JPWO2015012316A1 - 液晶配向剤及びそれを用いた液晶配向膜 - Google Patents
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Abstract
Description
液晶表示素子の高精細化に伴い、液晶表示素子のコントラスト低下の抑制や残像現象の低減といった要求から、液晶配向膜においては、優れた液晶配向性や安定したプレチルト角の発現に加えて、高い電圧保持率、交流駆動により発生する残像の抑制、直流電圧を印加した際の少ない残留電荷、及び/又は直流電圧による蓄積した残留電荷の早い緩和といった特性が次第に重要となっている。
しかし、液晶配向膜を形成した基板上の液晶配向膜面にシール剤を塗布して2枚の基板を接着して液晶表示素子を作製するときに、かかるポリアミック酸エステルとポリアミック酸とを含有する液晶配向剤から得られる液晶配向膜は、シール剤や基板との接着性(密着性)が満足し得ないことが見出された。
さらに、上記のごとき液晶配向膜のシール剤や基板との接着性の改善は、液晶配向膜の有する、液晶配向性や電気特性を低下させずに達成されることが必要となり、できれば、これらの特性をさらに向上させることが要求される。
1.下記の(A)成分、(B)成分、及び(C)成分を含有することを特徴とする液晶配向剤。
(A)成分:下記式(1)で表されるテトラカルボン酸ジアルキルエステル誘導体を60mol%以上含むテトラカルボン酸ジアルキルエステル誘導体と下記式(2)〜(5)で表されるジアミンからなる群から選ばれる少なくとも1つのジアミンを含むジアミンとの重縮合反応によって得られるポリアミック酸エステル。
(B)成分:テトラカルボン酸二無水物とジアミンとの重縮合反応によって得られるポリアミック酸。
(C)成分:2官能若しくは多官能の(メタ)アクリル酸又はその誘導体。
3.(A)成分が、上記式(2)〜式(5)で表されるジアミンからなる群から選ばれる少なくとも1種のジアミンを全ジアミンに対して40〜100モル%含むジアミンを用いて得られるポリアミック酸エステルである上記1又は2に記載の液晶配向剤。
5.(A)成分が、式(2)で表されるジアミンと、式(4)で表されるジアミンからなる群から選ばれる少なくとも1種のジアミンを含むジアミンを用いて得られるポリアミック酸エステルである上記1〜4のいずれかに記載の液晶配向剤。
9.(B)成分が、下記式(B−1)〜(B−9)のテトラカルボン酸二無水物からなる群から選ばれる少なくとも1種を含むテトラカルボン酸二無水物を用いて得られるポリアミック酸である上記1〜8のいずれかに記載の液晶配向剤。
13.(C)成分が、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、又はグリセリンジグリシジルエーテルアクリル酸付加物である、上記1〜12のいずれかに記載の液晶配向剤。
14.さらに、γ−ブチロラクトン及びその誘導体からなる群から選ばれる少なくとも1種の有機溶媒(D1)と、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチルイミダゾリジノン及びそれらの誘導体からなる群から選ばれる少なくとも1種の有機溶媒(D2)とを含み、有機溶媒(D1)の含有量が、有機溶媒(D1)と有機溶媒(D2)の合計量に対して、2〜30質量%である混合有機溶媒を含有する上記1〜13のいずれかに記載の液晶配向剤。
16.上記1〜15のいずれかに記載の液晶配向剤を基板に塗布し、焼成して得られる液晶配向膜。
加えて、本発明の液晶配向剤から得られる液晶配向膜は、交流駆動による残像が低減するなどの液晶と液晶配向膜との界面の特性、並びに、電圧保持率、イオン密度、及び直流電圧の残留などの電気的特性が改善される。
本発明に用いられるポリアミック酸エステルは、ポリイミドを得るためのポリイミド前駆体であり、加熱することによって下記に示すイミド化反応が可能な部位を有するポリマーである。
R1の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、又はt−ブチル基が挙げられる。ポリアミック酸エステルは、アルキル基における炭素数が増えるに従ってイミド化が進行する温度が高くなるので、R1は、熱によるイミド化のしやすさの観点から、メチル基又はエチル基が好ましく、メチル基が特に好ましい。
R2が塩素原子の場合、ジアミンとの反応性が高いビス(クロロカルボニル)化合物になるため、より好ましい。
A1において、エステル結合は、−C(O)O−、又は−OC(O)−で表される。
アミド結合としては、−C(O)NH−、−C(O)NR−、−NHC(O)−、又は−NRC(O)−で表される構造を示すことができる。Rは炭素数1〜10のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、チオエステル結合、若しくはこれらを組み合わせた基である。
アルケニル基としては、上記のアルキル基に存在する1つ以上のCH2−CH2構造を、CH=CH構造に置き換えたものが挙げられ、より具体的には、ビニル基、アリル基、1−プロペニル基、イソプロペニル基、2−ブテニル基、1,3−ブタジエニル基、2−ペンテニル基、2−ヘキセニル基、シクロプロペニル基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基などが挙げられる。
アルキニル基としては、前記のアルキル基に存在する1つ以上のCH2−CH2構造をC≡C構造に置き換えたものが挙げられ、より具体的には、エチニル基、1−プロピニル基、2−プロピニル基などが挙げられる。
アリール基としては、例えばフェニル基が挙げられる。
チオエステル結合としては−C(O)S−、又は−SC(O)−で表される構造を示すことができる。
ウレア結合としては、−NH−C(O)NH−、又は−NR−C(O)NR−で表される構造を示すことができる。Rは炭素数1〜10のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、若しくはこれらを組み合わせた基であり、前記のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、及びアリール基と同様の例を挙げることができる。
カルバメート結合としては、−NH−C(O)−O−、−O−C(O)−NH−、−NR−C(O)−O−、又は−O−C(O)−NR−で表される構造を示すことができる。Rは炭素数1〜10のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、若しくはこれらを組み合わせた基であり、前記のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、及びアリール基と同様の例を挙げることができる。
式(6)中のR4及びR5は、それぞれ独立して単結合、又は炭素数1〜10のアルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基、アリーレン基、及びこれらを組み合わせた基から選ばれ、これらは置換基を有してもよい。R4とR5の何れかが単結合の場合、R4又はR5は炭素数2〜10のアルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基、アリーレン基、及びこれらを組み合わせた基から選ばれ、これらは置換基を有してもよい。
上記アルケニレン基としては、前記アルケニル基から水素原子を1つ除いた構造が挙げられる。より具体的には、1,1−エテニレン基、1,2−エテニレン基、1,2−エテニレンメチレン基、1−メチル−1,2−エテニレン基、1,2−エテニレン−1,1−エチレン基、1,2−エテニレン−1,2−エチレン基、1,2−エテニレン−1,2−プロピレン基、1,2−エテニレン−1,3−プロピレン基、1,2−エテニレン−1,4−ブチレン基、1,2−エテニレン−1,2−ブチレン基などが挙げられる。
アリーレン基としては、前記アリール基から水素原子を1つ除いた構造が挙げられる。より具体的には、1,2−フェニレン基、1,3−フェニレン基、1,4−フェニレン基などが挙げられる。
この置換基の例としてはハロゲン基、水酸基、チオール基、ニトロ基、オルガノオキシ基、オルガノチオ基、オルガノシリル基、アシル基、エステル基、チオエステル基、リン酸エステル基、アミド基、アリール基、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基等を挙げることができる。
置換基であるオルガノオキシ基としては、アルコキシ基、アルケニルオキシ基、アリールオキシ基など−O−Rで表される構造を示すことができる。このRとしては、前述したアルキル基、アルケニル基、アリール基などを例示することができる。これらのRには前述した置換基がさらに置換していてもよい。アルキルオキシ基の具体例としては、メトキシ基、エトキシ基、プロピオキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基などが挙げられる。
置換基であるエステル基としては、−C(O)O−R、又は−OC(O)−Rで表される構造を示すことができる。このRとしては、前述したアルキル基、アルケニル基、アリール基などを例示することができる。これらのRには前述した置換基がさらに置換していてもよい。
置換基であるリン酸エステル基としては、−OP(O)−(OR)2で表される構造を示すことができる。このRは同一でも異なってもよく、前述したアルキル基、アリール基などを例示することができる。これらのRには前述した置換基がさらに置換していてもよい。
置換基であるアミド基としては、−C(O)NH2、又は、−C(O)NHR、−NHC(O)R、−C(O)N(R)2、又は−NRC(O)Rで表される構造を示すことができる。このRは同一でも異なってもよく、前述したアルキル基、アリール基などを例示することができる。これらのRには前述した置換基がさらに置換していてもよい。
置換基であるアルキル基としては、前述したアルキル基と同じものを挙げることができる。このアルキル基には前述した他の置換基がさらに置換していてもよい。
置換基であるアルケニル基としては、前述したアルケニル基と同じものを挙げることができる。このアルケニル基には前述した他の置換基がさらに置換していてもよい。
置換基であるアルキニル基としては、前述したアルキニル基と同じものを挙げることができる。このアルキニル基には前述した他の置換基がさらに置換していてもよい。
直線性が高い構造や剛直な構造を有するジアミンを用いた場合、良好な液晶配向性を有する液晶配向膜が得られるため、A1の構造としては、単結合、又は下記式(A1−1)〜(A1−25)の構造がより好ましい。
ハロゲン原子としては、前記のハロゲン原子の例と同様のものを挙げることができる。
アミノ基としては、−NH2、−NHR、又は−NR(R)−で表される構造を示すことできる。Rは炭素数1〜10のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、若しくはこれらを組み合わせた基であり、前記のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、及びアリール基と同様の例を挙げることができる。
オルガノオキシ基としては、アルコキシ基、アルケニルオキシ基、アリールオキシ基など−O−Rで表される構造を示すことができる。このRとしては、前述したアルキル基、アルケニル基、アリール基などを例示することができる。アルキルオキシ基の具体例としては、メトキシ基、エトキシ基、プロピオキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基などが挙げられる。
オルガノチオ基としては、アルキルチオ基、アルケニルチオ基、アリールチオ基など−S−Rで表される構造を示すことができる。このRとしては、前述したアルキル基、アルケニル基、アリール基などを例示することができる。アルキルチオ基の具体例としては、メチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基、ブチルチオ基、ペンチルチオ基、ヘキシルチオ基などが挙げられる。
アシル基としては、−C(O)−Rで表される構造を示すことができる。このRとしては、前述したアルキル基、アルケニル基、アリール基などを例示することができる。アシル基の具体例としては、ホルミル基、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、イソブチリル基、バレリル基、イソバレリル基、ベンゾイル基などが挙げられる。
チオエステル基としては、−C(S)O−R、又は−OC(S)−Rで表される構造を示すことができる。このRとしては、前述したアルキル基、アルケニル基、アリール基などを例示することができる。これらのRには前述した置換基がさらに置換していてもよい。
アミド基としては、−C(O)NH2、−C(O)NHR、−NHC(O)R、−C(O)N(R)2、又は−NRC(O)Rで表される構造を示すことができる。このRは同一でも異なってもよく、前述したアルキル基、アリール基などを例示することができる。
アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、及びアリール基としては、前述したアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、及びアリール基と同じものを挙げることができる。
この置換基の例としてはハロゲン基、ヒドロキシル基、チオール基、ニトロ基、オルガノオキシ基、オルガノチオ基、オルガノシリル基、アシル基、エステル基、チオエステル基、リン酸エステル基、アミド基、カルバメート基、アリール基、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基等を挙げることができる。
置換基であるオルガノオキシ基としては、アルコキシ基、アルケニルオキシ基、アリールオキシ基など−O−Rで表される構造を示すことができる。このRとしては、前述したアルキル基、アルケニル基、アリール基などを例示することができる。これらのRには前述した置換基がさらに置換していてもよい。アルキルオキシ基の具体例としては、メトキシ基、エトキシ基、プロピオキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、ノニルオキシ基、デシルオキシ基、ラウリルオキシ基などが挙げられる。
置換基であるアシル基としては、−C(O)−Rで表される構造を示すことができる。このRとしては、前述したアルキル基、アルケニル基、アリール基などを例示することができる。これらのRには前述した置換基がさらに置換していてもよい。アシル基の具体例としては、ホルミル基、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、イソブチリル基、バレリル基、イソバレリル基、ベンゾイル基などが挙げられる。
置換基であるチオエステル基としては、−C(S)O−R、又は−OC(S)−Rで表される構造を示すことができる。このRとしては、前述したアルキル基、アルケニル基、アリール基などを例示することができる。これらのRには前述した置換基がさらに置換していてもよい。
置換基であるリン酸エステル基としては、−OP(O)−(OR)2で表される構造を示すことができる。このRは同一でも異なってもよく、前述したアルキル基、アリール基などを例示することができる。これらのRには前述した置換基がさらに置換していてもよい。
置換基であるカルバメート基としては、−O−C(O)NH2、−O−C(O)NHR、−NHC(O)−OR、又は−NR−C(O)ORで表される構造を示すことができる。このRは同一でも異なってもよく、前述したアルキル基、アリール基などを例示することができる。これらのRには前述した置換基がさらに置換していてもよい。
置換基であるアルキル基としては、前述したアルキル基と同じものを挙げることができる。このアルキル基には前述した他の置換基がさらに置換していてもよい。
置換基であるアルケニル基としては、前述したアルケニル基と同じものを挙げることができる。このアルケニル基には前述した他の置換基がさらに置換していてもよい。
置換基であるアルキニル基としては、前述したアルキニル基と同じものを挙げることができる。このアルキニル基には前述した他の置換基がさらに置換していてもよい。
上記式(4)及び式(5)におけるA2は、下記式(6)で表される構造であるのが好ましい。
さらに、A2の構造が、加熱により脱離する脱離基を有する構造のジアミンである場合は、ポリマーの溶解性を向上させ、且つ液晶配向性、及びプレチルト角には影響を与えることがない。加熱により脱離する脱離基を有するA2の構造としては、下記式(A2−1)〜(A2−24)で表される構造が好ましい。
なかでも、(A)成分の原料であるジアミンとしては、式(2)で表されるジアミン及び式(3)で表されるジアミンからなる群から選ばれる少なくとも1種のジアミンと、式式(4)で表されるジアミン及び式(5)で表されるジアミンからなる群から選ばれる少なくとも1種のジアミンを含むのが好ましい。(A)成分の原料であるジアミンとしては、特に、式(2)で表されるジアミンと、式(4)で表されるジアミンからなる群から選ばれる少なくとも1種のジアミンを含むのが好ましい。これにより、特に、溶媒であるγ−ブチロラクトンにおける溶解性が高めることができる。
上記のアルキル基、アルケニル基、又はアルキニル基は、全体として炭素数が1〜10であれば置換基を有していてもよく、さらには置換基によって環構造を形成してもよい。なお、置換基によって環構造を形成するとは、置換基同士又は置換基と母骨格の一部とが結合して環構造となることを意味する。
一般に、嵩高い構造を導入すると、アミノ基の反応性や液晶配向性を低下させる可能性があるため、R6及びR7としては、水素原子、又は置換基を有してもよい炭素数1〜5のアルキル基がより好ましく、水素原子、メチル基又はエチル基が特に好ましい。
本発明に用いられるポリアミック酸は、ポリイミドを得るためのポリイミド前駆体であり、加熱することによって下記に示すイミド化反応が可能な部位を有するポリマーである。
式(B−1)〜(B−9)からなる群から選ばれる少なくとも1種のテトラカルボン酸二無水物の使用割合は、全テトラカルボン酸二無水物に対して5〜100モル%が好ましい。かかる使用割合が高いほど、ポリマーの極性及び溶解性を高くすることができるため、20〜100モル%がより好ましく、40〜100モル%がさらに好ましい。
(B)成分の原料であるテトラカルボン酸二無水物としては、下記の式(B−1)〜(B−9)のテトラカルボン酸二無水物からなる群から選ばれる少なくとも1種類を含むテトラカルボン酸二無水物が好ましい。
一方、(B)成分の原料であるジアミンとしては、下記の式(B−10)〜(B−13)からなる群から選ばれる少なくとも1種類を含むジアミンが好ましい。
また、このような光反応性基を有するジアミンは、(A)成分及び/又は(B)成分の合成に用いる全ジアミン成分の5〜50モル%を用いることが好ましく、より好ましくは10〜20モル%である。
本発明の(C)成分は、2官能若しくは多官能の(メタ)アクリル酸又はその誘導体である。かかる(C)成分は、(A)成分と(B)成分との和(100質量%)に対して0.1〜10質量%が好ましく、1〜5質量%がより好ましい。
かかる(C)成分の好ましい具体例としては、アロニックスM−210、同M−240、同M−6200(東亜合成化学工業社製)、KAYARAD HDDA、同HX−220、同R−604、同R−684(日本化薬社製)、V260、V312、V335HP(大阪有機化学工業社製)、ライトアクリレートBA−4EA、同BP−4PA、同BP−2PA(共栄社油脂化学工業社製)などの2官能(メタ)アクリル酸誘導体;アロニックスM−400、同M−405、同M−450、同M−7100、同M−8030、同M−8060(東亜合成化学工業社製)、KAYARAD TMPTA、同DPCA−20、同−30、同−60、同−120(日本化薬社製)、VGPT(大阪有機化学工業社製)などの3官能以上の多官能(メタ)アクリル酸誘導体を挙げることができる。なかでも、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、グリセリンジグリシジルエーテルアクリル酸付加物等が挙げられる。
本発明の液晶配向剤には、通常、(A)成分〜(C)成分を溶解又は分散させための有機溶媒が含有される。有機溶媒は、限定されるものではない。
かかる有機溶媒としては、ポリアミック酸エステル及びポリアミック酸を溶解させることができる溶媒(以下、良溶媒)と液晶配向剤を基板へ塗布する際の塗膜均一性を向上させるための溶媒(以下、貧溶媒)の2種が挙げられる。
本発明では、有機溶媒は、γ−ブチロラクトン及びその誘導体からなる群から選ばれる少なくとも1種の有機溶媒(D1)と、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチルイミダゾリジノン及びそれらの誘導体からなる群から選ばれる少なくとも1種の有機溶媒(D2)とを含み、有機溶媒(D2)の含有量が、有機溶媒(D1)と有機溶媒(D2)の合計量に対して、2〜30質量%である混合溶媒が好ましい。有機溶媒(D2)の含有量は、5〜20質量%がより好ましい。
有機溶媒(D2)である、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチルイミドゾリジノン、又はそれらの誘導体としては、N−メチル−2−ピロリドン、N−エチル−2−ピロリドン、N−ビニル−2−ピロリドン、N−メチルカプロラクタム、2−ピロリドン、又は1,3−ジメチルイミドゾリジノンが挙げられる。沸点が高すぎると、溶媒が膜中に残存し、液晶配向膜としての特性を悪化させる可能性があるため、N−メチル−2−ピロリドン、又は1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンが好ましく、N−メチル−2−ピロリドンがより好ましい。
一方、インクジェット塗布法の場合は、塗布の際に、液晶配向剤が微小な液滴となるため、塗布前の溶媒組成と、基板に液晶配向剤が着液した後の溶媒組成が異なる可能性がある。具体的には、蒸気圧の高いγ−ブチロラクトン及びその誘導体が塗布の際に揮発し、基板に着液した際のγ−ブチロラクトン及びその誘導体の含有量が少なくなる。このため、有機溶媒(D1)がより多い溶媒組成が好ましく、有機溶媒(D2)の含有量は、2〜15質量%がより好ましく、2〜10質量%がさらに好ましい。
本発明の液晶配向剤の(A)成分である、ポリアミック酸エステルは公知の製造方法により製造することができる。具体的には、以下の(a)、及び(b)の方法が挙げられるが、これに限定されない。
ポリアミック酸エステルは、ビス(クロロカルボニル)化合物とジアミン化合物から製造することができる。
具体的には、ビス(クロロカルボニル)化合物とジアミン化合物とを、塩基と有機溶媒の存在下で−20〜140℃、好ましくは0〜50℃において、30分〜24時間、好ましくは1〜4時間反応させることによって製造することができる。前記塩基には、ピリジン、トリエチルアミン、又は4−ジメチルアミノピリジンが使用できるが、反応が穏和に進行するためにピリジンが好ましい。塩基の添加量は、多すぎると除去が難しく、少なすぎると分子量が小さくなるため、ビス(クロロカルボニル)化合物に対して、2〜4倍モル、好ましくは2〜2.5倍モルである。
製造時の濃度は、高すぎると重合体の析出が起こりやすく、低すぎると分子量が上がらないので、ビス(クロロカルボニル)化合物とジアミン化合物の反応液中の合計量が1〜30質量%が好ましく、5〜20質量%がより好ましい。また、ビス(クロロカルボニル)化合物の加水分解を防ぐため、ポリアミック酸エステルの製造に用いる溶媒はできるだけ脱水されていることが好ましく、反応は窒素雰囲気中で行い、外気の混入を防ぐのが好ましい。
ポリアミック酸エステルは、テトラカルボン酸ジアルキルエステルとジアミン化合物を縮合剤により縮合することにより製造することができる。
具体的には、ジアルキルエステルジカルボン酸とジアミン化合物を縮合剤、塩基、及び有機溶媒の存在下で0〜140℃、好ましくは0〜100℃において、30分〜24時間、好ましくは3〜15時間反応させることによって製造することができる。
上記2つのポリアミック酸エステルの製造方法の中でも、高分子量のポリアミック酸エステルが得られるため、(a)の方法が特に好ましい。
以上のようにして得られるポリアミック酸エステルの溶液は、よく撹拌させながら貧溶媒に注入することで、重合体を析出させることができる。析出を数回行い、貧溶媒で洗浄後、常温あるいは加熱乾燥して、精製されたポリアミック酸エステルの粉末を得ることができる。
前記貧溶媒は、特に限定されないが、水、メタノール、エタノール、ヘキサン、ブチルセロソルブ、アセトン、トルエン等が挙げられる。
本発明の液晶配向剤の(B)成分であり、また、(A)成分のポリアミック酸エステルの原料であるポリアミック酸は、テトラカルボン酸二無水物とジアミン化合物との重縮合により製造することができる。
ポリアミック酸を製造する場合、テトラカルボン酸二無水物とジアミン化合物とは、好ましくは有機溶媒存在下で−20〜140℃、好ましくは0〜50℃において、30分〜24時間、好ましくは1〜12時間反応させることによって製造することができる。
ポリアミック酸の製造に用いる有機溶媒は、単量体及び重合体の溶解性からN,N−ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドン、又はγ−ブチロラクトンが好ましく、これらは1種又は2種以上を混合して用いてもよい。製造時の濃度は、高すぎると重合体の析出が起こりやすく、低すぎると分子量が大きくならないので、テトラカルボン酸二無水物とジアミン化合物の反応液中の合計量は、1〜30質量%が好ましく、5〜20質量%がより好ましい。
重合体は、反応溶液をよく撹拌させながら貧溶媒に注入することで、析出させて、回収することができる。析出を数回行い、貧溶媒で洗浄後、常温あるいは加熱乾燥して、精製されたポリアミック酸の粉末を得ることができる。
前記貧溶媒は、特に限定されないが、水、メタノール、エタノール、ヘキサン、ブチルセロソルブ、アセトン、トルエン等が挙げられる。
従って、本発明のポリアミック酸エステル及びポリアミック酸の分子量は、重量平均分子量で2,000〜500,000が好ましく、より好ましくは5,000〜300,000であり、さらに好ましくは、10,000〜100,000である。
本発明の液晶配向剤における、(A)成分と(B)成分との含有比率は、質量比(A/B)で好ましくは、1/9〜9/1であり、3/7〜7/3がより好ましい。かかる比率をこの範囲にせしめることにより、液晶配向性と電気特性のいずれもが良好な液晶配向剤を提供することができる。
また、本発明の液晶配向剤における(C)成分の含有量は、(A)成分と(B)成分との和(100質量%)に対して、0.1質量%以上が好ましく、1.0質量%以上がより好ましく、3.0質量%以上がさらに好ましい。(C)成分の含有量が少ない場合には、液晶配向剤から得られた液晶配向膜のシール剤及び基板に対する接着性の改善の効果が十分でない。一方、液晶配向性の観点から、(C)成分の含有量は、好ましくは15質量%以下、特には10質量%以下が好ましい。
上記シランカップリング剤を添加する場合は、ポリマーの析出を防ぐために、前記した塗膜均一性を向上させるための溶媒を加える前に添加するのが好ましい。また、シランカップリング剤を添加する場合は、ポリアミック酸エステル溶液とポリアミック酸溶液を混合する前に、ポリアミック酸エステル溶液、ポリアミック酸溶液、又はポリアミック酸エステル溶液とポリアミック酸溶液の両方に添加することができる。また、ポリアミック酸エステル−ポリアミック酸混合溶液に添加することができる。シランカップリング剤はポリマーと基板との密着性を向上させる目的で添加するため、シランカップリング剤の添加方法としては、膜内部及び基板界面に偏在することができるポリアミック酸溶液に添加し、溶液中のポリマーとシランカップリング剤を十分に反応させてから、ポリアミック酸エステル溶液と混合する方法がより好ましい。
塗膜を焼成する際にポリアミック酸エステルのイミド化を効率よく進行させるために、イミド化促進剤を添加してもよい。以下にポリアミック酸エステルのイミド化促進剤の具体例を挙げるが、これに限定されるものではない。
本発明の液晶配向剤は、特定構造を有するポリアミック酸エステル((A)成分)とポリアミック酸((B)成分)を含有する。
(A)成分と(B)成分の合計量に対する(A)成分の割合としては、5〜95質量%が好ましい。(A)成分の割合が少ないと、十分な液晶配向性が得られない可能性があり、(B)成分の割合が少ないと、本発明に記載の効果が得られない可能性がある。そのため、(A)成分の割合としては、20〜80質量%がより好ましく、30〜70質量%がさらに好ましい。
シランカップリング剤や架橋剤を添加する場合は、ポリマーの析出を防ぐため、貧溶媒を加える前に添加するのが好ましい。また、塗膜を焼成する際にポリアミック酸エステルのイミド化を効率よく進行させるために、イミド化促進剤を添加してもよい。イミド化促進剤を添加する場合は、加熱することでイミド化が進行する可能性があるため、良溶媒及び貧溶媒で希釈した後に加えるのが好ましい。
得られた(A)成分のポリアミック酸エステルと(B)成分のポリアミック酸混合溶液に前記良溶媒及び前記貧溶媒を加え、所定のポリマー濃度になるように希釈することで、本発明の液晶配向剤が得られる。
本発明の液晶配向膜は、上記の液晶配向剤を、好ましくはろ過した後、基板に塗布し、乾燥し、焼成して塗膜とすることができる。本発明の液晶配向剤を塗布する基板としては、透明性の高い基板であれば特に限定されず、ガラス基板、窒化珪素基板、アクリル基板やポリカーボネート基板等のプラスチック基板等を用いることができ、液晶駆動のためのITO(Indium Tin Oxide)電極等が形成された基板を用いることがプロセスの簡素化の観点から好ましい。また、反射型の液晶表示素子では、片側の基板のみにならばシリコンウエハー等の不透明な物でも使用でき、この場合の電極はアルミニウム等の光を反射する材料も使用できる。
本発明の液晶配向膜の厚みは、特に限定されないが、薄すぎると液晶表示素子の信頼性が低下する場合があるので、5〜300nm、好ましくは10〜200nmである。この塗膜面をラビング等の配向処理をすることにより、液晶配向膜として使用することができる。この塗膜を配向処理する方法は、ラビング法、光配向処理法などが挙げられる。
光配向処理法の具体例としては、前記塗膜表面に、一定方向に偏光した放射線を照射し、場合によっては、さらに150〜250℃の温度で加熱処理を行い、液晶配向能を付与する方法が挙げられる。放射線としては、100〜800nmの波長を有する紫外線及び可視光線を用いることができる。このうち、100〜400nmの波長を有する紫外線が好ましく、200〜400nmの波長を有する紫外線が特に好ましい。また、液晶配向性を改善するために、塗膜基板を50〜250℃で加熱しつつ、放射線を照射してもよい。前記放射線の照射量は、1〜10,000mJ/cm2の範囲にあることが好ましく、100〜5,000mJ/cm2の範囲にあることが特に好ましい。
上記のようにして液晶配向膜が形成された基板を2枚作製し、それぞれの液晶配向膜における配向処理方向が直交又は逆平行となるように、2枚の基板を、間隙(セルギャップ)を介して対向配置し、2枚の基板の周辺部をシール剤を用いて貼り合わせ、基板表面及びシール剤により区画されたセルギャップ内に液晶を注入充填し、注入孔を封止して液晶セルを構成する。そして、液晶セルの外表面、すなわち、液晶セルを構成するそれぞれの基板の他面側に、偏光板を、その偏光方向が当該基板の一面に形成された液晶配向膜のラビング方向と一致又は直交するように貼り合わせることにより、液晶表示素子が得られる。
NMP:N−メチル−2−ピロリドン
GBL:γ−ブチロラクトン
BCS:ブチルセロソルブ
IPA:2−プロパノール
DE−1:下記式(DE−1)参照;
DA−1:下記式(DA−1)参照;
DA−2:下記式(DA−2)参照;
DA−3:下記式(DA−3)参照;
DA−4:下記式(DA−4)参照;
添加剤A:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(ダイセル・サイテック社製)
添加剤B:グリセリンジグリシジルエーテルアクリル酸付加物(商品名:エポキシエステル80MFA、共栄社化学社製)
ポリアミック酸エステル及びポリアミック酸溶液の粘度は、E型粘度計のTVE−22H(東機産業社製)を用い、サンプル量1.1ml、コーンロータTE−1(1°34’、R24)、温度25℃で測定した。
[分子量]
ポリアミック酸エステル及びポリアミック酸の分子量は、GPC(常温ゲル浸透クロマトグラフィー)装置によって測定し、ポリエチレングリコール(ポリエチレンオキシド)換算値として、数平均分子量(以下、Mnとも言う)と重量平均分子量(以下、Mwとも言う)を算出した。
GPC装置:Shodex社製(GPC−101)
カラム:Shodex社製(KD803、及びKD805の直列)
カラム温度:50℃
溶離液:N,N−ジメチルホルムアミド(添加剤として、臭化リチウム−水和物(LiBr・H2O)が30mmol/L(リットル)、リン酸・無水結晶(o−リン酸)が30mmol/L、テトラヒドロフラン(THF)が10ml/L)
流速:1.0ml/分
検量線作成用標準サンプル:東ソー社製 TSK 標準ポリエチレンオキサイド(重量平均分子量(Mw) 約900,000、150,000、100,000、及び30,000)及びポリマーラボラトリー社製 ポリエチレングリコール(ピークトップ分子量(Mp)約12,000、4,000、及び1,000)を用いた。測定は、ピークが重なるのを避けるため、900,000、100,000、12,000、及び1,000の4種類を混合したサンプル、及び150,000、30,000、及び4,000の3種類を混合したサンプルの2サンプルを別々に実施した。
始めに電極付きの基板を準備した。基板は、30mm×35mmの大きさで、厚さが0.7mmのガラス基板である。基板上には第1層目として対向電極を構成する、ベタ状のパターンを備えたIZO電極が形成されている。第1層目の対向電極の上には第2層目として、CVD法により成膜されたSiN(窒化珪素)膜が形成されている。第2層目のSiN膜の膜厚は500nmであり、層間絶縁膜として機能する。第2層目のSiN膜の上には、第3層目としてIZO膜をパターニングして形成された櫛歯状の画素電極が配置され、第1画素および第2画素の2つの画素を形成している。各画素のサイズは、縦10mmで横約5mmである。このとき、第1層目の対向電極と第3層目の画素電極とは、第2層目のSiN膜の作用により電気的に絶縁されている。
各画素の第1領域と第2領域とを比較すると、それらを構成する画素電極の電極要素の形成方向が異なるものとなっている。すなわち、後述する液晶配向膜の液晶配向方向を基準とした場合、画素の第1領域では画素電極の電極要素が+10°の角度をなすように形成され、画素の第2領域では画素電極の電極要素が−10°の角度をなすように形成されている。すなわち、各画素の第1領域と第2領域とでは、画素電極と対向電極との間の電圧印加によって誘起される液晶の、基板面内での回転動作(インプレーン・スイッチング)の方向が互いに逆方向となるように構成されている。
上記、2枚の基板を一組とし、基板上にシール剤を印刷し、もう1枚の基板を、液晶配向膜面が向き合い配向方向が0°になるようにして張り合わせた後、シール剤を硬化させて空セルを作製した。この空セルに減圧注入法によって、液晶MLC−2041(メルク社製)を注入し、注入口を封止して、FFS駆動液晶セルを得た。
上記で作製した液晶セルを用い、60℃の恒温環境下、周波数30Hzで±10Vの交流電圧を144時間印加した。その後、液晶セルの画素電極と対向電極との間をショートさせた状態にし、そのまま室温に一日放置した。
放置の後、液晶セルを偏光軸が直交するように配置された2枚の偏光板の間に設置し、電圧無印加の状態でバックライトを点灯させておき、透過光の輝度が最も小さくなるように液晶セルの配置角度を調整した。そして、第1画素の第2領域が最も暗くなる角度から第1領域が最も暗くなる角度まで液晶セルを回転させたときの回転角度を角度Δとして算出した。第2画素でも同様に、第2領域と第1領域とを比較し、同様の角度Δを算出した。そして、第1画素と第2画素の角度Δ値の平均値を液晶セルの角度Δとして算出した。交流駆動焼き付きΔが0.1未満を良好とし、それ以上を不良とした。
撹拌装置付きの500mLの四つ口フラスコを窒素雰囲気とし、p−フェニレンジアミンを4.58g(42.4mmol)、DA−1を1.79g (4.71mmol)、NMPを84.7g、GBLを254g、及び塩基としてピリジン8.40g(106mmol) を加え、撹拌して溶解させた。次にこのジアミン溶液を撹拌しながらDE−1を14.4g(44.2mmol)添加し、15℃で一晩反応させた。一晩攪拌後、アクリロイルクロリドを1.23g (13.6mmol) 加えて、15℃で4時間反応させた。得られたポリアミック酸エステルの溶液を、1477gのIPAに撹拌しながら投入し、析出した白色沈殿をろ取し、続いて、738gのIPAで5回洗浄し、乾燥することで白色のポリアミック酸エステル樹脂粉末17.3gを得た。収率は、96.9%であった。また、このポリアミック酸エステルの分子量はMn=14,288、Mw=29,956であった。
得られたポリアミック酸エステル樹脂粉末3.69gを100mL三角フラスコにとりGBLを33.2g加え、室温で24時間攪拌し溶解させて、ポリアミック酸エステル溶液PAE−1を得た。
撹拌装置付き及び窒素導入管付きの100mL四つ口フラスコに、3,5−ジアミノ安息香酸を0.91g(5.98mmol)、4,4’−ジアミノジフェニルアミンを4.78g(23.9mmol)、NMPを13.3g、及びGBLを6.66g加えて、窒素を送りながら撹拌し溶解させた。このジアミン溶液を撹拌しながら1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸二無水物を4.76g(24.0mmol)添加し、GBLを9.99g加えて、室温で2時間攪拌した。次に、GBLを20.0g加えて攪拌した後、ピロメリット酸二無水物を1.31g(6.00mmol)添加し、GBLを4.80g加えて、室温で24時間攪拌し、ポリアミック酸溶液(PAA−1)を得た。得られたポリアミック酸溶液の25℃における粘度は4,147mPa・sであった。また、ポリアミック酸の分子量はMn=24,333、Mw=60,010であった。
撹拌装置付き及び窒素導入管付きの100mL四つ口フラスコに、3,5−ジアミノ安息香酸を0.30g(1.98mmol)、4,4’−ジアミノジフェニルメチルアミンを1.71g(8.02mmol)、NMPを2.25g、及びGBLを11.3g加えて、窒素を送りながら撹拌し溶解させた。このジアミン溶液を撹拌しながら1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸二無水物を1.72g(8.68mmol)添加し、GBLを4.50g加えて、室温で2時間攪拌した。次に、ピロメリット酸二無水物を0.22g(1.01mmol)添加し、GBLを4.50g加えて、室温で24時間攪拌し、ポリアミック酸溶液(PAA−2)を得た。得られたポリアミック酸溶液の25℃における粘度は232mPa・sであった。また、ポリアミック酸の分子量はMn=9,870、Mw=20,054であった。
撹拌装置付きの500mLの四つ口フラスコを窒素雰囲気とし、p−フェニレンジアミンを2.50g(23.1mmol)、DA−3を0.59g(1.22mmol)、NMPを42.8g、GBLを129g、及び塩基としてピリジン4.34g(54.9mmol)を加え、撹拌して溶解させた。次にこのジアミン溶液を撹拌しながらDE−1を7.44g(22.9mmol)添加し、15℃で一晩反応させた。一晩攪拌後、アクリロイルクロリドを0.63g(7.01mmol)加えて、15℃で4時間反応させた。得られたポリアミック酸エステルの溶液を、574gのIPAに撹拌しながら投入し、析出した白色沈殿をろ取し、続いて、382gのIPAで5回洗浄し、乾燥することで白色のポリアミック酸エステル樹脂粉末8.82gを得た。収率は、97.8%であった。また、このポリアミック酸エステルの分子量はMn=16,617、Mw=37,387であった。
得られたポリアミック酸エステル樹脂粉末0.80gを100mL三角フラスコにとりGBLを7.20g加え、室温で24時間攪拌し溶解させて、ポリアミック酸エステル溶液PAE−2を得た。
撹拌装置付きの500mLの四つ口フラスコを窒素雰囲気とし、p−フェニレンジアミンを1.23g(11.3mmol)、4,4’−エチレンジアニリンを0.80g(3.77mmol)、NMPを27.0g、GBLを91.2g、及び塩基としてピリジン2.69g(34.0mmol)を加え、撹拌して溶解させた。次にこのジアミン溶液を撹拌しながらDE−1を4.61g(14.2mmol)添加し、15℃で一晩反応させた。一晩攪拌後、アクリロイルクロリドを0.39g(4.34mmol)加えて、15℃で4時間反応させた。得られたポリアミック酸エステルの溶液を、384gのIPAに撹拌しながら投入し、析出した白色沈殿をろ取し、続いて、256gのIPAで5回洗浄し、乾燥することで白色のポリアミック酸エステル樹脂粉末5.11gを得た。収率は、89.6%であった。また、このポリアミック酸エステルの分子量はMn=14,806、Mw=32,719であった。
得られたポリアミック酸エステル樹脂粉末0.80gを100mL三角フラスコにとりGBLを7.20g加え、室温で24時間攪拌し溶解させて、ポリアミック酸エステル溶液PAE−3を得た。
撹拌装置付きの500mLの四つ口フラスコを窒素雰囲気とし、p−フェニレンジアミンを2.80g(25.9mmol)、DA−2を1.45g(6.47mmol)、NMPを111g、及び塩基としてピリジン6.18g(78.1mmol)を加え、撹拌して溶解させた。次にこのジアミン溶液を撹拌しながらDE−1を9.89g(30.4mmol)添加し、15℃で一晩反応させた。一晩攪拌後、アクリロイルクロリドを0.38g(4.21mmol)加えて、15℃で4時間反応させた。得られたポリアミック酸エステルの溶液を、1230gの水に撹拌しながら投入し、析出した白色沈殿をろ取し、続いて、1230gのIPAで5回洗浄し、乾燥することで白色のポリアミック酸エステル樹脂粉末10.2gを得た。収率は、83.0%であった。また、このポリアミック酸エステルの分子量はMn=20,786、Mw=40,973であった。
得られたポリアミック酸エステル樹脂粉末0.798gを100mL三角フラスコにとりGBLを7.18g加え、室温で24時間攪拌し溶解させて、ポリアミック酸エステル溶液PAE−4を得た。
撹拌装置付きの500mLの四つ口フラスコを窒素雰囲気とし、DA−4を14.4g(58.8mmol)、DA−1を2.48g(6.53mmol)、NMPを622g、及び塩基としてピリジン11.6g(147mmol)を加え、撹拌して溶解させた。次にこのジアミン溶液を撹拌しながらDE−1を20.0g(61.4mmol)添加し、15℃で一晩反応させた。一晩攪拌後、アクリロイルクロリドを1.70g(18.8mmol)加えて、15℃で4時間反応させた。得られたポリアミック酸エステルの溶液を、2691gのIPAに撹拌しながら投入し、析出した白色沈殿をろ取し、続いて、1345gのIPAで5回洗浄し、乾燥することで白色のポリアミック酸エステル樹脂粉末31.4gを得た。収率は、95.9%であった。また、このポリアミック酸エステルの分子量はMn=13,012、Mw=25,594であった。
得られたポリアミック酸エステル樹脂粉末3.70gを100mL三角フラスコにとりNMPを33.3g加え、室温で24時間攪拌し溶解させて、ポリアミック酸エステル溶液PAE−5を得た。
(実施例1)
合成例1で得られたポリアミック酸エステル溶液PAE−1を4.40g、合成例2で得られたポリアミック酸溶液PAA−1を5.50g秤量し、NMPを0.52g、GBLを5.58g、BCSを4.01g、N−α―(9−フルオレニルメトキシカルボニル)−N−τ−t−ブトキシカルボニル−L−ヒスチジンを0.15g、及び添加剤Aを0.11g加え、室温で3時間攪拌し、液晶配向剤A1を得た。
この液晶配向剤A1を用いて、下記に示すような手順で密着性評価用基板及び液晶セルの作製を行った。
<<サンプル作製>>
密着性評価のサンプルは、以下のように作製した。30mm×40mmのITO基板に、スピンコート塗布にて液晶配向剤A1を塗布した。80℃のホットプレート上で2分間乾燥させた後、230℃の熱風循環式オーブンで14分間焼成を行い、膜厚100nmの塗膜を形成させた。この塗膜面に偏光板を介して254nmの紫外線を500mJ/cm2照射し、液晶配向膜付き基板を得た。
このようにして得られた2枚の基板を用意し、一方の基板の液晶配向膜面上に4μmビーズスペーサーを塗布した後、シール剤(協立化学社製XN−1500T)を滴下した。次いで、他方の基板の液晶配向膜面を内側にし、基板の重なり幅が1cmになるように、貼り合わせを行った。その際、貼り合わせ後のシール剤の直径が3mmとなるようにシール剤滴下量を調整した。貼り合わせた2枚の基板をクリップにて固定した後、150℃で1時間熱硬化させて、密着性評価用のサンプルを作製した。
その後、サンプル基板を島津製作所社製の卓上形精密万能試験機(AGS−X 500N)にて、上下基板の端の部分を固定した後、基板中央部の上部から押し込みを行い、剥離する際の圧力(N)を測定した。測定した基板の剥離箇所について観察を行い、シール/膜間、又は膜/基板間での剥離が起きず、シール剤全体もしくはシール剤一部で断裂したものを○と判定した。シール/膜間で剥離した場合、シール/膜間の密着性を×とし、膜/基板で剥離した場合、膜/基板間の密着性を×と判定した。
合成例1で得られたポリアミック酸エステル溶液PAE−1を4.42g、合成例2で得られたポリアミック酸溶液PAA−1を5.48g秤量し、NMPを0.50g、GBLを5.60g、BCSを3.99g、N−α―(9−フルオレニルメトキシカルボニル)−N−τ−t−ブトキシカルボニル−L−ヒスチジンを0.15g、及び添加剤Bを0.11g加え、室温で3時間攪拌し、液晶配向剤A2を得た。
合成例1で得られたポリアミック酸エステル溶液PAE−1を4.40g、合成例3で得られたポリアミック酸溶液PAA−2を4.07g秤量し、NMPを0.06g、GBLを7.46g、BCSを3.98g、及びN−α―(9−フルオレニルメトキシカルボニル)−N−τ−t−ブトキシカルボニル−L−ヒスチジンを0.15g、添加剤Aを0.11g加え、室温で3時間攪拌し、液晶配向剤A3を得た。
合成例1で得られたポリアミック酸エステル溶液PAE−1を4.41g、合成例3で得られたポリアミック酸溶液PAA−2を4.04g秤量し、NMPを0.06g、GBLを7.48g、BCSを4.00g、及びN−α―(9−フルオレニルメトキシカルボニル)−N−τ−t−ブトキシカルボニル−L−ヒスチジンを0.15g、添加剤Bを0.11g加え、室温で3時間攪拌し、液晶配向剤A4を得た。
合成例4で得られたポリアミック酸エステル溶液PAE−2を4.41g、合成例2で得られたポリアミック酸溶液PAA−1を5.49g秤量し、NMPを0.50g、GBLを5.60g、BCSを4.00g、N−α―(9−フルオレニルメトキシカルボニル)−N−τ−t−ブトキシカルボニル−L−ヒスチジンを0.15g、及び添加剤Aを0.11g加え、室温で3時間攪拌し、液晶配向剤A5を得た。
合成例4で得られたポリアミック酸エステル溶液PAE−2を4.42g、合成例2で得られたポリアミック酸溶液PAA−1を5.48g秤量し、NMPを0.50g、GBLを5.60g、BCSを4.00g、N−α―(9−フルオレニルメトキシカルボニル)−N−τ−t−ブトキシカルボニル−L−ヒスチジンを0.15g、及び添加剤Bを0.11g加え、室温で3時間攪拌し、液晶配向剤A6を得た。
合成例5で得られたポリアミック酸エステル溶液PAE−3を4.42g、合成例2で得られたポリアミック酸溶液PAA−1を5.49g秤量し、NMPを0.50g、GBLを5.60g、BCSを4.00g、N−α―(9−フルオレニルメトキシカルボニル)−N−τ−t−ブトキシカルボニル−L−ヒスチジンを0.15g、及び添加剤Aを0.11g加え、室温で3時間攪拌し、液晶配向剤A7を得た。
合成例5で得られたポリアミック酸エステル溶液PAE−3を4.42g、合成例2で得られたポリアミック酸溶液PAA−1を5.49g秤量し、NMPを0.50g、GBLを5.60g、BCSを4.00g、N−α―(9−フルオレニルメトキシカルボニル)−N−τ−t−ブトキシカルボニル−L−ヒスチジンを0.15g、及び添加剤Bを0.11g加え、室温で3時間攪拌し、液晶配向剤A8を得た。
合成例6で得られたポリアミック酸エステル溶液PAE−4を4.42g、合成例2で得られたポリアミック酸溶液PAA−1を5.50g秤量し、NMPを0.50g、GBLを5.60g、BCSを4.00g、N−α―(9−フルオレニルメトキシカルボニル)−N−τ−t−ブトキシカルボニル−L−ヒスチジンを0.15g、及び添加剤Aを0.11g加え、室温で3時間攪拌し、液晶配向剤A9を得た。
<実施例10>
合成例6で得られたポリアミック酸エステル溶液PAE−4を4.40g、合成例2で得られたポリアミック酸溶液PAA−1を5.49g秤量し、NMPを0.50g、GBLを5.60g、BCSを4.00g、N−α―(9−フルオレニルメトキシカルボニル)−N−τ−t−ブトキシカルボニル−L−ヒスチジンを0.15g、及び添加剤Bを0.11g加え、室温で3時間攪拌し、液晶配向剤A10を得た。
合成例7で得られたポリアミック酸エステル溶液PAE−5を4.42g、合成例2で得られたポリアミック酸溶液PAA−1を5.49g秤量し、NMPを0.50g、GBLを5.60g、BCSを4.00g、N−α―(9−フルオレニルメトキシカルボニル)−N−τ−t−ブトキシカルボニル−L−ヒスチジンを0.15g、及び添加剤Aを0.11g加え、室温で3時間攪拌し、液晶配向剤A11を得た。
合成例7で得られたポリアミック酸エステル溶液PAE−5を4.42g、合成例2で得られたポリアミック酸溶液PAA−1を5.48g秤量し、NMPを0.50g、GBLを5.60g、BCSを4.00g、N−α―(9−フルオレニルメトキシカルボニル)−N−τ−t−ブトキシカルボニル−L−ヒスチジンを0.15g、及び添加剤Bを0.11g加え、室温で3時間攪拌し、液晶配向剤A12を得た。
合成例1で得られたポリアミック酸エステル溶液PAE−1を4.39g、合成2で得られたポリアミック酸溶液PAA−1を5.52g秤量し、NMPを0.50g、GBLを5.57g、BCSを4.02g、及びN−α―(9−フルオレニルメトキシカルボニル)−N−τ−t−ブトキシカルボニル−L−ヒスチジンを0.15g加え、室温で3時間攪拌し、液晶配向剤B1を得た。
合成例1で得られたポリアミック酸エステル溶液PAE−1を4.42g、合成例3で得られたポリアミック酸溶液PAA−2を4.07g秤量し、NMPを0.06g、GBLを7.50g、BCSを4.01g、及びN−α―(9−フルオレニルメトキシカルボニル)−N−τ−t−ブトキシカルボニル−L−ヒスチジンを0.15g加え、室温で3時間攪拌し、液晶配向剤B2を得た。
合成例1で得られたポリアミック酸エステル溶液PAE−1を11.0g、GBLを4.99g、BCSを4.02g、及びN−α―(9−フルオレニルメトキシカルボニル)−N−τ−t−ブトキシカルボニル−L−ヒスチジンを0.15g、添加剤Aを0.11g加え、室温で3時間攪拌し、液晶配向剤B3を得た。
合成例1で得られたポリアミック酸エステル溶液PAE−1を11.0g、GBLを5.00g、BCSを4.01g、及びN−α―(9−フルオレニルメトキシカルボニル)−N−τ−t−ブトキシカルボニル−L−ヒスチジンを0.15g加え、室温で3時間攪拌し、液晶配向剤B4を得た。
合成2で得られたポリアミック酸溶液PAA−1を9.17g秤量し、NMPを1.37g、GBLを5.47g、BCSを3.99g、及びN−α―(9−フルオレニルメトキシカルボニル)−N−τ−t−ブトキシカルボニル−L−ヒスチジンを0.13g加え、室温で3時間攪拌し、液晶配向剤B5を得た。
合成例3で得られたポリアミック酸溶液PAA−2を6.79g秤量し、NMPを1.84g、GBLを7.37g、BCSを4.00g、及びN−α―(9−フルオレニルメトキシカルボニル)−N−τ−t−ブトキシカルボニル−L−ヒスチジンを0.15g加え、室温で3時間攪拌し、液晶配向剤B6を得た。
合成例4で得られたポリアミック酸エステル溶液PAE−2を11.0g、GBLを4.99g、BCSを4.01g、及びN−α―(9−フルオレニルメトキシカルボニル)−N−τ−t−ブトキシカルボニル−L−ヒスチジンを0.15g、添加剤Aを0.11g加え、室温で3時間攪拌し、液晶配向剤B7を得た。
合成例4で得られたポリアミック酸エステル溶液PAE−2を11.0g、GBLを5.00g、BCSを4.01g、及びN−α―(9−フルオレニルメトキシカルボニル)−N−τ−t−ブトキシカルボニル−L−ヒスチジンを0.15g加え、室温で3時間攪拌し、液晶配向剤B8を得た。
合成例5で得られたポリアミック酸エステル溶液PAE−3を11.0g、GBLを5.00g、BCSを4.00g、及びN−α―(9−フルオレニルメトキシカルボニル)−N−τ−t−ブトキシカルボニル−L−ヒスチジンを0.15g、添加剤Aを0.11g加え、室温で3時間攪拌し、液晶配向剤B9を得た。
合成例5で得られたポリアミック酸エステル溶液PAE−3を11.0g、GBLを5.00g、BCSを4.01g、及びN−α―(9−フルオレニルメトキシカルボニル)−N−τ−t−ブトキシカルボニル−L−ヒスチジンを0.15g加え、室温で3時間攪拌し、液晶配向剤B10を得た。
合成例6で得られたポリアミック酸エステル溶液PAE−4を11.1g、GBLを4.98g、BCSを4.02g、及びN−α―(9−フルオレニルメトキシカルボニル)−N−τ−t−ブトキシカルボニル−L−ヒスチジンを0.15g、添加剤Aを0.11g加え、室温で3時間攪拌し、液晶配向剤B11を得た。
合成例6で得られたポリアミック酸エステル溶液PAE−4を11.0g、GBLを5.00g、BCSを4.01g、及びN−α―(9−フルオレニルメトキシカルボニル)−N−τ−t−ブトキシカルボニル−L−ヒスチジンを0.15g加え、室温で3時間攪拌し、液晶配向剤B12を得た。
合成例7で得られたポリアミック酸エステル溶液PAE−5を11.0g、GBLを4.98g、BCSを4.02g、及びN−α―(9−フルオレニルメトキシカルボニル)−N−τ−t−ブトキシカルボニル−L−ヒスチジンを0.15g、添加剤Aを0.11g加え、室温で3時間攪拌し、液晶配向剤B13を得た。
合成例7で得られたポリアミック酸エステル溶液PAE−5を11.0g、GBLを5.00g、BCSを4.01g、及びN−α―(9−フルオレニルメトキシカルボニル)−N−τ−t−ブトキシカルボニル−L−ヒスチジンを0.15g加え、室温で3時間攪拌し、液晶配向剤B14を得た。
この液晶配向剤B14を用いた以外は、実施例1と同様な方法により密着性評価及び交流駆動焼き付き評価を行った。
同様に、上記実施例5〜12、及び比較例7〜14でそれぞれ得られた液晶配向剤を用いて、実施例1と同様な方法により得られた液晶セルについての密着性評価及び交流駆動焼き付き評価を行った結果を、表2にまとめて示す。
Claims (16)
- 下記の(A)成分、(B)成分、及び(C)成分を含有することを特徴とする液晶配向剤。
(A)成分:下記式(1)で表されるテトラカルボン酸ジアルキルエステル誘導体を60mol%以上含むテトラカルボン酸ジアルキルエステル誘導体と下記式(2)〜(5)で表されるジアミンからなる群から選ばれる少なくとも1つのジアミンを含むジアミンとの重縮合反応によって得られるポリアミック酸エステル。
(B)成分:テトラカルボン酸二無水物とジアミンとの重縮合反応によって得られるポリアミック酸。
(C)成分:2官能若しくは多官能の(メタ)アクリル酸又はその誘導体。 - 上記(A)成分と(B)成分との含有比率が、質量比(A/B)にて1/9〜9/1であり、(C)成分の含有量が、(A)成分と(B)成分との和に対して0.1〜10質量%である請求項1に記載の液晶配向剤。
- (A)成分が、上記式(2)〜式(5)で表されるジアミンからなる群から選ばれる少なくとも1種のジアミンを全ジアミンに対して40〜100モル%含むジアミンを用いて得られるポリアミック酸エステルである請求項1又は2に記載の液晶配向剤。
- (A)成分が、式(2)で表されるジアミン及び式(3)で表されるジアミンからなる群から選ばれる少なくとも1種のジアミンと、式(4)で表されるジアミン及び式(5)で表されるジアミンからなる群から選ばれる少なくとも1種のジアミンと、を含むジアミンを用いて得られるポリアミック酸エステルである請求項1〜3のいずれかに記載の液晶配向剤。
- (A)成分が、式(2)で表されるジアミンと、式(4)で表されるジアミンからなる群から選ばれる少なくとも1種のジアミンと、を含むジアミンを用いて得られるポリアミック酸エステルである請求項1〜4のいずれかに記載の液晶配向剤。
- (A)成分が、上記式(2)のジアミンと、上記式(A−1)〜(A−5)からなる群から選ばれる少なくとも1種のジアミンと、を含むジアミンを用いて得られるポリアミック酸エステルである請求項7に記載の液晶配向剤。
- (B)成分が、上記式(B−1)〜(B−9)からなる群から選ばれる少なくとも1種のテトラカルボン酸二無水物を全テトラカルボン酸二無水物の20モル%以上有するテトラカルボン酸二無水物とジアミンとの重縮合反応によって得られるポリアミック酸である請求項1〜9のいずれかに記載の液晶配向剤。
- (B)成分が、上記式(B−10)〜(B−14)からなる群から選ばれる少なくとも1種のジアミンを全ジアミンの20モル%以上有するジアミンを用いて得られるポリアミック酸である請求項11に記載の液晶配向剤。
- (C)成分が、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、又はグリセリンジグリシジルエーテルアクリル酸付加物である、請求項1〜12のいずれかに記載の液晶配向剤。
- さらに、γ−ブチロラクトン及びその誘導体からなる群から選ばれる少なくとも1種の有機溶媒(D1)と、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチルイミダゾリジノン及びそれらの誘導体からなる群から選ばれる少なくとも1種の有機溶媒(D2)とからなり、有機溶媒(D1)の含有量が、有機溶媒(D1)と有機溶媒(D2)の合計量に対して、2〜30質量%である混合有機溶媒を含有する請求項1〜13のいずれか1項に記載の液晶配向剤。
- 光配向処理される液晶配向膜用である、請求項1〜14のいずれかに記載の液晶配向剤。
- 請求項1〜15のいずれかに記載の液晶配向剤を基板に塗布し、焼成して得られる液晶配向膜。
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