JP2010221351A - 刃先交換型バイト用チップ - Google Patents

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美紀 宮永
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Abstract

【課題】優れた耐摩耗性と耐欠損性を従来の刃先交換型切削工具よりもバランス良く備えた刃先交換型切削工具を提供する。
【解決手段】刃先交換型切削工具の当接面と刃先の接線の両方に直交する断面において、当接面に平行な平行面5と、断面のすくい面1側の輪郭線との接点をα、当接面と前記断面の両方に直交する直交面6と、断面の逃げ面3側の輪郭線との接点をβ、これらαとβの間の輪郭線である刃先稜線上の任意の点xにおける接線と平行面5とのなす角をθx、このθxが45°となる刃先稜線上の点をγとしたとき、γを通り、前記輪郭線に内接する円の半径Rγを、5μm〜50μmとする。
【選択図】図2

Description

本発明は、優れた耐摩耗性と耐欠損性を備えた刃先交換型切削工具に関するものである。
従来から金属材料の切削に刃先交換型切削工具が利用されている。刃先交換型切削工具には、平面視したときの形状が三角形のものや、円形のもの、あるいは菱形、矩形、六角形などの多角形のものがある。図1(B)に示すように、このような切削工具10は、ホルダ20に固定した状態で使用される。また、図1(A)に示すように、切削工具10は、ホルダ20の座面に当接する当接面1と、当接面1の反対の側にあるすくい面2と、当接面1とすくい面2とを繋ぐ逃げ面3とを備え、すくい面1と逃げ面3との境界部に形成される切れ刃4により被削材を切削する。
このような切削工具に要求される特性は、切削時に切削工具が摩耗し難いことと、チッピングを生じ難いこと、即ち、耐摩耗性と耐欠損性に優れることである。切削工具の耐摩耗性と耐欠損性を向上させるために、切削工具の刃先の形状を規定することが行われている(例えば、特許文献1や2を参照)。
特許文献1には、刃先部分をすくい面にほぼ垂直な面で切った断面において、すくい面からの延長線と逃げ面からの延長線とが交わってできる仮想断面から実際の断面を除いた部分の面積Sを規定し、このSを刃先形状の限定要素としたスローアウェイチップ(刃先交換型切削工具)が開示されている。特許文献1では、このような刃先形状とすることで、耐摩耗性および耐欠損性に優れた切削工具とすることができる、としている。
また、特許文献2には、刃先部分を断面視したときの輪郭線(刃先稜線)が円弧となる丸ホーニング、または、刃先稜線が複数の円弧の組合せあるいは複数の円弧と直線の組合せとなる曲線状ホーニングを刃先部分に施した切削チップが開示されている。そして、特許文献2では、上記円弧の曲率半径を限定することで、逃げ面摩耗を制御することができる、としている。
特開2006−192552号公報 特開2007−7736号公報
しかし、従来の刃先交換型切削工具では、優れた耐摩耗性と耐欠損性をバランス良く兼ね備えているとは言い難く、更なる耐摩耗性と耐欠損性の向上を図った切削チップの開発が望まれている。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的の一つは、優れた耐摩耗性と耐欠損性を従来の刃先交換型切削工具よりもバランス良く備えた刃先交換型切削工具を提供することにある。
本発明者らは、耐摩耗性と耐欠損性の両方に及ぼす刃先稜線の形状について鋭意検討した結果、本発明刃先交換型切削工具を完成するに至った。以下に本発明刃先交換型切削工具を説明するが、その前に、本発明における刃先稜線の各部の定義を示す。
本発明刃先交換型切削工具は、肉眼による工具の全体形状を見た場合、図1に示す従来の工具とほぼ同じであり、刃先部分の断面を微視的に見たときに従来工具との相違点が認められる。図2は、本発明刃先交換型切削工具の刃先断面であって、図1(A)のA−A断面矢視図である。図1(A)に示す概略三角形状の切削工具10では、A−A断面は、当接面1に直交すると共に、切れ刃4の接線に直交する断面であり、三角形の中心点を含んでいる。
図2に示す断面において、本発明を特定する要素を次のように定義する。
刃先交換型切削工具の当接面に平行な平行面5と、断面のすくい面2側の輪郭線との接点をαとする。
当接面と断面の両方に直交する直交面6と、断面の逃げ面3側の輪郭線との接点をβとする。
これらαとβの間の輪郭線である刃先稜線上の任意の点xにおける接線と平行面とのなす角をθxとする。
これらの定義を踏まえて本発明刃先交換型切削工具を以下に説明する。
(1) 本発明刃先交換型切削工具は、上記θxが45°となる刃先稜線上の点をγとしたとき、このγを通り、刃先稜線を含む切削チップの断面の輪郭線に内接する円の半径Rγを5μm〜50μmとしたことを特徴とする。
刃先稜線の形状を上記のように限定することにより、優れた耐摩耗性と耐欠損性をバランス良く兼ね備えた長寿命の刃先交換型切削工具となる。また、本発明刃先交換型切削工具は、摩耗し難く、かつチッピングし難いため、被削材を切削した際、被削面の面粗さを小さくすることができる、即ち、寸法精度が高く、光沢のある被削面とすることができる。
上記のようにRγを5μm以上とすることでエッジが尖りすぎることがなく、切削時にγの位置に微小なチッピングが生じ難く、この微小なチッピングをきっかけにして刃先交換型切削工具に大きな損傷が生じることも少ない。特に、Rγのより好ましい範囲は20μm〜40μmである。
ここで、図3は、切れ刃に丸ホーニングを形成した従来の刃先交換型切削工具の断面であり、その断面にRγを規定した状態を示す図である。Rγを定義すること自体、従来にはない新規なことであるが、図3に示すように、従来の刃先交換型切削工具の刃先稜線の形状にRγの定義を当てはめると、そのRγは50μm超となる。つまり、Rγが50μm超であると、従来品と同じような刃先稜線の形状となるため、耐摩耗性と耐欠損性のバランスが良好とは言い難く、被削材の面粗さが大きくなり易い。
ところで、本発明刃先交換型切削工具のような刃先稜線を形成するには、例えば、以下に示すように研削処理すれば良い。まず、すくい面側の刃先稜線の形成は、切削工具のすくい面が上になるように切削工具を固定し、刃先稜線に対してすくい面から逃げ面に向かって研削ブラシをかける。その際、ブラシを当てる位置と角度により、すくい面側の刃先稜線の形状を調節する。また、逃げ面側の刃先稜線の形成は、切削工具の逃げ面が上になるように切削工具を固定し、逃げ面からすくい面に向かって研削工具をかける。その際、ブラシを当てる位置と角度により、逃げ面側の刃先稜線の形状を調節する。その他、切削工具のすくい面から逃げ面に向かって研削ブラシをかけることで、すくい面の刃先稜線を形成した後、メディアによるバレル研磨により、逃げ面側を優先的に処理することで、本発明切削工具の形状を形成することができる。ただし、バレル処理の時間を増加すれば、Rγが大きくなる傾向にある。また、切削工具のすくい面から逃げ面に向かって研削ブラシをかけた後、すくい面側から毛足の長い研削ブラシですくい面に対して平行方向の回転処理を行うことでも発明切削工具の形状を形成できる。
(2) 本発明刃先交換型切削工具の一形態として、図2に示すように、βから平行面5までの距離をLn、γから平行面5までの距離をLγ、Ln−LγをLnnとしたとき、Lnn/Lnが0.2〜0.8であることが好ましい。
Lnn/Lnを0.2以上とすることで、刃先に微小なチッピングが生じ難くなる。また、刃先に微小なチッピングが生じ難くなることで、被削材の面粗さが小さくなり、光沢のある被削面を得ることができる。一方、Lnn/Lnを0.8以下とすることで、切削チップの耐摩耗性を向上させることができる。Lnn/Lnのより好ましい範囲は、0.30〜0.75である。
(3)本発明刃先交換型切削工具の一形態として、βを通り、輪郭線に内接する円の半径Rβとしたとき、半径Rβは、30μm〜500μmであることが好ましい。
Rβを30μm以上とすることで、優れた耐摩耗性を備えると共に、刃先稜線のβの位置での微小なチッピングの発生を抑制することができる。その結果、被削面の面粗さが小さくなり、光沢のある被削面を得ることができる。特に、Rβを40μmよりも大きくすることが好ましい。なお、Rβが30μmよりも小さくても、耐摩耗性は良好な傾向があるが、Rβを30μm以上とするよりもβの位置で微小チッピングが起こる可能性が若干高い。
(4)本発明刃先交換型切削工具の一形態として、αから直交面6までの距離をLsとしたとき、Ls/Lnが1.0〜3.0であることが好ましい。
Ls/Lnを1.0以上とすることで、刃先交換型切削工具の靱性を著しく向上させることができるし、耐摩耗性を高くすることができる。また、Ls/Lnを3.0以下とすることで刃先の耐衝撃性を向上させることができるので、切削時に刃先に欠損が生じ難くなる。Ls/Lnのより好ましい範囲は、1.2〜2.0である。
(5)本発明刃先交換型切削工具の一形態として、刃先稜線のβの位置における工具表面から深さ10μm〜50μmの平均ビッカース硬度が、工具表面から深さ50μm超の位置の平均ビッカース硬度よりも10%以上高いことが好ましい。
刃先稜線のβの位置から深さ10μm〜50μmの範囲の平均ビッカース硬度を、50μmよりも深い位置での平均ビッカース硬度よりも10%以上高くすることで、刃先交換型切削工具の耐摩耗性と耐欠損性をより向上させることができる。これは、工具表面の部分の硬度を高くすることで刃先交換型切削工具の耐摩耗性を向上させつつ、表面部よりも硬度が低い内部で切削工具の靱性を確保するからである。
(6)本発明刃先交換型切削工具の一形態として、刃先稜線のβの位置における工具表面から深さ0.5μm〜10μm以内の範囲にビッカース硬度のピークが存在することが好ましい。
βの位置から内部方向へ0.5μm〜10μm以内の範囲に硬度のピークを有する、つまり、刃先交換型切削工具の極表面部に、その直下よりも軟らかい層が存在することにより、刃先交換型切削工具の耐摩耗性と耐欠損性が向上する。その結果、耐摩耗性が高く、かつ被削材の仕上げ面粗さを向上させることができる刃先交換型切削工具となる。
(7)本発明刃先交換型切削工具の一形態として、工具表面に硬質膜が被覆されていることが好ましい。
硬質膜により刃先交換型切削工具の表面を保護することで、刃先交換型切削工具の靱性を維持したまま、刃先交換型切削工具の耐摩耗性を向上させることができる。また、硬質膜を設けることで、刃先にチッピングが生じにくくなることから、この刃先交換型切削工具を用いて被削材を切削すれば、仕上げ面粗さが小さく光沢のある被削面を得ることができる。
硬質膜としては、例えば、TiAlN、TiN、AlN、TiCNなどを利用することができる。また、硬質膜は、CVD法(化学的蒸着)やPVD法(物理的蒸着法)などの気相法により形成することができる。一般に、CVD法では、被覆膜に引張応力が付与され、PVD法では、被覆膜に圧縮応力が付与される。刃先交換型切削工具の用途や、工具の材質、被削材の材質や形状に応じて、被覆膜の形成方法を適宜選択すれば良い。例えば、フライス加工用であればPVD法で被覆膜を形成することが好ましいし、旋削加工用であればCVD法で被覆膜を形成することが好ましい。
本発明刃先交換型切削工具は、優れた耐摩耗性と耐欠損性をバランス良く兼ね備えるので、長寿命である。そして、この切削工具で被削材を切削すれば、切削工具の耐摩耗性と耐欠損性が高く、切れ刃の形状が歪になり難いため、被削面の面粗さを小さくできる。
(A)は、刃先交換型切削工具の概略斜視図、(B)は、刃先交換型切削工具をホルダに取り付けた状態を示す模式図である。 本発明刃先交換型切削工具の刃先断面図であって、図1(A)のA−A断面矢視図である。 従来の刃先交換型切削工具の刃先断面図であって、図1(A)のA−A断面矢視図である。
<試験例1>
サーメットからなる切削チップ(刃先交換型切削工具)を作製し、その切削チップの耐摩耗性および耐欠損性を調べた。また、切削チップにより切削された被削材の表面粗さも調べた。作製した切削チップにおける本発明を特定する要素は、図2を用いて既に説明した定義に従う。具体的な定義を以下に列挙する。
切削チップの当接面と、前記切れ刃の接線とに直交する断面において、以下の(1)〜(10)を定義する。
(1)切削チップの当接面に平行な平行面5と、断面のすくい面2側の輪郭線との接点をαとする。
(2)当接面と、断面の両方に直交する直交面6と逃げ面3側の輪郭線との接点をβとする。
(3)平行面5と、αとβの間の輪郭線である刃先稜線上の任意の点xにおける接線とのなす角をθxとする。
(4)θx=45°となるxをγとする。
(5)γを通り、断面に輪郭線に内接する円の半径をRγとする。
(6)βから平行面5までの距離をLnとする。
(7)γから平行面5までの距離をLγとする。
(8)Ln−LγをLnnとする。
(9)αから直交面6までの距離をLsとする。
(10)βを通り、断面の輪郭線に内接する円の半径をRβとする。
次に、作製した切削チップの具体的な構成について述べる。
まず、基材として、TiCNを主たる硬質相とするサーメットを準備した。具体的なサーメットの組成は、TiCN:50質量%、TiC:20質量%、WC:16質量%、Co:7質量%、Ni:7質量%とした。この基材をISO規格のTNGG120404形状とした複数のベースチップを作製した。なお、TNGG規格のベースチップは、基材の外周面を研削して形状を完成させるため、ベースチップ全体の硬度はほぼ一様である。
作製したベースチップは切り屑処理用のブレーカを有し、刃先のすくい角(すくい面2と平行面5とのなす角)は13°であり、すくい面2と逃げ面3との繋ぎ部、即ち、刃先が尖った状態になっている。そこで、刃先に対してすくい面2から逃げ面3に向かう方向に研削ブラシをかけて、すくい面2側の刃先処理を行った。この処理の際、ベースチップ毎にブラシを当てる位置と角度を変化させることで処理量を変化させた。
次に、切削チップの逃げ面3が上になるように固定台にセットし、逃げ面3からすくい面2に向かう方向に研削ブラシをかけて、逃げ面3側の刃先処理を行った。この処理の際、ベースチップ毎にブラシを当てる位置と角度を変化させることで処理量を変化させた。
上述したすくい面2と逃げ面3の処理により、Lsを70μm、Lnを40μm、Rβを約70μmとなるようにすると共に、RγとLnn/Lnを変化させた刃先交換型切削工具(試料1−1〜試料1−16)を作製した。作製した各チップの構成を表1に示す。また、それぞれのチップを用いて表2〜表4に示す切削条件で切削試験を行った。その結果を表5にまとめる。
Figure 2010221351
Figure 2010221351
耐摩耗性の評価は、最大45分の連続切削を行った後の刃先先端部の平均摩耗量(mm)で評価する。平均摩耗量が小さいほど、耐摩耗性は高いと言える。
Figure 2010221351
靱性試験により切削チップの欠け難さ、即ち耐欠損性を評価する。具体的には、最大5分の断続切削を行い、チッピングが生じるまでの切削チップと被削材との衝突回数により耐欠損性を評価した。なお、この試験の被削材には溝が切ってあるので、この溝に交差する方向に切削を行えば、断続切削を行うことになる。
Figure 2010221351
被削面粗さ試験により、切削チップの総合的な評価を行った。被削材の被削面の状態が良いということは、切削チップの摩耗が小さく、切削チップに微小なチッピングが少ないということの証拠の一つであると言える。具体的には、被削面の中心線平均粗さ(JIS B 0601 1982)を測定した。
Figure 2010221351
表5の結果から、Rγを5〜50μmに範囲とした試料1−2〜試料1−14は、Rγをこの範囲外とした試料よりも耐摩耗性・耐欠損性の両方に優れることが明らかになった。より具体的に評価すると、Rγ以外の寸法(Lnn/Ln、Rβ、Ls/Ln)がほぼ共通する試料1−1〜試料1−5、および試料1−13〜試料1−16を比較すると、Rγが20μm〜40μmの範囲にある試料1−4、試料1−5および試料1−13が特に耐欠損性に優れることが明らかになった。さらに、Lnn/Ln以外の寸法(Rγ、Rβ、Ls/Ln)がほぼ共通する試料1−5〜試料1−12を比較すると、Lnn/Lnが0.30〜0.75の範囲にある試料1−8〜試料1−10が特に耐摩耗性と耐欠損性のバランスに優れることが明らかになった。
<試験例2>
試験例1の試料を作製する際の方法と同じ刃先処理を行い、Rγを34μm、Lnn/Lnを0.60に固定して、RβとLs/Lnを変化させた切削チップ(試料2−1〜試料2−13)を作製した。そして、表2〜表4に示した条件で切削試験を行った。各切削チップの構成を表6に、各切削チップの試験結果を表7に示す。なお、試料2−1は、試験例1の試料1−5と全く同じものである。
Figure 2010221351
Figure 2010221351
表7の結果から、Rβ以外の寸法(Lnn/Ln、Rγ、Ls/Ln)がほぼ共通する試料2−1、および試料2−7〜試料2−13を比較すると、Rβが30μm〜500μmの範囲にある試料2−1、試料2−8〜試料2−12は、その他の試料に比べて耐摩耗性と耐欠損性のバランスに優れることが明らかになった。特に、Rβを40μm以上とすると、耐欠損性がより向上することが明らかになった。さらに、Ls/Ln以外の寸法(Rγ、Lnn/Ln、Rβ)がほぼ共通する試料2−1〜試料2−6を比較すると、Ls/Lnが1.0〜3.0の範囲にある試料2−3〜試料2−5が耐欠損性に優れることが明らかになった。特に、Ls/Lnが1.2〜3.0の範囲にある試料2−1、試料2−3〜試料2−5は、その他の試料に比べて耐摩耗性に優れることが明らかになった。
<試験例3>
試験例3では、切削チップの表面側と内部側とで硬度差を設けたときの切削チップの耐摩耗性と耐欠損性に及ぼす影響を調べた。
試験例1の試料1−5と同じ切削チップ(試料3−1)と、この切削チップの刃先部に被覆膜(硬質膜)を形成した切削チップ(試料3−2)を作製した。被覆膜は、平均厚さ1μmのTiAlN膜と、その上に設けられる平均厚さ3μmのTiCN膜からなる。この被覆膜は、アーク式イオンプレーティング法により形成した。
また、試験例1で用いた基材の組成においてTiCNとTiCの量を変化させることで、窒素量を変化させるとともに、炭素量、ならびに焼結条件を変化させることで表面の硬さを制御した工具基材を作製し、形状をTNGG120404形状ではなくTNMG120404形状とした切削チップ(試料3−3〜試料3−6)を作製した。TNMG形状の切削チップは、焼結時のままの焼結肌を有しており、切削チップの表面側の領域の硬度を、内部側の領域よりも高くすることができる。切削チップにおける硬度を変化させるには、焼結中の窒素圧力を制御することで切削チップの脱窒素量を制御すれば良い。例えば、試料3−6のサーメット表面側の領域に硬度のピークを形成するには、一旦雰囲気中の窒素圧力を減少させ、切削チップの硬度を向上させ、その後、雰囲気中の窒素圧力を増加させ、切削チップの最表面における窒素量を増加し、炭素量を減少させて最表面の硬度を低下させる。
さらに、WC:85質量%、NbC:5質量%、TiCN:2質量%、Co:8質量%、とした超硬合金を基材として、刃先稜線のβの位置からチップ深さ方向に硬度を変化させた切削チップ(試料3−7〜試料3−10)を作製した。硬度を変化させるには、焼結中の窒素圧力を制御することで脱窒素量を制御すれば良い。
これら試料3−1〜試料3−10について、刃先稜線のβの位置から切削チップの深さ方向にビッカース硬度を測定した。具体的には、刃先稜線のβの位置から深さ10〜50μmの範囲におけるビッカース硬度の平均値(Hvs)と、刃先稜線のβの位置から上記範囲よりも深い位置(深さ500μm前後の位置)でのビッカース硬度の平均値(Hvi)を測定した。硬度の平均値は、10μm毎に5点以上の測定により求めた。また、刃先稜線のβの位置から深さ0.5〜50μmの間にビッカース硬度のピークが存在するか否かについても調べた。
次いで、試料3−1〜3−10について表2〜表4の条件に従う切削試験を行った。各切削チップの構成を表8に、各切削チップの試験結果を表9に示す。
Figure 2010221351
Figure 2010221351
表9の結果から、以下のことが明らかになった。まず、試料3−1と試料3−2の比較により、切削チップの表面に被覆膜を形成すると耐摩耗性と耐欠損性が向上することがわかった。次に、試料3−1、試料3−3〜試料3−6の比較により、被覆膜を形成せずに切削チップの表面側の硬度を内部側よりも高くすることで、切削チップの耐欠損性が向上することがわかった。特に、表面側の硬度を内部側よりも高くすると共に、βの位置から深さ0.5〜50μmの範囲にビッカース硬度のピークを有する試料3−6は、被覆膜を備える試料3−2よりも優れた耐欠損性を示した。このような傾向と同様の傾向が、基材を超硬合金とした試料3−7〜試料3−10においても認められた。
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるわけではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
本発明刃先交換型切削工具は、連続切削や断続切削などの種々の条件の切削に好適に利用可能である。
10 切削チップ(刃先交換型切削工具) 20 ホルダ
1 当接面 2 すくい面 3 逃げ面 4 切れ刃
5 平行面 6 直交面

Claims (7)

  1. ホルダの座面に当接する当接面と、当接面と反対側の面であるすくい面と、当前記接面と前記すくい面とを繋ぐ逃げ面と、前記すくい面と前記逃げ面との境界部に形成される切れ刃とを有する刃先交換型切削工具であって、
    前記当接面と、前記切れ刃の接線とに直交する断面において、
    前記当接面に平行な平行面と、前記断面のすくい面側の輪郭線との接点をα、
    前記当接面と前記断面の両方に直交する直交面と、前記断面の逃げ面側の輪郭線との接点をβ、
    これらαとβの間の輪郭線である刃先稜線上の任意の点xにおける接線と平行面とのなす角をθx、
    このθxが45°となる刃先稜線上の点をγとしたとき、
    前記γを通り、前記輪郭線に内接する円の半径Rγは、5μm〜50μmであることを特徴とする刃先交換型切削工具。
  2. 前記βから前記平行面までの距離をLn、前記γから前記平行面までの距離をLγ、Ln−Lγ=Lnnとしたとき、
    Lnn/Lnが0.2〜0.8であることを特徴とする請求項1に記載の刃先交換型切削工具。
  3. 前記βを通り、前記輪郭線に内接する円の半径Rβは、30μm〜500μmであることを特徴とする請求項1または2に記載の刃先交換型切削工具。
  4. 前記αから前記直交面までの距離をLs、前記βから前記平行面までの距離をLnとしたとき、Ls/Lnが1.0〜3.0であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の刃先交換型切削工具。
  5. 前記βの位置における工具表面から深さ10μm〜50μmの平均ビッカース硬度が、工具表面から深さ50μm超の位置の平均ビッカース硬度よりも10%以上高いことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の刃先交換型切削工具。
  6. 前記βの位置における工具表面から深さ0.5μm〜10μmの範囲にビッカース硬度のピークが存在することを特徴とする請求項5に記載の刃先交換型切削工具。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項に記載の刃先交換型切削工具の表面に、硬質膜を被覆したことを特徴とする刃先交換型被覆工具。
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