、全て同じであるのが好ましい。
選択反射を示す選択反射帯の半値幅Δλ(nm)は、液晶化合物の複屈折Δnと上述のピッチPに依存し、Δλ=Δn×Pの関係に従う。そのため、選択反射帯の幅の制御は、Δnを調整して行うことができる。Δnの調整は重合性液晶化合物の種類または混合比率を調整したり、配向固定時の温度を制御したりすることで行うことができる。
選択反射の中心波長が同一の1種のコレステリック液晶層の形成のために、ピッチPが同じで、同じ螺旋のセンスのコレステリック液晶層を複数積層してもよい。ピッチPが同じで、同じ螺旋のセンスのコレステリック液晶層を積層することによって、特定の波長で円偏光選択性を高くすることができる。
選択反射層46を構成する複数のコレステリック液晶層は、別に作製したコレステリック液晶層を接着剤等を用いて積層してもよく、あるいは、後述する方法で形成された先のコレステリック液晶層の表面に、直接、重合性液晶化合物等を含む液晶組成物(塗布液)を塗布し、配向および固定の工程を繰り返してもよいが、後者が好ましい。
先に形成されたコレステリック液晶層の表面に直接次のコレステリック液晶層を形成することにより、先に形成したコレステリック液晶層の空気界面側の液晶分子の配向方位と、その上に形成するコレステリック液晶層の下側の液晶分子の配向方位が一致し、コレステリック液晶層の積層体の偏光特性が良好となるからである。また、接着層の厚さムラに由来して生じ得る干渉ムラが観測されないからである。
コレステリック液晶層の厚さは、0.2〜10μmが好ましく、0.3〜8.0μmがより好ましく、0.5〜6.0μmがさらに好ましい。
また、コレステリック液晶層の厚さの総計は、1.0〜30μmが好ましく、2.5〜25μmがより好ましく、3.0〜20μmがさらに好ましい。
(コレステリック液晶層の作製方法)
以下、コレステリック液晶層の作製材料および作製方法について説明する。
上述のコレステリック液晶層の形成に用いる材料としては、重合性液晶化合物とキラル剤(光学活性化合物)とを含む液晶組成物等が挙げられる。必要に応じて、さらに、界面活性剤および重合開始剤等と混合して溶剤等に溶解した上述の液晶組成物を、支持体、配向膜、下層となるコレステリック液晶層等に塗布し、コレステリック配向熟成後、液晶組成物の硬化により固定化してコレステリック液晶層を形成することができる。
(重合性液晶化合物)
重合性液晶化合物は、棒状液晶化合物であっても、円盤状液晶化合物であってもよいが、棒状液晶化合物であることが好ましい。
コレステリック液晶層を形成する棒状の重合性液晶化合物の例としては、棒状ネマチック液晶化合物が挙げられる。棒状ネマチック液晶化合物としては、アゾメチン類、アゾキシ類、シアノビフェニル類、シアノフェニルエステル類、安息香酸エステル類、シクロヘキサンカルボン酸フェニルエステル類、シアノフェニルシクロヘキサン類、シアノ置換フェニルピリミジン類、アルコキシ置換フェニルピリミジン類、フェニルジオキサン類、トラン類、および、アルケニルシクロヘキシルベンゾニトリル類が好ましく用いられる。低分子液晶化合物だけではなく、高分子液晶化合物も用いることができる。
重合性液晶化合物は、重合性基を液晶化合物に導入することで得られる。重合性基の例には、不飽和重合性基、エポキシ基、および、アジリジニル基が含まれ、不飽和重合性基が好ましく、エチレン性不飽和重合性基が特に好ましい。重合性基は種々の方法で、液晶化合物の分子中に導入できる。重合性液晶化合物が有する重合性基の個数は、好ましくは一分子中に1〜6個、より好ましくは1〜3個である。
重合性液晶化合物の例は、Makromol.Chem.,190巻、2255頁(1989年)、Advanced Materials 5巻、107頁(1993年)、米国特許第4683327号明細書、米国特許第5622648号明細書、米国特許第5770107号明細書、WO95/22586、WO95/24455、WO97/00600、WO98/23580、WO98/52905、特開平1−272551号公報、特開平6−16616号公報、特開平7−110469号公報、特開平11−80081号公報、および、特開2001−328973号公報等に記載の化合物が含まれる。2種類以上の重合性液晶化合物を併用してもよい。2種類以上の重合性液晶化合物を併用すると、配向温度を低下させることができる。
また、液晶組成物中の重合性液晶化合物の添加量は、液晶組成物の固形分質量(溶媒を除いた質量)に対して、80〜99.9質量%が好ましく、85〜99.5質量%がより好ましく、90〜99質量%が特に好ましい。
可視光透過率を向上させるためには、コレステリック液晶層は低Δnであってもよい。低Δnのコレステリック液晶層は、低Δn重合性液晶化合物を用いて形成することができる。以下、低Δn重合性液晶化合物について具体的に説明する。
(低Δn重合性液晶化合物)
低Δn重合性液晶化合物を利用してコレステリック液晶相を形成し、これを固定したフィルムとすることにより、狭帯域選択反射層を得ることができる。低Δn重合性液晶化合物の例としては、WO2015/115390、WO2015/147243、WO2016/035873、特開2015−163596号公報、特開2016−53149号公報に記載の化合物が挙げられる。半値幅の小さい選択反射層を与える液晶組成物については、WO2016/047648の記載も参照できる。
液晶化合物は、WO2016/047648に記載の以下の式(I)で表される重合性化合物であることも好ましい。
Figure 2021056321
式(I)中、Aは、置換基を有していてもよいフェニレン基または置換基を有していてもよいトランス−1,4−シクロヘキシレン基を示し、Lは単結合、−CH2O−、−OCH2−、−(CH22OC(=O)−、−C(=O)O(CH22−、−C(=O)O−、−OC(=O)−、−OC(=O)O−、−CH=CH−C(=O)O−、および−OC(=O)−CH=CH−からなる群から選択される連結基を示し、mは3〜12の整数を示し、Sp1およびSp2はそれぞれ独立に、単結合、炭素数1から20の直鎖もしくは分岐のアルキレン基、および炭素数1から20の直鎖もしくは分岐のアルキレン基において1つまたは2つ以上の−CH2−が−O−、−S−、−NH−、−N(CH3)−、−C(=O)−、−OC(=O)−、または−C(=O)O−で置換された基からなる群から選択される連結基を示し、Q1およびQ2はそれぞれ独立に、水素原子または以下の式Q−1〜式Q−5で表される基からなる群から選択される重合性基を示し、ただしQ1およびQ2のいずれか一方は重合性基を示す。
Figure 2021056321
式(I)中の、フェニレン基は1,4−フェニレン基であることが好ましい。
フェニレン基およびトランス−1,4−シクロヘキシレン基について「置換基を有していてもよい」というときの置換基は、特に限定されず、例えば、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アルキルエーテル基、アミド基、アミノ基、およびハロゲン原子ならびに、上述の置換基を2つ以上組み合わせて構成される基からなる群から選択される置換基が挙げられる。また、置換基の例としては、後述の−C(=O)−X3−Sp3−Q3で表される置換基が挙げられる。フェニレン基およびトランス−1,4−シクロヘキシレン基は、置換基を1〜4個有していてもよい。2個以上の置換基を有するとき、2個以上の置換基は互いに同一であっても異なっていてもよい。
アルキル基は直鎖状および分岐鎖状のいずれでもよい。アルキル基の炭素数は1〜30が好ましく、1〜10がより好ましく、1〜6がさらに好ましい。アルキル基の例としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、1,1−ジメチルプロピル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基、直鎖状または分岐鎖状のヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、またはドデシル基を挙げることができる。アルキル基に関する上述の説明はアルキル基を含むアルコキシ基においても同様である。また、アルキレン基というときのアルキレン基の具体例としては、上述のアルキル基の例それぞれにおいて、任意の水素原子を1つ除いて得られる2価の基等が挙げられる。ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、およびヨウ素原子が挙げられる。
シクロアルキル基の炭素数は、3〜20が好ましく、5以上がより好ましく、また、10以下が好ましく、8以下がより好ましく、6以下がさらに好ましい。シクロアルキル基の例としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基を挙げることができる。
フェニレン基およびトランス−1,4−シクロヘキシレン基が有していてもよい置換基としては特に、アルキル基、およびアルコキシ基、−C(=O)−X3−Sp3−Q3からなる群から選択される置換基が好ましい。ここで、X3は単結合、−O−、−S−、もしくは−N(Sp4−Q4)−を示すか、または、Q3およびSp3と共に環構造を形成している窒素原子を示す。Sp3、Sp4はそれぞれ独立に、単結合、炭素数1から20の直鎖もしくは分岐のアルキレン基、および炭素数1から20の直鎖もしくは分岐のアルキレン基において1つまたは2つ以上の−CH2−が−O−、−S−、−NH−、−N(CH3)−、−C(=O)−、−OC(=O)−、または−C(=O)O−で置換された基からなる群から選択される連結基を示す。
3およびQ4はそれぞれ独立に、水素原子、シクロアルキル基、シクロアルキル基において1つもしくは2つ以上の−CH2−が−O−、−S−、−NH−、−N(CH3)−、−C(=O)−、−OC(=O)−、もしくは−C(=O)O−で置換された基、または式Q−1〜式Q−5で表される基からなる群から選択されるいずれかの重合性基を示す。
シクロアルキル基において1つまたは2つ以上の−CH2−が−O−、−S−、−NH−、−N(CH3)−、−C(=O)−、−OC(=O)−、または−C(=O)O−で置換された基として、具体的には、テトラヒドロフラニル基、ピロリジニル基、イミダゾリジニル基、ピラゾリジニル基、ピペリジル基、ピペラジニル基、および、モルホルニル基等が挙げられる。置換位置は特に限定されない。これらのうち、テトラヒドロフラニル基が好ましく、特に2−テトラヒドロフラニル基が好ましい。
式(I)において、Lは単結合、−CH2O−、−OCH2-、−(CH22OC(=O)−、−C(=O)O(CH22−、−C(=O)O−、−OC(=O)−、−OC(=O)O−、−CH=CH−C(=O)O−、および、−OC(=O)−CH=CH−からなる群から選択される連結基を示す。Lは−C(=O)O−または−OC(=O)−であることが好ましい。m−1個のLは互いに同一でも異なっていてもよい。
Sp1、Sp2はそれぞれ独立に、単結合、炭素数1から20の直鎖もしくは分岐のアルキレン基、および炭素数1から20の直鎖もしくは分岐のアルキレン基において1つまたは2つ以上の−CH2−が−O−、−S−、−NH−、−N(CH3)−、−C(=O)−、−OC(=O)−、または−C(=O)O−で置換された基からなる群から選択される連結基を示す。Sp1およびSp2はそれぞれ独立に、両末端にそれぞれ−O−、−OC(=O)−、および−C(=O)O−からなる群から選択される連結基が結合した炭素数1から10の直鎖のアルキレン基、−OC(=O)−、−C(=O)O−、−O−、および炭素数1から10の直鎖のアルキレン基からなる群から選択される基を1または2以上組み合わせて構成される連結基であることが好ましく、両方の末端に−O−がそれぞれ結合した炭素数1から10の直鎖のアルキレン基であることが好ましい。
1およびQ2はそれぞれ独立に、水素原子、もしくは上述の式Q−1〜式Q−5で表される基からなる群から選択される重合性基を示し、ただしQ1およびQ2のいずれか一方は重合性基を示す。
重合性基としては、アクリロイル基(式Q−1)またはメタクリロイル基(式Q−2)が好ましい。
式(I)中、mは、3〜12の整数を示す。mは、3〜9の整数が好ましく、3〜7の整数がより好ましく、3〜5の整数がさらに好ましい。
式(I)で表される重合性化合物は、Aとして置換基を有していてもよいフェニレン基を少なくとも1つおよび置換基を有していてもよいトランス−1,4−シクロヘキシレン基を少なくとも1つ含むことが好ましい。式(I)で表される重合性化合物は、Aとして、置換基を有していてもよいトランス−1,4−シクロヘキシレン基を1〜4個含むことが好ましく、1〜3個含むことがより好ましく、2または3個含むことがさらに好ましい。また、式(I)で表される重合性化合物は、Aとして、置換基を有していてもよいフェニレン基を1個以上含むことが好ましく、1〜4個含むことがより好ましく、1〜3個含むことがさらに好ましく、2個または3個含むことが特に好ましい。
式(I)において、Aで表されるトランス−1,4−シクロヘキシレン基の数をmで割った数をmcとしたとき、0.1<mc<0.9が好ましく、0.3<mc<0.8がより好ましく、0.5<mc<0.7がさらに好ましい。液晶組成物が0.5<mc<0.7である式(I)で表される重合性化合物とともに、0.1<mc<0.3である式(I)で表される重合性化合物を含むことも好ましい。
式(I)で表される重合性化合物の例として具体的には、WO2016/047648の段落0051〜0058に記載の化合物のほか、特開2013−112631号公報、特開2010−70543号公報、特許4725516号、WO2015/115390、WO2015/147243、WO2016/035873、特開2015−163596号公報、および、特開2016−53149号公報に記載の化合物等を挙げることができる。
(キラル剤:光学活性化合物)
キラル剤はコレステリック液晶相の螺旋構造を誘起する機能を有する。キラル化合物は、化合物によって誘起する螺旋のセンスまたは螺旋ピッチが異なるため、目的に応じて選択すればよい。
キラル剤としては、特に制限はなく、公知の化合物を用いることができる。キラル剤の例としては、液晶デバイスハンドブック(第3章4−3項、TN、STN用カイラル剤、199頁、日本学術振興会第142委員会編、1989)、特開2003−287623号、特開2002−302487号、特開2002−80478号、特開2002−80851号、特開2010−181852号、および、特開2014−034581号等の各公報に記載の化合物が挙げられる。
キラル剤は、一般に不斉炭素原子を含むが、不斉炭素原子を含まない軸性不斉化合物あるいは面性不斉化合物も、キラル剤として用いることができる。軸性不斉化合物または面性不斉化合物の例には、ビナフチル、ヘリセン、パラシクロファン、および、これらの誘導体が含まれる。
キラル剤は、重合性基を有していてもよい。キラル剤と液晶化合物とがいずれも重合性基を有する場合は、重合性キラル剤と重合性液晶化合物との重合反応により、重合性液晶化合物から誘導される繰り返し単位と、キラル剤から誘導される繰り返し単位とを有するポリマーを形成することができる。この態様では、重合性キラル剤が有する重合性基は、重合性液晶化合物が有する重合性基と、同種の基であることが好ましい。従って、キラル剤の重合性基も、不飽和重合性基、エポキシ基またはアジリジニル基であることが好ましく、不飽和重合性基であることがさらに好ましく、エチレン性不飽和重合性基であることが特に好ましい。
また、キラル剤は、液晶化合物であってもよい。
キラル剤としては、イソソルビド誘導体、イソマンニド誘導体、および、ビナフチル誘導体等を好ましく用いることができる。イソソルビド誘導体としては、BASF社製のLC756等の市販品を用いてもよい。
液晶組成物における、キラル剤の含有量は、重合性液晶化合物量の0.01〜200モル%が好ましく、1〜30モル%がより好ましい。なお、液晶組成物中におけるキラル剤の含有量は、組成物中の全固形分に対するキラル剤の濃度(質量%)を意図する。
(重合開始剤)
液晶組成物は、重合開始剤を含有していることが好ましい。紫外線照射により重合反応を進行させる態様では、使用する重合開始剤は、紫外線照射によって重合反応を開始可能な光重合開始剤であることが好ましい。
光重合開始剤の例には、α−カルボニル化合物(米国特許第2367661号、米国特許第2367670号の各明細書記載)、アシロインエーテル(米国特許第2448828号明細書記載)、α−炭化水素置換芳香族アシロイン化合物(米国特許第2722512号明細書記載)、多核キノン化合物(米国特許第3046127号、米国特許第2951758号の各明細書記載)、トリアリールイミダゾールダイマーとp−アミノフェニルケトンとの組み合わせ(米国特許第3549367号明細書記載)、アクリジンおよびフェナジン化合物(特開昭60−105667号公報、米国特許第4239850号明細書記載)、アシルフォスフィンオキシド化合物(特公昭63−40799号公報、特公平5−29234号公報、特開平10−95788号公報、特開平10−29997号公報、特開2001−233842号公報、特開2000−80068号公報、特開2006−342166号公報、特開2013−114249号公報、特開2014−137466号公報、特許4223071号公報、特開2010−262028号公報、特表2014−500852号公報記載)、オキシム化合物(特開2000−66385号公報、特許第4454067号公報記載)、および、オキサジアゾール化合物(米国特許第4212970号明細書記載)等が挙げられる。例えば、特開2012−208494号公報の段落0500〜0547の記載も参酌できる。
重合開始剤としては、アシルフォスフィンオキシド化合物またはオキシム化合物を用いることも好ましい。
アシルフォスフィンオキシド化合物としては、例えば、市販品のBASFジャパン(株)製のIRGACURE810(化合物名:ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド)を用いることができる。オキシム化合物としては、IRGACURE OXE01(BASF社製)、IRGACURE OXE02(BASF社製)、TR−PBG−304(常州強力電子新材料有限公司製)、アデカアークルズNCI−831、アデカアークルズNCI−930(ADEKA社製)、アデカアークルズNCI−831(ADEKA社製)等の市販品を用いることができる。
重合開始剤は、1種のみ用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
液晶組成物中の光重合開始剤の含有量は、重合性液晶化合物の含有量に対して0.1〜20質量%が好ましく、0.5〜5質量%がより好ましい。
(架橋剤)
液晶組成物は、硬化後の膜強度向上、耐久性向上のため、任意に架橋剤を含有していてもよい。架橋剤としては、紫外線、熱、湿気等で硬化するものが好適に使用できる。
架橋剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。架橋剤としては、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート等の多官能アクリレート化合物;グリシジル(メタ)アクリレート、エチレングリコールジグリシジルエーテル等のエポキシ化合物;2,2−ビスヒドロキシメチルブタノール−トリス[3−(1−アジリジニル)プロピオネート]、4,4−ビス(エチレンイミノカルボニルアミノ)ジフェニルメタン等のアジリジン化合物;ヘキサメチレンジイソシアネート、ビウレット型イソシアネート等のイソシアネート化合物;オキサゾリン基を側鎖に有するポリオキサゾリン化合物;ビニルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)3−アミノプロピルトリメトキシシラン等のアルコキシシラン化合物等が挙げられる。また、架橋剤の反応性に応じて公知の触媒を用いることができ、膜強度および耐久性向上に加えて生産性を向上させることができる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
架橋剤の含有量は、3〜20質量%が好ましく、5〜15質量%がより好ましい。架橋剤の含有量を3質量%以上とすることにより、架橋密度向上の効果を得ることができ、架橋剤の含有量を20質量%以下とすることにより、コレステリック液晶層の安定性の低下を防止できる。
なお、「(メタ)アクリレート」は、「アクリレートおよびメタクリレートのいずれか一方または双方」の意味で使用される。
(配向制御剤)
液晶組成物中には、安定的にまたは迅速にプレーナー配向のコレステリック液晶層とするために寄与する配向制御剤を添加してもよい。配向制御剤の例としては、特開2007−272185号公報の段落[0018]〜[0043]等に記載のフッ素(メタ)アクリレート系ポリマー、特開2012−203237号公報の段落[0031]〜[0034]等に記載の式(I)〜(IV)で表される化合物、および、特開2013−113913号公報に記載の化合物等が挙げられる。
なお、配向制御剤としては1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
液晶組成物中における、配向制御剤の添加量は、重合性液晶化合物の全質量に対して0.01〜10質量%が好ましく、0.01〜5質量%がより好ましく、0.02〜1質量%が特に好ましい。
(その他の添加剤)
その他、液晶組成物は、塗膜の表面張力を調整し厚さを均一にするための界面活性剤、および重合性モノマー等の種々の添加剤から選ばれる少なくとも1種を含有していてもよい。また、液晶組成物中には、必要に応じて、さらに重合禁止剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定化剤、色材、および、金属酸化物微粒子等を、光学性能を低下させない範囲で添加することができる。
コレステリック液晶層は、重合性液晶化合物および重合開始剤、さらに必要に応じて添加されるキラル剤、界面活性剤等を溶媒に溶解させた液晶組成物を、樹脂層、配向膜、位相差層48、または、先に作製されたコレステリック液晶層等の上に塗布し、乾燥させて塗膜を得、この塗膜に活性光線を照射してコレステリック液晶組成物を重合し、コレステリック規則性が固定化されたコレステリック液晶層を形成することができる。
なお、複数のコレステリック液晶層からなる積層膜は、コレステリック液晶層の上述の製造工程を繰り返し行うことにより形成することができる。
(溶媒)
液晶組成物の調製に使用する溶媒には、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、有機溶媒が好ましく用いられる。
有機溶媒には、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ケトン類、アルキルハライド類、アミド類、スルホキシド類、ヘテロ環化合物、炭化水素類、エステル類、および、エーテル類等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、環境への負荷を考慮した場合にはケトン類が特に好ましい。
(塗布、配向、重合)
支持体、配向膜、下層となるコレステリック液晶層等への液晶組成物の塗布方法には、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。塗布方法としては、例えば、ワイヤーバーコーティング法、カーテンコーティング法、押し出しコーティング法、ダイレクトグラビアコーティング法、リバースグラビアコーティング法、ダイコーティング法、スピンコーティング法、ディップコーティング法、スプレーコーティング法、および、スライドコーティング法等が挙げられる。また、別途支持体上に塗設した液晶組成物を転写することによっても実施できる。
塗布した液晶組成物を加熱することにより、液晶分子を配向させる。加熱温度は、200℃以下が好ましく、130℃以下がより好ましい。この配向処理により、重合性液晶化合物が、フィルム面に対して実質的に垂直な方向に螺旋軸を有するようにねじれ配向している光学薄膜が得られる。
配向させた液晶化合物をさらに重合させることにより、液晶組成物を硬化することができる。重合は、熱重合、光照射を利用する光重合のいずれでもよいが、光重合が好ましい。光照射は、紫外線を用いることが好ましい。照射エネルギーは、20mJ/cm2〜50J/cm2が好ましく、100〜1,500mJ/cm2がより好ましい。
光重合反応を促進するため、加熱条件下または窒素雰囲気下で光照射を実施してもよい。照射紫外線波長は350〜430nmが好ましい。重合反応率は安定性の観点から、高いほうが好ましく70%以上が好ましく、80%以上がより好ましい。重合反応率は、重合性の官能基の消費割合を赤外線吸収スペクトルの測定により、決定することができる。
[直線偏光反射層]
本発明のプロジェクター10を構成する反射部材16は、選択反射層として、直線偏光反射層を用いてもよい。
直線偏光反射層としては、例えば、屈折率異方性の異なる薄膜を積層した偏光板が挙げられる。このような偏光板は、コレステリック液晶層と同様に高い可視光線透過率を有し、HUDにおける使用時に斜めから入射する投映光を視感度の高い波長において反射することができる。
屈折率異方性の異なる薄膜を積層した偏光板としては、例えば、特表平9−506837号公報等に記載されたものを用いることができる。具体的には、屈折率関係を得るために選ばれた条件下で加工すると、広く様々な材料を用いて、偏光板を形成できる。一般に、第1の材料の一つが、選ばれた方向において、第2の材料とは異なる屈折率を有することが必要である。この屈折率の違いは、フィルムの形成中、またはフィルムの形成後の延伸、押出成形、或いはコーティングを含む様々な方法で達成できる。さらに、2つの材料が同時押出することができるように、類似のレオロジー特性(例えば、溶融粘度)を有することが好ましい。
屈折率異方性の異なる薄膜を積層した偏光板としては、市販品を用いることができる。市販品としては、反射型偏光板と仮支持体との積層体となっているものを用いてもよい。市販品としては、例えば、DBEF(登録商標)(3M社製)、および、APF(高度偏光フィルム(Advanced Polarizing Film(3M社製))として販売されている市販の光学フィルム等が挙げられる。
直線偏光反射層の厚さは、1.0〜50μmが好ましく、2.0〜30μmがより好ましい。
[無偏光反射層]
本発明において、反射部材の選択反射層は、可視光を波長選択的に反射するものであれば、偏光反射層ではなく、無偏光反射層でもよい。
無偏光反射層には、制限はなく、公知のものが、各種、利用可能である。例えば、誘電体多層膜等が例示される。
誘電体多層膜は、一例として、酸化チタン等の高屈折率蒸着物質と、酸化ケイ素等の低屈折蒸着物質とを積層した膜が例示される。
積層構成の無偏光反射層の1層あたりは厚さは、30〜200nmが好ましく、50〜140nmがより好ましい。無偏光反射層の合計の厚さは、0.5〜10μmが好ましく、1〜5μmがより好ましい。
本発明において、コレステリック液晶層等の選択反射層46による反射スペクトルの半値幅には制限はないが、ある程度、狭い方が好ましい。
選択反射層46は、入射角45°で入射した可視光の反射光の半値幅(半値全幅)が、70nm以下であるのが好ましく、50nm以下であるのがより好ましく、35nm以下であるのがさらに好ましい。
選択反射層46による反射光の半値幅を70nm以下とすることにより、選択反射層46(反射部材16)が、上述のように侵入した太陽光のうち、LCD30が投映した投映光の近傍以外の波長域の可視光も透過する。これにより、可視光による中間像スクリーン14、投映レンズ32およびLCD30の熱損傷を、より好適に防止できる。
なお、選択反射層46による反射光の半値幅は、分光光度計等を用いて、入射角45°で入射した光の反射光の反射輝度が最大反射輝度(極大値)の50%となる長波長側と短波長側の波長を知見し、長波長側の波長から短波長側の波長を減ずる、公知の方法で測定すればよい。
[位相差層]
図2に示すように、反射部材16は、位相差層48を有する。
反射部材16は、位相差層48を、選択反射層46よりも投映光の入射側にして配置される。また、画像形成部12は、s偏光の投映光を投映する。加えて、選択反射層46を構成するコレステリック液晶層が選択的に反射するのは、旋回方向(センス)が右または左の円偏光である。
これに対応して、位相差層48は、直線偏光を円偏光に変換して、選択反射層46が反射した円偏光を、直線偏光に変換するものである。
上述のように、位相差層48に入射するのはs偏光である。
従って、位相差層48は、s偏光を、コレステリック液晶層が反射する旋回方向の円偏光に変換する。位相差層によって変換された円偏光は、選択反射層46(コレステリック液晶層)によって反射され、再度、位相差層48に入射する。ここで、位相差層48は、円偏光を、s偏光に戻すのではなく、p偏光にする。
これにより、プロジェクター10は、p偏光の投映光を投映して、ウインドシールドガラス26に入射し、ウインドシールドガラス26は、p偏光を反射する。これにより、上述したように、s偏光を遮光する偏光サングラスを着用した運転者も、HUDの投映像を観察できる。また、二重像を防止するために、ウインドシールドガラス26を楔形にする必要も無い。
このような位相差層48は、液晶化合物からなるものであり、図2に概念的に示すように、液晶化合物の分子軸が、選択反射層46(コレステリック液晶層)の表面(主面)に対して、傾斜した配向状態で固定されている。
なお、主面とは、シート状物および層などの最大面である。また、液晶化合物の分子軸とは、棒状液晶化合物の場合には、長軸であり、円盤状液晶化合物の場合には、円盤の厚さ方向すなわちダイレクターの方向である。
液晶化合物は棒状液晶化合物であることが好ましい。位相差層48は、選択反射層46の表面に対して傾斜した液晶化合物を持つため、表側から入射する光と、裏側から入射する光の位相差が異なる性質をもつ。
このため、位相差層の棒状液晶化合物の傾斜角等を適切に設計することにより、反射部材16は、s偏光であった投映光をp偏光に変換して反射することが可能である。
位相差層48は、液晶化合物を用いて形成される。位相差層48は、いずれの液晶化合物を用いることができるが、棒状液晶化合物または円盤状液晶化合物(ディスコティック液晶化合物)2種以上の棒状液晶化合物、2種以上の円盤状液晶化合物、または棒状液晶化合物と円盤状液晶化合物との混合物を用いてもよい。上述の液晶化合物の固定化のために、重合性基を有する棒状液晶化合物または円盤状液晶化合物を用いて形成するのが好ましく、液晶化合物が1分子中に重合性基を2以上有することがさらに好ましい。液晶化合物が二種類以上の混合物の場合には、少なくとも1種類の液晶化合物が1分子中に2以上の重合性基を有していることが好ましい。
棒状液晶化合物としては、例えば、特表平11−513019号公報の請求項1や特開2005−289980号公報の段落[0026]〜[0098]に記載のものを好ましく用いることができ、円盤状液晶化合物としては、例えば、特開2007−108732号公報の段落[0020]〜[0067]や特開2010−244038号公報の段落[0013]〜[0108]に記載のものを好ましく用いることができるが、これらに限定されない。
(位相差層48および液晶化合物の分子軸の傾斜角の測定)
以下の説明では、『液晶化合物の分子軸の傾斜角』を、単に『液晶化合物の傾斜角』または『傾斜角』ともいう。
位相差層48において、位相差層48の一方の面における液晶化合物の傾斜角(位相差層の分子軸が位相差層の界面となす角度を傾斜角とする)θ1および他方の面の液晶化合物の傾斜角θ2を、直接的にかつ正確に測定することは困難である。そこで本明細書においては、傾斜角θ1および傾斜角θ2は、以下の手法で算出する。本手法は本発明の実際の状態を正確に表現していないが、光学フィルムのもつ一部の光学特性の相対関係を表す手段として有効である。
本手法では算出を容易にすべく、下記の2点を仮定し、位相差層(光学異方性層ともいう)の2つの界面における傾斜角とする。
1.位相差層48は多層体と仮定する。
2.各層のチルト角は位相差層48の厚さ方向に沿って一次関数で単調に変化すると仮定する。
具体的な算出法は下記のとおりである。
(1)各層のチルト角が位相差層48の厚さ方向に沿って一次関数で単調に変化する面内で、位相差層48への測定光の入射角を変化させ、3つ以上の測定角でリタデーション値を測定する。測定および計算を簡便にするためには、位相差層48の法線方向を0°とし、−40°、0°、+40°の3つの測定角で面内レタデーションReを測定することが好ましい。法線方向とは、主面に直交する方向である。
この測定は、KOBRA−21ADHおよびKOBRA−WR(王子計測器社)、透過型のエリプソメーターAEP−100(島津製作所社製)、M150およびM520(日本分光社製)、ならびに、ABR10A(ユニオプト社製)等の機器を用いて行うことができる。
(2)上記のモデルにおいて、各層の常光の屈折率をno、異常光の屈折率をne(neは各々すべての層において同じ値、noも同様とする)、および、多層体全体の厚さをdとする。さらに、各層における傾斜方向とその層の一軸の光軸方向とは一致するとの仮定の元に、位相差層のリタデーション値の角度依存性の計算が測定値に一致するように、位相差層の一方の面における傾斜角θ1および他方の面の傾斜角θ2を変数としてフィッティングを行い、傾斜角θ1および傾斜角θ2を算出する。
本明細書において、位相差層48における分子軸の傾斜角は、傾斜角θ1と傾斜角θ2との平均値として求める。すなわち、傾斜角θとは、正確には、位相差層48における分子軸の平均傾斜角である。
なお、常光の屈折率no、および、異常光の屈折率neは文献値、カタログ値等の既知の値を用いることができる。値が未知の場合はアッベ屈折計を用いて測定することもできる。位相差層48の厚さは、光学干渉膜厚計、走査型電子顕微鏡の断面写真等により測定数することができる。
なお、本発明の反射部材16において、位相差層を構成する液晶化合物の傾斜角は、全ての液晶化合物で略同一であるのが通常であるが、本発明は、これに制限はされない。
例えば、図6に概念的に示されるように、液晶化合物の傾斜角が、厚さ方向に漸次変化する、ハイブリット型の位相差層であってもよい。このようなハイブリット型の位相差層は、配向制御剤を用いることで形成できる。なお、ハイブリット型の位相差層であっても、液晶化合物の傾斜角は、上述の方法で測定すればよい。
以下、位相差層48について、具体的に説明する。
上述したように、位相差層48は、液晶化合物を用いて形成されるものであり、液晶化合物の分子軸が、選択反射層46の表面に対して傾斜した配向状態で固定されている。具体的には、図3に概念的に示すように、液晶化合物LCは、x−y面である選択反射層46の表面に対して、傾斜した配向状態で固定されている。
図3において、z方向は、選択反射層46の表面の法線方向である。法線とは、主面と直交する線である。破線で示す投映光Pの進行方向と、選択反射層46におけるx方向とを一致して考えると、投映光Pの入射面は、x−z平面と一致する。入射面とは、反射面(選択反射層46)に直交する面で、入射光と反射光とを含む面である。言い換えれば、入射面とは、入射光と、反射面で反射された反射光とが成す平面である。
上述したように、位相差層48は、選択反射層46の表面に対して傾斜した液晶化合物を持つため、表側(選択反射層46とは逆面)から入射する光と、裏側から入射する光の位相差が異なる性質をもつ。位相差層48の表面とは、選択反射層46とは逆側の面、裏面とは、選択反射層46側の面である。
一例として、位相差層48は、表面から入射する投映光(入射光)に対してはλ/4層として作用する。他方、裏面から入射する選択反射層46で反射された投映光(反射光)に対しては、3λ/4層として作用する。位相差層48に入射する投映光はs偏光である。従って、位相差層48は、入射光にはλ/4層として作用してs偏光に応じた円偏光とする。他方、位相差層48は、反射光には3λ/4層として作用して円偏光からs偏光に変換し、かつ、s偏光をp偏光に変換する。
その結果、選択反射層46の表面に対して傾斜配向される液晶化合物を有する位相差層48、および、円偏光反射層である選択反射層46を有する本発明の反射部材16は、s偏光の投映光をp偏光の投映光に変換して反射することができる。
なお、位相差層48は、逆に、入射光に対して3λ/4層として作用し、反射光に対してλ/4層として作用してもよい。
すなわち、本発明によれば、s偏光の投映光を投映する通常のプロジェクターにおいて、組み込まれるミラーの1枚を、本発明のプロジェクター用の反射部材16に交換することで、p偏光を投映するプロジェクターを実現できる。
上述のように、コレステリック液晶層を選択反射層として用いる図示例の反射部材16は、コールドミラーとしての作用も発現する。従って、例えば、通常のs偏光の投映光を投映するプロジェクターにおいて、コールドミラーを本発明のプロジェクター用の反射部材16に交換することで、p偏光を投映するプロジェクターを実現できる。
プロジェクターがp偏光の投映光を投映し、ウインドシールドガラス(コンバイナ)がp偏光を反射するハーフミラーフィルムを有することにより、HUDを搭載する車両等において、偏光サングラスが使用可能になる、二重像を防止するためにウインドシールドガラス(合わせガラス)を楔型にする必要が無い、等の利点を得られるのは、上述のとおりである。
本発明の反射部材16において、一例として、図4に概念的に示すように、選択反射層46(x−y平面)に対する分子軸の傾きが、破線で示す投映光Pの入射方向と同方向である液晶化合物LC1の傾斜角θを『−θ』とする。
逆に、選択反射層46(x−y平面)に対する分子軸の傾きが、投映光Pの入射方向と逆方向である液晶化合物LC2の傾斜角θを『+θ』とする。すなわち、選択反射層46(x−y平面)に対する分子軸の傾きが、投映光Pの反射方向と同方向である液晶化合物LC2の傾斜角θを『+θ』とする。
なお、図4において、y方向は、紙面と直交する方向である。
また、液晶化合物LCの分子軸は、投映光Pの入射面に対しても、傾いているのが好ましい。
本発明においては、図5に概念的に示すように、入射面に対する液晶化合物LCの分子軸の傾きを、方位角φとする。上述したように、図示例においては、入射面はx−z平面であり、図5において入射面はx方向に一致する。なお、図5において、z方向は紙面に直交する方向である。例えば、図5において、液晶化合物LC3の方位角φは45°であり、液晶化合物LC4の方位角φは135°である。
なお、図5において、投映光pの入射方向が図中に破線で示す方向であるとして、例えば、液晶化合物LC3および液晶化合物LC4の傾斜角が−θである場合には、液晶化合物の図中右側の端部が、選択反射層46から離間する側(図4の上側)で、同左側の端部が選択反射層46に近接する側(図4の下側)となる。
逆に、液晶化合物LC3および液晶化合物LC4の傾斜角が+θである場合には、液晶化合物の図中右側の端部が、選択反射層46に近接する側(図4の下側)で、同左側の端部が選択反射層46と離間する側(図4の上側)となる。
本発明の反射部材16においては、選択反射層46の種類に応じて、位相差層48における、液晶化合物LCの傾斜角θ、液晶化合物LCの方位角φ、および、位相差層48の面内レタデーションReを、適宜、設定するのが好ましい。なお、位相差層48の面内レタデーションReとは、液晶化合物の分子軸と直交する方向から光を入射して測定した面内レタデーションReである。
これにより、位相差層48が、上述した位相差層としての作用を好適に発現し、反射部材16は、入射したs偏光の投映光を、p偏光の投映光として反射できる。
なお、以下の例では、面内レタデーションReを、単に『Re』と表記する。また、特に記載していなくても、傾斜角θおよび方位角φは、液晶化合物(分子軸)の傾斜角および方位角である。
例えば、選択反射層46が、コレステリック液晶層である場合には、好ましい一例として、傾斜角θが40°、Reが160〜270nm、および、方位角φが40〜70°の組み合わせが、例示される。
また、選択反射層46が、コレステリック液晶層である場合には、好ましい一例として、以下の組み合わせが例示される。
すなわち、傾斜角θが−20°、Reが260〜380nm、および、方位角φが90〜150°の組み合わせ、
傾斜角θが−20°、Reが300〜450nm、および、方位角φが20〜40°の組み合わせ、
傾斜角θが−30°、Reが350〜420nm、および、方位角φが45°の組み合わせ、
傾斜角θが−30°、Reが320〜475nm、および、方位角φが90〜110°の組み合わせ、
傾斜角θが−30°、Reが250〜350nm、および、方位角φが140〜150°の組み合わせ、
傾斜角θが−40°、Reが380〜500nm、および、方位角φが80〜110°の組み合わせ、
傾斜角θが−50°、Reが450〜500nm、および、方位角φが80〜110°の組み合わせ、
傾斜角θが30°、Reが220〜320nm、および、方位角φが40〜60°の組み合わせ、
傾斜角θが50°、Reが110〜280nm、および、方位角φが50〜120°の組み合わせ、
傾斜角θが60°、Reが110〜370nm、および、方位角φが40〜140°の組み合わせ、
ならびに、傾斜角θが70°、Reが110〜500nm、および、方位角φが40〜140°の組み合わせ、が好ましく例示される。
なお、方位角φが90°である場合には、投映光Pの入射方向に向かって、右側が選択反射層46から離間している場合の傾斜角を『−θ』とし、投映光の入射方向に向かって、左側が選択反射層46から離間している場合の傾斜角を『+θ』とする。
以上の点を考慮すると、位相差層48においては、液晶化合物の傾斜角θが±10〜80°で、位相差層48の面内レタデーションReが100〜500nmであるのが好ましい。
また、位相差層48においては、液晶化合物の傾斜角θが±20〜70°で、位相差層48の面内レタデーションReが150〜270nmであるのが、より好ましい。
このような、位相差層48は、キラル剤に変えて垂直配向剤を添加した位相差層形成用の液晶組成物を用いて、上述したコレステリック液晶層に準じて、塗布法によって形成すればよい。
一例として、位相差層形成用の液晶組成物を塗布、乾燥した後、加熱することで、液晶化合物を分子軸が、選択反射層46(コレステリック液晶層)の表面に対して、傾斜した配向状態とし、次いで、紫外線を照射して、液晶化合物を硬化して、配向状態を固定して形成すればよい。
傾斜角θは、一例として、液晶組成物への垂直配向剤の添加量を調整することで、調整できる。傾斜角θの『+θ』および『−θ』は、一例として、位相差層48の形成面に配向膜を形成し、配向膜をラビング処理することで形成される、配向膜の僅かな傾斜の向きによって、調整できる。具体的には、ラビング処理における配向膜の搬送方向と逆向きに、液晶化合物は傾斜する。
方位角φは、一例として、位相差層48の形成面に配向膜を形成し、ラビング処理の方向等を調整することで、調整できる。
位相差層48の厚さには、制限はないが、0.3〜5.0μmが好ましく、0.5〜4.0μmがより好ましく、0.6〜3.0μmがさらに好ましい。
位相差層48の厚さを0.3μm以上とすることにより、反射部材16が、安定してs偏光をp偏光に変換して反射できる等の点で好ましい。
位相差層48の厚さを5.0μm以下とすることにより、反射部材16が不要に厚くなることを防止できる、液晶化合物の配向が安定する等の点で好ましい。
[配向膜]
反射部材16は、選択反射層46(コレステリック液晶層)および/または位相差層48の形成の際に液晶組成物が塗布される下層として、配向膜を含んでいてもよい。
配向膜は、ポリマーなどの有機化合物(ポリイミド、ポリビニルアルコール、ポリエステル、ポリアリレート、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、ポリアミドおよび変性ポリアミドなどの樹脂)からなる層のラビング処理、無機化合物の斜方蒸着、マイクログルーブを有する層の形成、ならびに、ラングミュア・ブロジェット法(LB膜)を用いた有機化合物(例えば、ω−トリコサン酸、ジオクタデシルメチルアンモニウムクロライドおよびステアリル酸メチル)の累積等の手段で、設けることができる。さらに、電場の付与、磁場の付与または光照射により、配向機能が生じる配向膜を用いてもよい。
特に配向膜となるポリマー層に、ラビング処理を行った配向膜が好ましく例示される。ラビング処理は、公知の方法が利用可能であり、一例として、ポリマー層の表面を、紙、布で一定方向に、擦ることにより実施することができる。
配向膜を設けずに、後述する樹脂層をラビング処理した表面に、液晶組成物を塗布してもよい。すなわち、樹脂層を配向膜として作用させてもよい。
配向膜の厚さには制限はないが、0.01〜5.0μmが好ましく、0.05〜2.0μmがより好ましい。
なお、仮支持体を用いて選択反射層等を有する反射部材を作製する場合は、配向層は仮支持体とともに剥離してもよい。すなわち、配向膜は、反射部材の作製時のみに存在し、反射部材が完成した時点では、反射部材を構成する層とはならなくてもよい。
[樹脂層]
反射部材16は、位相差層48の表面に樹脂層を有してもよい。位相差層48の表面とは、上述のように、位相差層48の選択反射層46とは逆側の面である。
位相差層48の表面に樹脂層を有することにより、位相差層48の損傷を防止できる等の点で好ましい。
樹脂層は可視光の透過率が高いのが好ましい。
樹脂層の可視光線透過率は、80%以上が好ましく、85%以上がより好ましく、90%以上がさらに好ましい。
樹脂層の可視光線透過率を80%以上とすることにより、高輝度の投映像を投映できる、反射時の損失が少なく高輝度の投映像を投映できる等の点で好ましい。
樹脂層の面内レタデーションReには制限はないが、小さい方が好ましい。
樹脂層の面内レタデーションReは、10nm以下が好ましく、5nm以下がより好ましく、2nm以下がさらに好ましい。
樹脂層の面内レタデーションReを10nm以下とすることにより、樹脂層によって投映光の偏光が崩れることを防止できる、直線偏光が入射した際の干渉が減少する等の点で好ましい。
樹脂層の厚さには、制限はなく、樹脂層の形成目的および形成材料に応じて、必用な性能を得られる厚さを、適宜、設定すればよい。
樹脂層の厚さは、5〜1000μmが好ましく、20〜400μmがより好ましく、40〜100μmさらに好ましい。
樹脂層の厚さを5μm以上とすることにより、樹脂層を形成した効果を好適に得られる、ある程度の剛性が確保でき、転写する際のフィルムの位置決めがしやすい等の点で好ましい。
樹脂層の厚さを1000μm以下とすることにより、反射部材16が不要に厚くなることを防止できる、反射部材16が曲率を持つ時に転写しやすい等の点で好ましい。
樹脂層の形成材料には、制限はなく、好ましくは上述の条件を満たすものであれば、各種の樹脂材料が利用可能である。
一例として、TAC、COP、PMMA、PC(ポリカーボネート)、および、PET等が例示される。
なお、樹脂層に変えて、板ガラスを位相差層48の表面に設けてもよい。
このような反射部材16は、各種の方法で作製可能である。
一例として、樹脂層となる樹脂フィルム等の表面に配向膜となる膜を形成し、ラビング処理等を行って配向膜を形成する。次いで、配向膜に位相差層48を形成し、位相差層48表面にコレステリック液晶層等の選択反射層46を形成する。一般的に、液晶層を積層した場合における液晶化合物の配向は、下層の液晶層の配向状態を踏襲する。
樹脂層(配向膜)、位相差層48および選択反射層46からなる積層体を、OCA等の接着層42によって、選択反射層46を向けて板ガラス等の基板50に貼着することで、反射部材を完成する。
[ハードコート層]
反射部材16は、必用に応じて、位相差層48または樹脂層の上(選択反射層46の逆面)に、耐擦傷性を向上するために、ハードコート層を有してもよい。
[ハードコート形成用組成物]
ハードコート層は、ハードコート層形成用組成物を用いて形成するのが好ましい。
ハードコート層形成用組成物は、分子内に3個以上のエチレン性不飽和二重結合基を有する化合物を含むのが好ましい。
エチレン性不飽和二重結合基としては、(メタ)アクリロイル基、ビニル基、スチリル基、および、アリル基等の重合性官能基が挙げられ、中でも、(メタ)アクリロイル基、および、−C(O)OCH=CH2が好ましく、特に好ましくは(メタ)アクリロイル基である。エチレン性不飽和二重結合基を有する事によって、高い硬度を維持する事ができ、耐湿熱性も付与する事ができる。さらに、分子内に3個以上のエチレン性不飽和二重結合基を有する事によって、より高い硬度を発現できる。
分子内に3個以上のエチレン性不飽和二重結合基を有する化合物としては、多価アルコールと(メタ)アクリル酸とのエステル、ビニルベンゼンおよびその誘導体、ビニルスルホン、ならびに、(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。中でも硬度の観点から、3個以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物が好ましく、本業界で広範に用いられる高硬度の硬化物を形成するアクリレート系化合物が挙げられる。このような化合物としては、多価アルコールと(メタ)アクリル酸とのエステルが例示される。多価アルコールと(メタ)アクリル酸とのエステルとしては、例えば、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、EO変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、PO変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、EO変性リン酸トリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、1,2,3−クロヘキサンテトラメタクリレート、ポリウレタンポリアクリレート、ポリエステルポリアクリレート、および、カプロラクトン変性トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート等が挙げられる。
3個以上の(メタ)アクリロイル基を有する多官能アクリレート系化合物類の具体化合物としては、日本化薬社製のKAYARAD DPHA、同DPHA−2C、同PET−30、同TMPTA、同TPA−320、同TPA−330、同RP−1040、同T−1420、同D−310、同DPCA−20、同DPCA−30、同DPCA−60、同GPO−303、大阪有機化学工業社製のV#400、V#36095D等のポリオールと(メタ)アクリル酸のエステル化物を挙げることができる。また、紫光UV−1400B、同UV−1700B、同UV−6300B、同UV−7550B、同UV−7600B、同UV−7605B、同UV−7610B、同UV−7620EA、同UV−7630B、同UV−7640B、同UV−6630B、同UV−7000B、同UV−7510B、同UV−7461TE、同UV−3000B、同UV−3200B、同UV−3210EA、同UV−3310EA、同UV−3310B、同UV−3500BA、同UV−3520TL、同UV−3700B、同UV−6100B、同UV−6640B、同UV−2000B、同UV−2010B、同UV−2250EAおよび同UV−2750B(以上、日本合成化学社製)、UL−503LN(共栄社化学社製)、ユニディック17−806、同17−813、同V−4030および同V−4000BA(以上、大日本インキ化学工業社製)、EB−1290K、EB−220、EB−5129、EB−1830およびEB−4358(以上、ダイセルUCB社製)、ハイコープAU−2010および同AU−2020(以上、トクシキ社製)、アロニックスM−1960(東亜合成社製)、アートレジンUN−3320HA,UN−3320HC,UN−3320HS、UN−904およびHDP−4Tなどの3官能以上のウレタンアクリレート化合物、アロニックスM−8100,M−8030およびM−9050(以上、東亞合成社製)、ならびに、KBM−8307(ダイセルサイテック社製)の3官能以上のポリエステル化合物なども好適に使用することができる。
また、分子内に3個以上のエチレン性不飽和二重結合基を有する化合物は単一の化合物から構成しても良いし、複数の化合物を組み合わせて用いる事もできる。
[ハードコート層の形成方法]
ハードコート層は、樹脂層の表面に、上述したハードコート層形成用組成物を塗布して、乾燥、硬化させることで形成できる。
<ハードコート層の塗布方式>
ハードコート層は以下の塗布方法により形成することができるが、この方法に制限されない。ディップコート法、エアーナイフコート法、カーテンコート法、ローラーコート法、ワイヤーバーコート法、グラビアコート法、スライドコート法、エクストルージョンコート法(ダイコート法)(特開2003−164788号明細書参照)、および、マイクログラビアコート法等の公知の方法が用いられ、その中でもマイクログラビアコート法、ダイコート法が好ましい。
<ハードコート層の乾燥、硬化条件>
本発明において、ハードコート層など塗布により層形成する場合の、乾燥、硬化方法に関して、好ましい例を以下に述べる。
本発明では、電離放射線による照射と、照射の前、照射と同時または照射後の熱処理とを組み合わせることにより、硬化することが有効である。
以下に、いくつかの製造工程のパターンを示すが、これらに制限はされない(以下の例において、「−」は熱処理を行っていないことを示す)。
照射前 → 照射と同時 → 照射後
(1)熱処理 → 電離放射線硬化 → −
(2)熱処理 → 電離放射線硬化 → 熱処理
(3) − → 電離放射線硬化 → 熱処理
その他、電離放射線硬化時に同時に熱処理を行う工程も好ましい。
本発明において、ハードコート層を形成する場合には、上述のとおり、電離放射線による照射と組み合わせて熱処理を行うことが好ましい。熱処理は、ハードコートフィルムの支持体、ハードコート層を含めた構成層を損なうものでなければ特に制限はないが、好ましくは25〜150℃、より好ましくは30〜80℃である。
熱処理に要する時間は、使用成分の分子量、その他成分との相互作用、粘度などにより異なるが、15秒〜1時間、好ましくは20秒〜30分、最も好ましくは30秒〜5分である。
電離放射線の種類については、特に制限はなく、X線、電子線、紫外線、可視光、および、赤外線などが挙げられるが、紫外線が広く用いられる。
例えば、塗膜が紫外線硬化性であれば、紫外線ランプによって10〜1000mJ/cm2の照射量の紫外線を照射して各層を硬化するのが好ましい。照射の際には、上述のエネルギーの紫外線を一度に当ててもよいし、分割して照射することもできる。特に塗膜の面内での性能ばらつきを少なくでき、さらに、カールを良化させるという観点からは、2回以上に分割して紫外線を照射するのが好ましく、初期に150mJ/cm2以下の低照射量の紫外線を照射し、その後、50mJ/cm2以上の高照射量の紫外線を照射し、かつ初期よりも後期の方で高い照射量の紫外線を当てるのが好ましい。
上述したように、プロジェクター10による投映光は、透過窓24を透過して、ウインドシールドガラス26に投映、反射されて、投映像が使用者Oによって観察される。
なお、ウインドシールドガラス26は、車および電車等の車両、飛行機、船舶、二輪車、ならびに、遊具等の乗り物一般の窓ガラスおよび風防ガラスを意味する。
ウインドシールドガラス26としては、ハーフミラーフィルム60を中間膜62で挟持して、この積層体を、2枚の板ガラス64で挟持したものが例示される。
なお、板ガラス64は、ウインドシールドガラスに用いられる公知の板ガラスで、平板状でも、曲面状でも、平面と曲面との両方を有するものでもよい。中間膜62も、ポリビニルブチラールおよびエチレン−酢酸ビニル共重合体等、ウインドシールド用の合わせガラスで中間膜として用いられる公知のものが利用可能である。
ここで、本発明のプロジェクター10は、p偏光の投映光をウインドシールドガラス26に入射する。従って、ウインドシールドガラス26のハーフミラーフィルム60は、p偏光を反射するものであるのが好ましい。
p偏光を反射するハーフミラーフィルム60としては、上述したコレステリック液晶層と同様の、赤色光を選択的に反射するコレステリック液晶層、緑色光を選択的に反射するコレステリック液晶層、および、青色光を選択的に反射するコレステリック液晶層との3層のコレステリック液晶層と、λ/4位相差層とを有し、λ/4位相差層を投映光の入射側にするハーフミラーフィルム60が例示される。なお、ハーフミラーフィルム60が有するコレステリック液晶層の数(反射光の色)は、上述した反射部材16に準ずる。
コレステリック液晶層は、いずれも、同じ旋回方向の円偏光を反射するものである。
また、λ/4位相差層は、コレステリック液晶層が反射する円偏光に応じて、入射するp偏光をコレステリック液晶層が反射する旋回方向の円偏光に変換するように、遅相軸の向きを設定される。
このようなハーフミラーフィルム60によれば、λ/4位相差層が、入射したp偏光の投映光を円偏光に変換して、コレステリック液晶層に入射し、コレステリック液晶層が円偏光の投映光を反射して、再度、λ/4位相差層に入射させ、λ/4位相差層が、円偏光の投映光をp偏光の投映光に変換する。
これにより、ハーフミラーフィルム60すなわちウインドシールドガラス26は、p偏光の投映光を反射する。
上述のように、プロジェクター10がp偏光の投映光を投映し、ウインドシールドガラス26がp偏光を反射することにより、偏光サングラスを用いたHUDの投映像の観察が可能である、ウインドシールドガラス26を楔形にする必要が無い等の利点を得られる。
以上、本発明のプロジェクター用反射部材およびHUD用プロジェクターについて詳細に説明したが、本発明は、上述の実施例に限定はされず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良および変更を加えてもよいのは、もちろんである。
以下に本発明の実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。以下の実施例、比較例、作製例に示す材料、試薬、物質量とその割合、操作等は本発明の趣旨から逸脱しない限り適宜変更することができる。従って、本発明の範囲は、以下の実施例、および、参考例に限定されるものではない。
(コレステリック液晶層形成用組成物1、2および3)
下記の成分を混合して、入射角45°で選択反射中心波長が450nmであるコレステリック液晶層を形成するコレステリック液晶層形成用組成物1、入射角45°で選択反射中心波長が530nmであるコレステリック液晶層を形成するコレステリック液晶層形成用組成物2、および、入射角45°で選択反射中心波長が630nmであるコレステリック液晶層を形成するコレステリック液晶層形成用組成物3を調製した。
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コレステリック液晶層形成用組成物1、2および3
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・混合物1 100質量部
・配向制御剤1(フッ素系水平配向剤1) 0.05質量部
・配向制御剤2(フッ素系水平配向剤2) 0.02質量部
・右旋回性キラル剤LC756(BASF社製)
目標の反射波長に合わせて調整
・重合開始剤(IRGACURE OXE01、BASF社製)
1.0質量部
・溶媒(メチルエチルケトン) 溶質濃度が20質量%となる量
―――――――――――――――――――――――――――――――――
Figure 2021056321
Figure 2021056321
配向制御剤2
Figure 2021056321
この組成のコレステリック液晶層形成用組成物を、右旋回性キラル剤LC756の処方量を調整して、コレステリック液晶層形成用組成物1〜3を調製した。
コレステリック液晶層形成用組成物1〜3を用いて、上述した反射部材の作製時と同様に仮支持体上に膜厚4μmの単一層のコレステリック液晶層を作製し、可視域光の反射特性を確認した。その結果、作製したコレステリック液晶層は、全て右円偏光反射層であり、入射角45°における選択反射中心波長は、コレステリック液晶層形成用組成物1が450nm、コレステリック液晶層形成用組成物2が530nm、コレステリック液晶層形成用組成物3が630nmであった。
(位相差層形成用組成物)
下記の成分を混合し、下記組成の位相差層形成用組成物を調製した。この位相差層形成用組成物は、液晶化合物の分子軸が形成面に対して傾斜した配向状態で固定されている位相差層を形成するための組成物である。
以下の説明では、液晶化合物の分子軸が形成面に対して傾斜した配向状態で固定されている位相差層を、便宜的に『傾斜位相差層』、液晶化合物の分子軸が形成面に対して傾斜配向されていない通常の位相差層を『通常の位相差層』ともいう。
―――――――――――――――――――――――――――――――――
位相差層形成用組成物
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・混合物1 100質量部
・配向制御剤1 0.05質量部
・配向制御剤2 0.01質量部
・垂直配向剤1 1.5質量部
・重合開始剤IRGACURE OXE01(BASF社製)
1.0質量部
・溶媒(メチルエチルケトン) 溶質濃度が20質量%となる量
―――――――――――――――――――――――――――――――――
垂直配向剤1
Figure 2021056321

[実施例1]
<<反射部材の作製>>
<セルロースアシレートフィルムの鹸化>
国際公開第2014/112575号の実施例20と同一の作製方法で得られた40μmセルロースアシレートフィルム(TACフィルム)を、温度60℃の誘電式加熱ロールを通過させ、フィルム表面温度を40℃に昇温した後に、フィルムの片面に下記に示す組成のアルカリ溶液を、バーコーターを用いて塗布量14mL/m2で塗布し、110℃に加熱したスチーム式遠赤外ヒーター(ノリタケカンパニーリミテド社製)の下に10秒間滞留させた。
次いで、同じくバーコーターを用いて、純水を3mL/m2塗布した。
次いで、ファウンテンコーターによる水洗とエアナイフによる水切りを3回繰り返した後に、70℃の乾燥ゾーンに5秒間滞留させて乾燥し、鹸化処理したセルロースアシレートフィルム1を作製した。
セルロースアシレートフィルム1の面内レタデーションReをAxoScanで測定したところ、2nmであった。
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アルカリ溶液
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・水酸化カリウム 4.7質量部
・水 15.7質量部
・イソプロパノール 64.8質量部
・界面活性剤(C1633O(CH2CH2O)10H) 1.0質量部
・プロピレングリコール 14.9質量部
――――――――――――――――――――――――――――――――――
<配向膜の形成>
鹸化処理したセルロースアシレートフィルム1(樹脂層)の鹸化処理面に、下記に示す組成の配向膜形成用組成物を、ワイヤーバーコーターで24mL/m2塗布し、100℃の温風で120秒乾燥した。
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配向膜形成用組成物の組成
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・変性ポリビニルアルコール 28質量部
・クエン酸エステル(AS3、三共化学社製) 1.2質量部
・光開始剤(イルガキュア2959、BASF社製) 0.84質量部
・グルタルアルデヒド 2.8質量部
・水 699質量部
・メタノール 226質量部
――――――――――――――――――――――――――――――――――
(変性ポリビニルアルコール)
Figure 2021056321
<傾斜位相差層の形成>
配向膜を形成したセルロースアシレートフィルム1の配向膜の表面に、図7に概念的に示すように、配向膜面から見て、セルロースアシレートフィルム1の長手方向を基準に時計回りに90°回転させた方向にラビング処理(レーヨン布、圧力:0.1kgf(0.98N)、回転数:1000rpm(revolutions per minute)、搬送速度:10m/min、回数:1往復)を施した。
図7において、Hはセルロースアシレートフィルム1の長手方向、Saはラビング処理の方向、角度αは90°である。
セルロースアシレートフィルム1上の配向膜のラビングした表面に、位相差層形成用組成物をワイヤーバーを用いて塗布した。その後、塗膜を乾燥させて50℃のホットプレート上に置き、酸素濃度1000ppm以下の環境で、フュージョンUVシステムズ株式会社製無電極ランプ「Dバルブ」(60mW/cm2)を用いて6秒間、紫外線を照射し、液晶相を固定して、傾斜位相差層を得た。
AxoScan(アクソメトリクス社製)を用いて、傾斜位相差層の法線方向を0°とした場合の、−40°、0°、+40°の3つの測定角で面内レタデーションReを測定し、面内レタデーションReの角度依存性のフィッティングから、傾斜位相差層の上面の傾斜角θ1、下面の傾斜角θ2を求め、その平均値から液晶化合物の傾斜角θ(平均傾斜角)を求めた。その結果、傾斜角θは、90°であった。
また、AxoScanを用いて、傾斜角θの液晶化合物の分子軸と直交する方向から光を入射して、傾斜位相差層の面内レタデーションReを測定した。その結果、傾斜位相差層の面内レタデーションReは、253nmであった。
<選択反射層の形成>
形成した位相差層の表面に、コレステリック液晶層形成用組成物1を乾燥後の乾膜の厚さが4μmになるようにワイヤーバーを用いて室温にて塗布して塗布層を得た。塗布層を室温にて30秒間乾燥させた後、85℃の雰囲気で2分間加熱し、その後、酸素濃度1000ppm以下の環境にて60℃でフュージョン製Dバルブ(90mW/cmのランプ)にて出力60%で6〜12秒間UV(ultraviolet)照射し、コレステリック液晶相を固定して、厚さ4μmのコレステリック液晶層を得た。
次に、得られたコレステリック液晶層の表面にさらにコレステリック液晶層形成用組成物2を用いて同様の工程を繰り返し、厚さ4μmのコレステリック液晶層を得た。
次に、得られたコレステリック液晶層の表面にさらにコレステリック液晶層形成用組成物3を用いて同様の工程を繰り返し、厚さ4μmのコレステリック液晶層を得た。
このようにして、配向膜を有するセルロースアシレートフィルム1と、位相差層と、3層のコレステリック液晶層からなる選択反射層と、を有する積層体Aを得た。
積層体Aの反射スペクトルを、分光光度計(日本分光株式会社製、V−670)で測定した。その結果、入射角45°において、波長450nm、波長530nm、および、波長630nmに選択反射中心波長を有する反射スペクトルが得られた。
また、同様に反射スペクトルを測定することによって、入射角45°における、青色光の反射光の半値幅、緑色光の反射光の半値幅、および、赤色光の反射光の半値幅を測定した。
その結果、入射角45°における青色光の反射光の半値幅は57nm、緑色光の反射光の半値幅は67nm、赤色光の反射光の半値幅は80nmであった。
作製した積層体Aを、OCA(日栄化工社製、MHM−UVC15)によって、厚さ2mmのガラスに貼着した。貼着はコレステリック液晶層(選択反射層)をガラスに向けて行った。このガラスは、反射部材の基板となるものである。
これにより、ガラス/OCA/コレステリック液晶層/傾斜位相差層/TACの層構成を有する反射部材を作製した。
[実施例2]
特表平9−506837号公報に記載された方法に基づいて、選択反射中心波長が、入射角45°で波長450nm、波長530nm、および、波長630nmとなり、反射率が40%になるように、2,6-ポリエチレンナフタレート(PEN)とナフタレート70/テレフタレート30のコポリエステル(coPEN)とを、各層の厚さを調整して形成することで、直線偏光反射層を作製した。
位相差層を形成したセルロースアシレートフィルム1に、位相差層側を直線偏光反射層に向けて、OCAを用いて直線偏光反射層を貼着した以外は、実施例1と同様にして、反射部材を作製した。なお、位相差層と直線偏光反射層とは、直線偏光反射層の屈折率異方性のある方向と、位相差層の塗布面から見てセルロースアシレートフィルム1の長手方向を合わせてOCAで貼合した(方位角φ45°)。
作製した反射部材の層構成は、以下のとおりである。
ガラス/OCA/直線偏光反射層/OCA/傾斜位相差層/TAC
[実施例3]
200×100mmのガラスに、真空度1×10-4Pa、基板温度25℃の条件下でエレクトロンビームを用いた真空蒸着を行い、等方的な誘電体多層膜からなる無偏光反射層を形成した。
なお、誘電体多層膜は、高屈折率蒸着物質の酸化チタンと低屈折蒸着物質の酸化ケイ素の交互層によって、入射角45°における選択反射中心波長が、波長450nm、波長530nm、および、波長630nmで、反射率が80%になるように、各層の厚みを調整した。
位相差層を形成したセルロースアシレートフィルム1に、位相差層側を無偏光反射層に向けて、OCAを用いて無偏光反射層を貼着した以外は、実施例1と同様にして、反射部材を作製した。なお、位相差層と無偏光反射層とは、位相差層を塗布面から見てセルロースアシレートフィルム1の長手方向を基準に、時計回りに45°回転させた方向と、200×100mmのガラスの長辺とが一致する様に、OCAで貼合した(方位角φ45°)。
作製した反射部材の層構成は、以下のとおりである。
ガラス/OCA/無偏光反射層/OCA/傾斜位相差層/TAC
[実施例4]
(狭帯域コレステリック液晶層形成用組成物4、5および6)
下記の成分を混合して、入射角45°で選択反射中心波長が450nmである狭帯域コレステリック液晶層を形成する狭帯域コレステリック液晶層形成用組成物4、入射角45°で選択反射中心波長が530nmである狭帯域コレステリック液晶層を形成する狭帯域コレステリック液晶層形成用組成物5、および、入射角45°で選択反射中心波長が630nmである狭帯域コレステリック液晶層を形成する狭帯域コレステリック液晶層形成用組成物6を調製した。
―――――――――――――――――――――――――――――――――
狭帯域コレステリック液晶層形成用組成物4、5および6
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・棒状液晶化合物101 55質量部
・棒状液晶化合物102 30質量部
・棒状液晶化合物201 13質量部
・棒状液晶化合物202 2質量部
・重合開始剤IRGACURE OXE01(BASF社製)
1.0質量部
・配向制御剤1 0.01質量部
・配向制御剤3(フッ素系水平配向剤3) 0.01質量部
・右旋回性キラル剤LC756(BASF社製)
目標の選択反射中心波長に合わせて調整
・溶媒(メチルエチルケトン) 溶質濃度が20質量%となる量
―――――――――――――――――――――――――――――――――
棒状液晶化合物101
Figure 2021056321

棒状液晶化合物102
Figure 2021056321


Figure 2021056321
狭帯域コレステリック液晶層形成用組成物4〜6を用いて、上述した反射部材の作製時と同様に仮支持体上に膜厚4μmの単一層のコレステリック液晶層を作製し、可視域光の反射特性を確認した。その結果、作製したコレステリック液晶層は、全て右円偏光反射層であり、入射角45°における選択反射中心波長は、コレステリック液晶層形成用組成物4が450nm、コレステリック液晶層形成用組成物5が530nm、コレステリック液晶層形成用組成物6が630nmであった。
選択反射層(コレステリック液晶層)の形成に、このコレステリック液晶層形成用組成物4〜6を用いた以外は、実施例1と同様にして、反射部材を作製した。作製した反射部材の層構成は、以下のとおりである。
ガラス/OCA/コレステリック液晶層/傾斜位相差層/TAC
[実施例5〜実施例16]
位相差層形成用組成物の塗布厚を調節して、傾斜位相差層の膜厚を変更することにより、傾斜位相差層の面内レタデーションReを変更し、
位相差層形成用組成物における垂直配向剤1の添加量を変更することにより、傾斜位相差層における傾斜角θを変更し、
配向膜を形成する際における、セルロースアシレートフィルム1の長手方向Hと、ラビング処理の方向Saとが成す角度αを、種々、変更した以外は、実施例1と同様に反射部材を作製した。
作製した反射部材の層構成は、以下のとおりである。
ガラス/OCA/コレステリック液晶層/傾斜位相差層/TAC
(位相差層形成用組成物の調製)
下記の成分を混合し、下記組成の位相差層形成用組成物を調製した。この位相差層形成用組成物は、液晶化合物の分子軸が形成面に対して傾斜して配向されずに、分子軸が形成面と平行(傾斜角θ=0°)に配向される、通常の位相差層を形成するための組成物である。
―――――――――――――――――――――――――――――――――
位相差層形成用組成物
―――――――――――――――――――――――――――――――――
・混合物1 100質量部
・配向制御剤1 0.05質量部
・配向制御剤2 0.01質量部
・重合開始剤IRGACURE OXE01(BASF社製)
1.0質量部
・溶媒(メチルエチルケトン) 溶質濃度が30質量%となる量
―――――――――――――――――――――――――――――――――
[比較例1]
位相差層の形成において、上記位相差層形成用組成物を用いて通常の位相差層を形成した以外は、実施例5と同様に反射部材を作製した。
作製した反射部材の層構成は、以下のとおりである。
ガラス/OCA/コレステリック液晶層/通常の位相差層/TAC
[比較例2]
位相差層の形成において、上記位相差層形成用組成物を用いて通常の位相差層を形成した以外は、実施例2と同様に反射部材を作製した。
作製した反射部材の層構成は、以下のとおりである。
ガラス/OCA/直線偏光反射層/OCA/通常の位相差層/TAC
[比較例3]
位相差層の形成において、上記位相差層形成用組成物を用いて通常の位相差層を形成した以外は、実施例3と同様に反射部材を作製した
作製した反射部材の層構成は、以下のとおりである。
ガラス/OCA/無偏光反射層/OCA/通常の位相差層/TAC
[比較例4]
実施例3に準拠して、板ガラスと無偏光反射層とからなる反射部材を作製した。
作製した反射部材の層構成は、以下のとおりである。
ガラス/無偏光反射層
作製した反射部材に関して、実施例1と同様に、位相差層の傾斜角θ、面内レタデーションRe、選択反射層の各色の反射光の半値幅を測定した。
なお、比較例1〜比較例3で作製した位相差層の面内レタデーションReは、法線方向から光を入射して、AxoScanによって測定した。
測定結果は、表1に示す。
[評価]
<S偏光のP偏光変換率>
作製した反射部材について、TAC側の面から法線方向に対して45°の方向からS偏光を入射し、その正反射光を分光光度計(日本分光株式会社製、V−670)で反射率スペクトルを測定した。正反射光とは、すなわち、光の入射面内で、法線方向に対して入射方向と反対側の、法線方向に対し45°の方向である。
このとき、反射部材は、作製時におけるセルロースアシレートフィルム1(TAC)の長手方向が、s偏光(p偏光)の入射面と一致するように配置した。すなわち、本例では、図7に示すセルロースアシレートフィルム1の長手方向H、ラビング処理の方向Saとが成す角度αが、方位角φとなる。
JIS R3106に準拠しして、380〜780nmでの10nm毎の波長において、反射率に視感度に応じた係数および一般的な液晶表示装置の発光スペクトルをそれぞれ乗じて投映像反射率を計算し、輝度として評価した。以下の評価基準で、各反射部材におけるs偏光のp偏光変換率を評価した。
A 投映像反射率60%以上
A− 投映像反射率40%以上60%未満
B 投映像反射率20%以上40%未満
C 投映像反射率20%未満
A評価では、s偏光の大部分がp偏光に変換されており、HUDのp偏光反射システムにおいて、画像が良く見えるレベルである。
A−評価では、s偏光の多くがp偏光に変換されており、HUDのp偏光反射システムにおいて、画像が十分に見えるレベルである。
B評価では、s偏光の一部がp偏光に変換されており、HUDのp偏光反射システムにおいて、画像が見えにくいレベルである。
C評価では、s偏光が、殆どp偏光に変換されておらず、HUDのp偏光反射システムにおいて、画像が見えないレベルである。
<太陽光カット>
作製した反射部材について、TAC側の面から法線方向に対して45°の方向から自然光を入射し、その透過光を分光光度計(日本分光株式会社製、V−670)で反射率スペクトルを測定した。
380〜780nmでの10nm毎の波長において、反射率に視感度に応じた係数およびD65光源の発光スペクトルをそれぞれ乗じて投映像反射率を計算し、太陽光カット量として評価した。以下の評価基準で、各反射部材における太陽光カット性能を評価した。
A 投映像反射率60%以上
B 投映像反射率30%以上60%未満
C 投映像反射率30%未満
A評価では、プロジェクターにおいて、可視光の大部分が反射部材を透過し、反射部材より投映光光路の上流側に太陽光がわずかに戻るレベルである。
B評価では、プロジェクターにおいて、可視光の一部が反射部材を透過し、反射部材より投映光光路の上流側に太陽光の一部が戻るレベルである。
C評価では、プロジェクターにおいて、可視光がわずかに反射部材を透過し、反射部材より投映光光路の上流側に太陽光が殆ど戻るレベルである。
結果を下記の表に示す。
Figure 2021056321
上記表に示されるように、液晶化合物が選択反射層の表面に対して傾斜して配向されている傾斜位相差層を有する本発明の反射部材によれば、s偏光を好適にp偏光に変換して反射することができる。
特に、実施例5〜実施例16に示されるように、傾斜位相差層において、液晶化合物の傾斜角θと、面内レタデーションと、液晶化合物の方位角φとを、適正に設定することで、s偏光をより好適にp偏光に変換できる。また、実施例4に示されるように、入射角45°における選択反射層による反射光の半値幅を70nm以下とすることにより、太陽光を透過して、可視光を反射する、コールドミラーとしての性能も、より高くでき、プロジェクターを構成する部材の熱損傷を好適に防止できる。
これに対して、液晶化合物が選択反射層の表面と水平に配向される通常の位相差層を用いる比較例1〜3、および、比較例4の反射部材は、s偏光のp偏光への変換率が低く、s偏光の投映光を投映するプロジェクターに組み込んでも、HUDのp偏光反射システムへの適用は、困難である。
以上の結果より、本発明の効果は、明らかである。
車載用のHUD等に、好適に利用可能である。
10 (HUD用)プロジェクター
12 画像形成部
14 中間像スクリーン
16 反射部材
18 凹面ミラー
20 ダッシュボード
24 透過窓
26 ウインドシールドガラス
30 LCD(液晶ディスプレイ)
32 投映レンズ
40 基板
42 接着層
46 選択反射層
46R 赤色反射コレステリック液晶層
46G 緑色反射コレステリック液晶層
46B 青色反射コレステリック液晶層
48 位相差層
60 ハーフミラー
62 中間膜
64 板ガラス

Claims (9)

  1. プロジェクターに組み込まれる反射部材であって、
    可視光を反射する選択反射層と、
    液晶化合物の分子軸が、前記選択反射層の表面に対して傾斜した配向状態で固定されている位相差層と、を有するプロジェクター用反射部材。
  2. 前記選択反射層の表面に対する、前記液晶化合物の分子軸の傾斜角が、10〜80°であり、
    前記分子軸と直交する方向から光を入射した際における面内レタデーションが、100〜500nmである、請求項1に記載のプロジェクター用反射部材。
  3. 前記選択反射層の表面に対する、前記液晶化合物の分子軸の傾斜角が、20〜70°であり、
    前記分子軸と直交する方向から光を入射した際における面内レタデーションが、150〜270nmである、請求項1または2に記載のプロジェクター用反射部材。
  4. 前記選択反射層が無偏光反射層である、請求項1〜3のいずれか1項に記載のプロジェクター用反射部材。
  5. 前記選択反射層が直線偏光反射層である、請求項1〜3のいずれか1項に記載のプロジェクター用反射部材。
  6. 前記選択反射層が円偏光反射層である、請求項1〜3のいずれか1項に記載のプロジェクター用反射部材。
  7. 前記円偏光反射層が、コレステリック液晶相を固定してなるコレステリック液晶層である、請求項6に記載のプロジェクター用反射部材。
  8. 前記選択反射層は、入射角45°で入射した可視光の反射光の半値幅が70nm以下である、請求項1〜7のいずれか1項に記載のプロジェクター用反射部材。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項に記載のプロジェクター用反射部材を有する、ヘッドアップディスプレイ用プロジェクター。
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