JPWO2018117172A1

JPWO2018117172A1 - 油中水型乳化化粧料

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Publication number: JPWO2018117172A1
Application number: JP2018558047A
Authority: JP
Inventors: 則子大道口; 一明鈴木
Original assignee: Shiseido Co Ltd
Current assignee: Shiseido Co Ltd
Priority date: 2016-12-21
Filing date: 2017-12-20
Publication date: 2019-10-31
Anticipated expiration: 2037-12-20
Also published as: KR20190099213A; WO2018117172A1; EP3560481A1; US11510863B2; TW201828915A; EP3560481A4; JP7094227B2; US20190321281A1; CN110099675A; CN110099675B

Abstract

【課題】べたつきや油っぽい感触がなく、外観もみずみずしい半透明〜透明であって、保湿感も得ることが可能な油中水型乳化化粧料を提供する。【解決手段】油中水型乳化化粧料を、（ａ）固形保湿剤と、（ｂ）ポリエーテル変性シリコーンと、（ｃ）２５℃における屈折率が１．３８０〜１．４２０であるシリコーン油と、を含み、化粧料全量に対する保湿剤の含有量を２２質量％以上とする。【選択図】なし

Description

本発明は油中水型乳化化粧料に関するものである。

乳化基剤には、水中油型、油中水型または複合型等の各種の乳化型があるが、それら乳化型の中で油中水型乳化化粧料は、その基剤の有する肌の保護効果、柔軟効果、湿潤効果等が水中油型乳化化粧料より、優れていることが知られている。

しかし、油中水型乳化化粧料、とりわけ油中水型クリームは処方によってはのびが重い、べたつく、油っぽいといった問題がある。このため、見た目でみずみずしさを出すために透明な外観が望まれている。例えば、特許文献１には内相と外相の屈折率を合わせることで透明な油中水型化粧料とする技術が記載されている。

また、特許文献２には、揮発性メチルシロキサン流体とある種のポリジオルガノシロキサン・ポリオキシアルキレンコポリマーとを含有するシリコーン油を使用するとともに、透明エマルジョンを生じさせるために多価アルコールを含有させた油中水型化粧料が記載されている。

さらに、特許文献３には、側鎖にポリペプチド構造を有するオルガノポリシロキサンと、環状シリコーンおよび多価アルコールを組み合わせた油中水型乳化化粧料が、透明性が高いことが記載されている。

特開昭６４−２２３４４号公報特開平３−４４３０９号公報特開２０１６−１７０７４号公報

上記のように、特許文献１は内相と外相の屈折率を合わせて透明性を実現しているものであるが、内相と外相の屈折率を合わせるためにグリセリンを使用しているため、外観的にはその透明性でみずみずしさを出してはいるものの、グリセリンが配合されているために、化粧料そのもののべたつきは解消されないという問題がある。一方、特許文献２や３も、技術的には内相と外相の屈折率を合わせて透明性を実現しているが、水相の屈折率を上げるために液状の多価アルコールを使用している。このため、特許文献１と同様に、化粧料そのもののべたつきは解消されないという問題がある。

本発明者は上記事情に鑑みなされたものであり、べたつきや油っぽさがなく、外観もみずみずしい半透明〜透明であって、保湿感も得ることが可能な油中水型乳化化粧料を提供することを目的とするものである。

本発明の油中水型乳化化粧料は、
（ａ）固形保湿剤と、
（ｂ）ポリエーテル変性シリコーンと、
（ｃ）２５℃における屈折率が１．３８０〜１．４２０であるシリコーン油と、
を含み、化粧料全量に対する保湿剤の含有量が２２質量％以上である。
ここで、（ａ）固形保湿剤の固形とは、室温（２５℃）、常圧（１気圧。９．８×１０⁴Ｐａ）において粉体、塊状またはペースト状であることを意味し、本発明において固形とはこの意味で用いている。また、固形保湿剤は水相に安定して分散し得る親水性のものである。

（ａ）固形保湿剤は、固形の多価アルコールおよび／または固形のアミノ酸であることが好ましい。固形の多価アルコールおよび／または固形のアミノ酸としては、ビスＰＥＧ−１８メチルエーテルジメチルシラン、平均分子量１０００〜２５０００のポリエチレングリコール、エリスリトール、トレハロース、キシリトール、トリメチルグリシンおよびグリシルグリシンの中から選ばれる少なくとも１種であることがより好ましい。

（ｂ）ポリエーテル変性シリコーンはＨＬＢ１〜１０であることが好ましい。ここで、ＨＬＢとは親水性−親油性のバランス（Hydrophilic-Lypophilic Balance)を示す指標である。
（ｂ）ポリエーテル変性シリコーンはＨＬＢ２〜７であることがより好ましい。

（ｂ）ポリエーテル変性シリコーンは、ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体、セチルジメチコンコポリオール、ポリ（オキシエチレン・オキシプロピレン）メチルポリシロキサン共重合体、ラウリルＰＥＧ−９ポリジメチルシロキシエチルジメチコン、メチルポリシロキサン・セチルメチルポリシロキサン・ポリ（オキシエチレン・オキシプロピレン）メチルポリシロキサン共重合体の中から選ばれる少なくとも１種であることが好ましい。

本発明の油中水型乳化化粧料は、さらに（ｄ）シリコーンエラストマーを含むことが好ましい。
（ｄ）シリコーンエラストマーはジメチコンクロスポリマーまたはジメチコン／ビニルジメチコンクロスポリマーであることが好ましい。
本発明の油中水型乳化化粧料は、さらに（ｅ）液状保湿剤を含んでいてもよい。

本発明の油中水型乳化化粧料は、半透明〜透明であることが好ましい。

本発明の油中水型乳化化粧料は、
（ａ）固形保湿剤と、
（ｂ）ポリエーテル変性シリコーンと、
（ｃ）２５℃における屈折率が１．３８０〜１．４２０であるシリコーン油と、
を含み、化粧料全量に対する保湿剤の含有量が２２質量％以上であるので、べたつきがなく、外観もみずみずしい半透明〜透明であって、保湿感も得ることができる。

本発明の油中水型乳化化粧料は、
（ａ）固形保湿剤と、
（ｂ）ポリエーテル変性シリコーンと、
（ｃ）２５℃における屈折率が１．３８０〜１．４２０であるシリコーン油と、
を含み、化粧料全量に対する保湿剤の含有量が２２質量％以上である。
以下、各成分について詳細に説明する。

（ａ）固形保湿剤
（ａ）固形保湿剤は室温（２５℃）、常圧（１気圧。９．８×１０⁴Ｐａ）において粉体、塊状またはペースト状であって、水相に安定して分散または溶解するものである。
（ａ）固形保湿剤は、固形の多価アルコールおよび／または固形のアミノ酸であることが好ましい。より具体的には、スクロース、エリスリトール、トレハロース、マルチトール、キシリトール等の糖類、平均分子量１０００〜２５０００のポリエチレングリコール、グリシン、アラニン、セリン、アルギニン、アスパラギン酸、グルタミン酸、アルギニン塩酸塩、トリメチルグリシン、グリシルグリシン等のアミノ酸またはアミノ酸誘導体、およびビスＰＥＧ−１８メチルエーテルジメチルシラン（ＰＥＧ：ポリエチレングリコール）の中から選ばれる少なくとも１種であることがより好ましい。これらの固形保湿剤は単独で用いてもよいし、２種以上を適宜組み合わせて用いてもよい。
ビスＰＥＧ−１８メチルエーテルジメチルシランの具体的な市販品の商品名としては、Cosmetic Wax 2501（東レ・ダウコーニング社製）、SM4110P（KCC Corporation社製）を挙げることができる。

固形保湿剤を含むことによって水相の屈折率を上げることができ、また、固形保湿剤は本発明の油中水型乳化化粧料中において溶解しているが、溶解して液状になってもべたつきが発生しにくく、また、後述するように、それ単独ではべたつきを発生するようなグリセリン等が油中水型乳化化粧料中に存在していても、これらのべたつきを軽減する効果がある。固形保湿剤がこのような効果を発揮する作用機序は必ずしも明らかではないが液状保湿剤は肌上に残存する際に液状の残り感が油っぽくべたつきを感じられるのに対し、固形保湿剤の方がより固形状態に近く、液状由来のべたつきが少ないことが要因であると発明者は考えている。

固形保湿剤の配合量は、油中水型乳化皮膚化粧料全量に対して０．１〜３０質量％であり、好ましくは、０．５〜２５質量％である。固形保湿剤の配合量が、０．１〜３０質量％の範囲であると、外観はみずみずしい半透明〜透明であって、より良好な使用感も得ることができる。

（ｂ）ポリエーテル変性シリコーン
本発明に用いられる（ｂ）ポリエーテル変性シリコーンは、乳化安定性を高めるためのもので、シリコーン鎖（シロキサン鎖）を主鎖とし、ポリエーテル基を有する親水基を側鎖として有するものものであり、特に、シリコーン骨格に、ポリオキシエチレン（ＰＯＥ）やポリオキシプロピレン（ＰＯＰ）等のポリオキシアルキレン基を導入したポリエーテル変性シリコーンが好ましい。

グリフィン法を用いて算出されるポリエーテル変性シリコーンのＨＬＢ（Hydrophilic-Lypophilic Balance)は、ＨＬＢ１〜１０であることが好ましく、ＨＬＢ２〜７がより好ましい。具体的には、ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体（ＨＬＢ＝４．５）、セチルジメチコンコポリオール（セチルＰＥＧ／ＰＰＧ１０−１ジメチコン）、ポリ（オキシエチレン・オキシプロピレン）メチルポリシロキサン共重合体（ＨＬＢ＝３．０）、ラウリルＰＥＧ−９ポリジメチルシロキシエチルジメチコン（ＨＬＢ＝３．０）、メチルポリシロキサン・セチルメチルポリシロキサン・ポリ（オキシエチレン・オキシプロピレン）メチルポリシロキサン共重合体（ＨＬＢ＝５±１）等が挙げられる。

なお、好ましいポリエーテル変性シリコーンの市販品としては、ＰＥＧ−１０ジメチコン（シリコーンＫＦ−６０１７Ｐ、信越化学工業社製）、ＢＹ１１−０３０、ＢＹ２５−３３７（東レ・ダウコーニング社製）、セチルＰＥＧ／ＰＰＧ１０−１ジメチコン（ＡＢＩＬ（登録商標）ＥＭ９０、ＥＶＯＮＩＫ社）、等が挙げられる。
なお、本発明においては、本発明の効果を損なわない範囲でポリエーテル変性シリコーン以外の界面活性剤（乳化剤）を併用することも可能である。

ポリエーテル変性シリコーンの配合量は、油中水型乳化皮膚化粧料全量に対して０．１〜１０質量％であり、好ましくは、０．２〜５質量％である。ポリエーテル変性シリコーンの配合量が０．１〜１０質量％の範囲であると、安定した油中水型乳化化粧料が得られるとともに、より良好な使用感が得られる。

（ｃ）シリコーン油
本発明に用いられるシリコーン油は２５℃における屈折率が１．３８０〜１．４２０である。屈折率がこの範囲のシリコーン油を用いることで、油相の屈折率を下げることができる。屈折率は、デジタル屈折率計（ＡＴＡＧＯ社製タイプ：ＲＸ５０００α）にて測定される値である。

シリコーン油としては、揮発性シリコーン油、不揮発性シリコーン油、鎖状シリコーン油、環状シリコーン油のいずれを用いてもよい。
揮発性シリコーン油分とは、室温（２５℃）、常圧（１気圧。９．８×１０4Ｐａ）で揮発するシリコーン油をいう。具体的には、例えば、デカメチルテトラシロキサン、ヘキサメチルジシロキサン、ドデカメチルペンタシロキサン等の鎖状シリコーン油（鎖状ポリシロキサン）、シクロメチコン、ヘキサメチルシクロトリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、メチルポリシクロシロキサン等の環状シリコーン油（環状ポリシロキサン）等が挙げられる。不揮発性シリコーン油としては、ジメチコン（ジメチルポリシロキサン）のうち重合度６以上のものがあげられる。（ｃ）シリコーン油は１種を単独で、または２種以上を適宜組み合わせて用いることができる。

シリコーン油の市販品としては、例えば、ＫＦ−９６Ａ−６Ｔ（屈折率：１．３９７）、ＫＦ−９６Ａ−２ｃｓ（屈折率：１．３９１）、シリコーンＫＦ−９６Ａ−５０００（屈折率：１．４０３）（以上、信越化学工業社製）などが挙げられる。

シリコーン油の配合量は化粧料全量に対して５〜３０質量％であることが好ましい。より好ましくは、１０〜２０質量％である。５〜３０質量％の範囲であると、安定した油中水型乳化化粧料が得られるとともに、より良好な使用感が得られる。
また、シリコーン油の配合量は油相全量に対して７５質量％以上であることが好ましい。７５質量％以上であることにより、化粧料をよりみずみずしく、また、透明性を維持しやすくすることができる。

（ｄ）シリコーンエラストマー
本発明の油中水型乳化化粧料は、さらに（ｄ）シリコーンエラストマーを含むことが好ましい。シリコーンエラストマーを含むことによって、化粧料の肌なじみがさらによくなり、浸透性を高めることができる。シリコーンエラストマーとしては、特に限定されるものではないが、ジメチコンクロスポリマー、ジメチコン／ビニルジメチコンクロスポリマー、ジメチコン／フェニルビニルジメチコンクロスポリマー、ビニルジメチコン／ラウリルジメチコンクロスポリマー、ラウリルポリジメチルシロキシエチルジメチコン／ビス−ビニルジメチコンクロスポリマー、アルキル（Ｃ３０−４５）セテアリルジメチコンクロスポリマー、セテアリルジメチコンクロスポリマーからなる群より選択される１種または２種以上が好ましく用いられる。適度な肌感触が得られるという観点からは、ジメチコンクロスポリマーまたはジメチコン／ビニルジメチコンクロスポリマーが好ましい。

シリコーンエラストマーは、常温（２５℃）で液状の油分で膨潤した膨潤物の形態で配合することが好ましい。これにより、シリコーンエラストマーの分散性および安定性がさらに向上する。膨潤に用いられる液状油分としては、例えば液状シリコーン油、液状炭化水素油、液状エステル油、液状高級脂肪酸などが挙げられ、特に、常温で低粘度、例えば、１００ｍＰａ・ｓ以下の液状油分が好ましい。好ましい粘度範囲は、１〜１００ｍＰａ・ｓである。シリコーンエラストマーと液状油の混合の比率は質量比で、５：９５〜４０：６０が好適である。

シリコーンエラストマーの液状油膨潤物は、市販されているものを用いることも可能であり、市販品の例としては、以下のようなものが挙げられる。
ジメチコンクロスポリマーの膨潤物として、９０４０シリコーンエラストマーブレンド、９０４１シリコーンエラストマーブレンド、９０４５シリコーンエラストマーブレンド、ＥＬ−８０４０ＩＤシリコーンオーガニックブレンド（以上、東レ・ダウコーニング社製）等が挙げられる。

シリコーンエラストマーの配合量は化粧料全量に対して０．１〜５質量％であることが好ましい。この範囲であると、より良好な使用感が得られる。

本発明の油中水型乳化化粧料は、化粧料全量に対する保湿剤の含有量が２２質量％以上である。化粧料全量に対する保湿剤の含有量は２２〜４５質量％であることがより好ましい。保湿剤は、（ａ）固形保湿剤のみであってもよいし、下記に記載する（ｅ）液状保湿剤を含んでいてもよい。（ｅ）液状保湿剤を含む場合、（ａ）固形保湿剤の含有量は保湿剤全量に対して２５質量％以上であることが好ましい。２５質量％以上とすることで、液状保湿剤によるべたつきをより抑制することができる。より好ましくは３０質量％以上である。

（ｅ）液状保湿剤
液状保湿剤としては、ジプロピレングリコール、グリセリン、１，３−ブチレングリコール、ジプロピレングリコール等が挙げられる。液状保湿剤を含むことで、より保湿性を向上させることができる。特許文献１では、水相にグリセリンを配合することで屈折率を調整しているが、この場合には化粧料のべたつきを抑制することができない。本発明の油中水型乳化化粧料は液状保湿剤を含んでいても、べたつきが抑制される。これは本発明の油中水型乳化化粧料に含まれる固形保湿剤が液状保湿剤のべたつきを抑制するためと考えられる。液状保湿剤の配合量は化粧料全量に対して０．１〜３０質量％であることが好ましい。より好ましくは、０．５〜２０質量％である。０．１〜３０質量％の範囲とすることで、べたつきを抑えながら、保湿効果を高めることができる。

本発明の油中水型乳化化粧料の油相成分には、上記（ｂ）および（ｃ）の必須成分以外に、通常の油中水型乳化化粧料に用いられる油剤を、油相の均一性を欠かない範囲で配合することができる。かかる油剤としては、具体的には天然動・植物油、合成油のいずれをも使用でき、より詳細には、流動パラフィン、スクワラン等の液状、ペースト状もしくは固形状の炭化水素、ワックス、高級脂肪酸、高級アルコール、エステル、グリセライド、シリコーン系油剤等が挙げられる。
油相成分は、本発明の油中水型乳化化粧料中に、１０〜５０質量％配合される。１０質量％以上とすることで、化粧料を油中水型とすることが容易となり、５０質量％以下とすることで、内相の水が少なくなりすぎず、よりうるおい感のある使用感とすることができる。

本発明の油中水型乳化化粧料の水相成分は、水を主成分とし、上記（ａ）の必須成分以外に各種水溶性成分を含むものであり、本発明の油中水型乳化化粧料中に５０〜９０質量％配合することが好ましい。さらには、６０質量％以上配合することはうるおい感をより付与する点で好ましい。５０質量％以上とすることで、水を入れた特徴が出やすく、うるおい感のある使用感とすることができる。９０質量％以下とすることで、油中水型とすることが容易となる。

本発明の油中水型乳化化粧料は粉末を含んでいてもよい。粉末としては、透明性の観点から、メチルシロキサン網状重合体や架橋型シリコーン・網状型シリコーンブロック共重合体などが好ましい。

本発明の油中水型乳化化粧料には、上記必須成分の他に、通常用いられる水性成分や油性成分、例えば、防腐剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、美容成分、香料、保香剤、増粘剤、着色顔料、光輝性顔料、有機粉体、疎水化処理顔料、タール色素などを本発明の効果を損なわない範囲で配合することができる。

本発明の油中水型乳化化粧料としては、具体的には、乳液、スキンケアクリーム、ヘアクリーム、リキッドファンデーション、アイライナー、マスカラ、アイシャドウ等の乳液状ないしクリーム状の製品が挙げられ、これらは上記成分から常法によって製造される。

次に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。本発明は以下の実施例によって何ら限定されるものではない。

［実施例１〜５および比較例１〜４］
油中水型乳化化粧料であるスキンケアクリームを表１に示す処方で製造し、得られたスキンケアクリームについて、透明度、使用感（べたつき、油っぽさ、しっとり感）の観点から以下の評価基準で判定した。処方とともに結果を表１に示す。なお、配合量は、すべて質量％である。

なお、表中の原料の製品名等の詳細は下記のとおりである。
* ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体：シリコーンＫＦ−６０１７Ｐ（信越化学工業社製）
** メチルシロキサン網状重合体：トスパール３０００Ａ（モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会製）
*** 架橋型シリコーン・網状型シリコーンブロック共重合体：KSP-102（信越化学工業株式会社製）

＜透明度＞
各例の組成物を目視で観察し、以下の評価基準で判定した。
ＡＡ：透明であり、文字がクリアに見える
Ａ：僅かな濁りが認められるが、ほぼ透明であり、文字がクリアに見える
Ｂ：やや濁りが観察され、文字がクリアではないが識別できる
Ｃ：白濁した透明であり、文字を識別できない

＜使用感＞
各例の組成物について、使用感（べたつき、油っぽさ、しっとり感）について、アンケートの結果から次の基準で評価した。
（評価基準）
ＡＡ：２０名中、１８名以上が良好と回答した
Ａ：２０名中、１２〜１７名が良好と回答した
Ｂ：２０名中、５〜１１名が良好と回答した
Ｃ：２０名中、４名未満が良好と回答した

表１に示すように、本発明の油中水型乳化化粧料は、べたつきや油っぽさがなく、外観もみずみずしく透明であって、保湿感も得ることができた。実施例１はグリセリンや液状の多価アルコールを含まないものであるが、透明性も良好で、使用感も問題がなかった。また、実施例２〜５に示すように、本発明の油中水型乳化化粧料はグリセリンや液状の多価アルコールを含んでいても、べたつきや油っぽい感触がなく、良好な使用感であった。
一方、比較例１のように液状の保湿剤のみの場合には、べたつき、皮膚への浸透が悪かった。また、化粧料全量に対する保湿剤の含有量が少ない比較例２では組成物が白濁してしまった上、べたつきが残った。また、屈折率が本発明の範囲外のシリコーン油を用いた比較例３でも、組成物が白濁し、べたついて、油っぽかった。さらに、活性剤がポリエーテル変性シリコーンではない比較例４では組成物の作製ができなかった。

Claims

（ａ）固形保湿剤と、
（ｂ）ポリエーテル変性シリコーンと、
（ｃ）２５℃における屈折率が１．３８０〜１．４２０であるシリコーン油と、
を含み、化粧料全量に対する保湿剤の含有量が２２質量％以上である油中水型乳化化粧料。
前記（ａ）固形保湿剤が、固形の多価アルコールおよび／または固形のアミノ酸である請求項１記載の油中水型乳化化粧料。
前記固形の多価アルコールおよび／または固形のアミノ酸が、ビスＰＥＧ−１８メチルエーテルジメチルシラン、平均分子量１０００〜２５０００のポリエチレングリコール、エリスリトール、トレハロース、キシリトール、トリメチルグリシンおよびグリシルグリシンの中から選ばれる少なくとも１種である請求項２記載の油中水型乳化化粧料。
前記（ｂ）ポリエーテル変性シリコーンがＨＬＢ１〜１０である請求項１、２または３記載の油中水型乳化化粧料。
前記（ｂ）ポリエーテル変性シリコーンがＨＬＢ２〜７である請求項４記載の油中水型乳化化粧料。
前記（ｂ）ポリエーテル変性シリコーンが、ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体、セチルジメチコンコポリオール、ポリ（オキシエチレン・オキシプロピレン）メチルポリシロキサン共重合体、ラウリルＰＥＧ−９ポリジメチルシロキシエチルジメチコン、メチルポリシロキサン・セチルメチルポリシロキサン・ポリ（オキシエチレン・オキシプロピレン）メチルポリシロキサン共重合体の中から選ばれる少なくとも１種である請求項５記載の油中水型乳化化粧料。
さらに（ｄ）シリコーンエラストマーを含む請求項１〜６いずれか１項記載の油中水型乳化化粧料。
前記（ｄ）シリコーンエラストマーがジメチコンクロスポリマーまたはジメチコン／ビニルジメチコンクロスポリマーである請求項７記載の油中水型乳化化粧料。
さらに（ｅ）液状保湿剤を含む請求項１〜８いずれか１項記載の油中水型乳化化粧料。
半透明〜透明である請求項１〜９いずれか１項記載の油中水型乳化化粧料。