JPWO2017038799A1 - ウレアーゼ活性阻害剤 - Google Patents

ウレアーゼ活性阻害剤 Download PDF

Info

Publication number
JPWO2017038799A1
JPWO2017038799A1 JP2017538037A JP2017538037A JPWO2017038799A1 JP WO2017038799 A1 JPWO2017038799 A1 JP WO2017038799A1 JP 2017538037 A JP2017538037 A JP 2017538037A JP 2017538037 A JP2017538037 A JP 2017538037A JP WO2017038799 A1 JPWO2017038799 A1 JP WO2017038799A1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
salt
cyclic dipeptide
urease
active ingredient
urease activity
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2017538037A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6719475B2 (ja
Inventor
伸哉 富貴澤
伸哉 富貴澤
裕史 好田
裕史 好田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Suntory Holdings Ltd
Original Assignee
Suntory Holdings Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Suntory Holdings Ltd filed Critical Suntory Holdings Ltd
Publication of JPWO2017038799A1 publication Critical patent/JPWO2017038799A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6719475B2 publication Critical patent/JP6719475B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K35/00Medicinal preparations containing materials or reaction products thereof with undetermined constitution
    • A61K35/12Materials from mammals; Compositions comprising non-specified tissues or cells; Compositions comprising non-embryonic stem cells; Genetically modified cells
    • A61K35/48Reproductive organs
    • A61K35/50Placenta; Placental stem cells; Amniotic fluid; Amnion; Amniotic stem cells
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K36/00Medicinal preparations of undetermined constitution containing material from algae, lichens, fungi or plants, or derivatives thereof, e.g. traditional herbal medicines
    • A61K36/18Magnoliophyta (angiosperms)
    • A61K36/185Magnoliopsida (dicotyledons)
    • A61K36/48Fabaceae or Leguminosae (Pea or Legume family); Caesalpiniaceae; Mimosaceae; Papilionaceae
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K36/00Medicinal preparations of undetermined constitution containing material from algae, lichens, fungi or plants, or derivatives thereof, e.g. traditional herbal medicines
    • A61K36/18Magnoliophyta (angiosperms)
    • A61K36/185Magnoliopsida (dicotyledons)
    • A61K36/82Theaceae (Tea family), e.g. camellia
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K36/00Medicinal preparations of undetermined constitution containing material from algae, lichens, fungi or plants, or derivatives thereof, e.g. traditional herbal medicines
    • A61K36/18Magnoliophyta (angiosperms)
    • A61K36/88Liliopsida (monocotyledons)
    • A61K36/899Poaceae or Gramineae (Grass family), e.g. bamboo, corn or sugar cane
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K36/00Medicinal preparations of undetermined constitution containing material from algae, lichens, fungi or plants, or derivatives thereof, e.g. traditional herbal medicines
    • A61K36/18Magnoliophyta (angiosperms)
    • A61K36/88Liliopsida (monocotyledons)
    • A61K36/899Poaceae or Gramineae (Grass family), e.g. bamboo, corn or sugar cane
    • A61K36/8998Hordeum (barley)
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K38/00Medicinal preparations containing peptides
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K38/00Medicinal preparations containing peptides
    • A61K38/16Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K38/00Medicinal preparations containing peptides
    • A61K38/16Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof
    • A61K38/17Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from animals; from humans

Abstract

環状ジペプチド又はその塩を有効成分とする、ウレアーゼ活性阻害剤。本発明のウレアーゼ活性阻害剤は、含有される環状ジペプチドが胃内や十二指腸内で分解されづらいという特徴を有し、生体内のウレアーゼの活性を阻害して、例えば胃粘膜保護作用、尿路結石形成抑制作用、あるいは、ウレアーゼ産生性の微生物に起因する疾患の予防又は治療などの作用をもたらす可能性や、糞尿からのアンモニア臭抑制作用やおむつかぶれ防止作用、家畜用の防臭作用、口臭若しくは体臭抑制作用をもたらすことを期待して用いることができる。

Description

本発明は、ウレアーゼ活性阻害剤に関する。より詳しくは、環状ジペプチドを有効成分とするウレアーゼ活性阻害剤、胃粘膜保護剤、尿路結石形成抑制剤、アンモニア臭抑制剤、おむつかぶれ防止剤、家畜の防臭剤、口臭若しくは体臭抑制剤、及び、これらの剤を含有する組成物、ならびに、該環状ジペプチドを用いることにより発揮される機能に関する。
口腔内常在菌として知られる緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)やスピロヘータ(Spirochaeta)、胃粘膜で生存するヘリコバクター・ピロリを始めとする各種菌が産生するウレアーゼは、尿素を加水分解して、二酸化炭素とアンモニアを生成する。とりわけヘリコバクター・ピロリに関しては、当該菌が産生するウレアーゼが胃粘膜においてアンモニアを生成し、それが胃粘膜に障害を与えるほか、胃酸を中和することで当該菌の生存に有利な環境を作りだし、胃潰瘍や十二指腸潰瘍、慢性蕁麻疹の発症に関連するとの報告が存在する。
一方で、胃潰瘍、十二指腸潰瘍等のヘリコバクター・ピロリに起因する疾患の治療においては、抗生物質を用いた除菌やプロトンポンプ阻害剤を用いた治療が一般的に行われている。しかし、抗生物質については耐性菌の出現で除菌率の低下が認められ、プロトンポンプ阻害剤については胃壁が弱っている場合には胃潰瘍の誘発や、逆流性食道炎等をもたらす場合があるなど、副作用の存在が課題となっている。
また、ヒトや家畜の排泄物中に含まれる尿素とウレアーゼが反応し、アンモニアを発生させて悪臭を放つことや、発生したアンモニアそのものによる刺激やアンモニアによって糞便中のpHが高まってリパーゼ等の酵素活性が高まることで皮膚の炎症(例えば、おむつかぶれ)や下痢等が誘発されることが知られており、畜産分野や環境分野、保健衛生面でも問題となっている。また、アンモニアに起因した口臭や体臭抑制も近年では関心が高まっている。
さらには、尿路感染症と関連する尿路結石症は、ウレアーゼ産生菌であるプロテウス・ミラビリスの感染により尿路結石が形成されることが知られている。
そこで、従来、ウレアーゼ活性阻害剤によってウレアーゼの活性を抑制し、アンモニアの発生を抑制して、胃潰瘍や十二指腸潰瘍、尿路結石症の発症や進行を抑制したり、糞尿によるアンモニア臭の抑制、おむつかぶれの防止、家畜の防臭、口臭や体臭の抑制などを行うことが検討されている。
例えば、おむつ等に適用される技術として、特許文献1には、強力な抗ウレアーゼ作用を有するヒドロキサム酸化合物と、陽イオン界面活性剤を併用することで、優れたアンモニア抑制効果と柔軟効果を兼ね備えたおむつ類が得られると記載されている。ここで、ヒドロキサム酸化合物は動物薬として市販されているものが用いられている。
特許文献2には、コーヒー又はチョーセンアザミの抽出物に含まれるクロロゲン酸誘導体がウレアーゼ阻害作用を有し、抗発汗剤や抗おむつかぶれ組成物に用いられると報告されている。特許文献3には、ルスカス、グアバ、マイカイ、ルブス、ヨモギ、タマリンド、ユキノシタ、ビワ、又は柿の抽出物がウレアーゼ活性阻害効果を有し、糞尿からの悪臭発生の予防やおむつかぶれの予防に有用であると記載されている。また、これら作用物質の本体はポリフェノール性化合物であろうと推察されている。
特許文献4には、フラボン類、フラボノール類、ジヒドロフラボノール類、及びカテキン類が強いウレアーゼ活性阻害効果を有し、これらは、オリーブ(Olea europaea)、パセリ(Petroselinum sativum)、コガネバナ(Scutellaria baicalensis)、モクセイソウ(Reseda luteola)、スイカズラ(Lonicera japonica)、黄杞(Engelhardtia chrysolepis)、藤茶(Ampelopsis grossedentata)、茶(Thea sinensis)、ウラジロガシ(Quercus salicina)等から抽出することができると開示されている。そして、これらの化合物を、おむつ、おしり拭き、衛生用シート、ウェットティッシュに含有させる例が開示されている。
また、前記用途以外に、特許文献5には、蒟蒻芋の製粉時に発生した蒟蒻飛粉のメタノール抽出物である脂肪酸がウレアーゼ活性阻害効果を有し、脂肪酸の炭素鎖長さが長くなるほどウレアーゼ活性阻害効果も強くなると記載されている。この蒟蒻飛粉から生成したウレアーゼ活性阻害物質は、肥料、土壌改良剤として用いたり、尿路感染症治療に使用可能なカテーテルの構成要素として用いられることが示されている。
特許文献6には、トマト、レモン、リンゴの果汁又はその抽出物に含まれるペクチン及びペクチン酸がウレアーゼ活性阻害効果を有し、胃潰瘍や十二指腸潰瘍、胃がん、胃炎等の治療や予防に用いられると開示されている。
また、特許文献7には、ケイヒの葉を40℃〜90℃において、水−メタノール混合溶液により抽出した抽出物がウレアーゼ活性阻害効果を有し、動物糞尿臭消臭用飼料として用いられることが報告されている。
また、その他のウレアーゼ活性阻害効果を有する物質としては、ソバ殻、ササゲ殻、ブロッコリー基部等の植物性の未利用資源が報告されている(非特許文献1参照)。
特開昭58−104276号公報 特開平6−183989号公報 特開平8−19595号公報 特許第4450355号公報 特開2011−63571号公報 特開2012−6889号公報 特開2001−258480号公報
日本農芸化学会2009年大会講演要旨集:227−2009
アミノ酸が二つ結合した「ジペプチド」が機能性物質として注目されている。ジペプチドは単体アミノ酸にない物理的性質や新たな機能を付加することが可能であり、アミノ酸以上の応用範囲を有するものとして期待されている。なかでも、環状のジペプチドであるジケトピペラジンは、様々な生理活性を有することが知られており、各種検討が行われている。
しかしながら、環状ジペプチドがウレアーゼ活性阻害剤として利用できるか否かについては未だ知られていない。
本発明の課題は、環状ジペプチドを有効成分とするウレアーゼ活性阻害剤、胃粘膜保護剤、尿路結石形成抑制剤、アンモニア臭抑制剤、おむつかぶれ防止剤、家畜の防臭剤、口臭若しくは体臭抑制剤、及び、これらの剤を含有する組成物、ならびに、該環状ジペプチドを用いることにより発揮される機能を提供することにある。
本発明は、下記〔1〕〜〔11〕に関する。
〔1〕 環状ジペプチド又はその塩を有効成分とする、ウレアーゼ活性阻害剤。
〔2〕 環状ジペプチド又はその塩を有効成分とする、胃粘膜保護剤。
〔3〕 環状ジペプチド又はその塩を有効成分とする、尿路結石形成抑制剤。
〔4〕 環状ジペプチド又はその塩を有効成分とする、アンモニア臭抑制剤。
〔5〕 環状ジペプチド又はその塩を有効成分とする、おむつかぶれ防止剤。
〔6〕 環状ジペプチド又はその塩を有効成分とする、家畜の防臭剤。
〔7〕 環状ジペプチド又はその塩を有効成分とする、口臭若しくは体臭抑制剤。
〔8〕 前記〔1〕記載のウレアーゼ活性阻害剤、前記〔2〕記載の胃粘膜保護剤、前記〔3〕記載の尿路結石形成抑制剤、前記〔4〕記載のアンモニア臭抑制剤、前記〔5〕記載のおむつかぶれ防止剤、前記〔6〕記載の家畜の防臭剤、又は前記〔7〕記載の口臭若しくは体臭抑制剤を含有してなる、組成物。
〔9〕 環状ジペプチド又はその塩を有効成分として用いることを特徴とする、アンモニア臭を抑制する方法。
〔10〕 環状ジペプチド又はその塩を有効成分として用いることを特徴とする、家畜の臭気を抑制する方法。
〔11〕 環状ジペプチド又はその塩を有効成分として用いることを特徴とする、口臭若しくは体臭を抑制する方法。
本発明のウレアーゼ活性阻害剤は、有効成分である環状ジペプチドが消化管に分泌される各種ペプチド分解酵素の作用に対して耐性を有することから、胃や十二指腸管腔内で分解されることなく、十二指腸、胃粘膜、尿中などにおいて優れたウレアーゼ活性阻害効果を発揮できる。その結果、胃粘膜保護作用、尿路結石形成抑制作用、アンモニア臭抑制作用、おむつかぶれ防止作用、家畜用の防臭作用、口臭若しくは体臭抑制作用などがもたらされ得る。また、ヒトのみならず、犬や猫などのペット、家畜動物にも尿路結石形成抑制や防臭などの用途で適用可能である。
本発明のウレアーゼ活性阻害剤は、環状ジペプチド又はその塩を有効成分とする。以降、ウレアーゼ活性を阻害するために用いる環状ジペプチド又はその塩のことを、まとめて、本発明の環状ジペプチドと記載することもある。本発明者らは、天然アミノ酸の組み合わせからなる環状ジペプチドを網羅的に解析した結果、環状ジペプチドがウレアーゼ活性阻害作用を有することを初めて見出した。このような効果が奏される理由としては、本発明の環状ジペプチドが、ウレアーゼの活性部位に接近して、ウレアーゼの活性を阻害することに基づくものと推察される。また、環状ジペプチドがペプチダーゼ等の分解を受けにくいという特徴を有するために、消化管内におけるウレアーゼの活性も十分に阻害できるという効果も奏されると考えられる。但し、これらの推測は、本発明を限定するものではない。なお、本発明において、「ウレアーゼ活性を阻害する」とは、ウレアーゼが尿素を加水分解して二酸化炭素とアンモニアを生成する反応を阻害することを意味する。
本発明の環状ジペプチドとしては、例えば、シクロトリプトファニルプロリン〔Cyclo(Trp-Pro)〕、シクロアルギニルフェニルアラニン〔Cyclo(Arg-Phe)〕、シクロイソロイシルロイシン〔Cyclo(Ile-Leu)〕、シクログルタミルリシン〔Cyclo(Glu-Lys)〕、シクロメチオニルセリン〔Cyclo(Met-Ser)〕、シクロアルギニルグルタミン酸〔Cyclo(Arg-Glu)〕、シクロアスパラギニルアスパラギン〔Cyclo(Asn-Asn)〕、シクログルタミニルグルタミン〔Cyclo(Gln-Gln)〕、シクログルタミルグルタミン酸〔Cyclo(Glu-Glu)〕などが挙げられる。これらは1種単独で又は2種以上組み合わせて用いてもよい。なお、本明細書において、環状ジペプチドにおけるアミノ酸の構成が同じであれば、それらの記載順序はいずれが先でも構わなく、例えば、Cyclo(Trp-Pro)とCyclo(Pro-Trp)は同じ環状ジペプチドのことである。
本明細書において、環状ジペプチドの塩とは、前記環状ジペプチドの薬理学的に許容される任意の塩(無機塩及び有機塩を含む)をいい、例えば、前記環状ジペプチドのナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、アンモニウム塩、塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩、燐酸塩、有機酸塩(酢酸塩、クエン酸塩、マレイン酸塩、リンゴ酸塩、シュウ酸塩、乳酸塩、コハク酸塩、フマル酸塩、プロピオン酸塩、蟻酸塩、安息香酸塩、ピクリン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、トリフルオロ酢酸塩等)等が挙げられる。
本発明の環状ジペプチドは、当該分野で公知の方法に従って調製することができる。例えば、化学合成方法や酵素法、微生物発酵法により製造されてもよく、直鎖ペプチドを脱水・環化反応させることにより合成されてもよい。例えば、直鎖状のジペプチド、トリペプチド、又はオリゴペプチドを含む植物由来成分及び/又は動物由来成分を熱処理して得られる熱処理物を好適に用いることができる。
植物由来成分としては、直鎖状のジペプチド、トリペプチド、又はオリゴペプチドを含むものであれば特に限定はない。具体的には、例えば、大豆、麦芽、大麦、小麦、花き、及び茶からなる群より選ばれる1種又は2種以上の植物の抽出物が挙げられる。なお、本明細書では、大麦麦芽のことを単に麦芽と称することもある。これらは、食品素材由来であることから生物安全性も高いと考えられる。なお、用いる植物の原産地や品種などの制限はなく、抽出に供する部分も特に限定されない。抽出方法としては、公知の方法を用いることができ、抽出物に酵素処理や熱処理等公知の方法によって、直鎖状のジペプチド、トリペプチド、又はオリゴペプチドを含むようにすればよい。また、市販品を用いることができる。
また、動物由来成分としては、直鎖状のジペプチド、トリペプチド、又はオリゴペプチドを含むものであれば特に限定はない。具体的には、例えば、コラーゲン、アルブミン、カゼイン、プラセンタ、及びグロブリンからなる群より選ばれる1種又は2種以上が挙げられ、なかでも、コラーゲンが好ましい。これらの起源動物も特に限定されない。これらの動物成分は公知技術に従って調製してもよく、市販品を用いてもよい。
前記、直鎖状のジペプチド、トリペプチド、又はオリゴペプチドを含む植物由来成分及び/又は動物由来成分の熱処理の方法としては、これらの成分を溶液中又は固相中で加熱する方法が挙げられる。
熱処理の際に用いられる溶液の媒体としては、水、有機溶媒、及びそれらの混合物が挙げられる。有機溶媒としては、エタノール、ヘキサンなどが挙げられる。水と混合する場合の混合割合は特に限定されない。
熱処理の際の溶液のpHや加熱に供される原料濃度は特に限定されず、加熱が行なえる範囲であれば媒体の種類に合わせて適宜設定することができる。
加熱温度としては、加熱に供される原料や媒体の種類によって一概には設定されないが、溶液中での加熱、固相中での加熱のいずれにおいても、100〜170℃が例示され、なかでも110〜150℃が好ましい。加熱時間は、加熱温度により適宜設定することができ、例えば、0.25〜10時間が例示される。
例えば、植物由来成分として大豆の抽出物を用いる場合には、大豆ペプチドを任意の濃度の水溶液に調製後、100〜170℃で0.25〜10時間程度加熱することにより、環状ジペプチドを含有する素材が得られる。また、かかる素材が液状の場合、液体中のBrix当たりの環状ジペチド又はその塩の含有量としては、Cyclo(Trp-Pro)が0.2〜1.0ppm/Brix、Cyclo(Arg-Phe)が10〜50ppm/Brix、Cyclo(Ile-Leu)が2.0〜10ppm/Brix、Cyclo(Gln-Gln)が1.0〜5.0ppm/Brix、Cyclo(Glu-Glu)が20〜100ppm/Brixである。本明細書において「Brix当たりの量」は、20℃のショ糖溶液(ショ糖のみを溶質として含む水溶液)の質量百分率に相当する値で定められる量を意味する。尚、特に断りがない限り、本明細書において用いる「ppm」は、重量/容量(w/v)のppmを意味し、1.0ppm/Brixは溶媒の比重が1の場合、0.1mg/mLと換算され、0.01重量%と換算されるものである。なお、環状ジペチド又はその塩の含有量(w/w%)は、例えば、HPLC方法により測定することができ、Brix当たりの環状ジペチド又はその塩の含有量は、例えば、HPLCまたは糖度計を用いて測定することができる。
また、植物由来成分として茶葉の抽出物を用いる場合には、茶(茶葉や茶殻を含む)抽出物に酵素処理や熱処理を施し、タンパク質を低分子化することによって得られる茶由来の低分子ペプチドを任意の濃度の水溶液に調製後、100〜170℃で0.25〜10時間程度加熱することにより、環状ジペプチドを含有する素材が得られる。また、かかる素材が液状の場合、液体中のBrix当たりの環状ジペチド又はその塩の含有量としては、Cyclo(Trp-Pro)が0.2〜1.0ppm/Brix、Cyclo(Arg-Phe)が2.0〜10ppm/Brix、Cyclo(Ile-Leu)が2.0〜10ppm/Brix、Cyclo(Gln-Gln)が1.0〜5.0ppm/Brix、Cyclo(Glu-Glu)が10〜50ppm/Brixである。
植物由来成分として麦芽の抽出物を用いる場合には、麦芽又はその粉砕物から得られる抽出物に酵素処理や熱処理を施し、タンパク質を低分子化することによって得られる麦芽由来の低分子ペプチドを任意の濃度の水溶液に調製後、100〜170℃で0.25〜10時間程度加熱することにより、環状ジペプチドを含有する素材が得られる。また、かかる素材が液状の場合、液体中のBrix当たりの環状ジペチド又はその塩の含有量としては、Cyclo(Trp-Pro)が0.2〜1.0ppm/Brix、Cyclo(Arg-Phe)が2.0〜10ppm/Brix、Cyclo(Ile-Leu)が2.0〜10ppm/Brix、Cyclo(Glu-Lys)が5〜50ppm/Brix、 Cyclo(Gln-Gln)が1.0〜10ppm/Brix、Cyclo(Glu-Glu)が5〜50ppm/Brixである。
動物由来成分としてコラーゲンを用いる場合、市販のコラーゲンペプチドを任意の濃度の水溶液に調製後、100〜170℃で0.25〜10時間程度加熱することにより、環状ジペプチドを含有する素材が得られる。また、かかる素材が液状の場合、液体中のBrix当たりの環状ジペチド又はその塩の含有量としては、Cyclo(Arg-Glu)が10〜50ppm/Brix、Cyclo(Glu-Glu)が1.0〜5.0ppm/Brixである。
かくして、本発明の環状ジペプチドを含有するウレアーゼ活性阻害剤が得られる。本発明のウレアーゼ活性阻害剤における本発明の環状ジペプチドの総含有量は特に限定はなく、通常0.1〜100w/w%程度である。
なお、得られる本発明のウレアーゼ活性阻害剤に対しては、ろ過、遠心分離、濃縮、限外ろ過、凍結乾燥、粉末化、及び分画からなる群より選ばれる1種又は2種以上の処理を、公知の方法に従って行ってもよく、そのまま製剤化したり、医薬品、医薬部外品、化粧品、衛生用品、日用品、衣類、掃除用品、もしくは飼料等の原材料に用いることが可能な形態に調製してもよい。よって、本発明のウレアーゼ活性阻害剤の一態様として前記処理物が含まれる。
また、本発明の環状ジペプチドはウレアーゼの活性を阻害してアンモニアの生成を抑制することから、本発明のウレアーゼ活性阻害剤はアンモニアの発生抑制を期待する用途に好適に用いられる。アンモニアの発生抑制を期待する用途としては、アンモニアの発生を抑制することで効果が奏されるものであれば特に限定はない。具体的には、例えば、胃粘膜保護作用、尿路結石形成抑制作用、アンモニア臭抑制作用、おむつかぶれ防止作用、家畜用の防臭作用、口臭若しくは体臭抑制作用を期待して好適に用いられる。よって、本発明のウレアーゼ活性阻害剤の別態様として、本発明の環状ジペプチド又はその塩を有効成分とする、胃粘膜保護剤、尿路結石形成抑制剤、アンモニア臭抑制剤、おむつかぶれ防止剤、家畜用の防臭剤、又は、口臭若しくは体臭抑制剤を提供する。なお、これらの剤に含まれる環状ジペプチド又はその塩、それらの使用量、及び剤の形状ないし形態については、本発明のウレアーゼ活性阻害剤の項を参照することができる。
またさらに、本発明のウレアーゼ活性阻害剤は、ウレアーゼ産生性の微生物に起因する疾患の予防又は治療に好適に用いられる。ウレアーゼ産生性の微生物としては、ヘリコバクター・ピロリ、シュードモナス エルギノーサ、スピロヘータ、プロテウス・ミラビリス等が知られているが、例えば、ヘリコバクター・ピロリは胃粘膜で生存してウレアーゼを産生し、そして、ウレアーゼによって産生されたアンモニアによって胃粘膜に障害を与えるほか、胃潰瘍や十二指腸潰瘍を誘発する。よって、本発明の環状ジペプチド又はその塩によってウレアーゼの活性を阻害することで、ウレアーゼ産生性の微生物に起因する疾患の予防又は治療をすることができると考えられる。本明細書において、ウレアーゼ産生性の微生物に起因する疾患としては、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、慢性胃炎、胃がん、尿路結石等が挙げられる。
ウレアーゼ産生性の微生物に起因する疾患の予防又は治療に用いられる本発明の環状ジペプチド又はその塩の使用量は、本発明の所望の効果の発現が得られ得るような量であれば、その投与形態、投与方法、使用目的及び当該剤の投与対象である患者の年齢、体重、症状によって適宜設定され一定ではない。例えば、経口摂取する場合には、通常、成人1人体重約50kgあたり好ましくは約100μg〜1g/日が例示される。投与は、所望の投与量範囲内において、1日内において単回で、又は数回に分けて行ってもよい。投与期間も任意である。
本発明はまた、本発明のウレアーゼ活性阻害剤、胃粘膜保護剤、尿路結石形成抑制剤、アンモニア臭抑制剤、おむつかぶれ防止剤、家畜の防臭剤、又は口臭若しくは体臭抑制剤を含有する組成物を提供する。これらの組成物は、本発明の環状ジペプチド又はその塩を含有することから、ウレアーゼ活性阻害作用を有し、また、当該作用に基づいてアンモニア発生を抑制することで、胃粘膜保護作用、尿路結石形成抑制作用、アンモニア臭抑制作用、おむつかぶれ防止作用、家畜用の防臭作用、口臭若しくは体臭抑制作用、あるいは、ウレアーゼ産生性の微生物に起因する疾患の予防又は治療などの効果をもたらす組成物として好適に使用され得、例えば、医薬品、医薬部外品、化粧品、衛生用品、日用品、衣類、掃除用品、又は飲食品もしくは飼料の形態として用いられる。
以下に、各組成物について説明する。
(ウレアーゼ活性阻害作用をもたらす組成物)
ウレアーゼ活性阻害作用をもたらす組成物としては、本発明の環状ジペプチド又はその塩により、ウレアーゼの活性を阻害することができる組成物を例示することができる。よって、当該組成物は、本発明のウレアーゼ活性阻害剤の一態様である。
前記組成物は、公知の医薬品、医薬部外品、化粧品、衛生用品、日用品、掃除用品、又は飲食品もしくは飼料を調製する際に、その原材料に本発明の環状ジペプチドを用いれば、公知の製造方法に従って調製することができる。具体的には、例えば、本発明の環状ジペプチド又はその塩に、所望により溶剤、分散剤、乳化剤、緩衝剤、安定剤、賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤等を加えて、公知の方法に従って、錠剤、顆粒剤、散剤、粉末剤、カプセル剤等の固形剤や、通常液剤、懸濁剤、乳剤等の液剤等に製剤化することができる。また、例えば、炭酸飲料、天然果汁、果汁飲料、清涼飲料水(果汁入りも含む)、果肉飲料、果粒入り果実食品、野菜系飲料、豆乳・豆乳飲料、コーヒー飲料、お茶飲料、ゼリー飲料、粉末飲料、濃縮飲料、スポーツ飲料、栄養飲料、アルコール飲料等の嗜好飲料類、栄養食品、サプリメント等の原材料に本発明の環状ジペプチド又はその塩を混合して、公知の方法に従って調製することもできる。またさらに、例えば、本発明の環状ジペプチド又はその塩に、所望により溶剤、分散剤、乳化剤、緩衝剤、安定剤等を公知技術に従って混合し、エアゾール剤、噴霧剤、スプレー剤、ムース剤、コーティング剤などの液状製品に調製することもできる。これらの組成物における、本発明の環状ジペプチド又はその塩の含有量は、その形態や目的に応じて適宜設定することができる。
また、前記組成物は体内に摂取することにより、体内に存在するウレアーゼの活性を阻害する作用を発揮する。なかでも、ウレアーゼの活性を阻害することでヘリコバクター・ピロリに起因する疾患の症状改善、予防に極めて有用である。すなわち、本発明の組成物は、上記疾患の予防又は改善を目的とすることを付した特定保健用食品、栄養機能食品、特別用途食品、機能性表示食品、健康補助食品(サプリメント)として、例えば、ウレアーゼの活性を阻害することにより発揮される機能の表示として、「胃粘膜を保護する」、「胃潰瘍若しくは十二指腸潰瘍を予防する」、「胃潰瘍若しくは十二指腸潰瘍を緩和する」、「慢性胃炎を緩和する」、「尿路結石の形成を予防する」、「アンモニア臭を抑える」、「口臭の発生を抑える」、「体臭の発生を抑える」、「おむつかぶれを防止する」旨の表示、もしくはこれらと同じ意味と解釈できる表示を付して提供することが可能になり、胃炎等に起因する食欲不振や胃もたれ等の症状を患う方、尿路結石を患う方、アンモニアに起因する口臭や体臭等に悩む方、おむつかぶれに悩む方等にとって極めて有用な組成物となる。かかる組成物における本発明の環状ジペプチド又はその塩の含有量としては、環状ジペプチドの種類、その調製条件や後処理条件等によって一概に設定することはできないが、その効果を発揮する観点から、好ましくは0.01w/w%以上、より好ましくは0.1w/w%以上、更に好ましくは1.0w/w%以上である。また、上限は特に設定されないが、例えば、50w/w%程度である。
(胃粘膜保護作用をもたらす組成物、及び、尿路結石形成抑制作用をもたらす組成物)
胃粘膜保護作用をもたらす組成物としては、本発明の環状ジペプチド又はその塩を体内に投与することにより、胃粘膜におけるアンモニア発生を抑制することで、アンモニアによる胃酸の中和を抑制して胃粘膜を保護する組成物を例示することができる。また、尿路結石形成抑制作用をもたらす組成物としては、例えば、ウレアーゼを産生するプロテウス・ミラビリスが尿路等に感染すると、ウレアーゼの反応産物であるアンモニアにより尿がアルカリ化されて尿路にリン酸塩結石が形成されやすくなるが、本発明の環状ジペプチド又はその塩を体内に投与することにより、尿路におけるアンモニア発生を抑制することで尿のアルカリ化を抑制できて、尿路結石の形成を抑制することができる。これらの組成物における本発明の環状ジペプチド又はその塩は、経口投与時に胃内や十二指腸内で分解されづらく、多くは未変化体のまま前記作用を奏することになる。
前記組成物は、公知の医薬品、医薬部外品、飲食品、又は飼料を調製する際に、その原材料に本発明の環状ジペプチドを混合して、公知の製造方法に従って調製してもよく、また、既製の公知の飲食品又は飼料に、本発明の環状ジペプチドを添加して、溶解及び/又は懸濁することで調製してもよい。具体的には、例えば、本発明の環状ジペプチド又はその塩に、所望により溶剤、分散剤、乳化剤、緩衝剤、安定剤、賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤等を加えて、公知の方法に従って、錠剤、顆粒剤、散剤、粉末剤、カプセル剤等の固形剤や、通常液剤、懸濁剤、乳剤等の液剤等に製剤化することができる。
また、例えば、炭酸飲料、天然果汁、果汁飲料、清涼飲料水(果汁入りも含む)、果肉飲料、果粒入り果実食品、野菜系飲料、豆乳・豆乳飲料、コーヒー飲料、お茶飲料、ゼリー飲料、粉末飲料、濃縮飲料、スポーツ飲料、栄養飲料、アルコール飲料等の嗜好飲料類、栄養食品、サプリメント等の原材料に本発明の環状ジペプチド又はその塩を混合して、公知の方法に従って調製することもできる。かかる組成物は、本発明の環状ジペプチド又はその塩を含有することにより、胃粘膜保護作用又は尿路結石形成抑制作用をもたらすことから、胃粘膜の保護作用や尿路結石の形成抑制作用を要する疾患の症状改善、予防に極めて有用である。すなわち、本発明の組成物は、前記疾患の予防又は改善を目的とすることを付した特定保健用食品、栄養機能食品、特別用途食品、機能性表示食品、健康補助食品(サプリメント)として、例えば、胃粘膜を保護することにより発揮される機能や尿路結石の形成を抑制することにより発揮される機能の表示として、「胃粘膜を保護する」、「胃潰瘍若しくは十二指腸潰瘍を予防する」、「胃潰瘍若しくは十二指腸潰瘍を緩和する」、「慢性胃炎を緩和する」、「尿路結石の形成を予防する」旨の表示を付して提供することが可能になり、胃炎等に起因する食欲不振や胃もたれ等の症状を患う方、尿路結石を患う方等にとって極めて有用な組成物となる。なお、本明細書において、胃粘膜の保護作用や尿路結石の形成抑制作用を要する疾患としては、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、慢性胃炎、肥満、高血圧症、高尿酸血症等が挙げられる。
前記組成物における本発明の環状ジペプチド又はその塩の含有量としては、環状ジペプチドの種類、その調製条件や後処理条件等によって一概に設定することはできないが、その効果を発揮する観点から、好ましくは0.01w/w%以上、より好ましくは0.1w/w%以上、更に好ましくは1.0w/w%以上である。また、上限は特に設定されないが、例えば、50w/w%程度である。
(アンモニア臭抑制作用をもたらす組成物)
アンモニア臭抑制作用をもたらす組成物は、アンモニア臭の解消が望まれる箇所や、ヒト、ペット、家畜等の糞尿が存在する場所に直接又はその周辺も含めた一帯に、散布、噴霧、又は塗布することで、本発明の環状ジペプチド又はその塩により尿素の分解が抑制されてアンモニア発生を抑制し、ひいては不快なアンモニア臭を軽減又は除去することができるという効果を奏する。かかる組成物の形態としては、例えば、本発明の環状ジペプチド又はその塩に、所望により溶剤、分散剤、乳化剤、緩衝剤、安定剤等を公知技術に従って混合し、エアゾール剤、噴霧剤、スプレー剤、ムース剤、コーティング剤などの液状製品に調製することもできる。
前記組成物における本発明の環状ジペプチド又はその塩の含有量としては、環状ジペプチドの種類、その調製条件や後処理条件等によって一概に設定することはできないが、その効果を発揮する観点から、好ましくは0.01w/v%以上、より好ましくは0.1w/v%以上、更に好ましくは1.0w/v%以上である。また、上限は特に設定されないが、例えば、50w/v%程度である。
(おむつかぶれ防止作用をもたらす組成物)
おむつかぶれ防止作用をもたらす組成物は、例えば、おむつ(布、紙、不織布等)に直接噴霧、塗布、又は浸漬して乾燥することにより本発明の環状ジペプチド又はその塩を付着させて、おむつに付帯した糞尿中の尿素からアンモニアが生成することを抑制し、アンモニアによる皮膚刺激を抑制して、おむつかぶれを防止することができる。かかる組成物の形態としては、例えば、本発明の環状ジペプチド又はその塩に、所望により溶剤、分散剤、乳化剤、緩衝剤、安定剤等を公知技術に従って混合し、エアゾール剤、噴霧剤、スプレー剤、ムース剤などの液状製品に調製することもできる。また、おむつ以外に、ウェットティッシュ、おしり拭き、衛生用シート、洗浄剤等に予め含有させることもできる。
前記組成物における本発明の環状ジペプチド又はその塩の含有量としては、環状ジペプチドの種類、その調製条件や後処理条件等によって一概に設定することはできないが、その効果を発揮する観点から、好ましくは0.01w/v%以上、より好ましくは0.1w/v%以上、更に好ましくは1.0w/v%以上である。また、上限は特に設定されないが、例えば、50w/v%程度である。
(家畜用の防臭作用をもたらす組成物)
家畜用の防臭作用をもたらす組成物は、例えば、畜舎やその敷藁に散布、噴霧、又は塗布することで、あるいは、飼料に混合することで、アンモニアの発生を抑制して防臭効果が得られる。かかる組成物の形態としては、例えば、本発明の環状ジペプチド又はその塩に、所望により溶剤、分散剤、乳化剤、緩衝剤、安定剤等を公知技術に従って混合し、エアゾール剤、噴霧剤、スプレー剤、ムース剤、コーティング剤などの液状製品に調製することができる。また、飼料には、本発明の環状ジペプチド又はその塩をそのまま混合してもよいし、本発明の環状ジペプチド又はその塩に、所望により溶剤、分散剤、乳化剤、緩衝剤、安定剤、賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤等を加えて、公知の方法に従って、錠剤、顆粒剤、散剤、粉末剤、カプセル剤等の固形剤に製剤化して混合することができる。
前記組成物における本発明の環状ジペプチド又はその塩の含有量としては、環状ジペプチドの種類、その調製条件や後処理条件等によって一概に設定することはできないが、その効果を発揮する観点から、好ましくは0.01w/v%以上、より好ましくは0.1w/v%以上、更に好ましくは1.0w/v%以上である。また、上限は特に設定されないが、例えば、50w/v%程度である。
(口臭若しくは体臭抑制作用をもたらす組成物)
口臭若しくは体臭抑制作用をもたらす組成物は、例えば、口腔内やアンモニア臭の解消が望まれる体の箇所に直接噴霧又は塗布することで、アンモニアの発生を抑制することができて防臭効果が得られる。かかる組成物の形態としては、例えば、本発明の環状ジペプチド又はその塩に、所望により溶剤、分散剤、乳化剤、緩衝剤、安定剤等を公知技術に従って混合し、エアゾール剤、噴霧剤、スプレー剤、ムース剤、コーティング剤などの液状製品に調製することもできる。
前記組成物における本発明の環状ジペプチド又はその塩の含有量としては、環状ジペプチドの種類、その調製条件や後処理条件等によって一概に設定することはできないが、その効果を発揮する観点から、好ましくは0.01w/v%以上、より好ましくは0.1w/v%以上、更に好ましくは1.0w/v%以上である。また、上限は特に設定されないが、例えば、50w/v%程度である。
本発明はまた、本発明の環状ジペプチド又はその塩を用いることを特徴する、各種方法を提供する。即ち、本発明の方法としては、前記特徴を有する、ウレアーゼの活性を阻害する方法、胃粘膜を保護する方法、尿路結石の形成を抑制する方法、アンモニア臭を抑制する方法、おむつかぶれを防止する方法、家畜の臭気を抑制する方法、及び、口臭若しくは体臭を抑制する方法を挙げることができる。これらの方法において用いることのできる環状ジペプチド又はその塩、それらの使用量、及びその使用方法については、本発明のウレアーゼ活性阻害剤及び各種方法に対応する組成物の項を参照することができる。
またさらに、本発明は、本発明の環状ジペプチド又はその塩を、本発明の組成物の原料として使用することを特徴とする、各種組成物の製造方法を提供する。即ち、本発明の製造方法としては、前記特徴を有する、ウレアーゼ活性阻害作用をもたらす組成物の製造方法、胃粘膜保護作用をもたらす組成物の製造方法、尿路結石形成抑制作用をもたらす組成物の製造方法、アンモニア臭抑制作用をもたらす組成物の製造方法、おむつかぶれ防止作用をもたらす組成物の製造方法、家畜用の防臭作用をもたらす組成物の製造方法、口臭若しくは体臭抑制作用をもたらす組成物の製造方法、ならびに、ヘリコバクター・ピロリに起因する疾患の予防又は治療などの効果をもたらす組成物の製造方法を挙げることができる。
本発明の製造方法は、本発明の環状ジペプチド又はその塩を組成物の原料として使用するのであれば使用量、添加時期、添加方法は特に限定されず、その他に添加配合される成分も限定なく用いることができ、その使用量や添加方法も公知技術に従って適宜選択することができる。具体的には、例えば、製剤分野や食品分野等において通常使用される担体、基剤、及び/又は添加剤等を本発明の目的を達成する範囲内で適宜配合することができる。
上述した実施形態に関し、本発明は、さらに、以下の剤及び組成物、それらの使用を開示する。
<1> 環状ジペプチド又はその塩を有効成分とする、ウレアーゼ活性阻害剤。
<2> 環状ジペプチドが、シクロトリプトファニルプロリン、シクロアルギニルフェニルアラニン、シクロイソロイシルロイシン、シクログルタミルリシン、シクロメチオニルセリン、シクロアルギニルグルタミン酸、シクロアスパラギニルアスパラギン、シクログルタミニルグルタミン、及びシクログルタミルグルタミン酸からなる群より選ばれる1つ又は2つ以上を含むものである、前記<1>記載のウレアーゼ活性阻害剤。
<3> 環状ジペプチド又はその塩が、植物由来成分及び/又は動物由来成分に含有されてなる、前記<1>又は<2>記載のウレアーゼ活性阻害剤。
<4> 植物由来成分が、大豆、麦芽、大麦、小麦、花き、及び茶からなる群より選ばれる1種又は2種以上の抽出物である、前記<3>記載のウレアーゼ活性阻害剤。
<5> 動物由来成分が、コラーゲン、アルブミン、カゼイン、プラセンタ、及びグロブリンからなる群より選ばれる1種又は2種以上である、前記<3>記載のウレアーゼ活性阻害剤。
<6> 胃粘膜保護、尿路結石形成抑制、アンモニア臭抑制、おむつかぶれ防止、家畜の防臭、又は、口臭若しくは体臭抑制に用いられる、前記<1>〜<5>いずれかに記載のウレアーゼ活性阻害剤。
<7> ウレアーゼ産生性の微細物に起因する疾患の予防又は治療に用いられる、前記<1>〜<5>いずれかに記載のウレアーゼ活性阻害剤。
<8> 環状ジペプチド又はその塩を有効成分とする、胃粘膜保護剤。
<9> 環状ジペプチドが、シクロトリプトファニルプロリン、シクロアルギニルフェニルアラニン、シクロイソロイシルロイシン、シクログルタミルリシン、シクロメチオニルセリン、シクロアルギニルグルタミン酸、シクロアスパラギニルアスパラギン、シクログルタミニルグルタミン、及びシクログルタミルグルタミン酸からなる群より選ばれる1つ又は2つ以上を含むものである、前記<8>記載の胃粘膜保護剤。
<10> 環状ジペプチド又はその塩が、植物由来成分及び/又は動物由来成分に含有されてなる、前記<8>又は<9>記載の胃粘膜保護剤。
<11> 環状ジペプチド又はその塩を有効成分とする、尿路結石形成抑制剤。
<12> 環状ジペプチドが、シクロトリプトファニルプロリン、シクロアルギニルフェニルアラニン、シクロイソロイシルロイシン、シクログルタミルリシン、シクロメチオニルセリン、シクロアルギニルグルタミン酸、シクロアスパラギニルアスパラギン、シクログルタミニルグルタミン、及びシクログルタミルグルタミン酸からなる群より選ばれる1つ又は2つ以上を含むものである、前記<11>記載の尿路結石形成抑制剤。
<13> 環状ジペプチド又はその塩が、植物由来成分及び/又は動物由来成分に含有されてなる、前記<11>又は<12>記載の尿路結石形成抑制剤。
<14> 環状ジペプチド又はその塩を有効成分とする、アンモニア臭抑制剤。
<15> 環状ジペプチドが、シクロトリプトファニルプロリン、シクロアルギニルフェニルアラニン、シクロイソロイシルロイシン、シクログルタミルリシン、シクロメチオニルセリン、シクロアルギニルグルタミン酸、シクロアスパラギニルアスパラギン、シクログルタミニルグルタミン、及びシクログルタミルグルタミン酸からなる群より選ばれる1つ又は2つ以上を含むものである、前記<14>記載のアンモニア臭抑制剤。
<16> 環状ジペプチド又はその塩が、植物由来成分及び/又は動物由来成分に含有されてなる、前記<14>又は<15>記載のアンモニア臭抑制剤。
<17> 環状ジペプチド又はその塩を有効成分とする、おむつかぶれ防止剤。
<18> 環状ジペプチドが、シクロトリプトファニルプロリン、シクロアルギニルフェニルアラニン、シクロイソロイシルロイシン、シクログルタミルリシン、シクロメチオニルセリン、シクロアルギニルグルタミン酸、シクロアスパラギニルアスパラギン、シクログルタミニルグルタミン、及びシクログルタミルグルタミン酸からなる群より選ばれる1つ又は2つ以上を含むものである、前記<17>記載のおむつかぶれ防止剤。
<19> 環状ジペプチド又はその塩が、植物由来成分及び/又は動物由来成分に含有されてなる、前記<17>又は<18>記載のおむつかぶれ防止剤。
<20> 環状ジペプチド又はその塩を有効成分とする、家畜の防臭剤。
<21> 環状ジペプチドが、シクロトリプトファニルプロリン、シクロアルギニルフェニルアラニン、シクロイソロイシルロイシン、シクログルタミルリシン、シクロメチオニルセリン、シクロアルギニルグルタミン酸、シクロアスパラギニルアスパラギン、シクログルタミニルグルタミン、及びシクログルタミルグルタミン酸からなる群より選ばれる1つ又は2つ以上を含むものである、前記<20>記載の家畜の防臭剤。
<22> 環状ジペプチド又はその塩が、植物由来成分及び/又は動物由来成分に含有されてなる、前記<20>又は<21>記載の家畜の防臭剤。
<23> 環状ジペプチド又はその塩を有効成分とする、口臭若しくは体臭抑制剤。
<24> 環状ジペプチドが、シクロトリプトファニルプロリン、シクロアルギニルフェニルアラニン、シクロイソロイシルロイシン、シクログルタミルリシン、シクロメチオニルセリン、シクロアルギニルグルタミン酸、シクロアスパラギニルアスパラギン、シクログルタミニルグルタミン、及びシクログルタミルグルタミン酸からなる群より選ばれる1つ又は2つ以上を含むものである、前記<23>記載の口臭若しくは体臭抑制剤。
<25> 環状ジペプチド又はその塩が、植物由来成分及び/又は動物由来成分に含有されてなる、前記<23>又は<24>記載の口臭若しくは体臭抑制剤。
<26> 前記<1>〜<7>いずれか記載のウレアーゼ活性阻害剤、前記<8>〜<10>いずれか記載の胃粘膜保護剤、前記<11>〜<13>いずれか記載の尿路結石形成抑制剤、前記<14>〜<16>いずれか記載のアンモニア臭抑制剤、前記<17>〜<19>いずれか記載のおむつかぶれ防止剤、前記<20>〜<22>いずれか記載の家畜の防臭剤、又は前記<23>〜<25>いずれか記載の口臭若しくは体臭抑制剤を含有してなる、組成物。
<27> ウレアーゼの活性を阻害することにより発揮される機能、胃粘膜保護、尿路結石形成抑制、及び、口臭若しくは体臭抑制の少なくとも1つの表示を付した、前記<26>記載の組成物。
<28> 環状ジペプチド又はその塩を有効成分として用いることを特徴とする、アンモニア臭を抑制する方法。
<29> 環状ジペプチド又はその塩を有効成分として用いることを特徴とする、家畜の臭気を抑制する方法。
<30> 環状ジペプチド又はその塩を有効成分として用いることを特徴とする、口臭若しくは体臭を抑制する方法。
<31> ウレアーゼ活性を阻害するための組成物の調製における、環状ジペプチド又はその塩の使用。
<32> 胃粘膜を保護するための組成物の調製における、環状ジペプチド又はその塩の使用。
<33> 尿路結石の形成を抑制するための組成物の調製における、環状ジペプチド又はその塩の使用。
<34> アンモニア臭を抑制するための、環状ジペプチド又はその塩の使用。
<35> おむつかぶれを防止するための組成物の調製における、環状ジペプチド又はその塩の使用。
<36> 家畜の臭気を抑制するための、環状ジペプチド又はその塩の使用。
<37> 口臭若しくは体臭を抑制するための、環状ジペプチド又はその塩の使用。
以下、実施例を示して本発明を具体的に説明するが、本発明は下記実施例に制限されるものではない。
実施例1 ウレアーゼ活性阻害効果
ウレアーゼ活性阻害評価は以下のプロトコルに従って検討した。なお、環状ジペプチドは神戸天然物化学社において化学合成した標品を以下の実験に供した。
<ウレアーゼ溶液の調製>
ウレアーゼ粉末(151U/mg、東洋紡社製)15mgを純水100mLに溶解し、凍結保存したものをストックとした。使用前にストックを純水で10倍に希釈したものを試験に供した。
<酢酸緩衝液の調製>
酢酸水溶液(71.5mLの酢酸(ナカライテスク社製)を純水に溶解して1000mLとした)と酢酸ナトリウム水溶液(51.3gの酢酸ナトリウム(ナカライテスク社製)を純水に溶解して500mLとした)を混合し、pH4.1に調整した。これを使用時に純水で10倍に希釈し、エタノール(ナカライテスク社製)と4:1の割合で混合することで0.1mol/L酢酸緩衝液を得た。
<基質溶液の調製>
尿素(ナカライテスク社製)0.3gを50mLの純水に溶解し、基質溶液を調製した。
<発色試薬の調製>
発色試薬A液、B液を以下のように調製した。
A液:フェノール(ナカライテスク社製)5gとニトロプルシドナトリウム(ナカライテスク社製)25mgとを500mLの水に溶解してA液とした。
B液:1%水酸化ナトリウム水溶液(4mol/L水酸化ナトリウムを水で希釈して調製、ナカライテスク社製)19.7mLと次亜塩素酸ナトリウム(ナカライテスク社製)0.3mLとを混合してB液とした。
<評価化合物溶液の調製>
評価化合物の溶解性に応じて、水又は1%DMSO含有水溶液に環状ジペプチドを溶解したものを試験に供した。評価化合物溶液の代わりに、評価化合物を含有しない水又は1%DMSO含有水溶液をそれぞれコントロール群として使用した。
<ウレアーゼ活性阻害の評価>
以下の反応は全て37℃の恒温槽において実施した。96ウェルプラスチックプレート(Greiner社製、透明)の各ウェルに上記で調製した酢酸緩衝液125μL、ウレアーゼ溶液20μL、評価化合物溶液5μLを添加し、ピペッティングにより混和した後にプレインキュベーションを行った。次に、保温していた基質溶液50μLを添加し、ピペッティングによる混和により反応を開始した。一方、これとは別の96ウェルプレートを測定用プレートとして準備し、各ウェルに水90μL、A液50μL加えて保温した。反応開始10分後、反応液10μLを測定用プレートに移し、ピペッティングにより混合することでウレアーゼによる反応を停止した。さらに15分後、測定用プレートにB液50μLを添加して同様に混合し、30分以上静置した。その後、すべてのウェルについて640nm吸光度を測定し、以下の(式1)を用いてウレアーゼ活性阻害率(%)を算出した。なお、阻害剤のポジティブコントロールとしてアセトヒドロキサム酸(東京化成工業社製)を使用し、100μMで50%以上の阻害がみられることを確認した。結果を表1に示す(n=3)。ここで表記の濃度は、反応液中での最終濃度(μM)を示している。
(式1)
活性阻害率(%)=100×(1−評価化合物溶液添加群における吸光度/コントロール群における吸光度)
Figure 2017038799
以上の結果から、表1に記載の環状ジペプチドは、ウレアーゼの活性阻害作用を有することがわかる。
以下、本発明の環状ジペプチド又はその塩を配合した組成物の具体的処方を例示する。これらの組成物は公知の方法に従って調製することができる。
(処方例)
本発明のウレアーゼ阻害剤を用いた各種医薬品、医薬部外品、清浄用化粧品並びに食品の製造例を以下に示すが、本発明はこれらに限定されるわけではない。
(処方例1)胃粘膜保護剤
環状ジペプチド含有大豆ペプチド熱処理物 15.0g
アスコルビン酸マグネシウム 0.5g
酢酸DL-α-トコフェロール 0.5g
シリコーン油 30.0g
ツイーン80 0.05g
コーンスターチ 48.95g
上記の成分を均一に混合し、200mgをゼラチンカプセルに充填して、カプセル剤を製造した。
(処方例2)尿路結石抑制剤
環状ジペプチド含有茶ペプチド熱処理物 20.0mg
コーンスターチ 50.0mg
ヒドロキシプロピルメチルセルロース 150.0mg
カルボキシメチルキチン 30.0mg
上記の成分を均一に混合し打錠して、錠剤を製造した。
(処方例3)口臭抑制剤
環状ジペプチド含有麦芽ペプチド熱処理物 100.0mg
コーンスターチ 80.0mg
メチルセルロース 40.0mg
ステアリン酸マグネシウム 20.0mg
タルク 10.0mg
上記の成分を均一に混合し打錠して、錠剤を製造した。
(処方例4)体臭抑制剤 質量%
環状ジペプチド含有茶ペプチド熱処理物 1.8
クエン酸酸ナトリウム 2.0
ラウリン酸カリウム 15.0
ミリスチン酸カリウム 5.0
プロピレングリコール 5.0
ソルビトール 3.0
ポリエチレン末 0.5
ヒドロキシプロピルキトサン溶液 0.5
防腐剤 適量
pH調整剤 適量
香料 適量
精製水 100とする残余
(処方例5)おむつかぶれ防止用ベビーパウダー 質量%
環状ジペプチド含有茶ペプチド熱処理物 2.0
麦芽ペプチド熱処理物 2.0
酸化亜鉛 35.0
ベタイン 2.0
ユーカリ葉油 1.5
メントール 3.2
ポリエチレン末 15.5
香料 適量
タルク 100とする残余
(処方例6)おしり拭い用シート 質量%
環状ジペプチド含有茶ペプチド熱処理物 1.2
セイヨウスモモ抽出物 0.8
エタノール 8.0
プロピレングリコール 12.0
防腐剤 適量
精製水 100とする残余
上記成分を混合した液剤をガーゼに1.4質量%となる量を均一に噴霧することで、おしり拭い用シートが得られた。
本発明のウレアーゼ活性阻害剤は、含有される環状ジペプチドが胃内や十二指腸内で分解されづらいという特徴を有し、生体内のウレアーゼの活性を阻害して、例えば胃粘膜保護作用、尿路結石形成抑制作用、あるいは、ウレアーゼ産生性の微生物に起因する疾患の予防又は治療などの作用をもたらす可能性や、糞尿からのアンモニア臭抑制作用やおむつかぶれ防止作用、家畜用の防臭作用、口臭若しくは体臭抑制作用をもたらすことを期待して用いることができる。

Claims (26)

  1. 環状ジペプチド又はその塩を有効成分とする、ウレアーゼ活性阻害剤。
  2. 環状ジペプチドが、シクロトリプトファニルプロリン、シクロアルギニルフェニルアラニン、シクロイソロイシルロイシン、シクログルタミルリシン、シクロメチオニルセリン、シクロアルギニルグルタミン酸、シクロアスパラギニルアスパラギン、シクログルタミニルグルタミン、及びシクログルタミルグルタミン酸からなる群より選ばれる1つ又は2つ以上を含むものである、請求項1記載のウレアーゼ活性阻害剤。
  3. 環状ジペプチド又はその塩が、植物由来成分及び/又は動物由来成分に含有されてなる、請求項1又は2記載のウレアーゼ活性阻害剤。
  4. 植物由来成分が、大豆、麦芽、大麦、小麦、花き、及び茶からなる群より選ばれる1種又は2種以上の抽出物である、請求項3記載のウレアーゼ活性阻害剤。
  5. 動物由来成分が、コラーゲン、アルブミン、カゼイン、プラセンタ、及びグロブリンからなる群より選ばれる1種又は2種以上である、請求項3記載のウレアーゼ活性阻害剤。
  6. 胃粘膜保護、尿路結石形成抑制、アンモニア臭抑制、おむつかぶれ防止、家畜の防臭、又は、口臭若しくは体臭抑制に用いられる、請求項1〜5いずれかに記載のウレアーゼ活性阻害剤。
  7. ウレアーゼ産生性の微生物に起因する疾患の予防又は治療に用いられる、請求項1〜5いずれかに記載のウレアーゼ活性阻害剤。
  8. 微生物が、ヘリコバクター・ピロリ、シュードモナス エルギノーサ、スピロヘータ、又はプロテウス・ミラビリスである、請求項7に記載のウレアーゼ活性阻害剤。
  9. 環状ジペプチド又はその塩を有効成分とする、胃粘膜保護剤。
  10. 環状ジペプチド又はその塩を有効成分とする、尿路結石形成抑制剤。
  11. 環状ジペプチド又はその塩を有効成分とする、アンモニア臭抑制剤。
  12. 環状ジペプチド又はその塩を有効成分とする、おむつかぶれ防止剤。
  13. 環状ジペプチド又はその塩を有効成分とする、家畜の防臭剤。
  14. 環状ジペプチド又はその塩を有効成分とする、口臭若しくは体臭抑制剤。
  15. 請求項1〜8いずれか記載のウレアーゼ活性阻害剤、請求項9記載の胃粘膜保護剤、請求項10記載の尿路結石形成抑制剤、請求項11記載のアンモニア臭抑制剤、請求項12記載のおむつかぶれ防止剤、請求項13記載の家畜の防臭剤、又は請求項14記載の口臭若しくは体臭抑制剤を含有してなる、組成物。
  16. ウレアーゼの活性を阻害することにより発揮される機能、胃粘膜保護、尿路結石形成抑制、及び、口臭若しくは体臭抑制の少なくとも1つの表示を付した、請求項15記載の組成物。
  17. 環状ジペプチド又はその塩を有効成分として用いることを特徴とする、アンモニア臭を抑制する方法。
  18. 環状ジペプチド又はその塩を有効成分として用いることを特徴とする、家畜の臭気を抑制する方法。
  19. 環状ジペプチド又はその塩を有効成分として用いることを特徴とする、口臭若しくは体臭を抑制する方法。
  20. ウレアーゼ活性を阻害するための組成物の調製における、環状ジペプチド又はその塩の使用。
  21. 胃粘膜を保護するための組成物の調製における、環状ジペプチド又はその塩の使用。
  22. 尿路結石の形成を抑制するための組成物の調製における、環状ジペプチド又はその塩の使用。
  23. アンモニア臭を抑制するための、環状ジペプチド又はその塩の使用。
  24. おむつかぶれを防止するための組成物の調製における、環状ジペプチド又はその塩の使用。
  25. 家畜の臭気を抑制するための、環状ジペプチド又はその塩の使用。
  26. 口臭若しくは体臭を抑制するための、環状ジペプチド又はその塩の使用。
JP2017538037A 2015-09-04 2016-08-30 ウレアーゼ活性阻害剤 Expired - Fee Related JP6719475B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015174802 2015-09-04
JP2015174802 2015-09-04
PCT/JP2016/075280 WO2017038799A1 (ja) 2015-09-04 2016-08-30 ウレアーゼ活性阻害剤

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2017038799A1 true JPWO2017038799A1 (ja) 2018-07-12
JP6719475B2 JP6719475B2 (ja) 2020-07-08

Family

ID=58188061

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017538037A Expired - Fee Related JP6719475B2 (ja) 2015-09-04 2016-08-30 ウレアーゼ活性阻害剤

Country Status (3)

Country Link
JP (1) JP6719475B2 (ja)
TW (1) TW201722456A (ja)
WO (1) WO2017038799A1 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN108186943A (zh) * 2018-03-25 2018-06-22 张奉明 一种有益消化道健康的铁皮石斛组合物及其制备方法
WO2023135341A1 (es) * 2022-01-12 2023-07-20 Fertinagro Biotech, S.L. Composición inhibidora de la ureasa y utilización de la misma

Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS60248618A (ja) * 1984-05-24 1985-12-09 Nippon Zoki Pharmaceut Co Ltd ジペプチドを含有する潰瘍治療剤
JPH07503456A (ja) * 1991-10-28 1995-04-13 サイトラン・リミテッド 医薬的ジペプチド組成物およびその使用法
JP2000327575A (ja) * 1999-05-26 2000-11-28 Teika Seiyaku Kk ジケトピペラジン誘導体含有炎症疾患治療剤および新規なジケトピペラジン誘導体
JP2008056661A (ja) * 2006-08-02 2008-03-13 Daiichi Sankyo Healthcare Co Ltd 高尿酸血症又はこれに起因する疾患の予防又は治療のための医薬又は食品組成物
WO2008129802A1 (ja) * 2007-03-20 2008-10-30 Sanwa Shurui Co., Ltd. 血清尿酸値低下剤および血清尿酸値を低下させる旨の表示を付した飲食品
JP2011074017A (ja) * 2009-09-30 2011-04-14 Fujiyakuhin Co Ltd 新規フェノール誘導体
JP2013053115A (ja) * 2011-09-06 2013-03-21 Josho Gakuen α環状ジペプチドの製造方法
JP5690028B1 (ja) * 2014-06-20 2015-03-25 サントリーホールディングス株式会社 尿酸値低下剤

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006325447A (ja) * 2005-05-24 2006-12-07 Nisshin Pharma Inc 抗ヘリコバクター・ピロリ飲食品
JP4593639B2 (ja) * 2008-03-04 2010-12-08 株式会社マルハニチロ食品 ペプチド含有摂食調節剤
JP5576653B2 (ja) * 2008-12-26 2014-08-20 サントリー食品インターナショナル株式会社 環状ジペプチド含有飲料
CN105311619A (zh) * 2014-06-18 2016-02-10 陈光健 一种环二肽在制备治疗消化道溃疡的药物中的应用
WO2015194035A1 (ja) * 2014-06-20 2015-12-23 サントリーホールディングス株式会社 環状ジペプチド含有組成物
CN105622716A (zh) * 2014-10-28 2016-06-01 四川好医生药业集团有限公司 一种用于创面修复的环二肽
CN105622717A (zh) * 2014-10-29 2016-06-01 四川好医生药业集团有限公司 六个用于创面修复的环二肽

Patent Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS60248618A (ja) * 1984-05-24 1985-12-09 Nippon Zoki Pharmaceut Co Ltd ジペプチドを含有する潰瘍治療剤
JPH07503456A (ja) * 1991-10-28 1995-04-13 サイトラン・リミテッド 医薬的ジペプチド組成物およびその使用法
JP2000327575A (ja) * 1999-05-26 2000-11-28 Teika Seiyaku Kk ジケトピペラジン誘導体含有炎症疾患治療剤および新規なジケトピペラジン誘導体
JP2008056661A (ja) * 2006-08-02 2008-03-13 Daiichi Sankyo Healthcare Co Ltd 高尿酸血症又はこれに起因する疾患の予防又は治療のための医薬又は食品組成物
WO2008129802A1 (ja) * 2007-03-20 2008-10-30 Sanwa Shurui Co., Ltd. 血清尿酸値低下剤および血清尿酸値を低下させる旨の表示を付した飲食品
JP2011074017A (ja) * 2009-09-30 2011-04-14 Fujiyakuhin Co Ltd 新規フェノール誘導体
JP2013053115A (ja) * 2011-09-06 2013-03-21 Josho Gakuen α環状ジペプチドの製造方法
JP5690028B1 (ja) * 2014-06-20 2015-03-25 サントリーホールディングス株式会社 尿酸値低下剤

Non-Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
FUSAOKA Y.ET AL: "Synthesis and interaction with metal ions of cyclic oligopeptides bearing carboxyl groups.", INTERNATIONAL JOURNAL OF PEPTIDE & PROTEIN RESEARCH, vol. 34(2), JPN6016040543, 1989, pages 104 - 110, ISSN: 0004189293 *

Also Published As

Publication number Publication date
WO2017038799A1 (ja) 2017-03-09
TW201722456A (zh) 2017-07-01
JP6719475B2 (ja) 2020-07-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101735124B1 (ko) 항균성 조성물
JP6669750B2 (ja) 環状ジペプチド含有血清カルノシン分解酵素阻害用組成物
JPH03220130A (ja) 病原菌付着阻止剤及びそれを含有する飲食品等
JP4450355B2 (ja) ウレアーゼ阻害剤、アンモニア臭抑制剤およびおむつかぶれ防止剤
JP6719475B2 (ja) ウレアーゼ活性阻害剤
US20150025132A1 (en) Compositions and methods for inhibiting endospores using green tea polyphenols
JP4395623B2 (ja) 抗菌剤
US20200214290A1 (en) Compositions and Methods for Inhibiting Endospores Using Green Tea Polyphenols
WO2017119481A1 (ja) 環状ジペプチド含有神経性疾患予防用組成物
JP6713981B2 (ja) リパーゼ阻害剤
JP6159918B2 (ja) ヒアルロニダーゼ阻害剤及びヒアルロニダーゼの活性を阻害する方法
JP2006241039A (ja) ウレアーゼ阻害剤
WO2017119476A1 (ja) 神経性疾患予防用組成物
JP6661597B2 (ja) α−グルコシダーゼ阻害剤
KR101610894B1 (ko) 맛이 차폐된 비타민 c 과립
JP4315496B2 (ja) 硫酸還元菌からの硫化水素産生阻害剤およびそれを含有する硫化水素産生阻害組成物
JP2015140325A (ja) コラゲナーゼ阻害剤、並びにコラゲナーゼ阻害剤を配合した化粧料組成物及び機能性食品
KR102347243B1 (ko) 퀼라야 추출물을 함유하는 항바이러스용 조성물
KR20040061043A (ko) 코코아 성분을 함유하는 의약품, 음식물 및 사료
US20200296998A1 (en) Feed compositions enhancing zootechnical performance in livestock
KR20110122961A (ko) 헴프 종자 추출물을 포함하는 관절염 예방 및 치료용 조성물
JP4974475B2 (ja) アカシア属樹皮由来物を含有する掻痒の予防及び/又は治療用組成物
KR101810292B1 (ko) 10e,12z 공액리놀레산을 유효성분으로 포함하는 결핵의 치료 또는 예방용 조성물
KR20220120521A (ko) 퀼라야 추출물을 함유하는 소취용 조성물
TW200816932A (en) Functional chewy food and process for production and use thereof

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20181225

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200108

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200306

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20200526

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20200616

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6719475

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees