JP2021136888A - 乳化安定剤組成物及び当該組成物を含む乳飲料 - Google Patents

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Abstract

【課題】レトルト殺菌処理等を施した乳飲料において、油脂分の分離等を抑制し、乳化安定性を高めるために用いられる乳化安定剤組成物及び当該乳化安定剤組成物を含む乳飲料を提供することを目的とする。【解決手段】サイクロデキストリン、及び2種以上の乳化剤、を含む乳化安定剤組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、乳化安定剤組成物及び当該組成物を含む乳飲料に関する。より具体的には、レトルト殺菌処理等の殺菌処理を施した乳飲料の乳化安定性を高めるために用いられる乳化安定剤組成物及び当該乳化安定剤組成物を用いた乳飲料に関する。
珈琲乳飲料や紅茶乳飲料等の乳飲料は、珈琲等の原料由来の芳香や、乳原料由来の芳醇な味わいがあり、広く消費者に好まれている飲料の一つである。
当該乳飲料は、通常、各種原料を混合した後、殺菌工程を経て製造される。殺菌工程は、飲料や容器の特性に応じて、例えば、低温殺菌法(LTLT)、高温殺菌法(HTST)、超高温殺菌法(UHT)、レトルト殺菌法等が採用されており、レトルト殺菌法によって乳飲料を殺菌する場合、通常、レトルト殺菌装置を用いて、100℃以上の高温で長時間(10〜30分間)の殺菌処理が行われている(非特許文献1)。
清涼飲料水の製造における衛生管理計画手引書、2018年11月、(一社)全国清涼飲料連合会、第6頁
レトルト殺菌法は、芽胞菌にも有効であり、殺菌効果の高い方法であるが、乳化安定性の観点からは未だ改善の余地がある。
具体的には、レトルト殺菌法により、100℃以上の加圧加熱殺菌を経て製造された乳飲料は、保存中に油脂分の分離(オイルリング)が発生し易く、乳飲料が多層に分離するおそれがあり、その結果、乳飲料の外観が損なわれるだけでなく、風味も悪くなり、商品価値が失われる。
上記問題を改善するために、乳化安定剤を多量に添加する方法も考えられるが、コストの上昇や風味の悪化を招くおそれがある。また、殺菌温度を低く設定するために、パラオキシ安息香酸エステル等の保存料を添加する方法も考えられるが、風味の悪化を招くおそれがある等の点から好ましいものではない。
本発明は、上記事情に鑑みなされたものであり、レトルト殺菌処理等を施した乳飲料において、オイルリングや油脂分の分離の発生を抑制し、乳化安定性を高めるために用いられる乳化安定剤組成物及び当該組成物を含む乳飲料を提供することを目的とする。
本発明者等は、上記事情に鑑みて鋭意検討した結果、意外にも、サイクロデキストリン及び2種以上の乳化剤を含む組成物を用いることにより、乳飲料の乳化安定性が高まることを見出し、本発明に到達した。
本発明は、以下の[1]〜[10]を提供する。
[1]サイクロデキストリン、及び2種以上の乳化剤、を含む乳化安定剤組成物。
[2]上記サイクロデキストリンが、β−サイクロデキストリンである、[1]に記載の乳化安定剤組成物。
[3]上記サイクロデキストリンの含有量が、上記乳化安定剤組成物全量に対し、20〜60w/w%である、[1]又は[2]に記載の乳化安定剤組成物。
[4]上記2種以上の乳化剤が、グリセリンモノ脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、レシチン、及びステアロイル乳酸塩からなる群より選ばれる2種以上である、[1]〜[3]のいずれかに記載の乳化安定剤組成物。
[5]上記2種以上の乳化剤のうち少なくとも1種が、HLB値が5以上の乳化剤である、[1]〜[4]のいずれかに記載の乳化安定剤組成物。
[6]上記HLB値が5以上の乳化剤の含有量が、上記2種以上の乳化剤全量に対し、50w/w%以上である、[5]に記載の乳化安定剤組成物。
[7]上記2種以上の乳化剤の含有量が、上記乳化安定剤組成物全量に対し、40〜80w/w%である、[1]〜[6]のいずれかに記載の乳化安定剤組成物。
[8]さらに、増粘剤を含む、[1]〜[7]のいずれかに記載の乳化安定剤組成物。
[9]上記[1]〜[8]のいずれかに記載の乳化安定剤組成物を含む、乳飲料。
[10]上記乳化安定剤組成物の含有量が、上記乳飲料全量に対し、0.05〜0.2w/w%である、[9]に記載の乳飲料。
なお、サイクロデキストリンは、内部に疎水性物質を取り込み、包摂化合物を生成する性質を示すものであり、かかる性質を利用して、カテキン等の苦味物質を包摂した茶飲料を製造する方法、又は、揮発し易い香気成分、例えば、わさびの香り成分を包摂した調味料、さらには、コエンザイムQ10やビタミン類等を包摂し、安定性や吸収性を促進させた機能性食品等が開発されている。しかしながら、本発明のように、乳飲料の乳化安定性を高める成分としてサイクロデキストリンを用いた事例は未だ報告されておらず、また、サイクロデキストリンと2種以上の乳化剤を用いた乳化安定剤組成物は未だ報告されていない。
本発明によれば、レトルト殺菌条件下等においても、乳飲料の乳化安定性を高めることができる。
本発明の実施形態について詳細に説明する。ただし、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではない。
<乳化安定剤組成物>
本発明の乳化安定剤組成物は、サイクロデキストリン、及び2種以上の乳化剤を含む乳化安定剤組成物である。
〔サイクロデキストリン〕
本発明の乳化安定剤組成物に含まれるサイクロデキストリン(cyclodextrin。シクロデキストリンともいう。)は、澱粉類に酵素(サイクロデキストリングルカノトランスフェラーゼ)を作用させて得られる環状オリゴ糖である。
サイクロデキストリンの具体例としては、例えば、α−サイクロデキストリン、β−サイクロデキストリン、γ−サイクロデキストリン等が挙げられ、これらのうち1種を単独で、もしくは2種以上併せて用いることができる。なかでも、乳化安定性を高める観点から、β−サイクロデキストリンが好ましい。
サイクロデキストリンの含有量は、特に限定されないが、乳化安定性を高める観点から、乳化安定剤組成物全量に対し、例えば、20〜60w/w%が好ましく、25〜50w/w%がより好ましく、28〜45w/w%が特に好ましい。
〔乳化剤〕
本発明の乳化安定剤組成物には2種以上の乳化剤が含まれる。具体的には、例えば、グリセリンモノ脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、レシチン、及びステアロイル乳酸塩からなる群より選ばれる2種以上であることが好ましい。なかでも、乳化安定性を高める観点から、グリセリンモノ脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、及びステアロイル乳酸塩からなる群より選ばれる2種以上であることがより好ましい。
乳化安定性を高める観点から、2種以上の乳化剤のうち少なくとも1種以上の乳化剤が、HLB値が5以上の乳化剤であることが好ましい。なかでも、HLB値が8以上の乳化剤が好ましく、HLB値が9以上の乳化剤がより好ましく、HLB値が10以上の乳化剤が特に好ましい。
なお、HLB値は、親水性及び疎水性のバランスを意味し(Hydrophile Lipophile Balance)、例えば、Griffin、Davis、川上式、有機概念図等の方法を用いて得ることができる。また、市販品のカタログ等に記載されているHLB値を使用してもよい。
本発明の乳化安定剤組成物に含まれる乳化剤の具体例としては、以下の各成分が挙げられる。これらは単独で、もしくは2種以上併せて用いることができる。
上記グリセリンモノ脂肪酸エステルとしては、例えば、グリセリンモノステアリン酸エステル、グリセリンモノオレイン酸エステル等のグリセリンモノ脂肪酸エステル(モノグリセリド);酢酸モノグリセリド、乳酸モノグリセリド、クエン酸モノグリセリド、ジアセチル酒石酸モノグリセリド、コハク酸モノグリセリド等の有機酸モノグリセリド;ジグリセリンモノパルミチン酸エステル、ジグリセリンモノステアリン酸エステル、ジグリセリンモノオレイン酸エステル、ジグリセリンジパルミチン酸エステル、ジグリセリンジステアリン酸エステル、ジグリセリンジオレイン酸エステル等のジグリセリン脂肪酸エステル;テトラグルセリンステアリン酸エステル、デカグリセリンラウリン酸エステル、デカグリセリンステアリン酸エステル、デカグリセリンステアリン酸トリエステル、デカグリセリンオレイン酸エステル等のポリグリセリン脂肪酸エステル等が挙げられる。なかでも、乳化安定性を高める観点から、グリセリンモノステアリン酸エステル、デカグリセリンステアリン酸トリエステルが好ましい。
上記ショ糖脂肪酸エステルとしては、例えば、ショ糖イソ酪酸エステル、ショ糖パルミチン酸エステル、ショ糖ステアリン酸エステル、ショ糖オレイン酸エステル等が挙げられる。なかでも、乳化安定性を高める観点から、ショ糖ステアリン酸エステルが好ましい。
上記プロピレングリコール脂肪酸エステルとしては、例えば、プロピレングリコールモノステアリン酸エステル等が挙げられる。なかでも、乳化安定性を高める観点から、プロピレングリコールモノステアリン酸エステルが好ましい。
上記ソルビタン脂肪酸エステルとしては、例えば、ソルビタンモノラウリン酸エステル、ソルビタンモノパルミチン酸エステル、ソルビタンモノステアリン酸エステル、ソルビタンモノオレイン酸エステル、ソルビタントリオレイン酸エステル等が挙げられる。なかでも、乳化安定性を高める観点から、ソルビタンモノステアリン酸エステルが好ましい。
上記ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルとしては、例えば、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウリン酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアリン酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタントリステアリン酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレイン酸エステル等が挙げられる。なかでも、乳化安定性を高める観点から、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアリン酸エステル(PO20モル)が好ましい。
上記レシチンとしては、例えば、大豆レシチン、卵黄レシチン等が挙げられる。なかでも、乳化安定性を高める観点から、大豆レシチンが好ましい。
上記ステアロイル乳酸塩としては、例えば、ステアロイル乳酸ナトリウム、ステアロイル乳酸カルシウム等が挙げられる。なかでも、乳化安定性を高める観点から、ステアロイル乳酸ナトリウムが好ましい。
本発明の乳化安定剤組成物に含まれる乳化剤の含有量は、乳化安定性を高める観点から、乳化安定剤組成物全量に対し、例えば、40〜80w/w%であり、50〜80w/w%が好ましく、60〜70w/w%がより好ましい。
また、乳化剤として、HLB値が5以上の乳化剤を含む場合、その含有量は、乳化剤全量に対し、例えば、50w/w%以上が好ましく、55〜100w/w%がより好ましい。
また、乳化剤として、HLB値が5未満の乳化剤を含む場合、その含有量は、乳化剤全量に対し、例えば、50w/w%未満が好ましく、10〜30w/w%がより好ましい。
また、サイクロデキストリンに対する2種以上の乳化剤の重量比(2種以上の乳化剤の含有量/サイクロデキストリンの含有量)は、乳化安定性を高める観点から、1〜2.5であることが好ましい。
また、サイクロデキストリンに対するHLB値が5以上の乳化剤の重量比(HLB値が5以上の乳化剤の含有量/サイクロデキストリンの含有量)は、乳化安定性を高める観点から、例えば、1〜1.8であることが好ましい。
また、サイクロデキストリンに対するHLB値が10以上の乳化剤の重量比(HLB値が10以上の乳化剤の含有量/サイクロデキストリンの含有量)は、乳化安定性を高める観点から、例えば、1〜1.5であることが好ましい。
〔他の添加剤〕
本発明の乳化安定剤組成物には、本発明の効果を阻害しない範囲で、任意成分として、例えば、増粘剤、酸化防止剤、重曹やリン酸塩等のpH調整剤、香料等をさらに含むことができる。これらは単独で、もしくは2種以上併せて用いることができる。
上記増粘剤は、飲料の口あたりを改善する等に目的で用いられるものであり、例えば、カラギナン、キサンタンガム、アラビアガム、グアーガム、タマリンドシードガム、ローカストビーンガム、ジェランガム等が挙げられる。なかでも、カラギナン、カゼインナトリウム、グアーガム、キサンタンガムが好ましい。これらは単独で、もしくは2種以上併せて用いることができる。増粘剤を配合する場合、その含有量は、特に限定されないが、乳化安定剤組成物全量に対し、通常、5〜25w/w%程度が好ましい。
〔乳化安定剤組成物の調製〕
本発明に係る乳化安定剤組成物は、例えば、上記各成分を混合して均一化する等により調製される。
<用途>
本発明は、上記サイクロデキストリン及び上記2種以上の乳化剤を含む組成物を、乳飲料の乳化安定性を高めるために用いるものである。
また、本発明は、上記サイクロデキストリン及び上記2種以上の乳化剤を含む組成物を乳飲料用として用いることができる。
<乳化安定剤組成物を用いた乳飲料及び製造方法>
本発明の乳化安定剤組成物を添加する対象となる乳飲料は、乳成分を含有する飲料であれば特に限定されないが、例えば、珈琲乳飲料、紅茶乳飲料、ココア乳飲料等が挙げられる。
本発明に係る乳飲料は、上記サイクロデキストリン及び上記2種以上の乳化剤を含む乳化安定剤組成物を乳飲料に添加して調製して得ることができ、又は、乳飲料の原料中に混合して製造すること、すなわち、乳飲料の製造工程中において、上記サイクロデキストリン及び上記2種以上の乳化剤を含む乳化安定剤組成物を添加する工程を含む製法によって得ることができる。
具体的には、本発明に係る乳化安定剤組成物を用いた乳飲料は、例えば、上記乳化安定剤組成物、及び乳成分等の各成分を混合して原料溶液を調製する混合工程、当該原料溶液を均質化する均質化工程、均質化した原料溶液をレトルト殺菌等する殺菌工程を経て製造することができる。
より詳細には、通常、牛乳等の乳成分のほか、珈琲や紅茶の抽出液、砂糖、水等を混合した後、上記サイクロデキストリン及び上記2種以上の乳化剤を含む乳化安定剤組成物を混合し、さらに重曹等を加えてpHを調整した後、ホモジナイザー等を用いて均質化処理を行ない、次いで、オートクレーブ等を用いてレトルト殺菌処理を行うことにより製造される。
なお、レトルト殺菌とは、100℃以上での加圧加熱殺菌を意味する。例えば、レトルト殺菌装置を用いて、100℃以上、10〜30分間の条件下で加圧加熱殺菌が行われる。
本発明の乳化安定剤組成物の添加量は、乳化安定性を高める観点から、乳飲料全量に対し、例えば、0.05〜0.2w/w%が好ましい。
本発明の乳化安定剤組成物を添加してなる乳飲料のpHは、風味を損なわない観点から、通常、6〜8程度であり、6〜7が好ましい。
本発明の乳化安定剤組成物を添加してなる乳飲料は、缶、瓶等の密封容器に封入された密封容器飲料とすることができる。
本発明に係る乳化安定剤組成物を乳飲料に用いることで、オイルリングや層分離の発生を防止することができ、乳化状態を安定化できる。よって、本発明によれば、レトルト殺菌工程を経て得られる乳飲料の乳化安定性を高めることができ、乳飲料の外観及び風味が良好な商品価値の高い乳飲料を提供できる。
<乳化安定化方法>
また、本発明は、上記サイクロデキストリン及び上記2種以上の乳化剤を含む組成物を乳飲料に添加する、乳飲料の乳化安定化方法をも提供するものである。
〔実施例1〜5、比較例1〜5〕
下記表1に示す各成分を混合し、実施例1〜5及び比較例1〜5に係る各組成物を調製した。
Figure 2021136888
〔実施例6〜10、比較例6〜10〕
次に、下記に示す常法に従って、上記実施例及び比較例の各組成物を用いて、実施例6〜10及び比較例6〜10の各珈琲乳飲料を得た。
〔実施例6〕
珈琲粉末2w/w%、全脂粉乳3.8w/w%、脱脂粉乳2.2w/w%、砂糖5.5w/w%及び実施例1の組成物0.1w/w%を混合した後、ホモミキサー(PRIMIX社製 MarkII Model 2.5)を用いて予備乳化を行い(6,000rpm、60℃、5分間)、次いでホモジナイザー(三丸機械工業社製 三連式ホモジナイザー)を用いて均質化を行った[一次均質化圧力120kg/cm2、60℃:二次均質化圧力20kg/cm2、60℃]。その後、重曹水溶液にてpH6.7〜6.9に調整した。
pH調整の後、耐熱性瓶に充填し、レトルト殺菌装置(オートクレーブ、TOMIN社製、品番TM−328 AUTOCLAVE)により、殺菌温度121℃、殺菌時間15分間の条件で殺菌処理を行った。
レトルト殺菌処理の後、速やかに室温(23℃)まで冷却し、珈琲乳飲料を得た。
なお、得られた珈琲乳飲料の乳脂肪量は1.0w/w%、乳固形分濃度は3.0w/w%、pHは6.5〜6.8であった。
〔実施例7〕
上記実施例6において、実施例1の組成物に代えて実施例2の組成物を用いた以外は同様に処理し、実施例7の珈琲乳飲料を得た。
〔実施例8〕
上記実施例6において、実施例1の組成物に代えて実施例3の組成物を用いた以外は同様に処理し、実施例8の珈琲乳飲料を得た。
〔実施例9〕
上記実施例6において、実施例1の組成物に代えて実施例4の組成物を用いた以外は同様に処理し、実施例9の珈琲乳飲料を得た。
〔実施例10〕
上記実施例6において、実施例1の組成物に代えて実施例5の組成物を用いた以外は同様に処理し、実施例10の珈琲乳飲料を得た。
〔比較例6〕
上記実施例6において、実施例1の組成物に代えて比較例1の組成物を用いた以外は同様に処理し、比較例6の珈琲乳飲料を得た。
〔比較例7〕
上記実施例6において、実施例1の組成物に代えて比較例2の組成物を用いた以外は同様に処理し、比較例7の珈琲乳飲料を得た。
〔比較例8〕
上記実施例6において、実施例1の組成物に代えて比較例3の組成物を用いた以外は同様に処理し、比較例8の珈琲乳飲料を得た。
〔比較例9〕
上記実施例6において、実施例1の組成物に代えて比較例4の組成物を用いた以外は同様に処理し、比較例9の珈琲乳飲料を得た。
〔比較例10〕
上記実施例6において、実施例1の組成物に代えて比較例5の組成物を用いた以外は同様に処理し、比較例10の珈琲乳飲料を得た。
得られた各珈琲乳飲料(実施例6〜10、比較例6〜10)を室温で3か月間静置した後、オイルリングの有無、及び、層分離の有無を下記4段階の基準により評価した。その結果を表2に示す。
〇 :良好(オイルリング/層分離が殆ど認められない)
△ :やや不良(オイルリング/層分離が認められる)
× :不良(オイルリング/層分離が明確に認められる)
××:非常に不良(オイルリング/層分離が顕著に認められる)
Figure 2021136888
表2の結果から、本発明の実施例6〜10は、オイルリングの発生が殆ど認められず、且つ、層分離の発生も殆ど認められないことから、レトルト殺菌条件下であっても、乳飲料の乳化安定性に優れることがわかる。
他方、本発明の構成を充足しない比較例6〜10は、オイルリング及び層分離の発生が認められ、レトルト殺菌条件下における乳飲料の乳化安定性に劣ることがわかる。
本発明は、特に、レトルト殺菌工程を経て得られる乳飲料における乳化安定性を高めることができ、乳飲料の外観及び風味が良好であることから、商品価値が高い乳飲料を提供できるため、産業上非常に有用である。

Claims (10)

  1. サイクロデキストリン、及び2種以上の乳化剤、を含む乳化安定剤組成物。
  2. 上記サイクロデキストリンが、β−サイクロデキストリンである、請求項1に記載の乳化安定剤組成物。
  3. 上記サイクロデキストリンの含有量が、上記乳化安定剤組成物全量に対し、20〜60w/w%である、請求項1又は2に記載の乳化安定剤組成物。
  4. 上記2種以上の乳化剤が、グリセリンモノ脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、レシチン、及びステアロイル乳酸塩からなる群より選ばれる2種以上である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の乳化安定剤組成物。
  5. 上記2種以上の乳化剤のうち少なくとも1種が、HLB値が5以上の乳化剤である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の乳化安定剤組成物。
  6. 上記HLB値が5以上の乳化剤の含有量が、上記2種以上の乳化剤全量に対し、50w/w%以上である、請求項5に記載の乳化安定剤組成物。
  7. 上記2種以上の乳化剤の含有量が、上記乳化安定剤組成物全量に対し、40〜80w/w%である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の乳化安定剤組成物。
  8. さらに、増粘剤を含む、請求項1〜7のいずれか一項に記載の乳化安定剤組成物。
  9. 請求項1〜8のいずれか一項に記載の乳化安定剤組成物を含む、乳飲料。
  10. 上記乳化安定剤組成物の含有量が、上記乳飲料全量に対し、0.05〜0.2w/w%である、請求項9に記載の乳飲料。
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