JPWO2015151345A1 - 乳成分含有飲料用乳化剤 - Google Patents

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Abstract

本発明は、乳成分の分離及び凝集を抑制する効果と耐熱性フラットサワー菌芽胞の発芽及び増殖を抑制する効果に優れたステアロイル乳酸塩である新規な乳成分含有飲料用乳化剤を提供するものである。本発明は、構成脂肪酸の28質量%以上がパルミチン酸であるステアロイル乳酸塩を有効成分とすることを特徴とする乳成分含有飲料用乳化剤である。

Description

本発明は、乳成分含有飲料用乳化剤に関する。
近年、ミルクコーヒーやミルクティー等の多種多様な乳成分含有飲料(乳飲料を含む)が製品化されて市場に流通している。このような乳成分含有飲料は、市場に流通する間、乳脂肪や乳蛋白質等の乳成分が分離、凝集する現象が発生し易い。また、このような乳成分含有飲料は、例えばホットベンダーで55℃の加温状態で販売する場合等において耐熱性フラットサワー菌芽胞の発芽、増殖による品質劣化が生じる等の問題があった。
このような問題を解決する手段として、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、グリセリン有機酸脂肪酸エステル等の乳化剤を添加した乳成分含有飲料が数多く提案されている(特許文献1〜7)。
一方、上記の乳化剤以外にも、乳成分の分離、凝集の抑制を主目的として、ステアロイル乳酸カルシウム、ステアロイル乳酸ナトリウム等のステアロイル乳酸塩を乳成分含有飲料に添加する方法が提案されている。
それらは、例えば、ステアロイル乳酸塩を含むことを特徴とする密封容器入り乳飲料用安定剤(特許文献8)、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル及び/又はステアロイル乳酸ナトリウムを含有することを特徴とする乳含有飲料(特許文献9)等である。
しかしながら、上記方法に用いられるステアロイル乳酸塩は、耐熱性フラットサワー菌による品質劣化を抑制する効果については満足できるものではなかった。このため、ステアロイル乳酸塩を添加して乳成分含有飲料を製造するには、静菌効果に優れたポリグリセリン脂肪酸エステル等の乳化剤を別途添加する必要があった。
特開昭62−215345号公報 特開昭63−105640号公報 特開平02−16959号公報 特開平08−228686号公報 特開平10−165151号公報 特開2002−262773号公報 特開2007−061008号公報 特開2004−173636号公報 特開2004−187570号公報
本発明は、乳成分の分離及び凝集と耐熱性フラットサワー菌による品質劣化を抑制する効果に優れたステアロイル乳酸塩である新規な乳成分含有飲料用乳化剤を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題に対して鋭意検討を行った結果、構成脂肪酸の組成に特徴のあるステアロイル乳酸塩により上記課題が解決されることを見出し、この知見に基づいて本発明を成すに至った。
すなわち、本発明は、下記(1)〜(4)からなっている。
(1)構成脂肪酸の28質量%以上がパルミチン酸であるステアロイル乳酸塩を有効成分とすることを特徴とする乳成分含有飲料用乳化剤。
(2)ステアロイル乳酸塩がステアロイル乳酸ナトリウムであることを特徴とする前記(1)に記載の乳成分含有飲料用乳化剤。
(3)前記(1)又は(2)に記載の乳成分含有飲料用乳化剤を含有することを特徴とする乳成分含有飲料。
(4)更に、ジグリセリン脂肪酸エステル、トリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル及びグリセリンジアセチル酒石酸脂肪酸エステルからなる群から選ばれる1種又は2種以上を含有することを特徴とする前記(3)に記載の乳成分含有飲料。
本発明の乳成分含有飲料用乳化剤を添加した乳成分含有飲料は、白色浮遊物やオイルオフの発生等の乳成分の分離、凝集が抑制されるだけでなく、耐熱性フラットサワー菌による品質劣化も抑制される。
<ステアロイル乳酸塩>
本発明でいうところのステアロイル乳酸塩とは、乳酸(乳酸同士が重縮合している乳酸重合物を含む。以下同じ)にカルシウム又はナトリウム等の塩を結合させ、これとステアリン酸及び/又はパルミチン酸を主体とする脂肪酸とを反応させたものが主要な成分であって、関連する遊離の脂肪酸類や乳酸類及びエステル類とこれらのカルシウム塩又はナトリウム塩を含む混合物である。
ステアロイル乳酸塩としては、塩としてカルシウムが結合したステアロイル乳酸カルシウム、塩としてナトリウムが結合したステアロイル乳酸ナトリウム等があるが、本発明においてはステアロイル乳酸ナトリウムが好ましく用いられる。
本発明の乳成分含有飲料用乳化剤の有効成分であるステアロイル乳酸塩は、構成脂肪酸の28質量%以上、好ましくは30質量%以上がパルミチン酸のもの(以下、「本発明に係るステアロイル乳酸塩」という)である。構成脂肪酸全体に占めるパルミチン酸の割合が28質量%未満であると、耐熱性芽胞菌による乳成分含有飲料の品質劣化が十分に抑制できないため、好ましくない。また、本発明に係るステアロイル乳酸塩の構成脂肪酸に含まれるパルミチン酸以外の脂肪酸としては、ステアリン酸が好ましい。
ここで、一般にステアロイル乳酸塩は、構成脂肪酸にステアリン酸を含むことが必須である。しかし、本発明に係るステアロイル乳酸塩には、構成脂肪酸中のパルミチン酸の含有量が100質量%でステアリン酸を含有しないものも含まれるものとする。
本発明に係るステアロイル乳酸塩の製造方法に特に制限はなく、例えば、(1)パルミチン酸を28質量%以上含有する脂肪酸混合物と乳酸とを反応させ、これにカルシウム又はナトリウム等の塩類を結合させる方法、(2)乳酸にカルシウム又はナトリウム等の塩類を結合させ、これとパルミチン酸を28質量%以上含有する脂肪酸混合物とを反応させる方法等により製造できる。ここで、(2)の方法によりステアロイル乳酸ナトリウムを製造する具体的方法の概略を下記工程1及び2に示す。
[工程1]
乳酸水溶液を撹拌しながらこれに水酸化ナトリウムを徐々に添加するか、或いは水酸化ナトリウム水溶液を撹拌しながらこれに乳酸水溶液を徐々に添加する。添加後、中和熱により液温が100℃近くまで上昇する。その後、液温115℃まで昇温し、同温度で30分間撹拌することにより、反応を進行させると共に過剰の水分を蒸発させる。この反応における乳酸と水酸化ナトリウムの仕込み比率は、乳酸/水酸化ナトリウム=3/1〜5/1(質量比)であることが好ましい。
[工程2]
前工程で得た反応液にパルミチン酸を28質量%以上含有する脂肪酸混合物を加え、窒素気流下で175℃まで昇温し、酸価が60〜130mgKOH/gになるまで同温度で反応することにより構成脂肪酸の28質量%以上がパルミチン酸のステアロイル乳酸ナトリウムを得る。この反応に用いる脂肪酸混合物と前工程に用いる乳酸との比率は、脂肪酸混合物/乳酸=2/1〜3/1(質量比)であることが好ましい。また、この酸価は、「第8版 食品添加物公定書」(日本食品添加物協会)の「40.油脂類試験法」に記載の方法に従って測定される。また、この工程では、常圧下での反応後に0.005〜0.02MPaの減圧下で反応すると、反応時間が短縮化するとともに反応物の色相が改善されるため好ましい。
工程2に用いられる「パルミチン酸を28質量%以上含有する脂肪酸混合物」は、パルミチン酸以外の脂肪酸がステアリン酸であることが好ましい。また、工程2において「パルミチン酸を28質量%以上含有する脂肪酸混合物を加える」とは、同工程で加えられる全脂肪酸100質量%中のパルミチン酸の割合が28質量%以上であることをいう。従って、工程2において「パルミチン酸を28質量%以上含有する脂肪酸混合物を加える」とは、その割合が28質量%以上である限り、パルミチン酸とパルミチン酸以外の脂肪酸を別個に加えることやパルミチン酸のみを加えることを含む。
<乳成分含有飲料用乳化剤>
本発明の乳成分含有飲料用乳化剤は、構成脂肪酸の28質量%以上がパルミチン酸のステアロイル乳酸塩を有効成分とするものであり、該ステアロイル乳酸塩を乳成分含有飲料用乳化剤として乳成分含有飲料又は乳成分含有飲料を構成する成分に直接添加してもよく、また、該ステアロイル乳酸塩及びその他成分を予め混合し製剤化して添加しても良い。さらには、本発明に係るステアロイル乳酸塩を含有する水分散液を調製してから乳成分含有飲料又は乳成分含有飲料を構成する成分に添加しても良い。
また、本発明の乳成分含有飲料用乳化剤を製剤化する場合には、本発明の効果を妨げない範囲で、本発明に係るステアロイル乳酸塩以外の各種の乳化剤を該製剤に含有させることができる。該乳化剤としては、例えばグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、レシチン、本発明に係るステアロイル乳酸塩以外のステアロイル乳酸塩(例えば、構成脂肪酸のパルミチン酸含有量が28質量%未満のステアロイル乳酸塩)等が挙げられる。ここで、グリセリン脂肪酸エステルには、グリセリンと脂肪酸のエステルの他、例えばグリセリン有機酸脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル及びポリグリセリン縮合リシノール酸エステルが含まれ、該グリセリン有機酸脂肪酸エステルには、例えばグリセリン酢酸脂肪酸エステル、グリセリン乳酸脂肪酸エステル、グリセリンクエン酸脂肪酸エステル、グリセリンコハク酸脂肪酸エステル、グリセリンジアセチル酒石酸脂肪酸エステル等が含まれる。また、該ポリグリセリン脂肪酸エステルには、例えば、ジグリセリン脂肪酸エステル、トリグリセリン脂肪酸エステル、テトラグリセリン脂肪酸エステル、ペンタグリセリン脂肪酸エステル、デカグリセリン脂肪酸エステル等が含まれる。また、レシチンとしては、例えば、大豆レシチン及び卵黄レシチン等油分を含む液状レシチン、液状レシチンから油分を除き乾燥した粉末レシチン、液状レシチンを分別精製した分別レシチン並びにレシチンを酵素で処理した酵素分解レシチン及び酵素処理レシチン等が挙げられる。
<乳成分含有飲料>
本発明の乳成分含有飲料用乳化剤を添加する対象である乳成分含有飲料としては、例えば、ミルクコーヒー、ミルクティー、ミルクココア、抹茶ミルク等が挙げられる。ここで、本発明の乳成分含有飲料用乳化剤を添加した乳成分含有飲料は、45〜65℃の加温条件下で保存する場合において、乳成分の分離及び凝集を抑制する効果並びに耐熱性フラットサワー菌による品質劣化を抑制する効果に優れている。このため、本発明の乳成分含有飲料用乳化剤は、とりわけ缶、ペットボトル等の容器に充填、密封され、45〜65℃の加温条件下で保存される乳成分含有飲料に好ましく用いることができる。
本発明の乳成分含有飲料に使用される乳成分としては、例えば、生乳、生クリーム、バター、加糖煉乳、脱脂加糖煉乳、濃縮乳、脱脂濃縮乳、脱脂粉乳、全脂粉乳、チーズ、カゼインとその塩、ホエーパウダー等が挙げられる。また、本発明の乳成分含有飲料に対する乳成分の含有量は、飲料の種類、嗜好等で異なり一様ではないが、本発明の乳成分含有飲料全量に対して、通常乳固形分に換算して0.4〜10.0質量%、好ましくは1.0〜7.5質量%である。
また、本発明の乳成分含有飲料は、本発明に係るステアロイル乳酸塩以外に、他の乳化剤を添加することができる。該他の乳化剤としては、ジグリセリン脂肪酸エステル、トリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル及びグリセリンジアセチル酒石酸脂肪酸エステルからなる群から選ばれる1種又は2種以上が好ましく用いられる。これら乳化剤の使用により、本発明の効果を発揮しつつ乳成分含有飲料に対する乳化剤の添加量を調整することが容易になる。
本発明に係るステアロイル乳酸塩の乳成分含有飲料に対する添加量に特に制限はないが、本発明の乳成分含有飲料全量に対して、通常200〜2,700ppm、好ましくは300〜1,400ppmである。
また、本発明に係るステアロイル乳酸塩に加えて、更に、ジグリセリン脂肪酸エステル、トリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル及びグリセリンジアセチル酒石酸脂肪酸エステルからなる群から選ばれる他の乳化剤1種又は2種以上を添加する場合、該ステアロイル乳酸塩の乳成分含有飲料に対する添加量は、本発明の乳成分含有飲料全量に対して、通常100〜1350ppm、好ましくは100〜700ppmであり、該他の乳化剤1種又は2種以上の乳成分含有飲料に対する添加量は、本発明の乳成分含有飲料全量に対して、通常10〜1350ppm、好ましくは10〜700ppmである。
本発明の乳成分含有飲料の製造方法に特に制限はないが、例えばコーヒー乳飲料の製法の概略は以下の通りである。例えば、焙煎されたコーヒー豆から90〜98℃の精製水で抽出されたコーヒー抽出液(マンナン分解酵素等により多糖類の低分子化処理されたコーヒー抽出液を含む)に、牛乳、全粉乳又は脱脂粉乳等の乳成分、砂糖及び本発明に係るステアリン乳酸塩を加えて溶解し、所望により増粘安定剤の水溶液を添加し、更に炭酸水素ナトリウム(重曹)の水溶液を添加してpHを5〜7に調整する。次に、得られた乳飲料を、高圧式均質化処理機を用いて均質化する。高圧式均質化処理機としては、例えばAPV ゴーリンホモジナイザー(APV社)、マイクロフルイダイザー(マイクロフルイデックス社)、アルティマイザー(スギノマシン社)、ナノマイザー(大和製罐社)等が挙げられる。均質化は、乳飲料を例えば温度60〜70℃、圧力15〜20MPaの条件で1〜3回処理することにより行われ得る。
均質化された乳飲料は、続いて加熱殺菌が施されるのが好ましい。加熱殺菌の方法としては、缶入り飲料の場合はレトルト殺菌が、またPET(ポリエチレンテレフタレート)ボトル入り飲料の場合はUHT(Ultra High Temperature)殺菌が好ましい。レトルト殺菌は、乳飲料を缶に充填して密封し、レトルト殺菌機により、通常121〜124℃、20〜40分間の加熱条件で行われ得る。UHT殺菌の方法としては、乳飲料に直接水蒸気を吹き込むスチームインジェクション式や乳飲料を水蒸気中に噴射して加熱するスチームインフュージョン式等の直接加熱方式、プレートやチューブ等表面熱交換器を用いる間接加熱方式等が挙げられ、好ましくはプレート式殺菌装置を用いる方法である。プレート式殺菌装置を用いるUHT殺菌は、通常130〜150℃で、121℃の殺菌価(F)が10〜50に相当する加熱条件で行われ得る。UHT殺菌された乳飲料は、無菌的にPETボトルに充填され、密栓されるのが好ましい。
以下、実施例をもって本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
[製造例1]
攪拌機、温度計、ガス吹込管及び水分離器を取り付けた反応釜に88質量%乳酸水溶液123.5gを仕込み、これを撹拌しながら水酸化ナトリウム48質量%水溶液58.0gを徐々に仕込み、液温を115℃まで昇温し、同温度で30分間撹拌した。次いでパルミチン酸(商品名:パルミチン酸98;ミヨシ油脂社製)95.7g及びステアリン酸(商品名:EDENOR C18−98MY;COGNIS OLEOCHEMICALS社製)223.3gを仕込んだ後、窒素気流下、175℃で3時間常圧にて反応した後、同温度で30分間減圧0.02MPaにて反応し、更に同温度で減圧0.005MPaにて酸価83.5mgKOHに達するまで反応した。その後、反応液を100℃まで冷却し、構成脂肪酸の30質量%がパルミチン酸であるステアロイル乳酸ナトリウムである乳成分含有飲料用乳化剤(試作品A)424.3gを得た。
[製造例2]
攪拌機、温度計、ガス吹込管及び水分離器を取り付けた反応釜に88質量%乳酸水溶液125.6gを仕込み、これを撹拌しながら水酸化ナトリウム48質量%水溶液58.2gを徐々に仕込み、液温を115℃まで昇温し、同温度で30分間撹拌した。次いでパルミチン酸(商品名:パルミチン酸98;ミヨシ油脂社製)158.1g及びステアリン酸(商品名:EDENOR C18−98MY;COGNIS OLEOCHEMICALS社製)158.1gを仕込んだ後、窒素気流下、175℃で3時間常圧にて反応した後、同温度で30分間減圧0.02MPaにて反応し、更に同温度で減圧0.005MPaにて酸価83.7mgKOHに達するまで反応した。その後、反応液を100℃まで冷却し、構成脂肪酸の50質量%がパルミチン酸であるステアロイル乳酸ナトリウムである乳成分含有飲料用乳化剤(試作品B)423.7gを得た。
[製造例3]
攪拌機、温度計、ガス吹込管及び水分離器を取り付けた反応釜に88質量%乳酸水溶液127.7gを仕込み、これを撹拌しながら水酸化ナトリウム48質量%水溶液59.2gを徐々に仕込み、液温を115℃まで昇温し、同温度で30分間撹拌した。次いでパルミチン酸(商品名:パルミチン酸98;ミヨシ油脂社製)234.9g及びステアリン酸(商品名:EDENOR C18−98MY;COGNIS OLEOCHEMICALS社製)78.3gを仕込んだ後、窒素気流下、175℃で3時間常圧にて反応した後、同温度で30分間減圧0.02MPaにて反応し、更に同温度で減圧0.005MPaにて酸価83.9mgKOHに達するまで反応した。その後、反応液を100℃まで冷却し、構成脂肪酸の75質量%がパルミチン酸であるステアロイル乳酸ナトリウムである乳成分含有飲料用乳化剤(試作品C)423.4gを得た。
[製造例4]
攪拌機、温度計、ガス吹込管及び水分離器を取り付けた反応釜に88質量%乳酸水溶液129.8gを仕込み、これを撹拌しながら水酸化ナトリウム48質量%水溶液60.2gを徐々に仕込み、液温を115℃まで昇温し、同温度で30分間撹拌した。次いでパルミチン酸(商品名:パルミチン酸98;ミヨシ油脂社製)310.0gを仕込んだ後、窒素気流下、175℃で3時間常圧にて反応した後、同温度で30分間減圧0.02MPaにて反応し、更に同温度で減圧0.005MPaにて酸価84.1mgKOHに達するまで反応した。その後、反応液を100℃まで冷却し、構成脂肪酸の100質量%がパルミチン酸であるステアロイル乳酸ナトリウムである乳成分含有飲料用乳化剤(試作品D)422.7gを得た。
[製造例5]
攪拌機、温度計、ガス吹込管及び水分離器を取り付けた反応釜に88質量%乳酸水溶液123.5gを仕込み、これを撹拌しながら水酸化ナトリウム48質量%水溶液57.3gを徐々に仕込み、液温を115℃まで昇温し、同温度で30分間撹拌した。次いでパルミチン酸(商品名:パルミチン酸98;ミヨシ油脂社製)79.8g及びステアリン酸(商品名:EDENOR C18−98MY;COGNIS OLEOCHEMICALS社製)239.4gを仕込んだ後、窒素気流下、175℃で3時間常圧にて反応した後、同温度で30分間減圧0.02MPaにて反応し、更に同温度で減圧0.005MPaにて酸価83.5mgKOHに達するまで反応した。その後、反応液を100℃まで冷却し、構成脂肪酸の25質量%がパルミチン酸であるステアロイル乳酸ナトリウムである乳成分含有飲料用乳化剤(試作品E)424.4gを得た。
[製造例6]
攪拌機、温度計、ガス吹込管及び水分離器を取り付けた反応釜に88質量%乳酸水溶液121.6gを仕込み、これを撹拌しながら水酸化ナトリウム48質量%水溶液56.4gを徐々に仕込み、液温を115℃まで昇温し、同温度で30分間撹拌した。次いでステアリン酸(商品名:EDENOR C18−98MY;COGNIS OLEOCHEMICALS社製)322.1gを仕込んだ後、窒素気流下、175℃で3時間常圧にて反応した後、同温度で30分間減圧0.02MPaにて反応し、更に同温度で減圧0.005MPaにて酸価83.3mgKOHに達するまで反応した。その後、反応液を100℃まで冷却し、構成脂肪酸の0質量%がパルミチン酸であるステアロイル乳酸ナトリウムである乳成分含有飲料用乳化剤(試作品F)424.8gを得た。
ここで、製造例1〜6で製造したステアロイル乳酸ナトリウム(試作品A〜F)の構成脂肪酸100質量%中の、パルミチン酸及びステアリン酸の含有量(質量%)を表1に示す。
Figure 2015151345
なお、表1に示したステアロイル乳酸ナトリウムのうち、試作品A〜D(製造例1〜4)は、本発明に係る実施例であり、試作品E及びF(製造例5及び6)は、これらに対する比較例である。
[試験例]
[缶入りミルクコーヒーにおける評価試験]
(1)缶入りミルクコーヒーの調製
焙煎コーヒー豆(L値24)0.8kgを95℃の精製水8kgで抽出し、コーヒー抽出液(Brix3.1)6.8kgを得た。該コーヒー抽出液5.0kg、牛乳(乳脂肪3.5%以上、無脂乳固形分8.3%以上)1.0kg、グラニュー糖0.5kg及び表2記載の乳化剤を加えて混合し、ミルクコーヒー約6.5kgを得た。このミルクコーヒーに炭酸水素ナトリウム(重曹)を溶解したイオン交換水3.5kgを加えて殺菌後のpHが6.8となるように調整し、高圧式均質化処理機(形式:HV−OA−07−1.5S;イズミフードマシナリー社製)を用いて、液温約60〜70℃、第一段圧力約15MPa、第二段圧力5MPaの条件で均質化した。均質化されたミルクコーヒーを飲料缶に各190gずつ充填して密封し、約123℃で23分間レトルト殺菌し、缶入りミルクコーヒー1〜13を得た。なお、対照として、缶入りミルクコーヒー13は乳化剤を添加せずに調製した。
Figure 2015151345
(2)静菌試験
缶入りミルクコーヒーに、100℃、10分で活性化したゲオバチラス ステアロサーモフィラス(Geobacillus stearothermophilus)の芽胞懸濁液を濃度10cfu/mlとなるように接種し、TDTチューブに各3mlずつ分注し、チューブを溶封した。TDTチューブは、各試験区につき10本ずつ調製した。これらを55℃の恒温器にて4週間保存し、変敗の有無を検査し、各試験区について、チューブ10本中の変敗が確認されたチューブの本数を調べた。なお、変敗の有無は保存後のミルクコーヒー液のpH低下及び目視により確認した。結果を表3に示す。
(3)安定性試験
次に、缶入りミルクコーヒーをそれぞれ室温(25℃)下及び60℃の恒温器内で保存し、4週間後、2℃で18時間保存した後に開缶し、遊離した脂肪分が固化して飲料表面に浮上する白色浮遊物と乳化破壊により飲料表面に油滴が発生するオイルオフについて観察して評価した。結果を表3に示す。
Figure 2015151345
<表中の記号の説明>
+++ :多い
++ :やや多い
+ :少ない
± :極めて少ない
− :ない
表3の結果から明らかなように、構成脂肪酸の28質量%以上がパルミチン酸のステアロイル乳酸ナトリウムである本発明の乳成分含有飲料用乳化剤(試作品A〜D)を添加した缶入りミルクコーヒー1〜9は、耐熱性フラットサワー菌による変敗並びに白色浮遊物及びオイルオフの発生が抑制されていた。これに対し、構成脂肪酸中のパルミチン酸含有量が28質量%未満のステアロイル乳酸ナトリウムである乳成分含有飲料用乳化剤(試作品E及びF)を添加した缶入りミルクコーヒー10及び11では、白色浮遊物及びオイルオフの発生は抑制されていたが、耐熱性フラットサワー菌による変敗が生じていた。
また、本発明の乳成分含有飲料用乳化剤(試作品A〜D)を添加した缶入りミルクコーヒー1〜9は、静菌試験において、静菌効果に優れた乳化剤として知られるジグリセリン脂肪酸エステルを添加した缶入りミルクコーヒー12と同程度の効果が確認された。

Claims (4)

  1. 構成脂肪酸の28質量%以上がパルミチン酸であるステアロイル乳酸塩を有効成分とすることを特徴とする乳成分含有飲料用乳化剤。
  2. ステアロイル乳酸塩がステアロイル乳酸ナトリウムであることを特徴とする請求項1に記載の乳成分含有飲料用乳化剤。
  3. 請求項1又は2に記載の乳成分含有飲料用乳化剤を含有することを特徴とする乳成分含有飲料。
  4. 更に、ジグリセリン脂肪酸エステル、トリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル及びグリセリンジアセチル酒石酸脂肪酸エステルからなる群から選ばれる1種又は2種以上を含有することを特徴とする請求項3に記載の乳成分含有飲料。
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