JPWO2017213167A1 - グラファイトシート加工物、及びグラファイトシート加工物の製造方法 - Google Patents

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Abstract

高品質なグラファイトからなり、切断加工しても、切断面が滑らかなグラファイトシート加工物を実現することを目的として、本発明のグラファイトシート加工物は、厚さが10nm以上20μm以下であり、走査型電子顕微鏡(SEM)による断面観察により、水平方向に90%以上連続的もしくは不連続的なグラファイト層が確認され、グラファイトシート内部のグラファイトの平均結晶粒径が0.35μm以上25μm以下であり、切断面でのバリの大きさが線幅に対して15%以下であり、線幅が400μm未満である。

Description

本発明は、グラファイトシート加工物、及びグラファイトシート加工物の製造方法に関する。
グラファイトシートは電気伝導度が高く、耐熱性、熱伝導性に優れ、かつヤング率も非常に高いことから電極、配線、センサ、振動板、反射板、放熱材などへの応用に期待されている。
このグラファイトシートは、使用目的に応じて、カッター、トリミングカッター、レーザー、ウォーターカッターなどにより容易に形状を加工できることが要求される。しかしながら、グラファイトシートが薄膜である場合、カッターなどにより切断しようとすると切断面にてバリが出やすい。このため、グラファイトシートの精密な加工が非常に難しかった。このバリが発生すると抵抗値などが変わるため配線材料としての使用が難しく、センサなどでは特性が安定しないなど問題となる。バリが入るとそこから破断がおきやすいため、加工、使用時における不具合の原因となる。さらに加工やデバイスを作製プロセスなどでバリの端面部分からグラファイトの粉が落ちやすくなり、不良品を出す原因ともなりうる。このような背景から、配線、センサ、その他電子材料として使用できるような高品質のグラファイトからなり、かつカッター、トリミングカッター、レーザー、ウォーターカッターなどで容易に加工できるようなグラファイトシートが熱望されていた。
従来のグラファイトシートを加工する方法としてグラファイトシートに剥離フィルムを貼って打ち抜く方法がある(例えば特許文献1)。しかし、特許文献1に開示された技術では、グラファイトシートの厚さが薄くなると剥離フィルムをはがすことが非常に難しいため実用に供し得ない。
また、他の従来技術として、グラファイトシートに金属をめっきして加工する方法がある(例えば特許文献2)。しかし、特許文献2に開示された技術では、金属を使いたくない場合は、後に金属を除く工程が必要になる。
また、さらに他の従来技術として、膨張黒鉛を加工する方法(例えば特許文献3)もある。しかし、膨張黒鉛は厚さが薄くすると強度が弱くなるという問題がある。このため、特許文献3に開示された技術は、配線、センサ、振動板などのようにグラファイトシートの膜厚が非常に薄く、高品質のシートを加工する場合に問題があった。
また、引用文献4には、高いキャリア移動度特性を有し、銅配線を上回る耐電流密度特性を有するグラファイトシート、及び該グラファイトを部分的に除去することにより形成されたグラファイト配線材料が開示されている。しかし、特にグラファイトからなる微細配線が形成された配線基板では、配線端面に欠陥(凸凹)があると、大電流を流した場合、欠陥部分に負荷がかかり断線するおそれがあるという課題が残されている。
特開2014−31287号公報 特許第4490506号明細書 特許第5210842号明細書 国際公開第2015/045641号パンフレット
本発明の一態様は、前記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、配線、センサ、振動板、反射板その他電子材料として使用できるような高品質なグラファイトからなり、カッター、トリミングカッター、レーザー、ウォーターカッターなどにより切断加工しても、切断面が滑らかなグラファイトシート加工物、及びグラファイトシート加工物の製造方法を提供することにある。
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係るグラファイトシート加工物は、グラファイトシートからなり、厚さが10nm以上20μm以下であり、少なくとも一部に線状構造を有しており、前記線状構造において、線幅が400μm未満であり、切断面でのバリの大きさが線幅に対して15%以下であるグラファイトシート加工物であり、前記グラファイトシートは、走査型電子顕微鏡(SEM)による断面観察により、水平方向に90%以上連続的もしくは不連続的なグラファイト層が確認され、フィルム前記グラファイトシート内部のグラファイトの平均結晶粒径が0.35μm以上25μm以下であり、切断面でのバリの大きさが線幅に対して15%以下であり、前記線幅が400μm未満であることを特徴とするグラファイトシート加工物であることを特徴としている。
また、上記の課題を解決するために、本発明の他の態様に係るグラファイトシート加工物の製造方法は、上述のグラファイトシート加工物の製造方法であって、高分子フィルムを、不活性ガス雰囲気下にて、2400℃以上の温度で熱処理してグラファイトシートを得ることを特徴としている。
本発明のこれら態様によれば、配線、センサ、振動板、反射板その他電子材料として使用できるような高品質なグラファイトからなり、カッター、トリミングカッター、レーザー、ウォーターカッターなどにより切断加工しても、切断面が滑らかなグラファイトシート加工物を実現することができる。
上述のとおり、高いキャリア移動度特性を有し、銅配線を上回る耐電流密度特性を有するグラファイトシートを配線材料として使用する技術が開発されてきた。しかし、グラファイトシートを切断加工して配線材料を作成した場合であっても、例えば、基板上に線幅が極めて小さい(線幅1μm以上400μm以下)微細配線が形成された回路配線基板では、グラファイトの切断面に欠陥(凸凹)が存在すると、電流の大きさによっては欠陥部分に負荷がかかり断線する課題が残されていることを本願発明者らは独自に見出した。このような、切断加工する際のグラファイトの切断面に関わる課題は、本願発明が属する技術分野においてこれまで全く認識されなかった課題であり、新規な課題であるといえる。そこで、本願発明者らは、微細配線が形成された回路配線基板に適したグラファイトシート加工物を目指して鋭意開発した。
その結果、特定の特性を有し、かつ所定の寸法としたグラファイトシートを用いることによりことにより、配線、センサ、振動板、反射板その他電子材料(特に上記微細配線の材料)として使用できる程高品質であり、カッター、トリミングカッター、レーザー、ウォーターカッターなどにより切断加工しても、切断面が滑らかなグラファイトシート加工物を開発することに成功した。グラファイトシートの厚さ、グラファイトシート内部のグラファイト層の配向、グラファイトシート内部の平均結晶粒径、フィルム面に対し交差する切断面でのバリの大きさ、及び線幅を所定の数値とすることにより、上述した課題を解決し得るという新規知見を見出し、本願発明を完成させた。
本発明の一実施形態に係るグラファイトシート加工物は、カッター、トリミングカッター、レーザー、ウォーターカッターなどにより切断加工された加工物であり、次の(1)〜(5)を満たすものであれば、特に限定されない。(1)厚さが10nm以上20μm以下である。(2)走査型電子顕微鏡(SEM)による断面観察により、水平方向に90%以上連続的もしくは不連続的なグラファイト層が確認される(グラファイトシート内部のグラファイト層の配向)。(3)グラファイトシート内部のグラファイトの平均結晶粒径が0.35μm以上25μm以下である。(4)切断面でのバリの大きさが線幅に対して15%以下である。(5)線幅が400μm未満である。
まず、本発明の一実施形態に係るグラファイトシートの厚さは、10nm以上20μm以下である(上記(1))。これらの膜厚はセンサ、配線、振動板、反射板等の用途に好適に用いられる。この膜厚は、使用する用途に応じ調整してもよい。この膜厚領域でバリが発生しにくくなる理由としては以下のように考えられる。
すなわち、高分子焼成法によるグラファイトシート製造において、グラファイト化反応は、次のように進むと考えられる。まず、高分子炭素化シートの最表面層にてグラファイト構造が形成され、次いで、シート内部へ向かってグラファイト構造が成長すると考えられている。それゆえ、グラファイトシートの膜厚が厚くなると、グラファイト化反応途中で炭化シート内部のグラファイト層構造が乱れ、空洞や欠損ができやすくなる。反対にグラファイトシートの膜厚が薄くなれば、シート表面のグラファイト層構造が整った状態を維持して内部までグラファイト反応が進行し、その結果シート全体に整ったグラファイト構造ができやすい。グラファイトシートを切断したとき、グラファイト層構造が整わず乱れた部分が存在すると、該乱れた部分を基点としてバリが発生しやすくなり、切断端面からグラファイトの粉が落ちる原因ともなりうる。このような理由から、グラファイトシートの膜厚は、10nm以上20μm以下であり、30nm以上15μm以下であることが好ましく、50nm以上9.6μm以下であることがさらに好ましい。
本発明の一実施形態に係るグラファイトシート加工物のグラファイトシート内部のグラファイト層の配向は、走査型電子顕微鏡(SEM)による断面観察により、特定することができる。すなわち、本発明の一実施形態に係るグラファイトシート加工物は、走査型電子顕微鏡(SEM)による断面観察により、水平方向に90%以上連続的もしくは不連続的なグラファイト層が確認される(上記(2))。走査型電子顕微鏡(SEM)による断面観察にて、グラファイト層に縦または斜めに配向した部分が存在する場合、その部分が基点となって裂けやすく、バリの発生する原因となりやすい。このような観点から、グラファイト層は、走査型電子顕微鏡(SEM)による断面観察により、水平方向に90%以上連続もしくは不連続なグラファイトの層が確認できる配向性を有することが好ましく、さらに、水平方向に95%以上連続もしくは不連続なグラファイトの層が確認できる配向性を有することが最も好ましい。
本発明の一実施形態に係るグラファイトシート加工物のグラファイトシート内部のグラファイトの平均結晶粒径は、0.35μm以上25μm以下である(上記(3))。グラファイトシートは、外部から切断しようする力が加わると、脆性破壊という現象を起こしながら切断される。これはグラファイトの結晶粒界に微小な亀裂が生じ、それが結晶粒界を伝播することによるものである。ここで、切断した際にグラファイトシート内部のグラファイトの結晶粒径に大きな差があるとバリが発生しやすくなる。結晶粒径が大きくなりすぎると切断の際に大きなバリが発生する原因になる。また、結晶粒径が小さくなりすぎるとバリは発生しにくくなるが、切断端面からグラファイトの細かい粉が落ちやすくなる原因にもなりうる。そのため、グラファイトシート内部のグラファイトの平均結晶粒径がある一定の範囲内であることが好ましい。このような観点から、グラファイトシート内部のグラファイトの平均結晶粒径は0.35μm以上25μm以下であることが好ましく、0.35μm以上20μm以下であることがより好ましく、0.4μm以上15μm以下であることが最も好ましい。
本発明の一実施形態で用いられるグラファイトシート内部のグラファイトの平均結晶粒径を測定する方法は、チャネリングコントラスト法、Electron Back Scatter Diffraction Patterns (EBSD) 法などにより得られた結晶解析画像を元に、線分法、または測定装置に付属のソフトウエアを利用した算出法などを適宜組み合わせた方法が挙げられる。
本発明の一実施形態に係るグラファイトシート加工物は、グラファイトシート面に対し交差する切断面でのバリの大きさが線幅に対して15%以下である(上記(4))。切断面でのバリは、グラファイトシート加工物を配線等の精密な部品に適用した場合、非常に問題となりうる。大電流を流した場合、バリの入った部分のグラファイトの抵抗が高くなるため、その部分が集中的にジュール加熱されて昇華が進み、グラファイトが破断しやすくなる。また、センサなどに使用する場合、所定の大きさに切断できなければ測定値に誤差が生じやすい。そのため、バリは小さいほど好ましい。なお、本発明の一実施形態ではバリを1mm以上の不規則な端面の凹凸と定義する。以上の観点から、本発明の一実施形態に係るグラファイトシート加工物の切断面でのバリの大きさは、グラファイトシート加工物の線幅に対して15%以下であり、12%以下であることが好ましく、10%以下であることがより好ましく、5%以下であることが特に好ましい。また、切断面でのバリの大きさは、上限について、50μm未満であり、40μm以下であることがより好ましく、30μm以下であることがさらに好ましく、10μm以下であることが特に好ましい。また、バリの大きさの下限については、1μm以上であることが好ましく、5μm以上であることが好ましい。
また、本発明の一実施形態に係るグラファイトシート加工物は、少なくとも一部に線状構造を含み、その線状構造の線幅が400μm未満である(上記(5))。すなわち、線幅400μm未満の微細配線が形成された回路配線基板に関わる上記課題は、本発明の一実施形態に係るグラファイトシート加工物の上記(1)〜(4)により解決される。本発明の一実施形態に係るグラファイトシート加工物の線幅は、回路配線基板に流す電流の大きさ等にもよるが、上限については、好ましくは300μm未満であり、より好ましくは200μm未満であり、さらに好ましくは100μm未満であり、特に好ましくは50μm未満である。また、線幅の下限については、好ましくは10μm以上であり、より好ましくは20μm以上である。
なお、グラファイトシート加工物の切断面でのバリの大きさは、グラファイトシートの種類(物性)および切断加工の方法に依存し、グラファイトシート加工物の線幅とは無関係である。それゆえ、グラファイトシート加工物の線幅が同じ場合であっても、例えばカッターによる切断によって生じたバリとレーザー加工による切断によって生じたバリとでは、バリの大きさが異なる場合がある。また、線幅が互いに異なった2つのグラファイトシート加工物(例えば、線幅400μmのグラファイトシート加工物vs線幅2000μm(2mm)のグラファイトシート加工物)であっても、グラファイトシートおよび切断加工の方法が同じであれば、切断面のバリは、2つのグラファイトシート加工物間で大きく異なることはなく、略同じである。
また、本実施形態に係るグラファイトシート加工物では、線幅が300μm以上400μm未満である場合、バリの大きさは10μm以上50μm未満であることが好ましい。また、線幅が100μm以上300μm未満である場合、バリの大きさは5μm以上30μm未満であることが好ましい。また、線幅が10μm以上100μm未満である場合、バリの大きさは1μm以上10μm未満であることが好ましい。
また、本実施形態は、以下の特徴を有するグラファイトシート加工物をも包含する。
厚さが10nm以上20μm以下であり、走査型電子顕微鏡(SEM)による断面観察により、水平方向に90%以上連続的もしくは不連続的なグラファイト層が確認され、グラファイトシート内部のグラファイトの平均結晶粒径が0.35μm以上25μm以下であり、切断面でのバリの大きさが50μm未満であり、線幅が400μm未満であるグラファイトシート加工物(1)。グラファイトシート加工物(1)では、切断面でのバリの大きさは、上限について、50μm未満であり、40μm以下であることがより好ましく、30μm以下であることがさらに好ましく、10μm以下であることが特に好ましい。また、バリの大きさの下限については、1μm以上であることが好ましく、5μm以上であることが好ましい。また、グラファイトシート加工物(1)では、前記線幅は、上限については、好ましくは300μm未満であり、より好ましくは200μm未満であり、さらに好ましくは100μm未満であり、特に好ましくは50μm未満である。また、線幅の下限については、好ましくは10μm以上であり、より好ましくは20μm以上である。また、切断面でのバリの大きさは、線幅に対して15%以下であり、12%以下であることが好ましく、10%以下であることがより好ましく、5%以下であることが特に好ましい。
厚さが10nm以上20μm以下であり、走査型電子顕微鏡(SEM)による断面観察により、水平方向に90%以上連続的もしくは不連続的なグラファイト層が確認され、グラファイトシート内部のグラファイトの平均結晶粒径が0.35μm以上25μm以下であり、線幅が300μm以上400μm未満である場合、切断面でのバリの大きさは10μm以上50μm未満であり、線幅が100μm以上300μm未満である場合、切断面でのバリの大きさは5μm以上30μm未満であり、線幅が10μm以上100μm未満である場合、切断面でのバリの大きさは1μm以上10μm未満であるグラファイトシート加工物(2)。
厚さが10nm以上20μm以下であり、走査型電子顕微鏡(SEM)による断面観察により、水平方向に90%以上連続的もしくは不連続的なグラファイト層が確認され、グラファイトシート内部のグラファイトの平均結晶粒径が0.35μm以上25μm以下であり、線幅が300μm以上400μm未満である場合、切断面でのバリの大きさが線幅に対して2.5%を超え16.7%以下であり、線幅が100μm以上300μm未満である場合、切断面でのバリの大きさが線幅に対して1.66%を超え30%以下であり、線幅が10μm以上100μm未満である場合、切断面でのバリの大きさが線幅に対して1%を超えるグラファイトシート加工物(3)。
本発明の一実施形態で用いられるグラファイトシートの密度は、1.80g/cm以上2.26g/cm以下であることが好ましい。グラファイトシート内部に欠損や空洞が入り密度が低下すると、切断した際にその欠損や空洞を基点としてバリが出やすくなる。このような観点から、グラファイトの密度は1.80g/cm以上、さらには1.85g/cm以上であることが好ましく、1.99/cm以上であることは最も好ましい。
本発明の一実施形態で用いられるグラファイトシートの熱伝導率は、700W/mK以上であることが好ましい。近年の電子機器の省スペース化、高性能化に伴い、集積回路から発生する熱を筐体全体に広げる材料が必要とされていることから、銅(400W/mK)と同等以上の熱伝導率が求められる。このような観点から、本発明の一実施形態に係るグラファイトシート加工物は、熱伝導性が高いほど好ましく、好ましくは750W/mK以上、より好ましくは800W/mK以上、最も好ましくは1000W/mK以上である。
本発明の一実施形態で用いられるグラファイトシートの電気伝導度は、5000S/cm以上であることが好ましい。グラファイトシート加工物を配線材料として用いる場合、電気伝導度は、高ければ高いほど好ましい。このような観点から、グラファイトシート加工物の電気伝導度は、好ましくは5000S/cm以上、さらに好ましくは6000S/cm以上、最も好ましくは7000S/cm以上であり、8000S/cm以上であっても問題ない。
本発明の一実施形態に係るグラファイトシート加工物は、高熱伝導性膜であり、炭素純度も高く、化学的に安定であり、耐熱性も非常に高く、高真空、高温下においてもアウトガスの心配もない。しかも、大面積の膜として得る事が可能であり、機械的な強度も優れているという特徴がある。
<高分子原料>
本発明の一実施形態に係るグラファイトシートの作製に好ましく用いられる高分子原料は、芳香族高分子である。この芳香族高分子としては、ポリアミド、ポリイミド、ポリキノキサリン、ポリパラフェニレンビニレン、ポリオキサジアゾール、ポリベンズイミダゾール、ポリベンズオキサゾール、ポリベンズチアゾール、ポリキナゾリンジオン、ポリベンゾオキサジノン、ポリキナゾロン、ベンズイミダゾベンゾフェナントロリンラダーポリマー、およびこれらの誘導体から選択される少なくとも一種であることが好ましい。これらの高分子原料からなるフィルムは公知の製造方法で製造すればよい。特に好ましい高分子原料として芳香族ポリイミド、ポリパラフェニレンビニレン、ポリパラフェニレンオキサジアゾールを例示する事ができる。特に、芳香族ポリイミドが好ましく、中でも以下に記載する酸二無水物(特に芳香族酸二無水物)とジアミン(特に芳香族ジアミン)とからポリアミド酸を経て作製される芳香族ポリイミドは、本発明の一実施形態で用いるグラファイトシート作製のための高分子原料として特に好ましい。
前記芳香族ポリイミドの合成に用いられ得る酸二無水物としては、ピロメリット酸無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、3,4,9,10−ペリレンテトラカルボン酸二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、1,1−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、1,1−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、オキシジフタル酸二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホン二無水物、p−フェニレンビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)、エチレンビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)、ビスフェノールAビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)、およびそれらの類似物を含み、それらを単独または任意の割合の混合物で用いることができる。非常に剛直な高分子構造を持つほどポリイミドフィルムの配向性が高くなること、さらには入手性の観点から、ピロメリット酸無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物が特に好ましい。
前記芳香族ポリイミドの合成に用いられ得るジアミンとしては、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、p−フェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルプロパン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、ベンジジン、3,3’−ジクロロベンジジン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、1,5−ジアミノナフタレン、4,4’−ジアミノジフェニルジエチルシラン、4,4’−ジアミノジフェニルシラン、4,4’−ジアミノジフェニルエチルホスフィンオキシド、4,4’−ジアミノジフェニルN−メチルアミン、4,4’−ジアミノジフェニルN−フェニルアミン、1,4−ジアミノベンゼン(p−フェニレンジアミン)、1,3−ジアミノベンゼン、1,2−ジアミノベンゼンおよびそれらの類似物を含み、それらを単独でまたは任意の割合の混合物で用いることができる。さらにポリイミドフィルムの配向性を高くすること、入手性の観点から、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、p−フェニレンジアミンを原料に用いて合成されることが特に好ましい。
前記酸二無水物及びジアミンからポリアミド酸の調製方法は、公知の方法を用いることができ、芳香族酸二無水物の少なくとも1種とジアミンの少なくとも1種を有機溶媒中に溶解させ、得られたポリアミド酸有機溶媒溶液を、制御された温度条件下で、上記酸二無水物とジアミンとの重合が完了するまで撹拌することによって製造される。これらのポリアミド酸溶液は通常5〜35wt%、好ましくは10〜30wt%の濃度で得られる。この範囲の濃度である場合に適当な分子量と溶液粘度を得る事が出来る。前記原料溶液中の酸二無水物とは実質的に等モル量にすることが好ましく、モル比は、例えば、1.5:1〜1:1.5、好ましくは1.2:1〜1:1.2、より好ましくは1.1:1〜1:1.1である。
<高分子原料の合成、製膜>
前記高分子原料からなるフィルムは、前記高分子原料又はその合成原料から公知の手法によって製造できる。例えば、前記ポリイミドの製造方法としては、前駆体であるポリアミド酸を加熱でイミド転化する熱キュア法、ポリアミド酸に無水酢酸等の酸無水物に代表される脱水剤や、ピコリン、キノリン、イソキノリン、ピリジン等の第3級アミン類をイミド化促進剤として用い、イミド転化するケミカルキュア法があるが、そのいずれを用いても良い。得られるフィルムの線膨張係数が小さく、弾性率が高く、複屈折率が大きくなりやすく、フィルムの焼成中に張力をかけたとしても破損することなく、品質の良い炭素膜を得ることができるという点からケミカルキュア法が好ましく、グラファイトシートの熱伝導率の向上の面でも優れている。前記ポリイミドフィルムは、上記ポリイミド前駆体であるポリアミド酸の有機溶剤溶液をエンドレスベルト、ステンレスドラムなどの支持体上に流延し、乾燥・イミド化させることにより製造される。具体的には、ケミカルキュア法によるフィルムの製造法は以下のようになる。ポリアミド酸溶液に化学量論以上の脱水剤と触媒量のイミド化促進剤を加え支持板やPET等の有機フィルム、ドラム又はエンドレスベルト等の支持体上に流延又は塗布して膜状とし、有機溶媒を蒸発させることにより自己支持性を有する膜を得る。これを更に加熱して乾燥させつつイミド化させてポリイミドフィルムを得る。加熱の際の温度は、150℃から550℃の範囲の温度が好ましい。さらに、ポリイミドの製造工程中に、収縮を防止するためにフィルムを固定したり、延伸したりする工程を含む事が好ましい。これは、分子構造およびその高次構造が制御されたフィルムを用いる事で炭素膜への転化がより容易に進行する、と言う事によるものである。すなわち、グラファイト化反応をスムーズに進行させるためにはグラファイト前駆体中の炭素分子が再配列する必要があるが、配向性にすぐれたポリイミドではその再配列が最小で済むために、低温でもグラファイトへの転化が進み易いと推測される。
本発明の一実施形態で用いられるグラファイトシートは、厚さが10nm以上20μm以下の範囲である。この範囲の厚さのグラファイトシートを得るためには、芳香族ポリイミドの場合、原料となる高分子フィルムの厚さは20nmから50μmの範囲である事が好ましい。これは、最終的に得られる炭素膜の厚さは、一般に出発高分子フィルムの厚みによっているためであり、炭素化、グラファイト化の過程で得られるグラファイトシートの厚さが、原料となる高分子フィルムの厚さの約1/2になるためである。
次に、本発明の一実施形態に係るグラファイトシートの製造方法について説明する。本発明の一実施形態で用いるグラファイトシートは、所定の高分子原料を用い、不活性ガス雰囲気下、2400℃以上で熱処理して製造できる。
<炭素化・グラファイト化>
本発明の一実施形態では、出発物質である高分子フィルムを、不活性ガス中、あるいは真空中にて予備加熱し、炭素化を行う。不活性ガスは、窒素、アルゴンあるいはアルゴンと窒素との混合ガスが好ましく用いられる。予備加熱は、通常1000℃程度で行う。予備加熱温度までの昇温速度は特に限定されないが、例えば5〜15℃/分である。予備加熱の段階では出発物質である高分子フィルムの配向性が失われない様に、フィルムの破壊が起きない程度の膜面に垂直方向の圧力を加える事が有効である。
上記の方法で炭素化されたフィルムを高温炉内にセットし、グラファイト化を行なう。炭素化フィルムのセットは、冷間静水圧プレス材(CIP材)やグラッシーカーボン製の基板に挟んで行う事が好ましい。グラファイト化を2400℃以上で行うことによって、得られるグラファイトシートの膜面方向の熱伝導率を500W/mK以上にすることができる。
ここで、グラファイトの平均結晶粒径を制御するため、2400℃での保持時間を好ましくは3時間以上、より好ましくは4時間以上、最も好ましくは5時間以上とすることが好ましい。この温度領域からグラファイト化が徐々に進行すると共にフィルムが伸張するため、グラファイト化初期段階で焼成時間を長くすることが平均結晶粒径を制御しつつ、グラファイトシート内部も同等にグラファイト化が進行するという観点からも好ましい。保持時間が長すぎるとグラファイトシートの作製時間が長くなるため、保持時間は、好ましくは8時間以内、さらに好ましくは7時間以内とする。
グラファイト化における最高温度としては、好ましくは2400℃以上、さらに好ましくは2600℃以上、より好ましくは2800℃以上、最も好ましくは2900℃以上である。得られたグラファイトシートをアニーリングの形で再熱処理しても良い。この様な高温を作り出すには、通常、グラファイトヒーターに直接電流を流し、そのジュール熱を利用して加熱を行なう。グラファイト化は不活性ガス中で行なうが、不活性ガスとしてはアルゴンが最も適当であり、アルゴンに少量のヘリウムを加えても良い。処理温度は高ければ高いほど良質のグラファイトに転化出来、例えば3700℃以下、特に、3600℃以下または3500℃以下であっても、優れたグラファイトシートが得られる。
前記予備加熱温度から当該熱処理最高温度までの昇温速度は、例えば1〜25℃/分とできる。当該熱処理最高温度での保持時間は、例えば、10分以上、好ましくは30分以上であり、1時間以上であってもよい。保持時間の上限は特に限定されないが、通常、10時間、特に5時間程度としてもよい。温度3000℃以上で熱処理してグラファイト化する場合、高温炉内の雰囲気は前記不活性ガスによって加圧されているのが好ましい。熱処理温度が高いと膜表面から炭素の昇華が始まり、グラファイトシート表面の穴、われの拡大と薄膜化などの劣化現象が生じるが、加圧することによってこの様な劣化現象を防止でき、優れたグラファイトシートを得ることができる。不活性ガスによる高温炉の雰囲気圧力(ゲージ圧)は、例えば、0.05MPa以上、好ましくは0.10MPa以上、さらに好ましくは0.14MPa以上である。この雰囲気圧力の上限は特に限定されないが、例えば、2MPa、特に1.8MPa程度であってもよい。熱処理後は、例えば30〜50℃/分の速度で降湿すれば良い。
<グラファイト加工方法>
本発明の一実施形態にかかるグラファイトシート加工物は、グラファイトシートをフィルム面に対し交差する方向に切断加工することにより製造される。グラファイトシートの切断加工は、特に限定はされないが、はさみ、カッター、トリミングカッター、ウォータージェットカッター、レーザーカッター、超音波カッター、ウォータージェット及びレーザーの複合カッターなどを適宜単独もしくは組み合わせて行ってもよい。また、グラファイトシートも適宜単層、あるいは積層させて切断加工してもよい。
〔まとめ〕
以上のように、本発明の一実施形態に係るグラファイトシート加工物は、グラファイトシートからなり、厚さが10nm以上20μm以下であり、少なくとも一部に線状構造を有しており、前記線状構造において、線幅が400μm未満であり、切断面でのバリの大きさが線幅に対して15%以下であるグラファイトシート加工物であり、前記グラファイトシートは、走査型電子顕微鏡(SEM)による断面観察により、水平方向に90%以上連続的もしくは不連続的なグラファイト層が確認され、前記グラファイトシート内部のグラファイトの平均結晶粒径が0.35μm以上25μm以下であることを特徴とするグラファイトシート加工物であることを特徴とする。
また、本発明の一実施形態に係るグラファイトシート加工物では、前記切断面でのバリの大きさが50μm未満であることが好ましい。
また、本発明の一実施形態に係るグラファイトシート加工物では、前記厚さは、30nm以上15μm以下であることが好ましい。
また、本発明の一実施形態に係るグラファイトシート加工物では、前記厚さは、50nm以上9.6μm以下であることが好ましい。
また、本発明の一実施形態に係るグラファイトシート加工物では、走査型電子顕微鏡(SEM)による断面観察により、水平方向に95%以上連続的もしくは不連続的なグラファイト層が確認されることが好ましい。
また、本発明の一実施形態に係るグラファイトシート加工物では、前記平均結晶粒径は、0.35μm以上20μm以下であることが好ましい。
また、本発明の一実施形態に係るグラファイトシート加工物では、前記平均結晶粒径は、0.4μm以上15μm以下であることが好ましい。
また、本発明の一実施形態に係るグラファイトシート加工物では、前記切断面でのバリの大きさは、40μm未満であることが好ましい。
また、本発明の一実施形態に係るグラファイトシート加工物では、前記切断面でのバリの大きさは、30μm未満であることが好ましい。
また、本発明の一実施形態に係るグラファイトシート加工物では、グラファイトシートの密度は、1.80g/cm以上2.26g/cm以下であることが好ましい。
また、本発明の一実施形態に係るグラファイトシート加工物では、グラファイトシートの熱伝導率は、700W/mK以上であることが好ましい。
また、本発明の一実施形態に係るグラファイトシート加工物では、グラファイトシートの電気伝導度は、5000S/cm以上であることが好ましい。
また、本発明の一実施形態に係るグラファイトシート加工物の製造方法は、上述のグラファイトシート加工物の製造方法であって、高分子フィルムを、不活性ガス雰囲気下にて、2400℃以上の温度で熱処理してグラファイトシートを得ることを特徴としている。
また、本発明の一実施形態に係るグラファイトシート加工物の製造方法では、前記高分子フィルムを、不活性ガス雰囲気下にて、2400℃以上の温度で3時間以上保持することが好ましい。
また、本発明の一実施形態に係るグラファイトシート加工物の製造方法では、前記高分子フィルムを、不活性ガス雰囲気下にて、2900℃以上の温度で3時間以上保持することが好ましい。
また、本発明の一実施形態に係るグラファイトシート加工物の製造方法では、前記高分子フィルムを構成する高分子は、ポリアミド、ポリイミド、ポリキノキサリン、ポリパラフェニレン、ポリオキサジアゾール、ポリベンズイミダゾール、ポリベンズオキサゾール、ポリベンズチアゾール、ポリキナゾリンジオン、ポリベンゾオキサジノン、ポリキナゾロン、ベンズイミダゾベンゾフェナントロリンラダーポリマーおよびこれらの誘導体から選択される少なくとも一種であることが好ましい。
また、本発明の一実施形態に係るグラファイトシート加工物の製造方法では、前記高分子フィルムを構成する高分子は、芳香族ポリイミドであることが好ましい。
また、本発明の一実施形態に係るグラファイトシート加工物の製造方法では、前記高分子フィルムを構成する高分子は、ピロメリット酸無水物、及び3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物のいずれか、または両方を原料として得られる芳香族ポリイミドであることが好ましい。
また、本発明の一実施形態に係るグラファイトシート加工物の製造方法では、前記高分子フィルムを構成する高分子は、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、及びp−フェニレンジアミンのいずれか、または両方を原料として得られる芳香族ポリイミドであることが好ましい。
また、本発明の一実施形態に係るグラファイトシート加工物の製造方法では、前記グラファイトシートを、はさみ、カッター、トリミングカッター、ウォータージェットカッター、レーザーカッター、超音波カッター、並びにウォータージェット及びレーザーの複合カッターの少なくとも1種を用いて切断加工することが好ましい。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
以下実施例を示し、本発明の実施形態についてさらに詳しく説明する。もちろん、本発明はこれら実施例によって限定されるものではなく、細部については様々な態様が可能であることはいうまでもない。
(物性測定方法)
<膜厚>
原料であるポリイミドフィルム、並びにグラファイトシートの厚さは、測定精度の問題、およびフィルム(シート)の測定場所によって±5%程度の誤差があった。そのため、得られたシートの10点平均の厚さを本実施例における試料の厚さとした。
〈グラファイトシートのSEM断面観察〉
作製したグラファイトシートを5mm角程度に切断し、断面観察用の台座にカーボンテープで固定した後、走査型電子顕微鏡(SEM)((株)日立ハイテクノロジーサービス製「SU8000」)を用いて測定した。切断面を30000倍まで拡大し、切断面を撮影した。そのSEM断面写真を元に膜断面全体の面積を算出した後、グラファイト層が10度以上ずれている部分の面積を水平でない部分の面積として算出した。得られた結果を以下の式に代入して、グラファイト層の水平度合いを算出した。
(膜断面全体の面積−水平でない部分の面積)/膜断面全体の面積×100=グラファイト層の水平度合い
<グラファイトの平均結晶粒径の算出>
グラファイトの平均結晶粒径は、チャネリングコントラスト法により得られた結晶解析画像を元に測定された。
作製したグラファイトシート(多層グラフェン)を導電性の両面テープを用いて、SEM測定用冶具に固定し、SEM(日立ハイテクノロジー社製、4700)を使用して測定した。測定サンプル表面の結晶状態が観測しにくい場合はセロハンテープでグラファイトシート表面を剥離した後測定した。なお、測定設定は以下のような条件で実施した。プローブ電流:High、焦点モード:ノーマル、WD:8.0mm、コンデンサーレンズ1:3.0(チェック)、コンデンサーレンズ2(チェック)、焦点深度 1.0、ステージ傾斜5〜7.5°、加速電圧:3.0〜5.0kV、エミッション:20μA、検出器、SE検出器。
また、結晶粒径は、SEM画像を元に線分法を用いた算出法により測定した。具体的には、SEM画像から、結晶粒径の写真を赤ペンにより粒界をはっきりさせた後、20本線を引き、その線と結晶粒界の交わる交点を数え、実寸の写真の寸法を交点の数で割ることにより算出した。
<バリの測定>
切断したグラファイトシートの切断面を光学顕微鏡により観察、写真撮影した。そして、切断面を基準として凹凸が一番大きな部分の大きさを定規により測定し算出した。より具体的には、写真撮影された顕微鏡画像の基準となる寸法の表示バーから、バリの大きさを算出した。
<密度>
作製したグラファイトシートの密度は、ヘリウムガス置換式密度計(島津製作所(株)製「AccuPycII1340」)によりグラファイトシートの体積を測定し、質量を別途測定し、密度(g/cm)=質量(g)/体積(cm)の式から算出した。なお、この方法により測定可能なグラファイトシートは500nm以上の厚さの試料であり、厚さ500nm未満のグラファイトシートの密度測定は、この測定手法では誤差が大きすぎて不可能であった。
<熱伝導率測定>
グラファイトシートの熱拡散率は、周期加熱法による熱拡散率測定装置(アルバック理工(株)製「LaserPit」)を用いて、20℃、真空下(10−2Pa程度)、10Hzの周波数を用いて測定した。これはレーザー加熱の点から一定距離だけ離れた点に熱電対を取り付け、その温度変化を測定する方法である。ここで熱伝導率(W/mK)は、熱拡散率(m/s)と密度(kg/m)と比熱(798kJ/(kg・K))とを掛け合わせることによって算出した。この装置ではグラファイトシートの厚さが1μm以上の場合は熱拡散率の測定が可能であった。しかし、グラファイトシートの厚さが1μm以下の場合では熱電対の設置が難しく、設置する際の導電性接着剤の影響により測定誤差が大きくなり、正確な測定は不可能であった。
そこで、第二の熱拡散率測定方法として、周期加熱放射測温法((株)BETHEL製「サーモアナライザーTA3」)を用いて測定を行った。これは周期加熱をレーザーにより行い、温度測定を放射温度計により行う装置である。測定時にグラファイトシートに熱電対をつける必要がなく、グラファイトシートの厚さが1μm以下である場合でも正確な測定が可能である。両装置の測定値の信頼性を確認するために、幾つかの試料については両方の装置で測定を行い、その数値が一致する事を確認した。
<電気伝導度測定>
グラファイトシートの電気伝導度の測定はファン・デル・ボー法によって行った。この方法は薄膜状の試料の電気伝導度を測定するのに最も適した方法である。この手法の特徴は、任意の形状の薄膜状の試料端部の任意の4点に電極をとり測定を行うことが出来る事であり、試料の厚さが均一であれば正確な測定が行える点である。本実施例においては、5mm角に切断したグラファイトシートを用い、それぞれの4つの角(稜)に銀ペースト電極を取り付けて行った。測定は(株)東洋テクニカ製、「比抵抗/DC&ACホール測定システム、ResiTest8300」を用いて行った。
(製造例1)
ピロメリット酸無水物と4,4’−ジアミノジフェニルエーテルとをモル比で1/1の割合で合成したポリアミド酸の18質量%のDMF溶液100gに無水酢酸20gとイソキノリン10gからなる硬化剤を0℃にて混合、攪拌し、遠心分離による脱泡の後、アルミ箔上に流延塗布し、さらに厚みゲージを用いて厚さ調整を行い、フィルムを調製した。その後、このフィルムを100℃、250℃、300℃、400℃と順次加熱し、50μmから1μmの範囲の厚さの異なるポリイミドフィルム(高分子試料A)を調製した。1μm〜20nmの範囲の均一な厚さの高分子フィルムはこの様な方法では作製が困難であるため、スピンコーターを用いて、アミド酸溶液の濃度、回転数を変えることで厚さの異なる何種類かのフィルムを作製した。
(製造例2)
ピロメリット酸無水物とp−フェニレンジアミンとを原料として用いて高分子試料Bを調製したこと以外は、前記製造例1と同様にしてポリイミドフィルムを作製した。また、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物とp−フェニレンジアミンとを原料として用いて高分子試料Cを調製したこと以外は、製造例1と同様にしてポリイミドフィルムを作製した。
(実施例1〜8)
製造例1にて作製した厚さが異なる8種類のポリイミドフィルム(高分子試料A、厚み25.0μm、10.0μm、7.5μm、2.5μm、1.4μm、0.8μm、0.3μm、0.2μmの8種、面積10×10cm)を、電気炉を用いて窒素ガス中にて、10℃/分の速度で1000℃まで昇温し、1000℃で1時間保って予備処理した。得られた炭素化シートを円筒状のグラファイトヒーターの内部にセットし、20℃/分の昇温速度で2400℃まで上げ、3時間保持した。その後20℃/分の昇温速度で3000℃のまで昇温した。この温度で30分間保持し、その後40℃/分の速度で降温し、グラファイトシートを作製した。処理はアルゴン雰囲気で0.10MPa(1.0kg/cm)の加圧下で行った。得られたグラファイトシートの厚さ、グラファイトシートのSEM断面写真から得られた黒鉛水平度合い、平均結晶粒径、密度、熱伝導率、電気伝導率、切断可否、端面バリ、グラファイトシート加工物の線幅、及びグラファイトシート加工物の線幅に対するバリの大きさを表1にまとめた。
(実施例1A)
実施例1にて得られたグラファイトシートを2×20mmの大きさで切断した。そして、切断したグラファイトシートを、厚み0.5mm、φ20mm(中央にφ2mmの穴)のアルミナ基板における中央の穴上に載せて、銀ペースト(藤倉化成(株)社製、ドータイトD−550)で固定した。YVO4レーザーマーカー(KEYENCE社製 MD−V9900、波長1064nm)を用いて、線幅200μm、長さ1000μmに加工することによりグラファイトシート加工物を作製した。グラファイトシートの切断可否、端面バリ、グラファイトシート加工物の線幅、及びグラファイトシート加工物の線幅に対するバリの大きさを表1にまとめた。
(実施例2A、3A、及び5A)
各実施例について、実施例2、3、5にて得られたグラファイトシートを使用したこと以外、実施例1Aと同様の方法で、グラファイトシート加工物を作製した。グラファイトシートの切断可否、端面バリ、グラファイトシート加工物の線幅、及びグラファイトシート加工物の線幅に対するバリの大きさを表1にまとめた。
(実施例3B)
実施例3にて得られたグラファイトシートを2×20mmの大きさで切断した。そして、切断したグラファイトシートを、厚み0.5mm、φ20mm(穴2mm)のアルミナ基板上における中央の穴上に載せて、銀ペースト(藤倉化成(株)社製、ドータイトD−550)で固定した。そして、このグラファイトシートをUV−YAGレーザー加工機(ESI社製、モデルGemstone)で波長343nm、線幅30μm、長さ150μmに加工することによりグラファイトシート加工物を作製した。グラファイトシートの切断可否、端面バリ、グラファイトシート加工物の線幅、及びグラファイトシート加工物の線幅に対するバリの大きさを表1にまとめた。
(実施例5B)
実施例5にて得られたグラファイトシートを使用したこと以外、実施例3Bと同様の方法で、グラファイトシート加工物を作製した。グラファイトシートの切断可否、端面バリ、グラファイトシート加工物の線幅、及びグラファイトシート加工物の線幅に対するバリの大きさを表1にまとめた。
(実施例9〜11)
製造例1にて作製した厚さ2.5μmのポリイミドフィルムについて、最高処理温度を2800℃、2600℃、2400℃としたこと以外は、実施例1〜8と同様の処理をしてグラファイトシートを作製した。得られたグラファイトシートの厚さ、グラファイトシートのSEM断面写真から得られた黒鉛水平度合い、平均結晶粒径、密度、熱伝導率、電気伝導率、切断可否、端面バリ、グラファイトシート加工物の線幅、及びグラファイトシート加工物の線幅に対するバリの大きさを表1にまとめた。
(実施例12、及び13)
厚さの異なる8種類のポリイミド(高分子試料A)を高分子試料B(厚さ9.0μm)、及び高分子試料C(厚さ8.0μm)としたこと以外は、実施例1〜8と同様の条件でグラファイトシートを作製した。得られたグラファイトシートの厚さ、グラファイトシートのSEM断面写真から得られた黒鉛水平度合い、平均結晶粒径、密度、熱伝導率、電気伝導率、切断可否、端面バリ、グラファイトシート加工物の線幅、及びグラファイトシート加工物の線幅に対するバリの大きさを表1にまとめた。
(比較例1)
製造例1にて作製した厚さ2.5μmのポリイミドフィルム(高分子試料A、面積10×10cm)を、電気炉を用いて窒素ガス中にて、10℃/分の速度で1000℃まで昇温し、1000℃で1時間保って予備処理した。次に得られた炭素化シートを円筒状のグラファイトヒーターの内部にセットし、20℃/分の昇温速度で2200℃まで上げ、そこで3時間保持した。処理はアルゴン雰囲気で0.10MPa(1.0kg/cm)の加圧下で行った。その後加熱を停止し、室温まで冷却した後、厚さの異なるフィルムを作製した。比較例1にて得られたグラファイトシートの厚さ、グラファイトシートのEM断面写真から得られた黒鉛水平度合い、平均結晶粒径、密度、熱伝導率、電気伝導率、切断可否、端面バリ、グラファイトシート加工物の線幅、及びグラファイトシート加工物の線幅に対するバリの大きさを表1にまとめた。
(比較例2)
製造例1にて作製した厚さ2.5μmのポリイミドフィルム(高分子試料A、面積10×10cm)を、電気炉を用いて窒素ガス中にて、10℃/分の速度で1000℃まで昇温し、1000℃で1時間保って予備処理した。次に得られた炭素化シートを円筒状のグラファイトヒーターの内部にセットし、20℃/分の昇温速度で2400℃まで上げ、そこで0.5時間保持した。その後40℃/分の速度で降温し、グラファイトシートを作製した。処理はアルゴン雰囲気で0.10MPa(1.0kg/cm)の加圧下で行った。比較例2にて得られたグラファイトシートの厚さ、グラファイトシートのSEM断面写真から得られた黒鉛水平度合い、平均結晶粒径、密度、熱伝導率、電気伝導率、切断可否、端面バリ、グラファイトシート加工物の線幅、及びグラファイトシート加工物の線幅に対するバリの大きさを表1にまとめた。
(比較例3)
2400℃での保持時間を1時間としたこと以外は、比較例2と同様にしてグラファイトシートを作製した。得られたグラファイトシートの厚さ、グラファイトシートのSEM断面写真から得られた黒鉛水平度合い、平均結晶粒径、密度、熱伝導率、電気伝導率、切断可否、端面バリ、グラファイトシート加工物の線幅、及びグラファイトシート加工物の線幅に対するバリの大きさを表1にまとめた。
(比較例4)
2400℃での保持時間を2時間としたこと以外は、比較例2と同様にしてグラファイトシートを作製した。得られたグラファイトシートの厚さ、グラファイトシートのSEM断面写真から得られた黒鉛水平度合い、平均結晶粒径、密度、熱伝導率、電気伝導率、切断可否、端面バリ、グラファイトシート加工物の線幅、及びグラファイトシート加工物の線幅に対するバリの大きさを表1にまとめた。
(グラファイトシート切断実験)
実施例1から13、および比較例1から4にて作製した各種グラファイトシートを、カッターを用いて線幅2mm(2000μm)、長さ10cmの矩形状に10回切り出し、8回以上バリや破損がなければ合格とした。また、ここでいうバリとは切断後の端面における不規則な凹凸であり、その大きさが50μm以上とする。結果を表1にまとめた。この実験結果から、実施例1〜8にて作製したグラファイトシートでは、バリが発生しにくくなっていることが分かる。これに対して、比較例1から4にて作製したグラファイトシートは、破断、われなどが出やすくなるということが明らかになった。
また、実施例1A、2A、3A、及び5Aのようにグラファイトシートを線幅200μmにレーザー加工した場合、何れのグラファイトシート加工物もバリの大きさが50μm未満となっており、バリが発生しにくくなっていることがわかる。
さらに、実施例3B及び5Bのようにグラファイトシートを線幅30μmにレーザー加工した場合、何れのグラファイトシート加工物もバリが2μm以下であり、バリが発生しにくくきれいに加工されていることがわかる。
以上のことから、厚み10nm以上20μm以下であり、走査型電子顕微鏡(SEM)による断面観察で水平方向に90%以上連続もしくは不連続なグラファイトの層からなり、グラファイトシート内部のグラファイトの平均結晶粒径が5μm以上50μm以下とすることによって、切断時のバリを50μm未満にすることができた。
Figure 2017213167
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。さらに、各実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を組み合わせることにより、新しい技術的特徴を形成することができる。
本発明は、電極、配線、センサ、振動板、反射板、放熱材に利用することができる。

Claims (20)

  1. グラファイトシートからなり、
    厚さが10nm以上20μm以下であり、
    少なくとも一部に線状構造を有しており、
    前記線状構造において、線幅が400μm未満であり、切断面でのバリの大きさが線幅に対して15%以下であるグラファイトシート加工物であり、
    前記グラファイトシートは、走査型電子顕微鏡(SEM)による断面観察により、水平方向に90%以上連続的もしくは不連続的なグラファイト層が確認され、
    前記グラファイトシート内部のグラファイトの平均結晶粒径が0.35μm以上25μm以下であることを特徴とするグラファイトシート加工物。
  2. 前記切断面でのバリの大きさが50μm未満であることを特徴とする請求項1に記載のグラファイトシート加工物。
  3. 前記厚さは、30nm以上15μm以下であることを特徴とする請求項1または2に記載のグラファイトシート加工物。
  4. 前記厚さは、50nm以上9.6μm以下であることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載のグラファイトシート加工物。
  5. 走査型電子顕微鏡(SEM)による断面観察により、水平方向に95%以上連続的もしくは不連続的なグラファイト層が確認されることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載のグラファイトシート加工物。
  6. 前記平均結晶粒径は、0.35μm以上20μm以下であることを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載のグラファイトシート加工物。
  7. 前記平均結晶粒径は、0.4μm以上15μm以下であることを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載のグラファイトシート加工物。
  8. 前記切断面でのバリの大きさは、40μm未満であることを特徴とする請求項1〜7の何れか1項に記載のグラファイトシート加工物。
  9. 前記切断面でのバリの大きさは、30μm未満であることを特徴とする請求項1〜8の何れか1項に記載のグラファイトシート加工物。
  10. グラファイトシートの密度は、1.80g/cm以上2.26g/cm以下であることを特徴とする請求項1〜9の何れか1項に記載のグラファイトシート加工物。
  11. グラファイトシートの熱伝導率は、700W/mK以上であることを特徴とする請求項1〜10の何れか1項に記載のグラファイトシート加工物。
  12. グラファイトシートの電気伝導度は、5000S/cm以上であることを特徴とする請求項1〜11の何れか1項に記載のグラファイトシート加工物。
  13. 請求項1〜12の何れか1項に記載のグラファイトシート加工物の製造方法であって、
    高分子フィルムを、不活性ガス雰囲気下にて、2400℃以上の温度で熱処理してグラファイトシートを得ることを特徴とするグラファイトシート加工物の製造方法。
  14. 前記高分子フィルムを、不活性ガス雰囲気下にて、2400℃以上の温度で3時間以上保持することを特徴とする請求項13に記載のグラファイトシート加工物の製造方法。
  15. 前記高分子フィルムを、不活性ガス雰囲気下にて、2900℃以上の温度で3時間以上保持することを特徴とする請求項13に記載のグラファイトシート加工物の製造方法。
  16. 前記高分子フィルムを構成する高分子は、ポリアミド、ポリイミド、ポリキノキサリン、ポリパラフェニレン、ポリオキサジアゾール、ポリベンズイミダゾール、ポリベンズオキサゾール、ポリベンズチアゾール、ポリキナゾリンジオン、ポリベンゾオキサジノン、ポリキナゾロン、ベンズイミダゾベンゾフェナントロリンラダーポリマーおよびこれらの誘導体から選択される少なくとも一種であることを特徴とする請求項13〜15の何れか1項に記載のグラファイトシート加工物の製造方法。
  17. 前記高分子フィルムを構成する高分子は、芳香族ポリイミドであることを特徴とする請求項13〜16の何れか1項に記載のグラファイトシート加工物の製造方法。
  18. 前記高分子フィルムを構成する高分子は、ピロメリット酸無水物、及び3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物のいずれか、または両方を原料として得られる芳香族ポリイミドであることを特徴とする請求項13〜17の何れか1項に記載のグラファイトシート加工物の製造方法。
  19. 前記高分子フィルムを構成する高分子は、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、及びp−フェニレンジアミンのいずれか、または両方を原料として得られる芳香族ポリイミドであることを特徴とする請求項13〜18の何れか1項に記載のグラファイトシート加工物の製造方法。
  20. 前記グラファイトシートを、はさみ、カッター、トリミングカッター、ウォータージェットカッター、レーザーカッター、超音波カッター、並びにウォータージェット及びレーザーの複合カッターの少なくとも1種を用いて切断加工することを特徴とする請求項13〜19の何れか1項に記載のグラファイトシート加工物の製造方法。
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