JP2003025128A - 脆性材料用穴明け工具 - Google Patents

脆性材料用穴明け工具

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JP2003025128A JP2001212339A JP2001212339A JP2003025128A JP 2003025128 A JP2003025128 A JP 2003025128A JP 2001212339 A JP2001212339 A JP 2001212339A JP 2001212339 A JP2001212339 A JP 2001212339A JP 2003025128 A JP2003025128 A JP 2003025128A
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誠司 亀岡
Hiroshi Hayazaki
浩 早崎
Tetsumitsu Tominaga
哲光 冨永
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 脆性材料よりなる加工物に穴明け工具によっ
て穴明け加工を行う場合において、特に加工穴の径が極
小さな場合であっても、加工物にひびやクラックが生じ
るのを防ぐのは勿論、求心性を確保して高精度の加工穴
を形成する。 【解決手段】 軸線O回りに回転される円柱軸状の工具
本体1の先端に、軸線O上に位置する1つの交点Pにお
いて互いに交差し、かつこの交点Pから外周側に向かう
に従い後端側に向かう3つ以上の先端面5を形成して、
周方向に隣接する先端面5同士の交差稜線6のうち少な
くとも2つを交点Pから延びる切刃8とするとともに、
少なくともこの切刃8部分を硬質炭素皮膜7によって被
覆し、さらに交差稜線6を周方向に不等間隔に配設す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、シリコンや各種セ
ラミックス、ガラス、あるいは炭化タングステン(W
C)などの超硬合金材を含む高硬度な脆性材料に穴明け
加工を行う脆性材料用穴明け工具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】例えば半導体装置の製造装置に用いられ
るシャワーヘッドを製造する場合などにおいて、単結晶
シリコン等の脆性材料に穴明け加工を施す際には、従来
より専らレーザー加工によることが多かったが、このよ
うなレーザー加工は、加工に要するレーザー加工装置が
高価であるとともにランニングコストも高く、不経済で
あるという問題がある。そこで、本発明の発明者らは、
このような脆性材料に対しても、通常の金属材料の穴明
け加工と同じように、軸線回りに回転される工具本体の
先端部に切刃が所定の先端角を持って形成されたドリル
状の穴明け工具を用いて穴明け加工を行うことができな
いか試みた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、このような
穴明け工具によって上記脆性材料に穴明け加工を施そう
とした場合、かかる材料は脆性であるが故に、一般的な
鋼材等の金属材料に穴明け加工を行う場合に比べてひび
やクラック等がきわめて生じ易く、特にこのようなひび
やクラックは、工具本体先端の上記軸線上に位置する切
刃の先端角を持った突端が加工物に食い付く際に発生し
易い。これは、この軸線上では工具本体の回転速度が0
となるために、上記切刃の突端が1点で加工物に押し付
けられるように接触することとなり、これによって該加
工物に過大な負荷が作用して亀裂が生じることによるも
のと考えられる。そして、このような問題は、穴明け加
工された脆性材料を上述の半導体装置の製造装置におけ
るシャワーヘッドに用いる場合のように、加工穴の径が
極小さく、従って穴明け工具の切刃の外径も極小さくな
って、切刃の突端が極々小さな点で加工物に接触するこ
ととなる場合において、特に顕著となる。
【0004】そこで、さらに本発明の発明者らは、この
ような問題を解決するために、先に特願2000−33
1508号において、軸線回りに回転される円柱軸状の
工具本体の先端部を、その先端面を上記軸線に直交する
平坦面または外周部に対して内周部が後退した凹面とし
たりして、上記加工物に面接触または線接触して食い付
き可能とするとともに、少なくともこの工具本体の先端
面にはダイヤモンドコーティングを施した脆性材料用の
穴明け工具を提案している。従って、このような穴明け
工具では、工具本体の先端部が加工物に面接触または線
接触して食い付き、このとき先端面に施されたダイヤモ
ンドコーティングが微視的なす凹凸の凸部が切刃として
作用するとともに凹部がチップポケットとして作用し
て、あたかも砥石による研削のごとく、しかしながら砥
石の砥粒よりも極小さな多くの切刃による切削作用によ
り穴明け加工を施すことが可能となるため、加工物に過
大な負荷が作用することがなく、この加工物が脆性材料
であってもひびやクラック等の亀裂が生じるのを防ぐこ
とができる。
【0005】しかしながら、このような先端面を平坦面
あるいは凹面として加工物に面接触あるいは線接触させ
るようにした穴明け工具では、脆性材料よりなる加工物
に対して食い付き時のひびやクラックの発生は確実に防
止できるものの、このように食い付きが面接触あるいは
線接触であるが故に、工具本体の求心性を確保すること
は容易ではない。すなわち、このような穴明け工具で
は、食い付き時に、平坦面とされた上記先端面が満遍な
く全面的に加工物に接触したり、あるいは凹面とされた
先端面の外周縁がやはり満遍なく全周に亙って一度に加
工物に接触したりしなければ、工具本体に振れが生じる
おそれがあって、これにより加工穴の直進度や真円度な
どの精度の向上を図ることが難しいという新たな問題が
生じることが分かった。
【0006】本発明は、このような背景の下になされた
もので、上述のような脆性材料よりなる加工物に穴明け
工具によって穴明け加工を行う場合において、特に加工
穴の径が極小さな場合であっても、加工物にひびやクラ
ックが生じるのを防ぐのは勿論、求心性を確保して高精
度の加工穴を形成することが可能な脆性材料用穴明け工
具を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決して、こ
のような目的を達成するために、本発明は、脆性材料よ
りなる加工物に穴明け加工を行う脆性材料用穴明け工具
であって、軸線回りに回転される円柱軸状の工具本体の
先端に、上記軸線上に位置する1つの交点において互い
に交差し、かつこの交点から外周側に向かうに従い後端
側に向かう3つ以上の先端面を形成して、周方向に隣接
する上記先端面同士の交差稜線のうち少なくとも2つを
上記交点から延びる切刃とするとともに、少なくともこ
の切刃部分を硬質炭素皮膜によって被覆し、あるいは少
なくともこの切刃部分を硬質炭素体によって形成したこ
とを特徴とする。
【0008】ここで、上記切刃部分を被覆する硬質炭素
皮膜は、例えばダイヤモンド皮膜やDLC皮膜であり、
上述した先の提案の穴明け工具と同様に、このような皮
膜が微視的になす凹凸の凸部によって切削が行われると
ともに凹部がチップポケットとして作用し、脆性材料に
穴明けを行う。また、切刃部分を形成する硬質炭素体と
してはダイヤモンド焼結体やダイヤモンド単結晶を用い
ることができ、やはり同様の効果を得ることができる。
そして、この切刃部分は、工具本体先端に形成された3
つ以上の先端面の交差稜線であって、これらの先端面が
交差する軸線上の交点から延びるように形成されている
ので、この交点がまず加工物に食い付くことにより求心
性が得られて工具本体の振れが防止される。なお、切刃
が上記交差稜線のうちの1つであって、すなわち工具本
体に1条の切刃しか形成されていないと、この切刃への
負荷が大きく、また穴明け時の工具本体の安定性が損な
われることとなる。一方、この交点が食い付く際の負荷
による脆性材料のひびやクラックは、切削が上述のよう
に硬質炭素皮膜の微細な凹凸の凸部によるものであるた
めに工具本体の送りが極小さくなることにより、防止す
ることができる。また、例えばこのような微小な送りの
ステップフィード加工を行うことによっても、ひびやク
ラック等の亀裂の発生を回避することができる。
【0009】そして、さらに本発明では、第1に、上記
3つ以上の先端面同士が交差して形成される3つ以上の
上記交差稜線を周方向に不等間隔となるように配設する
ことにより、切刃とされる交差稜線の工具回転方向側に
位置する先端面を周方向に大きくすることができ、従っ
てこの先端面と加工穴の穴底との間に画成される空間を
切刃の工具回転方向側に大きく確保することができるの
で、切刃によって生成された切粉をこの空間に収容して
円滑に処理することができる。また、第2に、少なくと
も一部の上記交差稜線が上記交点において上記軸線とな
す交差角を、他の上記交差稜線が上記交点において上記
軸線となす交差角と異なる角度に設定することにより、
交差角の大きい交差稜線だけが切刃として作用すること
となって、周方向に隣接するこの切刃間の先端面と加工
穴の穴底との間にやはり大きな空間を確保することがで
き、同様に円滑な切粉処理を図ることが可能となる。さ
らに、第3に、これらを組み合わせて、上記交差稜線を
周方向に不等間隔に配設するとともに、少なくとも一部
の上記交差稜線が上記交点において上記軸線となす交差
角を、他の上記交差稜線が上記交点において上記軸線と
なす交差角と異なる角度に設定すれば、一層確実に円滑
な切粉処理を図ることができる。さらにまた、このよう
に交差稜線を不等間隔に配設したり、交差角を異なる角
度としたりすることにより、上記切刃とされる交差稜線
に交差して隣接する一対の上記先端面のうち、上記工具
本体の回転方向側に位置する先端面が上記軸線と切刃と
を含む平面に対してなす角度を、上記工具本体の回転方
向後方側に位置する先端面がこの平面に対してなす角度
よりも小さく設定することができ、従って切刃の軸方向
すくい角を正角側に大きくして良好な切れ味を得ること
ができるとともに、逃げ角が小さくなることによって刃
先角を大きくして切刃強度を確保することができる。
【0010】なお、少なくとも上記切刃とされる交差稜
線は、これを直線状とすることにより、上記交点におけ
る切刃の加工物への食い付きを鋭くしてより高い求心性
を得ることができる一方、これを上記軸線方向の先端側
に膨らむ凸曲線状をなすようにすれば、上記交点から切
刃が徐々に加工物に食い付くこととなるので、加工物に
亀裂が生じるのを一層確実に防止できるとともに、この
食い付きの際の衝撃的な負荷によって切刃にチッピング
が生じたりするのも防止することができる。ただし、こ
のように切刃を直線状または凸曲線状とした場合でも、
この切刃とされる交差稜線が上記交点において上記軸線
となす交差角は45〜87.5°の範囲に設定されるの
が望ましく、これよりも小さいと求心性は得られるもの
の食い付きが鋭くなりすぎて亀裂やチッピングの発生が
回避できなくなるおそれがあり、逆にこれよりも大きい
と十分な求心性が得られなくなるおそれが生じる。ま
た、上記工具本体の先端部外周に、上記先端面に開口し
て後端側に延びる1条以上の切粉排出溝を形成すれば、
上記切刃によって生成された切粉を円滑に排出すること
ができて、切粉の噛み込みによる加工精度の劣化を防止
したりすることができる。ただし、このように切粉排出
溝を形成したりした場合においても工具本体の剛性を確
保して折損等を防止するには、上記工具本体の先端部に
おける芯厚を、上記切刃の外径Dに対して0.5D以上
に設定するのが望ましく、さらにこのような切屑排出性
と工具の剛性とを一層確実に両立させるために、上記芯
厚を0.6D〜0.9Dの範囲に設定することがより望
ましい。
【0011】
【発明の実施の形態】図1ないし図5は、本発明の第1
の実施形態を示すものである。本実施形態において工具
本体1は、超硬合金等の硬質材料により一体に形成され
て、加工物に挿入されて穴明け加工を施す先端部2が、
工作機械の主軸に把持されてシャンク部とされる後端部
3に対して一段縮径した軸線Oを中心とする多段円柱軸
状をなしており、両端部2,3の間の部分は先端側に向
けて漸次縮径するテーパ部4によって結ばれている。そ
して、本実施形態では上記先端部2の先端に、上記軸線
O上の1の交点Pにおいて交差し、かつこの交点Pから
外周側に向かうに従い後端側に向けて傾斜する平面状の
4つの先端面5…が形成されており、従ってこの工具本
体1においては上記交点Pの位置が最も先端側に突出さ
せられるとともに、上記先端面5同士が互いに交差する
4条の交差稜線6…が、この交点Pから外周側に向けて
後端側に直線状に後退するように、かつ軸線O方向先端
視に該交点Pから放射状に延びるように形成されること
となる。
【0012】ここで、本実施形態では上記4つの先端面
5…は、これらの先端面5…が軸線O方向先端視におい
てなす扇形の中心角が異なるものとされ、これにより周
方向に隣接する先端面5…同士の4条の交差稜線6…
が、周方向に異なる間隔で配設されている。ただし、本
実施形態では、上記4つの先端面5…のうち軸線O方向
先端視に交点Pを挟んで反対側に位置する一対の先端面
5,5同士がなす扇形の中心角は互いに等しくされ、従
って上記交差稜線6…も、交点Pを挟んで反対側に位置
する一対の交差稜線6,6同士は、それぞれ軸線O方向
先端視に図3に示すように1直線上に延びるように形成
されることとなって、軸線Oに対し線対称に配置されて
いる。
【0013】また、本実施形態では、これらの4条の交
差稜線6…が、軸線Oに対し交点Pにおいて互いに等し
い交差角θで交差するようにされている。そして、本実
施形態では、これら先端面5…およびその交差稜線6…
や交点Pを含めた上記先端部2の表面全体が、図中に打
点をつけて示したようにダイヤモンド被膜またはDLC
被膜よりなる硬質炭素皮膜7によって被覆されている。
従って、このように構成された穴明け工具では、工具本
体1先端の上記4条の交差稜線6…が軸線O回りになす
回転軌跡が互いに一致して、上記交点Pを頂点とする一
つの円錐面を形成することとなり、従ってこれら4条の
交差稜線6…すべてが交点Pから延びる切刃8として作
用することとなり、かつこれらの切刃8…には交点Pも
含めて上記硬質炭素皮膜7が被覆されることとなる。
【0014】ここで、本実施形態の穴明け工具は、上述
したように半導体装置の製造装置に用いられるシャワー
ヘッドを製造する場合などにおいて、単結晶シリコン等
の脆性材料に極小径の加工穴を形成するためのものであ
り、従って該脆性材料に穴明け加工を施す上記円柱軸状
の先端部2の外径Dも極小さく、0.2〜3mm程度と
されるとともに、この先端部2の長さLも1〜10mm
程度とされている。また、この先端部2の表面に施され
る硬質炭素皮膜7は、例えばこれがダイヤモンド皮膜で
ある場合には、超硬合金よりなる工具本体1の先端部2
に、マイクロ波プラズマCVD法や熱フィラメントCV
D法などの手法によって形成されるものであって、この
ときの原料ガスとしては水素とメタンやCOなどの混合
ガスが用いられ、また処理温度としては約800〜90
0℃が一般的であり、皮膜厚さは5〜25μm程度とさ
れるとともに、形成されるダイヤモンド粒子等の硬質炭
素粒子の粒径は0.1〜10μm程度とされる。
【0015】このように構成された本実施形態の穴明け
工具は、上述のように工具本体1の後端部3が工作機械
の主軸に把持されて、軸線O回りに回転されつつ該軸線
O方向先端側に送り出され、単結晶シリコン等の脆性材
料よりなる加工物に穴明け加工を行う。ただし、このと
きの工具本体1の軸線O方向先端側への送り量は、例え
ば0.025〜0.15μm/revと極小さく設定さ
れ、より望ましくは工具本体1の送りと後退とを繰り返
しながら徐々に加工物に切り込むステップフィード加工
が行われる。また、この穴明け加工時には、加工物の穴
明け部位に切削油を供給するのが望ましい。
【0016】従って、上記構成の穴明け加工では、まず
上述のように上記交点Pが工具本体1において最も先端
側に突出させられているため、この交点Pが最初に加工
物に食い付くこととなり、次いでこの交点Pから延びる
切刃8…が内周側から加工物に切り込まれていって、上
記交点Pからこれら切刃8…部分に被覆された硬質炭素
皮膜7の微細な凹凸によって加工物が削り取られて切削
され、加工穴が形成される。そして、このように加工物
に最初に食い付く上記交点Pが工具本体1の回転中心と
なる軸線O上に位置していることから、この食い付き時
や穴明け加工中に工具本体1に径方向の振れが生じるの
を防いで高い求心性を得ることができ、このため形成さ
れた加工穴の直進度や真円度を向上させることができ
て、高精度の穴明け加工を図ることができる。その一方
で、この交点Pが1点で加工物に食い付くことによって
加工物に集中する負荷は、上述のように工具本体1の送
りを極小さくしたり、ステップフィード加工を行ったり
することにより緩和され、従ってこのような負荷によっ
て脆性材料よりなる加工物にひびやクラック等の亀裂が
食い付き時に発生するのを防ぐことができる。
【0017】そして、さらにこの第1の実施形態では、
上述のように工具本体1先端の切刃8とされる交差稜線
6…が工具本体1の周方向に不等間隔となるように配設
されており、このため穴明け加工時に工具本体1をその
周方向のいずれの側に回転させるにしても、周方向の間
隔が小さくされた切刃8,8のうち工具回転方向T側に
位置する切刃8の該工具回転方向T側には、中心角が大
きくされた先端面5が配設されることとなる。従って、
この中心角が大きくされた先端面5と、切刃8の軸線O
回りの回転軌跡がなす上記交点Pを頂点とした円錐面、
すなわち穴明け加工中に切刃8によって形成される加工
穴の穴底との間には、上記切刃8の工具回転方向T側に
大きな空間が確保されることとなるので、本実施形態に
よれば、切刃8に被覆された硬質炭素皮膜7の微細な凹
凸によって加工物が削り取られて生成された切粉を、こ
の大きな空間に収容して排出することができ、このよう
な切粉が加工穴と工具本体1との間に噛み込まれたり穴
底と先端面5…との間で詰まりを生じたりするのを防い
で円滑な切粉処理を図るとともに、上述のように切削油
を供給する場合には、この空間に切削油を保持して効率
的に切刃8や加工穴の上記穴底に供給することが可能と
なる。
【0018】一方、この第1の実施形態のように交差稜
線6…の軸線Oに対する交差角θを互いに等しくしてす
べての交差稜線部6…を切刃8として作用させるのに代
えて、図6ないし図9に示す第2の実施形態のように、
上記4つの交差稜線6…のうち交点Pを挟んで反対側に
位置する一対の交差稜線6a,6aの軸線Oに対する交
差角αを、他の交点Pを挟んで反対側に位置する一対の
交差稜線6b,6bの軸線Oに対する交差角βよりも大
きくして、一部の交差稜線6aの交差角αを他の交差稜
線6bの交差角βと異なる角度としてもよい。なお、こ
の第2の実施形態を初め、後述する以降の実施形態で
は、互いに共通する構成要素には同一の符号を配して説
明を省略する。また、この第2の実施形態では、交差稜
線6…の周方向の間隔は互いに等しくされている。
【0019】このような第2の実施形態では、工具本体
1の送りを上述のように極小さくした場合、大きな交差
角αとされた交差稜線6a,6aが、軸線O回りの回転
軌跡において図9に鎖線で示すように小さな交差角βの
交差稜線6b,6bよりも先端側に位置することとなっ
て、これらの交差稜線6a,6aだけが切刃8として作
用することになり、これに対して交差稜線6b,6bの
特に外周側の部分は、交差稜線6a,6aよりも後端側
に位置して切削に関与せず、このため工具本体1の周方
向において切刃8とされる上記交差稜線6a,6aの間
には、やはりこの切刃8が軸線O回りになす回転軌跡す
なわち穴明け中の加工穴の穴底に対して後退した空間が
大きく確保されることとなる。従って、この第2の実施
形態によっても、切刃8によって生成された切粉をこの
空間に収容して排出することが可能となり、第1の実施
形態と同様に円滑な切粉処理や切削油の供給を図ること
が可能となる。
【0020】さらに、図10ないし図14は、本発明の
第3の実施形態を示すものであって、この第3の実施形
態では、上記第1、第2の実施形態の構成を組み合わさ
れており、すなわち第1の実施形態と同様に交差稜線6
…は周方向に不等間隔に配設されているとともに、この
うち交点Pを挟んで反対側に位置する一対の交差稜線6
a,6aの軸線Oに対する交差角αは、他の交点Pを挟
んで反対側に位置する一対の交差稜線6b,6bの軸線
Oに対する交差角βよりも大きくされていて、一部の交
差稜線6aの交差角αを他の交差稜線6bの交差角βと
異なる角度としている。ただし、この第3の実施形態で
は、交差稜線6…が不等間隔に配設されることによって
周方向の間隔が小さくされた交差稜線6,6のうち、工
具回転方向T側に位置する交差稜線6aの交差角αが、
この交差稜線6aの工具回転方向T後方に位置する交差
稜線6bの交差角βよりも大きくなるようにされてい
て、この交差稜線6aが切刃8として作用するようにな
されている。従って、このような第3の実施形態の穴明
け工具によれば、第1の実施形態と同様に上記切刃8の
工具回転方向T側に中心角の大きな先端面5が配設され
ることと、第2の実施形態と同様に交差稜線6bが交差
稜線6aよりも後端側に位置することとにより、該切刃
8の工具回転方向T側に形成される上記空間をより大き
く確保することができ、このためこれら第1、第2の実
施形態に比べて一層円滑な切屑処理と切削油の供給とを
図ることが可能となる。
【0021】ところで、この第3の実施形態のように周
方向に不等間隔に配設された交差稜線6…のうち一部の
交差稜線6aの交差角αを他の交差稜線6bの交差角β
と異なる角度とした場合には、切刃8とされる交差稜線
6aに交差して周方向に隣接する一対の先端面5,5が
軸線Oと該交差稜線6aとを含む平面Qに対してなす角
度も互いに異なる角度とすることができ、すなわち図1
4に示すように、これら一対の先端面5,5のうち、切
刃8の工具回転方向T側に位置する先端面5aが上記平
面Qに対してなす角度γを、工具回転方向Tの後方側に
位置する先端面5bが同平面Qに対してなす角度δより
も小さく設定することができる。従って、切刃8となる
交差稜線6aの工具回転方向T側に連なる先端面5a、
すなわち該切刃8のすくい面となる先端面5aについて
は、そのすくい角を、負角ではあるものの、より正角側
に大きな角度として、該切刃8による切れ味の向上を図
り、穴明け加工時の抵抗の低減を図ることができる一
方、この切刃8となる交差稜線6aの工具回転方向T後
方側に連なる先端面5b、すなわち該切刃8の逃げ面と
なる先端面5bの傾斜は上記平面Qに対して小さくな
り、つまり逃げ角が小さくなるため、上述のように軸方
向すくい角を大きくしたにも関わらず、切刃8の刃先角
は大きく確保することができ、従って切刃8の刃先強度
も確保することができ、抵抗が低減されることとも相俟
って切刃8にチッピング等が発生するのを防止し、工具
寿命の延長を図ることができる。
【0022】さらに、上記各実施形態では、工具本体1
の先端面5…から先端部2の外周にかけての先端部2の
表面全体がダイヤモンド皮膜やDLC皮膜等の硬質炭素
皮膜7が施されており、この工具本体1の先端部2全体
の耐摩耗性等の向上を図ることができて工具本体1の損
傷を一層確実に防止することができるとともに、こうし
て硬質炭素皮膜7が施された先端部2の外周が工具本体
1の送りに伴い加工穴に挿入されてその内周に摺接させ
られるので、この先端部2外周の硬質炭素皮膜7の微細
な凹凸によっても、上記加工穴の内周をより高い仕上げ
面精度に加工することができるという利点も得られる。
ただし、本実施形態ではこのように先端部2の表面全体
を硬質炭素皮膜7に被覆するようにしているが、加工物
に直接的に接して切刃8として切削に関与するのは、専
ら上記交点Pと先端面5…の交差稜線部6(6a)部分
であるので、例えば先端部2のうちでも先端側だけを被
覆したり、これら交点Pや交差稜線6を含めた先端面5
…のみを被覆したり、場合によっては先端面5…のうち
でも交点Pや交差稜線6の切刃8部分のみを被覆したり
するようにしてもよい。
【0023】また、上記実施形態では、このように少な
くとも切刃8部分にダイヤモンド皮膜やDLC皮膜等の
硬質炭素皮膜7を被覆して、その表面の微細な凹凸によ
り脆性材料表面を削り取るようにして切削を行うように
しているが、少なくともこの切刃8部分を、ダイヤモン
ド焼結体や、あるいはダイヤモンド単結晶のような硬質
炭素体によって形成するようにしても、同じような効果
を得ることができる。従って、上述のように硬質炭素皮
膜7を被覆する代わりに、工具本体1の先端部2全体や
その先端側の先端面5…を含んだ部分、あるいはこの先
端面5…のうちでも交点Pや交差稜線6周辺の少なくと
も切刃8を含んだ部分を、このような硬質炭素体を工具
本体1にろう付け等によって接合することにより形成す
るようにしてもよい。
【0024】一方、上記各実施形態では、上記先端面5
…がいずれも平面状とされていて、これにより上記切刃
8とされる交差稜線6(6a)を含めてすべての交差稜
線6…が直線状とされており、従って上記交点Pにおけ
る加工物への食い付きを鋭くして、より高い求心性を得
ることができ、食い付き時等の工具本体1の振れを確実
に防ぐことができるという利点を得ているが、このよう
に切刃8を直線状とするのに代えて、図15ないし図1
7に示す第4の実施形態のように、先端面5…を交点P
から外周側に向かうに従い工具本体1の軸線O方向先端
側(先端外周側)に凸となるように膨らんで湾曲する凸
曲面に形成するなどして、少なくとも切刃8とされる上
記交差稜線6…も軸線O方向先端側に膨らむ凸曲線状を
なすようにしてもよい。なお、この第4の実施形態から
以降の第6の実施形態までは、上記第3の実施形態と同
様に先端面5…の交差稜線6…が周方向に不等間隔とさ
れるとともに、周方向の間隔が小さくされた交差稜線部
6,6のうち、工具回転方向T側に位置する交差稜線6
aの軸線Oに対する交差角αが、工具回転方向T後方側
に交差稜線6bの交差角αよりも大きくされて、該交差
稜線6aが切刃8とされている。ただし、交差稜線6が
凸曲線とされたこの第4の実施形態では、交差角α,β
は、交点Pにおける交差稜線6の接線と軸線Oとの交差
角とされている。
【0025】従って、このように切刃8が凸曲線とされ
た第4の実施形態においても、上記交点Pが加工物に食
い付いて穴明けが行われるため、この食い付き時や穴明
け加工中の求心性を確保することができ、工具本体1の
振れを抑えて加工精度の劣化を防止することができる。
しかも、このように切刃8を凸曲線状とすることによ
り、切刃8は交点Pから外周側に向けて徐々に加工物に
食い付いてゆくことになるので、この食い付きの際に負
荷が加工物に急激に作用するのを抑えて亀裂の発生をよ
り確実に防止することができる一方、穴明け工具側にお
いても切刃8の強度を向上させることができるため、食
い付き時の衝撃的負荷によって切刃8の特に交点P周辺
にチッピングが生じたりするのを防ぐことができ、工具
寿命の一層の延長を図ることができる。
【0026】なお、このように切刃8を凸曲線状とした
場合も含めて、少なくともこの切刃8として作用する上
記交差稜線6(6a)が軸線Oに対してなす交差角θ,
αは45〜87.5°の範囲に設定されるのが望まし
く、すなわち上記各実施形態のように交点Pを間にして
一対の切刃8,8が軸線O方向先端視に1直線状に形成
される場合には、これらの切刃8,8がなす交差角が交
差角θ,αの2倍の90〜175°の範囲となるように
設定されるのが望ましい。これは、この切刃8が軸線O
に対してなす交差角θ,αが上記範囲を下回るほど小さ
いと、交点Pにおいて切刃8が加工物に食い付く際の食
い付きが鋭くなりすぎ、求心性は高まるものの加工物の
亀裂の発生や工具本体1の交点P付近におけるチッピン
グが防止できなくなるおそれがあり、逆にこの交差角
θ,αが上記範囲よりも大きいと、このような亀裂やチ
ッピングは効果的に防止できるが、十分な求心性が得ら
れなくなって加工穴の精度の劣化を招くおそれがある。
言い換えれば、本実施形態では、上記切刃8の交差角
θ,αを上記範囲とすることにより、亀裂やチッピング
を確実に防止しつつも、十分な求心性を工具本体1に与
えて加工精度の向上を図ることができるのである。
【0027】また、上記各実施形態では、工具本体1の
先端部2が円柱状に形成されていて、その先端に上記先
端面5…が形成されることによってその交差稜線部6
(6a)…に上記交点Pから先端部2の外周に達する切
刃8が形成されており、従ってこの先端部2における工
具本体1の芯厚dは切刃8の外径Dと等しくされること
となり、これによって先端部2に高い剛性が確保される
ようになされているが、例えば図18および図19に示
す第5の実施形態のように、上記先端部2の外周面に、
このうち切刃8が先端部2外周に達する部分を除いて、
内周側に一段凹むように二番取り面9を形成したり、あ
るいは図20および図21に示す第6の実施形態のよう
にこの二番取り面9を形成するのに加えて、もしくは単
独で、切屑排出溝10を例えば切刃8の外周端の工具回
転方向T側に隣接して上記先端面5に開口するように形
成したりするようにしてもよい。
【0028】このように二番取り面9を形成した穴明け
工具では、加工穴の内周と工具本体1の先端部2との接
触面積が低減させられるので、特に穴明け加工時の抵抗
の低減を図る場合に有効である。また、この二番取り面
9に加えて、あるいは単独で切屑排出溝10を形成した
穴明け工具では、切刃8によって生成されて上述のよう
に加工中の穴底と上記先端面5との間の空間に収容され
た切粉を、先端部2が加工穴内に挿入されたままでも排
出することができ、従ってこのような切粉の噛み込みや
詰まりを一層確実に防いで円滑に処理することができる
とともに、切削油の効率的な供給を図ることができる。
なお、上記二番取り面9だけでもある程度の切屑排出効
果や切削油供給効果は得られる。また、これら二番取り
面9や切屑排出溝10は軸線Oに平行に真っ直ぐ形成さ
れていてもよいが、これらを図示のように後端側に向か
うに従い工具回転方向Tの後方側に向かって捩れるよう
に形成すれば、工具本体1の回転に伴って切屑を後端側
に押し出すことができる一方、これとは逆方向に捩れる
ように形成すれば、加工穴の開口部側から穴底側に切削
油を送り込むことができる。
【0029】ただし、このように二番取り面9や切屑排
出溝10を工具本体1の上記先端部部2外周に形成した
場合、この先端部2における工具本体1の芯厚dは、切
刃8の外径Dよりも小さくなるが、こうして芯厚dが小
さくなる場合でも、上記切刃8の外径Dに対して0.5
×D以上の芯厚dが確保されるのが望ましい。すなわ
ち、この芯厚dが0.5×Dを下回るほど小さくなる
と、工具本体1の先端部2における剛性を確保すること
が困難となって、この先端部2に折損が生じてしまった
りするおそれがある。なお、このように工具の剛性を確
保することと、二番取り面9や切屑排出溝10を形成す
ることによって切屑排出性の向上を図ることとを、一層
確実に両立させるためには、上記芯厚dを切刃8の外径
Dに対して0.6×D〜0.9×Dの範囲に設定するの
が、より望ましい。
【0030】さらに、上記各実施形態では、工具本体1
の先端部2に4つの先端面5…を形成して交差稜線6が
4条形成されるようにしているが、上述のように交点P
が工具本体1の最先端に位置して穴明け加工時に求心性
が得られるようにするには、この交点Pで交差する先端
面5が少なくとも3つあればよく、例えば図22に示す
第7の実施形態のように6つの先端面5…を形成して6
条の交差稜線6…が形成されるようにしてもよい。この
場合でも、各交差稜線6…の軸線Oに対する交差角が互
いに等しければすべての交差稜線6…が切刃8として作
用し、一部の交差稜線6の交差角が他と異なる角度とさ
れていれば、図示のように交差角の最も大きな交差稜線
部6aが切刃8として作用する。また、これらの先端面
5…および交差稜線6…は3つ以上であれば奇数であっ
てもよいが、その場合でも、穴明け加工時の工具本体1
の振れを防ぐには、少なくとも2条の交差稜線5…が切
刃8として作用させられる。
【0031】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
工具本体がその先端の軸線上に位置する交点において加
工物に食い付くため、この食い付き時や穴明け加工中の
工具本体の求心性を確保して振れを抑えることができ、
これにより加工穴の直進度や真円度といった加工精度の
向上を図ることができるとともに、この交点から延びる
切刃部分に被覆された硬質炭素皮膜や該切刃部分を形成
する硬質炭素体により、脆性材料よりなる加工物に対し
てもひびやクラック等が生じるのを確実に防止すること
ができる。そして、さらに上記交点に交差する先端面の
交差稜線を、周方向に不等間隔に配設したり、または一
部の交差稜線が軸線となす交差角を他と異なる角度とし
たり、もしくはこれらを組み合わせたりすることによ
り、穴明け加工中の切刃とされる交差稜線の工具回転方
向側に大きな空間を確保することができ、この切刃の上
記硬質炭素皮膜や硬質炭素体によって生成される切粉を
円滑に処理することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施形態を示す側面図であ
る。
【図2】 第1の実施形態の先端部2の拡大斜視図であ
る。
【図3】 第1の実施形態の先端部2を軸線O方向先端
側から見た正面図である。
【図4】 図3におけるAA断面図である。
【図5】 図3におけるBB断面図である。
【図6】 本発明の第2の実施形態の先端部2の拡大斜
視図である。
【図7】 第2の実施形態の先端部2を軸線O方向先端
側から見た正面図である。
【図8】 図7におけるAA断面図である。
【図9】 図7におけるBB断面図である。
【図10】 本発明の第3の実施形態の先端部2の拡大
斜視図である。
【図11】 第3の実施形態の先端部2を軸線O方向先
端側から見た正面図である。
【図12】 図11におけるAA断面図である。
【図13】 図11におけるBB断面図である。
【図14】 第3の実施形態において切刃8に直交する
断面図である。
【図15】 本発明の第4の実施形態の先端部2の拡大
斜視図である。
【図16】 第4の実施形態の先端部2を軸線O方向先
端側から見た正面図である。
【図17】 図16におけるAA断面図である。
【図18】 本発明の第5の実施形態の先端部2の拡大
斜視図である。
【図19】 第5の実施形態の先端部2を軸線O方向先
端側から見た正面図である。
【図20】 本発明の第6の実施形態の先端部2の拡大
斜視図である。
【図21】 第6の実施形態の先端部2を軸線O方向先
端側から見た正面図である。
【図22】 本発明の第7の実施形態の先端部2の拡大
斜視図である。
【符号の説明】 1 工具本体 5(5a,5b) 先端面 6(6a,6b) 先端面5…の交差稜線 7 硬質炭素皮膜 8 切刃 9 二番取り面 10 切屑排出溝 O 工具本体1の軸線 P 先端面5…の交点 T 工具回転方向 Q 切刃8と軸線Oとを含む平面 D 切刃8の外径 d 工具本体1の先端部2における芯厚 θ,α,β 交差稜線6(6a,6b)が軸線Oに対し
てなす交差角 γ 切刃8の工具回転方向T側に位置する先端面5aが
平面Qに対してなす角度 δ 切刃8の工具回転方向T後方側に位置する先端面5
bが平面Qに対してなす角度
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 青木 太一 兵庫県明石市魚住町金ヶ崎西大池179番地 1 エムエムシーコベルコツール株式会社 内 (72)発明者 池内 寛 兵庫県明石市魚住町金ヶ崎西大池179番地 1 エムエムシーコベルコツール株式会社 内 (72)発明者 亀岡 誠司 兵庫県明石市魚住町金ヶ崎西大池179番地 1 エムエムシーコベルコツール株式会社 内 (72)発明者 早崎 浩 兵庫県明石市魚住町金ヶ崎西大池179番地 1 エムエムシーコベルコツール株式会社 内 (72)発明者 冨永 哲光 兵庫県明石市魚住町金ヶ崎西大池179番地 1 エムエムシーコベルコツール株式会社 内 Fターム(参考) 3C037 BB00 CC01 3C069 AA04 BB01 BB02 CA03 CA11 DA07 EA02 EA05

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 脆性材料よりなる加工物に穴明け加工を
    行う脆性材料用穴明け工具であって、軸線回りに回転さ
    れる円柱軸状の工具本体の先端に、上記軸線上に位置す
    る1つの交点において互いに交差し、かつこの交点から
    外周側に向かうに従い後端側に向かう3つ以上の先端面
    が形成されていて、周方向に隣接する上記先端面同士の
    交差稜線のうち少なくとも2つが上記交点から延びる切
    刃とされるとともに、少なくともこの切刃部分が硬質炭
    素皮膜によって被覆され、さらに上記交差稜線が周方向
    に不等間隔に配設されていることを特徴とする脆性材料
    用穴明け工具。
  2. 【請求項2】 脆性材料よりなる加工物に穴明け加工を
    行う脆性材料用穴明け工具であって、軸線回りに回転さ
    れる円柱軸状の工具本体の先端に、上記軸線上に位置す
    る1つの交点において互いに交差し、かつこの交点から
    外周側に向かうに従い後端側に向かう3つ以上の先端面
    が形成されていて、周方向に隣接する上記先端面同士の
    交差稜線のうち少なくとも2つが上記交点から延びる切
    刃とされるとともに、少なくともこの切刃部分が硬質炭
    素皮膜によって被覆され、さらに少なくとも一部の上記
    交差稜線が上記交点において上記軸線となす交差角が、
    他の上記交差稜線が上記交点において上記軸線となす交
    差角と異なる角度に設定されていることを特徴とする脆
    性材料用穴明け工具。
  3. 【請求項3】 脆性材料よりなる加工物に穴明け加工を
    行う脆性材料用穴明け工具であって、軸線回りに回転さ
    れる円柱軸状の工具本体の先端に、上記軸線上に位置す
    る1つの交点において互いに交差し、かつこの交点から
    外周側に向かうに従い後端側に向かう3つ以上の先端面
    が形成されていて、周方向に隣接する上記先端面同士の
    交差稜線のうち少なくとも2つが上記交点から延びる切
    刃とされるとともに、少なくともこの切刃部分が硬質炭
    素皮膜によって被覆され、さらに上記交差稜線が周方向
    に不等間隔に配設されるとともに、少なくとも一部の上
    記交差稜線が上記交点において上記軸線となす交差角
    が、他の上記交差稜線が上記交点において上記軸線とな
    す交差角と異なる角度に設定されていることを特徴とす
    る脆性材料用穴明け工具。
  4. 【請求項4】 上記硬質炭素皮膜が、ダイヤモンド皮膜
    またはDLC皮膜であることを特徴とする請求項1ない
    し請求項3のいずれかに記載の脆性材料用穴明け工具。
  5. 【請求項5】 脆性材料よりなる加工物に穴明け加工を
    行う脆性材料用穴明け工具であって、軸線回りに回転さ
    れる円柱軸状の工具本体の先端に、上記軸線上に位置す
    る1つの交点において互いに交差し、かつこの交点から
    外周側に向かうに従い後端側に向かう3つ以上の先端面
    が形成されていて、周方向に隣接する上記先端面同士の
    交差稜線のうち少なくとも1つが上記交点から延びる切
    刃とされるとともに、少なくともこの切刃部分が硬質炭
    素体により形成されており、さらに上記交差稜線が周方
    向に不等間隔に配設されていることを特徴とする脆性材
    料用穴明け工具。
  6. 【請求項6】 脆性材料よりなる加工物に穴明け加工を
    行う脆性材料用穴明け工具であって、軸線回りに回転さ
    れる円柱軸状の工具本体の先端に、上記軸線上に位置す
    る1つの交点において互いに交差し、かつこの交点から
    外周側に向かうに従い後端側に向かう3つ以上の先端面
    が形成されていて、周方向に隣接する上記先端面同士の
    交差稜線のうち少なくとも1つが上記交点から延びる切
    刃とされるとともに、少なくともこの切刃部分が硬質炭
    素体により形成されており、さらに少なくとも一部の上
    記交差稜線が上記交点において上記軸線となす交差角
    が、他の上記交差稜線が上記交点において上記軸線とな
    す交差角と異なる角度に設定されていることを特徴とす
    る脆性材料用穴明け工具。
  7. 【請求項7】 脆性材料よりなる加工物に穴明け加工を
    行う脆性材料用穴明け工具であって、軸線回りに回転さ
    れる円柱軸状の工具本体の先端に、上記軸線上に位置す
    る1つの交点において互いに交差し、かつこの交点から
    外周側に向かうに従い後端側に向かう3つ以上の先端面
    が形成されていて、周方向に隣接する上記先端面同士の
    交差稜線のうち少なくとも1つが上記交点から延びる切
    刃とされるとともに、少なくともこの切刃部分が硬質炭
    素体により形成されており、さらに上記交差稜線が周方
    向に不等間隔に配設されているとともに、少なくとも一
    部の上記交差稜線が上記交点において上記軸線となす交
    差角が、他の上記交差稜線が上記交点において上記軸線
    となす交差角と異なる角度に設定されていることを特徴
    とする脆性材料用穴明け工具。
  8. 【請求項8】 上記硬質炭素体が、ダイヤモンド焼結体
    またはダイヤモンド単結晶によって形成されていること
    を特徴とする請求項5ないし請求項7のいずれかに記載
    の脆性材料用穴明け工具。
  9. 【請求項9】 上記切刃とされる交差稜線に交差して隣
    接する一対の上記先端面のうち、上記工具本体の回転方
    向側に位置する先端面が上記軸線と切刃とを含む平面に
    対してなす角度が、上記工具本体の回転方向後方側に位
    置する先端面がこの平面に対してなす角度よりも小さく
    設定されていることを特徴とする請求項1ないし請求項
    8のいずれかに記載の脆性材料用穴明け工具。
  10. 【請求項10】 少なくとも上記切刃とされる交差稜線
    が直線状とされていることを特徴とする請求項1ないし
    請求項9のいずれかに記載の脆性材料用穴明け工具。
  11. 【請求項11】 少なくとも上記切刃とされる交差稜線
    が、上記軸線方向の先端側に膨らむ凸曲線状をなしてい
    ることを特徴とする請求項1ないし請求項9のいずれか
    に記載の脆性材料用穴明け工具。
  12. 【請求項12】 上記切刃とされる交差稜線が上記交点
    において上記軸線となす交差角が45〜87.5°の範
    囲に設定されていることを特徴とする請求項1ないし請
    求項11のいずれかに記載の脆性材料用穴明け工具。
  13. 【請求項13】 上記工具本体の先端部外周には、上記
    先端面に開口して後端側に延びる1条以上の切粉排出溝
    が形成されていることを特徴とする請求項1ないし請求
    項12のいずれかに記載の脆性材料用穴明け工具。
  14. 【請求項14】 上記工具本体の先端部における芯厚
    が、上記切刃の外径Dに対して0.5D以上に設定され
    ていることを特徴とする請求項1ないし請求項13のい
    ずれかに記載の脆性材料用穴明け工具。
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