JPH05277809A - 管ねじ切り用チップ及びその製造装置 - Google Patents

管ねじ切り用チップ及びその製造装置

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JPH05277809A
JPH05277809A JP7136692A JP7136692A JPH05277809A JP H05277809 A JPH05277809 A JP H05277809A JP 7136692 A JP7136692 A JP 7136692A JP 7136692 A JP7136692 A JP 7136692A JP H05277809 A JPH05277809 A JP H05277809A
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JP
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face
chip
tip
flank
cutting
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Withdrawn
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JP7136692A
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English (en)
Inventor
Kuniaki Motoda
邦昭 元田
Hidekazu Komori
英一 小森
Yasuhiro Tanaka
康浩 田中
Masao Yamaguchi
正男 山口
Iwashiro Sugimoto
巖城 杉本
Hironobu Sakakibara
廣信 榊原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
KAWATETSU CHIYUUBITSUKU KK
JFE Steel Corp
JFE Techno Research Corp
Original Assignee
KAWATETSU CHIYUUBITSUKU KK
Kawasaki Steel Corp
Kawatetsu Techno Research Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 切れ味、耐チッピング性、耐摩耗性のすぐれ
た管ねじ切り用チップを提供する。 【構成】 すくい面3との逃げ面4の交差部は、すくい
面3側の幅aが170〜220μm、逃げ面4側の幅b
が65〜115μmに亘る滑らかな面取り面6を形成
し、この面取り面6はすくい面3と逃げ面4の交線5か
らの最短距離が35〜55μmで最短距離を結ぶ線はす
くい面3に対して下向きに40〜50°の傾きθを有す
るようにホーニングする。そして、すくい面、逃げ面、
刃上面に下層からTiC層Al23 層、TiN層の3
層からなるコーティングを施こす。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、刃先をホーニング処理
して強化した、超硬合金製の複数のねじ山形状の刃形を
持つねじ切り用チップ及びその製造方法に関する。特に
ツール回転型のねじ切機に装着するチップとして耐チッ
ピング性に優れた管ねじ切り用チップ及びその製造装置
を提供するものである。
【0002】
【従来の技術】油井管用の鋼管、これ等を互いに接続す
るカップリング(継手)、又はこれ等の搬送中にそのね
じを保護するために取付けられるプロテクターなどのね
じ切りには、その生産性の良さから複数のねじ山形状の
刃形をもつ、コーティングされた超硬合金製チップが使
用されている。一般に超硬合金製の切削用チップは刃先
が尖鋭であると欠け易く、従ってホーニング処理によっ
て刃先をまるめる等によって、ある程度刃先を鈍化さ
せ、欠け(チッピング)に対してあらかじめ強化してお
いてコーティングを施すことが多い。
【0003】ホーニング処理を行うに際して、チップの
切れ味を損うことなく、かつ、耐チッピング性を向上さ
せるには、ホーニング処理によるすくい面方向の除去幅
が逃げ面方向のそれよりも大となるようにした方がよい
ことが知られており(例えば特公昭53−25392号
公報)、通常の切削工具として使用する四角或いは三角
の単純な切刃線をもつスローアウェイチップ(特公昭5
3−25392号公報、特開平2−30407号公報)
あるいはエンドミル(特開昭59−115150号公
報、実公昭62−812号公報)に対しては、すくい面
方向の除去幅を逃げ面方向のそれよりも大とするホーニ
ング方法の提案がなされている。しかし、複数のねじ山
形状の複雑な切刃線を持つねじ切り用チップに対して
は、上記の提案されている技術では、全切刃線に亘って
均一なホーニングを施すことはできない。
【0004】従来、このような複数のねじ山形状の切刃
線をもつチップのホーニングに対しては、十分な検討が
なされていない。図2は、従来の技術を説明するもの
で、図2(a)に平面図形を示すチップ1の切刃線2の
山頂部のE−E断面の例を図2(b)、(c)、(d)
に、谷部のF−F断面を図2(e)に示した。図2
(b)はチップ1のすくい面3と逃げ面4との交差部
に、単に刃先を1/4円周形に面取りしたものである。
図2(c)はすくい面の除去幅aより逃げ面の除去幅b
を大きくして刃先に曲率をつけたものである。また、ね
じ山形状の刃先のうち、図2(d)に示す山頂部分の刃
先の曲率半径R2 を図2(e)に示す谷底部分の刃先の
曲率半径R1 より著しく大きくしたものなど全刃線に亘
って均一なホーニングが施されていないものなどがあ
る。これらはねじ切り加工に際して、耐チッピング性能
が劣り、工具寿命が短く、ビビリを起しやすい等の欠点
があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】高速切削で鋼管にねじ
切り加工を行うのに複数のねじ山形状の切刃線を有する
チップを使用することにより生産性は非常に向上する
が、このようなチップは切粉によるハンマリングを受け
チッピングを生じ易い。チッピングを生ずるとねじ不良
の原因となるだけでなくチップ交換のために加工作業を
中断せねばならず生産性低下をも招く。このためには切
れ味を落すことなく、刃部のホーニング形状を厳重に管
理して耐チッピング性能を向上させる必要がある。
【0006】また、複数のねじ山形状の切刃線は、凸部
の山頂部分や凹部の谷底部分があり複雑な曲線をなして
いるが、この切刃線全線に亘って均一な断面形状とする
ホーニングを施さなければ、ビビリ、ねじ不良、チッピ
ングの原因となる。本発明は、この複雑な曲線をなす切
刃線全線に亘って均一な断面形状を有し、かつ切れ味が
よく、耐チッピング性の優れたチップとその製造方法を
提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は管ねじ切り用チ
ップに関するものであって、管ねじ切り用チップにおい
て、すくい面との逃げ面の延長線の交差部は、すくい面
側の幅170〜220μm、逃げ面側の幅65〜115
μmに亘る滑らかな面取り面を形成し、この面取り面は
すくい面と逃げ面の延長の交線からの最短距離が35〜
55μmで、この最短距離を結ぶ線はすくい面に対して
下向き40〜50°の傾きを有し、かつ、すくい面、逃
げ面、刃上面に下層からTiC層、Al23 層、Ti
N層の互層から成る厚さ1.5〜3.0μmのコーティ
ングを施したことを特徴とする管ねじ切り用チップであ
る。
【0008】上記形状を有するチップを製造するための
本発明の装置は、次の(イ)〜(ハ)を備えたことを特
徴とする管ねじ切り用チップの製造装置である。 (イ)チップ保持部:チップを刃先を半径方向外方に向
けてすくい面を上にして上面に保持し、自ら水平回転す
るものである。 (ロ)回転ブラシ砥石:チップ保持部上を覆ってチップ
を研磨するフィラメントを下向に植設したもので、チッ
プ保持部より大径で水平回転するものである。 (ハ)回転ブラシ砥石を上下動及び正逆転させる駆動装
置。
【0009】
【作用】図1に本発明の管ねじ切り用チップの実施例を
示した。(a)は平面図、(b)はそのA−A,B−
B,C−C,又はD−D矢視図である。本発明によるチ
ップ1の刃先の断面形状において、すくい面3と逃げ面
4の交差部をすくい面側の除去幅aが170〜220μ
mでかつ、逃げ面方向の除去幅bを65μm〜115μ
mと限定した理由は、各々の除去幅a,bがこれより大
きいと刃先は鈍化し切れ味が著しく劣化するからであ
る。また各々除去幅がこれより小であると、刃先は鋭す
ぎて耐チッピング性に劣る。また、すくい面3方向の除
去幅aが170μm〜220μmの範囲にあっても逃げ
面4方向の除去幅bが65μmより小であると、被削材
に最初接する部分は鋭角となって耐チッピング性に劣
る。また逃げ面4方向の除去幅aが115μmを越える
とすくい面3方向の除去幅bとの差が小となり、やはり
耐チッピング性が劣ってくると共に切れ味も劣化する。
逃げ面4方向の除去幅bが65μm〜115μmの範囲
にあっても、すくい面3方向の除去幅aが170μm未
満であると、逃げ面方向除去幅bとすくい面方向の除去
幅aの差が小となり、また刃先は鋭角となりやすく、耐
チッピング性が劣る。また、すくい面3方向の除去幅a
が220μmを越えると刃先は鈍化しすぎビビリの原因
となりすぐにチッピングを起すようになる。
【0010】また面取り面6のすくい面と逃げ面の延長
の交線からの最短距離の寸法とその方向の条件が必要な
のは以下の理由による。すなわち、すくい面3と逃げ面
4の延長の交線5から面取り面6までの最短距離(以下
これを単に最短距離と称す。)が35μmより小である
と刃先は鋭くなりすぎ耐チッピング性が低下する。逆に
最短距離が55μmを越えると刃先は鈍化し、切れ味が
劣り、ビビリの原因となる。またこの最短距離の位置に
ついては最短距離線の方向がすくい面3の延長面に対し
てなす方向の角度θが下向40°未満であると、すくい
面3側の面取り除去深さが浅すぎ、刃先が鋭角をなして
耐チッピング性が低下する。この角度が50°を越える
と切味が低下する。
【0011】本発明のチップを製造する装置を、図3,
4に示した。チップ保持部20は水平回転円板であっ
て、チップを保持する凹部21を上面に有する。チップ
はすくい面を上にして刃先を半径方向外方に向けてチッ
プ保持部20の上に固定される。チップ保持部20は回
転軸を中心として矢印22の方向に水平回転する。多数
のチップ保持部20は、その中心を1つの円周23上に
配列して並べられている。その円周23と同心に回転す
るブラシ砥石40がチップ保持部20の上方に位置して
いる。ブラシ砥石40は回転円板42の下面に、チップ
保持部20の上を覆ってチップ1を研磨するフィラメン
ト43が植毛されている。フィラメント43はダイヤモ
ンド砥粒又はSiC砥粒を含む研磨フィラメントであ
る。ブラシ砥石40は回転軸41を中心として回転方向
45のように正逆回転する。これによって、チップ1の
曲線状の切刃線は山頂部、山稜部、谷底部いずれも均一
にあらゆる方向からフィラメント43の研磨作用を受け
る。この均一性は円板状ブラシ砥石40の回転方向45
を正逆切り換えることにより一層保証される。これによ
って、複雑な曲線状をなすチップの切刃線全線にわたっ
て均一なホーニングが可能となる。
【0012】チップの刃先断面形状を所定の形にするに
は次のようにする。 (1)逃げ面側を優先的に研磨するためには、図5に示
すように、チップ1をチップ保持部20から上方への突
出量50を大とし、短い毛足のフィラメント43を用
い、ブラシ切込量51を小さくする。 (2)図6に示すように、すくい面側を優先的に研磨す
るためには、チップ1の突出量53を小とし、長い毛足
のフィラメント43を用い、ブラシ切込量52を大きく
する。 (3)すくい面側の面取部と逃げ面側の面取り部の接点
をなめらかにするために上記(1)と(2)の中間的位
置を選んで研磨する。
【0013】以上の(1),(2),(3)の3通りの
研磨の組合せにより切刃部の断面形状を所定の形にする
ことができる。以上の方法によって、ホーニングされた
チップのすくい面、逃げ面の耐摩耗性を向上させ工具寿
命をさらに向上させるためには、コーティングを施す必
要がある。
【0014】一般に超硬合金(硬さHv≒1400〜1
800)製工具の耐摩耗性をさらに向上させるために、
より硬いTiC(Hv≒3200),TiN(Hv≒2
000),Al23 (Hv≒3000)等の単層コー
ティングあるいはこれらの複層コーティングを施すこと
が行われる。本発明においては、下層からTiC,Al
23 ,TiNの3層の積層コーティングを採用した。
超硬合金に接する第1層コーティングとしてTiCを選
んだのは、この物質が超硬合金の主体をなすWCと同様
炭化物であるため、超硬合金との接着強度が優れている
ことによる。しかしTiCのみの1層コーティングでは
TiCは硬いだけに靭性に劣り、切削加工時に微少な欠
けや亀裂を生じやすく、これが原因となってチッピング
を生じやすい。このため硬さは劣るが靭性の優れるTi
NをTiCの上にコーティングすることやあるいはTi
Cの上にTiCとTiNの固溶体をコーティングするこ
と(例えば特公昭60−57964号公報)等がよく行
われる。しかし本発明者等は種々検討した結果TiCと
TiNの間に更にAl23 をはさみ、最外表面からT
iN/Al23 /TiC/超硬合金基材の如く3層か
ら成るコーティングとすることにより耐摩耗性、耐チッ
ピング性共にもっとも優れることを見出した。この理由
の詳細は完全には明らかではないが、これらの物質の熱
膨張係数が、超硬合金は約6×10-6/℃であるのに対
し、TiCは7.6×10-6/℃,Al23 は8.5
×10-6/℃,TiNは9.2×10-6/℃であり、従
って、TiC上に接してTiNをコーティングした場合
よりもその中間にAl23 をはさんだ場合、各層間の
熱膨張係数の差が小となり、切削時に発生する熱応力が
小さくなるものと考えられる。TiNとTiCが直接接
している場合はその熱膨張係数の差が大となるため切削
加工時両者の間に大きな熱応力を生じ、微少亀裂が発生
しこれが切欠効果となってチップのチッピングを誘発す
るものと考えられる。このような現象は超硬合金に直接
Al23 あるいはTiNをコーティングした場合に
も、各々の熱膨張係数の超硬合金のそれとの差が大きい
ため、同様に発生することが考えられる。またTiCと
Al23 の2層だけであると、Al 23 もHv≒3
000と硬く、靭性に劣るのでその上にTiNをコーテ
ィングした場合よりも耐チッピング性に劣る。
【0015】以上のように超硬合金に接する第1層をT
iC、次にAl23 、最外層がTiNからなる3層の
膜をコーティングするが、その際、全合計の膜厚が1.
5〜3.0μmとなるようにする必要がある。全膜厚が
1.5μm未満であると、薄すぎて耐摩耗性向上に効果
がなく、また3.0μmを越えると硬質物質からなるコ
ーティングはもろく靭性が劣り、切削加工時に微小亀裂
や微小欠損が生じやすくチップの耐チッピング性を劣化
させるからである。
【0016】TiC,Al23 ,TiNの各々の膜厚
については特に規定はしないが、各々の膜がその機能を
発揮するためには1種又は2種の膜厚が極端に薄くなっ
てはならない。3種の膜がほぼ均等な厚さであるか、あ
るいは、対摩耗性に最も寄与するTiC膜を全体の厚さ
の約半分程度とし、残り半分程度をAl23 とTiN
でほぼ均等な厚さとするのが最もよい。
【0017】なお、これらのコーティング膜形成は通常
のCVD方法で行うことができる。
【0018】
【実施例】図3、4に本発明の製造装置の一例を示す。
図3は主要部の概略を示す。台座30の上にはチップ保
持部20が複数個水平に並べて設けられている。図4に
示すように、チップ保持部20のそれぞれの回転軸は同
一円周上23に位置するように等間隔に配置されてい
る。チップ保持部20はいずれも同一径で、同一速度で
同一方向に同時に回転する。チップ保持部20は上面に
1乃至複数個のチップをセットする溝21を有する。チ
ップ保持部20は保持するチップ1の上方への突出量を
変えるために交換可能となっている。この溝21の中に
チップ1はすくい面を上にして刃先を半径方向外方に向
けてセットされる。チップ保持部20上に設けた円板型
ブラシ砥石40は回転軸41が下のチップ保持部20の
回転軸が位置する円23の中心と一致する位置にある。
フィラメント43はチップ保持部20全てをカバーでき
るよう外径24と内径25の間にリング状に植毛されて
いる。円板型ブラシ砥石40全体は切込量を任意に取れ
るよう上下方向44に上下可能となっている。
【0019】また、ブラシ砥石40の円板42とその回
転軸41はネジで固定され毛足の長さの異なるフィラメ
ント43を備えた円板42を任意に交換できるようにな
っている。ブラシ砥石40は矢印45で示すように正
転、逆転切換可能で回転速度も可変である。このような
装置を用いてチップ1を装着したチップ保持部20を回
転させながら、ブラシ砥石40を押し当てて正逆回転を
行いチップの刃先のホーニングを行った。試験に用いた
のは超硬合金(JIS P10相当品)製のAPIラウ
ンドネジ切削用の3山の刃形をもつチップと5山の刃形
をもつチップである。
【0020】ホーニング試験条件は以下の通りである。 (a)第1ステップ: ブラシ毛足長;25mm ブラシ切込み;1.5mm チップ突出し;3.0mm (b)第2ステップ: ブラシ毛足長;60mm ブラシ切込み;10mm チップ突出し;0.5mm (c)第3ステップ: ブラシ毛足長;30mm ブラシ切込み;3.0mm チップ突出し;1.5mm 上記(a)〜(c)の順に研磨した結果、ブラシの回転
速度と各ステップの研磨時間を調整することにより、2
種のチップとも切刃線にわたって均一な刃先断面形状と
することができた。
【0021】これ等のチップにCVD法によってTi
C,Al23 ,TiNの3層コーティングを施した。
各々の層の厚さはCVD装置の運転条件を変えることに
より制御することができ、また、各々単層コーティング
あるいは2層コーティングも可能である。この試験では
TiC,Al23 ,TiNの3層コーティングは全膜
厚の約1/2がTiC,その上にAl23 ,TiNを
各々全膜厚の1/4程度の厚さとした。TiCとTiN
の2層コーティングではほぼ1/2ずつの厚さとした。
コーティングを施したあとの刃先断面形状も本発明の形
状の範囲にあった。
【0022】上記の方法で得た試作のネジ切りチップ及
び市販のAPI−ラウンドネジ切り用の3山及び5山の
刃形をもつチップを用いて管のねじ切り試験を行った。
被削材はAPIグレードN−80の外径139.7mm
(5.5インチ)の鋼管である。ねじ切削に用いた試験
材はツール回転型のねじ切り機で切削条件は切削速度1
50m/min、鋼管1本につき、管端からねじ切り終
面までの長さ88.9mm(3.5インチ)のねじ切削
を行い、チップ1ケで異常なく150本加工したものを
十分な寿命をもつものとして合格とした。
【0023】試験結果を表1及び表2に示す。刃先の断
面のホーニング形状及びコーティング膜が本発明の範囲
にあるチップNo.1〜9のチップはすべて異常なく1
50本以上ねじ加工することができた。これに対し、す
くい面側面取り幅が小さいチップNo.10、逃げ面側
面取り幅が大きすぎるNo.13、及びθが大きすぎる
No.15あるいは最短距離が小さすぎるNo.16
は、結果的に刃先が弱くなりチッピングを起した。ま
た、すくい面側面取り幅が大きいNo.11、あるいは
逃げ面側面取り幅が小さいNo.12及びθが小さいN
o.14あるいは最短距離が大きいNo.17は結果的
に刃先が鈍化し、ビビリを生じた。
【0024】刃先の形状は適切であるがコーティング膜
が薄すぎるNo.18やコーティングのないNo.22
は、チップの摩耗が大で150本切削できなかった。ま
た、No.19〜21は同様に刃先の形状は適切である
がNo.19はコーティングの膜厚が厚すぎ、チッピン
グを生じた。また、No.20,No.21はコーティ
ングの種類が不適切なためチッピングを生じた。
【0025】
【表1】
【0026】
【表2】
【0027】
【発明の効果】以上のように本発明の管ねじ切り用チッ
プは耐チッピング性及び耐摩耗性に優れ、寿命が長い。
その結果、ねじ切削作業中のチップ交換によるロスタイ
ムを大幅に低減することができ、ねじ切り作業の生産性
を増大させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明に係る複数の刃形を有するねじ
切り用チップの平面図、(b)はその刃線の山頂部、谷
底部、稜線部の断面図である。
【図2】複数の刃形を有するねじ切り用チップの従来品
に見られる刃先断面形状の数例を示す説明図である。
【図3】本発明の形状に刃先をホーニングするための、
実施例の製造装置の斜視図である。
【図4】チップ保持部の配列を示す平面図である。
【図5】実施例装置の面取りの説明図である。
【図6】実施例装置の面取りの説明図である。
【符号の説明】
1 管ねじ切り用チップ 2 切刃線 3 すくい面 4 逃げ面 5 交線 6 面取り
面 20 チップ保持部 21 凹部 22 回転方向 23 円 24 外周円 25 内周円 40 回転ブラシ 41 回転軸 42 円板 43 フィラ
メント 44 上下方向 45 回転方
向 51,52 切込量 50,53
突出量
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 元田 邦昭 千葉市川崎町1番地 川崎製鉄株式会社第 3別館内 (72)発明者 小森 英一 千葉市川崎町1番地 川崎製鉄株式会社第 3別館内 (72)発明者 田中 康浩 千葉市川崎町1番地 川崎製鉄株式会社第 3別館内 (72)発明者 山口 正男 半田市川崎町1丁目1番地 川崎製鉄株式 会社知多製造所内 (72)発明者 杉本 巖城 半田市川崎町1丁目1番地 川崎製鉄株式 会社知多製造所内 (72)発明者 榊原 廣信 半田市川崎町1丁目1番地 川鉄チュービ ック株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 管ねじ切り用チップにおいて、すくい面
    との逃げ面の交差部は、すくい面側の幅170〜220
    μm、逃げ面側の幅65〜115μmに亘る滑らかな面
    取り面を形成し、該面取り面はすくい面と逃げ面の交線
    からの最短距離が35〜55μmで該最短距離を結ぶ線
    はすくい面に対して下向き40〜50°の傾きを有し、
    かつすくい面、逃げ面、刃上面に下層からTiC層、A
    2 3 層、TiN層の3層から成る厚さ1.5〜3.
    0μmのコーティングを有することを特徴とする管ねじ
    切り用チップ。
  2. 【請求項2】 管ねじ切り用チップを半径方向外方に刃
    先を向けすくい面を上にして上面に保持し、水平自転す
    るチップ保持部と、該チップ保持部上を覆って該チップ
    を研磨するチップ保持部より大径の水平回転ブラシ砥石
    と、該回転ブラシ砥石を上下動及び正逆転させる駆動装
    置とを備えたことを特徴とする管ねじ切り用チップの製
    造装置。
JP7136692A 1992-03-27 1992-03-27 管ねじ切り用チップ及びその製造装置 Withdrawn JPH05277809A (ja)

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