JP2015146737A - 加熱殺菌飲料用粉末状乳化油脂および該粉末状乳化油脂を含有する加熱殺菌飲料 - Google Patents

加熱殺菌飲料用粉末状乳化油脂および該粉末状乳化油脂を含有する加熱殺菌飲料 Download PDF

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Abstract

【課題】加熱殺菌飲料、特にレトルト殺菌またはUHT殺菌を行った加熱殺菌飲料に配合する粉末状乳化油脂であって、粉末状乳化油脂を加熱殺菌飲料に配合した場合であっても、該飲料を長期間保存することによって発生する乳成分あるいは油脂などが分離、凝集した凝集物の再分散性が良好となる粉末状乳化油脂を提供すること。【解決手段】油脂とソルビタン脂肪酸エステルとを含有する溶液を乳化した水中油型乳化物を乾燥して得ることを特徴とする加熱殺菌飲料用粉末状乳化油脂。【選択図】 なし

Description

本発明は、加熱殺菌飲料に用いる粉末状乳化油脂および該粉末状乳化油脂を含有する加熱殺菌飲料に関する。
近年、常温保管が可能な加熱殺菌飲料、例えばミルクコーヒーやミルクティーなどの多種多様な加熱殺菌飲料(乳飲料などを含む)が製品化され、特に高温での加熱殺菌(レトルト殺菌、UHT殺菌など)した缶入りまたはペットボトル入り加熱殺菌飲料が市場に流通している。そして、加熱殺菌飲料への乳風味の付与、濃厚感の付与または乳成分の一部を粉末状乳化油脂に置き替えたコストダウンなどを目的として、油相と水相とを乳化した水中油型乳化物を乾燥して得た粉末状乳化油脂を配合する加熱殺菌飲料が開発されている。しかし、従来より用いられている粉末状乳化油脂を配合した加熱殺菌飲料は、市場に流通する間に、加熱殺菌飲料中に溶解した粉末状乳化油脂、乳脂肪および乳蛋白質などに由来する乳成分あるいは油脂などが分離、凝集した凝集物(ネックリングと言われる現象)が発生し易く、さらにこれらの凝集物は、該飲料を喫食する際に容器を振って内容物を撹拌しても容易に分散せず容器に付着、または飲料中に剥がれ落ちて大きな白色浮遊物などが生じるという問題があった。
粉末状乳化油脂を加熱殺菌飲料に配合する技術としては、特許文献1、特許文献2などが開示されているが、いずれも乳成分あるいは油脂などが分離、凝集した凝集物の分散に関する技術ではない。従って、粉末状乳化油脂を加熱殺菌飲料に配合した場合であっても、乳成分あるいは油脂などが分離、凝集した凝集物の再分散性を改善することが可能な粉末状乳化油脂が求められている。
特開2003−49189号公報 特開2013−209493号公報
本発明の目的は、加熱殺菌飲料、特にレトルト殺菌またはUHT殺菌を行った加熱殺菌飲料に配合する粉末状乳化油脂であって、粉末状乳化油脂を加熱殺菌飲料に配合した場合であっても、該飲料を長期間保存することによって発生する乳成分あるいは油脂などが分離、凝集した凝集物の再分散性が良好となる粉末状乳化油脂を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決する為に鋭意研究を重ねた結果、粉末状乳化油脂に少なくともソルビタン脂肪酸エステルを配合することにより上記課題を解決することを見出した。本発明者らは、これらの知見に基づきさらに研究を重ね、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
[1]油脂とソルビタン脂肪酸エステルとを含有する溶液を乳化した水中油型乳化物を乾燥して得ることを特徴とする加熱殺菌飲料用粉末状乳化油脂、
[2]さらに、グリセリン脂肪酸エステルおよびグリセリン有機酸脂肪酸エステルを含有することを特徴とする上記[1]に記載の加熱殺菌飲料用粉末状乳化油脂、
[3]上記[1]または[2]に記載の加熱殺菌飲料用粉末状乳化油脂を含有することを特徴とする加熱殺菌飲料、
からなっている。
本発明の加熱殺菌飲料用粉末状乳化油脂は、加熱殺菌飲料に配合した場合に発生する乳成分あるいは油脂が分離、凝集した凝集物の再分散性に優れている。
本発明の加熱殺菌飲料用粉末状乳化油脂(以下、粉末状乳化油脂ともいう)に用いられる油脂としては、食用に適した油脂を用いることができ、例えば大豆油、菜種油、綿実油、サフラワー油、ヒマワリ油、米糠油、コーン油、ヤシ油、パーム油、パーム核油、落花生油、オリーブ油、ハイオレイック菜種油、ハイオレイックサフラワー油、ハイオレイックコーン油またはハイオレイックヒマワリ油などの植物油脂や牛脂、ラード、魚油または乳脂などの動物油脂、さらにこれら動植物油脂を分別、水素添加あるいはエステル交換したものなどが挙げられ、これらの油脂の中でも風味、コストなどの点でラウリン系油脂が好ましい。
上記ラウリン系油脂とは、油脂の構成脂肪酸組成において炭素数12の飽和脂肪酸含量が50質量%以上である油脂をいい、具体的にはヤシ油、パーム核油、さらには、これらの油脂に水素添加、分別、エステル交換の物理的または化学的処理の1種または2種以上の処理を施した油脂などを挙げることができる。本発明においては、これらの油脂を単独で用いても良く、または2種以上を組み合わせて用いても良い。
本発明の粉末状乳化油脂に含まれる油脂の量に特に制限はないが、加熱殺菌飲料の濃厚感を付与することなどを考慮した場合、好ましくは約15〜85質量%、より好ましくは約30〜80質量%さらにより好ましくは約55〜80質量%である。
本発明の粉末状乳化油脂に用いられるソルビタン脂肪酸エステルは、ソルビトールまたはソルビトール分子内縮合物と脂肪酸のエステル化生成物であり、自体公知のエステル化反応などにより製造される。
本発明で用いられるソルビタン脂肪酸エステルの原料として用いられるソルビトールとしては、例えばD−ソルビトールを約50.0〜70.0質量%含有するD−ソルビトール液或いは白色粉末または粒状のD−ソルビトールが挙げられる。
本発明で用いられるソルビタン脂肪酸エステルの原料として用いられるソルビトール分子内縮合物は、ソルビトールの分子内脱水で得られる化合物であり、例えば1,5−ソルビタン、1,4−ソルビタン、2,5−ソルビタン、3,6−ソルビタン、1,4,3,6−ソルバイドなどが挙げられる。これらソルビトール分子内縮合物は、1種類または2種類以上を組み合わせて用いることができる。また本発明で用いられるソルビトール分子内縮合物中には、上記化合物以外に、未反応のソルビトールが含まれていてもよい。
ソルビトールの分子内脱水反応は、酸触媒(例えば濃硫酸、p−トルエンスルホン酸など)の存在下に、ソルビトールを約110〜150℃、好ましくは約120℃で加熱し、減圧下、例えば約1.3kPaで、発生する水を除去することにより行われるのが好ましい。反応の終点は脱水縮合物の水酸基価を測定することにより決定される。反応終了後、脱水縮合物に例えば水酸化ナトリウム水溶液を加えて酸触媒を中和し、さらに、例えば珪藻土などのろ過助剤を加えてろ過するのが好ましい。
本発明で用いられるソルビタン脂肪酸エステルの原料として用いられる脂肪酸としては、食用可能な動植物油脂を起源とする脂肪酸であればよく、例えばカプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、エルカ酸などの群から選ばれる1種または2種以上の混合物が挙げられる。好ましくは炭素数が10〜14の飽和脂肪酸であり、カプリン酸(炭素数10)、ラウリン酸(炭素数12)およびミリスチン酸(炭素数14)が挙げられ、より好ましくはラウリン酸である。より具体的には、用いられる脂肪酸100%中に、カプリン酸、ラウリン酸およびミリスチン酸の群から選ばれる1種または2種以上を脂肪酸全体に対して好ましくは約50%以上、より好ましくは約70%以上、さらに好ましくは約90%以上含有する脂肪酸または脂肪酸混合物が挙げられる。炭素数10〜14の脂肪酸の含有量が50%以上であると、本発明の加熱殺菌飲料に粉末状乳化油脂を配合した場合に発生する乳成分あるいは油脂などが分離、凝集した凝集物の再分散性効果が十分に得られるため好ましい。
本発明で用いられるソルビタン脂肪酸エステルの製造方法は特に限定されないが、例えばソルビトールまたはソルビトール分子内縮合物と脂肪酸とのエステル化反応は無触媒で行って良く、または酸触媒あるいはアルカリ触媒を用いて行っても良いが、アルカリ触媒の存在下で行われるのが好ましい。上記酸触媒としては、例えば濃硫酸、p−トルエンスルホン酸などが挙げられる。アルカリ触媒としては、例えば水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウムなどが挙げられる。アルカリ触媒の使用量は、全仕込み量(乾燥物換算)の約0.01〜1.0質量%、好ましくは約0.05〜0.5質量%である。
また、上記ソルビトールまたはソルビトール分子内縮合物に対する脂肪酸の仕込み量は、ソルビトールまたはソルビトール分子内縮合物1モルに対して約1.4〜3.5モル程度であることが例示できる。
上記製造に用いる製造装置としては特に限定されないが、例えば上記エステル化反応は、例えば攪拌機、加熱用のジャケット、邪魔板、不活性ガス吹き込み管、温度計および冷却器付き水分分離器などを備えた通常の反応容器に、ソルビトールまたはソルビトール分子内縮合物、脂肪酸、および触媒を供給して攪拌混合し、窒素または二酸化炭素などの任意の不活性ガス雰囲気下で、エステル化反応により生成する水を系外に除去しながら、所定温度で一定時間加熱して行われる。反応温度は通常、約180〜260℃の範囲、好ましくは約200〜250℃の範囲である。また、反応圧力条件は減圧下または常圧下で、反応時間は約0.5〜15時間、好ましくは約1〜4時間である。反応の終点は、通常反応混合物の酸価を測定し、約10以下を目安に決められる。
エステル化反応終了後、触媒を用いた場合は、反応混合物中に残存する触媒を中和しても良い。その際、エステル化反応の温度が200℃以上の場合は液温を約180〜200℃に冷却してから中和処理を行うのが好ましい。また反応温度が200℃以下の場合は、そのままの温度で中和処理を行って良い。中和後、その温度で好ましくは約0.5時間以上、さらに好ましくは約1〜10時間放置する。未反応のソルビトールまたはソルビトール分子内縮合物が下層に分離した場合はそれを除去するのが好ましい。
本発明で用いられるソルビタン脂肪酸エステルのエステル化率は特に制限はないが、例えば約35〜85%、好ましくは約35〜80%を例示することができる。エステル化率が上記範囲内であると、本発明の加熱殺菌飲料に粉末状乳化油脂を配合した場合に発生する乳成分あるいは油脂が分離、凝集した凝集物の再分散性効果が十分に得られるため好ましい。またエステル化率が約85%を超えるソルビタン脂肪酸エステルは、反応時間が著しく延長することや、得られるソルビタン脂肪酸エステルが着色するなどの問題があるため、工業的な生産または商業的に販売されている市販品の入手が困難であるため好ましくない。
ここで、エステル化率(%)は下記式により算出される。なお、下記式中のエステル価および水酸基価は、「基準油脂分析試験法(I)」(社団法人 日本油化学会編)の[2.3.3−1996 エステル価]および[2.3.6−1996 ヒドロキシル価]に準じて測定される。
Figure 2015146737
本発明の粉末状乳化油脂に含まれる上記ソルビタン脂肪酸エステルの配合量は特に制限はないが、油脂100質量部に対して、好ましくは約0.1〜2.0質量部、より好ましくは約0.2〜1.2質量部である。
上記したソルビタン脂肪酸エステルの外に、さらにグリセリン脂肪酸エステルおよびグリセリン有機酸脂肪酸エステルを用いた粉末状乳化油脂も本発明の形態のひとつである。
本発明の粉末状乳化油脂に用いられるグリセリン脂肪酸エステルとは、グリセリンと脂肪酸とのエステル化反応あるいはグリセリンと油脂とのエステル交換反応により得られる反応生成物である。該グリセリン脂肪酸エステルは、例えば流下薄膜式分子蒸留装置または遠心式分子蒸留装置などを用いて分子蒸留するか、またはカラムクロマトグラフィーもしくは液液抽出など自体公知の方法を用いて精製することもできる。本発明では、精製前のグリセリン脂肪酸エステル(反応モノグリセライド)および精製後のモノエステル体(グリセリン脂肪酸モノエステル)を多く含むグリセリン脂肪酸エステル(蒸留モノグリセライド)のいずれをも用いることができる。
上記グリセリン脂肪酸エステルは市販されているものを用いることができ、例えばエマルジーP−100(理研ビタミン社製;蒸留モノグリセライド)、エマルジーMS(理研ビタミン社製;蒸留モノグリセライド)、エマルジーP−200(理研ビタミン社製;反応モノグリセライド)などの市販の製品を用いることができる。
本発明の粉末状乳化油脂に含まれる上記グリセリン脂肪酸エステルの配合量は特に制限はないが、粉末状乳化油脂の固形分100質量部中、好ましくは約0.5〜2.0質量部である。
本発明の粉末状乳化油脂に用いられるグリセリン有機酸脂肪酸エステルとしては、通常グリセリンモノ脂肪酸エステルと有機酸との反応、あるいはグリセリンと有機酸と脂肪酸との反応など自体公知の方法により得ることができる。
本発明に用いられるグリセリン有機酸脂肪酸エステルとしては、例えばグリセリン酢酸脂肪酸エステル(食品添加物)、グリセリン乳酸脂肪酸エステル(食品添加物)、グリセリンクエン酸脂肪酸エステル(食品添加物)、グリセリンコハク酸脂肪酸エステル(食品添加物)、グリセリンジアセチル酒石酸脂肪酸エステル(食品添加物)などが挙げられる。グリセリン有機酸脂肪酸エステルを構成する脂肪酸としては、食用可能な動植物油脂を起源とする脂肪酸であれば特に制限はないが、例えば炭素数6〜24の直鎖状の飽和脂肪酸(例えばカプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸など)または不飽和脂肪酸(例えばパルミトオレイン酸、オレイン酸、エライジン酸、リノール酸、γ−リノレン酸、α−リノレン酸、アラキドン酸、リシノール酸、縮合リシノール酸など)が挙げられ、好ましくは炭素数12〜22の直鎖状の飽和脂肪酸または不飽和脂肪酸である。
本発明ではいずれのグリセリン有機酸脂肪酸エステルを用いることもできるが、風味および乳化安定性の点でグリセリングリセリンジアセチル酒石酸脂肪酸エステル、グリセリンコハク酸脂肪酸エステルが好ましい。
上記グリセリン有機酸脂肪酸エステルは市販されているものを用いることができ、例えばパノダンAMV/B(ダニスコ社製;グリセリンジアセチル酒石酸脂肪酸エステル)、ポエムB−10(理研ビタミン社製;グリセリンコハク酸脂肪酸エステル)などの市販の製品を用いることができる。
本発明の粉末状乳化油脂に含まれる上記グリセリン有機酸脂肪酸エステルの配合量は特に制限はないが、粉末状乳化油脂の固形分100質量部中、好ましくは約0.1〜1.0質量部である。
本発明の効果を妨げない範囲で上記のソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステルおよびグリセリン有機酸脂肪酸エステルの乳化剤以外に、各種乳化剤を含有させることができる。各種乳化剤としては、例えばポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン縮合リシノール酸エステル、上記以外のソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、レシチンなどが挙げられる。ここで、レシチンとしては、例えば大豆レシチンおよび卵黄レシチンなど油分を含む液状レシチン、液状レシチンから油分を除き乾燥した粉末レシチン、液状レシチンを分別精製した分別レシチン並びにレシチンを酵素で処理した酵素分解レシチンおよび酵素処理レシチンなどが挙げられる。
本発明の粉末状乳化油脂は、油脂、上記したソルビタン脂肪酸エステル、水、所望によりグリセリン脂肪酸エステル、グリセリン有機酸脂肪酸エステル、粉末化基材などと撹拌し、乳化して水中油型乳化物を作製し、その後に水中油型乳化物を乾燥することによって得られる。水中油型乳化物を作製する際、上記したソルビタン脂肪酸エステルなどの各種乳化剤は、油脂を含む油相または水を含む水相のいずれに配合しても良いが、油相に配合することが好ましい。
上記粉末化基材としては、糖類、澱粉類、増粘安定剤、蛋白質などが挙げられる。糖類としては、例えばブドウ糖、果糖、麦芽糖、乳糖、ショ糖、デキストリン、コーンシロップなどが挙げられる。澱粉類としては、例えばコーンスターチ、馬鈴薯澱粉、小麦澱粉、タピオカ澱粉などや加工澱粉(エステル化澱粉、エーテル化澱粉、架橋澱粉、酸化処理澱粉、酸処理澱粉、湿熱処理澱粉など)などが挙げられる。増粘安定剤としては、例えばアラビアガム、カラギナン、キサンタンガム、グアーガム、ジェランガム、タマリンドシードガム、タラガム、トラガントガム、ローカストビーンガムペクチンおよびセルロースなどが挙げられる。蛋白質としては、例えば大豆蛋白質、小麦蛋白質などの植物由来の蛋白質、牛、豚、鶏などの肉および副産物から得られる動物由来の蛋白質、カゼイン、カゼインナトリウム、カゼイン分解物、ホエーなどの乳由来の蛋白質などが挙げられる。これらは、1種類または2種類以上の混合物として使用することができ、好ましくはデキストリン、カゼインナトリウムなどが挙げられる。
本発明の粉末状乳化油脂に含まれる上記粉末化基材の含有量は特に制限はないが、粉末状乳化油脂の固形分100質量部中、好ましくは約14〜80質量%、より好ましくは約15〜69質量%である。
なお、本発明の粉末状乳化油脂には、本発明の効果を阻害しない範囲で他の物質、例えば酸化防止剤(トコフェロール、茶抽出物など)を配合することができる。
本発明の粉末状乳化油脂の製造方法としては、特に制限されず、自体公知の方法を用いることができる。以下に粉末状乳化油脂の具体的な製造方法を例示する。例えば、デキストリン、カゼインナトリウムを水に加え、約50〜80℃、好ましくは約60〜70℃に加温しながら分散または溶解し水相とする。該水相を撹拌しながら、この中に本発明で用いられるソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、グリセリン有機酸脂肪酸エステルを配合した油脂を約50〜80℃、好ましくは約60〜70℃に加温した油相を加え乳化することにより水中油型乳化物を作製する。該水中油型乳化物は所望によりさらに均質化工程や殺菌処理工程を行うことができる。
上記油相と水相とを乳化するための装置としては特に限定されず、例えば攪拌機、加熱用のジャケットおよび邪魔板などを備えた通常の攪拌・混合槽を用いることができる。装備する攪拌機としては、例えばTKホモミクサー(プライミクス社製)またはクレアミックス(エムテクニック社製)などの高速回転式ホモジナイザーが好ましく用いられる。該ホモジナイザーによる乳化条件としては、例えば実験室用の小型機では、回転数約6000〜20000rpm、撹拌時間約10〜60分間が例示できる。
次に、上記装置で乳化した液を均質化するため、高圧式均質化処理機として、例えばAPVゴーリンホモジナイザー(APV社製)、マイクロフルイダイザー(マイクロフルイデックス社製)、アルティマイザー(スギノマシン社製)ナノマイザー(大和製罐社製)、HV−OA−07−1.5S(イズミフードマシナリ社)などを好ましく使用することができる。該均質化処理機による乳化条件(圧力)としては、装置の仕様により異なり一様ではないが、例えば約5〜30MPaを例示できる。均質化処理により、液中の脂質は微細化し、平均粒子径が約1μm程度となり均一に分散した状態になる。さらに、上記均質化処理機に代えて、例えば超音波乳化機などの均質化処理機を用いてもよい。
上記殺菌処理する方法としては特に限定されず、例えば高温短時間殺菌法および超高温殺菌法などが挙げられる。高温短時間殺菌法による殺菌条件としては、72℃で15秒間、または80〜85℃で10〜15秒間などが例示される。また、超高温殺菌法による殺菌条件としては、120〜130℃で2秒間、または150℃で1秒間などが例示される。殺菌処理する装置としては、通常伝熱性の優れたプレート式熱交換器(例えば、岩井機械工業社製など)が好ましく用いられる。殺菌処理済み液は、所望により再度均質化処理機を通すこともできる。
作製された水中油型乳化物を乾燥することにより粉末状乳化油脂を得ることができる。得られた粉末状乳化油脂の水分含量は、品質保持の観点から5%以下が好ましい。ここで水分含量は、常圧加熱乾燥法(対象物3gを105℃で2時間乾燥した際の減量分を測定する方法)による測定である。上記水中油型乳化物を乾燥するための装置としては特に制限されず、例えば噴霧乾燥機、ドラム乾燥機、真空乾燥機などを用いることができるが、噴霧乾燥機が好ましく用いられる。噴霧乾燥機の乾燥条件としては、例えば実験用小型機では、送風温度約160〜180℃、排風温度約80〜100℃が例示できる。
本発明の粉末状乳化油脂は、加熱殺菌飲料に配合して用いられる。加熱殺菌飲料に配合する粉末状乳化油脂の添加量としては、製品の種類や目的によっても異なるが、例えば該飲料中に約0.1〜10質量%、好ましくは約0.1〜7質量%、より好ましくは約0.1〜5質量%が挙げられる。
本発明の粉末状乳化油脂を配合した加熱殺菌飲料も本発明の形態の1つである。本発明の加熱殺菌飲料は、各種飲料に加熱による殺菌を行ったものである。殺菌方法としては、レトルト殺菌、UHT殺菌などが挙げられる。通常レトルト殺菌は、各種飲料を缶などの耐熱性容器に充填し、レトルト殺菌機により、121℃、20〜40分の条件で行われる。また、UHT殺菌は、より高温、例えば殺菌温度130〜150℃で、且つ、121℃での殺菌価(F0)が10〜50に相当する超高温殺菌である。UHT殺菌は飲料に直接水蒸気を吹き込むスチームインジェクション式や飲料を水蒸気中に噴射して加熱するスチームインフュージョン式などの直接加熱方式、プレートやチューブなど表面熱交換器を用いる間接加熱方式など公知の方法で行うことができる。通常UHT殺菌された飲料は、無菌的にペットボトルなどの容器に充填されて製品化される。
本発明の加熱殺菌飲料の種類は特に制限はないが、例えば乳成分含有飲料が挙げられ、具体的にはコーヒー乳飲料、コーヒー飲料、ミルクコーヒー、カフェオレ、カフェラテ、ミルクティー、ミルクココア、紅茶オレ、バニララテ、ミルクセーキ、アーモンドキャラメル、キャラメルラテ、イチゴ牛乳および抹茶ミルクなどが挙げられる。ここで、本発明の粉末状乳化油脂は、UHT殺菌処理を経て製造された加熱殺菌乳成分含有飲料を容器に密封保存した場合、あるいは乳成分含有飲料を容器に詰めてレトルト殺菌処理されて加熱殺菌乳成分含有飲料を保存した場合に生じた乳成分あるいは油脂などが分離、凝集した凝集物の再分散性に優れているため、とりわけUHT殺菌処理により製造されたペットボトル入り加熱殺菌乳成分含有飲料、またはレトルト殺菌処理により製造された缶入り加熱殺菌乳成分含有飲料などに好ましく用いることができる。
上記加熱殺菌乳成分含有飲料は、通常、飲料のベースとなるコーヒー抽出液、紅茶抽出液、ココア分散液、果汁類(例えば、いちご果汁、バナナ果汁、パイナップル果汁など)または抹茶分散液などに、乳成分、粉末状乳化油脂および乳化剤;さらに所望により砂糖、異性化液糖(例えば、ぶどう糖果糖液糖、果糖ぶどう糖液糖、高果糖液糖など)、砂糖混合異性化液糖、蜂蜜などの糖類;アスパルテームまたはステビアなどの甘味料;アラビアガム、カラギナン、キサンタンガム、グアーガム、ジェランガム、タマリンドシードガム、タラガム、ローカストビーンガム、セルロース、ペクチンなどの増粘安定剤;カゼイン、カゼインナトリウムなどの蛋白質;香料;ビタミンCなどのビタミン類;トコフェロール、茶抽出物などの酸化防止剤などを配合して製造される。また、コーヒー抽出液をベースとする飲料では、コーヒー抽出液のpHを調整するため、通常pH調整剤(例えば、炭酸水素ナトリウムなど)が添加されることが好ましい。さらに、コーヒー抽出液は、各種酵素で処理したものも用いることができる。
上記加熱殺菌乳成分含有飲料に用いられる乳成分としては、例えば牛乳または山羊乳などに含まれる乳成分、即ち乳脂肪および/または無脂乳固形分などであり、具体的には生乳、生クリーム、バター、加糖煉乳、脱脂加糖煉乳、濃縮乳、脱脂濃縮乳、脱脂粉乳、全脂粉乳、チーズ、カゼインとその塩、ホエーパウダーなどが挙げられる。また、飲料に対する乳成分の含有量は、飲料の種類、嗜好などで異なり一様ではないが、通常乳固形分に換算して約0.4〜10.0質量%、好ましくは約2.0〜7.5質量%である。
上記加熱殺菌乳成分含有飲料に用いられる乳化剤としては、例えばグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、レシチンなどが挙げられる。ここで、グリセリン脂肪酸エステルには、グリセリンと脂肪酸のエステルの外、例えばグリセリン有機酸脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステルおよびポリグリセリン縮合リシノール酸エステルが含まれ、該グリセリン有機酸脂肪酸エステルには、例えばグリセリン酢酸脂肪酸エステル、グリセリン乳酸脂肪酸エステル、グリセリンクエン酸脂肪酸エステル、グリセリンコハク酸脂肪酸エステル、グリセリンジアセチル酒石酸脂肪酸エステルなどが含まれる。またレシチンとしては、例えば大豆レシチンおよび卵黄レシチンなど油分を含む液状レシチン、液状レシチンから油分を除き乾燥した粉末レシチン、液状レシチンを分別精製した分別レシチン並びにレシチンを酵素で処理した酵素分解レシチンおよび酵素処理レシチンなどが挙げられる。
本発明の加熱殺菌飲料の製造方法に特に制限はないが、例えば加熱殺菌乳成分含有飲料の1種であるコーヒー飲料の製法としては、次の方法が好ましく挙げられる。例えば焙煎されたコーヒー豆から約90〜98℃の精製水で抽出されたコーヒー抽出液に、牛乳、全粉乳または脱脂粉乳などの乳成分、砂糖、本発明の粉末状乳化油脂、乳化剤を加えて溶解し、所望により増粘安定剤の水溶液を添加し、さらに炭酸水素ナトリウムの水溶液を添加してpHを約5〜7に調整する。次に、得られたコーヒー飲料を、高圧式均質化処理機などを用いて均質化する。高圧式均質化処理機としては、例えばAPVゴーリンホモジナイザー(APV社)、マイクロフルイダイザー(マイクロフルイデックス社)、アルティマイザー(スギノマシン社)、ナノマイザー(大和製罐社)などが挙げられる。均質化は、コーヒー飲料を例えば温度約60〜70℃、圧力約15〜30MPaの条件で約1〜3回処理することにより行われ得る。
均質化されたコーヒー飲料は、続いて加熱殺菌することが好ましい。加熱殺菌の方法としては、缶入り飲料の場合はレトルト殺菌が、またペットボトル入り飲料の場合はUHT殺菌が好ましい。レトルト殺菌は、コーヒー飲料を缶に充填して密封し、レトルト殺菌機により、通常約121〜124℃、約20〜40分間の加熱条件で行われ得る。UHT殺菌の方法としては、コーヒー飲料に直接水蒸気を吹き込むスチームインジェクション式やコーヒー飲料を水蒸気中に噴射して加熱するスチームインフュージョン式などの直接加熱方式、プレートやチューブなど表面熱交換器を用いる間接加熱方式などが挙げられ、好ましくはプレート式殺菌装置を用いる方法である。プレート式殺菌装置を用いるUHT殺菌は、通常約130〜150℃で、121℃の殺菌価(F)が10〜50に相当する加熱条件で行われ得る。UHT殺菌された乳飲料は、無菌的にペットボトルに充填され、密栓されるのが好ましい。
また、加熱殺菌乳成分含有飲料の1種であるミルクティーの製法としては、次の方法が好ましく挙げられる。例えば、市販の紅茶葉(例えばアッサム種、セイロン種およびティンブラ種のものなど)から約80〜90℃の精製水で抽出された紅茶葉抽出液に、牛乳、全粉乳または脱脂粉乳などの乳成分、砂糖、本発明の粉末状乳化油脂および所望により上記した各種の乳化剤を加えて溶解し、所望により増粘安定剤の水溶液を添加し、さらに所望により炭酸水素ナトリウムの水溶液を添加してpHを約5〜7に調整し、ミルクティーを得る。
次に、得られたミルクティーをコーヒー飲料の製法で記載した同様の均質化工程および加熱殺菌工程を行うことによって、缶入りまたはペットボトル入りミルクティーが得られる。
以下に本発明を実施例で説明するが、これは本発明を単に説明するだけのものであって、本発明を限定するものではない。
≪ソルビタン脂肪酸エステルの作製≫
[ソルビタン脂肪酸エステル(試作品A)の作製方法]
撹拌機、温度計、ガス吹込管および水分離器を取り付けた2Lの四つ口フラスコに、ソルビトールを373g仕込み、次にラウリン酸L−98(商品名;脂肪酸組成:ラウリン酸98%、ミリスチン酸2%;丸善薬品産業社製)860gを仕込み、触媒として水酸化ナトリウム0.43gを加え、常圧下、窒素ガス気流中、235℃で酸価10以下となるまで約3.0時間エステル化反応を行った。得られた反応生成物を冷却し、ソルビタン脂肪酸エステル(試作品A;エステル化率68%)約910gを得た。
[ソルビタン脂肪酸エステル(試作品B)の作製方法]
撹拌機、温度計、ガス吹込管および水分離器を取り付けた2Lの四つ口フラスコに、ソルビトールを421g仕込み、次にラウリン酸L−98(商品名;脂肪酸組成:ラウリン酸98%、ミリスチン酸2%;丸善薬品産業社製)680.0gを仕込み、触媒として水酸化ナトリウム1.02gを加え、常圧下、窒素ガス気流中、235℃で酸価10以下となるまで約2.0時間エステル化反応を行った。得られた反応生成物を冷却し、ソルビタン脂肪酸エステル(試作品B;エステル化率43%)約870gを得た。
≪粉末状乳化油脂の作製≫
(1)原材料
油脂(商品名:ヤシ硬化油H−32;太陽油脂社製)
乳化剤1:ソルビタン脂肪酸エステルA(上記方法で得られた試作品A:エステル化率68%)
乳化剤2:ソルビタン脂肪酸エステルB(上記方法で得られた試作品B:エステル化率43%)
乳化剤3:モノグリセリン脂肪酸エステル(商品名:エマルジーP−100;理研ビタミン社製)
乳化剤4:グリセリンジアセチル酒石酸脂肪酸エステル(商品名:パノダンAMV/B;ダニスコ社製)
カゼインナトリウム(商品名:アラネート180;フォンテラ社製)
デキストリン(商品名:MPD;松谷化学社製)
(2)配合
上記原材料を用いて作製した粉末状乳化油脂の乾燥前の水中油型乳化物の配合組成を表1に示した。
Figure 2015146737
(3)粉末状乳化油脂の作製方法
表1に記載の原材料を用い、油相部の原材料を加温しながらスパチュラで混合して70℃とした。一方、水相部の原材料を乳化機(型式:クレアミクスCLM−0.8S;エムテクニック社製)を用いて4000rpmの条件で撹拌混合しながら加温して70℃とした。前記70℃にした油相部を水相部に加えて乳化機(型式:クレアミクスCLM−0.8S;エムテクニック社製)を用いて8000rpm、10分間の条件で均質化した後、さらに高圧式均質化処理機(型式:HV−OA−08−1.5S;イズミフードマシナリ社製)を用いて20MPaの条件で均質化して水中油型乳化物を得た。
得られた水中油型乳化物をスプレードライヤー(型式:L−81;大川原化工機社製)を用いて、噴霧乾燥(送風温度180℃、排風出口温度90℃)して粉末状乳化油脂(実施例品1、2、比較例品1)をそれぞれ約500g得た。
≪加熱殺菌乳成分含有飲料(コーヒー飲料)による分離、凝集した凝集物の再分散性評価≫
得られた粉末状乳化油脂を用いてコーヒー飲料を作製し、保存で発生する分離、凝集した凝集物の再分散性を評価した。
(1)コーヒー飲料(試験区品1〜3)の作製方法
焙煎コーヒー豆(L値19)700gを95℃の精製水7000gで抽出し、コーヒー抽出液(Brix 3.2%)を得た。該コーヒー抽出液1746g、牛乳(乳脂肪3.5%以上、無脂乳固形分8.3%以上)470g、グラニュー糖235g、炭酸水素ナトリウム4.2g、粉末状乳化油脂(実施例品1、2、比較例品1)42.3g、ショ糖脂肪酸エステル(製品名:P−1670;三菱化学フーズ社製)2.35g、グリセリンコハク酸脂肪酸エステル(製品名:ポエムB−15V;理研ビタミン社製)2.35g、カゼインナトリウム(製品名:アラネート180;フォンテラ社製)2.35gを配合し、これに精製水を加えて全量を4700gとした。ウォーターバスを用いて70℃に達温後10分攪拌を行い溶け残りが無い事を確認した。高圧式均質化処理機(製品名:APVゴーリンホモジナイザー;APV社製)を用いて、液温約60〜70℃、第一段圧力約15MPa、第二段圧力5MPaの条件で均質化した。得られた均質化溶液を小型連続式UHT装置(プレート型間接熱交換機;パワーポイントインターナショナル社製)を用い140℃30秒加熱殺菌後、あらかじめ滅菌処理しておいた容量350mlのペットボトルに無菌的に充填し、各ペットボトル入りコーヒー飲料9本を得た。
(2)浮上して凝集している凝集物(ネックリング)の再分散性試験
得られた各ペットボトル入りコーヒー飲料3本ずつを37℃、55℃の恒温器内で4週間静置保管した。次いで、37℃4週間静置保管品は5℃に24時間静置し、55℃4週間静置保管品は室温にて3時間静置した。その後、各ペットボトル入りコーヒー飲料を振とうし、ペットボトル内の上部(いわゆるヘッドスペース部)に浮上して凝集している凝集物(ネックリング)および剥がれ落ちた凝集物(白色浮遊物)の分散状態を評価した。上記振とう方法としては、コーヒー飲料の入ったペットボトルを把持し、該ペットボトルをゆっくり上下に180度反転させた後、元の整置状態に戻す操作を5秒毎に1回の頻度で行い、合計10回反転させた。
評価は、下記表2に示す評価基準に従い評価し、評価点の平均値として求めて下記基準にて記号化した。結果を表3に示した。
[記号化]
◎ : 平均値3.5以上
〇 : 平均値2.5以上3.5未満
△ : 平均値1.5以上2.5未満
× : 平均値1.5未満
Figure 2015146737
Figure 2015146737
表3から明らかなように、実施例品1および2の粉末状乳化油脂を配合したペットボトル入りコーヒー飲料(試験区品1、2)は、ペットボトル内で発生した凝集物(ネックリング)の分散性が良好であった。一方、比較例品1の粉末状乳化油脂を配合したもの(試験区品3)はペットボトル内で発生した凝集物(ネックリング)の分散性は悪かった。従って、実施例品1、2を用いた試験区品1、2は、ペットボトル内で発生した凝集物の再分散性に優れたものである。

Claims (3)

  1. 油脂とソルビタン脂肪酸エステルとを含有する溶液を乳化した水中油型乳化物を乾燥して得ることを特徴とする加熱殺菌飲料用粉末状乳化油脂。
  2. さらに、グリセリン脂肪酸エステルおよびグリセリン有機酸脂肪酸エステルを含有することを特徴とする請求項1に記載の加熱殺菌飲料用粉末状乳化油脂。
  3. 請求項1または2に記載の加熱殺菌飲料用粉末状乳化油脂を含有することを特徴とする加熱殺菌飲料。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017158499A (ja) * 2016-03-10 2017-09-14 ミヨシ油脂株式会社 粉末油脂及び飲食品
JP2018019628A (ja) * 2016-08-02 2018-02-08 ミヨシ油脂株式会社 加熱殺菌飲料用粉末油脂とそれを用いた加熱殺菌飲料

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