JP2015193622A - 透明油性化粧料 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】
次の成分(a)〜(c);
(a)柑橘果実の圧搾物である果汁
(b)25℃にて液状の油
(c)HLB値が10〜15のポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル
を含有することを特徴とする透明油性化粧料。
【選択図】なし
Description
特に、植物果実の果汁はビタミン類、α−ヒドロキシ酸、ミネラル等の様々な植物性活性成分を含有しており、新陳代謝を活発にするとともに収斂作用や保湿作用等を有している。
しかしながら、果汁は、抽出とは異なり、高濃度の成分や、多数の成分を含むものとなり、化粧料に含有する際に、着色等の経時変化を起こしたり、化粧水等への配合の場合は、果汁に含まれる成分が、沈殿物として析出する可能性があった。
これまで植物や果実の果汁を化粧料に含有した技術としては、バラ科植物果実果汁を含有した乳化化粧料の技術(例えば、特許文献1参照)や、果実水を含有することを特徴とした化粧料(例えば、特許文献2参照)などがある。
すなわち、上記した従来の技術では、果実果汁を、水系成分とともに含有することが可能であるとの技術開示にとどまるものであり、油性化粧料に安定に含有する技術は、これまで知られていない。
油性化粧料は、乳化化粧料とは異なり水系成分の含有量が少ないことから、果実果汁を安定に含有することは困難であり、特に透明な油性化粧料へ安定に含有することは技術的課題のあるものであった。
(a)果実の圧搾物である果汁
(b)25℃にて液状の油
(c)HLB値が10〜15のポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル
を含有することを特徴とする透明油性化粧料に関するものである。
このような柑橘果実としては、特に限定されるものではないが、具体的な柑橘果実としては、ミカン、オレンジ、レモン、グレープフルーツ、ユズ、キンカン、イヨカン、カボス、スダチ、シークワーサー、ライム、ハッサク、ベルガモットなどをあげることができる。これらの果汁は、必要に応じて1種又は2種以上を用いることができる。
このような成分(a)の市販品としては、HORMO FRUIT LEMON、HORMO FRUIT ORANGE(以上、エスペリス社製)等のHORMO FRUITシリーズが挙げられる。
このような成分(b)は、例えば、シリコーン油、フッ素系油剤、炭化水素油、エステル油、グリセライド油、高級脂肪酸、高級アルコール、天然動植物油剤および半合成油剤よりなる群から選ばれる1種又は2種以上のものを使用することができる。
以下、具体的に記載するが、これらに限定されるものではない。
ここで「ポリオキシエチレン」とは、特に限定されるものではなく、脂肪酸の種類等によっても適宜選択することが可能であるが、具体的には、概ね1分子あたり、20モル〜80モルの範囲のものが好ましい。なお、本明細書においては、ポリオキシエチレンをPOEと記載することもある。
また、「脂肪酸」は、特に限定されるものではないが、例えば、炭素数8〜22のものが好ましく、飽和、不飽和もしくは直鎖、分岐いずれのものであってもよく、またこれらを混合していてもよいものであり、ヤシ油脂肪酸のようなものであっても、いずれでもよい。
これらの中でも主としてソルビトールに酸化エチレンを付加したものをオレイン酸でエステル化したテトラオレイン酸ポリオキシエチレンソルビットが、経時安定性の点から好ましい。市販品としては、NIKKOL GO−430NV、440V、460V(以上、日光ケミカルズ社製)等が挙げられる。
表1〜表3に示す組成の化粧油を下記製造方法により調製し、「経時安定性」、「べたつきのなさ」、「エモリエント効果」の各項目について、以下に示す評価方法及び判定基準により評価判定し、結果を併せて表1〜表3に示した。
A 成分3〜30を均一に溶解する
B Aに成分1〜2を溶解し、容器に充填して化粧油を得た。
(1)経時安定性
前記発明品及び比較品の化粧油を規格瓶に充填し、40℃で1ヶ月保管した。40℃サンプルを室温へ戻した後、透明性については以下の評価方法により、また沈殿物の有無については、目視観察にて行った。そして下記評価基準に従い、評価した。
各化粧油を1cmセルに入れ、分光光度計UV−2500PC(島津製作所社製)を用いて波長700nmの透過率を測定することにより評価した。トリ2−エチルヘキサン酸グリセリルの透過率を100として、各サンプルの透過率を換算して透明性を評価した。
透明性が90%以上であり、沈殿物はない : ◎
透明性が70%以上90%未満であり、沈殿物はない : ○
透明性が70%未満、もしくは沈殿物がある : ×
(2)べたつきのなさ
化粧品評価パネル20名に、本発明品1〜18および比較品1〜8の化粧油0.2gを使用してもらい、下記評点にて評価した。
非常に感じる : 5点
やや感じる : 4点
普通 : 3点
あまり感じない : 2点
全く感じない : 1点
[評点の平均点] :[判 定]
4.5点以上 : ◎
3.5点以上〜4.5点未満 : ○
1.5点以上〜3.5点未満 : △
1.5点未満 : ×
(3)エモリエント効果
化粧品評価パネル20名に、本発明品1〜18および比較品1〜8の化粧油0.2gを使用してもらい、下記評点にて評価した。
非常に感じる : 5点
やや感じる : 4点
普通 : 3点
あまり感じない : 2点
全く感じない : 1点
[評点の平均点] :[判 定]
4.5点以上 : ◎
3.5点以上〜4.5点未満 : ○
1.5点以上〜3.5点未満 : △
1.5点未満 : ×
これに対して、成分(a)を含有しない比較品1では「エモリエント効果」が良好ではなく、発明品と比較して化粧油として十分ではなかった。また成分(c)を含有していない比較品2では「経時安定性」、「べたつきのなさ」、「エモリエント効果」がいずれの項目も良好ではなく、発明品と比較して化粧油として十分ではなかった。また成分(c)を適切なHLB以外の成分(c)を含有した比較品3〜8ではでは「経時安定性」、「べたつきのなさ」、「エモリエント効果」がいずれの項目も良好ではなく、本発明品と比較して化粧油として十分ではなかった。
(成分) (%)
1.レモン圧搾物の果汁(注1) 1.0
2.テトラオレイン酸POEソルビット(EO=30)(注3) 5.0
3.1,3−ブチレングリコール 1.0
4.グリセリン 0.5
5.ジイソステアリン酸ポリグリセリル−2 2.0
6.フェノキシエタノール 0.1
7.コメヌカ油 1.0
8.デカメチルペンタシロキサン 5.0
9.テトラ2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリチル 6.0
10.流動パラフィン 10.0
11.トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル 10.0
12.2−エチルヘキサン酸セチル 残量
13.香料 適量
A:成分2〜13を均一に溶解する
B:Aに成分1を溶解し、容器に充填してクレンジングオイルを得た。
(成分) (%)
1.レモン圧搾物の果汁(注1) 0.2
2.1,3−ブチレングリコール 1.0
3.トリイソステアリン酸ジグリセリル 5.0
4.ホホバ油 残量
5.植物性スクワラン 10.0
6.エタノール 15.0
7.香料 0.1
8.L−メントール 0.02
9.グリチルレチン酸ステアリル 0.1
10.テトラオレイン酸POEソルビット(EO=30)(注3) 5
A:成分2〜10を均一に溶解する
B:Aに成分1を溶解し、容器に充填して皮脂除去用液状化粧油を得た。
(成分) (%)
1.トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル 残量
2.トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン 20.0
3.メドウフォーム油 20.0
4.マカデミアンナッツ油 20.0
5.植物性スクワラン 10.0
6.エタノール 5.0
7.香料 0.1
8.アスタキサンチン 0.01
9.テトラオレイン酸POEソルビット(EO=60) 5
10.レモン圧搾物の果汁(注1) 0.1
11.1,3−ブチレングリコール 1.5
A:成分1〜9、11を均一に溶解する
B:Aに成分10を溶解し、容器に充填して液状マッサージ料を得た。
(成分) (%)
1.トリイソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリ 10.0
2.2−エチルヘキサン酸セチル 30.0
3.トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル 残量
4.流動パラフィン 10.0
5.テトラオレイン酸POEソルビット(EO=30)(注3) 5
6.エタノール 5.0
7.レモン圧搾物の果汁(注1) 0.1
8.オレンジ圧搾物の果汁(注2) 0.1
9.1,3−ブチレングリコール 2.0
A:成分1〜6、9を均一に溶解する
B:Aに成分7、8を溶解し、容器に充填して液状油性クレンジング化粧料を得た。
Claims (6)
- 次の成分(a)〜(c);
(a)柑橘果実の圧搾物である果汁
(b)25℃にて液状の油
(c)HLB値が10〜15のポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル
を含有することを特徴とする透明油性化粧料。 - 前記成分(a)が、レモン、グレープフルーツ、ユズ、オレンジから選ばれる一種又は二種以上の果実の圧搾物である果汁であることを特徴とする請求項1記載の透明油性化粧料。
- さらに、成分(d)として多価アルコールを含有することを特徴とする請求項1又は2記載の透明油性化粧料。
- 前記成分(d)が、少なくとも1,3−ブチレングリコールを含むものであり、成分(d)中における1,3−ブチレングリコールの含有割合が、50質量%以上であることを特徴とする請求項3記載の透明油性化粧料。
- さらに成分(e)として、ジグリセリンと、炭素数8〜20の脂肪酸との、モノ、ジ又はトリエステルから選ばれる一種又は二種以上を含有することを特徴とする請求項1〜4のいずれかの項記載の透明油性化粧料。
- さらに成分(f)として、リン酸系界面活性剤を含有することを特徴とする請求項1〜5の何れかの項記載の透明油性化粧料。
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