JP6498987B2 - 透明油性化粧料 - Google Patents

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Description

本発明は、透明油性化粧料に関し、更に詳細には、柑橘果実の圧搾物である果汁、25℃にて液状の油、HLB値が10〜15のポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステルを含有することを特徴とする透明油性化粧料に関するものであって、経時安定性に優れ、塗布した際にべたつきがなく、エモリエント効果に優れる透明油性化粧料に関するものである。
従来より、化粧料には、その目的や効果を期待して種々成分が含有されている。例えば、保湿剤、美白剤、肌荒れ防止剤、老化防止剤、育毛剤などがあり、合成品や天然物などがある。なかでも近年の自然志向、エコロジー志向を反映し、天然原料に対する感心が高まり、商品コンセプトに植物由来の原料を使用していることを打ち出しているものが多く見受けられるようになった。特に植物抽出物は、植物の部位(果実、皮、茎、根等)を選択し、さらに、用いる抽出溶媒、抽出方法によって、さまざまな有効成分をより効果的に取り出すことができる。一方で植物そのものを圧搾することにより、植物本来の有効成分を得ることも可能である。
特に、植物果実の果汁はビタミン類、α−ヒドロキシ酸、ミネラル等の様々な植物性活性成分を含有しており、新陳代謝を活発にするとともに収斂作用や保湿作用等を有している。
しかしながら、果汁は、抽出とは異なり、高濃度の成分や、多数の成分を含むものとなり、化粧料に含有する際に、着色等の経時変化を起こしたり、化粧水等への配合の場合は、果汁に含まれる成分が、沈殿物として析出する可能性があった。
これまで植物や果実の果汁を化粧料に含有した技術としては、バラ科植物果実果汁を含有した乳化化粧料の技術(例えば、特許文献1参照)や、果実水を含有することを特徴とした化粧料(例えば、特許文献2参照)などがある。
特開2000−119153号公報 特開2012−184180号公報
上記、特許文献1の技術では、バラ科植物果実果汁等を乳化化粧料に含有する技術である。本技術は、乳化化粧料に関するものであり、水系成分が多量に含有された系であることから、本願のような果実果汁を安定に含有する油性化粧料への応用としては動機付けがないものである。特許文献2の技術では、果実の果汁濃縮工程により得られる果実水を、保湿剤として利用する技術である。化粧料への含有することの示唆はあるものの、特に油性化粧料に対してのものではない。
すなわち、上記した従来の技術では、果実果汁を、水系成分とともに含有することが可能であるとの技術開示にとどまるものであり、油性化粧料に安定に含有する技術は、これまで知られていない。
油性化粧料は、乳化化粧料とは異なり水系成分の含有量が少ないことから、果実果汁を安定に含有することは困難であり、特に透明な油性化粧料へ安定に含有することは技術的課題のあるものであった。
かかる実情に鑑み、本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を行った。まず、柑橘果実の圧搾物である果汁は、水性成分であることから、油性化粧料への単純含有は困難と考え、界面活性剤を用いての安定に含有しうるかの可能性を検討した。ここで柑橘果実の果汁には、クエン酸や、ビタミン類などの種々の成分が含まれており、このような成分に影響を受けにくいものとして、イオン性の界面活性剤よりは、ノニオン界面活性剤が好ましく、さら検討を進めた結果、特定のHLBの範囲を有するノニオン界面活性剤が経時安定性上好ましいものであることがわかった。また、ノニオン界面活性剤の親水基としては、ポリオキシエチレン基と、ソルビタン骨格の構造を有するものが、柑橘果実の果汁を安定に含有させるという優れた特性を有することを見出した。そして、特定のノニオン界面活性剤を、柑橘果実の果汁とともに、25℃で液状の油を含む構成とすることにより、油性化粧料に濁ることなく透明な状態で含有させ、経時安定性に優れる透明油性化粧料を完成させた。これは従来からある白濁状態の乳化化粧料への含有技術とは全く異なるものである。また本発明のような構成の透明油性化粧料は、水系濃度が少ないために、果実果汁の機能を効果的に働かせることも期待でき、塗布した際に皮膚に対してべたつきがなく、エモリエント効果に優れる透明油性化粧料が得られることを見出し本発明を完成させた。
すなわち本発明は、次の成分(a)〜(c);
(a)果実の圧搾物である果汁
(b)25℃にて液状の油
(c)HLB値が10〜15のポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル
を含有することを特徴とする透明油性化粧料に関するものである。
前記成分(a)が、レモン、グレープフルーツ、ユズ、オレンジから選ばれる一種又は二種以上の果実の圧搾物である果汁であることを特徴とする透明油性化粧料に関するものである。
さらに、成分(d)として、多価アルコールを含有することを特徴とする透明油性化粧料に関するものである。
前記成分(d)が、少なくとも1,3−ブチレングリコールを含むものであり、成分(d)中における1,3−ブチレングリコールの含有割合が、50質量%以上であることを特徴とする透明油性化粧料に関するものである。
さらに成分(e)として、ジグリセリンと、炭素数8〜20の脂肪酸との、モノ、ジ又はトリエステルから選ばれる一種又は二種以上を含有することを特徴とする透明油性化粧料に関するものである。
さらに成分(f)として、リン酸系界面活性剤を含有することを特徴とする透明油性化粧料に関するものである。
本発明の透明油性化粧料は、経時安定性に優れ、皮膚に対して油膜感やべたつきが少なく、エモリエント効果に優れるという利点がある。
以下、本発明について特にその好ましい形態を中心に詳細に記載する。なお、本発明において、「〜」はその前後の数値を含む範囲を意味する。
本発明の透明油性化粧料は、成分(a)として、柑橘果実の圧搾物である果汁を含有する。これは柑橘果実を一般的な果実圧搾機等を用いて圧搾したことにより得られる果汁である。なお、本発明においては、果汁は液状成分のもののみを意味し、果肉や、繊維、種子残留物等のものは含まれない。これら固形物は予め濾過などにより取り除いて用いるものとする。なお、製造工程において、濃縮あるいは水分等を添加して希釈しているものや、1,3−ブチレングリコール、エタノール、グリセリン等の他の成分を含有させたものであってもよい。
このような柑橘果実としては、特に限定されるものではないが、具体的な柑橘果実としては、ミカン、オレンジ、レモン、グレープフルーツ、ユズ、キンカン、イヨカン、カボス、スダチ、シークワーサー、ライム、ハッサク、ベルガモットなどをあげることができる。これらの果汁は、必要に応じて1種又は2種以上を用いることができる。
本発明の成分(a)の柑橘果実の圧搾物である果汁として特に好ましくは、エモリエント効果の観点より、オレンジ果汁、レモン果汁、ユズ果汁、グレープフルーツ果汁が挙げられる。
本発明の成分(a)の柑橘果実の圧搾物である果汁の含有量は、特に限定されないが、0.0001質量%(以下、質量%は単に、「%」と略す)以上、5%以下とすることが好ましく、さらには、0.001%以上、2%以下とすることがさらに好ましく、そしてさらに好ましくは、0.01%以上、1%以下とすることが好ましい。これらの範囲内とすれば、経時安定性に優れ、エモリエント効果の観点においても好ましいものとなる。
このような成分(a)の市販品としては、HORMO FRUIT LEMON、HORMO FRUIT ORANGE(以上、エスペリス社製)等のHORMO FRUITシリーズが挙げられる。
本発明の透明油性化粧料は、成分(b)として、25℃にて液状の油を含有する。成分(b)は、成分(a)および(c)と共に用いることにより、エモリエント効果の観点より好ましいものとなる。液状油としては、通常の化粧料に使用される25℃で液状の油剤であれば、特に限定されるものでもなく、いずれのものも使用することができ、成分(b)の粘度としては、25℃において、10000mPa・s以下のものが好ましく、3000mPa・s以下であればより好ましい。ここでの粘度は、芝浦システム社製単一円筒型回転粘度計ビスメトロンVS−A1を用いて、3号ローターで6回転、60秒後の条件にて測定した値である。なお、後述する成分(e)は含まないものである。
このような成分(b)は、例えば、シリコーン油、フッ素系油剤、炭化水素油、エステル油、グリセライド油、高級脂肪酸、高級アルコール、天然動植物油剤および半合成油剤よりなる群から選ばれる1種又は2種以上のものを使用することができる。
以下、具体的に記載するが、これらに限定されるものではない。
シリコーン油としては、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン、メチルトリメチコン、ジメチルシロキサン・メチルフェニルシロキサン共重合体等の低粘度から高粘度のオルガノポリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン、テトラメチルテトラハイドロジェンシクロテトラシロキサン、テトラメチルテトラフェニルシクロテトラシロキサン、テトラメチルテトラトリフロロプロピルシクロテトラシロキサン、ペンタメチルペンタトリフロロプロピルシクロペンタシロキサン等の環状シロキサン等が挙げられる。
フッ素系油剤としては、パーフルオロポリエーテル、パーフルオロデカリン、パーフルオロオクタン等が挙げられる。
炭化水素油としては、直鎖状、分岐状、さらに揮発性の炭化水素油等が挙げられ、具体的には、α−オレフィンオリゴマー、軽質イソパラフィン、軽質流動イソパラフィン、スクワラン、合成スクワラン、植物性スクワラン、スクワレン、流動パラフィン、流動イソパラフィン等が挙げられる。
エステル油としては、アジピン酸ジイソブチル、アジピン酸2−ヘキシルデシル、アジピン酸ジ−2−ヘプチルウンデシル、モノイソステアリン酸N−アルキルグリコール、イソステアリン酸イソセチル、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、イソノナン酸イソノニル、イソノナン酸イソトリデシル、ジ−2−エチルヘキサン酸エチレングリコール、2−エチルヘキサン酸セチル、トリ−2−エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、テトラ−2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリトール、オクタン酸セチル、オレイン酸オレイル、オレイン酸オクチルドデシル、オレイン酸デシル、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、クエン酸トリエチル、コハク酸2−エチルヘキシル、酢酸アミル、酢酸エチル、酢酸ブチル、ステアリン酸イソセチル、ステアリン酸ブチル、セバシン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジ−2−エチルヘキシル、乳酸セチル、乳酸ミリスチル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸2−エチルヘキシル、パルミチン酸2−ヘキシルデシル、パルミチン酸2−ヘプチルウンデシル、ジペンタエリスリトール脂肪酸エステル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、ミリスチン酸2−ヘキシルデシル、ミリスチン酸ミリスチル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、ラウリン酸エチル、ラウリン酸ヘキシル、N−ラウロイル−L−グルタミン酸−2−オクチルドデシルエステル、リンゴ酸ジイソステアリル等が挙げられる。
グリセライド油としては、アセトグリセリル、トリイソオクタン酸グリセリル、トリイソステアリン酸グリセリル、トリイソパルミチン酸グリセリル、モノステアリン酸グリセリル、ジ−2−ヘプチルウンデカン酸グリセリル、トリミリスチン酸グリセリルなどが挙げられる。
高級脂肪酸としては、ウンデシレン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸、エイコサペンタエン酸(EPA)、ドコサヘキサエン酸(DHA)、イソステアリン酸等が挙げられる。
高級アルコールとしては、オレイルアルコール、イソステアリルアルコール、ヘキシルデカノール、オクチルドデカノール、2−デシルテトラデシノール、モノオレイルグリセリルエーテル(セラキルアルコール)等が挙げられる。
また、天然動植物油剤及び半合成油剤としては、アボガド油、アーモンド油、オリーブ油、キョウニン油、小麦胚芽油、ゴマ油、コメ胚芽油、コメヌカ油、サザンカ油、サフラワー油、シナモン油、タートル油、大豆油、茶実油、ツバキ油、月見草油、トウモロコシ油、ナタネ油、日本キリ油、胚芽油、パーシック油、ヒマシ油、ヒマシ油脂肪酸メチルエステル、ヒマワリ油、ブドウ油、ホホバ油、マカデミアナッツ油、ミンク油、メドウホーム油、綿実油、落花生油、液状ラノリン、酢酸ラノリンアルコール、ラノリン脂肪酸ポリエチレングリコール、卵黄油等が挙げられる。
本発明の透明油性化粧料中の成分(b)の25℃で液状の油の含有量は、特に限定されないが、50〜99%とすることが好ましく、さらには、70〜90%とすることがさらに好ましい。この範囲とすれば、エモリエント効果の観点で好ましい。
本発明の透明油性化粧料は、成分(c)として、HLB10〜15のポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステルを含有する。成分(c)は、本発明の透明油性化粧料の化粧料の製剤安定性の向上に寄与する。具体的には、ソルビトールに酸化エチレンを付加したものを脂肪酸でエステル化したものであって、HLBが10〜15の範囲であれば、いずれも使用することができ、1種又は2種以上を含有することができる。
ここで「ポリオキシエチレン」とは、特に限定されるものではなく、脂肪酸の種類等によっても適宜選択することが可能であるが、具体的には、概ね1分子あたり、20モル〜80モルの範囲のものが好ましい。なお、本明細書においては、ポリオキシエチレンをPOEと記載することもある。
また、「脂肪酸」は、特に限定されるものではないが、例えば、炭素数8〜22のものが好ましく、飽和、不飽和もしくは直鎖、分岐いずれのものであってもよく、またこれらを混合していてもよいものであり、ヤシ油脂肪酸のようなものであっても、いずれでもよい。
これらの中でも主としてソルビトールに酸化エチレンを付加したものをオレイン酸でエステル化したテトラオレイン酸ポリオキシエチレンソルビットが、経時安定性の点から好ましい。市販品としては、NIKKOL GO−430NV、440V、460V(以上、日光ケミカルズ社製)等が挙げられる。
本発明の成分(c)の含有量は特に限定されないが、0.1〜50%とすることが好ましく、1〜30%がさらには好ましく、そしてさらに、5〜15%とすることが好ましい。この範囲内とすることにより、経時安定性に優れ、皮膚に対してべたつきがないという観点で好ましいものとすることができる。
さらに、本発明の透明油性化粧料は、成分(d)として多価アルコールを含有する。ことで、経時安定性や塗布時の肌なじみに寄与する。このような多価アルコールとしては特に限定されないが、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、1,2−ペンタンジオール、グリセリン、ジグリセリン、ソルビトールなどが挙げられ、特に1,3−ブチレングリコールの含有割合が、多価アルコール全量に対して多いほど、成分(a)を含有する上で、経時安定性の観点で好ましいものとなり、その割合が50%以上であることが、経時安定性に加えて、塗布時の肌なじみの観点でも好ましい。
本発明の成分(d)の含有量は、特に限定されないが、1〜20%とすることが好ましく、さらには、5〜10%とすることがさらに好ましい。この範囲とすることにより、経時安定性や塗布時の肌なじみの観点で好ましいものとすることができる。
本発明は、成分(e)として、ジグリセリンと、炭素数8〜20の脂肪酸との、モノ、ジ又はトリエステルを含有する。成分(e)は、本発明においては、経時安定性、エモリエント効果を付与する目的で含有されるものである。なお、ここで「脂肪酸」は、飽和、不飽和もしくは直鎖、分岐いずれのものであってもよく、二種以上を混合していてもよいが、臭いや皮膚刺激性の観点から、飽和の分岐型が好ましく、特にイソステアリン酸が好ましい。市販品としては、例えば、コスモール41V、コスモール42V、コスモール43V(いずれも日清オイリオ社製)、ニッコールDGMO、DGDO、DGMIS(いずれも日光ケミカルズ社製)、IS−201P、IS−202P、O−201P(いずれも阪本薬品工業社製)、リソレックスPGIS21、リソレックスPGIS22、リソレックスPGIS23(いずれも高級アルコール工業社製)、EMALEX DISG−2、EMALEX TISG−2、EMALEX MOG−2、EMALEX MSG−2、EMALEX DSG−2(いずれも日本エマルジョン社製)等が挙げられる。
本発明の成分(e)の含有量は、特に限定されないが、1〜20%とすることが好ましく、3〜15%とすることがさらに好ましく、5〜10%とすることが特に好ましい。この範囲とすることにより、経時安定性の観点で好ましいものとすることができる。
さらに本発明の透明油性化粧料は、成分(f)としてリン酸系の界面活性剤を含有する。本発明の透明油性化粧料は、界面活性剤として、前記成分(c)を成分(b)と共に含有することで、成分(a)を安定に含有することが可能となる技術であるが、成分(f)をさらに含有することによりべたつきのなさが改善するため好ましい。リン酸系の界面活性剤とは高級アルコール又はそのポリオキシアルキレン誘導体の末端をリン酸エステル化した物を指し、残存する水酸基を適切なアルカリにより中和した塩を含むものである。中でも、ポリオキシエチレン付加アルキルエーテルリン酸類及びその塩類が好ましいがこれに限定されるものではなく、1種又は2種以上を組み合わせて使用することができる。含有量としては0.01〜1%であれば経時安定性の観点で好ましい。市販品としては、HOSTAPHAT KW340D、HOSTAPHAT KL340D(以上、クラリアントジャパン社製)、ニッコールDDP−6、ニッコールDDP−8(以上、日光ケミカルズ社製)等がある。
本発明の透明油性化粧料には、本発明の効果を損なわない範囲内であれば、前記成分の他に、通常化粧品に用いられる成分、例えば、界面活性剤、動植物由来油脂、シリコーン類、低級アルコール、動植物由来抽出エキス、保湿剤、増粘剤、金属封鎖剤、清涼剤、酸化防止剤、防腐・殺菌剤、pH調整剤、着色剤、各種香料などを目的に応じて適宜含有することができる。
本発明の透明油性化粧料には、化粧油、洗顔料、クレンジング料、頭髪化粧料などの用途に好適に用いることができる。これらの中では、本発明の透明油性化粧料は毛穴の汚れ落ちに優れ、使用後にしっとり感を与える効果があることから、特に、洗顔料、クレンジング料、頭皮化粧料に好適に用いることができる。
本発明の透明油性化粧料における、「透明」とは、透明ないし半透明のものを意味するものであり、透明性の評価は、分光光度計を用いて、波長700nmの光の透過率が70%以上であるものであり、好ましくは90%以上であり、そしてさらに好ましくは、98%以上のものである。そして本発明の透明油性化粧料は、より詳細には、油系ベース部分が、分離等をしていない一液相のものであり、剤型としては、油中水型の可溶化や、油中水型のマイクロエマルション等が挙げられる。また、このような油系ベースに、さらに粉体や、これを造粒した顆粒等を配合したものであってもよく、油系ベースの部分が透明であればよい。なお、水性成分が多くなると、二層分離型の化粧料となるものや、油中水型の乳化化粧料となるものもあるが、これらは本発明には含まれない。これは、水系含有量が多く、あるいは不透明なベースであり、従来からも乳化化粧料に果実果汁を含有する技術はあり、本発明の技術を用いる必要がないためである。
本発明は、上記理由から少量の水を含有するものであってもよい。このような水の具体的な含有量としては、特に限定されるものではないが、透明油性化粧料全量に対して、5%未満であることが好ましく、1%未満であるとより好ましく、0.5%未満であるとより好ましい。
本発明の透明油性化粧料の製造方法としては、特に限定されるものではないが、成分(a)〜(c)、その他の任意成分を混合した後、あらかじめ調製された洗浄基剤に含有することにより製造することができる。混合する機器としては、ディスパーや、パドルミキサー等の分散機器を用いることができる。
以下に実施例を挙げて、本発明を更に詳細に説明する。尚、これらは本発明を何ら限定するものではない。
本発明品1〜18及び比較品1〜8:化粧油
表1〜表3に示す組成の化粧油を下記製造方法により調製し、「経時安定性」、「べたつきのなさ」、「エモリエント効果」の各項目について、以下に示す評価方法及び判定基準により評価判定し、結果を併せて表1〜表3に示した。
(製造方法)
A 成分3〜30を均一に溶解する
B Aに成分1〜2を溶解し、容器に充填して化粧油を得た。
(評価方法)
(1)経時安定性
前記発明品及び比較品の化粧油を規格瓶に充填し、40℃で1ヶ月保管した。40℃サンプルを室温へ戻した後、透明性については以下の評価方法により、また沈殿物の有無については、目視観察にて行った。そして下記評価基準に従い、評価した。
[透明性の評価方法]
各化粧油を1cmセルに入れ、分光光度計UV−2500PC(島津製作所社製)を用いて波長700nmの透過率を測定することにより評価した。トリ2−エチルヘキサン酸グリセリルの透過率を100として、各サンプルの透過率を換算して透明性を評価した。
評価基準 :判定
透明性が90%以上であり、沈殿物はない : ◎
透明性が70%以上90%未満であり、沈殿物はない : ○
透明性が70%未満、もしくは沈殿物がある : ×
(評価方法)
(2)べたつきのなさ
化粧品評価パネル20名に、本発明品1〜18および比較品1〜8の化粧油0.2gを使用してもらい、下記評点にて評価した。
[評価結果] :[評 点]
非常に感じる : 5点
やや感じる : 4点
普通 : 3点
あまり感じない : 2点
全く感じない : 1点
(判定基準)
[評点の平均点] :[判 定]
4.5点以上 : ◎
3.5点以上〜4.5点未満 : ○
1.5点以上〜3.5点未満 : △
1.5点未満 : ×
(評価方法〕
(3)エモリエント効果
化粧品評価パネル20名に、本発明品1〜18および比較品1〜8の化粧油0.2gを使用してもらい、下記評点にて評価した。
[評価結果] :[評 点]
非常に感じる : 5点
やや感じる : 4点
普通 : 3点
あまり感じない : 2点
全く感じない : 1点
(判定基準)
[評点の平均点] :[判 定]
4.5点以上 : ◎
3.5点以上〜4.5点未満 : ○
1.5点以上〜3.5点未満 : △
1.5点未満 : ×
表1〜表3の結果から明らかなように、本発明の本発明品1〜18の化粧油は、「経時安定性」、「べたつきのなさ」、「エモリエント効果」の全ての項目に優れたものであった。
これに対して、成分(a)を含有しない比較品1では「エモリエント効果」が良好ではなく、発明品と比較して化粧油として十分ではなかった。また成分(c)を含有していない比較品2では「経時安定性」、「べたつきのなさ」、「エモリエント効果」がいずれの項目も良好ではなく、発明品と比較して化粧油として十分ではなかった。また成分(c)を適切なHLB以外の成分(c)を含有した比較品3〜8ではでは「経時安定性」、「べたつきのなさ」、「エモリエント効果」がいずれの項目も良好ではなく、本発明品と比較して化粧油として十分ではなかった。
実施例2:クレンジングオイル
(成分) (%)
1.レモン圧搾物の果汁(注1) 1.0
2.テトラオレイン酸POEソルビット(EO=30)(注3) 5.0
3.1,3−ブチレングリコール 1.0
4.グリセリン 0.5
5.ジイソステアリン酸ポリグリセリル−2 2.0
6.フェノキシエタノール 0.1
7.コメヌカ油 1.0
8.デカメチルペンタシロキサン 5.0
9.テトラ2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリチル 6.0
10.流動パラフィン 10.0
11.トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル 10.0
12.2−エチルヘキサン酸セチル 残量
13.香料 適量
(製造方法)
A:成分2〜13を均一に溶解する
B:Aに成分1を溶解し、容器に充填してクレンジングオイルを得た。
本発明の実施例2のクレンジングオイルは、「経時安定性」、「べたつきのなさ」、「エモリエント効果」の全ての項目に優れたものであった。
実施例3:皮脂除去用液状化粧油
(成分) (%)
1.レモン圧搾物の果汁(注1) 0.2
2.1,3−ブチレングリコール 1.0
3.トリイソステアリン酸ジグリセリル 5.0
4.ホホバ油 残量
5.植物性スクワラン 10.0
6.エタノール 15.0
7.香料 0.1
8.L−メントール 0.02
9.グリチルレチン酸ステアリル 0.1
10.テトラオレイン酸POEソルビット(EO=30)(注3) 5
(製造方法)
A:成分2〜10を均一に溶解する
B:Aに成分1を溶解し、容器に充填して皮脂除去用液状化粧油を得た。
本発明の実施例3の皮脂除去用液状化粧油は、「経時安定性」、「べたつきのなさ」、「エモリエント効果」の全ての項目に優れたものであった。
実施例4:液状マッサージ料
(成分) (%)
1.トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル 残量
2.トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン 20.0
3.メドウフォーム油 20.0
4.マカデミアンナッツ油 20.0
5.植物性スクワラン 10.0
6.エタノール 5.0
7.香料 0.1
8.アスタキサンチン 0.01
9.テトラオレイン酸POEソルビット(EO=60) 5
10.レモン圧搾物の果汁(注1) 0.1
11.1,3−ブチレングリコール 1.5
(製造方法)
A:成分1〜9、11を均一に溶解する
B:Aに成分10を溶解し、容器に充填して液状マッサージ料を得た。
本発明の実施例4の液状マッサージ料は、「経時安定性」、「べたつきのなさ」、「エモリエント効果」の全ての項目に優れたものであった。
実施例5:液状油性クレンジング料
(成分) (%)
1.トリイソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリ 10.0
2.2−エチルヘキサン酸セチル 30.0
3.トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル 残量
4.流動パラフィン 10.0
5.テトラオレイン酸POEソルビット(EO=30)(注3) 5
6.エタノール 5.0
7.レモン圧搾物の果汁(注1) 0.1
8.オレンジ圧搾物の果汁(注2) 0.1
9.1,3−ブチレングリコール 2.0
(製造方法)
A:成分1〜6、9を均一に溶解する
B:Aに成分7、8を溶解し、容器に充填して液状油性クレンジング化粧料を得た。
本発明の実施例2の液状油性クレンジング化粧料は、「経時安定性」、「べたつきのなさ」、「エモリエント効果」の全ての項目に優れたものであった。

Claims (6)

  1. 次の成分(a)〜(c);
    (a)柑橘果実の圧搾物である果汁
    (b)25℃にて液状の油
    (c)HLB値が10〜15のポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル
    を含有することを特徴とする透明油性化粧料(但し、バナナ果皮から、酸性水溶液で抽出されたバナナ果皮抽出物を含むものを除く)
  2. 前記成分(a)が、レモン、グレープフルーツ、ユズ、オレンジから選ばれる一種又は二種以上の果実の圧搾物である果汁であることを特徴とする請求項1記載の透明油性化粧料。
  3. さらに、成分(d)として多価アルコールを含有することを特徴とする請求項1又は2記載の透明油性化粧料。
  4. 前記成分(d)が、少なくとも1,3−ブチレングリコールを含むものであり、成分(d)中における1,3−ブチレングリコールの含有割合が、50質量%以上であることを特徴とする請求項3記載の透明油性化粧料。
  5. さらに成分(e)として、ジグリセリンと、炭素数8〜20の脂肪酸との、モノ、ジ又はトリエステルから選ばれる一種又は二種以上を含有することを特徴とする請求項1〜4のいずれかの項記載の透明油性化粧料。
  6. さらに成分(f)として、リン酸系界面活性剤を含有することを特徴とする請求項1〜5の何れかの項記載の透明油性化粧料。
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