JP3242860U - 段ボール切断用刃 - Google Patents

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国吉 村松
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アクトテック株式会社
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Abstract

【課題】段ボールの切断において、紙粉の発生を抑制することができる段ボール切断用刃を提供する。【解決手段】段ボール切断用刃1は、三角形状の部分を含む薄板からなる基部10と、基部10の三角形状の部分の外端の第一の斜辺12および第二の斜辺14に、延在するように形成された両刃である刃部30とを備え、基部10は、第一の斜辺12および第二の斜辺14を含む三角形状の部分である本体部18と、段ボール切断用刃1自体を固定または把持するための、底辺16を含む固定部20からなり、第一の斜辺12の仰角αおよび第二の斜辺14の仰角βが25度~45度である。【選択図】図1

Description

本考案は、段ボールの切断に用いられる段ボール切断用刃に関する。
段ボールは表面ライナーと裏面ライナーとの間に波形形状の中芯を備えており、段ボールシートを所望の大きさ、形状に切断する際にはチップソーやハンドソーが用いられている。しかし、切断によって大量の紙粉が発生して作業環境を悪化させ、健康被害が懸念される。発生した紙粉は表面だけでなく中芯の波形内部にも侵入し、付着した紙粉を除去する工程が必要になる。
また、切断により中芯の波形形状が押しつぶされたり、切断端面にバリが発生したりして、きれいな断面が得られない。さらに、刃の回転により刃の両側面と接触している段ボールシートの切断面には摩擦熱が発生し、これにより切断面近傍のライナーが剥離してしまうことがある。これらの問題を解決するために特許文献1、2のような様々なチップソーが開発されている。
特開平10-337687号公報 特開2008-284665号公報
しかしながら、チップソーを用いた従来の切断方法では、刃の形状等に改良を加えても、刃の幅の分の紙を削り取って切断するため、大量の紙粉が発生してしまうことに変わりはなく、切断面の凹凸等の外観の問題も解消できない。
本考案は、このような事情に鑑みてなされたもので、段ボールの切断において、スムーズに切り進むことができ、紙粉の発生を抑制することができる段ボール切断用刃を提供することを目的とする。
請求項1記載の段ボール切断用刃は、三角形状の部分を含む薄板からなる基部と、基部の三角形状の部分の外端の第一の斜辺および第二の斜辺に、延在するように形成された両刃である刃部とを備え、基部は、第一の斜辺および第二の斜辺を含む三角形状の部分である本体部と、段ボール切断用刃自体を固定または把持するための、底辺を含む固定部からなり、第一の斜辺の仰角および第二の斜辺の仰角が25度~45度であることを特徴とする。
請求項2記載の段ボール切断用刃は、基部の厚さが0.40mm~1.50mmであることを特徴とする。
本考案によれば、段ボールの切断において、スムーズに切り進むことができ、紙粉の発生を抑制することができる段ボール切断用刃を提供することができる。
本考案に係る段ボール切断用刃の実施例を示す説明図である。
以下、本考案の形態について図面を参照しながら具体的に説明する。図1は、本考案に係る段ボール切断用刃の実施例を示す説明図である。
本考案に係る段ボール切断用刃1は、段ボールを切断するためのものである。なお、本考案の切断対象である段ボールは、紙、プラスチックフィルム等から成る。切断対象である段ボールは、1枚の段ボールシートだけでなく、複数枚の段ボールシートが積み重ねられたものでもよい。また、1枚の段ボールシートは、表面ライナー、中芯、裏面ライナーで1つの層を形成しているものだけでなく、複数の中芯と中ライナーが積層されて2層、3層と複数の層を形成しているものでもよい。段ボールの形状については、板状だけでなく任意であり、大きさについても任意である。
図1に示すように段ボール切断用刃1は、基部10と刃部30とを備えている。基部10は、三角形状の部分を含む薄板からなる。基部10は、第一の斜辺12および第二の斜辺14を含む三角形状の部分である本体部18と、段ボール切断用刃1自体を固定または把持するための、底辺16を含む固定部20からなる。
なお、本考案において三角形状の部分とは、基部10において頂部から延在する第一の斜辺12と第二の斜辺14で囲まれた三角形状の領域を意味している。三角形状は、第一の斜辺12と第二の斜辺14の長さが異なっていてもよいが、二等辺三角形であることが好ましい。
刃部30は、基部10の三角形状の部分の外端の第一の斜辺12および第二の斜辺14に、延在するように形成された両刃である。つまり、基部10の三角形状の部分の輪郭を構成する2つの斜辺に刃部30が形成されている。段ボール切断用刃1は、第一の斜辺12および第二の斜辺14のそれぞれに刃部30を備えているため、切断装置に固定した場合、前進した際にも後進した際にも切断可能となる。
また、段ボール切断用刃1は、基部10の第一の斜辺12の仰角αと第二の斜辺14の仰角βがそれぞれ25度~45度である。このため、第一の斜辺12と第二の斜辺14に形成された刃部30を25度~45度の傾斜角度に寝かした状態で段ボールに対して進入させ、スムーズに切り進むことができる。ここで、仰角とは、水平面と第一の斜辺12または第二の斜辺14とがなす角度である。図1では、一点鎖線で示している水平方向の線に対する第一の斜辺12の角度を仰角αとし、水平方向の線に対する第二の斜辺14の角度を仰角βとしている。
段ボール切断用刃1をこのような構成にすることによって、切断の際、段ボールをスムーズに切り進むことができる。また、基部10が三角形状であるため、切断の際の刃部30のたわみを防止し安定して切り進むことができる。さらに、段ボール切断用刃1の刃先がナイフ状の両刃になっており、段ボールを切り裂くことで紙粉の発生を抑制することができる。
また、段ボール切断用刃1は、基部10の厚さが0.40mm~1.50mmであることが好ましい。この範囲であれば、段ボール切断用刃1の強度を確保しながら、段ボールをスムーズに切り進むことができる。段ボール切断用刃1の基部10の厚さは、切断しようとする段ボールの種類、厚さ等により適宜選択することが好ましい。
また、基部10は、取り付け用または摩擦低減用の貫通穴を有していてもよい。貫通穴は、薄板である基部10の表裏面を貫通した穴であれば、形状、大きさ、位置、数は特に限定されるものではないが、形状は、略円形、略楕円形、略三角形、略台形、略矩形またはそれらを組み合わせた形状等が考えられる。
また、段ボール切断用刃1の素材は、高速度工具鋼鋼材、または、炭素工具鋼鋼材であることが好ましい。これにより、段ボールの切断に十分な強度を確保することができる。また、段ボール切断用刃1の大きさは、切断しようとする段ボールの厚さ等により適宜選択することが好ましい。
本考案に係る段ボール切断用刃1は、例えば、切断装置に刃部30を進行方向に向けて取り付けられ、段ボール切断用刃1または段ボールを移動させることによって段ボールを切断することができる。あるいは、段ボール切断用刃1の固定部20に手持ち用の把持部材を設けて、作業者が手で持って段ボールを切断することも可能である。
以下、実施例を示して本願の段ボール切断用刃1について説明する。
本実施例では、段ボール切断用刃1は、図1に示すように、段ボール切断用刃1の基部10が、幅350mm×高さ215mm×厚さ1.00mmの高速度工具鋼鋼材からなる三角形状の部分を含む薄板である。基部10の三角形状の部分の外端の第一の斜辺12および第二の斜辺14を含む本体部18は二等辺三角形状である。また、第一の斜辺12および第二の斜辺14に延在するように両刃である刃部30が形成されている。
本体部18である二等辺三角形状の底側に連続して形成された、基部10の底辺16を含む固定部20は幅350mm×高さ80mmの矩形状である。固定部20には、段ボール切断用刃1を切断装置の移動機構または把持部材に固定するための貫通穴が穿設されている。基部10の本体部18の第一の斜辺12の仰角αおよび第二の斜辺14の仰角βはそれぞれ30度であり、第一の斜辺12と第二の斜辺14が交差する頂部の角度は120度である。
次に、段ボール切断用刃1を用いた段ボールの切断方法について説明する。
ここでは、切断装置に段ボール切断用刃1を取り付けて切断する方法を説明する。切断装置は、段ボール切断用刃1と、段ボールを載置するための加工台と、段ボール切断用刃1を固定して段ボールに対して前後進行させる往復移動可能な移動機構と、を備えている。切断装置は、段ボール切断用刃1の基部10の第一の斜辺12または第二の斜辺14が進行方向に向けた状態で立設されるように、固定部20を移動機構に保持している。なお、移動機構は、段ボール切断用刃1の代わりに段ボールを段ボール切断用刃1に対して前後進行させることが可能なものであってもよい。
切断装置に取り付けられた段ボール切断用刃1は、前進または後進することにより、複数枚積層された段ボールシートを縦方向(一の方向)にも横方向(一の方向に対して垂直な方向)にもスムーズに切り進むことができる。段ボール切断用刃1の基部10の三角形状の部分が刃部30を支持していることにより切断の際の刃部30のたわみを防止し、安定して切り進むことができる。
また、本実施例に係る段ボール切断用刃1は、刃部30の刃先がナイフ状の両刃になっており、ブレを防止しながら段ボールを切り裂くことできれいな切断面が得られ、紙粉の発生を抑制することができる。このため、作業環境が大幅に改善され、従来必要とされていた集塵室、ダクト配管、集塵機、集めた紙粉の廃棄費用が不要になり、切断後にブロワーなどで切断面の紙粉を飛ばすなどの仕上げ工程も不要になり、電気代が大幅に削減される。
本考案は、本考案の広義の精神と範囲を逸脱することなく、様々な実施の形態及び変形が可能とされるものである。また、上述した実施の形態は、この考案を説明するためのものであり、本考案の範囲を限定するものではない。すなわち、本考案の範囲は、実施の形態ではなく、実用新案登録請求の範囲によって示される。そして、実用新案登録請求の範囲内及びそれと同等の考案の意義の範囲内で施される様々な変形が、この考案の範囲内とみなされる。
以上のように、本考案によれば、段ボールの切断において、スムーズに切り進むことができ、紙粉の発生を抑制することができる。
1・・・・・段ボール切断用刃
10・・・・基部
12・・・・第一の斜辺
14・・・・第二の斜辺
16・・・・底辺
18・・・・本体部
20・・・・固定部
30・・・・刃部

Claims (2)

  1. 段ボールを切断するための段ボール切断用刃において、
    三角形状の部分を含む薄板からなる基部と、
    前記基部の前記三角形状の部分の外端の第一の斜辺および第二の斜辺に、延在するように形成された両刃である刃部とを備え、
    前記基部は、前記第一の斜辺および前記第二の斜辺を含む前記三角形状の部分である本体部と、前記段ボール切断用刃自体を固定または把持するための、底辺を含む固定部からなり、
    前記第一の斜辺の仰角および前記第二の斜辺の仰角が25度~45度であることを特徴とする段ボール切断用刃。
  2. 前記基部の厚さは0.40mm~1.50mmであることを特徴とする請求項1に記載の段ボール切断用刃。
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