JPH08175946A - 口腔用組成物 - Google Patents

口腔用組成物

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JPH08175946A
JPH08175946A JP6322543A JP32254394A JPH08175946A JP H08175946 A JPH08175946 A JP H08175946A JP 6322543 A JP6322543 A JP 6322543A JP 32254394 A JP32254394 A JP 32254394A JP H08175946 A JPH08175946 A JP H08175946A
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acid
extract
composition
bacteria
sodium
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JP6322543A
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Kazushi Oshino
一志 押野
Yasuteru Eguchi
泰輝 江口
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Kao Corp
Original Assignee
Kao Corp
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 次の成分(A)及び(B): (A)リンゴ酸、フマル酸、コハク酸、オキサロ酢酸
酸、ピルビン酸、乳酸又はこれらの塩から選ばれる1種
又は2種以上、(B)ゴミン、ホコツシ及びレンギョウ
から選ばれる生薬又はその抽出物、α−メチレンシクロ
ペンタノン構造を有するカウレン型ジテルペノイド及び
ビスフェノール誘導体から選ばれる1種又は2種以上を
含有する口腔用組成物。 【効果】 口腔用組成物中の有効成分が乳酸を生成する
う餌原性細菌であるストレプトコッカス・ミュータンス
(Streptococcus mutans)菌を減
少させ、乳酸分解細菌であるベイヨネラ(Veillo
nella)属細菌を増殖させる効果を有する。従っ
て、う蝕原性の低い細菌叢に変える効果があり、う餌予
防に有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、う蝕原性細菌に対して
抗菌力を有する口腔用組成物に関し、更に詳しくはう蝕
原性細菌を減少させ、乳酸分解細菌を増加させる効果を
有する口腔用組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】う蝕は、歯垢中のストレプトコッカス・
ミュータンス(Streptococcus muta
ns)菌に代表されるう蝕原性細菌がショ糖等の醗酵性
糖類を代謝し、酸を生成するために歯垢のpHが低下
し、歯牙の脱灰が起こることによって発生する。従っ
て、う蝕原性細菌数を減少させる効果を有する口腔用組
成物はう蝕予防に有用であるといえる。
【0003】従来より、う蝕予防を目的としてクロルヘ
キシジン類やトリクロサン等の殺菌剤、抗生物質、フッ
化物等の歯質強化剤などを配合した口腔用組成物が提案
されている。しかし、これらの添加剤には安全上の懸念
があることから、薬用歯磨類には低濃度の使用しか認め
られておらず、また、食品等には全く添加できないた
め、十分なう蝕予防効果が得られていないという問題が
ある。
【0004】有効濃度の殺菌剤や抗生物質には歯垢のp
H低下を抑制し、口腔内全体の細菌数を減少させる効果
があるが、これらは長期連用には適さない。なぜなら有
効濃度の殺菌剤や抗生物質は口腔内常在菌を無差別に死
滅させて有用な細菌をも減少させたり、常在菌叢のバラ
ンスを崩して菌交代症等を引き起こす危険性もあり、と
きには腸内細菌にも影響を及ぼし、人体に対して好まし
からぬ状況をもたらすこともあるからである。
【0005】ここで、口腔内常在菌の細菌叢は、腸内細
菌のように善玉菌と悪玉菌とに明確に分けることは困難
であるが、歯垢のpH低下の原因である乳酸を生成する
ストレプトコッカス・ミュータンス(Streptoc
occus mutans)菌等のう蝕原性細菌は明ら
かに悪玉菌であり、これと拮抗するストレプトコッカス
・サンギス(Streptococcus sangu
is)菌や、糖類を代謝することはできないが、乳酸を
乳酸より弱い酸である酢酸とプロピオン酸に分解し、歯
垢のpHを上昇させる働きをするベイヨネラ(Veil
lonella)属細菌は善玉菌と考えられている(A
rchs oral Biol.25,6,55,19
80.)。ここで、ベイヨネラ(Veillonell
a)属細菌としてはベイヨネラ・アルカレセンス(Ve
illonella alcalescens)菌やベ
イヨネラ・ディスパー(Veillonella di
spar)菌が代表的である。
【0006】従来、安全性が高いと考えられる特定の生
薬や特定の香料の中から、う蝕原性細菌に対して抗菌力
のある成分を探索する研究も行われている。このような
成分を配合した口腔用組成物として、例えば特開昭57
−85319号公報では厚朴、黄蓮、五倍子、ゲンノシ
ョウコ、銀杏葉、白キュウ、黄柏、良姜、白頭翁、十
薬、夏枯草、丹参、大黄、乳香、知母、防己、黄岑、ク
マザサ、大風子、紫根、威霊山、白芍、細辛、冬虫夏
草、南天葉、苦ヨク、陳皮、淡竹葉、辛夷、金銀花、広
木香、胡黄蓮、丁香、桂皮、牡丹皮、当帰、馬歯ケン、
艾葉、ウワウルシ、茵チン嵩、猪苓、茯苓、呉茱ユの有
効成分より成るう蝕用剤やマグノロール又はホノキオー
ルを有効成分とするう餌用剤が提案されており、特公平
2−32255号公報ではクミン、セレリーシード、タ
ラゴン、ロベージ、バレリアン、オリガナム、ホップ、
アンブレットシード、ペニーローヤル、ブチューリー
フ、タンジー、ワインリーズ、山椒、麦門冬及び五加皮
より成る群から選ばれる有機溶剤抽出物もしくは水蒸気
蒸留物を含有する虫歯予防剤が提案されており、特開平
4−13630号公報ではローズマリー又はセージ抽出
物を含有するう蝕防止剤が提案されている。
【0007】う蝕原性細菌に抗菌力のあるα−メチレン
シクロペンタノン構造を有するカウレン型ジテルペノイ
ドとしては、エンメイソウ(シソ科ヒキオコシ又はシソ
科クロバナヒキオコシの地上部)から見出されたエンメ
インやオリドニン等が知られており、これらはグラム陽
性細菌に対する抗菌力が強いことが報告されている(C
hem.Pharm.Bull.24(9),211
8,1976.)。また、本発明者らは特開平6−40
867号公報において、エンメイソウの水又は有機溶剤
可溶性分を含有する口腔用組成物を提案しており、ここ
で用いられているエンメイソウの抽出物は歯周病などの
口腔内病原性細菌に対する抗菌力が強く、人体に有用な
腸内細菌に対しては抗菌力が弱いという特徴を有するも
のである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
研究においてはストレプトコッカス・ミュータンス(S
treptococcus mutans)菌とベイヨ
ネラ(Veillonella)属細菌に対する抗菌力
の比較は行われておらず、有効性と選択性の両方を満足
する口腔用組成物用成分も見出されていない。また、ベ
イヨネラ(Veillonella)属細菌を積極的に
増加させる効果を有する口腔用組成物も提案されていな
い。
【0009】従って、本発明は、う蝕原性細菌を減少さ
せ、かつ乳酸分解細菌を増加させる効果を有する口腔用
組成物を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】そこで本発明者らは、上
記課題を解決すべく鋭意検討した結果、特定の有機酸も
しくはその塩と特定の生薬もしくは生薬抽出物、α−メ
チレンシクロペンタノン構造を有するカウレン型ジテル
ペノイド又はビスフェノール誘導体とを組み合わせるこ
とにより、う蝕原性細菌であるストレプトコッカス・ミ
ュータンス(Streptococcus mutan
s)菌を減少させ、歯垢のpHが強酸性になることを抑
制するためう蝕予防に有用な乳酸分解細菌であるベイヨ
ネラ(Veillonella)属細菌を増加させる効
果を有することを見出し、本発明を完成するに至った。
【0011】すなわち、本発明は、次の成分(A)及び
(B): (A)リンゴ酸、フマル酸、コハク酸、オキサロ酢酸、
ピルビン酸、乳酸又はこれらの塩から選ばれる1種又は
2種以上、(B)ゴミン、ホコツシ及びレンギョウから
選ばれる生薬又はその抽出物、α−メチレンシクロペン
タノン構造を有するカウレン型ジテルペノイド及びビス
フェノール誘導体から選ばれる1種又は2種以上を含有
することを特徴とする口腔用組成物を提供するものであ
る。
【0012】本発明で用いる成分(A)の有機酸はリン
ゴ酸、フマル酸、コハク酸、オキサロ酢酸、ピルビン
酸、乳酸であり、これらの塩としてはナトリウム塩やカ
リウム塩が挙げられる。これらはいずれも市販品として
入手できるものであり、いずれもベイヨネラ(Veil
lonella)属細菌の増殖促進効果がある。これら
は1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いること
ができ、本発明においてはリンゴ酸、フマル酸、コハク
酸及びこれらのナトリウム塩やカリウム塩が安価で、し
かもベイヨネラ(Veillonella)属細菌の乳
酸分解速度への影響が少ないことから特に好ましい。
【0013】成分(A)の配合量は、成分(B)との相
乗効果及び味を考慮すると本発明口腔用組成物中に好ま
しくは0.05〜50重量%(以下単に%で示す)であ
るが、より好ましくは0.1〜10%、特に好ましくは
0.5〜5%である。
【0014】本発明で用いる成分(B)のうちゴミン、
ホコツシ及びレンギョウは古来より使用されてきた実績
のある安全性の高い植物系生薬である。ゴミンはモクレ
ン科チョウセンゴミンの果実、ホコツシはマメ科オラン
ダビユの種子、レンギョウはモクセイ科レンギョウの果
実である。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合
わせて用いることができる。
【0015】これらの生薬(通常、細断品や粉末として
入手し得る)やその抽出物は公知の方法で製造するか又
は商業的に入手することができる。生薬抽出物は、水、
有機溶剤又はこれらの混合物を用いて適当な方法で抽出
することにより得られるものである。有機溶剤は特に制
限されるものではなく、メタノール、エタノール、イソ
プロパノール、ブタノール等のアルコール類やアセト
ン、酢酸エチル、エチルエーテル等を挙げることがで
き、これらは1種を単独で用いても2種以上を併用する
こともできる。
【0016】これらの生薬は、30〜99%エタノール
水溶液及び水から選ばれる溶剤で浸漬抽出することが好
ましく、特にゴミン及びホコツシは50%エタノール水
溶液、レンギョウは水で抽出した抽出物の効果が優れて
おり、好ましい。
【0017】これら生薬又はその抽出物の配合量は、抗
菌作用及び香味の観点から本発明口腔用組成物中に好ま
しくは0.0005〜50%であるが、より好ましくは
0.001〜25%である。成分(B)の生薬を粉末と
して用いる場合の配合量は0.05〜25%、抽出物と
して用いる場合は0.001〜10%が特に好ましい。
この配合量があまり多いと特有の香味が強くなり過ぎる
ため好ましくない。
【0018】本発明で用いる成分(B)のうちα−メチ
レンシクロペンタノン構造を有するカウレン型ジテルペ
ノイドとしては、エンメイソウの成分として知られてい
るオリドニン、ラシオカウリン、エンメイン、エンメイ
ン−3−アセテート、ノドシン、イソドカルピン、イソ
ドノール、ラシドニン等が挙げられる。本発明において
は特にオリドニン又はエンメインを使用することが好ま
しい。これらは1種を単独で又は2種以上の混合物とし
て配合することができる。
【0019】α−メチレンシクロペンタノン構造を有す
るカウレン型ジテルペノイドの製造法や純度は本発明の
効果を発揮する範囲内のものであれば特に限定されるも
のではないが、健胃生薬として使用実績のあるエンメイ
ソウ粉末やエンメイソウの水、有機溶剤又はこれらの混
合物による抽出物を用いるのが好ましく、カラムクロマ
トグラフィー等で精製したものも用いられる。
【0020】α−メチレンシクロペンタノン構造を有す
るカウレン型ジテルペノイド又はその誘導体の配合量
は、抗菌作用及び味の観点から本発明口腔用組成物中に
好ましくは0.0005〜50%であるが、より好まし
くは0.001〜10%である。この配合量があまり多
いと苦味が強くなり過ぎるため好ましくない。
【0021】本発明で用いる成分(B)のうちビスフェ
ノール誘導体としては、コウボク(モクレン科カラホオ
ノキの樹皮)の成分として知られているマグノロール、
ホノキオール、テトラヒドロマグノロール、テトラヒド
ロホノキオール等が挙げられる。これらは1種を単独で
又は2種以上の混合物として配合することができる。
【0022】ビスフェノール誘導体の製造法や純度は本
発明の効果を発揮する範囲内のものであれは特に限定さ
れるものではないが、健胃生薬として使用実績のあるコ
ウボク粉末やコウボクの水、有機溶剤又はこれらの混合
物による抽出物を用いるのが好ましく、カラムクロマト
グラフィー等で精製したものも用いられる。
【0023】ビスフェノール誘導体の配合量は、抗菌作
用及び味の観点から本発明口腔用組成物中に好ましくは
0.0005〜50%であるが、より好ましくは0.0
01〜10%である。この配合量があまり多いと刺激が
強くなるため好ましくない。
【0024】本発明の口腔用組成物は、強酸性や強塩基
性でなければ口腔内に適用可能であるが、10倍量の水
に溶解したときにpH5〜11の範囲になるように調整
するのが好ましく、pH6〜9の範囲になるように調整
するのが特に好ましい。pH5.5程度から酸性側で歯
牙の主成分であるハイドロキシアパタイトが溶解し始め
るため、pH5未満では歯牙を脱灰する危険性があり、
pH11を超えると苦みが強くなる。pH調整剤として
具体的にはリン酸水素二ナトリウム、リン酸水素二カリ
ウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸水素ナ
トリウム、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、ケイ酸
マグネシウム、ピロリン酸四ナトリウム、L−アルギニ
ンなどが挙げられる。
【0025】本発明の口腔用組成物には上記必須成分以
外に、口中清涼剤、薬用歯磨、薬用洗口液等の口腔用組
成物に通常添加される薬用成分と同様のものから選ばれ
る1種又は2種以上を薬学上許容できる範囲内の量で目
的に応じて添加することができる。薬用成分として具体
的には、アスコルビン酸、トコフェロール、リボフラビ
ン等のビタミン類;デキストラナーゼ、プロテアーゼ、
リゾチーム等の酵素類;グリチルリチン酸類、クロロフ
ィル類等の植物成分;アセンヤク、ショウキョウ等の生
薬類;フッ化ナトリウム、モノフルオロリン酸ナトリウ
ム等のフッ素剤などが挙げられる。また、塩酸クロルヘ
キシジン、塩化ベンゼトニウム、塩化セチルピリジニウ
ム、イソプロピルメチルフェノール、トリクロサン等の
殺菌剤も少量添加することができるが、多量に配合する
と本発明の効果が妨げられる。
【0026】また、甘味剤も添加することができ、一般
にサッカリン、サッカリンナトリウム、アスパルテー
ム、ステビアエキス等が用いられる。また、甘味剤と湿
潤剤の両方の目的で糖や糖アルコール類も用いられる。
甘味剤としてはショ糖、グルコース、フラクトースを用
いることもできるが、う蝕原性があることから好ましく
なく、キシリトール、パラチノース、パノース、マンニ
トール、マルチトール、ソルビトール、ラクトース、ラ
クチトール、フラクトオリゴ糖等が好ましい。
【0027】その他、本発明の口腔用組成物には通常の
製剤化に用いられる粘結剤(例えば、デンプン、デキス
トラン、デキストリン、還元澱粉分解物、結晶セルロー
ス、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキ
シプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、
ヒドロキシプロピルメチルセルロース、アラビアゴム、
カラギーナン、ペクチン、アルギン酸ナトリウム、コン
ドロイチン硫酸ナトリウム、カゼインナトリウム等)、
溶剤(例えばエタノール、プロピレングリコール、ポリ
エチレングリコール等)、界面活性剤(例えばラウリル
硫酸ナトリウム、アルキルリン酸エステル、ポリオキシ
エチレン硬化ヒマシ油、ショ糖脂肪酸エステル、グリセ
リン脂肪酸エステル等)、研磨剤(例えばリン酸水素カ
ルシウム、水酸化アルミニウム、無水ケイ酸、炭酸カル
シウム等)、矯味剤(例えば塩化亜鉛、粉末茶、ショウ
キョウチンキ等)、防腐剤(例えばパラオキシ安息香酸
エステル、サリチル酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム
等)、香料などを適宜配合することができる。
【0028】本発明の口腔用組成物は上記成分を配合し
て常法に従って製造でき、口中清涼剤、洗口剤、粉歯磨
剤、練り歯磨剤、菓子、飲料などとして適用することが
できる。本発明の口腔用組成物は口腔用に残留しやすい
剤型とすることが好ましいため、例えば口中清涼剤とし
て用いるのが最も好適である。
【0029】
【発明の効果】本発明の口腔用組成物は、乳酸を生成す
るう蝕原性細菌であるストレプトコッカス・ミュータン
ス(Streptococcus mutans)菌を
減少させ、乳酸分解細菌であるベイヨネラ(Veill
onella)属細菌を増殖させる効果を有する。従っ
て、う蝕原性の低い細菌叢に変える効果があり、う餌予
防に有用である。
【0030】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に
説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるもの
ではない。
【0031】合成例1 α−メチレンシクロペンタノン
構造を有するカウレン型ジテルペノイドの製造:エンメ
イソウ1kgを90%エタノール水溶液10リットルに
3日間浸漬し、粗抽出物39gを得た。次に粗抽出物2
5gをシリカゲルカラムクロマトグラフィーで溶出(ク
ロロホルム→メタノール→水)させ、エンメイン1.9
g、オリドニン0.9g、ノドシン0.1gを得た。
【0032】試験例1 抗菌力試験:表1に示す組成物
を含有する1%エタノール水溶液を調製し、BHI液体
培地に添加した。嫌気グローブボックス(N2:H2:C
2=80:10:10)内で試験菌株としてStre
ptococcus mutans JC2(Sm)と
Veillonella alcalescens(a
typicaと名称変更) ATTCC27215(V
a)を培養し、それぞれ約106CFU/mlをこの液
体培地に接種し、37℃で1日間培養し、発育が認めら
れなかったものを(−)、薬剤無添加のコントロールと
同等に発育が認められたものを(±)、薬剤無添加のコ
ントロールに比較してより発育が認められたものを
(+)とした。
【0033】ここで、表1〜13の各成分としては、コ
ウボク軟エキス、ゴミン乾燥エキス、ホコツシ乾燥エキ
ス、レンギョウ乾燥エキス、オウレン乾燥エキス、塩化
ベルベリン(以上アルプス薬品社製)、エンメイン、オ
リドニン、ノドシン、エンメイソウ粗抽出物(以上合成
例1で得られたもの)、ローズマリー抽出物(小川香料
社製)、マグノロール、ホノキオール(以上和光純薬社
製)、ソルビトール(ソルビットDP50、東和化成社
製)を用いた。
【0034】
【表1】
【0035】表1の結果から、実施例の組成物はストレ
プトコッカス・ミュータンス(Streptococc
us mutans)菌の発育を抑制し、ベイヨネラ・
アルカレセンス(Veillonella alcal
escens)菌の発育を促進することが明らかであ
る。これに対して、比較例の組成物では目的とする効果
が得られなかった。例えば強力な抗菌力を有する塩化ベ
ルベリンやベルベリンを含有するオウレン乾燥エキスは
ストレプトコッカス・ミュータンス(Streptoc
occus mutans)菌の発育を抑制することが
できず、逆にベイヨネラ・アルカレセンス(Veill
onella alcalescens)菌の発育を抑
制することが判明した。これらのことから、抗菌力の強
さに加えてう蝕原性細菌への選択性が必要であり、特定
の有機酸もしくはその塩と特定の生薬もしくはその抽出
物α−メチレンシクロペンタノン構造を有するカウレン
型ジテルペノイド又はビスフェノール誘導体を組み合わ
せることが有用であることがわかる。
【0036】実施例1 下記組成の各成分を混合した後、打錠機を用いて円盤状
に圧縮成形し、1錠の直径が18mmで重量が1.5g
のトローチ剤(口中清涼剤)を得た。
【0037】
【表2】 (成分) (%) キシリトール 80.0 エンメイソウ粗抽出物 0.1 リンゴ酸 1.8 1−アスコルビン酸 0.2 炭酸水素ナトリウム 2.0 アラビアゴム 15.81−メントール 0.1 計 100.0
【0038】実施例2 下記組成の各成分を混合し、粉歯磨剤を得た。ここで、
下記表における吸着デキストリンはl−メントールをペ
パーミント油に溶解後、多孔質デキストリンと共にヘン
シェルミキサーで攪拌し、吸着させながら整粒調製した
ものを用いた。吸着デキストリン3.0%の内容は、多
孔質デキストリン2.2%、l−メントール0.4
%、、ペパーミント油0.4%である。
【0039】
【表3】 (成分) (%) ソルビトール 52.38 オリドニン 0.01 ホノキオール 0.01 リンゴ酸ナトリウム 5.0 コーンスターチ 5.0 水酸化アルミニウム 30.0 4A型ゼオライト 2.0 ミリスチルリン酸 1.3 1−アルギニン 1.0 フッ化ナトリウム 0.2 サッカリンナトリウム 0.1吸着デキストリン 3.0 計 100.00
【0040】実施例3及び4 下記組成の各成分を脱気混合し、ペースト状の歯磨剤を
得た。
【0041】
【表4】 (成分) (%) リンゴ酸ナトリウム 1.0 フマル酸ナトリウム 1.0 コウボク軟エキス 0.1 ホコツシ乾燥エキス 0.1 水酸化アルミニウム 38.0 無水ケイ酸 3.0 ソルビトール液(70%) 15.0 カルボキシメチルセルロースナトリウム 2.0 ヒドロキシエチルセルロース 0.2 ラウリル硫酸ナトリウム 1.2 モノフルオルリン酸ナトリウム 0.7 サッカリンナトリウム 0.1 パラオキシ安息香酸エステル 0.1 香料 0.8 色素 微 量精製水 残 量 計 100.0
【0042】
【表5】 (成分) (%) リンゴ酸ナトリウム 1.0 フマル酸ナトリウム 1.0 エンメイソウ粗抽出物 0.1 オレガノオレオレジン 0.1 リン酸水素カルシウム 45.0 無水ケイ酸 3.0 ソルビトール液(70%) 15.0 カルボキシメチルセルロースナトリウム 2.0 ヒドロキシエチルセルロース 0.2 ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油 (エマノーンCH-60 、花王社製) 1.2 フッ化ナトリウム 0.2 サッカリンナトリウム 0.1 安息香酸ナトリウム 0.1 香料 0.8 色素 微 量精製水 残 量 計 100.0
【0043】実施例5及び6 下記組成の各成分を攪拌混合し、洗口液を得た。
【0044】
【表6】 (成分) (%) キシリトール 10.0 マグノロール 0.01 レンギョウ乾燥エキス 0.01 オキサロ酢酸 0.05 コハク酸 0.05 リンゴ酸 0.1 エタノール 4.0 ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油 (エマノーンCH-40 、花王社製) 0.2 ミリスチルリン酸 0.1 1−アルギニン 0.29 香料 0.15 色素 微 量精製水 残 量 計 100.00
【0045】
【表7】 (成分) (%) キシリトール 10.0 エンメイン 0.001 オリドニン 0.001 ノドシン 0.001 タイムオレオレジン 0.01 リンゴ酸 0.1 ピルビン酸 0.1 エタノール 4.0 モノステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン(20E.O.) (レオドールスーパーTW-S120 、花王社製) 0.2 ミリスチル硫酸ナトリウム (エマノールH、花王社製) 0.1 1−アルギニン 0.2 香料 0.15 色素 微 量精製水 残 量 計 100.000
【0046】実施例7及び8 下記組成の各成分を加熱溶解しながら混合し、更に板状
に引き延ばし、その後冷却乾燥固化させることによりチ
ューインガムを得た。
【0047】
【表8】 (成分) (%) キシリトール 50.0 コウボク軟エキス 0.01 ゴミン乾燥エキス 0.01 リンゴ酸ナトリウム 0.5 ガムベース 25.0 コーンシロップ 残 量 中鎖脂肪酸トリグリセライド (ココナードMT、花王社製) 微 量香料 微 量 計 100.00
【0048】
【表9】 (成分) (%) キシリトール 50.0 エンメイソウ粗抽出物 0.02 銅クロロフィンナトリウム 0.01 リンゴ酸ナトリウム 0.5 ガムベース 25.0 還元澱粉分解物(H-PDX 、松谷化学社製) 残 量 水素添加レシチン 微 量香料 微 量 計 100.00
【0049】実施例9及び10 下記糖成分を精製水に溶解させ、これを145℃まで煮
詰めた後、100℃以下に冷却し、その後下記の他の成
分を添加し、冷却固化させることによりキャンディーを
得た。
【0050】
【表10】 (成分) (%) (糖成分) パラチノース 84.6 還元麦芽糖水飴 15.0 (他の成分) コウボク軟エキス 0.05 ゴミン乾燥エキス 0.05 リンゴ酸 0.1 カプリル酸モノジグリセライド (ホモテックスPT、花王社製) 0.1香料 0.1 計 100.00
【0051】
【表11】 (成分) (%) (糖成分) キシリトール 84.6 還元麦芽糖水飴 15.0 (他の成分) エンメイソウオレオレジン 0.05 ローズマリー抽出物 0.05 リンゴ酸 0.1 ソルビタンモノオレエート (エマゾールO−10、花王社製) 0.1香料 0.1 計 100.00
【0052】実施例11及び12 下記組成の各成分を攪拌混合し、飲料を得た。
【0053】
【表12】 (成分) (%) キシリトール 10.0 ホノキオール 0.001 レンギョウ乾燥エキス 0.01 フマル酸 0.1 エタノール 0.1 香料 微 量精製水 残 量 計 100.000
【0054】
【表13】 (成分) (%) キシリトール 10.0 エンメイン 0.001 ローズマリー抽出物 0.005 乳酸 0.1 カゼインナトリウム 0.1 香料 微 量精製水 残 量 計 100.000

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 次の成分(A)及び(B): (A)リンゴ酸、フマル酸、コハク酸、オキサロ酢酸、
    ピルビン酸、乳酸又はこれらの塩から選ばれる1種又は
    2種以上、(B)ゴミン、ホコツシ及びレンギョウから
    選ばれる生薬又はその抽出物、及びα−メチレンシクロ
    ペンタノン構造を有するカウレン型ジテルペノイド及び
    ビスフェノール誘導体から選ばれる1種又は2種以上を
    含有することを特徴とする口腔用組成物。
  2. 【請求項2】 α−メチレンシクロペンタノン構造を有
    するカウレン型ジテルペノイドがオリドニン、ラシオカ
    ウリン、エンメイン、エンメイン−3−アセテート、ノ
    ドシン、イソドカルピン、イソドノール、ラシドニンか
    ら選ばれる1種又は2種以上である請求項1記載の口腔
    用組成物。
  3. 【請求項3】 α−メチレンシクロペンタノン構造を有
    するカウレン型ジテルペノイドがエンメイソウ粉末又は
    エンメイソウ抽出物として配合される請求項1又は2記
    載の口腔用組成物。
  4. 【請求項4】 ビスフェノール誘導体がマグノロール、
    ホノキオール、テトラヒドロマグノロール、テトラヒド
    ロホノキオールから選ばれる1種又は2種以上である請
    求項1記載の口腔用組成物。
  5. 【請求項5】 ビスフェノール誘導体がコウボク粉末又
    はコウボク抽出物として配合される請求項1又は4記載
    の口腔用組成物。
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