JP2011093745A - 炭素部材の形成方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】炭素含有シート体をレーザ加工して、炭素部材を形成することのできる技術を提供する。
【解決手段】樹脂からなる板状の支持体であるアクリル板20上に、紙21を介在させて炭素含有シート体である黒鉛シート10を載置した後、黒鉛シート10に酸素含有のアシストガス23(例えば圧縮空気)を吹き付けながらレーザビーム24を照射し、黒鉛シート10を紙21およびアクリル板20と共に切断して、所定形状の炭素部材を形成する。
【選択図】図2

Description

本発明は、炭素部材の形成技術に関し、特に、黒鉛シートまたは炭素繊維クロスを被加工材とした炭素部材の形成に適用して有効な技術に関する。
黒鉛シートは、天然黒鉛を薬品及び加熱処理により膨張化処理の後、ロール圧延成形した、灰色で柔軟性(可撓性)のある炭素製品である。また、黒鉛シートは、元来黒鉛の有する耐熱性、耐薬品性、自己潤滑性といった性質を持ちながら、柔軟性を備えた材料であり、例えば、ガスケット、パッキン、工業炉の断熱材、電気電子関係部品の放熱材などに利用されている。
また、黒鉛シートは、熱伝導率に関して、面方向の値が厚さ方向の値の数十倍以上と、まったく異なる性質を有している。このため、黒鉛シートは、熱の移動を、特定の方向に導くような目的での利用が可能な材料と考えられる。
特開2009−51730号公報(特許文献1)には、黒鉛シートの加工方法に関する記載が開示されている。この特許文献1には、スリット機による加工、トムソン型による打ち抜き加工、ウォータージェット加工、レーザ加工から選ばれる一種類以上を用いる記載が開示されている。なお、特許文献1では、黒鉛シートのレーザ加工について、具体的にどのような工程で行われるかは明記されていない。
特開2009−51730号公報(明細書段落[0012]、[0020])
黒鉛シート自体の加工性は良く、刃物などを用いて容易に切断ができるので、黒鉛シート(被加工材)から同一形状のシート(炭素部材)を形成する場合、手作業でも可能である。ただし、曲線などを多く含む複雑な形状の部材形成はむずかしく、生産性も低いという問題点がある。そのため、多数枚のシートを形成する場合には、数値制御機械などによる繰り返し加工が適当な方法と考えられる。しかしながら、柔軟性のある黒鉛シートの加工方法として、打ち抜き加工を行った場合には、黒鉛シートの加工面(切断面)に刃物によるばりが付着してしまう問題がある。
ところで、本発明者らは、打ち抜き加工とは別の加工方法であるレーザ加工を用いて、黒鉛シートなどの、炭素を含有するシート状の被加工材(以下、炭素含有シート体という)から炭素部材を形成する技術について検討している。レーザ加工は、打ち抜き加工と比較して微細に加工することができ、また、打ち抜き加工によるばりを抑制することができるからである。
一般に、レーザ加工では、板状の被加工材の上面側から加工ヘッドを近接させて凸レンズで集光したビームを被加工材へ照射する。これにより溶融、蒸発した被加工材は、加工により開かれた穴の中を通過して、被加工材の下面側に抜け出る。このため、被加工材の下面側には空間が必要で、先端が鉛筆のような形状の金属棒を並べて支持する、いわゆる剣山式の加工台を用いている。
しかしながら、黒鉛シートなどの、炭素含有シート体は、厚さが薄いうえに材質が柔軟過ぎるため、例えば、剣山式の加工台を用いた場合では、たわみや破損が生じてレーザ加工することができないことを本発明者らは見出した。
例えば、被加工材として極薄の金属板の切断では、アルミニウム合金箔製ハニカムの加工台に載せる方法や、あらかじめ四角穴や切断形状より一回り大きな図形を切り取った板に、材料を貼り付けて切断する方法、あるいはアクリルや厚紙、ベニヤ板などと重ねて切断する方法などがある。しかしながら、単に、これらの方法を、被加工材として炭素含有シート体(例えば、黒鉛シート)に適用しただけでは、所定形状の炭素部材を形成することができない。
具体的には、四角穴が形成された鋼板上で黒鉛シートをテープ止めした後、四角穴の中で黒鉛シートのレーザ切断加工を行ったところ、アシストガスの圧力が低圧であっても黒鉛シートがたわみ、レーザビームの焦点が黒鉛シート表面からはずれて、加工を継続することができない。また、切断形状より1mmほど大きな形状を切り取った鋼板に、黒鉛シートを載せてその内側を切断する方法では、一筆書きの可能な形状に限定され、内部に窓を有する形状の被加工材には対応ができない。
本発明の目的は、炭素含有シート体をレーザ加工して、炭素部材を形成することのできる技術を提供することにある。本発明の前記ならびにその他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
本願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、次のとおりである。本発明の一実施形態における炭素部材の形成方法は、樹脂からなる板状の支持体上に、紙を介在させて炭素含有シート体を載置した後、前記炭素含有シート体に酸素含有のアシストガスを吹き付けながらレーザビームを照射し、前記炭素含有シート体を前記紙および前記支持体と共に切断して、所定形状の炭素部材を形成するものである。
本願において開示される発明のうち、代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば以下のとおりである。この一実施の形態によれば、炭素含有シート体をレーザ加工して、炭素部材を形成することができる。
本発明の一実施形態における形成工程中の炭素部材を模式的に示す斜視図である。 図1に続く形成工程中の炭素部材を模式的に示す側面図である。 炭素部材を模式的に示す平面図であり、(a)は放熱部材として用いる場合の一例、(b)は放熱部材として用いる場合の他の例である。 レーザ加工後の炭素含有シート体および支持体の切断面を模式的に示す説明図であり、(a)は炭素含有シート体と支持体との間に紙を挟んでレーザ加工した状態、(b)は炭素含有シート体と支持体との間に紙を挟まないでレーザ加工した状態を示す。 本発明の他の実施形態における形成工程中の炭素部材を模式的に示す斜視図である。 図5に続く形成工程中の炭素部材を模式的に示す側面図である。 レーザ加工後の炭素含有シート体の平面を模式的に示す説明図であり、(a)は炭素含有シート体を押さえ体で押さえながらレーザ加工した状態、(b)は炭素含有シート体を押さえないでレーザ加工した状態を示す。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一の機能を有する部材には同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する場合がある。
(実施形態1)
本実施形態における炭素部材の形成方法について説明する。本実施形態では、所定形状の炭素部材を形成するにあたり、炭素含有シート体に、黒鉛シート(カーボンシートともいう)を適用した場合について説明する。なお、炭素含有シート体としては、炭素繊維クロスも適用することができる。
まず、図1に示すように、レーザ加工する対象であり、炭素含有シート体である0.2mm程度の厚さの黒鉛シート10と、黒鉛シート10をレーザ加工する際に、黒鉛シート10を支持する支持体である2mm程度の厚さのアクリル板20とを準備する。
黒鉛シート10は、例えば高分子フィルムを熱分解によりグラファイト化することによって得ることができる。あるいは、黒鉛シート10は、黒鉛を粉砕後、発泡工程で重なったグラファイト結晶をほぐし、圧延工程でシート状に製膜することによっても得ることができる。このような黒鉛シート10は、面内方向に炭素六角網平面構造が延出された結晶構造を有している。このため、黒鉛シート10は、面内方向の熱伝導率が、炭素六角網平面構造の延出方向に対して直交する厚さ方向の熱伝導率よりも高いものである。
アクリル板20は、例えば、メタクリル酸エステルの重合体で、透明性の高い合成樹脂を含んで構成されている。すなわち、黒鉛シート10を支持する支持体として、熱可塑性のアクリル樹脂を板状にしたアクリル板20を用いている。アクリル板20は、厚さが2mm程度であっても、剛性が高いので、たわみはほとんどない。また、レーザによる加工性についても、アクリル板20(アクリル樹脂)は比較的低出力で切断可能であるので、黒鉛シート10に過剰な入熱が避けられると考えられる。なお、本実施形態では、黒鉛シート10を支持する支持体として、アクリル板20を用いる場合について説明するが、板状のポリカーボネートなど他の種類の合成樹脂を用いても可能である。
また、このアクリル板20上には紙21が貼り付けられている。一般に流通しているアクリル板には、その表面の傷防止のために保護紙が貼られている。このため、アクリル板20およびその上の紙21は、保護紙をはがさずに残した状態で利用することが、最も簡便で効果的と考えられる。なお、このような保護紙の代わりに、別の紙をアクリル板20の表面に置くことにより同様の状態が得られることを確認している。
なお、シート状の被加工材を支持する支持体として、金属板や木材も考えられる。しかしながら、レーザ加工するエネルギーが被加工材の加工に要するエネルギーよりも支持体の加工に要するエネルギーが高過ぎる場合(例えば、黒鉛シートの支持体としての金属板)には、投入エネルギーの消費量、加工後の被加工材の形態の点で問題となることがある。また、支持体として木材を用いた場合、レーザ加工による煙が大量に発生するので、その場合には排気装置などが必要となってくる。そこで、本実施形態では、黒鉛シート10の支持体としてアクリル板20を用いている。
続いて、図2に示すように、アクリル板20上に紙21を介在させて黒鉛シート10(図中、ハッチングを付している)を載置する。また、支持体であるアクリル板20を剣山式の加工台22に載置する。次いで、酸素含有のアシストガス23(加工ガス)を吹き付けながらレーザビーム24(図中、ハッチングを付している)を黒鉛シート10に照射して、アクリル板20と共に黒鉛シート10を切断する。すなわち、黒鉛シート10は、アクリル板20と合わせて切断される(共切りされる)。また、本実施形態では、アクリル板20上に紙21が貼り付けられているので、紙21も黒鉛シート10と共に切断される。
本実施形態では、切断加工用のレーザとしては、炭酸ガス(CO)レーザを用いている。発振器からのレーザビーム24をレンズ25によって、炭素含有シート体である黒鉛シート10の表面に集光して溶融、あるいは黒鉛シート10の炭素と酸素とを結合させて気化する。また、レーザビーム24を照射すると共に、アシストガス23を吹きつけることによって、黒鉛シート10の溶融物あるいは発生したガスを吹き飛ばすこととなる。
加工条件の一例として、レーザ発振器の出力は80W、パルス発振を用い、レンズ25の焦点距離は127mm、焦点位置は黒鉛シート10の表面、アシストガス23は圧縮空気とし、ガスの圧力は0.05MPaとしている。
以上に示したような、酸素含有のアシストガス23を吹き付けながらレーザビーム24を黒鉛シート10に照射したレーザ加工後、支持体であるアクリル板20から黒鉛シート10を分離(剥離)する。これにより、例えば、面内方向と厚さ方向とで熱伝導率が大きく異なる黒鉛シート10の特性を生かした放熱部材として、図3(a)、図3(b)のそれぞれに示すような形状の炭素部材10a、10bを形成することができる。図3(a)、図3(b)では、説明を容易にするために、レーザ加工によって切断された丸穴や長穴の箇所にハッチングを付している。
このように、炭素含有シート体である黒鉛シート10は、厚さが薄く(例えば0.2mm程度)、柔軟な材料であるが、支持体であるアクリル板20と重ね合わせて共切りすることによって、レーザ加工することができる。
ここで、本実施形態では、アシストガス23(加工ガス)として、圧縮空気を用いているが、酸素含有のガスであれば良い。この点について以下に説明する。
本発明者らは、アシストガスに関して、種々のガスおよびガス圧の条件でレーザ加工を行っている。例えば、アルゴンガスなどの不活性ガスを用いた場合、レーザ加工が施された切断部周囲にすす(炭素)が付着し、黒い汚れが残ることを確認している。また、圧縮空気を用いた場合では、アルゴンガスよりも切断加工時のすすの付着を低減することができることを確認している。更に、酸素ガスを用いた場合では、すすの付着がみられないほど、圧縮空気よりも切断加工時のすすの付着を低減することができることを確認している。
また、アシストガスとして、圧縮空気およびアルゴンガスのそれぞれについて、ガス圧を0.025MPa〜0.3MPaと種々変化させた結果、圧力が高いほどレーザ加工が施された切断部の近傍に、すすの付着量が低減することを確認している。これはアシストガスの圧力が高いほど、すすを吹き飛ばす作用が強く働いているものと考えられる。なお、酸素ガスを用いた場合、圧力の変化に関わらず、すすの付着がみられないほどであることを確認している。
これらの結果から、アシストガスの酸素濃度が高いほど、切断加工時のすすの付着量を低減することができるといえる。このことは、レーザ加工の対象が炭素含有シート体であるので、酸素含有のアシストガスを用いることで、炭素をガス化(CO、CO)することができるので、すすの付着量を低減することができると考えられる。
一方、アシストガスが酸素ガスの場合では、炭素含有シート体(例えば黒鉛シート)の切断部近傍にふくれが生じ、また炭素含有シート体を支持するための支持体(例えばアクリル板)が燃焼してしまうことも考えられる。そこで、本実施形態では、アシストガス23として圧縮空気を用いている。
また、本実施形態では、アクリル板20上に紙21を介在させて黒鉛シート10を載置し、言い換えるとアクリル板20と黒鉛シート10との間に紙21を挟んで、黒鉛シート10に対してレーザ加工を行っている。この点について以下に説明する。
図4(a)に、アクリル板20と黒鉛シート10との間に紙21を挟んでレーザ加工を行った結果を基に模式的な切断面を示し、図4(b)に、紙21を挟まずにレーザ加工を行った結果を基に模式的な切断面を示す。図4(b)では、アクリル板20のアクリル樹脂が黒鉛シート10に溶着していることがわかる。一方、図4(a)では、黒鉛シート10とアクリル板20との間に隙間30が存在していることがわかる。なお、切断部近傍では紙21が除去されて隙間30が形成されるが、切断部以外(内部)では紙21が残存している。
本実施形態では、支持体(アクリル板20)と共に炭素含有シート体(黒鉛シート10)をレーザ加工している。炭素含有シート体を支持する支持体としてアクリル板20のような合成樹脂を用いた場合、レーザ加工により合成樹脂が溶融し易いため、単に、アクリル板20上に黒鉛シート10を載置してレーザ加工しただけでは、図4(b)に黒鉛シート10に樹脂が溶着してしまう。このため、レーザ加工した後、その形状を維持してアクリル板20から分離できず、黒鉛シート10は千切れて破損してしまう。
そこで、本実施形態では、アクリル板20と黒鉛シート10との間に紙21を挟んで、黒鉛シート10に対してレーザ加工を行っている。これにより、溶融したアクリル樹脂(アクリル板20)の黒鉛シート10への溶着を防止することができると考えられる。また、アクリル樹脂の溶着を防止することによって、アクリル板20から黒鉛シート10の分離を容易に行うことができる。
(実施形態2)
本実施形態における炭素部材の形成方法について説明する。本実施形態では、所定形状の炭素部材を形成するにあたり、炭素含有シート体に、炭素繊維クロス(カーボンクロスともいう)を適用した場合について説明する。なお、炭素含有シート体としては、黒鉛シートも適用することができる。また、前記実施形態と重複する説明は省略する場合がある。
まず、図5に示すように、レーザ加工する対象であり、炭素含有シート体である炭素繊維クロス40と、炭素繊維クロス40をレーザ加工する際に、炭素繊維クロス40を支持する支持体である2mm程度の厚さのアクリル板20と、炭素繊維クロス40を押さえる押さえ体である2mm程度の厚さのアクリル板50とを準備する。
炭素繊維クロス40を構成する炭素繊維は、その長手方向に炭素分子が配向されているため、炭素分子が配向されている炭素繊維の長手方向の熱伝導率が、炭素分子の配向方向に直交する炭素繊維の短手方向の熱伝導率よりも高い。したがって、炭素繊維クロス40では、炭素繊維の長手方向と同一方向となる炭素繊維クロス40の面内方向の熱伝導率が、炭素繊維の短手方向と同一方向となる炭素繊維クロス40の厚さ方向よりも高くなる。
アクリル板50は、アクリル板20と同様であり、前記実施形態1で説明したように、例えば、メタクリル酸エステルの重合体で、透明性の高い合成樹脂を含んで構成されている。なお、本実施形態では、炭素繊維クロス40を押さえる押さえ体として、アクリル板50を用いる場合について説明するが、板状のポリカーボネートなどの合成樹脂を用いても良い。
このアクリル板50上には紙51が貼り付けられている。一般に流通しているアクリル板には、その表面の傷防止のために保護紙が貼られている。このため、アクリル板50およびその上の紙51は、保護紙をはがさずに残した状態で利用することが、最も簡便で効果的と考えられる。なお、このような保護紙の代わりに、別の紙を炭素繊維クロス40とアクリル板50との間に介在させることによっても同様の状態が得られる。
続いて、図6に示すように、アクリル板20上に紙21を介在させて炭素繊維クロス40(図中、ハッチングを付している)を載置する。また、支持体であるアクリル板20を剣山式の加工台22に載置する。また、炭素繊維クロス40上に紙51を介在させて炭素繊維クロス40を押さえるアクリル板50を載置する。
次いで、酸素含有のアシストガス23(加工ガス)を吹き付けながらレーザビーム24(図中、ハッチングを付している)を炭素繊維クロス40に照射して、アクリル板20、50と共に炭素繊維クロス40を切断する。すなわち、炭素繊維クロス40は、アクリル板20、50と合わせて切断される(共切りされる)。また、本実施形態では、アクリル板20上に紙21、アクリル板50上に紙51が貼り付けられているので、紙21、51も炭素繊維クロス40と共に切断される。
本実施形態では、切断加工用のレーザとしては、炭酸ガス(CO)レーザを用いている。発振器からのレーザビーム24をレンズ25によって、アクリル板50の表面(紙51の貼付面とは反対の面)に集光して、炭素繊維クロス40を溶融、あるいは炭素繊維クロス40の炭素と酸素とを結合させて気化する。また、レーザビーム24を照射すると共に、アシストガス23を吹きつけることによって、炭素繊維クロス40の溶融物あるいは発生したガスを吹き飛ばすこととなる。
以上に示したような、酸素含有のアシストガス23を吹き付けながらレーザビーム24を炭素繊維クロス40に照射したレーザ加工後、支持体であるアクリル板20、50から炭素繊維クロス40を分離(剥離)する。これにより、例えば、面内方向と厚さ方向とで熱伝導率が大きく異なる炭素繊維クロス40の特性を生かした放熱部材として、図7(a)に示すような円形状の炭素部材40aを形成することができる。
このように、炭素含有シート体である炭素繊維クロス40は、切断されると繊維が動いて織り目が崩れやすい材料であるが、支持体であるアクリル板20および押さえ体であるアクリル板50と重ね合わせて共切りすることによって、織り目を保持した状態でレーザ加工により部材形成することができる。
本実施形態では、アシストガス23(加工ガス)として、圧縮空気を用いているが、このアシストガス23の効果については前記実施形態1で説明した効果と同様である。また、本実施形態では、アクリル板20と炭素繊維クロス40との間に紙21を挟み、また、アクリル板50と炭素繊維クロス40との間に紙51を挟んで、炭素繊維クロス40に対してレーザ加工を行っているが、この紙21、51の効果については前記実施形態1で説明した効果と同様である。
また、本実施形態では、炭素含有シート体である炭素繊維クロス40を押さえ体であるアクリル板50で押さえている。この点について以下に説明する。
図7(b)では、炭素繊維クロス40を押さえないでレーザ加工し、支持体であるアクリル板20から分離した状態の炭素部材を示している。この図7(b)では、炭素繊維クロス40の織りが崩壊していることがわかる。炭素繊維クロス40を押さえることなくレーザ加工した場合、アシストガス23の吹き付けによって、炭素繊維クロス40の長さが短くなった繊維は動きやすく、乱れてしまい、その状態でレーザ加工が行われるものと考えられる。
そこで、本実施形態では、炭素含有シート体である炭素繊維クロス40を押さえ体であるアクリル板50で押さえている。これにより、炭素繊維クロス40の繊維を固定することができるので、図7(a)に示すような所定形状の炭素部材を形成することができる。
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
例えば、前記実施形態では、切断加工用のレーザとして、炭酸ガスレーザを用いた場合について説明したが、YAGレーザ、ファイバーレーザなどの他のレーザを用いても適用することができる。
本発明は、シート状の炭素部材、特に、黒鉛シートまたは炭素繊維クロスを含んでなる炭素部材に有効で、とりわけ自動車用ガスケット、一般産業用パッキン、放熱部材の製造業に幅広く利用されるものである。
10 黒鉛シート(炭素含有シート体)
10a、10b 炭素部材
20 アクリル板(支持体)
21 紙(第1の紙)
22 加工台
23 アシストガス
24 レーザビーム
25 レンズ
30 隙間
40 炭素繊維クロス(炭素含有シート体)
40a 炭素部材
50 アクリル板(押さえ体)
51 紙(第2の紙)

Claims (4)

  1. 樹脂からなる板状の支持体上に、紙を介在させて炭素含有シート体を載置した後、
    前記炭素含有シート体に酸素含有のアシストガスを吹き付けながらレーザビームを照射し、前記炭素含有シート体を前記紙および前記支持体と共に切断して、所定形状の炭素部材を形成することを特徴とする炭素部材の形成方法。
  2. 樹脂からなる板状の支持体上に、第1の紙を介在させて炭素含有シート体を載置し、
    前記炭素含有シート体上に、第2の紙を介在させて樹脂からなる押さえ体を載置した後、
    前記炭素含有シート体に酸素含有のアシストガスを吹き付けながらレーザビームを照射し、前記炭素含有シート体を前記第1、第2の紙、前記押さえ体および前記支持体と共に切断して、所定形状の炭素部材を形成することを特徴とする炭素部材の形成方法。
  3. 請求項1または2記載の炭素部材の形成方法において、
    前記炭素含有シート体は、黒鉛シートまたは炭素繊維クロスを含んでなることを特徴とする炭素部材の形成方法。
  4. 請求項1、2または3記載の炭素部材の形成方法において、
    前記支持体は、アクリル樹脂を含んでなることを特徴とする炭素部材の形成方法。
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