JPWO2006109347A1 - ドリル - Google Patents

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Abstract

【課題】 耐摩耗性を確保しつつ、工具寿命の延長を図ることができるドリルを提供すること。【解決手段】 本願発明のドリル1は、少なくとも切れ刃5の表面が硬質化合物に被膜されて構成され、その硬質化合物の膜厚寸法は、0.1μm以上かつ1.0μm以下の範囲内に設定され、かつ、心厚の厚み寸法Xは、切れ刃5の外径Dに対して0.15D以上かつ0.25D以下の範囲内に設定されている。これにより、切り屑の排出性を相乗的に向上させることができる。その結果、切り屑の溶着を防止して、ドリル1の寿命を相乗的に向上させることができる。【選択図】 図1

Description

本発明は、ドリルに関し、特に、耐摩耗性を確保しつつ、工具寿命の延長を図ることができるドリルに関するものである。
ドリルとは、先端部に形成される切れ刃により、加工物の切削加工を行う穴あけ工具である。一般に、ドリルの表面は、TiN、TiAlN、TiCNなどの硬質化合物により被膜されている。かかる被膜は、ドリルの表面を硬化させることにより、耐摩耗性を向上させて、工具寿命の延長を図っている。
しかしながら、ドリルの表面が被膜された場合には、切れ刃が丸みを帯びて、ドリルの切れ味が低下する。かかる切れ味低下は、切り屑の分断性能を低下させるため、切り屑詰まりを発生させて、加工穴精度の悪化やドリルの折損等のトラブルを引き起こす。
そこで、特開2003−251503号公報には、被膜の膜厚寸法を0.05μm以上かつ3.0μm以下の範囲内に設定する技術が記載されている。この技術によれば、膜厚寸法が0.05μm以上に設定されているので、ドリルの耐摩耗性を確保することができる。また、膜厚寸法が3.0μm以下に設定されているので、切れ刃が丸みを帯びることを防止して、切り屑詰まりを抑制することができる。
特開2003−251503号公報(段落[0028]、図1など)
しかしながら、上述したドリルでは、切り屑の排出についての対策が十分でない。また、刃先にコーティング膜が厚く堆積しているため、刃先Rが大きくなり、切れ味も低下している。そのため、切り屑がドリルの先端部に堆積することで、ドリルの先端部に溶着を誘発する。その結果、ドリルの折損等のトラブルを引き起こし、工具寿命が低下するという問題点があった。
本発明は上述した問題点を解決するためになされたものであり、耐摩耗性を確保しつつ、工具寿命の延長を図ることができるドリルを提供することを目的としている。
この目的を達成するために、請求項1記載のドリルは、軸心回りに回転させられるドリル本体と、そのドリル本体の先端部からシャンクへ向けて外周面部に螺旋状又は略直線状に形成される溝部と、その溝部の回転方向を向く壁面と前記外周面部との稜線部に形成されるリーディングエッジと、前記ドリル本体の先端部に形成される切れ刃とを備え、炭化タングステンを含む超硬合金により構成されるものであり、少なくとも前記切れ刃は、その表面が硬質化合物に被膜されて構成されるものであり、前記硬質化合物の膜厚寸法は、0.1μm以上かつ1.0μm以下の範囲内に設定され、前記溝部の溝底によって形成される心厚の厚み寸法は、前記切れ刃の外径Dに対して0.15D以上かつ0.25D以下の範囲内に設定されている。
請求項2記載のドリルは、請求項1記載のドリルにおいて、前記炭化タングステンの平均粒径は、0.5μm以下に設定されている。
請求項1記載のドリルによれば、少なくとも切れ刃の表面は、硬質化合物に被膜されて構成され、その硬質化合物の膜厚寸法は、0.1μm以上かつ1.0μm以下の範囲内に設定されている。ここで、硬質化合物の膜厚寸法が0.1μmより小さい場合には、切れ刃の表面を十分に硬化させることができず、耐摩耗性を確保することができない。
一方、硬質化合物の膜厚寸法が1.0μmより大きい場合には、切れ刃が丸みを帯びて、切れ味が低下する。その結果、切り屑の分断性能が低下して、切り屑詰まりによる加工穴精度の悪化及びドリルの折損を引き起こす。以上のことから、硬質化合物の膜厚寸法を0.1μm以上かつ1.0μm以下の範囲内に設定することにより、耐摩耗性の確保、加工穴精度の悪化及びドリルの折損防止を図ることができるという効果がある。
また、溝部の溝底によって形成される心厚の厚み寸法は、切れ刃の外径Dに対して0.15D以上かつ0.25D以下の範囲内に設定されている。ここで、心厚の厚み寸法が0.15Dより小さい場合には、ドリルの強度が低下して、ドリルが折損しやすい。一方、心厚の厚み寸法が0.25Dよりも大きい場合には、溝部が浅くなり、切り屑の排出性が低下する。その結果、切り屑の溶着を誘発して、加工穴精度の悪化及びドリルの折損を引き起こす。以上のことから、心厚の厚み寸法を0.15D以上かつ0.25D以下の範囲内に設定することにより、ドリル強度の確保、加工穴精度の悪化及びドリルの折損防止を図ることができるという効果がある。
そして、硬質化合物の膜厚寸法及び心厚を上述した範囲内に設定して組み合わせることにより、切り屑の排出性を相乗的に向上させることができる。その結果、切り屑の溶着を防止して、ドリルの寿命を相乗的に向上させることができるという効果がある。
請求項2記載のドリルによれば、請求項1記載のドリルの奏する効果に加え、ドリルを構成する炭化タングステンは、その平均粒径が0.5μm以下に設定されている。これにより、ドリルの硬度を確保して、ドリルの高寿命化を図ることができるという効果がある。
また、同一硬度の場合では、平均粒径が0.5μm以下に設定されたドリルは、平均粒径が0.5μmより大きく設定されたドリルと比較して、靭性を確保して、チッピングの防止を図ることができるという効果がある。
本発明の一実施の形態におけるドリルの正面図である。 ドリルの先端面図である。
符号の説明
1 ドリル
2 シャンク
3 ドリル本体
4 溝部
5 切れ刃
6 リーディングエッジ
X 厚み寸法
以下、本発明の好ましい実施の形態について、添付図面を参照して説明する。図1は、本発明の一実施の形態におけるドリル1の正面図である。なお、図1では、シャンク2の軸方向長さの図示が省略されている。
ドリル1は、加工機械(ボール盤等)から伝達される回転力により、シャフト部品、ノズル部品あるいは医療部品等のステンレス系の被削材に穴あけ加工を行う小径の切削工具であり、図1に示すように、上記加工機械に保持されるシャンク2と、被削物の切削加工を行うドリル本体3とを主に備えて構成されている。
なお、ドリル1は、その表面が硬質化合物であるTiAlNに被膜されて構成され、TiAlNの膜厚寸法が、0.1μm以上かつ1.0μm以下の範囲内に設定されている。ここで、TiAlNの膜厚寸法が0.1μmより小さい場合には、ドリル1の表面を十分に硬化させることができず、耐摩耗性を確保することができない。
一方、TiAlNの膜厚寸法が1.0μmより大きい場合には、切れ刃5が丸みを帯びて、切れ味が低下する。その結果、切り屑の分断性能が低下して、切り屑詰まりによる加工穴精度の悪化及びドリル1の折損を引き起こす。以上のことから、TiAlNの膜厚寸法を0.1μm以上かつ1.0μm以下の範囲内に設定することにより、耐摩耗性の確保、加工穴精度の悪化及びドリル1の折損防止を図ることができる。
また、本実施の形態における硬質化合物はTiAlNが用いられているが、必ずしもこれに限られるものではなく、TiN、TiC、TiCn等の硬質化合物を用いても良い。更に、ドリル1は、その表面全体が硬質化合物により被膜されているが、必ずしもこれに限られるものではなく、少なくとも切れ刃5の表面が被膜されていれば良い。
ここで、本実施の形態におけるドリル1では、小径の穴あけ加工を行うために切れ刃5の外径Dが3.0mm以下に設定されている。そのため、ドリル1が硬質化合物に被膜された場合では、切れ刃5は、被膜による丸みが顕著となり、切れ味が著しく低下する。以上のことから、上述したように、硬質化合物の膜厚寸法を1.0μm以下に設定することは、本実施の形態におけるドリル1を用いた場合に、加工穴精度の悪化及びドリル1の折損を防止する上で非常に有効である。
また、シャンク2及びドリル本体3は一体成形され、炭化タングステン(以下、WCと称す)の微粉末に結合材であるコバルトを加えて加圧焼結した超硬合金により構成されている。
ここで、WCの平均粒径は、0.5μm以下に設定されている。これにより、ドリル1の硬度を確保して、ドリル1の高寿命化を図ることができる。
なお、本実施の形態におけるドリル1では、上述したように、切れ刃5の外径Dが3.0mm以下に設定されているため、ドリル1の強度を確保することができない。そのため、WCの平均粒径を0.5μm以下に設定してドリル1の硬度と靭性を確保することは、本実施の形態におけるドリル1を用いた場合に、ドリル1の高寿命化を図る上で非常に有効である。
また、同一硬度の場合では、平均粒径が0.5μm以下に設定されたドリル1は、平均粒径が0.5μmより大きく設定されたドリルと比較して、靭性を確保して、チッピングの防止を図ることができる。
シャンク2は、加工機械に保持される部位であり、本実施の形態では、外径寸法が切れ刃5の外径Dよりも大径に設定され、かつ、軸心Oと略平行なストレート状に構成されている。
ドリル本体3は、その外周面部に螺旋状に形成される溝部4と、ドリル本体3の先端部に形成される切れ刃5と、溝部4の回転方向を向く壁面と外周面部との稜線部に形成されるリーディングエッジ6とを主に備えて構成されている。
また、ドリル本体3とシャンク2との連接部位は、シャンク2側(図1右側)へ向けて拡径するテーパ状に構成されている。
溝部4は、切り屑の排出を行うためにドリル本体3の外周面部に凹設される溝であり、回転方向を向く壁面と外周面部との稜線部にはリーディングエッジ6が配設される。
なお、本実施の形態における溝部4は、先端側(図1左側)からシャンク2へ向けて螺旋状に形成されているが、必ずしもこれに限られるものではなく、軸心Oと略平行な直線状に形成しても良い。
また、リーディングエッジ6と軸心Oと平行な直線とがなす角であるねじれ角は、15度以上かつ35度以下の範囲内に設定することが望ましい。これにより、ドリル本体3の剛性確保及び切り屑の排出性の両立を図ることができる。
切れ刃5は、加工機械の回転力により被削物の穴あけ加工を行うためのものであり、ドリル本体3の先端部に配設される。
なお、本実施の形態では、切れ刃5の先端角は120度に設定されているが、必ずしもこれに限られるものではなく、110度以上かつ140度以下の範囲内に設定すれば良い。これにより、切れ刃5の強度及び食い付き性を確保して、穴精度の確保及びドリル1の高寿命化を図ることができる。
逃がし面7は、切削時における摩擦を軽減するために逃がした面であり、切れ刃5の回転方向後方に連接される。
次いで、図2を参照して、ドリル本体3の先端部について説明する。図2は、ドリル1の先端面図である。
マージン8は、加工穴の内壁面を研磨するためのものであり、切れ刃5の回転方向後方(図2中時計回り)に連設される。なお、本実施の形態では、1つのマージン8で構成されているが、必ずしもこれに限られるものではなく、マージン8の回転方向後方に2つ目のマージンを配設しても良い。
図2に示したように、溝部4の溝底により形成される心厚の厚み寸法Xは、切れ刃5の外径Dに対して0.15D以上かつ0.25D以下の範囲内に設定されている。ここで、心厚の厚み寸法Xが0.15Dより小さい場合には、ドリル1の強度が低下して、ドリル1が折損しやすい。
一方、心厚の厚み寸法Xが0.25Dより大きい場合には、溝部4が浅くなり、切り屑の排出性が低下する。その結果、切り屑の堆積による溶着を誘発して、加工穴精度の悪化及びドリル1の折損を引き起こす。以上のことから、心厚の厚み寸法Xを0.15D以上かつ0.25D以下の範囲内に設定することにより、ドリル1強度の確保、加工穴精度の悪化及びドリル1の折損防止を図ることができる。
ここで、上述のように構成されたドリル1を用いて行った耐久試験の試験結果について説明する。なお、耐久試験の試験結果の図示は省略する。
耐久試験は、硬質化合物の膜厚寸法、心厚の厚み寸法X及びWCの平均粒径が工具寿命に及ぼす影響を調べるための試験であり、膜厚寸法、厚み寸法及び平均粒径を所定の値に固定して、従来のドリルとの比較を行う。また、この試験では、穴深さ7.2mmの穴あけ加工を連続して行い、穴あけ加工された本数と穴深さ7.2mmとの積により算出される切削長により、工具寿命の比較を行う。
耐久試験の詳細諸元は、被削材:SUS420J2、切削速度:40m/min、送り量:0.04mm/rev、穴深さ:7.2mm、切れ刃の外径D:1.82mm、コーティング材質:TiAlNである。
また、本実施の形態におけるドリル1は、膜厚寸法が0.8μm、厚み寸法Xが0.18D、平均粒径が0.3μmに固定され、従来のドリル1は、膜厚寸法が2.5μm、厚み寸法Xが0.3D、平均粒径が1.25μmに固定されている。
本実施の形態におけるドリル1を用いた場合では、加工された加工穴数は53000穴(切削長:380m)であり、その後はドリル1の折損により加工を継続することが不可能となった。
一方、従来のドリルを用いた場合では、加工された加工穴数は20000穴(切削長:140m)であり、その後はドリル1の折損により加工を継続することが不可能となった。
以上、耐久試験の結果より、硬質化合物の膜厚寸法を0.1μm以上かつ1.0μm以下の範囲内に設定することにより、耐摩耗性の確保及び切れ味低下の防止を図り、ドリル1の高寿命化を図ることができたと考えられる。
また、心厚の厚み寸法Xを0.15D以上かつ0.25D以下の範囲内に設定することにより、ドリル1の強度確保及び切り屑の排出性低下の防止を図り、ドリル1の高寿命化を図ることができたと考えられる。
更に、WCの平均粒径を0.5μm以下に設定することにより、ドリル1の硬度を確保して、ドリル1の高寿命化を図ることができたと考えられる。
また、硬質化合物の膜厚寸法、心厚の厚み寸法X及びWCの平均粒径を上述した範囲内に設定することにより、切り屑の排出性を相乗的に向上させることができる。その結果、切り屑の溶着を防止して、ドリル1の寿命を相乗的に向上させることができる。
以上、実施の形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記各実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変形が可能であることは容易に推察できるものである。
例えば、本実施の形態におけるドリル1はドリル本体3の先端部が極細の小径ドリルで構成されているが、ドリル本体3の先端部がシャンク2と略同径に設定されたドリルにより構成しても良い。
【0002】
[0006]
本発明は上述した問題点を解決するためになされたものであり、耐摩耗性を確保しつつ、工具寿命の延長を図ることができるドリルを提供することを目的としている。
[課題を解決するための手段]
[0007]
この目的を達成するために、請求項1記載のドリルは、軸心回りに回転させられるドリル本体と、そのドリル本体の先端部からシャンクへ向けて外周面部に螺旋状又は略直線状に形成される溝部と、その溝部の回転方向を向く壁面と前記外周面部との稜線部に形成されるリーディングエッジと、前記ドリル本体の先端部に形成される切れ刃とを備え、炭化タングステンを含む超硬合金により構成されるものであり、前記切れ刃の外径Dは、3.0mm以下に設定され、前記切れ刃の先端角は、110度以上かつ140度以下の範囲内に設定され、少なくとも前記切れ刃は、その表面が硬質化合物に被膜されて構成されるものであり、前記硬質化合物の膜厚寸法は、0.1μm以上かつ1.0μm以下の範囲内に設定され、前記溝部の溝底によって形成される心厚の厚み寸法は、前記切れ刃の外径Dに対して0.15D以上かつ0.25D以下の範囲内に設定され、前記炭化タングステンの平均粒径は、0.5μm以下に設定されている。
[0008]
[発明の効果]
[0009]
請求項1記載のドリルによれば、少なくとも切れ刃の表面は、硬質化合物に被膜されて構成され、その硬質化合物の膜厚寸法は、0.1μm以上かつ1.0μm以下の範囲内に設定されている。ここで、硬質化合物の膜厚寸法が0.1μmより小さい場合には、切れ刃の表面を十分に硬化させることができず、耐摩耗性を確保することができない。
[0010]
一方、硬質化合物の膜厚寸法が1.0μmより大きい場合には、切れ刃が丸みを帯びて、切れ味が低下する。その結果、切り屑の分断性能が低下して、切り屑詰まりによる加工穴精度の悪化及びドリルの折損を引き起こす。以上のことから、硬質化合物の膜厚寸法を0.1μm以上かつ1.0μm以下の範囲内に設定することにより、耐摩耗性の確保、加工穴精度の悪化及びドリルの折損防止を図ることができるという効果がある。
特に、切れ刃の外径Dが3.0mm以下に設定されるので、上述したように、硬質化合物の膜厚寸法を1.0μm以下に設定することは、加工穴精度の悪化及びドリルの折損を防止する上で非常に有効である。
また、切れ刃の先端角は、110度以上かつ140度以下の範囲に設定されるので、切れ刃の強度及び食い付き性を確保して、穴精度の確保及びドリルの高寿命化を図ることができるという効果がある。
[0011]
また、溝部の溝底によって形成される心厚の厚み寸法は、切れ刃の外径Dに対して0.15D以上かつ0.25D以下の範囲内に設定されている。ここで、心厚の厚み寸
【0003】
法が0.15Dより小さい場合には、ドリルの強度が低下して、ドリルが折損しやすい。一方、心厚の厚み寸法が0.25Dよりも大きい場合には、溝部が浅くなり、切り屑の排出性が低下する。その結果、切り屑の溶着を誘発して、加工穴精度の悪化及びドリルの折損を引き起こす。以上のことから、心厚の厚み寸法を0.15D以上かつ0.25D以下の範囲内に設定することにより、ドリル強度の確保、加工穴精度の悪化及びドリルの折損防止を図ることができるという効果がある。
[0012]
そして、硬質化合物の膜厚寸法及び心厚を上述した範囲内に設定して組み合わせることにより、切り屑の排出性を相乗的に向上させることができる。その結果、切り屑の溶着を防止して、ドリルの寿命を相乗的に向上させることができるという効果がある。
[0013]
請求項1記載のドリルによれば、ドリルを構成する炭化タングステンは、その平均粒径が0.5μm以下に設定されている。これにより、ドリルの硬度を確保して、ドリルの高寿命化を図ることができるという効果がある。
[0014]
また、同一硬度の場合では、平均粒径が0.5μm以下に設定されたドリルは、平均粒径が0.5μmより大きく設定されたドリルと比較して、靭性を確保して、チッピングの防止を図ることができるという効果がある。
[図面の簡単な説明]
[0015]
[図1]本発明の一実施の形態におけるドリルの正面図である。
[図2]ドリルの先端面図である。
[符号の説明]
[0016]
1 ドリル
2 シャンク
3 ドリル本体
4 溝部
5 切れ刃
6 リーディングエッジ
X 厚み寸法

Claims (2)

  1. 軸心回りに回転させられるドリル本体と、そのドリル本体の先端部からシャンクへ向けて外周面部に螺旋状又は略直線状に形成される溝部と、その溝部の回転方向を向く壁面と前記外周面部との稜線部に形成されるリーディングエッジと、前記ドリル本体の先端部に形成される切れ刃とを備え、炭化タングステンを含む超硬合金により構成されるドリルにおいて、
    少なくとも前記切れ刃は、その表面が硬質化合物に被膜されて構成されるものであり、
    前記硬質化合物の膜厚寸法は、0.1μm以上かつ1.0μm以下の範囲内に設定され、
    前記溝部の溝底によって形成される心厚の厚み寸法は、前記切れ刃の外径Dに対して0.15D以上かつ0.25D以下の範囲内に設定されていることを特徴とするドリル。
  2. 前記炭化タングステンの平均粒径は、0.5μm以下に設定されていることを特徴とする請求項1記載のドリル。
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