JP2010185344A - 摺動部材および圧縮機 - Google Patents

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Abstract

【課題】りん酸塩皮膜による潤滑油の保油力が高く、高信頼性の圧縮機の摺動部材および、高信頼性かつ高効率の圧縮機を提供する。
【解決手段】摺動部素材の表面に、膜厚が0.5μmから1.5μmの範囲内と2.0μmから3.0μmの範囲内であるりん酸塩皮膜127を、5.0μから20μmの範囲内の一定の膜幅で交互に形成することにより、潤滑油の保油力を高めることができ、摺動部材の耐摩耗性が向上し、摺動部におけるシール性や耐摩耗性に優れた信頼性の高い圧縮機を提供することができる。
【選択図】図3

Description

本発明は、鉄鋼製品例えばピストンやクランクシャフト等の摺動面に、耐摩耗性、初期なじみ性の優れたりん酸塩皮膜を形成した摺動部材と、冷蔵庫やエアーコンデンサー等に使用される圧縮機に関するものである。
近年、地球環境保護の観点から化石燃料の使用を減らすために高効率の圧縮機の開発が進められている。
従来、圧縮機のピストンやクランクシャフトなどの摺動面に、りん酸塩皮膜を形成することで機械加工仕上げの加工面の凹凸を消し、摺動部部材同士の初期なじみを良好にした摺動部材および圧縮機についての記載がある(例えば、特許文献1参照)。
以下、図面を参照しながら上記従来の摺動部材および圧縮機を説明する。
図6は、特許文献1に記載された従来の圧縮機の縦断面図、図7は特許文献1に記載された従来の摺動部材の要部断面図である。
図6に示すように、密閉容器1は底部に潤滑油2を貯留するとともに、固定子3および回転子4からなる電動要素5と、電動要素5によって駆動される往復式の圧縮要素6を収容している。
次に圧縮要素6の詳細を以下に説明する。
クランクシャフト7は、回転子4を圧入固定した主軸部8および、主軸部8に対し偏心して形成された偏心軸9を備え、さらに給油ポンプ10を設けている。
また、シリンダーブロック11は略円筒形のボアー12からなる圧縮室13を形成するとともに、主軸部8を軸支する軸受部14を設けている。
ボアー12に遊嵌されたピストン15は、ピストンピン16を介して、偏心軸9との間を連結手段であるコンロッド17によって連結されている。
ボアー12の端面はバルブプレート18で封止されている。
また、ヘッド19は高圧室(図示せず)と低圧室(図示せず)を形成し、バルブプレート18の反ボアー12側に固定される。
サクションチューブ20は、密閉容器1に固定されるとともに冷凍サイクルの低圧側(図示せず)に接続され、冷媒ガスを密閉容器1内に導く。サクションマフラー21は、バルブプレート18とヘッド19に挟持される。
クランクシャフト7の主軸部8と軸受部14、ピストン15とボアー12、ピストンピン16とコンロッド17、クランクシャフト7の偏心軸9とコンロッド17とは、相互に摺動部を形成し、摺動部を構成する摺動部材は、どちらか一方の摺動部表面に多孔質結晶体からなる不溶解性のりん酸塩皮膜22を形成している。
図7では、摺動部の一例として、ピストン15とボアー12で形成される摺動部を示しており、ピストン15の摺動部表面に多孔質結晶体からなる不溶解性のりん酸塩皮膜22を形成している。
以上のように構成された圧縮機について、以下その動作を説明する。
商用電源(図示せず)から供給される電力は電動要素5に供給され、電動要素5の回転子4を回転させる。回転子4はクランクシャフト7を回転させ、偏心軸9の偏心運動が連結手段であるコンロッド17からピストンピン16を介してピストン15に伝達されてピストン15はボアー12内を往復運動し、サクションチューブ20を通じて密閉容器1内に導かれた冷媒ガスは、サクションマフラー21から吸入され、圧縮室13内で連続して圧縮される。
潤滑油2はクランクシャフト7の回転に伴い、給油ポンプ10から各摺動部に給油され、摺動部を潤滑するとともに、ピストン15とボアー12の摺動部においては、多孔質結晶体であるりん酸塩皮膜22によりオイルが保持され、シールの役割を果たす。
ここでピストン15とボアー12とは、漏れ損失を小さくするために非常に狭いクリアランスで遊嵌されている。その結果、ピストン15とボアー12の形状、精度のばらつきによっては、部分的に相互接触を起こす部位が生ずることもある。
しかしながら、りん酸塩皮膜22をピストン15の摺動面に形成することで、ピストン15が上死点ならびに下死点において速度が零となった場合においても。ピストン15の表面に形成したりん酸塩皮膜22により、ボアー12との金属接触を防止することができる。
特開平7−238885号公報
しかしながら、上記従来の摺動部材を潤滑油2の粘度が高い環境下で使用する場合は、りん酸塩皮膜22の多孔質結晶体の形状を生かして潤滑油2の保持性を得ることができたが、近年の圧縮機の高効率化に伴う潤滑油2の低粘度化により、りん酸塩皮膜22の多孔質結晶体形状による潤滑油2を保持する能力が低下し、その結果、潤滑油2によるピストン15とボアー12間のシール性の低下や、りん酸塩皮膜22に対する負荷が増大することによる耐摩耗性の低下が生じるという課題を有していた。
本発明は、上記従来の課題を解決するもので、りん酸塩皮膜の形状を制御することにより潤滑油の保持力を向上させる摺動部材を提供し、信頼性の高い高効率の圧縮機を提供することを目的としている。
上記従来の課題を解決するために、本発明の摺動部材は、摺動部表面に形成するりん酸塩皮膜の膜厚を制御することで、りん酸塩皮膜と潤滑油とのぬれ性を良化させ、潤滑油の保持力を高めることができるという作用を有する。
本発明の摺動部材および圧縮機は、摺動部素材の表面に、膜厚が0.5から1.5μmの範囲内であるりん酸塩皮膜と、膜厚が2.0から3.0μmの範囲内であるりん酸塩皮膜とが混在して形成したもので、りん酸塩皮膜による潤滑油の保持力を高めた高性能で高信頼性の摺動部材および、高信頼性かつ高効率の圧縮機を提供することができる。
請求項1に記載の発明は、摺動部素材の表面に、膜厚が0.5から1.5μmの範囲内であるりん酸塩皮膜と、膜厚が2.0から3.0μmの範囲内である前記りん酸塩皮膜とが、混在して形成したもので、りん酸塩皮膜の膜厚差により潤滑油のぬれ性が良化し保油性を高めるため、信頼性の高い摺動部材を形成することができる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において膜厚が0.5から1.5μmの範囲内であるりん酸塩皮膜と、膜厚が2.0から3.0μmの前記りん酸塩皮膜とが、5.0から20μmの範囲内の一定の膜幅で交互に形成したもので、一定の膜幅でりん酸塩皮膜の膜厚差を形成することにより、りん酸塩皮膜と潤滑油とのぬれ性が良化し保油性を高め、また、りん酸塩皮膜と摺動部材との接触面を減少させ、りん酸塩皮膜の摩滅による保油性低下を低減するため、請求項1に記載の発明の効果に加えてさらに、信頼性の高い摺動部材を形成することができる。
請求項3に記載の発明は、密閉容器内に潤滑油を貯留するとともに圧縮要素とを収容し、前記圧縮要素は主軸および偏心軸を備えたクランクシャフトと、一方が前記クランクシャフトに一体に形成され、他方が軸受部に一体に形成されたスラスト部と、前記主軸を回転自在に軸支する前記軸受部と、圧縮室を形成するシリンダーブロックと、前記圧縮室内を往復動するピストンと、前記偏心軸と平行に配置され前記ピストンに固定されたピストンピンと、前記偏心軸と前記ピストンを連結するコンロッドとを備えレシプロ型の圧縮要素を形成し、前記クランクシャフト、前記スラスト部、前記シリンダーブロック、前記ピストン、前記ピストンピン、前記コンロッドの少なくともひとつに、請求項1または2に記載の発明の摺動部材を用いた圧縮機としたもので、一定の膜幅でりん酸塩皮膜の膜厚差を形成することにより、りん酸塩皮膜と潤滑油とのぬれ性が良化し保油性を高め、また、りん酸塩皮膜と摺動部材との接触面積を減少させるため、ピストンとボアー間等の摺動部におけるシール性や耐摩耗性に優れた信頼性の高い圧縮機を提供することができる。
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の発明において、粘度グレードVG10以下の潤滑油を用いたもので、低粘度潤滑油においても摺動部表面のりん酸塩皮膜による潤滑油の保持力を高めることができ、摺動部間のリーク量を少なくできるため、請求項3に記載の発明の効果に加えてさらに、耐摩耗性に優れるとともに冷凍能力の高い圧縮機を提供することができる。
請求項5に記載の発明は、請求項3または4に記載の発明において、圧縮機構を駆動する電動要素を備え、前記電動要素は少なくとも電源周波数以下の運転周波数を含む複数の運転周波数でインバーター駆動するもので、摺動部表面のりん酸塩皮膜による潤滑油の保持力が高いことにより、駆動スピードが遅い場合においても流体潤滑状態を保つことができるため、請求項3または4に記載の発明の効果に加えてさらに、耐摩耗性に優れるとともに、冷凍能力の高い圧縮機を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によってこの発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における圧縮機の縦断面図、図2は図1におけるA部拡大図、図3は図2におけるB部拡大図、図4は同実施の形態における膜幅と摩耗量の関係図であり、膜厚の異なるりん酸塩皮膜の形成膜幅と摺動摩耗量の関係を示している。
図5は同実施の形態におけるレシプロ型圧縮機の特性図である。
図1から図3において、密閉容器101内にはR134aからなる冷媒ガス102を充填するとともに、底部にはVG10のエステル系からなる潤滑油103を貯留し、固定子104および回転子105からなる電動要素106と、これによって駆動される往復式の圧縮要素107を収容している。
次に圧縮要素107の詳細を以下に説明する。
クランクシャフト108は、回転子105を圧入固定した主軸109および主軸109に対し偏心して形成された偏心軸110からなり、下端には潤滑油103に連通する給油ポンプ111を設けている。鋳鉄からなるシリンダーブロック112は、略円筒形のボアー113と主軸109を軸支する軸受部114とを形成している。
また、回転子105にはフランジ面115が形成され、軸受部114の上端面はスラスト部116になっている。フランジ面115と軸受部114のスラスト部116の間にはスラストワッシャ117が挿入されている。そして、フランジ面115、スラスト部116および、スラストワッシャ117でスラスト軸受部118を構成している。
漏れ損失を小さくするために、ある一定量のクリアランスを保ってボアー113に遊嵌されたピストン119は、鋳鉄または鉄系の材料からなり、ボアー113とともに圧縮室120を形成し、ピストンピン121を介して連結手段であるコンロッド122によって偏心軸110と連結されている。ピストン119とボアー113は、例えば直径の差で5μm〜15μm程度のクリアランス寸法で遊嵌されている。
ボアー113の端面はバルブプレート123で封止されている。また、ヘッド124は高圧室(図示せず)と低圧室(図示せず)を形成し、バルブプレート123の反ボアー113側に固定される。サクションチューブ125は、密閉容器101に固定されるとともに冷凍サイクルの低圧側(図示せず)に接続され、冷媒ガス102を密閉容器101内に導く。サクションマフラー126は、バルブプレート123とヘッド124に挟持される。
ピストン119とボアー113、主軸109と軸受部114、スラスト部116とスラストワッシャ117、ピストンピン121とコンロッド122、偏心軸110とコンロッド122は相互に摺動部を形成するとともに、それぞれの摺動部材の少なくとも一方に、りん酸塩皮膜127を形成している。
ここではピストン119を例にとって詳しく述べることにする。
ピストン119とボアー113が相互に形成する摺動部のうち、ピストン119の摺動面に、不溶解性皮膜で多孔質結晶体であるりん酸塩皮膜127を形成している。
本発明の実施の形態においては、りん酸塩皮膜127は、膜厚が0.5から1.5μmと2.0から3.0μmとしたものである。また、摺動部表面に5.0から20μmの範囲内の一定の膜幅で交互にりん酸塩皮膜127を形成したものである。そしてりん酸塩皮膜127の形成方法は、まずマスキングした摺動部材をりん酸塩皮膜処理し、その後マスキングを剥がした摺動部材に再びりん酸塩皮膜処理を施し形成したものである。
以上のピストン119を組み混んだレシプロ型の圧縮機について、以下その動作を説明する。
商用電源(図示せず)から供給される電力は電動要素106に供給され、電動要素106の回転子105を回転させる。回転子105はクランクシャフト108を回転させ、偏心軸110の偏心運動が連結手段であるコンロッド122からピストンピン121を介してピストン119を駆動することで、ピストン119はボアー113内を往復運動し、サクションチューブ125を通じて密閉容器101内に導かれた冷媒ガス102は、サクションマフラー126から吸入され、圧縮室120内で圧縮される。
潤滑油103はクランクシャフト108の回転に伴い、給油ポンプ111から各摺動部に給油され、摺動部を潤滑するとともに、ピストン119とボアー113の間においてはシールの役割を果たす。
圧縮室120内で圧縮された冷媒ガス102は、ディスチャージチューブ(図示せず)を通って冷凍サイクル内(図示せず)に排出され、冷凍サイクル(図示せず)内を循環して、再びサクションチューブ125より密閉容器101内に導かれる。
ピストン119がボアー113内で往復圧縮運動をする際、ピストン119とボアー113のクリアランスが非常に狭いため、ピストン119とボアー113の形状、精度のばらつきによっては、部分的に相互接触を起こす部位が生ずることもある。こういった場合においても、膜厚差のある多孔質結晶体であるりん酸塩皮膜127により金属接触面積を低下させ、また、膜厚差のあるりん酸塩皮膜127を一定の膜幅で交互に形成することにより潤滑油103の保油力を高めることができるため、ピストン119とボアー113の摺動部は常に流体潤滑状態となり摩耗しにくく、圧縮した冷媒ガス102がピストン119とボアー113のクリアランスから漏れることを低減することができるため、高効率で高信頼性の圧縮機を提供することができる。
以上の圧縮機としての効率については、詳細は後述する。
次にりん酸塩皮膜による摺動特性について、R134aからなる冷媒とVG10のエステル系からなる潤滑油の共存下で、りん酸塩皮膜処理が施された鉄系試験片を1.0m/sの速度で回転させ、鋳鉄のリングを100Nで押付けることによる環境摩耗試験にて評価をおこなった。膜幅と摩耗量の関係を図4を参照しながら説明する。
図4において、横軸に膜厚の異なるりん酸塩皮膜の形成膜幅間隔を示し、縦軸に摺動摩耗量を示している。この試験におけるりん酸塩皮膜の膜厚を0.5μm、1.5μm、2.0μm、3.0μmとした。
図4より、膜幅が5.0μmから20μm間で一番摩耗量が少ないことがわかる。このことから、りん酸塩皮膜の形成形態が潤滑油の保持性に影響しているものと推察する。
次に、本発明の実施の形態におけるりん酸塩皮膜を形成させた摺動部材を組み込んだ圧縮機の特性について説明する。
本発明の実施の形態における摺動部材を用いた圧縮機と従来の圧縮機の特性比較を図5に示す。
本発明の実施の形態におけるピストン119を圧縮機に組み込んでおり、ピストン119とボアー113のクリアランスは従来の圧縮機と同一にしている。
図5より、本発明の実施の形態における摺動材を用いた圧縮機の方が従来例の圧縮機に比べて効率のばらつきが小さく、平均値で効率が高いことが判る。
レシプロ型の圧縮機においては、ピストン119が上死点ならびに下死点に位置したときには速度が零となり論理的に油圧が発生せず油膜が形成されなくなるため、この上死点ならびに下死点において金属接触が生じることが多い。
またピストン119が上死点付近にあるときは、ピストン119が圧縮された高圧冷媒により大きな圧縮荷重を受け、この圧縮荷重はピストンピン121、コンロッド122を介してクランクシャフト108に伝わり、クランクシャフト108が反ピストン119方向へ傾斜する。クランクシャフト108が傾斜すると、ボアー113の中でピストン119が傾斜し、その結果、ピストン119がボアー113と接触し摩耗が生ずる。
しかしながら、本実施の形態においてはりん酸塩皮膜127の膜厚や膜厚幅を制御することにより、潤滑油の保持力を高めることができ、潤滑油103によるピストン119がボアー113との接触や摩耗が低減されるため、高信頼性の圧縮機を提供することができる。
なお、本発明の実施の形態においては、一定速度のレシプロ型の圧縮機について述べたが、インバーター化に伴って圧縮機の低速化が進む中、特に20Hzを切るような超低速運動に於いても流体潤滑を成立することができるので、本発明の効果が顕著になる。
また本発明の実施の形態においては、ピストン119の摺動部表面にりん酸塩皮膜127を形成されたものを例にとって詳しく述べたが、相互に摺動部を形成しているクランクシャフト108の主軸109と軸受部114、回転子105のフランジ面115とスラストワッシャ117、軸受部114の上端面のスラスト部116とスラストワッシャ117、ピストンピン121とコンロッド122、偏心軸110とコンロッド122の摺動部においても、相当の作用効果が得られるものである。
さらに、本発明の実施の形態においては、スラスト軸受部118をフランジ面115、スラスト部116及びスラストワッシャ117にて構成したものを例にとって説明したが、クランクシャフト108の主軸109と偏心軸110との間のフランジ部131の反偏心軸110側に設けられたクランクシャフト108のスラスト面132と軸受部114のスラスト部116でスラスト軸受を構成した場合においても、相当の作用効果が得られる。
なお、冷媒ガス102はR600a、R290及びこれらを含んだ混合冷媒、R134a、R152、R407C、R404A、R410であれば同等の効果が得られる。
以上のように、高い信頼性を持った摺動部材とすることが可能であり、その摺動部材を組み込んだ高信頼性かつ高効率の圧縮機を提供することができる。
以上のように、本発明にかかる摺動部材および圧縮機は、摺動部品の摺動面に、膜形状を制御させたりん酸塩皮膜を形成することにより潤滑油の保油性を高めることができ、摺動時の摩擦係数の低減が図れ、高信頼性かつ高効率の圧縮機を提供することが可能となるので、冷凍サイクルを用いた機器に幅広く適用できる。
本発明の実施の形態1における圧縮機の縦断面図 図1におけるA部拡大図 図2におけるB部拡大図 同実施の形態における膜幅と摩耗量の関係図 同実施の形態におけるレシプロ型圧縮機の特性図 従来の圧縮機の縦断面図 従来の摺動部材の要部断面図
101 密閉容器
103 潤滑油
106 電動要素
107 圧縮要素
108 クランクシャフト
109 主軸
110 偏心軸
112 シリンダーブロック
114 軸受部
116 スラスト部
119 ピストン
120 圧縮室
121 ピストンピン
122 コンロッド
127 りん酸塩皮膜

Claims (5)

  1. 摺動部素材の表面に、膜厚が0.5から1.5μmの範囲内であるりん酸塩皮膜と、膜厚が2.0から3.0μmの範囲内である前記りん酸塩皮膜とが、混在して形成されていることを特徴とした摺動部材。
  2. 膜厚が0.5から1.5μmの範囲内であるりん酸塩皮膜と、膜厚が2.0から3.0μmの前記りん酸塩皮膜とが、5.0から20μmの範囲内の一定の膜幅で交互に形成されていることを特徴とした請求項1に記載の摺動部材。
  3. 密閉容器内に潤滑油を貯留するとともに圧縮要素とを収容し、前記圧縮要素は主軸および偏心軸を備えたクランクシャフトと、一方が前記クランクシャフトに一体に形成され、他方が軸受部に一体に形成されたスラスト部と、前記主軸を回転自在に軸支する前記軸受部と、圧縮室を形成するシリンダーブロックと、前記圧縮室内を往復動するピストンと、前記偏心軸と平行に配置され前記ピストンに固定されたピストンピンと、前記偏心軸と前記ピストンを連結するコンロッドとを備えレシプロ型の圧縮要素を形成し、前記クランクシャフト、前記スラスト部、前記シリンダーブロック、前記ピストン、前記ピストンピン、前記コンロッドの少なくともひとつに請求項1または2に記載の摺動部材を用いた圧縮機。
  4. 粘度グレードVG10以下の潤滑油を用いた請求項3に記載の圧縮機。
  5. 圧縮機構を駆動する電動要素を備え、前記電動要素は少なくとも電源周波数以下の運転周波数を含む複数の運転周波数でインバーター駆動される請求項3または4に記載の圧縮機。
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