JPWO2015194181A1 - 冷媒圧縮機およびそれを用いた冷凍装置 - Google Patents

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信吾 大八木
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Abstract

バルブプレート(117)における吸入バルブ(120)のアーム部に当接する領域、または、バルブプレート(117)における吐出バルブ(121)のアーム部に当接する領域に、合成樹脂膜を形成する。これにより、冷凍機油の吸着力による吸入バルブ(120)や吐出バルブ(121)の開き遅れを抑制し、吸入行程時や吐出行程時の圧力損失を低減することで、圧縮機効率が向上する。さらに、吸入バルブ(120)や吐出バルブ(121)の閉塞時に生じる打撃音を合成樹脂膜の弾性効果で低減することで、低騒音化が図れる。

Description

本発明は、主に家庭用冷蔵庫に使用される冷媒圧縮機の効率向上と低騒音化に関するものである。
家庭用冷蔵庫の省エネルギー化に対応すべく、インバータ、センサー制御による可変速運転、及びその範囲拡大等によって、益々冷媒圧縮機の効率向上が要求されている。
従来の冷媒圧縮機としては、シリンダの開口端に配置され吸入孔を囲うように設けた吸入弁座と吐出孔を囲うように設けた吐出弁座を設けたバルブプレートを焼結金属材料で成形したものがある(例えば、特許文献1参照)。
図22は、上記特許文献1に記載された従来の冷媒圧縮機の断面図、図23は、従来の冷媒圧縮機のバルブプレート周りの分解斜視図である。
図22および図23に示すように、冷媒圧縮機は、密閉容器1内において、底部に冷凍機油2を貯留するとともに作動流体3が充填され、さらに圧縮機本体4が収納されている。電動要素6と圧縮要素9は、サスペンションスプリング5によって、密閉容器1内に弾性的に支持されている。
電動要素6は、ステータ7とロータ8を備えている。
圧縮要素9は、偏心軸10と主軸11を備えたクランクシャフト12と、圧縮室13を形成するシリンダ14と、主軸11を支持する軸受部23と、シリンダ14内部を往復運動するピストン16を備えている。また、シリンダ14の端面を封止するバルブプレート17と、バルブプレート17に備えられ圧縮室13の内外を連通する吸入孔18および吐出孔19をそれぞれ開閉する吸入バルブ20と、吐出バルブ21と、偏心軸10とピストン16を連結する連結部(図示せず)を備えている。
また、バルブプレート17の圧縮室13と反対側には、バルブプレート17を覆って蓋をするようにシリンダヘッド52が配され、バルブプレート17とシリンダヘッド52によりヘッド空間56が形成されている。
クランクシャフト12の主軸11は、軸受部23に回転自在に軸支されるとともに、ロータ8が固定されている。
次に、従来の冷媒圧縮機の動作について説明する。
冷媒圧縮機は、ステータ7に電流を流して磁界を発生させ、主軸11に固定されたロータ8を回転することで、クランクシャフト12が回転し、偏心軸10に取り付けられた連結部(図示せず)を介して、ピストン16がシリンダ14内を往復運動し、吸入、圧縮、吐出行程の一連のサイクルを繰り返す。
吸入行程において、ピストン16がシリンダ14の容積が増加する方向に動作すると、圧縮室13内の作動流体3が膨張し、圧縮室13内の圧力が冷凍サイクル低圧側(図示せず)の圧力を下回ると、吸入バルブ20は開き始める。そして、冷凍サイクルから戻った温度の低い作動流体3が、吸入孔18を経て圧縮室13内に流入する。このとき吐出バルブ21は、バルブプレート17の吐出孔19を閉塞する。
そして、圧縮行程において、ピストン16が、圧縮室13の容積を最も大きくする下死点の位置から圧縮室13内の容積を減少する方向に転じると、圧縮室13内の圧力は上昇し、圧縮室13内の圧力と冷凍サイクル低圧側(図示せず)の圧力との差によって、吸入バルブ20が閉じ、圧縮室13は閉塞される。
その後、ピストン16がさらに圧縮室13の容積を減少させる方向に動作すると、作動流体3は圧縮され、所定の圧力まで昇圧される。
吐出行程において、圧縮室13内の作動流体3の圧力が上昇し、バルブプレート17とシリンダヘッド52により形成されているヘッド空間56内部の圧力より高くなると、圧力差によって吐出バルブ21が開き始める。そして、圧縮室13内部の作動流体3は、吐出孔19を通過し、ヘッド空間56に流出する。その後、作動流体3は、ヘッド空間56から吐出マフラー(図示せず)を経由し、冷凍サイクルの高圧側(図示せず)に放出される。
一般的に、バルブプレート17は、吸入孔18、吐出孔19および吐出バルブ21を配置するための凹部を設けているため、複雑な形状となり、生産性向上のため焼結金属材料から構成されている。
しかしながら、従来の構成では、バルブプレート17が焼結金属材料で構成されているため、焼結金属材料特有の空孔が散在する。そのため、圧縮機内の冷凍機油2がバルブプレート17の表面に貯留すると共に、内部にも含浸される。含浸された冷凍機油2は圧力変動等によって表面へ染み出てくる。このような冷凍機油2がバルブプレート17と吸入バルブ20や吐出バルブ21との隙間に介在している。そのためバルブプレート17と各バルブの当接面に介在する冷凍機油2の吸着力によってバルブの開く動作が妨げられ、通過する作動冷媒の抵抗となり圧力損失が発生し、圧縮機の効率が低下するという課題を有していた。
また、バルブプレート17と吸入バルブ20およびバルブプレート17と吐出バルブ21は、閉じる際に打撃音が発生し、その打撃音が密閉容器外へ漏れることにより、騒音が発生するという課題を有していた。特に、高効率化への対応から、電動要素6のインバータ駆動の採用により、低速で運転することとなり、電動要素6の騒音が低減することから、バルブプレート17と吸入バルブ20およびバルブプレート17と吐出バルブ21の打撃音が顕著となり、より一層、騒音の原因となっていた。
本発明は、吸入バルブ20および吐出バルブ21の開き遅れを抑制することで、吸入行程時および吐出行程時における圧力損失を低減し、圧縮機効率の向上を図る。また、バルブプレート17と吸入バルブ20およびバルブプレート17と吐出バルブ21の閉塞時の打撃音を低減することにより、低騒音化を図る。
特開2000−45949号公報
本発明の冷媒圧縮機は、密閉容器内に、往復動するピストンを収納するシリンダと、シリンダの開口端に配置され吸入孔を囲うように設けられた吸入弁座を有したバルブプレートと、吸入孔を開閉する吸入バルブとを備える。また、吸入バルブは開閉部と、開閉部が開閉する際動作するアーム部とを備え、少なくともバルブプレートにおける吸入バルブのアーム部に当接する領域に合成樹脂膜を有する。
これにより、バルブプレートと吸入バルブとの隙間に介在する冷凍機油によって生じる吸着力による吸入バルブの開き遅れを抑制することができる。開き遅れを抑制することで圧縮機効率を向上した冷媒圧縮機およびそれを用いた冷凍装置を提供することができる。
また、バルブプレートと吸入バルブの閉塞時における打撃力を、バルブプレートに施した合成樹脂膜の弾性効果で低減することにより、打撃音を低減し、低騒音化を図ることができる。
また、本発明の冷媒圧縮機は、密閉容器内に、往復動するピストンを収納するシリンダと、シリンダの開口端に配置され吐出孔を囲うように設けられた吐出弁座を有したバルブプレートと、吐出孔を開閉する吐出バルブとを備える。また、吐出バルブは開閉部と、開閉部が開閉する際動作するアーム部とを備え、少なくともバルブプレートにおける吐出バルブのアーム部に当接する領域に合成樹脂膜を有する。
これにより、バルブプレートと吐出バルブとの隙間に介在する冷凍機油によって生じる吸着力による吐出バルブの開き遅れを抑制することができる。開き遅れを抑制することで圧縮機効率を向上した冷媒圧縮機およびそれを用いた冷凍装置を提供することができる。
また、バルブプレートと吐出バルブの閉塞時における打撃力を、バルブプレートに施した合成樹脂膜の弾性効果で低減することにより、打撃音を低減し、低騒音化を図ることができる。
図1は、本発明の第1の実施の形態における冷媒圧縮機の断面図である。 図2は、本発明の第1の実施の形態における冷媒圧縮機のバルブプレート周りの分解斜視図である。 図3は、本発明の第1の実施の形態における冷媒圧縮機の要部断面図である。 図4は、本発明の第1の実施の形態における冷媒圧縮機の吸入バルブの平面図である。 図5は、本発明の第1の実施の形態における冷媒圧縮機の吐出バルブの平面図である。 図6は、本発明の第1の実施の形態における冷媒圧縮機のバルブプレートの吸入側平面図である。 図7は、本発明の第1の実施の形態における冷媒圧縮機の合成樹脂膜の断面図である。 図8は、本発明の第1の実施の形態における冷媒圧縮機のバルブ開閉に伴う衝突衝撃値を示す特性図である。 図9は、本発明の第2の実施の形態における冷媒圧縮機の要部断面図である。 図10は、本発明の第2の実施の形態における冷媒圧縮機のバルブプレートの吐出側平面図である。 図11は、本発明の第3の実施の形態における冷凍装置の構成を示す模式図である。 図12は、本発明の第4の実施の形態における冷媒圧縮機の断面図である。 図13は、本発明の第4の実施の形態における冷媒圧縮機のバルブプレート周りの分解斜視図である。 図14は、本発明の第4の実施の形態における冷媒圧縮機のバルブプレートの要部断面図である。 図15は、本発明の第4の実施の形態における冷媒圧縮機のバルブプレートの平面図である。 図16は、本発明の第4の実施の形態における冷媒圧縮機の表面処理膜を示す断面図である。 図17は、本発明の第5の実施の形態における冷媒圧縮機のバルブプレートの要部断面図である。 図18は、本発明の第5の実施の形態における冷媒圧縮機のバルブプレートの平面図である。 図19は、本発明の第6の実施の形態における冷媒圧縮機のバルブプレートの要部断面図である。 図20は、本発明の第6の実施の形態における冷媒圧縮機のバルブプレートの平面図である。 図21Aは、本発明の第7の実施の形態における冷媒圧縮機のバルブプレートの要部断面図である。 図21Bは、本発明の第7の実施の形態における冷媒圧縮機のバルブプレートの断面図である。 図22は、従来の冷媒圧縮機の断面図である。 図23は、従来の冷媒圧縮機のバルブプレート周りの分解斜視図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。尚、この実施に形態によってこの発明が限定されるものではない。
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態における冷媒圧縮機の断面図である。図2は、本発明の第1の実施の形態における冷媒圧縮機のバルブプレート周りの分解斜視図である。図3は、本発明の第1の実施の形態における冷媒圧縮機の要部断面図である。図4は、本発明の第1の実施の形態における冷媒圧縮機の吸入バルブの平面図である。図5は、本発明の第1の実施の形態における冷媒圧縮機の吐出バルブの平面図である。図6は、本発明の第1の実施の形態における冷媒圧縮機のバルブプレートの吸入側平面図である。図7は、本発明の第1の実施の形態における冷媒圧縮機の表面処理の断面図である。
図1から図6において、本発明の第1の実施の形態における冷媒圧縮機は、密閉容器101内の底部に冷凍機油102として例えば低粘度の鉱油を貯留するとともに、作動流体103として例えば地球温暖化係数の低い炭化水素系のR600aなどが封入してある。
また、密閉容器101は、鉄板の絞り成型によって形成されるとともに、一端が密閉容器101内に連通し、他端が冷凍サイクルの低圧側(図示せず)に接続される吸入管150と、一端が密閉容器101を貫通して吐出マフラー(図示せず)と連通し、他端が冷凍サイクルの高圧側(図示せず)に接続される吐出管157を備えている。
また、密閉容器101内には、圧縮要素109と電動要素106とを備えた圧縮機本体104がサスペンションスプリング105によって、密閉容器101に対して弾性的に支持されて収納されている。
圧縮要素109は、クランクシャフト112、ブロック115、ピストン116、連結部122などで構成されており、クランクシャフト112は、偏心軸110と主軸111とを備えるとともに、主軸111表面に設けられたらせん状の溝などからなる給油機構151を備えている。
電動要素106は、ブロック115の下方にボルト(図示せず)によって螺子固定されたステータ107と、ステータ107の内側の同軸上に配置され主軸111に焼き嵌め固定されたロータ108とで構成されている。電動要素106は、インバータ駆動回路によって、商用電源周波数を下回る運転周波数(例えば、25Hz=1500r/min)を含む複数の運転周波数で駆動される。
ブロック115には、圧縮室113を形成するシリンダ114と主軸111を回転自在に軸支する軸受部123が一体に形成されている。
また、シリンダ114の端面には、焼結金属材料で成型された圧縮室113内外を連通する吸入孔118と吐出孔119とを備えたバルブプレート117と、吸入孔118を開閉する吸入バルブ120と、バルブプレート117の蓋となるシリンダヘッド152が備えられている。そして、バルブプレート117、吸入バルブ120およびシリンダヘッド152は、ともにヘッドボルト153によって、シリンダ114の端面を封止するように押圧固定されるとともに、バルブプレート117とシリンダヘッド152の間には、吸入マフラー154が把持されて固定されている。
ここで、バルブプレート117の吸入孔118の周囲には、吸入孔118を囲うように吸入弁座141が設けられると共に、吐出孔119の周囲には、吐出孔119を囲うように吐出弁座142が設けられている。
また、吸入バルブ120は、吸入孔118を開閉する開閉部120aと、開閉部120aが開閉する際動作するアーム部120bとを備えている。
さらに、バルブプレート117のシリンダヘッド152側に配される面には、吐出孔119を開閉する吐出バルブ121が配され、吐出バルブ121を弾性支持するスプリングリード130、吐出バルブ121とスプリングリード130を固定するバルブストップ131からなる吐出弁装置を備えている。そして、バルブプレート117とシリンダヘッド152によりヘッド空間156が形成されている。
また、吐出バルブ121は、吐出孔119を開閉する開閉部121aと、開閉部121aが開閉する際動作するアーム部121bとを備えている。
以上のように構成された冷媒圧縮機について、以下その動作、作用を説明する。
冷媒圧縮機は、ステータ107に電流を流して磁界を発生させ、主軸111に固定されたロータ108を回転させることで、クランクシャフト112が回転し、偏心軸110に回転自在に取り付けられた連結部122を介して、ピストン116がシリンダ114内を往復運動する。そして、このピストン116の往復運動に伴い、作動流体103は吸入マフラー154を介して圧縮室113内へ吸入され、圧縮された後、吐出孔119およびヘッド空間156を経て、冷凍サイクル(図示せず)へ吐出される。
次に、圧縮機本体104の吸入、圧縮、吐出行程について説明する。
吸入行程において、ピストン116が圧縮室113の容積が増加する方向に動作し、圧縮室113内の作動流体103が膨張し、圧縮室113内の圧力が吸入マフラー154内の圧力を下回ると、圧縮室113内の圧力と吸入マフラー154内の圧力との差により、吸入バルブ120は開き始める。そして、吸入バルブ120のアーム部120bが動作し、冷凍サイクル(図示せず)から戻った温度の低い作動流体103が、吸入管150から密閉容器101内に一旦開放され、その後、吸入マフラー154を経て、圧縮室113内に流入する。
その後、圧縮行程において、ピストン116の動作が下死点から圧縮室113の容積が減少する方向に転じると、圧縮室113内の圧力は上昇し、圧縮室113内の圧力と吸入マフラー154内の圧力との差によって、吸入バルブ120は閉じる。そして、圧縮室113は閉塞され、ピストン116がさらに圧縮室113の容積が減少する方向に動作することで、作動流体103は圧縮され、所定の圧力にまで昇圧される。
そして、吐出行程において、圧縮室113内の作動流体103の圧力が上昇し、バルブプレート117とシリンダヘッド152により形成されているヘッド空間156内部の圧力より高くなり、圧力差により発生する力が、吐出バルブ121を弾性変形させる力を上回ると、吐出孔119が開く。そして、吐出バルブ121のアーム部121bが動作し、圧縮室113内部の作動流体103は、吐出孔119を通過し、ヘッド空間156に流出する。
その後、作動流体103は、ヘッド空間156から吐出マフラー(図示せず)を経由し、吐出管157より冷凍サイクルの高圧側(図示せず)に放出される。
ヘッド空間156と圧縮室113の圧力差が減少し、その圧力差により発生する吐出バルブ121に加わる力が、スプリングリード130と吐出バルブ121の復元力に対し小さくなると、吐出バルブ121は閉じ、圧縮室113は閉塞され、ピストン116が下死点方向に移動し、再び吸入行程に移行する。
ここで、本実施の形態の冷媒圧縮機は、少なくともバルブプレート117における吸入バルブ120のアーム部121bに当接する領域に合成樹脂膜160を形成している。
合成樹脂膜160は、フッ素ゴムからなる合成樹脂をバインダー161として、固体潤滑剤162であるフッ素樹脂を略均一に分散して含有している。
このような構造からなる合成樹脂膜160は、次に示すような工法から形成される。
まず、予備加熱を行い、バルブプレート117を所定の温度に上げる。これは、吸入バルブ120のアーム部120bに当接する領域へ塗布した合成樹脂膜160に溶解している溶剤を蒸発させ、均一に塗布することが目的である。
固体潤滑剤162を含有して配合調整された表面処理剤を、バルブプレート117の吸入バルブ120のアーム部120bに当接する領域にスプレーにて塗布する。尚、塗布の際、不要な場所へのコーティング剤の付着を防止するために適切な形状のマスキング治具を取り付けている。
その後、予備加熱時の温度と同等くらいの温度で仮乾燥を数分間行い、合成樹脂膜160の表面を乾燥させる。表面を乾燥させた段階で、軽くバフ掛けを行うと合成樹脂膜160の最表面の面粗度が微調整され、良好となる。
ここで、バフは、砥粒を内包しているナイロンバフや比較的硬いスチールバフではなく、馬毛バフの方が望ましい。
最後に、150℃〜230℃程度で、30分〜2時間程度焼成を行い、コーティング剤中の希釈剤を全て蒸発させ、合成樹脂膜160を完全に吸入バルブ120のアーム部120bに当接する領域に固着させる。
一般的には、バルブプレート117は、吸入弁座141や吐出弁座142などが設けられて複雑な形状となるため、生産性やコストの面から焼結金属材料で成型されている。
しかし、通常の焼結金属材料は、金属粉末を型に封入後、加圧、加熱して成型するため、表面および内部に連続した空孔が散在する。そのため、冷媒圧縮機内の冷凍機油102がバルブプレート117の表面に貯留し、内部にも含浸される。含浸された冷凍機油102は圧力変動等によって表面へ染み出てくる。このような冷凍機油102がバルブプレート117と吸入バルブ120のアーム部120bとの隙間に介在している。この隙間に介在した冷凍機油102によって、吸着力が発生し、吸入バルブ120のアーム部120bをバルブプレート117に吸付ける。
そのため、吸入バルブ120が動作するためには吸着力を除去する分の余剰な力が必要となり、吸入バルブ120の開く動作が妨げられ、開き遅れが生じることで、圧力損失が発生し、効率が低下してしまう。
この課題を解決するために、焼結金属材料を成型する加圧、加熱の工程を複数回繰り返すことで、焼結金属材料の密度を大きくして、空孔を小さくすることができるが、コストが高くなり、加工性が悪くなる。また、鋳鉄材料を用いた場合、加工部位が複数となり、加工コストが高くなってしまう。
そこで、本実施の形態では、少なくともバルブプレート117における吸入バルブ120のアーム部120bに当接する領域に合成樹脂膜160を形成している。
この構成によれば、焼結金属材料特有の空孔を、合成樹脂膜160で封孔することができる。また合成樹脂膜160を施すことで金属面よりも撥油性を高くすることができる。
これらの作用により、バルブプレート117と吸入バルブ120のアーム部120bとの隙間に介在する冷凍機油102によって生じる吸着力による吸入バルブ120の開き遅れを抑制することができるので、吸入行程時の圧力損失を低減することができ、冷媒圧縮機の圧縮機効率を向上することができる。
このことは、冷媒圧縮機実機による吸入バルブ120の挙動観察からも確認されている。この結果を図8に示し、説明する。
図8は、バルブの開閉によって生じる衝撃を加速度ピックアップによって測定した結果である。Aが本発明の合成樹脂膜160を形成したバルブプレート117を用いた冷媒圧縮機における結果、Bが合成樹脂膜160を形成していない従来のバルブプレート117を用いた冷媒圧縮機における結果である。
図6に示したように、従来のバルブプレートよりも、合成樹脂膜を形成したバルブプレートの方が早い回転角において衝撃が発生していることがわかる。すなわち、表面処理を形成したバルブプレートの方が、吸入バルブ120の開くタイミングが早く、開き遅れが抑制されていることが実証されている。
次に、合成樹脂膜160と金属面の撥油性を比較検討するために冷凍機油102の広がり速度を、合成樹脂膜160を形成したバルブプレート117と合成樹脂膜160を形成していない従来のバルブプレート117で比較した。
各表面に冷凍機油102を垂らし、その拡散する速度を計測した結果、合成樹脂膜160を形成したバルブプレート117の方が、広がり速度が10%以上遅いことが確認された。撥油性が高いと冷凍機油102の流れが抑制され、冷凍機油102の広がり速度が低下する。このことから合成樹脂膜160の方が、撥油性が高いことが実証された。
以上の検討結果より、バルブプレート117における吸入バルブ120のアーム部120bに当接する領域に合成樹脂膜160を形成することで吸入バルブ120の開き遅れが改善できることを見出した。
一方で、開き遅れを改善する従来の技術としては吸入バルブ120を薄くしたり、アーム部120bの幅を細くしたりして、吸入バルブ120の剛性を下げることが挙げられるが、吸入バルブ120の剛性が下がると繰り返し動作に対する耐久性が低下し、破損しやすくなる。つまり冷媒圧縮機の寿命が低下する。
また、吸入バルブ120の剛性を下げると、吸入バルブ120の開くタイミングは早まるが、それに反し閉じるまでの時間が長くなる。すなわち、閉じ遅れが発生する。閉じ遅れが発生すると圧縮行程で漏れが発生し、冷凍能力が低下する。
しかしながら、本発明によると、吸入バルブ120の剛性を下げることなく開き遅れが改善できるので、吸入バルブ120の寿命を低下させることなく圧縮機効率を向上した冷媒圧縮機を提供することができる。
次に、吸入バルブ120が閉じる際に、バルブプレート117との打撃音が発生し、その打撃音が密閉容器101外へ漏れることによって発生する騒音について説明する。特に、高効率化への対応から、電動要素106のインバータ駆動の採用により、低速で運転することとなり、電動要素106の騒音が低減することから、バルブプレート117と吸入バルブ120の打撃音が顕著となり、より一層騒音としての原因となる。さらに、この種の冷媒圧縮機は、家庭用冷蔵庫に搭載され、室内に設置されることが大半であるため、騒音低減は必須である。
そこで、本実施の形態のようにバルブプレート117と吸入バルブ120の閉塞時における打撃力を、バルブプレート117に施した合成樹脂膜160の弾性効果で低減できるため、打撃音を低減でき、低騒音化を実現した冷媒圧縮機を提供することができる。
さらに、バルブプレート117と吸入バルブ120の閉塞時における打撃力低減により、吸入バルブ120のワレや欠けなどの破損を抑制することができ、信頼性の高い冷媒圧縮機を提供することができる。
また、合成樹脂膜160はフッ素ゴムをバインダーとし、固体潤滑剤162にフッ素樹脂を含有する。フッ素を用いた合成樹脂膜160は、他の合成樹脂膜160に比べ弾性が高く、撥油性が高い特性を有する。一方で、その撥油性の高さから冷凍機油を使用する機器への活用は限定されてきた。
しかしながら、本発明においては、冷凍機油による潤滑性とシール性の確保を必要としない箇所を特定することで活用可能とした。このことにより、更に合成樹脂膜160の弾性を向上させることができるので、打撃音を更に低減でき、低騒音化を実現した冷媒圧縮機を提供することができる。
また、撥油性も向上させることができるので、開き遅れを効果的に抑制でき、圧縮機効率を向上した冷媒圧縮機を提供することができる。
また、合成樹脂膜160に固体潤滑剤162を含有することにより、固体潤滑剤162の潤滑効果で、バルブプレート117と吸入バルブ120が閉塞する際の剪断力が低減され、バルブプレート117に施した合成樹脂膜160の基材表面との剥離を抑制することができるため、長期的に高耐久性を有する冷媒圧縮機を提供することができる。
なお、本実施の形態では、合成樹脂膜160の構造に関し、バインダー161として、フッ素ゴムからなる合成樹脂を用いたが、熱硬化型の樹脂で、耐油性、耐熱性、耐冷媒性、及び耐有機剤性に優れているポリアミドイミドやエポキシ樹脂やフェノール樹脂を使用しても同様の効果が得られる。
また、本実施の形態では、合成樹脂膜160中に分散される固体潤滑剤162として、フッ素樹脂を用いたが、二硫化モリブデン(MoS2)、四フッ化エチレン樹脂(PTFE)、グラファイト(C)を単独、あるいは混合させて使用しても同様の効果が得られる。
さらに、固体潤滑剤162として二硫化モリブデン、グラファイトを用いた場合、三酸化アンチモン(Sb2O3)を併用することで、三酸化アンチモンが、合成樹脂膜160に侵入してきた空気や酸素を捕捉し、自らが先に酸化されることで、合成樹脂膜160中の固体潤滑剤162の酸化による変質を抑制し、摩耗抑制効果を十分に発揮させることができる。
また、本実施の形態のように、適切なマスキング治具を用いたり、あるいは空圧シリンジ方式ディスペンサー装置などを用いたりすることで、必要な部分にのみに塗布できることから、塗布量を削減できるので、冷媒圧縮機の生産性を高め、低コスト化が図れる。
また、合成樹脂膜160の総膜厚さは、1μm〜100μmとしている。その中でも20μm〜70μmの膜厚のとき、最もバランスの取れた仕様となる。これは、フッ素ゴムをバインダーとし、固体潤滑剤にフッ素樹脂を含有することにより、厚膜化しても合成樹脂膜160の膜内強度および基材界面との密着強度を維持することができるので、打撃音低減効果を増加させると共に、合成樹脂膜160の摩耗や剥離を抑制することができる。そのため、耐久性を確保しつつ、合成樹脂膜160の表面粗さを低減でき、長期的な信頼性の確保に加え、生産性に優れた冷媒圧縮機を提供することができる。
なお、吸入バルブ120のアーム部120bに同様の合成樹脂膜160を施しても、これらの同様の効果が得られることはいうまでもなく、さらに、吸入バルブ120のアーム部120bの剛性を高くできるため、吸入バルブ120の閉じ遅れを抑制することができる。そのため、吸入冷媒ガスの逆流を防止し、体積効率を向上することができ、冷媒圧縮機の圧縮機効率を向上することができる。
(第2の実施の形態)
図9は、本発明の第2の実施の形態における冷媒圧縮機の要部断面図である。図10は、本発明の第2の実施の形態における冷媒圧縮機のバルブプレートの吐出側平面図である。
本実施の形態の基本的な構成は、本発明の第1の実施の形態を示す図1から図5と同一であるので説明を省略する。また、図1から図5で説明した構成と同一構成には同一符号を付して説明を一部省略する。
本実施の形態の冷媒圧縮機は、少なくともバルブプレート117における吐出バルブ121のアーム部121b(図5参照)に当接する領域に合成樹脂膜160を形成している。
合成樹脂膜160は、フッ素ゴムからなる合成樹脂をバインダー161として、固体潤滑剤162であるフッ素樹脂を略均一に分散して含有している。
この構成によれば、焼結金属材料特有の空孔を、合成樹脂膜160で封孔することができる。また合成樹脂膜160を施すことで金属面よりも撥油性を高くすることができる。
これらの作用により、バルブプレート117と吐出バルブ121のアーム部121bとの隙間に介在する冷凍機油102によって生じる吸着力による吐出バルブ121の開き遅れを抑制することができるので、吐出行程時の圧力損失を低減することができ、冷媒圧縮機の圧縮機効率を向上することができる。
このことは、冷媒圧縮機実機による吐出バルブ121の挙動観察からも確認されている。この結果を図8によって説明する。図8はバルブの開閉によって生じる衝撃を加速度ピックアップによって測定した結果である。Aが本発明の合成樹脂膜160を形成したバルブプレート117を用いた冷媒圧縮機における結果、Bが合成樹脂膜160を形成していない従来のバルブプレート117を用いた冷媒圧縮機における結果である。
図8に示したように、従来のバルブプレートよりも、合成樹脂膜を形成したバルブプレートの方が早い回転角において衝撃が発生していることがわかる。すなわち、表面処理を形成したバルブプレートの方が、吐出バルブ121の開くタイミングが早く、開き遅れが抑制されていることが実証されている。
次に、合成樹脂膜160と金属面の撥油性を比較検討するために冷凍機油102の広がり速度を、合成樹脂膜160を形成したバルブプレート117と合成樹脂膜160を形成していない従来のバルブプレート117で比較した。
各表面に冷凍機油102を垂らし、その拡散する速度を計測した結果、合成樹脂膜160を形成したバルブプレート117の方が、広がり速度が10%以上遅いことが確認された。撥油性が高いと冷凍機油102の流れが抑制され、冷凍機油102の広がり速度が低下する。このことから合成樹脂膜160の方が、撥油性が高いことが実証された。
以上の検討結果より、バルブプレート117における吐出バルブ121のアーム部121bに当接する領域に合成樹脂膜160を形成することで吐出バルブ121の開き遅れが改善できることを見出した。
一方で、開き遅れを改善する従来の技術としては吐出バルブ121を薄くしたり、アーム部121bの幅を細くしたりして、吐出バルブ121の剛性を下げることが挙げられるが、吐出バルブ121の剛性が下がると繰り返し動作に対する耐久性が低下し、破損しやすくなる。つまり冷媒圧縮機の寿命が低下する。
また、吐出バルブ121の剛性を下げると、吐出バルブ121の開くタイミングは早まるが、それに反し閉じるまでの時間が長くなる。すなわち、閉じ遅れが発生する。閉じ遅れが発生すると吸入行程で冷媒の逆流が発生し、再膨張損失が増加する。
しかしながら、本発明によると、吐出バルブ121の剛性を下げることなく開き遅れが改善できるので、吐出バルブ121の寿命を低下させることなく圧縮機効率を向上した冷媒圧縮機を提供することができる。
次に、吐出バルブ121が閉じる際に、バルブプレート117との打撃音が発生し、その打撃音が密閉容器101外へ漏れることによって発生する騒音について説明する。特に、高効率化への対応から、電動要素106のインバータ駆動の採用により、低速で運転することとなり、電動要素106の騒音が低減することから、バルブプレート117と吐出バルブ121の打撃音が顕著となり、より一層騒音としての原因となる。さらに、この種の冷媒圧縮機は、家庭用冷蔵庫に搭載され、室内に設置されることが大半であるため、騒音低減は必須である。
そこで、本実施の形態のようにバルブプレート117と吐出バルブ121の閉塞時における打撃力を、バルブプレート117に施した合成樹脂膜160の弾性効果で低減できるため、打撃音を低減でき、低騒音化を実現した冷媒圧縮機を提供することができる。
なお、吐出バルブ121のアーム部121bに同様の合成樹脂膜160を施しても、これらの同様の効果が得られることはいうまでもなく、さらに、吐出バルブ121のアーム部121bの剛性を高くできるため、吐出バルブ121の閉じ遅れを抑制することができる。そのため、吐出冷媒ガスの逆流を防止し、再膨張損失を低減することができ、冷媒圧縮機の圧縮機効率を向上することができる。
(第3の実施の形態)
図11は、本発明の第3の実施の形態における冷凍装置の構成を示す模式図である。ここでは、冷媒回路に、本発明の第1の実施の形態または本発明の第2の実施の形態で説明した冷媒圧縮機を搭載した構成とし、冷凍装置の基本構成の概略についてのみ説明する。
図11において、冷凍装置は、一面が開口した断熱性の箱体とその開口を開閉する扉体構成の本体201と、本体201の内部を、物品の貯蔵空間203と機械室205に区画する区画壁207と、貯蔵空間203内を冷却する冷媒回路209を具備している。
冷媒回路209は、圧縮機211として実施の形態1または実施の形態2で説明した冷媒圧縮機と、放熱器213と、減圧装置215と、吸熱器217とを環状に配管接続した構成となっている。
そして、吸熱器217は、送風機(図示せず)を具備した貯蔵空間203内に配置されている。吸熱器217の冷却熱は、矢印で示すように、送風機によって貯蔵空間203内を循環するように撹拌され、貯蔵空間203内は冷却される。
以上説明した冷凍装置に、圧縮機211として本発明の第1の実施の形態または第2の実施の形態における冷媒圧縮機を搭載している。そして、圧縮機211はバルブプレート117における吸入バルブ120のアーム部120bに当接する領域、または、バルブプレート117における吐出バルブ121のアーム部121bに当接する領域に、合成樹脂膜160を形成している。このことで、冷凍機油102の吸着力による吸入バルブ120や吐出バルブ121の開き遅れを抑制し、吸入行程時や吐出行程時の圧力損失を低減することで、圧縮機効率が向上するとともに、吸入バルブ120や吐出バルブ121の閉塞時に生じる打撃音を合成樹脂膜160の弾性効果で低減することができる。そのため、低騒音化が図れているので、冷凍装置の消費電力が低減でき、省エネルギー化を実現するとともに、低騒音化も実現することができる。
(第4の実施の形態)
図12は、本発明の第4の実施の形態における冷媒圧縮機の断面図である。図2は、本発明の第4の実施の形態における冷媒圧縮機のバルブプレート周りの分解斜視図、図12は、本発明の第4の実施の形態における冷媒圧縮機のバルブプレートの要部断面図である。図13は、本発明の第4の実施の形態における冷媒圧縮機のバルブプレートの平面図である。図14は、本発明の第4の実施の形態における冷媒圧縮機の表面処理膜を示す断面図である。
図12から図15に示すように、本実施の形態における冷媒圧縮機では、密閉容器301内の底部に冷凍機油302として例えば低粘度の鉱油を貯留するとともに、作動流体303として例えば地球温暖化係数の低い炭化水素系のR600aなどが封入してある。
また、密閉容器301は、鉄板の絞り成型によって形成されるとともに、一端が密閉容器301内に連通し、他端が冷凍サイクルの低圧側(図示せず)に接続される吸入管350、および、一端が密閉容器301を貫通し、吐出マフラー(図示せず)と連通し、他端が冷凍サイクルの高圧側(図示せず)に接続される吐出管357を備えている。
また、密閉容器301内には、圧縮要素309と電動要素306とを備えた圧縮機本体304がサスペンションスプリング305によって、密閉容器301に対して弾性的に支持されて収納されている。
圧縮要素309は、クランクシャフト312、ブロック315、ピストン316、連結部322などで構成されており、クランクシャフト312は、偏心軸310と主軸311とを備えるとともに、主軸311表面に設けられたらせん状の溝などからなる給油機構351を備えている。
電動要素306は、ブロック315の下方にボルト(図示せず)によって螺子固定されたステータ307と、ステータ307の内側の同軸上に配置され主軸311に焼き嵌め固定されたロータ308とで構成されている。電動要素306は、インバータ駆動回路によって、商用電源周波数を下回る運転周波数(例えば、25Hz=1500r/min)を含む複数の運転周波数で駆動される。
ブロック315には、圧縮室313を形成するシリンダ314と主軸311を回転自在に軸支する軸受部323が一体に形成されている。
シリンダ314の端面に、圧縮室313内外を連通する吸入孔318と吐出孔319とを備えたバルブプレート317と、吸入孔318を開閉する吸入バルブ320を備える。また、バルブプレート317を封止するシリンダヘッド352が、ともにヘッドボルト353によって、シリンダ314の端面を封止するように押圧固定される。さらに、バルブプレート317とシリンダヘッド352の間には、吸入マフラー354が把持されて固定されている。
吸入バルブ320は、ばね鋼材およびステンレス鋼材から形成されており、バルブプレート317に固定される固定部320aと、バルブプレート317の吸入孔318を開閉する開閉部320bと、固定部320aと開閉部320bを連結しているアーム部320cで構成されている。
また、バルブプレート317は焼結金属材料で成型され、そのシリンダヘッド352側に配される面には、吐出孔319を開閉する吐出バルブ321が配され、吐出バルブ321を弾性支持するスプリングリード330、吐出バルブ321とスプリングリード330を固定するバルブストップ331からなる吐出弁装置を備えている。また、バルブプレート317とシリンダヘッド352によりヘッド空間356が形成されている。
以上のように構成された往復圧縮機について、以下その動作、作用を説明する。
冷媒圧縮機は、ステータ307に電流を流して磁界を発生させ、主軸311に固定されたロータ308を回転させることで、クランクシャフト312が回転し、偏心軸310に回転自在に取り付けられた連結部322を介して、ピストン316がシリンダ314内を往復運動する。そして、このピストン316の往復運動に伴い、作動流体303は吸入マフラー354を介して圧縮室313内へ吸入され、圧縮された後、吐出孔319およびヘッド空間356を経て、冷凍サイクル(図示せず)へ吐出される。
次に、圧縮機本体304の吸入、圧縮、吐出行程について説明する。
吸入行程において、ピストン316が圧縮室313の容積が増加する方向に動作し、圧縮室313内の作動流体303が膨張し、圧縮室313内の圧力が吸入マフラー354内の圧力を下回ると、圧縮室313内の圧力と吸入マフラー354内の圧力との差により、吸入バルブ320は開き始める。そして、冷凍サイクルから戻った温度の低い作動流体303が、吸入管350から密閉容器301内に一旦開放され、その後、吸入マフラー354を経て、圧縮室313内に流入する。
その後、圧縮行程において、ピストン316の動作が下死点から圧縮室313の容積が減少する方向に転じると、圧縮室313内の圧力は上昇し、圧縮室313内の圧力と吸入マフラー354内の圧力との差によって、吸入バルブ320は閉じる。そして、圧縮室313は閉塞され、ピストン316がさらに圧縮室313の容積が減少する方向に動作することで、作動流体303は圧縮され、所定の圧力にまで昇圧される。
そして、吐出行程において、圧縮室313内の作動流体303の圧力が上昇し、バルブプレート317とシリンダヘッド352により形成されているヘッド空間356内部の圧力より高くなり、圧力差により発生する力が、吐出バルブ321を弾性変形させる力を上回ると、吐出孔319が開く。そして、圧縮室313内部の作動流体303は、吐出孔319を通過し、ヘッド空間356に流出する。作動流体303は、ヘッド空間356から吐出マフラー(図示せず)を経由し、吐出管357より冷凍サイクルの高圧側(図示せず)に放出される。
ヘッド空間356と圧縮室313の圧力差が減少し、その圧力差により発生する吐出バルブ321に加わる力が、スプリングリード330と吐出バルブ321の復元力に対し小さくなると、吐出バルブ321は閉じ、圧縮室313は閉塞され、ピストン316が下死点方向に移動し、再び吸入行程に移行する。
ここで、本実施の形態の冷媒圧縮機は、図14から図16に示すように焼結金属材料から成型されたバルブプレート317における吸入バルブ320のアーム部320cと相対する領域に合成樹脂361を含む表面処理膜360が形成してある。
表面処理膜360は、ポリアミドイミド(PAI)からなる合成樹脂361をバインダーとして、固体潤滑剤362である二硫化モリブデン粒子を略均一に分散して含有したものである。
このような構造からなる表面処理膜360は、次に示すような工法で形成される。
まず、予備加熱を行い、バルブプレート317を所定の温度に上げる。この予備加熱は、バルブプレート317におけるアーム部320cに相対する領域へ塗布した表面処理膜360を、表面処理膜360に溶解している溶剤を蒸発させ、均一に塗布することを目的として行うものである。
次に、固体潤滑剤362を含有して配合調整された表面処理剤を、バルブプレート317の吸入バルブ320のアーム部320cに相対する領域にスプレーにて塗布する。尚、塗布の際、不要な場所へのコーティング剤の付着を防止するために適切な形状のマスキング治具を取り付けている。
その後、予備加熱時の温度と同等くらいの温度で仮乾燥を数分間行い、表面処理膜360の表面を乾燥させる。表面を乾燥させた段階で、軽くバフ掛けを行うと表面処理膜360の最表面の面粗度が微調整され、良好となる。ここで、バフは、砥粒を内包しているナイロンバフや比較的硬いスチールバフではなく、馬毛バフの方が望ましい。
最後に、180℃〜230℃程度で、30分〜2時間程度焼成を行い、コーティング剤中の希釈剤を全て蒸発させ、表面処理膜360を完全に吸入バルブ320のアーム部320cと相対する領域に固着させる。
一般的には、バルブプレート317は、吸入弁座341や吐出弁座342などが設けられて厚みが不均一で複雑な形状となっているため、生産性やコストの面から焼結金属材料で成型されている。また、吐出バルブ321を備える吐出弁装置を設置するために、吸入弁座とは反対側に凹部332が形成してあって、加工歪等でバルブプレート317は、吸入バルブ320側に、凸形状(例えば、約10〜100μm)になっている。
そのため、吸入バルブ320がバルブプレート317の吸入孔318を閉じる際に、バルブプレート317の凸形状の頂点付近で、吸入バルブ320のアーム部320cが当接して、その後、開閉部320bが吸入孔318を閉じるため、アーム部320cの当接による打撃力が発生する。
また、吸入バルブ320のアーム部320cが折損して、圧縮不良に至ってしまうことがある。すなわち、既述したように冷媒圧縮機は、昨今の高効率化への対応から、ばね鋼材からなる吸入バルブ320の薄肉化や、インバータ駆動の採用による可変速回転モードにより、吸入バルブ320に金属疲労がより蓄積されるような状況にあり、そのため長期間使用しているうちに、吸入バルブ320のアーム部320cが折損して圧縮不良に至ってしまうのである。
この課題を解決するために、従来は、バルブプレート317の厚みを増加して、剛性を大きくすることによりバルブプレート317の加工による変形を抑制することが提案されているが、吐出孔319内の体積増加によって圧縮した冷媒が再膨張してしまい、性能が低下してしまう。
そこで、本実施の形態は、バルブプレート317における吸入バルブ320のアーム部320cと相対する領域に合成樹脂361を含む表面処理膜360を施すことにより、バルブプレート317が吸入バルブ320側に凸形状になっていて、吸入バルブ320が吸入孔318を閉じる際に、吸入バルブ320のアーム部320cがバルブプレート317の凸形状の頂点付近で当接し、打撃力が発生しても、吸入バルブ320のアーム部320cに相対するバルブプレート317の領域に施した合成樹脂361を含む表面処理膜360の弾性効果で、打撃力を緩和している。また、打撃力によって生じる吸入バルブ320の折損を防止している。
これにより、信頼性の高い冷媒圧縮機およびそれを用いた冷凍装置を提供することができる。
合成樹脂361を含む表面処理膜360は、その総膜厚さを、1μm〜50μmとしている。総膜厚さを1μm以上とすることにより、弾性効果による打撃力低減効果が発揮され、かつ表面処理膜360がムラなく形成できる。また、50μm以下にすることにより、表面処理膜360の膜内強度および基材界面との密着強度の両方を確保して耐久性を確保しつつ、表面処理膜360の表面の寸法公差や面荒れを抑制できる。したがって、表面処理膜360の摩耗、剥離を抑制して、長期的な信頼性の確保に加え、生産性に優れた冷媒圧縮機およびそれを用いた冷凍装置を提供することができる。
なお、本実施の形態では、表面処理膜360のバインダーとして、ポリアミドイミドからなる合成樹脂361を用いたが、熱硬化型の樹脂で、耐油性、耐熱性、耐冷媒性、及び耐有機剤性に優れたエポキシ樹脂やフェノール樹脂を使用しても同様の効果が得られる。
また、本実施の形態の表面処理膜360は、その中に分散される固体潤滑剤362として、二硫化モリブデン(MoS2)を用いたが、四フッ化エチレン樹脂(PTFE)、グラファイト(C)を単独、あるいは混合させて使用しても同様の効果が得られる。
更に、固体潤滑剤362として二硫化モリブデン、グラファイトを用いた場合、三酸化アンチモン(Sb2O3)を併用することで、三酸化アンチモンが、表面処理膜360に侵入してきた空気や酸素を捕捉し、自らが先に酸化されることで、表面処理膜360中の固体潤滑剤362の酸化による変質を抑制し、摩耗抑制効果を十分に発揮させることができ、効果的である。
また、本実施の形態のように、適切なマスキング治具を用いたり、あるいは空圧シリンジ方式ディスペンサー装置(図示せず)などを用いたりすることで、必要な部分にのみに表面処理剤を塗布することができるから、塗布量を削減できるので生産性が高く、低コストで冷媒圧縮機を提供することができる。
なお、吸入バルブ320のアーム部320cに合成樹脂361を含む表面処理膜360を形成しても、同様の効果があることは言うまでもない。
(第5の実施の形態)
図17は、本発明の第5の実施の形態における冷媒圧縮機のバルブプレートの要部断面図である。図18は、本発明の第5の実施の形態における冷媒圧縮機のバルブプレートの正面図である。
本実施の形態の基本的な構成は、図12と同一であるので説明を省略する。また、図12で説明した構成と同一構成には同一符号を付して説明を一部省略する。
本実施の形態の冷媒圧縮機は、焼結金属材料から成型されたバルブプレート317における吸入バルブ320の開閉部320bに相対する領域、つまり、吸入孔318を囲うように設けた吸入弁座341に、合成樹脂361を含む表面処理膜360を形成している。
本実施の形態のように、吸入弁座341に、合成樹脂361を含む表面処理膜360を施すことにより、吸入弁座341と吸入バルブ320との閉塞時における打撃力を低減でき、吸入バルブ320のワレや欠けなどの破損を抑制することができる。よって、信頼性の高い冷媒圧縮機およびそれを用いた冷凍装置を提供することができる。
また、吸入弁座341と吸入バルブ320の閉塞時における打撃力を、吸入弁座341に施した合成樹脂361を含む表面処理膜360の弾性効果で低減できるため、打撃音を低減でき、低騒音化を実現した冷媒圧縮機およびそれを用いた冷凍装置を提供することができる。特に、冷媒圧縮機は、高効率化への対応から、電動要素306のインバータ駆動の採用により、低速で運転することとなり、電動要素306の騒音が低減していることから、吸入弁座341と吸入バルブ320との打撃音が顕在化しやすい。しかもこの種の冷媒圧縮機は、室内に設置されることが大半の家庭用冷蔵庫に搭載されるためよりその打撃音は顕在化しやすく、騒音低減は必須であるため、効果的である。
また、通常の焼結金属材料は、金属粉末を型に封入後、加圧、加熱して成型するため、表面および内部に連続した空孔が散在する。そのため、その空孔を伝って冷媒が漏れることによって、吸入弁座341と吸入バルブ320のシール性が悪化し、効率が低下してしまう。特に、省エネルギー化に対応するべく、低粘度の冷凍機油302を採用するようになって、ますます、冷凍機油302によるシール性が低下するために、作動流体303の逆流による性能低下が顕著となる。
この課題を解決するために、従来は、焼結金属材料を成型する加圧、加熱の工程を複数回繰り返すことで、焼結金属材料の密度を大きくして、空孔を小さくしているが、コストが高くなり、加工性が悪くなる。また。鋳鉄材料を用いた場合、加工部位が複数となり、加工コストが高くなってしまう。
しかしながら、本実施の形態では、吸入弁座341に合成樹脂361を含む表面処理膜360を施してあるから、吸入弁座341に散在する焼結金属材料特有の空孔を、合成樹脂361を含む表面処理膜360で封孔することができる。よって、吸入弁座341と吸入バルブ320の冷媒漏れが低減でき、シール性が向上し、圧縮、吐出行程時における作動流体303の逆流を抑制することができる。そして、冷凍能力の低下を低減し、低コストで圧縮機効率を向上した冷媒圧縮機およびそれを用いた冷凍装置を提供することができる。
また、合成樹脂361を含む表面処理膜360に固体潤滑剤362を含有したことにより、固体潤滑剤362の潤滑効果で、吸入弁座341と吸入バルブ320が閉塞する際の剪断力が低減し、吸入弁座341に施した表面処理膜360の基材表面との剥離を抑制することができる。したがって、長期的に高耐久性を確保できる冷媒圧縮機およびそれを用いた冷凍装置を提供することができる。
また、固体潤滑剤362の効果により、早期に粗さの山が取れて平滑な弁座面となり、吸入弁座341と吸入バルブ320のシール性を向上できる。したがって、早期に漏れによる冷凍能力の低下を抑制し、圧縮機効率を向上した冷媒圧縮機およびそれを用いた冷凍装置を提供することができる。
また、合成樹脂361を含む表面処理膜360は、その総膜厚さを、1μm〜50μmとしている。総膜厚さを1μm以上にすることにより、シール性向上効果と弾性効果による打撃力低減効果が発揮され、かつ表面処理膜360がムラなく形成できる。また、50μm以下にすることにより、表面処理膜360の膜内強度および基材界面との密着強度の両方を確保して耐久性を確保しつつ、表面処理膜360の表面の寸法公差や面荒れを抑制できる。したがって、表面処理膜360の摩耗、剥離を抑制して、長期的な信頼性の確保に加え、生産性に優れた冷媒圧縮機およびそれを用いた冷凍装置を提供することができる。
なお、本実施の形態では、表面処理膜360のバインダーとして、ポリアミドイミドからなる合成樹脂361を用いたが、熱硬化型の樹脂で、耐油性、耐熱性、耐冷媒性、及び耐有機剤性に優れているエポキシ樹脂やフェノール樹脂を使用しても同様の効果が得られる。
また、本実施の形態の表面処理膜360は、その中に分散される固体潤滑剤362として、二硫化モリブデン(MoS2)を用いたが、四フッ化エチレン樹脂(PTFE)、グラファイト(C)を単独、あるいは混合させて使用しても同様の効果が得られる。更に、固体潤滑剤362として二硫化モリブデン、グラファイトを用いた場合、三酸化アンチモン(Sb2O3)を併用することで、三酸化アンチモンが、表面処理膜360に侵入してきた空気や酸素を捕捉し、自らが先に酸化されることで、表面処理膜360中の固体潤滑剤362の酸化による変質を抑制し、摩耗抑制効果を十分に発揮させることができ、効果的である。
また、本実施の形態のように、適切なマスキング治具を用いたり、あるいは空圧シリンジ方式ディスペンサー装置(図示せず)などを用いたりすることで、必要な部分にのみに表面処理剤を塗布することができるから、塗布量を削減できるので生産性が高く、低コストで冷媒圧縮機を提供することができる。
なお、吸入バルブ320の開閉部320bに合成樹脂361を含む表面処理膜360を形成しても、同様の効果があることは言うまでもない。
(第6の実施の形態)
図19は、本発明の第6の実施の形態における冷媒圧縮機のバルブプレートの要部断面図である。図20は、本発明の第6の実施の形態における冷媒圧縮機のバルブプレートの平面図である。
本実施の形態の基本的な構成も、図12と同一であるので説明を省略する。また、図12で説明した構成と同一構成には同一符号を付して説明を一部省略する。
本実施の形態の冷媒圧縮機は、本発明の第4の実施の形態或いは本発明の第5の実施の形態の構成に加え、更に焼結金属材料から成型されたバルブプレート317における吸入バルブ320の固定部320aと相対する領域に、合成樹脂361を含む表面処理膜360を形成した構成としてある。
これにより、吸入弁座341と吸入バルブ320の閉塞時における打撃力で発生する振動を、バルブプレート317における吸入バルブ320の固定部320aに相当する領域に施した合成樹脂361を含む表面処理膜360で、バルブプレート317を伝播する振動を減衰させることができる。そのため、振動および打撃音を低減でき、低騒音化を実現した冷媒圧縮機およびそれを用いた冷凍装置を提供することができる。特に冷媒圧縮機は既述した通り騒音低減が必須であるため、効果的である。
また、合成樹脂361を含む表面処理膜360はその総膜厚さを、1μm〜50μmとしている。総膜厚さを1μm以上にすることにより、打撃力によって発生する振動を減衰させる効果が発揮され、かつ表面処理膜360がムラなく形成できる。また、50μm以下にすることにより、表面処理膜360の膜内強度および基材界面との密着強度の両方を確保して耐久性を確保しつつ、表面処理膜360の表面の寸法公差や面荒れを抑制できる。
したがって、表面処理膜360の摩耗、剥離を抑制して、長期的な信頼性の確保に加え、生産性に優れた冷媒圧縮機およびそれを用いた冷凍装置を提供することができる。
なお、本実施の形態では、表面処理膜360のバインダーとして、ポリアミドイミドからなる合成樹脂361を用いたが、熱硬化型の樹脂で、耐油性、耐熱性、耐冷媒性、及び耐有機剤性に優れているエポキシ樹脂やフェノール樹脂を使用しても同様の効果が得られる。
また、本実施の形態の表面処理膜360は、その中に分散される固体潤滑剤362として、二硫化モリブデン(MoS2)を用いたが、四フッ化エチレン樹脂(PTFE)、グラファイト(C)を単独、あるいは混合させて使用しても同様の効果が得られる。更に、固体潤滑剤362として二硫化モリブデン、グラファイトを用いた場合、三酸化アンチモン(Sb2O3)を併用することで、三酸化アンチモンが、表面処理膜360に侵入してきた空気や酸素を捕捉し、自らが先に酸化されることで、表面処理膜360中の固体潤滑剤362の酸化による変質を抑制し、摩耗抑制効果を十分に発揮させることができ、効果的である。
また、本実施の形態のように適切なマスキング治具を用いたり、あるいは空圧シリンジ方式ディスペンサー装置(図示せず)などを用いたりすることで、必要な部分にのみに表面処理剤を塗布することができるから、塗布量を削減できるので生産性が高く、低コストで冷媒圧縮機を提供することができる。
なお、吸入バルブ320の固定部320aに合成樹脂361を含む表面処理膜360を形成しても、同様の効果があることは言うまでもない。
(第7の実施の形態)
図21Aは、本発明の第7の実施の形態における冷媒圧縮機のバルブプレートの平面図である。図21Bは、本発明の第7の実施の形態における冷媒圧縮機のバルブプレートの断面図である。
本実施の形態の基本的な構成も、図12と同一であるので説明を省略する。また、図12で説明した構成と同一構成には同一符号を付して説明を一部省略する。
本実施の形態の冷媒圧縮機は、バルブプレート317の吸入弁座341とは反対側において、吸入バルブ320のアーム部320cに相対する領域に凹部332を形成したものである。
凹部332には、吐出孔319を開閉する吐出バルブ321が配され、吐出バルブ321を弾性支持するスプリングリード330、吐出バルブ321とスプリングリード330を固定するバルブストップ331からなる吐出弁装置を備えている。
この凹部332の形成で、バルブプレート317の厚みが一部薄くなり、バルブプレート317の成型および仕上げ加工時の歪により、吸入バルブ320側に凸形状となり、特に、吸入バルブ320のアーム部320cに相対する領域が凸形状の頂点となる。
吸入バルブ320が吸入孔318を閉じる際に、吸入バルブ320のアーム部320cがバルブプレート317の凸形状の頂点付近に当接し、強い打撃力が発生しやすくなる。しかしながら、吸入バルブ320のアーム部320cに相対するバルブプレート317の領域に施した合成樹脂361を含む表面処理膜360の弾性効果で、打撃力を緩和し、吸入バルブ320の信頼性を向上した冷媒圧縮機およびそれを用いた冷凍装置を提供することができる。
以上説明したように、本発明は、密閉容器内に、往復動するピストンを収納するシリンダと、シリンダの開口端に配置され吸入孔を囲うように設けられた吸入弁座を有したバルブプレートと、吸入孔を開閉する吸入バルブとを備え、吸入バルブは開閉部と開閉部が開閉する際動作するアーム部とを備え、少なくともバルブプレートにおける吸入バルブのアーム部に当接する領域に合成樹脂膜を有する。
これにより、バルブプレートの吸入バルブのアーム部が当接する領域の撥油性が向上し、バルブプレートと吸入バルブのアーム部との隙間に冷凍機油が介在しにくくなるため、冷凍機油の吸着力による吸入バルブの開き遅れを抑制することができる。そのため、吸入行程時の圧力損失を低減することができ、冷媒圧縮機の圧縮機効率を向上することができる。
また、吸入バルブの閉塞時に生じる打撃音を表面処理の弾性効果で低減できるので、冷媒圧縮機の低騒音化が図れる。
また、本発明は、密閉容器内に、往復動するピストンを収納するシリンダと、シリンダの開口端に配置され吐出孔を囲うように設けられた吐出弁座を有したバルブプレートと、吐出孔を開閉する吐出バルブとを備える。また、吐出バルブは開閉部と開閉部が開閉する際動作するアーム部とを備え、少なくともバルブプレートにおける吐出バルブのアーム部に当接する領域に合成樹脂膜を有してもよい。
これにより、バルブプレートの吐出バルブのアーム部が当接する領域の撥油性が向上し、バルブプレートと吐出バルブのアーム部との隙間に冷凍機油が介在しにくくなる。そのため、冷凍機油の吸着力による吐出バルブの開き遅れを抑制することができるので、吐出行程時の圧力損失を低減することができ、冷媒圧縮機の圧縮機効率を向上することができる。
また、吐出バルブの閉塞時に生じる打撃音を表面処理の弾性効果で低減できるので、冷媒圧縮機の低騒音化が図れる。
また、本発明は、密閉容器内に、往復動するピストンを収納するシリンダと、シリンダの開口端に配置され吸入孔を囲うように設けられた吸入弁座を有したバルブプレートと、吸入孔を開閉する吸入バルブとを備える。また、吸入バルブは開閉部と開閉部が開閉する際動作するアーム部とを備え、少なくとも吸入バルブのアーム部におけるバルブプレートと当接する領域に合成樹脂膜を有してもよい。
これにより、吸入バルブのアーム部の撥油性が向上し、バルブプレートと吸入バルブのアーム部との隙間に冷凍機油が介在しにくくなるため、冷凍機油の吸着力による吸入バルブの開き遅れを抑制することができる。そのため、吸入行程時の圧力損失を低減することができると共に、吸入バルブのアーム部の剛性を高くできるため、吸入バルブの閉じ遅れを抑制することができる。そして、吸入冷媒ガスの逆流を防止し、体積効率を向上することができ、冷媒圧縮機の圧縮機効率を向上することができる。
また、吸入バルブの閉塞時に生じる打撃音を表面処理の弾性効果で低減できるので、冷媒圧縮機の低騒音化が図れる。
また、本発明は、密閉容器内に、往復動するピストンを収納するシリンダと、シリンダの開口端に配置され吐出孔を囲うように設けられた吐出弁座を有したバルブプレートと、吐出孔を開閉する吐出バルブとを備える。また、吐出バルブは開閉部と開閉部が開閉する際動作するアーム部とを備え、少なくとも吐出バルブのアーム部におけるバルブプレートと当接する領域に合成樹脂膜を有してもよい。
これにより、吐出バルブのアーム部の撥油性が向上し、バルブプレートと吐出バルブのアーム部との隙間に冷凍機油が介在しにくくなるため、冷凍機油の吸着力による吐出バルブの開き遅れを抑制することができる。そのため、吐出行程時の圧力損失を低減することができると共に、吐出バルブのアーム部の剛性を高くできるため、吐出バルブの閉じ遅れを抑制することができる。そして、吐出冷媒ガスの逆流を防止し、再膨張損失を低減することができ、冷媒圧縮機の圧縮機効率を向上することができる。
また、吐出バルブの閉塞時に生じる打撃音を表面処理の弾性効果で低減できるので、冷媒圧縮機の低騒音化が図れる。
また、本発明は、合成樹脂膜が、フッ素ゴムをバインダーとし、固体潤滑剤にフッ素樹脂を含有してもよい。
これにより、更に合成樹脂膜の弾性を向上させることができるので、打撃音を更に低減でき、冷媒圧縮機の低騒音化が図れる。また撥油性も向上させることができるので、より効果的に開き遅れを抑制でき、冷媒圧縮機の圧縮機効率を向上させることができる。
また、本発明は、合成樹脂膜の総膜厚さを、1μm〜100μmとしてもよい。
これにより、打撃音低減効果を増加させると共に、合成樹脂膜の摩耗や剥離を抑制することができるので、耐久性を確保しつつ、合成樹脂膜の表面粗さを低減でき、長期的な信頼性の確保に加え、生産性に優れた冷媒圧縮機を提供することができる。
また、本発明の冷凍装置は、本発明の圧縮機と、放熱器、減圧装置、吸熱器を配管によって環状に連結した冷媒回路を有してもよい。
これにより、圧縮機効率が向上すると共に、低騒音化が図れた冷媒圧縮機の搭載によって冷凍装置の消費電力を低減し、省エネルギー化を実現すると共に、低騒音化も実現することができる。
また、本発明は、往復動するピストンを収納するシリンダと、シリンダの開口端に配置され吸入孔を囲うように設けられた吸入弁座を有したバルブプレートと、吸入孔を開閉する吸入バルブとを備え、バルブプレートにおける吸入バルブの開閉部と相対する領域或いは吸入バルブの開閉部に合成樹脂を含む表面処理膜を設けてもよい。
これにより、バルブプレートにおける吸入バルブの開閉部に相対する領域と吸入バルブの開閉部との間で生じる打撃力を、バルブプレートにおける吸入バルブの開閉部に相対する領域或いは吸入バルブの開閉部のいずれかに施した合成樹脂を含む表面処理膜の弾性効果で緩和する。このことにより、吸入バルブの信頼性を向上できると共に、打撃音を低減し、高信頼性および低騒音化を実現した冷媒圧縮機とすることができる。
また、表面処理膜をバルブプレートにおける吸入バルブの開閉部に相対する領域、すなわち吸入弁座に施した場合は、吸入弁座に散在する焼結金属材料特有の空孔を、合成樹脂を含む表面処理膜で封孔することができ、吸入弁座と吸入バルブの冷媒漏れを低減し、シール性が向上する。よって、圧縮、吐出行程時における作動流体の逆流を抑制することができ、冷凍能力の低下を低減し、圧縮機効率を向上した冷媒圧縮機を提供することができる。
また、本発明は、バルブプレートにおける吸入バルブの固定部と相対する領域或いは吸入バルブの固定部のいずれかにも合成樹脂を含む表面処理膜を設けてもよい。
これにより、吸入弁座と吸入バルブの閉塞時における打撃力で発生する振動を、固定部或いは吸入バルブの固定部に施した合成樹脂を含む表面処理膜によりバルブプレートを伝播する過程で減衰させることができる。そのため、振動および打撃音を低減でき、低騒音化を実現した冷媒圧縮機とすることができる。
また、本発明は、バルブプレートは吸入弁座と反対側の吸入バルブのアーム部と相対する領域に凹部を形成してもよい。
この凹部の形成で、バルブプレートの厚みが一部薄くなるため、バルブプレートの成型および仕上げ加工時の歪により、吸入バルブ側に凸形状となり、吸入バルブが吸入孔を閉じる際に打撃力が発生しやすくなる。しかし、この打撃力は、合成樹脂を含む表面処理膜の弾性効果で緩和し、吸入バルブの信頼性を向上した冷媒圧縮機とすることができる。
また、本発明は、合成樹脂を含む表面処理膜として固体潤滑剤を含有したものとしてもよい。
これにより、表面処理膜に含有した固体潤滑剤の潤滑効果で吸入弁座と吸入バルブおよび吐出弁座と吐出バルブが閉塞する際の剪断力が低減し、弁座に施した表面処理膜の基材表面との剥離を抑制することができるため、長期的に高耐久性を有する冷媒圧縮機を提供することができる。また、固体潤滑剤の効果により、早期に粗さの山が取れて平滑な弁座面となり、吸入弁座と吸入バルブのシール性が向上できるため、早期に漏れによる冷凍能力の低下を抑制し、圧縮機効率を向上した冷媒圧縮機とすることができる。
さらに、合成樹脂に固体潤滑剤を含有することによる冷凍機油に対する濡れ性の向上効果で、バルブプレートとバルブ間で潤滑油が保持でき、油膜により打撃力が低減し、さらに吸入バルブの信頼性を向上した冷媒圧縮機を提供することができる。
以上のように、本発明にかかる冷媒圧縮機は効率が高く、騒音が低いため、家庭用冷蔵庫を初めとしてエアコン、除湿機、ショーケースや自販機等の冷凍サイクルを用いたあらゆる用途にも適用できる。
1,101,301 密閉容器
2,102,302 冷凍機油
3,103,303 作動流体
4,104,304 圧縮機本体
5,105,305 サスペンションスプリング
6,106,306 電動要素
7,107,307 ステータ
8,108,308 ロータ
9,109,309 圧縮要素
10,110,310 偏心軸
11,111,311 主軸
12,112,312 クランクシャフト
13,113,313 圧縮室
14,114,314 シリンダ
16,116,316 ピストン
17,117,317 バルブプレート
18,118,318 吸入孔
19,119,319 吐出孔
20,120,320 吸入バルブ
21,121,321 吐出バルブ
23,123,323 軸受部
52,152,352 シリンダヘッド
56,156,356 ヘッド空間
115,315 ブロック
120a,121a,320b 開閉部
120b,121b,320c アーム部
122,322 連結部
141,341 吸入弁座
142,342 吐出弁座
150,350 吸入管
151,351 給油機構
157,357 吐出管
160 合成樹脂膜
161 バインダー
162,362 固体潤滑剤
209 冷媒回路
211 圧縮機
213 放熱器
215 減圧装置
217 吸熱器
320a 固定部
332 凹部
360 表面処理膜
361 合成樹脂

Claims (14)

  1. 密閉容器内に、往復動するピストンを収納するシリンダと、前記シリンダの開口端に配置され吸入孔を囲うように設けられた吸入弁座を有したバルブプレートと、前記吸入孔を開閉する吸入バルブとを備え、前記吸入バルブは開閉部と前記開閉部が開閉する際動作するアーム部とを備え、少なくとも前記バルブプレートにおける前記吸入バルブの前記アーム部に当接する領域に合成樹脂膜を有する冷媒圧縮機。
  2. 密閉容器内に、往復動するピストンを収納するシリンダと、前記シリンダの開口端に配置され吐出孔を囲うように設けられた吐出弁座を有したバルブプレートと、前記吐出孔を開閉する吐出バルブとを備え、前記吐出バルブは開閉部と前記開閉部が開閉する際動作するアーム部とを備え、少なくとも前記バルブプレートにおける前記吐出バルブの前記アーム部に当接する領域に合成樹脂膜を有する冷媒圧縮機。
  3. 密閉容器内に、往復動するピストンを収納するシリンダと、前記シリンダの開口端に配置され吸入孔を囲うように設けられた吸入弁座を有したバルブプレートと、前記吸入孔を開閉する吸入バルブとを備え、前記吸入バルブは開閉部と前記開閉部が開閉する際動作するアーム部とを備え、少なくとも前記吸入バルブの前記アーム部における前記バルブプレートと当接する領域に合成樹脂膜を有する冷媒圧縮機。
  4. 密閉容器内に、往復動するピストンを収納するシリンダと、前記シリンダの開口端に配置され吐出孔を囲うように設けられた吐出弁座を有したバルブプレートと、前記吐出孔を開閉する吐出バルブとを備え、前記吐出バルブは開閉部と前記開閉部が開閉する際動作するアーム部とを備え、少なくとも前記吐出バルブの前記アーム部における前記バルブプレートと当接する領域に合成樹脂膜を有する冷媒圧縮機。
  5. 密閉容器内に、往復動するピストンを収納するシリンダと、前記シリンダの開口端に配置され吸入孔を囲うように設けられた吸入弁座を有したバルブプレートと、前記吸入孔を開閉する吸入バルブとを備え、前記吸入バルブは開閉部と前記開閉部が開閉する際動作するアーム部とを備え、前記バルブプレートにおける前記吸入バルブの前記開閉部と相対する領域或いは前記吸入バルブの前記開閉部に合成樹脂を含む表面処理膜を有する冷媒圧縮機。
  6. 前記バルブプレートにおける前記吸入バルブの固定部と相対する領域或いは前記吸入バルブの前記固定部のいずれかに合成樹脂を含む表面処理膜を有する請求項5に記載の冷媒圧縮機。
  7. 前記バルブプレートは前記開閉部と反対側の前記吸入バルブの前記アーム部と相対する領域に凹部を形成した請求項5に記載の冷媒圧縮機。
  8. 前記バルブプレートにおける前記吸入バルブの前記開閉部と相対する領域或いは前記吸入バルブの前記開閉部に合成樹脂膜を有する請求項1に記載の冷媒圧縮機。
  9. 前記合成樹脂膜が、フッ素ゴムをバインダーとし、固体潤滑剤にフッ素樹脂を含有した請求項1に記載の冷媒圧縮機。
  10. 前記合成樹脂膜が、フッ素ゴムをバインダーとし、固体潤滑剤にフッ素樹脂を含有した請求項2に記載の冷媒圧縮機。
  11. 前記合成樹脂膜が、フッ素ゴムをバインダーとし、固体潤滑剤にフッ素樹脂を含有した請求項3に記載の冷媒圧縮機。
  12. 前記合成樹脂膜が、フッ素ゴムをバインダーとし、固体潤滑剤にフッ素樹脂を含有した請求項4に記載の冷媒圧縮機。
  13. 前記合成樹脂膜の総膜厚さが、1μm〜100μmである請求項1から4、または9から12の、いずれか一項に記載の冷媒圧縮機。
  14. 請求項1から12のいずれか一項に記載の冷媒圧縮機と、放熱器、減圧装置、吸熱器を配管によって環状に連結した冷媒回路を有する冷凍装置。
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