JPWO2018230218A1 - ドリル - Google Patents

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Abstract

ドリルは、すくい面と、逃げ面と、外周面とを有している。逃げ面は、すくい面と連なる。外周面は、すくい面および逃げ面の双方に連なる。すくい面と逃げ面との稜線は、切刃を構成する。すくい面と外周面との稜線は、外周端を構成する。すくい面には、ドリルの軸に対しドリルのねじれ角よりも大きな角度で延在する溝が周期的に設けられている。溝の深さは、1.5μm以上である。

Description

本発明は、ドリルに関する。本出願は、2017年6月13日に出願した日本特許出願である特願2017−116019号に基づく優先権を主張する。当該日本特許出願に記載された全ての記載内容は、参照によって本明細書に援用される。
特表2016−500028号公報(特許文献1)、特開2004−181593号公報(特許文献2)、特開2007−245270号公報(特許文献3)および特開2013−212572号公報(特許文献4)には、基材上に表面被膜が設けられた切削工具が記載されている。特表2016−500028号公報に開示されている切削工具の基材には、凹部が設けられている。当該凹部は表面被膜で少なくとも部分的に満たされている。
特表2016−500028号公報 特開2004−181593号公報 特開2007−245270号公報 特開2013−212572号公報
本発明の一態様に係るドリルは、すくい面と、逃げ面と、外周面とを備えている。逃げ面は、すくい面と連なる。外周面は、すくい面および逃げ面の双方に連なる。すくい面と逃げ面との稜線は、切刃を構成する。すくい面と外周面との稜線は、外周端を構成する。すくい面には、ドリルの軸に対しドリルのねじれ角よりも大きな角度で延在する溝が周期的に設けられている。溝の深さは、1.5μm以上である。
図1は、第1実施形態に係るドリルの構成を示す正面模式図である。 図2は、第1実施形態に係るドリルの構成を示す平面模式図である。 図3は、第1実施形態に係るドリルのすくい面の構成を示す斜視模式図である。 図4は、図3の領域IVの拡大模式図である。 図5は、図4のV−V線に沿った断面模式図である。 図6は、図3の領域VIの拡大模式図である。 図7は、図6のVII−VII線に沿った断面模式図である。 図8は、第2実施形態に係るドリルの構成を示す断面模式図であり、第1実施形態のドリルの図5の視野に対応する。 図9は、第2実施形態に係るドリルの構成を示す断面模式図であり、第1実施形態のドリルの図7の視野に対応する。 図10は、体積摩耗量と最大高さ粗さとの関係を示す図である。
[本開示が解決しようとする課題]
しかしながら、特表2016−500028号公報に記載されている凹部の幅は開口部に向かって広がっている。そのため、当該凹部を埋める表面被膜の上面は比較的平滑になる。すくい面が比較的平滑な場合、切削加工時にすくい面上を切屑が擦過する際、切屑とすくい面との接触面積が大きくなる。そのため、すくい面が摩耗されやすくなる。また切削加工時には、表面被膜が時間の経過につれて摩耗する。そのため、表面被膜の凹凸が小さいと、すぐに当該凹凸が摩耗し、すくい面が平滑になる。結果として、すくい面の摩耗量が大きくなる。
以上のように、特表2016−500028号公報に記載されている切削工具においては、すくい面の摩耗を十分に抑制することが困難であった。
本発明の一態様の目的は、すくい面の摩耗を抑制可能なドリルを提供することである。
[本開示の効果]
本発明の一態様によれば、すくい面の摩耗を抑制可能なドリルを提供することができる。
[本発明の実施形態の概要]
まず、本発明の実施形態の概要について説明する。
(1)本発明の一態様に係るドリル100は、すくい面10と、逃げ面20と、外周面30とを備えている。逃げ面20は、すくい面10と連なる。外周面30は、すくい面10および逃げ面20の双方に連なる。すくい面10と逃げ面20との稜線は、切刃7を構成する。すくい面10と外周面30との稜線は、外周端8を構成する。すくい面10には、ドリルの軸Aに対しドリルのねじれ角θ2よりも大きな角度θ1で延在する溝が周期的に設けられている。溝の深さは、1.5μm以上である。すくい面に溝が設けられているため、すくい面と切屑との接触面積が低減する。そのため、すくい面の摩耗を抑制することができる。
(2)上記(1)に係るドリル100は、基材5と、コーティング膜6とを有していてもよい。コーティング膜6は、基材5上に設けられていてもよい。すくい面10、逃げ面20および外周面30は、コーティング膜6により構成されていてもよい。溝は、コーティング膜6に設けられ、かつ切刃7から外周端8に向かって延在する第1溝1であってもよい。第1溝1の深さは1.5μm以上であってもよい。
上記(2)に係るドリル100のすくい面10には、切刃7から外周端8に向かって延在する第1溝1が設けられており、第1溝1の深さH1は1.5μm以上である。すくい面に第1溝が設けられているため、すくい面と切屑との接触面積が低減する。また第1溝の深さが1.5μm以上であるため、切削加工中にコーティング膜の一部が摩耗した場合であっても、すくい面と切屑との接触面積が低減した状態を長時間維持することができる。さらに切削加工時において、第1溝に沿って切刃から外周端に向かって潤滑液が流れやすくなる。そのため、すくい面の潤滑性が高まり、切りくずから受ける負荷を軽減することができる。結果として、すくい面の摩耗を抑制することができる。
(3)上記(2)に係るドリル100において、基材5には、第1溝1に対応する位置に第2溝2が周期的に設けられていてもよい。第2溝2の深さは1.5μm以上であってもよい。これにより、膜厚分程度の深さまで摩耗が進行し、部分的に基材の凸部が露出した場合であっても、基材に設けられた第2溝にはコーティング膜が残る。一般的に基材は、コーティング膜に比べて何倍も被削材との親和性が高いため、切りくずが擦過したときの摩耗の進展はコーティング膜よりも早くなる。基材に設けられた第2溝にコーティング膜が残ることで、切屑の擦過方向に沿って基材とコーティング膜とが交互に配置される。そのため、切屑の全面が基材に接触することを抑制することができる。結果として、切屑の擦過による摩耗の進展を緩和し、すくい面の摩耗を抑制することができる。
(4)上記(1)〜(3)のいずれかに係るドリル100において、すくい面10の最大高さ粗さ(Rz)は、1.5μm以上50μm以下であってもよい。これにより、すくい面の摩耗をさらに抑制することができる。
(5)上記(2)または(3)に係るドリル100において、ドリルは、軸Aの周りを回転可能に構成されていてもよい。コーティング膜6は、すくい面10に連なり、かつ軸Aの周りに螺旋状に設けられたフルート部をさらに含んでいてもよい。
(6)上記(5)に係るドリル100において、軸Aに対する溝の延在方向の角度θ1から、ねじれ角θ2を引いた値は、0°より大きく15°以下であってもよい。
(7)上記(1)〜(6)のいずれかに係るドリル100において、溝は、複数の溝部を有していてもよい。複数の溝部のピッチは、10μm以上70μm以下であってもよい。
(8)上記(3)に係るドリル100において、コーティング膜6の厚みは、第2溝の深さよりも大きくてもよい。これにより、第2溝の内部を十分にコーティング膜で埋めることができる。そのため、摩耗によりコーティング膜の凸部の一部が剥がれた場合であっても、基材に設けられた第2溝に十分な厚みのコーティング膜が残る。結果として、コーティング膜による潤滑効果を長時間維持することができる。
(9)上記(2)、(3)、(5)、(6)および(8)のいずれかに係るドリル100において、コーティング膜6は、逃げ面20およびすくい面10の双方に連なるシンニング面50をさらに含んでいてもよい。すくい面10には、シンニング面50とすくい面10との稜線から外周端8に向かって延在する第3溝3が設けられていてもよい。これにより、切屑の擦過による摩耗の進展を緩和し、すくい面の摩耗を抑制することができる。
(10)上記(9)に係るドリル100において、第3溝3の深さは、1.5μm以上であってもよい。これにより、切屑の擦過による摩耗の進展を緩和し、すくい面の摩耗を抑制することができる。
(11)上記(9)または(10)に係るドリル100において、シンニング面50の最大高さ粗さ(Rz)は、すくい面10の最大高さ粗さ(Rz)よりも小さくてもよい。シンニング面は、被削材から大きい圧力を受けるため、シンニング面が荒れていると圧力凝着が発生しやすくなる。シンニング面の最大高さ粗さをすくい面の最大高さ粗さよりも小さくすることで、圧力凝着を抑制し、シンニング面の摩耗を抑制しつつ、すくい面の摩耗を抑制することができる。
(12)上記(1)〜(11)のいずれかに係るドリル100において、逃げ面20は、切刃7を構成する刃先処理面21と、刃先処理面21と連なりかつ刃先処理面21に対して傾斜した主逃げ面部22とを有していてもよい。刃先処理面21の最大高さ粗さ(R)は、すくい面10の最大高さ粗さ(R)よりも小さくてもよい。刃先処理面は、被削材から大きい圧力を受けるため、刃先処理面が荒れていると圧力凝着が発生しやすくなる。刃先処理面の最大高さ粗さをすくい面の最大高さ粗さよりも小さくすることで、圧力凝着を抑制し、刃先処理面の摩耗を抑制しつつ、すくい面の摩耗を抑制することができる。
(13)上記(1)〜(12)のいずれかに係るドリル100において、外周面30は、外周端8を構成する戻し面31と、戻し面31と連なりかつ戻し面31に対して傾斜した主外周面部32とを有していてもよい。戻し面31の最大高さ粗さ(Rz)は、すくい面10の最大高さ粗さ(Rz)よりも小さくてもよい。戻し面は、被削材から大きい圧力を受けるため、戻し面が荒れていると圧力凝着が発生しやすくなる。戻し面の最大高さ粗さをすくい面の最大高さ粗さよりも小さくすることで、圧力凝着を抑制し、戻し面の摩耗を抑制しつつ、すくい面の摩耗を抑制することができる。
[本発明の実施形態の詳細]
以下、図面に基づいて本発明の実施形態(以降、本実施形態と称する)の詳細について説明する。なお、以下の図面において同一または相当する部分には同一の参照番号を付し、その説明は繰返さない。
(第1実施形態)
まず、第1実施形態に係るドリルの構成について説明する。
図1および図2に示されるように、第1実施形態に係るドリル100は、すくい面10と、逃げ面20と、外周面30と、シンニング面50と、後方逃げ面12と、フルート部40と、先端部15と、後端部16と、シャンク13とを主に有している。逃げ面20は、すくい面10と連なる。すくい面10と逃げ面20との稜線は、切刃7を構成する。外周面30は、すくい面10および逃げ面20の双方に連なる。すくい面10と外周面30との稜線は、外周端8を構成する。シンニング面50は、逃げ面20に対して外周面30と反対側に設けられている。シンニング面50は、逃げ面20およびすくい面10の双方に連なる。シンニング面50は、先端部15と連なる。
ドリル100は、軸Aの周りを回転可能に構成されている。フルート部40は、軸Aの周りに螺旋状に設けられている。フルート部40は、すくい面10に連なっている。後方逃げ面12は、逃げ面20に対して回転方向の後方に配置されている。後方逃げ面12は、逃げ面20に連なる。後方逃げ面12は、逃げ面20に対して傾斜している。後方逃げ面12は、後方逃げ面12および逃げ面20の境界から後端部16に向かって延在していてもよい。潤滑液供給孔11は、たとえば後方逃げ面12に設けられている。潤滑液供給孔11は、シャンク13を貫通して後端部16に開口していてもよい。
図1および図3に示されるように、逃げ面20は、刃先処理面21と、主逃げ面部22とを有していてもよい。刃先処理面21は、切刃7を構成する。主逃げ面部22は、刃先処理面21と連なる。主逃げ面部22は、刃先処理面21に対して傾斜している。主逃げ面部22は、刃先処理面21に対して回転方向の後方に位置する。主逃げ面部22は、先端部15と連なり、先端部15から外周方向に延在している。刃先処理面21は、先端部15から離間していてもよい。刃先処理面21は、すくい面10に連なる。
図1および図3に示されるように、外周面30は、戻し面21と、主外周面部32とを有してもよい。戻し面21は、外周端8を構成する。主外周面部32は、戻し面31と連なる。主外周面部32は、戻し面31に対して傾斜している。戻し面31は、刃先処理面21と連なっている。戻し面31は、刃先処理面21から後端部16に向かって延在している。戻し面31は、すくい面10に連なる。主外周面部32は、戻し面31に対して回転方向の後方に位置する。
図2および図3に示されるように、すくい面10には、第1溝1が設けられている。第1溝1は、切刃7から外周端8に向かって延在する。第1溝1は、切刃7と連なっている。第1溝1は、外周端8と連なっている。第1溝1は、複数の第1溝部1aを有している。複数の第1溝部1aの各々は、切刃7から外周端8に向かって延在する。複数の第1溝部1aの各々は、切刃7と連なっている。複数の第1溝部1aの各々は、外周端8と連なっている。
図2に示されるように、すくい面10には、ドリルの軸Aに対しドリルのねじれ角θ2よりも大きな角度θ1で延在する第1溝1が周期的に設けられている。軸Aに対して垂直な方向から見て、軸Aに対する第1溝1の延在方向の角度θ1は、軸Aに対するフルート部40のねじれ角θ2よりも大きい。なお、フルート部40のねじれ角θ2とは、軸Aに対して垂直な方向から見て、フルート部40の側端部40aと軸Aとの交点40bにおける側端部40aの接線40cと、軸Aとがなす角度である。軸Aに対する第1溝1の延在方向の角度θ1は、フルート部40のねじれ角θ2よりも0°より大きく15°以下の角度だけ大きくてもよい。ねじれ角θ2は、たとえば30°である。角度θ1は、たとえば30°以上45°以下である。角度θ1からねじれ角θ2を差し引いた値は、2°以上12°以下であってもよいし、4°以上9°以下であってもよい。
図3および図4に示されるように、複数の第1溝部1aの各々は、互いに略平行に延在していてもよい。すくい面10に対して垂直な方向から見て、複数の第1溝部1aの各々に対して垂直な方向における、複数の第1溝部1aのピッチBは、たとえば10μm以上70μm以下である。複数の第1溝部1aのピッチBは、たとえば15μm以上65μm以下であってもよいし、20μm以上50μm以下であってもよい。第1溝部1aは、約200μmの長さの範囲L(図4参照)に3個以上20個以下程度設けられている。
図5に示されるように、ドリル100は、基材5と、コーティング膜6と有していてもよい。コーティング膜6は、基材5上に設けられている。すくい面10と、逃げ面20と、外周面30と、シンニング面50と、後方逃げ面12と、フルート部40とは、コーティング膜6により構成されている。言い換えれば、コーティング膜6は、すくい面10と、逃げ面20と、外周面30と、シンニング面50と、後方逃げ面12と、フルート部40とを含んでいる。基本的には、コーティング膜6は、基材5の表面全面に設けられているが、基材5の一部がコーティング膜6から露出していてもよい。
基材5は、たとえばWC(炭化タングステン)等の粉末と、Co(コバルト)等の結合剤とを含む焼結体である超硬合金が用いられる。なお、基材5は、超硬合金に限られるものではなく、たとえばサーメットまたはセラミックス等であってもよい。コーティング膜6は、たとえばダイヤモンド結晶を含有する層である。コーティング膜6は、たとえばダイヤモンドを含む膜である。コーティング膜6は、たとえばDLC(Diamond Like Carbon)であってもよいし、ダイヤモンド多結晶膜であってもよい。
図5に示されるように、第1溝1は、コーティング膜6に設けられていてもよい。第1溝1の深さH1は、1.5μm以上である。第1溝1の深さH1は、たとえば1.9μm以上であってもよいし、2.4μm以上であってもよい。第1溝1の深さH1の上限は、たとえば50μm以下である。基材5には、第1溝1に対応する位置に第2溝2が設けられている。第1溝1が複数の第1溝部1aを有する場合、基材5には、複数の第1溝部1aの各々に対応する複数の第2溝部2aが設けられている。コーティング膜6は、基材5の上面17に接している。コーティング膜6は、基材5に設けられた第1溝1の内部に入り込み、第1溝1を埋めるように設けられている。
すくい面10は、上端面10aと、複数の第1溝部1aとを有する。複数の第1溝部1aの各々は、最大深さ部1bと、平坦部1cとを有する。1つのピッチB内に、最大深さ部1bと、平坦部1cと、上端面10aとが設けられている。上端面10aと平行な方向において、平坦部1cは、最大深さ部1bと上端面10aとの間に位置している。最大深さ部1bは、平坦部1cに対して凹部となっている。上端面10aは、平坦部1cに対して凸部となっている。言い換えれば、平坦部1cは、最大深さ部1bと上端面10aとの間の深さに形成されている。
この構成により、たとえば切屑の擦過により摩耗位置E1(図5参照)までコーティング膜6が摩耗した場合であっても、擦過面積の増大を抑制することができる。そのため、切屑はコーティング膜6の上面の一部にのみ当接し、上面の全体には当接しない。結果として、擦過面積の少ない状態を長く維持することができる。また、摩耗位置E2(図5参照)まで摩耗が進行して基材5の一部が露出した場合であっても、最大深さ部1bおよび平坦部1c上には、潤滑性の高いコーティング膜6が残される。そのため、切屑が、基材5の上面の全体に当接することを抑制することができる。よって、基材5の上面が平滑な場合に比べ、コーティング膜6の潤滑効果を長く維持することができる。結果として、摩耗の進展を抑制し、ドリルの長寿命化を実現することができる。
第2溝2の深さH2は、第1溝1の深さH1とほぼ同じであってもよいし、第1溝1の深さよりも大きくてもよい。第2溝2の深さH2は、たとえば1.5μm以上である。第2溝2の深さH2は、たとえば1.9μm以上であってもよいし、2.4μm以上であってもよい。第2溝2の深さH2の上限は、たとえば50μm以下であってもよいし、10μm以下であってもよいし5μm以下であってもよい。コーティング膜6の厚みTは、第2溝2の深さH2よりも大きくてもよい。同様に、コーティング膜6の厚みTは、第1溝1の深さH1よりも大きくてもよい。コーティング膜6の厚みTは、たとえば1μm以上5μm以下である。コーティング膜6の厚みTは、基材5の略平坦な上端面5a上にあるコーティング膜6の厚みである。
基材5の上面17は、上端面5aと、複数の第2溝部2aとを有する。複数の第2溝部2aの各々は、最大深さ部2bと、平坦部2cとを有する。1つのピッチB内に、最大深さ部2bと、平坦部2cと、上端面5aとが設けられている。上端面5aと平行な方向において、平坦部2cは、最大深さ部2bと上端面5aとの間に位置している。最大深さ部2bは、平坦部2cに対して凹部となっている。上端面5aは、平坦部2cに対して凸部となっている。言い換えれば、平坦部2cは、最大深さ部2bと上端面5aとの間の深さに形成されている。
図2および図3に示されるように、すくい面10には、第3溝3が設けられている。第3溝3は、シンニング面50とすくい面10との稜線から外周端8に向かって延在する。第3溝3は、シンニング面50とすくい面10との稜線と連なっている。第3溝3は、外周端8と連なっている。第3溝3は、複数の第3溝部3aを有している。複数の第3溝部3aの各々は、シンニング面50とすくい面10との稜線から外周端8に向かって延在する。複数の第3溝部3aの各々は、シンニング面50とすくい面10との稜線と連なっていてもよい。複数の第3溝部3aの各々は、外周端8と連なっていてもよい。図6に示されるように、複数の第3溝部3aの各々は、互いに略平行に延在していてもよい。配置されている領域を除き、第3溝部3aの構成は、第1溝部1aの構成と同じである。
図7に示されるように、第3溝3の深さH3は、第1溝1の深さH1と同じである。つまり、第3溝3の深さH3は、たとえば1.5μm以上である。第3溝3の深さH3は、たとえば1.9μm以上であってもよいし、2.4μm以上であってもよい。第3溝3の深さH3の上限は、たとえば50μm以下である。第1溝1と同様に基材5には、第3溝3に対応する位置に第4溝4が設けられている。第3溝3が複数の第3溝部3aを有する場合、基材5には、複数の第3溝部3aの各々に対応する複数の第4溝部4aが設けられている。コーティング膜6は、基材5に設けられた第3溝3の内部に入り込み、第3溝3を埋めるように設けられている。すくい面10は、複数の第3溝部3aを有する。複数の第3溝部3aの各々は、最大深さ部3bと、平坦部3cとを有する。
第4溝4の深さH4は、第2溝2の深さH2と同じである。第3溝3の深さH3とほぼ同じであってもよいし、第3溝3の深さよりも大きくてもよい。つまり、第4溝4の深さH4は、たとえば1.5μm以上である。第4溝4の深さH4は、たとえば1.9μm以上であってもよいし、2.4μm以上であってもよい。第4溝4の深さH4の上限は、たとえば50μm以下であってもよいし、10μm以下であってもよいし5μm以下であってもよい。コーティング膜6の厚みTは、第4溝4の深さH4よりも大きくてもよい。同様に、コーティング膜6の厚みTは、第3溝3の深さH3よりも大きくてもよい。基材5の上面17は、複数の第4溝部4aを有する。複数の第4溝部4aの各々は、最大深さ部4bと、平坦部4cとを有する。配置されている領域を除き、第4溝部4aの構成は、第2溝部2aの構成と同じである。
すくい面10の最大高さ粗さ(R)は、たとえば1.5μm以上である。すくい面10の最大高さ粗さ(R)は、たとえば1.9μm以上であってもよいし、2.4μm以上であってもよい。すくい面10の最大高さ粗さ(R)の上限は、たとえば50μm以下であってもよいし、10μm以下であってもよいし、5μm以下であってもよい。シンニング面50の最大高さ粗さ(R)は、すくい面10の最大高さ粗さ(R)よりも小さくてもよい。刃先処理面21の最大高さ粗さ(R)は、すくい面10の最大高さ粗さ(R)よりも小さくてもよい。戻し面31の最大高さ粗さ(R)は、すくい面10の最大高さ粗さ(R)よりも小さくてもよい。
図2に示されるように、すくい面10には、第5溝9が設けられていてもよい。第5溝9は、外周端8に連なるように延在している。第5溝9は、切刃7およびシンニング面50から離間している。第5溝9は、フルート部40に設けられていてもよい。第5溝9の深さは、刃先近傍の第1溝1の深さとほぼ同じであってもよい。第5溝9は、軸A方向において先端部15からドリル直径Dの2倍の距離までの領域に設けられていてもよいし、フルート部40全体に設けられていてもよい。これにより、切屑がフルート部を擦過する時の摩耗を低減することができる。
(溝の深さおよびすくい面の最大高さ粗さの測定方法)
次に、溝の深さおよびすくい面の最大高さ粗さの測定方法について説明する。
溝の深さおよび最大高さ粗さの測定には、たとえばキーエンス社製のレーザー顕微鏡(型番:VK−X100)が用いられる。まず、V型の溝が形成されたブロックの溝にドリルが配置される。レーザー顕微鏡のレンズに対して、ドリルの切刃が水平になるようにドリルが配置される。レーザー顕微鏡の視野倍率は、約1000倍である。図4に示されるように、切刃から約0.1mm程度離れたすくい面の領域IV(図3参照)の画像がレーザー顕微鏡により撮影される。
図4において、第1溝の延在方向に対して垂直な方向Cにおける200μmの長さの範囲Lにおいて、当該撮影領域の高さ方向のプロファイルが測定され、すくい面における最大高さ粗さ(R)が測定される。最大高さ粗さ(R)は、国際標準化機構の「ISO4287:1997」に準拠して求められる。また当該撮影領域の高さ方向のプロファイルにおいて、第1溝1が形成されている部分と、第1溝1が形成されていない略平坦な上端面10aとが特定される。第1溝1の底部の高さと、略平坦な上端面10aの平均的な高さとの間の距離が、第1溝1の深さH1として求められる。
基材5の第2溝2の深さH2は、図4のV−V線にてドリルを切断し、その断面における基材とコーティング膜の界面を、顕微鏡等を用いて撮影した画像から測定してもよい。
次に、第1実施形態に係るドリルの作用効果について説明する。
第1実施形態に係るドリル100によれば、すくい面10には、ドリルの軸Aに対しドリルのねじれ角θ2よりも大きな角度θ1で延在する溝が周期的に設けられている。溝の深さは、1.5μm以上である。これにより、すくい面と切屑との接触面積が低減する。そのため、すくい面の摩耗を抑制することができる。
また第1実施形態に係るドリル100によれば、に係るドリル100のすくい面10には、切刃7から外周端8に向かって延在する第1溝1が設けられており、第1溝1の深さH1は1.5μm以上である。すくい面に第1溝が設けられているため、すくい面と切屑との接触面積が低減する。また第1溝の深さが1.5μm以上であるため、切削加工中にコーティング膜の一部が摩耗した場合であっても、すくい面と切屑との接触面積が低減した状態を長時間維持することができる。さらに切削加工時において、第1溝に沿って切刃から外周端に向かって潤滑液が流れやすくなる。そのため、すくい面の潤滑性が高まり、切りくずから受ける負荷を軽減することができる。結果として、すくい面の摩耗を抑制することができる。
さらに第1実施形態に係るドリル100によれば、基材5には、第1溝1に対応する位置に第2溝2が周期的に設けられている。第2溝2の深さは1.5μm以上である。これにより、膜厚分程度の深さまで摩耗が進行し、部分的に基材の凸部が露出した場合であっても、基材に設けられた第2溝にはコーティング膜が残る。一般的に基材は、コーティング膜に比べて何倍も被削材との親和性が高いため、切りくずが擦過したときの摩耗の進展はコーティング膜よりも早くなる。基材に設けられた第2溝にコーティング膜が残ることで、切屑の擦過方向に沿って基材とコーティング膜とが交互に配置される。そのため、切屑の全面が基材に接触することを抑制することができる。結果として、切屑の擦過による摩耗の進展を緩和し、すくい面の摩耗を抑制することができる。
さらに第1実施形態に係るドリル100によれば、すくい面10の最大高さ粗さ(Rz)は、1.5μm以上50μm以下である。これにより、すくい面の摩耗をさらに抑制することができる。
さらに第1実施形態に係るドリル100によれば、コーティング膜6の厚みは、第2溝の深さよりも大きい。これにより、第2溝の内部を十分にコーティング膜で埋めることができる。そのため、摩耗によりコーティング膜の凸部の一部が剥がれた場合であっても、基材に設けられた第2溝に十分な厚みのコーティング膜が残る。結果として、コーティング膜による潤滑効果を長時間維持することができる。
さらに第1実施形態に係るドリル100によれば、コーティング膜6は、逃げ面20およびすくい面10の双方に連なるシンニング面50をさらに含んでいる。すくい面10には、シンニング面50とすくい面10との稜線から外周端8に向かって延在する第3溝3が設けられている。これにより、切屑の擦過による摩耗の進展を緩和し、すくい面の摩耗を抑制することができる。
さらに第1実施形態に係るドリル100によれば、第3溝3の深さは、1.5μm以上である。これにより、切屑の擦過による摩耗の進展を緩和し、すくい面の摩耗を抑制することができる。
さらに第1実施形態に係るドリル100によれば、シンニング面50の最大高さ粗さ(Rz)は、すくい面10の最大高さ粗さ(Rz)よりも小さい。シンニング面は、被削材から大きい圧力を受けるため、シンニング面が荒れていると圧力凝着が発生しやすくなる。シンニング面の最大高さ粗さをすくい面の最大高さ粗さよりも小さくすることで、圧力凝着を抑制し、シンニング面の摩耗を抑制しつつ、すくい面の摩耗を抑制することができる。
さらに第1実施形態に係るドリル100によれば、逃げ面20は、切刃7を構成する刃先処理面21と、刃先処理面21と連なりかつ刃先処理面21に対して傾斜した主逃げ面部22とを有している。刃先処理面21の最大高さ粗さ(R)は、すくい面10の最大高さ粗さ(R)よりも小さい。刃先処理面は、被削材から大きい圧力を受けるため、刃先処理面が荒れていると圧力凝着が発生しやすくなる。刃先処理面の最大高さ粗さをすくい面の最大高さ粗さよりも小さくすることで、圧力凝着を抑制し、刃先処理面の摩耗を抑制しつつ、すくい面の摩耗を抑制することができる。
さらに第1実施形態に係るドリル100によれば、外周面30は、外周端8を構成する戻し面31と、戻し面31と連なりかつ戻し面31に対して傾斜した主外周面部32とを有している。戻し面31の最大高さ粗さ(Rz)は、すくい面10の最大高さ粗さ(Rz)よりも小さい。戻し面は、被削材から大きい圧力を受けるため、戻し面が荒れていると圧力凝着が発生しやすくなる。戻し面の最大高さ粗さをすくい面の最大高さ粗さよりも小さくすることで、圧力凝着を抑制し、戻し面の摩耗を抑制しつつ、すくい面の摩耗を抑制することができる。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態に係るドリルの構成について説明する。
第2実施形態に係るドリルは、コーティング膜6の厚みTは、第2溝2の深さH2よりも小さい構成において第1実施形態に係るドリルと異なっており、その他の構成については第1実施形態に係るドリルと同様である。以下、第1実施形態に係るドリルの構成と異なる構成を中心に説明する。
図8に示されるように、コーティング膜6の厚みTは、第1溝1の深さH1よりも小さくてもよい。同様に、コーティング膜6の厚みTは、第2溝2の深さH2よりも小さくてもよい。第1溝1の深さH1および第2溝2の深さH2が2μm以上である場合、コーティング膜6の厚みTはたとえば2μm未満である。基材5には、第1溝1に対応する位置に第2溝2が設けられている。第1溝1の一部が、第2溝2の内部に入り込んでいてもよい。第1溝1の底部の高さは、略平坦な上端面5aの高さよりも低くてもよい。
図9に示されるように、コーティング膜6の厚みTは、第3溝3の深さH3よりも小さくてもよい。同様に、コーティング膜6の厚みTは、第4溝4の深さH4よりも小さくてもよい。第3溝3の深さH3および第4溝4の深さH4が2μm以上である場合、コーティング膜6の厚みTはたとえば2μm未満である。基材5には、第3溝3に対応する位置に第4溝4が設けられている。第3溝3の一部が、第4溝4の内部に入り込んでいてもよい。第3溝3の底部の高さは、略平坦な上端面5aの高さよりも低くてもよい。
なお上記各実施形態においては、ドリル100は、基材5と、コーティング膜6とを有している場合について説明したが、ドリル100は、コーティング膜6を有していなくてもよい。この場合、溝(第2溝2)は、基材5のすくい面10に設けられている。ドリル100がコーディング膜6を有していない場合、すくい面10と、逃げ面20と、外周面30と、シンニング面50と、後方逃げ面12と、フルート部40とは、基材5により構成されている。
(サンプル準備)
まず、すくい面における最大高さ粗さの異なるサンプル1〜8のドリルを準備した。サンプル1〜8のドリルのすくい面10(図3参照)における最大高さ粗さ(R)を、それぞれ0.37μm、0.66μm、1.05μm、1.52μm、1.93μm、2.20μm、2.62μmおよび3.00μmとした。すくい面の最大高さ粗さは基材の最大高さ粗さに倣うため、基材5に形成される第2溝2の深さH2を変化させることにより調整した。第2溝2を、砥石によって基材を研磨することにより形成した。第2溝2の深さを、砥石の送り速度を変化させることにより調整した。基材5に第2溝2を設けた後、基材5上にコーティング膜6を成膜することで、コーティング膜6に第1溝1を形成した。コーティング膜6によって構成されたすくい面10における最大高さ粗さ(R)を、キーエンス社製のレーザー顕微鏡(型番:VK−X100)により測定した。
(評価方法)
次に、サンプル1〜8のドリルを用いて切削試験を行った。被削材をS50Cとした。周速を80mm/分とした。送りを0.25mm/回転とした。穴を貫通孔とし、穴深さを38mmとした。設備として、縦型マシニングセンタを使用した。エマルション内部給油を行った。給油圧力を2.0MPaとした。切削穴数を1600穴とした。切削試験後、すくい面の摩耗量を測定した。具体的には、キーエンス社製のマイクロスコープ(型番:VHX−5000)を用いて、摩耗部の面積を測定した。具体的には、ドリルの切刃が水平になるようにドリルをブロックの溝に配置した。すくい面の画像をレーザー顕微鏡により撮影した。撮影した画像を二値化して摩耗部の面積を求めた。次に、摩耗部の深さを測定した。具体的には、キーエンス社製のレーザー顕微鏡(型番:VK−X100)を用いて、摩耗部の深さを測定した。具体的には、切刃の中央位置における断面プロファイルを測定し、当該断面プロファイルから摩耗部の深さを求めた。摩耗部の面積(μm)と摩耗部の深さ(μm)との積の半分の値を体積摩耗量(μm)と定義した。
(評価結果)
図10は、すくい面の体積摩耗量と、すくい面の最大高さ粗さ(R)との関係を示す図である。図10に示されるように、すくい面の最大高さ粗さ(R)が大きくなるにつれて、すくい面の体積摩耗量が低減することが確かめられた。特に、すくい面の最大高さ粗さが1.5μm以上5μm以下の場合においては、すくい面の体積摩耗量が顕著に低減することが確かめられた。
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味、および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 第1溝、1a 第1溝部、1b,2b,3b,4b 最大深さ部、1c,2c,3c,4c 平坦部、2 第2溝、2a 第2溝部、3 第3溝、3a 第3溝部、4 第4溝、4a 第4溝部、5 基材、5a,10a 上端面、6 コーティング膜、7 切刃、8 外周端、9 第5溝、10 すくい面、11 潤滑液供給孔、12 後方逃げ面、13 シャンク、15 先端部、16 後端部、17 上面、20 逃げ面、21 刃先処理面、22 主逃げ面部、30 外周面、31 戻し面、32 主外周面部、40 フルート部、40a 側端部、40b 交点、40c 接線、50 シンニング面、100 ドリル、A 軸、B ピッチ、C 方向、D ドリル直径、E1,E2 摩耗位置、H1,H2,H3,H4 深さ、L 範囲、T 厚み。

Claims (13)

  1. すくい面と、前記すくい面と連なる逃げ面と、前記すくい面および前記逃げ面の双方に連なる外周面とを備え、
    前記すくい面と前記逃げ面との稜線は、切刃を構成し、
    前記すくい面と前記外周面との稜線は、外周端を構成し、
    前記すくい面には、ドリルの軸に対しドリルのねじれ角よりも大きな角度で延在する溝が周期的に設けられており、
    前記溝の深さは、1.5μm以上である、ドリル。
  2. 前記ドリルは、基材と、前記基材上に設けられたコーティング膜とを有し、
    前記すくい面、前記逃げ面および前記外周面は、前記コーティング膜により構成され、
    前記溝は、前記コーティング膜に設けられ、かつ前記切刃から前記外周端に向かって延在する第1溝であり、前記第1溝の深さは1.5μm以上である、請求項1に記載のドリル。
  3. 前記基材には、前記第1溝に対応する位置に第2溝が周期的に設けられており、前記第2溝の深さは1.5μm以上である、請求項2に記載のドリル。
  4. 前記すくい面の最大高さ粗さは、1.5μm以上50μm以下である、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のドリル。
  5. 前記ドリルは、前記軸の周りを回転可能に構成されており、
    前記コーティング膜は、前記すくい面に連なり、かつ前記軸の周りに螺旋状に設けられたフルート部をさらに含む、請求項2または請求項3に記載のドリル。
  6. 前記軸に対する前記溝の延在方向の角度から、前記ねじれ角を引いた値は、0°より大きく15°以下である、請求項5に記載のドリル。
  7. 前記溝は、複数の溝部を有し、
    前記複数の溝部のピッチは、10μm以上70μm以下である、請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載のドリル。
  8. 前記コーティング膜の厚みは、前記第2溝の深さよりも大きい、請求項3に記載のドリル。
  9. 前記コーティング膜は、前記逃げ面および前記すくい面の双方に連なるシンニング面をさらに含み、
    前記すくい面には、前記シンニング面と前記すくい面との稜線から前記外周端に向かって延在する第3溝が設けられている、請求項2、請求項3、請求項5、請求項6および請求項8のいずれか1項に記載のドリル。
  10. 前記第3溝の深さは、1.5μm以上である、請求項9に記載のドリル。
  11. 前記シンニング面の最大高さ粗さは、前記すくい面の最大高さ粗さよりも小さい、請求項9または請求項10に記載のドリル。
  12. 前記逃げ面は、前記切刃を構成する刃先処理面と、前記刃先処理面と連なりかつ前記刃先処理面に対して傾斜した主逃げ面部とを有し、
    前記刃先処理面の最大高さ粗さは、前記すくい面の最大高さ粗さよりも小さい、請求項1〜請求項11のいずれか1項に記載のドリル。
  13. 前記外周面は、前記外周端を構成する戻し面と、前記戻し面と連なりかつ前記戻し面に対して傾斜した主外周面部とを有し、
    前記戻し面の最大高さ粗さは、前記すくい面の最大高さ粗さよりも小さい、請求項1〜請求項12のいずれか1項に記載のドリル。
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