JPWO2012023325A1 - スローアウェイチップ - Google Patents

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秀明 金岡
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Abstract

被削材の切込量または取代幅が変動しても、切屑を適切に流しながら切削加工し得るスローアウェイチップ(1)を提供する。本発明のスローアウェイチップ(1)は、切れ刃に沿って連続的に面取りされているものであって、該切れ刃は、円弧状切れ刃部(3)と直線状切れ刃部(4)とを含み、すくい面方向平面視において、円弧状切れ刃部と直線状切れ刃部との接続点における面取り幅(B)に対する、円弧状切れ刃部の中間点の面取り幅(A)の比率A/Bは、0.5以上0.95以下であり、面取り幅(B)は、円弧状切れ刃部(3)において最大の面取り幅であることを特徴とする。

Description

本発明は、スローアウェイチップに関し、フライス加工または旋削加工に使用するスローアウェイチップに関する。
最近のスローアウェイチップの動向として、被削材が多様化しており、加工能率を一層向上させるため切削速度がより高速になってきている。このため、スローアウェイチップに要求される特性は厳しくなる一方である。中でも、スローアウェイチップが短寿命であることが問題視されており、その長寿命化を図ることが急務である。
スローアウェイチップの長寿命化を図るために、切れ刃の面取り幅をそれぞれ異ならしめることは従来から試みられている。スローアウェイチップの切れ刃は、一般に直線状切れ刃部と円弧状切れ刃部とから構成される。ここで、円弧状切れ刃部とは、1つのすくい面と2つの逃げ面とが交差する交点であって、丸みを帯びた部分の切れ刃を意味し、直線状切れ刃部とは、該円弧状切れ刃部をつなぐ直線部分の切れ刃を意味する。特開2002−192407号公報(特許文献1)、特開平09−019819号公報(特許文献2)、特開昭63−306806号公報(特許文献3)、特開平01−188202号公報(特許文献4)、および実開平05−021285号公報(特許文献5)では、切れ刃の面取り幅を異ならしめる技術が開示されている。
たとえば特許文献1のスローアウェイチップは、ノーズの円弧状切れ刃部の中間点における面取り幅を、円弧状切れ刃部と直線状切れ刃部との接続点における面取り幅よりも広くとっている。また、特許文献2のスローアウェイチップは、直線状切れ刃部における面取り幅を、円弧状切れ刃部の近傍の面取り幅よりも広くとっている。
特開2002−192407号公報 特開平09−019819号公報 特開昭63−306806号公報 特開平01−188202号公報 実開平05−021285号公報
しかしながら、特許文献1のスローアウェイチップは、円弧状切れ刃部の摩擦抵抗が高いことにより、切屑が前切れ刃側に流れやすくなる。そして、この切屑により前切れ刃の近傍が擦過されてクレータ摩耗が生じ、その結果、スローアウェイチップに異常摩耗や欠損が生じやすくなる。
一方、特許文献2のスローアウェイチップは、円弧状切れ刃部の面取り幅が狭い。この円弧状切れ刃部の面取り幅よりも切込量が大きくなると、切屑が主切刃の辺中央側(図1中の「辺10」に示す方向、すなわちスローアウェイチップの直線状切れ刃部の中央部側)に流れてしまう。そもそも切削加工において、被削材が均一の円筒形状であることは少なく、切削加工中に被削材の切込量または取代幅が変動することは避けられない。このため、特許文献2のスローアウェイチップのように、切込量が大きくなったときに、それに対応して切屑を適切に流すことができないと、直線状切れ刃部において切屑を巻き込みやすく、切れ刃外欠損が生じやすかった。なお、「切込量の変動」とは、略円柱状の被削材を切削加工する場合における被削材の切り込み深さの変動を意味する。
特許文献3〜5についても、特許文献2と同様、切削加工中に被削材の切込量が変動したときに、その切屑を適切に処理することができず、クレータ摩耗または切れ刃外欠損が生じやすかった。
本発明は、上記のような現状に鑑みなされたものであって、その目的とするところは、被削材の切込量が変動しても、切屑を適切に流しながら切削加工し得るスローアウェイチップを提供することである。
本発明のスローアウェイチップは、切れ刃に沿って連続的に面取りされているものであって、該切れ刃は、円弧状切れ刃部と直線状切れ刃部とを含み、すくい面方向平面視(すくい面方向からスローアウェイチップを見たとき)において、円弧状切れ刃部と直線状切れ刃部との接続点における面取り幅Bに対する、円弧状切れ刃部の中間点の面取り幅Aの比率A/Bは、0.5以上0.95以下であり、面取り幅Bは、円弧状切れ刃部において最大の面取り幅であることを特徴とする。
直線状切れ刃部において、最小の面取り幅Cは、面取り幅Aよりも小さいことが好ましい。スローアウェイチップは、基材のみで構成されていてもよいし、基材と該基材上に形成された被覆膜とを備えてもよい。
上記の被覆膜は、その層厚が1μm以上30μm以下であり、それを構成する少なくとも1層は、周期律表のIVa族元素、Va族元素、VIa族元素、およびアルミニウムからなる群より選ばれる1種以上の元素と、炭素、窒素、酸素、および硼素からなる群より選ばれる1種以上の元素との化合物、または該化合物の固溶体で形成されることが好ましい。
本発明のスローアウェイチップは、上記のような構成を有することにより、被削材の切込量が変動しても、切屑を適切に流しながら切削加工し得る。これによりチッピングや欠損が発生しにくくなり、スローアウェイチップを長寿命化させることができる。
本発明のスローアウェイチップを上面から見たときの図である。 本発明のスローアウェイチップの円弧状切れ刃部を拡大した図である。 (a)は、すくい面に対し垂直で、かつ円弧状切れ刃部の中間点を含む面で切断したときの断面図であり、(b)は、すくい面に対し垂直で、かつ円弧状切れ刃部と直線状切れ刃部との接続点を含む面で切断したときの断面図であり、(c)は、すくい面に対し垂直で、かつ直線状切れ刃部の面取り幅のうち、最小の面取り幅Cとなる地点を含む面で切断したときの断面図である。 本発明のスローアウェイチップを面取り加工しているときの状態を示す模式的な側面図である。 従来のスローアウェイチップを面取り加工しているときの状態を示す模式的な側面図である。 従来のスローアウェイチップを面取り加工しているときの冶具の上面図である。 従来のスローアウェイチップを面取り加工しているときの冶具の上面図である。
以下、本発明について、詳細に説明する。以下の実施の形態の説明では、図面を用いて説明しているが、本願の図面において同一の参照符号を付したものは、同一部分または相当部分を示している。なお、本発明において、被覆膜の膜厚は走査型電子顕微鏡(SEM:Scanning Electron Microscope)により測定し、被覆膜の組成はエネルギー分散型X線分析装置(EDS:Energy Dispersive X-ray Spectroscopy)により測定するものとする。
<スローアウェイチップ>
図1は、本発明のスローアウェイチップのすくい面平面視の模式図であり、図2は、図1の円弧状切れ刃部を拡大した模式図である。本発明のスローアウェイチップ1は、図1に示されるように、切れ刃に沿って連続的に面取りされているものである。この切れ刃は、円弧状切れ刃部3と直線状切れ刃部4とを含むものである。ここで、「連続的に面取りされる」とは、切れ刃に沿って途切れることなく面取り加工が施されていることを意味する。
本発明のスローアウェイチップ1は、切削加工時において被削材の切屑と接するすくい面5と、被削材自体に接触する逃げ面とを有する。スローアウェイチップの形状は、ネガティブタイプまたはポジティブタイプのいずれであってもよい。両面使用できるという観点から、チップ1個あたりの使用可能な切れ刃が多いネガティブタイプを用いることが好ましい。なお、スローアウェイチップの側面が逃げ面となるが、図1および図2はいずれも、上面図であるため逃げ面が示されていない。
本発明のスローアウェイチップ1は、基材のみからなる場合であってもよいし、基材の上に被覆膜が形成されていてもよい。被覆膜を備えることにより、切削時のチッピングや欠損を防止することができる。このような基本的構成を有する本発明のスローアウェイチップ1は、たとえばドリル、エンドミル、フライス加工用または旋削加工用刃先交換型切削チップ、メタルソー、歯切工具、リーマ、タップ、またはクランクシャフトのピンミーリング加工用チップ等として極めて有用に用いることができる。
<すくい面>
本発明のスローアウェイチップを構成するすくい面5とは、切削加工時において被削材の切屑と接する面を意味し、通常スローアウェイチップの上面および底面がすくい面5である。すくい面5は、凸状もしくは凹凸形状のチップブレーカを有することが好ましい。チップブレーカを有することにより、切屑がカールして適度な大きさに細かく分断されるため、切屑が巻き付いて切削加工が妨げられるのを抑制することができる。
<逃げ面>
本発明のスローアウェイチップを構成する逃げ面とは、切削加工時において被削材自体に接触する面を意味する。
<切れ刃>
本発明のスローアウェイチップにおいて、切れ刃は、すくい面と逃げ面とが交差する部分(以下において「切れ刃稜線」とも記す)をホーニング加工して得られた部分を意味する。このような切れ刃は、被削材との接触様態によって、さらに各部位に名称が付される場合がある。すなわち、被削材を回転させながら切削加工する場合において、前周期で切削した被削材の部分と接する側の切れ刃のことを「前切れ刃」といい、被削材の新たな部分を切削する側の切れ刃のことを「主切れ刃」という。
また、1つのすくい面と2つの逃げ面とが交差する交点であって、丸みを帯びた部分を円弧状切れ刃部という。該円弧状切れ刃部をつなぐ直線部分の切れ刃のことを直線状切れ刃部という。また、「円弧状切れ刃部と直線状切れ刃部との接続点」とは、円弧状切れ刃部と直線状切れ刃部との変曲点を意味する。
<面取り幅>
本発明のスローアウェイチップは、図2に示されるように、すくい面方向平面視において、円弧状切れ刃部3と直線状切れ刃部4との接続点における面取り幅Bに対する、円弧状切れ刃部3の中間点の面取り幅Aの比率A/Bは、0.5以上0.95以下であり、面取り幅Bは、円弧状切れ刃部4において最大の面取り幅であることを特徴とする。上記の比率A/Bは、0.6以上0.8以下であることがより好ましい。
面取り幅Bに対する面取り幅Aが、上記の数値範囲を満たすことにより、切屑が主切れ刃の辺中央側(図1中の「辺10」に示す方向)へ流れやすくなり、前切れ刃の近傍の切屑による擦過を抑えることができる。これにより前切れ刃におけるクレータ摩耗の発生を抑制することができる。A/Bが0.5未満であると、粗切削を行なったときに直線状切れ刃4が切屑を巻込み、切れ刃外欠損が生じやすくなるため好ましくない。一方、A/Bが0.95を超えると、円弧状切れ刃3の摩擦抵抗が高くなることにより、切屑が前切れ刃側へ流れやすくなる。このため、切屑の擦過による前切れ刃の近傍にクレータ摩耗が形成されやすく、前切れ刃から欠損が生じやすくなる。
上記の直線状切れ刃部4における最小の面取り幅Cは、上記の面取り幅Aよりも小さいことが好ましい。これにより切屑を主切れ刃の辺中央側に流れやすくなり、前切れ刃の近傍における切屑の擦過を抑えることができる。ここで、直線状切れ刃部4の中点またはその近傍が、直線状切れ刃部4における面取り幅Cの最小となる。
面取り幅Cが面取り幅Aと同等以上の大きさであると、粗切削時に切屑が主切れ刃の逃げ面側に流れやすくなり、切れ刃外欠損が生じやすくなる。面取り幅Cに対する面取り幅Aの比率A/Cは、1以上1.3以下であることがより好ましい。これにより前切れ刃の近傍における切屑の擦過がさらに生じにくくなる。
また、面取り幅Cよりも面取り幅Aが大きいことにより、面取り幅Cよりも面取り幅Bが大きくなる。このように面取り幅Bが、面取り幅Cおよび面取り幅Aのいずれよりも大きくなると、円弧状切れ刃部と直線状切れ刃部との接続点(面取り幅Bの部分)が、切削加工中に被削材に接触しやすくなる。これにより該接続点での摩擦抵抗が高くなり、粗切削加工を行なうときに切屑が前切れ刃の方向に流れる。しかし、粗切削においては切屑の厚みが厚いため、切屑のカール径が小さく、前切れ刃の近傍に接触しない。したがって、すくい面にクレータ摩耗は発生するが、短寿命とはならない。
図3(a)〜(c)は、上述の面取り幅A、B、Cの断面を模式的に示した断面図である。本発明のスローアウェイチップにおいて、各部位の面取り幅を図解すると、図3(a)〜(c)に示されるような面取り幅となる。なお、図3(a)〜図3(c)において、すくい面2と逃げ面3とが交差する切れ刃稜線をホーニング加工したものを示しているが、ランド面またはネガランド面を形成してもよいことは言うまでもない。
<基材>
本発明のスローアウェイチップに用いる基材としては、切削工具の基材として知られる従来公知のものを特に限定なく使用することができる。たとえば、超硬合金(たとえばWC基超硬合金、WCの他、Coを含み、あるいはさらにTi、Ta、Nb等の炭窒化物等を添加したものも含む)、サーメット(TiC、TiN、TiCN等を主成分とするもの)、高速度鋼、セラミックス(炭化チタン、炭化硅素、窒化硅素、窒化アルミニウム、酸化アルミニウム、およびこれらの混合体など)、立方晶型窒化硼素焼結体、ダイヤモンド焼結体等をこのような基材の例として挙げることができる。このような基材として超硬合金を使用する場合、そのような超硬合金は、組織中に遊離炭素やη相と呼ばれる異常相を含んでいても本発明の効果は示される。
なお、これらの基材は、その表面が改質されたものであっても差し支えない。たとえば、超硬合金の場合はその表面に脱β層が形成されていたり、サーメットの場合には表面硬化層が形成されていたりしてもよく、このように表面が改質されていても本発明の効果は示される。
<被覆膜>
本発明の被覆膜は、その膜厚が1μm以上30μm以下の単層または複数層からなるものであることが好ましい。そして、被覆膜を構成する少なくとも1層は、周期律表のIVa族元素、Va族元素、VIa族元素、およびアルミニウムからなる群より選ばれる1種以上の元素と、炭素、窒素、酸素、および硼素からなる群より選ばれる1種以上の元素との化合物、または該化合物の固溶体で形成されることがより好ましい。
このような本発明の被覆膜は、基材上の全面を被覆する態様を含むとともに、部分的に被覆膜が形成されていない態様をも含み、さらにまた部分的に被覆膜の一部の積層態様が異なっているような態様をも含む。また、本発明の被覆膜は、その全体の膜厚が1μm以上30μm以下であることが好ましい。1μm未満であると耐摩耗性に劣る場合があり、30μmを超えると基材との密着性および耐欠損性が低下する場合がある。このような被覆膜の特に好ましい膜厚は5μm以上20μm以下である。なお、上記の被覆膜は、上記の組成からなる層を2層以上積層させても同一の効果は示される。このような被覆膜の膜厚は、SEMにより測定した値を採用するものとする。
なお、上記の面取り幅A、B、Cは、スローアウェイチップが基材のみからなる場合は、基材表面の面取り幅をいい、スローアウェイチップが被覆膜で被覆されたものである場合は、被覆膜の表面の面取り幅をいう。すなわち、面取り幅A、B、Cは、スローアウェイチップの最表面の面取り幅を意味する。
<製造方法>
図4は、本発明のスローアウェイチップを面取り加工しているときの状態を示す模式的な側面図である。本発明のスローアウェイチップにおいて、図4に示される方法で切れ刃の面取り加工を行なうことにより、面取り幅の比率A/Bが0.5以上0.95以下の面取り加工を行なうことができる。以下において、図4に示される面取り加工を説明する。
まず、図4に示されるように、スローアウェイチップ固定冶具9で基材1を固定する。そして、基材1の直線状切れ刃部4に対して垂直方向にブラシが当たるようにブラシの位置を調整した上で、ブラシ7を回転させながら、図4中の紙面の手前から奥に向けてブラシ7を移動させる。
このようにブラシ7を移動させることにより、円弧状切れ刃部3にブラシ7があたるときには、円弧状切れ刃部3の外側にブラシ7の毛先が逃げる。このため、切れ刃に対するブラシの研削力が弱まって円弧状切れ刃部の面取り幅が狭くなる。
そして、円弧状切れ刃部3から直線状切れ刃部4にブラシが移動するにつれて、円弧状切れ刃部3の外側にブラシ7の毛先が逃げにくくなり、円弧状切れ刃部3と直線状切れ刃部4との接続点においてブラシ7が逃げずに、ブラシの研削力が最も強くなる。よって、円弧状切れ刃部3と直線状切れ刃部4との接続点における面取り幅Bが最大となる。
次に、円弧状切れ刃部3と直線状切れ刃部4との接続点から、直線状切れ刃部4にブラシが移動するにつれて、次第にブラシ7の研削力が弱まって、直線状切れ刃部4の面取り幅Cが最小となる。このようにして面取り幅A、B、Cが形成される。
従来技術では、全てのコーナー部に対して、一様にブラシがあたることになるため、スローアウェイチップのコーナー部ごとに所望の大きさに刃先処理することができなかった。しかし、上述の本発明の製造方法のように、コーナー部のそれぞれに個別にブラシをあてることにより、コーナー部ごとに所望(別々)の大きさに刃先処理することができる他、面取りの角度を自由自在に調整することができるという特徴も併せ持つ。
たとえば、面取りの角度を小さくすれば、耐摩耗性に優れたスローアウェイチップとすることができ、一方、面取りの角度を大きくすれば、靭性に優れたスローアウェイチップとすることができる。このように本発明の製造方法によれば、要求性能が異なる用途に併せて、コーナー部の形状を最適化することができる。このため粗加工から仕上げ加工に至るまでの幅広い用途に対応し得るスローアウェイチップを提供することができる。
ここで、上記のブラシ7の毛先がスローアウェイチップに接触する部分から、スローアウェイチップの切れ刃稜線までの長さをブラシ7の切り込み深さとすると、かかる切り込み深さは、円弧状切れ刃部のノーズ半径Rの200%以上800%以下であることが好ましい(以下において、ノーズ半径Rに対する切り込み深さのことを「切込率」とも記す)。
上記の切込率で切り込むことにより、面取り幅Aおよび面取り幅Cよりも面取り幅Bを大きくとることができる。200%未満であると、円弧状切れ刃部の面取り幅Aが、最小となる直線状切れ刃部の面取り幅Cよりも小さくなるため好ましくない。一方、800%を超えると、直線状切れ刃部の面取り幅Cが円弧状切れ刃部と直線状切れ刃部との接続点における面取り幅Bよりも大きくなるため、所望の形状とならず好ましくない。なお、上記のブラシ7の回転数は、500rpm以上2000rpm以下であることが好ましい。
上記の製造方法により作製されたスローアウェイチップは、切れ刃に沿って連続的に面取りされているものであって、該切れ刃は、円弧状切れ刃部と直線状切れ刃部とを含み、すくい面方向平面視において、円弧状切れ刃部と直線状切れ刃部との接続点における面取り幅Bに対する、円弧状切れ刃部の中間点の面取り幅Aの比率A/Bは、0.5以上0.95以下であり、該面取り幅Bは、円弧状切れ刃部において最大の面取り幅である。
以下、実施例を挙げて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<実施例1〜6および比較例1>
実施例1〜6および比較例1においては、型番がISO規格のCNMG120408であって、ノーズ半径が0.8mmであり、材質がP10グレードの超硬合金からなる基材を用いた。実施例1〜6および比較例1においては、この基材に対し、表1の「面取り加工条件」に示される条件でブラシ処理を行ない、基材の切れ刃の面取り加工を行なった。
具体的には、図4に示されるように、スローアウェイチップ固定冶具9で基材1を固定した。基材1の直線状切れ刃部に対して垂直であって、直線状切れ刃部から10°の角度をなす上部方向からブラシが当たるようにブラシの位置を調整した。そして、表1の「切込深さ」の欄に示される切込深さに、ブラシをあてて、ブラシ7を1500rpmの回転数で回転させながら、ブラシ7を直線状切れ刃部に平行に沿って7000mm/分の速度で移動させた。このようにして、スローアウェイチップの面取り加工を行なった。ここで用いたブラシとしては、ナイロン繊維にダイヤモンド砥粒を埋め込んだものを用いた。以上のようにして、表1の「面取り幅」の欄に示される面取り幅のスローアウェイチップを作製した。
<比較例2>
比較例2においては、上記の実施例1と同様の基材を用いて、これを図6に示す回転冶具8に基材1をセットした上で、回転冶具8を40rpmの回転数で回転させた。そして、この回転冶具8に対し、図5に示されるように、その基材1の上面から、450rpmの回転数でブラシ7を回転させながら面取り加工を行なった。ブラシは、基材に対し、4mmの切込幅で接触させた。このようにして表1の「面取り幅」の欄に示される面取り幅のスローアウェイチップを作製した。
<比較例3>
比較例3においては、回転冶具の形状が異なる他は、比較例2と同様の方法によってスローアウェイチップを作製した。具体的には、図6に示される回転冶具に代えて、図7に示される回転冶具を用いて面取り加工を行なった。図7に示される回転冶具は、その中央部に楕円径の凹部が形成されており、その上に基材をセットした上で、ブラシ処理を行なうものである。
Figure 2012023325
<切削評価>
上記で得られた実施例1〜6および比較例1〜3のスローアウェイチップを用いて、次の切削条件1〜2の条件で被削材の端面を切削加工した。被削材としては、直径200mmで、厚み50mmの円盤形状であって、材質がS45Cのものを用いた。
(切削条件1)
切削速度:150m/min
送り:0.2mm/rev
切り込み量:d=1.0mm
切削油:湿式
(切削条件2)
切削速度:150m/min
送り:0.2mm/rev
切り込み量:d=5.0mm
切削油:湿式
上記の切削条件1〜2において、スローアウェイチップの摩耗幅が0.3mm以上になるか、または切削加工中に欠損が生じた場合に、切削加工を中止し、そのときまでに加工した加工数を表2の「加工数」の欄に示した。なお、中止に至ったときの損傷形態を表2の「損傷形態」の欄に示した。
Figure 2012023325
表2に示される結果により、各実施例のスローアウェイチップは、各比較例のスローアウェイチップに比して、加工数が多くなっていることが示されている。これは、実施例1〜6のスローアウェイチップが、被削材の切込量が変動しても、切屑を適切に流しながら切削加工することができたことによるものと考えられる。
<実施例7〜12および比較例4〜6>
実施例7〜12および比較例4〜6においては、まず、基材として、上記実施例1〜6と同様に、型番がISO規格のCNMG120408であって、ノーズRが0.8mmであり、材質がP10グレードの超硬合金のものを用いた。そして、基材とアルミナ砥粒を埋め込んだプラスチックメディアとをバレルに入れて、4Hバレル研磨を行なうことにより、基材の切れ刃の全面に対し、0.06mmの幅の面取り加工を施した。
次に、このように面取りを行なった基材に対し、既知のCVD法により、基材の表面上に複数のセラミック材料からなる被覆膜を被覆した。かかる被覆膜は、基材側から順に、0.5μmの層厚のTiN層、8.5μmの層厚のTiCN層、0.7μmのTiBN層、3.5μmの層厚のAl23層、および1.0μmの層厚のTiN層の5層構造とした。
この被覆膜で覆った基材に対し、図4に示されるように、上記実施例1〜6と同様の方法により、スローアウェイチップの面取り加工を行なった。ここでの切り込み深さは、表3の「切込深さ」の欄に示し、その切込率は、表3の「切込率」の欄に示した。以上のようにして、表3の「面取り幅」の欄に示される面取り幅のスローアウェイチップを作製した。また、比較例5〜6においては、上記の比較例2〜3と同様の回転冶具を用いて、表3の「面取り幅」の欄に示される面取り幅のスローアウェイチップを作製した。
Figure 2012023325
<切削評価>
上記で得られた実施例7〜12および比較例4〜6のスローアウェイチップを用いて、以下の切削条件3〜4に示す条件により、直径200mmで、厚み50mmの円盤形状であって、材質がSCM435の被削材の端面を加工した。
(切削条件3)
切削速度:200m/min
送り:0.3mm/rev
切り込み量:d=1.0mm
切削油:乾式
(切削条件4)
切削速度:200m/min
送り:0.3mm/rev
切り込み量:d=5.0mm
切削油:乾式
上記の切削条件3〜4において、スローアウェイチップの摩耗幅が0.3mm以上になるか、または切削加工中に欠損が生じた場合に、切削加工を中止し、そのときまでに加工した加工数を表4の「加工数」の欄に示した。なお、中止に至ったときの損傷形態を表4の「損傷形態」の欄に示した。
Figure 2012023325
表4に示される結果により、各実施例のスローアウェイチップは、各比較例のスローアウェイチップに比して、加工数が多くなっていることが示されている。これは、実施例7〜12のスローアウェイチップが、被削材の切込量または取代量が変動しても、切屑を適切に流しながら切削加工することができたことによるものと考えられる。
以上のように本発明の実施の形態および実施例について説明を行なったが、上述の各実施の形態および実施例の構成を適宜組み合わせることも当初から予定している。
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 スローアウェイチップ、3 円弧状切れ刃部、4 直線状切れ刃部、5 すくい面、7 ブラシ、8 回転冶具、9 スローアウェイチップ固定冶具、10 辺、A 円弧状切れ刃部の中間点の面取り幅、B 円弧状切れ刃部と直線状切れ刃部との接続点における面取り幅、C 直線状切れ刃部における最小の面取り幅。

Claims (4)

  1. 切れ刃に沿って連続的に面取りされているスローアウェイチップ(1)であって、
    前記切れ刃は、円弧状切れ刃部(3)と直線状切れ刃部(4)とを含み、
    すくい面方向平面視において、前記円弧状切れ刃部と前記直線状切れ刃部との接続点における面取り幅(B)に対する、前記円弧状切れ刃部の中間点の面取り幅(A)の比率A/Bは、0.5以上0.95以下であり、
    前記面取り幅(B)は、前記円弧状切れ刃部(3)において最大の面取り幅である、スローアウェイチップ(1)。
  2. 前記直線状切れ刃部における最小の面取り幅(C)は、前記面取り幅(A)よりも小さい、請求項1に記載のスローアウェイチップ(1)。
  3. 前記スローアウェイチップ(1)は、基材のみで構成される、請求項1に記載のスローアウェイチップ(1)。
  4. 前記スローアウェイチップ(1)は、基材と該基材上に形成された被覆膜とを備え、
    前記被覆膜は、その膜厚が1μm以上30μm以下であり、それを構成する少なくとも1層は、周期律表のIVa族元素、Va族元素、VIa族元素、およびアルミニウムからなる群より選ばれる1種以上の元素と、炭素、窒素、酸素、および硼素からなる群より選ばれる1種以上の元素との化合物、または該化合物の固溶体で形成される、請求項1に記載のスローアウェイチップ(1)。
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