JPWO2016043103A1 - 非病原性口腔内常在菌の生育促進剤又は口腔内の菌叢改善剤並びに口腔用組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】口腔内の非病原性常在菌の生育促進及び菌叢改善効果が優れ、常在細菌叢のバランス保持に有効である、ヤマブシタケ(Hericium erinaceus)、マイタケ(Grifola frondosa)、ホンシメジ(Lyophyllum shimeji)、ブナシメジ(Hypsizygus marmoreus)、ヒラタケ(Pleurotus ostreatus)、アガリクス(Agaricus blazei)及びシイタケ(Lentinula edodes)から選ばれる1種以上のキノコの乾燥粉末又はその抽出物からなる非病原性口腔内常在菌の生育促進剤又は口腔内の菌叢改善剤、並びにこれを含有する口腔用組成物を提供する。

Description

本発明は、口腔内の非病原性常在菌の生育促進及び口腔内の菌叢改善効果が優れ、常在細菌叢のバランス保持に有効な、非病原性口腔内常在菌の生育促進剤又は口腔内の菌叢改善剤並びにこれを含む口腔用組成物に関する。
ヒトの身体には様々な細菌が共生しており、常在細菌叢と呼ばれる細菌集団を形成している。この常在細菌叢には、病原菌や日和見感染菌が存在しているが、細菌叢のバランスが保たれている状態ではこれら細菌を原因とする疾患は抑制されており、いわゆる健康な状態にある。しかし、食生活や抗生剤の摂取、ストレス、加齢などが原因となって細菌叢のバランスが崩れると、病原菌や日和見感染菌が増加し疾患となる。このため、疾患の制御には、病原菌を抑制するだけではなく、非病原性の常在菌を活性化することで常在細菌叢のバランスを保つことが重要である。
口腔内に生育する数百種類もの細菌の中で、病原性を示す細菌は、歯周病の原因菌であるポルフィロモナス ジンジバリス(Porphyromonas gingivalis)、う蝕の原因菌であるストレプトコッカス ミュータンス(Streptococcus mutans)を代表とする数種類の細菌に過ぎない。残りのほとんどは、通常、ヒトへの病原性を示さないストレプトコッカス ゴルドニアイ(Streptococcus gordonii)、ストレプトコッカス ミティス(Streptococcus mitis)、ストレプトコッカス オラリス(Streptococcus oralis)を代表とするミティス(Mitis)グループなどのストレプトコッカス(連鎖球菌)属細菌や、ベイオネラ パービューラ(Veillonella parvula)等のヴェイオネラ属細菌、ナイセリア サブフラバ(Neisseria subflaba)等のナイセリア属細菌などの通常、口腔内においては非病原性の常在菌である。従って、口腔疾患の予防には、口腔内において、これら非病原性の常在菌からなる細菌叢をバランス良く維持、形成することが重要となる。
特に、ミティスグループの連鎖球菌は、上記したう蝕や歯周病の原因菌の歯面付着に関与したり、抗菌作用を有することが知られており(非特許文献1)、また、プロバイオティクスとしての利用も開示されている(特許文献1;国際公開第2013/021957号)、口腔疾患抑制に作用する常在菌である。
そこで、ガングリオシドを有効成分とする口腔内細菌叢改善剤及び常在菌の生育促進剤(特許文献2;特開2005−320275号公報)や、カフェインを用いて口腔細菌叢を改善する技術(特許文献3;特開2012−77053号公報)、う蝕原性細菌に対する抗菌力を有すると共に乳酸分解細菌を増やす効果を有する口腔用組成物(特許文献4、5;特開平08−175946号公報、特開平08−175947号公報)が提案されているが、これら技術による効果は十分ではなかった。
国際公開第2013/021957号 特開2005−320275号公報 特開2012−77053号公報 特開平08−175946号公報 特開平08−175947号公報 特開2007−1961号公報 特開2010−77028号公報 特開2004−26701号公報 特開2001−151690号公報
Van Hoogmoed CG他、Applied Environmental Microbiology、66(2)、p659−663、2000年
従って、口腔内の非病原性常在菌の生育を促進して菌叢を改善し、常在細菌叢をバランス良く維持、形成させることができる新たな技術の開発が望まれた。
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、口腔内の非病原性常在菌の生育促進及び口腔内の菌叢改善効果が優れ、常在細菌叢のバランス保持に有効な、非病原性口腔内常在菌の生育促進剤又は口腔内の菌叢改善剤並びに口腔用組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討を行った結果、特定のキノコの乾燥粉末又はその抽出物が、口腔内の非病原性常在菌の生育を促進し、細菌叢を改善する優れた効果を奏し、これを口腔用組成物に配合することによって、優れた非病原性口腔内常在菌の生育促進及び菌叢改善効果を与え、口腔内の常在細菌叢のバランスを良好に保持させ得ることを知見した。
即ち、キノコやその抽出物には、口腔疾患の原因菌に対する抗菌作用や歯垢形成抑制、抗炎症等の作用があり、これを口腔用組成物に配合するとう蝕、歯周病の抑制に有効であることは知られている(特許文献6〜9;特開2007−1961号公報、特開2010−77028号公報、特開2004−26701号公報、特開2001−151690号公報)が、本発明においては、後述する特定のキノコの乾燥粉末又はその抽出物が、意外にも、口腔内の非病原性常在菌に対しては抗菌作用ではなく、その増殖を選択的に活性化して生育を促進するという、今まで知られていなかった作用を奏することを発見し、これにより、非病原性口腔内常在菌の生育促進剤又は口腔内の菌叢改善剤という、新たな用途への使用に適することを見出した。
この場合、本発明では、口腔内の非病原性常在菌、特にストレプトコッカス ゴルドニアイ(Streptococcus gordonii)、ストレプトコッカス ミティス(Streptococcus mitis)、ストレプトコッカス オラリス(Streptococcus oralis)から選ばれるミティス(Mitis)グループの連鎖球菌の増殖を特異的に活性化してその生育を促進し、細菌叢のバランスを改善できる。これによって、口腔内の常在細菌叢のバランスが、食生活の乱れなどで崩れるのを防止して健康な状態に保持し、また、口腔疾患の抑制に関与するミティスグループの連鎖球菌が増えることでう蝕、歯周病等の口腔疾患を抑制し、病原性に傾くのを防止することも可能となる。
よって、本発明によれば、口腔内の非病原性常在菌の生育促進剤として、また、口腔内の非病原性常在菌を選択的に生育促進することによって、特に非病原性の常在菌主体の細菌叢を形成する菌叢改善剤として有用な製剤を与えることができる。
従って、本発明は、下記の非病原性口腔内常在菌の生育促進剤又は菌叢改善剤、並びに口腔用組成物を提供する。
〔1〕
ヤマブシタケ(Hericium erinaceus)、マイタケ(Grifola frondosa)、ホンシメジ(Lyophyllum shimeji)、ブナシメジ(Hypsizygus marmoreus)、ヒラタケ(Pleurotus ostreatus)、アガリクス(Agaricus blazei)及びシイタケ(Lentinula edodes)から選ばれる1種以上のキノコの乾燥粉末又はその抽出物からなる非病原性口腔内常在菌の生育促進剤又は口腔内の菌叢改善剤。
〔2〕
キノコの乾燥粉末又はその抽出物が、キノコ子実体の乾燥粉砕粉末又はその水抽出物である〔1〕記載の生育促進剤又は菌叢改善剤。
〔3〕
キノコがヤマブシタケ(Hericium erinaceus)である〔1〕又は〔2〕記載の生育促進剤又は菌叢改善剤。
〔4〕
非病原性口腔内常在菌が、ストレプトコッカス ゴルドニアイ(Streptococcus gordonii)、ストレプトコッカス ミティス(Streptococcus mitis)及びストレプトコッカス オラリス(Streptococcus oralis)から選ばれるミティス(Mitis)グループの連鎖球菌である〔1〕、〔2〕又は〔3〕記載の生育促進剤又は菌叢改善剤。
〔5〕
キノコの乾燥粉末又はその抽出物の濃度が、キノコの乾燥粉末換算で0.001〜50質量%である〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載の生育促進剤又は菌叢改善剤。
〔6〕
〔1〕〜〔5〕のいずれかに記載の生育促進剤又は菌叢改善剤を含有する口腔用組成物。
〔7〕
生育促進剤又は菌叢改善剤に含まれる前記キノコの乾燥粉末又はその抽出物の含有量が、キノコの乾燥粉末換算で組成物全体の0.001〜50質量%である〔6〕記載の口腔用組成物。
〔8〕
錠剤、顆粒、グミ、飲料、歯磨剤、洗口剤及びマウススプレーから選ばれる剤型に調製された〔6〕又は〔7〕記載の口腔用組成物。
本発明によれば、口腔内の非病原性常在菌の生育促進及び菌叢改善効果が優れ、常在細菌叢のバランス保持に有効な、非病原性口腔内常在菌の生育促進剤又は菌叢改善剤並びにこれを含有する口腔用組成物を提供できる。
実験例1におけるヤマブシタケ乾燥粉砕粉末懸濁液の各濃度での口腔内細菌の生育度を示すグラフである。
以下、本発明につき更に詳述する。本発明の非病原性口腔内常在菌の生育促進剤又は菌叢改善剤は、キノコの乾燥粉末又はその抽出物を有効成分とするものであり、これは、口腔内の非病原性常在菌の増殖を選択的に活性化して生育を促進し、細菌叢を改善する。
ここで、非病原性口腔内常在菌は、口腔内に生育する、通常はヒトへの病原性を示さない細菌であり、具体的には、ストレプトコッカス ゴルドニアイ(Streptococcus gordonii)、ストレプトコッカス ミティス(Streptococcus mitis)、ストレプトコッカス オラリス(Streptococcus oralis)等のストレプトコッカス(連鎖球菌)属細菌、ベイオネラ パービューラ(Veillonella parvula)等のヴェイオネラ属細菌、ナイセリア サブフラバ(Neisseria subflaba)等のナイセリア属細菌などが挙げられる。本発明では、これらのうち、特にストレプトコッカス ゴルドニアイ、ストレプトコッカス ミティス及びストレプトコッカス オラリスから選ばれるミティス(Mitis)グループの連鎖球菌に対する増殖、活性化効果が優れる。
本発明においては、キノコとして、ヤマブシタケ(Hericium erinaceus)、マイタケ(Grifola frondosa)、ホンシメジ(Lyophyllum shimeji)、ブナシメジ(Hypsizygus marmoreus)、ヒラタケ(Pleurotus ostreatus)、アガリクス(Agaricus blazei)及びシイタケ(Lentinula edodes)から選ばれる1種以上を用いる。これらは、1種を単独で又は効果発現の点で2種以上を組み合わせてもよいが、中でも、ヤマブシタケ、マイタケ、ホンシメジ、アガリクス、とりわけヤマブシタケを用いると、口腔内の非病原性常在菌の増殖活性化効果が高く、優れた生育促進及び菌叢改善効果を付与できることから好適である。
キノコの乾燥粉末又はその抽出物としては、上記キノコを原料として用い、公知の方法によって調製したものを使用できる。
この場合、原料としては、キノコの子実体、菌糸体のいずれか一方だけ、あるいは両方を使用可能であるが、キノコの子実体を用いることが好ましい。子実体は、食経験があり安全面で好適である。
キノコの乾燥粉末は、その調製方法に特に制限はなく通常の方法を採用して得ることができ、原料のキノコ子実体又は菌糸体を凍結乾燥又は加熱乾燥した後、粉砕することによって得られる乾燥粉砕粉末を使用できる。なお、凍結乾燥、加熱乾燥の条件も常法と同様でよく、また、乾燥粉末の粒径等の物性は、水に分散、懸濁するなどして使用可能であれば特に限定されない。
また、キノコの抽出物は、原料のキノコの子実体及び/又は菌糸体から直接抽出し得るが、キノコの乾燥粉末を溶媒抽出したものが好適である。
抽出物を得る方法は特に限定されず、公知の方法を採用できる。
抽出溶媒としては、水や、アルコール類(例えば、メタノール、無水エタノール、エタノール等の炭素数1〜3の低級アルコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール等の多価アルコール)、アセトン等のケトン類、ジエチルエーテル、ジオキサン、アセトニトリル、酢酸エチルエステル等のエステル類、キシレン、ベンゼン、クロロホルムなどの極性溶媒、非極性溶媒が挙げられる。これらは、1種類を単独で又は2種類以上を任意に組み合わせて混液として使用できる。なお、異なる溶媒によって抽出したものを組み合わせて溶媒抽出物として使用することもできる。上記溶媒の中では、特にヒトに用いるものであることを考慮して安全性の面から水及び/又はエタノールが好ましいが、本発明では、特に極性溶媒、とりわけ極性が高い水を用いて抽出すると、非病原性口腔内常在菌の増殖活性化効果が向上し、生育促進及び菌叢改善効果がより優れる。
なお、原料に対する溶媒の使用量、抽出温度や抽出時間は特に制限されず、適宜調整できる。
得られた抽出物は、応用する製剤の剤型、形態により乾燥、濃縮、あるいは希釈などを任意に行って調製することができる。なお、多くの場合は、そのままの状態で利用できるが、必要に応じて、その効力に影響のない範囲で更に脱臭、脱色などの精製処理を加えたり、滅菌フィルターで濾過してもよく、抽出物に一般的に適用される通常の手段を任意に選択して行うことができる。
本発明においては、キノコの乾燥粉末又はその抽出物として、上記したもののうち、特にキノコ子実体の乾燥粉砕粉末又はその水抽出物、とりわけキノコ子実体の乾燥粉砕粉末を用いることが好ましい。なお、乾燥粉砕粉末はそのまま使用してもよいが、水に分散させて懸濁液として好適に使用できる。これらを使用すると、口腔内の非病原性常在菌の生育促進及び菌叢改善効果がより優れる。更にまた、乾燥粉砕粉末を好ましくは水懸濁液として用いると、抽出物よりも低い濃度で十分な効果を発現させることができる。
なお、前記乾燥粉末は、粒子径が500μm以下のものが95質量%以上であることが好ましく、粒子径が150μm以下のものが95質量%以上であることがより好ましい。粒子径が500μm以下の乾燥粉末は30メッシュ(JIS規格)の篩を通過する粒子で、粒子径が150μm以下の乾燥粉末は100メッシュ(JIS規格)の篩を用いることで得ることができる(以下同様)。
キノコの乾燥粉末又はその抽出物は、その濃度がキノコの乾燥粉末換算で0.001〜50%(質量%、以下同様。)であることが好ましく、より好ましくは0.01〜20%、更に好ましくは0.1〜20%である。上記濃度範囲内であると、非病原性常在菌の増殖を活性化して生育をより促進し、菌叢をより改善することができる。なお、高濃度になり過ぎると、非病原性常在菌に対しても抗菌性が現れる場合があるが、50%以下であるとこれを十分に防止できる。なお、抽出物を使用する際の「キノコの乾燥粉末換算量」は、使用するキノコの抽出物量を得るために要したキノコの乾燥粉末量で計算した濃度を意味する(以下同様。)。
本発明にかかわるキノコの乾燥粉末又はその抽出物は、非病原性口腔内常在菌の生育促進剤又は菌叢改善剤として、口腔用組成物に好適に配合することができる。具体的には、固体、液体、ペースト状、ゲル状などの形態に調製し、チューインガム、トローチ、タブレット、キャンディー等の錠剤、顆粒、グミ、粉末飲料等の飲料、練歯磨、液状歯磨、液体歯磨、潤製歯磨等の歯磨剤、洗口剤、マウススプレー等の各種剤型に調製し得る。特に、チューインガム、トローチ、タブレット、キャンディー等の錠剤、顆粒、グミ、飲料として好適である。
この場合、キノコの乾燥粉末又はその抽出物の組成物全体に対する配合量は、上記濃度の範囲内が好ましく、乾燥粉末換算で0.001〜50%であることが好ましく、より好ましくは0.01〜20%、更に好ましくは0.1〜20%である。上記濃度範囲内であると、非病原性常在菌の増殖を活性化して生育をより促進し、菌叢をより改善することができる。
なお、濃度が高くなり、特に0.1%を超えると、非病原性常在菌の生育促進効果が向上し、また、ポルフィロモナス ジンジバリス等の病原性細菌への抗菌作用も十分に発揮されることから、より好ましい。50%以下であることが、非病原性常在菌への抗菌作用を抑え、非病原性常在菌の生育を十分に促進させるには好適である。
また、口腔用組成物には、上記成分に加えて、本発明の効果を妨げない範囲において、剤型に応じた適宜な公知成分を必要に応じて配合し、通常の方法で調製できる。
例えば、チューインガムには、ガムベース、食用ガム質等の結合剤、甘味剤、着色剤、酸味料、保存料、光沢剤、香料、有効成分等を配合できる。なお、チューインガムは、必要に応じて糖衣で被覆してもよい。
錠剤には、ソルビトール、マルチトール等の糖アルコール、セルロース、乳糖、デキストリン等の賦形剤、微粒二酸化ケイ素、酸味料、甘味剤、着色剤、乳化剤、増粘剤、ゲル化剤、果汁、香辛料、有効成分等を配合できる。
グミには、グリセリン、ゼラチン等の増粘剤やゲル化剤、糖類、酸味料、甘味剤、着色剤、乳化剤、果汁、有効成分等を配合できる。
歯磨剤には、研磨剤、粘稠剤、粘結剤、界面活性剤、甘味剤、着色剤、防腐剤、香料、有効成分等を配合できる。
具体的に、チューインガムに用いられるガムベースとしては、ポリ酢酸ビニル樹脂、天然樹脂類、エステルガム等のガムベース用樹脂、乳化剤、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、タルク等の充填剤、ラノリン、ステアリン酸又はその塩、グリセリン等の可塑剤や軟化剤などを配合した市販のガムベースを使用できる。
甘味剤としては、スクロース、グルコース、デキストロース、転化糖、フラクトース等の糖類、マルチトール、キシリトール、エリスリトール、ソルビトール等の糖アルコール、サッカリン、アスパルテーム等が挙げられる。
歯磨剤等に用いられる研磨剤としては、シリカ系研磨剤、リン酸カルシウム系研磨剤、炭酸カルシウム等の研磨剤が挙げられ、その配合量は、通常、練歯磨では2〜50%、液状歯磨では0〜30%である。
粘稠剤としては、ソルビトール、キシリトール等の糖アルコール、グリセリン、プロピレングリコール等の多価アルコールが挙げられる。その配合量は、通常、5〜50%である。
粘結剤としては、カルボキシメチルセルロースナトリウム等のセルロース誘導体、キサンタンガム等のガム類、ゲル化性シリカ、ゲル化性アルミニウムシリカなどの有機又は無機粘結剤を配合できる。その配合量は、通常、0.5〜10%である。
また、界面活性剤としては、口腔用組成物に一般的に用いられるアニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤を配合できる。アニオン性界面活性剤としては、ラウリル硫酸ナトリウム等のアルキル硫酸塩、N−アシルサルコシン酸塩などが挙げられる。ノニオン性界面活性剤としては、ショ糖脂肪酸エステル等の糖脂肪酸エステル、糖アルコール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油等のポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン高級アルコールエーテル、脂肪酸アルカノールアミドなどが挙げられる。カチオン性界面活性剤としては、アルキルアンモニウム塩等、両性界面活性剤としては、ベタイン系やイミダゾリン系のものが挙げられる。界面活性剤の配合量は、通常、0〜10%、特に0.01〜5%である。
着色剤としては、赤色2号、青色1号、黄色4号等が、防腐剤としては、パラオキシ安息香酸エステル等が挙げられる。
香料としては、ペパーミント油、スペアミント油、アニス油、ユーカリ油、ウィンターグリーン油、カシア油、クローブ油、タイム油、セージ油、レモン油、オレンジ油、ハッカ油、カルダモン油、コリアンダー油、マンダリン油、ライム油、ラベンダー油、ローズマリー油、ローレル油、カモミル油、キャラウェイ油、マジョラム油、ベイ油、レモングラス油、オリガナム油、パインニードル油、ネロリ油、ローズ油、ジャスミン油、グレープフルーツ油、スウィーティー油、柚油、イリスコンクリート、アブソリュートペパーミント、アブソリュートローズ、オレンジフラワー等の天然香料、及びこれら天然香料の加工処理(前溜部カット、後溜部カット、分留、液液抽出、エッセンス化、粉末香料化等)した香料、及び、メントール、カルボン、アネトール、シネオール、サリチル酸メチル、シンナミックアルデヒド、オイゲノール、3−l−メントキシプロパン−1,2−ジオール、チモール、リナロール、リナリールアセテート、リモネン、メントン、メンチルアセテート、N−置換−パラメンタン−3−カルボキサミド、ピネン、オクチルアルデヒド、シトラール、プレゴン、カルビールアセテート、アニスアルデヒド、エチルアセテート、エチルブチレート、アリルシクロヘキサンプロピオネート、メチルアンスラニレート、エチルメチルフェニルグリシデート、バニリン、ウンデカラクトン、ヘキサナール、ブタノール、イソアミルアルコール、ヘキセノール、ジメチルサルファイド、シクロテン、フルフラール、トリメチルピラジン、エチルラクテート、エチルチオアセテート等の単品香料、更に、ストロベリーフレーバー、アップルフレーバー、バナナフレーバー、パイナップルフレーバー、グレープフレーバー、マンゴーフレーバー、バターフレーバー、ミルクフレーバー、フルーツミックスフレーバー、トロピカルフルーツフレーバー等の調合香料等が挙げられ、口腔用組成物に用いられる公知の香料素材を使用できる。
これら香料の配合量は、通常、チューインガム、錠剤、顆粒、グミ、飲料では0.001〜50%であり、また、歯磨剤、洗口剤、マウススプレー等では0.00001〜1%であり、上記香料素材を使用した賦香用香料は、組成中に0.1〜10%使用するのが好ましい。
有効成分としては、口腔用組成物に通常配合される公知のものを本発明の効果を妨げない範囲で配合できる。有効成分としては、イソプロピルメチルフェノール等の非イオン性殺菌剤、塩化セチルピリジニウム等のカチオン性殺菌剤、トラネキサム酸、イプシロンアミノカプロン酸等の抗炎症剤、デキストラナーゼ等の酵素、フッ化ナトリウム、モノフルオロリン酸ナトリウム等のフッ化物、水溶性リン酸化合物、銅化合物、硝酸カリウム、乳酸アルミニウム、各種ビタミン類、植物抽出物などが挙げられる。なお、上記有効成分の配合量は、本発明の効果を妨げない範囲で有効量である。
以下、実験例、処方例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。なお、下記の例において%は特に断らない限りいずれも質量%を示す。
[実験例1]
(1)ヤマブシタケ乾燥粉末の調製方法
ヤマブシタケ(Hericium erinaceus)の子実体を、60〜70℃で加熱しながら乾燥させ、乾燥した子実体を、ミルを用いて粉砕して乾燥粉砕粉末を調製した。粉砕した乾燥粉砕粉末は、100メッシュの篩にかけ、通過した粉砕粉末を試験に用いた。
(2)口腔内細菌の生育に及ぼす効果の評価方法
上記方法で得られたヤマブシタケの乾燥粉砕粉末を蒸留水に分散し、96穴プレートに100μL添加した。このヤマブシタケ乾燥粉砕粉末の分散液を蒸留水100μLにて倍々希釈することで、段階的に2分の1濃度に希釈して図1に示すような2倍濃度系列を作成した。各濃度のヤマブシタケ乾燥粉砕粉末の懸濁液について、下記の各種菌液を100μL添加し、37℃で約20時間嫌気培養した。なお、菌液はトリプチックソイ培地(TS培地、Becton and Dickinson社製)にヘミン0.0005%、メナジオン0.0001%を添加した培地で前培養した細菌を、2倍濃度系列の同培地に2%濃度で植菌したものを用いた。
細菌の増殖量は、波長550nmの濁度で測定し、コントロール(サンプル未添加(0%)のもの)の濁度に対する相対値を細菌の生育度として算出することで評価した。即ち、生育度が1より大きいと生育が促進され、数値が大きいほど生育促進効果が高く、また、1より小さいと生育が抑制されたことになる。結果を図1に示した。
評価に用いた口腔内常在菌は、American Type Culture Collection(以下、ATCCと略記。)より購入した、下記の3菌種である。
非病原性細菌;
ストレプトコッカス ゴルドニアイ ATCC 10558(以下、S.gordoniiと略記。)
病原性細菌;
ストレプトコッカス ミュータンス ATCC 25175(以下、S.mutansと略記。)
ポルフィロモナス ジンジバリス ATCC 33277(以下、P.gingivalisと略記。)
なお、濁度測定前にはプレートを振とうして培養液を撹拌した。
図1の結果から、ヤマブシタケ乾燥粉砕粉末が、病原性細菌であるP.gingivalisには抗菌性を示すが、非病原性常在菌であるS.gordoniiにはその生育を促進する作用を有することがわかった。また、病原性細菌のS.mutansに対する抗菌作用、生育促進作用はほとんど認められなかった。
[実験例2]
(1)キノコの乾燥粉砕粉末及び抽出液の調製方法
ヤマブシタケ、マイタケ(Grifola frondosa)、ホンシメジ(Lyophyllum shimeji)、ブナシメジ(Hypsizygus marmoreus)、ヒラタケ(Pleurotus ostreatus)、アガリクス(Agaricus blazei)、シイタケ(Lentinula edodes)の子実体を、−20℃で1日間保存して凍結乾燥させた。凍結乾燥した子実体は、ミルを用いて粉砕し、乾燥粉砕粉末を調製した。粉砕した乾燥粉砕粉末は、100メッシュの篩にかけ、通過した粉砕粉末を試験に用いた。
また、キノコ抽出液は、上記方法で調製したキノコの乾燥粉砕粉末約0.1gに蒸留水を2mL加えて5%懸濁液を調製し、80℃で約4時間加熱することで抽出を行った後、10,000Gで10分間遠心することで得た上清を穴径0.22μmの滅菌フィルターでろ過することによって調製した。
(2)口腔内常在菌の生育促進効果の評価方法
上記方法で得られた各種キノコの乾燥粉砕粉末を蒸留水に0.01%濃度となるように分散したキノコ乾燥粉砕粉末懸濁液、及び上記方法で得られた各種のキノコ抽出液の4%水溶液を、サンプルとして、96穴プレートに各100μL添加した。なお、キノコ抽出液の4%水溶液は、抽出に用いたキノコの乾燥粉末懸濁液の濃度が5%であることから、乾燥粉末換算の濃度としては0.2%(4×5÷100%)に相当する。
このサンプルのキノコ乾燥粉砕粉末懸濁液、キノコ抽出液に、表1、2に示す細菌の菌液を100μL添加し、37℃で12時間好気培養した。なお、菌液はトリプチックソイ培地(TS培地、Becton and Dickinson社製)で前培養した細菌を、2倍濃度のTS培地に2%濃度で植菌したものを用いた。
細菌の増殖量は、実験例1と同様にして測定、算出し、評価した。結果を表1、2に併記した。
評価に用いた口腔内常在菌は、ATCCより購入した、下記の3菌種である。
非病原性細菌;
ストレプトコッカス ゴルドニアイ ATCC 10558(S.gordonii)
ストレプトコッカス ミティス ATCC 47456(以下、S.mitisと略記。)
ストレプトコッカス オラリス ATCC 9811(以下、S.oralisと略記。)
なお、濁度測定前にはプレートを振とうして培養液を撹拌した。
Figure 2016043103
Figure 2016043103
表1、2に示すように、抗菌剤であるトリクロサンは、非病原性常在菌であるS.gordonii、S.mitis、S.oralisの増殖を抑制してしまったが、キノコの乾燥粉砕粉末及び水抽出液は、これら非病原性常在菌を増殖してその生育を促進することがわかった。
また、キノコの乾燥粉砕粉末を水に懸濁状態で用いた方が、水抽出液よりも低濃度で効果を発現することがわかった。
これらの結果から、ヤマブシタケ、マイタケ、ホンシメジ、ブナシメジ、ヒラタケ、アガリクス、シイタケから選ばれるキノコの乾燥粉末又はその抽出物は、口腔内の非病原性常在菌の生育促進剤として、また、非病原性の常在菌を選択的に生育促進することにより、特に非病原性の常在菌主体の細菌叢を形成する菌叢改善剤として有用であることがわかった。
[実験例3]
(1)ヤマブシタケ乾燥粉末の調製方法
ヤマブシタケの子実体を、60〜70℃で加熱しながら乾燥させ、乾燥した子実体を、ミルを用いて粉砕して乾燥粉砕粉末を調製した。粉砕した乾燥粉砕粉末は、100メッシュの篩にかけ、通過した粉砕粉末を試験に用いた。
(2)口腔内常在菌の生育促進効果(濃度依存性)の評価方法
得られたヤマブシタケの乾燥粉砕粉末を蒸留水に分散し、96穴プレートに100μL添加した。このヤマブシタケ乾燥粉砕粉末の分散液を蒸留水100μLにて倍々希釈することで、段階的に2分の1濃度に希釈して表3に示す濃度系列を作成した。各濃度のヤマブシタケ乾燥粉砕粉末の懸濁液について、実験例1と同様に非病原性細菌(S.gordonii)の生育度を測定した。なお、濃度は乾燥粉末換算である。結果を表3に併記した。
Figure 2016043103
表3に示すように、検討した0.001%濃度から、濃度依存的に非病原性細菌が生育促進しており、約0.03%でその効果がほぼ飽和状態になることがわかった。
[実験例4]
(1)ヤマブシタケ乾燥粉末の調製方法
ヤマブシタケの子実体を、60〜70℃で加熱しながら乾燥させ、乾燥した子実体を、ミルを用いて粉砕して乾燥粉砕粉末を調製した。粉砕した乾燥粉砕粉末は、100メッシュの篩にかけ、通過した粉砕粉末を試験に用いた。
(2)口腔内の菌叢改善効果の評価方法
口腔内の菌叢改善効果を評価するため、上記方法で得られたヤマブシタケ乾燥粉末を用い、被験者8名によるクロスオーバー試験を行った。口腔清掃を行って口腔内の細菌を除去した後、下記の表4に示す濃度のヤマブシタケ乾燥粉末の95℃のお湯懸濁液100mLを約10分間かけて摂取し、摂取5時間後の口腔内の細菌叢を評価した。細菌叢の評価は、洗口吐出唾液中の常在菌としてミティスグループを含む連鎖球菌を、病原菌として歯周病や口臭の原因となる黒色色素産生菌の生菌数を測定し、常在菌と病原菌の合計数に対する各細菌の菌構成比率として評価した。なお、洗口吐出唾液は、蒸留水10mLを口に含み、約30秒間洗口したのち回収した吐出唾液である。また、常在菌の測定には、ミティス・サリバリウス平板培地(Becton and Dickinson社製)を用い、病原菌の測定には、200μg/mLのカナマイシンを添加した血液平板培地*1を用いた。菌の培養は37℃、嫌気条件下(80vol%窒素、10vol%二酸化炭素、10vol%水素)で約1週間行い、生育したコロニー数をカウントすることで算出した。
*1;血液平板培地の組成:1リットル中の質量で表す。
トッドへーウィットブロース(Becton and Dickinso
n社製): 30g/L
寒天(Becton and Dickinson社製):15g/L
ヘミン(シグマ アルドリッチ社製): 5mg/L
ビタミンK(和光純薬工業社製): 1mg/L
蒸留水: 残
(全量が1Lになるようにメスアップし、121℃で20分間オートクレーブした。)
綿羊脱繊血(日本バイオテスト研究所製) 100mL
Figure 2016043103
表4に示すように、ヤマブシタケ乾燥粉末懸濁液の摂取により、未摂取(0%)に比べて摂取5時間後における常在菌比率が増加しており、病原菌比率がより少ない常在菌を主体とする菌叢が形成されたことがわかった。
次に、処方例を示す。各例のキノコの乾燥粉末又はその抽出物を含む口腔用組成物は、口腔内の非病原性常在菌の生育促進及び菌叢改善効果が優れた。
なお、キノコの粉砕した乾燥粉砕粉末は、100メッシュの篩にかけ、通過した粉砕粉末を試験に用いた。
[処方例1]チューインガム
キシリトール 49
マルチトール 20
ガムベース 20
ヤマブシタケ乾燥粉末 1
アラビアガム 9
香料 1
合計 100%
[処方例2]チューインガム
キシリトール 45
マルチトール 20
ガムベース 20
ホンシメジ乾燥粉末 5
アラビアガム 9
香料 1
合計 100%
[処方例3]タブレット
ソルビトール 70
マルチトール 5
ヤマブシタケ乾燥粉末 20
香料 4.5
微粒二酸化ケイ素 0.5
合計 100.0%
[処方例4]タブレット
ソルビトール 70
マルチトール 5
デキストリン 10
シイタケ乾燥粉末 10
香料 4.5
微粒二酸化ケイ素 0.5
合計 100.0%
[処方例5]タブレット
ソルビトール 75
マルチトール 5
デキストリン 10
ヒラタケ乾燥粉末 5
香料 4.5
微粒二酸化ケイ素 0.5
合計 100.0%
[処方例6]タブレット
ソルビトール 79
マルチトール 5
デキストリン 10
ホンシメジ乾燥粉末 1
香料 4.5
微粒二酸化ケイ素 0.5
合計 100.0%
[処方例7]グミ
砂糖 40
水飴 30
ブドウ糖液糖 10
グリセリン 5
ゼラチン 5
ヤマブシタケ乾燥粉末 5
香料 0.2
水 バランス
合計 100.0%
[処方例8]グミ
砂糖 40
水飴 30
ブドウ糖液糖 10
グリセリン 5
ゼラチン 5
マイタケ乾燥粉末 2
香料 0.2
水 バランス
合計 100.0%
[処方例9]歯磨剤
無水ケイ酸 15.0
ラウリル硫酸ナトリウム 1.0
キサンタンガム 0.5
アルギン酸ナトリウム 0.5
サッカリンナトリウム 0.1
ソルビトール 10.0
キシリトール 5.0
ヤマブシタケ水抽出液 1.0
(10%懸濁液より調製。乾燥粉末換算で0.1%相当。)
香料 1.0
水 バランス
合計 100.0%
[処方例10]歯磨剤
無水ケイ酸 15.0
ラウリル硫酸ナトリウム 1.0
カルボキシメチルセルロースナトリウム 1.0
カラギーナン 0.5
サッカリンナトリウム 0.1
グリセリン 15.0
ホンシメジ水抽出液 1.0
(10%懸濁液より調製。乾燥粉末換算で0.1%相当。)
香料 1.0
水 バランス
合計 100.0%
[処方例11]洗口剤
エタノール 10.0
プロタミン 0.01
ソルビトール 5.0
キシリトール 5.0
ヤマブシタケ水抽出液 2.0
(10%懸濁液より調製。乾燥粉末換算で0.2%相当。)
サッカリンナトリウム 0.2
香料 0.8
水 バランス
合計 100.0%
[処方例12]洗口剤
キシリトール 5.0
ヤマブシタケ乾燥粉末 0.1
キサンタンガム 0.15
香料 0.8
水 バランス
合計 100.0%
[処方例13]粉末飲料(お湯又は水100mLに分散、溶解して使用。)
抹茶 0.8
ヤマブシタケ乾燥粉末 0.4
アスコルビン酸ナトリウム 0.05
デキストリン 0.05
合計 1.3g
[処方例14]粉末飲料(お湯又は水100mLに分散、溶解して使用。)
粉末麦茶 0.8
(さらさら健康ミネラル麦茶(登録商標)、伊藤園株式会社製)
ヤマブシタケ乾燥粉末 0.4
合計 1.2g
[処方例15]粉末飲料(お湯又は水100mLに分散、溶解して使用。)
粉末ほうじ茶 0.8
(おーいお茶さらさらほうじ茶(登録商標)、伊藤園株式会社製)
ヤマブシタケ乾燥粉末 0.4
合計 1.2g
[処方例16]粉末飲料(お湯又は水100mLに分散、溶解して使用。)
かつおと昆布のあわせだし 0.6
(ほんだし(登録商標)、味の素株式会社製)
ヤマブシタケ乾燥粉末 1.0
塩化カリウム 0.3
合計 1.9g

Claims (8)

  1. ヤマブシタケ(Hericium erinaceus)、マイタケ(Grifola frondosa)、ホンシメジ(Lyophyllum shimeji)、ブナシメジ(Hypsizygus marmoreus)、ヒラタケ(Pleurotus ostreatus)、アガリクス(Agaricus blazei)及びシイタケ(Lentinula edodes)から選ばれる1種以上のキノコの乾燥粉末又はその抽出物からなる、非病原性口腔内常在菌の生育促進剤又は口腔内の菌叢改善剤。
  2. キノコの乾燥粉末又はその抽出物が、キノコ子実体の乾燥粉砕粉末又はその水抽出物である請求項1記載の生育促進剤又は菌叢改善剤。
  3. キノコがヤマブシタケ(Hericium erinaceus)である請求項1又は2記載の生育促進剤又は菌叢改善剤。
  4. 非病原性口腔内常在菌が、ストレプトコッカス ゴルドニアイ(Streptococcus gordonii)、ストレプトコッカス ミティス(Streptococcus mitis)及びストレプトコッカス オラリス(Streptococcus oralis)から選ばれるミティス(Mitis)グループの連鎖球菌である請求項1、2又は3記載の生育促進剤又は菌叢改善剤。
  5. キノコの乾燥粉末又はその抽出物の濃度が、キノコの乾燥粉末換算で0.001〜50質量%である請求項1〜4のいずれか1項記載の生育促進剤又は菌叢改善剤。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項記載の生育促進剤又は菌叢改善剤を含有する口腔用組成物。
  7. 生育促進剤又は菌叢改善剤に含まれる前記キノコの乾燥粉末又はその抽出物の含有量が、キノコの乾燥粉末換算で組成物全体の0.001〜50質量%である請求項6記載の口腔用組成物。
  8. 錠剤、顆粒、グミ、飲料、歯磨剤、洗口剤及びマウススプレーから選ばれる剤型に調製された請求項6又は7記載の口腔用組成物。
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