JP2005220076A - 透明性乳化化粧料 - Google Patents
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Abstract
【課題】 本発明の透明性乳化化粧料は消費者に好まれる透明性のある外観を有しており、種々の油を多量に配合する事が可能であると共に、使用性は外観が白濁の通常の乳化化粧料と遜色ないものであり、優れた使用性面と透明性を共に有する新規なヘアクリーム等のヘアケア化粧料やハンドクリーム、スキンクリーム等のスキンケア化粧料等、幅広い乳化化粧料の開発に応用できる新規な透明性乳化化粧料を提供する。
【解決手段】 次の成分(A)〜(B)
(A)平均重合度3以上のポリグリセリンと炭素数8〜22の脂肪酸とをエステル化する事で得られ且つHLBが10.0以上のポリグリセリン脂肪酸エステル、多価アルコール、ポリアクリル酸誘導体、及び水を含有する水相30.0〜70.0重量%
(B)20℃での屈折率が1.30〜1.50の油を含有する油相30.0〜70.0重量%
からなり、且つ20℃での水相(A)と油相(B)との屈折率の差が±0.01以内である透明性乳化化粧料を用いる。
【解決手段】 次の成分(A)〜(B)
(A)平均重合度3以上のポリグリセリンと炭素数8〜22の脂肪酸とをエステル化する事で得られ且つHLBが10.0以上のポリグリセリン脂肪酸エステル、多価アルコール、ポリアクリル酸誘導体、及び水を含有する水相30.0〜70.0重量%
(B)20℃での屈折率が1.30〜1.50の油を含有する油相30.0〜70.0重量%
からなり、且つ20℃での水相(A)と油相(B)との屈折率の差が±0.01以内である透明性乳化化粧料を用いる。
Description
本発明は、透明性乳化化粧料に関するものであり、更に詳しくは化粧品としての美的感覚が良好で外観が透明性を有すると共に、種々の油を多量に配合することが可能であり、優れた使用性と透明性を併せ持つ新規用途として、ヘアクリーム等のヘアケア化粧料やハンドクリーム、スキンクリーム等のスキンケア化粧料として有用な透明性乳化化粧料に関する。
毛髪や皮膚に水分を与える目的で保湿剤を配合した化粧料である化粧水類やジェル状化粧料は、その殆どがその外観が透明性を有するものであり、その外観が多くの消費者に好まれている。その保湿効果を高めるべく、油剤を配合した透明性のあるものが報告されている。このように製剤中へ油を透明に配合する技術としては、従来石油系のポリオキシエチレン系界面活性剤によって可溶化する方法が用いられる。しかし、透明化出来る油の量が極めて少なく、また逆に石油系界面活性剤を多く必要とするため、多量の界面活性剤による皮膚刺激が懸念されるといった問題があった。また、可溶化出来る油の種類にも制限があり、例えばシリコーン油類は、可溶化が困難な油剤であるため、配合出来ない等の問題があった。これに対してシリコーン油を配合し、外観が透明ないし半透明の乳化化粧料が提案されている(特許文献1)。しかしながら、この技術にも、石油系界面活性剤が使用され、またシリコーン油の種類に制限(10cSt以下)や、その配合量(40重量%以下)にも制限のある内容であった。
上記以外の技術としては、ポリアクリル酸とその誘導体を併用し、そこへ液状油を配合した透明又は半透明化粧料が報告されている(特許文献2)。この技術は、シリコーン油の種類も特に制限なく、種々の油が配合できるものであるが、配合可能な油剤の上限量が50重量%と制限があった。また、ポリアクリル酸とその誘導体を併用したゲル強度の高い配合剤系であるため、毛髪や皮膚に塗布した場合、配合した油が毛髪や皮膚に馴染むまでの間が、通常の乳化化粧料に比べ時間がかかり過ぎ、使用面上において好ましくない乳化化粧料であった。この様に界面活性剤やポリアクリル酸とその誘導体を併用した剤系を用いずに、更には超高圧ホモジナイザー、超音波乳化機等の強力な剪断力を与える乳化機等を用いた特別な機械的処理を行うことなく、製剤中に種々の油を多量に、しかも安定に配合した、透明性のある乳化化粧料を得ることは困難であった。
特開平10-120524
特開平 6−256136
本発明が解決しようとする課題は、化粧品としての美的感覚が良好で外観が透明性を有すると共に、種々の油を多量に配合する事が可能であり、優れた使用性と透明性を併せ持つ新規用途として、ヘアクリーム等のヘアケア化粧料やハンドクリーム、スキンクリーム等のスキンケア化粧料として有用な透明性乳化化粧料を提供することである。
本発明者らは、上記問題を解決するため鋭意検討した結果、特定のポリグリセリン脂肪酸エステル、多価アルコール、ポリアクリル酸誘導体、及び水を含有する水相と、化粧料に用いる殆どの油が該当する範囲の屈折率を示す油から成る油相とを乳化して得る透明性乳化化粧料が、上記課題を解決し得ることを見出だし、本発明を完成するに至った。即ち、本発明は、次の成分(A)〜(B)
(A)平均重合度3以上のポリグリセリンと炭素数8〜22の脂肪酸とをエステル化することで得られ且つHLBが10.0以上のポリグリセリン脂肪酸エステル、多価アルコール、ポリアクリル酸誘導体、及び水を含有する水相30.0〜70.0重量%
(B)20℃での屈折率が1.30〜1.50の油を含有する油相30.0〜70.0重量%からなり、且つ20℃での水相(A)と油相(B)との屈折率の差が±0.01以内である透明性乳化化粧料に関するものである。
(A)平均重合度3以上のポリグリセリンと炭素数8〜22の脂肪酸とをエステル化することで得られ且つHLBが10.0以上のポリグリセリン脂肪酸エステル、多価アルコール、ポリアクリル酸誘導体、及び水を含有する水相30.0〜70.0重量%
(B)20℃での屈折率が1.30〜1.50の油を含有する油相30.0〜70.0重量%からなり、且つ20℃での水相(A)と油相(B)との屈折率の差が±0.01以内である透明性乳化化粧料に関するものである。
本発明の透明性乳化化粧料は消費者に好まれる透明性のある外観を有しており、種々の油を多量に配合する事が可能であると共に、使用性が白濁の通常の乳化化粧料と遜色ないものであり、優れた使用性面と透明性を併せ持つ新規用途として、ヘアクリーム等のヘアケア化粧料やハンドクリーム、スキンクリーム等のスキンケア化粧料等、幅広い乳化化粧料の開発に応用できる新規な透明性乳化化粧料を得ることができる。
以下に本発明を詳細にする。
本発明で使用する、ポリグリセリン脂肪酸エステルとは、平均重合度3以上のポリグリセリンと炭素数8〜22の脂肪酸とをエステル化することにより得られ且つHLBが10.0以上のポリグリセリン脂肪酸エステルである。このポリグリセリン脂肪酸エステルを構成する脂肪酸としては、直鎖や分枝の飽和及び不飽和から選ばれた1種又は2種以上のものが挙げられる。このようなポリグリセリン脂肪酸エステルとしては、例えばモノカプリン酸トリグリセリル、モノラウリン酸テトラグリセリル、モノラウリン酸ヘキサグリセリル、モノラウリン酸デカグリセリル、ジラウリン酸デカグリセリル、モノミリスチン酸ヘキサグリセリル、モノミリスチン酸デカグリセリル、ジミリスチン酸デカグリセリル、モノパルミチン酸デカグリセリル、モノステアリン酸デカグリセリル、ジステアリン酸デカグリセリル、モノオレイン酸ヘキサグリセリル、モノオレイン酸デカグリセリル、ジオレイン酸デカグリセリル、モノイソステアリン酸デカグリセリル、ジイソステアリン酸デカグリセリル、モノ(イソステアリン酸/オレイン酸)デカグリセリル、ジ(ラウリン酸/オレイン酸)デカグリセリル、モノ(カプリン酸/イソステアリン酸)ヘキサグリセリル等が挙げられ、これらの1種又は2種以上を使用する。これらの中で特にHLBが12以上のポリグリセリン脂肪酸エステルが好ましい。例えば、モノオレイン酸デカグリセリル、ジオレイン酸デカグリセリル、モノイソステアリン酸デカグリセリル、ジイソステアリン酸デカグリセリル等である。また、10.0未満のポリグリセリン脂肪酸エステルと、HLB10.0を超えるポリグリセリン脂肪酸エステルとを、HLB10.0以上となる割合で適宜併用することも可能である。
本発明の透明性乳化化粧料には、上記のポリグリセリン脂肪酸エステルを0.1〜10.0重量%、好ましくは1.0〜5.0重量%使用する。0.1重量%未満では、温度安定性の良好な、透明性乳化化粧料は得られず、また、10.0重量%を超えて使用した透明性乳化化粧料は、毛髪や皮膚に塗布した際の、のびや馴染みが悪くなり官能面上、好ましくない。
本発明に用いる、多価アルコールとしてはグリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン、マビット、ソルビトール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ポリエチレングリコール等が挙げられ、その中でもグリセリン、ジグリセリンが好ましい。
本発明の透明性乳化化粧料には、上記の多価アルコールを1.0〜15.0重量%、好ましくは5.0〜10.0重量%使用する。1.0重量%未満では、外観の透明性が悪い乳化化粧料となる。また、15.0重量%を超えて使用した透明性乳化化粧料は、毛髪や皮膚に塗布した際の、のびや馴染みが悪くなり官能面上、好ましくない。
本発明に用いる、ポリアクリル酸誘導体としては、カルボキシビニルポリマーとして、カーボポール(Carbopol、BF Goodrich社製)の商品名のものや、アクリル酸メタクリル酸共重合体で、ペムレン(Pemulen、BF Goodrich社製)の商品名のものが挙げられる。
本発明の透明性乳化化粧料には、上記のポリアクリル酸誘導体を0.01〜1.5重量%、好ましくは0.1〜1.0重量%使用する。0.01重量%未満では、温度安定性の良好な、透明性乳化化粧料は得られず、また、1.5重量%を超えて使用した透明性乳化化粧料は、毛髪や皮膚に塗布した際の、のびや馴染みが悪くなり官能面上、好ましくない。
本発明の透明性乳化化粧料には、水を5.0〜35.0重量%、好ましくは10.0〜30.0重量%使用する。5.0重量%未満及び35.0重量%を超えて使用した乳化化粧料は、外観の透明性が悪い乳化化粧料となる。
本発明の透明性乳化化粧料には、上述のポリグリセリン脂肪酸エステル、多価アルコール、ポリアクリル酸誘導体、及び水を含有する水相を用いる。これら必須成分以外に、本発明を損なわない範囲にて、通常乳化化粧料に配合される成分、例えば、トリメチルグリシン、尿素、ヒアルロン酸ナトリウム等の天然保湿剤、糖アルコール、各種ビタミン、アミノ酸、生薬、消炎剤、細胞賦活剤、色素、防腐剤、香料等を適宜配合することができる。
また、本発明の透明性乳化化粧料には、上記水相が透明性乳化化粧料に対して、30.0〜70.0重量%、好ましくは40.0〜60.0重量%使用する。30.0重量%未満及び70.0重量%を超えて使用した乳化化粧料は、外観の透明性が悪い乳化化粧料となる。
本発明で用いる、20℃での屈折率が1.30〜1.50の油は、化粧料に用いる殆どの油が該当する。例えば、流動パラフィン、スクワラン等の炭化水素類、ミリスチン酸オクチルドデシル、イソノナン酸イソノニル、ミリスチン酸イソプロピル等のエステル類、トリオクタン酸グリセリル、トリ(カプリル・カプリン酸)グリセリル等のトリグリセライド類、オリブ油、ホホバ油、月見草油、ヤシ油等の植物油類、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、環状メチルポリシロキサン等のシリコーン類が挙げられ、これらの一種又は二種以上を使用する。単一の油を使用する場合は、20℃での屈折率が1.30〜1.50であるものを使用する。二種以上の油を使用する場合は、混合した油、即ち油相の20℃での屈折率が1.30〜1.50となる割合で使用する。油相の屈折率が1.30未満及び1.50を超えた油相を用いた場合、外観の透明性が悪い、乳化化粧料となる。
また、本発明の透明性乳化化粧料には、上記の油相が透明性乳化化粧料に対して、30.0〜70.0重量%、好ましくは40.0〜60.0重量%使用する。30.0重量%未満で調製したものは、毛髪や皮膚に塗布した際の、のびや馴染みが悪くなり官能面上、好ましくない。逆に、70.0重量%を超えて使用した透明性乳化化粧料は、温度安定性の悪いものとなり、好ましくない。
更に、本発明の透明性乳化化粧料においては、ポリグリセリン脂肪酸エステル、多価アルコール、ポリアクリル酸誘導体、及び水を含有する水相の20℃における屈折率と、上述の油を含有する油相の屈折率との差が±0.01以内、好ましくは±0.005以内とする。20℃における水相と油相との屈折率の差が±0.01以内であれば、目視において、透明性の乳化化粧料が得られる。上記範囲を外れると、白濁したものになり透明性の面で好ましくない。
以下、実施例及び比較例により本発明を具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例により限定されるものではない。
〈実施例1〜6、比較例1〜5〉
表1、2記載の乳化化粧料を調製し、以下の評価方法により評価した。その結果を表1、2に示す。
〈実施例1〜6、比較例1〜5〉
表1、2記載の乳化化粧料を調製し、以下の評価方法により評価した。その結果を表1、2に示す。
(評価方法)
1)透明性
実施例、比較例で調製した乳化化粧料の外観を目視にて観察し、以下の評価基準を基に評価した。
◎:良好な透明性を呈する
○:透明性を呈する
△:少し濁る
×:白濁を呈する
2)使用感
健常女性パネラー20名に、実施例、比較例で調製した乳化化粧料を毛髪及び顔面に使用させ、その際「のびの良さ」、「馴染み易さ」及び「後感(べたつきや油性感のなさ)」の各項目を100点満点として採点し、その平均点より以下の基準に従い評価した。
(評価基準)
評 価 平 均 点 判定
良 好 : 75点以上 : ◎
やや良好 : 50点以上〜75点未満 : ○
やや不良 : 25点以上〜50点未満 : △
不 良 : 25点未満 : ×
3)安定性
実施例、比較例で調製した乳化化粧料を0℃、50℃の恒温槽に1ヵ月放置後の状態を目視にて観察し、以下の評価基準を基に評価した。
(評価基準)
○:状態変化なし
×:白濁、分離等の状態変化がある
1)透明性
実施例、比較例で調製した乳化化粧料の外観を目視にて観察し、以下の評価基準を基に評価した。
◎:良好な透明性を呈する
○:透明性を呈する
△:少し濁る
×:白濁を呈する
2)使用感
健常女性パネラー20名に、実施例、比較例で調製した乳化化粧料を毛髪及び顔面に使用させ、その際「のびの良さ」、「馴染み易さ」及び「後感(べたつきや油性感のなさ)」の各項目を100点満点として採点し、その平均点より以下の基準に従い評価した。
(評価基準)
評 価 平 均 点 判定
良 好 : 75点以上 : ◎
やや良好 : 50点以上〜75点未満 : ○
やや不良 : 25点以上〜50点未満 : △
不 良 : 25点未満 : ×
3)安定性
実施例、比較例で調製した乳化化粧料を0℃、50℃の恒温槽に1ヵ月放置後の状態を目視にて観察し、以下の評価基準を基に評価した。
(評価基準)
○:状態変化なし
×:白濁、分離等の状態変化がある
実施例1〜6に示した、透明性乳化化粧料は全評価項目について十分なものであった。一方、比較例1〜5に示した乳化化粧料については、評価項目のいずれかの項目で不十分な評価結果であった。
本発明の透明性乳化化粧料は化粧品としての美的感覚が良好で外観が透明性を有すると共に、種々の油を多量に配合する事が可能であり、優れた使用性と透明性を必要とされる新規用途として、ヘアクリーム等のヘアケア化粧料やハンドクリーム、スキンクリーム等のスキンケア化粧料として応用できる透明性乳化化粧料の開発に利用が可能である。
Claims (1)
- 次の成分(A)〜(B)
(A)平均重合度3以上のポリグリセリンと炭素数8〜22の脂肪酸とをエステル化することで得られ且つHLBが10.0以上のポリグリセリン脂肪酸エステル、多価アルコール、ポリアクリル酸誘導体、及び水を含有する水相30.0〜70.0重量%
(B)20℃での屈折率が1.30〜1.50の油を含有する油相30.0〜70.0重量%
からなり、且つ20℃での水相(A)と油相(B)との屈折率の差が±0.01以内である透明性乳化化粧料。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004029809A JP2005220076A (ja) | 2004-02-05 | 2004-02-05 | 透明性乳化化粧料 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004029809A JP2005220076A (ja) | 2004-02-05 | 2004-02-05 | 透明性乳化化粧料 |
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Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2005220076A true JP2005220076A (ja) | 2005-08-18 |
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2004029809A Pending JP2005220076A (ja) | 2004-02-05 | 2004-02-05 | 透明性乳化化粧料 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2005220076A (ja) |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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-
2004
- 2004-02-05 JP JP2004029809A patent/JP2005220076A/ja active Pending
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