JP2020012374A - 冷媒圧縮機およびそれを用いた冷凍装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】信頼性を維持しつつ、運転初期の入力悪化を抑制する効率の高い密閉型圧縮機およびそれを用いた冷凍装置の提供。【解決手段】摺動部材の間に形成される摺動部において、第1の摺動部材135の表面に軟質皮膜141を形成し、第2の摺動部材136の表面に軟質皮膜141に比べて同等以上の硬さを有する硬質皮膜143を形成した構成により、硬質皮膜143により摺動部の耐摩耗性を向上させることができるとともに、粗さ領域における微小な突起による局所的な接触に対しては、軟質皮膜141がわずかに摩滅することで早期に摩擦を軽減することができ、摺動部材の耐摩耗性と早期なじみ性を向上させ、信頼性と効率を向上することができる。【選択図】図2
Description
本発明は、冷蔵庫、エアーコンディショナー等に使用される冷媒圧縮機およびそれを用いた冷凍装置に関するものである。
近年、地球環境保護の観点から化石燃料の使用量を削減するために、高効率の冷媒圧縮機の開発が進められている。
上記高効率の冷媒圧縮機は、そのクランクシャフトなどの摺動部分の摩耗を防止すべく当該摺動面に、リン酸塩皮膜を形成し、このリン酸塩皮膜の形成によって、機械加工仕上げの加工面の凹凸を消し、摺動部材同士の初期なじみを良好にするなどの方策がとられている(例えば、特許文献1参照)。
図8は、特許文献1に記載された従来の密閉型電動冷媒圧縮機の断面を示すものである。
図8に示すように冷媒圧縮機の外筐となる密閉容器1は底部に潤滑油2を貯留するとともに、固定子3、および回転子4からなる電動要素5と、これによって駆動されるレシプロ式の圧縮要素6を収容している。
そして、圧縮要素6は、クランクシャフト7、シリンダブロック11、ピストン15等によって構成されている。
クランクシャフト7は、回転子4を圧入固定した主軸8と、主軸8に対し偏心して形成された偏心軸9からなり、給油ポンプ10を備えている。
シリンダブロック11は、略円筒形の穴部であるシリンダボア12と、主軸8を軸支する主軸受14とを有している。ピストン15はシリンダボア12に遊嵌され、シリンダボア12と、シリンダボア12の端面を封止するバルブプレート18とともに圧縮室13を形成している。
また、ピストン15は、ピストンピン16を介して、偏心軸9との間を連結手段であるコンロッド17によって連結されている。
バルブプレート18のシリンダボア12の反対側にはシリンダヘッド19が固定されており、高圧室(図示せず)を形成している。サクションチューブ20とディスチャージチューブ22は密閉容器1に固定されるとともに、それぞれ冷凍サイクル(図示せず)の低圧側と高圧側に接続されている。
クランクシャフト7の主軸8と主軸受14、ピストン15とシリンダボア12、ピストンピン16とコンロッド17、クランクシャフト7の偏心軸9とコンロッド17とは、相互に摺動部を構成する。
摺動部を構成する摺動部材の中で、鉄系材料同士の組み合わせにおいては、どちらか一方の摺動部表面に前記した如くリン酸塩皮膜が形成されている。
以上のような構成において、以下その動作を説明する。
商用電源(図示せず)から供給される電力は電動要素5に供給され、電動要素5の回転子4を回転させる。回転子4はクランクシャフト7を回転させ、偏心軸9の偏心運動により連結手段のコンロッド17及びピストンピン16を介してピストン15を駆動する。
冷凍サイクルよりサクションチューブ20を通して密閉容器1内に導かれた冷媒ガスは、圧縮室13へ吸入され、ピストン15がシリンダボア12内を往復運動することで、圧縮室13内で圧縮される。圧縮された冷媒ガスは、シリンダヘッド19を経由して、ディスチャージチューブ22より、再び冷凍サイクルへ吐出される。
潤滑油2は、クランクシャフト7の回転に伴って給油ポンプ10から各摺動部に給油され、各摺動部を潤滑するとともに、ピストン15とシリンダボア12の間においてはシールを司る。
ここで、クランクシャフト7の主軸8は主軸受14に対して回転運動を行うが、冷媒圧縮機の停止中は回転速度が零となり、油膜圧力が発生しないので、起動時は金属接触状態からの回転運動開始となって大きな摩擦が生じる。
この種の冷媒圧縮機では、クランクシャフト7の主軸8にリン酸塩皮膜が形成されており、このリン酸塩皮膜が初期なじみ性を有するので、起動時の金属接触による異常摩耗を防止できる。
しかしながら、近年、冷媒圧縮機の高効率化を図るために、より低い粘度の潤滑油2を使用したり、または、各摺動部の摺動面積がより小さく設計されたりすることから、従来のリン酸塩皮膜では、早期に摩耗もしくは摩滅して、なじみ効果の持続が困難となり、耐摩耗性が低下する可能性があった。
さらに、クランクシャフト7が一回転する間にクランクシャフト7の主軸8にかかる荷重は大きく変動するとともに、この負荷変動に伴って、主軸8と主軸受14との間で、潤滑油2に溶け込んだ冷媒ガスが気化して発泡することがあり、それにより油膜が切れて金属接触する頻度が増加する。その結果、クランクシャフト7の主軸8に形成したリン酸塩皮膜が早期に摩耗して摩擦係数が上昇し、それに伴い摺動部の発熱も大きくなって、凝着等の異常摩耗が生じる懸念があった。
そこで、これに対処する方策として、ガス雰囲気中や塩浴浸漬によって、摺動面に硬くかつ緻密な化合物層、いわゆる軟窒化皮膜を形成することで耐力を上げたものがある(例えば、特許文献2参照)。
この冷媒圧縮機では、クランクシャフト7の主軸8に軟窒化皮膜が形成されており、当該軟窒化皮膜は一般的にビッカース硬さ600以上であり、高い機械的強度を有するので、起動時の金属接触による異常摩耗を防止できる。
しかしながら、近年、冷媒圧縮機の高効率化を図るために、インバータ駆動による低速
運転化(例えば20Hz未満)が益々進んできているが、耐力が高い軟窒化皮膜ではなじみが進み難いため、特に運転初期の低速運転時に摺動損失が増加する可能性がある。
運転化(例えば20Hz未満)が益々進んできているが、耐力が高い軟窒化皮膜ではなじみが進み難いため、特に運転初期の低速運転時に摺動損失が増加する可能性がある。
これは、摺動部材間、例えば主軸8と主軸受14の双方には粗さ領域で微小な突起が多数存在しており、低速運転になると、摺動部材間の油膜厚さが薄くなって、粗さ領域における固体接触の発生が頻発するようになるが、従来の軟窒化皮膜のような硬く、機械的強度が高い皮膜を摺動部材の表面に形成すると、固体接触した際に、粗さ領域における突起の摩耗の進行速度が顕著に遅くなり、運転初期の入力が高い状態が長時間に亘り継続されることに起因する。
本発明はこのような点に鑑みてなしたもので、摺動部材の耐摩耗性と早期なじみ性を向上させることにより、信頼性が高く、併せて高効率の冷媒圧縮機とそれを用いた冷凍装置を提供することを目的とする。
本発明の冷媒圧縮機は、上記目的を達成するため、圧縮要素を構成する第1の摺動部材と第2の摺動部材とで構成される摺動部において、前記第1の摺動部材の表面に軟質皮膜を形成し、前記第2の摺動部材の表面に前記軟質皮膜より硬さの高い硬質皮膜を形成したものである。
これにより、硬質皮膜で摺動部の耐摩耗性を向上することができるとともに、粗さ領域における微小な突起による局所的な接触に対しては、軟質皮膜がわずかに摩滅することで早期に摩擦を軽減することができ、摺動部材の耐摩耗性と早期なじみ性を向上させることにより、信頼性の向上と、効率の向上が可能となる。
また、本発明に係る冷凍装置は、前記構成の冷媒圧縮機と、放熱器と、減圧装置と、吸熱器を環状に連結した冷媒回路を備えた構成としてある。
これによりこの冷凍装置は、性能、信頼性が向上した圧縮機を搭載したことによって消費電力が低減でき、省エネルギー化を実現し、かつ、信頼性を向上させることができる。
本発明の冷媒圧縮機は、上記構成により、潤滑油の粘度をより低く、また各摺動部の摺動面積をより小さく設計できるのに加え、低速運転域においても、摺動損失の低減が図れ、信頼性が高く、高効率の冷媒圧縮機とそれを用いた冷凍装置を提供することができる。
第1の発明は、固定子と回転子を備えた電動要素と、前記電動要素によって駆動される圧縮要素とを有し、前記圧縮要素を構成する第1の摺動部材と第2の摺動部材とで構成さ
れる摺動部において、前記第1の摺動部材の表面に軟質皮膜を形成し、前記第2の摺動部材の表面に前記軟質皮膜より硬さの高い硬質皮膜を形成したものであり、硬質皮膜により摺動部の耐摩耗性を向上させることができるとともに、粗さ領域における微小な突起による局所的な接触に対しては、軟質皮膜がわずかに摩滅することで早期に摩擦を軽減することができ、摺動部材の耐摩耗性と早期なじみ性を向上させることにより、信頼性の向上と効率の向上が可能となる。
れる摺動部において、前記第1の摺動部材の表面に軟質皮膜を形成し、前記第2の摺動部材の表面に前記軟質皮膜より硬さの高い硬質皮膜を形成したものであり、硬質皮膜により摺動部の耐摩耗性を向上させることができるとともに、粗さ領域における微小な突起による局所的な接触に対しては、軟質皮膜がわずかに摩滅することで早期に摩擦を軽減することができ、摺動部材の耐摩耗性と早期なじみ性を向上させることにより、信頼性の向上と効率の向上が可能となる。
第2の発明は、特に、第1の発明の第1の摺動部材の表面に前記第1の摺動部材の基材より硬さの低い軟質皮膜を形成するとともに、第2の摺動部材の表面に前記第1の摺動部材の基材より硬さの高い硬質皮膜を形成したものであり、粗さ領域における微小な突起による局所的な接触に対する、軟質皮膜の摩擦軽減効果が確実になるため、早期なじみ性が向上し、効率向上効果が顕著である。
第3の発明は、特に、第1または第2の発明の硬質皮膜を、酸化鉄を主成分とした皮膜としたものであり、摺動部材の耐摩耗性を向上することが可能となり、信頼性をさらに向上することができる。
第4の発明は、特に、第1から第3のいずれか1つの発明の軟質皮膜を、リン酸塩を主成分とした皮膜としたものであり、硬度の低い皮膜が形成されることで、粗さ領域における微小な突起による局所的な接触に対する、軟質皮膜の摩擦軽減効果が確実になるため、早期なじみ性が向上し、効率向上効果が顕著である。
第5の発明は、特に、第1から第4のいずれか1つの発明において、圧縮要素はクランクシャフトの主軸と、前記主軸を軸支する主軸受とを備え、前記主軸と前記主軸受のいずれか一方の表面に硬質皮膜を形成するとともに、他方の表面に軟質皮膜を形成したものであり、主軸と主軸受とで構成される摺動部において、摺動部材の耐摩耗性と早期なじみ性を向上させることにより、信頼性の向上と効率の向上が可能となる。
第6の発明は、特に、第1から第5のいずれか1つの発明において、圧縮要素はシリンダボアと前記シリンダボアの内部に往復動可能に挿設されたピストンとを備え、前記ピストンと前記シリンダボアのいずれか一方の表面に硬質皮膜を形成するとともに、他方の表面に軟質皮膜を形成したものであり、ピストンとシリンダボアとで構成される摺動部において、摺動部材の耐摩耗性と早期なじみ性を向上させることにより、信頼性の向上と効率の向上が可能となる。
第7の発明は、特に、第1から第6のいずれか1つの発明において、電動要素は商用電源周波数より小さい回転数を含む複数の回転数で駆動する構成としたものであり、特に、油膜形成が困難な低い回転数において、粗さ領域における微小な突起による局所的な接触に対する軟質皮膜の摩擦軽減効果により、早期なじみ性が向上し、効率向上効果が顕著である。
第8の発明は、特に、第1から第7のいずれか1つの発明の冷媒圧縮機を用いた冷凍装置であり、冷媒圧縮機の効率が高いので、冷凍装置の消費電力を低減することができるとともに、信頼性の高い冷媒圧縮機を用いたことにより、冷凍装置の信頼性も向上することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によってこの発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1による冷媒圧縮機の断面図を示す。
図1は、本発明の実施の形態1による冷媒圧縮機の断面図を示す。
図1において、この冷媒圧縮機100は、密閉容器101内にR600aを冷媒ガスとして充填するとともに、底部には潤滑油102を貯留している。潤滑油102は、VG8以下の低粘度の鉱油やエステル油などの冷凍機油であり、さらに望ましくはVG5以下の粘度の低い冷凍機油が用いられている。
密閉容器101には、固定子103および回転子104からなる電動要素105と、これによって駆動されるレシプロ式の圧縮要素106が収容されている。
まず、圧縮要素106について説明する。
クランクシャフト107は、回転子104を圧入固定した主軸108と、主軸108に対し偏心して形成された偏心軸109とからなり、主軸108の下端には密閉容器101底部の潤滑油102に連通する給油ポンプ110を備えている。
シリンダブロック111は略円筒形の穴部であるシリンダボア112を有するとともに、主軸108を軸支する主軸受114を備えている。
ピストン115はある一定量のクリアランスを保ってシリンダボア112に遊嵌される。シリンダボア112はその端面がバルブプレート118で封止されており、シリンダボア112とピストン115とで圧縮室113を形成している。
ピストン115は、ピストンピン116を介して連結手段であるコンロッド117により偏心軸109と連結されている。
シリンダヘッド119は、高圧室(図示せず)を形成し、バルブプレート118のシリンダボア112の反対側に固定される。サクションチューブ(図示せず)とディスチャージチューブ122は、密閉容器101に固定されるとともに、それぞれ冷凍サイクル(図示せず)の低圧側と高圧側に接続されている。サクションマフラー121は、バルブプレート118とシリンダヘッド119に挟持される。
ここで、図2は、図1の摺動部Aおよび摺動部Bの断面を示す模式図である。
図2において、摺動部Aでは、主軸受114に対して、主軸108が回転する。第1の摺動部材135である主軸受114の基材140は、ねずみ鋳鉄であり、その表面に軟質皮膜141として、リン酸塩皮膜が形成されている。また、第2の摺動部材136である主軸108の基材142は、ねずみ鋳鉄であり、その表面には硬質皮膜143として酸化皮膜が形成されている。
また、摺動部Bでは、略円筒状の穴部であるシリンダボア112内でピストン115が往復動する。第1の摺動部材137であるシリンダボア112の基材144は、ねずみ鋳鉄であり、その表面に軟質皮膜145としてリン酸塩皮膜が形成されている。また、第2の摺動部材138であるピストン115の基材146は、鉄系の焼結材であり、その表面には硬質皮膜147として酸化皮膜が形成されている。
硬質皮膜143、147の酸化皮膜は、軟質皮膜141,145のリン酸塩皮膜に比べてそれぞれ硬度が高い。さらに、基材140,144と比べると、軟質皮膜141,145は基材140,144よりそれぞれ硬度が低く、硬質皮膜143,147は基材140,144よりそれぞれ硬度が高くなっている。
次に、図3に、同実施の形態に用いた酸化皮膜のSIM(走査イオン顕微鏡)観察を行った結果の一例を示すSIM像を示す。
図3において、酸化皮膜160は、最表面から、微結晶の組織で、かつ結晶密度が異なる第一aの部分151aと第一bの部分151bからなる第一の部分151、その下に縦長の柱状組織156を含有する第二の部分152、さらにその下方に横長の層状組織157を含有する第三の部分153からなり、第三の部分153の下方が基材154となっている。なお、図3において、第一の部分151の上方の領域は観察試料を保護するための保護膜(樹脂膜)161である。
最表面に形成された第一の部分151において、最表面側の第一aの部分151aの結晶密度が、その下に形成された第一bの部分151bのそれよりも小さいことがわかる。第一aの部分151aは、所々に空隙部158(図3中の黒っぽく見える部分が該当)や、短径側の長さは100nm以下で、アスペクト比が1から10となる縦長の針状組織159を含有していることがわかる。一方の第一bの部分151bは、粒径100nm以下からなる微結晶155が敷き詰められたような組織で、第一aの部分で見られたような空隙部158や針状組織159は殆ど見られないことがわかる。
また、第一の部分151において、EDS(エネルギー分散型X線分光法)分析やEELS(電子線エネルギー損失分光法)分析を行った結果では、最も多く占める成分が三酸化二鉄(Fe2O3)で、ケイ素(Si)化合物も含まれている。
第一の部分151の下方に位置する第二の部分152は、縦方向の径が100nmから1μm程度、横方向の径が100nmから150nm程度で、縦方向の径を横方向の径で除したアスペクト比が約3から10となるような縦方向に長い、いわゆる縦長の柱状組織156が同じ方向に無数に形成されていることがわかる。
また、第二の部分152において、EDSやEELS分析を行った結果では、最も多く占める成分が四酸化三鉄(Fe3O4)で、ケイ素(Si)化合物を含む部分から構成されている。
次に、第二の部分152の下方に位置する第三の部分153は、縦方向の径が数十nm以下、横方向の径が数百nm程度で、縦方向の径を横方向の径で除したアスペクト比が0.01から0.1となるような横方向に長い、いわゆる横長の層状組織157が形成されていることが分かる。
また、第三の部分153において、EDSやEELS分析を行った結果では、最も多く占める成分が四酸化三鉄(Fe3O4)でケイ素(Si)化合物とケイ素(Si)固溶部を含む部分から構成されている。
なお、本実施の形態における酸化皮膜160の膜厚は約3μmである。
次に酸化皮膜の硬さについて説明する。
図4は、同実施の形態における主軸と主軸受の深さ方向の硬さを表した特性図である。なお、硬さはビッカース硬さで示している。
主軸108表面の酸化皮膜160の硬さの計測には、シエンタ・オミクロン株式会社製のナノインデンテーション装置(トライボインデンター)を使用した。硬さの計測は、圧
子を押込み一定時間維持させた後、少しだけ除荷し、次に前よりも高い荷重で押込むというようなステップを15回、最大1Nまで負荷−除荷試験を実施し、酸化皮膜160の硬さ、及び深さ方向の硬さ分布硬さを計測した。
子を押込み一定時間維持させた後、少しだけ除荷し、次に前よりも高い荷重で押込むというようなステップを15回、最大1Nまで負荷−除荷試験を実施し、酸化皮膜160の硬さ、及び深さ方向の硬さ分布硬さを計測した。
一方、主軸受114に関しては、主軸受114の内周面の一部をファインカッターで切り出し、荷重0.5kgfの条件でビッカース硬さを計測した。
図4の結果から、第2の摺動部材136である主軸108の基材142の硬さは、第1の摺動部材135である主軸受114の基材140の硬さと同等であることがわかる。
また、第2の摺動部材136である主軸108の表面に、第1の摺動部材135である主軸受114の基材140に比べて同等以上の硬さを有する酸化皮膜160、即ち硬質皮膜143が形成されていることが確認された。
一方、硬質皮膜143に対向する、軟質皮膜141であるリン酸塩皮膜については、硬さが得られないため、押し込み硬さ試験法が使用困難であり、上記のビッカース硬さと直接比較することが困難である。
ここで、摺動部材同士の硬さの比較について説明する。
硬さとは物質、材料の特に表面または表面近傍の機械的性質の一つであり、材料が異物によって変形や傷を与えられようとする時の、物体の変形し難さ、物体の傷つき難さである。硬さにはさまざまな測定手段(定義)とそれに対応する値(硬さの尺度)が存在する。
摺動部材同士が金属や非鉄金属であれば、同じ押込み硬さ試験法(例えば、先にあげたナノインデンテーション法や、ビッカースやロックウェル硬さ法等)を用いて、摺動部材表面の皮膜が相手摺動部材よりも硬いかを判断してもよい。
一方、樹脂膜やリン酸塩皮膜のような押し込み硬さ試験法が使用困難な場合は、リング・オン・ディスク方式の摩耗試験などで判断することができる。
例えば、小野雅彦著「摩擦摩耗特性に及ぼす表面粗さとリン酸マンガン処理の効果」(2005,表面技術)によれば、一方の表面にリン酸塩皮膜の一種である、リン酸マンガン皮膜を形成したねずみ鋳鉄(FC250)の試験片同士を摺動させ、摩耗試験を行うと、リン酸マンガン皮膜が摩耗してなじみ状態になることが示されている。
このように、リン酸塩皮膜は第1の摺動部材の基材であるねずみ鋳鉄に比べ、容易に摩耗が発生することから、第1の摺動部材の基材より硬さが低い軟質皮膜であることが確認できる。
以上のように構成された冷媒圧縮機100について、以下その動作について説明する。
商用電源(図示せず)から供給される電力は、外部のインバータ駆動回路(図示せず)を介して、電動要素105に供給され、電動要素105は商用電源周波数より小さい回転数を含む複数の回転数でインバータ駆動される。電動要素105の回転子104は、クランクシャフト107を回転させ、偏心軸109の偏心運動が連結手段のコンロッド117からピストンピン116を介してピストン115を駆動する。
冷凍サイクルよりサクションチューブ(図示せず)を通して密閉容器101内に導かれた冷媒ガスは、サクションマフラー121から圧縮室113へ吸入される。ピストン115はシリンダボア112内を往復運動することで、圧縮室113内の冷媒ガスを圧縮する。圧縮された冷媒ガスは、シリンダヘッド119を経由して、ディスチャージチューブ122より、再び冷凍サイクルへ吐出される。
圧縮室113で冷媒ガスを圧縮する際の荷重は、ピストン115、ピストンピン116、コンロッド117を介して偏心軸109に伝わる。そして偏心軸109からクランクシャフト107に作用した荷重を、主軸108と主軸受114とで支持する片持ち軸受の構成になっている。
潤滑油102は、クランクシャフト107の回転に伴い、給油ポンプ110から各摺動部に給油され、各摺動部を潤滑するとともに、ピストン115とシリンダボア112の隙間をシールすることで圧縮室113からの冷媒ガスの漏れを低減する。
近年の冷媒圧縮機100は高効率化を図るため、従来に比べ粘度の低い潤滑油102を使用したり、または、各摺動部の摺動面積を小さく設計したりすることから、摺動条件はより過酷な方向へ、即ち摺動部間の油膜がより薄くなる、あるいは形成され難い方向へと進んでいる。
さらに、冷媒圧縮機100の損失を低減するとともに、冷凍機器の運転の効率化を図るため、更なる低回転化が要望されているが、低回転化により摺動部での油膜形成はさらに困難になっている。
ところが、本発明によれば摺動部において、一方の摺動部材の表面に軟質皮膜141を形成し、他方に軟質皮膜141より硬さの高い硬質皮膜143を形成することで、特に、硬質皮膜143の高い耐摩耗性により、摺動部の摩耗を防止することができる。特に、既に説明した酸化鉄を主成分とした酸化皮膜を、硬質皮膜143として用いることで、後述するように耐摩耗性を大幅に向上することができる。
次に、早期なじみ性の向上について説明する。
図5は、同実施の形態における冷媒圧縮機の入力とCOPの時系列変化の特性図である。
図5(a)は、インバータ駆動による低速運転(回転周波数17Hz)にて冷媒圧縮機100の性能評価を行った時の冷媒圧縮機100の入力の時系列経時変化を示し、図5(b)は、COP(Coefficient of Performance 成績係数:冷凍冷蔵機器などのエネルギー消費効率の目安として使われる係数で、冷凍能力(W)を入力(W)で除した値)の時系列経時変化を示す。比較として、従来の冷媒圧縮機として、一方に高硬度の皮膜を設け、他方には皮膜を設けない場合の結果を示す。
図5(a)から、従来の冷媒圧縮機と、本実施の形態の冷媒圧縮機100のいずれも運転開始直後の入力(以下、初期入力と称す)が最も高く、その後運転時間の経過に伴って入力は徐々に低下し、最終的にはほとんど変化がない一定の値(以下、定常入力と称す)を示すものの、本実施の形態では、従来の冷媒圧縮機に比べて初期入力が低く、加えて、初期入力から定常入力に移行する時間も減少していることが確認できる。
本実施の形態の冷媒圧縮機100の定常入力への移行時間をt1、従来の移行時間をt2とすると、t1はt2の約1/2程度である。これにより、図5(b)に示すように、COPが早期に安定し、かつCOPの絶対値も向上する。
このように、本実施の形態においてCOPが向上した理由としては、まず、軟質皮膜141であるリン酸塩皮膜が、摺動表面の不均一性を覆い、油膜の形成状態を改善したことが推定される。
ここで、図6に同実施の形態におけるリン酸塩皮膜を施した摺動面の表面粗さの図を示す。
図6に示した運転前と運転後のリン酸塩皮膜の表面粗さの状態から、運転を行うことで、リン酸塩皮膜の表面は突起がなくなり、非常に平滑な平面に移行したことが確認できる。
さらに、硬質皮膜143である酸化皮膜160の粗さ領域の突起との接触に対しては、摺動部材の基材140よりも柔らかい、軟質皮膜141であるリン酸塩皮膜を用いることで、リン酸塩皮膜の自己犠牲的摩耗により、粗さ領域の突起の接触が早期に解消するように、表面形状が変化したと推定される。
以上の理由から、摺動部に硬質皮膜と軟質皮膜の組み合わせを用いることで、硬質皮膜の耐摩耗性向上効果に加え、効率向上の効果を得ることができる。
特に、本実施の形態のような、片持ち軸受の構成では、圧縮荷重が作用すると、主軸108が主軸受114内で傾斜し、主軸受114の上下端で油膜が薄くなりやすい。
さらに、非常に低い回転数などの条件では、主軸受114の上下端で油膜が極端に薄くなり、摺動部材の粗さ領域における接触が発生しやすくなるが、本発明によれば、軟質皮膜141であるリン酸塩皮膜の自己犠牲的摩耗により、摩擦の増加を防止する初期なじみ効果を得ることができるので、効率向上の効果が顕著である。
なお、本発明の作用について、主軸108と主軸受114の摺動部にて説明を行ったが、ピストン115とシリンダボア112の摺動部や、偏心軸109とコンロッド117の摺動部でも同様である。
特に、ピストン115とシリンダボア112の摺動部のように往復動する摺動部では、ジャーナル軸受のようにくさび効果による油膜圧力の発生が期待できず、油膜の破断が起こりやすい。しかしながら、本実施の形態によれば、粗さ領域における接触が発生しやすい部位で、硬質皮膜の作用により耐摩耗性と、軟質皮膜による初期なじみの効果により、摩擦の低減を図り、効率を向上することができる。
また、同じく油膜圧力が発生しにくいスラスト面の摺動部でも、耐摩耗性の向上と効率向上の効果を得ることができる。
また、本実施の形態においては、硬質皮膜として前記した組成の酸化皮膜160を用いていることにより、効率向上、すなわち運転初期から入力が低い高効率な運転を可能とする効果を高めている。
すなわち、上記酸化皮膜160は、最表面となる第一の部分151の最も多く占める成分が三酸化二鉄(Fe2O3)で、その三酸化二鉄(Fe2O3)は微結晶の組織構造であるから表面が微少な凹凸となっていて当該凹凸部分に潤滑油が溜まり、その表面部分に油膜が形成されやすい。したがって、この酸化皮膜160は摺動初期における摺動面のなじみ性を向上させると考えられる。
さらに詳述すると、酸化皮膜160の最表面の部分151を構成する微結晶組織は所々にわずかな空隙部158を有する、あるいは、微結晶によって表面に微小な凹凸が生じる。したがって、毛細管現象により潤滑油102が酸化皮膜160の表面(摺動面)に保持されやすい。つまり、わずかな空隙部158および/または微少な凹凸が存在することで、摺動状態が厳しい状況であっても摺動面に潤滑油102を留めること、いわゆる「保油性」を発揮することが可能となり、摺動面に油膜が形成され易くなると考えられる。
その結果、この酸化皮膜160は高い耐摩耗性を持ちつつ、「保油性」を発揮することができるため、摺動初期であっても摺動部材同士間に油膜を残存させ、耐摩耗性を確保しつつ、前記した軟質皮膜の自己犠牲的摩耗による初期なじみ効果と合わさって運転初期から入力が低い高効率な運転をより顕著に実現可能となる。
また、上記酸化皮膜160の高い耐摩耗性についてであるが、この酸化皮膜160は鉄の酸化物であるから、リン酸塩皮膜と比較して化学的には非常に安定で、かつ、リン酸塩皮膜より高い硬度を有する。しかも、第一の部分151には、鉄の酸化物よりも硬度が高いケイ素(Si)化合物が含まれている。それゆえ、この酸化皮膜160は、ケイ素(Si)化合物を含有する第一の部分151を最表面部分に備えることで、より高い耐摩耗性を発揮すると考えられる。
さらに、上記酸化皮膜160の第二の部分152および第三の部分153は、いずれもケイ素(Si)化合物を含むため、第一の部分151を含む酸化皮膜160の基材154に対する密着力は強力なものとなる。しかも、第三の部分153は、第二の部分152よりもケイ素の含有量が多い。このように、ケイ素(Si)化合物を含む部分が積層され、基材154に接する側のケイ素の含有量が多いことで、酸化皮膜160の密着力をより一層強化する。その結果、摺動時の負荷に対して、酸化皮膜160の耐力が向上し、酸化皮膜160の耐摩耗性が一段と高いものとなると考えられる。そして、最表面である第一の部分151が摩耗したとしても、第二の部分152および第三の部分153の存在により、より優れた耐摩耗性を発揮すると推察される。
以上のように本実施の形態において用いた上記酸化被膜123はこれを用いることによって、耐摩耗性を向上させつつ運転初期から入力が低い高効率な運転を可能とする効果を高めることができるが、本発明の摺動部材に形成する硬質皮膜はこのような構造の酸化皮膜160に限られるものではなく他の皮膜であってもよいものである。
例えば、炭素や窒素等を浸み込ませる方法で形成した皮膜であってもよい。
また、水蒸気を使用したり、水酸化ナトリウムの水溶液に浸漬させて形成した酸化処理による皮膜であってもよい。
さらには、上記した酸化や浸炭、窒化、酸化処理等によって形成する化合物層からなる皮膜だけでなく、冷間加工、加工硬化、固溶強化、析出強化、分散強化、結晶粒微細化等によって転位のすべり運動を抑制させて基材の強化を図った層(以下、このような層を機械的強度改善層と称す)であってもよい。
さらに加えて、メッキ、溶射、PVD、CVD、DLC等の被覆法により形成した層であってもよい。
よって、本発明ではこのような化合物層、機械的強度改善層、被覆法により形成した層を含めて硬質皮膜と定義する。
そして、この硬質皮膜、すなわち、化合物層、機械的強度改善層、被覆法により形成した層は、いずれのものであっても相手側部材の軟質皮膜よりも硬いものであればよい。
また、軟質皮膜として、リン酸塩皮膜を用いたが、樹脂膜などの皮膜を用いても良い。さらに、固体潤滑剤を含む樹脂膜を用いることで、固体接触が発生した部位の摩擦係数を低減することができるので、さらに摺動損失を低減することが可能となる。
なお、本実施の形態では、主軸108と主軸受114の摺動部と、ピストン115とシリンダボア112の摺動部の双方に、それぞれ硬質皮膜と軟質皮膜を設けたが、いずれか一方へ適用しても同様の効果が得られることは言うまでもない。
また、本実施の形態では、主軸108に硬質皮膜を設け、主軸受114に軟質皮膜を設けたが、逆に主軸108に軟質皮膜を設け、主軸受114に硬質皮膜を設けてもよい。また、ピストン115に硬質皮膜を設け、シリンダボア112に軟質皮膜を設けたが、逆にピストン115に軟質皮膜を設け、シリンダボア112に硬質皮膜を設けても同様の効果を得ることができることは言うまでもない。
また、本実施の形態では、各摺動部材の基材に接するように硬質皮膜や軟質皮膜を設けたが、他の皮膜層を介在させて、硬質皮膜や軟質皮膜を設けても良い。
また、本実施の形態では、レシプロ式の圧縮機への適用例について説明したが、ロータリやスクロールなどの他の方式の冷媒圧縮機の摺動部に硬質皮膜と軟質皮膜を用いても、耐摩耗性を向上するとともに、効率を向上することができる。
さらに言及しておけば、本実施の形態で説明した摺動部材は冷媒圧縮機に用いたものを例示したが、これは摺動部材を用いた部品、機器、例えばポンプやモータ等どのようなものであっても良いものであり、適用に何ら制約を受けるものではない。
(実施の形態2)
図7は、本発明の実施の形態2における冷凍装置を示す。ここでは、冷凍装置の基本構成の概略についてのみ説明する。
(実施の形態2)
図7は、本発明の実施の形態2における冷凍装置を示す。ここでは、冷凍装置の基本構成の概略についてのみ説明する。
図7において、冷凍装置は、一面が開口した断熱性の箱体とその開口を開閉する扉体構成の本体201と、本体201の内部を、物品の貯蔵空間203と機械室205に区画する区画壁207と、貯蔵空間203内を冷却する冷媒回路209を具備している。
冷媒回路209は、冷媒圧縮機200として実施の形態1で説明した冷媒圧縮機100と、放熱器213と、減圧装置215と、吸熱器217とを環状に配管接続した構成となっている。
また、吸熱器217は、送風機(図示せず)を具備した貯蔵空間203内に配置されている。吸熱器217の冷却熱は、矢印で示すように、送風機によって貯蔵空間203内を循環するように撹拌され、貯蔵空間203内は冷却される。
以上の構成からなる冷凍装置は、冷媒圧縮機200として本発明の実施の形態1における冷媒圧縮機100を搭載することにより、冷凍装置の消費電力が低減でき、省エネルギー化を実現し、かつ信頼性を向上させることができる。すなわち、冷媒圧縮機は、圧縮要素を構成する摺動部材の間で構成される摺動部において、一方の摺動部材の表面に軟質皮膜、他方の摺動部材の表面に前記軟質皮膜より硬さの高い硬質皮膜が形成されているので、硬質皮膜により摺動部の耐摩耗性が向上するとともに、粗さ領域における微小な突起による局所的な接触に対しては、軟質皮膜がわずかに摩滅することで早期に摩擦を軽減することができ、摺動部材の耐摩耗性と早期なじみ性が向上して、信頼性と効率が向上する。この冷媒圧縮機100の摺動部材の耐摩耗性と早期なじみ性の向上による信頼性と効率の向上によって、冷凍装置の消費電力が低減でき、省エネルギー化を実現し、かつ信頼性を向上させることができる。
以上のように、本発明は、性能と信頼性が高い冷媒圧縮機及びそれを用いた冷凍機器を提供することが可能となるので、冷凍サイクルを用いた各種機器に幅広く適用できる。
100、200 冷媒圧縮機
103 固定子
104 回転子
105 電動要素
106 圧縮要素
107 クランクシャフト
108 主軸
112 シリンダボア
114 主軸受
135,137 第1の摺動部材
136,138 第2の摺動部材
140,142,144,146,154 基材
141,145 軟質皮膜
143,147 硬質皮膜
160 酸化皮膜
103 固定子
104 回転子
105 電動要素
106 圧縮要素
107 クランクシャフト
108 主軸
112 シリンダボア
114 主軸受
135,137 第1の摺動部材
136,138 第2の摺動部材
140,142,144,146,154 基材
141,145 軟質皮膜
143,147 硬質皮膜
160 酸化皮膜
Claims (8)
- 固定子と回転子を備えた電動要素と、前記電動要素によって駆動される圧縮要素とを有し、前記圧縮要素を構成する第1の摺動部材と第2の摺動部材とで構成される摺動部において、前記第1の摺動部材の表面に軟質皮膜を形成し、前記第2の摺動部材の表面に前記軟質皮膜より硬さの高い硬質皮膜を形成した冷媒圧縮機。
- 第1の摺動部材の表面に前記第1の摺動部材の基材より硬さの低い軟質皮膜を形成するとともに、第2の摺動部材の表面に前記第1の摺動部材の基材より硬さの高い硬質皮膜を形成した請求項1に記載の冷媒圧縮機。
- 硬質皮膜は酸化鉄を主成分とした皮膜である請求項1または2に記載の冷媒圧縮機。
- 軟質皮膜はリン酸塩を主成分とした皮膜である請求項1から3のいずれか一項に記載の冷媒圧縮機。
- 圧縮要素はクランクシャフトの主軸と、前記主軸を軸支する主軸受とを備え、前記主軸と前記主軸受のいずれか一方の表面に硬質皮膜を形成するとともに、他方の表面に軟質皮膜を形成した請求項1から4のいずれか一項に記載の冷媒圧縮機。
- 圧縮要素はシリンダボアと前記シリンダボアの内部に往復動可能に挿設されたピストンとを備え、前記ピストンと前記シリンダボアのいずれか一方の表面に硬質皮膜を形成するとともに、他方の表面に軟質皮膜を形成した請求項1から5のいずれか一項に記載の冷媒圧縮機。
- 電動要素は、商用電源周波数より小さい回転数を含む複数の回転数で駆動する構成とした請求項1から6のいずれか一項に記載の冷媒圧縮機。
- 請求項1から7のいずれか一項に記載の冷媒圧縮機を用いた冷凍装置。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016225647A JP2020012374A (ja) | 2016-11-21 | 2016-11-21 | 冷媒圧縮機およびそれを用いた冷凍装置 |
PCT/JP2017/041319 WO2018092854A1 (ja) | 2016-11-21 | 2017-11-16 | 冷媒圧縮機及びそれを備えた冷凍装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016225647A JP2020012374A (ja) | 2016-11-21 | 2016-11-21 | 冷媒圧縮機およびそれを用いた冷凍装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2020012374A true JP2020012374A (ja) | 2020-01-23 |
Family
ID=69170465
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2016225647A Pending JP2020012374A (ja) | 2016-11-21 | 2016-11-21 | 冷媒圧縮機およびそれを用いた冷凍装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2020012374A (ja) |
-
2016
- 2016-11-21 JP JP2016225647A patent/JP2020012374A/ja active Pending
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